JP3698863B2 - 片面金属張り積層板製造用接合材 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、片面プリント配線板として使用される片面金属張り積層板を製造する際に用いられる接合材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
片面に銅箔などの金属箔を積層した片面金属箔張り積層板を製造するにあたって、特開平7−273424号公報等で提供されるような、接合材を用いる方法がある。
すなわちこの接合材としては、例えば、基材の両面にエポキシ樹脂とシリコン樹脂の混合樹脂を塗布した離型材や、フッ素樹脂系フィルム離型材や、トリアセテートフィルム離型材などが用いられるものであり、図2(a)のように接合材Aの両側にそれぞれ複数枚のプリプレグ3を重ね、さらに各プリプレグ3の最外層に銅箔等の金属箔4を重ね、これを加熱加圧することによって接合材Aの両面にそれぞれ接合させた状態で図2(b)のように片面金属張り積層板5を成形することができるものである。
【0003】
このように接合材Aを用いることによって、2枚の片面金属張り積層板5を同時に成形することができるものであり、生産性高く片面金属張り積層板5を製造することができるものである。そして各片面金属張り積層板5を接合材Aから剥がして、各片面金属張り積層板5に個別に回路印刷、エッチング、ドリル加工等を行なって、片面プリント配線板に加工することができるが、接合材Aの両面にそれぞれ片面金属張り積層板5を接合した上記のものを1セットとして、回路印刷、エッチング、ドリル加工等を行なうことによって、接合材Aの両面の片面金属張り積層板5を同時に片面プリント配線板に加工することができるものであり、従ってこの場合には、加工効率を高く得ることがきるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、接合材Aとして従来から使用されている上記のものを用いると、接合材Aに対する片面金属張り積層板5の密着性が不十分であり、プリント加工の工程中に接合材Aから片面金属張り積層板5が剥離したり、また接合材Aと片面金属張り積層板5の間にエッチング液がしみ込んで片面金属張り積層板5の基板10の裏面にエッチング液が残ったりする等の問題があった。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、密着性高く接合して片面金属張り積層板を成形することができ、しかもこの積層板を剥離するときには積層板に樹脂層の樹脂が転写されて残ったりすることがない片面金属張り積層板製造用接合材を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る片面金属張り積層板製造用接合材は、両面にプリプレグ3を介して金属箔4を配置すると共にこれを加熱加圧することによって、片面金属張り積層板5を両面に接合させて成形するために用いられる接合材Aにおいて、金属材1の両側の表面にそれぞれエポキシ樹脂とメラミン樹脂を混合した熱硬化性樹脂からなる樹脂層2を設けて成ることを特徴とするものである。
【0007】
また請求項2の発明は、請求項1において、エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂を用い、エポキシ樹脂100重量部に対してメラミン樹脂を1〜100重量部混合して成ることを特徴とするものである。
本発明の請求項3に係る片面金属張り積層板製造用接合材は、両面にプリプレグ3を介して金属箔4を配置すると共にこれを加熱加圧することによって、片面金属張り積層板5を両面に接合させて成形するために用いられる接合材Aにおいて、金属材1の両側の表面にそれぞれエポキシ樹脂とメラミン樹脂とアクリル・ブタジエン・メタクリル酸共重合物とポリエステル系樹脂を混合した熱硬化性樹脂からなる樹脂層2を設けて成ることを特徴とするものである。
【0008】
また請求項4の発明は、請求項3において、エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂を用い、エポキシ樹脂100重量部に対してメラミン樹脂を1〜100重量部混合して成ることを特徴とするものである。
また請求項5の発明は、請求項1乃至4において、樹脂層2は熱硬化性樹脂をCステージ状態に硬化させて形成されていることを特徴とするものである。
【0009】
また請求項6の発明は、請求項1乃至5において、樹脂層2の厚みが0.1〜10μmであることを特徴とするものである。
また請求項7の発明は、請求項1乃至6において、金属材1がアルミニウム箔であることを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の接合材Aは、芯材となる金属材1の両面に樹脂層2,2を設けて形成されるものであり、金属材1としては、アルミニウム箔や銅箔などの金属箔を用いることができる。金属材1としてこのように金属箔を用いる場合には、アルミニウム箔を使用するのが好ましい。この金属材1は片面金属張り積層板の製造に一般に用いられる銅箔に熱膨張が近く、表面が平滑なものが適している。金属材1として銅箔を使用する場合、厚みの薄いものを使用するには電解銅箔を使用する必要があるが、電解銅箔は片面が粗面に形成されており、不適である。これに対してアルミニウム箔は厚みが薄く表面が平滑化されたものが汎用されており、熱膨張も銅箔に近いために、適しているものである。
【0011】
また、樹脂層2を形成する樹脂としては、エポキシ樹脂とメラミン樹脂からなる熱硬化性樹脂を用いるものである。エポキシ樹脂とメラミン樹脂を混合してブレンド熱硬化性樹脂として使用することができるものである。エポキシ樹脂としてはビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いるのが好ましい。片面金属張り積層板の製造に使用されるプリプレグは一般にエポキシ樹脂で作製されているが、このエポキシ樹脂にはビスフェノールA型エポキシ樹脂が使用されることが多く、プリプレグの樹脂との接合性から樹脂層2を形成する樹脂のエポキシ樹脂としてはビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましいのである。エポキシ樹脂とメラミン樹脂の混合量は、エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いる場合、エポキシ樹脂100重量部に対して、メラミン樹脂1〜100重量部の範囲が好ましい。メラミン樹脂の混合量が1重量部未満であると、樹脂層2が硬く脆くなり、後述のように成形した片面金属張り積層板5の基板10に樹脂が転写し易くなる。逆にメラミン樹脂の混合量が100重量部を超えると、樹脂層2の耐熱性や耐溶剤性が悪くなり、同様に片面金属張り積層板5の基板10に樹脂が転写し易くなる。
【0012】
またエポキシ樹脂とメラミン樹脂をベースとし、さらに剥離強度をコントロールするために、アクリル・ブタジエン・メタクリル酸共重合物とポリエステル系樹脂を混合して調製した熱硬化性樹脂を用いることもできる。アクリル・ブタジエン・メタクリル酸共重合物としては、各共重合成分の重量比率が、アクリル1に対して、ブタジエンが1〜4、メタクリル酸が0.1〜2の範囲のものが好ましい。またポリエステル系樹脂としては後述する化学構造式(D)のものなどの熱可塑性ポリエステル樹脂を用いることができる。これらの配合量は、エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いる場合、エポキシ樹脂100重量部に対して、メラミン樹脂1〜100重量部の範囲が好ましく、さらにアクリル・ブタジエン・メタクリル酸共重合物は0〜10重量部、ポリエステル系樹脂は0〜1重量部の範囲が好ましい。
【0013】
そして、金属材1の両面にそれぞれ熱硬化性樹脂を塗布して樹脂層2,2を形成することによって、接合材Aを作製することができるものである。形成する樹脂層2の厚みは、0.1〜10μmの範囲が好ましい。樹脂層2の厚みをこの範囲に設定することによって、金属材1への樹脂層2の密着性が良好になり、樹脂層2が金属材1から剥離して後述のように成形した片面金属張り積層板5の基板10に樹脂が転写し難くなるものである。
【0014】
このとき、金属材1に塗布した熱硬化性樹脂を加熱することによって、樹脂層2をCステージ状態にまで完全に硬化させるようにするのが好ましい。樹脂層2が半硬化のBステージ状態であると、後述のように接合材Aに接合させて成形した片面金属張り積層板5を接合材Aから剥離する際の剥離性が悪くなると共に片面金属張り積層板5の基板10の背面に樹脂層2が転写するおそれがあるので、樹脂層2はCステージ状態に硬化させて形成するのが好ましい。
【0015】
上記のようにして作製される接合材Aを用いて片面金属張り積層板5を製造するにあたっては、図1(a)に示すように、接合材Aの両面に複数枚のプリプレグ3を重ねると共に、このプリプレグ3の外側に銅箔などの金属箔4を重ね、これを加熱加圧成形することによって、図1(b)のように、プリプレグ3による基板10の片側表面に金属箔4が積層された2枚の片面金属張り積層板5を接合材Aの両面に成形することができるものであり、各片面金属張り積層板5は接合材Aの表面に接合されて一体化された状態で成形されるものである。
【0016】
そして、このように接合材Aの両面にそれぞれ片面金属張り積層板5を接合したものを1セットとして、各片面金属張り積層板5に回路印刷、エッチング、ドリル加工等を行なうことによって、接合材Aの両面の片面金属張り積層板5を同時に片面プリント配線板に加工することができるものである。このようにプリント加工するにあたって、接合材Aの表面にはエポキシ樹脂とメラミン樹脂をベースとする樹脂層2が形成してあり、接合材Aの表面と片面金属張り積層板5との間の密着性を高く得ることができる。従って、プリント加工の工程中に接合材Aから片面金属張り積層板5が剥離したり、また接合材Aと片面金属張り積層板5の間にエッチング液がしみ込んで片面金属張り積層板5の基板10の裏面にエッチング液が残ったりするようなことを防ぐことができるものである。またエポキシ樹脂とメラミン樹脂をベースとする樹脂層2は片面金属張り積層板5の剥離性も良好であり、片面プリント配線板に加工した後の片面金属張り積層板5を接合材Aから剥離する際に、樹脂層2の樹脂が片面金属張り積層板5の基板10の背面に転写して付着するようなことがなくなるものである。従って、片面プリント配線板に加工した片面金属張り積層板5の基板10の背面にシルクスクーン印刷等するにあたって、片面金属張り積層板5の基板10に対するインクの密着性に問題が生じることがなくなり、また片面プリント配線板に加工した片面金属張り積層板5を二次成形して多層プリント配線板などの多層板を製造するにあたって、層間引き剥がし強度に問題が生じることがなくなるものである。
【0017】
【実施例】
以下本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(化学構造式(A)のもの、平均分子量14900)100重量、メラミン樹脂(化学構造式(B)のもの、平均分子量241)50重量部を混合して熱硬化性樹脂を調製した。
【0018】
そして、厚み30μのアルミニウム箔(JIS H 4160 A1N30H18)を金属材1として用い、その両面にグラビアロールコート法で上記の熱硬化性樹脂をコーティングし、170℃のオーブンで1分間加熱乾燥することによって、Cステージ状態の厚み1μmの樹脂層2を金属材1の両面に設けた接合材Aを作製した。
【0019】
(実施例2)
実施例1と同じビスフェノールA型エポキシ樹脂100重量、実施例1と同じメラミン樹脂5重量部を混合して熱硬化性樹脂を調製した。この熱硬化性樹脂を用いて、後は実施例1と同様にして、金属材1の両面にCステージ状態の厚み3μmの樹脂層2を設けた接合材Aを作製した。
【0020】
(実施例3)
実施例1と同じビスフェノールA型エポキシ樹脂100重量、実施例1と同じメラミン樹脂85重量部を混合して熱硬化性樹脂を調製した。この熱硬化性樹脂を用いて、後は実施例1と同様にして、金属材1の両面にCステージ状態の厚み2μmの樹脂層2を設けた接合材Aを作製した。
【0021】
(実施例4)
実施例1と同じビスフェノールA型エポキシ樹脂100重量、実施例1と同じメラミン樹脂50重量部、アクリル・ブタジエン・メタクリル酸共重合物(化学構造式(C)のもの、平均分子量3000)0.4重量部、熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂(化学構造式(D)のもの、平均分子量3000)0.13重量部を混合して熱硬化性樹脂を調製した。この熱硬化性樹脂を用いて、後は実施例1と同様にして、金属材1の両面にCステージ状態の厚み4μmの樹脂層2を設けた接合材Aを作製した。
【0022】
(実施例5)
実施例1と同じビスフェノールA型エポキシ樹脂100重量、実施例1と同じメラミン樹脂50重量部、実施例4と同じアクリル・ブタジエン・メタクリル酸共重合物2.1重量部、実施例4と同じ熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂0.63重量部を混合して熱硬化性樹脂を調製した。この熱硬化性樹脂を用いて、後は実施例1と同様にして、金属材1の両面にCステージ状態の厚み1μmの樹脂層2を設けた接合材Aを作製した。
【0023】
(実施例6)
実施例1と同じビスフェノールA型エポキシ樹脂100重量、実施例1と同じメラミン樹脂50重量部、実施例4と同じアクリル・ブタジエン・メタクリル酸共重合物4.2重量部、実施例4と同じ熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂1.25重量部を混合して熱硬化性樹脂を調製した。この熱硬化性樹脂を用いて、後は実施例1と同様にして、金属材1の両面にCステージ状態の厚み8μmの樹脂層2を設けた接合材Aを作製した。
【0024】
(実施例7)
実施例1と同じビスフェノールA型エポキシ樹脂100重量、実施例1と同じメラミン樹脂0.5重量部を混合して熱硬化性樹脂を調製した。この熱硬化性樹脂を用いて、後は実施例1と同様にして、金属材1の両面にCステージ状態の厚み6μmの樹脂層2を設けた接合材Aを作製した。
【0025】
(実施例8)
実施例1と同じビスフェノールA型エポキシ樹脂100重量、実施例1と同じメラミン樹脂120重量部を混合して熱硬化性樹脂を調製した。この熱硬化性樹脂を用いて、後は実施例1と同様にして、金属材1の両面にCステージ状態の厚み15μmの樹脂層2を設けた接合材Aを作製した。
【0026】
(比較例1)
実施例1と同じビスフェノールA型エポキシ樹脂100重量、シリコーン樹脂(ビックケミ−ジャパン(株)製「Byk−306)1重量部、シリカ10重量部を混合して熱硬化性樹脂を調製した。この熱硬化性樹脂を用いて、後は実施例1と同様にして、金属材1の両面にCステージ状態の厚み5μmの樹脂層2を設けた接合材Aを作製した。
【0027】
【化1】
【0028】
上記の実施例1〜8及び比較例1で作製した接合材Aを用い、片面金属箔張り積層板5を製造した。
すなわち、まずガラス基材(日東紡績社製、WEA 116E S136)にエポキシ樹脂を含浸乾燥して、樹脂量42重量%、硬化時間140秒のエポキシ樹脂プリプレグ3を調製し、接合材Aの両面にこのプリプレグ3をそれぞれ2枚重ね、さらに接合材Aの両面のプリプレグ3の外側に厚み35μmの銅箔からなる金属箔4を重ねた。そしてこの構成物の上下にプレートやクッション材をセットし、成形プレス装置で、温度180℃、圧力40kg/cm2 、時間90分の条件で加熱加圧成形することによって、板厚2.0mmの2枚の片面金属張り積層板5を接合材Aの両面に接合させた状態で製造した。
【0029】
上記のように接合材Aの表面に接合させた状態で製造した片面金属張り積層板5について、接合材Aと片面金属張り積層板5との引き剥がし強さを測定した。結果を表1に示す。次に、このように接合材Aの両面にそれぞれ片面金属張り積層板5を接合したものを1セットとしてエッチング液で処理し、各片面金属張り積層板5の金属箔4をエッチングした。このようにエッチング処理を行なった際に、実施例1〜8のものは接合材Aから片面金属張り積層板5が剥離することはなく、接合材Aと片面金属張り積層板5の基板10との間にエッチング液がしみ込むこともなかったが、比較例1のものでは接合材Aから片面金属張り積層板5が剥離し、また接合材Aと片面金属張り積層板5の基板10との間にエッチング液がしみ込むものであった。
【0030】
次に、このようにエッチング処理した後に、接合材Aから片面金属張り積層板5を剥がし、片面金属張り積層板5の基板10の裏面(接合材A側の面)に樹脂層2の樹脂が転写して付着しているか否を観察した。またこのように接合材Aから剥がした片面金属張り積層板5の基板10の裏面にUV硬化インクをシルクスクリーン印刷し、基板10のインク密着性を評価した。インク密着性の評価は、基板10にUVインクをシルクスクリーンで印刷して照射することによって硬化させ、硬化させたUVインクに縦横1mm間隔の碁盤目の切り込みを入れ、粘着テープ(セロテープ)を貼って剥がす試験を行ない、粘着テープへのUVインクの転写量を測定することによって行なった。そして転写10%以下を「○」、転写10〜50%を「△」、転写50%以上を「×」と判定した。さらに、接合材Aから剥がした片面金属張り積層板5の両面に上記のエポキシ樹脂プリプレグを2枚ずつ重ねると共にその外側に厚み35μmの銅箔を重ね、温度172℃、圧力40kg/cm2 、時間90分の条件で加熱加圧して二次成形することによって、板厚0.6mmの3層構成の多層板を製造した。この多層板について層間接着強度を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
表1にみられるように、実施例1〜8のものは、接合材Aと金属張り積層板5の引き剥がし強度が高く、エッチング後に接合材Aからの剥離やエッチング液のしみ込みがなく、多層板の層間接着強度が高いものであった。また実施例1〜6のものは、接合材Aから剥がした積層板5に接合材Aの樹脂層2の樹脂が転写して付着することがなく、インクの密着性にも問題がないが、樹脂層2におけるエポキシ樹脂に対するメラミン樹脂の配合量が多い実施例7や少ない実施例8のものは、樹脂層2の樹脂の転写やインクの密着性に問題があった。
【0033】
【発明の効果】
上記のように本発明は、両面にプリプレグを介して金属箔を配置すると共にこれを加熱加圧することによって、片面金属張り積層板を両面に接合させて成形するために用いられる接合材を、金属材の表面にそれぞれエポキシ樹脂とメラミン樹脂を混合した熱硬化性樹脂からなる樹脂層を設けて形成するようにしたので、エポキシ樹脂とメラミン樹脂からなる樹脂層によって、接合材と片面金属張り積層板との間の密着性を高く得ることができ、プリント加工の工程中に接合材から片面金属張り積層板が剥離したり、接合材と片面金属張り積層板の間にエッチング液がしみ込んだりすることを防ぐことができるものであり、またエポキシ樹脂とメラミン樹脂からなる樹脂層は片面金属張り積層板の剥離性も良好であって、加工した後の片面金属張り積層板を接合材から剥離する際に、樹脂層の樹脂が片面金属張り積層板に転写して付着するようなことがなくなり、片面金属張り積層板の背面に対するインクの密着性に問題が生じることがなくなると共に加工した片面金属張り積層板を二次成形して多層板を製造するにあたって、層間引き剥がし強度に問題が生じることがなくなるものである。
【0034】
また本発明は、両面にプリプレグを介して金属箔を配置すると共にこれを加熱加圧することによって、片面金属張り積層板を両面に接合させて成形するために用いられる接合材を、金属材の表面にそれぞれエポキシ樹脂とメラミン樹脂とアクリル・ブタジエン・メタクリル酸共重合物とポリエステル系樹脂を混合した熱硬化性樹脂からなる樹脂層を設けて形成するようにしたので、エポキシ樹脂とメラミン樹脂とアクリル・ブタジエン・メタクリル酸共重合物とポリエステル系樹脂からなる樹脂層によって、接合材と片面金属張り積層板との間の密着性を高く得ることができ、プリント加工の工程中に接合材から片面金属張り積層板が剥離したり、接合材と片面金属張り積層板の間にエッチング液がしみ込んだりすることを防ぐことができるものであり、またエポキシ樹脂とメラミン樹脂とアクリル・ブタジエン・メタクリル酸共重合物とポリエステル系樹脂からなる樹脂層は片面金属張り積層板の剥離性も良好であって、加工した後の片面金属張り積層板を接合材から剥離する際に、樹脂層の樹脂が片面金属張り積層板に転写して付着するようなことがなくなり、片面金属張り積層板の背面に対するインクの密着性に問題が生じることがなくなると共に加工した片面金属張り積層板を二次成形して多層板を製造するにあたって、層間引き剥がし強度に問題が生じることがなくなるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a),(b)はそれぞれ断面図である。
【図2】従来例の一例を示すものであり、(a),(b)はそれぞれ断面図である。
【符号の説明】
1 金属材
2 樹脂層
3 プリプレグ
4 金属箔
5 片面金属張り積層板
A 接合材
Claims (7)
- 両面にプリプレグを介して金属箔を配置すると共にこれを加熱加圧することによって、片面金属張り積層板を両面に接合させて成形するために用いられる接合材において、金属材の両側の表面にそれぞれエポキシ樹脂とメラミン樹脂を混合した熱硬化性樹脂からなる樹脂層を設けて成ることを特徴とする片面金属張り積層板製造用接合材。
- エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂を用い、エポキシ樹脂100重量部に対してメラミン樹脂を1〜100重量部混合して成ることを特徴とする請求項1に記載の片面金属張り積層板製造用接合材。
- 両面にプリプレグを介して金属箔を配置すると共にこれを加熱加圧することによって、片面金属張り積層板を両面に接合させて成形するために用いられる接合材において、金属材の両側の表面にそれぞれエポキシ樹脂とメラミン樹脂とアクリル・ブタジエン・メタクリル酸共重合物とポリエステル系樹脂を混合した熱硬化性樹脂からなる樹脂層を設けて成ることを特徴とする片面金属張り積層板製造用接合材。
- エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂を用い、エポキシ樹脂100重量部に対してメラミン樹脂を1〜100重量部混合して成ることを特徴とする請求項3に記載の片面金属張り積層板製造用接合材。
- 樹脂層は熱硬化性樹脂をCステージ状態に硬化させて形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の片面金属張り積層板製造用接合材。
- 樹脂層の厚みが0.1〜10μmであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の片面金属張り積層板製造用接合材。
- 金属材がアルミニウム箔であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の片面金属張り積層板製造用接合材。
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