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JP3694897B2 - エンジンの出力制御装置 - Google Patents

エンジンの出力制御装置 Download PDF

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JP3694897B2
JP3694897B2 JP25925092A JP25925092A JP3694897B2 JP 3694897 B2 JP3694897 B2 JP 3694897B2 JP 25925092 A JP25925092 A JP 25925092A JP 25925092 A JP25925092 A JP 25925092A JP 3694897 B2 JP3694897 B2 JP 3694897B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、吸気通路に配置された電気スロットル弁の開閉制御によりエンジン出力を制御するようにしたエンジンの出力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、エンジンの吸気通路に、ステッピングモータ等の電動アクチュエータにより駆動されて吸気通路を開閉する電気スロットル弁を単独に、又はアクセルペダルに連動する機械スロットル弁と直列に配設し、この電気スロットル弁を開閉制御することにより、エンジンへの吸気流量を調整してその出力トルクの増大を制限するようにしたエンジンの出力制御装置は知られている。
【0003】
この種エンジンの出力制御装置の一例として、例えば特開平2―291463号公報に示されるものでは、エンジンの出力すべき目標トルクを算出し、この目標トルクをエンジン温度に応じて補正して電気スロットル弁の開度を求め、エンジン出力の制限量とスロットル弁の開度とを対応させるようになされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来のようにエンジン温度に応じて電気スロットル弁の開度を設定するに当たり、エンジン温度を検出する検出系に例えばセンサの故障、信号の入/出力系の故障、断線等の異常が生じると、場合によっては電気スロットル弁の開度が閉じ気味に設定されることがある。その場合、車両の発進時等の低速時に駆動車輪のスリップの防止のためにエンジン出力を制限する状態では、電気スロットル弁の開度の低下により吸気流量が不足してエンジンストールが生じる虞れがある。
【0005】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので、その目的は、エンジン温度の検出系に異常があったときのスロットル開度を所定の条件に設定するようにことにより、エンジン温度検出系の異常があっても、エンジンへの吸気流量は大に確保して低速時のエンジン出力の制限に伴うエンジンストールを防止しようとすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成すべく、請求項1の発明では、エンジン温度検出系の異常時には、電気スロットル弁の最小開度をエンジン温度が低いときの開度に固定することとした。
【0007】
すなわち、この発明では、図1に示すように、エンジン1への吸気流量を調整しかつエンジン温度に応じた最小開度が設定される電気スロットル弁13と、アクセルペダル21に連動して開閉されかつエンジン温度に応じて全閉位置が変化する機械スロットル弁12とを、エンジン1の吸気通路9に直列に配設したエンジンの出力制御装置が前提である。
【0008】
さらに、上記エンジン温度を検出する検出系に異常状態が生じたことを判定する異常判定手段41と、この異常判定手段41の出力信号を受け、エンジン温度検出系の異常状態が判定されたときには、上記電気スロットル弁13の最小開度をエンジン温度が低いときの開度に固定する開度固定手段42と、上記機械スロットル弁12の開度を検出する機械スロットル開度検出手段32と、上記電気スロットル弁13の制御系に異常が生じたときに、エンジン1の出力を制限するようにエンジン1の燃料供給系又は点火系の少なくとも一方を制御するフェイルセイフ手段43と、上記機械スロットル開度検出手段32の出力信号を受け、該検出手段32により検出される機械スロットル弁12の開度が全閉状態になったときに、上記フェイルセイフ手段43の作動を停止させるフェイルセイフ解除手段44とを設ける。
【0009】
そして、上記開度固定手段42は、エンジン温度検出系の異常状態が判定されたときに、上記機械スロットル開度検出手段32により検出される機械スロットル弁12の全閉開度をエンジン温度が低いときの開度に固定するように構成する。
【0010】
請求項の発明では、上記開度固定手段42は、エンジン温度検出系の異常判定時からの時間の経過に応じて電気スロットル弁13の最小開度を小さく補正するように構成する。
【0011】
【作用】
上記の構成により、請求項1の発明では、エンジン温度を検出する検出系に異常状態が生じたときには、そのことが異常判定手段41により判定され、この異常判定手段41の出力信号を受けた開度固定手段42により、電気スロットル弁13の最小開度が、エンジン温度の低いときの開度に固定される。そして、このエンジン温度の低いときの開度は全閉状態ではなく、それよりも開き気味であるので、エンジン温度検出系に異常があっても、電気スロットル弁13の最小開度は大に確保されることとなり、よって車両の発進時等の低速時に駆動車輪のスリップの防止のために電気スロットル弁13を閉じてエンジン出力を制限する場合でも、電気スロットル弁13の最小開度が開き気味に保持されて、吸気流量の不足は生じず、エンジンストールを防止することができる。
【0012】
しかも、上記電気スロットル弁13の制御系に異常が生じたときには、フェイルセイフ手段43によりエンジン1の燃料供給系又は点火系の少なくとも一方が制御されてエンジン1の出力トルクの増大が制限される。その後、機械スロットル弁12が全閉状態になることが機械スロットル開度検出手段32により検出されると、フェイルセイフ解除手段44が作動して上記フェイルセイフ手段43の作動が停止する。そして、エンジン温度検出系の異常状態が判定されたときには、開度固定手段42により、上記機械スロットル開度検出手段32により検出される機械スロットル弁12の全閉開度はエンジン温度が低いときの開度に固定される。このため、エンジン温度検出系の異常状態により機械スロットル弁12の実際の開度が小さくなっていても、フェイルセイフ解除手段44が確実に作動してフェイルセイフ手段43の作動が解除されることとなり、車両の走行性や信頼性の悪化を未然に防止できる。
【0013】
請求項の発明では、上記開度固定手段42により、エンジン温度検出系の異常判定時からの時間の経過に応じて電気スロットル弁13の最小開度が小さく補正されるので、エンジンストールを防止しながら、エンジン出力低下の幅を増大させることができる。
【0014】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図5は本発明の実施例の全体構成を示す。同図において、1は車両に搭載されたエンジンで、シリンダ2を有するシリンダブロック3と、その上面に組み付けられたシリンダヘッド4と、シリンダ2内に往復動可能に嵌挿されたピストン6と、このピストン6をクランク軸(図示せず)に連結するコネクティングロッド7とを備え、シリンダ2内にピストン6及びシリンダヘッド4により囲まれる燃焼室8が形成されている。
【0015】
9は上記燃焼室8に吸気(空気)を供給する吸気通路で、この吸気通路9の上流端はエアクリーナ10に接続されている。吸気通路9には、吸入空気量を検出するエアフローメータ11と、吸気通路9を絞る副スロットル弁としての電気スロットル弁13及び主スロットル弁としての機械スロットル弁12と、燃料を噴射供給するインジェクタ14とが上流側から順に直列に配設されている。15は機械スロットル弁12の下流側に形成されたサージタンク、16は吸気通路9の燃焼室8への開口部を開閉する吸気弁である。また、17は燃焼室8内の吸気に点火する点火プラグ、18は上記燃焼室8内の排気ガスを排出する排気通路で、その燃焼室8への開口部は排気弁19により開閉される。
【0016】
上記機械スロットル弁12は常時は閉じているもので、その支持軸12aはリンクやワイヤ等の連結機構20を介してアクセルペダル21に連結されており、アクセルペダル21の踏み操作に応じて機械スロットル弁12の開度を増大させてエンジン1の燃焼室8への吸気流量を増加させる。また、この機械スロットル弁12はサーモスタット(図示せず)に連結されており、このサーモスタットにより機械スロットル弁12の全閉位置がエンジン温度(冷却水温度)に応じて変化するようになっている。
【0017】
一方、電気スロットル弁13は図外のリターンスプリングにより常時は全開位置に回動付勢されて保持されるもので、その支持軸13aには連結機構22を介して電動アクチュエータとしてのステッピングモータ23が連結されており、例えば車両の発進時にトラクションコントロールを行うためにエンジン1の出力トルクを下げるときには、ステッピングモータ23の作動により電気スロットル弁13の開度を小さくしてエンジン1の燃焼室8への吸気流量を減少させるようにしている。
【0018】
上記電気スロットル弁13のステッピングモータ23はスロットル弁コントロールユニット26により制御されるようになっている。このスロットル弁コントロールユニット26は、上記点火プラグ17による点火時期及びインジェクタ14による燃料噴射量を含むエンジン1の各種状態量を制御するためのエンジンコントロールユニット27と、車両の制動時に車輪(図示せず)のロックによる滑りを防止しながら制動するとともに、車両の加速時等で駆動車輪(例えば後輪)のスリップが発生したときに駆動車輪を制動し又はエンジン1の出力トルクを低下させてスリップを抑制するためのABS/TRCコントロールユニット28とに対し信号の授受可能に接続されている。また、上記エンジンコントロールユニット27はABS/TRCコントロールユニット28と信号の授受可能に接続されている。
【0019】
上記スロットル弁コントロールユニット26及びABS/TRCコントロールユニット28には、電気スロットル弁13の開度を検出する電気スロットル開度センサ31の出力信号が入力されている。
【0020】
また、エンジンコントロールユニット27には、上記エアフローメータ11の出力信号と、機械スロットル弁12の開度を検出する機械スロットル開度検出手段としての機械スロットル開度センサ32の出力信号と、エンジン1のクランク軸の回転に基づいてエンジン回転数を検出する回転センサ33の出力信号と、エンジン1の温度としての冷却水温度を検出する水温センサ30の出力信号とが少なくとも入力され、その他、図示しないが例えば大気圧信号、吸気温度の信号、オルタネータ等の電気負荷信号、車載空気調和機の作動状態を示すエアコン信号、スタータの作動信号、イグニッションキースイッチの信号等の各種の信号が入力されている。
【0021】
さらに、ABS/TRCコントロールユニット28には、上記機械スロットル開度センサ32及び水温センサ30の各出力信号と、車両の駆動車輪の回転数を検出する駆動車輪速度センサ34の出力信号と、非駆動車輪の回転数を検出する非駆動車輪速度センサ35の出力信号と、トラクションコントロールの実行を停止するためのTRC/OFFスイッチ36の出力信号とが入力されている。また、このABS/TRCコントロールユニット28は、ブレーキペダル24aを有するブレーキ装置24の制動油圧を制御するためのアクチュエータ37と、トラクションコントロールが実行されていることを点灯表示するTRCインジケータランプ38と、トラクションコントロールが異状状態にあることを示すTRCワーニングランプ39とに少なくとも接続されている。
【0022】
ここで、上記コントロールユニット26〜28において電気スロットル弁13を制御するときに行われる制御動作について図2〜図4により説明する。まず、スタート後の最初のステップS1 でイグニッションキースイッチをON作動させた後、水温センサ30から出力されるセンサ値(電圧)を読み込み、ステップS3 で該センサ値が上限値以上にあるか又は下限値以下にあるかどうかを判定する。この判定がNOのときには、ステップS4 でセンサ値が設定値よりも低くかつ所定回転数以上のエンジン回転が一定時間継続しているかどうかを判定し、このことでセンサ値が上限値と下限値との間にあってもそれが一定時間続いているかどうかを調べる。この判定がNOのときにはエンジン冷却水温度検出系は正常状態にあると見做し、ステップS5 〜S10に進む。すなわち、ステップS5 において図6に示す如く冷却水温度に応じた電気スロットル弁13の最小開度Aを決定し、次のステップS6 でトラクションコントロールの実行信号が出力されているか否かを判定する。この判定がNOのときには終了するが、YESのときには、ステップS7 において電気スロットル弁13の目標開度を上記最小開度Aと比較して、目標開度が最小開度A以下のときには電気スロットル弁13の開度を最小開度に、また目標開度が最小開度Aよりも大きいときには同開度を目標開度にそれぞれ設定した後、ステップS8 に進む。このステップS8 ではトラクションコントロールのOFF信号が出力されているか否かを判定し、この判定がNOのときには、ステップS9 で上記機械スロットル開度センサ32の出力値を基に機械スロットル弁12が全閉状態になったかどうかを判定し、この判定がNOのときには上記ステップS8 に戻る。ステップS8 ,S9 の判定がYESのときにはいずれもステップS10に進み、電気スロットル弁13を開き動作させた後、終了する。
【0023】
上記ステップS3 ,S4 の判定がいずれもYESのときには、ステップS11で水温センサ30のフェイルと判定して冷却水温度検出系が異常状態にあると見做し、その後、ステップS12〜S29に進む。まず、ステップS12で電気スロットル弁13の開度を冷却水温度が低いときの全閉開度に固定し、ステップS13で機械スロットル開度センサ32により検出される機械スロットル弁12の全閉開度を冷却水温度が低いときの全閉開度に固定した後、図3に示すステップS14に進んで電気スロットル弁13の制御系に異常が生じたかどうかを判定する。この判定がNOのときには、ステップS15に進んでトラクションコントロールの実行信号が出力されているかどうかを判定し、この判定がNOのときには終了するが、YESのときにはステップS16において電気スロットル弁13の目標開度を上記ステップS12で設定された固定開度と比較し、目標開度が固定開度以下のときには電気スロットル弁13の開度を固定開度に、また目標開度が固定開度よりも大きいときには同開度を目標開度にそれぞれ設定した後、ステップS17に進む。このステップS17ではトラクションコントロールにより駆動車輪のスリップが終束したか否かを判定し、判定がNOのときには後述するステップS25に進むが、YESのときにはステップS18においてトラクションコントロールのOFF信号が出力されているか否かを判定する。この判定がNOのときには、ステップS19で上記ステップS9 と同様に機械スロットル弁12が全閉状態になったかどうかを判定し、この判定がNOのときには上記ステップS18に戻る。ステップS18,S19の判定がYESのときにはいずれもステップS20に進み、電気スロットル弁13を開き動作させた後、終了する。
【0024】
上記ステップS14で、電気スロットル弁13の制御系の異常によりYESと判定されたときには、図4に示すステップS21に進んでトラクションコントロール中かどうかを判定する。この判定がYESのときには、ステップS22において電気スロットル弁13の開度が目標開度にあるかどうかを判定し、この判定がYESのときには、上記ステップS17(図3参照)に進む。一方、ステップS21の判定がNOのときには、ステップS23においてトラクションコントロールの実行信号が出力されているかどうかを判定し、この判定がNOのときには後述するステップS28に進むが、YESのときにはステップS24において電気スロットル弁13が作動可能かどうかを判定し、この判定が「電気スロットル弁作動可能」のYESのときには、上記ステップS16(図3参照)に進む一方、判定がNOのときにはステップS25において、エンジン1の燃料供給系及び点火系の制御によりエンジン1の出力トルクの増大を制限するバックアップ制御を行う。具体的には、このバックアップ制御では、エンジン1の点火時期をリタードさせてその出力トルクを低下させ、同時にインジェクタ14からの燃料噴射量を増量させて排気ガス温度を低下させる。尚、車速が所定の車速以上にならないように、点火時期及び燃料噴射量を予め設定した固定値に変更するようにしてもよい。
【0025】
このステップS25の後、ステップS26において、機械スロットル弁12の開度が上記ステップS13で設定された機械スロットル開度センサ32の全閉開度の固定値以下になったかどうかを判定し、この判定がNOのときにはステップS25に戻る。ステップS26の判定がYESのときには、ステップS27において上記バックアップ制御を解除するとともに、電気スロットル弁13を開き、しかる後、ステップS28で上記TRCワーニングランプ39を点灯させ、次のステップS29で電気スロットル弁13の制御系をシステムダウンさせた後、終了する。
【0026】
以上の制御フローにおいて、ステップS5 により、電気スロットル弁13の最小開度をエンジン温度としての冷却水温度に応じて設定するようになされている。
【0027】
また、ステップS3 ,S4 により、エンジン温度としての冷却水温度を検出する検出系に異常状態が生じたことを判定する異常判定手段41が構成されている。
【0028】
また、ステップS12,S13により、上記異常判定手段41の出力信号を受け、エンジン冷却水温度検出系の異常状態が判定されたときには、電気スロットル弁13の最小開度を冷却水温度が低いときの開度に固定するとともに、上記機械スロットル開度センサ32により検出される機械スロットル弁12の全閉開度を冷却水温度が低いときの開度に固定するようにようにした開度固定手段42が構成されている。
【0029】
さらに、ステップS25により、電気スロットル弁13の制御系に異常が生じたときに、エンジン1の出力トルクの増大を制限するようにエンジン1の燃料供給系及び点火系を制御するフェイルセイフ手段43が構成されている。
【0030】
さらにまた、ステップS26,S27により、上記機械スロットル開度センサ32の出力を受け、機械スロットル弁12が全閉状態になったときに、上記フェイルセイフ手段43の作動を停止させるフェイルセイフ解除手段44が構成される。
【0031】
したがって、上記実施例においては、エンジン温度としての冷却水温度を検出する冷却水温度検出系の正常時、アクセルペダル21の踏み操作により機械スロットル弁12を開いてエンジン1の出力トルクを増大させる車両の発進時に、駆動車輪のスリップが発生したときには、そのスリップの発生を駆動車輪と非駆動車輪との速度差に基づいて検出し、電気スロットル弁13を閉じてエンジン1への吸気流量を抑制し、エンジン1の出力トルクの増大を制限することにより、駆動車輪のスリップが防止される。そして、このとき、図6に一点鎖線にて示すように、上記電気スロットル弁13の最小開度、及び機械スロットル弁12の開度を検出する機械スロットル開度センサ32のセンサ値はそれぞれエンジン1の冷却水温度に応じて変化し、冷却水温度が低いほど大になるように設定される。
【0032】
これに対し、上記冷却水温度の検出系に異常があるときには、図6に実線にて示すように、電気スロットル弁13の最小開度が、冷却水温度が低いときの開度に固定される。この冷却水温度が低いときの開度は全閉状態ではなく、それよりも開き気味であるので、冷却水温度検出系に異常があっても、電気スロットル弁13の最小開度は大に確保されることとなる。このことにより、車両の発進時等の低速時に駆動車輪のスリップの防止のために電気スロットル弁13を閉じてエンジン出力を制限するトラクションコントロールを行う場合でも、電気スロットル弁13の最小開度の開き気味に保持されるので、エンジン1への吸気流量の不足は生じず、エンジンストールを防止することができる。
【0033】
そして、電気スロットル弁13の制御系に異常が生じた場合、上記トラクションコントロール中で電気スロットル弁13が作動可能なときには、該スロットル弁13が閉じ側に動かされるとともに、そのことにより駆動車輪のスリップが終束したかどうかが判定される。そして、電気スロットル弁13が作動不能のとき、又は作動可能であっても駆動車輪のスリップが終束されないときには、フェイルセイフとしてバックアップ制御が行われ、エンジン1の点火時期がリタードされてエンジン1の出力トルクの増大が制限される。尚、このとき、インジェクタ14からの燃料噴射量が増量されて、排気ガス温度の上昇が抑制される。その後、アクセルペダル21が戻されて、機械スロットル開度センサ32により検出される機械スロットル弁12の開度が全閉状態になると、上記バックアップ制御が停止する。
【0034】
その際、冷却水温度検出系の異常時には、図6の実線に示す如く、上記機械スロットル開度センサ32による機械スロットル弁12の全閉開度は冷却水温度が低いときの開度に固定される。つまり、冷却水温度検出系の異常状態により、機械スロットル弁12の実際の開度が小さい場合であっても、機械スロットル開度センサ32による全閉開度は大に固定されているので、その分、確実に上記エンジン1の点火時期リタードによるバックアップ制御が停止することとなり、このことにより車両の走行性や信頼性の悪化を未然に防止することができる。
【0035】
尚、上記実施例では、電気スロットル弁13の最小開度及び機械スロットル開度センサ32による機械スロットル弁12の全閉開度(センサ値)を一定の固定値としているが、図7に示すように、この固定値を冷却水温度検出系の異常判定時からの時間の経過に応じて小さくなるように補正してもよい。こうすることで、エンジンストールを防止しつつ、エンジン出力低下の幅を増大させることができ、トラクションコントロール性能の悪化を最小限に抑えることができる。
【0036】
また、上記実施例では、冷却水温度をエンジン温度としているが、この他、エンジン1の潤滑油温度をエンジン温度として検出するようにしてもよく、上記実施例と同様の作用効果を奏することができる。
【0037】
さらに、上記実施例では、点火時期のリタードによりエンジン1の出力トルクを制限するようにしているが、インジェクタ14からの燃料噴射量を制御して同じ目的を達成するようにしてもよく、さらには点火時期制御及び燃料噴射量制御の双方を組み合わせてもよい。
【0038】
また、上記実施例では、電気スロットル弁13が機械スロットル弁12に対し吸気通路9の上流側に配置されている場合を示したが、逆に吸気通路9の下流側に配置されていてもよく、上記実施例と同様の作用効果が得られる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によると、エンジンの吸気通路を開閉して吸気流量を調整する電気スロットル弁を備え、この電気スロットル弁の最小開度をエンジン温度に応じて設定するようにしたエンジンにおいて、エンジン温度を検出する検出系に異常状態が生じたときには、電気スロットル弁の最小開度をエンジン温度が低いときの設定開度に固定するようにしたことにより、エンジン温度検出系に異常があっても電気スロットル弁の最小開度を全閉状態よりも開き気味に補正でき、車両の発進時等の低速時に駆動車輪のスリップの防止のために電気スロットル弁を閉じてエンジン出力を制限する場合に吸気流量の不足を防いで、エンジンストールの防止を図ることができる。しかも、アクセルペダルに連動して開閉されかつエンジン温度によって全閉位置が変化する機械スロットル弁を上記電気スロットル弁と直列に吸気通路に配設し、この機械スロットル弁の開度を検出する機械スロットル開度検出手段と、電気スロットル弁の制御系に異常が生じたときにエンジンの出力を制限するようにエンジンの燃料供給系又は点火系の少なくとも一方を制御するフェイルセイフ手段とを設け、上記機械スロットル開度検出手段により検出される機械スロットル弁の開度が全閉状態になったときにフェイルセイフ手段の作動を停止させるように構成するとともに、エンジン温度検出系の異常状態が判定されたときに、上記機械スロットル開度検出手段による機械スロットル弁の全閉開度をエンジン温度が低いときの開度に固定するように構成したことにより、エンジン温度検出系の異常発生に伴って機械スロットル弁の実際の開度が小さくなっていても、フェイルセイフ手段を確実に作動停止させて、車両の走行性や信頼性の悪化を未然に防止することができる。
【0040】
請求項の発明によると、エンジン温度検出系の異常判定時からの時間の経過に応じて電気スロットル弁の最小開度を小さく補正するようにしたことにより、エンジンストールを防止しながら、エンジン出力低下の幅を増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構成を示す図である。
【図2】 本発明の実施例におけるコントロールユニットで電気スロットル弁の制御についての信号処理動作の一部を示すフローチャート図である。
【図3】 コントロールユニットでの信号処理動作の残部の一半部を示すフローチャート図である。
【図4】 コントロールユニットでの信号処理動作の残部の他半部を示すフローチャート図である。
【図5】 本発明の実施例の全体構成を示す構成図である。
【図6】 エンジン水温に応じて変化する機械スロットル開度センサのセンサ値及び電気スロットル弁の最小開度の特性を示す特性図である。
【図7】 冷却水温度検出系の異常時に機械スロットル開度センサからのセンサ値の固定値及び電気スロットル弁の最小開度が時間経過に伴って変化する特性を示す特性図である。
【符号の説明】
1 エンジン
9 吸気通路
12 機械スロットル弁
13 電気スロットル弁
14 インジェクタ
17 点火プラグ
21 アクセルペダル
23 ステッピングモータ
26〜28 コントロールユニット
30 水温センサ
31 電気スロットル開度センサ
32 機械スロットル開度センサ(機械スロットル開度検出手段)
41 異常判定手段
42 開度固定手段
43 フェイルセイフ手段
44 フェイルセイフ解除手段

Claims (2)

  1. エンジンへの吸気流量を調整しかつエンジン温度に応じた最小開度が設定される電気スロットル弁と、アクセルペダルに連動して開閉されかつエンジン温度に応じて全閉位置が変化する機械スロットル弁とを、エンジンの吸気通路に直列に配設したエンジンの出力制御装置において、
    上記エンジン温度を検出する検出系に異常状態が生じたことを判定する異常判定手段と、
    上記異常判定手段の出力信号を受け、エンジン温度検出系の異常状態が判定されたときには、上記電気スロットル弁の最小開度をエンジン温度が低いときの開度に固定する開度固定手段と
    上記機械スロットル弁の開度を検出する機械スロットル開度検出手段と、
    上記電気スロットル弁の制御系に異常が生じたときに、エンジンの出力を制限するようにエンジンの燃料供給系又は点火系の少なくとも一方を制御するフェイルセイフ手段と、
    上記機械スロットル開度検出手段の出力信号を受け、該検出手段により検出される機械スロットル弁の開度が全閉状態になったときに、上記フェイルセイフ手段の作動を停止させるフェイルセイフ解除手段とを設け、
    上記開度固定手段は、エンジン温度検出系の異常状態が判定されたときに、上記機械スロットル開度検出手段により検出される機械スロットル弁の全閉開度をエンジン温度が低いときの開度に固定するように構成されていることを特徴とするエンジンの出力制御装置。
  2. 請求項のエンジンの出力制御装置において、
    開度固定手段は、エンジン温度検出系の異常判定時からの時間の経過に応じて電気スロットル弁の最小開度を小さく補正するように構成されていることを特徴とするエンジンの出力制御装置。
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