JP3694208B2 - カメラ - Google Patents
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Description
【０００１】
【技術分野】
本発明はカメラに関し、特にデータ入力機能や撮影画像表示機能を有するカメラに関する。
【０００２】
【従来技術及びその問題点】
近年はカメラの電子化が進んでおり、その操作部材には押しボタンや十字キーなどが多用されるようになっている。しかしながら、この種の操作部材は、比較的多数の選択対象の中から特定の内容を選択するような場合には、何回も繰り返して押したり、連続的に押したり、さらに連続的に押したときの送り過ぎを考慮したりする必要があるため、良好な操作性を得ることが難しい。例えば、ＡＰＳ（Advanced Photo System：新写真システム）対応のカメラでは、予め用意されたコメント群から好みのコメントに対応した番号を選んで撮影画像と共に記録しておき、選択したコメントをプリント時に表すことが可能であるが、コメントの選択操作を押しボタンで行うと時間がかかる。ＡＰＳタイプのカメラだけでなく、この種のデータ入力可能なカメラにおいては、入力データは迅速に選択できることが望ましい。また、デジタルカメラの液晶モニタなどで記録済み画像を再生するときにも、複数の再生画像を容易に切り換えできることが望まれている。
【０００３】
【発明の目的】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、カメラ、特にデータ入力機能や撮影画像表示機能を有するカメラの操作性を向上させることを目的とする。
【０００４】
【発明の概要】
本発明のカメラは、撮影レンズ鏡筒の外面に設けた、回転操作可能な回転リング；この回転リングの回転位置を検出するリング回転検出手段；複数のデータエレメントを格納し、このデータエレメントから構成したデータを撮影画像とは別の付加データとして画像記録媒体に記録するデータ記録手段；撮影光学系を介して画像記録媒体に画像を記録させる撮影モードと、データ記録手段による画像記録媒体へのデータ入力を可能にするデータ入力モードとに切換可能なモード選択部材；及び、このモード選択部材によって撮影モードが選択されているときには、回転リングをその回転位置に応じて撮影条件を変更する撮影条件変更リングとして機能させ、このモード選択部材によってデータ入力モードが選択されているときには、回転リングをその回転位置に応じてデータ記録手段によって画像記録媒体に記録するデータエレメントを選択するデータ選択リングとして機能させる回転リング機能変更手段；を備えたことを特徴としている。この構成によれば、データ入力時のデータの選択は、撮影レンズ鏡筒外面に設けた回転リングの回転によって行うことができるので、押しボタンや十字キーに比して迅速な選択が可能になる。また該構成では、回転リングは撮影時には撮影条件を変更させるための手段を兼ねているため、操作系の構成を簡単にでき、かつスペース効率に優れている。
【０００５】
撮影レンズ鏡筒が内部に絞を備えているときには、上記の回転リングは、この絞を開閉させるための絞操作リングとデータ選択リングを兼ねるように構成することができる。また、撮影レンズ鏡筒が内部にズームレンズを備えているときには、上記の回転リングは、このズームレンズを動作させて焦点距離を変化させるためのズーム操作リングとデータ選択リングを兼ねるように構成してもよい。また、撮影レンズ鏡筒が内部に光軸に沿って移動可能なフォーカスレンズを備えているときには、上記の回転リングは、このフォーカスレンズを移動させるためのフォーカス操作リングとデータ選択リングを兼ねるように構成してもよい。
【０００６】
また本発明のカメラは、撮影レンズ鏡筒の外面に回転操作可能な独立したデータ選択リングを設け、リング回転検出手段で検出した該データ選択リングの回転位置に応じて、データ記録手段によって画像記録媒体に記録するデータエレメントを選択することを特徴としている。この構成によっても、データの選択は、撮影レンズ鏡筒外面に設けたデータ選択リングの回転によって実行できるため、データ入力時に優れた操作性が得られる。
【０００７】
このカメラでは、撮影モードとデータ入力モードに切換可能なモード選択部材を備え、このモード選択部材によってデータ入力モードが選択されているときに、上記のデータ選択リングの回転によってデータエレメントが選択されることが望ましい。
【０００８】
以上のデータ入力機能を備えた各態様のカメラでは、モード選択部材によって撮影モードが選択されているときに、画像記録媒体への画像の記録を開始させるレリーズボタンを備え、モード選択部材によってデータ入力モードが選択されているときには、回転リングやデータ選択リングによって選択したデータエレメントは、該レリーズボタンの押圧操作によって画像記録媒体への入力が確定されることが好ましい。また、モード選択部材によってデータ入力モードが選択されているときに、回転リングやデータ選択リングの回転位置に対応した選択中のデータエレメントを表示させる外部表示部材を備えていることが好ましい。
【０００９】
上記のデータ記録手段に格納されるデータエレメントは、例えば複数の文字や複数のコメントであり、モード選択部材によってデータ入力モードが選択されているときには、回転リングやデータ選択リングの回転位置に応じていずれかの文字やコメントが選択される。
【００１０】
以上のデータ入力機能を備えたカメラは、例えば、撮影光学系による結像位置に光電変換素子を有し、この光電変換素子を介して得られた画像データを記録するデータメモリ部材を画像記録媒体としたタイプであることが好ましい。また本発明を適用するカメラは、撮影光学系による結像位置にはフィルムの撮像面が位置され、該フィルムのデータ記録領域に付加データが記録されるタイプであってもよい。
【００１１】
本発明のカメラはまた、画像データを記録可能な画像記録媒体；この画像記録媒体に記録された画像データを画像として表示可能な外部表示部材；撮影レンズ鏡筒の外面に設けた、回転操作可能な回転リング；及び、この回転リングの回転位置を検出するリング回転検出手段；を備え、画像記録媒体に複数の画像データが記録されているときには、リング回転検出手段により検出される回転リングの回転位置に応じて、該複数の画像データから外部表示部材に表示される画像が選択されることを特徴としている。この構成によれば、再生画像の迅速な切換が可能であり、良好な操作性が得られる。
【００１２】
このカメラでは、少なくとも画像記録媒体に記録された画像を外部表示手段によって表示させる画像再生モードと他のモードとに切換可能なモード選択部材、及び、画像再生モードが選択されているときには、回転リングをその回転位置に応じて外部表示手段によって表示される画像データを選択する画像選択リングとして機能させ、その他のモードが選択されているときは回転リングをそのモードに応じた操作部材として機能させる回転リング機能変更手段を備えることが好ましい。他のモードとは例えば、撮影光学系を介して画像記録媒体に画像を記録させる撮影モードや、データ記録手段による画像記録媒体へのデータ入力を可能にするデータ入力モードなどであり、回転リング機能変更手段によって回転リングを、上記の画像選択リングとしての機能に加えて、撮影モードにおける撮影条件変更リングやデータ入力モードにおけるデータ選択リングとして機能させるように構成できる。
【００１３】
【発明の実施の形態】
以下、図示実施形態に基づいて本発明を説明する。図１及び図２は、一眼レフタイプのデジタルカメラ１０の外観を表しており、図３は同デジタルカメラ１０の光学系と回路構成の概略を表している。
【００１４】
デジタルカメラ１０では、カメラ本体１１の前部に撮影レンズ鏡筒１２が設けられている。本実施形態では、撮影レンズ鏡筒１２はカメラ本体１１に対して着脱可能な交換式レンズ鏡筒であり、撮影レンズ３３や絞羽根１５からなる撮影光学系を内蔵している。撮影レンズ鏡筒１２の外面には、回転操作可能な絞兼文字セットリング（回転リング）１３が設けられている。撮影時には、絞兼文字セットリング１３を回転操作すると、絞駆動機構１４を介して撮影レンズ鏡筒１２内に設けた絞羽根１５を駆動させて絞り値を設定することができるが、さらに記録画像再生時には、絞兼文字セットリング１３の回転操作によって、画像データに付随させる文字データの選択を行うことも可能である。本実施形態のデジタルカメラ１０は、この絞兼文字セットリング１３によって入力文字データの選択を可能とした点を特徴としており、その具体的な制御については後述する。絞兼文字セットリング１３の回転方向及び回転量、すなわち回転位置はエンコーダ（リング回転検出手段）１６によって検出される。エンコーダ１６は、磁気式や光学式など周知のロータリエンコーダを用いることができる。なお、絞兼文字セットリング１３をオート位置に保持することで、絞り値の自動設定も選択できる。該自動設定時には、カメラ本体１１内に設けたボディ側絞駆動機構１７によって絞羽根１５が開閉駆動される。
【００１５】
撮影レンズ鏡筒１２内の撮影レンズ３３は、撮影光軸Ｏに沿って移動可能に支持されたフォーカスレンズ群を備えている。撮影レンズ鏡筒１２の外面には、絞兼文字セットリング１３の他に、回転操作可能なフォーカスリング１８が設けられている。このフォーカスリング１８を回転すると、フォーカス駆動機構３４を介して上記のフォーカスレンズ群を撮影光軸Ｏに沿って移動させて、撮影レンズ３３の焦点面位置を変化させることができる。
【００１６】
撮影レンズ鏡筒１２をカメラ本体１１に装着すると、カメラ本体１１と撮影レンズ鏡筒１２にそれぞれ設けた電気接点が接触し、レンズＲＯＭ１９に格納された情報がシステムコントローラ２０に入力される。レンズＲＯＭ１９に格納されている情報は、例えば撮影レンズ３３の開放Ｆ値などであり、この情報をシステムコントローラ２０が露出制御などに利用する。また、撮影レンズ鏡筒１２をカメラ本体１１に装着しているときには、エンコーダ１６によって検出された絞兼文字セットリング１３の回転パルス信号も、システムコントローラ２０に入力される。
【００１７】
撮影レンズ鏡筒１２後方のミラーボックス２１内には、図３に示す撮影光路上の下降位置と撮影光路から退避した上昇位置に回動可能なメインミラー２２が設けられている。メインミラー２２は、不図示のミラー駆動機構によって回動される。図３のようにメインミラー２２が撮影光路上に位置するときには、撮影レンズ３３の撮影光軸Ｏに沿ってミラーボックス２１に入射する光束は、その大半がメインミラー２２で上方に反射されてピント板２３に結像し、ペンタプリズム２４及び接眼レンズ２５を介して正立像として観察される。
【００１８】
一方、メインミラー２２が撮影光路外の上昇位置に回動されたときには、該メインミラー２２の背後に設けたＣＣＤ（光電変換素子）２６へ撮影レンズ３３からの撮影光束が達する。撮影レンズ３３によってＣＣＤ２６上に結像された被写体像は、電気的な画像データに変換され、アナログ信号処理回路２７に送られる。画像データはさらにＡ／Ｄコンバータ２８でＡ／Ｄ変換されてデジタル信号処理回路２９を介して、バッファメモリ３０、ＰＣカードコントローラ３１、ミックス回路３２の間で交換させる。デジタル信号処理回路２９では、得られたデジタル画像信号に対してホワイトバランス調整等の信号処理を行ったり、デジタル画像信号をパーソナルコンピュータで扱えるファイル形式のデータに変換するなどの処理を行う。
【００１９】
カメラ本体１１の側面には、ＰＣカード（画像記録媒体、データメモリ部材）３５を挿脱させるためのカードスロット３６が形成され、カメラ本体１１の背面には、画像表示用ＬＣＤ（外部表示部材）３７が設けられている。カードスロット３６に挿入されたＰＣカード３５には、上記のＰＣカードコントローラ３１を介して画像データやテキストデータの出入力を行うことができる。
【００２０】
また、上記のミックス回路３２には、デジタル信号処理回路２９の他に、キキャラクタージェネレータＲＯＭを内蔵したＯＳＤ（On Screen Display）回路３８が接続している。キャラクタージェネレータＲＯＭには、例えばアルファベットの各文字と数字などを表す複数のデータエレメントが所定のアドレスを付けて格納されており、ＯＳＤ回路３８をシリアル通信で制御するシステムコントローラ２０によって、特定のデータエレメントを読み出すことができる。このキャラクタージェネレータＲＯＭから読み出された文字や数字を表すデータエレメントは、ミックス回路３２において、デジタル信号処理回路２９を介して得られる画像データと合成され、該合成データをＬＣＤ用信号処理回路３９を介して画像表示用ＬＣＤ３７に表示させることができる。
【００２１】
カメラ本体１１の上面には、モード設定ダイヤル４０、ＵＰボタン４１、ＤＯＷＮボタン４２、レリーズボタン４３が設けられている。モード設定ダイヤル４０は、その回転位置によって、ＣＣＤ２６を介して得られる撮影画像データをＰＣカード３５に記録する撮影モード、ＰＣカード３５から読み出した画像データを画像表示用ＬＣＤ３７に表示させる画像再生モード、ＣＣＤ２６に対する露光時間を設定する露光時間設定モードに切り換えることができる。露光時間設定モードを選択しているときには、ＵＰボタン４１とＤＯＷＮボタン４２を操作して露光時間、つまりＣＣＤ２６が撮影光束を光電変換する時間を手動で調節することができる。この露光時間は自動設定とすることもできる。
【００２２】
レリーズボタン４３は、２段押しスイッチとして構成されており、半押しで測光スイッチ４５をオンし、全押しでレリーズスイッチ４６をオンする。
【００２３】
ペンタプリズム２４近傍には、測光ユニット４７が配されている。システムコントローラ２０は、測光スイッチ４５の入力に応じて測光ユニット４７を用いて測光を実行する。前述のように、本実施形態のデジタルカメラ１０では、絞り値と露光時間はそれぞれ手動または自動で設定可能である。絞り値とシャッタスピードのいずれか一方、または両方を自動設定にした場合には、システムコントローラ２０は、測光値に基づいて絞り値やシャッタスピードを設定する。両方とも手動設定にした場合にも測光は行われ、撮影者により選択された絞り値とシャッタスピードの組み合わせが測光値と比較され、露出オーバーまたはアンダーとなる場合には、画像表示用ＬＣＤ３７や別種の表示器に警告が表示される。
【００２４】
本実施形態のデジタルカメラ１０はさらに自動合焦機能を備えている。メインミラー２２が光路上に位置するときに、撮影レンズを通った光束の一部は、該メインミラー２２を透過してサブミラー４８によって下方に反射され、ミラーボックス２１外に出る。この下方位置にはＡＦセンサ４９が設置されており、被写体のデフォーカス量を検出することができる。カメラ本体１１内には撮影レンズ３３を構成するフォーカスレンズ群を撮影光軸Ｏに沿って移動させることが可能なＡＦモータ５０が設けられている。測光スイッチ４５がオンされると、システムコントローラ２０は、ＡＦセンサ４９から入力されるデフォーカスデータに基づいて、デフォーカス量をゼロにするために必要なＡＦモータ５０の駆動量を演算し、該ＡＦモータ５０を駆動制御する。これによりフォーカスレンズが移動されて合焦動作が行われる。前述したように、合焦動作は、フォーカスリング１８の手動回転操作によって行うことも可能である。この場合、撮影者は、ファインダで観察される被写体画像や、画像表示用ＬＣＤ３７上の画像によって合焦状態を確認する。
【００２５】
レリーズスイッチレリーズスイッチ４６がオンされると、図示しないミラー駆動機構によってメインミラー２２が前述の上昇位置に回動され、設定された露光時間でＣＣＤ２６が露光される。この露光時間は、ＣＣＤ２６が撮影光束を電気信号に光電変換する時間として制御されるが、余分な光をカットするために、露光時間後に撮影光束を遮断する機械的なシャッタを別設してもよい。ＣＣＤ２６により得られた電気的な画像データは、前述したようにアナログ信号処理回路２７とＡ／Ｄコンバータ２８を介してデジタル信号処理回路２９に送られ、バッファメモリ３０に一時記憶された後、パーソナルコンピュータで扱える形式に変換、圧縮してＰＣカード３５に記録される。
【００２６】
図４のフローチャートに従って、以上の構成のデジタルカメラ１０における、画像データに対応する文字データの入力処理を説明する。画像データ記録済みのＰＣカード３５をカードスロット３６に挿入した状態でモード設定ダイヤル４０を画像再生モード位置に回転させ、レリーズボタン４３を押圧して測光スイッチ４５をオンさせると、ＰＣカード３５から画像データが読み出され、画像表示用ＬＣＤ３７に画像が表示される。このとき、ＰＣカード３５に複数の画像データが記録されていれば、ＵＰボタン４１とＤＯＷＮボタン４２を操作して再生画像を切り換えることができる。この画像再生状態で図４のフローチャートに入り、撮影画像に対する文字データ入力が可能になる。すなわち本実施形態では、モード設定ダイヤル４０とレリーズボタン４３（測光スイッチ４５）が、データ入力モードを選択するための手段を構成している。
【００２７】
前述したように、本実施形態のデジタルカメラ１０では、絞兼文字セットリング１３を回転させることによって入力する文字の選択が可能であり、図４のステップＳ１でエンコーダ１６によって絞兼文字セットリング１３の回転が検出されると、エンコーダの検出したパルスに応じてシステムコントローラ２０は、ＯＳＤ回路３８のキャラクタージェネレータＲＯＭに格納された複数のデータエレメントのうちから対応する文字や数字を読み出す。キャラクタージェネレータＲＯＭから読み出された文字や数字は、ミックス回路３２で画像データと合成されてステップＳ２で画像表示用ＬＣＤ３７に表示される。この段階で当該選択文字は確定されておらず、図５に示すように画像表示用ＬＣＤ３７上で選択文字が点滅表示される（ステップＳ３）。画像表示用ＬＣＤ３７上での選択文字の表示位置は任意であるが、本実施形態では、再生画像５１の右下にテキスト表示エリア５２が設けられている。
【００２８】
選択した文字を確定するには、レリーズボタン４３を押圧してレリーズスイッチ４６をオンさせる。なお、測光スイッチ４５のオンを文字確定信号としてもよい。ステップＳ４では、この文字確定信号の有無をチェックし、確定操作が実行されたら選択文字の点滅表示をストップし（ステップＳ５）、確定された文字をシステムコントローラ２０内のメモリにセットし（ステップＳ６）、画像表示用ＬＣＤ３７上で当該確定文字を左方に一桁分ずらして表示する（ステップＳ７）。確定された文字は点滅ではなく連続表示される。
【００２９】
ステップＳ８では、確定した文字の消去処理に入ることが可能である。例えば、絞兼文字セットリング１３は確定文字消去用の特定の回転位置を有しており、絞兼文字セットリング１３をこの特定回転位置にセットした上で、レリーズボタン４３を押圧してレリーズスイッチ４６をオンすると、画像表示用ＬＣＤ３７上及びシステムコントローラ２０内のメモリから直前の確定文字が消去される（ステップＳ９）。複数の確定文字がある場合には、この消去操作を繰り返すことによって全ての確定文字を消去することも可能である。確定文字の消去には、絞兼文字セットリング１３やレリーズボタン４３とは別の操作部材を用いてもよい。ステップＳ８で確定文字の消去を行わなければステップＳ１に戻り、絞兼文字セットリング１３の回転が再び検出されると、図６または図７に示すように一桁目の位置に選択中の文字が点滅表示される。図６では、最初に確定した文字である「Ａ」を消去せずに２文字目の選択に入った場合を示し、図７では、第１と第２の確定文字「Ａ」「Ｂ」に続いて３文字目の選択に入った場合を示している。ここでは３文字目までの入力を例示しているが、４文字以上入力することも可能である。
【００３０】
ステップＳ４の文字点滅表示状態では、絞兼文字セットリング１３を回転させることによって、ＯＳＤ回路３８に格納されている複数のデータエレメントから異なる文字データを選択し、表示させることができる。この場合、ステップＳ１０でエンコーダ１６の出力が検出される。本実施形態では、カメラの後方から見て絞兼文字セットリング１３の右回転が順方向へ選択文字を送り、左回転が逆方向へ選択文字を送るようになっている。ここで言う順方向とは、ＯＳＤ回路３８内のキャラクタージェネレータＲＯＭにおけるデータエレメントのアドレスのプラス方向に相当し、例えばアルファベットの場合ではＡ、Ｂ、Ｃ・・という順序になる。同様に、逆方向とは、キャラクタージェネレータＲＯＭにおけるアドレスのマイナス方向に相当し、アルファベットの場合はＡ、Ｚ、Ｙ・・という順序になる。但し、キャラクタージェネレータＲＯＭに格納されるデータエレメントはアルファベットに限定されるものではなく、平仮名や片仮名、あるいは絵文字などにしてもよい。ステップＳ１１で絞兼文字セットリング１３の右回転が検出されたときには、アドレスの順方向へ選択文字を切り換える（ステップＳ１２）。逆に、絞兼文字セットリング１３の回転が検出されたが右回転が検出されない、すなわち絞兼文字セットリング１３が左回転されたときには、アドレス逆方向へ選択文字を切り換える（ステップＳ１３）。いずれの場合も、絞兼文字セットリング１３の回転に応じて画像表示用ＬＣＤ３７上での表示文字が変化され、ステップＳ４で文字確定操作が実行されると、ステップＳ５からステップＳ７までの文字確定処理を行い、当該確定文字をシステムコントローラ２０内のメモリにセットする。以上の各ステップを繰り返すことによって、複数の文字からなる入力データを決定することができる。
【００３１】
文字選択と確定を繰り返した結果、入力データが決定であれば、ステップＳ１４でコメント入力終了操作を行う。本実施形態では絞兼文字セットリング１３はデータ入力モード終了用の特定の回転位置を有しており、絞兼文字セットリング１３を該モード終了用の回転位置にセットした上で、レリーズボタン４３を押圧してレリーズスイッチ４６をオンすると、ステップＳ１５〜１７のコメント入力終了処理が実行される。この終了処理では、まずステップＳ１５において、システムコントローラ２０内のメモリにセットされた確定文字を用いてパーソナルコンピュータで扱うことの可能なテキストファイルを作成し、該テキストファイルには当該画像データと対応するファイル名が付けられる。次に、このテキストファイルをＰＣカードコントローラ３１を介してＰＣカード３５に記録し（ステップＳ１６）、該記録後のステップＳ１７で、画像表示用ＬＣＤ３７上の文字表示を消す。従って、システムコントローラ２０を含め、ＯＳＤ回路３８からＰＣカードコントローラ３１までの回路は、撮影済みの画像データに付随するテキストデータをＰＣカード３５に記録するためのデータ記録手段として機能している。なお、絞兼文字セットリング１３やレリーズボタン４３とは別に、データ入力モードを終了させるための操作部材を設けてもよい。
【００３２】
以上のように、本実施形態のデジタルカメラ１０では、画像データに付加させるテキストデータの文字選択時に、絞兼文字セットリング１３の回転操作によってデータエレメント、すなわち文字の選択を行う。レンズ鏡筒に設けた回転リングは、押しボタンや十字キーに比して迅速な選択作業が可能であるため、操作性が良い。絞兼文字セットリング１３は、撮影モードでは絞り値、すなわち撮影条件を変更する撮影条件変更用のリングとして機能するが、このようにカメラの動作モードの変化に応じて回転リングに複数の機能を持たせると、操作部材を少なくして操作性の向上を図ることができると共に、操作部材の設置スペースを節約することができる。
【００３３】
データ入力モードにおいてデータ選択に用いるレンズ鏡筒の回転リングは、撮影モードにおいては、絞り以外の撮影条件を変更するためのものであってもよい。図８は、フォーカス操作用リングの回転操作によって文字選択を行う実施形態を示しており、図１ないし図７と共通する構成要素については同じ符号で表している。同図のデジタルカメラ６０では、撮影レンズ鏡筒６１内に、フォーカス兼文字セットリング（回転リング）６２の回転方向及び回転量を検出するエンコーダ（リング回転検出手段）６３が設けられている。先の実施形態と同様に、ＰＣカード３５に記録した画像の再生時にエンコーダ６３によってフォーカス兼文字セットリング６２の回転が検出されると、ＯＳＤ回路３８から読み出す文字を切り換えることができ、選択した文字はレリーズボタン４３の押圧によって確定される。フォーカス兼文字セットリング６２は、撮影モードでは、フォーカスレンズ群を光軸方向に移動させるためのフォーカス操作リングとして機能する。
【００３４】
図９及び図１０は、本発明のさらに異なる実施形態を表している。この実施形態のカメラ７０は新写真システム対応の一眼レフカメラであり、撮像媒体として銀塩フィルムを用いる。なお、先に説明した各実施形態と同様の構成要素に関しては同符号で示している。
【００３５】
カメラ７０のカメラ本体７１内には、ミラーボックス２１の後方にフォーカルプレーンシャッタ７２が設けられており、該フォーカルプレーンシャッタ７２は、シャッタ駆動機構７３によって開閉させることができる。カメラ本体７１内にはまた、フィルム給送モータ７４が設けられ、このフィルム給送モータ７４によって、フォーカルプレーンシャッタ７２の後方を通るようにフィルム（画像記録媒体）７５が給送される。詳細には、フィルム７５は、カメラ７０とは別体のフィルムカートリッジ８６に収納されており、フィルムカートリッジ８６がカメラ本体７１内に収納されるとフィルム給送モータ７４によって該カートリッジ内のスプール８７がフィルム繰出方向に回転駆動される。するとフィルム７５はフォーカルプレーンシャッタ７２後方のフィルム走行面を通ってカメラ本体７１内の図示しない本体側スプールに巻き上げられる。以上のようにフィルム７５が送出された状態でフォーカルプレーンシャッタ７２を開くと、そのシャッタスピードに応じた時間でフィルム７５の撮影面が露光される。該露光後、フィルム給送モータ７４をフィルム巻上方向に駆動すると、フィルム７５が本体側スプールに巻き上げられて次の未露光の撮影駒がフォーカルプレーンシャッタ７２の後方に位置する。このフィルム露光とフィルム巻上を繰り返して、フィルム７５の最終駒まで画像を記録することができる。当該フィルム７５の撮影終了後には、自動または撮影者の任意の操作でフィルム巻戻を行う。すると、フィルム送出時とは反対方向にフィルム給送モータ７４が駆動され、フィルム７５がフィルムカートリッジ８６内に巻き戻される。
【００３６】
カメラ７０は、撮影レンズ鏡筒８５内にズーム撮影レンズ７６を備えている。ズーム撮影レンズ７６は、ズーム駆動機構７７によって変倍レンズ群に所定の動作をさせることで焦点距離を変化させるもので、撮影レンズ鏡筒８５の外面に設けたズーム兼文字セットリング（回転リング）７８の回転操作によって焦点距離を変化させることができる。また本実施形態では、ズームモータ７９の駆動によってもズーミングを行うことができる。
【００３７】
フィルム７５には撮像面とは別に磁気記録層（データ記録領域）が設けられており、フィルム走行面近傍に設けた磁気記録装置８０によって露光済みの撮影駒に関するデータを記録させることができる。記録させるデータは、プリント時の画面サイズや日時など各種の撮影条件であり、フィルム露光後の巻上処理中にデータの磁気書き込みを実行する。磁気記録装置８０を用いてさらに、撮影後のリワインドライト処理を実行することができる。リワインドライト処理では、一度巻き上げたフィルム露光駒を再びデータ記録可能な位置まで巻き戻し、撮影画像に付随するコメントデータを磁気記録装置８０によって磁気記録層に記録することができる。コメントデータ（データエレメント）は、キャラクタージェネレータＲＯＭ８１にアドレス番号を付して複数格納されており、コメントデータをフィルム７５の撮影駒に関して記録した場合には、そのアドレス番号に対応するコメントが、フィルムのプリント時に画像表示面の裏側に印刷される。キャラクタージェネレータＲＯＭ８１に格納しておく個々のコメントデータは、当該コメントを表す文字列を全て含むものであってもよいし、コメントのアドレス番号のみを示すものであってもよい。後者の場合は、データ入力時に、コメントとアドレス番号の対照表などを参照しながら、所望のコメントデータを設定することになる。
【００３８】
本実施形態のカメラ７０では、ズーム兼文字セットリング７８の回転操作によってフィルム７５に記録するコメントを選択することができる。コメント入力する際には、まずモード設定ダイヤル（モード選択部材）８２を回転操作してデータ入力モードを選択する。モード設定ダイヤル８２は、データ入力モードの選択以外に、自動露出設定と手動露出設定を切り換えたりすることが可能な操作部材である。このデータ入力モード時には、ズーム兼文字セットリング７８を回転させるとエンコーダ（リング回転検出手段）８３が回転位置を検出し、その検出パルスに応じて、キャラクタージェネレータＲＯＭ８１に格納されたコメントデータをシステムコントローラ２０が読み出し、カメラ本体７１の上面に設けた情報表示用ＬＣＤ（外部表示部材）８４に表示する。このとき、情報表示用ＬＣＤ８４には、読み出されたコメントデータに対応するアドレス番号を表示してもよいし、コメントを表す文字列そのものを表示してもよい。いずれの場合も、ズーム兼文字セットリング７８を回転させると、情報表示用ＬＣＤ８４に表示されるアドレス番号やコメントが切り換わり、所望のアドレス番号やコメントが表れたらレリーズボタン４３を押圧することで入力コメントを確定することができる。コメントが確定されると、磁気書き込み可能な位置まで露光済みの撮影駒が巻き戻され、続いて巻上動作中に、磁気記録装置８０を用いてコメントデータがフィルム７５の磁気記録層に記録される。
【００３９】
なお、図９及び図１０の実施形態のカメラ７０に関しては、以上のリワインドライト処理は直前の撮影駒のみに関して可能としてもよいし、複数駒に戻って実行可能としてもよい。また、入力コメントの選択及び決定をフィルム露光前に行い、露光後のフィルム巻上時に、決定されたコメントデータをフィルムに記録させるような制御も可能である。いずれにしろ、入力するコメントの選択に際して撮影レンズ鏡筒に設けた回転リングを用いることで、操作性が向上すればよいのである。
【００４０】
以上の各実施形態のように、撮影レンズ鏡筒の外面に設けた回転リングを、撮影時には撮影条件設定用の操作部材として機能させ、データ入力時には入力データ選択用の操作部材として機能させるように構成することで、データ入力時には、押しボタンや十字キーに対する押圧操作よりも迅速なデータ選択が可能になり、データ入力機能を備えたカメラの操作性が向上する。但し、本発明は以上の実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明は一眼レフタイプのカメラ以外でも適用することができる。また、前述したように、回転リングを用いて選択するデータは、実施形態のような文字やコメント以外のもの、例えば絵記号などであってもよい。
【００４１】
さらに以上の各実施形態では、撮影レンズ鏡筒外面の回転リングが、撮影条件設定用のリングとデータ選択リングを兼ねるように構成したが、データ選択用として独立したリングを撮影レンズ鏡筒に設けてもよい。図１１及び図１２は、このようなデータ選択用の独立したリングを備えたデジタルカメラ９０を示しており、同カメラ９０は、特に説明しない箇所については図１から図３を参照して説明したデジタルカメラ１０と共通しているものとする。デジタルカメラ９０は、絞り値や露光時間は全て、カメラ本体９１上に設けたコマンドダイヤル９２によって設定することができ、撮影レンズ鏡筒９４には絞設定用のリングなどは設けられていない。モード設定ダイヤル９３では、撮影モード用と画像再生モード用の回転位置に加えて、コマンドダイヤル９２を用いた露出制御に入るための回転位置が設定されている。また、デジタルカメラ９０は内蔵のオートフォーカス機構によって合焦動作を行い、カメラ本体９１に装着された撮影レンズ鏡筒９４にはフォーカス操作リングが設けられていない。
【００４２】
撮影レンズ鏡筒９４の外面には、データ選択リング９５が設けられている。データ選択リング９５は、撮影条件を変更する機能を有さない以外は、先のデジタルカメラ１０の絞兼文字セットリング１３と同様に作用し、ＰＣカード３５から読み出した画像データが画像表示用ＬＣＤ３７に表示されているとき、すなわちデータ入力モード時に回転操作すると、エンコーダ９６がデータ選択リング９５の回転を検出し、文字や数字を表す複数のデータエレメントから所望のものを選択することができる。選択したデータエレメントは、レリーズボタン４３の押圧によって確定され、パーソナルコンピュータで扱えるテキストデータとして、表示中の画像データに付加してＰＣカード３５に記録される。
【００４３】
この実施形態のカメラ９０のように構成すれば、撮影条件を変更するための回転リングをレンズ鏡筒に備えないカメラであっても、迅速なデータ入力が可能になる。但し本発明は、独立したデータ選択リングと共に撮影条件変更用リングを撮影レンズ鏡筒に設けることを排除するものではない。例えば、図９及び図１０の実施形態では、撮影レンズ鏡筒８５の外面に絞操作用とフォーカス操作用とズーム操作用の３つの回転リングを設けているが、これら３つのリングに加えて、データ選択用リングを別途設けてもよい。もちろん、デジタルカメラのみならず、銀塩フィルムを用いるカメラにおいて、コメント選択用に独立したデータ選択リングを、撮影レンズ鏡筒の外面に設けてもよい。
【００４４】
以上では、画像に付加させる入力データを選択する際の操作性を向上させるために撮影レンズ鏡筒外面の回転リングを用いた実施例を説明したが、この回転リングは、デジタルカメラにおける再生画像の切換用の画像選択リングとして用いても良好な操作性が得られる。図１３から図１６はこのような実施形態にかかるデジタルカメラ１００を示している。同カメラ１００は、特に説明しない箇所においては図１から図３で説明したデジタルカメラ１０と共通しており、同様の部材は同符号で表している。
【００４５】
デジタルカメラ１００では、カメラ本体１１１の上面に設けたモード設定ダイヤル１０１は、その回転位置によって少なくとも、ＣＣＤ２６を介して得られる撮影画像データをＰＣカード３５に記録させるための撮影モード、ＰＣカード３５から読み出した画像データを画像表示用ＬＣＤ３７に表示させる画像再生モードを選択できる。モード設定ダイヤル１０１では他にも、露光時間設定モードなどが選択可能であり、露光時間設定モードではコマンドダイヤル１０３を回転操作することによって露光時間を選択することができる。またデジタルカメラ１００は、データ入力モード選択ボタン１０２を備えており、画像表示用ＬＣＤ３７で画像を再生中に該データ入力モード選択ボタン１０２をオンさせると、データ入力モードに入ることができる。なお、モード設定ダイヤル１０１自体がデータ入力モード選択用の回転位置を備えるように構成してもよい。
【００４６】
本実施形態では、撮影レンズ鏡筒１１２の外面に設けた絞兼データセットリング１１３は、撮影モードが選択されているときには絞り値を設定するための撮影条件設定リングとして機能する。そして絞兼データセットリング１１３は、画像再生モードが選択されているときには、ＰＣカード３５から読み出す画像を切り換えるための画像選択リングとして機能し、データ入力モードが選択されているときには、入力するテキストデータを構成するデータエレメントを選択するためのデータ選択リングとして機能する。図１５と図１６のフローチャートを参照して、この絞兼データセットリング１１３の作用を説明する。
【００４７】
図１５は、画像再生モード時のメイン処理を表している。画像データ記録済みのＰＣカード３５をカードスロット３６に挿入した状態でモード設定ダイヤル１０１を画像再生モード位置に回転させ、さらにレリーズボタン４３を押圧して測光スイッチ４５をオンさせると画像再生モードに入り（ステップＳ２１）、ＰＣカード３５から画像データが読み出され、画像表示用ＬＣＤ３７に画像が表示される（ステップＳ２２）。
【００４８】
続くステップＳ２３でデータ入力モード選択ボタン１０２をオンすると、表示された画像に対してテキストデータを入力するデータ入力用のサブルーチンに入る。このサブルーチンは図１６に表れているが、そのステップＳ３１からステップＳ４７までの処理は、図４で説明したステップＳ１からステップＳ１７までのデータ入力処理と同じなので詳細な説明は省略する。テキストデータの入力処理が終了すると、ステップＳ２２の画像表示状態に戻る。以上のデータ入力処理においては、絞兼データセットリング１１３を回転させると、エンコーダ１１６によって検出されるその回転方向と回転量に応じて、ＯＳＤ回路３８から読み出される文字や数字などのデータエレメントのアドレスが切り換えられる。
【００４９】
ステップＳ２３の画像表示状態においてデータ入力を行わないときには、ステップＳ２４でエンコーダ１１６によって絞兼データセットリング１１３の回転が検出されると、そのパルス数に応じてシステムコントローラ２０は、ＰＣカード３５から読み出す画像を切り換える。本実施形態では、絞兼データセットリング１１３の右回転が駒番号が増加する方向（順方向）へ撮影画像を送り、左回転が駒番号が減少する方向（逆方向）へ撮影画像を送るようになっている（ステップＳ２５〜Ｓ２７）。いずれの場合も、絞兼データセットリング１１３の回転に応じて、ＰＣカード３５から読み出されて画像表示用ＬＣＤ３７に表示される画像が変化される。但し、ＰＣカード３５に記録されている画像が１駒だけの場合には、絞兼データセットリング１１３を回転させても表示される画像は変化しない。
【００５０】
モード設定ダイヤル１０１を画像再生モード位置以外の回転位置へ回転させると、画像再生モードが終了し、画像表示用ＬＣＤ３７に表示された画像が消される（ステップＳ２８、Ｓ２９）。
【００５１】
以上のように、撮影レンズ鏡筒の外面に設けた回転リングによって、外部表示部材に表示する再生画像を切り換えることも可能であり、押しボタンなどよりも迅速な画面切換操作が達成できる。なお、本実施形態では絞兼データセットリング１１３が、絞り操作（撮影条件変更）とテキストデータ選択操作と再生画像切換の３つの機能を兼用するものとしたが、再生画像の切換のみを行うための回転リングを独立して撮影レンズ鏡筒に設けてもよい。あるいは、回転リングが再生画像切換とテキストデータ選択の２つの機能を兼用するような構成も可能であるし、再生画像切換と撮影条件変更の２つの機能を兼用するような構成も可能である。この場合、回転リングで操作する撮影条件とは、絞り値に限らず、フォーカス操作やズーム操作でもよいのは、先に述べた実施形態と同様である。
【００５２】
【発明の効果】
以上から明らかなように、本発明によれば、撮影レンズ鏡筒外面に設けた回転リングの回転操作によって撮影画像に付加させる入力データを選択したり、再生画像の切換を行うように構成したので、従来のカメラよりも操作性が向上した。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明を適用したカメラの一実施形態を表す外観斜視図である。
【図２】図１のカメラの後方斜視図である。
【図３】図１及び図２のカメラの光学系と回路構成の概略を示す図である。
【図４】テキストデータ作成処理を示すフローチャート図である。
【図５】テキストデータ作成時における画像表示用ＬＣＤの表示例を示す図である。
【図６】テキストデータ作成時における画像表示用ＬＣＤの表示例を示す図である。
【図７】テキストデータ作成時における画像表示用ＬＣＤの表示例を示す図である。
【図８】フォーカスリングで文字選択を可能とした実施形態のカメラにおける、光学系と回路構成の概略を示す図である。
【図９】ズームリングで文字選択を可能とした実施形態のカメラの外観斜視図である。
【図１０】図９のカメラの光学系と回路構成の概略を示す図である。
【図１１】独立したデータ選択リングを備えた実施形態のカメラの外観斜視図である。
【図１２】図１１のカメラの光学系と回路構成の概略を示す図である。
【図１３】回転リングにより再生画像の切換を行う実施形態のカメラの外観斜視図である。
【図１４】図１３のカメラの光学系と回路構成の概略を示す図である。
【図１５】図１３及び図１４のカメラでの画像再生モード処理を示すフローチャート図である。
【図１６】同テキストデータ作成処理を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
１０ ６０ ９０ １００ デジタルカメラ
１１ ７１ ９１ １１１ カメラ本体
１２ ６１ ８５ ９４ １１２ 撮影レンズ鏡筒
１３ 絞兼文字セットリング
１５ 絞羽根
１６ ６３ ８３ ９６ １１６エンコーダ
２０ システムコントローラ
２６ ＣＣＤ
２９ デジタル信号処理回路
３０ バッファメモリ
３１ ＰＣカードコントローラ
３３ 撮影レンズ
３５ ＰＣカード
３６ カードスロット
３７ 画像表示用ＬＣＤ
３８ ＯＳＤ回路
４０ ８２ ９３ １０１ モード設定ダイヤル
４３ レリーズボタン
６２ フォーカス兼文字セットリング
７０ カメラ
７５ フィルム
７６ ズーム撮影レンズ
７８ ズーム兼文字セットリング
８０ 磁気記録装置
８１ キャラクタージェネレータＲＯＭ
８４ 情報表示用ＬＣＤ
９５ データ選択リング
１０２ データ入力モード選択ボタン
１１３ 絞兼データセットリング
【技術分野】
本発明はカメラに関し、特にデータ入力機能や撮影画像表示機能を有するカメラに関する。
【０００２】
【従来技術及びその問題点】
近年はカメラの電子化が進んでおり、その操作部材には押しボタンや十字キーなどが多用されるようになっている。しかしながら、この種の操作部材は、比較的多数の選択対象の中から特定の内容を選択するような場合には、何回も繰り返して押したり、連続的に押したり、さらに連続的に押したときの送り過ぎを考慮したりする必要があるため、良好な操作性を得ることが難しい。例えば、ＡＰＳ（Advanced Photo System：新写真システム）対応のカメラでは、予め用意されたコメント群から好みのコメントに対応した番号を選んで撮影画像と共に記録しておき、選択したコメントをプリント時に表すことが可能であるが、コメントの選択操作を押しボタンで行うと時間がかかる。ＡＰＳタイプのカメラだけでなく、この種のデータ入力可能なカメラにおいては、入力データは迅速に選択できることが望ましい。また、デジタルカメラの液晶モニタなどで記録済み画像を再生するときにも、複数の再生画像を容易に切り換えできることが望まれている。
【０００３】
【発明の目的】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、カメラ、特にデータ入力機能や撮影画像表示機能を有するカメラの操作性を向上させることを目的とする。
【０００４】
【発明の概要】
本発明のカメラは、撮影レンズ鏡筒の外面に設けた、回転操作可能な回転リング；この回転リングの回転位置を検出するリング回転検出手段；複数のデータエレメントを格納し、このデータエレメントから構成したデータを撮影画像とは別の付加データとして画像記録媒体に記録するデータ記録手段；撮影光学系を介して画像記録媒体に画像を記録させる撮影モードと、データ記録手段による画像記録媒体へのデータ入力を可能にするデータ入力モードとに切換可能なモード選択部材；及び、このモード選択部材によって撮影モードが選択されているときには、回転リングをその回転位置に応じて撮影条件を変更する撮影条件変更リングとして機能させ、このモード選択部材によってデータ入力モードが選択されているときには、回転リングをその回転位置に応じてデータ記録手段によって画像記録媒体に記録するデータエレメントを選択するデータ選択リングとして機能させる回転リング機能変更手段；を備えたことを特徴としている。この構成によれば、データ入力時のデータの選択は、撮影レンズ鏡筒外面に設けた回転リングの回転によって行うことができるので、押しボタンや十字キーに比して迅速な選択が可能になる。また該構成では、回転リングは撮影時には撮影条件を変更させるための手段を兼ねているため、操作系の構成を簡単にでき、かつスペース効率に優れている。
【０００５】
撮影レンズ鏡筒が内部に絞を備えているときには、上記の回転リングは、この絞を開閉させるための絞操作リングとデータ選択リングを兼ねるように構成することができる。また、撮影レンズ鏡筒が内部にズームレンズを備えているときには、上記の回転リングは、このズームレンズを動作させて焦点距離を変化させるためのズーム操作リングとデータ選択リングを兼ねるように構成してもよい。また、撮影レンズ鏡筒が内部に光軸に沿って移動可能なフォーカスレンズを備えているときには、上記の回転リングは、このフォーカスレンズを移動させるためのフォーカス操作リングとデータ選択リングを兼ねるように構成してもよい。
【０００６】
また本発明のカメラは、撮影レンズ鏡筒の外面に回転操作可能な独立したデータ選択リングを設け、リング回転検出手段で検出した該データ選択リングの回転位置に応じて、データ記録手段によって画像記録媒体に記録するデータエレメントを選択することを特徴としている。この構成によっても、データの選択は、撮影レンズ鏡筒外面に設けたデータ選択リングの回転によって実行できるため、データ入力時に優れた操作性が得られる。
【０００７】
このカメラでは、撮影モードとデータ入力モードに切換可能なモード選択部材を備え、このモード選択部材によってデータ入力モードが選択されているときに、上記のデータ選択リングの回転によってデータエレメントが選択されることが望ましい。
【０００８】
以上のデータ入力機能を備えた各態様のカメラでは、モード選択部材によって撮影モードが選択されているときに、画像記録媒体への画像の記録を開始させるレリーズボタンを備え、モード選択部材によってデータ入力モードが選択されているときには、回転リングやデータ選択リングによって選択したデータエレメントは、該レリーズボタンの押圧操作によって画像記録媒体への入力が確定されることが好ましい。また、モード選択部材によってデータ入力モードが選択されているときに、回転リングやデータ選択リングの回転位置に対応した選択中のデータエレメントを表示させる外部表示部材を備えていることが好ましい。
【０００９】
上記のデータ記録手段に格納されるデータエレメントは、例えば複数の文字や複数のコメントであり、モード選択部材によってデータ入力モードが選択されているときには、回転リングやデータ選択リングの回転位置に応じていずれかの文字やコメントが選択される。
【００１０】
以上のデータ入力機能を備えたカメラは、例えば、撮影光学系による結像位置に光電変換素子を有し、この光電変換素子を介して得られた画像データを記録するデータメモリ部材を画像記録媒体としたタイプであることが好ましい。また本発明を適用するカメラは、撮影光学系による結像位置にはフィルムの撮像面が位置され、該フィルムのデータ記録領域に付加データが記録されるタイプであってもよい。
【００１１】
本発明のカメラはまた、画像データを記録可能な画像記録媒体；この画像記録媒体に記録された画像データを画像として表示可能な外部表示部材；撮影レンズ鏡筒の外面に設けた、回転操作可能な回転リング；及び、この回転リングの回転位置を検出するリング回転検出手段；を備え、画像記録媒体に複数の画像データが記録されているときには、リング回転検出手段により検出される回転リングの回転位置に応じて、該複数の画像データから外部表示部材に表示される画像が選択されることを特徴としている。この構成によれば、再生画像の迅速な切換が可能であり、良好な操作性が得られる。
【００１２】
このカメラでは、少なくとも画像記録媒体に記録された画像を外部表示手段によって表示させる画像再生モードと他のモードとに切換可能なモード選択部材、及び、画像再生モードが選択されているときには、回転リングをその回転位置に応じて外部表示手段によって表示される画像データを選択する画像選択リングとして機能させ、その他のモードが選択されているときは回転リングをそのモードに応じた操作部材として機能させる回転リング機能変更手段を備えることが好ましい。他のモードとは例えば、撮影光学系を介して画像記録媒体に画像を記録させる撮影モードや、データ記録手段による画像記録媒体へのデータ入力を可能にするデータ入力モードなどであり、回転リング機能変更手段によって回転リングを、上記の画像選択リングとしての機能に加えて、撮影モードにおける撮影条件変更リングやデータ入力モードにおけるデータ選択リングとして機能させるように構成できる。
【００１３】
【発明の実施の形態】
以下、図示実施形態に基づいて本発明を説明する。図１及び図２は、一眼レフタイプのデジタルカメラ１０の外観を表しており、図３は同デジタルカメラ１０の光学系と回路構成の概略を表している。
【００１４】
デジタルカメラ１０では、カメラ本体１１の前部に撮影レンズ鏡筒１２が設けられている。本実施形態では、撮影レンズ鏡筒１２はカメラ本体１１に対して着脱可能な交換式レンズ鏡筒であり、撮影レンズ３３や絞羽根１５からなる撮影光学系を内蔵している。撮影レンズ鏡筒１２の外面には、回転操作可能な絞兼文字セットリング（回転リング）１３が設けられている。撮影時には、絞兼文字セットリング１３を回転操作すると、絞駆動機構１４を介して撮影レンズ鏡筒１２内に設けた絞羽根１５を駆動させて絞り値を設定することができるが、さらに記録画像再生時には、絞兼文字セットリング１３の回転操作によって、画像データに付随させる文字データの選択を行うことも可能である。本実施形態のデジタルカメラ１０は、この絞兼文字セットリング１３によって入力文字データの選択を可能とした点を特徴としており、その具体的な制御については後述する。絞兼文字セットリング１３の回転方向及び回転量、すなわち回転位置はエンコーダ（リング回転検出手段）１６によって検出される。エンコーダ１６は、磁気式や光学式など周知のロータリエンコーダを用いることができる。なお、絞兼文字セットリング１３をオート位置に保持することで、絞り値の自動設定も選択できる。該自動設定時には、カメラ本体１１内に設けたボディ側絞駆動機構１７によって絞羽根１５が開閉駆動される。
【００１５】
撮影レンズ鏡筒１２内の撮影レンズ３３は、撮影光軸Ｏに沿って移動可能に支持されたフォーカスレンズ群を備えている。撮影レンズ鏡筒１２の外面には、絞兼文字セットリング１３の他に、回転操作可能なフォーカスリング１８が設けられている。このフォーカスリング１８を回転すると、フォーカス駆動機構３４を介して上記のフォーカスレンズ群を撮影光軸Ｏに沿って移動させて、撮影レンズ３３の焦点面位置を変化させることができる。
【００１６】
撮影レンズ鏡筒１２をカメラ本体１１に装着すると、カメラ本体１１と撮影レンズ鏡筒１２にそれぞれ設けた電気接点が接触し、レンズＲＯＭ１９に格納された情報がシステムコントローラ２０に入力される。レンズＲＯＭ１９に格納されている情報は、例えば撮影レンズ３３の開放Ｆ値などであり、この情報をシステムコントローラ２０が露出制御などに利用する。また、撮影レンズ鏡筒１２をカメラ本体１１に装着しているときには、エンコーダ１６によって検出された絞兼文字セットリング１３の回転パルス信号も、システムコントローラ２０に入力される。
【００１７】
撮影レンズ鏡筒１２後方のミラーボックス２１内には、図３に示す撮影光路上の下降位置と撮影光路から退避した上昇位置に回動可能なメインミラー２２が設けられている。メインミラー２２は、不図示のミラー駆動機構によって回動される。図３のようにメインミラー２２が撮影光路上に位置するときには、撮影レンズ３３の撮影光軸Ｏに沿ってミラーボックス２１に入射する光束は、その大半がメインミラー２２で上方に反射されてピント板２３に結像し、ペンタプリズム２４及び接眼レンズ２５を介して正立像として観察される。
【００１８】
一方、メインミラー２２が撮影光路外の上昇位置に回動されたときには、該メインミラー２２の背後に設けたＣＣＤ（光電変換素子）２６へ撮影レンズ３３からの撮影光束が達する。撮影レンズ３３によってＣＣＤ２６上に結像された被写体像は、電気的な画像データに変換され、アナログ信号処理回路２７に送られる。画像データはさらにＡ／Ｄコンバータ２８でＡ／Ｄ変換されてデジタル信号処理回路２９を介して、バッファメモリ３０、ＰＣカードコントローラ３１、ミックス回路３２の間で交換させる。デジタル信号処理回路２９では、得られたデジタル画像信号に対してホワイトバランス調整等の信号処理を行ったり、デジタル画像信号をパーソナルコンピュータで扱えるファイル形式のデータに変換するなどの処理を行う。
【００１９】
カメラ本体１１の側面には、ＰＣカード（画像記録媒体、データメモリ部材）３５を挿脱させるためのカードスロット３６が形成され、カメラ本体１１の背面には、画像表示用ＬＣＤ（外部表示部材）３７が設けられている。カードスロット３６に挿入されたＰＣカード３５には、上記のＰＣカードコントローラ３１を介して画像データやテキストデータの出入力を行うことができる。
【００２０】
また、上記のミックス回路３２には、デジタル信号処理回路２９の他に、キキャラクタージェネレータＲＯＭを内蔵したＯＳＤ（On Screen Display）回路３８が接続している。キャラクタージェネレータＲＯＭには、例えばアルファベットの各文字と数字などを表す複数のデータエレメントが所定のアドレスを付けて格納されており、ＯＳＤ回路３８をシリアル通信で制御するシステムコントローラ２０によって、特定のデータエレメントを読み出すことができる。このキャラクタージェネレータＲＯＭから読み出された文字や数字を表すデータエレメントは、ミックス回路３２において、デジタル信号処理回路２９を介して得られる画像データと合成され、該合成データをＬＣＤ用信号処理回路３９を介して画像表示用ＬＣＤ３７に表示させることができる。
【００２１】
カメラ本体１１の上面には、モード設定ダイヤル４０、ＵＰボタン４１、ＤＯＷＮボタン４２、レリーズボタン４３が設けられている。モード設定ダイヤル４０は、その回転位置によって、ＣＣＤ２６を介して得られる撮影画像データをＰＣカード３５に記録する撮影モード、ＰＣカード３５から読み出した画像データを画像表示用ＬＣＤ３７に表示させる画像再生モード、ＣＣＤ２６に対する露光時間を設定する露光時間設定モードに切り換えることができる。露光時間設定モードを選択しているときには、ＵＰボタン４１とＤＯＷＮボタン４２を操作して露光時間、つまりＣＣＤ２６が撮影光束を光電変換する時間を手動で調節することができる。この露光時間は自動設定とすることもできる。
【００２２】
レリーズボタン４３は、２段押しスイッチとして構成されており、半押しで測光スイッチ４５をオンし、全押しでレリーズスイッチ４６をオンする。
【００２３】
ペンタプリズム２４近傍には、測光ユニット４７が配されている。システムコントローラ２０は、測光スイッチ４５の入力に応じて測光ユニット４７を用いて測光を実行する。前述のように、本実施形態のデジタルカメラ１０では、絞り値と露光時間はそれぞれ手動または自動で設定可能である。絞り値とシャッタスピードのいずれか一方、または両方を自動設定にした場合には、システムコントローラ２０は、測光値に基づいて絞り値やシャッタスピードを設定する。両方とも手動設定にした場合にも測光は行われ、撮影者により選択された絞り値とシャッタスピードの組み合わせが測光値と比較され、露出オーバーまたはアンダーとなる場合には、画像表示用ＬＣＤ３７や別種の表示器に警告が表示される。
【００２４】
本実施形態のデジタルカメラ１０はさらに自動合焦機能を備えている。メインミラー２２が光路上に位置するときに、撮影レンズを通った光束の一部は、該メインミラー２２を透過してサブミラー４８によって下方に反射され、ミラーボックス２１外に出る。この下方位置にはＡＦセンサ４９が設置されており、被写体のデフォーカス量を検出することができる。カメラ本体１１内には撮影レンズ３３を構成するフォーカスレンズ群を撮影光軸Ｏに沿って移動させることが可能なＡＦモータ５０が設けられている。測光スイッチ４５がオンされると、システムコントローラ２０は、ＡＦセンサ４９から入力されるデフォーカスデータに基づいて、デフォーカス量をゼロにするために必要なＡＦモータ５０の駆動量を演算し、該ＡＦモータ５０を駆動制御する。これによりフォーカスレンズが移動されて合焦動作が行われる。前述したように、合焦動作は、フォーカスリング１８の手動回転操作によって行うことも可能である。この場合、撮影者は、ファインダで観察される被写体画像や、画像表示用ＬＣＤ３７上の画像によって合焦状態を確認する。
【００２５】
レリーズスイッチレリーズスイッチ４６がオンされると、図示しないミラー駆動機構によってメインミラー２２が前述の上昇位置に回動され、設定された露光時間でＣＣＤ２６が露光される。この露光時間は、ＣＣＤ２６が撮影光束を電気信号に光電変換する時間として制御されるが、余分な光をカットするために、露光時間後に撮影光束を遮断する機械的なシャッタを別設してもよい。ＣＣＤ２６により得られた電気的な画像データは、前述したようにアナログ信号処理回路２７とＡ／Ｄコンバータ２８を介してデジタル信号処理回路２９に送られ、バッファメモリ３０に一時記憶された後、パーソナルコンピュータで扱える形式に変換、圧縮してＰＣカード３５に記録される。
【００２６】
図４のフローチャートに従って、以上の構成のデジタルカメラ１０における、画像データに対応する文字データの入力処理を説明する。画像データ記録済みのＰＣカード３５をカードスロット３６に挿入した状態でモード設定ダイヤル４０を画像再生モード位置に回転させ、レリーズボタン４３を押圧して測光スイッチ４５をオンさせると、ＰＣカード３５から画像データが読み出され、画像表示用ＬＣＤ３７に画像が表示される。このとき、ＰＣカード３５に複数の画像データが記録されていれば、ＵＰボタン４１とＤＯＷＮボタン４２を操作して再生画像を切り換えることができる。この画像再生状態で図４のフローチャートに入り、撮影画像に対する文字データ入力が可能になる。すなわち本実施形態では、モード設定ダイヤル４０とレリーズボタン４３（測光スイッチ４５）が、データ入力モードを選択するための手段を構成している。
【００２７】
前述したように、本実施形態のデジタルカメラ１０では、絞兼文字セットリング１３を回転させることによって入力する文字の選択が可能であり、図４のステップＳ１でエンコーダ１６によって絞兼文字セットリング１３の回転が検出されると、エンコーダの検出したパルスに応じてシステムコントローラ２０は、ＯＳＤ回路３８のキャラクタージェネレータＲＯＭに格納された複数のデータエレメントのうちから対応する文字や数字を読み出す。キャラクタージェネレータＲＯＭから読み出された文字や数字は、ミックス回路３２で画像データと合成されてステップＳ２で画像表示用ＬＣＤ３７に表示される。この段階で当該選択文字は確定されておらず、図５に示すように画像表示用ＬＣＤ３７上で選択文字が点滅表示される（ステップＳ３）。画像表示用ＬＣＤ３７上での選択文字の表示位置は任意であるが、本実施形態では、再生画像５１の右下にテキスト表示エリア５２が設けられている。
【００２８】
選択した文字を確定するには、レリーズボタン４３を押圧してレリーズスイッチ４６をオンさせる。なお、測光スイッチ４５のオンを文字確定信号としてもよい。ステップＳ４では、この文字確定信号の有無をチェックし、確定操作が実行されたら選択文字の点滅表示をストップし（ステップＳ５）、確定された文字をシステムコントローラ２０内のメモリにセットし（ステップＳ６）、画像表示用ＬＣＤ３７上で当該確定文字を左方に一桁分ずらして表示する（ステップＳ７）。確定された文字は点滅ではなく連続表示される。
【００２９】
ステップＳ８では、確定した文字の消去処理に入ることが可能である。例えば、絞兼文字セットリング１３は確定文字消去用の特定の回転位置を有しており、絞兼文字セットリング１３をこの特定回転位置にセットした上で、レリーズボタン４３を押圧してレリーズスイッチ４６をオンすると、画像表示用ＬＣＤ３７上及びシステムコントローラ２０内のメモリから直前の確定文字が消去される（ステップＳ９）。複数の確定文字がある場合には、この消去操作を繰り返すことによって全ての確定文字を消去することも可能である。確定文字の消去には、絞兼文字セットリング１３やレリーズボタン４３とは別の操作部材を用いてもよい。ステップＳ８で確定文字の消去を行わなければステップＳ１に戻り、絞兼文字セットリング１３の回転が再び検出されると、図６または図７に示すように一桁目の位置に選択中の文字が点滅表示される。図６では、最初に確定した文字である「Ａ」を消去せずに２文字目の選択に入った場合を示し、図７では、第１と第２の確定文字「Ａ」「Ｂ」に続いて３文字目の選択に入った場合を示している。ここでは３文字目までの入力を例示しているが、４文字以上入力することも可能である。
【００３０】
ステップＳ４の文字点滅表示状態では、絞兼文字セットリング１３を回転させることによって、ＯＳＤ回路３８に格納されている複数のデータエレメントから異なる文字データを選択し、表示させることができる。この場合、ステップＳ１０でエンコーダ１６の出力が検出される。本実施形態では、カメラの後方から見て絞兼文字セットリング１３の右回転が順方向へ選択文字を送り、左回転が逆方向へ選択文字を送るようになっている。ここで言う順方向とは、ＯＳＤ回路３８内のキャラクタージェネレータＲＯＭにおけるデータエレメントのアドレスのプラス方向に相当し、例えばアルファベットの場合ではＡ、Ｂ、Ｃ・・という順序になる。同様に、逆方向とは、キャラクタージェネレータＲＯＭにおけるアドレスのマイナス方向に相当し、アルファベットの場合はＡ、Ｚ、Ｙ・・という順序になる。但し、キャラクタージェネレータＲＯＭに格納されるデータエレメントはアルファベットに限定されるものではなく、平仮名や片仮名、あるいは絵文字などにしてもよい。ステップＳ１１で絞兼文字セットリング１３の右回転が検出されたときには、アドレスの順方向へ選択文字を切り換える（ステップＳ１２）。逆に、絞兼文字セットリング１３の回転が検出されたが右回転が検出されない、すなわち絞兼文字セットリング１３が左回転されたときには、アドレス逆方向へ選択文字を切り換える（ステップＳ１３）。いずれの場合も、絞兼文字セットリング１３の回転に応じて画像表示用ＬＣＤ３７上での表示文字が変化され、ステップＳ４で文字確定操作が実行されると、ステップＳ５からステップＳ７までの文字確定処理を行い、当該確定文字をシステムコントローラ２０内のメモリにセットする。以上の各ステップを繰り返すことによって、複数の文字からなる入力データを決定することができる。
【００３１】
文字選択と確定を繰り返した結果、入力データが決定であれば、ステップＳ１４でコメント入力終了操作を行う。本実施形態では絞兼文字セットリング１３はデータ入力モード終了用の特定の回転位置を有しており、絞兼文字セットリング１３を該モード終了用の回転位置にセットした上で、レリーズボタン４３を押圧してレリーズスイッチ４６をオンすると、ステップＳ１５〜１７のコメント入力終了処理が実行される。この終了処理では、まずステップＳ１５において、システムコントローラ２０内のメモリにセットされた確定文字を用いてパーソナルコンピュータで扱うことの可能なテキストファイルを作成し、該テキストファイルには当該画像データと対応するファイル名が付けられる。次に、このテキストファイルをＰＣカードコントローラ３１を介してＰＣカード３５に記録し（ステップＳ１６）、該記録後のステップＳ１７で、画像表示用ＬＣＤ３７上の文字表示を消す。従って、システムコントローラ２０を含め、ＯＳＤ回路３８からＰＣカードコントローラ３１までの回路は、撮影済みの画像データに付随するテキストデータをＰＣカード３５に記録するためのデータ記録手段として機能している。なお、絞兼文字セットリング１３やレリーズボタン４３とは別に、データ入力モードを終了させるための操作部材を設けてもよい。
【００３２】
以上のように、本実施形態のデジタルカメラ１０では、画像データに付加させるテキストデータの文字選択時に、絞兼文字セットリング１３の回転操作によってデータエレメント、すなわち文字の選択を行う。レンズ鏡筒に設けた回転リングは、押しボタンや十字キーに比して迅速な選択作業が可能であるため、操作性が良い。絞兼文字セットリング１３は、撮影モードでは絞り値、すなわち撮影条件を変更する撮影条件変更用のリングとして機能するが、このようにカメラの動作モードの変化に応じて回転リングに複数の機能を持たせると、操作部材を少なくして操作性の向上を図ることができると共に、操作部材の設置スペースを節約することができる。
【００３３】
データ入力モードにおいてデータ選択に用いるレンズ鏡筒の回転リングは、撮影モードにおいては、絞り以外の撮影条件を変更するためのものであってもよい。図８は、フォーカス操作用リングの回転操作によって文字選択を行う実施形態を示しており、図１ないし図７と共通する構成要素については同じ符号で表している。同図のデジタルカメラ６０では、撮影レンズ鏡筒６１内に、フォーカス兼文字セットリング（回転リング）６２の回転方向及び回転量を検出するエンコーダ（リング回転検出手段）６３が設けられている。先の実施形態と同様に、ＰＣカード３５に記録した画像の再生時にエンコーダ６３によってフォーカス兼文字セットリング６２の回転が検出されると、ＯＳＤ回路３８から読み出す文字を切り換えることができ、選択した文字はレリーズボタン４３の押圧によって確定される。フォーカス兼文字セットリング６２は、撮影モードでは、フォーカスレンズ群を光軸方向に移動させるためのフォーカス操作リングとして機能する。
【００３４】
図９及び図１０は、本発明のさらに異なる実施形態を表している。この実施形態のカメラ７０は新写真システム対応の一眼レフカメラであり、撮像媒体として銀塩フィルムを用いる。なお、先に説明した各実施形態と同様の構成要素に関しては同符号で示している。
【００３５】
カメラ７０のカメラ本体７１内には、ミラーボックス２１の後方にフォーカルプレーンシャッタ７２が設けられており、該フォーカルプレーンシャッタ７２は、シャッタ駆動機構７３によって開閉させることができる。カメラ本体７１内にはまた、フィルム給送モータ７４が設けられ、このフィルム給送モータ７４によって、フォーカルプレーンシャッタ７２の後方を通るようにフィルム（画像記録媒体）７５が給送される。詳細には、フィルム７５は、カメラ７０とは別体のフィルムカートリッジ８６に収納されており、フィルムカートリッジ８６がカメラ本体７１内に収納されるとフィルム給送モータ７４によって該カートリッジ内のスプール８７がフィルム繰出方向に回転駆動される。するとフィルム７５はフォーカルプレーンシャッタ７２後方のフィルム走行面を通ってカメラ本体７１内の図示しない本体側スプールに巻き上げられる。以上のようにフィルム７５が送出された状態でフォーカルプレーンシャッタ７２を開くと、そのシャッタスピードに応じた時間でフィルム７５の撮影面が露光される。該露光後、フィルム給送モータ７４をフィルム巻上方向に駆動すると、フィルム７５が本体側スプールに巻き上げられて次の未露光の撮影駒がフォーカルプレーンシャッタ７２の後方に位置する。このフィルム露光とフィルム巻上を繰り返して、フィルム７５の最終駒まで画像を記録することができる。当該フィルム７５の撮影終了後には、自動または撮影者の任意の操作でフィルム巻戻を行う。すると、フィルム送出時とは反対方向にフィルム給送モータ７４が駆動され、フィルム７５がフィルムカートリッジ８６内に巻き戻される。
【００３６】
カメラ７０は、撮影レンズ鏡筒８５内にズーム撮影レンズ７６を備えている。ズーム撮影レンズ７６は、ズーム駆動機構７７によって変倍レンズ群に所定の動作をさせることで焦点距離を変化させるもので、撮影レンズ鏡筒８５の外面に設けたズーム兼文字セットリング（回転リング）７８の回転操作によって焦点距離を変化させることができる。また本実施形態では、ズームモータ７９の駆動によってもズーミングを行うことができる。
【００３７】
フィルム７５には撮像面とは別に磁気記録層（データ記録領域）が設けられており、フィルム走行面近傍に設けた磁気記録装置８０によって露光済みの撮影駒に関するデータを記録させることができる。記録させるデータは、プリント時の画面サイズや日時など各種の撮影条件であり、フィルム露光後の巻上処理中にデータの磁気書き込みを実行する。磁気記録装置８０を用いてさらに、撮影後のリワインドライト処理を実行することができる。リワインドライト処理では、一度巻き上げたフィルム露光駒を再びデータ記録可能な位置まで巻き戻し、撮影画像に付随するコメントデータを磁気記録装置８０によって磁気記録層に記録することができる。コメントデータ（データエレメント）は、キャラクタージェネレータＲＯＭ８１にアドレス番号を付して複数格納されており、コメントデータをフィルム７５の撮影駒に関して記録した場合には、そのアドレス番号に対応するコメントが、フィルムのプリント時に画像表示面の裏側に印刷される。キャラクタージェネレータＲＯＭ８１に格納しておく個々のコメントデータは、当該コメントを表す文字列を全て含むものであってもよいし、コメントのアドレス番号のみを示すものであってもよい。後者の場合は、データ入力時に、コメントとアドレス番号の対照表などを参照しながら、所望のコメントデータを設定することになる。
【００３８】
本実施形態のカメラ７０では、ズーム兼文字セットリング７８の回転操作によってフィルム７５に記録するコメントを選択することができる。コメント入力する際には、まずモード設定ダイヤル（モード選択部材）８２を回転操作してデータ入力モードを選択する。モード設定ダイヤル８２は、データ入力モードの選択以外に、自動露出設定と手動露出設定を切り換えたりすることが可能な操作部材である。このデータ入力モード時には、ズーム兼文字セットリング７８を回転させるとエンコーダ（リング回転検出手段）８３が回転位置を検出し、その検出パルスに応じて、キャラクタージェネレータＲＯＭ８１に格納されたコメントデータをシステムコントローラ２０が読み出し、カメラ本体７１の上面に設けた情報表示用ＬＣＤ（外部表示部材）８４に表示する。このとき、情報表示用ＬＣＤ８４には、読み出されたコメントデータに対応するアドレス番号を表示してもよいし、コメントを表す文字列そのものを表示してもよい。いずれの場合も、ズーム兼文字セットリング７８を回転させると、情報表示用ＬＣＤ８４に表示されるアドレス番号やコメントが切り換わり、所望のアドレス番号やコメントが表れたらレリーズボタン４３を押圧することで入力コメントを確定することができる。コメントが確定されると、磁気書き込み可能な位置まで露光済みの撮影駒が巻き戻され、続いて巻上動作中に、磁気記録装置８０を用いてコメントデータがフィルム７５の磁気記録層に記録される。
【００３９】
なお、図９及び図１０の実施形態のカメラ７０に関しては、以上のリワインドライト処理は直前の撮影駒のみに関して可能としてもよいし、複数駒に戻って実行可能としてもよい。また、入力コメントの選択及び決定をフィルム露光前に行い、露光後のフィルム巻上時に、決定されたコメントデータをフィルムに記録させるような制御も可能である。いずれにしろ、入力するコメントの選択に際して撮影レンズ鏡筒に設けた回転リングを用いることで、操作性が向上すればよいのである。
【００４０】
以上の各実施形態のように、撮影レンズ鏡筒の外面に設けた回転リングを、撮影時には撮影条件設定用の操作部材として機能させ、データ入力時には入力データ選択用の操作部材として機能させるように構成することで、データ入力時には、押しボタンや十字キーに対する押圧操作よりも迅速なデータ選択が可能になり、データ入力機能を備えたカメラの操作性が向上する。但し、本発明は以上の実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明は一眼レフタイプのカメラ以外でも適用することができる。また、前述したように、回転リングを用いて選択するデータは、実施形態のような文字やコメント以外のもの、例えば絵記号などであってもよい。
【００４１】
さらに以上の各実施形態では、撮影レンズ鏡筒外面の回転リングが、撮影条件設定用のリングとデータ選択リングを兼ねるように構成したが、データ選択用として独立したリングを撮影レンズ鏡筒に設けてもよい。図１１及び図１２は、このようなデータ選択用の独立したリングを備えたデジタルカメラ９０を示しており、同カメラ９０は、特に説明しない箇所については図１から図３を参照して説明したデジタルカメラ１０と共通しているものとする。デジタルカメラ９０は、絞り値や露光時間は全て、カメラ本体９１上に設けたコマンドダイヤル９２によって設定することができ、撮影レンズ鏡筒９４には絞設定用のリングなどは設けられていない。モード設定ダイヤル９３では、撮影モード用と画像再生モード用の回転位置に加えて、コマンドダイヤル９２を用いた露出制御に入るための回転位置が設定されている。また、デジタルカメラ９０は内蔵のオートフォーカス機構によって合焦動作を行い、カメラ本体９１に装着された撮影レンズ鏡筒９４にはフォーカス操作リングが設けられていない。
【００４２】
撮影レンズ鏡筒９４の外面には、データ選択リング９５が設けられている。データ選択リング９５は、撮影条件を変更する機能を有さない以外は、先のデジタルカメラ１０の絞兼文字セットリング１３と同様に作用し、ＰＣカード３５から読み出した画像データが画像表示用ＬＣＤ３７に表示されているとき、すなわちデータ入力モード時に回転操作すると、エンコーダ９６がデータ選択リング９５の回転を検出し、文字や数字を表す複数のデータエレメントから所望のものを選択することができる。選択したデータエレメントは、レリーズボタン４３の押圧によって確定され、パーソナルコンピュータで扱えるテキストデータとして、表示中の画像データに付加してＰＣカード３５に記録される。
【００４３】
この実施形態のカメラ９０のように構成すれば、撮影条件を変更するための回転リングをレンズ鏡筒に備えないカメラであっても、迅速なデータ入力が可能になる。但し本発明は、独立したデータ選択リングと共に撮影条件変更用リングを撮影レンズ鏡筒に設けることを排除するものではない。例えば、図９及び図１０の実施形態では、撮影レンズ鏡筒８５の外面に絞操作用とフォーカス操作用とズーム操作用の３つの回転リングを設けているが、これら３つのリングに加えて、データ選択用リングを別途設けてもよい。もちろん、デジタルカメラのみならず、銀塩フィルムを用いるカメラにおいて、コメント選択用に独立したデータ選択リングを、撮影レンズ鏡筒の外面に設けてもよい。
【００４４】
以上では、画像に付加させる入力データを選択する際の操作性を向上させるために撮影レンズ鏡筒外面の回転リングを用いた実施例を説明したが、この回転リングは、デジタルカメラにおける再生画像の切換用の画像選択リングとして用いても良好な操作性が得られる。図１３から図１６はこのような実施形態にかかるデジタルカメラ１００を示している。同カメラ１００は、特に説明しない箇所においては図１から図３で説明したデジタルカメラ１０と共通しており、同様の部材は同符号で表している。
【００４５】
デジタルカメラ１００では、カメラ本体１１１の上面に設けたモード設定ダイヤル１０１は、その回転位置によって少なくとも、ＣＣＤ２６を介して得られる撮影画像データをＰＣカード３５に記録させるための撮影モード、ＰＣカード３５から読み出した画像データを画像表示用ＬＣＤ３７に表示させる画像再生モードを選択できる。モード設定ダイヤル１０１では他にも、露光時間設定モードなどが選択可能であり、露光時間設定モードではコマンドダイヤル１０３を回転操作することによって露光時間を選択することができる。またデジタルカメラ１００は、データ入力モード選択ボタン１０２を備えており、画像表示用ＬＣＤ３７で画像を再生中に該データ入力モード選択ボタン１０２をオンさせると、データ入力モードに入ることができる。なお、モード設定ダイヤル１０１自体がデータ入力モード選択用の回転位置を備えるように構成してもよい。
【００４６】
本実施形態では、撮影レンズ鏡筒１１２の外面に設けた絞兼データセットリング１１３は、撮影モードが選択されているときには絞り値を設定するための撮影条件設定リングとして機能する。そして絞兼データセットリング１１３は、画像再生モードが選択されているときには、ＰＣカード３５から読み出す画像を切り換えるための画像選択リングとして機能し、データ入力モードが選択されているときには、入力するテキストデータを構成するデータエレメントを選択するためのデータ選択リングとして機能する。図１５と図１６のフローチャートを参照して、この絞兼データセットリング１１３の作用を説明する。
【００４７】
図１５は、画像再生モード時のメイン処理を表している。画像データ記録済みのＰＣカード３５をカードスロット３６に挿入した状態でモード設定ダイヤル１０１を画像再生モード位置に回転させ、さらにレリーズボタン４３を押圧して測光スイッチ４５をオンさせると画像再生モードに入り（ステップＳ２１）、ＰＣカード３５から画像データが読み出され、画像表示用ＬＣＤ３７に画像が表示される（ステップＳ２２）。
【００４８】
続くステップＳ２３でデータ入力モード選択ボタン１０２をオンすると、表示された画像に対してテキストデータを入力するデータ入力用のサブルーチンに入る。このサブルーチンは図１６に表れているが、そのステップＳ３１からステップＳ４７までの処理は、図４で説明したステップＳ１からステップＳ１７までのデータ入力処理と同じなので詳細な説明は省略する。テキストデータの入力処理が終了すると、ステップＳ２２の画像表示状態に戻る。以上のデータ入力処理においては、絞兼データセットリング１１３を回転させると、エンコーダ１１６によって検出されるその回転方向と回転量に応じて、ＯＳＤ回路３８から読み出される文字や数字などのデータエレメントのアドレスが切り換えられる。
【００４９】
ステップＳ２３の画像表示状態においてデータ入力を行わないときには、ステップＳ２４でエンコーダ１１６によって絞兼データセットリング１１３の回転が検出されると、そのパルス数に応じてシステムコントローラ２０は、ＰＣカード３５から読み出す画像を切り換える。本実施形態では、絞兼データセットリング１１３の右回転が駒番号が増加する方向（順方向）へ撮影画像を送り、左回転が駒番号が減少する方向（逆方向）へ撮影画像を送るようになっている（ステップＳ２５〜Ｓ２７）。いずれの場合も、絞兼データセットリング１１３の回転に応じて、ＰＣカード３５から読み出されて画像表示用ＬＣＤ３７に表示される画像が変化される。但し、ＰＣカード３５に記録されている画像が１駒だけの場合には、絞兼データセットリング１１３を回転させても表示される画像は変化しない。
【００５０】
モード設定ダイヤル１０１を画像再生モード位置以外の回転位置へ回転させると、画像再生モードが終了し、画像表示用ＬＣＤ３７に表示された画像が消される（ステップＳ２８、Ｓ２９）。
【００５１】
以上のように、撮影レンズ鏡筒の外面に設けた回転リングによって、外部表示部材に表示する再生画像を切り換えることも可能であり、押しボタンなどよりも迅速な画面切換操作が達成できる。なお、本実施形態では絞兼データセットリング１１３が、絞り操作（撮影条件変更）とテキストデータ選択操作と再生画像切換の３つの機能を兼用するものとしたが、再生画像の切換のみを行うための回転リングを独立して撮影レンズ鏡筒に設けてもよい。あるいは、回転リングが再生画像切換とテキストデータ選択の２つの機能を兼用するような構成も可能であるし、再生画像切換と撮影条件変更の２つの機能を兼用するような構成も可能である。この場合、回転リングで操作する撮影条件とは、絞り値に限らず、フォーカス操作やズーム操作でもよいのは、先に述べた実施形態と同様である。
【００５２】
【発明の効果】
以上から明らかなように、本発明によれば、撮影レンズ鏡筒外面に設けた回転リングの回転操作によって撮影画像に付加させる入力データを選択したり、再生画像の切換を行うように構成したので、従来のカメラよりも操作性が向上した。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明を適用したカメラの一実施形態を表す外観斜視図である。
【図２】図１のカメラの後方斜視図である。
【図３】図１及び図２のカメラの光学系と回路構成の概略を示す図である。
【図４】テキストデータ作成処理を示すフローチャート図である。
【図５】テキストデータ作成時における画像表示用ＬＣＤの表示例を示す図である。
【図６】テキストデータ作成時における画像表示用ＬＣＤの表示例を示す図である。
【図７】テキストデータ作成時における画像表示用ＬＣＤの表示例を示す図である。
【図８】フォーカスリングで文字選択を可能とした実施形態のカメラにおける、光学系と回路構成の概略を示す図である。
【図９】ズームリングで文字選択を可能とした実施形態のカメラの外観斜視図である。
【図１０】図９のカメラの光学系と回路構成の概略を示す図である。
【図１１】独立したデータ選択リングを備えた実施形態のカメラの外観斜視図である。
【図１２】図１１のカメラの光学系と回路構成の概略を示す図である。
【図１３】回転リングにより再生画像の切換を行う実施形態のカメラの外観斜視図である。
【図１４】図１３のカメラの光学系と回路構成の概略を示す図である。
【図１５】図１３及び図１４のカメラでの画像再生モード処理を示すフローチャート図である。
【図１６】同テキストデータ作成処理を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
１０ ６０ ９０ １００ デジタルカメラ
１１ ７１ ９１ １１１ カメラ本体
１２ ６１ ８５ ９４ １１２ 撮影レンズ鏡筒
１３ 絞兼文字セットリング
１５ 絞羽根
１６ ６３ ８３ ９６ １１６エンコーダ
２０ システムコントローラ
２６ ＣＣＤ
２９ デジタル信号処理回路
３０ バッファメモリ
３１ ＰＣカードコントローラ
３３ 撮影レンズ
３５ ＰＣカード
３６ カードスロット
３７ 画像表示用ＬＣＤ
３８ ＯＳＤ回路
４０ ８２ ９３ １０１ モード設定ダイヤル
４３ レリーズボタン
６２ フォーカス兼文字セットリング
７０ カメラ
７５ フィルム
７６ ズーム撮影レンズ
７８ ズーム兼文字セットリング
８０ 磁気記録装置
８１ キャラクタージェネレータＲＯＭ
８４ 情報表示用ＬＣＤ
９５ データ選択リング
１０２ データ入力モード選択ボタン
１１３ 絞兼データセットリング
Claims (22)
- 撮影レンズ鏡筒の外面に設けた、回転操作可能な回転リング；
この回転リングの回転位置を検出するリング回転検出手段；
複数のデータエレメントを格納し、このデータエレメントから構成したデータを撮影画像とは別の付加データとして画像記録媒体に記録するデータ記録手段；
撮影光学系を介して画像記録媒体に画像を記録させる撮影モードと、上記データ記録手段による画像記録媒体へのデータ入力を可能にするデータ入力モードとに切換可能なモード選択部材；及び
上記回転リングを、このモード選択部材によって撮影モードが選択されているときには、その回転位置に応じて撮影条件を変更する撮影条件変更リングとして機能させ、このモード選択部材によってデータ入力モードが選択されているときには、その回転位置に応じて上記データ記録手段によって画像記録媒体に記録するデータエレメントを選択するデータ選択リングとして機能させる回転リング機能変更手段；
を備えたことを特徴とするカメラ。 - 請求項１記載のカメラにおいて、上記撮影レンズ鏡筒は内部に絞を備え、上記回転リングは、この絞を開閉させるための絞操作リングとデータ選択リングを兼ねているカメラ。
- 請求項１記載のカメラにおいて、上記撮影レンズ鏡筒は内部にズームレンズを備え、上記回転リングは、このズームレンズを動作させて焦点距離を変化させるためのズーム操作リングとデータ選択リングを兼ねているカメラ。
- 請求項１記載のカメラにおいて、上記撮影レンズ鏡筒は内部に光軸に沿って移動可能なフォーカスレンズを備え、上記回転リングは、このフォーカスレンズを移動させるためのフォーカス操作リングとデータ選択リングを兼ねているカメラ。
- 請求項１から４いずれか１項記載のカメラにおいて、上記モード選択部材によって撮影モードが選択されているときに、上記画像記録媒体への画像の記録を開始させるレリーズボタンを備えており、
上記モード選択部材によってデータ入力モードが選択されているときには、上記回転リングによって選択したデータエレメントは、該レリーズボタンの押圧操作によって上記画像記録媒体への入力が確定されるカメラ。 - 請求項１から５いずれか１項記載のカメラにおいて、上記モード選択部材によってデータ入力モードが選択されているときに、上記回転リングの回転位置に対応した選択中のデータエレメントを表示する、外部表示部材を備えているカメラ。
- 請求項１から６いずれか１項記載のカメラにおいて、上記データ記録手段にはデータエレメントとして複数の文字が格納されており、上記モード選択部材によってデータ入力モードが選択されているときには、回転リングの回転位置に応じていずれかの文字が選択されるカメラ。
- 請求項１から６いずれか１項記載のカメラにおいて、上記データ記録手段にはデータエレメントとして複数のコメントが格納されており、上記モード選択部材によってデータ入力モードが選択されているときには、回転リングの回転位置に応じていずれかのコメントが選択されるカメラ。
- 請求項１から８いずれか１項記載のカメラにおいて、上記撮影光学系による結像位置に光電変換素子を有し、上記画像記録媒体は、この光電変換素子を介して得られた画像データを記録するデータメモリ部材であるカメラ。
- 請求項１から８いずれか１項記載のカメラにおいて、上記撮影光学系による結像位置にはフィルムの撮像面が位置され、上記付加データは、該フィルムのデータ記録領域に記録されるカメラ。
- 撮影レンズ鏡筒の外面に設けた、回転操作可能なデータ選択リング；
このデータ選択リングの回転位置を検出するリング回転検出手段；及び
複数のデータエレメントを格納し、このデータエレメントから構成したデータを撮影画像とは別の付加データとして画像記録媒体に記録するデータ記録手段；を備え、
上記リング回転検出手段により検出されるデータ選択リングの回転位置に応じて、上記データ記録手段によって画像記録媒体に記録するデータエレメントを選択することを特徴とするカメラ。 - 請求項１１項記載のカメラにおいて、撮影光学系を介して画像記録媒体に画像を記録させる撮影モードと、上記データ記録手段による画像記録媒体へのデータ入力を可能にするデータ入力モードとに切換可能なモード選択部材を備え、
このモード選択部材によってデータ入力モードが選択されているときに、上記データ選択リングの回転によって上記データエレメントが選択されるカメラ。 - 請求項１２記載のカメラにおいて、上記モード選択部材によって撮影モードが選択されているときに、上記画像記録媒体への画像の記録を開始させるレリーズボタンを備えており、
上記モード選択部材によってデータ入力モードが選択されているときには、上記データ選択リングによって選択したデータエレメントは、該レリーズボタンの押圧操作によって上記画像記録媒体への入力が確定されるカメラ。 - 請求項１２または１３記載のカメラにおいて、上記モード選択部材によってデータ入力モードが選択されているときに、上記データ選択リングの回転位置に対応した選択中のデータエレメントを表示する、外部表示部材を備えているカメラ。
- 請求項１２から１４いずれか１項記載のカメラにおいて、上記データ記録手段にはデータエレメントとして複数の文字が格納されており、上記モード選択部材によってデータ入力モードが選択されているときには、回転リングの回転位置に応じていずれかの文字が選択されるカメラ。
- 請求項１２から１４いずれか１項記載のカメラにおいて、上記データ記録手段にはデータエレメントとして複数のコメントが格納されており、上記モード選択部材によってデータ入力モードが選択されているときには、回転リングの回転位置に応じていずれかのコメントが選択されるカメラ。
- 請求項１１から１６いずれか１項記載のカメラにおいて、上記撮影光学系による結像位置に光電変換素子を有し、上記画像記録媒体は、この光電変換素子を介して得られた画像データを記録するデータメモリ部材であるカメラ。
- 請求項１１から１６いずれか１項記載のカメラにおいて、上記撮影光学系による結像位置にはフィルムの撮像面が位置され、上記付加データは、該フィルムのデータ記録領域に記録されるカメラ。
- 画像データを記録可能な画像記録媒体；
この画像記録媒体に記録された画像データを画像として表示可能な外部表示部材；
撮影レンズ鏡筒の外面に設けた、回転操作可能な回転リング；及び
この回転リングの回転位置を検出するリング回転検出手段；
を備え、上記画像記録媒体に複数の画像データが記録されているときには、上記リング回転検出手段により検出される回転リングの回転位置に応じて、該複数の画像データから上記外部表示部材に表示される画像が選択されることを特徴とするカメラ。 - 請求項１９記載のカメラにおいて、
撮影光学系を介して上記画像記録媒体に画像を記録させる撮影モードと、上記画像記録媒体に記録された画像を上記外部表示手段によって表示させる画像再生モードとに切換可能なモード選択部材；及び
上記回転リングを、このモード選択部材によって撮影モードが選択されているときには、その回転位置に応じて撮影条件を変更する撮影条件変更リングとして機能させ、このモード選択部材によって画像再生モードが選択されているときには、その回転位置に応じて上記外部表示手段によって表示される画像データを選択する画像選択リングとして機能させる回転リング機能変更手段；
を備えたカメラ。 - 請求項１９記載のカメラにおいて、
複数のデータエレメントを格納し、このデータエレメントから構成したデータを撮影画像とは別の付加データとして画像記録媒体に記録するデータ記録手段；
上記データ記録手段による画像記録媒体へのデータ入力を可能にするデータ入力モードと、上記画像記録媒体に記録された画像を上記外部表示手段によって表示させる画像再生モードとに切換可能なモード選択部材；及び
上記回転リングを、このモード選択部材にデータ入力モードが選択されているときには、その回転位置に応じて上記データ記録手段によって画像記録媒体に記録するデータエレメントを選択するデータ選択リングとして機能させ、このモード選択部材によって画像再生モードが選択されているときには、その回転位置に応じて上記外部表示手段によって表示される画像データを選択する画像選択リングとして機能させる回転リング機能変更手段；
を備えたカメラ。 - 請求項１９記載のカメラにおいて、
複数のデータエレメントを格納し、このデータエレメントから構成したデータを撮影画像とは別の付加データとして画像記録媒体に記録するデータ記録手段；
撮影光学系を介して上記画像記録媒体に画像を記録させる撮影モードと、上記データ記録手段による画像記録媒体へのデータ入力を可能にするデータ入力モードと、上記画像記録媒体に記録された画像を上記外部表示手段によって表示させる画像再生モードとに切換可能なモード選択部材；及び
上記回転リングを、このモード選択部材によって撮影モードが選択されているときには、その回転位置に応じて撮影条件を変更する撮影条件変更リングとして機能させ、このモード選択部材にデータ入力モードが選択されているときには、その回転位置に応じて上記データ記録手段によって画像記録媒体に記録するデータエレメントを選択するデータ選択リングとして機能させ、このモード選択部材によって画像再生モードが選択されているときには、その回転位置に応じて上記外部表示手段によって表示される画像データを選択する画像選択リングとして機能させる回転リング機能変更手段；
を備えたカメラ。
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