JP3692863B2 - Driving force distribution device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数の車輪に伝達する駆動力の分配割合を制御することのできる駆動力分配装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両に搭載されるデファレンシャルには、左右輪に伝達する駆動力の分配割合を制御するものと、前後輪に伝達する駆動力の分配割合を制御するものとがある。このうち、前者のデファレンシャルは、車両の旋回時において、左右輪に生じる回転速度差を吸収する機能と、エンジンのトルクを左右両輪に適切な比率で分配する機能とを有する。しかしながら、このデファレンシャルは、左右の車輪に作用する負荷の差に基づいて動作するために、一方の車輪が空転した場合は、他方の車輪に伝達されるトルクが不足する可能性がある。この不都合を回避するために、左右輪の差動回転時に、電動機のトルクを左右輪に対して付加する制御をおこなうトルク分配機構の一例が、特開平4−321435号公報に記載されている。
【0003】
この公報にはフロントエンジン・フロントドライブ車が記載されており、この車両は、プラネタリギヤ式のデファレンシャルと、トルク分配機構とを有する。デファレンシャルは、ミッションから出力されたトルクを左右輪に伝達するためのものである。このデファレンシャルは、第1リングギヤと第1サンギヤとアウタプラネタリギヤとインナプラネタリギヤと第1プラネタリキャリヤとを有する。また、第1リングギヤと左シャフトとが同心状に配置され、この第1リングギヤと入力ギヤとが噛合されている。第1サンギヤは第1リングギヤの内部に配置され、かつ、この第1サンギヤと第1リングギヤとが同心状に配置されている。さらに第1サンギヤは左シャフトに形成されている。また、アウタプラネタリギヤと第1リングギヤとが噛合され、インナプラネタリギヤが、第1サンギヤおよびアウタプラネタリギヤに噛合されている。さらに第1プラネタリキャリヤにより、アウタプラネタリギヤおよびインナプラネタリギヤが支持されている。この第1プラネタリキャリヤが、右シャフトを介して右輪に連結されている。
【0004】
前記トルク分配機構は、前記第1リングギヤから入力されたトルクを、デファレンシャルの第2プラネタリキャリヤおよび第2サンギヤに対して、所定の比率で分配するためのものである。このトルク分配機構は左側シャフトの外周に配置されており、このトルク分配機構は、電動モータおよび遊星歯車機構を主体として構成されている。この遊星歯車機構は、第2サンギヤとプラネタリギヤと第2リングギヤと第2プラネタリキャリヤとを有する。第2サンギヤは左シャフトに対して相対回転自在に取り付けられ、第2リングギヤが第2サンギヤの外周側に配置されている。そして、プラネタリギヤは第2サンギヤおよび第2リングギヤに噛合されている。また、第2プラネタリキャリヤは左シャフトに結合され、第2プラネタリキャリヤによりプラネタリギヤが支持されている。
【0005】
さらに第2リングギヤの外周には第1の外歯ギヤが形成されているとともに、第2プラネタリキャリヤに対して一体化された第2の外歯ギヤが形成されている。そして、第2リングギヤの外側には一対のスパーギヤが設けられており、このスパーギヤの一方が第1の外歯ギヤに噛合され、スパーギヤの他方が第2の外歯ギヤに噛合されている。なお、前記電動モータにより駆動されるピニオンには、遊星歯車機構入力ギヤが噛合されている。この遊星歯車機構入力ギヤは、前記第2サンギヤと一体化されている。
【0006】
上記構成において、エンジンから出力されたトルクが、ミッションおよび第1リングギヤを介してデファレンシャルに入力され、このトルクが左シャフトおよび右シャフトに伝達される。ここで、車両を旋回させるべくステアリングホイールが操作されると、その操舵角と車速とに基づいて左右輪の回転速度差の必要値が演算される。そして、この演算結果に対応する方向および速度で電動モータが駆動される。その結果、第2サンギヤが回転し、第1,第2プラネタリキャリヤの回転速度、すなわち、第1プラネタリキャリヤの回転速度と、第2サンギヤの回転速度とに所定の差が発生する。このようにして、ミッションから第1リングギヤに伝達されたトルクが、電動モータの回転方向および回転速度により決定される所定の比率に基づいて左右輪に伝達される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に記載されたトルク分配機構においては、電動モータから遊星歯車機構に伝達されたトルクおよびその回転速度を、所定の値に変換するとともに、デファレンシャルの第1プラネタリキャリヤに伝達するための機構、すなわち一対のスパーギヤが、遊星歯車機構の外側に配置されている。このため、トルク分配機構が、左シャフトを中心として半径方向に大型化し、車載性が低下する問題があった。
【0008】
この発明は、上記事情を背景としてなされたもので、電動機から出力されたトルクを回転部材に分配するための機構を、回転部材の半径方向において可及的に小型化することのできる駆動力分配装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記目的を達成するため請求項1の発明は、入力用回転部材を介して入力されるトルクを、複数の車輪に分配するデファレンシャルと、このデファレンシャルから出力されるトルクをいずれかの車輪に伝達し、かつ、前記デファレンシャルの入力用回転部材と同一の軸線を中心として回転する回転部材と、電動機から出力されるトルクを、前記入力用回転部材および前記回転部材に伝達するギヤ機構とを有する駆動力分配装置において、前記ギヤ機構が、前記入力用回転部材に設けられ、かつ、前記軸線を中心として回転する第1従動ギヤと、前記いずれか一方の回転部材に設けられ、かつ、前記軸線を中心として回転する第2従動ギヤと、前記電動機の出力側と前記第1従動ギヤとをトルク伝達可能に連結する第1中間ギヤ機構と、前記電動機の出力側と前記第2従動ギヤとをトルク伝達可能に連結する第2中間ギヤ機構と、前記第1中間ギヤ機構および前記第2中間ギヤ機構を、前記軸線の周囲におけるほぼ同一円周上で公転可能に保持する保持部材とを備えていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項1の発明によれば、ギヤ機構を構成する第1中間ギヤ機構および第2中間ギヤ機構が、軸線を中心とするほぼ同一円周上に配置されているため、回転部材の半径方向におけるギヤ機構の占有領域が狭められる。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、車両の旋回時に、前記電動機から前記第1従動ギヤに伝達されるトルクTmcと、前記電動機から前記第2従動ギヤに伝達されるトルクTmsとの比が「−1」になるように、前記電動機から前記第1従動ギヤに至る経路のギヤ比と、前記電動機から前記第2従動ギヤに至る経路のギヤ比とが設定されていることを特徴とするものである。
【0012】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の作用が生じるほかに、車両の旋回時に電動機から出力されたトルクは、回転部材に対して加速伝達され、入力用回転部材に対して減速伝達される。また、回転部材および入力用回転部材に伝達されるトルクの絶対値が同じに設定される。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1の構成に加えて、前記第1中間ギヤ機構が、前記第1駆動ギヤに噛合された第1ピニオンギヤと、前記第1従動ギヤに噛合され、かつ、前記第1ピニオンギヤと一体回転する第2ピニオンギヤとを有し、前記第2中間ギヤ機構が、前記第2従動ギヤおよび前記第1ピニオンギヤに噛合された第3ピニオンギヤを有していることを特徴とするものである。
【0014】
請求項3の発明によれば、第1ピニオンギヤないし第3ピニオンギヤが軸線を中心とするほぼ同一円周上に配置されているため、回転部材の半径方向における各ピニオンギヤの配置領域が抑制される。
【0015】
請求項4の発明は、請求項1の構成に加えて、前記第1中間ギヤ機構が、前記第2従動ギヤおよび前記第1駆動ギヤに噛合された第4ピニオンギヤと、前記第1従動ギヤに噛合された第5ピニオンギヤと、前記第4ピニオンギヤに噛合され、かつ、前記第5ピニオンギヤと一体回転する第6ピニオンギヤとを有していることを特徴とするものである。
【0016】
請求項4の発明によれば、請求項1の発明と同様の作用が生じるほか、第4ピニオンギヤないし第6ピニオンギヤが軸線を中心とする同一半径の円周上に配置されているため、各回転部材の半径方向における第4ピニオンギヤないし第6ピニオンギヤの配置領域が抑制される。
【0017】
請求項5の発明は、請求項1の構成に加えて、前記電動機の動力により回転し、かつ、前記第1駆動ギヤに対して並列に配置された第2駆動ギヤと、この第2駆動ギヤと前記第1従動ギヤとをトルク伝達可能に連結し、かつ、前記第1中間ギヤ機構および前記第2中間ギヤ機構が保持されている円周上で自転および公転できる状態で前記保持部材により保持されている第3中間ギヤ機構と、前記電動機と前記第1従動ギヤとの間の動力伝達経路を接続・遮断する第1クラッチと、前記電動機と前記第2従動ギヤとの間の動力伝達経路を接続・遮断する第2クラッチと、前記保持部材の回転・停止を制御するブレーキとを備えていることを特徴としている。
【0018】
請求項5の発明によれば、請求項1の発明と同様の作用が生じるほか、第1中間ギヤ機構および第2中間ギヤ機構ならびに第3中間ギヤ機構が、軸線を中心とする同一円周上に配置されているため、回転部材の半径方向におけるギヤ機構の占有領域が狭められる。また、クラッチおよびブレーキを制御することにより、電動機のトルクを第1従動ギヤおよび第2従動ギヤに分配する制御、または電動機のトルクを第1従動ギヤのみに伝達する制御のいずれかを選択することができる。
【0019】
請求項6の発明は、軸線を中心として回転できるケーシングと、異なる車輪に接続され、かつ、前記軸線を中心として相対回転できる第1回転部材および第2回転部材と、この第1回転部材および第2回転部材にトルクを伝達することのできる電動機とを有する駆動力分配装置において、前記第1回転部材に接続された第1従動ギヤと、前記第2回転部材に接続された第2従動ギヤと、前記電動機の動力により駆動される第1の駆動ギヤと、前記第1従動ギヤまたは前記第2従動ギヤのいずれか一方とに噛合された第1中間ギヤ機構と、この第1中間ギヤ機構および第1中間ギヤ機構が噛合していない従動ギヤに噛合された第2中間ギヤ機構とを有し、前記第1中間ギヤ機構および前記第2中間ギヤ機構が、前記軸線を中心とするほぼ同一円周上で公転できる状態で前記ケーシングにより保持されていることを特徴とするものである。
【0020】
請求項6の発明によれば、軸線の周囲で第1中間ギヤ機構および第2中間ギヤ機構が回転することにより、第1回転部材と第2回転部材とが相対回転できる。また、電動機のトルクが、第1中間ギヤ機構および第2中間ギヤ機構により第1回転部材および第2回転部材に分配される。
【0021】
請求項7の発明は請求項6の構成に加えて、前記電動機により駆動され、かつ、前記第1駆動ギヤに対して並列に配置された第2駆動ギヤと、この第2駆動ギヤと前記ケーシングとを動力伝達可能に接続する第3中間ギヤ機構とを有し、前記電動機と前記第1従動ギヤとの間の動力伝達経路を接続・遮断する第1クラッチと、前記電動機と前記第2従動ギヤとの間の動力伝達経路を接続・遮断する第2クラッチとが設けられていることを特徴とするものである。
【0022】
請求項7の発明によれば、請求項6の発明と同様の作用が生じるほか、クラッチおよびブレーキを制御することにより、電動機のトルクを第1従動ギヤおよび第2従動ギヤに分配する制御、または電動機のトルクを第1従動ギヤのみに伝達する制御のいずれかを選択することができる。
【0023】
請求項8の発明は、請求項1ないし請求項7のいずれかの構成に加えて、前記複数の車輪には、車両の駆動力源から出力されたトルクが伝達されないように構成されている非駆動輪が含まれていることを特徴とするものである。
【0024】
請求項8の発明によれば、請求項1ないし請求項7の発明のいずれかと同様の作用が生じるほか、複数の車輪が非駆動輪であるため、電動機のトルクが駆動力として分配されることなく、非駆動輪の横力が可及的に増加される。
【0025】
請求項9の発明は、請求項1ないし請求項8のいずれかの構成に加えて、前記複数の車輪には、車両の幅方向に配置された右側車輪および左側車輪と、車両の前後方向に配置された前輪および後輪とが含まれているとともに、前記ギヤ機構が、前記右側車輪および前記左側車輪に伝達されるトルク、または前記前輪および前記後輪に伝達されるトルクを、独立して増速または減速するように構成されていることを特徴とするものである。
【0026】
請求項9の発明によれば、請求項1ないし請求項8のいずれかの発明と同様の作用が生じるほか、車両の旋回時やスリップ時などに、前後輪に伝達されるトルク配分の差、または左右輪に伝達されるトルク配分の差を可及的に大きく設定することができる。また、運転者の意志によって車両にヨーモーメントを発生させたい場合にもこのようなトルク配分差を設定することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
つぎにこの発明を図を参照してより具体的に説明する。図1は、請求項1ないし請求項3の発明に対応する駆動力分配装置K1の一実施形態を示すスケルトン図である。デファレンシャルキャリヤ1は車体(図示せず)の下側に搭載されており、このデファレンシャルキャリヤ1の内部には、デファレンシャル2および分配機構3が設けられている。このデファレンシャル2は、入力されるトルクを異なる車輪、具体的には出力側に並列に配置されている車輪(例えば前後輪もしくは左右輪)に分配して伝達するためのものである。デファレンシャル2は中空のデフケース4を有し、デフケース4には軸線X1を中心とする軸孔5,6が貫通して形成されている。なお、このデフケース4は、デファレンシャルキャリヤ1の内部に設けられている軸受(図示せず)により支持され、デフケース4が前記軸線を中心として回転できる。
【0028】
一方の軸孔5には第1ドライブシャフト7が配置され、他方の軸孔6には第2ドライブシャフト8が配置されている。第1,第2ドライブシャフト7,8は、いずれもデフケース4の内部からデファレンシャルキャリヤ1の外部に亘って配置されている。また第1,第2ドライブシャフト7,8は同一の軸線X1上に配置されている。そして、デファレンシャルキャリヤ1の内部に設けられた軸受(図示せず)により第1,第2ドライブシャフト7,8が保持され、第1,第2ドライブシャフト7,8は軸線X1を中心として回転できる。第1ドライブシャフト7におけるデフケース4の内部側の端部にはサイドギヤ9が形成されている。また、第2ドライブシャフト8におけるデフケース4の内部側の端部にはサイドギヤ10が形成されている。
【0029】
前記デフケース4の内部には2本のピニオンシャフト11が設けられており、このピニオンシャフト11にはピニオンギヤ12が取り付けられている。そして、各ピニオンギヤ12がサイドギヤ9,10に噛合されている。また、デフケース4における第1ドライブシャフト7側の端部には、軸孔5を取り囲む円筒部13が形成されている。この円筒部13の外周に対して第1サンギヤ14が一体的に形成されている。したがって、デフケース4と第1サンギヤ14とが、軸線X1を中心として一体回転できる。
【0030】
前記分配機構3は、第1ドライブシャフト7の外周側に設けられており、この分配機構3とデファレンシャル2とが軸線方向に隣接して配置されている。分配機構3は、電動機15およびギヤ機構16を主体として構成されている。この電動機15はステータ17およびロータ18を有する。ステータ17は第1ドライブシャフト7の周囲に配置され、かつ、ステータ17がデファレンシャルキャリヤ1の内周に固定されている。また、ロータ18はステータ17の内側に配置され、かつ、ロータ18が第1ドライブシャフト7の外周に配置されている。このロータ18と第1ドライブシャフト7とは相対回転できるように構成されている。
【0031】
さらにロータ18にはデフケース4側に突出する中空軸19が連結されており、この中空軸19の外周には駆動ギヤ20が形成されている。駆動ギヤ20のピッチ円半径は第1サンギヤ14のピッチ円半径よりも小さく設定されている。ここで、電動機15としては通電用のブラシが設けられていないモータ、例えばブラシレス同期モータ、リラクタンスモータ(言い換えればリアクションモータ)、永久磁石形同期モータなどが用いられる。
【0032】
前記第1ドライブシャフト7における駆動ギヤ20と第1サンギヤ14との間には、第2サンギヤ21が形成されている。また、駆動ギヤ20には複数のピニオンギヤ22が噛み合わされている。さらに、複数の保持軸23が設けられており、各保持軸23と第1ドライブシャフト7とが平行に配置されている。そして、各保持軸23に対してピニオンギヤ22がそれぞれ形成されている。この実施形態においては、図2に示すように、ピニオンギヤ22が円周方向に4つ配置され、各ピニオンギヤ22が円周方向に等間隔おきに配置されている。
【0033】
各保持軸23におけるデフケース4側にはピニオンギヤ24がそれぞれ設けられている。すなわち、図3に示すように、ピニオンギヤ24が円周方向に等間隔をおいて4つ設けられている。各ピニオンギヤ24のピッチ円半径は、ピニオンギヤ22のピッチ円半径よりも小さく設定されている。そして、各ピニオンギヤ24と前記第1サンギヤ14とが噛み合わされている。
【0034】
また、駆動ギヤ20および第2サンギヤ21の周囲には、第1ドライブシャフト7の軸線X1を中心として円周方向に複数のピニオンギヤ25が配置されている。この実施形態においては、ピニオンギヤ25が4つ設けられており、各ピニオンギヤ25が保持軸26に形成されている。
【0035】
さらに、第1ドライブシャフト7の外周にはキャリヤ27が設けられており、このキャリヤ27により保持軸23および保持軸26がそれぞれ回転可能に保持されている。上記構成により、各ピニオンギヤ22と各ピニオンギヤ24とが一組として、軸線X1の周囲を一体的に公転する。また、各ピニオンギヤ22および各ピニオンギヤ24とが一体的に自転することができる。また、各ピニオンギヤ25が軸線X1の周囲を公転しつつ自転することができる。つまり、ピニオンギヤ22,24,25は、軸線X1を中心とするほぼ同一円周上において、自転および公転することができる。このように、ギヤ機構16は、各種のギヤおよび保持軸により構成されている。
【0036】
図4は、この発明に係る駆動力分配装置が搭載される車両の制御回路を示すブロック図である。車両には電動機15に電流を供給するための電源28が搭載されており、電動機15と電源28との間には公知の電気回路29が形成されている。この電気回路29には、直流電力を交流電力に変換する機能を有するインバータ(図示せず)が配置されている。さらに、電気回路29のスイッチを制御する電子制御装置(ECU)30が設けられている。この電子制御装置30は演算処理装置(CPU)および記憶装置(RAM、ROM)ならびに入出力インターフェースを主体とするマイクロコンピュータにより構成されている。
【0037】
そして、電子制御装置30には車両に搭載されている各種のセンサ、例えば各車輪の回転速度(回転数)を検出する回転速度センサ31の信号、ステアリングホイール(図示せず)の操舵角を検出する操舵角センサ32の信号、車両のヨー角速度(ヨーレイト)を検出するヨー角速度センサ33の信号、エンジン回転数(エンジン回転速度)を検出するエンジン回転数センサ30Aの信号、エンジン35のスロットルバルブの開度を検出するスロットル開度センサ30Bの信号、エンジン35の吸入空気量を検出する吸入空気量センサ30Cの信号、車速センサ30Dの信号などが入力されている。そして、エンジン回転数、スロットル開度、吸入空気量などのデータに基づいてエンジントルクが推定される。また、電子制御装置30に入力される各種の信号に基づいて、電気回路29のスイッチを制御する信号が電子制御装置30から出力される。このようにして、各種のセンサにより検出される条件に基づいて、電動機15のトルクが制御される。
【0038】
図5は請求項1ないし請求項3および請求項9に係る発明に対応する実施形態である。具体的には、この図5は、前記図1および図4のシステムを、F・R(フロントエンジン・リヤドライブ;エンジン前置き後輪駆動)形式の車両34に適用した場合の概略平面図である。すなわち、車両34の前部には、単独の駆動力源としてエンジン35が搭載されている。このエンジン35としては内燃機関、より具体的にはガソリンエンジンまたはディーゼルエンジンもしくはLPGエンジンが用いられる。また、エンジン35の出力側にはトランスミッション36が配置されている。
【0039】
このトランスミッション36としては、手動操作により変速比(変速段)を制御することのできる手動変速機と、車両の走行状態に基づいて自動的に変速比を制御することのできる自動変速機とが例示される。また、このトランスミッション36としては、変速比を段階的に変更することのできる有段式変速機と、変速比を無段階(連続的)に変更することのできる無段式変速機とが例示される。
【0040】
さらに、このトランスミッション36の出力側にはプロペラシャフト37の一端が連結されている。またプロペラシャフト37の他端にはドライブピニオンシャフト37Aが連結されている。このドライブピニオンシャフト37Aにはギヤドライブピニオンギヤ38が形成されている。この車両34は左前輪39および右前輪40を有し、かつ、左後輪41および右後輪42を有する。すなわち、左後輪41および右後輪42は、デファレンシャル2に対して、相互に並列に配置されている。そして、図4の実施形態においては、プロペラシャフト37と左右後輪41,42との間の動力伝達経路に、駆動力分配装置K1が設けられている。つまり、デファレンシャル2が、いわゆるリヤデファレンシャルとして使用されており、このデファレンシャル2は、ファイナルギヤとしての機能をも有する。
【0041】
具体的には、デフケース4の外周にリングギヤ43が形成されており、ドライブピニオンギヤ38とリングギヤ43とが噛み合わされている。つまり、図5にのデファレンシャル2においては、いわゆるベベルギヤ形式が採用されている。また、第1ドライブシャフト7および第2ドライブシャフト8が車両34の幅方向(言い換えれば車両の進行方向にほぼ直交する方向)に配置されている。そして、第1ドライブシャフト7には左後輪41が接続され、第2ドライブシャフト7には右後輪42が接続されている。なお、図5においては、図1のキャリヤ27が便宜上省略されている。
【0042】
ここで、図1ないし図5の構成とこの発明の構成との対応関係を説明する。第2ドライブシャフト8がこの発明の回転部材に相当し、デフケース4がこの発明の入力用回転部材に相当し、第1サンギヤ14がこの発明の第1従動ギヤに相当し、第2サンギヤ21がこの発明の第2従動ギヤに相当する。また、ピニオンギヤ22,24および保持軸23がこの発明の第1中間ギヤ機構に相当し、ピニオンギヤ25および保持軸26がこの発明の第2中間ギヤ機構に相当する。さらに、駆動ギヤ20がこの発明の第1駆動ギヤに相当し、ピニオンギヤ22がこの発明の第1ピニオンギヤに相当し、ピニオンギヤ24がこの発明の第2ピニオンギヤに相当し、ピニオンギヤ25がこの発明の第3ピニオンギヤに相当し、キャリヤ27がこの発明の保持部材に相当する。
【0043】
上記構成の車両34が走行する場合の動作を説明する。エンジン35から出力されたトルクが、トランスミッション36およびプロペラシャフト37を介してデファレンシャル2に伝達されてリングギヤ43およびデフケース2が回転する。すると、リングギヤ43の回転速度がデファレンシャル2の最終減速比に基づいて減速されるとともに、第1ドライブシャフト7および第2ドライブシャフト8にトルクが伝達される。その結果、左後輪41および右後輪42の駆動力により、車両34が走行する。
【0044】
ここで、車両34が直進走行する場合は、エンジン35から出力されたトルクは、トランスミッション36およびプロペラシャフト37を介してデファレンシャル2に入力される。デファレンシャル2に入力されたトルクTeは、デファレンシャル2により2等分される。その結果、左後輪41にはトルクTLが伝達される一方、右後輪42にはトルクTRが伝達される。また、左後輪41および右後輪42に作用する走行負荷(走行抵抗)が同じである場合は、第1ドライブシャフト7および第2ドライブシャフト8ならびにデフケース4が一体回転する。このように、車両34が直進する場合は、電動機15からトルクは出力されない。
【0045】
これに対して、車両34が車両34が右方向に旋回する場合は、左後輪41が外輪になり、右後輪42が内輪になる。これとは逆に車両34が左方向に旋回する場合は、左後輪41が内輪になり、右後輪42が外輪になる。この場合は、左後輪41および右後輪42に作用する走行抵抗が異なるため、走行抵抗の大きい車輪(内輪)に対応する一方のドライブシャフトの回転が減速されるとともに、ピニオンギヤ12が自転しながらサイドギヤ9またはサイドギヤ10に沿って公転し、前記ドライブシャフトが減速された分だけ他方のドライブシャフトの回転が増速される。
【0046】
このように、車両が旋回走行する場合は、電動機15からトルクが出力され、このトルクがギヤ機構16を介して第1ドライブシャフト7および第2ドライブシャフト8に伝達される。具体的には、電動機15から出力されたトルクの一部が、ピニオンギヤ22およびピニオンギヤ24を介して第1サンギヤ13に伝達される。また電動機15から出力されたトルクの一部が、ピニオンギヤ22およびピニオンギヤ25を介して第2サンギヤ21に伝達される。
【0047】
この実施形態においては、車両が右旋回する際に左後輪41に伝達されるトルクTLを、
TL=(Te/2)+A1・Tm ・・・(1)
に設定し、右後輪42に伝達されるトルクTRを、
TR=(Te/2)−A2・Tm ・・・(2)
に設定することができる。
また、車両34が左旋回する際に左後輪41に伝達されるトルクTLを、
TL=(Te/2)−A3・Tm ・・・(3)
に設定し、右後輪42に伝達されるトルクTRを、
TR=(Te/2)+A4・Tm ・・・(4)
に設定することができる。
【0048】
上記(1)ないし(4)式において、デファレンシャル2に入力されるトルクTeは、エンジントルクおよびトランスミッション36の変速比に基づいて推定される。また、Tmは電動機15から出力されるトルクであり、このトルクTmは電動機15に供給される電流値により推定される。A1ないしA4は第1サンギヤ14または第2サンギヤ21に伝達されるトルクの分配率、もしくは係数である。ここで、「+A」は、電動機15のトルクの一部が加速(増速)されて第1サンギヤ14または第2サンギヤ21に伝達されることを意味している。また「−A」は、電動機15のトルクの一部が減速されて第1サンギヤ14または第2サンギヤ21に伝達されることを意味している。そして、上記(1)ないし(4)式において、
A1=A2=A3=A4 ・・・(5)
の関係になるように、ギヤ機構16の構成が設定される。
【0049】
すなわち、車両34が左右いずれの方向に旋回する場合においても、第1サンギヤ14に伝達される電動機15のトルクの絶対値と、第2サンギヤ14に伝達される電動機15のトルクの絶対値とが等しくなるのである。このようにして、車両の旋回時におけるステア特性が制御される。具体的には、車両34が右方向に旋回する場合は、第1サンギヤ14に対して減速方向のトルクが伝達され、第2サンギヤ21に対して加速方向のトルクが伝達される。つまり、車両34を右方向に旋回させるヨーイングモーメントが発生する。
【0050】
これに対して、車両34が左方向に旋回する場合は、第1サンギヤ14に対して加速方向のトルクが伝達され、第2サンギヤ21に対して減速方向のトルクが伝達される。つまり、車両34を左方向に旋回させるヨーイングモーメントが発生する。また、必要に応じて上記とは逆方向にトルクを伝達して車両に作用しているヨーイングモーメントとは逆方向のヨーイングモーメントを発生させることもできる。
【0051】
言い換えれば、この実施形態においては、車両34の旋回時に、電動機15から第1サンギヤ14に伝達されるトルクTmcと、電動機15から第2サンギヤ21に伝達されるトルクTmsとの比が「−1」になるように、電動機15から第1サンギヤ14に至る経路のギヤ比と、電動機15から第2サンギヤ21に至る経路のギヤ比とが設定されている。したがって、デファレンシャル2による差動制限状態を、車両の走行条件(旋回状態)に適合する状態に制御することができ、操縦性およびドライバビリティが向上する。また、図6の実施形態によれば、車両の旋回時に左右輪に伝達されるトルクの差を可及的に大きく制御することができる。したがって、一方の車輪に大きなトルクを伝達するために電動機を大型化する必要もなく、コンパクトな構造になる。
【0052】
このように、図1に示された駆動力分配装置においては、ピニオンギヤ22,24,25が軸線X1を中心とするほぼ同一円周上に配置されている。このた、第1ドライブシャフト7の半径方向におけるギヤ機構16の占有領域が狭められる。したがって、駆動力分配装置K1を第1ドライブシャフト7の半径方向に小型(コンパクト)化することができ、車載性が向上する。
【0053】
具体的には、車体の下側方向に突出する駆動力分配装置K1の突出量を減少させることができ、車両34の車高を低くすることができる。また、駆動力分配装置K1とその他の部品との接触が回避され、車両34における駆動力分配装置K1のレイアウトの自由度が増す。さらに、電動機15としてブラシレス同期モータを使用した場合には、摺動部分(ブラシ)がないために、その摩耗が回避されて耐久性が向上する。
【0054】
図6は、図1の駆動力分配装置K1を、F・F(フロントエンジン・フロントドライブ;エンジン前置き前輪駆動)形式の車両44に搭載した場合を示す模式的な平面図である。図6は請求項1ないし請求項3、または請求項8,9に対応する実施形態である。車両44の前部にはエンジン45が搭載されており、このエンジン45の出力側にはトランスアクスル46が配置されている。このトランスアクスル46は、トランスミッション47および最終減速装置48が一つのケーシングに組み込まれたユニットである。そして、最終減速装置48の出力側には左フロントドライブシャフト49および右フロントドライブシャフト50が接続されている。また左フロントドライブシャフト49には左前輪39が接続され、右フロントドライブシャフト50には右前輪40が接続されている。
【0055】
また、車両44の後部には、図1に示す構成の駆動力分配装置K1が搭載されている。図6の実施形態においては、エンジン45のトルクはデファレンシャル2に対して伝達されない、言い換えればエンジン45のトルクが左後輪41および右後輪42には伝達されないように構成されている。つまり、左後輪41および右後輪42は非駆動輪である。図6のその他の構成は、図1の構成および図5の構成と同様であるため説明を省略する。また、図6においても、図1のキャリヤ27は便宜上省略されている。図6の実施形態においては、車両44が左方向または右方向に旋回する場合は、車速、操舵角、ヨー角速度などの条件に基づいて電動機15が駆動され、電動機15のトルクが第1サンギヤ14および第2サンギヤ21に伝達される。その結果、図5の実施形態と同様に、車両44に対してヨーイングモーメントが作用する。
【0056】
図6の実施形態においては、エンジントルクがデファレンシャル2に伝達されないため、左後輪41および右後輪42に伝達されるトルクを演算する場合に、(1)ないし(9)式において「Te/2」は考慮されない。さらに、図6の実施形態においても、駆動力分配装置K1が、図1および図5と同様に構成されているために、図5の実施形態と同様の効果を得られる。
【0057】
ところで、車両の旋回時における車輪の摩擦力は、駆動力と横力の合力として表される。そして、図6に示す車両44のように、非駆動輪である左後輪41および右後輪42に対応して駆動力分配装置K1が設けられている場合は、エンジン45から左後輪41および右後輪42に対して駆動力が伝達されない。したがって、車両44の旋回時における車輪の横力を可及的に大きくすることができ、車両44の横すべりが抑制されて旋回性能が向上する。
【0058】
ここで、F・F車の前輪(駆動輪)用に駆動力分配装置K1を配置した場合と、図6に示すように、F・F車の後輪(非駆動輪)用に駆動力分配装置K1を配置した場合との相違点について説明する。図7は、車輪に作用する力を示す概念図であり、図7においては、駆動輪用に駆動力分配装置K1を配置した場合における力の作用が無模様の矢印で示され、非駆動輪用に駆動力分配装置K1を配置した場合における力の作用が斜線模様の矢印で示されている。
【0059】
まず、車両44が右方向に旋回する場合について説明する。この場合は、左後輪41に伝達されるトルクがギヤ機構16により加速され、右後輪42に伝達されるトルクがギヤ機構16により減速される。したがって、外輪側では正の駆動力が発生し、内輪側では負の駆動力が発生する。また、外輪側および内輪側の横力は、各摩擦円の半径に等しくなる。
【0060】
これに対して、駆動輪用に駆動力分配装置K1を配置した場合は、エンジンのトルクが左右前輪に伝達されるとともに、左前輪に伝達されるトルクが駆動力分配装置K1により加速され、右前輪に伝達されるトルクが駆動力分配装置K1により減速される。したがって、駆動輪用に駆動力分配装置K1を配置した場合における外輪側の横力は、車両44の左後輪41の横力よりも小さくなる。また、駆動輪用に駆動力分配装置K1を配置した場合における内輪側の横力は、車両44の右後輪42の横力よりも小さくなる。
【0061】
このような力学的作用により、F・F車の前輪用に駆動力分配装置K1を配置した場合は、内輪側の駆動力と外輪側の駆動力との差に相当するアシストヨーイングモーメントYm1が発生する。これに対して、車両44においては、内輪側の駆動力と外輪側の駆動力との差に相当するアシストヨーイングモーメントYm2が発生する。そして、F・F車の前輪用に駆動力分配装置K1を配置した場合の車輪の横力よりも、車両44の車輪の横力の方が大きいとともに、F・F車の前輪用に駆動力分配装置K1を配置した場合の車輪の駆動力は両方とも正になる。
【0062】
これに対して、車両44の車輪の駆動力が正と負であるために、F・F車の前輪用に駆動力分配装置K1を配置した場合のヨーイングモーメントよりも、車両44のヨーイングモーメントの方が大きくなる。したがって、F・F車の前輪用に駆動力分配装置K1を配置した場合よりも、F・F車の後輪用に駆動力分配装置K1を配置した場合の方が旋回性能が良好になる。なお、車両がスリップした場合に、右後輪42および左後輪41に伝達するトルクを独立して増速または減速させることも可能である。
【0063】
図8は、請求項1ないし請求項3および請求項9の発明に対応する実施形態である。この図8は、図1の駆動力分配装置K1を、4輪駆動形式の車両51に搭載した場合を示す模式的な平面図である。この車両51の前部には、エンジン45およびトランスアクスル46が搭載されている。このトランスアクスル46は、トランスミッション47とフロントデファレンシャル52とを有し、フロントデファレンシャル52の出力側にはトランスファー53が配置されている。
【0064】
一方、車両51の後部には、図5の実施形態と同様に構成された駆動力分配装置K1が搭載されている。そして、トランスファー53の出力側にはプロペラシャフト54が接続され、プロペラシャフト54がドライブピニオンシャフト37Aに接続されている。なお、図8のその他の構成は、図1および図5ならびに図6の構成と同様であるため、これらと同様の符号を付してその説明を省略する。なお、図8においては、図1のキャリヤ27が便宜上省略されている。つまり、図8の実施形態においては、トランスアクスル46から出力されたトルクが、トランスファー53により、左前輪30および右前輪40と、左後輪41および右後輪42とに分配される。そして、図8の実施形態においても、車両51が左方向または右方向に旋回する場合は、図5の実施形態と同様にして電動機15が制御される。図8の駆動力分配装置K1は、図1および図5と同様に構成されているために、図5の実施形態と同様の効果を得られる。
【0065】
図9は、請求項1ないし請求項3の発明に対応する駆動力分配装置の他の実施形態を示すスケルトン図である。すなわち、駆動力分配装置K2は、デファレンシャルキャリヤ1の内部に配置された分配機構3およびデファレンシャル54を備えている。このうち、分配機構3は図1に示されたものと同様に構成されている。これに対して、デファレンシャル54の構成が、図1のデファレンシャル2の構成とは異なっている。このデファレンシャル54は、サンギヤ55および環状部材56を有する。サンギヤ55は、第1ドライブシャフト7の端部に形成され、環状部材56はサンギヤ55の外周に配置され、環状部材56は第1ドライブシャフト7と同心状に配置されている。この環状部材56の内周にはインナーギヤ57が形成され、環状部材56の外周にはアウターギヤ58が形成されている。
【0066】
また、サンギヤ55と環状部材56との間には2つのピニオンギヤ59,60が設けられており、このピニオンギヤ59,60が相互に噛合している。そして、ピニオンギヤ59,60を一組として複数組のピニオンギヤ59,60が、円周方向に配置されている。そして、各ピニオンギヤ59とインナーギヤ57とが噛合され、各ピニオンギヤ60とサンギヤ55とが噛合されている。このように、デファレンシャル54は、いわゆるダブルピニオン式のプラネタリギヤを主体として構成されている。
【0067】
さらに、相互に噛合するピニオンギヤ59,60を一組として保持する2つのキャリヤ61,62が設けられており、一方のキャリヤ61が第2ドライブシャフト8に連結されている。他方のキャリヤ62には中空軸63が接続され、この中空軸63が、第1ドライブシャフト7におけるサンギヤ55と、第2サンギヤ21との間に取り付けられている。この中空軸63と第1ドライブシャフト7とは相対回転可能に構成されている。そして、中空軸63に対してキャリヤ62が接続されている。なお、その他の構成は図1の構成と同様であるため、図1と同様の符号を付してその説明を省略する。
【0068】
図10は、請求項1ないし請求項3および請求項9の発明に対応する実施形態である。この図10は、図9の駆動力分配装置K2を搭載したF・F形式の車両64の構成を示す模式的な平面図である。車両64の前部にはエンジン45が搭載されており、このエンジン45の出力側にはトランスミッション65が配置されている。このトランスミッション65の出力軸66には出力ギヤ67が形成されている。そして、出力ギヤ67には、アウターギヤ58が噛み合わされている。
【0069】
また、第1ドライブシャフト7には右前輪40が接続され、第2ドライブシャフト8には左後輪39が接続されている。なお、第1ドライブシャフト7および第2ドライブシャフト8は、車両64の幅方向に配置されている。つまり、デファレンシャル54は、左右輪に対してトルクを分配するフロントデファレンシャルとしての機能を有する。この図10においては、図9のキャリヤ27が便宜上省略されている。ここで、図9および図10の構成とこの発明の構成との対応関係を説明する。すなわち、環状部材56がこの発明の入力用回転部材に相当する。
【0070】
上記構成の車両64においては、エンジン45のトルクがトランスミッション65および出力ギヤ67を介して環状部材56に伝達される。このようにして、デファレンシャル54に伝達されたトルクは、第1ドライブシャフト7および第2ドライブシャフト8に分配される。
【0071】
そして、車両64が直進走行する場合は、電動機15からトルクが出力されない一方、車両64が左方向または右方向に旋回しながら前進走行する場合は、図5の実施形態と同様に電動機15が制御される。なお、図10の実施形態においては、エンジントルクは左後輪41および右後輪42に対して伝達されない。したがって、図10の実施形態においては、車両64が左方向または右方向に旋回しながら前進走行する場合は、エンジン45から左前輪39および右前輪40に伝達されるトルクが、駆動力分配装置K2の機能により制御される。図10の実施形態においても、分配機構3の構成が図1と同様に構成されているため、図5の実施形態と同様の効果を得られる。
【0072】
なお、図10の実施形態において、デファレンシャル54に代えて、図5に示されているデファレンシャル2を搭載することもできる。これとは逆に、図5または図6または図8の実施形態の少なくとも一つにおいて、デファレンシャル2に代えてデファレンシャル54を搭載することもできる。
【0073】
図11は、請求項1ないし請求項3の発明に対応する実施形態のスケルトン図である。図11に示すギヤ機構16の構成は、図1および図5に示されたギヤ機構16とほぼ同様に構成されているが、図11と図5とを比較すると、ギヤ機構16を構成する各ギヤのピッチ円半径およびギヤ比ならびに各ギヤの噛み合い位置が異なる。
【0074】
そして、図11の駆動力分配装置K1を、図5または図6または図8または図10の駆動力分配装置に代えて搭載することができる。そして、図11の駆動力分配装置K1を車両に搭載した場合にも、図5または図6または図8または図10の実施形態と同様の作用効果を得られる。
【0075】
図12は、請求項1ないし請求項3の発明に対応する実施形態である。図12の実施形態は、図9に示された駆動力分配装置K2の他の構成例である。なお、図12においては、図9とは左右を反転させて示してある。図12の実施形態においては、電動機15が第1ドライブシャフト7の外周側に配置されている。すなわち、デファレンシャルキャリヤ1の内部には、第1ドライブシャフト7と平行な支持軸72が設けられており、この支持軸72に対して相対回転可能にロータ18が取り付けられている。
【0076】
また、第1ドライブシャフト7の外周における第2サンギヤ21と電動機15との間には、中空軸90が取り付けられている。この中空軸90と第1ドライブシャフト7とが相対回転できるように構成されている。また、中空軸90における第2サンギヤ21側の端部にはギヤ91が形成され、中空軸90における電動機15側の端部にはギヤ92が形成されている。そして、ギヤ92と駆動ギヤ20とが噛み合わされ、ギヤ91と複数のピニオンギヤ22とが噛み合わされている。つまり、この図12の実施形態においては、電動機15から出力されたトルクが、中空軸90を介して複数のピニオンギヤ22に伝達されるように構成されている。
【0077】
図12の駆動力分配装置K2を図10に示すシステムに搭載した場合は、図10と同様の作用効果を得られる。また、図12の実施形態においては、電動機15から出力されたトルクが、4個のピニオンギヤ22に分配される。このため、一つのピニオンギヤ22で負担するべき荷重が低減され、複数のピニオンギヤ22の耐久性が向上する。なお、図12の駆動力分配装置K2を、図5,6,8の駆動力分配装置K1に代えて搭載することもできる。
【0078】
図13は、請求項1および請求項4の発明に対応する実施形態のスケルトン図である。図13においては、駆動ギヤ20には複数のピニオンギヤ73が噛み合わされている。このピニオンギヤ73は第2サンギヤ21にも噛合されている。また、複数の保持軸74が設けられており、この保持軸74と第1ドライブシャフト7とが平行に配置されている。そして、各保持軸74に対して、ピニオンギヤ73がそれぞれ形成されている。この実施形態においては、ピニオンギヤ73が円周方向に4つ配置され、各ピニオンギヤ73が円周方向に等間隔おきに配置されている。
【0079】
また、第1ドライブシャフト7と平行に保持軸75が4本設けられており、各保持軸75にはピニオンギヤ76およびピニオンギヤ77が設けられている。つまり、ピニオンギヤ76およびピニオンギヤ77は相互に一体回転する。そして、各ピニオンギヤ76およびピニオンギヤ77のピッチ円半径が同一に設定され、ピニオンギヤ76およびピニオンギヤ77のピッチ円半径とが同一に設定されている。さらに、各ピニオンギヤ74とピニオンギヤ77とが噛み合わされ、ピニオンギヤ76と第1サンギヤ14とが噛合されている。
【0080】
さらに、第1ドライブシャフト7の外周にはキャリヤ78が設けられており、このキャリヤ78により保持軸74および保持軸75がそれぞれ回転可能に保持されている。上記構成により、各ピニオンギヤ76と各ピニオンギヤ77とを一組として、軸線X1の周囲を一体的に公転しつつ一体的に自転することができる。また、各ピニオンギヤ73が軸線X1の周囲を公転しつつ自転することができる。つまり、各ピニオンギヤ73,76,77が軸線X1を中心とする同一半径の円周上で自転および公転できる状態にある。図13の他の構成は、図1および図5ならびに図11と同様であるため、これらの図と同様の符号を付してその説明を省略する。
【0081】
ここで、図13の構成と、この発明の構成との対応関係を説明すれば、ピニオンギヤ73,76,77および保持軸74,76がこの発明の第1中間ギヤ機構に相当し、ピニオンギヤ73および保持軸74がこの発明の第2中間ギヤ機構に相当し、キャリヤ78がこの発明の保持部材に相当する。また、ピニオンギヤ73がこの発明の第4ピニオンギヤに相当し、ピニオンギヤ76がこの発明の第5ピニオンギヤに相当し、ピニオンギヤ77がこの発明の第6ピニオンギヤに相当する。図13のその他の構成とこの発明の構成との対応関係は、図1の構成とこの発明の構成との対応関係と同様であるため説明を省略する。
【0082】
この図13の駆動力分配装置K1を、図5または図6または図8または図10の駆動力分配装置に代えて搭載することができる。そして、図13の駆動力分配装置K1を車両に搭載した場合にも、図5または図6または図8または図10の実施形態と同様の作用効果を得られる。
【0083】
なお、上記図1ないし図13の実施形態においては、電動機15のトルクは、車速、左右輪の回転速度差、操舵角、ヨー角速度、デファレンシャルに対する入力トルクなどの条件に基づいて制御される。この場合、検出される走行条件に対応して所定のヨーイングモーメントが発生するように電動機15のトルクをフィードフォワード制御すること、または、実際のヨー角速度と基準値とを比較し、実際のヨー角速度が基準値に近づくように電動機15のトルクを制御(補正)するフィードバック制御をおこなうこともできる。
【0084】
図14は、請求項1および請求項3ならびに請求項5の発明に対応する実施形態を示すスケルトン図である。図14に示された駆動力分配装置K3の構成のうち、図1に示された駆動力分配装置K1と同様の構成部分については、同じ符号を付してその説明を省略する。駆動力分配装置K3においては、中空軸19と駆動ギヤ20との間の動力伝達経路を接続・遮断するクラッチ93が設けられている。また、ロータ18に、中空軸19とは別の中空軸94が接続されている。
【0085】
この中空軸94と中空軸93とは同心状に配置され、中空軸94は第1ドライブシャフト7の外周側に配置されている。そして、中空軸94には第2クラッチ95を介して駆動ギヤ96が接続されている。つまり、電動機15に対して駆動ギヤ20と駆動ギヤ96とが並列に配置されている。前記クラッチ93およびクラッチ95としては、摩擦式クラッチまたは電磁式クラッチなどを用いることができる。
【0086】
図15は、駆動ギヤ20とピニオンギヤ22とピニオンギヤ25との位置関係を示す側面図である。図14の実施形態においては、ピニオンギヤ22およびピニオンギヤ25がそれぞれ3個ずつ設けられている。
【0087】
また、キャリヤ27には3本の保持軸97が回転可能に取り付けられている。これらの保持軸97は第1ドライブシャフト7と平行に配置されているとともに、各保持軸97は、第1ドライブシャフト7の周囲に同一円周上に配置されている。各保持軸97にはピニオンギヤ98,99がそれぞれ形成されている。そして、図16に示すように、各ピニオンギヤ98と駆動ギヤ96とが噛合されている。
【0088】
したがって、ピニオンギヤ98,99は一体的に自転できるとともに、一体的に第1ドライブシャフト7の周囲を公転することができる。さらに、図17に示すように、各ピニオンギヤ99と第1サンギヤ14とが噛合されている。このようにして、ピニオンギヤ22,24,25,98,99が、軸線X1を中心とする同一半径の円周上で自転および公転できる状態で、キャリヤ27により保持されている。
【0089】
なお、デファレンシャルキャリヤ1の内部には、キャリヤ27の回転・停止を制御するブレーキ100が設けられている。さらに、図14の実施形態においては、電動機15が、外部動力によりロータ18を回転させることにより、発電機として機能(回生機能)させることのできる、いわゆるモータ・ジェネレータが用いられている。電動機15を発電機として機能させる場合は、その電気エネルギを電気回路29を介して電源28に充電することができる。
【0090】
図18は、駆動力分配装置K3の制御回路を示すブロック図であり、図4に示す構成と同様の構成については、図4と同じ符号を付してその説明を省略する。電子制御装置30に入力される信号に基づいて、アクチュエータ101に対する制御信号が出力される。そして、アクチュエータ101により係合・解放装置102が制御されるように構成されている。この係合・解放装置102には、クラッチ95およびクラッチ95ならびにブレーキ100が含まれる。
【0091】
ここで、図14の実施形態とこの発明の構成との対応関係を説明すれば、駆動ギヤ20がこの発明の第1駆動ギヤに相当し、駆動ギヤ96がこの発明の第2駆動ギヤに相当し、ピニオンギヤ22,24および保持軸23がこの発明の第1中間ギヤ機構に相当し、ピニオンギヤ22,25および保持軸26がこの発明の第2中間ギヤ機構に相当し、ピニオンギヤ98,99および保持軸97がこの発明の第3中間ギヤ機構に相当し、クラッチ93がこの発明の第1クラッチに相当し、クラッチ95がこの発明の第2クラッチに相当する。さらに、ピニオンギヤ22がこの発明の第1ピニオンギヤに相当し、ピニオンギヤ24がこの発明の第2ピニオンギヤに相当し、ピニオンギヤ25がこの発明の第3ピニオンギヤに相当する。図14のその他の構成とこの発明の構成との対応関係は、図1の構成とこの発明の構成との対応関係と同じであるため、その説明を省略する。
【0092】
この図14に示す駆動力分配装置K3は、例えば、図5に示す駆動力分配装置K1に代えて車両34に搭載することができる。つぎに、駆動力分配装置K3を搭載した車両34が走行する場合の動作を説明する。車両34が直進走行する場合の動作および制御は、図5と同様である。
【0093】
これに対して、車両34が旋回走行する場合は、電動機15が駆動されるとともに、クラッチ93が係合され、クラッチ95およびブレーキ100が解放される。すると、駆動ギヤ20のトルクがピニオンギヤ22に伝達されて、キャリヤ27が回転するとともに、ピニオンギヤ22のトルクがピニオンギヤ24,25に伝達されて、ピニオンギヤ24,25が軸線X1の周囲を公転する。このため、電動機15のトルクの一部が、ピニオンギヤ22およびピニオンギヤ24を介して第1サンギヤ14に伝達されるとともに、電動機15のトルクの一部が、ピニオンギヤ22およびピニオンギヤ25を介して第2サンギヤ21に伝達される。
【0094】
そして、図14の実施形態においても、前述した(1)ないし(5)式を達成することができるように、ギヤ機構16の構成が設定されている。すなわち、車両34が右方向に旋回する場合は、第1サンギヤ14に対して減速方向のトルクが伝達され、第2サンギヤ21に対して加速方向のトルクが伝達される。つまり、車両34を右方向に旋回させるヨーイングモーメントが発生する。
【0095】
これに対して、車両34が左方向に旋回する場合は、第1サンギヤ14に対して加速方向のトルクが伝達され、第2サンギヤ21に対して減速方向のトルクが伝達される。つまり、車両34を左方向に旋回させるヨーイングモーメントが発生する。また、必要に応じて上記とは逆方向にトルクを伝達して車両に作用しているヨーイングモーメントとは逆方向のヨーイングモーメントを発生させることもできる。
【0096】
このように、図14の実施形態も、図5の実施形態と同様の理由により、デファレンシャル2による差動制限状態を、車両の走行条件(旋回状態)に適合する状態に制御することができ、図5の実施形態と同様の効果を得られる。
【0097】
また、図14の駆動力分配装置K3を、図5の車両34に搭載した場合は、ピニオンギヤ22,24,98,99が、軸線X1を中心とする同一半径の円周上に配置されているため、ドライブシャフト7,8の半径方向におけるギヤ機構16の占有領域が狭められる。したがって、駆動力分配装置K3をドライブシャフト7,8の半径方向に小型(コンパクト)化することができ、車載性が向上する。
【0098】
つぎに、図5に示す車両34において、エンジン1のトルクを駆動力分配装置K3によりアシストする場合の制御を説明する。この制御は、アクセル開度などから判断される加速要求に対して、エンジン出力により得られる駆動力の不足分を、電動機15のトルクにより補うためのものである。この制御では、電動機15が駆動されるとともに、クラッチ95およびブレーキ100が係合され、第1クラッチ93が解放される。
【0099】
すると、キャリヤ27が固定されるとともに、ピニオンギヤ98,99が公転することなく自転し、電動機15のトルクが駆動ギヤ96およびピニオンギヤ98,99を介して第1サンギヤ14に伝達される。したがって、デフケース4に対して、エンジントルクおよび電動機15のトルクの両方が伝達され、車輪41,42の駆動力が増加して加速性能が向上する。
【0100】
これに対して車両の減速時(惰力走行時)には、クラッチ95およびブレーキ100を係合するとともに、クラッチ93を解放する。すると、キャリヤ27が固定されるとともに、車輪の動力がデフケース2を介してピニオンギヤ99に伝達される。ついで、ピニオンギヤ99,98が公転することなく自転して、デフケース2のトルクが電動機15に伝達されて電動機15が発電機として機能し、その電気エネルギが電源28に充電される。そして、エンジン45の動力により走行中に、駆動力不足が生じた場合は、この電気エネルギを電動機15に供給して電動機を駆動させ、エンジントルクをアシストする制御をおこなえば、車両全体としての燃費を向上させることができる。
【0101】
また、図6に示す車両44の駆動力分配装置K1に代えて図14に示す駆動力分配装置K3を搭載することもできる。さらに、車両44に駆動力分配装置K3を搭載した場合も、車両44に駆動力分配装置K1を搭載した場合と同様の効果を得られる。さらに、図8に示す車両51の駆動力分配装置K1に代えて図14に示す駆動力分配装置K3を搭載することもできる。このように、車両51に駆動力分配装置K3を搭載した場合も、車両51に駆動力分配装置K1を搭載した場合と同様の効果を得られる。以上のように、図14の実施形態においては、加速要求に応じて車輪の駆動力を制御することができ、ドライバビリティが向上する。
【0102】
図19は、請求項1および請求項5の発明に対応する実施形態である。図19に示す駆動力分配装置K4において、図1の駆動力分配装置K1または図14の駆動力分配装置K3の構成と同様の構成部分については、図1または図14と同じ符号を付してその説明を省略する。駆動力分配装置K4においては、駆動ギヤ20のピッチ円半径の方が、駆動ギヤ96のピッチ円半径よりも大きく設定されている。具体的には、駆動ギヤ20および第2サンギヤ21のピッチ円半径が同一に設定されている。
【0103】
また、キャリヤ27には保持軸103が回転可能に取り付けられている。保持軸103は第1ドライブシャフト7と平行に配置されており、保持軸103にはピニオンギヤ104が形成されている。このピニオンギヤ104と駆動ギヤ20および第2サンギヤ21とが噛合されている。さらにキャリヤ27には保持軸105が回転可能に取り付けられている。保持軸105はドライブシャフト7と平行に配置されており、保持軸105にはピニオンギヤ106,107が形成されている。このピニオンギヤ106,107のピッチ円半径は同一に設定されている。
【0104】
そして、ピニオンギヤ106とピニオンギヤ104とが噛合され、ピニオンギヤ107と第1サンギヤ14とが噛合されている。このようにして、ピニオンギヤ98,99,104,106,107が、軸線X1を中心とするほぼ同一半径上で自転および公転できる状態で、キャリヤ27により保持されている。
【0105】
ここで、図19の実施形態とこの発明の構成との対応関係を説明すれば、ピニオンギヤ104,106,107および保持軸105がこの発明の第1中間ギヤ機構に相当し、ピニオンギヤ104および保持軸103がこの発明の第2中間ギヤ機構に相当し、ピニオンギヤ98,99および保持軸97がこの発明の第3中間ギヤ機構に相当する。図19のその他の構成とこの発明の構成との対応関係は、図1の構成とこの発明の構成との対応関係を同じであるためその説明を省略する。
【0106】
図19の駆動力分配装置K4は、図5の車両34の駆動力分配装置K1に代えて搭載することができる。そして、車両34の旋回時に、電動機15のトルクを第1サンギヤ14および第2サンギヤ21に分配する場合は、第1クラッチ93が係合されるとともに、クラッチ95およびブレーキ100が解放される。
【0107】
すると、電動機15のトルクの一部がピニオンギヤ104およびピニオンギヤ106,107を介して第1サンギヤ14に伝達されるとともに、電動機15のトルクの一部がピニオンギヤ104を介して第2サンギヤ21に伝達される。そして、駆動力分配装置K4においても、前述した(5)式が満たされるように、ギヤ機構16のギヤ比やピッチ円半径などを設定することができ、図5の実施形態と同様の効果を得られる。
【0108】
また、軸線X1を中心とするほぼ同一円周上にピニオンギヤ98,99,104,106,107が配置されているため、第1ドライブシャフト7の半径方向におけるギヤ機構16の占有領域が狭められる。したがって、駆動力分配装置K4をドライブシャフト7,8の半径方向に小型(コンパクト)化することができ、車載性が向上する。また、ピニオンギヤ106,107のピッチ円半径が同一に設定されている。したがって、ドライブシャフト7,8の半径方向におけるギヤ機構16の配置スペースを、一層狭めることができる。
【0109】
つぎに、図5に示す車両34において、エンジン1のトルクを駆動力分配装置K4によりアシストする場合は、電動機15が駆動されるとともに、クラッチ95およびブレーキ100が係合され、クラッチ93が解放される。
【0110】
すると、キャリヤ27が固定されるとともに、電動機15のトルクが駆動ギヤ96およびピニオンギヤ98,99を介して第1サンギヤ14に伝達される。したがって、図14の駆動力分配装置K3と同様の効果を得られる。また、図14の駆動力分配装置K3と同様にして、駆動力分配装置K4の電動機15を発電機として機能させ、その電気エネルギを電源28に充電することもできる。
【0111】
また、図6に示す車両44の駆動力分配装置K1に代えて、駆動力分配装置K4を搭載することもできる。このように、車両44に駆動力分配装置K4を搭載した場合も、車両44に駆動力分配装置K1を搭載した場合と同様の効果を得られる。さらに、図8に示す車両51の駆動力分配装置K1に代えて、駆動力分配装置K4を搭載することもできる。このように、車両51に駆動力分配装置K4を搭載した場合も、車両51に駆動力分配装置K1を搭載した場合と同様の効果を得られる。
【0112】
図20は、請求項1および請求項5に対応する実施形態のスケルトン図である。図20に示された駆動力分配装置K5において、図1または図19と同様の構成については、図1または図19と同じ符号を付してその説明を省略する。図20の駆動力分配装置K5において、キャリヤ27により保持軸108が回転可能に保持されている。保持軸108にはピニオンギヤ109,110が形成されている。このピニオンギヤ109と駆動ギヤ20とが噛合され、ピニオンギヤ110と第1サンギヤ14とが噛合されている。
【0113】
また、キャリヤ27により保持軸111が回転可能に保持されている。保持軸108にはピニオンギヤ112形成されている。ピニオンギヤ112は、ピニオンギヤ109および第2サンギヤ21に噛合されている。そして、各ピニオンギヤ109,110,112のピッチ円半径がほぼ同一に設定されているとともに、各ピニオンギヤ109,110,112は、軸線X1を中心とするほぼ同一円周上で、自転および公転できる状態でキャリヤ27により保持されている。
【0114】
ここで、図20の構成とこの発明の構成との対応関係を説明すれば、ピニオンギヤ109,110および保持軸110がこの発明の第1中間ギヤ機構に相当し、ピニオンギヤ109,112および保持軸111がこの発明の第2中間ギヤ機構に相当し、ピニオンギヤ98,99および保持軸97がこの発明の第3中間ギヤ機構に相当する。図20のその他の構成とこの発明の構成との対応関係は、図1および図19の構成とこの発明の構成との対応関係を同じであるため、その説明を省略する。
【0115】
図20の駆動力分配装置K5は、例えば図5に示す車両34において、駆動力分配装置K1に代えて搭載することができる。そして、車両34の旋回時に、電動機15のトルクを第1サンギヤ14および第2サンギヤ21に分配する場合は、クラッチ93が係合されるとともに、クラッチ95およびブレーキ100が解放される。
【0116】
すると、電動機15のトルクの一部がピニオンギヤ104およびピニオンギヤ109,110を介して第1サンギヤ14に伝達されるとともに、電動機15のトルクの一部がピニオンギヤ109,112を介して第2サンギヤ21に伝達される。そして、駆動力分配装置K5においても、前述した(5)式が満たされるように、ギヤ機構16のギヤ比やピッチ円半径などを設定することができ、図5の実施形態と同様の効果を得られる。
【0117】
また、軸線X1を中心とする同一半径の円周上にピニオンギヤ98,99,109,110,112が配置されているため、ドライブシャフト7,8の半径方向におけるギヤ機構16の占有領域が狭められる。したがって、駆動力分配装置K5をドライブシャフト7,8の半径方向に小型(コンパクト)化することができ、車載性が向上する。
【0118】
つぎに、図5に示す車両34において、エンジン1のトルクを駆動力分配装置K5によりアシストする場合は、電動機15が駆動されるとともに、クラッチ95およびブレーキ100が係合され、クラッチ93が解放される。
【0119】
すると、キャリヤ27が固定されるとともに、電動機15のトルクが駆動ギヤ96およびピニオンギヤ98,99を介して第1サンギヤ14に伝達される。したがって、図14の駆動力分配装置K3と同様の効果を得られる。また、図14の駆動力分配装置K3と同様にして、駆動力分配装置K5の電動機15を発電機として機能させ、その電気エネルギを電源28に充電することもできる。
【0120】
また、図6に示す車両44の駆動力分配装置K1に代えて、駆動力分配装置K5を搭載することもできる。このように、車両44に駆動力分配装置K5を搭載した場合も、車両44に駆動力分配装置K1を搭載した場合と同様の効果を得られる。さらに、図8に示す車両51の駆動力分配装置K1に代えて、駆動力分配装置K5を搭載することもできる。このように、車両51に駆動力分配装置K5を搭載した場合も、車両51に駆動力分配装置K1を搭載した場合と同様の効果を得られる。
【0121】
図21は、請求項1および請求項5に対応する実施形態のスケルトン図である。図21に示された駆動力分配装置K6において、図1または図14と同様の構成については、図1または図14と同じ符号を付してその説明を省略する。図21の駆動力分配装置K6において、キャリヤ27により保持軸113が回転可能に保持されている。保持軸113にはピニオンギヤ114,115が形成されている。ピニオンギヤ114のピッチ円半径の方が、ピニオンギヤ115のピッチ円半径よりも大きく設定されている。このピニオンギヤ114と駆動ギヤ20とが噛合され、ピニオンギヤ115と第1サンギヤ14とが噛合されている。
【0122】
また、キャリヤ27により保持軸116が回転可能に保持されている。保持軸116にはピニオンギヤ117,118が形成されている。ピニオンギヤ117のピッチ円半径の方が、ピニオンギヤ118のピッチ円半径よりも大きく設定されている。そして、ピニオンギヤ117が駆動ギヤ96に噛合されている。
【0123】
さらに、キャリヤ27により保持軸119が回転可能に保持されている。保持軸119にはピニオンギヤ120,121が形成されている。このピニオンギヤ120,121のピッチ円半径は同一に設定されている。そして、ピニオンギヤ120とピニオンギヤ117とが噛合され、ピニオンギヤ121と第1サンギヤ14とが噛合されている。このように、各ピニオンギヤ114,115,117,118,120,121が、軸線X1を中心とする同一半径の円周上において、自転および公転できる状態でキャリヤ27により保持されている。
【0124】
ここで、図21の構成とこの発明の構成との対応関係を説明すれば、駆動ギヤ96がこの発明の第1駆動ギヤに相当し、駆動ギヤ20がこの発明の第2駆動ギヤに相当し、ピニオンギヤ117,120,121および保持軸119がこの発明の第1中間ギヤ機構に相当し、ピニオンギヤ117,118および保持軸116がこの発明の第2中間ギヤ機構に相当し、ピニオンギヤ114,115および保持軸113がこの発明の第3中間ギヤ機構に相当する。図21のその他の構成とこの発明の構成との対応関係は、図1および図19の構成とこの発明の構成との対応関係を同じであるためその説明を省略する。
【0125】
図21の駆動力分配装置K5は、例えば図5に示す車両34において、駆動力分配装置K1に代えて搭載することができる。そして、車両34の旋回時に、電動機15のトルクを第1サンギヤ14および第2サンギヤ21に分配する場合は、クラッチ95が係合されるとともに、クラッチ93およびブレーキ100が解放される。
【0126】
すると、電動機15のトルクの一部がピニオンギヤ117,120,121を介して第1サンギヤ14に伝達されるとともに、電動機15のトルクの一部がピニオンギヤ117,118を介して第2サンギヤ21に伝達される。そして、駆動力分配装置K6においても、前述した(5)式が満たされるように、ギヤ機構16のギヤ比やピッチ円半径などを設定することができ、図5の実施形態と同様の効果を得られる。
【0127】
また、軸線X1を中心とするほぼ同一円周上にピニオンギヤ114,115,117,118,120,121が配置されているため、ドライブシャフト7,8の半径方向におけるギヤ機構16の占有領域が狭められる。したがって、駆動力分配装置K6をドライブシャフト7,8の半径方向に小型(コンパクト)化することができ、車載性が向上する。
【0128】
つぎに、図5に示す車両34において、エンジン1のトルクを駆動力分配装置K5によりアシストする場合は、電動機15が駆動されるとともに、クラッチ93およびブレーキ100が係合され、クラッチ95が解放される。
【0129】
すると、キャリヤ27が固定されるとともに、電動機15のトルクが駆動ギヤ20およびピニオンギヤ114,115を介して第1サンギヤ14に伝達される。したがって、駆動力分配装置K6においても、駆動力分配装置K3と同様の効果を得られる。また、図14の駆動力分配装置K3と同様にして、駆動力分配装置K6の電動機15を発電機として機能させ、その電気エネルギを電源28に充電することもできる。
【0130】
また、図6に示す車両44の駆動力分配装置K1に代えて、駆動力分配装置K6を搭載することもできる。このように、車両44に駆動力分配装置K6を搭載した場合も、車両44に駆動力分配装置K1を搭載した場合と同様の効果を得られる。さらに、図8に示す車両51の駆動力分配装置K1に代えて、駆動力分配装置K6を搭載することもできる。このように、車両51に駆動力分配装置K6を搭載した場合も、車両51に駆動力分配装置K1を搭載した場合と同様の効果を得られる。
【0131】
図22は、請求項1および請求項5に対応する実施形態のスケルトン図である。図22に示された駆動力分配装置K7において、図1または図21と同様の構成については、図1または図21と同じ符号を付してその説明を省略する。駆動力分配装置K7において、キャリヤ27により保持軸122が回転可能に保持されている。保持軸122にはピニオンギヤ123,124が形成されている。そして、ピニオンギヤ123が駆動ギヤ96に噛合され、ピニオンギヤ124が第1サンギヤ14に噛合されている。
【0132】
さらに、キャリヤ27により保持軸125が回転可能に保持されている。保持軸125にはピニオンギヤ126が形成されている。このピニオンギヤ126とピニオンギヤ123および第2サンギヤ21とが噛合されている。このようにして、各ピニオンギヤ114,115,123,124,126が、軸線X1を中心とするほぼ同一円周上において、自転および公転できる状態でキャリヤ27により保持されている。
【0133】
ここで、図22の構成とこの発明の構成との対応関係を説明すれば、駆動ギヤ96がこの発明の第1駆動ギヤに相当し、駆動ギヤ20がこの発明の第2駆動ギヤに相当し、ピニオンギヤ123,124および保持軸122がこの発明の第1中間ギヤ機構に相当し、ピニオンギヤ123,126および保持軸125がこの発明の第2中間ギヤ機構に相当し、ピニオンギヤ114,115および保持軸113がこの発明の第3中間ギヤ機構に相当する。図22のその他の構成とこの発明の構成との対応関係は、図1および図19の構成とこの発明の構成との対応関係を同じであるためその説明を省略する。
【0134】
図22の駆動力分配装置K7は、例えば図5に示す車両34において、駆動力分配装置K1に代えて搭載することができる。そして、車両34の旋回時に、電動機15のトルクを第1サンギヤ14および第2サンギヤ21に分配する場合は、クラッチ95が係合されるとともに、クラッチ93およびブレーキ100が解放される。
【0135】
すると、電動機15のトルクの一部がピニオンギヤ123,124を介して第1サンギヤ14に伝達されるとともに、電動機15のトルクの一部がピニオンギヤ123,126を介して第2サンギヤ21に伝達される。そして、駆動力分配装置K7においても、前述した(5)式が満たされるように、ギヤ機構16のを構成する各ギヤ同士のギヤ比やピッチ円半径などを設定することができ、図5の実施形態と同様の効果を得られる。
【0136】
また、駆動力分配装置K7においても、軸線X1を中心とするほぼ同一円周上にピニオンギヤ114,115,123,124,126が配置されているため、ドライブシャフト7,8の半径方向におけるギヤ機構16の占有領域が狭められる。したがって、駆動力分配装置K7をドライブシャフト7,8の半径方向に小型(コンパクト)化することができ、車載性が向上する。
【0137】
つぎに、図5に示す車両34において、エンジン1のトルクを駆動力分配装置K7によりアシストする場合は、電動機15が駆動されるとともに、クラッチ93およびブレーキ100が係合され、クラッチ95が解放される。
【0138】
すると、キャリヤ27が固定されるとともに、電動機15のトルクが駆動ギヤ20およびピニオンギヤ114,115を介して第1サンギヤ14に伝達される。したがって、駆動力分配装置K7においても、図14の駆動力分配装置K3と同様の効果を得られる。また、図14の駆動力分配装置K3と同様にして、駆動力分配装置K7の電動機15を発電機として機能させ、その電気エネルギを電源28に充電することもできる。
【0139】
また、図6に示す車両44の駆動力分配装置K1に代えて、駆動力分配装置K7を搭載することもできる。このように、車両44に駆動力分配装置K7を搭載した場合も、車両44に駆動力分配装置K1を搭載した場合と同様の効果を得られる。さらに、図8に示す車両51の駆動力分配装置K1に代えて、駆動力分配装置K7を搭載することもできる。このように、車両51に駆動力分配装置K7を搭載した場合も、車両51に駆動力分配装置K1を搭載した場合と同様の効果を得られる。
【0140】
図23に示す駆動力分配装置K8は、図19に示す駆動力分配装置K4の構成の一部を変更した実施形態である。この駆動力分配装置K8は、請求項1および請求項5の発明に対応するものである。駆動力分配装置K8においては、駆動ギヤ20のピッチ円半径よりも駆動ギヤ96のピッチ円半径の方が大きく設定されている。駆動ギヤ96のピッチ円半径は、第1サンギヤ14および第2サンギヤ21のピッチ円半径と同一に設定されている。そして、ピニオンギヤ98と駆動ギヤ20とが噛合されている。駆動力分配装置K8のその他の構成は、駆動力分配装置K4の構成と同様であるため説明を省略する。
【0141】
図23の実施形態の構成とこの発明の構成との対応関係を説明すれば、駆動ギヤ96がこの発明の第1駆動ギヤに相当し、駆動ギヤ20がこの発明の第2駆動ギヤに相当する。また、ピニオンギヤ104,106,107および保持軸105がこの発明の第1中間ギヤ機構に相当し、ピニオンギヤ104および保持軸103がこの発明の第2中間ギヤ機構に相当し、ピニオンギヤ98,99および保持軸97がこの発明の第3中間ギヤ機構に相当する。図23のその他の構成とこの発明の構成との対応関係は、図1および図19の構成とこの発明の構成との対応関係を同じであるためその説明を省略する。
【0142】
この駆動力分配装置K8においては、電動機15が駆動されるとともに、クラッチ95が係合され、かつ、クラッチ93およびブレーキが解放された場合は、電動機15のトルクが駆動ギヤ96を介して第1サンギヤ14および第2サンギヤ21に分配される。これに対して、クラッチ93およびブレーキ100が係合され、かつ、クラッチ95が解放された場合は、電動機15のトルクが第1サンギヤ14に伝達される。このように、駆動力分配装置K8においても、駆動力分配装置K4と同様の効果を得られる。
【0143】
図24に示す駆動力分配装置K9は、図23に示す駆動力分配装置K8の構成の一部を変更した実施形態である。この駆動力分配装置K9は、請求項1および請求項5の発明に対応するものである。駆動力分配装置K9においては、キャリヤ27により保持軸127および保持軸128が回転可能に保持されている。保持軸127および保持軸128と、第1ドライブシャフト7とが相互に平行に配置されている。保持軸127にはピニオンギヤ129,130が形成されている。このピニオンギヤ129と駆動ギヤ96とが噛合され、ピニオンギヤ130と第1サンギヤ14とが噛合されている。
【0144】
また、保持軸128にはピニオンギヤ131,132が形成されている。このピニオンギヤ131とピニオンギヤ129とが噛合され、ピニオンギヤ132とピニオンギヤ21とが噛合されている。これらのピニオンギヤ129,130,131,132のピッチ円半径は同一に設定されている。このようにして、ピニオンギヤ98,99,129,130,131,132が、軸線X1を中心とするほぼ同一円周上で自転および公転できるように、キャリヤ27により保持されている。駆動力分配装置K9のその他の構成は、駆動力分配装置K8の構成と同様であるため説明を省略する。
【0145】
図24の実施形態の構成とこの発明の構成との対応関係を説明すれば、駆動ギヤ96がこの発明の第1駆動ギヤに相当し、駆動ギヤ20がこの発明の第2駆動ギヤに相当し、クラッチ95がこの発明の第1クラッチに相当し、クラッチ93がこの発明の第2クラッチに相当する。また、ピニオンギヤ129,130および保持軸127がこの発明の第1中間ギヤ機構に相当し、ピニオンギヤ129,131,132および保持軸128がこの発明の第2中間ギヤ機構に相当し、ピニオンギヤ98,99および保持軸97がこの発明の第3中間ギヤ機構に相当する。図24のその他の構成とこの発明の構成との対応関係は、図1の構成とこの発明の構成との対応関係を同じであるためその説明を省略する。
【0146】
この駆動力分配装置K9においても、クラッチ93,95およびブレーキ100が制御される。そして、駆動力分配装置K9においても、駆動力分配装置K8と同様の効果を得られる。
【0147】
図25に示す駆動力分配装置K10は、請求項1および請求項3ならびに請求項5の発明に対応する実施形態のスケルトン図である。駆動力分配装置K10は、分配機構3とデファレンシャル54とを組み合わせて構成されている。分配機構3の構成は、図14の分配機構3の構成と同様である。
【0148】
デファレンシャル54は、サンギヤ55および環状部材56を有する。サンギヤ55は、第1ドライブシャフト7の端部に形成され、環状部材56はサンギヤ55の外周に配置され、環状部材56は第1ドライブシャフト7と同心状に配置されている。この環状部材56の内周にはインナーギヤ57が形成され、環状部材56の外周には、はす歯歯車形式のアウターギヤ58、または傘歯車形式のアウターギヤ58Aが形成される。このアウターギヤ58およびアウターギヤ58Aは、車両に対する駆動力分配装置K10の搭載位置、あるいは用途などに基づいて使い分けることができる。
【0149】
また、サンギヤ55と環状部材56との間には2つのピニオンギヤ59,60が設けられており、このピニオンギヤ59,60が相互に噛合している。そして、ピニオンギヤ59,60を一組として複数組のピニオンギヤ59,60が、円周方向に配置されている。そして、各ピニオンギヤ59とインナーギヤ57とが噛合され、各ピニオンギヤ60とサンギヤ55とが噛合されている。このように、デファレンシャル54は、いわゆるダブルピニオン式のプラネタリギヤを主体として構成されている。
【0150】
さらに、相互に噛合するピニオンギヤ59,60を一組として保持する2つのキャリヤ61,62が設けられており、一方のキャリヤ61が第2ドライブシャフト8に連結されている。他方のキャリヤ62には中空軸63が接続され、この中空軸63が、第1ドライブシャフト7におけるサンギヤ55と、第2サンギヤ21との間に取り付けられている。この中空軸63と第1ドライブシャフト7とは相対回転可能に構成されている。そして、中空軸63には第1サンギヤ14が形成されている。
【0151】
一方、前記環状部材56にはコネクティングドラム183が連結されており、コネクティングドラム183は中空軸63の外側に配置されている。コネクティングドラム183と中空軸63とは相対回転可能に構成され、コネクティングドラム183には第3サンギヤ184が形成されている。そして、第3サンギヤ184と第2サンギヤ21との間に第1サンギヤ14が配置されている。さらに第1サンギヤ14とピニオンギヤ24とが噛合され、第3サンギヤ184とピニオンギヤ99とが噛合されている。
【0152】
ここで、図25の実施形態の構成とこの発明の構成との対応関係を説明する。すなわち、環状部材56およびキャリヤ61がこの発明の入力用回転部材に相当し、第1サンギヤ14および第3サンギヤ184がこの発明の第1従動ギヤに相当する。図25のその他の構成とこの発明の構成との対応関係は、図1および図14の実施形態とこの発明の構成との対応関係と同様であるため説明を省略する。
【0153】
この図25に示す駆動力分配装置K10は、例えば、図5に示す駆動力分配装置K1に代えて車両34に搭載することができる。この場合は、環状部材56の外周に、傘歯車形式のアウタギヤ58Aが形成される。そして、ドライブピニオンギヤ38とアウタギヤ58Aとが噛合される。つぎに、駆動力分配装置K10を搭載した車両34が走行する場合の動作を説明する。車両34が直進走行する場合は、プロペラシャフト37のトルクが環状部材56に入力されるとともに、環状部材56のトルクが第1ドライブシャフト7および第2ドライブシャフト8に伝達される。また、この場合は電動機15およびクラッチ93,95ならびにブレーキ100の制御は、図14の場合と同様である。
【0154】
ところで、車両34が旋回走行する場合は、電動機15が駆動されるとともに、クラッチ93が係合され、クラッチ95およびブレーキ100が解放される。すると、図14の実施形態と同様にしてキャリヤ27が回転する。また、駆動ギヤ20のトルクがピニオンギヤ22を介してピニオンギヤ24,25に伝達されると、ピニオンギヤ25のトルクは第2サンギヤ21に伝達される。
【0155】
一方、ピニオンギヤ24のトルクは、第1サンギヤ14を介してキャリヤ62に伝達される。このようにして、電動機15のトルクが、第1ドライブシャフト7および第2ドライブシャフト8に伝達される。すなわち、車両34が右方向に旋回する場合は、第1サンギヤ14に対して減速方向のトルクが伝達され、この減速方向のトルクが、キャリヤ62,61を介して第2ドライブシャフト8に伝達される。また、第2サンギヤ21に対して加速方向のトルクが伝達され、この加速方向のトルクが第1ドライブシャフト7に伝達される。つまり、車両34を右方向に旋回させるヨーイングモーメントが発生する。
【0156】
これに対して、車両34が左方向に旋回する場合は、第1サンギヤ14に対して加速方向のトルクが伝達され、この加速方向のトルクが、キャリヤ62,61を介して第2ドライブシャフト8に伝達される。また、第2サンギヤ21に対して減速方向のトルクが伝達され、この減速方向のトルクが第1ドライブシャフト7に伝達される。つまり、車両34を左方向に旋回させるヨーイングモーメントが発生する。また、必要に応じて上記とは逆方向にトルクを伝達して車両に作用しているヨーイングモーメントとは逆方向のヨーイングモーメントを発生させることもできる。
【0157】
このように、図25の実施形態も、図5の実施形態と同様の理由により、デファレンシャル54による差動制限状態を、車両の走行条件(旋回状態)に適合する状態に制御することができ、図5の実施形態と同様の効果を得られる。また、図25の駆動力分配装置K10を、図5の車両34に搭載した場合は、図14の実施形態と同様の理由により、駆動力分配装置K10をドライブシャフト7,8の半径方向に小型化することができ、車載性が向上する。
【0158】
つぎに、図5に示す車両34に駆動力分配装置K10を適用し、かつ、エンジン出力により得られる駆動力の不足分を、電動機15のトルクにより補う場合の制御について説明する。この場合、電動機15およびクラッチ93,95ならびにブレーキ100は、図14の実施形態と同様に制御される。すると、キャリヤ27が固定されるとともに、ピニオンギヤ98,99が公転することなく自転し、電動機15のトルクが駆動ギヤ96およびピニオンギヤ98,99を介して第3サンギヤ184に伝達されるとともに、第3サンギヤ184のトルクがコネクティングドラム183を介して環状部材56に伝達される。このようにして、エンジントルクおよび電動機15のトルクの両方がドライブシャフト7,8に伝達され、車両の加速性能が向上する。
【0159】
これに対して車両の減速時には、クラッチ95およびブレーキ100を係合するとともに、クラッチ93を解放する。すると、キャリヤ27が固定されるとともに、車輪の動力がサンギヤ55および環状部材56ならびにコネクティングドラム183を介してピニオンギヤ99に伝達される。すると、電動機15が発電機として機能し、その電気エネルギが電源28に充電される。そして、エンジン45の動力により走行中に、駆動力不足が生じた場合は、この電気エネルギを電動機15に供給して電動機を駆動させ、エンジントルクをアシストする制御をおこなえば、車両全体としての燃費を向上させることができる。
【0160】
また、図6に示す車両44の駆動力分配装置K1に代えて図25に示す駆動力分配装置K10を搭載することもできる。さらに、車両44に駆動力分配装置K10を搭載した場合も、車両44に駆動力分配装置K1を搭載した場合と同様の効果を得られる。さらに、図8に示す車両51の駆動力分配装置K1に代えて図25に示す駆動力分配装置K10を搭載することもできる。さらにまた、図10に示す車両64の駆動力分配装置K2に代えて、図25の駆動力分配装置K10を搭載することもできる。この構成の場合は、環状部材56の外周にはす歯車形式のアウターギヤ58が形成され、アウターギヤ58と出力ギヤ67とが噛合される。
【0161】
図26に示す駆動力分配装置K11は、請求項1および請求項3ならびに請求項5の発明に対応する実施形態のスケルトン図である。駆動力分配装置K11は、分配機構3とデファレンシャル185とを組み合わせて構成されている。分配機構3の構成は、図14の分配機構3の構成と同様である。
【0162】
デファレンシャル185の構成のうち、図25に示されたデファレンシャル54の構成と同様の部分については、図25と同じ符号を付してその説明を省略する。環状部材56には中空軸186が接続され、この中空軸186が、第1ドライブシャフト7におけるサンギヤ55と、第1サンギヤ14との間に取り付けられている。この中空軸186と第1ドライブシャフト7とは相対回転可能に構成されている。そして、中空軸186に第1サンギヤ14が形成されている。
【0163】
ここで、図26の実施形態の構成とこの発明の構成との対応関係を説明する。すなわち、環状部材56がこの発明の入力用回転部材に相当する。図26のその他の構成と、この発明の構成との対応関係は、図1および図14の実施形態の構成と、この発明の構成との対応関係と同様であるため説明を省略する。
【0164】
この図26に示す駆動力分配装置K11は、例えば、図5に示す駆動力分配装置K1に代えて車両34に搭載することができる。この場合は、環状部材56の外周に、傘歯車形式のアウタギヤ58Aが形成される。そして、ドライブピニオンギヤ38とアウタギヤ58Aとが噛合される。つぎに、駆動力分配装置K11を搭載した車両34が走行する場合の動作を説明する。車両34が直進走行する場合は、プロペラシャフト37のトルクがアウタギヤ58Aを介して環状部材56に伝達され、そのトルクが第1ドライブシャフト7および第2ドライブシャフト8に伝達される。ここで、電動機15およびクラッチ93,95ならびにブレーキ100の制御は、図14の場合と同様である。
【0165】
これに対して、車両34が旋回走行すると第1ドライブシャフト7と第2ドライブシャフト8とが差動回転するとともに、電動機15が駆動され、クラッチ93が係合され、クラッチ95およびブレーキ100が解放される。すると、図14の実施形態と同様にしてキャリヤ27が回転する。また、駆動ギヤ20のトルクがピニオンギヤ22を介してピニオンギヤ24,25に伝達されると、ピニオンギヤ25のトルクは第2サンギヤ21に伝達される。これに対して、ピニオンギヤ24のトルクは、第1サンギヤ14を介して環状部材56に伝達される。
【0166】
例えば、車両34が右方向に旋回する場合は、第1サンギヤ14に対して減速方向のトルクが伝達され、この減速方向のトルクが、環状部材56およびキャリヤ61を介して第2ドライブシャフト8に伝達される。また、ピニオンギヤ25から第2サンギヤ21に対して加速方向のトルクが伝達され、この加速方向のトルクが第1ドライブシャフト7に伝達される。つまり、車両34を右方向に旋回させるヨーイングモーメントが発生する。
【0167】
これに対して、車両34が左方向に旋回する場合は、ピニオンギヤ24から第1サンギヤ14に対して加速方向のトルクが伝達され、この加速方向のトルクが、キャリヤ61を介して第2ドライブシャフト8に伝達される。また、第2サンギヤ21に対して減速方向のトルクが伝達され、この減速方向のトルクが第1ドライブシャフト7に伝達される。つまり、車両34を左方向に旋回させるヨーイングモーメントが発生する。また、必要に応じて上記とは逆方向にトルクを伝達して車両に作用しているヨーイングモーメントとは逆方向のヨーイングモーメントを発生させることもできる。
【0168】
このようにして、電動機15のトルクが、第1ドライブシャフト7および第2ドライブシャフト8に伝達される。したがって、図26の実施形態においても、図5の実施形態と同様の理由により、デファレンシャル185による差動制限状態を、車両の走行条件(旋回状態)に適合する状態に制御することができ、図5の実施形態と同様の効果を得られる。また、図26の駆動力分配装置K11を、図5の車両34に搭載した場合は、図14の実施形態と同様の理由により、駆動力分配装置K11をドライブシャフト7,8の半径方向に小型化することができ、車載性が向上する。
【0169】
つぎに、図5に示す車両34に駆動力分配装置K11を適用し、かつ、エンジン出力により得られる駆動力の不足分を、電動機15のトルクにより補う場合の制御について説明する。この場合、電動機15およびクラッチ93,95ならびにブレーキ100は、図14の実施形態と同様に制御される。すると、キャリヤ27が固定されるとともに、ピニオンギヤ98,99が公転することなく自転し、電動機15のトルクが駆動ギヤ96およびピニオンギヤ98,99を介して第1サンギヤ14に伝達されるとともに、第1サンギヤ14のトルクが環状部材56を介して第1ドライブシャフト7と第2ドライブシャフト8とに分配される。このようにして、エンジントルクおよび電動機15のトルクの両方がドライブシャフト7,8に伝達され、車両の加速性能が向上する。
【0170】
これに対して車両の減速時は、クラッチ95およびブレーキ100を係合するとともに、クラッチ93を解放する。すると、キャリヤ27が固定されるとともに、車輪の動力がサンギヤ55および環状部材56ならびに中空軸186を介してピニオンギヤ99に伝達され、図25の実施形態と同様の効果を得られる。
【0171】
また、図6に示す車両44の駆動力分配装置K1に代えて図26に示す駆動力分配装置K11を搭載することもできる。さらに、車両44に駆動力分配装置K11を搭載した場合も、車両44に駆動力分配装置K1を搭載した場合と同様の効果を得られる。さらに、図8に示す車両51の駆動力分配装置K1に代えて図26に示す駆動力分配装置K11を搭載することもできる。さらにまた、図10に示す車両64の駆動力分配装置K2に代えて、図26の駆動力分配装置K11を搭載することもできる。この構成の場合は、環状部材56の外周にはす歯車形式のアウターギヤ58が形成され、アウターギヤ58と出力ギヤ67とが噛合される。
【0172】
図27に示す駆動力分配装置K12は、請求項1および請求項5の発明に対応する実施形態のスケルトン図である。駆動力分配装置K12は、分配機構3Aとデファレンシャル54とを組み合わせて構成されている。デファレンシャル54の構成は、図25のデファレンシャル54と同様であるため、その説明を省略する。また、分配機構3Aの構成のうち、図14に示された分配機構3の構成と同様の部分については、図14と同じ符号を付してその説明を省略する。この分配機構3Aと分配機構3との相違点を説明する。分配機構3Aにおいては、各保持軸26にピニオンギヤ187,188がそれぞれ形成されており、ピニオンギヤ187とピニオンギヤ22とが噛合され、ピニオンギヤ188と第1サンギヤ14とが噛合されている。また、保持軸23のピニオンギヤ24と第2サンギヤ21とが噛合されている。
【0173】
ここで、図27の実施形態の構成とこの発明の構成との対応関係を説明する。すなわち、環状部材56およびキャリヤ61,62がこの発明の入力用回転部材に相当し、ピニオンギヤ22,24および保持軸23がこの発明の第2中間ギヤ機構に相当し、ピニオンギヤ187,188および保持軸26がこの発明の第1中間ギヤ機構に相当する。図27のその他の構成とこの発明の構成との対応関係は、図1および図14の実施形態の構成と、この発明の構成との対応関係と同様であるため説明を省略する。
【0174】
この図27に示す駆動力分配装置K12は、例えば、図5に示す駆動力分配装置K1に代えて車両34に搭載することができる。この場合は、環状部材56の外周に、傘歯車形式のアウタギヤ58Aが形成される。そして、ドライブピニオンギヤ38とアウタギヤ58Aとが噛合される。つぎに、駆動力分配装置K12を搭載した車両34が走行する場合の動作を説明する。車両34が直進走行する場合は、プロペラシャフト37のトルクがアウタギヤ58Aを介して環状部材56に伝達され、そのトルクが第1ドライブシャフト7および第2ドライブシャフト8に伝達される。ここで、電動機15およびクラッチ93,95ならびにブレーキ100の制御は、図14の場合と同様である。
【0175】
これに対して、車両34が旋回走行すると第1ドライブシャフト7と第2ドライブシャフト8とが差動回転するとともに、電動機15が駆動され、クラッチ93が係合され、クラッチ95およびブレーキ100が解放される。すると、図14の実施形態と同様にしてキャリヤ27が回転する。また、駆動ギヤ20のトルクがピニオンギヤ22を介して、ピニオンギヤ24とピニオンギヤ187とに伝達される。すると、ピニオンギヤ24のトルクは第2サンギヤ21に伝達される。これに対して、ピニオンギヤ187のトルクは、保持軸26およびピニオンギヤ188を介して第1サンギヤ14に伝達され、第1サンギヤ14のトルクが中空軸63を介してキャリヤ62,61に伝達される。
【0176】
ここで、車両34が右方向に旋回する場合は、第1サンギヤ14に対して減速方向のトルクが伝達され、この減速方向のトルクが、環状部材56およびキャリヤ61を介して第2ドライブシャフト8に伝達される。また、ピニオンギヤ24から第2サンギヤ21に対して加速方向のトルクが伝達され、この加速方向のトルクが第1ドライブシャフト7に伝達される。つまり、車両34を右方向に旋回させるヨーイングモーメントが発生する。
【0177】
これに対して、車両34が左方向に旋回する場合は、ピニオンギヤ188から第1サンギヤ14に対して加速方向のトルクが伝達され、この加速方向のトルクが、キャリヤ61を介して第2ドライブシャフト8に伝達される。また、ピニオンギヤ24から第2サンギヤ21に対して減速方向のトルクが伝達され、この減速方向のトルクが第1ドライブシャフト7に伝達される。つまり、車両34を左方向に旋回させるヨーイングモーメントが発生する。また、必要に応じて上記とは逆方向にトルクを伝達して車両に作用しているヨーイングモーメントとは逆方向のヨーイングモーメントを発生させることもできる。
【0178】
このようにして、電動機15のトルクが、第1ドライブシャフト7および第2ドライブシャフト8に伝達される。したがって、図27の実施形態においても、図5の実施形態と同様の理由により、デファレンシャル54による差動制限状態を、車両の走行条件(旋回状態)に適合する状態に制御することができ、図5の実施形態と同様の効果を得られる。また、図27の駆動力分配装置K12を、図5の車両34に搭載した場合は、図14の実施形態と同様の理由により、駆動力分配装置K12をドライブシャフト7,8の半径方向に小型化することができ、車載性が向上する。
【0179】
つぎに、図5に示す車両34に駆動力分配装置K12を適用し、かつ、エンジン出力により得られる駆動力の不足分を、電動機15のトルクにより補う場合の制御について説明する。この場合、電動機15およびクラッチ93,95ならびにブレーキ100は、図14の実施形態と同様に制御される。すると、キャリヤ27が固定されるとともに、ピニオンギヤ98,99が公転することなく自転し、電動機15のトルクが駆動ギヤ96およびピニオンギヤ98,99を介して第1サンギヤ14に伝達されるとともに、第1サンギヤ14のトルクが環状部材56を介して第1ドライブシャフト7と第2ドライブシャフト8とに分配される。このようにして、エンジントルクおよび電動機15のトルクの両方がドライブシャフト7,8に伝達され、車両の加速性能が向上する。
【0180】
これに対して車両の減速時には、クラッチ95およびブレーキ100を係合するとともに、クラッチ93を解放する。すると、キャリヤ27が固定されるとともに、車輪の動力がサンギヤ55および環状部材56ならびにコネクティングドラム183を介してピニオンギヤ99に伝達され、図25の実施形態と同様の効果を得られる。
【0181】
また、図6に示す車両44の駆動力分配装置K1に代えて図27に示す駆動力分配装置K12を搭載することもできる。さらに、車両44に駆動力分配装置K12を搭載した場合も、車両44に駆動力分配装置K1を搭載した場合と同様の効果を得られる。さらに、図8に示す車両51の駆動力分配装置K1に代えて図27に示す駆動力分配装置K12を搭載することもできる。さらにまた、図10に示す車両64の駆動力分配装置K2に代えて、図27の駆動力分配装置K12を搭載することもできる。この構成の場合は、環状部材56の外周にはす歯車形式のアウターギヤ58が形成され、アウターギヤ58と出力ギヤ67とが噛合される。
【0182】
図28に示す駆動力分配装置K22は、請求項1および請求項3ならびに請求項5の発明に対応する実施形態のスケルトン図であり、基本的な構成は図14に示された駆動力分配装置K3と同様である。駆動力分配装置K22は、分配機構3Bとデファレンシャル2とを組み合わせて構成されている。デファレンシャル2の構成は、図1のデファレンシャル2の構成と同様である。また、図28に示された分配機構3Bおよび電動機15の構成のうち、図14に示された分配機構3および電動機15の構成と同様の部分については、図14と同じ符号を付してその説明を省略する。この分配機構3Bと分配機構3との相違点を説明する。第1ドライブシャフト7と相互に平行なシャフト189が設けられており、シャフト189に対して電動機15が取り付けられている。
【0183】
また第1ドライブシャフト7の外周には中空軸190が取り付けられており、中空軸190の外周には中空軸191が取り付けられている。これら第1ドライブシャフト7と中空軸190と中空軸191とが相対回転可能に構成されている。中空軸190にはギヤ192,193が形成され、中空軸191にはギヤ194,195が形成されている。そして、駆動ギヤ20とギヤ192とが噛合され、ピニオンギヤ98とギヤ193とが噛合されている。また、駆動ギヤ96とギヤ194とが噛合され、ギヤ195とピニオンギヤ22とが噛合されている。
【0184】
ここで、図28の実施形態の構成とこの発明の構成との対応関係を説明する。すなわち、ピニオンギヤ22,24および保持軸23ならびに中空軸191とがこの発明の第1中間ギヤ機構に相当し、ピニオンギヤ25および保持軸26がこの発明の第2中間ギヤ機構に相当し、駆動ギヤ96,194,195がこの発明の第1駆動ギヤに相当する。図28のその他の構成と、この発明の構成との対応関係は、図1および図14の実施形態の構成と、この発明の構成との対応関係と同様であるため説明を省略する。
【0185】
この図28に示す駆動力分配装置K12は、例えば、図5に示す駆動力分配装置K1に代えて車両34に搭載することができる。この場合は、デフケース4の外周に、傘歯車形式のリングギヤ43が形成される。そして、ドライブピニオンギヤ38とリングギヤ43とが噛合される。つぎに、駆動力分配装置K22を搭載した車両34が走行する場合の動作を説明する。車両34が直進走行する場合は、図14の実施形態と同様にして、プロペラシャフト37のトルクが第1ドライブシャフト7および第2ドライブシャフト8に伝達される。ここで、電動機15およびクラッチ93,95ならびにブレーキ100の制御は、図14の場合と同様である。
【0186】
これに対して、車両34が旋回走行すると第1ドライブシャフト7と第2ドライブシャフト8とが差動回転するとともに、電動機15が駆動され、クラッチ95が係合され、クラッチ93およびブレーキ100が解放される。すると、図14の実施形態と同様にしてキャリヤ27が回転する。また、駆動ギヤ96のトルクがピニオンギヤ22を介して、ピニオンギヤ24,25に伝達される。そして、車両34が右方向に旋回する場合、または車両34が左方向に旋回する場合のいずれにおいても、図14と同様の作用が生じる。
【0187】
したがって、図28の実施形態においても、図5の実施形態と同様の理由により、デファレンシャル2による差動制限状態を、車両の走行条件(旋回状態)に適合する状態に制御することができ、図5の実施形態と同様の効果を得られる。また、図28の駆動力分配装置K22を、図5の車両34に搭載した場合は、図14の実施形態と同様の理由により、駆動力分配装置K22をドライブシャフト7,8の半径方向に小型化することができ、車載性が向上する。
【0188】
ところで、図5に示す車両34に駆動力分配装置K22を適用し、かつ、エンジン出力により得られる駆動力の不足分を、電動機15のトルクにより補う場合の制御も、図14の実施形態と同様にしておこなわれる。また、車両の減速時には、クラッチ93,95およびブレーキ100を、図14の実施形態の場合と同様に制御することができる。
【0189】
また、図6に示す車両44の駆動力分配装置K1に代えて図28に示す駆動力分配装置K22を搭載することもできる。さらに、車両44に駆動力分配装置K22を搭載した場合も、車両44に駆動力分配装置K1を搭載した場合と同様の効果を得られる。さらに、図8に示す車両51の駆動力分配装置K1に代えて図28に示す駆動力分配装置K22を搭載することもできる。さらにまた、図10に示す車両64の駆動力分配装置K2に代えて、図28の駆動力分配装置K22を搭載することもできる。この構成の場合は、デフケース4の外周にはす歯車形式のリングギヤ43Aが形成され、リングギヤ43Aと出力ギヤ67とが噛合される。
【0190】
図29は、請求項6の発明に対応する駆動力分配装置K13を示している。デフケース140の内部には、第1ドライブシャフト141の端部と、第2ドライブシャフト142の端部とが配置されている。第1ドライブシャフト141および第2ドライブシャフト142は、軸線X1を中心として回転可能に配置されている。また、第1ドライブシャフト141には第2サンギヤ143が形成され、第2ドライブシャフト142には第1サンギヤ144が形成されている。第2サンギヤ143のピッチ円半径と、第1サンギヤ144のピッチ円半径とがほぼ同一に設定されている。
【0191】
また、デフケース140は、デファレンシャルキャリヤ145の内部に配置されており、このデフケース140は軸線X1を中心として回転することができる。さらに、デファレンシャルキャリヤ145の内部には電動機15が設けられている。電動機15の構成は図1と同様である。そして、電動機15のロータ18の内部に第1ドライブシャフト141が配置されている。また、デフケース140の内部には、保持軸146,147が設けられている。保持軸146,147は、第1ドライブシャフト141および第2ドライブシャフト142と平行に配置され、かつ、保持軸146,147とデフケース140とが相対回転可能に構成されている。
【0192】
一方の保持軸146にはピニオンギヤ148,149が形成されている。ピニオンギヤ148のピッチ円半径の方が、ピニオンギヤ149のピッチ円半径よりも大きく設定されている。そして、図30に示すようにピニオンギヤ148と駆動ギヤ20とが噛合され、図31に示すようにピニオンギヤ149と第1サンギヤ144とが噛合されている。また、保持軸147にはピニオンギヤ150が形成され、ピニオンギヤ150と第2サンギヤ143およびピニオンギヤ148とが噛合されている。
【0193】
このようにして、ピニオンギヤ148,149,150が、軸線X1を中心とするほぼ同一円周上で公転および自転できる状態で、デフケース140により保持されている。なお、デフケース140の外周には、駆動力分配装置K13の用途に応じて、はす歯歯車形式のリングギヤ152、または傘歯車形式のリングギヤ152Aを形成することができる。
【0194】
ここで、図29の構成とこの発明の構成との対応関係を説明すれば、駆動ギヤ20がこの発明の第1駆動ギヤに相当し、第1ドライブシャフト141がこの発明の第1回転部材に相当し、第2ドライブシャフト142がこの発明の第2回転部材に相当し、第2サンギヤ143がこの発明の第1従動ギヤに相当し、第1サンギヤ144がこの発明の第2従動ギヤに相当し、ピニオンギヤ148,149および保持軸146がこの発明の第1中間ギヤ機構に相当し、ピニオンギヤ150および保持軸147がこの発明の第2中間ギヤ機構に相当し、デフケース140がこの発明のケーシングに相当する。
【0195】
図32は、駆動力分配装置K13を有するF・F形式の車両151の構成を示す平面図であり、図32は請求項6の発明に対応する実施形態である。デファレンシャルキャリヤ145は車体側に固定されており、デフケース140の外周には軸線X1を中心としてリングギヤ152が形成されている。車両151のその他の構成は、図10に示す車両64と同様に構成されている。そして、出力ギヤ67とリングギヤ152とが噛合されている。なお、車両151においても、図4に示す制御回路がそのまま適用される。
【0196】
上記構成の車両151が走行する場合の動作を説明する。エンジン45のトルクがトランスミッション65および出力ギヤ67を介してデフケース140に伝達される。デフケース140に伝達されたトルクの一部は、ピニオンギヤ148を介して第1ドライブシャフト141および右前輪40に伝達される。また、デフケース140に伝達されたトルクの一部は、ピニオンギヤ149を介して第1ドライブシャフト142および左前輪39に伝達される。ここで、車両が直進する場合は、デフケース140と第2サンギヤ143および第1サンギヤ144とが一体的に回転する。この場合には、電動機15からトルクは出力されない。
【0197】
また、第2サンギヤ143と第1サンギヤ144とが、ピニオンギヤ148,149,150により接続されているため、車両が旋回する場合は、第1ドライブシャフト141と第2ドライブシャフト143との相対回転(差動回転)が可能であるとともに、電動機15を駆動し、そのトルクを左前輪39および右前輪40に分配することができる。そして、この実施形態においては、車両が旋回する際に、前述した(1)ないし(4)式を満足するように設定できるとともに、前述の(5)式の関係になるように、デフケース140の内部のギヤ機構が設定される。
【0198】
また、図6に示す車両44の駆動力分配装置K1に代えて駆動力分配装置K13を搭載することができる。このように、駆動力分配装置K13を非駆動輪に対応する位置に配置した場合も、図6と同様の効果を得られる。
【0199】
さらに、駆動力分配装置K13においては、駆動ギヤ20と第2サンギヤ143および第1サンギヤ144とを接続するピニオンギヤ148,149,150およびキャリヤ140により、第1ドライブシャフト141と第2ドライブシャフト142とを相対回転(差動回転)させるデファレンシャルとしての機能を備えている。また、ピニオンギヤ148,149,150およびキャリヤ140が、電動機15のトルクを第1ドライブシャフト141と第2ドライブシャフト142とに分配する分配機構としての機能をも備えている。このため、デファレンシャルおよび分配機構を別個に設ける必要がなく、駆動力分配装置K13の部品点数および軸線方向の占有スペースが抑制される。したがって、駆動力分配装置K13を小型化および軽量化することができ、車載性が一層向上するとともに、駆動力分配装置K13の製造コストを低減することができる。
【0200】
図33は、駆動力分配装置K13を2個搭載したF・F形式の車両153を示す平面図であり、図33は請求項6の発明に対応する実施形態である。この車両153においては、左前輪39および右前輪40に対応する位置に、図32の車両151と同様に駆動力分配装置K13が配置されている。また、左後輪41および右後輪42に対応する位置に、他の駆動力分配装置K13が配置されている。この車両153においては、図32の車両151および図6の車両44と同様の効果を得られる。また、図8に示す駆動力分配装置K1に代えて、駆動力分配装置13を搭載することもできる。この場合は、デフケース140の外周にリングギヤ152Aが形成され、リングギヤ152Aとドライブピニオンギヤ38とが噛合される。
【0201】
図34に示す駆動力分配装置K14は、駆動力分配装置K13の構成の一部を変更した実施形態である。図34の実施形態は請求項6の発明に対応する。駆動力分配装置K14においては、駆動ギヤ20および第2サンギヤ143ならびに第1サンギヤ144のピッチ円半径がほぼ同一に設定されている。また、ピニオンギヤ148,149のピッチ円半径がほぼ同一に設定されている。このようにして、ピニオンギヤ148,149,150が、軸線X1を中心とする同一半径の円周上で自転および公転できる状態で、キャリヤ140により保持されている。駆動力分配装置K14のその他の構成は、駆動力分配装置K13の構成と同様である。この駆動力分配装置K13を、図5、図6、図8、図32、図33に示されている駆動力分配装置に代えて搭載することができ、これらの駆動力分配装置と同様の効果を得られる。
【0202】
なお、図34の駆動力分配装置K14においては、駆動ギヤ20とピニオンギヤ148との噛み合い位置と、ピニオンギヤ148とピニオンギヤ150との噛み合い位置が、軸線方向の異なる位置に設定されている。したがって、ピニオンギヤ148のピッチ円半径を可及的に小さく設定することができ、駆動力分配装置K14の小型化が一層促進される。
【0203】
図35の駆動力分配装置K15は、駆動力分配装置K13の構成の一部を変更した実施形態である。図35の実施形態は請求項6の発明に対応する。駆動力分配装置K15においては、保持軸146にピニオンギヤ148,154が形成されている。そして、ピニオンギヤ148と駆動ギヤ20とが噛合され、ピニオンギヤ154と第2サンギヤ143とが噛合されている。また、保持軸147にピニオンギヤ155,156が形成されている。ピニオンギヤ155,156のピッチ円半径がほぼ同一に設定されている。
【0204】
そして、ピニオンギヤ155とピニオンギヤ148とが噛合され、ピニオンギヤ156と第1サンギヤ144とが噛合されている。このようにして、ピニオンギヤ148,154,155,156が、軸線X1を中心とする同一半径の円周上で自転および公転できる状態で、キャリヤ140により保持されている。駆動力分配装置K15のその他の構成は、駆動力分配装置K13の構成と同様である。ここで、図35の構成とこの発明の構成との対応関係を説明すれば、ピニオンギヤ155,156および保持軸147がこの発明の第1中間ギヤ機構に相当し、ピニオンギヤ148,154および保持軸146がこの発明の第2中間ギヤ機構に相当する。図35のその他の構成とこの発明との対応関係は、図1および図29の実施形態とこの発明との対応関係と同様である。この駆動力分配装置K13を、図5、図6、図8、図32、図33に示されている駆動力分配装置に代えて搭載することができ、これらの駆動力分配装置と同様の効果を得られる。
【0205】
図36の駆動力分配装置K16は、駆動力分配装置K14の構成の一部を変更した実施形態であり、請求項6の発明に対応する。駆動力分配装置16においては、保持軸146にピニオンギヤ157が形成されている。このピニオンギヤ157と駆動ギヤ20および第1サンギヤ141とが噛合されている。また、保持軸147にピニオンギヤ158,159が形成されている。ピニオンギヤ158,159のピッチ円半径がほぼ同一に設定されている。
【0206】
そして、ピニオンギヤ158とピニオンギヤ157とが噛合され、ピニオンギヤ159と第1サンギヤ144とが噛合されている。このようにして、ピニオンギヤ157,158,159が、自転および公転できる状態でキャリヤ140により保持されている。駆動力分配装置K16のその他の構成は、駆動力分配装置K14の構成と同様である。ここで、図36の構成とこの発明の構成との対応関係を説明すれば、ピニオンギヤ157および保持軸146がこの発明の第1中間ギヤ機構に相当し、ピニオンギヤ158,159および保持軸147がこの発明の第2中間ギヤ機構に相当する。図36のその他の構成とこの発明の構成との対応関係は、図1および図29の構成とこの発明の構成との対応関係と同じである。この駆動力分配装置K16を、図5、図6、図8、図32、図33に示されている駆動力分配装置に代えて搭載することができ、これらの駆動力分配装置と同様の効果を得られる。
【0207】
図37の駆動力分配装置K17は、駆動力分配装置K13の構成の一部を変更した実施形態であり、請求項6の発明に対応する。駆動力分配装置K17においては、第1ドライブシャフト141と平行なシャフト160が設けられている。このシャフト160を中心として電動機15が配置されている。すなわち、電動機15のロータ18がシャフト160の外周に取り付けられている。また、第1ドライブシャフト141に対して、第1ドライブシャフト141と相対回転可能な中空軸161が取り付けられている。この中空軸161にはギヤ162,163が形成されている。そして、ギヤ162と駆動ギヤ20とが噛合され、ギヤ163とピニオンギヤ148とが噛合されている。駆動力分配装置K17のその他の構成は、駆動力分配装置K13の構成と同様である。
【0208】
図37の構成とこの発明の構成との対応関係を説明すれば、ギヤ162,163およびピニオンギヤ148,149ならびに保持軸146がこの発明の第1中間ギヤ機構に相当し、ピニオンギヤ150および保持軸147がこの発明の第2中間ギヤ機構に相当する。図37のその他の構成とこの発明の構成との対応関係は、図1および図29の構成とこの発明の構成との対応関係と同じである。この駆動力分配装置K17を、図5、図6、図8、図32、図33に示されている駆動力分配装置に代えて搭載することができ、これらの駆動力分配装置と同様の効果を得られる。
【0209】
図38の駆動力分配装置K18は、請求項7に対応する実施形態である。なお、駆動力分配装置K18の構成のうち、図29の駆動力分配装置K13と同様の構成については、駆動力分配装置K13と同じ符号を付してその説明を省略する。駆動力分配装置K18においては、駆動ギヤ20と電動機15との間の動力伝達経路を接続・遮断するクラッチ164が設けられている。また、電動機15の中空軸19の外周に中空軸165が設けられている。この中空軸165の外周には駆動ギヤ166が形成されている。つまり、電動機15に対して、駆動ギヤ20と駆動ギヤ166とが並列に接続されている。そして、駆動ギヤ166と電動機15との間の動力伝達経路を接続・遮断するクラッチ167が設けられている。
【0210】
一方、デフケース140の外周にはリングギヤ168が形成されている。また、デファレンシャルキャリヤ145側にはシャフト169が回転可能に保持されており、シャフト169にはギヤ170,171が形成されている。そして、ギヤ170と駆動ギヤ166とが噛合され、ギヤ171とギヤ168とが噛合されている。
【0211】
ここで、図38の構成とこの発明の構成との対応関係を説明すれば、駆動ギヤ166がこの発明の第2駆動ギヤに相当し、ギヤ168,170,171およびシャフト169がこの発明の第3中間ギヤ機構に相当し、クラッチ164がこの発明の第1クラッチに相当し、クラッチ165がこの発明の第2クラッチに相当する。図38のその他の構成とこの発明の構成との対応関係は、図29の構成とこの発明の構成との対応関係と同じである。
【0212】
そして、図6の駆動力分配装置K18、または図8の駆動力分配装置K1、図32の駆動力分配装置K13、または図33の駆動力分配装置K13のいずれかに代えて駆動力分配装置K18を用いることができる。なお、駆動力分配装置K18を図6のように用いる場合はデフケース140のリングギヤ151,152Aは不要である。また、駆動力分配装置K18を図8のように用いる場合は、リングギヤ152Aとドライブピニオンギヤ38とが噛合される。駆動力分配装置K18を図32のように用いる場合は、リングギヤ152と出力ギヤ67とが噛合される。駆動力分配装置K18を搭載する車両の制御回路は、図18と同様に構成することができる。この場合、図38のクラッチ164,167が、図18の係合・解放装置102に相当する。
【0213】
つぎに、駆動力分配装置K18を搭載した車両が走行する場合の動作を説明する。車両の直進走行時に、加速要求をエンジントルクにより満足することができる条件下では、電動機15が停止され、かつ、クラッチ164,167が解放される。これに対して、車両が旋回する場合は、電動機15が駆動されるとともに、クラッチ164が係合される。すると、電動機15のトルクの一部が、ピニオンギヤ148,147を介して第2サンギヤ143に伝達されるとともに、電動機15のトルクの一部が、ピニオンギヤ148,149を介して第1サンギヤ144に伝達される。
【0214】
そして、図38の実施形態においても、前述した(1)ないし(5)式を達成することができるように、駆動ギヤ20およびピニオンギヤ147,148,149ならびに各サンギヤ143,144などのギヤ機構が構成されている。すなわち、車両が右方向に旋回する場合は、第2サンギヤ143に対して減速方向のトルクが伝達され、第1サンギヤ144に対して加速方向のトルクが伝達される。つまり、車両を右方向に旋回させるヨーイングモーメントが発生する。
【0215】
これに対して、車両が左方向に旋回する場合は、第2サンギヤ143に対して加速方向のトルクが伝達され、第1サンギヤ144に対して減速方向のトルクが伝達される。つまり、車両を左方向に旋回させるヨーイングモーメントが発生する。また、必要に応じて上記とは逆方向にトルクを伝達して車両に作用しているヨーイングモーメントとは逆方向のヨーイングモーメントを発生させることもできる。
【0216】
また、駆動力分配装置K18を車両34に搭載した場合は、ピニオンギヤ148,149,150が、軸線X1を中心とする同一半径の円周上に配置されているため、ドライブシャフト141,142の半径方向における各ピニオンギヤ148,149,150の占有領域が狭められる。したがって、駆動力分配装置K18を各ドライブシャフト141,142の半径方向に小型(コンパクト)化し、かつ軽量化することができ、車載性が向上する。
【0217】
つぎに、車両の駆動力を駆動力分配装置K18によりアシストする場合の制御を説明する。この制御は、アクセル開度などから判断される加速要求に対して、エンジン出力により得られる駆動力の不足分を、電動機15のトルクにより補うためのものである。この制御では、電動機15が駆動されるとともに、クラッチ167が係合され、クラッチ164が解放される。
【0218】
すると、電動機15のトルクが駆動ギヤ166およびギヤ170,171ならびにリングギヤ168を経由してデフケース140に伝達される。したがって、デフケース140に対して、エンジントルクおよび電動機15のトルクの両方が伝達され、車輪の駆動力が増加して加速性能が向上する。そして、車両の駆動力をアシストする際に、電動機15のトルクをデフケース140に伝達するためのシャフト169およびギヤ170,171が、デフケース140の外部に設けられている。したがって、シャフト169を多数配置し、各シャフト169にギヤ170,171を形成することにより、単一のシャフト169により受け持つべきトルクが減少し、シャフト169およびギヤ170,171の耐久性を向上させることができる。
【0219】
なお、車両の惰力走行時には、車輪の動力を電動機15に伝達することにより、電動機15を発電機として機能させ、その電気エネルギを電源28に充電することもできる。そして、駆動力不足が生じている際に、この電気エネルギを電動機15に供給して電動機を駆動させ、エンジントルクをアシストする制御をおこなえば、車両全体としての燃費を向上させることができる。
【0220】
駆動力分配装置K18においては、駆動ギヤ20と第2サンギヤ143および第1サンギヤ144とを接続するピニオンギヤ148,149,150およびデフケース140により、第1ドライブシャフト141と第2ドライブシャフト142とを相対回転(差動回転)させるデファレンシャルとしての機能を備えている。また、ピニオンギヤ148,149,150およびデフケース140が、電動機15のトルクを第1ドライブシャフト141と第2ドライブシャフト142とに分配する分配機構としての機能をも備えている。このため、デファレンシャルおよび分配機構を別個に設ける必要がなく、駆動力分配装置K18の部品点数および軸線方向の占有スペースが抑制される。したがって、駆動力分配装置K18を小型化および軽量化することができ、車載性が一層向上するとともに、駆動力分配装置K18の製造コストを低減することができる。
【0221】
図39の駆動力分配装置K19は、駆動力分配装置K18の構成の一部を変更した実施形態であり、駆動力分配装置K19は請求項7の発明に対応する。駆動力分配装置K19の構成うち、駆動力分配装置K18の構成と同様の構成については、駆動力分配装置K18と同じ符号を付してその説明を省略する。駆動力分配装置K19において、駆動ギヤ20のピッチ円半径と、サンギヤ143,144のピッチ円半径とが同一に設定されている。また、ピニオンギヤ148,149のピッチ円半径が同一に設定されている。この駆動力分配装置19においても、駆動力分配装置18と同様の効果を得られる。
【0222】
図40の駆動力分配装置K20は、駆動力分配装置K18の構成の一部を変更した実施形態であり、駆動力分配装置K20は請求項7の発明に対応する。駆動力分配装置K20の構成うち、駆動力分配装置K18の構成と同様の構成については、駆動力分配装置K18と同じ符号を付してその説明を省略する。駆動力分配装置K20においては、デフケース140の一端側の内周にリングギヤ172が形成されている。そして、駆動ギヤ166とリングギヤ172とが噛合されている。この駆動力分配装置20においても、駆動力分配装置18と同様の効果を得られる。なお、駆動力分配装置20においては、エンジントルクを電動機15のトルクによりアシストする場合に、電動機15の回転方向が駆動力分配装置K18,K19とは逆になる。
【0223】
図41の駆動力分配装置K21は、駆動力分配装置K18の構成の一部を変更した実施形態であり、駆動力分配装置K21は請求項7の発明に対応する。駆動力分配装置K21の構成うち、駆動力分配装置K18の構成と同様の構成については、駆動力分配装置K18と同じ符号を付してその説明を省略する。駆動力分配装置K21においては、第1ドライブシャフト141の外周に、第1ドライブシャフト141と相対回転できる中空軸173が取り付けられている。この中空軸173にはギヤ174,175が形成されている。また中空軸173におけるギヤ174とギヤ175との間にはクラッチ176が設けられている。そしてギヤ175とギヤ148とが噛合されている。
【0224】
また、中空軸173の外周には、中空軸173と相対回転可能な中空軸177が設けられている。中空軸177にはギヤ178,179が形成されている。また、中空軸177におけるギヤ178とギヤ179との間にはクラッチ180が設けられている。そして、ギヤ179とギヤ170とが噛合されている。一方、軸線X1と平行なシャフト180が設けられており、シャフト180に電動機15が取り付けられている。そして、電動機15のロータ18には駆動ギヤ181,182が並列して接続されている。この駆動ギヤ181とギヤ178とが噛合され、駆動ギヤ182とギヤ174とが噛合されている。駆動力分配装置K21が搭載される車両の制御回路は図18と同様に構成することができる。この場合は、クラッチ176,180が図18の係合・解放装置102に含まれる。
【0225】
ここで、駆動力分配装置K21の構成とこの発明の構成との対応関係を説明すれば、ギヤ175がこの発明の第1駆動ギヤに相当し、ギヤ179がこの発明の第2駆動ギヤに相当し、クラッチ176がこの発明の第1クラッチに相当し、クラッチ180がこの発明の第2クラッチに相当する。駆動力分配装置21においては、車両が直進走行し、かつ、加速要求をエンジントルクにより満足することができる場合は、電動機15が停止され、かつクラッチ176,180が解放される。
【0226】
これに対して、車両が旋回する場合は、電動機15が駆動され、かつ、クラッチ176が係合される。このため、電動機15のトルクが駆動ギヤ182およびギヤ174ならびにギヤ175を介してピニオンギヤ148に伝達されるとともに、第1サンギヤ144および第2サンギヤ143に分配される。また、車両の駆動力を電動機15によりアシストする場合は、クラッチ180が係合され、かつ、クラッチ176が解放される。このため、電動機15のトルクが駆動ギヤ181およびギヤ178,179を介してデフケース140に伝達される。したがって、駆動力分配装置21においても駆動力分配装置K18と同様の効果を得られる。
【0227】
図42は、上記各駆動力分配装置K1ないしK22のいずれかを搭載することのできる車両79の他の構成例を示す平面図である。車両79にはエンジン80が搭載され、エンジン80の出力側にはトランスミッション81が設けられている。また、トランスミッション81の出力側には駆動力分配装置が設けられている。
【0228】
そして、駆動力分配装置にはフロントプロペラシャフト82およびリヤプロペラシャフト83が接続され、フロントプロペラシャフト82がフロントデファレンシャル84に接続され、リヤプロペラシャフト83がリヤデファレンシャル85に接続されている。ここで、駆動力分配装置の第1ドライブシャフト7または第2ドライブシャフト8のいずれか一方が、フロントプロペラシャフト82に接続され、残りのドライブシャフトがリヤプロペラシャフト83に接続される。すなわち、この実施形態においては、前述した軸線X1が車両79の前後方向に配置されることになる。なお、フロントデファレンシャル84およびリヤデファレンシャル85は公知の構造を有する。
【0229】
そして、フロントデファレンシャル84の出力側にはフロントドライブシャフト86,87が接続されている。このフロントドライブシャフト86には左前輪39が接続され、フロントドライブシャフト87には右前輪40が接続されている。一方、リヤデファレンシャル85の出力側にはリヤドライブシャフト88,89が接続されている。このリヤドライブシャフト88には左後輪41が接続され、リヤドライブシャフト89には右後輪42が接続されている。
【0230】
この車両73においては、エンジン80から出力されたトルクが、トランスミッション81を介して駆動力分配装置に伝達される。そして、このトルクが、フロントプロペラシャフト82とリヤプロペラシャフト83とに分配される。フロントプロペラシャフト82に伝達されたトルクは、フロントデファレンシャル84を介して左前輪39および右前輪40に伝達される。リヤプロペラシャフト83に伝達されたトルクは、リヤデファレンシャル85を介して左後輪41および右後輪42に伝達される。
【0231】
つまり、駆動力分配装置が、エンジン80のトルクを前後輪に分配するための、いわゆるセンターデファレンシャルとして機能する。言い換えれば、図42においては、駆動力分配装置に対して、左前輪39および右前輪40と、左後輪41および右後輪42とが並列に接続されている。そして、図41の実施形態においては、前輪と後輪との回転速度差などの条件に基づいて、電動機のトルクが制御される。そして、この実施形態においても、前述の各駆動力分配装置と同様の効果を得られる。
【0232】
また、前駆動力分配装置が、後輪に分配するトルクを制御するためのセンターデファレンシャルとして使用されているために、特に、デファレンシャル2のトルク配分を50:50に設定する必要がなく、このトルク配分を走行状態によって自由に設定することができる。このため、前後輪が共に低μ路に接した状態で車両79が走行する場合の走行性能、または前後輪がμの異なる路面に接した状態で車両79が発進する、いわゆる、またぎ発進性能、または車両79が坂道発進する場合の性能などを向上させることができる。なお、図42の実施形態において、フロントデファレンシャル84に代えて駆動力分配装置K1ないしK22のいずれかを搭載すること、またはリヤデファレンシャル85に代えて駆動力分配装置K1ないしK22のいずれかを搭載することもできる。
【0233】
なお、上記各実施形態においては、駆動力源としてエンジンのみを搭載した車両について説明しているが、バッテリから供給される電力により駆動される電動機のみを駆動力源として搭載した電気自動車に対して、この発明を用いることもできる。また、駆動力源としてエンジンおよび電動機の両方を搭載した、いわゆるハイブリッド車に対して、この発明を用いることもできる。ここで述べるハイブリッド車には、シリーズハイブリッド車と、パラレルハイブリッド車と、シリーズハイブリッド車およびパラレルハイブリッド車の両方の機能を有する車両とが含まれる。
【0234】
【発明の効果】
以上のように請求項1の発明によれば、ギヤ機構を構成する第1中間ギヤ機構および第2中間ギヤ機構が、軸線を中心とするほぼ同一円周上に配置されている。このため、回転部材の半径方向におけるギヤ機構の占有領域が狭められる。したがって、駆動力分配装置と車体または周辺部品との配置レイアウトの自由度が増し、駆動力分配装置の車載性が向上する。
【0235】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られるほか、車両の旋回時に電動機から出力されたトルクは、回転部材に対して加速伝達または減速伝達され、入力用回転部材に対して減速伝達または加速伝達される。また、各回転部材に伝達されるトルクの絶対値が同じに設定される。したがって、回転部材と入力用回転部材との差動制限状態が、車両の走行状態(旋回状態)に応じて制御され、操縦性およびドライバビリティが向上する。
【0236】
請求項3の発明によれば、第1ピニオンギヤないし第3ピニオンギヤが軸線を中心とするほぼ同一円周上に配置されているため、回転部材の半径方向における各ピニオンギヤの配置領域が抑制される。したがって、駆動力分配装置を小型化することができ、その車載性が向上する。
【0237】
請求項4の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られるほか、回転部材の半径方向における第4ピニオンギヤないし第6ピニオンギヤの配置領域が抑制される。したがって、駆動力分配装置を小型化することができ、その車載性が向上する。
【0238】
請求項5の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られるほか、クラッチおよびブレーキを制御することにより、電動機のトルクを第1従動ギヤおよび第2従動ギヤに分配する制御、または電動機のトルクを第1従動ギヤのみに伝達する制御のいずれかを選択することができる。したがって、加速要求に応じて駆動力を制御することができ、ドライバビリティが向上する。
【0239】
請求項6の発明によれば、駆動ギヤと第1従動ギヤおよび第2従動ギヤとを接続する第1中間ギヤ機構および第2中間ギヤ機構ならびに保持部材により、第1回転部材と第2回転部材とを相対回転(差動回転)させるデファレンシャルとしての機能が維持されている。また、第1中間ギヤ機構および第2中間ギヤ機構ならびに保持部材により、電動機のトルクを第1回転部材と第2回転部材とに分配する機能が維持されいる。このため、デファレンシャルおよびトルク分配機構を別個に設ける必要がなく、駆動力分配装置の部品点数および軸線方向の占有スペースが抑制される。したがって、駆動力分配装置を小型化および軽量化することができ、車載性が向上するとともに、駆動力分配装置の製造コストを低減することができる。
【0240】
請求項7の発明によれば、請求項6の発明と同様の効果を得られるほか、クラッチおよびブレーキを制御することにより、電動機のトルクを第1従動ギヤおよび第2従動ギヤに分配する制御、または電動機のトルクを第1従動ギヤのみに伝達する制御のいずれかを選択することができる。したがって、車両の走行状態に応じて車輪に伝達されるトルクを制御することができ、ドライバビリティが向上する。
【0241】
請求項8の発明によれば、請求項1ないし請求項7の発明のいずれかと同様の効果を得られるほか、複数の車輪が非駆動輪であるため、電動機のトルクが駆動力として分配されることなく、非駆動輪の横力が可及的に増加される。したがって、車両が旋回時における横すべりが抑制され、旋回性能が向上する。
【0242】
請求項9の発明によれば、請求項1ないし請求項8の発明のいずれかと同様の効果を得られるほか、例えば、車両が旋回する場合や、車両がスリップした場合に、内外輪に伝達されるトルク配分の差、または前後輪に伝達されるトルク配分の差を可及的に大きく設定することができる。したがって、車両の旋回性能が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る駆動力分配装置の一実施形態を示すスケルトン図である。
【図2】 図1に示された駆動力分配装置の各ギヤ同士の相対関係を示す説明図である。
【図3】 図1に示された駆動力分配装置の各ギヤ同士の相対関係を示す説明図である。
【図4】 この発明に係る駆動力分配装置が搭載される車両の制御回路を示すブロック図である。
【図5】 図1および図4に示すシステムを適用したF・R車の平面図である。
【図6】 図1および図4に示すシステムを適用したF・F車の平面図である。
【図7】 この発明に係る駆動力分配装置を非駆動輪に対して用いた場合と、この発明に係る駆動力分配装置を駆動輪に対して用いた場合との相違を力学的に示す概念図である。
【図8】 図1および図4に示すシステムを適用した四輪駆動車の平面図である。
【図9】 この発明に係る駆動力分配装置の他の実施形態を示すスケルトン図である。
【図10】 図9の駆動力分配装置を搭載したF・F車の構成を示す平面図である。
【図11】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他の実施形態を示すスケルトン図である。
【図12】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他の実施形態を示すスケルトン図である。
【図13】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他の実施形態を示すスケルトン図である。
【図14】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他の実施形態を示すスケルトン図である。
【図15】 図14に示す駆動力分配装置を構成するギヤ同士の噛み合い状態を示す側面図である。
【図16】 図14に示す駆動力分配装置を構成するギヤ同士の噛み合い状態を示す側面図である。
【図17】 図14に示す駆動力分配装置を構成するギヤ同士の噛み合い状態を示す側面図である。
【図18】 図14に示す駆動力分配装置の制御系統を示すブロック図である。
【図19】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他の実施形態を示すスケルトン図である。
【図20】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他の実施形態を示すスケルトン図である。
【図21】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他の実施形態を示すスケルトン図である。
【図22】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他の実施形態を示すスケルトン図である。
【図23】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他の実施形態を示すスケルトン図である。
【図24】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他の実施形態を示すスケルトン図である。
【図25】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他の実施形態を示すスケルトン図である。
【図26】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他の実施形態を示すスケルトン図である。
【図27】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他の実施形態を示すスケルトン図である。
【図28】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他の実施形態を示すスケルトン図である。
【図29】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他の実施形態を示すスケルトン図である。
【図30】 図29の駆動力分配装置を構成するギヤ同士の噛み合い状態を示す側面図である。
【図31】 図29の駆動力分配装置を構成するギヤ同士の噛み合い状態を示す側面図である。
【図32】 図29の駆動力分配装置を搭載した車両の構成を示す部分的な平面図である。
【図33】 図29の駆動力分配装置を搭載した車両の構成を示す平面図である。
【図34】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他の実施形態を示すスケルトン図である。
【図35】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他の実施形態を示すスケルトン図である。
【図36】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他の実施形態を示すスケルトン図である。
【図37】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他の実施形態を示すスケルトン図である。
【図38】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他の実施形態を示すスケルトン図である。
【図39】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他の実施形態を示すスケルトン図である。
【図40】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他の実施形態を示すスケルトン図である。
【図41】 この発明に係る駆動力分配装置のさらに他の実施形態を示すスケルトン図である。
【図42】 各実施形態の駆動力分配装置を用いた四輪駆動車の構成を示す平面図である。
【符号の説明】
2,54…デファレンシャル、 4…デフケース、 7,141…第1ドライブシャフト、 8,142…第2ドライブシャフト、 9,10…サイドギヤ、14,143…第1サンギヤ、 15…電動機、 16…ギヤ機構、 21,144…第2サンギヤ、 22,24,25,73,76,77,98,99,104,106,107,109,110,112,114,115,117,118,120,121,123,124,126,129,130,131,132,136,137,138,139,148,149,150,154,155,156,187,188…ピニオンギヤ、 23,26,74,76,97,103,105,110,111,113,116,119,122,127,128,146,147…保持軸、 27,61,62,78,140…キャリヤ、 55…サンギヤ、 56…環状部材、 61…キャリヤ、 93,95,164,167,176,180…クラッチ、 162,163,170,171,174,175,179,192,193…ギヤ、 169…シャフト、 190,191…中空軸、 20,96,194,195…駆動ギヤ、 K1,K2,K3,K4,K5,K6,K7,K8,K9,K10,K11,K12,K13,K14,K15,K16,K17,K18,K19,K20,K21,K22…駆動力分配装置。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a driving force distribution device capable of controlling a distribution ratio of driving force transmitted to a plurality of wheels.
[0002]
[Prior art]
The differentials mounted on the vehicle include those that control the distribution ratio of the driving force transmitted to the left and right wheels and those that control the distribution ratio of the driving force transmitted to the front and rear wheels. Among these, the former differential has a function of absorbing the difference in rotational speed generated between the left and right wheels when the vehicle is turning, and a function of distributing the engine torque to the left and right wheels at an appropriate ratio. However, since this differential operates based on the difference in load acting on the left and right wheels, if one wheel is idle, the torque transmitted to the other wheel may be insufficient. In order to avoid this inconvenience, an example of a torque distribution mechanism that performs control to add the torque of the electric motor to the left and right wheels during differential rotation of the left and right wheels is described in JP-A-4-321435.
[0003]
This publication describes a front engine / front drive vehicle, and this vehicle has a planetary gear type differential and a torque distribution mechanism. The differential is for transmitting torque output from the mission to the left and right wheels. The differential includes a first ring gear, a first sun gear, an outer planetary gear, an inner planetary gear, and a first planetary carrier. Further, the first ring gear and the left shaft are arranged concentrically, and the first ring gear and the input gear are meshed with each other. The first sun gear is arranged inside the first ring gear, and the first sun gear and the first ring gear are arranged concentrically. Further, the first sun gear is formed on the left shaft. Further, the outer planetary gear and the first ring gear are engaged with each other, and the inner planetary gear is engaged with the first sun gear and the outer planetary gear. Further, the outer planetary gear and the inner planetary gear are supported by the first planetary carrier. The first planetary carrier is connected to the right wheel via the right shaft.
[0004]
The torque distribution mechanism distributes the torque input from the first ring gear to the differential second planetary carrier and the second sun gear at a predetermined ratio. This torque distribution mechanism is arranged on the outer periphery of the left shaft, and this torque distribution mechanism is mainly composed of an electric motor and a planetary gear mechanism. The planetary gear mechanism includes a second sun gear, a planetary gear, a second ring gear, and a second planetary carrier. The second sun gear is attached to be rotatable relative to the left shaft, and the second ring gear is disposed on the outer peripheral side of the second sun gear. The planetary gear is meshed with the second sun gear and the second ring gear. The second planetary carrier is coupled to the left shaft, and the planetary gear is supported by the second planetary carrier.
[0005]
Further, a first external gear is formed on the outer periphery of the second ring gear, and a second external gear integrated with the second planetary carrier is formed. A pair of spur gears are provided outside the second ring gear. One of the spur gears is meshed with the first external gear, and the other of the spur gears is meshed with the second external gear. The planetary gear mechanism input gear is meshed with the pinion driven by the electric motor. The planetary gear mechanism input gear is integrated with the second sun gear.
[0006]
In the above configuration, torque output from the engine is input to the differential via the mission and the first ring gear, and this torque is transmitted to the left shaft and the right shaft. Here, when the steering wheel is operated to turn the vehicle, the required value of the rotational speed difference between the left and right wheels is calculated based on the steering angle and the vehicle speed. Then, the electric motor is driven at a direction and speed corresponding to the calculation result. As a result, the second sun gear rotates, and a predetermined difference occurs between the rotation speeds of the first and second planetary carriers, that is, the rotation speed of the first planetary carrier and the rotation speed of the second sun gear. Thus, the torque transmitted from the mission to the first ring gear is transmitted to the left and right wheels based on a predetermined ratio determined by the rotation direction and rotation speed of the electric motor.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the torque distribution mechanism described in the above publication, the torque transmitted from the electric motor to the planetary gear mechanism and the rotational speed thereof are converted into predetermined values and transmitted to the first planetary carrier of the differential. A mechanism, i.e., a pair of spur gears, is disposed outside the planetary gear mechanism. For this reason, there is a problem that the torque distribution mechanism is enlarged in the radial direction centering on the left shaft, and the in-vehicle performance is lowered.
[0008]
The present invention has been made against the background of the above circumstances, and a mechanism for distributing torque output from an electric motor to a rotating member can be reduced in size in the radial direction of the rotating member as much as possible. The object is to provide a device.
[0009]
[Means for Solving the Problem and Action]
In order to achieve the above object, the invention according to
[0010]
According to the first aspect of the present invention, since the first intermediate gear mechanism and the second intermediate gear mechanism that constitute the gear mechanism are arranged on substantially the same circumference centering on the axis, The occupied area of the gear mechanism is narrowed.
[0011]
According to a second aspect of the present invention, in addition to the configuration of the first aspect, the torque Tmc transmitted from the electric motor to the first driven gear and the torque transmitted from the electric motor to the second driven gear when the vehicle turns. The gear ratio of the path from the electric motor to the first driven gear and the gear ratio of the path from the electric motor to the second driven gear are set so that the ratio to Tms is “−1”. It is characterized by this.
[0012]
According to the invention of
[0013]
According to a third aspect of the present invention, in addition to the configuration of the first aspect, the first intermediate gear mechanism is meshed with the first pinion gear meshed with the first drive gear, the first driven gear, and the And a second pinion gear that rotates integrally with the first pinion gear, and the second intermediate gear mechanism has a third pinion gear meshed with the second driven gear and the first pinion gear. Is.
[0014]
According to the invention of
[0015]
According to a fourth aspect of the invention, in addition to the configuration of the first aspect, the first intermediate gear mechanism includes a fourth pinion gear meshed with the second driven gear and the first drive gear, and the first driven gear. It has a meshed fifth pinion gear and a sixth pinion gear meshed with the fourth pinion gear and rotating integrally with the fifth pinion gear.
[0016]
According to the invention of
[0017]
According to a fifth aspect of the present invention, in addition to the configuration of the first aspect, a second drive gear that is rotated by the power of the electric motor and is arranged in parallel to the first drive gear, and the second drive gear. And the first driven gear so that torque can be transmitted, and the first intermediate gear mechanism and the second intermediate gear machine Rotation and revolution on the circumference where the structure is held A third intermediate gear mechanism that is held by the holding member in a ready state, a first clutch that connects and disconnects a power transmission path between the electric motor and the first driven gear, the electric motor, and the second driven gear A second clutch that connects / disconnects a power transmission path to / from the gear and a brake that controls rotation / stop of the holding member are provided.
[0018]
According to the invention of
[0019]
According to a sixth aspect of the present invention, there is provided a casing that can rotate around an axis, a first rotating member and a second rotating member that are connected to different wheels and that can rotate relative to each other about the axis, and the first rotating member and the first rotating member. In a driving force distribution device having an electric motor capable of transmitting torque to two rotating members, a first driven gear connected to the first rotating member, and a second driven gear connected to the second rotating member; A first drive gear driven by the power of the electric motor, a first intermediate gear mechanism meshed with either the first driven gear or the second driven gear, the first intermediate gear mechanism, A second intermediate gear mechanism meshed with a driven gear that is not meshed with the first intermediate gear mechanism, and the first intermediate gear mechanism and the second intermediate gear mechanism are substantially the same circle centered on the axis. And it is characterized in that it is held by the ready to revolve the upper casing.
[0020]
According to the sixth aspect of the present invention, the first rotating member and the second rotating member can be rotated relative to each other by rotating the first intermediate gear mechanism and the second intermediate gear mechanism around the axis. Further, the torque of the electric motor is distributed to the first rotating member and the second rotating member by the first intermediate gear mechanism and the second intermediate gear mechanism.
[0021]
According to a seventh aspect of the present invention, in addition to the configuration of the sixth aspect, the second drive gear driven by the electric motor and disposed in parallel to the first drive gear, the second drive gear and the casing A first intermediate clutch mechanism for connecting and disconnecting a power transmission path between the electric motor and the first driven gear, and the electric motor and the second driven gear. A second clutch for connecting / disconnecting a power transmission path to / from the gear is provided.
[0022]
According to the invention of
[0023]
According to an eighth aspect of the present invention, in addition to the structure of any one of the first to seventh aspects, the plurality of wheels are configured not to transmit torque output from a driving force source of the vehicle. A drive wheel is included.
[0024]
According to the invention of
[0025]
According to a ninth aspect of the present invention, in addition to the configuration of any of the first to eighth aspects, the plurality of wheels include a right wheel and a left wheel disposed in a vehicle width direction, and a vehicle front-rear direction. A front wheel and a rear wheel disposed, and the gear mechanism independently transmits torque transmitted to the right wheel and left wheel or torque transmitted to the front wheel and rear wheel. It is configured to increase or decrease the speed.
[0026]
According to the invention of
[0027]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, the present invention will be described more specifically with reference to the drawings. FIG. 1 is a skeleton diagram showing an embodiment of a driving force distribution device K1 corresponding to the inventions of
[0028]
A
[0029]
Two
[0030]
The
[0031]
Further, a
[0032]
A
[0033]
A
[0034]
A plurality of pinion gears 25 are arranged around the
[0035]
Further, a
[0036]
FIG. 4 is a block diagram showing a control circuit of a vehicle on which the driving force distribution device according to the present invention is mounted. The vehicle is equipped with a
[0037]
The
[0038]
FIG. 5 shows an embodiment corresponding to the inventions according to
[0039]
Examples of the
[0040]
Further, one end of a
[0041]
Specifically, a
[0042]
Here, the correspondence between the configuration of FIGS. 1 to 5 and the configuration of the present invention will be described. The
[0043]
An operation when the
[0044]
Here, when the
[0045]
On the other hand, when the
[0046]
Thus, when the vehicle turns, torque is output from the
[0047]
In this embodiment, the torque TL transmitted to the left
TL = (Te / 2) + A1 · Tm (1)
And the torque TR transmitted to the right
TR = (Te / 2) −A2 · Tm (2)
Can be set to
Further, the torque TL transmitted to the left
TL = (Te / 2) −A3 · Tm (3)
And the torque TR transmitted to the right
TR = (Te / 2) + A4 · Tm (4)
Can be set to
[0048]
In the above formulas (1) to (4), the torque Te input to the differential 2 is estimated based on the engine torque and the transmission gear ratio of the
A1 = A2 = A3 = A4 (5)
The configuration of the
[0049]
That is, even when the
[0050]
On the other hand, when the
[0051]
In other words, in this embodiment, when the
[0052]
As described above, in the driving force distribution device shown in FIG. 1, the pinion gears 22, 24, and 25 are arranged on substantially the same circumference around the axis X1. Therefore, the area occupied by the
[0053]
Specifically, the protrusion amount of the driving force distribution device K1 protruding in the lower direction of the vehicle body can be reduced, and the vehicle height of the
[0054]
FIG. 6 is a schematic plan view showing a case where the driving force distribution device K1 of FIG. 1 is mounted on a
[0055]
A driving force distribution device K1 having the configuration shown in FIG. In the embodiment of FIG. 6, the torque of the
[0056]
In the embodiment of FIG. 6, since the engine torque is not transmitted to the differential 2, when calculating the torque transmitted to the left
[0057]
By the way, the frictional force of the wheel when the vehicle turns is expressed as a resultant force of the driving force and the lateral force. And when the driving force distribution device K1 is provided corresponding to the left
[0058]
Here, when the driving force distribution device K1 is arranged for the front wheel (driving wheel) of the F / F vehicle, and as shown in FIG. 6, the driving force distribution for the rear wheel (non-driving wheel) of the F / F vehicle Differences from the case where the device K1 is arranged will be described. FIG. 7 is a conceptual diagram showing the force acting on the wheel. In FIG. 7, the action of the force when the driving force distribution device K1 is arranged for the driving wheel is indicated by a blank arrow, and the non-driving wheel The action of the force when the driving force distribution device K1 is arranged for this purpose is indicated by a hatched arrow.
[0059]
First, the case where the
[0060]
On the other hand, when the driving force distribution device K1 is disposed for the driving wheels, the torque of the engine is transmitted to the left and right front wheels, and the torque transmitted to the left front wheel is accelerated by the driving force distribution device K1, and the right The torque transmitted to the front wheels is decelerated by the driving force distribution device K1. Therefore, the lateral force on the outer wheel side when the driving force distribution device K1 is disposed for the driving wheel is smaller than the lateral force of the left
[0061]
Due to such a mechanical action, when the driving force distribution device K1 is arranged for the front wheel of the F / F vehicle, an assist yawing moment Ym1 corresponding to the difference between the driving force on the inner wheel side and the driving force on the outer wheel side is generated. To do. In contrast, in the
[0062]
On the other hand, since the driving force of the wheels of the
[0063]
FIG. 8 shows an embodiment corresponding to the inventions of
[0064]
On the other hand, a driving force distribution device K1 configured similarly to the embodiment of FIG. A
[0065]
FIG. 9 is a skeleton diagram showing another embodiment of the driving force distribution device corresponding to the inventions of
[0066]
Further, two pinion gears 59 and 60 are provided between the
[0067]
Further, two
[0068]
FIG. 10 shows an embodiment corresponding to the inventions of
[0069]
A
[0070]
In the
[0071]
When the
[0072]
In the embodiment of FIG. 10, the differential 2 shown in FIG. 5 can be mounted instead of the differential 54. Conversely, in at least one of the embodiments of FIG. 5, FIG. 6, or FIG. 8, a differential 54 can be mounted instead of the differential 2.
[0073]
FIG. 11 is a skeleton diagram of an embodiment corresponding to the inventions of
[0074]
Then, the driving force distribution device K1 of FIG. 11 can be mounted instead of the driving force distribution device of FIG. 5, FIG. 6, FIG. 8, or FIG. Even when the driving force distribution device K1 of FIG. 11 is mounted on a vehicle, the same operational effects as those of the embodiment of FIG. 5, FIG. 6, FIG. 8, or FIG.
[0075]
FIG. 12 shows an embodiment corresponding to the first to third aspects of the invention. The embodiment of FIG. 12 is another configuration example of the driving force distribution device K2 shown in FIG. In FIG. 12, the left and right sides of FIG. 9 are reversed. In the embodiment of FIG. 12, the
[0076]
A
[0077]
When the driving force distribution device K2 of FIG. 12 is installed in the system shown in FIG. 10, the same effects as those of FIG. 10 can be obtained. In the embodiment of FIG. 12, the torque output from the
[0078]
FIG. 13 is a skeleton diagram of an embodiment corresponding to the first and fourth aspects of the present invention. In FIG. 13, a plurality of pinion gears 73 are engaged with the
[0079]
Further, four holding
[0080]
Further, a
[0081]
Here, the correspondence between the configuration of FIG. 13 and the configuration of the present invention will be described. The pinion gears 73, 76, 77 and the holding
[0082]
The driving force distribution device K1 of FIG. 13 can be mounted in place of the driving force distribution device of FIG. 5, FIG. 6, FIG. 8, or FIG. Even when the driving force distribution device K1 of FIG. 13 is mounted on a vehicle, the same operational effects as those of the embodiment of FIG. 5, FIG. 6, FIG. 8, or FIG.
[0083]
1 to 13, the torque of the
[0084]
FIG. 14 is a skeleton diagram showing an embodiment corresponding to the inventions of
[0085]
The
[0086]
FIG. 15 is a side view showing a positional relationship among the
[0087]
In addition, three holding
[0088]
Therefore, the pinion gears 98 and 99 can rotate together and can revolve around the
[0089]
A
[0090]
FIG. 18 is a block diagram showing a control circuit of the driving force distribution device K3. The same components as those shown in FIG. 4 are denoted by the same reference numerals as those in FIG. Based on a signal input to the
[0091]
Here, the correspondence between the embodiment of FIG. 14 and the configuration of the present invention will be described. The
[0092]
The driving force distribution device K3 shown in FIG. 14 can be mounted on the
[0093]
On the other hand, when the
[0094]
Also in the embodiment of FIG. 14, the configuration of the
[0095]
On the other hand, when the
[0096]
Thus, the embodiment of FIG. 14 can also control the differential limited state by the differential 2 to a state suitable for the driving condition (turning state) of the vehicle for the same reason as the embodiment of FIG. The same effect as the embodiment of FIG. 5 can be obtained.
[0097]
Further, when the driving force distribution device K3 of FIG. 14 is mounted on the
[0098]
Next, in the
[0099]
Then, the
[0100]
In contrast, when the vehicle is decelerating (during repulsive running), the clutch 95 and the
[0101]
Further, instead of the driving force distribution device K1 of the
[0102]
FIG. 19 shows an embodiment corresponding to the first and fifth aspects of the present invention. In the driving force distribution device K4 shown in FIG. 19, the same components as those of the driving force distribution device K1 in FIG. 1 or the driving force distribution device K3 in FIG. The description is omitted. In the driving force distribution device K <b> 4, the pitch circle radius of the
[0103]
A holding
[0104]
The
[0105]
Here, the correspondence between the embodiment of FIG. 19 and the configuration of the present invention will be described. The pinion gears 104, 106, 107 and the holding
[0106]
The driving force distribution device K4 of FIG. 19 can be mounted instead of the driving force distribution device K1 of the
[0107]
Then, a part of the torque of the
[0108]
Further, since the pinion gears 98, 99, 104, 106, and 107 are arranged on substantially the same circumference around the axis X1, the area occupied by the
[0109]
Next, in the
[0110]
Then, the
[0111]
Further, instead of the driving force distribution device K1 of the
[0112]
FIG. 20 is a skeleton diagram of an embodiment corresponding to
[0113]
Further, the holding shaft 111 is rotatably held by the
[0114]
Here, the correspondence between the configuration of FIG. 20 and the configuration of the present invention will be described. The pinion gears 109 and 110 and the holding
[0115]
The driving force distribution device K5 of FIG. 20 can be mounted instead of the driving force distribution device K1 in the
[0116]
Then, a part of the torque of the
[0117]
Further, since the pinion gears 98, 99, 109, 110, 112 are arranged on the circumference of the same radius with the axis X1 as the center, the occupied area of the
[0118]
Next, in the
[0119]
Then, the
[0120]
Further, a driving force distribution device K5 may be mounted instead of the driving force distribution device K1 of the
[0121]
FIG. 21 is a skeleton diagram of an embodiment corresponding to
[0122]
Further, the holding
[0123]
Further, the holding
[0124]
Here, the correspondence between the configuration of FIG. 21 and the configuration of the present invention will be described. The
[0125]
The driving force distribution device K5 of FIG. 21 can be mounted instead of the driving force distribution device K1 in the
[0126]
Then, a part of the torque of the
[0127]
Further, since the pinion gears 114, 115, 117, 118, 120, 121 are arranged on substantially the same circumference centered on the axis X1, the area occupied by the
[0128]
Next, in the
[0129]
Then, the
[0130]
Further, a driving force distribution device K6 may be mounted instead of the driving force distribution device K1 of the
[0131]
FIG. 22 is a skeleton diagram of an embodiment corresponding to
[0132]
Further, the holding
[0133]
Here, the correspondence between the configuration of FIG. 22 and the configuration of the present invention will be described. The
[0134]
The driving force distribution device K7 of FIG. 22 can be mounted instead of the driving force distribution device K1 in the
[0135]
Then, a part of the torque of the
[0136]
Also in the driving force distribution device K7, the pinion gears 114, 115, 123, 124, 126 are arranged on substantially the same circumference centered on the axis X1, so that the gear mechanism in the radial direction of the
[0137]
Next, in the
[0138]
Then, the
[0139]
Further, a driving force distribution device K7 can be mounted instead of the driving force distribution device K1 of the
[0140]
The driving force distribution device K8 shown in FIG. 23 is an embodiment in which a part of the configuration of the driving force distribution device K4 shown in FIG. 19 is changed. The driving force distribution device K8 corresponds to the first and fifth aspects of the invention. In the driving force distribution device K8, the pitch circle radius of the
[0141]
The correspondence between the configuration of the embodiment of FIG. 23 and the configuration of the present invention will be described. The
[0142]
In the driving force distribution device K8, when the
[0143]
The driving force distribution device K9 shown in FIG. 24 is an embodiment in which a part of the configuration of the driving force distribution device K8 shown in FIG. 23 is changed. This driving force distribution device K9 corresponds to the inventions of
[0144]
Further, pinion gears 131 and 132 are formed on the holding shaft 128. The
[0145]
Describing the correspondence between the configuration of the embodiment of FIG. 24 and the configuration of the present invention, the
[0146]
In this driving force distribution device K9, the
[0147]
The driving force distribution device K10 shown in FIG. 25 is a skeleton diagram of an embodiment corresponding to the first, third, and fifth aspects of the invention. The driving force distribution device K10 is configured by combining the
[0148]
The differential 54 has a
[0149]
Further, two pinion gears 59 and 60 are provided between the
[0150]
Further, two
[0151]
On the other hand, a connecting
[0152]
Here, the correspondence between the configuration of the embodiment of FIG. 25 and the configuration of the present invention will be described. That is, the
[0153]
The driving force distribution device K10 shown in FIG. 25 can be mounted on the
[0154]
By the way, when the
[0155]
On the other hand, the torque of the
[0156]
On the other hand, when the
[0157]
Thus, the embodiment of FIG. 25 can also control the differential limited state by the differential 54 to a state suitable for the driving condition (turning state) of the vehicle for the same reason as the embodiment of FIG. The same effect as the embodiment of FIG. 5 can be obtained. Further, when the driving force distribution device K10 of FIG. 25 is mounted on the
[0158]
Next, a description will be given of the control in the case where the driving force distribution device K10 is applied to the
[0159]
On the other hand, when the vehicle is decelerated, the clutch 95 and the
[0160]
Further, instead of the driving force distribution device K1 of the
[0161]
The driving force distribution device K11 shown in FIG. 26 is a skeleton diagram of an embodiment corresponding to the first, third, and fifth aspects of the invention. The driving force distribution device K11 is configured by combining the
[0162]
Of the configuration of the differential 185, the same parts as those of the differential 54 shown in FIG. 25 are denoted by the same reference numerals as those in FIG. A
[0163]
Here, the correspondence between the configuration of the embodiment of FIG. 26 and the configuration of the present invention will be described. That is, the
[0164]
The driving force distribution device K11 shown in FIG. 26 can be mounted on the
[0165]
On the other hand, when the
[0166]
For example, when the
[0167]
On the other hand, when the
[0168]
In this way, the torque of the
[0169]
Next, a description will be given of control in the case where the driving force distribution device K11 is applied to the
[0170]
On the other hand, when the vehicle is decelerated, the clutch 95 and the
[0171]
In addition, a driving force distribution device K11 shown in FIG. 26 may be mounted instead of the driving force distribution device K1 of the
[0172]
The driving force distribution device K12 shown in FIG. 27 is a skeleton diagram of an embodiment corresponding to the first and fifth aspects of the invention. The driving force distribution device K12 is configured by combining the
[0173]
Here, the correspondence between the configuration of the embodiment of FIG. 27 and the configuration of the present invention will be described. That is, the
[0174]
The driving force distribution device K12 shown in FIG. 27 can be mounted on the
[0175]
On the other hand, when the
[0176]
Here, when the
[0177]
On the other hand, when the
[0178]
In this way, the torque of the
[0179]
Next, a description will be given of control in the case where the driving force distribution device K12 is applied to the
[0180]
On the other hand, when the vehicle is decelerated, the clutch 95 and the
[0181]
Further, a driving force distribution device K12 shown in FIG. 27 may be mounted instead of the driving force distribution device K1 of the
[0182]
The driving force distribution device K22 shown in FIG. 28 is a skeleton diagram of embodiments corresponding to the inventions of
[0183]
A
[0184]
Here, the correspondence between the configuration of the embodiment of FIG. 28 and the configuration of the present invention will be described. That is, the pinion gears 22 and 24, the holding
[0185]
The driving force distribution device K12 shown in FIG. 28 can be mounted on the
[0186]
On the other hand, when the
[0187]
Therefore, also in the embodiment of FIG. 28, for the same reason as in the embodiment of FIG. 5, the differential limited state by the differential 2 can be controlled to a state suitable for the driving condition (turning state) of the vehicle. The same effect as that of the fifth embodiment can be obtained. In addition, when the driving force distribution device K22 of FIG. 28 is mounted on the
[0188]
Incidentally, the control when the driving force distribution device K22 is applied to the
[0189]
Further, instead of the driving force distribution device K1 of the
[0190]
FIG. 29 shows a driving force distribution device K13 corresponding to the sixth aspect of the present invention. Inside the
[0191]
The
[0192]
On one holding
[0193]
In this way, the pinion gears 148, 149, 150 are held by the
[0194]
Here, the correspondence between the configuration of FIG. 29 and the configuration of the present invention will be described. The
[0195]
FIG. 32 is a plan view showing a configuration of an F /
[0196]
An operation when the
[0197]
Further, since the
[0198]
Further, a driving force distribution device K13 can be mounted instead of the driving force distribution device K1 of the
[0199]
Further, in the driving force distribution device K13, the
[0200]
FIG. 33 is a plan view showing an F / F-
[0201]
The driving force distribution device K14 shown in FIG. 34 is an embodiment in which a part of the configuration of the driving force distribution device K13 is changed. The embodiment of FIG. 34 corresponds to the invention of
[0202]
34, the meshing position between the
[0203]
The driving force distribution device K15 in FIG. 35 is an embodiment in which a part of the configuration of the driving force distribution device K13 is changed. The embodiment of FIG. 35 corresponds to the invention of
[0204]
Then, the
[0205]
The driving force distribution device K16 of FIG. 36 is an embodiment in which a part of the configuration of the driving force distribution device K14 is changed, and corresponds to the invention of
[0206]
Then, the
[0207]
The driving force distribution device K17 of FIG. 37 is an embodiment in which a part of the configuration of the driving force distribution device K13 is changed, and corresponds to the invention of
[0208]
37, the
[0209]
The driving force distribution device K18 of FIG. 38 is an embodiment corresponding to claim 7. Of the configuration of the driving force distribution device K18, the same configuration as the driving force distribution device K13 in FIG. 29 is assigned the same reference numeral as the driving force distribution device K13, and the description thereof is omitted. In the driving force distribution device K18, a clutch 164 for connecting / disconnecting the power transmission path between the driving
[0210]
On the other hand, a
[0211]
Here, the correspondence relationship between the configuration of FIG. 38 and the configuration of the present invention will be described. The
[0212]
The driving force distribution device K18 shown in FIG. 6, or the driving force distribution device K1 shown in FIG. 8, the driving force distribution device K13 shown in FIG. 32, or the driving force distribution device K13 shown in FIG. Can be used. When the driving force distribution device K18 is used as shown in FIG. 6, the ring gears 151 and 152A of the
[0213]
Next, an operation when a vehicle equipped with the driving force distribution device K18 travels will be described. When the vehicle is traveling straight ahead, the
[0214]
Also in the embodiment of FIG. 38, the gear mechanisms such as the
[0215]
On the other hand, when the vehicle turns leftward, torque in the acceleration direction is transmitted to the
[0216]
When the driving force distribution device K18 is mounted on the
[0217]
Next, the control when the driving force of the vehicle is assisted by the driving force distribution device K18 will be described. This control is intended to compensate for the shortage of the driving force obtained by the engine output with the torque of the
[0218]
Then, the torque of the
[0219]
When the vehicle is repulsive, the power of the wheels is transmitted to the
[0220]
In the driving force distribution device K18, the
[0221]
The driving force distribution device K19 of FIG. 39 is an embodiment in which a part of the configuration of the driving force distribution device K18 is changed, and the driving force distribution device K19 corresponds to the invention of
[0222]
The driving force distribution device K20 of FIG. 40 is an embodiment in which a part of the configuration of the driving force distribution device K18 is changed, and the driving force distribution device K20 corresponds to the invention of
[0223]
The driving force distribution device K21 of FIG. 41 is an embodiment in which a part of the configuration of the driving force distribution device K18 is changed, and the driving force distribution device K21 corresponds to the invention of
[0224]
A
[0225]
Here, the correspondence relationship between the configuration of the driving force distribution device K21 and the configuration of the present invention will be described. The
[0226]
On the other hand, when the vehicle turns, the
[0227]
FIG. 42 is a plan view showing another configuration example of the
[0228]
The driving force distribution device is connected to a
[0229]
[0230]
In the
[0231]
That is, the driving force distribution device functions as a so-called center differential for distributing the torque of the
[0232]
Further, since the precursor power distribution device is used as a center differential for controlling the torque distributed to the rear wheels, it is not particularly necessary to set the torque distribution of the differential 2 to 50:50. Can be set freely according to the running state. Therefore, traveling performance when the
[0233]
In each of the above embodiments, a vehicle having only an engine as a driving force source is described. However, for an electric vehicle having only a motor driven by electric power supplied from a battery as a driving force source. The present invention can also be used. The present invention can also be used for a so-called hybrid vehicle in which both an engine and an electric motor are mounted as driving force sources. The hybrid vehicle described here includes a series hybrid vehicle, a parallel hybrid vehicle, and a vehicle having both functions of a series hybrid vehicle and a parallel hybrid vehicle.
[0234]
【The invention's effect】
As described above, according to the first aspect of the present invention, the first intermediate gear mechanism and the second intermediate gear mechanism constituting the gear mechanism are arranged on substantially the same circumference centering on the axis. For this reason, the occupation area of the gear mechanism in the radial direction of the rotating member is narrowed. Therefore, the degree of freedom in the layout of the driving force distribution device and the vehicle body or peripheral parts is increased, and the in-vehicle performance of the driving force distribution device is improved.
[0235]
According to the invention of
[0236]
According to the invention of
[0237]
According to the invention of
[0238]
According to the invention of
[0239]
According to the sixth aspect of the present invention, the first rotating member and the second rotating member are provided by the first intermediate gear mechanism, the second intermediate gear mechanism, and the holding member that connect the drive gear to the first driven gear and the second driven gear. The differential function of rotating the two relative to each other (differential rotation) is maintained. Further, the function of distributing the torque of the electric motor to the first rotating member and the second rotating member is maintained by the first intermediate gear mechanism, the second intermediate gear mechanism, and the holding member. For this reason, it is not necessary to provide a differential and a torque distribution mechanism separately, and the number of parts of the driving force distribution device and the occupied space in the axial direction are suppressed. Therefore, it is possible to reduce the size and weight of the driving force distribution device, improve the in-vehicle performance, and reduce the manufacturing cost of the driving force distribution device.
[0240]
According to the invention of
[0241]
According to the eighth aspect of the invention, the same effect as any of the first to seventh aspects of the invention can be obtained, and since the plurality of wheels are non-driven wheels, the torque of the electric motor is distributed as the driving force. Without this, the lateral force of the non-driving wheels is increased as much as possible. Therefore, side slip when the vehicle is turning is suppressed, and turning performance is improved.
[0242]
According to the ninth aspect of the invention, the same effect as any of the first to eighth aspects of the invention can be obtained, and, for example, when the vehicle turns or when the vehicle slips, it is transmitted to the inner and outer wheels. The difference in torque distribution to be transmitted or the difference in torque distribution transmitted to the front and rear wheels can be set as large as possible. Therefore, the turning performance of the vehicle is improved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a skeleton diagram showing an embodiment of a driving force distribution device according to the present invention.
FIG. 2 is an explanatory diagram showing a relative relationship between gears of the driving force distribution device shown in FIG. 1;
FIG. 3 is an explanatory diagram showing a relative relationship between gears of the driving force distribution device shown in FIG. 1;
FIG. 4 is a block diagram showing a control circuit of a vehicle on which the driving force distribution device according to the present invention is mounted.
FIG. 5 is a plan view of an FR vehicle to which the system shown in FIGS. 1 and 4 is applied.
6 is a plan view of an F / F vehicle to which the system shown in FIGS. 1 and 4 is applied. FIG.
FIG. 7 is a concept that dynamically shows the difference between the case where the driving force distribution device according to the present invention is used for non-driving wheels and the case where the driving force distribution device according to the present invention is used for driving wheels. FIG.
FIG. 8 is a plan view of a four-wheel drive vehicle to which the system shown in FIGS. 1 and 4 is applied.
FIG. 9 is a skeleton diagram showing another embodiment of the driving force distribution device according to the present invention.
10 is a plan view showing a configuration of an F / F vehicle on which the driving force distribution device of FIG. 9 is mounted. FIG.
FIG. 11 is a skeleton diagram showing still another embodiment of the driving force distribution device according to the present invention.
FIG. 12 is a skeleton diagram showing still another embodiment of the driving force distribution device according to the present invention.
FIG. 13 is a skeleton diagram showing still another embodiment of the driving force distribution device according to the present invention.
FIG. 14 is a skeleton diagram showing still another embodiment of the driving force distribution device according to the present invention.
15 is a side view showing a meshing state of gears constituting the driving force distribution device shown in FIG.
16 is a side view showing a meshing state of gears constituting the driving force distribution device shown in FIG.
FIG. 17 is a side view showing a meshing state of gears constituting the driving force distribution device shown in FIG. 14;
18 is a block diagram showing a control system of the driving force distribution device shown in FIG.
FIG. 19 is a skeleton diagram showing still another embodiment of the driving force distribution device according to the present invention.
FIG. 20 is a skeleton diagram showing still another embodiment of the driving force distribution device according to the present invention.
FIG. 21 is a skeleton diagram showing still another embodiment of the driving force distribution device according to the present invention.
FIG. 22 is a skeleton diagram showing still another embodiment of the driving force distribution device according to the present invention.
FIG. 23 is a skeleton diagram showing still another embodiment of the driving force distribution device according to the present invention.
FIG. 24 is a skeleton diagram showing still another embodiment of the driving force distribution device according to the present invention.
FIG. 25 is a skeleton diagram showing still another embodiment of the driving force distribution device according to the present invention.
FIG. 26 is a skeleton diagram showing still another embodiment of the driving force distribution device according to the present invention.
FIG. 27 is a skeleton diagram showing still another embodiment of the driving force distribution device according to the present invention.
FIG. 28 is a skeleton diagram showing still another embodiment of the driving force distribution device according to the present invention.
FIG. 29 is a skeleton diagram showing still another embodiment of the driving force distribution device according to the present invention.
30 is a side view showing a meshing state of gears constituting the driving force distribution device of FIG. 29. FIG.
31 is a side view showing a meshing state of gears constituting the driving force distribution device of FIG. 29. FIG.
32 is a partial plan view showing a configuration of a vehicle on which the driving force distribution device of FIG. 29 is mounted.
33 is a plan view showing a configuration of a vehicle on which the driving force distribution device of FIG. 29 is mounted.
FIG. 34 is a skeleton diagram showing still another embodiment of the driving force distribution device according to the present invention.
FIG. 35 is a skeleton diagram showing still another embodiment of the driving force distribution device according to the present invention.
FIG. 36 is a skeleton diagram showing still another embodiment of the driving force distribution device according to the present invention.
FIG. 37 is a skeleton diagram showing still another embodiment of the driving force distribution device according to the present invention.
FIG. 38 is a skeleton diagram showing still another embodiment of the driving force distribution device according to the present invention.
FIG. 39 is a skeleton diagram showing still another embodiment of the driving force distribution device according to the present invention.
FIG. 40 is a skeleton diagram showing still another embodiment of the driving force distribution device according to the present invention.
FIG. 41 is a skeleton diagram showing still another embodiment of the driving force distribution device according to the present invention.
FIG. 42 is a plan view showing a configuration of a four-wheel drive vehicle using the driving force distribution device of each embodiment.
[Explanation of symbols]
2, 54 ... differential, 4 ... differential case, 7, 141 ... first drive shaft, 8, 142 ... second drive shaft, 9, 10 ... side gear, 14, 143 ... first sun gear, 15 ... electric motor, 16 ... gear mechanism , 21, 144 ... second sun gear, 22, 24, 25, 73, 76, 77, 98, 99, 104, 106, 107, 109, 110, 112, 114, 115, 117, 118, 120, 121, 123 , 124, 126, 129, 130, 131, 132, 136, 137, 138, 139, 148, 149, 150, 154, 155, 156, 187, 188 ... pinion gears, 23, 26, 74, 76, 97, 103 , 105, 110, 111, 113, 116, 119, 122, 127, 128, 146, 147... 27, 61, 62, 78, 140 ... carrier, 55 ... sun gear, 56 ... annular member, 61 ... carrier, 93, 95, 164, 167, 176, 180 ... clutch, 162, 163, 170, 171, 174 175, 179, 192, 193 ... gear, 169 ... shaft, 190, 191 ... hollow shaft, 20, 96, 194, 195 ... drive gear, K1, K2, K3, K4, K5, K6, K7, K8, K9, K10, K11, K12, K13, K14, K15, K16, K17, K18, K19, K20, K21, K22... Driving force distribution device.
Claims (9)
前記ギヤ機構が、前記入力用回転部材に設けられ、かつ、前記軸線を中心として回転する第1従動ギヤと、前記いずれか一方の回転部材に設けられ、かつ、前記軸線を中心として回転する第2従動ギヤと、前記電動機の出力側と前記第1従動ギヤとをトルク伝達可能に連結する第1中間ギヤ機構と、前記電動機の出力側と前記第2従動ギヤとをトルク伝達可能に連結する第2中間ギヤ機構と、前記第1中間ギヤ機構および前記第2中間ギヤ機構を、前記軸線の周囲におけるほぼ同一円周上で公転可能に保持する保持部材とを備えていることを特徴とする駆動力分配装置。A differential that distributes the torque input through the rotating member for input to a plurality of wheels, and a torque that is output from the differential is transmitted to one of the wheels, and is the same as the rotating member for input of the differential. In a driving force distribution device having a rotating member that rotates about an axis, and a gear mechanism that transmits torque output from an electric motor to the rotating member for input and the rotating member,
A first driven gear that is provided on the input rotation member and rotates about the axis; and a first driven gear that is provided on any one of the rotation members and rotates about the axis. Two driven gears, a first intermediate gear mechanism that connects the output side of the electric motor and the first driven gear so as to transmit torque, and an output side of the electric motor and the second driven gear connected so as to transmit torque. A second intermediate gear mechanism; and a holding member that holds the first intermediate gear mechanism and the second intermediate gear mechanism so as to be revolved on substantially the same circumference around the axis. Driving force distribution device.
前記第1回転部材にトルク伝達可能に連結された第1従動ギヤと、
前記第2回転部材にトルク伝達可能に連結された第2従動ギヤと、
前記電動機の動力により駆動される第1駆動ギヤと、前記第1従動ギヤまたは前記第2従動ギヤのいずれか一方とに噛合された第1中間ギヤ機構と、
この第1中間ギヤ機構および第1中間ギヤ機構が噛合していない従動ギヤに噛合された第2中間ギヤ機構とを有し、
前記第1中間ギヤ機構および前記第2中間ギヤ機構が、前記軸線を中心とするほぼ同一円周上で公転できる状態で前記ケーシングにより保持されていることを特徴とする駆動力分配装置。A casing that can rotate around an axis, a first rotating member and a second rotating member that are connected to different wheels and that can rotate relative to each other about the axis, and transmit torque to the first rotating member and the second rotating member A driving force distribution device having an electric motor capable of
A first driven gear coupled to the first rotating member so as to transmit torque;
A second driven gear coupled to the second rotating member so as to transmit torque;
A first drive gear driven by the power of the electric motor, and a first intermediate gear mechanism meshed with either the first driven gear or the second driven gear;
A first intermediate gear mechanism and a second intermediate gear mechanism meshed with a driven gear that is not meshed with the first intermediate gear mechanism;
The driving force distribution device, wherein the first intermediate gear mechanism and the second intermediate gear mechanism are held by the casing in a state in which they can revolve on substantially the same circumference around the axis.
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