JP3687730B2 - 田植機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、後車輪を軸支した後車軸ケースを備えている田植機に関する。
【0002】
【従来の技術】
特願平10−1769472号において、後車軸ケースをローリング自在に構成したものがあった。
このように、ローリング自在に構成することによって、耕盤に凹凸があっても苗植付装置の圃面追従性を良好にすることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ローリング構造を構築するについては、機体フレームより前後にブラケットを立設し、ブラケットに後車軸ケースを軸支してローリング自在に構成する必要があるために、後車軸ケースが上下軸心周りで揺動する、ヨーイング挙動を起こすことがある。
そうすると、後車軸ケースをローリング自在に支持している支持構造にも、ヨーイング力が作用するために支持構造の強化を図る必要があるが、後車軸ケースをローリング自在に支持しながら、ヨーイング力にも対抗して強固な支持構造を維持しようとすると、支持ブラケットの大型化や強度の向上等を図る必要があり、製造コスト等の負担が大きく成る欠点がある。
本発明の目的は、後車軸ケースのローリング支持構造を強固なものにしながら、支持構造の大型化を招来することのない田植機を提供する点にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
[構成] 請求項1 に係る本発明の特徴構成は、左右の後輪を軸支する後車軸ケースと、機体前後方向に延びるローリング軸芯まわりにこの後車軸ケースを揺動させることが可能なローリング機構とを備えた田植機において、前記ローリング機構が、前記後車軸ケースを前記ローリング軸芯まわりにローリング自在に支持する支点ブラケットと、前記ローリング軸芯の両側にそれぞれ設けられ、機体前後方向に延設された左右一対の機体フレームに一端部が配設されたローリング用の中立復帰バネと、前記各中立復帰バネの他端部を受け止めるバネ受けとを備え、かつ前記各バネ受けが前記後車軸ケースから後向きに張り出され、この張り出し部分と前記支点ブラケットとの接当によって、前記後車軸ケースがヨーイング作動するのを防止するヨーイング阻止機構が構成されている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。
[作用] つまり、バネ受けを支点ブラケットと接当する状態に設けることによって、後車軸ケースのヨーイング動作を阻止する機構としてローリング用の中立復帰バネに対するバネ受けを兼用させることができ、部品点数の削減及び構造の簡素化を図りながら、後車軸ケースのヨーイング動が阻止される。
[効果] したがって、ローリング支持構造としては、ローリング機能を確保できる構造を維持するだけでよく、後車軸ケースのヨーイング動作を阻止する機構としてバネ受けを兼用させることができ、部品点数の削減及び構造の簡素化を図りながら、ヨーイング動作に対抗できるローリング支持構造を構築できるので、製造コスト面で有利である。
【0005】
[構成] 請求項2に係る本発明の特徴構成は、請求項1記載の田植機において、前記各中立復帰バネが、その張設長さが前記後車軸ケースのローリング作動に伴って短くなることによって中立復帰力を現出するように構成されている点に特徴がある。
【0006】
[構成] 請求項3に係る本発明の特徴構成は、請求項1記載の田植機において、前記支点ブラケットが前記後車軸ケースの前後に設けられるとともに、前後に設けられた支点ブラケットの間に前記各中立復帰バネが配置され、前記後車軸ケースが、前記各中立復帰バネによってローリング作動の中立復帰姿勢に付勢されながら、前記支点ブラケットによって前方および後方からローリング自在に支持されている点に特徴がある。
【発明の実施の形態】
田植機は、図1、図2に示すように、左右一対の操向駆動用の前車輪1と左右一対の駆動用の後車輪2とを備えた乗用型の自走機体3の後部に、複数条植え式の苗植付装置4を四連リンク機構5を介して昇降自在に連結し、この苗植付装置4を昇降駆動する油圧シリンダ利用の昇降シリンダ6を設け、施肥装置7を設けて構成されている。
【0007】
自走機体3は、図1、図2にも示すように、前車輪1を前車軸ケース8を介して軸支するミッションケース9と後車輪2を軸支する後車軸ケース10とを備えた機体フレームのうち前記ミッションケース9の前方近傍位置にエンジン11を、その出力軸が横向きに位置する状態に搭載し、エンジン11の後方に位置する状態で搭乗運転部13を搭載して構成されている。
【0008】
搭乗運転部13は、前車輪1を操向操作するためのステアリングハンドル14や、これの後方に位置する座席15、運転ステップSなどを備えている。運転ステップSは前記ミッションケース9の上方に配置されている。
【0009】
苗植付装置4は、左右方向に設定ストロークで往復移動駆動される苗のせ台16を設け、この苗のせ台16の移動に連動して苗取出し口と圃場との間で上下に循環作動することにより苗のせ台16上の苗を植付単位量づつ取り出して圃場に植え付ける複数の植付機構17を左右に植付条間隔を隔てて配設し、走行に伴い圃場面を滑走することにより植付予定圃場面を整地する複数の接地フロート18を左右に間隔を隔てて配設した周知の基本構造を有するものである。
【0010】
図1及び図4に示すように、施肥装置7は、肥料ホッパー19を自走機体3に搭載し、この肥料ホッパー19内の肥料を植付作動に連動して設定量づつ繰り出す繰り出し機構20を設け、走行に伴い圃場に施肥用の溝を形成するとともに送られてくる肥料を溝内に供給する作溝器21を設け、繰り出された肥料を作溝器21にホース22を介して圧送するための気流を発生させる電動ファン23を設けて構成されている。
【0011】
ミッションケース9内には、図10、図11に示すように、静油圧式無段変速装置49からの出力を入り切りする主クラッチ50と、この主クラッチ50からの出力を高低二段に変速する副変速装置51と、この副変速装置51からの出力を前記左右の前車輪1に伝達するデフ機構52とが走行伝動系の構成要素として設置されているとともに、一方向クラッチ53とこれからの動力を変速する株間変更用の植付変速機構54とこれからの動力を入り切りする植付クラッチ55とが走行伝動系から分岐させた苗植付装置4への伝動系(植付伝動系)の構成要素として設置されている。つまり、主クラッチ50は、走行部及び苗植付装置4への伝動を入り切りするクラッチとして設けられている。
【0012】
主クラッチ50は、湿式多板式のクラッチであって、静油圧式無段変速装置49の出力軸49bにスプライン式のカップリング56を介して連動する入力軸57に駆動ハウジング58を一体に回転する状態でかつ軸芯方向位置決め状態に装着し、前記入力軸57に相対回転自在な状態でかつ軸芯方向にシフト自在な状態に装着した筒状のクラッチ出力軸59に従動ハウジング60を一体に回転する状態でかつ軸芯方向位置決め状態に装着し、クラッチ出力軸59のシフトに伴う従動ハウジング60の駆動ハウジング58に対する軸芯方向移動により両者を連動させる連動状態と連動を解除した解除状態とに切り換え自在な摩擦板61を従動ハウジング60と駆動ハウジング58とに振り分け装着し、従動ハウジング60を連動状態に移動付勢するスプリング62を設けて構成されている。つまり、摩擦板61を連動状態にすることによりクラッチ入り状態(入続状態)を現出し、摩擦板61を解除状態にすることによりクラッチ切り状態(切断状態)を現出するように構成されている。
【0013】
そして、この主クラッチ50を入り切りする操作手段は、搭乗運転部13の足元部のうち右側箇所に、踏み込み操作自在な主クラッチ・ブレーキペダルCBPを設け、入力軸57に対して直交する軸芯P周りで一方向に回動することにより、クラッチ出力軸59の端面を押圧してスプリング62による付勢に抗してクラッチ出力軸59を一方向に移動させ、かつ、反対方向に回動することにより、クラッチ出力軸59を付勢力で反対方向に移動させるシフト操作カム63を設け、主クラッチ・ブレーキペダルCBPの踏み込み操作動に伴ってシフト操作カム63が一方向に回動し、かつ、主クラッチ・ブレーキペダルCBPの踏み込み操作解除による付勢力による復帰作動に伴ってシフト操作カム63が反対方向に回動するように主クラッチ・ブレーキペダルCBPとシフト操作カム63とを連動連結する連動機構を設けて構成されている。つまり、シフト操作カム63でクラッチ出力軸59を一方向に押圧移動させることにより、クラッチ切り状態を現出し、シフト操作カム63によるクラッチ出力軸59に対する押圧を解除することにより、クラッチ出力軸59をスプリング62の力で反対方向に移動させてクラッチ入り状態を現出するようになっており、シフト操作カム63とクラッチ出力軸59との間の摩擦により、クラッチ切り時においてクラッチ出力軸59が入力軸57とともに回る所謂、クラッチ出力軸59の共回りを防止するようになっている。 図9に示すように、前記連動機構は、主クラッチ・ブレーキペダルCBPと一体回動するペダル軸PSに回動アームPSaを一体回動する状態に取り付け、シフト操作カム63に受動アーム63aを固着し、前記回動アームPSaと受動アーム63aとを連動連結する連動ロッドRRを設けて構成されている。
【0014】
副変速装置51は、ギヤシフト式のものであって、変速入力軸64に、高速用の大径変速ギヤ65と低速用の小径変速ギヤ66とをともに一体回転する状態でかつ軸芯方向位置決め状態に装着し、変速出力軸67に、大径変速ギヤ65に小径ギヤ部68を噛み合い連動させる高速位置と小径変速ギヤ66に大径ギヤ部69を噛み合い連動させる低速位置と連動させない中立位置とに軸芯方向でシフト自在なシフトギヤ70を一体回転する状態に装着して構成されている。
そして、クラッチ出力軸59に、大径変速ギヤ65に噛み合い連動して動力を減速伝達する小径出力ギヤ71を一体回転する状態に装着して、クラッチ出力軸59に変速入力軸64を減速連動させてある。この副変速装置51を操作するための副変速レバー180は、前記座席15の左右横一側(左側)に配置されている。
【0015】
デフ機構52は、左右の前車輪1を差動させる差動状態と、左右の前車輪1への横伝動軸72同士を直結して差動させない非差動状態とに切り換え自在なものである。つまり、一方の横伝動軸72に、デフケース73に噛み合い連動する非差動位置と噛み合い連動を解除する差動位置とに軸芯方向でシフト自在なシフト部材74を一体回転する状態に装着して、このシフト部材74を非差動位置にシフトすることにより、横伝動軸72とデフケース73とを一体化して前記非差動状態を現出する一方、シフト部材74を差動位置にシフトすることにより、横伝動軸72とデフケース73との相対回転を許容して前記差動状態を現出するように構成されている。デフ機構52を差動状態と非差動状態とに切り換え操作するデフロック操作手段は、シフト部材74を差動位置にシフト付勢するバネ(図示せず)を設け、搭乗運転部13の足元部に設けたデフロックペダルDPの踏み込み操作に伴ってバネによる付勢力に抗してデフ機構52を差動状態から非差動状態に可逆的に切り換える、つまり、シフト部材74を差動位置から非差動位置に可逆的にシフトさせる手段である。
そして、このデフ機構52のデフケース73には、前記変速出力軸67に一体回転する状態で装着した変速出力ギヤ75に噛み合い連動する入力ギヤ76と、前記後車輪2への伝動用のプロペラシャフト77に装着のベベルギヤ78に噛み合い連動する出力ベベルギヤ79が装着されている。
一方向クラッチ53は、変速入力軸64を走行伝動系から植付伝動系への分岐点として、変速入力軸64の回転のうち前進回転のみを植付伝動系に伝達するように設けられている。
【0016】
図10及び図11に示すように、植付変速機構54は、変速出力軸67に相対回転のみ自在に装着されるとともに一方向クラッチ53の出力ギヤ80にギヤ81を介して連動する筒状の植付変速入力軸82に、互いに径が異なる複数の駆動ギヤ83を一体回転する状態に装着し、植付クラッチ55にベベルギヤ84,85を介して連動する植付変速出力軸86に、駆動ギヤ83のそれぞれに常時噛み合い連動する従動ギヤ87を相対回転自在に装着し、従動ギヤ87のそれぞれに形成の係合凹部88に係合することにより従動ギヤ87を植付変速出力軸86に可逆的に連動させるボール89を植付変速出力軸86に一体回転する状態に装備させ、ボール89を択一的に係合凹部88に係合させる操作軸90を設けて構成されている。つまり、従動ギヤ87を択一的に植付変速出力軸86に連動させることにより、伝動に使用する従動ギヤ87を変更して変速するように構成されている。
【0017】
前車軸ケース8には、横伝動軸72とこれからの動力を前車軸に伝達する伝動軸とが内装されており、後車軸ケース10には、ミッションケース9からプロペラシャフト77を介して伝達されてくる動力を後車輪2に伝達する伝動機構が内装されている。
【0018】
後車軸ケース10は、図9、図12及び図13に示すように、プロペラシャフト77にベベルギヤ機構91を介して連動して動力を左右に振り分ける振り分け伝動軸92を内装する横向き伝動ケース部93と、この横向き伝動ケース部93の左右両端それぞれに連設されてその下端で後車輪2を軸支するとともに振り分け伝動軸92の動力を後車輪2の車軸2Aに伝達するギヤトレイン94を内装する左右一対の縦向き伝動ケース部95とからなる。
【0019】
後車輪2への伝動系、具体的には、振り分け伝動軸92の両端と各ギヤトレイン94との間それぞれには、後車輪2それぞれへの伝動を各別に入りきりする多板式の操向クラッチ96が介装されている。
図12及び図13に示すように、これら操向クラッチ96は、振り分け伝動軸92と一体回転するとともに軸芯方向に移動自在な可動クラッチハウジング96Aと、ギヤトレイン94に連動する固定クラッチハウジング96Bとを設け、可動クラッチハウジング96Aの特定方向への軸芯方向移動により互いに圧接して摩擦連動するとともに反対方向への軸芯方向移動により摩擦連動を解除する複数の摩擦板96Cを可動クラッチハウジング96Aと固定クラッチハウジング96Bとに振り分け装着し、可動クラッチハウジング96Aを特定方向側に移動付勢するクラッチバネ96Dを設けて構成されている。つまり、可動クラッチハウジング96Aを特定方向にクラッチバネ96Dによる付勢力で軸芯方向移動させて摩擦板96Cを摩擦連動させることにより可動クラッチハウジング96Aに固定クラッチハウジング96Bを連動させてクラッチ入り状態を現出し、付勢力に抗して可動クラッチハウジング96Aを反対方向に軸芯方向移動させて摩擦連動を解除することにより可動クラッチハウジング96Aに対する固定クラッチハウジング96Bの連動を断ってクラッチ切り状態を現出するように構成されている。
【0020】
また、前車輪1及び後車輪2、つまり、走行部への伝動系のうち、主クラッチ50から操向クラッチ96への伝動系部分、具体的には、右側の縦向き伝動ケース部95と可動クラッチハウジング96Aとの間には、図12に示すように、操作椀98の特定方向への移動に伴いこの操作椀98に押圧されて縦向き伝動ケース部95に可動クラッチハウジング96Aを連動連結させることにより可動クラッチハウジング96Aを制動する走行ブレーキ99が介装されている。つまり、走行ブレーキ99は、振り分け伝動軸92の右側に偏った部分に対して制動作用するように設けられている。
【0021】
100は、第1縦軸芯P1周り特定方向に回動することにより、操作椀98をブレーキ解除位置からブレーキ作動位置にまでフォーク101を介して可逆的に押圧移動させるブレーキ操作軸であり、102は、反対方向に軸芯方向移動することにより、可動クラッチハウジング96Aをスラストカラー103を介してクラッチ切り位置からクラッチ入り位置にまで可逆的に押圧するように振り分け伝動軸92にスライド並びに回転自在に嵌合させたクラッチスリーブであり、104は、第2縦軸芯P2周り特定方向に回動することにより、クラッチスリーブ102をクラッチ入り位置からクラッチ切り位置にカム105を介して可逆的に押圧移動させるクラッチ操作軸である。
【0022】
そして、図9に示すように、ブレーキ操作軸100は、主クラッチ・ブレーキペダルCBPの踏み込み操作に伴いブレーキ解除位相からブレーキ作動位相にまで回動するように主クラッチ・ブレーキペダルCBPに前後向き姿勢のロッド110を介して連動連結されている。なお、主クラッチ・ブレーキペダルCBPの操作域の途中までの第1段踏み込み操作動により主クラッチ50が可逆的に切り作動し、かつ、主クラッチ・ブレーキペダルCBPの引き続く操作域の終端までの第2段踏み込み操作動により走行ブレーキ99が可逆的に制動作動するように、主クラッチ・ブレーキペダルCBPを主クラッチ50及び走行ブレーキ99に連動連結してある。つまり、主クラッチ・ブレーキペダルCBPは、操作域の途中まで第1段踏み込み操作されることにより主クラッチ50を可逆的に切り作動させるとともに、操作域の終端まで第2段踏み込み操作されることにより走行ブレーキ99を制動作動させるペダルである。
他方、操向クラッチ96の操作機構として、前車輪1の直進状態から設定角以上の操向作動に伴い旋回内側の操向クラッチ96を可逆的に切り作動させる操向クラッチ操作機構Zを設けてある。
【0023】
操向クラッチ操作機構Zは、図9、図12に示すように、左右に揺動駆動されて前車輪1を操向作動させるように前車輪1それぞれのナックルアーム118に左右のドラグリンク119を介して連動連結するピットマンアーム111の操向作動(左右揺動)に伴い縦向き軸芯Y周りに揺動するようにピットマンアーム111に押し引きロッド112を介して連動連結する中継リンク113を設け、前記ピットマンアーム111の左側への操向に伴う中継リンク113の一方向への揺動に伴って前記縦向き軸芯Y周り一方向に揺動することにより左側のクラッチ操作軸104をロッド127を介してクラッチ入り位相からクラッチ切り位相にまで引っ張り回動させるとともに、ピットマンアーム111の右側への操向に伴う中継リンク113の反対方向への揺動に伴って縦向き軸芯Y周り反対方向に揺動することにより右側のクラッチ操作軸104をロッド127を介してクラッチ入り位相からクラッチ切り位相にまで回動させるように中継リンク113に連動する振り分けリンク114を設け、ピットマンアーム111の押し引きロッド112とのピン枢支連結孔115を、ピットマンアーム111が直進姿勢から設定角以上に揺動したときのみにピットマンアーム111の揺動を押し引きロッド112に伝達するが設定角未満の揺動は伝達しない長孔に形成して構成されている。 振り分けリンク114とロッド127との連結部位においては、旋回内側のクラッチのみを切り操作するために、旋回内側のロッド127が引き操作されている状態では、他方のロッド127には操作力がさようしないように、長孔115が形成されている。
【0024】
次に、繰り出し機構の駆動構造について説明する。図7に示すように、プロペラシャフト77における後車軸ケース10に近接した部位に、駆動ケース24を設けてあり、駆動ケース24内に繰り出し機構20への分岐動力を取り出す伝動機構25を収納して設けてある。伝動機構25は、プロペラシャフト77にワンウェイクラッチ26を介して出力ベベルギヤ27を取り付け固定するとともに、プロペラシャフト77の軸心に直交する状態の出力軸28を配置して構成されている。
【0025】
駆動ケース24は、プロペラシャフト77にベアリング29を介して取り付け支持されている本体ケース部24Aと、出力軸28を覆う出力ケース部24Bとからなり、出力ケース部24Bでは、出力ベベルギヤ27と噛合うベベルギヤ30をベアリング31を介して支持するとともに、出力軸28の出力端を支持してある。出力軸28の入力端は、ベベルギヤ30内に遊転状態で内嵌合させて支持させてある。
【0026】
出力ケース部24Bに設ける施肥クラッチ32について説明する。図7に示すように、出力軸28に軸心方向に移動可能にクラッチスリーブ33を外嵌合するとともに、クラッチスリーブ33と出力ベベルギヤ30との相対向する面にクラッチ用爪を形成して、クラッチスリーブ33と出力ベベルギヤ30とのクラッチ用爪を噛み合わせることによって動力伝達可能にかつクラッチ用爪を離脱させることで動力伝達を絶つ施肥クラッチ32を形成している。
【0027】
図1及び図3に示すように、出力ケース部24Bより出力軸28を突出させるとともに、出力軸28の突出端に回転駆動アーム34を取り付け、回転駆動アーム34と繰り出し機構20の回転軸に取り付けられた従動アーム35とを連結ロッド36で連動連結し、繰り出し機構20を駆動するように構成してある。
【0028】
後車軸ケース10における入力部構造について説明する。図4に示すように、ベベルギヤ機構91の出力ベベルギヤ91Aを取り付けた入力軸37をプロペラシャフト77と同一軸心上に配置し、入力軸37の先端に軸内に向けて凹入する連結部38を構成する。連結部38は、凹入する内周面に形成したスプラインで形成される。これに対してプロペラシャフト77の先端にもスプラインを形成し、そのプロペラシャフト77のスプラインを凹入する連結部内に差込み内周面のスプラインに嵌合させることによって、動力伝達可能に構成する。
連結構造として、入力軸37の連結部を凹入させる構成によって、入力軸37を後車軸ケース10より突出させて、その突出端でプロペラシャフト77と連動連結する場合のように、カップリングを必要としないので、駆動ケース24と後車軸ケース10とを近接させて設けることができる。
【0029】
後車軸ケース10のローリング構造について説明する。図4及び図6に示すように、機体フレームを構成する左右の前後向きフレーム39,39の後端にフレームブラケット39A, 39Aを設けるとともに、後車軸ケース10をローリング自在に支持するブラケット40,41を前後に配置してある。
前支持ブラケット40は、その中心ボス部40Aを後車軸ケース10の前ボス部10Aに外嵌合して、後車軸ケース10を前ボス部10Aの軸心周りで揺動自在に支持する。一方、後支持ブラケット41は、その中心部に設けた軸41Aを後車軸ケース10の後ボス部10B内に挿入嵌合し、後車軸ケース10を後ボス部10Bの軸心周りで揺動自在に支持する。
以上のように、後車軸ケース10は前支持ブラケット40と後支持ブラケット41によって支持され、前ボス部10Aと後ボス部10Bとの軸芯によって構成されるローリング軸芯Xを中心としてローリング作動自在である。ここに、前支持ブラケット40と後支持ブラケット41とを支点ブラケットと称する。
【0030】
前支持ブラケット40は、左右に張り出した取り付け座40B, 40Bを前後向きフレーム39,39の下面に取り付けるとともに、後支持ブラケット41は、左右に張り出した取り付け座41B,41Bをフレームブラケット39A,39Aの下面に取り付けられて、後車軸ケース10を支持している。
図5に示すように、後車軸ケース10より後支持ブラケット41の立ち上げ部分41Cに向けてブラケット42を延出し、このブラケット42をローリング用の中立復帰バネ43を受け止めるバネ受けに構成してある。図9に示すように、バネ受け42,42は左右に設けてあり、ともに後支持ブラケット41の左右の立ち上げ部分41Cに向けて延出してある。
【0031】
中立復帰バネ43の取り付け構造について説明する。図5に示すように、バネ受け42に貫通孔42Aを形成するとともに、貫通孔42Aにボルト44を貫通させてある。貫通したボルト44の下向き先端部にはナット45を螺着してあり、ナット45とボルト44の頭との間にスぺーサ46を介在させ、更に、スペーサ46とボルト44の頭との間に押えプレート47を設けて、押えプレート47とバネ受け42とで中立復帰バネ43を挟み込み固定している。そして、ナット45での締込み量を調節することによって中立復帰バネ43の初期設定長さを設定することができる。
【0032】
押えプレート47がフレームブラケット39Aの下面に接当しており、後車軸ケース10がローリング作動すると、左右いずれか一方の中立復帰バネ43が押し縮められて、ボルト44、ナット45、スペーサ46、及び、押えプレート47が、一体的にバネ受け42に対して下方に向けて移動し、中立復帰バネ43の張設長さが短くなり、中立復帰力を現出する。
図14に示すように、ボルト44として段付きボルトとすると、段付き部44Aでナット45の締込み位置が確定し、中立復帰バネ43の初期設定長さを設定するのに、スペーサ46を必要としない構成とできる。
【0033】
図4、図5、及び図9に示すように、後車軸ケース10より後向きに張り出したバネ受け42は、後支持ブラケット41の立ち上げ部分41Cに向けて延出され、延出された先端部を立ち上げ部分41Cに近接させて設けてある。これによって、後車軸ケース10がヨーイング作動した場合にも、左右一方のバネ受け42が立ち上げ部分41Cに接当して、ヨーイング作動を阻止する。ここに、バネ受け42と後支持ブラケット41とをヨーイング動作を阻止する機構Aと称する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 田植機の全体側面図
【図2】 田植機の全体平面図
【図3】 施肥装置の駆動構造を示す背面図
【図4】 施肥装置用の駆動ケースと後車軸ケースのローリング支持構造を示す縦断側面図
【図5】 ローリング用バネの取り付け構造を示す縦断側面図
【図6】 ローリング用バネの取り付け構造を示す縦断背面図
【図7】 施肥装置用の駆動ケース内伝動構造を示す横断平面図
【図8】 プロペラシャフトと後車軸ケースの入力軸との従来の連結構造を示す側面図
【図9】 主クラッチブレーキ及びサイドクラッチの操作構造を示す平面図
【図10】 ミッション構造を示す断面図
【図11】 植付変速機構を示す断面図
【図12】 右後車輪を支持する縦向きケース内構造を示す断面図
【図13】 右後車輪を支持する縦向きケース内構造を示す断面図
【図14】 ローリング用バネ受けの別実施形態を示す側面図
【符号の説明】
2 後車輪
10 後車軸ケース
20 繰り出し機構
24 駆動ケース
37 入力軸
38 連結部
39 前後向きフレーム(機体フレーム)
40,41 支点ブラケット
42 バネ受け
43 中立復帰バネ
77 プロペラシャフト
A 阻止する機構
X ローリング軸芯
Claims (3)
- 左右の後輪(2)を軸支する後車軸ケース(10)と、機体前後方向に延びるローリング軸芯(X)まわりにこの後車軸ケース(10)を揺動させることが可能なローリング機構とを備えた田植機であって、
前記ローリング機構が、前記後車軸ケース(10)を前記ローリング軸芯(X)まわりにローリング自在に支持する支点ブラケット(40、41)と、
前記ローリング軸芯(X)の両側にそれぞれ設けられ、機体前後方向に延設された左右一対の機体フレーム(39、39)に一端部が配設されたローリング用の中立復帰バネ(43)と、
前記各中立復帰バネ(43)の他端部を受け止めるバネ受け(42)とを備え、
かつ前記各バネ受け(42)が前記後車軸ケース(10)から後向きに張り出され、この張り出し部分と前記支点ブラケット(41)との接当によって、前記後車軸ケース(10)がヨーイング作動するのを防止するヨーイング阻止機構(A)が構成されていることを特徴とする田植機。 - 請求項1記載の田植機であって、
前記各中立復帰バネ(43)が、その張設長さが前記後車軸ケース(10)のローリング作動に伴って短くなることによって中立復帰力を現出するように構成されていることを特徴とする田植機。 - 請求項1記載の田植機であって、
前記支点ブラケット(40、41)が前記後車軸ケース(10)の前後に設けられるとともに、前後に設けられた支点ブラケット(40、41)の間に前記各中立復帰バネ(43)が配置され、
前記後車軸ケース(10)が、前記各中立復帰バネ(43)によってローリング作動の中立復帰姿勢に付勢されながら、前記支点ブラケットによって前方および後方からローリング自在に支持されていることを特徴とする田植機。
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