JP3685612B2 - 紙葉類収納箱及び現金自動取引装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に金融機関で使用される現金自動取引装置に関し、特に、現金自動取引装置に装填される紙幣収納箱の構成、及び紙幣収納箱を使用する場合の紙幣の管理、運用に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
紙葉類取扱装置に実装し、紙葉類を積層して収納し、取り付け可能な収納箱で、収納空間内を上下に移動する2枚の仕切板を配し、上側の仕切板の上部の上部収納部と、下側の仕切板の下部の下部収納部とを有する収納箱としては、特開平7−14049号公報に記載された紙葉類収納装置や、特開平6−119526号公報に記載されたスタッカおよび該スタッカを用いた紙幣処理機構がある。
【0003】
特開平7−14049号公報では、上部収納部に紙葉類の集積を行う集積機構と下部収納部に積層した紙葉類を下側の紙葉類から一枚ずつ分離する分離機構を紙葉類収納箱内に実装し、上部収納部に集積した紙葉類を分離する際には、下部収納空間に移動し、下部分離機構から分離する方式をとっている。
特開平6−119526号公報は、取り外し可能な収納箱ではないが、収納箱の中に、上部収納部と下部収納部のそれぞれの、集積分離機構、及び、それぞれの仕切板を駆動する駆動機構を実装することになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特開平7−14049号公報では、紙葉類を、上部収納部から下部収納部に移動するための2枚の仕切板の退避、開閉を伴う駆動機構が必要であり、機構が複雑化するだけでなく、現金自動取引装置に適用した場合には、不具合発生時に、上下収納部の仕切が不明確になり、現金不一致を招く恐れがあり、信頼性確保が困難であることなどの問題があった。
また、特開平6−119526号公報では、紙葉類集積、分離機構および、仕切板駆動機構を、上部収納部と下部収納部のそれぞれに実装しているために、紙葉類収納箱の大型化、重量増加の問題があった。
【0005】
更に上記それぞれの従来技術には、紙幣取扱装置に紙幣収納箱を装填した場合の、入金、出金、装填、補充等の動作については開示されておらず、どのような紙幣の搬送制御を行うか、またどうやって紙幣の管理を行うか等について考慮されていなかった。
本発明の目的は、紙葉類取扱装置(現金自動取引装置ともいう)に用いられる紙幣収納箱の構成を簡素にし、又は、高信頼の紙葉類収納箱を提供することにある。また、紙葉類収納箱を紙葉類取扱装置に適用し、利便性のよい運用方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の1つの態様では、紙葉類取扱装置に取り付け可能な紙葉類収納箱が、その内部空間を上下に区切る上側仕切板と下側仕切板と、上側仕切板の上部に形成された上部収納部と、下側仕切板の下部に形成された下部収納部と、上部収納部に収納している紙葉類を分離して搬送する動作において、上部収納部の上側で且つ装置本体に設置された集積分離機構によって行われるように上側仕切板を上昇させる上側仕切板駆動機構とを有し、前記下部収納部は収納されている紙葉類を分離する下部分離機構と、該紙葉類を下部分離機構に付勢するための前記下側仕切板に連結されたバネを有している。
【0007】
本発明の他の態様は現金自動取引装置であり、紙幣を収納する収納箱と、紙幣を鑑別する鑑別手段と、金種毎に紙幣を収納する金種ボックスとを有し、収納箱が、着脱可能で且つ紙幣を収納する第1収納部と第2収納部とを有し、収納箱の第1収納部に収納された紙幣を分離手段によって分離繰り出し、鑑別手段を経由して前記第2収納部へ搬送する搬送手段と、収納箱の前記第1収納部に収納された紙幣を前記分離手段によって分離繰り出し、鑑別手段を経由して金種ボックスへ搬送する搬送手段と、収納箱の前記第2収納部に収納された紙幣を集積分離手段によって分離繰り出し、鑑別手段を経由して金種ボックスへ搬送する搬送手段とを有している。
【0008】
さらに、本発明の現金自動取引装置の別の態様は、紙幣を鑑別する鑑別部と、金種毎に紙幣を収納する金種別収納部と,該金種別収納部に紙幣を補充する収納箱と、紙幣を搬送する搬送部と、制御部とを有し、収納箱が、前記装置に着脱可能にすると共に紙幣を収納する第1収納部と第2収納部とに区分する仕切部を有し、制御部が、第1収納部から金種別収納部に紙幣を補充している状態で且つ金種別収納部の紙幣枚数が所定の量に達したことを検知したとき、搬送部によって第1収納部の紙幣を第2収納部へ搬送するようにしたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図面を参照して詳細に説明する。以下の説明では紙幣の取り扱いについて述べるが、例えば有価証券としての株等も考えられる。よってこれらを総合して紙葉類ともいう。
図1は、金融機関で取り引きされる現金自動取引装置に対して実装される紙幣取扱機構の紙幣収納箱の構成を示す側面図である。
紙幣収納箱1は、一点鎖線で示す収納空間2内を仕切る2枚の仕切板を配し、上側仕切板3の上部の上部収納部4と、下側仕切板5の下部の下部収納部6とを有し、下部収納部6に積層した紙幣を下側の紙幣6aから一枚ずつ分離する下部分離機構7と、収納箱1の上部で外側に位置し本体の紙幣取扱機構に配置された集積分離機構8(後述の一時スタッカに備わった機構)で上部収納部4の紙幣の集積、分離を行うよう上側仕切板3を昇降させる上側仕切板駆動機構9を有する。
【0010】
下側仕切板5は、下部収納部6の紙幣の上面を押さえながら、図示5aの範囲を移動する。上側仕切板3の押板21は、紙幣を積層して図示21aで示す、上部収納部4に満杯に積層した位置から、集積分離機構8のピックアップローラ40に当接する位置の範囲を移動するのに対し、上側仕切板駆動機構9は、紙幣収納箱1内の図示9aで示す範囲を移動する。かくして、上側仕切板3と上側仕切板駆動機構9は、後述する機構により、上側仕切板3の押板21が、収納箱上側で、仕切板駆動機構9から伸長するよう動作する。また、紙幣収納箱1には、上部に蓋1aを有し、図示のように開の状態にして動作する。
この様に紙幣収納箱1の上部収納部4の紙幣の分離、集積は本体の紙幣取扱装置の集積分離機構8を使用して行うため、紙幣収納箱1自体にはそれまで必要であったローラ等の実装が不要となり収納箱1の軽量・小型化という効果を有する。
【0011】
紙幣収納箱1を現金自動取引装置のうちの紙幣取扱機構に取り付けた状態を図2に示す。紙幣収納箱1の詳細構成を説明する前に、紙幣取扱機構10での動作および機能について説明する。尚、紙幣収納箱1はこの紙幣取扱機構に取り外し可能であることは言うまでもない。
紙幣取扱機構10は、紙幣を入出金する入出金口11、金種毎に紙幣を集積分離する3ヶの金種ボックス12、13、14(本例では、12、13が万円、14が千円)、紙幣を鑑別する鑑別部15、入金出金時の損券等を集積するリジェクトボックス16、金種ボックスとの間で装填、回収を行う図1で詳述した紙幣収納箱1、入金された紙幣を一時保留する一時スタッカ17(一時集積部ともいう)、それぞれの機構を接続し紙幣を搬送する搬送路から構成されている。
【0012】
入金時、入出金口11に投入された紙幣は、鑑別部15で金種を判別し、一旦一時スタッカ17の一時スタッカ用仕切板18aの上に集積される。尚、一時スタッカ用仕切板18aは、入金時は、図示18の位置から18aの位置に移動している。一時スタッカ17に計数された紙幣が一時集積し、その計数結果が現金自動取引装置の図示しないタッチパネルに表示しこの計数結果の表示を利用者が確認して取引が成立すると、集積分離機構8に備わったローラから分離され、再び鑑別部15によって鑑別された後、金種毎に金種ボックス12、13、14に分けて集積される。出金時には、金種ボックス12、13、14から所定枚数ずつ分離し、鑑別部15で鑑別された後、入出金口11に集積され出金処理が行われる。入金時の一時スタッカ17から金種ボックス12、13、14に搬送する過程及び出金時の金種ボックス12、13、14から入出金口11に搬送する過程において鑑別部15にて損券と判定された紙幣はリジェクトボックス16に集積される。
【0013】
次に、本発明に関わる紙幣収納箱1を用いる主要動作である、装填動作、収納箱計数動作、補充動作、回収動作について図7から図10を用いて説明する。図7〜図10では、それぞれの動作で搬送するルートを太線で示してある。
図7は金融機関の開局時に行われる装填動作を示したものである。最初に係員は図1に示す紙幣収納箱1の下部収納部6に紙幣を手詰めする。そしてこの紙幣収納箱1を紙幣取扱装置10に装着する。その後、紙幣収納箱1の下部収納部6に収納された紙幣は下部分離機構7から1枚ずつ分離繰り出されて、搬送路を通って鑑別部15で金種を判別され、金種毎に金種ボックス12、13、14に分けて集積される。この時、金種ボックス12、13、14に収納される紙幣や鑑別部15によって損券と判定された紙幣等は、逐次計数され、図示しない記憶部に計数結果が記憶される。そして紙幣収納箱1を含む紙幣取扱装置10内の現金の在高を管理する。
【0014】
紙幣収納箱1内に収納されている紙幣を計数する収納箱計数動作(図8)は、係員によって紙幣収納箱1の下部収納部6に手詰めされた紙幣を下部分離機構7によって分離繰り出し、鑑別部15で金種を判別し、集積分離機構8により紙幣収納箱1の上部収納部4に集積されることによって行われる。この収納箱計数動作における紙幣収納箱1の下部収納部6から上部収納部4へ紙幣を搬送する過程においてもその紙幣は鑑別部15で計数され、上述と同様に図示しない記憶部に計数結果が記憶されることで、特に紙幣収納箱1内の紙幣の在高を管理する。
尚、図7の装填動作及び図8の収納箱計数動作において、紙幣は鑑別部15で鑑別されるがその際損券と判定された紙幣は紙幣収納箱1内の装填リジェクト部20に収納され、またその紙幣も記憶部に計数結果として記憶されるので、紙幣収納箱1内に収納されている紙幣を常時管理することができる。
【0015】
装填動作は、紙幣収納箱1の紙幣を金種ボックス12、13、14に収納して前述した出金取引に備える目的であるのに対し、収納箱計数動作は、金種ボックス12、13、14に紙幣が所定量以上あって、紙幣収納箱1内の紙幣を金種ボックス12、13、14に収納せずに着脱可能な紙幣収納箱1内に残しておきたい場合や、装填動作を行って金種ボックス12、13、14が満杯になり、紙幣収納箱に紙幣が残った場合などに残っている紙幣収納箱1内の在高計数を行い、装置全体としての在高管理を目的としている。
従来は、金種ボックス12、13、14の紙幣在高は容易に管理できていたが、収納箱計数動作により、紙幣収納箱1も在高管理が可能となり、係員にとって紙幣の補給、抜き取りのタイミングを判断しやすくなるとともに、セキュリティ管理上も安全性が増す。
【0016】
図9に示す補充動作は現金自動取引装置が開局された後の運用中に行われる動作で、金種ボックス12、13、14に収納されている紙幣の残量が不足している場合に行われる。上述した装填動作又は収納箱計数動作によって紙幣収納箱1内の紙幣は下部収納部8から上部収納部4に計数されて移動している。ここで金種ボックス12、13、14に備わっている図示しないセンサによる検知によって紙幣の残量が不足していることが判定されると、紙幣収納箱1の上部収納部4に集積された紙幣は、集積分離機構8から1枚ずつ分離され、鑑別部15で金種を判別し、金種毎に金種ボックス12、13、14に分けて集積される。この時も金種ボックス12、13、14に補充された紙幣は計数され記憶されるため紙幣取扱装置10全体の在高を管理するできる。
【0017】
前述したが装填及び収納箱計数動作及び補充動作において、鑑別部15で鑑別される判別不能や損券紙幣は、紙幣収納箱1内の装填リジェクト部20に集積されると共にその紙幣の計数も行われ記憶される。これにより図2で説明した入出金時に発生する損券をリジェクトボックス16に収納する紙幣と区別できるため、紙幣収納箱1からの繰り出し時に発生した損券か、紙幣収納箱1を含まない紙幣収納取扱装置10内で発生した損券かをそれぞれ区別して管理することが可能となる。
【0018】
図9に示す回収動作は、主に現金自動取引装置の閉局時、即ち運用を終了するときに行われるものの他に、金種ボックス12、13、14の紙幣が満杯になってそれ以上収納できない場合等に行われる動作である。金種ボックス12、13、14に収納された紙幣は、鑑別部15で金種を判別し、紙幣取扱装置10側に備わった集積分離機構8によって紙幣収納箱1の上部収納部4に集積される。このときの紙幣も計数記憶されていく。
【0019】
かくして、紙幣収納箱1は、紙幣取扱機構10に対して、係員によって着脱可能に実装され、係員によって下部収納部6に手詰めされた紙幣を、装填あるいは、収納箱計数動作により、下部分離機構7で分離されて紙幣取扱装置10の一時スタッカ17に備わった集積分離機構8によって上部収納部4に集積される。同様に、回収動作においても金種ボックス12、13、14からの繰り出された紙幣は集積分離機構8によって紙幣収納箱1内の上部収納部4に集積される。一方、補充動作においては紙幣収納箱1内の上部収納部4に収納された紙幣が集積分離機構8によって1枚ずつ分離され紙幣の残量の少ない金種ボックス12、13、14に収納する。
この様に、入出金時の紙幣を一時スタッカ17に集積分離する集積分離機構8は、紙幣の装填・収納箱計数・補充・回収動作時にも共用して使うため、紙幣収納箱1に改めて集積分離機構を備えなくとも良く、それによって紙幣収納箱1の軽量化等の効果がある。
【0020】
以上説明した入出金時、装填、補充動作時等の一時スタッカ17の一時スタッカ用仕切板18の動作について説明する。入出金時、特に入金時は入出金口11から投入された紙幣を一時スタッカ17に一時保留する必要があるため、一時スタッカ用仕切板18は紙幣収納箱1を遮るように閉じた状態として動作する。これにより入出金口11から搬送される紙幣は集積機構8の集積動作によりこの一時スタッカ用仕切板18上に集積し一時スタッカ17に一時保留される。一方、図7〜10で説明した装填、収納箱計数動作等は、紙幣収納箱1を使用する動作である。従って、これらの動作の時は一時スタッカ用仕切板18は紙幣収納箱1の上部を開くように18aの状態に回避される。これにより、例えば、紙幣の補充動作では紙幣収納箱1の上部収納部4に収納された紙幣を集積分離機構8によって繰り出す場合も、一時スタッカ用仕切板18は邪魔にならない。
【0021】
次に、紙幣取扱装置10に着脱自在な紙幣収納箱1の詳細構成を説明する。
図3に収納箱の構成を説明する側面図、正面図を示す。
上側仕切板3は、紙葉類を積層する押板21と、押板21と平行に配するベース板22aと、押板21とベース板22の間を平行を維持しながら、X型に配し、伸縮するリンク機構23と、X型に配したリンク機構の一端を水平に駆動するようベース板22上で回転する駆動軸24で構成される。
【0022】
駆動軸24は、リードスクリュー(らせん状にネジを配し回転運動を直線運動に変換する駆動手段)を形成し、駆動軸24が矢印39方向に回転すると、リンク機構23の一端36と連結しリードスクリューに嵌合したナット25が水平方向に直線的に移動し、リンク機構23の回転支点33、34を支点に他端35、36が水平に移動し、押板21とベース板22の間を平行を維持しながら押板21が伸長する。
紙幣収納箱1の上下に配したベルトプーリ26、27と、駆動軸24に配したベルトプーリ28との間にタイミングベルト29を懸架してある。下側のベルトプーリ27は、後述するフィードローラ軸に配したアイドラギヤ30に連結され紙幣取扱機構10本体に配する駆動ギヤ32と接続される。
【0023】
以上の構成の上側仕切板3及びその駆動機構により、以下のように動作する。
紙幣収納箱1の外部の図示せぬ駆動モータにより駆動ギヤ32が回転し、タイミングプーリ27が矢印38方向に回転すると、前記押板21とベース板22が図示3aの縮んだ状態を維持しながら紙幣収納箱1内の収納空間を上昇する。
ベース板22が収納部上部に配したストッパ部材46に突き当たり、ベース板22が上昇できなくなった状態(押板21a、ベース板22aの状態)でさらにタイミングプーリ27が矢印38方向に回転すると、タイミングベルト29はさらに駆動力を伝達し、ベース板22a上の駆動軸24にその駆動力を伝達する。これにより駆動軸24が矢印39方向に回転し、X型のリンク機構23が伸長し、押板21aが集積分離機構8のピックアップローラ40に当接する位置まで上昇する(図示3bの伸長状態)。
【0024】
また、リンク機構23が支点33を中心に伸長し始めると、リンク機構23がベース板22a上で水平に移動するベースロック部材44を押し、このベースロック部材44の先端に付けたローラ44aが紙幣収納箱1の側面ガイド45の穴45aに入る構造になっており、ベース板22aはロック状態(前述のベース板22が上昇できなくなった状態)を維持される。このロック状態によって、リンク機構23が確実に伸長できるとともに、ベース板22が収納部上部に配したストッパ部材46に突き当たっていない状態では、ベース板22と押板21は、図示3aのように圧縮状態を維持できる。逆に、最上部の図示3bの伸長状態から、前記図示せぬ駆動モータを逆に回転すると駆動軸24が逆に回転し、リンク機構23が圧縮した後、図示3aの圧縮状態で下降する。
【0025】
以上のような上側仕切板3の動作により、上部収納部4に収納された紙幣を、紙幣取扱装置10側に配置された集積分離機構8で、一枚ずつ空になるまで分離しながら、押板21を逐次上昇制御すること、及び、空の状態の上部収納部4にその集積分離機構8で一枚ずつ集積しながら上部収納空間の満杯状態まで、押板21を逐次下降制御することで紙幣を収納できる。また、上側仕切板3を伸縮する構成にしたことにより、紙幣収納箱1内での高さを最小化できており紙幣収納効率を向上している。
一方、下側仕切板5は、上下に配した回転プーリ42、43を介して上側仕切板3のベース板22と下側仕切板5の間を円形に連結したバネ41により、常時下方向に紙幣を付勢しているのみで、外部からの駆動機構は持っていない。
【0026】
次に、図4に下部分離機構7の構成を説明する側面図を示す。
下部収納部6に収納された紙幣は、下側仕切板5に付勢されて外周の一部がゴムからなるピックアップローラ51に当接する。また、外周の一部がゴムからなるフィードローラ52と全周がゴムからなるゲートローラ53を対向して配している。
フィードローラ52とゲートローラ53は、図示せぬ駆動ギヤで連結され、外部の図示せぬ駆動モータで同一方向に回転し、ピックアップローラ51で紙幣をフィードローラ52とゲートローラ53の間に送り込み、ゲートローラ53の摩擦力で1枚ずつに分離して、フィードローラ52とピンチローラ54により紙幣収納箱の出口55から送り出される。
56は、紙幣収納箱1が紙幣取扱機構10から取り外された状態では、56aの状態になり、係員の紙幣セット時に、フィードローラ52とゲートローラ53の間に押し込まれないようにするための遮断レバーであり、図示せぬバネにより、56aの状態に付勢され、紙幣収納箱1が紙幣取扱機構10に取り付けた状態で、図示せぬ押し出しレバーで56の状態になる。
【0027】
以上の構成からなる紙幣収納箱1は、図2に示す紙幣取扱機構本体に実装した状態では、図3のフィードローラ軸52aに配した上側仕切板駆動用アイドラギヤ30と分離機構駆動用ギヤ31を、紙幣取扱機構10本体に配する駆動ギヤ32と接続し、駆動ギヤ32とフィードローラ軸52a間を連結するロックレバー47で固定している。すなわち、上側仕切板駆動用アイドラギヤ30と分離機構駆動用ギヤ31とロックレバー47のロック部が、フィードローラ軸の同一軸上に配してあり、ギヤの軸間ピッチの精度を確保しやすく、伝達効率の安定化の点で信頼性を向上できる。
【0028】
図5、6に係員による紙幣セット方法を説明する図を示す。図6は、紙幣収納箱1を取り外して、係員操作用の扉61を上面にして、水平な床面に置いた状態を示す斜視図で、図5は紙幣セットの状態を説明する側面図である。
紙幣収納箱1は、紙幣収納空間に対して、下部分離機構が出っ張った形状であり、図6のように扉61を上面にして置くと収納空間が傾いた状態になる。
図5のように係員が紙幣収納箱1の扉61を開くと、上側仕切板3と下側仕切板5は、バネ41の力により相反する方向に付勢されているが分かる。
【0029】
係員はまず、下側仕切板5を上側仕切板3の方向に移動させ、下側仕切板5に付けたロックレバー62が、上側仕切板3に付けたロックピン63にロックする。次に、紙幣を下部収納空間6に下側仕切板5の側から、紙幣束64a、64bのようにセットする。この後、ロックレバー62を解除し、下側仕切板5と紙幣束64a、64bを下部分離機構7の側に移動させ扉をしめる。
【0030】
この際、収納空間が図5、6に図示するように傾いた状態になっており、紙幣束64aをセット後、64bをセットする間に、紙幣が、矢印65、66方向に、倒れたり、滑ったりする可能性が低く、セット不良による動作異常が発生しにくい利点がある。すなわち、紙幣収納箱1が、紙幣収納空間に対して、下部分離機構が出っ張った形状であることが、紙幣セット性の向上に有効に作用しており、従来は、紙幣収納箱に可動式のスタンドを付け傾いた状態にするなどの方法が考えられるが、本実施例では、その必要はない。
【0031】
本実施例では、係員が紙幣をセットするとき紙幣収納箱の下部収納部6にセットするようにしているが、他の実施例として、上部収納部4にたとえば千円札、下部収納部6にたとえば万円札をセットして運用してもよい。この場合、たとえば、金種ボックス内の紙幣が不足したときに行う補充動作は、不足した金種を指定して、下部収納部6、上部収納部4のいずれか選択して繰出せばよい。これにより、従来は、2金種混合に、1つの収納部にセットされていたため、補充動作時、不要な金種の補充が行われ、処理時間、運用効率で有効である。
【0032】
さらに、図11に示すごとく、上部収納部4にたとえば千円札、下部収納部6に例えば万円札をセットした場合、図11に示すごとく金種ボックスを用いずに直接出金処理を行うことができる。これにより、たとえば、係員が毎日起動時、紙幣を装填して運用を開始する場合に、従来、装填後しか、出金取引の運用を開始できなかったが、紙幣収納箱をセットするだけで、出金取引を開始でき、取引のない時間に装填すればよく、係員処理が軽減できる。
以上、紙幣の搬送制御や紙幣の在高の管理等について詳細に述べてきたが、これらは図示しない制御部によって制御される。
【0033】
また、本発明の説明では、紙幣収納箱の上部収納部の集積分離機構は紙幣収納箱外部に、下部収納部の分離機構は紙幣収納箱内部に実装した構成であるが、他の実施例として、上部収納部の集積分離機構、下部収納部の分離機構のいずれも紙幣収納箱内部に実装する、あるいは、いずれも紙幣収納箱外部に実装することも可能で、紙幣を上部収納部から下部収納部に移動するための2枚の仕切板の退避、開閉を伴う駆動機構が不要の簡素な紙幣収納箱を実現できる。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、現金自動取引装置に使用される紙幣収納箱において、簡素又は高信頼な紙幣収納箱を実現できる。また、紙葉類収納箱内の枚数等の有高が管理できる利点がある。また、千円札と、万円札の2種類を入出金紙幣として扱う紙幣取扱機構では、上下の収納部のそれぞれにこの2金種を割り当てることにより、紙幣収納箱から直接出金したり、紙幣取扱機構内の別の金種収納部に個別に装填動作でき、係員処理の軽減が図れる。
【0035】
また、紙葉類収納箱への操作者による紙葉類の出し入れの操作時、下側分離機構に遮断レバー設けること、上側の仕切板と下側の仕切板との間を近接した状態で固定するロック機構を設けることにより、操作性を向上し、かつ、誤操作による障害の発生等を防止し、高信頼化に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における紙幣収納箱の構成を示す側面図である。
【図2】本発明における紙幣収納箱を取り付けた紙幣取扱機構の説明図である。
【図3】本発明における上・下側仕切板の説明図である。
【図4】本発明における下部収納部の分離機構の説明図である。
【図5】本発明における紙幣収納箱の操作方法の説明図である。
【図6】本発明における紙幣収納箱の操作方法の説明図である。
【図7】本発明における紙幣収納箱の装填動作の説明図である。
【図8】本発明における紙幣収納箱の収納箱計数動作の説明図である。
【図9】本発明における紙幣収納箱の補充動作の説明図である。
【図10】本発明における紙幣収納箱の回収動作の説明図である。
【図11】本発明における紙幣収納箱からの2金種出金動作の説明図である。
【符号の説明】
1…紙幣収納箱、1a…紙幣収納箱の蓋、2…収納空間、3…上側仕切板、
4…上部収納部、5…下側仕切板、6…下部収納部、6a…下側の紙幣、
7…下部分離機構、8…集積分離機構、9…上側仕切板駆動機構。
Claims (5)
- 紙葉類取扱装置に取り付け可能な紙葉類収納箱であって、
その内部空間を上下に区切る上側仕切板と下側仕切板と、
前記上側仕切板の上部に形成された上部収納部と、
前記下側仕切板の下部に形成された下部収納部と、
前記上部収納部に収納している紙葉類を分離して搬送する動作において、前記上部収納部の上側で且つ前記装置本体に設置された集積分離機構によって行われるように前記上側仕切板を上昇させる上側仕切板駆動機構とを有し、
前記下部収納部は収納されている紙葉類を分離する下部分離機構と、該紙葉類を下部分離機構に付勢するための前記下側仕切板に連結されたバネを有することを特徴とする紙葉類収納箱。 - 請求項1記載の紙葉類収納箱において、
前記上側仕切板駆動機構及び前記下部分離機構は、前記紙葉類収納箱の外部で前記装置に設置された駆動ギヤに連結して前記上昇及び前記分離を動作することを特徴とする紙葉類収納箱。 - 紙葉類取扱装置に取り付け可能な紙葉類収納箱であって、
その内部空間を上下に区切る仕切部と、
該仕切部の上部に形成された上部収納部と、
前記仕切部の下部に形成された下部収納部と、
前記上部収納部に収納している紙葉類を分離して搬送する動作において、前記上部収納部の上側で且つ前記装置本体に設置された上部分離機構によって行われるように前記仕切部を上昇させる仕切部駆動機構とを有し、
前記仕切部は、前記上部収納部に収納された紙葉類を支える押板と、前記押板と平行に配置されたベース板とを具備し、前記仕切部駆動機構の駆動により前記仕切部が上部収納部の所定の位置まで上昇した後、前記押板と前記ベース板とを平行に維持しながらそれらの間隔を広げる手段を有することを特徴とする紙葉類収納箱。 - 紙葉類取扱装置に取り付け可能な紙葉類収納箱であって、
その内部空間を上下に区切る仕切部と、
該仕切部の上部に形成された上部収納部と、
前記仕切部の下部に形成された下部収納部とを有し、
前記下部収納部は収納されている紙葉類を分離する下部分離機構を含み、
該下部分離機構は、回転可能なフィードローラと、該フィードローラと対向するゲー卜ローラと、前記紙葉類収納箱を前記紙葉類取扱装置から取り外した状態で、前記フィードローラ及びゲートローラの挟持箇所を覆う遮断レバーとを有することを特徴とする紙葉類収納箱。 - 紙幣を収納する収納箱と、紙幣を鑑別する鑑別手段と、金種毎に紙幣を収納する金種ボックスとを有する現金自動取引装置において、
前記収納箱は、着脱可能で且つ紙幣を収納する第1収納部と第2収納部とを有し、
前記収納箱の前記第1収納部に収納された紙幣を分離手段によって分離繰り出し、前記鑑別手段を経由して前記第2収納部へ搬送する搬送手段と、
前記収納箱の前記第1収納部に収納された紙幣を前記分離手段によって分離繰り出し、前記鑑別手段を経由して前記金種ボックスへ搬送する搬送手段と、
前記収納箱の前記第2収納部に収納された紙幣を集積分離手段によって分離繰り出し、前記鑑別手段を経由して前記金種ボックスへ搬送する搬送手段とを有することを特徴とする現金自動取引装置。
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