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JP3685040B2 - ジャンクションボックスおよび該ジャンクションボックスの形成方法 - Google Patents

ジャンクションボックスおよび該ジャンクションボックスの形成方法 Download PDF

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JP3685040B2
JP3685040B2 JP2000334784A JP2000334784A JP3685040B2 JP 3685040 B2 JP3685040 B2 JP 3685040B2 JP 2000334784 A JP2000334784 A JP 2000334784A JP 2000334784 A JP2000334784 A JP 2000334784A JP 3685040 B2 JP3685040 B2 JP 3685040B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車用ワイヤハーネスに接続するジャンクションボックスに関し、特に、回路数が増大しても薄型化および小型化を図れるようにするものである。
【0002】
【従来の技術】
近時、自動車に搭載される電装品の急増に伴い、ジャンクションボックスの内部に収容される回路が急増し、高密度で分岐回路を形成するために、部品点数が非常に多くなり、組み立て手数も非常にかかるようになっている。
【0003】
上記ジャンクションボックスの薄型化を図ると共に、回路変更にも容易に対応でき、かつ、組立手数の軽減を図るものとして、本出願人は先に図14に示す如きジャンクションボックス1を特願2000−112691号で提案している。
【0004】
上記ジャンクションボックス1は、コネクタ接続回路部(ベース回路部)、ヒューズ接続回路部、リレー接続回路部を分割して、コネクタモジュール2、ヒューズモジュール3、リレーモジュール4として別個に設け、これらモジュール2、3、4をロアケース5とアッパーケース6とからなるケース内部に組み込んでいる。
上記各モジュール2、3、4はいずれも絶縁基板2a、3a、4a上にバスバー2b、3b、4bを加締め固着した構成とし、これらバスバー2b、3b、4bを絶縁基板2a、3a、4aの周縁より突出させて互いに溶接で接続した構成としている。
【0005】
ジャンクションボックスを上記のように、コネクタモジュール、ヒューズモジュール、リレーモジュールと分割すると、コネクタ接続回路、ヒューズ接続回路、リレー接続回路が分割されるため、バスバーのタブが重なることはなく、よって、バスバーの多層化が抑制され、ジャンクションボックスを薄型化することができる。かつ、各バスバーの回路取り回しも簡単となるため、夫々のバスバー面積が縮小でき、その結果、バスバーを分割しても、全体としてのバスバー面積を縮小でき、ジャンクションボックスの面積増大も抑制することができる。
さらに、各コネクタ回路、ヒューズ回路、リレー回路に仕様変更があれば、これら対応するモジュールのみを変更すればよく、仕様変更に容易に対応することができ、回路変更に容易に対応することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、ジャンクションボックス内の回路をコネクタ接続回路、ヒューズ接続回路、リレー接続回路に分割して、それぞれモジュール化しておくと、上記のように大きなメリットがある。
しかしながら、各モジュールの導電材としてバスバーを用いており、特に、コネクタモジュールでは、回路形状が複雑で、この回路形状に応じて導電性金属板を打ち抜き加工しているため、金属板の歩留まりが悪く、かつ、回路変更があった場合には、打抜用金型を作製し直す必要があり、コストがかかる問題がある。
【0007】
さらに、回路形状によっては、同一層に形成することができず、そのため、バスバー層の積層枚数が増加する問題もある。
即ち、図15(A)に示すように、コネクタモジュール2のコネクタ7Aと7Bに接続するコネクタ回路C1とC2があり、回路C1とC2とを、側面配置のヒューズモジュール3のヒューズ8に接続する場合、コネクタモジュール2のコネクタ回路C1とC2とは別の層にしないと配索できず、層数が増加することとなる。
【0008】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、導電性金属板の歩留まりを向上させてコスト低下を図ると共に、更なる薄型化を図り、前記本出願人の提案に係わるジャンクションボックスを改良するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、自動車に搭載されるジャンクションボックスのケース内に設ける内部回路の導体を、コネクタに接続されるコネクタ接続用の導体、ヒューズに接続されるヒューズ接続用の導体、リレーに接続されるリレー接続用の導体に分割して、これら導体を夫々別の絶縁基板に設けた回路板を設け、コネクタ接続用の回路板を備えたコネクタモジュール、ヒューズ接続用の回路板を備えたヒューズモジュール、リレー接続用の回路板を備えたリレーモジュールを設け、
上記コネクタモジュールの回路板の導体に、ヒューズモジュールの回路板の導体、リレーモジュールの回路板の導体を接続するジャンクションボックスにおいて、
上記ジャンクションボックスのケース内部の中央に上記コネクタモジュールを配置し、該コネクタモジュールの導体は、上記絶縁基板の一面に平行配線した電線と、該絶縁基板の他面に上記電線と直交方向に平行配線する短冊状のバスバーとから構成し、これらクロス配線される電線とバスバーとを所要交差位置で、上記絶縁基板に形成した開口を通して電気接続して所要の回路を構成しており、
上記バスバーの両端より突設したタブをサイドケースに設けたコネクタ収容部に突出させて、コネクタを側面嵌合とし、
かつ、該コネクタモジュールの一側部に上記ヒューズモジュールを配置し、ヒューズモジュールのヒューズ取付面と前記コネクタの嵌合面直交させると共に、該ヒューズモジュールの配置側のコネクタモジュールの上部に上記リレーモジュールを配置していることを特徴とするジャンクションボックスを提供している。
【0010】
上記のように、従来はバスバーを回路形状に応じて導電性金属板を打抜加工して導体を形成していたが、本発明では、短冊状のバスバーと電線とを用い、これらバスバーと電線とをクロス配線し、所要の交差位置で接続して、所要の回路を形成している。このように、バスバーは短冊状としているため、導電性金属板のロスは殆どなく歩留まりを大幅に向上させることができる。また、回路変更が生じると接続する交差位置を変えるだけで対応でき、導電材自体を変更する必要はないため、コストアップにならずに容易に回路変更に対応できる。
【0012】
上記した電線として裸線を用いると、バスバーとの接続位置で絶縁被覆の皮剥ぎを行う必要はないが、芯線を絶縁被覆している通常の電線を用いることも可能である。
また、上記裸線とバスバーとの接続は、絶縁基板に設けた開口を通して抵抗溶接することが作業上、最も好ましいが、上記のように半田付けでも良いし、超音波溶接、レザー溶接でもよい。
【0013】
また、上記した絶縁基板の一面に電線、他面にバスバーを配線した複数枚の回路板を、絶縁板を介して複数積層している。
【0014】
上記した積層配置する回路板は、絶縁基板の一面にバスバーを加締め固着した後、これら絶縁基板を一列に並べた状態で、上記電線を複数の絶縁基板の他面に連続的に配線し、
ついで、上記絶縁基板の開口を通してバスバーと電線とを溶接接続し、
その後、上記絶縁基板の間の電線群を屈曲させて、絶縁基板を上下に配置して積層し、上記連続布線した電線の非導通部分を切除して形成している。
【0015】
上記のように形成すると、電線の布線が一括して行うことができ、作業性を大幅に改善できる。
【0016】
上記ジャンクションボックスでは、コネクタモジュール、ヒューズモジュール、リレーモジュールとも、外部端子(コネクタ、ヒューズ、リレーの端子)との接続部分では、バスバーに設けた端子(タブ)を直接あるいは中継端子を介して接続し、かつ、ヒューズモジュールあるいは/およびリレーモジュールの基板に設けたヒューズ取付部、リレー取付部を、アッパーケース、ロアケースあるいは/およびサイドケースの外面に露出させている。
【0017】
例えば、上記コネクタモジュール、ヒューズモジュール、リレーモジュールをアッパーケース、ロアケース、サイドケースとに組みつけた状態において、コネクタモジュールのコネクタ接続部はロアケースに設けたコネクタ収容部およびサイドケースに設けたコネクタ収容部に位置させ、ヒューズ取付部はアッパーケースとロアケースとの間の側面開口に位置させ、リレー取付部はアッパーケースの上面に形成した開口に位置させている。また、電子制御ユニット(ECU)を収容する場合には、コネクタモジュールの上方に配置し、アッパーケース内に収容している。
【0018】
上記コネクタモジュール、ヒューズモジュール、リレーモジュールの導体の接続は、コネクタモジュールの電線を絶縁基板の端縁から突出させる一方、ヒューズモジュール、リレーモジュールのバスバーに圧接端子を設けて、上記電線に圧接接続させている。あるいは、コネクタモジュール、ヒューズモジュール、リレーモジュールの各バスバーを絶縁基板の端縁から突出させて溶接部とし、これら溶接部を接合して、超音波溶接、抵抗溶接あるいはレザー溶接で接続してもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は自動車用ワイヤハーネスに接続されるジャンクションボックス10を構成する部品の分解斜視図を示し、図2乃至図4は組みつけ状態の断面図を示す。
【0020】
図1中、11はコネクタモジュール、12はヒューズモジュール、13はリレーモジュール、14はロアケース、15はアッパーケース、16は中間ケース、17,18はサイドケース、19は電子制御ユニットである。
【0021】
上記各部品は、ロアケース14上に、コネクタモジュール11、中間ケース16、電子制御ユニット19を順次配置してアッパーケース15、サイドケース17、18を被せて組みつけている。上記コネクタモジュール11の一側上方にリレーモジュール13を配置して、該リレーモジュール13のリレー40をアッパーケース15の一側に設けた開口15aに露出させている。また、コネクタモジュール11の一側端にヒューズモジュール12を組みつけて、ロアケース14とアッパーケース15との間の側面開口に露出させている。
上記サイドケース17、18にはそれぞれ一列状態でコネクタ収容部17a、18aを設けている。
【0022】
上記コネクタモジュール11は、図5に示すように、絶縁樹脂製の薄板からなる絶縁基板20の一面(図中、下面)に銅単芯線からなる単芯線(裸線)21を一定ピッチでX方向に平行配線すると共に、絶縁基板20の他面(上面)に短冊状とした細長いバスバー22を一定ピッチでY方向に配向配索している。よって、裸線21とバスバー22とは絶縁基板20を介してクロス配線された状態となっている。
【0023】
上記絶縁基板20には、図5(B)に示すように、単芯線21とバスバー22との所要の交差位置に開口20aを予め設けている。この開口20aに相当する位置のバスバー22に単芯線21を撓ませて、開口20aを介してバスバー22と単芯線21とを接合させ、この状態で抵抗溶接して、単芯線21とバスバー22とで所要回路を形成している。
【0024】
上記絶縁基板20を挟んで単芯線21とバスバー22とを配線して、所要位置で接続させた構成の回路板100(100A〜100C)を、図6に示すように、絶縁樹脂からなる絶縁板25を介して上下に3層で積層している。
また、コネクタモジュール11には、上記1層目の回路板100Aの下部の最下層に、絶縁板25を介して、図4(B)に示す如き、従来と同様の回路形状に導電性金属板を打ち抜き加工して形成したバスバー26を配置している。このバスバー26の一端には、図1に示すように、単芯線21と同一方向に並設したヒューズ接続用の複数の圧接端子26aを形成している。これら圧接端子26aは絶縁板の端縁より突出させ、ヒューズの端子と圧接接続させるために圧接刃26bを形成している。
【0025】
上記3枚の回路板100には、その絶縁基板20の幅方向両側端よりバスバー22を突出させ、この突出させた先端を屈折させてL形状に屈折させたタブ22aを設け、これらのタブ22aをサイドケース17、18のコネクタ収容部17a、18aに突出させている。
【0026】
上記3層の回路体100(100A〜100C)は図7に示す方法で形成している。
即ち、絶縁基板20の一面に突設したリブ(図示せず)をバスバー22の穿設した孔に挿入後に加締めて、絶縁基板20にバスバー22を平行に固着する。
ついで、3枚の絶縁基板20を所要の隙間をあけて一列に並べる。其の際、隣接するバスバー固着面を逆向きとして、交互に向きを変えている。
ついで、単芯線21を絶縁基板20の他面に連続して平行配線していく。その際、上記のようにバスバー固着面を交互に逆としているため、単芯線21も回路体100Aでは上面に、次ぎの回路体100Bでは下面に、さらに、回路体100Cでは上面と交互に向きを変えて連続配線している。一列の並べた絶縁基板20の間には隙間を設けているため、この隙間部分では単芯線21のみが並列に配線された状態としている。
ついで、絶縁基板20の開口20aを通してバスバー22と単芯線21とを抵抗溶接している。このようにして、3枚の回路体100A〜100Cにおいて、それぞれ、バスバー22と単芯線21とを接続して所要回路を形成している。
その後、絶縁基板20の間の隙間に配線された単芯線21を屈曲させて、図7の矢印で示す方向に折り曲げて、回路体100A〜100Cを積層状態としている。
なお、上記連続布線した電線の非導通部分は積層後、あるいは、積層前に切除している。
【0027】
積層状態では、絶縁基板20を挟んで下面に単芯線21、上面にバスバー22が配置された回路体100となる。隣接する回路体100Aと100B…は、単芯線21とバスバー22とが対向するため、その間に絶縁板25を介在させている。
【0028】
コネクタモジュール11では、上記のように、一側端(図1中において左端)の最下端にヒューズ接続用の圧接端子26aが並列状態で突出し、ロアケース14への組みつけ時には、該ロアケース14の左端に形成した仕切り部14bに上記圧接端子26aを配置して位置決め保持している。この圧接端子26aの上部には、上記連続配線した各回路板100の単芯線21が位置している。
【0029】
上記コネクタモジュール11の左端側には、ヒューズモジュール12を配置している。図8に示すように、ヒューズモジュール12は、多数のヒューズ収容部31を横方向に並設していると共に上下2段に形成した絶縁基板30を備えている。
上記絶縁基板30の内部には、図9に示すように、上段の各ヒューズ収容部31a内にそれぞれ突出させる電源側と負荷側の一対の圧接端子と、下段の各ヒューズ収容部31b内に突出させる負荷側の圧接端子とを一端に形成したバスバー33をモールドしている。これらのバスバー33はL形状として、その一端をヒューズ収容部31a、31b内に突出すると共に、他端を上記単芯線21の上面へと突出し、これら両端に圧接端子33a、33bを設けている。所要の単芯線21の上方へと突出した圧接端子33bで単芯線21に圧接接続させる一方、ヒューズ収容部31a、31b内に突出させた圧接端子33aでヒューズ端子と圧接接続させるようにしている。下段のヒューズ収容部31bでは、電源側の圧接端子は前記バスバーの圧接端子26aからなる。
上記ヒューズモジュール12にはヒューズ35を各ヒューズ収容部31a、31bに挿入し、ヒューズ35の一対の端子35a、35bを上記圧接端子の圧接刃33a、あるいは最下層のバスバー26の圧接端子26b内に圧入して圧接接続させている。
【0030】
また、一部のバスバー33の他端は逆方向に屈折させ、図11(D)に示すように、その先端33cをリレーモジュール13のバスバー41の端子41cと直接圧接接続させている。
【0031】
上記リレーモジュール13は、図11に示すように、絶縁基板42内にバスバー41をモールドした回路板を備え、リレー40の本体部を絶縁基板42の表面に載置し、リレー40の端子40aを絶縁基板42およびバスバー41に形成した開口42a、41aに挿入し、半田43で溶接した基板直つけタイプとしている。
上記リレー40の端子40aと溶接したバスバー41の一端側は屈折させて、その先端に圧接端子41bを形成し、該圧接端子41bを上記単芯線21に圧接接続させている。また、バスバー41の一部は前記のようにヒューズモジュール12のバスバー33と直接圧接接続させている。
【0032】
上記電子制御ユニット19は、基板50の下面に電子部品51を搭載しており、中間ケース16の四隅より突設した支柱53上に載置し、支柱53の上面と基板50とに連通させるように設けたネジ孔53a、50aにネジ54をネジこんで固定している。この状態で、電子部品51は基板50と中間ケース16との間の空間に位置される。
上記基板50にプリント印刷した導体を一端縁に並設させ、垂直方向の縦バスバー状の中継端子56の上端と上記導体とをECUコネクタを介して、またはコネクタを介さずに直接に接続すると共に、該中継端子56の下端に圧接端子を形成し、コネクタモジュール11の単芯線21と圧接接続させている。
【0033】
上記部品からなるジャンクションボックス10では、前記のように、ロアケース14上に、コネクタモジュール11、中間ケース16、電子制御ユニット19を順次配置し、電子制御ユニット19の導体を中継端子56を介してコネクタモジュール11の単芯線21と圧接接続させている。また、コネクタモジュール11の一側部にヒューズモジュール12を組みつけて、そのバスバー33の一端の圧接端子をコネクタモジュール11の単芯線21に圧接接続させ、かつ、上部にリレーモジュール13を組みつけて、そのバスバー41の圧接端子をコネクタモジュール11の単芯線21と圧接接続させている。
【0034】
上記構成からなるジャンクションボックス10では、まず、コネクタモジュール11の導体を短冊状のバスバー22と単芯線21とでクロス配線し、所要の交差位置で溶接して形成しているため、従来のようにバスバーを回路形状に対応させて金属板を打ち抜く必要はなく、よって、バスバー材となる金属板の歩留まりを大幅に改善できる。また、バスバー22と単芯線21との溶接位置を変えるだけで簡単に回路変更することができる。
【0035】
また、図15(B)に示すように、コネクタモジュール11の回路C1を両側のコネクタ7A’と7B’との接続すると共に、その間にヒューズ35と接続する場合、同様な回路C2が存在しても、コネクタモジュール11の導体を短冊形状のバスバー22で形成し、これらバスバー22を絶縁基板20を介して直交方向の単芯線21と接続し、該単芯線をヒューズ35と接続しているため、1枚の回路体で回路を形成することができ、積層数を低減して薄型化を図ることができる。
【0036】
さらに、コネクタモジュール11の導体とヒューズモジュール12およびリレーモジュール13の導体との接続は、バスバーの先端に設けた溶接部を接合して溶接する代わりに、コネクタモジュール11の単芯線21にヒューズモジュール12、リレーモジュール13のバスバーの先端に設けた圧接端子を圧接接続させている。その結果、溶接接続箇所を大幅に減らすことができ、作業性を改善することができる。
【0037】
図12は第2実施形態を示し、コネクタ収容部を設けたサイドケースを設けずに、ロアケース14’とアッパーケース15’とでケースを構成し、ロアケース14’にコネクタ収容部14a’を設けている。この場合、コネクタモジュール11’は図13に示すように、絶縁基板20よりバスバー22のタブ22aを下向きに屈折させている。
他の構成は上記第1実施形態と略同様であるため、説明を省略する。
【0038】
また、上記実施形態では、コネクタモジュールでは単芯線を用いているが、単芯線を絶縁被覆した電線を用い、該電線をバスバーとの溶接位置で皮剥ぎして使用してもよい。
さらに、ヒューズモジュール、リレーモジュールもヒューズ端子、リレー端子と接続する導体として、絶縁基板の両面にバスバーと電線とを配線したものを用いても良い。
【0039】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明のジャンクションボックスによれば、最も回路数が多く、且つ、回路変更も多いコネクタモジュールでは、導体として、電線と短冊形状のバスバーとを用いてクロス配線し、交差位置で溶接して回路を形成しているため、バスバーは短冊形状のものを使用でき、大幅なコストダウンを図ることができると共に、電線との接続位置を変えるだけで回路変更に容易に対応させることができる。
【0040】
しかも、上記絶縁基板の両面にバスバーと電線とを配置するコネクタモジュールの回路体は、バスバーを固着した後に絶縁基板を一列に揃えた状態とすることで、電線を連続して配線でき、作業性も向上させることができる。
【0041】
さらにまた、コネクタモジュールとヒューズモジュール、リレーモジュールの導体間接続をバスバーの溶接部を溶接する代わりに、圧接端子による電線への圧接で行うと、溶接箇所を大幅に低減でき、この点からも作業性を高めることができる。
【0042】
また、コネクタ接続用のバスバーと、ヒューズ接続用およびリレー接続用のバスバーを分割させているため、コネクタ、ヒューズ、リレーに接続するためのタブが別の位置となって重ならず、その結果、タブを設けるためにバスバーの積層数を増加させる必要がなくなり、ジャンクションボックスの薄型化を図ることができる。
さらに、コネクタモジュール、ヒューズモジュール、リレーモジュールのいずれかが仕様変更になると、該当するモジュールのみを変更すれはよく、ジャンクションボックスの全体的な構成を変更する必要がないため、迅速かつ安価に仕様変更に対応させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態のジャンクションボックスの概略分解斜視図である。
【図2】 ジャンクションボックスを組み立てた状態での断面図である。
【図3】 図2のIII−III線断面図である。
【図4】 (A)は図2のIV−IV線断面図、(B)は最下層のバスバーを示す平面図である。
【図5】 コネクタモジュールを示し、(A)は概略斜視図、(B)は要部拡大断面図である。
【図6】 コネクタモジュール全体の概略断面図である。
【図7】 コネクタモジュールの形成方法を示す説明図である。
【図8】 ジャンクションボックスのヒューズモジュール取付側の側面図である。
【図9】 (A)はヒューズモジュール取付部の部分断面図、(B)は概略分解斜視図である。
【図10】 リレーモジュール取付部分を示す平面図である。
【図11】 (A)はリレーモジュール取付部分の断面図、(B)はリレーモジュールにおけるリレーとバスバーの接続状態を示す概略断面図、(C)はリレーモジュールのバスバーと電線との接続状態を示す斜視図、(D)はリレーモジュールのバスバーとヒューズモジュールのバスバーとの接続状態を示す斜視図である。
【図12】 第2実施形態のジャンクションボックスを示し、(A)は底面図、(B)は断面図である。
【図13】 第2実施形態のコネクタモジュールの形成方法を示す斜視図である。
【図14】 従来のジャンクションボックスの分解斜視図である。
【図15】 (A)(B)は従来例と本発明とを比較して示す説明図である。
【符号の説明】
10 ジャンクションボックス
11 コネクタモジュール
12 ヒューズモジュール
13 リレーモジュール
14 ロアケース
15 アッパーケース
16 中間ケース
17,18 サイドケース
19 電子制御ユニット
20 絶縁基板
21 単芯線
22 バスバー
33、41 バスバー
35 ヒューズ
40 リレー
100(100A〜100C) 回路体

Claims (3)

  1. 自動車に搭載されるジャンクションボックスのケース内に設ける内部回路の導体を、コネクタに接続されるコネクタ接続用の導体、ヒューズに接続されるヒューズ接続用の導体、リレーに接続されるリレー接続用の導体に分割して、これら導体を夫々別の絶縁基板に設けた回路板を設け、コネクタ接続用の回路板を備えたコネクタモジュール、ヒューズ接続用の回路板を備えたヒューズモジュール、リレー接続用の回路板を備えたリレーモジュールを設け、
    上記コネクタモジュールの回路板の導体に、ヒューズモジュールの回路板の導体、リレーモジュールの回路板の導体を接続するジャンクションボックスにおいて、
    上記ジャンクションボックスのケース内部の中央に上記コネクタモジュールを配置し、該コネクタモジュールの導体は、上記絶縁基板の一面に平行配線した電線と、該絶縁基板の他面に上記電線と直交方向に平行配線する短冊状のバスバーとから構成し、これらクロス配線される電線とバスバーとを所要交差位置で、上記絶縁基板に形成した開口を通して電気接続して所要の回路を構成しており、
    上記バスバーの両端より突設したタブをサイドケースに設けたコネクタ収容部に突出させて、コネクタを側面嵌合とし、
    かつ、該コネクタモジュールの一側部に上記ヒューズモジュールを配置し、ヒューズモジュールのヒューズ取付面と前記コネクタの嵌合面直交させると共に、該ヒューズモジュールの配置側のコネクタモジュールの上部に上記リレーモジュールを配置していることを特徴とするジャンクションボックス。
  2. 上記コネクタモジュールでは、上記電線を銅単芯線(裸線)とし、該銅単芯線と上記バスバーとの交差位置では、上記絶縁基板の開口を通して抵抗溶接あるいは半田溶接した上記回路板を備え、該回路板を絶縁板を介して複数積層している請求項1に記載のジャンクションボックス。
  3. 請求項2に記載のジャンクションボックスにおいて、上記コネクタモジュールは、上記絶縁基板の一面にバスバーを加締め固着した後、これら絶縁基板を一列に並べた状態で、上記電線を複数の絶縁基板の他面に連続的に配線し、
    ついで、上記絶縁基板の開口を通してバスバーと電線とを溶接接続し、
    その後、上記絶縁基板の間の電線群を屈曲させて、絶縁基板を上下に配置して積層し、上記連続布線した電線の非導通部分を切除して形成しているジャンクションボックスの形成方法。
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