JP3679480B2 - Secam判別回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、TV放送方式の自動判別を行うSECAM判別回路に関するもので、特に家庭用VTRに内蔵されるSECAM判別回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヨーロッパではPAL方式、SECAM方式などの複数のTV放送方式が存在し、それに対応したVTRテープが存在している。そこで、ヨーロッパの家庭用VTRでは、その各方式に対応した再生装置が要求される。また、再生されている信号が、いずれの放送方式であるかを自動判別し、その判別結果に従いPALの再生回路を動作させるのか、SECAMの再生回路を動作させるのかを定める。
【0003】
ところで、SECAM信号をPAL方式に類似した方式で記録したテープを簡易的に再生するMESECAMと呼ばれるVTRの記録・再生方式が知られている。これは、SECAMの信号処理回路は、素子数等が多く必要となるので、本来SECAMの信号をPALに類似した再生回路で簡易的に再生するものである。そのため、放送信号としては存在しない。
【0004】
このようにMESECAM、SECAM及びPALの3つの再生信号を判別する必要がある。この3つの信号の識別には、再生クロマ信号中のアイデント信号(バースト信号に相当)の周波数の違いを用いる。表1は、前記周波数を示す。
表1
SECAM・・・・4.40625MHZと4.25MHZ
MESECAM・・2.6MHZと3.2MHZ
PAL・・・・・・2.5MHZ
そこで、従来は図2の如き方法で判別を行っていた。図2の端子(1)には磁気テープからの再生映像信号が印加され、低域クロマ抽出回路(2)で低い周波数に低域変換されたクロマ(色)信号が抽出される。抽出された低域クロマ信号は、PAL信号処理回路(3)、MESECAM信号処理回路(4)及びSECAM信号処理回路(5)に印加される。
【0005】
尚、PAL信号処理回路(3)とMESECAM信号処理回路(4)とは回路の兼用が行われている。又、4逓倍回路(6)は、入力信号の周波数を4倍するものであり、SECAM信号処理の一部である。
4逓倍回路(6)で周波数が4倍にされたクロマ信号は、SECAM信号処理回路(5)で必要な処理が施された後、出力端子(7)に導出される。該出力端子(7)の信号の一部がSECAM判別回路(8)に印加される。SECAM判別回路(8)は、1水平周期で到来するアイデント信号の周波数の違いを見ることにより判別を行っている。そして、SECAM判別回路(8)は、現在到来している信号が、SECAM信号であるか否かの判別のみを行い、その旨を示す制御信号をPAL信号処理回路(3)、MESECAM信号処理回路(4)及びSECAM信号処理回路(5)に印加する。
【0006】
従って、図2の回路によれば、SECAM信号の到来の有無を判別でき、図示されていない、他の方式の判別回路とともに用いて3方式の判別が可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図2の回路では、正確にSECAM信号判別を行うのが難しい、という問題があった。
図3は、図2のSECAM判別回路(8)に内蔵される位相検波器の入力信号周波数と出力信号レベルとの特性図を示す。前記位相検波器は、4.40625MHZと4.25MHZのアイデント信号を持つSECAM信号が到来するときに併せて作られる。その為、SECAM信号の周波数が到来するときに図3に示すように電圧差V1が得られる。これに対して、入力信号周波数の低いMESECAMの信号では、電圧差V2が得られる。
【0008】
ここで、通常ならば、電圧差V1と電圧差V2との差が存在するので、両者を区別することができる。ところが、図3の実線で示す特性カーブが変動したりすると、電圧差V2は容易に大きくなってしまう。すると、電圧差V1との識別ができなくなり、誤判別を起こしてしまうという問題があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされ、SECAM放送方式であるかそれ以外の放送方式であるかを判別するSECAM判別回路であり、記録媒体からの低域変換クロマ信号を周波数逓倍する周波数逓倍回路と、該周波数逓倍回路からのクロマ信号を位相検波する位相検波部と該位相検波部の出力信号に応じてコンデンサの充放電を行う出力部とを備える位相検波器と、該位相検波器のコンデンサの電圧が所定値から低下しないようにするリミッタとを備え、前記位相検波器から到来するアイデント信号を1水平周期前後にてレベル比較してSECAM判別を行うことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のSECAM判別回路の実施の形態を示すもので、(9)は表1に示すMESECAM、SECAM及びPALの3つの再生信号が印加される入力端子、(10)は90度位相シフト回路、(11)はSECAM信号の2つのアイデント信号の周波数の中心の周波数4.3MHZを抽出するBPF、(12)はアイデント信号を位相検波する位相検波部(13)と該位相検波部(13)の出力信号に応じてコンデンサ(14)の充放電を行う出力部(15)とを備える位相検波器、(16)は位相検波器(12)のコンデンサ(14)の初期値電圧を設定する電圧設定回路、(17)は電圧設定回路(16)の基準電源(18)の基準電圧に基づき前記位相検波器(12)のコンデンサ(14)の電圧が所定値から低下しないようにするリミッタとして動作するトランジスタ、(19)(20)はコンデンサ(14)の出力電圧をサンプルホールドするサンプルホールド回路、及び(21)はサンプルホールド回路(19)(20)の2つの出力信号の差電圧の絶対値を取る絶対値検出回路である。
【0011】
入力端子(9)からのアイデント信号は、90度位相シフト回路(10)及びBPF(11)を介して位相検波部(13)に印加されるとともに、入力端子(9)から直接に位相検波部(13)に印加される。位相検波部(13)は、位相比較を行い、その位相差に応じて出力部(15)を構成する可変電流源(22)(23)の電流値を変化させる。すると、その変化に応じてコンデンサ(14)の出力電圧が変化して検波が行われる。コンデンサ(14)は、電圧設定回路(16)により電圧VRに充電される。このため、コンデンサ(14)は、電圧VRを中心に上下に変化する。
【0012】
ここで、本発明ではコンデンサ(14)の電圧が所定値から低下しないようにするリミッタとして動作するトランジスタ(17)が設けられている。そして、前記所定値を図3の電圧VLと設定すると、図3の実線のカーブは、電圧VL以下では一点鎖線の変化を示す。すると、図3に示すMESECAM信号やPAL信号が到来した場合には全て電圧VLが出力される。この為、MESECAM信号の1水平期間前後ではレベル差がないと判別される。
【0013】
それに対して、SECAM信号の到来時には、1水平期間前後でレベル差が明確に表れる。
その結果、到来している信号がSECAM信号であるか、それ以外のものであるかの判別を正確に行える。
一方、コンデンサ(14)の出力信号は、サンプルホールド回路(19)(20)に印加される。サンプルホールド回路(19)(20)には、端子(24)(25)からサンプルホールド用の信号fH1及びfH2が図1のタイミングで印加される。そのため、サンプルホールド回路(19)(20)の出力端にはアイデント信号が1Hおきにサンプルホールドされたものが得られる。そして、サンプルホールド回路(19)(20)の出力信号は、絶対値検出回路(21)で両者の絶対値の差が検出される。
【0014】
従って、到来している信号がSECAM信号であれば、ある電圧が発生し、SECAM信号以外であれば、ゼロが発生する。
【0015】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明によれば、クロマ信号を位相検波する位相検波部のコンデンサの電圧が所定値から変化しないようにリミッタを設けているので、MESECAM信号の1水平期間前後ではレベル差がないと判別される。その為、MESECAM信号がSECAM信号と誤判別されることがなくなり、SECAM信号を正確に判別できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のSECAM判別回路を示すブロック図である。
【図2】従来のSECAM判別回路を有するVTR再生装置を示すブロック図である。
【図3】図1及び図2の説明に供するための特性図である。
【符号の説明】
( 6) 4逓倍回路
(13) 位相検波部
(15) 出力部
(17) トランジスタ
Claims (2)
- SECAM放送方式であるかそれ以外の放送方式であるかを判別するSECAM判別回路であり、
記録媒体からの低域変換クロマ信号を周波数逓倍する周波数逓倍回路と、
該周波数逓倍回路からのクロマ信号を位相検波する位相検波部と該位相検波部の出力信号に応じてコンデンサの充放電を行う出力部とを備える位相検波器と、
該位相検波器のコンデンサの電圧が所定値から低下しないようにするリミッタとを備え、前記位相検波器から到来するアイデント信号を1水平周期前後にてレベル比較してSECAM判別を行うことを特徴とするSECAM判別回路。 - SECAM放送方式であるかそれ以外の放送方式であるかを判別するSECAM判別回路であり、
記録媒体からの低域変換クロマ信号を周波数逓倍する周波数逓倍回路と、
該周波数逓倍回路からのクロマ信号を位相検波する位相検波部と該位相検波部の出力信号に応じてコンデンサの充放電を行う出力部とを備える位相検波器と、
該位相検波器のコンデンサの初期値電圧を設定する電圧設定回路と、
該電圧設定回路の基準電圧に基づき前記位相検波器のコンデンサの電圧が所定値から低下しないようにするリミッタとを備え、前記コンデンサの電圧の変化が所定周期で起きるか否かにより放送方式の判別を行うことを特徴とするSECAM判別回路。
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JPH09168162A JPH09168162A (ja) | 1997-06-24 |
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