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JP3678404B2 - 映像情報処理装置 - Google Patents

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JP3678404B2 JP2000139253A JP2000139253A JP3678404B2 JP 3678404 B2 JP3678404 B2 JP 3678404B2 JP 2000139253 A JP2000139253 A JP 2000139253A JP 2000139253 A JP2000139253 A JP 2000139253A JP 3678404 B2 JP3678404 B2 JP 3678404B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被写体の識別情報をもとに映像を処理する映像情報処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、赤外線やギガヘルツの周波数帯域を用いたワイアレス情報送受信方法が一般的に用いられており、テレビやビデオデッキ、無線LANなどに広く応用されている。また、Bluetooth という近距離無線の規格も出来つつある。
【0003】
一方、映像を印画紙上の化学反応で記録するのではなく、CCD等の固体撮像素子が取り込んだ映像データを電子メモリ素子に記録するディジタルカメラも広く用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、業務や趣味として写真撮影を行う場合、その撮影枚数が多くなればなるほど後日の整理に手間がかかり、日数を経てしまうと映像の内容を確認するためには、その映像そのものを閲覧しなければ判断できないという問題がある。一方、1枚の映像中に興味ある被写体が複数ある場合、それぞれに注釈を加える方法が提案されている(特開平6−343146号公報)が、その作業にも多少の手間がかかる。
【0005】
また、従来の監視カメラはカメラ映像を人間が目視で見張って救助の要否を判断しており、被写体の側から自発的に、かつ他人に知られずに救助を要請することは不可能であったために、通報すれば危害を加えるという脅迫を受けている被害者は、監視カメラの前にありながら加害者に知られずに通報することができなかった。
【0006】
さらに、カメラによる写真撮影に不慣れな利用者は、複数の被写体を撮影範囲におさめるのに困難を感じることもある。また、写真撮影を行う際には、撮影と無関係な被写体の中に、撮影されることを好まないものが存在することもあり、プライバシーと関連して問題となる。
【0007】
本発明は斯かる実情に鑑み、上記のような映像整理を容易に実現できるようなカメラを実現すること、および映像にその説明となる情報を多重化して記録するカメラを実現すること、また、周囲の人間に知られることなく被写体の意思を伝達する機能を持つカメラを実現すること、さらに、所望の被写体が確実に撮影範囲に入っていることを容易に確認できるカメラを実現することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、映像を入力するための入力手段と、点滅光源による点滅パターンに対応する識別情報を記憶してなる記憶手段と、この記憶手段に記憶された識別情報をもとに、前記入力手段によって入力された映像内で点滅する光源の点滅パターンに対応する識別情報に変換するための点滅情報変換手段と、この点滅情報変換手段によって変換された識別情報を、入力された前記映像とともに出力するための出力手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
これにより識別情報がURLの場合、後日、その写真内の被写体をコンピュータ画面内でクリックすることにより、被写体に応じたインターネット・ページを表示することができる「クリッカブル・イメージ(clickable image )」を自動作成でき、撮影と別に映像に情報を付加する手間が省略される。
【0010】
また、映像を入力するための入力手段と、点滅光源による点滅パターンに対応する識別情報を記憶してなる記憶手段と、この記憶手段に記憶された識別情報をもとに、前記入力手段によって入力された映像内で点滅する光源の点滅パターンに対応する識別情報に変換するための点滅情報変換手段と、この点滅情報変換手段によって変換された識別情報を、入力された前記映像とともに出力するための出力手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
これにより、被写体が発する識別情報が「写真撮影を好まない」というものである場合には画面の一部または全部を修正する。これにより写真撮影を好まない被写体のプライバシーを守ることができる。撮影は許容するが、自分が映った写真を後日送付してほしい場合や、自分が映ったことによって課金を行いたい場合なども、本発明の映像情報処理装置を用いて実現できる。
【0012】
さらに、映像を入力するための入力手段と、点滅光源による点滅パターンに対応する識別情報を記憶してなる記憶手段と、この記憶手段に記憶された識別情報をもとに、前記入力手段によって入力された映像内で点滅する光源の点滅パターンに対応する識別情報に変換するための点滅情報変換手段と、この点滅情報変換手段によって変換された識別情報に応じて、あらかじめ設定されたメッセージを出力するためのメッセージ出力手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
これにより、「SOS」を意味する識別情報を発する被写体が撮影範囲にある場合には、救助機関や警察などに自動的に通報する。これにより銀行のATM(現金自動預出機)やコンビニエンス・ストア、市街地などに設置されている防犯カメラがSOS(救助要請)識別情報を読み取れば、発信源の脅威の原因(強盗や痴漢など)に察知されることなく救助機関に自動通報することができる。
【0014】
さらに、映像を入力するための入力手段と、点滅光源による点滅パターンに対応する識別情報を記憶してなる記憶手段と、この記憶手段に記憶された識別情報をもとに、前記入力手段によって入力された映像内で点滅する光源の点滅パターンに対応する識別情報に変換するための点滅情報変換手段と、前記映像内での点滅光源の位置を検出するための位置検出手段と、検出すべき被写体を示す識別情報を記憶してなる被写体記憶手段と、前記点滅情報変換手段によって変換された識別情報であって、前記被写体記憶手段に記憶された識別情報を有する被写体の位置を、前記位置検出手段によって検出された点滅光源の位置をもとに検出する被写体検出手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
これにより、本発明の映像情報処理装置にあらかじめ撮影したい(したくない)被写体が発する識別情報を登録しておけば、撮影したい(したくない)被写体が撮影範囲に入っているか否かをカメラが感知し、撮影範囲に入っていない(入っている)場合には、そのことを撮影者に伝える。あるいは、撮影したい(したくない)被写体が撮影範囲に入ったときに(出たときに)自動的に撮影を行う。これにより写真撮影に不慣れな撮影者が写真を撮影する場合にも、目的の被写体を正しくフレーム内におさめた写真を簡単に撮影することができる。
【0016】
また、被写体の識別情報をもとに映像を処理する映像処理装置に対し、被写体ごとの識別情報を発信するための発信装置であって、被写体の識別情報を示す点滅パターンを記憶してなる点滅パターン記憶手段と、この点滅パターン記憶手段に記憶された点滅パターンを所定のタイミングで発光するための発光手段とを有することを特徴とする。この発信機により、映像処理装置に対し識別情報を発信することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。本発明の映像情報処理装置について、図面に即して説明する。なお、以下では便宜的にカメラと表現することもあるが、本発明の映像情報処理装置の形態は、必ずしも写真カメラと一体になったものに限定されない。例えば、カメラがパーソナル・コンピュータに接続されており、識別情報の読み取りなどの計算処理をパーソナル・コンピュータ側で行ってもよいし、カメラが撮影映像を無線または有線通信で遠隔地に送信する機能を持っており、映像を受信したパーソナル・コンピュータなどで識別情報の読み取りなどの計算処理を行ってもよい。
【0018】
図1は本発明の第1の実施例の構成を示す図である。映像情報はカメラのCCD等の入力部101から入力され、処理用映像と表示・記録用映像に分けられる。この時点における処理用映像と表示・記録用映像の内容は同一のものである。
【0019】
処理用映像は、点滅情報変換部104に送られる。点滅情報変換部104では、図2のフローチャートにあるように、数秒分の映像をもとに、点滅情報変換部104は映像中に所定の規則に則した点滅を行う光源があるかどうかを判定する(S301)。
【0020】
なお、所定の規則とは、例えばテレビジョン受像機やビデオテーププレイヤー、あるいはエアコンといった家電製品を遠隔操作するための赤外線リモコンや、ノート型パーソナル・コンピュータ同士、あるいはノート型パーソナル・コンピュータとプリンターなどとの間を無線で情報交換を行うIrDA(Infrared Data Association )プロトコルでもいいし、それ以外の規則でもよい。
【0021】
ここでは、点滅の有無を識別する方法を限定するものではないが、点滅を見つけるもっとも簡単な例としては、映像に含まれる全画素の輝度を合計し、数フレームにわたってその合計値の変化を観察するという方法がある。例えば、ある時点から3フレームの全画素の輝度の合計値が39321600であり、その次の3フレームの輝度の合計値は39322112、さらに次の3フレームの輝度の合計値が39321600に戻るという場合、もしカメラアングルが変わらず、ズームもなく画面に動く物体がないような状況(例えば無人エリアの監視カメラ)であれば、画面の一部の画素が点滅していると推察される。
【0022】
また、他の認識例としては、点滅画素を探索するウィンドウ(画面の一部)を限定し、そのエリア内で上述の技術と同様に点滅を判定してもよい。また、点滅画素が画面内を移動しているような場合には、そのエリア自身を点滅している物体の移動に追従させてもよい。この場合の追従方法としては、オプティカルフローを用いた前後の映像フレームでの部分マッチング方法などを用いるのが一般的である。
【0023】
このようにして所定の規則に則した点滅を行う光源が見つかった場合、点滅情報変換部104は、変換辞書103をもとに、点滅パターンから識別情報に変換する(S302)。図3に変換辞書による記憶例を示すが、例えば点灯を1、消灯を0で表し、光源が0.1秒ごとに「10010110」という点滅パターンを持っていた場合には、「150」という数字を意味し、同様に「0100100001100101011011000110110001101111」という点滅パターンの場合には「Hello」という文字列を意味するなどである。
【0024】
このようにして変換された識別情報は、表示・記録用映像とともに、あるいは別々に関連情報出力部106に送られ、表示・記録用映像に多重化される(S303)。ここで、多重化とは映像に関連付けて復元できる形で格納することである。処理すべき映像が終わると終了し、処理すべき映像があると再度、S301の処理に戻る(S304)。
【0025】
図4をもとに、点滅パターンの検出と、識別情報と映像を多重化する例を説明する。ここでカメラで撮像した映像201の中には、点滅光源202が二箇所存在する。点滅パターンから識別情報を復号した結果、一方が「(T)Kendall Station, Cambridge 」という識別情報を、他方が「Food Court, Open Hours 8am-7pm」という識別情報を発信していることが分かったとする。どちらの光源がどちらの識別情報を発信しているかについては、ここでは特定しない。
【0026】
識別情報と映像の多重化の例として音声を用いる方法がある。つまり、映像201を動画として記録し、その音声トラックに識別情報203を音声として記録する方法である。その他の例としては、映像のディジタルファイル中に識別情報203を含める方法がある。例えばJPEG(Joint Photographic Coding Experts Group)をはじめとする静止画像、MPEG(Moving Picture Experts Group)をはじめとする動画像のディジタルデータ形式には、付加情報を記録するための領域を設けることができる。この付加情報領域に、識別情報を記録してもよい。また、映像は映像ファイルとして、識別情報はテキストファイルとして出力してもよい。このようにして識別情報を関連付けて出力された映像は、以下のように利用できる。
【0027】
例えば、観光地において史跡を撮影した写真中に、上に示した所定の規則に則した点滅をする光源があり、点滅によって史跡の解説を行っていれば、後日、その写真を閲覧すると、識別情報として記録されていた史跡の解説文を表示させたり、音声で聴いたりすることができる。識別情報としてインターネット上の情報アクセスの場所を示すURL(Uniform Resource Locator。インターネット上で情報源の所在地を示す英数字記号列)が用いられていた場合、撮影された写真をコンピュータ上で閲覧する際に、インターネット経由でより詳細な情報を得ることもできる。
【0028】
また、撮影した映像および識別情報は必ずしも記録・蓄積しなくてもよい。小型カメラを身につけて生活するウェアラブル・コンピュータ・システムの場合、店の看板が発する「今から15分間、牛乳30%引き」という識別情報をカメラが受信すると、そのことを表示や音声で利用者(装着者)に提示するという例も考えられる。
【0029】
以上のように関連情報出力部106から識別情報が多重化された映像データは出力され、記憶媒体(図示しない)に記録されたり、別の処理装置(図示しない)に送られたりする。
【0030】
図5は本発明の映像情報処理装置の第2の実施例の構成を示す説明図である。図5における入力部401、変換辞書403、点滅情報変換部404、関連情報出力部406は、それぞれ図1の入力部101、変換辞書103、点滅情報変換部104、関連情報出力部106と同じである。本発明の第2の映像情報処理装置においては、本発明の第1の映像情報処理装置に加え位置検出部409を備えることを特徴とする。
【0031】
図6は、この手順を示したフローチャートである。入力部401より入力された映像は、表示・記録用と点滅検査用、そして点滅位置観測用に分けられる。これら3つの映像の内容は同一である。第1の実施例と同様に、点滅情報変換部404は映像中に所定の規則に則した点滅を行う光源があるかどうかを判定する(S601)。そして、変換辞書403をもとに、点滅パターンから識別情報に変換する(S602)。
【0032】
位置検出部409は、点滅情報変換部404が識別情報に変換した点滅パターンが、映像中のどの位置にある画素から発信されているかを計算し(S603)、点滅パターンから変換された識別情報と位置情報を関連情報出力部406に送る。関連情報出力部406では、第1の実施例と同様に映像に位置付きの識別情報を多重化して出力する(S604)。処理すべき映像が終わると終了し、処理すべき映像があると再度、S601の処理に戻る(S605)。
【0033】
なお、S603の映像中で点滅光源の位置を計算する方法の一例としては、本発明の第1の実施例に述べたように、オプティカルフローを利用したオブジェクト追跡手法が一般的であるが、本発明では位置計算の方法をこれに限定するものではない。
【0034】
図7では、このようにして位置を特定して上で識別情報が多重化記録された場合の活用例を示している。映像501内に2箇所の点滅光源502が存在しており、入口ドアの上に取り付けられた点滅光源は「Food Court, Open Hours 8am-7pm」というパターンで点滅しており、脇の壁面に取り付けられた光源は「Kendall Station, Cambridge」という点滅パターンを発している。
【0035】
ここでは、それぞれの点滅光源の位置情報を含んでいるので、それぞれの光源502に近い位置に「ふきだし」503として表示することができるようになっている。このような映像を利用する場合、第1の実施例に加えて以下のような効果がある。
【0036】
例えば、観光地において史跡を撮影した写真中に、上で示した所定の規則に則した点滅をする光源があり、点滅によって史跡各部(寺社、碑、植物など)の解説を行っていれば、後日、その写真を閲覧する際に興味ある被写体を指示すると、識別情報として記録されていた史跡各部の解説文を表示させたり、音声で聴いたりすることができる。識別情報としてインターネット上の情報アクセスの場所を示すURLが用いられていた場合、撮影された写真をコンピュータ上で閲覧する際に、被写体ごとにインターネット経由でより詳細な情報を得ることもできる(クリッカブル・イメージ)。
【0037】
また、撮影した映像および識別情報は必ずしも記録・蓄積しなくてもよい。小型カメラを身につけ、メガネ状のディスプレイを身につけて生活するウェアラブル・コンピュータ・システムの場合、カメラ視野にある店の看板が発する「今から15分間、牛乳30%引き」という識別情報をカメラが受信すると、ディスプレイ内においてどの店が牛乳の安売りをしているのかを直感的に理解できる方法で提示することができる。
【0038】
図8は本発明の映像情報処理装置の第3の実施例の構成を示す説明図である。図8における入力部701、変換辞書703、点滅情報変換部704は、それぞれ図1の入力部101、変換辞書103、点滅情報変換部104と同じであるが、関連情報出力部106に代わり映像加工部706を有する構成になっている。図9は本発明の第3の実施例を説明するためのフローチャートである。
【0039】
第1の実施例と同様に、入力部701から入力した映像に対し、点滅情報変換部404は映像中に所定の規則に則した点滅を行う光源があるかどうかを判定する(S901)。そして、変換辞書703をもとに、点滅パターンから識別情報に変換する(S902)。
【0040】
点滅情報変換部704から送られてくる識別情報が映像加工を要求するものであった場合(S903)、映像加工部706は映像加工を施して出力する(S904)。処理すべき映像が終わると終了し、処理すべき映像があると再度、S901の処理に戻る(S905)。
【0041】
図10では、このようにして位置を特定して上で識別情報が多重化記録された場合の活用例を示している。例えば映像801中の被写体803に「撮影禁止」という識別情報を発信するタグ802がある場合、映像加工部706は映像全面を黒く塗りつぶしたり、撮影禁止であることを示す文字や記号を映像中に書き加えたりして出力する。
【0042】
本発明の第2の映像情報処理装置のように、映像中でどのタグ(点滅光源)がどの識別情報を発信しているかを知る手段がある場合には、「私を撮影しないで」という識別情報を発信している被写体803だけについて、画面内で黒く塗りつぶしたり「ぼかし」や「モザイク」という加工(マスクされた被写体)を施した映像804を出力する。
【0043】
映像中では点のように見えるタグの位置から、それを身につけている人物の領域を計算する方法としては、例えば映像を細かいメッシュ状に分割し、映像各部の動きベクトル(現在の画面と次の画面で、メッシュ状の各部がどこに移動したかというベクトル)を計算した上で、背景と異なる動きベクトルを持っている部分を一つの被写体領域としてとらえる方法や、タグのある部分(被写体の体の一部など)から領域を拡張していき、色相ヒストグラムなどが大幅に変化する部分までを被写体とする方法などがある。これらの方法はオブジェクト切り出し技術と呼ばれ、様々な方法が提案されているが、本発明はどのオブジェクト切り出し技術を用いるかということには依存しない。
【0044】
また、オブジェクト切り出しを行わなくても、「タグの周辺・半径20ピクセル」などのように、規定の面積の領域を自動的に修正するという方法でもよい。さらに、被写体が発する識別情報は「撮影禁止」というものに限定されない。例えば、被写体が氏名やURLなどを発信している場合には、写真内でそのタグが映っている場所、またはそのタグを身につけている被写体の付近に、その名前やURLなどを書き込むという映像加工を映像加工部706でおこなってもよい。
【0045】
図11は、本発明の映像情報処理装置の第4の実施例の構成を示す図である。図11における入力部1001、変換辞書1003、点滅情報変換部1004は、それぞれ図1の入力部101、変換辞書103、点滅情報変換部104と同じであるが、関連情報出力部106に代わりメッセージ出力部1006を有する構成になっている。また、図12は本発明の第4の実施例の手順を示すフローチャートである。
【0046】
例えば、銀行のATM機、またはATM機が設置されている部屋に取り付けられたカメラが本発明の入力部1001であり、「SOS(救助要請)」信号を発する被写体がそのカメラの視野内に入ったとする。第1の実施例と同様に、入力部1001から入力した映像に対し、点滅情報変換部1004は映像中に所定の規則に則した点滅を行う光源があるかどうかを判定する(S1201)。そして、変換辞書1003をもとに、点滅パターンから識別情報に変換する(S1202)。
【0047】
点滅情報変換部1004から送られてくる識別情報がメッセージ出力を要求するものであった場合(S1203)、メッセージ出力部1006はメッセージを出力する(S1204)。処理すべき映像が終わると終了し、処理すべき映像があると再度、S1201の処理に戻る(S1205)。
【0048】
図13には、この例を示すための映像を示す。カメラが捕らえた映像1101には、ATM機の近くに立つ人物1102が映っているが、その後ろには人物1102に脅威を与えている強盗1104が存在している。なお、強盗1104がカメラの捕らえた映像範囲内にいる必要はない。
【0049】
人物1102は、自分が脅迫されていることを通報したいが、通報することによって自分に危害が加わることを避けるために、通報は強盗1104に気づかれずに行いたい。そこで、自分が身につけている点滅光源(タグ)1103からSOS信号を発信するように設定する。
【0050】
このSOS信号は赤外線LEDの点滅によるため、強盗1104は目視では気づかれない。したがって、強盗1104に気づかれずに救助要請の意思表示を行うことができる。
【0051】
光源1103が発するSOS信号は、識別信号として本発明の入力部1001に入力され、点滅情報変換部1004で復号されたSOS信号がメッセージ出力部1006に送られる。メッセージ出力部1006は、SOS信号を受信したことを受けて、救助機関にその旨を伝達する。救助機関への伝達方法は、電話、インターネット、専用の通報回線など、様々であり、いかなる方法でもよい。また、SOS信号のみではなく、撮影した映像を添えて救助機関に送信すれば、救助機関では現場の状況をより詳細に知ることができる。
【0052】
また、第2の実施例で説明したように、映像中のどの被写体がSOS信号を発しているかを感知する場合には、この映像と位置情報を添えてSOS信号を救助機関に送信することにより、救助の対象者を、脅威の対象(例えば強盗や痴漢)に知られることなく特定することができる。
【0053】
さらに、本発明の適用は緊急時に限定しない。ATM機の例でいうならば、体の不自由な人が、自分の体が不自由であることを示す識別情報を発信するタグを身につけている場合、ATM機の前に介助の必要なお客様が来たことを銀行のスタッフに通報することも可能になる。また、駅などの公共の場面では、体の不自由な人が改札機に差し掛かったときには自動的に最寄りの改札機を開放にしたり、駅員が介助に行くように通報することも可能である。本発明の特徴は、監視カメラがある環境においては、その監視カメラを本発明の映像情報処理装置に置きかえれば、新たに無線受信機を設置しなくても、発信された識別情報を受信することができることにある。
【0054】
図14は、本発明の映像情報処理方法または装置の第5の実施例の構成を示す図である。図14における入力部1301、変換辞書1303、点滅情報変換部1304、位置検出部1309は、それぞれ図5の入力部401、変換辞書403、点滅情報変換部404と同じであるが、関連情報出力部406に代わり被写体検出部1306を有する構成になっている。
【0055】
また、図15は本発明の第5の実施例の手順を示すフローチャートである。この映像情報処理装置においては、カメラが撮影する映像範囲内に存在することが予定されている光源が撮影視野内に存在しない場合にはそれを撮影者に通知する。
【0056】
第2の実施例と同様に、点滅情報変換部1304は映像中に所定の規則に則した点滅を行う光源があるかどうかを判定する(S1601)。そして、変換辞書1303をもとに、点滅パターンから識別情報に変換する(S1602)。
【0057】
位置検出部1309は、点滅情報変換部1304が識別情報に変換した点滅パターンが、映像中のどの位置にある画素から発信されているかを計算し(S1603)、点滅パターンから変換された識別情報と位置情報を被写体検出部部1306に送る。被写体検出部1306では、予め登録された識別情報が読み取れたか判断する(S1604)。
【0058】
S1604の処理で、登録された識別情報が読み取れなかった場合、被写体検出部は被写体がすべてフレーム内にいないことを出力する(S1605)。処理すべき映像が終わると終了し、処理すべき映像があると再度、S1601の処理に戻る(S1606)。
【0059】
例えば、本発明の映像情報処理機能を有するカメラを持って4人の友人とともに旅行するとする。友人4人が点滅光源である赤外線IDタグ(赤外線で固有の識別情報を発信する装置)を身につけて行動し、その4つのIDタグの番号が既知である場合、その4番号をカメラにあらかじめ記憶させておくものとする。以下、図16をもとに説明する。
【0060】
図16には被写体となるべき人物1402、1404、1406、1408が描かれている。各人物はそれぞれ赤外線IDタグ1403、1405、1407、1409を身につけている。被写体検出部1306は、被写体としてこの4つの番号を記憶している。
【0061】
ここで、写真を撮影しようとする際、撮影に先駆けて撮影視野内に4つのタグが映っているかどうかをチェックする。すなわち、撮影領域1401内の点滅情報を点滅情報変換部1304において復号した結果、図16では「1403」「1405」「1407」だけが受信されたことが分かる。この例では赤外線タグが映像中のどの位置にいるかは関知しなくてよいので、位置検出部1309は、復号された識別情報つまり上記3つの番号だけを識別情報として出力する。位置を利用した例は後述する。
【0062】
被写体検出部1306は、あらかじめ記憶されている4つの番号と比較し、撮影領域1401の中で3つの番号しか受信できなかったことを検出する。そこで、本発明の映像情報処理装置は、カメラのファインダー内の警告表示、または警告音や音声による警告メッセージ、あるいはバイブレーターなどを用いて、全員が撮影視野内にないことを撮影者に対して通知する。これにより、撮影者は同行した友人3人が必ず写真に映るようにすることが容易になる。
【0063】
上記の説明では、本発明の映像情報処理装置が映像範囲内に存在することが予想されている光源の有無だけを判断したが、撮影視野内に警告領域を設け、その警告領域に光源がある場合に同様の警告表示または音声を提示することもできる。図17では、外側の実線枠1501が撮影領域を示し、内側の点線枠1502と撮影領域との間を警告領域とした例である。
【0064】
例えば、この警告領域に光源が映っている場合には「その光源をもつ被写体は、撮影した際に画面から切れる恐れがある」旨を警告することができる。上記の方法を逆に利用すれば、同行した友人4人が撮影視野内にある場合にそれを伝える表示または音声提示を行い、(4人全員を写真におさめるという)目的に対する準備が整ったことを利用者に伝えることもできる。
【0065】
また、上記で説明した警告領域を領域B、それ以外の撮影視野の映像領域(点線枠1502の内側)を領域Aと表現する場合、領域Aから領域Bへと光源が移動した場合にその旨を利用者に警告することもでき、撮影視野外から領域Bに光源が入ってきた場合にその旨を利用者に通知することもできる。
【0066】
さらに、変形例として、所定数の光源が撮影視野内にあるかどうかを検査し、所定の識別情報を発する光源が撮影視野内にある場合に、自動的に写真撮影を行うことも可能である。
【0067】
また、逆に所定の光源が撮影視野内にあるかどうかを検査し、あらかじめ指定した識別情報を発する光源が撮影視野内にない場合に、自動的に写真撮影を行うことも可能である。登録された識別情報が撮影視野内にない場合に撮影を行いたい理由の例としては、写真撮影を嫌う人物が同行者のなかにある場合が上げられる。そのうち1人が写真撮影を嫌う場合、その人物が視野内にある場合には撮影を行わない。
【0068】
また、カメラ自身が位置、方向、撮影範囲を自発的に変えることができる駆動部分を持っているものとすると、所定の光源が撮影視野から外れている、または外れようとしている場合、光源が撮影視野に入るように駆動部分に命令を発し、予定光源が撮影視野に入るように調整する。
【0069】
例えば、第5の実施例で説明した友人3人と旅行に出かけ、セルフタイマーを用いて総勢5人の写真を取ろうとするものとする。この際、カメラは所定の光源(この場合4人が所持する4つの光源)が撮影視野内にない場合には、望遠をテレ(遠景)側に調整して、より広い範囲が撮影範囲に入るように修正したり、撮影方向を上下左右に駆動したりして、4光源のすべてが撮影視野内にあるようにする。これにより、セルフタイマーを用いた写真撮影でも、失敗無く撮影を行うことができる。
【0070】
このような光学系の自動調整は、レンズの位置や方向を物理的に変えることで実現してもいいし、装置ではあらかじめ大きな映像範囲を撮影候補範囲として保持しており、撮影を行う際に、予定光源が含まれるように撮影対象範囲を選択してもよい。このような撮影視野調整が完了した際に、撮影を行うように利用者に促してもよいし、装置が自動的に撮影を行ってもよい。
【0071】
また逆に、所定の光源が撮影範囲に含まれないようにカメラを調整することも可能である。
【0072】
図18は、点滅光源となる発信装置の構成例を示した図である。この発信装置は、識別情報に対応する点滅パターンを記憶した点滅パターン記憶部180と、点滅パターン記憶部に記憶されたパターンでを発光させるタイミングを生成するためのタイミング生成部182と、このタイミング生成部で生成されたタイミングをもとに、上記点滅パターンで発光する発光部184とを有する。
【0073】
ここで、発信装置の形態は特に問わない。例えば、店や史跡の案内看板に取り付けてもよいし、人物に取り付けられるようにバッチのような形態でもよい。
【0074】
また、本願発明の映像情報処理装置の実施例における処理をコンピュータで実行可能なプログラムで実現し、このプログラムをコンピュータで読み取り可能な記憶媒体として実現することも可能である。
【0075】
なお、本願発明における記憶媒体としては、磁気ディスク、フロッピーディスク、ハードディスク、光ディスク(CD−ROM,CD−R,DVD等)、光磁気ディスク(MO等)、半導体メモリ等、プログラムを記憶でき、かつコンピュータが読み取り可能な記憶媒体であれば、その記憶形式は何れの形態であってもよい。
【0076】
また、記憶媒体からコンピュータにインストールされたプログラムの指示に基づきコンピュータ上で稼動しているOS(オペレーションシステム)や、データベース管理ソフト、ネットワーク等のMW(ミドルウェア)等が本実施形態を実現するための各処理の一部を実行してもよい。
【0077】
さらに、本願発明における記憶媒体は、コンピュータと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝送されたプログラムをダウンロードして記憶または一時記憶した記憶媒体も含まれる。
【0078】
また、記憶媒体は1つに限らず、複数の媒体から本実施形態における処理が実行される場合も、本発明における記憶媒体に含まれ、媒体の構成は何れの構成であってもよい。
【0079】
なお、本願発明におけるコンピュータは、記憶媒体に記憶されたプログラムに基づき、本実施形態における各処理を実行するものであって、パソコン等の1つからなる装置、複数の装置がネットワーク接続されたシステム等の何れの構成であってもよい。
【0080】
また、本願発明におけるコンピュータとは、パソコンに限らず、情報処理機器に含まれる演算処理装置、マイコン等も含み、プログラムによって本願発明の機能を実現することが可能な機器、装置を総称している。
【0081】
尚、本発明の映像情報処理装置または発信装置は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0082】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の映像情報処理方法または装置によれば、タグが発信する識別情報を映像処理によって読み取り、映像を様々に作用させることができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である映像情報処理装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施例である映像情報処理装置の動作の流れを示すフローチャートを示す図である。
【図3】本発明の一実施例である映像情報処理装置の変換辞書の一例を示す図である。
【図4】本発明の一実施例である映像情報処理装置の出力情報の一例を示す図である。
【図5】本発明の一実施例である映像情報処理装置の構成を示す図である。
【図6】本発明の一実施例である映像情報処理装置の動作の流れを示すフローチャートを示す図である。
【図7】本発明の一実施例である映像情報処理装置の出力情報の一例を示す図である。
【図8】本発明の一実施例である映像情報処理装置の構成を示す図である。
【図9】本発明の一実施例である映像情報処理装置の動作の流れを示すフローチャートを示す図である。
【図10】本発明の一実施例である映像情報処理装置の出力情報の一例を示す図である。
【図11】本発明の一実施例である映像情報処理装置の構成を示す図である。
【図12】本発明の一実施例である映像情報処理装置の動作の流れを示すフローチャートを示す図である。
【図13】本発明の一実施例である映像情報処理装置の出力情報の一例を示す図である。
【図14】本発明の一実施例である映像情報処理装置の構成を示す図である。
【図15】本発明の一実施例である映像情報処理装置の動作の流れを示すフローチャートを示す図である。
【図16】本発明の一実施例である映像情報処理装置の出力情報の一例を示す図である。
【図17】本発明の一実施例である映像情報処理装置の処理動作を制御する領域設定を説明する図である。
【図18】本発明の一実施例である発信装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
101、401、701、1001、1301…入力部
103、403、703、1003、1303…変換辞書
104、404、1004、1304…点滅情報変換部
106、406…関連情報出力部
201、501、801、1101、1401…撮影領域
202、502、802、1103…点滅光源
203、503…識別情報
409、1309…位置検出部
706…映像加工部
803、1402、1404、1406、1408…被写体
804…処理後の映像
805…マスクされた被写体
1006…メッセージ出力部
1102…脅迫されている人物
1104…脅迫している人物
1306…被写体検出部
1403、1405、1409…赤外線タグ(点滅光源)
180…点滅パターン記憶部
182…タイミング生成部
184…発光部

Claims (4)

  1. 映像を入力する入力と、
    点滅光源による点滅パターンに対応する識別情報を記憶する記憶と、
    前記記憶に記憶された識別情報をもとに、前記入力によって入力された映像内で点滅する光源の点滅パターンに対応する識別情報に変換する点滅情報変換と、
    入力された前記映像内での点滅光源の位置を検出する位置検出と、
    入力された前記映像を符号化して符号化データを生成する画像符号化部と、
    前記点滅情報変換によって変換された識別情報、および、前記位置検出によって検出された点滅光源の位置を用いて、クリッカブル・イメージにおける指示領域および当該指示領域に対応付けられた識別情報を含むクリッカブル・イメージのデータを求め、前記クリッカブル・イメージのデータを前記符号化データに多重化して出力する出力
    を備える映像情報処理装置。
  2. 前記符号化部は、静止画像の符号化データまたは動画像の符号化データを生成する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の映像情報処理装置
  3. 前記出力部によって多重化される前記識別情報は、テキストデータ、音声データ、および、URLのうちのいずれかを含む、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の映像情報処理装置
  4. 前記クリッカブル・イメージのデータは、
    前記位置検出部によって検出された点滅光源の位置を用いて求められた、前記クリッカブル・イメージの閲覧者が指示すべき位置または領域の情報と、
    前記閲覧者が前記指示すべき位置を指示した場合に提示される情報である、前記点滅情報変換部によって変換された識別情報を含む、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の映像情報処理装置
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