JP3675965B2 - 自己回帰モデルを利用した音響または振動データの収集、処理方法及び自己回帰モデルを利用した音響または振動データからの有意な信号の抽出システム - Google Patents
自己回帰モデルを利用した音響または振動データの収集、処理方法及び自己回帰モデルを利用した音響または振動データからの有意な信号の抽出システム Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は自己回帰モデルを利用した音響または振動データの収集、処理方法に関するもので、例えばガス供給用等の導管のピグトラッキング、他工事による損傷音の発見、その他、音による機器の故障診断や、音による流体の漏洩位置の検出等における音響データの解析や、振動データの解析等に利用できるものである。
【0002】
【従来の技術】
ガス供給用の埋設管等の管内にピグと呼ばれる物体を移動させて管内の清掃や検査等を行う作業があり、この作業では、ピグの移動に伴って生じる音を導管の適所に配置したマイクロフォンを介して収集して、導管の溶接部の内壁に生じた盛り上がり部、いわゆる周溶接部の裏波をピグが通過する際に生じる特定の音を識別し、この数をカウントして導管の配置図と照合することによりピグの現在位置を検出する、いわゆるピグトラッキングが行われている。
【0003】
ピグが導管内を移動する際に収集される音のスペクトルや音圧レベルはノイズ(環境騒音)を含め多種多様であるため、上記のような特定の音をノイズから分離して自動的に識別するのは困難であり、従って、従来は現場の熟練者が音を聴取して識別を行っている。
【0004】
以上のピグトラッキングにおける特定音の識別のように、特定の音をノイズから分離して識別するために、バンドパスフィルタ等のフィルタを利用することは一般的な技術であるが、従来のフィルタは、識別すべき音を予め調べて、この音に対応するように特性を固定的に設定して利用している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように特性を固定的に設定したフィルタでは、測定条件の変化等により、識別すべき音のスペクトル等の性質が変化したり、識別すべき音とノイズのスペクトルが近い場合、もしくは重なっている場合には対応しなくなってしまい、所定の機能が発揮出来なくなってしまう。
【0006】
そこで本発明者等は、収集した音響または振動データを、自己回帰モデルにより構成したフィルタを通して処理することを先に提案した。例えば特願平7年第285926号の願書に添付した明細書及び図面を参照。この処理方法は、収集した音響または振動データ中の有意な信号を含む所望部分に対して自己回帰係数を算出して、この自己回帰係数を、自己回帰モデルにより構成したフィルタに設定し、このフィルタに音響または振動データを通すことにより、自己回帰係数を算出した有意な信号と同様な性質の有意な信号のみを強調してノイズと分離して出力することができるものである。
【0007】
本発明は、このような自己回帰モデルを利用した音響または振動データの処理方法を更に推し進め、有意な信号の強調とノイズの阻止の両方を自己回帰モデルを利用して行うことにより、ノイズに埋もれた任意の有意な信号の抽出を良好に行えるようにし、以て、上述した従来の課題を解決することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明では、まず、収集した音響または振動データから自己回帰係数を算出して、強調のフィルタ、阻止のフィルタの伝達関数を設定し、これら強調のフィルタ、阻止のフィルタ通過後のデータを監視して、設定値レベルより高くなった場合には、有意の信号を含むデータとして、強調のフィルタ、阻止のフィルタ通過後のデータと前記収集したままの音響または振動データの取り込みを開始すると共に、前記有意な信号を含むデータを記憶するようにし、その後前記強調のフィルタ、阻止のフィルタ通過後のデータの監視を継続して、前記設定値レベルより高い間は、前記強調のフィルタ、阻止のフィルタ通過後のデータと前記音響または振動データの取り込みを継続し、前記監視しているデータが設定値レベルよりも低くなった場合には、環境データとして背景ノイズを取り込み、次いで前記有意の信号を含むデータとして取り込んだ、強調のフィルタ、阻止のフィルタ通過後のデータと音響または振動データにより自己回帰係数を算出すると共に、設定値レベルよりも低くなった時点で取り込んだ環境データにより自己回帰係数を算出して、それぞれの自己回帰係数から求めた伝達関数を強調のフィルタ、阻止のフィルタに設定し、これら強調のフィルタ、阻止のフィルタに音響または振動データを通過させて処理する自己回帰モデルを利用した音響または振動データの収集、処理方法を提案する。
【0009】
また本発明では、上記の構成において、強調のフィルタと阻止のフィルタを経た音響または振動データを、更に他の強調のフィルタと阻止のフィルタを通して処理することを提案する。
【0010】
また本発明では、上記の構成において、強調のフィルタと阻止のフィルタを経た音響または振動データを、更に他の強調のフィルタ又は阻止のフィルタを通して処理することを提案する。
【0011】
また本発明では、上記の構成において、強調のフィルタと阻止のフィルタを経た音響または振動データを、移動平均フィルタ等の低域通過フィルタを通して処理することを提案する。
【0012】
また本発明では、上記の構成において、強調のフィルタと、阻止のフィルタは独立して順次構成したり、又は強調のフィルタと、阻止のフィルタは共通のフィルタにより構成し、強調のフィルタの伝達関数を阻止のフィルタの伝達関数で除した商を伝達関数として共通のフィルタを構成することを提案する。
【0013】
そして本発明では、上述した方法を適用するシステムとして、音響または振動データの収集手段と、収集した音響または振動データを通し、伝達関数が設定可能なフィルタと、フィルタを通した音響または振動データを処理する処理手段と、この処理手段において所定の処理をして、有意の信号を含む部分として取り込んだデータから自己回帰係数を算出し、この自己回帰係数から求めた伝達関数を前記フィルタに設定する強調のフィルタ設定手段と、前記処理手段において所定の処理をして収集した音響または振動データ中、ノイズを含む部分として取り込んだデータから自己回帰係数を算出し、この自己回帰係数から求めた伝達関数をフィルタに設定する阻止のフィルタ設定手段とから構成した音響または振動データからの有意な信号の抽出システムを提案する。
【0014】
そしてこのような構成においては、強調のフィルタ設定手段により伝達関数を設定する強調のフィルタと、阻止のフィルタ設定手段により伝達関数を設定する阻止のフィルタを独立して順次構成すること、又は強調のフィルタ設定手段により伝達関数を設定する強調のフィルタと、阻止のフィルタ設定手段により伝達関数を設定する阻止のフィルタは、共通のフィルタとして構成し、強調のフィルタ設定手段の伝達関数を阻止のフィルタ設定手段の伝達関数で除した商を伝達関数として共通フィルタに設定することを提案する。
【0015】
また本発明では上記のシステムにおいて、強調のフィルタと阻止のフィルタは、複数組構成することを提案する。
【0016】
また本発明では上記のシステムにおいて、強調のフィルタと阻止のフィルタの入力側や出力側に他のフィルタを構成することを提案する。
【0017】
収集した音響または振動データを処理するフィルタを自己回帰モデルにより構成し、音響または振動データ中の有意な信号を含む所望の部分から算出した自己回帰係数により求めた伝達関数をフィルタに設定することにより、上記所望の部分とスペクトル特性が同様な性質のデータを通過させる動作のフィルタ、即ち強調のフィルタを構成することができる。このような強調のフィルタでは、ノイズが含まれる音響または振動データ中から上記所望の部分と同様なスペクトル特性を有するデータを強調して抽出することができる。
【0018】
一方、音響または振動データ中のノイズの部分から算出した自己回帰係数により求めた伝達関数をフィルタに設定することにより、このフィルタを、形としては上記強調のフィルタと同様に、上記ノイズ部分と同様なスペクトル特性を有するノイズを通過させるフィルタとして動作させることもできるが、これと逆に有用なフィルタとして、上記ノイズ部分と同様なスペクトル特性のノイズを阻止する動作のフィルタ、即ち阻止のフィルタを構成することができる。このような阻止のフィルタでは、有意な信号が含まれる音響または振動データのノイズのみを阻止することにより、有意な信号を抽出することができる。
【0019】
従って、収集した音響または振動データを、上記の強調のフィルタと阻止のフィルタの双方で処理し、有意な信号の強調動作とノイズの阻止動作により、有意な信号の抽出を行うことができる。このような強調のフィルタや阻止のフィルタは、従来のフィルタの設計手順が不要であり、即ち、フィルタを通過させたい有意な信号を含む音響または振動データがあれば、そのデータ中の有意な信号の部分とノイズの部分からフィルタを構成することができる。
【0020】
強調のフィルタと阻止のフィルタは、独立して順次構成することもできるし、強調のフィルタと阻止のフィルタの夫々の伝達関数を商の形で内在させた共通のフィルタとして構成することもできる。
【0021】
また、これらの強調、阻止のフィルタは、複数構成すれば、複数の異なったスペクトル特性の有意な信号、ノイズに対応するフィルタ群を構成することができ、従って複数の特性のノイズが含まれる音響または振動データ中から、複数の異なった性質の有意な信号を抽出することができる。
【0022】
また、これらの強調、阻止のフィルタによる処理を複数段行ったり、移動平均フィルタ等の他のフィルタ処理と併用して行うことにより、更に効果的な有意な信号の抽出を計ることができる。
【0023】
以上のことから、本発明は、抽出する有意な信号を建設機械等によるパイプラインへの打撃音としてパイプラインの損傷監視システムを構成したり、抽出する有意な信号をパイプラインからのガスの漏洩に伴う音として、パイプラインの漏洩監視システムを構成したり、抽出する有意な信号を回転機械の異常回転に伴う音または振動として、回転機械の異常監視システムを構成したり、抽出する有意な信号を異常燃焼に伴う音または振動として、燃焼装置の異常燃焼監視システムを構成することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
次に本発明を、その実施の形態と共に添付図面を参照して詳細に説明する。
まず、自己回帰モデルにより強調のフィルタを構成する方法を説明する。尚、この説明では、上述した先の出願、特願平7年第285926号の願書に添付した明細書及び図面の記載に倣っている。
自己回帰モデルは、1969年に赤池により提案されたものであるが、この方法は、信号処理を必要とする多くの分野で近来注目されている、Burg提案の最大エントロピー法(MEM…Maximum
Entropy Method)と同一のスペクトル解析法である。
MEMの理論において、最も重要な点は、観測された時系列データ(以降、観測データと記す)に対して自己回帰(AR…Auto Regressive)モデルを仮定するところにある。この自己回帰モデルは図4に概略図として示している。
図4に示すように、観測データx(k)をm次の線形離散値モデルの出力であると考える。また自己回帰モデルは、次式で与えられる確率過程のモデルである。
【0025】
【数1】
【0026】
ここで、時系列データの自己相関関数を
R=E{x(k)x(k-i)} (2)
と表すと、(1)式の両辺にx(k)を掛けて期待値をとることにより、次式が与えられる。
【0027】
【数2】
【0028】
同様に(1)式の両辺に、x(k-1),x(k-2),…, x(k-m)を掛けて期待値をとることにより、次の行列方程式が得られる。
【0029】
【数3】
【0030】
また、Wiener-Khinchineの公式を用いて、次式が得られ、この式により自己回帰モデル{a}とパワースペクトルS(ω)の関係が示される。
【0031】
【数4】
【0032】
観測波形により自己相関関数Rを求め、(5)式に代入することによって自己回帰係数aとPが推定できる。MEMによりスペクトル推定を行うには、
(5)式のm+1元連立方程式を解かなければならない。しかも、自己回帰モデルの次数を決定するために、mを変化させながら夫々の次元の連立方程式を繰り返して解かなければならない。そこで(5)式の自己相関関数を情報エントロピーが増加しないように配慮して計算するのがバーグ(Burg)法である。
【0033】
上記の自己回帰モデルにおける次数mは事前に得られないので、例えば、赤池により提案されたFPE規範(最終予測誤差:Final
Prediction Error)による決定法により決定する。尚、FPEとは、時系列x(k)から次数mで推定した自己回帰係数に対して、次式で定義される統計量Qmであり、このQを最小にする次数mを自己回帰モデルの次数とする。
【0034】
【数5】
【0035】
本発明では、以上の手法により求めた自己回帰係数を用いて、以下に示すようにフィルタを構成する。このフィルタは図5に概略図として示している。
図5の上段に示す自己回帰モデルは、上記(1)と同様に次式で与えられる。
【0036】
【数6】
【0037】
この(8)式から上記最大エントロピー法により、観測データx1(k)の特徴を示す自己回帰係数aを推定し、この自己回帰係数aを用いたフィルタを構成する。このフィルタは次式のように示すことができる。
【0038】
【数7】
【0039】
(9)式に示すフィルタは、(8)式の自己回帰モデルの入出力関係を変更し、(8)式の白色雑音n(k)を、フィルタ処理を施したい観測データx2(k)に、(8)式の観測データx1(k)を、フィルタ処理後のデータy2(k)に置き換えたもので、即ち、観測データx2(k)に対して(9)式に示される演算を行うことにより、フィルタ処理後のデータy2(k)を得ることができる。この演算においては、n番目のフィルタ処理後のデータを求める際に、m個の既に算出したデータが必要になるため、フィルタ処理後のデータの最初の係数の数だけは正確ではないが、一般に、係数の数は、データ長と比較して非常に小さいので実際上の支障はない。
【0040】
図1は、本発明により強調・阻止のフィルタを構成する原理を概念的に示したもので、このフィルタは、以下に示す原理により構成する。尚、以下の説明では上記と異なり、次のように変数、定数を定義している。
【数8】
【0041】
まず打撃音の自己回帰モデルは、次式で与えられる。
【数9】
【0042】
Z変換すると、次式となる。
【数10】
【0043】
このモデルの伝達関数Ghi(z)は、上述した強調のフィルタの伝達関数に対応しており、この伝達関数は、上述したように最大エントロピー法(Burg
法…MEM)によって自己回帰係数(ai1,ai2,…,aiL)を推定して行う。この際、自己回帰係数の次数Lは、上述したようにFPE規範を用いて求める。
【0044】
一方、ノイズの自己回帰モデルは、有意の信号である打撃音と同様に、次式で与えられる。
【数11】
【0045】
上述と同様にZ変換すると、次式となる。
【数12】
【0046】
このモデルの伝達関数Ghn(z)は、上述した強調のフィルタの伝達関数に対応しているが、その逆数を伝達関数とするフィルタは、上述した阻止のフィルタに対応する。尚、この伝達関数は上記伝達関数と同様に最大エントロピー法(MEM…Burg
法)によって自己回帰係数(ai1,ai2,…,aiL)を推定して行い、自己回帰係数の次数LはFPE規範を用いて求める。
【0047】
以上のことから、強調のフィルタと阻止のフィルタを共通のフィルタとして構成すると、次式のようになる。
【数13】
【0048】
この共通のフィルタにおける伝達関数は次式で示すように、強調のフィルタの伝達関数を阻止のフィルタの伝達関数で除した商である。
【数14】
【0049】
上式を逆Z変換することにより、強調のフィルタと阻止のフィルタの機能が内在した共通のフィルタ、即ち強調・阻止フィルタを次式に示すように表すことができる。
【数15】
【0050】
このようなフィルタにおいて、右辺第2項の係数を次式のように選ぶことにより、直流ゲインを1とすることができる。
【数16】
【0051】
図2は以上に説明した強調・阻止フィルタを構成要素とする本発明の音響または振動データの収集、処理方法を適用するシステム構成の一例を概念的に示すものであり、このシステムは、ガスパイプラインの幹線損傷監視システム、即ち他工事の建設機械がガスパイプラインを打撃した時に発生する音・振動に着目し、これらをモニタすることにより、パイプラインの損傷によるガス漏れ事故を防止するものである。従って、このシステムでは、音響または振動データは、パイプラインの適所に設置したマイクロフォン等の音響センサや加速度センサ等のセンサを介して収集するようにしており、抽出する有意な信号は建設機械等によるパイプラインへの打撃音である。
【0052】
図において、符号1は音響又は振動データ収集手段であり、このデータ収集手段1は、マイクロフォンや加速度センサ等のセンサ2、増幅器、A/D変換器等から構成し、採取した音響又は振動のデータをディジタル量に変換する機能を有する構成としている。符号3は複数の強調・阻止フィルタF1,F2,…から成るフィルタ群であり、これらの強調・阻止フィルタF1,F2,…は夫々伝達関数を設定可能に構成している。符号4はデータ処理手段であり、このデータ処理手段4には、データ収集手段1により収集したデータを、そのままと、各強調・阻止フィルタF1,F2,…を経て入力するように構成している。
【0053】
データ収集手段1により収集したデータは、データ切換手段5を介して、強調フィルタ演算手段6と阻止フィルタ演算手段7に入力され、夫々のデータから自己回帰係数を算出し、強調のフィルタと阻止のフィルタの夫々の伝達関数を、商の形で内在した伝達関数となるように各強調・阻止フィルタF1,F2,…に設定する。
【0054】
以上の構成におけるデータ処理の流れの一例を、図3の流れ図につき説明する。
まずデータ処理手段4は、ステップS1において、各強調・阻止フィルタF1,F2,…通過後のデータを、例えば電圧レベルにより、リアルタイムで監視する。
データの電圧レベルが設定値レベルよりも高くなった場合には、ステップS2から次のステップS3に移行し、そうでない場合にはステップS2からステップS1に戻って監視を継続する。
データの電圧レベルが設定値レベルよりも高くなりステップS2からステップS3に移行した場合には、有意の信号を含むデータとして、各強調・阻止フィルタF1,F2,…通過後のデータと、通過前のデータ、即ち原データの取り込みを開始する。これらの有意な信号を含むデータは、適宜の記憶手段に取り込む。
このようにデータの取り込みを開始した後も、各強調・阻止フィルタF1,F2,…通過後のデータの監視を継続し、設定値レベルよりも高い間はステップS4とステップS3のループによりデータの取り込みを継続する。
データが設定値レベルよりも低くなった場合には、ステップS4からステップS5に移行し、ステップS5において環境データ、即ち、データが設定値レベルよりも低い時点の背景ノイズを取り込む。
次いでステップS6においては、ステップS3で取り込んだ有意の信号を含む原データにより自己回帰係数を算出すると共に、ステップS5において取り込んだ環境データにより自己回帰係数を算出して、夫々の自己回帰係数から求めた伝達関数を上述した商の形で適宜の強調・阻止フィルタF1,F2,…に設定する。 このようにして有意な信号を含むデータと環境ノイズのデータにより強調・阻止フィルタを構成することができ、ステップS7においてこの強調・阻止フィルタに原データを通過させることにより、有意な信号、この例の場合では、打撃音を強調することができ、従ってこのようにして強調されたデータにより、データ処理手段4において特徴量の抽出が可能となる。
例えばバックホーによる打撃音は減衰する特徴を有するのに対してバイブロハンマによる打撃音は減衰しない特徴を有するので、このような減衰、非減衰の特徴量により、打撃音の発生原因がバックホーであるかバイブロハンマであるかを識別することができる。
このような打撃音の識別は、例えばデータ処理手段に打撃音のデータベースを構成し、これらと新たなデータの特徴量とを比較する等により行うことができ、このデータベースのデータ量は、フィルタの更新毎に増加させることができる。
【0055】
特徴量に関し、有意な信号の傾向は、積分(正規積分、レベル変化、勾配)を用いた手法等により把握することができ、この傾向は、包絡線、関数等により近似することができる。また特徴量による発生原因の識別は、例えばレベル・継続時間による箱形判定の手法等を利用することができる。
【0056】
以上の例では、有意な信号を含むデータを取り込む毎に、これらのデータ中の有意な信号に対応した強調・阻止フィルタを構成して、この強調・阻止フィルタによる、有意な信号の強調、そしてその特徴量の抽出、更には特徴量が同一又は類似の有意な信号の抽出が可能である。この際、この例では、有意な信号を含むデータの検出を、強調・阻止フィルタF1,F2,…通過後のデータにより行っているが、原データを用いて行うこともできる。
【0057】
また以上の例では、強調のフィルタと阻止のフィルタの夫々の伝達関数を商の形で内在させた共通の強調・阻止フィルタとして構成しているが、強調のフィルタと阻止のフィルタを独立して順次構成することもできる。
【0058】
また以上の例では、強調・阻止フィルタは複数構成しており、このことから複数の異なったスペクトル特性の有意な信号、ノイズに対応するフィルタ群を構成することができ、従って複数の特性のノイズが含まれる音響または振動データ中から、複数の異なった性質の有意な信号を抽出することができるのであるが、強調・阻止フィルタ、又は強調、阻止の夫々のフィルタの組は単一の構成も可能である。
【0059】
また他の例として、強調、阻止のフィルタによる処理を複数段行ったり、移動平均フィルタ等の他のフィルタ処理と併用して行うことにより、更に効果的な有意な信号の抽出を計ることができる。
【0060】
更に、強調、阻止のフィルタは、上述したとおり伝達関数を随時更新可能に構成するのが好ましいが、場合によっては更新ができない固定式の構成であっても良い。
【0061】
本発明におけるデータの収集、処理方法は、以上の幹線損傷監視システム及び従来技術の説明中に記載したピグトラッキングの他、例えば次のようなシステムにも利用できるものである。
a.ガスパイプラインにおけるガスの漏洩及びその位置を、漏洩に伴う音により検出するシステム
このシステムでは、通常時のガス流通に伴う音をノイズとして、そのデータから阻止のフィルタを構成する。ノイズとしてのガスの流通音は、ガスの流量により変化するため、ガスの流量が変わる度毎に、上述した手順で阻止のフィルタを算出して更新することにより、常時適切な阻止のフィルタ又はこの阻止のフィルタを内在した強調・阻止フィルタを構成することができる。阻止のフィルタを更新するためのガスの流量の変化に対する追随は、例えば、ガスの流量の変化の実績データに基づき、時刻に対応して行ったり、ガバナ操作に対応して行うことができる。
b.ガスタ−ビン等の回転機械の異常監視システム
このシステムでは、正常時の回転音をノイズとして、そのデータから阻止のフィルタを構成する。ノイズとしての回転音は、回転数により変化するので、回転数に応じて阻止のフィルタを算出して更新することにより、常時適切な阻止のフィルタを構成することができる。このシステムでは、回転音に代えて回転に伴う振動を監視するように構成することができる。
c.ガスバ−ナの燃焼異常監視システム
このシステムでは、正常時の燃焼音をノイズとして、そのデータから阻止のフィルタを構成する。ノイズとしての燃焼音は、燃焼量により変化するので、燃焼量に応じて阻止のフィルタを算出して更新することにより、常時適切な阻止のフィルタを構成することができる。燃焼量の変化に対する追随は、例えばバルブ開度に基づいて行うことができる。
【0062】
【実施例】
次に本発明の方法を上述した幹線損傷監視システムに適用した場合のシミュレーションの例を説明する。
【0063】
[シミュレーション−1]
バックホーによる管壁打撃音の実際の収集データに、様々なノイズデータを加えてフィルタの効果を検証する。この打撃音は上述したように減衰する点が特徴であり、設定値レベルを越えたピークから200点(約0.04秒間)のデータにより上述したBurg法を用いて自己回帰モデルを求めており、この自己回帰モデルは、上述した先の出願、特願平7年第285926号の願書に添付した明細書及び図面に記載のものと同様である。一方ノイズは1000点(0.2秒間)のデータからBurg法を用いて自己回帰モデルを求めている。
図6(a)はバックホーによる管壁打撃音のデータを示すもので、図6(b)はその自己回帰係数のスペクトル特性を示すものである。図7、図8は、夫々、車の走行音、ガス流通音をノイズデータとしたもので、夫々の図において、(a)はノイズの自己回帰係数のスペクトル特性、(b)は図6(a)の打撃音に夫々のノイズを加えたデータ、(c)は(b)のデータを強調のフィルタのみを通して得られたデータ、(d)は(b)のデータを強調・阻止フィルタに通して得られたデータである。
これらの結果から、強調のフィルタのみでは、図8(c)で示されるように打撃音が確認できない場合であっても、強調・阻止フィルタを通すことによって打撃音が確認できるようになることがわかる。
【0064】
[シミュレーション−2]
M系列白色雑音発生プログラムを用いて白色雑音データを生成し、そのデータにバンドパスフィルタを通して2種のノイズを作成し、これらを上述した打撃音データに加えてフィルタに通すデータを作成した。2種のノイズは図9…50Hz〜150Hz、図10…50Hz〜1250Hzであり、これらの図においては図7、図8の場合と同様に、(a)はノイズの自己回帰係数のスペクトル特性、(b)は図6(a)の打撃音に夫々のノイズを加えたデータ、(c)は(b)のデータを強調のフィルタのみを通して得られたデータ、(d)は(b)のデータを強調・阻止フィルタに通して得られたデータである。
これらの結果から次のことがわかる。
a.図9に示されるようにノイズの周波数帯域が狭い場合には、強調のフィルタのみでは打撃音が確認できない場合であっても、強調・阻止フィルタを通すことによって打撃音が確認できることがわかる。
b.ところが、図10に示すように、ノイズの周波数帯域が広がり、自己回帰係数のスペクトル特性に多くの鋭いピークが立つと、ノイズ阻止の効果が下がることがわかる。
【0065】
[シミュレーション−3]
シミュレーション−2において強調・阻止フィルタに通して得られたデータ、即ち、図10(d)のデータを更に他のフィルタにより処理した結果を図11に示す。図11において、(a)は図10(d)のデータと同じ、(b)は(a)のデータを更に強調のフィルタに通して得られたデータ、(c)は(a)のデータをノイズの自己回帰係数から求めた移動平均フィルタに通して得られたデータ、(d)は(a)のデータを更に強調・阻止フィルタに通して得られたデータである。
これらの結果から次のことがわかる。
a.(b)に示されるように、(a)のデータを強調のフィルタのみに通しても依然として打撃音が確認できない。従ってノイズの周波数の帯域が広い場合には、さらに強調のフィルタで処理しても殆ど効果がない。
b.(c)、(d)に示されるように、(a)のデータを、移動平均フィルタと強調・阻止フィルタのいずれに通しても打撃音が確認できるようになり、本発明にかかる強調・阻止フィルタの処理を複数段で行ったり、強調・阻止フィルタの処理と移動平均フィルタの処理を引き続いて行うことにより、周波数帯域の広いノイズに対しても打撃音の抽出が可能となる。
[シミュレーション−4]
ボーリングマシンによる管壁打撃音の実際の収集データに、シミュレーション−1における図7、図8と同様なノイズデータを加えてフィルタの効果を検証する。この打撃音は上述したように非減衰の点が特徴であり、1000点(約0.2秒間)のデータにより上述したBurg法を用いて自己回帰モデルを求めている。またノイズはシミュレーション−1と同様に、1000点(0.2秒間)のデータからBurg法を用いて自己回帰モデルを求めている。
図12(a)はボーリングマシンによる管壁打撃音のデータを示すもので、図12(b)はその自己回帰係数のスペクトル特性を示すものである。また図13、図14は、図7、図8と同様に、夫々の図において、(a)はノイズの自己回帰係数のスペクトル特性、(b)は図12(a)の打撃音に夫々のノイズを加えたデータ、(c)は(b)のデータを強調のフィルタのみを通して得られたデータ、(d)は(b)のデータを強調・阻止フィルタに通して得られたデータである。
これらの結果から、強調のフィルタのみの処理ではいずれの図の場合も打撃音が確認できないが、強調・阻止フィルタでは、図14の場合には打撃音が確認できる。これは図13の場合のノイズ(車の走行音)と打撃音の自己回帰モデルの周波数特性が類似しているためフィルタの効果が表れないものと考えられる。
そこで図13(d)のデータを、シミュレーション−3と同様に、更に他のフィルタにより処理する。即ち、図15において、(a)は図13(d)のデータと同じ、(b)は(a)のデータを更に強調のフィルタに通して得られたデータ、(c)は(a)のデータをノイズの自己回帰係数から求めた移動平均フィルタに通して得られたデータ、(d)は(a)のデータを更に強調・阻止フィルタに通して得られたデータである。
これらの結果から、図15(b)、(d)に示されるように、更に強調のフィルタや強調・阻止フィルタの処理を行っても打撃音が確認できないが、図15(c)に示されるように、ノイズの移動平均フィルタ処理を行うことにより、打撃音が確認できるようになることがわかる。これにより、打撃音とノイズの自己回帰モデルが似ている場合でも、強調・阻止フィルタと移動平均フィルタにより対応できることがわかる。
【0066】
本発明において収集、処理し得るデータは、上述したとおり音響データの他、振動等の各種音響または振動データを含むものである。
【0067】
【発明の効果】
本発明は、以上のとおりであるので、次のような効果がある。
a.従来のようなフィルタの設計手順が不要になり、音響または振動データ中に存在するフィルタを通過させたい所望データ部分とノイズ部分とから、前者を強調するフィルタと、ノイズを阻止するフィルタを構成することができる。
b.複数の所望データ部分及びノイズ部分の夫々に対応するフィルタを構成して、以降の同様なデータ部分の識別に供することができる。
c.例えば、本発明を、音響又は振動のデータの収集、処理に適用した場合には、(a).収集した音響又は振動データに基づきフィルタを構成するので、未知の音又は振動に対しても、又環境音等としてのノイズの条件が変化した場合にも、夫々に対応するフィルタを構成して、以降の同一音の識別に供することができる。(b).複数の未知の音の夫々に対してフィルタを構成して、夫々に類似する音の識別に供することができる。
というような効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明により強調・阻止のフィルタを構成する原理を概念的に示した模式図である。
【図2】 強調・阻止フィルタを構成要素とする音響または振動データ収集、処理方法を適用するシステムの一例を示す模式図である。
【図3】 図2の構成におけるデータ処理の流れの一例を示す流れ図である。
【図4】 強調のフィルタの自己回帰モデルの説明図である。
【図5】 自己回帰モデルと強調のフィルタとの対応関係を示す説明図である。
【図6】 ガスパイプラインの損傷監視システムに関し、バックホーによる管壁打撃音のデータ例を示すものである。
【図7】 図6のデータにノイズを加えたデータについてのフィルタ処理の結果を示すものである。
【図8】 図6のデータに他のノイズを加えたデータについてのフィルタ処理の結果を示すものである。
【図9】 図6のデータに、M系列白色雑音データをバンドパスフィルタを通過させて加えたデータについてのフィルタ処理の結果を示すものである。
【図10】 図6のデータに、M系列白色雑音データを他の周波数帯域のバンドパスフィルタを通過させて加えたデータについてのフィルタ処理の結果を示すものである。
【図11】 図10(d)のデータを更に他のフィルタ処理した結果を示すものである。
【図12】 ガスパイプラインの損傷監視システムに関し、ボーリングマシンによる管壁打撃音のデータ例を示すものである。
【図13】 図12のデータにノイズを加えたデータについてのフィルタ処理の結果を示すものである。
【図14】 図12のデータに他のノイズを加えたデータについてのフィルタ処理の結果を示すものである。
【図15】 図13(d)のデータを更に他のフィルタ処理した結果を示すものである。
【符号の説明】
1 データ収集手段
2 センサ
3 フィルタ群
4 データ処理手段
5 データ切換手段
6 強調フィルタ演算手段
7 阻止フィルタ演算手段
F1,F2,… 強調・阻止フィルタ
Claims (19)
- 収集した音響または振動データから自己回帰係数を算出して、強調のフィルタ、阻止のフィルタの伝達関数を設定し、これら強調のフィルタ、阻止のフィルタ通過後のデータを監視して、設定値レベルより高くなった場合には、有意の信号を含むデータとして、強調のフィルタ、阻止のフィルタ通過後のデータと前記収集したままの音響または振動データの取り込みを開始すると共に、前記有意な信号を含むデータを記憶するようにし、その後前記強調のフィルタ、阻止のフィルタ通過後のデータの監視を継続して、前記設定値レベルより高い間は、前記強調のフィルタ、阻止のフィルタ通過後のデータと前記音響または振動データの取り込みを継続し、前記監視しているデータが設定値レベルよりも低くなった場合には、環境データとして背景ノイズを取り込み、次いで前記有意の信号を含むデータとして取り込んだ、強調のフィルタ、阻止のフィルタ通過後のデータと音響または振動データにより自己回帰係数を算出すると共に、設定値レベルよりも低くなった時点で取り込んだ環境データにより自己回帰係数を算出して、それぞれの自己回帰係数から求めた伝達関数を強調のフィルタ、阻止のフィルタに設定し、これら強調のフィルタ、阻止のフィルタに音響または振動データを通過させて処理することを特徴とする自己回帰モデルを利用した音響または振動データの収集、処理方法
- 強調のフィルタと阻止のフィルタを経た音響または振動データを、更に他の強調のフィルタと阻止のフィルタを通して処理することを特徴とする請求項1記載の自己回帰モデルを利用した音響または振動データの収集、処理方法
- 強調のフィルタと阻止のフィルタを経た音響または振動データを、更に他の強調のフィルタ又は阻止のフィルタを通して処理することを特徴とする請求項1又は2記載の自己回帰モデルを利用した音響または振動データの収集、処理方法
- 強調のフィルタと阻止のフィルタを経た音響または振動データを、低域通過フィルタを通して処理することを特徴とする請求項1、2又は3記載の自己回帰モデルを利用した音響または振動データの収集、処理方法
- 低域通過フィルタは移動平均フィルタである請求項4記載の自己回帰モデルを利用した音響または振動データの収集、処理方法
- 強調のフィルタと、阻止のフィルタは独立して順次構成することを特徴とする請求項1〜5までのいずれか1項に記載の自己回帰モデルを利用した音響または振動データの収集、処理方法
- 強調のフィルタと、阻止のフィルタは共通のフィルタにより構成し、強調のフィルタの伝達関数を阻止のフィルタの伝達関数で除した商を伝達関数として設定して共通のフィルタを構成することを特徴とする請求項1〜5までのいずれか1項に記載の自己回帰モデルを利用した音響または振動データの収集、処理方法
- 音響または振動データの収集手段と、収集した音響または振動データを通し、伝達関数が設定可能なフィルタと、フィルタを通した音響または振動データを処理する処理手段と、この処理手段において所定の処理をして、有意の信号を含む部分として取り込んだデータから自己回帰係数を算出し、この自己回帰係数から求めた伝達関数を前記フィルタに設定する強調のフィルタ設定手段と、前記処理手段において所定の処理をして収集した音響または振動データ中から、ノイズを含む部分として取り込んだデータから自己回帰係数を算出し、この自己回帰係数から求めた伝達関数をフィルタに設定する阻止のフィルタ設定手段とから構成したことを特徴とする自己回帰モデルを利用した音響または振動データからの有意な信号の抽出システム
- 強調のフィルタ設定手段により伝達関数を設定する強調のフィルタと、阻止のフィルタ設定手段により伝達関数を設定する阻止のフィルタを独立して順次構成することを特徴とする請求項8記載の自己回帰モデルを利用した音響または振動データからの有意な信号の抽出システム
- 強調のフィルタ設定手段により伝達関数を設定する強調のフィルタと、阻止のフィルタ設定手段により伝達関数を設定する阻止のフィルタは、共通のフィルタとして構成し、強調のフィルタ設定手段の伝達関数を阻止のフィルタ設定手段の伝達関数で除した商を伝達関数として共通フィルタに設定することを特徴とする請求項8記載の自己回帰モデルを利用した音響または振動データからの有意な信号の抽出システム
- 強調のフィルタと阻止のフィルタは、複数組構成することを特徴とする請求項8、9又は10記載の自己回帰モデルを利用した音響または振動データからの有意な信号の抽出システム
- 強調のフィルタと阻止のフィルタの入力側や出力側に他のフィルタを構成したことを特徴とする請求項8〜11までのいずれか1項に記載の自己回帰モデルを利用した音響または振動データからの有意な信号の抽出システム
- 音響または振動データはパイプラインを伝播する音または振動のデータであり、抽出する有意な信号を建設機械等によるパイプラインへの打撃音として、パイプラインの損傷監視システムを構成することを特徴とする請求項8〜12までのいずれか1項に記載の自己回帰モデルを利用した音響または振動データからの有意な信号の抽出システム
- 音響または振動データはパイプラインを伝播する音または振動のデータであり、抽出する有意な信号をパイプラインからのガスの漏洩に伴う音として、パイプラインの漏洩監視システムを構成することを特徴とする請求項8〜12までのいずれか1項に記載の自己回帰モデルを利用した音響または振動データからの有意な信号の抽出システム
- パイプラインを流れるガスの流量が変化する毎に、阻止のフィルタの伝達関数を更新することを特徴とする請求項13または14記載の自己回帰モデルを利用した音響または振動データからの有意な信号の抽出システム
- 音響または振動データは回転機械の回転に伴う音または振動のデータであり、抽出する有意な信号を回転機械の異常回転に伴う音または振動として、回転機械の異常監視システムを構成することを特徴とする請求項8〜12までのいずれか1項に記載の自己回帰モデルを利用した音響または振動データからの有意な信号の抽出システム
- 回転機械の回転数が変化する毎に、阻止のフィルタの伝達関数を更新することを特徴とする請求項16記載の自己回帰モデルを利用した音響または振動データからの有意な信号の抽出システム
- 音響または振動データは燃焼装置の燃焼に伴う音または振動のデータであり、抽出する有意な信号を異常燃焼に伴う音または振動として、燃焼装置の異常燃焼監視システムを構成することを特徴とする請求項8〜12までのいずれか1項に記載の自己回帰モデルを利用した音響または振動データからの有意な信号の抽出システム
- 燃焼装置の燃焼量が変化する毎に、阻止のフィルタの伝達関数を更新することを特徴とする請求項18記載の自己回帰モデルを利用した音響または振動データからの有意な信号の抽出システム
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