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JP3675569B2 - 組み換えウイルス及びそれよりなるワクチン - Google Patents

組み換えウイルス及びそれよりなるワクチン Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、組み換えファウルポックスウイルス及びそれから成るワクチンに関し、さらに詳しくは、ヘルペス属に属するウイルスの糖タンパク質gEをコードするDNA、または糖タンパク質gEをコードするDNAおよびgIをコードするDNAを、異種外来抗原タンパク質をコードするDNAと共に、その増殖に非必須なゲノム領域に挿入した組み換えファウルポックスウイルス、および当該組み換えファウルポックスウイルスを有効成分とするワクチンに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在の養鶏分野においては、種鶏、産卵鶏、及び肉用鶏の別を問わず、ワクチネーションによる疾病予防は衛生管理の柱である。しかしながらワクチネーションのプログラムは実に過密であり、従ってこれに要する人手、時間ならびに経費は大きな問題となっている。
【0003】
この解決策として、近年、組み換えDNA技術により、ある病原体より免疫誘導に必要なタンパク質をコードする遺伝子のみを取り出し、これを含む組み換えウイルスを構築することが可能となった。このような組み換えウイルスを組み換え生ワクチンとして接種することにより、挿入した遺伝子がコードする抗原タンパク質に対する免疫を誘導することが可能となった。ポックスウイルスに属するアビポックスウイルスはそのような組み換えウイルスの構築に用いるのに好適なウイルスである。ファウルポックスウイルス(以下、FPVという)に代表されるこれらウイルスは、大きなゲノムDNAを持ち、その多くの領域がウイルス増殖に非必須であり、同一ウイルスのこれらの非必須領域に複数の抗原遺伝子を挿入することができる。このような組み換えウイルスワクチンは、ワクチンを接種した宿主の液性免疫、細胞性免疫を誘導することができると推測される。この方法は、従来、鶏痘に対する生ワクチンとして使用されてきた弱毒化FPVに遺伝子工学的手法を用いて外来遺伝子を挿入した組み換えFPVとして応用されてきた。外来遺伝子として、鶏病ウイルスであるニューカッスル病ウイルスの抗原をコードした遺伝子(以下、抗原遺伝子という)、マレック病ウイルスの抗原遺伝子、鶏インフルエンザウイルスの抗原遺伝子を挿入した組み換えFPVが構築され、実験的にSPF鶏に接種して、ワクチン効果を確認している(Boursnellら、Virology、178、297−300(1990);Nazerianら、J.Virol.、66、1409−1413(1992);Taylorら、Vaccine、6、504−508(1988))。このように組み換えFPVは、目的に応じて種々の外来抗原遺伝子を挿入することができ、また同時に複数の抗原遺伝子を挿入できるために、1回接種で複数の病原体に対して有効な多価ワクチン可能になり、その結果前述の過密なワクチンプログラム問題の解決策と成りうると有望視されている。
【0004】
一方、新しいワクチンを実用化する過程で考慮しなければならない重大な事柄の1つに移行抗体が挙げられる。生まれて間もない個体は、免疫機構が未熟なため病原体の感染の危険に曝されている。生体側の防御機能として母親から種々の病原体に対する抗体を受け取り、生まれてくる。このような母親由来の抗体は、移行抗体と呼ばれ、生後数週間、個体を病原体の感染から守ってくれる。しかし、その反面、この時期ワクチンとして接種した弱毒ウイルスも同様に移行抗体によって排除される。この結果、ワクチンによるプライミング効果は得られず、移行抗体が消失するころに病原体に対する感染の危険性が高まる。さらにこの移行抗体は、個体によってその成分、力価にばらつきがあるため、移行抗体の消失時期を見計らって集団ワクチン接種することが望まれるが、実際には不可能に近い。たとえば、ニワトリの初生に接種するニューカッスル病ウイルス(以下、NDVという)生ワクチンの場合、初生雛の時期に2、3回の接種を行い、個体の移行抗体価のばらつきによるワクチン効果の低減を最小限に押さえる努力がなされている。また伝染性ファブリキウス嚢病ウイルス(以下、IBDVという)ワクチンの場合は、繁殖雌鶏に、およそ22週令の産卵期の始まる前に不活化した油−乳濁性ウイルスワクチンを接種し、受精卵内に高いレベルの移行抗体を含有させて羽化後の数週間にわたって鶏を保護することを目的としている。かりに、前述のワクチン効果が認められたと文献で報告されている組み換えFPVを実験室レベルで飼育されているSPF鶏ではなく市販の移行抗体を保有している鶏に接種した場合、移行抗体の影響を受けてワクチン効果が低減すると予想される。さらに、複数の抗原遺伝子を挿入した多価組み換えFPVを接種すれば、それぞれの抗原に対する移行抗体が速やかにこの組み換えFPVを排除するためさらに移行抗体の影響は大きくなり、いずれの抗原に対するワクチン効果もできないことが予想される。
【0005】
ところで最近の単純ヘルペスウイルス(HSV)の研究で、宿主の免疫グロブリン(以下、IgGという)と結合する特性を有する2つの糖タンパク質gIとgEとが同定された。この二つのタンパク質は複合体を形成しており、IgGのFc領域と結合するFcレセプターとしての機能を示した(Johnsonら、J.Virol.、62、1347−1354(1988))。組み換えDNA技術を用いて作製したgEあるいはgI遺伝子欠損変異体HSVはin vitroにおいて抗HSV抗体の存在下で、著しく増殖が阻害された(Johnsonら、Virology、177、437−444(1990);Friedmanら、J.Virol.、65、7046−7050(1991))。これらの研究結果よりHSVのgI、gEは、ウイルスの抗体の関与する免疫応答より逃避するために重要な役割を果たしていると推測される。in vivoにおいてのgI、gEの機能は未解明であるが、唯一gI、gEは、ウイルスの増殖に必須ではないことが明らかになっている。
【0006】
MDVにおいても最近gI遺伝子の全長とgE遺伝子の一部の塩基配列が明らかになった(Velicerら、米国特許第5,252,716号)。しかし、それらの機能面については全く明らかにされておらず、さらにこれらの遺伝子を組み換えウイルスで発現したときにどのような現象が現れるかを予測することは困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、移行抗体の影響を受けにくい新たな組み換えファウルポックスワクチンを得るべく鋭意検討した結果、ファウルポックスウイルスの増殖に非必須な領域に、ヘルペス属に属するウイルスの糖タンパク質であるgEをコードするDNAを病原体の抗原遺伝子と一緒に挿入すると、移行抗体による影響を受けにくい新しいタイプのワクチンとして機能する組み換えファウルポックスウイルスが得られることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かくして本発明によれば、ファウルポックスウイルスの増殖に非必須なゲノム領域に、(1)マレック病ウイルスの糖タンパク質gEをコードするDNA、またはマレック病ウイルスの糖タンパク質gEをコードするDNA及び糖タンパク質gIをコードするDNAを含有し、更に(2)異種外来抗原タンパク質をコードするDNAを含有する組み換えファウルポックスウイルスが提供され、更に当該組み換えファウルポックスウイルスを有効成分とするワクチンが提供される。
【0009】
本発明の組み換えファウルポックスウイルスは、例えば、以下のようにして調製される。予め親ウイルスであるファウルポックスウイルス必須領域を組み込んだプラスミドの当該非必須領域に、親ウイルス内で機能するプロモーターの支配下となるように連結されたgE遺伝死闘を組み込み、プラスミドベクターを得る。ついで、親ウイルス感染細胞にこのプラスミドベクターを導入することにより、相同組み換えを起こさせ、その結果生じたウイルスを選択、純化し、目的とする組み換えファウルポックスウイルスを得る
親ウイルスとなるファウルポックスウイルス(FPV)の具体例としては、ATCC VR−251、ATCC VR−250、ATCC VR−229、ATCC VR−249、ATCC VR−288、西ヶ原株、泗水株、CEVA株、CEVAワクチン株由来のウイルスのうち、鶏胚繊維芽細胞(CEF)に感染したとき大きいプラークを形成するものなどのごとき狭義のFPVや、NP株(鶏胎化鳩痘中野株)等のごとき狭義のFPVと近縁のウイルスであって、鳩痘生ワクチン株として使用されるウイルスなどが例示される。これらは、市販または分譲などにより容易に入手できる。
【0010】
(非必須領域)
本発明で使用される非必須領域は、親ウイルスの増殖に非必須なDNA領域であり、TK遺伝子領域や特開平1−168279号に記載されている領域を使用することができる。その具体例としては、例えば前記公報に記載されたNP株DNAのEcoRI断片(約7.3kb)、EcoRI−HindIII断片(約5.0kb)、BamHI断片(約4.0kb)、HindIII断片(約5.2kb)が挙げられる
【0011】
(非必須領域を含有するベクター)
後述する本発明の組み換え用ベクターの構築には、ウイルスの非必須領域をクローニングするためのベクターが用いられる。このようなベクターは、例えば、pBR322、pBR325、pUC7、pUC8、pUC18等のプラスミド、λファージ、M13ファージなどのファージ、pHC79等のコスミド等のベクターを適当な制限酵素で処理して、常法に従って上述したようなウイルス非必須領域のDNA断片を組み込むことにより得られる。
【0012】
(組み換え用ベクター)
本発明で用いる組み換え用ベクターは、抗原遺伝子とそれを支配するプロモーターが挿入された非必須領域を含むものである。前述の非必須領域を含むベクターのウイルス非必須領域に後述するgE遺伝子またはgE遺伝子とgI遺伝子、および抗原遺伝子と、さらにそれぞれ各遺伝子を支配するプロモーターを挿入すればよく、また、そのようなベクター由来の抗原遺伝子とそれを支配するプロモーターが挿入されたファウルポックスウイルスの非必須領域を含む断片を他のベクターに組み込んだりしてもよい。さらに、組み換えファウルポックスウイルスの純化などの効率化のために大腸菌のlacZ遺伝子などのマーカー遺伝子とそれを発現するための後述するプロモーターを組み込んでもよい。
【0013】
(gE遺伝子、gI遺伝子)
本発明で用いるgE遺伝子およびgI遺伝子は、ヘルペス属に属するウイルスのゲノム由来のものであればよい。ヘルペス属ウイルスは、人に感染する単純ヘルペスウイルス、ウシに感染する牛ヘルペスウイルス、馬に感染する馬ヘルペスウイルス、ブタに感染するオーセスキー病ウイルス、猫に感染する猫鼻気管炎ウイルスなど哺乳類に感染するヘルペス属ウイルスや、マレック病ウイルス、伝染性咽頭気管炎ウイルスなど鳥類に感染するヘルペス属ウイルス等が挙げられる。ワクチン接種の対象となる動物種に感染するウイルス由来のgE遺伝子とgI遺伝子を利用するのが好ましい。即ち、鶏用ワクチンとして利用するにはマレック病ウイルス由来の遺伝子を用いるのが好ましい。
【0014】
また本発明に用いるgE遺伝子及びgI遺伝子は、その全長を100%としたとき、一部の塩基の欠落や挿入、付加などの自然または人工的な変異によって通常約80%〜約120%程度、好ましくは約90%〜110%程度の範囲で全長(塩基の長さ)が変化した遺伝子や、自然または人工的な変異によりgE遺伝子またはgI遺伝子の塩基の一部(ここで言う一部とは、通常、全体の20%以下、好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下)が置換され、別のアミノ酸をコードする塩基に変化した遺伝子であっても、遺伝子によってコードされたタンパク質が、通常天然のgEやgIの機能と実質的に等価の機能を有しているものであればよい。ここでいう天然のgEやgIの機能とは、gIとgEとの複合体(gI−gE)またはgE単独が、IgGのFc部位と結合する生理活性を有し、その結果、保体または抗体依存性の細胞障害による免疫応答が阻害される機能であり、出生直後の移行抗体の約50%をまだ保有している生物に、抗原遺伝子、gE遺伝子、必要に応じてgI遺伝子を組み込んだ組み換えウイルスをワクチンとして接種し、移行抗体が約10%程度となった時点で強毒株を接種し、移行抗体が実質的に失われた時点での感染防御率が、gE、gI非発現で同じ抗原遺伝子を組み込んだ組み換えウイルスをワクチンとして接種した群の約1.5倍以上、好ましくは約2倍以上であるときを天然のgE、gIと実質的に等価の機能であると判断する。
【0015】
本発明において人工的な変異を起こす方法は特に制限されず、常法に従って行うことができる。その具体例としては、天然のgE遺伝子を適当な制限酵素で処理した後、アミノ酸への翻訳の読み枠がずれないように適当なDNA断片を挿入し(または脱落させて)、再び連結する方法やFrits Ecksteinらのインビトロ突然変異法(Ncleic Acid Research、10、6487−6497(1982))などによりアミノ酸の一部を別のアミノ酸に翻訳するように改変させる方法などが挙げられる。
【0016】
このようなヘルペス属ウイルス由来のgE遺伝子としては、マレック病ウイルスI型GA株由来の配列番号13記載のアミノ酸配列をコードするDNA、例えば配列番号11の第1207番目〜第2697番目の配列が挙げられる。また、ヘルペス属ウイルス由来のgI遺伝子としては、マレック病ウイルスI型GA株由来の配列番号12記載のアミノ酸配列をコードするDNA、例えば配列番号11記載の第1番目〜第1065番目の配列が挙げられる。
【0017】
本発明においては、gE遺伝子のみでも移行抗体の影響を受けにくいワクチンとしての効果を得ることはできるが、より高い効果を得るためにはgI遺伝子と共に組み込むのが望ましい。組み換えウイルス中のgE遺伝子、gI遺伝子および後述する抗原の遺伝子の連結の順番は、各遺伝子が実質的にgE、gIおよび抗原タンパク質を発現し得るように連結されている限り特に制限されない。すなわち、5’上流側からgE遺伝子−gI遺伝子−抗原遺伝子の順番、gI遺伝子−gE遺伝子−抗原遺伝子の順番、gE遺伝子−抗原遺伝子−gI遺伝子の順番、gI遺伝子−抗原遺伝子−gE遺伝子の順番、抗原遺伝子−gE遺伝子−gI遺伝子の順番、抗原遺伝子−gI遺伝子−gE遺伝子の順番の何れであっても構わないが、操作上の簡便さから、gI遺伝子の後ろ(3’側)にgE遺伝子が連結され、抗原遺伝子はこれらの遺伝子の5’側または3’側に連結するのが望ましい。また、組み換えウイルスの選択に有用なマーカー遺伝子を組み込む場合、その連結部位も特に制限されない。これらの遺伝子の連結方法も特に制限されず、適当なリンカー等を用いて各遺伝子を連結させて予め挿入すべき遺伝子を作製する方法や各遺伝子を有するベクターを用いる相同組み換えにより組み換えベクターを直接作製する方法などの常法に従って連結することができる。
【0018】
(異種外来抗原タンパク質、抗原遺伝子)
本発明において異種外来抗原タンパク質は、親ウイルスとは異なるウイルスや細菌由来のタンパク質であり、親ウイルス中で転写、翻訳されて抗原タンパク質として発現されるものであればよい。鶏用ワクチンを得る場合の異種抗原タンパク質をコードするDNA(抗原遺伝子)の具体例としては、MDVの糖タンパク質をコードする遺伝子(Rossら、J.Gen.Virol.、70、1789−1804(1988))、NDVのHNをコードする遺伝子(Millerら、J.Gen.Virol.、67、1917−1927(1986))、Fタンパク質をコードする遺伝子(McGinnesら、Virus Res.、5、343−356(1986))、伝染性ファブリキウス嚢病ウイルスの構造タンパク質VP2をコードする遺伝子(Baylissら、J.Gen.Virol.、71、1303−1312(1990))等の感染防御に関与した抗原をコードした遺伝子が好ましい。
【0019】
(プロモーター)
本発明で用いるプロモーターは、組み換えファウルポックスウイルス感染宿主中でプロモーターとして機能するののであれば、特に限定されない。例えば、7.5Kポリペプチドをコードするワクチニアウイルス遺伝子のプロモーター、11Kポリペプチドをコードするワクチニアウイルス遺伝子のプロモーター、チミジンキナーゼをコードするワクチニアウイルス遺伝子のプロモーターなどが例示されるほか、プロモーターとして機能する限りにおいては、一部を削除するなど改変したものであってもよく、また合成されたものであってもよい。本発明のおいては、初期プロモーターと後期プロモーターの両方の配列を有する合成プロモーター(A.J.Davidsonら、J.Mol.Biol.、215、749−769、およびp771−781(1989))やその一部をプロモーター活性が喪失しない範囲で削除する、塩基を変更するなどして改変したもの(例えば、塩基配列が、5’−TTTTTTTTTTTTTTTTTTTTGGCATATAAATAATAAATACAATAATTAATTACGCGTAAAAATTGAAAAACTATTCTAATTTATTGCACTC−3’で示されるもの)を用いることが特に好ましい。なお、この合成プロモーターあるいはその改変物は、その塩基配列の5’側の端にT(チミジン)が多数連続しているが、プロモーター活性の高さ、抗原遺伝子の発現量の多さの点から、15〜40個のTが連続していることが好ましく、18〜30個のTが連続していることがより好ましい。
【0020】
もちろん、gE遺伝子、gI遺伝子、抗原遺伝子、マーカー遺伝子をそれぞれ支配するように、プロモーターを連結させることができるが、各遺伝子に連結したプロモーターは、必ずしも同じプロモーターである必要はない。
【0021】
(組み換えファウルポックスウイルスの作製方法)
組み換えファウルポックスウイルスの作製方法は特に限定されず、常法に従って行えばよい。すなわち、予め親ウイルスを感染させた細胞に、例えば、リン酸カルシウム共沈法等によりgE遺伝子、gI遺伝子、抗原遺伝子等を有する組み換えベクターが導入されることにより、ベクターと感染細胞中のウイルスゲノムDNAとの間で相同組み換えが起こり、組み換えファウルポックスウイルスが構築される。得られた組み換えウイルスは、イーグルMEMなどの培地で培養された宿主細胞に感染させ、生育してくるプラークを組み込んだ抗原遺伝子をプローブとするハイブリダイゼーション法や、抗原遺伝子と共に組み込んだマーカー遺伝子の発現等の方法により候補株を純化し、組み込んだ抗原遺伝子によりコードされたポリペプチドに対する抗体を使用し、イムノアッセイ等の方法により、目的の組み換えファウルポックスウイルスであることを確認すればよい。例えば、マーカー遺伝子としてlacZ遺伝子が組み込まれている組み換えファウルポックスウイルスの場合、β−ガラクトシダーゼを発現する。よって、その気質の1つであるBluo−gal(GIBCO−BRL社製)存在下で青いプラークを形成するので、その性質を利用して選択、純化することができる。宿主細胞としては、用いるウイルスが感染し、増殖することが可能なものであれば特に限定されず、例えば、鶏繊維芽(CEF)細胞や、発育鶏卵しょう尿膜細胞等が挙げられる。
【0022】
(ワクチン)
本発明のワクチンは、1種類以上の本発明の組み換えファウルポックスウイルスからなるワクチンである。即ち、本発明により開示されたMDV由来のgE遺伝子またはgE遺伝子とgI遺伝子、および抗原遺伝子等を有する組み換えウイルスを単独で用いるほか、他の2〜3種類の組み換えウイルスを組み合わせてもよい。また、組み換えファウルポックスウイルス以外にも薬理学的に問題のないキャリアー、例えば生理食塩水、安定剤などを含んでいてもよい。本発明のワクチンの調製方法は特に限定されない。例えば、本発明で組み換えファウルポックスウイルスが生育することのできる細胞を、本発明の組み換えウイルスで感染し、組み換えファウルポックスウイルスが増殖するまで培養する。その後、細胞を回収し破砕する。この細胞破砕物を遠心分離機によって遠心分離チューブ中で沈殿物と組み換えファウルポックスウイルスを含んだ高力価上清とに分離する。本質的に宿主細胞を含まず、細胞培養培地と組み換えファウルポックスウイルスを含んだこの遠心上清は、本発明のワクチンとして使用できる。また、薬理学的に受け入れられる生理食塩水などのようなもので、希釈して使用してもよい。遠心上清を凍結乾燥することにより凍結乾燥ワクチンとしても利用できる。
【0023】
本発明のワクチンが鶏用ワクチンである場合、ワクチン中の組み換えウイルスが家禽に感染して防御免疫を引き起こすような方法であれば、どのような方法で家禽に投与してもよい。例えば、翼膜穿刺、皮膚に引っかき傷をつけてワクチンを接種したり、注射針やその他の器具で家禽の皮下にワクチン接種することができる。また、ワクチンを家禽の飲み水に懸濁したり、飼料の固形物に混入して、経口接種させることも可能である。さらに、エアロゾルやスプレーなどによるワクチンを吸入させる方法、静脈内接種法、筋肉中接種法、腹腔内接種法等を用いることもできる。
【0024】
接種量は、例えば、鶏の場合、1羽あたり通常10〜10プラーク形成単位(PFU)であり、好ましくは10〜10PFUである。注射する場合には、この量を生理食塩水等の薬理学的に受け入れられる液体で希釈して0.1ml程度にすればよい。本発明のワクチンは、普通のワクチンと同様の条件下で保存、使用することが可能である。例えば、本発明の組み換えウイルスを凍結乾燥すれば、冷蔵庫(0〜4℃)での保存が可能であり、さらに短期間であれば室温(20〜22℃)での保存も可能である。また、ウイルスの懸濁液を−20〜−70℃にして凍結させ、保存することも可能である。
【0025】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
【0026】
(実施例1)MDVのGA株ゲノムDNAの抽出
MDVのGA株が感染したCEF細胞をトリプシン処理でシャーレにより回収し、PBSで2回その細胞を洗った後、プロテナーゼKバッファー(10mMトリス塩酸(pH7.8)、5mM EDTA、0.5% SDS)で懸濁し、ProteinaseK(Boehringer Mannheim社製)を50μg/mlの濃度になるように加えた。55℃で2時間放置した後、フェノール/クロロホルムで2回、タンパク質の除去を行い、2倍量のエタノールを加えて−20℃で20分間放置した後、遠心し、MDVのGA株のゲノムDNAを得た。
【0027】
(実施例2)MDVのgI、gE遺伝子のクローニング
gI遺伝子とgE遺伝子とをMDVのGA株のゲノムDNAからクローンニングするためにVelicerらが発表したMDVのGA株のユニークショート領域の塩基配列(Velicerら、米国特許第5,252,716号)をもとに配列番号1および2記載の2種類のDNAプライマー(5’−CGGGAGATCTGCGATGTATGTACTACAATTA−3’(配列番号1)、5’−GGATCCCGCATCGACAATAAATT−3’(配列番号2))を使用した。配列番号1のプライマーは、配列番号11で示されるgI遺伝子の第1番目〜18番目に記載される塩基配列を含み、配列番号2のプライマーは、配列番号11で示されるgE遺伝子の第1496番目〜1518番目に記載される塩基配列を含む。これらのプライマーを用いて実施例1で得たMDVのGA株ゲノムDNAを鋳型とするポリメラーゼ・チェーン・リアクション(以下、PCRという)により、gI遺伝子の全長およびgE遺伝子の一部を有するDNA断片の増幅を行った。反応組成はMDVゲノムDNA20ピコグラムを含む水溶液64.5μlに8μlの10倍濃縮PCR反応バッファー(200mMトリス塩酸(pH8.4)、500mM塩化カリウム、25mM塩化マグネシウム)、4μlの2.5mMのdNTPs、5U/μl濃度のタックポリメラーゼ0.5μlおよび20μmの各プライマー1μlづつを加えた。反応条件は、変性を95℃で1分間、アニールを55℃で2分間、ポリメラーゼ反応を72℃で2分間、30サイクロをパーキンエルマーシータス社製のサーマルサイクラー480で行った。その結果、gI遺伝子の全長とgE遺伝子の5’末端の一部の塩基配列を含む約1.5kbのDNA断片を得た。
【0028】
実施例1で得たMDVのGA株を各種制限酵素で切断後、0.8%アガロースゲルで電気泳動を行い、ゲル中のDNA断片をナイロンメンブレンにトランスファーし、前述のPCR産物をプローブとしたサザンハイブリダイゼーションを行った。その結果、gI遺伝子を含む約1.1kbのBamHI−KpnI DNA断片とgE遺伝子を含む約6.0kbのBglII−HindIII DNA断片がハイブリダイズしている事を確認した。これらのDNA断片は、pUC18のBamHI−KpnI部位とBamHI−HindIII部位にクローニングし、それぞれpUC−gI−1とpUC−gE−1を得た。pUC−gE−1にクローニングした約6.0kbのBglII−HindIII DNA断片を各種制限酵素で切断して、制限酵素地図を作製した。これを利用して、gE遺伝子を含む約2.2kbのKpnI−HpaI DNA断片をpUC18のKpnI−HincII部位にサブクローニングし、pUC−gE−2を得た。gE遺伝子の全塩基配列(配列番号11中、第1207〜2700番目の塩基配列)は、サンガーのダイデオキシチェーンターミネーション法(Sangerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、74、5463−5467(1977))によって、pUC−gE−2の一連の欠失変異体の配列を調べることにより決定した。
【0029】
(実施例3)FPV組み換え用プラスミドpNZ5929(図1参照)
プラスミドpNZ98(特開平3−2784号公報記載)を制限酵素SacIで部分消化後、さらに制限酵素BamHIで部分消化し、約1.9kbのDNA断片を回収した。一方、プラスミドpNZ1729R(Yanagidaら、J.Virol.、66、1402−1408(1992))をEcoRIとSacIで消化し、この部位に配列番号3と配列番号4に記載の2種類の合成DNA(5’−AATTCGGCCGGGGGGGCCAGCT−3’(配列番号3)、5’−GGCCCCCCCGGCCG−3’(配列番号4))をアニーリングしたSfiI部位を含む合成アダプターを挿入し、プラスミドpNZ1829Rを構築した。このプラスミドpNZ1829Rを制限酵素BamHIで消化後、さらに制限酵素SacIで部分消化し、前述の約1.9kbのBamHI−SacI DNA断片を挿入して、目的のプラスミドpNZ5929を構築した。
【0030】
(実施例4)抗原遺伝子挿入用プラスミドpGPTsおよびpGTP7.5の構築
プラスミドpGPTsは、pUC18のHindIII−SalI部位にプラスミドpNZ1719R(Yanagidaら、J.Virol.、66、1402−1408(1992))を制限酵素HindIIIとSalIで消化して得られた約140bpのDNA断片を挿入し、さらにHindIII−PstI部位に配列番号5記載の合成DNA(5’−AGCTGCCCCCCCGGCAAGCTTGCA−3’)を挿入し、次にSalI−EcoRI部位に配列番号6記載の合成DNA(5’−TCGACATTTTTATGTAC−3’)を挿入し、最後にSacI−EcoRI部位に配列番号7記載の合成DNA(5’−AATTCGGCCGGGGGGGCCAGCT−3’)を挿入して構築した。プラスミドpGTP7.5は、pUC18のHindIII−SalI部位にプラスミドpNZ1037(Ogawaら、Vaccine、8、486−490(1990))を制限酵素HindIIIとSalIとで消化して得られた約270bpのDNA断片を挿入し、さらにHindIII−PstI部位に配列番号5記載の合成DNA(5’−AGCTGCCCCCCCGGCAAGCTTGCA−3’)を挿入し、次にSalI−EcoRI部位に配列番号6記載の合成DNA(5’−TCGACATTTTTATGTAC−3’)を挿入し、最後にSacI−EcoRI部位に配列番号7記載の合成DNA(5’−AATTCGGCCGGGGGGGCCAGCT−3’)を挿入して構築した。
【0031】
(実施例5)FPV組み換え用プラスミドpNZ29MD−gEの構築(図2、3参照)
実施例2で得たpUC−gE−1を鋳型とし、配列番号8と9に示すプライマーを利用してPCRを行った。反応組成および条件は、実施例2と同様とした。得られたPCR産物を制限酵素BglIIとSalIとで消化後、約1.5kbのDNA断片を回収し、プラスミドpUC18のHindIII部位とPstI部位の間にBglII部位を作るための配列番号10記載の合成DNA(5’−AGCTAGATCTTGCA−3’)を組み込んで調製したプラスミドpUC−XGのBglII−SalI部位に挿入し、プラスミドpUC−gE−PCRを構築した。挿入したDNA断片の塩基配列を確認したが、PCR中に如何なる変異も見られなかった。このプラスミドpUC−18−gE−PCRを制限酵素BglIIとSalIとで消化後、約1.5kbのDNA断片を回収し、pGTPsのBamHI−SalI部位に挿入し、プラスミドpGPTs−gEを構築した。このプラスミドpGPTs−gEを制限酵素BglIで消化後、約1.7kbのDNA断片を回収した。このDNA断片をFPV組み換え用ベクターpNZ1829−SfiのSfiI部位に挿入し、目的の組み換え用プラスミドpNZ29MD−gEを構築した。
【0032】
(実施例6)FPV組み換え用プラスミドpNZ5929−gEの構築(図4参照)
実施例5で得たプラスミドpGPTs−gEを制限酵素BglIで消化後、約1.7kbのDNA断片を回収した。このDNA断片を実施例3で得たFPV組み換え用ベクターpNZ5929のSfiI部位に挿入し、目的の組み換え用プラスミドpNZ5929−gEを構築した。
【0033】
(実施例7)FPV組み換え用プラスミドpNZ5929−7.5gI−gEの構築(図5、6)
実施例2のPCRで得た約1.5kbのDNA断片を制限酵素KpnIで消化後、さらに制限酵素BglIIで部分消化し、約1.1kbのDNA断片を回収した。このDNA断片を実施例4で得たpGTP7.5のBanHI−KpnI部位に挿入して、プラスミドpGTP7.5−gIを構築した。挿入したDNA断片の塩基配列を確認したが、PCR中に如何なる変異も見られなかった。このプラスミドpGTP7.5−gIを制限酵素BglIで消化後、約1.4kbのDNA断片を回収した。このDNA断片を実施例3で得たFPV組み換え用ベクターpNZ5929のSfiI部位に挿入し、プラスミドpNZ5929−gIを構築した。次に、実施例5で得たプラスミドpGTPs−gEを制限酵素BglIで消化後、約1.7kbのDNA断片を回収した。このDNA断片をプラスミドpNZ5929−7.5gIのSfiI部位に挿入し、目的のFPV組み換え用プラスミドpNZ5929−7.5gIgEを構築した。
【0034】
(実施例8)組み換えFPVの作製と純化
単層になったCEFにFPVのワクチンから単離した大型プラーク形成を表現型として持つウイルス(Nazerianら、Avian Dis.、33、458−465(1989))を0.1の感染多重度で感染した。3時間後、これらの細胞をトリプシン処理で剥がし、細胞懸濁液とした。この懸濁液からの2×10個の細胞と10μgの組み換え用プラスミドの混合物をSaline G(0.14M塩化ナトリウム、0.5mM塩化カリウム、1.1mMリン酸一水素二ナトリウム、0.5mM塩化マグネシウム6水和物、0.011%グルコース)に懸濁し、室温において、ジーンパルサー(Bio−Rad社製)3.0KV/cm、0.4msec条件下で、エレクトロポレーションした。プラスミドを導入した細胞を、その後、37℃で72時間培養し、3回の凍結乾燥によって細胞を溶解した。放出した組み換えウイルスは次のように選別された。
【0035】
溶解した細胞から放出された子孫ウイルスを含んだ溶解液の10倍段階希釈液を継代したCEFに感染させ、生育培地を含んだ10mlの寒天溶液を重層した。室温中で寒天を固めた後、典型的なFPVのプラークが出現するまで37℃で培養した。さらにBluo−galを250μg/ml含んだ別の寒天をそれぞれの培養プレートに重層し、さらに24時間37℃で培養した。すべての子孫ウイルスに対して、およそ1%の比率で青色プラークが出現した。これらの青色プラークを単離し、含まれているウイルスを回収し、形成する全てのプラークがBluo−galで青く染まるまで、同じ方法でさらに組み換えウイルスの純化を行った。通常、この過程は3〜4回で終了する。この純化されたウイルスを、fNZ5929と名付けた。このfNZ5929は、サザンハイブリダイゼーション法により解析され、NDVのF遺伝子とlacZ遺伝子が予想通りの位置にあることが確認された。実施例4、5、6で示した組み換え用プラスミドpNZ29MD−gE、pNZ5929−gE、pNZ5929−7.5gI−gEは、上記と同様の方法でFPV感染細胞に導入し、得られた組み換えウイルスを、それぞれfNZ29MD−gE、fNZ5929−gE、fNZ5929−7.5gI−gEと名付けた。
【0036】
(実施例9)組み換えウイルスを接種した鶏の強毒NDVに対する感染防御効果
組み換えFPVは、穿刺用針で10PFUを、3日齢のニューカッスル病に対する移行抗体保有鶏の右側翼膜に接種し、31日齢で10PFUの強毒DNV佐藤株をモモの筋肉中に接種した。その後、45日齢になるまでニューカッスル病による死亡を記録した。この結果を、表1に示す。
【0037】
【表1】
Figure 0003675569
【0038】
この結果によれば、未接種、親株FPV、fNZ29MD−gE接種群の鶏は、強毒NDVの攻撃試験に対し、ほとんどすべてニューカッスル病で死亡したが、NDVのF遺伝子を挿入した組み換えFPVであるfNZ5929を接種した鶏では、24%が生存し、fNZ5929にgE遺伝子を挿入したfNZ5929−gE、gEとgIの両遺伝子を挿入したfNZ5929−gI−gEの本発明の組み換えFPVを接種した鶏の生存率は、それぞれ38%、47%であった。特に、fNZ5929−7.5gI−gEのワクチン効果はfNZ5929のそれと比較して約2倍であったことから、ヘルペス属ウイルスのgI遺伝子とgE遺伝子とを抗原遺伝子と共に組み込んだ組み換えウイルスは、移行抗体存在条件下でも有効なワクチンとして機能することが判った。
【0039】
(実施例10)FPV組み換え用プラスミドpNZ9929VP2S−7.5gI−gEの構築と組み換えFPVの作製
大腸菌NZ−9101(微工研寄託番号:微工研菌寄第12422号)から常法により抽出できる約6.0kbのプラスミドpIBDVをPvuIで消化後、接着末端をKlenowで平滑末端にし、さらにKpnIで消化して約3.2kbpのIBDV SegA遺伝子を含むDNA断片を回収した。実施例3で構築したプラスミドpNZ1829RをBamHIで消化後、接着末端をKlenowで平滑末端にし、さらにKpnIで消化して開裂した部位に上記の約3.2kbpのSegA DNA断片を挿入して、プラスミドpNZ29RSegAを構築した。次に実施例7で得たプラスミドpGTP7.5−gIをBglIで消化後、約1.4kbpのDNA断片を回収した。このDNA断片を上記プラスミドpNZ29RSegAのSfiI部位に挿入し、プラスミドpNZ29RSegA−7.5gIを構築した.さらに実施例5で得たプラスミドpGTPs−gEをBglIで消化後、約1.7kbpのDNA断片を回収した。このDNA断片をプラスミドpNZ29RSegA−7.5gIのSfiI部位に挿入し、目的のFPV組み換え用プラスミドpN29RSegA−7.5gIgEを構築した。
【0040】
このプラスミドを用いて実施例8と同様の手法で組み換えFPVを作製し、純化した。得られた組み換えFPVは、実施例9で示されたのと同様、組み換え生ワクチンとして有効であると期待される。
【0041】
【発明の効果】
かくして本発明によれば、親ウイルスの増殖に非必須なゲノム領域にニューカッスル病の感染防御抗原をコードした遺伝子とともにMDVのgI、gE遺伝子を組み込まれた組み換えウイルスが得られ、この組み換えウイルスは、ニューカッスル病に対する移行抗体を保有している鶏に接種すると、この移行抗体の影響を低減し、ワクチンとしての高い効果を有する。さらに本発明のワクチンは、マレック病、伝染性ファブリキウス嚢病、伝染性喉頭気管炎等のニューカッスル病以外の病原体の感染防御抗原をコードした遺伝子とともにMDVのgI遺伝子とgE遺伝子とを組み換えウイルスに挿入した場合にも同様のワクチン効果が期待できる。
【0042】
【配列表】
配列番号:1
配列の長さ:31
配列の型:核酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列
Figure 0003675569
【0043】
【配列表】
配列番号:2
配列の長さ:22
配列の型:核酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列
Figure 0003675569
【0044】
【配列表】
配列番号:3
配列の長さ:22
配列の型:核酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列
Figure 0003675569
【0045】
【配列表】
配列番号:4
配列の長さ:144
配列の型:核酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列
Figure 0003675569
【0046】
【配列表】
配列番号:5
配列の長さ:24
配列の型:核酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列
Figure 0003675569
【0047】
【配列表】
配列番号:6
配列の長さ:17
配列の型:核酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列
Figure 0003675569
【0048】
【配列表】
配列番号:7
配列の長さ:22
配列の型:核酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列
Figure 0003675569
【0049】
【配列表】
配列番号:8
配列の長さ:32
配列の型:核酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列
Figure 0003675569
【0050】
【配列表】
配列番号:9
配列の長さ:28
配列の型:核酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列
Figure 0003675569
【0051】
【配列表】
配列番号:10
配列の長さ:14
配列の型:核酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列
Figure 0003675569
【0052】
【配列表】
配列番号:11
配列の長さ:2760
配列の型:核酸
鎖の数:1本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:genomic DNA
起源
生物名:マレック病ウィルス I型
株名:GA株
配列
Figure 0003675569
Figure 0003675569
Figure 0003675569
Figure 0003675569
Figure 0003675569
Figure 0003675569
【0053】
【配列表】
配列番号:12
配列の長さ:355
配列の型:アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:タンパク質
起源
生物名:マレック病ウィルス I型
株名:GA株
配列
Figure 0003675569
Figure 0003675569
【0054】
【配列表】
配列番号:13
配列の長さ:493
配列の型:アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:タンパク質
起源
生物名:マレック病ウィルス I型
株名:GA株
配列
Figure 0003675569
Figure 0003675569
Figure 0003675569
【0055】
【図面の簡単な説明】
【図1】 組み換え用プラスミドpNZ5929の構築手順を示した説明図である。
【図2】 組み換え用プラスミドPGPTs−gEの構築手順を示した説明図である。
【図3】 組み換え用プラスミドpNZ29RMDgEの構築手順を示した説明図である。
【図4】 組み換え用プラスミドpNZ5929−gEの構築手順を示した説明図である。
【図5】 組み換え用プラスミドpNZ5929−7.5gIの構築手順を示した説明図である。
【図6】 組み換え用プラスミドpNZ5929/7.5gEgIの構築手順を示した説明図である。
【図7】 組み換え用プラスミドpNZ29RSegA−7.5gIの構築手順を示した説明図である。
【図8】 組み換え用プラスミドpNZ29RSegA−7.5gIgEの構築手順を示した説明図である。

Claims (4)

  1. ファウルポックスウイルスの増殖に非必須なゲノム領域に、(1)マレック病ウイルスの糖タンパク質gEをコードするDNA、またはマレック病ウイルスの糖タンパク質gEをコードするDNA及び糖タンパク質gIをコードするDNAを含有し、更に(2)異種外来抗原タンパク質をコードするDNAを含有する組み換えファウルポックスウイルス。
  2. 異種外来抗原タンパク質がニューカッスル病ウイルス、マレック病ウイルス、伝染性ファブリキウス嚢病ウイルス、および伝染性喉頭気管炎ウイルスからなる郡より選択されるウイルス由来の抗原タンパク質である請求項1記載の組み換えファウルポックスウイルス。
  3. 異種外来抗原タンパク質がニューカッスル病ウイルスのF抗原タンパク質またはHN抗原タンパク質、マレック病ウイルスの糖タンパク質gE、伝染性ファブリキウス嚢病ウイルスのVP2タンパク質、および伝染性喉頭気管炎ウイルスの糖タンパク質gBからなる群より選択される抗原タンパク質である請求項2記載の組み換えファウルポックスウイルス。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載された組み換えファウルポックスウイルスを有効成分とするワクチン。
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