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JP3673882B2 - 汚泥処理方法およびその装置 - Google Patents

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  • Treatment Of Sludge (AREA)
  • Filtration Of Liquid (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は汚泥処理方法およびその装置に関し、特に、天日乾燥床により汚泥を処理する汚泥処理方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
下水、集落排水等の生活排水の浄化処理により生成される汚泥は、多量の水分を含み、体積が大きく取り扱いに不便である。このため、従来、汚泥の処理方法では、まず、第1段階で、予め汚泥を沈降および微生物処理によって濃縮消化し、この濃縮消化された汚泥を図7および図8に示すような汚泥処理装置としての天日乾燥床2に投入し、汚泥の脱水・乾燥を行うようにしている。天日乾燥床2は、床表面の砂層7で汚泥と水を濾過分離し、その後、日射、風などで脱水乾燥するもので、この天日乾燥床2は、図8に示すように、コンクリートの底部3Aと壁部3Bとを備えたコンクリート槽3の底に濾液排水管4を配置し、槽3の底に砂利6と砂7を順次投入して濾過層5を形成して構成される。濾液排水管4は、濾過層5により濾過された濾液が浸透する浸透口4Aを有するとともに排出端4Bが槽3の外部に延びている。コンクリート槽3には、図示していないが汚泥投入用の蛇口およびポンプが設けられる。固液分離装置としての天日乾燥床2は、外部から濾過層5上に濃縮消化された汚泥M1 が投入されると、濾過層5の表面5Aに濾し残された汚泥の固形分S1 が溜り、濾過され固形分S1 から分離された濾液は濾過層5内を浸透し、濾液排水管4の浸透口4Aを介して外部に排出されるようになっている。濾過層5の表面5Aに固形分S1 が堆積すると、固液分離性能が落ちてくるので、濾過表面の目詰まりを防ぐため、図9の(A)に示すように、クロスフローFを発生させて固形分S1 を除去するようにしている。また、図9の(B)に示すように、濾過方向と反対側から、すなわち、濾過層5の下側から上に向けて水流や気流BWを発生させ、濾過表面5A全体を洗浄する逆洗が行われる。逆洗時には、濾材6、7内部に多量の水量あるいは高圧のエアを下から上に通過させ濾過面5A全面を洗浄するようにしているため、濾過は行われない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の天日乾燥床2は、予め濃縮消化された汚泥に用いられることが一般的であり、低濃度の活性汚泥の処理には適していないという問題がある。すなわち、濃度の薄い汚泥水M2 (3,000 〜5,000 mg SS/L 程度)を天日乾燥床2により処理すると、図10のグラフに示すように、汚泥の固形分と水とを濾過分離するのに長時間を要するからである。つまり、低濃度の汚泥水M2 が天日乾燥床2に投入されると、濾過層5上の液状汚泥M2 では、濾過分離中に汚泥水M2 の固形分S1 が濾過層5の表面5Aに沈殿・堆積し、固形分S1 と分離された水がその沈殿・堆積された汚泥層S2 の上部に滞留してしまう。分離された水が濾過されて排出されるためには、濾過層5より透水性の悪い汚泥層S2 を通過しなければならない。このため、天日乾燥床2による処理に当たっては汚泥を予め濃縮消化しなければならず、時間がかかるだけでなく、コストアップを招くという問題がある。
【0004】
本発明は上記問題点を除くためになされたもので、天日乾燥床における固液分離性能を向上させ、低濃度の汚泥を効率的に汚泥処理することができる汚泥処理方法およびその装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る汚泥処理方法は、槽内に濾過層を形成し、槽の底部に、浸透口を有するとともに排出端が上記槽の外部に延びる濾液排水管を配設し、この濾過層上に汚泥水を投入して濾過層により濾過し、この濾液を濾液排水管を介して外部に排水する汚泥処理方法において、濾過層を下側砂利層と上側砂層とにより構成し、濾液排水管を上記下側砂利層に配置し、複数の通気口を有する通気管を上記上側砂層内の所定の部位に埋設し、汚泥水の投入後、外部から通気管にエアを間欠的に送出して通気口からエアを放出させ、上昇する気泡に濾過層上面に徐々に沈殿する透水性の悪い汚泥層を通過させて汚泥層を排除し、汚泥の固形分と分離して汚泥層上に滞留する分離水と濾過層とを連通させつつ汚泥を処理するようにしたものである。
【0006】
本発明に係る汚泥処理方法は、濾過層を下側砂利層と上側砂層とにより構成し、濾液排水管を上記下側砂利層に配置し、複数の通気口を有する通気管を上記上側砂層内の所定の部位に埋設し、汚泥水の投入後、外部から通気管にエアを間欠的に送出して通気口からエアを放出させ、上昇する気泡に濾過層上面に徐々に沈殿する透水性の悪い汚泥層を通過させて汚泥層を排除し、汚泥の固形分と分離して汚泥層上に滞留する分離水と濾過層とを連通させつつ汚泥を処理するようにしているので、槽に外部から汚泥水が投入されると、まず初めに、固液混合状態の汚泥水は濾過層により濾過され、濾過された濾液は濾過層を浸透し濾液排水管を介して外部に排出される。濾過層上に滞留する汚泥水は、時間の経過とともに固形分と水とに分離して、固形分が濾過層上面に沈殿・堆積して汚泥層を形成する。汚泥は透水性が悪いため、分離水の濾過層への浸透性能を劣化させる。汚泥層が形成されると、外部から通気管にエアを送出し、通気口からエアを放出する。通気口から放出されたエアは気泡となって濾過層内を上昇し、濾過層上面から汚泥層を通過し、さらに分離水を経て大気に達する。気泡が汚泥層を通過する際、汚泥層の一部は気泡により排除され、濾過層と分離水とが連通されるので、分離水は汚泥層を介さず直接濾過層に浸透する。このため、汚泥水の濾過層への浸透性が高まり、分離水は効率よく外部に排出される。
【0007】
また、本発明に係る汚泥処理装置は、槽の内部に形成され投入された汚泥水を濾過する濾過層と、この槽の底部に配設された浸透口を有するとともに排出端が上記槽の外部に延びる濾液排水管とを備えた汚泥処理装置において、濾過層を下側砂利層と上側砂層とにより構成し、濾液排水管を上記下側砂利層に配置するとともに、通気口が上記上側砂層内の所定の部位に複数配された通気管と、この通気管に連通され外部からエアを間欠的に送出するエアポンプとからなるエア放出機構を設けたものである。
【0008】
本発明に係る汚泥処理装置は、濾過層を下側砂利層と上側砂層とにより構成し、濾液排水管を上記下側砂利層に配置するとともに、通気口が上記上側砂層内の所定の部位に複数配された通気管と、この通気管に連通され外部からエアを間欠的に送出するエアポンプとからなるエア放出機構を設けたことにより、槽に外部から汚泥水が投入されると、汚泥水は濾過層により濾過され、濾過された濾液は濾過層を浸透し濾液排水管を介して外部に排出される。濾過層上に滞留する汚泥水は、時間の経過とともに固形分と水とに分離して、固形分が濾過層上面に沈殿・堆積して汚泥層を形成する。この汚泥水の沈殿・濾過時、外部から通気管にエアを送出し、通気口からエアを放出すると、通気口から放出されたエアは気泡となって濾過層内を上昇し、濾過層上面から汚泥層を通過し分離水を経て大気に達する。気泡が汚泥層を通過する際、汚泥層の一部は気泡により排除され、濾過層と分離水とが連通されるので、分離水は汚泥層を介さず直接濾過層に浸透する。このため、汚泥水の濾過層への透水性が高まり、分離水は効率よく外部に排出される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基いて本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の一実施例に係る汚泥処理装置を示す縦断面図、図2の(A)、(B)はそれぞれエアの非放出時および放出時の状態を示す説明図、図3は図1の汚泥処理装置の通気口の配置を示す横断面図である。上記従来の汚泥処理装置と同一または相当部分には同一符号を付してその説明を省略する。本実施例に係る汚泥処理装置(以下、天日乾燥床と称す)12は、図1に示すように、コンクリートの底部13Aと壁部13Bとを備えたコンクリート槽13と、このコンクリート槽13の底に配置された濾液排水管14と、コンクリート槽13に砂利6と砂7を順次投入して形成された下側砂利槽6と上側砂層7とからなる濾過層15とを備えるとともに、砂層7には、エア放出機構20が設けられる。天日乾燥床12には、汚泥投入側に図示しない汚泥の投入用蛇口およびポンプが設けられる。濾液排水管14は、濾過層15により濾過された濾液が浸透する浸透口14Aを有するとともに排出端14Bが槽13の外部に延びている。天日乾燥床12は、外部から濾過層15上に液状の汚泥水Mが投入されると、濾過層15により濾過された濾液が濾過層15内を浸透し、濾液排水管14の浸透口14Aを介して外部に排出されるようになっている。
【0010】
ところで、エア放出機構20は、図1に示すように、コンクリート槽13の外部に設置されたエアポンプ21と、一端がこのエアポンプ21に連通され、多数の通気口22が砂層7内にほぼ均等な密度で配置された通気管23とから構成される。通気管23は、図3に示すように、外部のエアポンプ21に接続された本管23Aと、この本管23Aから分岐して濾過層15の砂層7内に互いに平行に埋設された支管23Bとからなっている。通気口22は、図3に示すように、支管23の埋設部分に設けられる。各通気口22には、図示しない逆止弁が設けられ、濾過層成分としての砂または水がエアポンプ21側に侵入するのを阻止するようになっている。エアポンプ21は、図3に示すように、制御弁24を介して本管23Aに接続される。これらエアポンプ21と制御弁24はタイマを内蔵した制御装置25と電気的に接続される。制御装置25は、予め設定されたデータに基づいてエアポンプ21と制御弁24とを制御し、通気管23にエアを間欠的に送出するようになっている。
【0011】
次に、本発明の汚泥処理方法について、上記構成に係る汚泥処理装置(天日乾燥床)12の作用に基づいて説明する。天日乾燥床12に外部から低濃度(3,000 〜5,000 mg SS/L 程度)の汚泥水M2 を投入し、濾過層15上に滞留させると、汚泥水M2 は濾過層15により濾過され、濾過された濾液は濾過層15を浸透し浸透口14Aから濾液排水管14を介して外部に排出される。濾過層15上に滞留する汚泥水M2 は、時間の経過とともに固形分S1 と水Wとに分離して、固形分S1 が濾過層上面15Aに沈殿・堆積して汚泥層S2 を形成する(図2の(A)参照)。透水性の悪い汚泥層S2 の形成により、分離された水Wは濾過層15に浸透しにくくなる。この汚泥水M2 の沈殿・濾過時、制御装置25によりエアポンプ21と制御弁24とを動作させると、エアポンプ21は制御弁24を介して通気管23に所定圧のエアを送出する。エアは通気管23の本管23Aから支管23Bに分流され、通気口22から砂層7の内部に放出される。砂層7に放出されたエアは、図2の(B)に示すように、気泡26となって砂層7内を上昇し、濾過層上面15Aから汚泥層S2 を通過し、分離水Wを経て大気に達する。気泡26が汚泥層S2 を通過する際、汚泥層S2 の一部は気泡26により排除され、濾過層15と分離水Wとが連通される。このため、分離水Wは汚泥層S2 を介さず、直接濾過層15に浸透する。このように、本発明に係る汚泥処理方法では、汚泥水M2 の濾過層15への浸透性が高まり、分離水Wは濾液排水管14を介して効率よく外部に排出される。従って、低濃度の汚泥水であっても効率的に処理することができるので、従来のように、天日乾燥床による汚泥処理の前に、濃縮消化処理を行う必要がなく、直接低濃度の汚泥水を処理することができる。また、低濃度の汚泥水を効率的に処理できるので、コストダウンを図ることができる。
【0012】
また、上述のように汚泥水M2 の沈殿・堆積時、通気口22からエアを放出する際、気泡26が濾過層上面15Aに達した時、あるいは、気泡26が汚泥層S2 内を通過して上昇している時には、分離水Wは気泡26にブロックされて濾過層15側に浸透しにくい。このため、制御装置25により予め設定されたデータに基づいてエアポンプ21と制御弁24とを制御し、通気管23にエアを間欠的に送出し、気泡26により分離水Wと濾過層15とを連通させた後、しばらくエアの放出を停止すると、より浸透性が向上し、固液分離性能が高まる。エア送出時間とエア送出停止時間の設定は、汚泥水の濃度に応じて予め求められる沈殿速度(堆積速度)や投入水量により決定することができる。
【0013】
【実施例】
次に、上記構成に係る汚泥処理装置をモデル化した室内実験結果を示す。上記汚泥処理方法およびその装置の有効性を確認するため、本発明者らは、図4に示す室内実験装置112で実験を行った。室内実験装置112は、内径100mmの透明のアクリルパイプ112Aにアクリル板で底112Bを設けた。底部112Bに水道用蛇口114を取り付け排水口とした。この容器112の底部に網戸用の網部材を敷き下側に砂利106を、上側に細砂107を詰め、汚泥天日乾燥床を再現した。また、曝気濾過法を行うため、エアポンプ121と接続したエアーストーンを砂層107に埋めた。
【0014】
実験条件は次のとおりである。
RUN−1:実験装置112の上部から水道水を入れ、非曝気で濾過時間を測定した。
RUN−2:同じく水道水を入れ、曝気しながら濾過時間を測定した。
RUN−3:汚泥約1リットルを入れ、非曝気で濾過時間を測定した。
RUN−4:汚泥約1リットルを入れ、全曝気(濾過開始から終了まで連続的に曝気)で濾過時間を測定した。
RUN−5:汚泥約1リットルを入れ、間欠曝気(濾過開始後2分毎に15秒間曝気)で濾過時間を測定した。
RUN−6:汚泥約1リットルを入れ、途中曝気(濾過開始後砂層表面に汚泥層が形成され、濾過速度が著しく低下するまで非曝気で濾過し、その後濾過終了まで曝気)で濾過時間を測定した。
用いた汚泥は、茨城県美浦村内の農業集落排水施設から採取したもので、MLSS濃度は2,600mg/L 、沈降性の指標であるSV30は9%であった。また、RUN−3ないしRUN−6は、各RUN終了後、汚泥を取り出すため、汚泥とともに表面の砂も取り出し、その分の砂を新たに加えたため、砂層107の濾過特性が各RUN毎にちがってしまうことが懸念され、各RUN終了後に各RUN毎にRUN−1と同様の水道水による非曝気濾過試験を行った。これらをRUN−4’ないしRUN−6’という。また、RUN−3ないしRUN−6の測定条件を揃えるため、濾過速度測定開始前は、排水口の水道栓114を閉じ、砂層107表面まで水道水を満たした状態で、汚泥を入れ排水口を開いて濾過速度を測定した。
【0015】
実験結果を図5および図6に示す。RUN−1とRUN−2の結果では図5に示すように、RUN−1の濾過時間が短かった。水道水の砂層の通過では、曝気によるメリットはなく、流下面積が気泡によって減少する分だけ通過に時間がかかることが判明した。それに対して、汚泥を投入した場合の濾過は、図6に示すように、汚泥を非曝気で濾過したRUN−3に比べて、曝気を行ったRUN−4ないしRUN−6の濾過時間はいずれも短かった。濾過時間はRUN−4>RUN−6>RUN−5の順で短くなっており、曝気時間が短いRUN−5が、最も濾過時間が短かった。この理由として、RUN−4およびRUN−6では、気泡によって汚泥層の一部が破壊されても、その部分から気泡の上昇が続くので、水分の流下が速やかに行えない。また、気泡の上昇位置が時々移動して汚泥層の破壊された部分が残っても、曝気により汚泥層上部の水に多くの汚泥が混合され、汚泥層の破壊された部分が、侵入する水分の持ち込む汚泥ですぐに閉塞してしまう。特に、RUN−4にように、濾過開始当初から曝気を行うと、濾材の砂107が液中に送り込まれ、濾過終了後の汚泥層の上面に砂107が多く見られた。このため、間欠曝気により濾材表面に汚泥層が形成される毎に、汚泥層の一部を破壊するのが濾過時間短縮と省エネルギーに優れていた。汚泥投入前に砂層の条件を確認するために行ったRUN−4’ないしRUN−6’の結果は、図5に示すように、各RUN毎に相違はあるが、その差は汚泥を投入した場合の濾過時間の差に比べると無視できる程度である。なお、本実験では、濾過高さは8cm程度であるが、実用的には30cm以上の濾過高さが必要とされ、本願発明のようなエア放出機構を持たない従来の天日乾燥床では、図10に示すように、排水に4日程度を要したケースがあった。
【0016】
なお、上記実施例では、通気口22の形成された支管23Bを砂層に配置しているがこれに限られるものではなく、砂利層に配置してもよい。しかしながら、通気口22は、濾過層15の表面15A近くでかつ所定の厚さの濾過層を上側に確保して設けることが望ましい。また、制御装置25は予め設定されたデータに基づいてエアを通気管23に間欠的に送出するようにしているが、これに限られるものではなく、コンクリート槽内部に汚泥層の堆積厚さを検知するセンサを設け、このセンサからの検知信号に基づいて通気管23へのエアの送出のタイミングを制御するようにしてもよい。また、この検知信号に基づいてエアの送出量あるいは送出圧力を制御するようにしてもよい。さらに、上記実施例のように低濃度の汚泥水M2 の処理にあたっては、投入される低濃度の汚泥水M2 の固形分は濾過層15の上面15A全域にほぼ均等に沈殿・堆積するため、多数の通気口22を砂層7内でほぼ均等な密度で配置するようにしている。しかしながら、汚泥水M2 の投入条件等により、濾過層15の上面15Aに堆積する汚泥層の厚さに偏りが生じる場合、偏りに応じて通気口の配置数を場所により適宜変更し、通気口の密度を変えてもよいことは言うまでもない。また、上記実施例の説明において、濾過層からエアを放出し気泡を発生させることを曝気と称しているが、本願でいう曝気は液中へのエアの送気と同義であって、微生物処理に供するための酸素供給のためのものではない。
【0017】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、濾過層を下側砂利層と上側砂層とにより構成し、濾液排水管を上記下側砂利層に配置し、複数の通気口を有する通気管を上記上側砂層内の所定の部位に埋設し、汚泥水の投入後、外部から通気管にエアを間欠的に送出して通気口からエアを放出させ、上昇する気泡に濾過層上面に徐々に沈殿する透水性の悪い汚泥層を通過させて汚泥層を排除し、汚泥の固形分と分離して汚泥層上に滞留する分離水と濾過層とを連通させつつ汚泥を処理するようにしたことにより、汚泥水の沈殿・濾過時、濾過層上に汚泥層が形成されると、汚泥層を気泡により排除して分離水と濾過層とを連通させ、浸透性を向上させることができるので、固液分離性能を向上させて汚泥処理の作業時間を短縮することができる。また、従来、処理が困難であった低濃度の汚泥を汚泥処理することができるので、従来のように、天日乾燥床による汚泥処理の前に、濃縮消化処理を行う必要がなく、作業効率を向上させ、コストダウンを図ることができる。
【0018】
また、本発明によれば、濾過層を下側砂利層と上側砂層とにより構成し、濾液排水管を上記下側砂利層に配置するとともに、通気口が上記上側砂層内の所定の部位に複数配された通気管と、この通気管に連通され外部からエアを間欠的に送出するエアポンプとからなるエア放出機構を設けたことにより、汚泥水の沈殿・濾過時、濾過層上に形成される汚泥層を気泡により排除して分離水と濾過層とを連通させることができるので、固液分離性能を向上させて汚泥処理の作業時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る汚泥処理装置を示す縦断面図である。
【図2】(A)、(B)はそれぞれ図1の汚泥処理装置のエアの非放出時および放出時の状態を示す説明図である。
【図3】図1の汚泥処理装置の通気口の配置を示す横断面図である。
【図4】実験装置を示す斜視図である。
【図5】図4の実験装置を用いて水道水による濾過実験を行った結果を示すグラフである。
【図6】図4の実験装置を用いて汚泥による濾過実験を行った結果を示すグラフである。
【図7】従来の天日乾燥床を示す平面図である。
【図8】図7の天日乾燥床を示す縦断面図である。
【図9】(A)は従来の天日乾燥床におけるクロスフローの流れを示す説明図、(B)は従来の天日乾燥床における逆洗時の流れを示す説明図である。
【図10】従来の天日乾燥床における低濃度の汚泥処理に要した水層の厚さと経過日数との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
12 天日乾燥床(汚泥処理装置)
13 コンクリート槽(槽)
13A コンクリート槽の底部
14 濾液排水管
14A 浸透口
14B 排出端
15 濾過層
20 エア放出機構
22 通気口
23 通気管
26 気泡
M、M2 汚泥水
2 汚泥層
W 分離水

Claims (6)

  1. 槽内に濾過層を形成し、槽の底部に、浸透口を有するとともに排出端が上記槽の外部に延びる濾液排水管を配設し、この濾過層上に汚泥水を投入して濾過層により濾過し、この濾液を濾液排水管を介して外部に排水する汚泥処理方法において、濾過層を下側砂利層と上側砂層とにより構成し、濾液排水管を上記下側砂利層に配置し、複数の通気口を有する通気管を上記上側砂層内の所定の部位に埋設し、汚泥水の投入後、外部から通気管にエアを間欠的に送出して通気口からエアを放出させ、上昇する気泡に濾過層上面に徐々に沈殿する透水性の悪い汚泥層を通過させて汚泥層を排除し、汚泥の固形分と分離して汚泥層上に滞留する分離水と濾過層とを連通させつつ汚泥を処理することを特徴とする汚泥処理方法。
  2. 槽の内部に形成され投入された汚泥水を濾過する濾過層と、この槽の底部に配設された浸透口を有するとともに排出端が上記槽の外部に延びる濾液排水管とを備えた汚泥処理装置において、濾過層を下側砂利層と上側砂層とにより構成し、濾液排水管を上記下側砂利層に配置するとともに、通気口が上記上側砂層内の所定の部位に複数配された通気管と、この通気管に連通され外部からエアを間欠的に送出するエアポンプとからなるエア放出機構を設けたことを特徴とする汚泥処理装置。
  3. 通気口は濾過層内にほぼ均等な密度で配置されることを特徴とする請求項に記載の汚泥処理装置。
  4. 通気管は、エアポンプに接続された本管と、この本管から複数に分岐し互いに平行に埋設された支管とから構成されることを特徴とする請求項2または3に記載の汚泥処理装置。
  5. エアポンプは、予め設定されたデータに基づいてエアを通気管に間欠的に送出する制御装置を備えていることを特徴とする請求項2ないし4のうちいずれか1に記載の汚泥処理装置。
  6. 通気口には、濾過層成分または水の侵入を阻止する逆止弁が設けられることを特徴とする請求項2ないし5のうちいずれか1に記載の汚泥処理装置。
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