JP3670916B2 - Wire harness winding device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に自動車において配索済みの電線,ケーブルおよびワイヤハーネスなどのハーネス類を繰り出しかつ巻き取るワイヤハーネス巻取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハーネス類を繰り出して長く延伸させたり巻き取ったりする一般的な巻取装置として、たとえば特開平9−84244号公報に記載のケーブル巻き取り機構がある。また、特に自動車のボディ・パネルとドアとの間に渡って配索したハーネス類を、ドアの開閉動作に追従させて長く繰り出しまた巻き戻しするハーネス巻取装置も周知である。
【0003】
代表的に、後者の自動車用ハーネス巻取装置について、図7の分解断面図および図8の組立断面図を用いて概略的に説明する。この場合、装置本体を形成する巻取ケース1を有し、この巻取ケース1は円筒形状のケース本体2と、この内部に回転可能に軸支された巻取ドラム3などからなっている。また、それら両部材間にコイルばねによる巻取ばね4が装着され、この弾発力に抗して図8中仮想線で示すワイヤハーネス5を繰り出し、また巻き戻す方向へ巻取ドラム3を回転付勢している。さらに、両図に示されてはいないが、ケース本体2に被せて塞ぐケース蓋が巻取ケース1の構成部材として備わっている。
【0004】
ケース本体2は、円筒形状の周壁2aによって囲まれる内部中心位置にドラム回転支軸2bが立ち上げられ、これと同心円上に内外二重に環状のばね当て内板2cと略半円状のばね当て外板2dが形成されている。また、ケース本体2自体はドラム回転支軸2bに嵌合させたロッド6を介してたとえばボディ・パネル側に取り付けて固定される。
【0005】
巻取ドラム3は、ドラム胴部3aの中心軸上に突出させた筒状の軸受ボス3bを有し、この軸受ボス3bを上記ケース本体2側のドラム回転支軸2bに嵌合させて回転可能に支持されている。軸受ボス3bはその外側からもケース本体2側に設けた環状のボス受2eによって受け止められている。また、ドラム胴部3aの外周に沿って断面凹状にハーネス巻取溝部3cが形成され、ここにワイヤハーネス5を巻き付ける。また、ドラム胴部3aの内面適所には巻取ばね4の両端部4aを係止するためのばね止め3dが突起形状に設けられている。さらに、図8に示すように、ケース本体2に巻取ドラム3を組み込んだ段階で、ドラム抜け止め用に止め輪7をケース本体2側のドラム回転支軸2bの上部に装着している。
【0006】
そこで、巻取ばね4は、その作動前の通常状態つまりワイヤハーネス5が巻取ドラム3に巻き取られた状態のとき、ばね内周面がケース本体2のばね当て内板2cの外周面に当接し、ばね外周面がばね当て外板2dの内周面に当接することで、ばね軸のずれなど無用な動きが規制される。また、ばね作動時つまりワイヤハーネス5が巻取ドラム3から長く繰り出されるとき、巻取ばね4は縮径する。その際、ばね内周面がケース本体2側のばね当て内板2cの外周面に当接することにより、それ以上のばね縮径動作を規制するようになっている。
【0007】
なお、ワイヤハーネス5は、その一端側でボディ・パネルの電気回路に接続され、他端側をドアの電気回路に接続して配索される。したがって、ドアの開き動作に追従してワイヤハーネス5は巻取ばね4に抗して巻取ケース1から長く繰り出され、ドアの閉じ動作に追従してワイヤハーネス5は巻取ばね4によって巻取ケース1内に巻き戻される。巻取ドラム3は、巻取ばね4によってワイヤハーネス5を巻き取る正転方向へ回転付勢され、繰り出し時は巻取ばね4に抗して逆転方向へ回転することになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この図7および図8で示された自動車用のワイヤハーネス巻取装置の場合、機構的な改善部分が残されている。
【0009】
巻取ばね4は、ワイヤハーネス5の繰り出しと巻き戻しに対応してばね径を縮径作動し、また元のばね径に戻るべく拡径作動する。そうしたばね拡縮作動を許容しかつ動作規制するために、前述のように、ケース本体2側にばね当て内板2cとばね当て外板2dを設けている。これら内外二重のばね当て内板2cおよびばね当て外板2d間にはばね拡縮に対応するだけの径差による隙間があるため、それが巻取ばね4のがたつきの原因となる不都合がある。
【0010】
さらに問題点の一つに、巻取ばね4を縮径作動させてつまり弾発力に抗してワイヤハーネス5を繰り出す際、縮径作動中の巻取ばね4がばね当て内板2cの上周縁と巻取ドラム3のドラム胴部3aの内面との間に生じた隙間(図8中、符号8で示す)に入り込んで咬み込む。そうした巻取ばね4の咬み込みで巻取ドラム3の回転動作に支障を与え、ワイヤハーネス5の繰り出しおよび巻き取りに円滑性を欠く不具合がある。
【0011】
したがって、本発明の目的は、特に自動車において車体のボディ・パネルおよびドア間に渡って配索されたハーネス類をドアの開閉動作に連動させて繰り出しかつ巻き取るワイヤハーネス巻取装置に好適であり、巻取ばねのがたつきや咬み込みを防止して巻取ドラムの回転に支障を与えることなく、円滑にワイヤハーネスを繰り出しかつ巻き取れるようにしたワイヤハーネス巻取装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明にかかる請求項1に記載のワイヤハーネス巻取装置は、構造本体およびこの構造本体に対して開閉動する可動体のそれぞれに両端を接続してワイヤハーネスが配索され、このワイヤハーネスを巻取ケースの内部に回転可能に設けた巻取ドラムによって前記可動体の開閉動に追従させて繰り出しまたは巻き取り、また前記巻取ケースの内部に設けた線材の巻取ばねによって前記巻取ドラムをワイヤハーネスの巻取方向である正転方向へ回転付勢してなっているワイヤハーネス巻取装置であって、前記巻取ケースは、ケース本体の内部中心に前記巻取ドラムを回転可能に軸支するドラム回転支軸を有するとともに、ドラム回転支軸の外側同心円上に環状または円弧状に設けられてワイヤハーネス繰り出し時の前記線材の巻取ばねに内周側から当接して動作規制する第1のばね規制壁を有し、前記巻取ドラムは、この回転中心の外側同心円上に前記第1のばね規制壁と同一径の環状または円弧状に設けられ、その第1のばね規制壁と共働して前記線材の巻取ばねに内周側から当接して動作規制する第2のばね規制壁を有することを特徴とする。
【0013】
以上の構成から、ケース本体および巻取ドラムの双方に同一外径の第1,第2のばね規制壁を回転軸線と同心円上に設けることで、それら第1,第2のばね規制壁を特に縮径作動時の線材の巻取ばねに内周面から当接させ、ばねのそれ以上の縮径動作を規制する。それによって、線材の巻取ばねがケース本体および巻取ドラム間に咬み込むのを防止する。
【0014】
また、請求項2に記載のワイヤハーネス巻取装置は、前記第1,第2のばね規制壁同士が回転軸線上で対向方向から突き合わされ、それら両ばね規制壁を突き合わせた高さ寸法が前記線材の巻取ばねのばね長さにほぼ相当するように形成したことを特徴とする。
【0015】
以上の構成から、第1,第2のばね規制壁を突き合わせた高さ寸法を前記巻取ばねのばね長さに相当させて形成することで、線材の巻取ばねが拡径作動するときも、縮径するときもばね内周面から当接させてばね全体の動作を規制する。それにより、線材の巻取ばねの一部がケース本体および巻取ドラム間に入り込み得ないようにして、咬み込みを防止する。
【0016】
これについてさらに詳しくは、線材の巻取ばねのばね長さ寸法のほぼ半分に相当する位置に第1,第2のばね規制壁を突き合わせた場合、つまり第1,第2のばね規制壁の突き合わせ部位を中央部にすると咬み込み防止に有効である点である。すなわち、セットされた線材の巻取ばねは、ばね長さ方向の中央部が螺旋形状となっているが、ばね両端は直線状になる。そのため、従来はその直線状のばね両端が突き合わせ面に平行となって咬み込みやすかった。それを解消するため、第1,第2のばね規制壁の突き合わせ面を中央部にして直線状のばね両端の位置から大きく外せば、突き合わせ面へのばね咬み込みを危惧しなくて済むということである。
【0017】
また、請求項3に記載のワイヤハーネス巻取装置は、前記ケース本体においてさらに前記第2のばね規制壁の外側同心円上に、ワイヤハーネス巻取時の前記線材の巻取ばねを外側から当接して動作規制する第3のばね規制壁を設けたことを特徴とする。
【0018】
以上の構成から、この場合、上記請求項1,2の発明で設けた同一径の第1,第2のばね規制壁の外側同心円上において、さらに第3のばね規制壁を設けている。この第3のばね規制壁を線材の巻取ばねの外周面に当接させて、線材の巻取ばねの特に拡径方向への動作を規制する。それにより、線材の巻取ばねの無用な動きをなくし、がたつきなどを防止する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるワイヤハーネス巻取装置の実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
【0020】
図1および図2は、本例のワイヤハーネス巻取装置10を示す透視斜視図と組立斜視図である。ワイヤハーネス20は、複数本の電線を束ねたり撚ったりした組み電線を保護チューブ21で被覆保護してなっているもので、構造本体に対して可動体が開閉動作する場合に、その構造本体と可動体との間に渡って配索して電気的に接続する。
【0021】
上記構造本体が、たとえば自動車のアッパーバックパネルのごときボディ・パネルである場合、ワイヤハーネス20の一端側の電線端22がブラケット形状のクリップ24を介してそのアッパーバックパネルの電気回路に接続される。また、上記可動体がたとえばラゲージドア(通称トランクルームドア)である場合、ワイヤハーネス20の他端側の電線端23を樹脂モールドクリップ25を介してそのラゲージドアの電気回路に接続して配索される。
【0022】
ワイヤハーネス巻取装置10は、アッパーバックパネルとの間に配索済みのワイヤハーネス20に後付けして組み込むことができ、配索済みワイヤハーネス20の途中余長部をラゲージドアの開閉動作に連動させて長く繰り出し、また巻き戻せるようになっている。
【0023】
図3以下の各図に示すように、本装置10の本体を構成する巻取ケース11は、円筒形状のケース本体12とこれに弾性凹凸嵌合などして結合されるケース蓋13を有し、内部に巻取ドラム14および巻取ばね15などを収容している。
【0024】
まず、ケース本体12は、円筒形状の周壁12aによって囲まれる内部中心位置にドラム回転支軸12bが立ち上げられ、この同心円の内外二重に環状のばね当て内板(第1のばね規制壁)12cと略半円形のばね当て外板(第3のばね規制壁)12dが形成されている。また、ケース本体12自体はドラム回転支軸12bに嵌合させたロッド16を介して構造本体であるたとえば上記アッパーバックパネルに固定して取り付けることができる。さらに、このケース本体12では、周壁12aの一部を開口する形で外側に突出した断面コ字形状のハーネス繰り出し口部12fが設けられている。
【0025】
ケース蓋13は、ケース本体12の周縁12aに凹凸嵌合などさせて組み立てられる。このケース蓋13では、外部表面のほぼ中心位置から突出してハーネス係止口部13aが設けられ、また外周縁の一部から外側に突出して断面コ字形状のハーネス繰り出し口部13bが設けられている。このハーネス繰り出し口部13bは上記ケース本体12に設けたハーネス繰り出し口部12fと上下に合わさって結合される。さらに、ケース蓋13の中心から外部に突出して軸受部13cが設けられている。
【0026】
これらケース本体12とケース蓋13からなる巻取ケース11の内部に、ワイヤハーネス20を繰り出しかつ巻き戻すための巻取ドラム14が収容され、さらにこの巻取ドラム14とケース本体12との間にコイルばねによる巻取ばね15が装着されている。巻取ばね15は、これに抗して上記ハーネス繰り出し口部12f,13bから繰り出されたワイヤハーネス20を巻き戻す方向へ巻取ドラム14を正回転方向へ復帰付勢している。
【0027】
図4に示すように、巻取ドラム14は、ドラム胴部14aの中心軸上に筒状の軸受ボス14bが設けられ、この軸受ボス14bを上記ケース本体12側のドラム回転支軸12bに嵌合させて回転可能に支持されている。軸受ボス14bは外側からケース本体12側に設けた環状のボス受12eによって受け止められている。また、ドラム胴部14aの外周に沿って断面凹溝状の巻取溝部14cが形成され、ここにワイヤハーネス20を巻き付けるようになっている。さらに、ドラム胴部14aの内面適所には巻取ばね15の両端部15a,15bを係止するためのばね止め14dが突起形状に設けられている。
【0028】
また、かかる巻取ドラム14では、軸受ボス14bの外側の同心円上に円筒状の本発明の要旨部であるばね当て内板(第2のばね規制壁)14eが設けられている。この円筒状のばね当て内板14eの外周径は、上記ケース本体12に設けたばね当て内板(第1のばね規制壁)12cの外周径と同一の寸法dに形成されている。また、これらばね当て内板14e,12cの立ち上がり高さ寸法はほぼ同一で寸法hに形成され、双方の高さhを加えて巻取ばね15のばね高さHとほぼ同一となるように設定されている。
【0029】
次に、以上の構成による本実施の形態のワイヤハーネス巻取装置10について、たとえば自動車のアッパーバックパネルおよびラゲージドア間に配索済みのワイヤハーネス20に後付けして組み込む場合の動作および作用について説明する。
【0030】
図1および図2に示されているように、ワイヤハーネス20は、一端側の電線端22をクリップ24を介してアッパーバックパネルに接続し、他端側の電線端23をクリップ25を介してラゲージドアに接続して配索されている。
【0031】
そうした配索済みのワイヤハーネス20の途中余長部を利用して、その任意の位置に本巻取装置10が後付けして組み込まれるが、それに臨んで巻取ケース11ではケース本体12からケース蓋13を取り外して巻取ドラム14を開放状態にする。巻取ドラム14の巻取溝部14cにワイヤハーネス20の途中の余長部を巻き付ける。
【0032】
この巻き付けたワイヤハーネス20の一端側の電線端22は巻取ドラム14のハーネス引き出し凹部14fに捻って通し、さらにケース蓋13のハーネス係止口部13aから外部に引き出した形にする。そこから引き出された一端側のハーネス長さ部分は、その先端の電線端22で前述のようにクリップ24を介して係止され、アッパーバックパネル側の電気回路に接続されている。
【0033】
それに対し、ワイヤハーネス20の他端側の電線端23は、ケース本体12とケース蓋13の双方の合わさったハーネス繰り出し口部12f,13bから外部に引き出した形にする。そこから引き出された他側のハーネス長さ部分は、その先端の電線端23で前述のようにクリップ25を介して係止され、ラゲージドア側の電気回路に接続されている。そのようにしてワイヤハーネス20の途中の余長部を巻取ドラム14に巻き付けた後、ケース蓋13をケース本体12に弾性凹凸嵌合させて組み立てる。
【0034】
実機装着後の使用に際し、ラゲージドアが閉じられている場合、ワイヤハーネス20の長さの大部分は巻取ケース11内で巻取ドラム14に巻き取られて収容されている。
【0035】
図5(a),(b)は、作動前のハーネス巻取収容状態を示している。このとき巻取ばね15は通常時のばね径となっており、ばね内外周面がばね当て内板12c,14eの外周面と、ばね当て外板12dの内周面にそれぞれ当接している。それにより、ばね中心軸のずれなど無用な動きを規制する。
【0036】
この状態からラゲージドアが開けられると、そのドア開き動作に追従してワイヤハーネス20が他端側の電線端23から引っ張られる。その引張力によってワイヤハーネス20が巻取ケース11のハーネス繰り出し口部12f,13bから引き出され、巻取ドラム14が巻取ばね15に抗して逆回転して必要な長さだけワイヤハーネス20を繰り出す。巻取ばね15はそのハーネス繰り出し力によって縮径作動する。
【0037】
図6(a),(b)は、このハーネス繰り出し作動中の状態を示している。巻取ばね15はハーネス繰り出し力で圧縮されて縮径し、そのばね内周面がケース本体12と巻取ドラム14の双方のばね当て内板12c,14eの外周面に当接する。それにより、巻取ばね15がそれ以上縮径する動作を規制する。
【0038】
その際、ケース本体12および巻取ドラム14の双方のばね当て内板12c,14eは互いに上下から突き合わさって高さ寸法h+hの円筒壁を形成する。そうした円筒壁の高さは巻取ばね15のばね高さ寸法Hとほぼ同等であるから、円筒壁が邪魔して特に縮径作動中の巻取ばね15がそれ以上縮径してドラム回転支軸12bと軸受ボス14bとの回転軸周りに近づくのを阻止する。それにより、巻取ばね15が咬み込んで巻取ドラム14の回転を阻害するのを防ぐ。
【0039】
すなわち、高さ寸法h+hの円筒壁を形成するばね当て内板12c,14eは互いに上下から突き合わさり、その突き合わせ面は巻取ばね15のばね高さ寸法Hのほぼ半分に相当する個所であるから、セットされた巻取ばね15の直線状となっているばね両端が全く位置の異なるばね当て内板12c,14eの突き合わせ面に平行に揃って咬み込むことはあり得ない。
【0040】
このようにして、ハーネス繰り出し中および巻き戻し中のいずれの状態にあっても、巻取ばね15の動きが好適に規制されるので、ばねのばたつきは封じられ、また巻取ドラム14の円滑な回転動作を可能とする。
【0041】
なお、本例では、ワイヤハーネス巻取装置10を配索済みワイヤハーネス20に後付けで組み込み、それをアッパーバックパネル30およびラゲージドア31間で配索した例を示したが、むろんアッパーバックパネル30およびラゲージドア31に限らず、ハッチバックなどのドア周りへの適用も可能である。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかる請求項1に記載のワイヤハーネス巻取装置は、ケース本体および巻取ドラムの双方に同一外径の第1,第2のばね規制壁を回転軸線と同心円上に設けることで、それら第1,第2のばね規制壁を特に縮径作動時の線材の巻取ばねに内周面から当接させ、ばねのそれ以上の縮径動作を規制する。それによって、線材の巻取ばねがケース本体および巻取ドラム間に咬み込むのを防止し、ワイヤハーネスを円滑に繰り出したり、また巻き戻したりできる。
【0043】
また、請求項2に記載のワイヤハーネス巻取装置は、第1,第2のばね規制壁を突き合わせた高さ寸法を前記線材の巻取ばねのばね長さに相当させて形成することで、線材の巻取ばねが拡径作動するときも、縮径するときもばね内周面から当接させてばね全体の動作を規制する。それにより、線材の巻取ばねの一部がケース本体および巻取ドラム間に入り込み得ないようにして、咬み込みを防止する。
【0044】
また、請求項3に記載のワイヤハーネス巻取装置は、請求項1,2の発明で設けた同一径の第1,第2のばね規制壁の外側同心円上において、さらに第3のばね規制壁を設けることにより、この第3のばね規制壁を線材の巻取ばねの外周面に当接させて、線材の巻取ばねの特に拡径方向への動作を規制する。それにより、線材の巻取ばねの無用な動きをなくし、がたつきなどを有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる実施の形態のワイヤハーネス巻取装置の一部透視した斜視図である。
【図2】本実施の形態のワイヤハーネス巻取装置の組立斜視図である。
【図3】本実施の形態のワイヤハーネス巻取装置の分解斜視図である。
【図4】本実施の形態のワイヤハーネス巻取装置の分解断面図である。
【図5】同図(a),(b)は、本実施の形態のワイヤハーネス巻取装置においてハーネス巻取時の巻取ばねの態様を示す平面断面図と側面断面図である。
【図6】同図(a),(b)は、本実施の形態のワイヤハーネス巻取装置においてハーネス繰り出し作動時の巻取ばねの態様を示す平面断面図と側面断面図である。
【図7】従来例のワイヤハーネス巻取装置の分解断面図である。
【図8】従来例のワイヤハーネス巻取装置において巻取ばねが巻取ドラム周りに咬み込む態様を示す組立断面図である。
【符号の説明】
10 ワイヤハーネス巻取装置
11 巻取ケース
12 ケース本体
12b ドラム回転支軸
12c ばね当て内板(第1のばね規制壁)
12d ばね当て外板(第3のばね規制壁)
13 ケース蓋
13a ハーネス繰り出し口部
13b ハーネス係止口部
14 巻取ドラム
14b 軸受ボス
14c 巻取溝部
14e ばね当て内板(第2のばね規制壁)
15 巻取ばね
20 ワイヤハーネス
21 保護チューブ
22 一端側の電線端
23 他端側の電線端[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a wire harness winding device that unwinds and winds up harnesses such as electric wires, cables, and wire harnesses that have already been routed in an automobile.
[0002]
[Prior art]
As a general winding device that extends and winds harnesses for a long time, for example, there is a cable winding mechanism described in JP-A-9-84244. A harness take-up device is also well known, in which harnesses that are routed between a body panel and a door of an automobile are extended and unwound for a long time following the opening and closing operation of the door.
[0003]
Typically, the latter automobile harness winding device will be schematically described with reference to an exploded sectional view of FIG. 7 and an assembled sectional view of FIG. In this case, it has a winding
[0004]
The case
[0005]
The take-
[0006]
Therefore, when the winding
[0007]
The
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, in the case of the wire harness winding device for automobiles shown in FIGS. 7 and 8, a mechanical improvement portion remains.
[0009]
The winding
[0010]
Furthermore, one of the problems is that when the winding
[0011]
Therefore, the object of the present invention is particularly suitable for a wire harness take-up device that takes out and winds up harnesses that are routed between the body panel and the door of an automobile in conjunction with the opening / closing operation of the door in an automobile. An object of the present invention is to provide a wire harness take-up device that can smoothly unwind and take up a wire harness without preventing the take-up spring from rattling or biting and without hindering the rotation of the take-up drum. .
[0012]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above-mentioned object, the wire harness winding device according to
[0013]
From the above configuration, by providing the first and second spring restricting walls having the same outer diameter on both the case body and the winding drum on the concentric circle with the rotation axis, the first and second spring restricting walls are particularly provided. It is made to contact | abut from the inner peripheral surface to the winding spring of the wire at the time of diameter reduction operation | movement, and the further diameter reduction operation | movement of a spring is controlled. This prevents the wire take-up spring from biting between the case body and the take-up drum.
[0014]
Further, in the wire harness winding device according to
[0015]
From the above configuration, the height of the first and second spring regulating walls that are abutted with each other is formed corresponding to the spring length of the winding spring, so that the winding spring of the wire rod can be expanded. Even when the diameter is reduced, the operation of the entire spring is restricted by abutting from the inner peripheral surface of the spring. This prevents part of the winding spring of the wire from entering between the case body and the winding drum and prevents biting.
[0016]
More specifically, when the first and second spring restricting walls are abutted at a position corresponding to approximately half of the length of the winding spring of the wire winding spring, that is, the first and second spring restricting walls are abutted. It is effective to prevent biting if the part is in the center. That is, the winding spring of the set wire is the center of the spring longitudinal direction and has a spiral shape, the spring ends is straight. For this reason, conventionally, both ends of the linear spring are parallel to the abutting surface and are easy to bite. In order to solve this problem, if the butt surfaces of the first and second spring restricting walls are set at the center and greatly removed from the positions of both ends of the linear spring, there is no need to worry about the biting of the spring into the butt surface. is there.
[0017]
According to a third aspect of the present invention, in the wire harness winding device, the winding spring of the wire rod at the time of winding the wire harness is further abutted on the outer concentric circle of the second spring regulating wall in the case body from the outside. A third spring regulating wall for regulating the operation is provided.
[0018]
From the above configuration, in this case, a third spring regulating wall is further provided on the outer concentric circles of the first and second spring regulating walls having the same diameter provided in the first and second aspects of the invention. The third spring regulating wall is brought into contact with the outer peripheral surface of the winding spring of the wire, to regulate the particular operation of the diameter direction of the winding spring of the wire. Thereby, unnecessary movement of the winding spring of the wire is eliminated, and rattling is prevented.
[0019]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of a wire harness winding device according to the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0020]
1 and 2 are a perspective view and an assembled perspective view showing the wire
[0021]
When the structural body is a body panel such as an automobile upper back panel, for example, the
[0022]
The wire harness take-up
[0023]
As shown in each figure in FIG. 3 and subsequent figures, a winding case 11 constituting the main body of the
[0024]
First, in the case
[0025]
The
[0026]
A winding
[0027]
As shown in FIG. 4, the take-
[0028]
Further, in the winding
[0029]
Next, for the wire
[0030]
As shown in FIG. 1 and FIG. 2, the
[0031]
The winding
[0032]
The
[0033]
On the other hand, the
[0034]
When the luggage door is closed during use after the actual machine is mounted, most of the length of the
[0035]
5 (a) and 5 (b) show the harness winding accommodation state before operation. At this time, the winding
[0036]
When the luggage door is opened from this state, the
[0037]
6 (a) and 6 (b) show a state during the harness feeding operation. The winding
[0038]
At that time, the spring contact
[0039]
That is, the spring abutting
[0040]
In this way, since the movement of the winding
[0041]
In addition, in this example, although the wire
[0042]
【The invention's effect】
As described above, in the wire harness winding device according to
[0043]
Moreover, the wire harness winding device according to
[0044]
The wire harness winding device according to a third aspect of the present invention is the third spring regulating wall on the outer concentric circles of the first and second spring regulating walls having the same diameter provided in the inventions of the first and second aspects. providing a result, the third spring regulating wall is brought into contact with the outer peripheral surface of the winding spring of the wire, to regulate the particular operation of the diameter direction of the winding spring of the wire. Thereby, unnecessary movement of the winding spring of the wire can be eliminated, and rattling or the like can be effectively prevented.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a partially transparent perspective view of a wire harness winding device according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is an assembly perspective view of the wire harness winding device of the present embodiment.
FIG. 3 is an exploded perspective view of the wire harness winding device of the present embodiment.
FIG. 4 is an exploded cross-sectional view of the wire harness winding device of the present embodiment.
FIGS. 5A and 5B are a plan sectional view and a side sectional view showing a mode of a winding spring at the time of winding a harness in the wire harness winding device of the present embodiment.
FIGS. 6A and 6B are a plan sectional view and a side sectional view showing a mode of a winding spring when the harness unwinding operation is performed in the wire harness winding device of the present embodiment.
FIG. 7 is an exploded cross-sectional view of a conventional wire harness winding device.
FIG. 8 is an assembled cross-sectional view showing a state in which a winding spring bites around a winding drum in a conventional wire harness winding device.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
12d Spring plate (third spring regulating wall)
13 Case lid 13a
15
Claims (3)
前記巻取ケースは、ケース本体の内部中心に前記巻取ドラムを回転可能に軸支するドラム回転支軸を有するとともに、ドラム回転支軸の外側同心円上に環状または円弧状に設けられてワイヤハーネス繰り出し時の前記線材の巻取ばねに内周側から当接して動作規制する第1のばね規制壁を有し、
前記巻取ドラムは、この回転中心の外側同心円上に前記第1のばね規制壁と同一径の環状または円弧状に設けられ、その第1のばね規制壁と共働して前記線材の巻取ばねに内周側から当接して動作規制する第2のばね規制壁を有する、ことを特徴とするワイヤハーネス巻取装置。A wire harness is routed by connecting both ends to each of the structure body and a movable body that opens and closes relative to the structure body, and the wire harness is movable by a winding drum that is rotatably provided inside a winding case. The winding drum is fed or wound up following the opening and closing movement of the body, and the winding drum is rotated and urged in the normal rotation direction which is the winding direction of the wire harness by the winding spring of the wire provided inside the winding case. A wire harness winding device,
The winding case has a drum rotating support shaft that rotatably supports the winding drum at the center of the case body, and is provided in an annular or arc shape on the outer concentric circle of the drum rotating support shaft. A first spring restricting wall that restricts the operation by abutting from the inner peripheral side to the winding spring of the wire at the time of feeding;
The winding drum is provided on the outer concentric circle of the rotation center in an annular or arc shape having the same diameter as the first spring restricting wall, and cooperates with the first spring restricting wall to wind the wire. A wire harness winding device comprising a second spring regulating wall that abuts against a spring from an inner peripheral side and regulates an operation.
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