JP3663146B2 - 光磁気ディスク装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、光磁気記録媒体のチルト量を検出し、その検出したチルト量に応じて光磁気記録媒体に印加される磁界の強度を調整する光磁気ディスク装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
書換え可能で、記憶容量が大きく、かつ、信頼性の高い記録媒体として光磁気記録媒体が注目されており、コンピュータメモリ等として実用化され始めている。そして、最近では、記録容量が6.0Gbytesの光磁気記録媒体がAS−MO(Advanced Storage Magneto Optical disk)規格として規格化され、実用化されようとしている。
【0003】
AS−MO規格による光磁気記録媒体は、ランドとグループとを径方向に交互に配置したトラック構造を有し、ランドとグループとの両方に信号を記録することによって記録密度の高密度化を図っている。そして、光磁気記録媒体に信号を記録するとき、レーザ光を光磁気記録媒体に照射し、記録信号によって変調された磁界を光磁気記録媒体に印加する。つまり、レーザ光を照射することによって光磁気記録媒体の磁性膜の温度をキュリー点よりも高い温度まで昇温させ、磁性膜の温度が、再度、キュリー点を通過して降温するタイミングで記録信号によって変調された磁界を磁性膜に印加する。そして、記録信号によって変調された磁化を有する磁区を磁性膜に形成する。したがって、通常、レーザ光の光軸は、磁界強度の強い領域と一致している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、光磁気記録媒体は、ポリカーボネート等から成る基板のそりに起因してチルトが発生する。そして、光磁気記録媒体にチルトが発生すると、磁界の中心がランドまたはグルーブの中心からずれるため、印加された磁界の強度はランドまたはグルーブの径方向において変化する。すなわち、図15を参照して、光磁気記録媒体10にチルトが発生していないとき、外部から印加される磁界Hexの強度は、光磁気記録媒体10のランド1またはグルーブ2の径方向DR1の各位置に対してほぼ均一になる(図15の(a)参照)。一方、光磁気記録媒体10にチルトが発生すると、光磁気記録媒体10は傾くため、磁界Hexは光磁気記録媒体10のランド1またはグルーブ2に対して斜めから印加される。そうすると、ランド1の領域11に印加される磁界の強度は、領域12に印加される磁界の強度と異なり、ランド1において径方向DR1に均一な磁区が形成されない(図15の(b)参照)。これは、磁界Hexがグルーブ2に印加される場合にも生じる。その結果、光磁気記録媒体10にチルトが発生したとき、信号を正確に記録できないという問題が生じる。
【0005】
そこで、本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、光磁気記録媒体にチルトが発生したとき、その発生したチルト量に応じて磁界強度を光磁気記録媒体に信号を正確に記録するための磁界強度に調整可能な光磁気ディスク装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明によれば、光磁気ディスク装置は、光磁気記録媒体に信号を記録および/または再生する光磁気ディスク装置であって、光磁気記録媒体のチルトを検出するチルト検出手段と、対物レンズによりレーザ光を光磁気記録媒体に照射し、その反射光を検出する光学ヘッドと、光磁気記録媒体に発生したチルトの影響を除去するように対物レンズのトラッキングサーボを行なうサーボ手段と、光磁気記録媒体に磁界を印加する磁気ヘッドと、磁気ヘッドを駆動する磁気ヘッド駆動手段と、制御回路を備える。更に制御回路は、信号を記録する際、前記光学ヘッドに記録レーザパワーを設定し、記録動作中に前記チルト検出手段からチルト検出信号を受けると、強度を変化させて、記録信号によって変調された磁界を前記光磁気記録媒体に印加するための第1の駆動信号を前記磁気ヘッド駆動手段へ出力し、前記磁界の強度を変化させて記録した記録信号を前記光学ヘッドによって検出した光磁気信号に基づいて前記磁界の好適な強度を決定し、その後の記録動作においては、前記記録時のレーザパワーを保持させたまま、その決定した好適な強度に前記磁界の強度を設定するための第2の駆動信号を前記磁気ヘッド駆動手段へ出力する。また、磁気ヘッド駆動手段は、第1または第2の駆動信号に基づいて磁気ヘッドを駆動し、磁気ヘッドは、記録信号によって変調された磁界を光磁気記録媒体に印加する。
【0007】
好ましくは、光磁気ディスク装置は、光学ヘッドが検出した光磁気信号を復号および復調した再生信号のエラーレートを検出するエラー検出回路をさらに備え、制御回路は、磁界の強度を変化させて記録した記録信号に対応する再生信号のエラーレートをエラー検出回路から受け、再生信号のエラーレートが飽和値になる磁界の第1および第2の強度を検出し、その検出した第1の強度と第2の強度との平均値を最適強度と決定し、その決定した最適強度に磁界の強度を設定するための第3の駆動信号を磁気ヘッド駆動手段へ出力し、磁気ヘッド駆動手段は、第3の駆動信号を受けると第2の駆動信号に代えて第3の駆動信号に基づいて磁気ヘッドを駆動する。
【0009】
好ましくは、光磁気ディスク装置は、光学ヘッドが検出した光磁気信号の振幅を検出する振幅検出回路をさらに備え、制御回路は、磁界の強度を変化させて記録した記録信号に対応する光磁気信号の振幅を振幅検出回路から受け、その受けた振幅が飽和する磁界の強度範囲を好適な強度と決定する。
【0010】
好ましくは、制御回路は、光磁気信号の振幅が飽和値になる磁界の第1および第2の強度を検出し、その検出した第1の強度と第2の強度との平均値を最適強度と決定し、その決定した最適強度に磁界の強度を設定するための第3の駆動信号を磁気ヘッド駆動手段へ出力し、磁気ヘッド駆動手段は、第3の駆動信号を受けると、第2の駆動信号に代えて第3の駆動信号に基づいて磁気ヘッドを駆動する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0014】
[実施の形態1]
図1を参照して、この発明の実施の形態1による光磁気ディスク装置100は、光学ヘッド101と、再生信号増幅回路102と、外部同期信号生成回路103と、サーボ回路104と、サーボ機構105と、スピンドルモータ106と、BPF107と、AD変換器108と、波形等化回路109と、復号回路110と、復調回路111と、デコーダ112と、チルト検出回路113と、制御回路114と、エンコーダ115と、変調回路116と、磁気ヘッド駆動回路118と、レーザ駆動回路119と、磁気ヘッド120とを備える。
【0015】
光学ヘッド101は、波長650nm(許容誤差:±15nm、以下同じ)のレーザ光を光磁気記録媒体10に照射し、その反射光を検出する。再生信号増幅回路102は、光学ヘッド101が光磁気記録媒体10から検出したトラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号、ファインクロックマーク信号、チルトマーク信号、および光磁気信号を所定のレベルまで増幅し、トラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FE、およびチルトマーク信号CHMをサーボ回路104へ出力し、ファインクロックマーク信号FCMを外部同期信号生成回路103へ出力し、チルトマーク信号CHMをチルト検出回路113へ出力し、光磁気信号RFをBPF107へ出力する。
【0016】
外部同期信号生成回路103は、後述する方法によってファインクロックマーク信号FCMに基づいて外部同期信号CLKを生成し、その生成した外部同期信号CLKをサーボ回路104、AD変換器108、波形等化回路109、復号回路110、復調回路111、制御回路114および変調回路116へ出力する。サーボ回路104は、トラッキングエラー信号TEおよびフォーカスエラー信号FEに基づいて光学ヘッド101に含まれる対物レンズ(図示せず)のトラッキングサーボおよびフォーカスサーボを行なうようにサーボ機構105を制御する。また、サーボ回路104は、外部同期信号CLKに同期してスピンドルモータ106を所定の回転数で回転させる。さらに、サーボ回路104は、制御回路114からの制御によって、チルトマーク信号CHMに基づいて対物レンズのトラッキングサーボを行なうようにサーボ機構105を制御する。
【0017】
サーボ機構105は、サーボ回路104からの制御に基づいて光学ヘッド101に含まれる対物レンズ(図示せず)のトラッキングサーボおよびフォーカスサーボを行なう。スピンドルモータ106は、光磁気記録媒体10を所定の回転数で回転させる。BPF107は、光磁気信号RFの高域と低域とを除去する。AD変換器108は、外部同期信号生成回路103からの外部同期信号CLKに同期して光磁気信号RFをアナログ信号からデジタル信号に変換する。
【0018】
波形等化回路109は、外部同期信号生成回路103からの外部同期信号CLKに同期して、デジタル信号に変換された光磁気信号RFにPR(1,1)波形等化を行なう。すなわち、波形等化回路109は、光磁気信号RFの前後のデータが1対1に波形干渉を行なうように等化する。復号回路110は、外部同期信号生成回路103からの外部同期信号CLKに同期して、光磁気信号RFを多値から2値に変換する。復調回路111は、外部同期信号生成回路103からの外部同期信号CLKに同期して、記録時に施されたデジタル変調を解くための復調を行なう。デコーダ112は、復調された再生信号の誤り訂正を行ない、再生データとして出力するとともに、誤り訂正の結果である再生信号のエラーレートを制御回路114へ出力する。
【0019】
チルト検出回路113は、後述する方法によって、チルトマーク信号CHMに基づいてチルトを検出し、チルト検出信号CHDTを制御回路114へ出力する。制御回路114は、光磁気ディスク装置100の各部を制御する。また、制御回路114は、チルト検出回路113からチルト検出信号CHDTを受けると、強度を変化させて記録信号によって変調された磁界を光磁気記録媒体に印加するための駆動信号MGDを生成して磁気ヘッド駆動回路118へ駆動信号MGDを出力する。そして、制御回路114は、磁界の強度を変化させて記録した記録信号に対応する再生信号のエラーレートをデコーダ112から受け、再生信号のエラーレートが飽和する磁界の強度を決定し、その決定した強度に磁界の強度を設定するための駆動信号MGDPFRを生成して磁気ヘッド駆動回路118へ駆動信号MGDPFRを出力する。また、制御回路114は、再生信号のエラーレートが飽和値になる磁界強度から最適な磁界強度を決定し、その決定した最適強度に磁界の強度を設定するための駆動信号MGDOTを生成して磁気ヘッド駆動回路118へ駆動信号MGDOTを出力する。さらに、制御回路114は、光学ヘッド101に含まれる半導体レーザ(図示せず)を駆動するための駆動信号PW,PRを生成し、その生成した駆動信号PW,PRをレーザ駆動回路119へ出力する。なお、駆動信号PWは、光磁気記録媒体10に信号を記録するときの半導体レーザの駆動信号であり、駆動信号PRは、光磁気記録媒体10から信号を再生するときの半導体レーザの駆動信号である。
【0020】
エンコーダ115は、記録データに誤り訂正符号を付加する。変調回路116は、外部同期信号生成回路103からの外部同期信号CLKに同期して、エンコーダ115からの記録信号を所定の方式に変調する。
【0021】
磁気ヘッド駆動回路118は、制御回路114からの駆動信号MGD,MGDPFR,MGDOTまたは変調回路116からの記録信号に基づいて磁気ヘッド120を駆動する。レーザ駆動回路119は、制御回路114からの駆動信号PW,PRに基づいて、光学ヘッド101に含まれる半導体レーザ(図示せず)を駆動する。磁気ヘッド120は、記録信号によって変調された磁界を光磁気記録媒体10に印加する。
【0022】
図2を参照して、光磁気記録媒体10からの光磁気信号RF、チルトマーク信号CHM、およびファインクロックマーク信号FCMの検出について説明する。光磁気記録媒体10は、径方向(「ラジアル方向」とも言う)DR1にランド1とグルーブ2とを交互に配列したトラック構造を有する。そして、光磁気記録媒体10は、周方向(「タンジェンシャル方向」とも言う)DR2に一定間隔ごとにファインクロックマーク3およびチルトマーク4を含む。ファインクロックマーク3は、ランド1に1μm程度のグルーブを、グルーブ2に1μm程度のランドを、それぞれ、形成することによって光磁気記録媒体10の製造時にプリフォーマットされる。また、チルトマーク4は、グルーブ2の両側の壁に一定間隔ごとにウォブルを形成することによって光磁気記録媒体10の製造時にプリフォーマットされる。なお、光磁気記録媒体10においては、ファインクロックマーク3およびチルトマーク4が形成されていない領域に信号が記録される。
【0023】
光学ヘッド101の光検出器1010は、6つに分割されたA領域1011、B領域1012、C領域1013、D領域1014、E領域1015、およびF領域1016を有する。A領域1011とD領域1014、B領域1012とC領域1013は、光磁気記録媒体10のラジアル方向DR1に配置され、A領域1011とB領域1012、C領域1013とD領域1014、およびE領域1015とF領域1016は光磁気記録媒体10のタンジェンシャル方向DR2に配置される。
【0024】
A領域1011、B領域1012、C領域1013、およびD領域1014は、それぞれ、光磁気記録媒体10に照射されたレーザ光LBのA領域、B領域、C領域、およびD領域での反射光を検出する。また、E領域1015、およびF領域1016は、レーザ光LBのA領域、B領域、C領域、およびD領域の全体で反射されたレーザ光を、光学ヘッド101のウォラストンプリズム(図示せず)によって偏光面の異なる2つの方向に回折されたレーザ光を検出する。
【0025】
ファインクロックマーク3およびチルトマーク4が形成されていない領域に記録された記録信号を再生した光磁気信号RFは、光検出器1010のE領域1015で検出されたレーザ光強度[E]とF領域1016で検出されたレーザ光強度[F]との差を演算することによって検出される。すなわち、回路30の減算器301は、E領域1015で検出されたレーザ光強度[E]とF領域1016で検出されたレーザ光強度[F]との差分を演算し、光磁気信号RF=[E]−[F]を出力する。
【0026】
ウォブルによって光磁気記録媒体10に形成されたチルトマーク4の再生信号は、ラジアルプッシュプル法によって検出され、A領域1011で検出されたレーザ光強度[A]とB領域1012で検出されたレーザ光強度[B]との和からC領域1013で検出されたレーザ光強度[C]とD領域1014で検出されたレーザ光強度[D]との和を減じたものとして検出される。すなわち、チルトマーク信号CHMは、回路40を構成する加算器401,402と減算器403とによって検出される。加算器401は、A領域1011で検出されたレーザ光強度[A]とB領域1012で検出されたレーザ光強度[B]とを加算した[A+B]を出力する。加算器402は、C領域1013で検出されたレーザ光強度[C]とD領域1014で検出されたレーザ光強度[D]とを加算した[C+D]を出力する。そして、減算器403は、加算器401の出力[A+B]から加算器402の出力[C+D]を減算してチルトマーク信号CHM=[A+B]−[C+D]を出力する。
【0027】
また、ファインクロックマーク3は、タンジェンシャルプッシュプル法により検出され、A領域1011で検出されたレーザ光強度[A]とD領域1014で検出されたレーザ光強度[D]との和からB領域1012で検出されたレーザ光強度[B]とC領域1013で検出されたレーザ光強度[C]との和を減じたものとして検出される。すなわち、ファインクロックマーク3は、回路40を構成する加算器404,405と減算器406とによって検出される。加算器404は、A領域1011で検出されたレーザ光強度[A]とD領域1014で検出されたレーザ光強度[D]とを加算した[A+D]を出力する。加算器405は、B領域1012で検出されたレーザ光強度[B]とC領域1013で検出されたレーザ光強度[C]とを加算した[B+C]を出力する。そして、減算器406は、加算器404の出力[A+D]から加算器405の出力[B+C]を減算してファインクロックマークの再生信号FCM=[A+D]−[B+C]を出力する。
【0028】
図3を参照して、外部同期信号CLKの生成について説明する。光学ヘッド101の光検出部1010は、上記図2を参照して説明したようにタンジェンシャルプッシュプル法によりファインクロックマーク信号FCMを検出し、その検出したファインクロックマーク信号FCMを再生信号増幅回路102を介して外部同期信号生成回路103へ出力する。外部同期信号生成回路103は、入力されたファインクロックマーク信号FCMに基づいてファインクロックマーク検出信号FCMTを生成する。すなわち、外部同期信号生成回路103においては、ファインクロックマーク信号FCMは、所定のレベルでコンパレートされ、信号FCMCに変換される。そして、信号FCMCは信号/FCMCに反転される。その後、ファインクロックマーク信号FCMの極性が切替わる点Pの位置に立ち上がりエッジが同期し、かつ、6DCBの振幅幅を有する検出窓信号DEWINが生成され、信号/FCMCと検出窓信号DEWINとの論理積が演算されて信号FCMTが生成される。そして、信号FCMTの隣接する2つの成分間に一定個数(たとえば、532個)の周期信号が存在するように外部同期信号CLKが生成される。
【0029】
なお、図3のファインクロックマーク信号FCMは、レーザ光が光磁気記録媒体10のグルーブ2を走行する場合に検出されるファインクロックマーク信号について説明した。レーザ光がランド1を走行する場合に検出されるファインクロックマーク信号は、その極性が変わるだけであり、点Pの位置は変化しない。したがって、レーザ光がランド1を走行する場合も、同様に信号FCMTを生成できる。
【0030】
図4を参照して、チルト検出回路113におけるチルトの検出動作について説明する。光学ヘッド101は、上述したように光磁気記録媒体10からチルトマーク信号CHMを検出し、再生信号増幅回路102を介してチルトマーク信号CHMをチルト検出回路113へ出力する。光軸がグルーブ2の中心GCに一致しているレーザ光LB1が光磁気記録媒体10に照射されたとき、光学ヘッド101は、チルトマーク信号CHM1を検出する。また、光軸がグルーブ2の中心GCから一方にずれたレーザ光LB2が光磁気記録媒体10に照射されたとき、光学ヘッド101は、チルトマーク信号CHM2を検出する。さらに、光軸がグルーブ2の中心GCから他方にずれたレーザ光LB3が光磁気記録媒体10に照射されたとき、光学ヘッド101は、チルトマーク信号CHM3を検出する。
【0031】
チルトマーク信号CHM1は、成分S1,S1,・・・から成る。成分S1は、基準レベルに対して2つのピーク値P1,P2を有する。そして、ピーク値P1は、ピーク値P2に等しい。したがって、レーザ光LB1がグルーブ2の中心GCに照射されるとき、2つのピーク値P1,P2が等しいチルトマーク信号CHM1が検出される。また、チルトマーク信号CHM2は、成分S2,S2,・・・から成る。成分S2においては、ピーク値P1はピーク値P2よりも大きい。したがって、グルーブ2の中心GCから一方にずれたレーザ光LB2が照射されるとき、ピーク値P1>ピーク値P2となるチルトマーク信号CHM2が検出される。さらに、チルトマーク信号CHM3は、成分S3,S3,・・・から成る。成分S3においては、ピーク値P1は、ピーク値P3よりも小さい。したがって、グルーブ2の中心GCから他方にずれたレーザ光LB3が照射されるとき、ピーク値P1<ピーク値P2となるチルトマーク信号CHM3が検出される。
【0032】
チルト検出回路113は、再生信号増幅回路102から入力されたチルトマーク信号CHMの2つのピーク値P1,P2を検出し、その検出したピーク値P1をピーク値P2と比較する。そして、チルト検出回路113は、ピーク値P1がピーク値P2に等しいとき、レーザ光LBの光軸がグルーブ2の中心GCに一致していると判定する。また、チルト検出回路113は、ピーク値P1がピーク値P2よりも大きいとき、レーザ光LBの光軸がグルーブ2の中心GCから一方にずれていると判定する。さらに、チルト検出回路113は、ピーク値P1がピーク値P2よりも小さいとき、レーザ光LBの光軸がグルーブ2の中心GCから他方にずれていると判定する。そして、チルト検出回路113は、レーザ光LBの光軸がグルーブ2の中心GCからずれていると判定したとき、チルト検出信号CHDTを生成し、その生成したチルト検出信号CHDTを制御回路114へ出力する。
【0033】
レーザ光LBがランド1を走行する場合も、チルト検出回路113は、上述した方法と同じ方法によってチルト検出信号CHDTを生成し、その生成したチルト検出信号CHDTを制御回路114へ出力する。
【0034】
図5〜図7を参照して、光磁気記録媒体10にチルトが発生したときの磁界強度の調整方法について説明する。図5を参照して、光磁気記録媒体10にチルトが発生していないとき、磁界Hex1は、その中心がランド1またはグルーブ2の中心に一致して印加される。また、レーザ光LBは、その光軸LB0がランド1またはグルーブ2の中心に一致して照射される(図5の(a)参照)。光磁気記録媒体10にチルトが発生すると、そのチルトが発生した部分は傾くため、磁界Hex1は、その中心がランド1の中心から一方にずれて印加される。また、レーザ光LBは、その光軸LB0がランド1の中心から一方にすれて照射される。その結果、ランド1の領域11は、領域12に比べ強い磁界が印加され、高温に昇温される。そうすると、ランド1には、ラジアル方向DR1に不均一な磁区が形成される(図5の(b)参照)。
【0035】
そこで、本発明においては、光磁気記録媒体10にチルトが発生したとき、チルトによる光軸ずれを補正し、ラジアル方向DR1に均一な磁区がランド1またはグルーブ2に形成されるように磁界Hex1の強度を調整する。すなわち、図5の(c)に示すように、ランド1またはグルーブ2の中心からずれた光軸LB0をランド1またはグルーブ2の中心に一致するように対物レンズ(図示せず)のトラッキングサーボを掛け直す。この対物レンズのトラッキングサーボの掛け直しは、チルトマーク信号CHMに基づいて行ない、光学ヘッド101が検出したチルトマーク信号が図4に示すチルトマーク信号CHM1になるように行なう。そして、レーザ光LBの光軸LB0のずれを補正した後、磁界の強度をラジアル方向DR1に均一な磁区がランド1またはグルーブ2に形成される強度に調整する。したがって、強度が補正されると、ランド1またはグルーブ2に磁界Hex2が印加される。
【0036】
図6を参照して、磁界の強度を調整するとき、制御回路114は、外部同期信号CLKに同期して、強度が変化され、かつ、記録信号WDによって変調された磁界を生成するための駆動信号MGDを生成し、その生成した駆動信号MGDを磁気ヘッド駆動回路118へ出力する。駆動信号MGDの成分MGD1,MGD2,・・・,MGDnは、全て「101101」から成る記録信号WDによって変調されており、磁界強度を設定するための振幅が相互に異なる。磁界強度の調整においては、1.422×104〜1.896×104A/mの範囲で790A/mのステップで強度を変化させる。したがって、成分MGD1は、1.422×104A/mの強度を有し、記録信号WDによって変調された磁界を生成するための駆動信号である。また、成分MGD2は、1.501×104A/mの強度を有し、記録信号WDによって変調された磁界を生成するための駆動信号である。さらに、成分MGDnは、1.896×104A/mの強度を有し、記録信号WDによって変調された磁界を生成するための駆動信号である。
【0037】
また、制御回路114は、記録時の強度を有するレーザ光を生成するための駆動信号PWをレーザ駆動回路119へ出力する。
【0038】
レーザ駆動回路119は、制御回路114からの駆動信号PWに基づいて光学ヘッド101に含まれる半導体レーザ(図示せず)を駆動し、光学ヘッド101は、記録時の強度を有するレーザ光を光磁気記録媒体10に照射する。なお、記録時のレーザ光の強度は、10〜14mWである。一方、磁気ヘッド駆動回路118は、制御回路114からの駆動信号MGDに基づいて磁気ヘッド120を駆動し、磁気ヘッド120は、記録信号WDによって変調され、かつ、強度が異なる磁界を光磁気記録媒体10に印加する。これによって、記録信号WDは、磁界強度を変えて光磁気記録媒体10に記録される。
【0039】
記録信号WDの記録が終了すると、制御回路114は、再生時の強度を有するレーザ光を生成するための駆動信号PRをレーザ駆動回路119へ出力する。レーザ駆動回路119は、駆動信号PRに基づいて光学ヘッド101に含まれる半導体レーザ(図示せず)を駆動し、光学ヘッド101は、再生時の強度を有するレーザ光を光磁気記録媒体10に照射する。そして、光学ヘッド101は、光検出器1010によって光磁気記録媒体10からの反射光を検出して光磁気信号RFを出力する。
【0040】
光磁気信号RFは、再生信号増幅回路102、BPF107、AD変換器108、波形等化回路109、復号回路110、および復調回路111を介して再生信号としてデコーダ112へ入力される。デコーダ112は、入力された再生信号の誤り訂正を行ない、再生信号のエラーレートを制御回路114へ出力する。制御回路114は、磁界強度を変化させて記録した記録信号に対応する再生信号のエラーレートをデコーダ112から受け、図7に示すエラーレートと磁界強度との関係図を作成する。そして、制御回路114は、図7に示す関係に基づいて再生信号のエラーレートが飽和する磁界強度の範囲H1〜H2を検出する。図7に示す場合は、磁界強度の範囲H1〜H2として1.738×104〜1.896×104A/mの範囲を検出する。そうすると、制御回路114は、磁界強度の範囲1.738×104〜1.896×104A/mに含まれる磁界強度を好適な強度と決定し、その決定した好適な強度に磁界の強度を設定するための駆動信号MGDPFRを生成して磁気ヘッド駆動回路118へ駆動信号MGDPFRを出力する。磁気ヘッド駆動回路118は、駆動信号MGDPFRに基づく磁界強度を有し、変調回路116からの記録信号によって変調された磁界を生成するように磁気ヘッド120を駆動する。
【0041】
このようにして、光磁気記録媒体10にチルトが発生したとき、ラジアル方向DR1に均一な磁区がランド1またはグルーブ2に形成されるように磁界強度が調整される。
【0042】
なお、制御回路114は、再生信号のエラーレートが飽和する磁界強度の範囲H1〜H2に含まれる磁界強度を好適な強度として決定するとして説明したが、本発明においては、磁界強度H1と磁界強度H2との平均値を最適な磁界強度Hoptとして決定し、その決定した最適強度Hoptに磁界の強度を設定してもよい。この場合、制御回路114は、磁界の強度を最適強度Hoptに設定するための駆動信号MGDOTを生成して磁気ヘッド駆動回路118へ駆動信号MGDOTを出力する。そして、磁気ヘッド駆動回路118は、駆動信号MGDOTに基づく磁界の強度を有し、変調回路116からの記録信号によって変調された磁界を生成するように磁気ヘッド120を駆動する。このように、再生信号のエラーレートが飽和する磁界強度の範囲の両端を検出し、その検出した2つの磁界強度の平均値を磁界強度の最適強度として決定することにより、光磁気記録媒体10への信号の記録に用いる磁界強度のマージンを大きくできる。
【0043】
再び、図1を参照して、光磁気ディスク装置100における光磁気記録媒体10への信号の記録動作について説明する。光磁気ディスク装置100に光磁気記録媒体10が装着されると、制御回路114は、スピンドルモータ106を所定の回転数で回転させるようにサーボ回路104を制御するとともに、所定強度のレーザ光を生成するようにレーザ駆動回路119を制御する。サーボ回路104は、スピンドルモータ106を所定の回転数で回転させ、スピンドルモータ106は、光磁気記録媒体10を所定の回転数で回転する。また、レーザ駆動回路119は、所定強度のレーザ光を出射するように光学ヘッド101に含まれる半導体レーザ(図示せず)を駆動し、光学ヘッド101は、所定強度のレーザ光を光磁気記録媒体10に照射し、その反射光を検出する。そして、光学ヘッド101は、検出したトラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FE、ファインクロックマーク信号FCM、およびチルトマーク信号CHMを再生信号増幅回路102へ出力する。
【0044】
再生信号増幅回路102は、トラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FE、ファインクロックマーク信号FCM、およびチルトマーク信号CHMを所定のレベルに増幅し、トラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FE、およびチルトマーク信号CHMをサーボ回路104へ出力し、ファインクロックマーク信号FCMを外部同期信号生成回路103へ出力し、チルトマーク信号CHMをチルト検出回路113へ出力する。外部同期信号生成回路103は、上述した方法によって、ファインクロックマーク信号FCMに基づいて外部同期信号CLKを生成し、その生成した外部同期信号CLKをサーボ回路104、AD変換器108、波形等化回路109、復号回路110、復調回路111、制御回路114および変調回路116へ出力する。
【0045】
一方、サーボ回路104は、トラッキングエラー信号TEおよびフォーカスエラー信号FEに基づいて光学ヘッド101に含まれる対物レンズ(図示せず)のトラッキングサーボおよびフォーカスサーボを行なうとともに、外部同期信号CLKに同期してスピンドルモータ106を所定の回転数で回転する。
【0046】
そうすると、制御回路114は、入力された記録信号を変調して磁気ヘッド駆動回路118へ出力するように変調回路116を制御するとともに、レーザ光の強度を記録時の強度に設定するための駆動信号PWをレーザ駆動回路119へ出力する。その後、記録データがエンコーダ115に入力され、エンコーダ115は、記録データに誤り訂正を付加して変調回路116へ出力する。変調回路116は、外部同期信号CLKに同期して、エンコーダ115からの記録信号を所定の方式に変調し、その変調した記録信号を磁気ヘッド駆動回路118へ出力する。
【0047】
レーザ駆動回路119は、駆動信号PWに基づいて、レーザ光の強度を記録時の強度に設定するように光学ヘッド101に含まれる半導体レーザ(図示せず)を制御し、光学ヘッド101は、記録時の強度を有するレーザ光を光磁気記録媒体10に照射する。また、磁気ヘッド駆動回路118は、記録信号によって変調された電流を磁気ヘッド120のコイルに流し、磁気ヘッド120は、記録信号によって変調された磁界を光磁気記録媒体10に印加する。これによって、記録信号が光磁気記録媒体10に記録される。
【0048】
チルト検出回路113は、再生信号増幅回路102から入力されたチルトマーク信号CHMに基づいて、上述した方法によってチルトを検出する。この場合、チルト検出回路113は、図4に示すチルトマーク信号CHM1が入力される限り、チルト検出信号CHDTを制御回路114へ出力しないので、光磁気記録媒体10にチルトが発生するまでは、上述した磁界強度の調整は行なわれない。
【0049】
チルト検出回路113は、図4に示すチルトマーク信号CHM2(またはCHM3)が入力されると、上述した方法によってチルト検出信号CHDTを生成し、その生成したチルト検出信号CHDTを制御回路114へ出力する。そうすると、制御回路114は、駆動信号MGDを生成して磁気ヘッド駆動回路118へ駆動信号MGDを出力するとともに、チルトマーク信号CHMに基づいて光学ヘッド101に含まれる対物レンズ(図示せず)のトラッキングサーボを行なうようにサーボ回路104を制御する。サーボ回路104は、入力されたチルトマーク信号CHMに基づいて、レーザ光が光磁気記録媒体10のランド1またはグルーブ2の中心に照射されるようにサーボ機構105を制御する。すなわち、サーボ回路104は、図4に示すチルトマーク信号CHM1が得られるようにサーボ機構105を制御する。そして、サーボ機構105は、サーボ回路104からの制御に基づいて対物レンズ(図示せず)のトラッキングサーボを行ない、レーザ光は、ランド1またはグルーブ2の中心に照射される。
【0050】
一方、磁気ヘッド駆動回路118は、駆動信号MGDに基づいて磁気ヘッド120を駆動し、磁気ヘッド120は、強度が変化し、かつ、記録信号「101101」によって変調された磁界を光磁気記録媒体10に印加する。これによって、磁界強度を変化させながら記録信号WDが光磁気記録媒体10に記録される。
【0051】
記録信号「101101」が光磁気記録媒体10に記録されると、制御回路114は、レーザ光の強度を再生時の強度に設定するための駆動信号PRをレーザ駆動回路119へ出力する。レーザ駆動回路119は、駆動信号PRに基づいてレーザ光の強度を再生時の強度に設定し、光学ヘッド101は、再生時の強度を有するレーザ光を光磁気記録媒体10に照射する。そして、光学ヘッド101は、光磁気記録媒体10からの反射光を検出して光磁気信号RFを再生信号増幅回路102へ出力する。再生信号増幅回路102は、光磁気信号RFを所定のレベルに増幅した後、光磁気信号RFをBPF107へ出力する。BPF107は、光磁気信号RFの高域と低域とを除去し、AD変換器108は、外部同期信号CLKに同期して、光磁気信号RFをアナログ信号からデジタル信号に変換する。そして、波形等化回路109は、外部同期信号CLKに同期して、光磁気信号RFの前後のデータが1対1に波形干渉を行なうように波形等化を行ない、復号回路110は、外部同期信号CLKに同期して、光磁気信号RFを多値から2値に変換する。復調回路111は、外部同期信号CLKに同期して、記録時に施されたデジタル変調を解くための復調を行ない、デコーダ112は、復調された再生信号の誤り訂正を行ない、エラーレートを制御回路114へ出力する。
【0052】
そして、制御回路114は、入力されたエラーレートに基づいて好適な磁界強度を決定し、磁界の強度を好適な強度に設定するための駆動信号MGDPFRを生成して磁気ヘッド駆動回路118へ出力する。
【0053】
磁気ヘッド駆動回路118は、駆動信号MGDPFRに基づく強度を有し、かつ、変調回路116からの記録信号に基づいて変調された磁界を発生するように磁気ヘッド120を駆動して、記録信号が光磁気記録媒体10に記録される。
【0054】
次に、光磁気ディスク装置100における光磁気記録媒体10からの信号の再生動作について説明する。光磁気記録媒体10が外部同期信号CLKに同期して所定の回転数で回転され、光学ヘッド101の対物レンズ(図示せず)のトラッキングサーボおよびフォーカスサーボが行なわれるまでの動作は、記録動作の場合と同じである。その後、光学ヘッド101は、再生時の強度を有するレーザ光によって光磁気記録媒体10から光磁気信号RFを検出して再生信号増幅回路102へ出力する。
【0055】
再生信号増幅回路102は、光磁気信号RFを所定のレベルに増幅した後、光磁気信号RFをBPF107へ出力する。BPF107は、光磁気信号RFの高域と低域とを除去し、AD変換器108は、外部同期信号CLKに同期して、光磁気信号RFをアナログ信号からデジタル信号に変換する。そして、波形等化回路109は、外部同期信号CLKに同期して、光磁気信号RFの前後のデータが1対1に波形干渉を行なうように波形等化を行ない、復号回路110は、外部同期信号CLKに同期して、光磁気信号RFを多値から2値に変換する。復調回路111は、外部同期信号CLKに同期して、記録時に施されたデジタル変調を解くための復調を行ない、デコーダ112は、復調された再生信号の誤り訂正を行ない、再生データを出力する。これによって、光磁気記録媒体10からの信号の再生動作が終了する。
【0056】
実施の形態1によれば、光磁気ディスク装置は、光磁気記録媒体にチルトが発生したとき、レーザ光の光軸が光磁気記録媒体のランドまたはグルーブの中心に一致するように対物レンズのトラッキングサーボを行ない、径方向に均一な磁区が形成されるように磁界強度を調整するので、記録信号を光磁気記録媒体に正確に記録できる。
【0057】
[実施の形態2]
図8を参照して、実施の形態2による光磁気ディスク装置200は、図1に示す光磁気ディスク装置100に振幅検出回路121を追加したものであり、その他は、光磁気ディスク装置100と同じである。光磁気ディスク装置200においては、再生信号増幅回路102は、光磁気信号RFを振幅検出回路121へも出力する。また、外部同期信号生成回路103は、外部同期信号CLKを振幅検出回路121へも出力する。振幅検出回路121は、再生信号増幅回路102から入力された光磁気信号RFの振幅を外部同期信号CLKに同期して検出し、その検出した振幅を制御回路114へ出力する。
【0058】
図9を参照して、振幅検出回路121における光磁気信号RFの振幅の検出方法について説明する。振幅検出回路121は、外部同期信号CLKの各タイミングにおいて、光磁気信号RFの振幅値PK1〜PK13を検出して振幅信号RFPを生成する。そして、振幅検出回路121は、検出した振幅信号RFPの振幅値PK1,PK4,PK5,PK7,PK9,PK12の平均値PKA1と、振幅値PK2,PK3,PK6,PK8,PK10,PK11,PK13の平均値PKA2とを求め、平均値PKA1の絶対値と平均値PKA2の絶対値との和を光磁気信号RFの振幅PKとして求める。
【0059】
図10および図11を参照して、光磁気記録媒体10にチルトが発生した場合に、光磁気信号RFの振幅に基づいて磁界強度を調整する方法について説明する。実施の形態2においては、光磁気記録媒体10にチルトが発生したとき、実施の形態1と同じように磁界強度を変化させながら記録信号「101101」を記録し、その記録信号「101101」に対応する光磁気信号RFの振幅が最大になる(「飽和する」とも言う、以下同じ)ように磁界強度を調整する。すなわち、制御回路114は、チルト検出回路113からチルト検出信号CHDTを受けると、駆動信号MGD,PWを生成して駆動信号MGDを磁気ヘッド駆動回路118へ出力し、駆動信号PWをレーザ駆動回路119へ出力する。そして、レーザ駆動回路119は、記録時の強度を有するレーザ光を生成するように半導体レーザ(図示せず)を駆動し、光学ヘッド101は、記録時の強度を有するレーザ光を光磁気記録媒体10に照射する。また、磁気ヘッド駆動回路118は、駆動信号MGDに基づいて磁気ヘッド120を駆動し、磁気ヘッド120は、強度が変化し、かつ、記録信号「101101」によって変調された磁界を光磁気記録媒体10に印加する。これによって、磁界強度を変化させながら記録信号「101101」が光磁気記録媒体10に記録される。
【0060】
図10を参照して、磁界の中心がランド1またはグルーブ2の中心に一致しているとき、光磁気信号RF1が検出され、振幅検出回路121は、上述した方法によって最も大きい振幅を検出する。磁界の中心がランド1またはグルーブ2の中心からずれると、光磁気信号RF2,RF3が検出され、光磁気信号RF2,RF3の順で振幅が小さくなる。したがって、本発明においては、光磁気信号RF1が検出されるように、磁界強度を調整する。
【0061】
制御回路114は、振幅検出回路121から光磁気信号RFの振幅を受け、図11に示すように、光磁気信号の振幅と磁界強度との関係図を作成し、光磁気信号RFの振幅が最大になる磁界強度の範囲H1〜H2を検出し、その検出した磁界強度の範囲H1〜H2に含まれる強度を好適な磁界強度として決定する。制御回路114は、好適な磁界強度を決定すると、磁界の強度を好適な強度に設定するための駆動信号MGDPFRを生成し、その生成した駆動信号MGDPFRを磁気ヘッド駆動回路118へ出力する。その後の動作は、実施の形態1において説明したのと同じである。このように、実施の形態2においては、光磁気記録媒体10から検出した光磁気信号RFの振幅が最大になるように磁界強度が調整される。
【0062】
なお、制御回路114は、再生信号の振幅が飽和する磁界強度の範囲H1〜H2に含まれる磁界強度を好適な強度として決定するとして説明したが、本発明においては、磁界強度H1と磁界強度H2との平均値を最適な磁界強度Hoptとして決定し、その決定した最適強度Hoptに磁界の強度を設定してもよい。この場合、制御回路114は、磁界の強度を最適強度Hoptに設定するための駆動信号MGDOTを生成して磁気ヘッド駆動回路118へ駆動信号MGDOTを出力する。そして、磁気ヘッド駆動回路118は、駆動信号MGDOTに基づく磁界の強度を有し、変調回路116からの記録信号によって変調された磁界を生成するように磁気ヘッド120を駆動する
光磁気記録媒体10にチルトが発生しない場合の光磁気記録媒体10への信号の記録動作および光磁気記録媒体10からの信号の再生動作は実施の形態1における説明と同じである。そこで、光磁気記録媒体10にチルトが発生した場合の光磁気ディスク装置200における動作について説明する。
【0063】
チルト検出回路113は、図4に示すチルトマーク信号CHM2(またはCHM3)が入力されると、上述した方法によってチルト検出信号CHDTを生成し、その生成したチルト検出信号CHDTを制御回路114へ出力する。そうすると、制御回路114は、駆動信号MGDを生成し、その生成した駆動信号MGDを磁気ヘッド駆動回路118へ出力するとともに、チルトマーク信号CHMに基づいて光学ヘッド101に含まれる対物レンズ(図示せず)のトラッキングサーボを行なうようにサーボ回路104を制御する。サーボ回路104は、入力されたチルトマーク信号CHMに基づいて、レーザ光が光磁気記録媒体10のランド1またはグルーブ2の中心に照射されるようにサーボ機構105を制御する。すなわち、サーボ回路104は、図4に示すチルトマーク信号CHM1が得られるようにサーボ機構105を制御する。そして、サーボ機構105は、サーボ回路104からの制御に基づいて対物レンズ(図示せず)のトラッキングサーボを行ない、レーザ光は、ランド1またはグルーブ2の中心に照射される。
【0064】
一方、磁気ヘッド駆動回路118は、駆動信号MGDに基づいて磁気ヘッド120を駆動し、磁気ヘッド120は、強度が変化し、かつ、記録信号「101101」によって変調された磁界を光磁気記録媒体10に印加する。これによって、磁界強度を変化させながら記録信号「101101」が光磁気記録媒体10に記録される。
【0065】
記録信号「101101」が光磁気記録媒体10に記録されると、制御回路114は、レーザ光の強度を再生時の強度に設定するための駆動信号PRをレーザ駆動回路119へ出力する。レーザ駆動回路119は、駆動信号PRに基づいてレーザ光の強度を再生時の強度に設定し、光学ヘッド101は、再生時の強度を有するレーザ光を光磁気記録媒体10に照射する。そして、光学ヘッド101は、光磁気記録媒体10からの反射光を検出して光磁気信号RFを再生信号増幅回路102へ出力する。再生信号増幅回路102は、光磁気信号RFを所定のレベルに増幅した後、光磁気信号RFを振幅検出回路121へ出力する。
【0066】
振幅検出回路121は、上述した方法によって光磁気信号RFの振幅を検出して制御回路114へ出力する。制御回路114は、上述した方法によって好適な磁界強度を決定し、磁界の強度を好適な磁界強度に設定するための駆動信号MGDPFRを生成して磁気ヘッド駆動回路118へ出力する。その後の動作は実施の形態1における説明と同じである。これによって、光磁気記録媒体10にチルトが発生したとき、ラジアル方向DR1に均一な磁区が形成されるように磁界強度が調整される。
【0067】
その他は、実施の形態1と同じである。
実施の形態2によれば、光磁気ディスク装置は、光磁気記録媒体にチルトが発生した場合、磁界強度を変化させながら記録した記録信号に対応する光磁気信号の振幅が最大になるように磁界強度を調整するので、光磁気記録媒体にチルトが発生しても、光磁気記録媒体に信号を正確に記録できる。
【0068】
[実施の形態3]
図12を参照して、実施の形態3による光磁気ディスク装置300は、図1に示す光磁気ディスク装置100にチルトセンサ122を追加し、チルト検出回路113をチルト検出回路113Aに代えたものであり、その他は、光磁気ディスク装置100と同じである。チルトセンサ122は、2つのレーザ光を光磁気記録媒体10に照射し、その2つのレーザ光の光磁気記録媒体10での反射光を別々の検出部で検出し、その検出した2つの反射光強度をサーボ回路104およびチルト検出回路113Aへ出力する。
【0069】
図13を参照して、チルトセンサ122は、発光部1221と、センサ1222,1223とから成る。発光部1221は、レーザ光LBC1,LBC2を発光する。センサ1222は、レーザ光LBC1の光磁気記録媒体10での反射光を検出する。センサ1223は、レーザ光LBC2の光磁気記録媒体10での反射光を検出する。
【0070】
光磁気記録媒体10にチルトが発生していない場合、センサ1222が検出する反射光強度IPH1は、センサ1223が検出する反射光強度IPH2に等しい。すなわち、IPH1=IPH2になる(図13の(a)参照)。また、光磁気記録媒体10にスピンドルモータ106側へのチルトが発生している場合、センサ1222が検出する反射光強度IPH1は、センサ1223が検出する反射光強度IPH2よりも大きい。すなわち、IPH1>IPH2になる(図13の(b)参照)。さらに、光磁気記録媒体10にスピンドルモータ106と反対側へのチルトが発生している場合、センサ1222が検出する反射光強度IPH1は、センサ1223が検出する反射光強度IPH2よりも小さい。すなわち、IPH1<IPH2になる(図13の(c)参照)。
【0071】
チルトセンサ122は、センサ1222,1223で検出した反射光強度IPH1,IPH2をサーボ回路104およびチルト検出回路113Aへ出力する。チルト検出回路113Aは、入力された反射光強度IPH1,IPH2に基づいて2つの反射光強度の大小関係を判定する。そして、チルト検出回路113Aは、IPH1=IPH2であれば、光磁気記録媒体10にチルトが発生していないと判定し、IPH1>IPH2であれば、光磁気記録媒体10にスピンドルモータ106側へのチルトが発生していると判定し、IPH1<IPH2であれば、光磁気記録媒体10にスピンドルモータ106と反対側へのチルトが発生していると判定する。チルト検出回路113Aは、IPH1>IPH2、またはIPH1<IPH2と判定したとき、チルト検出信号CHDTを生成し、その生成したチルト検出信号CHDTを制御回路114へ出力する。チルト検出信号CHDTを受けた制御回路114の動作は、実施の形態1で説明したのと同じである。
【0072】
サーボ回路104は、光磁気記録媒体10にチルトが発生している場合、制御回路114からの制御によって、反射光強度IPH1が反射光強度IPH2に等しくなるように光学ヘッド101に含まれる対物レンズ(図示せず)のトラッキングサーボを行なう。これによって、光磁気記録媒体10にチルトが発生してもレーザ光の光軸を光磁気記録媒体10のランド1またはグルーブ2の中心に一致させることができる。
【0073】
光磁気記録媒体10にチルトが発生したときの磁界強度を調整する方法は、実施の形態1で説明した方法と同じである。
【0074】
チルトセンサ122は、光磁気記録媒体10にチルトが発生し易い位置(径方向DR1の位置)に設置しておいても良いし、光学ヘッド101の径方向DR1への移動に伴って径方向DR1に移動するようにしても良い。
【0075】
また、チルトセンサ122によって光磁気記録媒体10のチルトを検出する場合、光磁気記録媒体10は、チルトマークを含まなくても良い。
【0076】
さらに、光磁気記録媒体10がチルトマークを含む場合、サーボ回路104は、再生信号増幅回路102から入力されるチルトマーク信号CHMに基づいて、光学ヘッド101に含まれる対物レンズ(図示せず)のトラッキングサーボを行なうように構成してもよい。
【0077】
その他は、実施の形態1における説明と同じである。
実施の形態3によれば、光磁気ディスク装置は、光磁気記録媒体にチルトが発生したとき、レーザ光の光軸が光磁気記録媒体のランドまたはグルーブの中心に一致するように対物レンズのトラッキングサーボを行ない、径方向に均一な磁区が形成されるように磁界強度を調整するので、記録信号を光磁気記録媒体に正確に記録できる。
【0078】
[実施の形態4]
図14を参照して、実施の形態4による光磁気ディスク装置400は、図8に示す光磁気ディスク装置200にチルトセンサ122を追加し、チルト検出回路113をチルト検出回路113Aに代えたものであり、その他は光磁気ディスク装置200と同じである。また、チルトセンサ122およびチルト検出回路113Aの説明は、実施の形態3における説明と同じである。したがって、光磁気ディスク装置400においても、光磁気記録媒体10にチルトが発生したとき、そのチルトの影響を除去するように磁界強度を調整できる。
【0079】
その他は、実施の形態2,3と同じである。
実施の形態4によれば、光磁気ディスク装置は、光磁気記録媒体にチルトが発生したとき、レーザ光の光軸が光磁気記録媒体のランドまたはグルーブの中心に一致するように対物レンズのトラッキングサーボを行ない、径方向に均一な磁区が形成されるように磁界強度を調整するので、記録信号を光磁気記録媒体に正確に記録できる。
【0080】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1による光磁気ディスク装置のブロック図である。
【図2】 光磁気信号、チルトマーク信号、およびファインクロックマーク信号の検出方法を説明するための図である。
【図3】 外部同期信号の生成方法を説明するための図である。
【図4】 チルトの検出方法を説明するための図である。
【図5】 実施の形態1におけるチルトによる影響を除去する方法を説明するための断面図である。
【図6】 図1に示す光磁気ディスク装置における信号のタイミングチャートである。
【図7】 再生信号のエラーレートと磁界強度との関係を示す図である。
【図8】 実施の形態2による光磁気ディスク装置のブロック図である。
【図9】 光磁気記録媒体から検出した光磁気信号の振幅検出における信号のタイミングチャートである。
【図10】 実施の形態2におけるチルト検出に用いる光磁気信号のタイミングチャートである。
【図11】 光磁気信号の振幅と磁界強度との関係を示す図である。
【図12】 実施の形態3による光磁気ディスク装置のブロック図である。
【図13】 チルトセンサによるチルトの検出方法を説明するための図である。
【図14】 実施の形態4による光磁気ディスク装置のブロック図である。
【図15】 従来の問題点を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1 ランド、2 グルーブ、3 ファインクロックマーク、4 チルトマーク、10 光磁気記録媒体、11,12,1011〜1016 領域、30,40回路、100,200,300,400 光磁気ディスク装置、101 光学ヘッド、102 再生信号増幅回路、103 外部同期信号生成回路、104 サーボ回路、105 サーボ機構、106 スピンドルモータ、107 BPF、108 AD変換器、109 波形等化回路、110 復号回路、111 復調回路、112 デコーダ、113,113A チルト検出回路、114 制御回路、115 エンコーダ、116 変調回路、118 磁気ヘッド駆動回路、119 レーザ駆動回路、120 磁気ヘッド、121 振幅検出回路、122チルトセンサ、301,403,406 減算器、401,402,404,405 加算器、1010 光検出器、1221 発光部、1222,1223
センサ。
【発明の属する技術分野】
この発明は、光磁気記録媒体のチルト量を検出し、その検出したチルト量に応じて光磁気記録媒体に印加される磁界の強度を調整する光磁気ディスク装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
書換え可能で、記憶容量が大きく、かつ、信頼性の高い記録媒体として光磁気記録媒体が注目されており、コンピュータメモリ等として実用化され始めている。そして、最近では、記録容量が6.0Gbytesの光磁気記録媒体がAS−MO(Advanced Storage Magneto Optical disk)規格として規格化され、実用化されようとしている。
【0003】
AS−MO規格による光磁気記録媒体は、ランドとグループとを径方向に交互に配置したトラック構造を有し、ランドとグループとの両方に信号を記録することによって記録密度の高密度化を図っている。そして、光磁気記録媒体に信号を記録するとき、レーザ光を光磁気記録媒体に照射し、記録信号によって変調された磁界を光磁気記録媒体に印加する。つまり、レーザ光を照射することによって光磁気記録媒体の磁性膜の温度をキュリー点よりも高い温度まで昇温させ、磁性膜の温度が、再度、キュリー点を通過して降温するタイミングで記録信号によって変調された磁界を磁性膜に印加する。そして、記録信号によって変調された磁化を有する磁区を磁性膜に形成する。したがって、通常、レーザ光の光軸は、磁界強度の強い領域と一致している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、光磁気記録媒体は、ポリカーボネート等から成る基板のそりに起因してチルトが発生する。そして、光磁気記録媒体にチルトが発生すると、磁界の中心がランドまたはグルーブの中心からずれるため、印加された磁界の強度はランドまたはグルーブの径方向において変化する。すなわち、図15を参照して、光磁気記録媒体10にチルトが発生していないとき、外部から印加される磁界Hexの強度は、光磁気記録媒体10のランド1またはグルーブ2の径方向DR1の各位置に対してほぼ均一になる(図15の(a)参照)。一方、光磁気記録媒体10にチルトが発生すると、光磁気記録媒体10は傾くため、磁界Hexは光磁気記録媒体10のランド1またはグルーブ2に対して斜めから印加される。そうすると、ランド1の領域11に印加される磁界の強度は、領域12に印加される磁界の強度と異なり、ランド1において径方向DR1に均一な磁区が形成されない(図15の(b)参照)。これは、磁界Hexがグルーブ2に印加される場合にも生じる。その結果、光磁気記録媒体10にチルトが発生したとき、信号を正確に記録できないという問題が生じる。
【0005】
そこで、本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、光磁気記録媒体にチルトが発生したとき、その発生したチルト量に応じて磁界強度を光磁気記録媒体に信号を正確に記録するための磁界強度に調整可能な光磁気ディスク装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明によれば、光磁気ディスク装置は、光磁気記録媒体に信号を記録および/または再生する光磁気ディスク装置であって、光磁気記録媒体のチルトを検出するチルト検出手段と、対物レンズによりレーザ光を光磁気記録媒体に照射し、その反射光を検出する光学ヘッドと、光磁気記録媒体に発生したチルトの影響を除去するように対物レンズのトラッキングサーボを行なうサーボ手段と、光磁気記録媒体に磁界を印加する磁気ヘッドと、磁気ヘッドを駆動する磁気ヘッド駆動手段と、制御回路を備える。更に制御回路は、信号を記録する際、前記光学ヘッドに記録レーザパワーを設定し、記録動作中に前記チルト検出手段からチルト検出信号を受けると、強度を変化させて、記録信号によって変調された磁界を前記光磁気記録媒体に印加するための第1の駆動信号を前記磁気ヘッド駆動手段へ出力し、前記磁界の強度を変化させて記録した記録信号を前記光学ヘッドによって検出した光磁気信号に基づいて前記磁界の好適な強度を決定し、その後の記録動作においては、前記記録時のレーザパワーを保持させたまま、その決定した好適な強度に前記磁界の強度を設定するための第2の駆動信号を前記磁気ヘッド駆動手段へ出力する。また、磁気ヘッド駆動手段は、第1または第2の駆動信号に基づいて磁気ヘッドを駆動し、磁気ヘッドは、記録信号によって変調された磁界を光磁気記録媒体に印加する。
【0007】
好ましくは、光磁気ディスク装置は、光学ヘッドが検出した光磁気信号を復号および復調した再生信号のエラーレートを検出するエラー検出回路をさらに備え、制御回路は、磁界の強度を変化させて記録した記録信号に対応する再生信号のエラーレートをエラー検出回路から受け、再生信号のエラーレートが飽和値になる磁界の第1および第2の強度を検出し、その検出した第1の強度と第2の強度との平均値を最適強度と決定し、その決定した最適強度に磁界の強度を設定するための第3の駆動信号を磁気ヘッド駆動手段へ出力し、磁気ヘッド駆動手段は、第3の駆動信号を受けると第2の駆動信号に代えて第3の駆動信号に基づいて磁気ヘッドを駆動する。
【0009】
好ましくは、光磁気ディスク装置は、光学ヘッドが検出した光磁気信号の振幅を検出する振幅検出回路をさらに備え、制御回路は、磁界の強度を変化させて記録した記録信号に対応する光磁気信号の振幅を振幅検出回路から受け、その受けた振幅が飽和する磁界の強度範囲を好適な強度と決定する。
【0010】
好ましくは、制御回路は、光磁気信号の振幅が飽和値になる磁界の第1および第2の強度を検出し、その検出した第1の強度と第2の強度との平均値を最適強度と決定し、その決定した最適強度に磁界の強度を設定するための第3の駆動信号を磁気ヘッド駆動手段へ出力し、磁気ヘッド駆動手段は、第3の駆動信号を受けると、第2の駆動信号に代えて第3の駆動信号に基づいて磁気ヘッドを駆動する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0014】
[実施の形態1]
図1を参照して、この発明の実施の形態1による光磁気ディスク装置100は、光学ヘッド101と、再生信号増幅回路102と、外部同期信号生成回路103と、サーボ回路104と、サーボ機構105と、スピンドルモータ106と、BPF107と、AD変換器108と、波形等化回路109と、復号回路110と、復調回路111と、デコーダ112と、チルト検出回路113と、制御回路114と、エンコーダ115と、変調回路116と、磁気ヘッド駆動回路118と、レーザ駆動回路119と、磁気ヘッド120とを備える。
【0015】
光学ヘッド101は、波長650nm(許容誤差:±15nm、以下同じ)のレーザ光を光磁気記録媒体10に照射し、その反射光を検出する。再生信号増幅回路102は、光学ヘッド101が光磁気記録媒体10から検出したトラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号、ファインクロックマーク信号、チルトマーク信号、および光磁気信号を所定のレベルまで増幅し、トラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FE、およびチルトマーク信号CHMをサーボ回路104へ出力し、ファインクロックマーク信号FCMを外部同期信号生成回路103へ出力し、チルトマーク信号CHMをチルト検出回路113へ出力し、光磁気信号RFをBPF107へ出力する。
【0016】
外部同期信号生成回路103は、後述する方法によってファインクロックマーク信号FCMに基づいて外部同期信号CLKを生成し、その生成した外部同期信号CLKをサーボ回路104、AD変換器108、波形等化回路109、復号回路110、復調回路111、制御回路114および変調回路116へ出力する。サーボ回路104は、トラッキングエラー信号TEおよびフォーカスエラー信号FEに基づいて光学ヘッド101に含まれる対物レンズ(図示せず)のトラッキングサーボおよびフォーカスサーボを行なうようにサーボ機構105を制御する。また、サーボ回路104は、外部同期信号CLKに同期してスピンドルモータ106を所定の回転数で回転させる。さらに、サーボ回路104は、制御回路114からの制御によって、チルトマーク信号CHMに基づいて対物レンズのトラッキングサーボを行なうようにサーボ機構105を制御する。
【0017】
サーボ機構105は、サーボ回路104からの制御に基づいて光学ヘッド101に含まれる対物レンズ(図示せず)のトラッキングサーボおよびフォーカスサーボを行なう。スピンドルモータ106は、光磁気記録媒体10を所定の回転数で回転させる。BPF107は、光磁気信号RFの高域と低域とを除去する。AD変換器108は、外部同期信号生成回路103からの外部同期信号CLKに同期して光磁気信号RFをアナログ信号からデジタル信号に変換する。
【0018】
波形等化回路109は、外部同期信号生成回路103からの外部同期信号CLKに同期して、デジタル信号に変換された光磁気信号RFにPR(1,1)波形等化を行なう。すなわち、波形等化回路109は、光磁気信号RFの前後のデータが1対1に波形干渉を行なうように等化する。復号回路110は、外部同期信号生成回路103からの外部同期信号CLKに同期して、光磁気信号RFを多値から2値に変換する。復調回路111は、外部同期信号生成回路103からの外部同期信号CLKに同期して、記録時に施されたデジタル変調を解くための復調を行なう。デコーダ112は、復調された再生信号の誤り訂正を行ない、再生データとして出力するとともに、誤り訂正の結果である再生信号のエラーレートを制御回路114へ出力する。
【0019】
チルト検出回路113は、後述する方法によって、チルトマーク信号CHMに基づいてチルトを検出し、チルト検出信号CHDTを制御回路114へ出力する。制御回路114は、光磁気ディスク装置100の各部を制御する。また、制御回路114は、チルト検出回路113からチルト検出信号CHDTを受けると、強度を変化させて記録信号によって変調された磁界を光磁気記録媒体に印加するための駆動信号MGDを生成して磁気ヘッド駆動回路118へ駆動信号MGDを出力する。そして、制御回路114は、磁界の強度を変化させて記録した記録信号に対応する再生信号のエラーレートをデコーダ112から受け、再生信号のエラーレートが飽和する磁界の強度を決定し、その決定した強度に磁界の強度を設定するための駆動信号MGDPFRを生成して磁気ヘッド駆動回路118へ駆動信号MGDPFRを出力する。また、制御回路114は、再生信号のエラーレートが飽和値になる磁界強度から最適な磁界強度を決定し、その決定した最適強度に磁界の強度を設定するための駆動信号MGDOTを生成して磁気ヘッド駆動回路118へ駆動信号MGDOTを出力する。さらに、制御回路114は、光学ヘッド101に含まれる半導体レーザ(図示せず)を駆動するための駆動信号PW,PRを生成し、その生成した駆動信号PW,PRをレーザ駆動回路119へ出力する。なお、駆動信号PWは、光磁気記録媒体10に信号を記録するときの半導体レーザの駆動信号であり、駆動信号PRは、光磁気記録媒体10から信号を再生するときの半導体レーザの駆動信号である。
【0020】
エンコーダ115は、記録データに誤り訂正符号を付加する。変調回路116は、外部同期信号生成回路103からの外部同期信号CLKに同期して、エンコーダ115からの記録信号を所定の方式に変調する。
【0021】
磁気ヘッド駆動回路118は、制御回路114からの駆動信号MGD,MGDPFR,MGDOTまたは変調回路116からの記録信号に基づいて磁気ヘッド120を駆動する。レーザ駆動回路119は、制御回路114からの駆動信号PW,PRに基づいて、光学ヘッド101に含まれる半導体レーザ(図示せず)を駆動する。磁気ヘッド120は、記録信号によって変調された磁界を光磁気記録媒体10に印加する。
【0022】
図2を参照して、光磁気記録媒体10からの光磁気信号RF、チルトマーク信号CHM、およびファインクロックマーク信号FCMの検出について説明する。光磁気記録媒体10は、径方向(「ラジアル方向」とも言う)DR1にランド1とグルーブ2とを交互に配列したトラック構造を有する。そして、光磁気記録媒体10は、周方向(「タンジェンシャル方向」とも言う)DR2に一定間隔ごとにファインクロックマーク3およびチルトマーク4を含む。ファインクロックマーク3は、ランド1に1μm程度のグルーブを、グルーブ2に1μm程度のランドを、それぞれ、形成することによって光磁気記録媒体10の製造時にプリフォーマットされる。また、チルトマーク4は、グルーブ2の両側の壁に一定間隔ごとにウォブルを形成することによって光磁気記録媒体10の製造時にプリフォーマットされる。なお、光磁気記録媒体10においては、ファインクロックマーク3およびチルトマーク4が形成されていない領域に信号が記録される。
【0023】
光学ヘッド101の光検出器1010は、6つに分割されたA領域1011、B領域1012、C領域1013、D領域1014、E領域1015、およびF領域1016を有する。A領域1011とD領域1014、B領域1012とC領域1013は、光磁気記録媒体10のラジアル方向DR1に配置され、A領域1011とB領域1012、C領域1013とD領域1014、およびE領域1015とF領域1016は光磁気記録媒体10のタンジェンシャル方向DR2に配置される。
【0024】
A領域1011、B領域1012、C領域1013、およびD領域1014は、それぞれ、光磁気記録媒体10に照射されたレーザ光LBのA領域、B領域、C領域、およびD領域での反射光を検出する。また、E領域1015、およびF領域1016は、レーザ光LBのA領域、B領域、C領域、およびD領域の全体で反射されたレーザ光を、光学ヘッド101のウォラストンプリズム(図示せず)によって偏光面の異なる2つの方向に回折されたレーザ光を検出する。
【0025】
ファインクロックマーク3およびチルトマーク4が形成されていない領域に記録された記録信号を再生した光磁気信号RFは、光検出器1010のE領域1015で検出されたレーザ光強度[E]とF領域1016で検出されたレーザ光強度[F]との差を演算することによって検出される。すなわち、回路30の減算器301は、E領域1015で検出されたレーザ光強度[E]とF領域1016で検出されたレーザ光強度[F]との差分を演算し、光磁気信号RF=[E]−[F]を出力する。
【0026】
ウォブルによって光磁気記録媒体10に形成されたチルトマーク4の再生信号は、ラジアルプッシュプル法によって検出され、A領域1011で検出されたレーザ光強度[A]とB領域1012で検出されたレーザ光強度[B]との和からC領域1013で検出されたレーザ光強度[C]とD領域1014で検出されたレーザ光強度[D]との和を減じたものとして検出される。すなわち、チルトマーク信号CHMは、回路40を構成する加算器401,402と減算器403とによって検出される。加算器401は、A領域1011で検出されたレーザ光強度[A]とB領域1012で検出されたレーザ光強度[B]とを加算した[A+B]を出力する。加算器402は、C領域1013で検出されたレーザ光強度[C]とD領域1014で検出されたレーザ光強度[D]とを加算した[C+D]を出力する。そして、減算器403は、加算器401の出力[A+B]から加算器402の出力[C+D]を減算してチルトマーク信号CHM=[A+B]−[C+D]を出力する。
【0027】
また、ファインクロックマーク3は、タンジェンシャルプッシュプル法により検出され、A領域1011で検出されたレーザ光強度[A]とD領域1014で検出されたレーザ光強度[D]との和からB領域1012で検出されたレーザ光強度[B]とC領域1013で検出されたレーザ光強度[C]との和を減じたものとして検出される。すなわち、ファインクロックマーク3は、回路40を構成する加算器404,405と減算器406とによって検出される。加算器404は、A領域1011で検出されたレーザ光強度[A]とD領域1014で検出されたレーザ光強度[D]とを加算した[A+D]を出力する。加算器405は、B領域1012で検出されたレーザ光強度[B]とC領域1013で検出されたレーザ光強度[C]とを加算した[B+C]を出力する。そして、減算器406は、加算器404の出力[A+D]から加算器405の出力[B+C]を減算してファインクロックマークの再生信号FCM=[A+D]−[B+C]を出力する。
【0028】
図3を参照して、外部同期信号CLKの生成について説明する。光学ヘッド101の光検出部1010は、上記図2を参照して説明したようにタンジェンシャルプッシュプル法によりファインクロックマーク信号FCMを検出し、その検出したファインクロックマーク信号FCMを再生信号増幅回路102を介して外部同期信号生成回路103へ出力する。外部同期信号生成回路103は、入力されたファインクロックマーク信号FCMに基づいてファインクロックマーク検出信号FCMTを生成する。すなわち、外部同期信号生成回路103においては、ファインクロックマーク信号FCMは、所定のレベルでコンパレートされ、信号FCMCに変換される。そして、信号FCMCは信号/FCMCに反転される。その後、ファインクロックマーク信号FCMの極性が切替わる点Pの位置に立ち上がりエッジが同期し、かつ、6DCBの振幅幅を有する検出窓信号DEWINが生成され、信号/FCMCと検出窓信号DEWINとの論理積が演算されて信号FCMTが生成される。そして、信号FCMTの隣接する2つの成分間に一定個数(たとえば、532個)の周期信号が存在するように外部同期信号CLKが生成される。
【0029】
なお、図3のファインクロックマーク信号FCMは、レーザ光が光磁気記録媒体10のグルーブ2を走行する場合に検出されるファインクロックマーク信号について説明した。レーザ光がランド1を走行する場合に検出されるファインクロックマーク信号は、その極性が変わるだけであり、点Pの位置は変化しない。したがって、レーザ光がランド1を走行する場合も、同様に信号FCMTを生成できる。
【0030】
図4を参照して、チルト検出回路113におけるチルトの検出動作について説明する。光学ヘッド101は、上述したように光磁気記録媒体10からチルトマーク信号CHMを検出し、再生信号増幅回路102を介してチルトマーク信号CHMをチルト検出回路113へ出力する。光軸がグルーブ2の中心GCに一致しているレーザ光LB1が光磁気記録媒体10に照射されたとき、光学ヘッド101は、チルトマーク信号CHM1を検出する。また、光軸がグルーブ2の中心GCから一方にずれたレーザ光LB2が光磁気記録媒体10に照射されたとき、光学ヘッド101は、チルトマーク信号CHM2を検出する。さらに、光軸がグルーブ2の中心GCから他方にずれたレーザ光LB3が光磁気記録媒体10に照射されたとき、光学ヘッド101は、チルトマーク信号CHM3を検出する。
【0031】
チルトマーク信号CHM1は、成分S1,S1,・・・から成る。成分S1は、基準レベルに対して2つのピーク値P1,P2を有する。そして、ピーク値P1は、ピーク値P2に等しい。したがって、レーザ光LB1がグルーブ2の中心GCに照射されるとき、2つのピーク値P1,P2が等しいチルトマーク信号CHM1が検出される。また、チルトマーク信号CHM2は、成分S2,S2,・・・から成る。成分S2においては、ピーク値P1はピーク値P2よりも大きい。したがって、グルーブ2の中心GCから一方にずれたレーザ光LB2が照射されるとき、ピーク値P1>ピーク値P2となるチルトマーク信号CHM2が検出される。さらに、チルトマーク信号CHM3は、成分S3,S3,・・・から成る。成分S3においては、ピーク値P1は、ピーク値P3よりも小さい。したがって、グルーブ2の中心GCから他方にずれたレーザ光LB3が照射されるとき、ピーク値P1<ピーク値P2となるチルトマーク信号CHM3が検出される。
【0032】
チルト検出回路113は、再生信号増幅回路102から入力されたチルトマーク信号CHMの2つのピーク値P1,P2を検出し、その検出したピーク値P1をピーク値P2と比較する。そして、チルト検出回路113は、ピーク値P1がピーク値P2に等しいとき、レーザ光LBの光軸がグルーブ2の中心GCに一致していると判定する。また、チルト検出回路113は、ピーク値P1がピーク値P2よりも大きいとき、レーザ光LBの光軸がグルーブ2の中心GCから一方にずれていると判定する。さらに、チルト検出回路113は、ピーク値P1がピーク値P2よりも小さいとき、レーザ光LBの光軸がグルーブ2の中心GCから他方にずれていると判定する。そして、チルト検出回路113は、レーザ光LBの光軸がグルーブ2の中心GCからずれていると判定したとき、チルト検出信号CHDTを生成し、その生成したチルト検出信号CHDTを制御回路114へ出力する。
【0033】
レーザ光LBがランド1を走行する場合も、チルト検出回路113は、上述した方法と同じ方法によってチルト検出信号CHDTを生成し、その生成したチルト検出信号CHDTを制御回路114へ出力する。
【0034】
図5〜図7を参照して、光磁気記録媒体10にチルトが発生したときの磁界強度の調整方法について説明する。図5を参照して、光磁気記録媒体10にチルトが発生していないとき、磁界Hex1は、その中心がランド1またはグルーブ2の中心に一致して印加される。また、レーザ光LBは、その光軸LB0がランド1またはグルーブ2の中心に一致して照射される(図5の(a)参照)。光磁気記録媒体10にチルトが発生すると、そのチルトが発生した部分は傾くため、磁界Hex1は、その中心がランド1の中心から一方にずれて印加される。また、レーザ光LBは、その光軸LB0がランド1の中心から一方にすれて照射される。その結果、ランド1の領域11は、領域12に比べ強い磁界が印加され、高温に昇温される。そうすると、ランド1には、ラジアル方向DR1に不均一な磁区が形成される(図5の(b)参照)。
【0035】
そこで、本発明においては、光磁気記録媒体10にチルトが発生したとき、チルトによる光軸ずれを補正し、ラジアル方向DR1に均一な磁区がランド1またはグルーブ2に形成されるように磁界Hex1の強度を調整する。すなわち、図5の(c)に示すように、ランド1またはグルーブ2の中心からずれた光軸LB0をランド1またはグルーブ2の中心に一致するように対物レンズ(図示せず)のトラッキングサーボを掛け直す。この対物レンズのトラッキングサーボの掛け直しは、チルトマーク信号CHMに基づいて行ない、光学ヘッド101が検出したチルトマーク信号が図4に示すチルトマーク信号CHM1になるように行なう。そして、レーザ光LBの光軸LB0のずれを補正した後、磁界の強度をラジアル方向DR1に均一な磁区がランド1またはグルーブ2に形成される強度に調整する。したがって、強度が補正されると、ランド1またはグルーブ2に磁界Hex2が印加される。
【0036】
図6を参照して、磁界の強度を調整するとき、制御回路114は、外部同期信号CLKに同期して、強度が変化され、かつ、記録信号WDによって変調された磁界を生成するための駆動信号MGDを生成し、その生成した駆動信号MGDを磁気ヘッド駆動回路118へ出力する。駆動信号MGDの成分MGD1,MGD2,・・・,MGDnは、全て「101101」から成る記録信号WDによって変調されており、磁界強度を設定するための振幅が相互に異なる。磁界強度の調整においては、1.422×104〜1.896×104A/mの範囲で790A/mのステップで強度を変化させる。したがって、成分MGD1は、1.422×104A/mの強度を有し、記録信号WDによって変調された磁界を生成するための駆動信号である。また、成分MGD2は、1.501×104A/mの強度を有し、記録信号WDによって変調された磁界を生成するための駆動信号である。さらに、成分MGDnは、1.896×104A/mの強度を有し、記録信号WDによって変調された磁界を生成するための駆動信号である。
【0037】
また、制御回路114は、記録時の強度を有するレーザ光を生成するための駆動信号PWをレーザ駆動回路119へ出力する。
【0038】
レーザ駆動回路119は、制御回路114からの駆動信号PWに基づいて光学ヘッド101に含まれる半導体レーザ(図示せず)を駆動し、光学ヘッド101は、記録時の強度を有するレーザ光を光磁気記録媒体10に照射する。なお、記録時のレーザ光の強度は、10〜14mWである。一方、磁気ヘッド駆動回路118は、制御回路114からの駆動信号MGDに基づいて磁気ヘッド120を駆動し、磁気ヘッド120は、記録信号WDによって変調され、かつ、強度が異なる磁界を光磁気記録媒体10に印加する。これによって、記録信号WDは、磁界強度を変えて光磁気記録媒体10に記録される。
【0039】
記録信号WDの記録が終了すると、制御回路114は、再生時の強度を有するレーザ光を生成するための駆動信号PRをレーザ駆動回路119へ出力する。レーザ駆動回路119は、駆動信号PRに基づいて光学ヘッド101に含まれる半導体レーザ(図示せず)を駆動し、光学ヘッド101は、再生時の強度を有するレーザ光を光磁気記録媒体10に照射する。そして、光学ヘッド101は、光検出器1010によって光磁気記録媒体10からの反射光を検出して光磁気信号RFを出力する。
【0040】
光磁気信号RFは、再生信号増幅回路102、BPF107、AD変換器108、波形等化回路109、復号回路110、および復調回路111を介して再生信号としてデコーダ112へ入力される。デコーダ112は、入力された再生信号の誤り訂正を行ない、再生信号のエラーレートを制御回路114へ出力する。制御回路114は、磁界強度を変化させて記録した記録信号に対応する再生信号のエラーレートをデコーダ112から受け、図7に示すエラーレートと磁界強度との関係図を作成する。そして、制御回路114は、図7に示す関係に基づいて再生信号のエラーレートが飽和する磁界強度の範囲H1〜H2を検出する。図7に示す場合は、磁界強度の範囲H1〜H2として1.738×104〜1.896×104A/mの範囲を検出する。そうすると、制御回路114は、磁界強度の範囲1.738×104〜1.896×104A/mに含まれる磁界強度を好適な強度と決定し、その決定した好適な強度に磁界の強度を設定するための駆動信号MGDPFRを生成して磁気ヘッド駆動回路118へ駆動信号MGDPFRを出力する。磁気ヘッド駆動回路118は、駆動信号MGDPFRに基づく磁界強度を有し、変調回路116からの記録信号によって変調された磁界を生成するように磁気ヘッド120を駆動する。
【0041】
このようにして、光磁気記録媒体10にチルトが発生したとき、ラジアル方向DR1に均一な磁区がランド1またはグルーブ2に形成されるように磁界強度が調整される。
【0042】
なお、制御回路114は、再生信号のエラーレートが飽和する磁界強度の範囲H1〜H2に含まれる磁界強度を好適な強度として決定するとして説明したが、本発明においては、磁界強度H1と磁界強度H2との平均値を最適な磁界強度Hoptとして決定し、その決定した最適強度Hoptに磁界の強度を設定してもよい。この場合、制御回路114は、磁界の強度を最適強度Hoptに設定するための駆動信号MGDOTを生成して磁気ヘッド駆動回路118へ駆動信号MGDOTを出力する。そして、磁気ヘッド駆動回路118は、駆動信号MGDOTに基づく磁界の強度を有し、変調回路116からの記録信号によって変調された磁界を生成するように磁気ヘッド120を駆動する。このように、再生信号のエラーレートが飽和する磁界強度の範囲の両端を検出し、その検出した2つの磁界強度の平均値を磁界強度の最適強度として決定することにより、光磁気記録媒体10への信号の記録に用いる磁界強度のマージンを大きくできる。
【0043】
再び、図1を参照して、光磁気ディスク装置100における光磁気記録媒体10への信号の記録動作について説明する。光磁気ディスク装置100に光磁気記録媒体10が装着されると、制御回路114は、スピンドルモータ106を所定の回転数で回転させるようにサーボ回路104を制御するとともに、所定強度のレーザ光を生成するようにレーザ駆動回路119を制御する。サーボ回路104は、スピンドルモータ106を所定の回転数で回転させ、スピンドルモータ106は、光磁気記録媒体10を所定の回転数で回転する。また、レーザ駆動回路119は、所定強度のレーザ光を出射するように光学ヘッド101に含まれる半導体レーザ(図示せず)を駆動し、光学ヘッド101は、所定強度のレーザ光を光磁気記録媒体10に照射し、その反射光を検出する。そして、光学ヘッド101は、検出したトラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FE、ファインクロックマーク信号FCM、およびチルトマーク信号CHMを再生信号増幅回路102へ出力する。
【0044】
再生信号増幅回路102は、トラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FE、ファインクロックマーク信号FCM、およびチルトマーク信号CHMを所定のレベルに増幅し、トラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FE、およびチルトマーク信号CHMをサーボ回路104へ出力し、ファインクロックマーク信号FCMを外部同期信号生成回路103へ出力し、チルトマーク信号CHMをチルト検出回路113へ出力する。外部同期信号生成回路103は、上述した方法によって、ファインクロックマーク信号FCMに基づいて外部同期信号CLKを生成し、その生成した外部同期信号CLKをサーボ回路104、AD変換器108、波形等化回路109、復号回路110、復調回路111、制御回路114および変調回路116へ出力する。
【0045】
一方、サーボ回路104は、トラッキングエラー信号TEおよびフォーカスエラー信号FEに基づいて光学ヘッド101に含まれる対物レンズ(図示せず)のトラッキングサーボおよびフォーカスサーボを行なうとともに、外部同期信号CLKに同期してスピンドルモータ106を所定の回転数で回転する。
【0046】
そうすると、制御回路114は、入力された記録信号を変調して磁気ヘッド駆動回路118へ出力するように変調回路116を制御するとともに、レーザ光の強度を記録時の強度に設定するための駆動信号PWをレーザ駆動回路119へ出力する。その後、記録データがエンコーダ115に入力され、エンコーダ115は、記録データに誤り訂正を付加して変調回路116へ出力する。変調回路116は、外部同期信号CLKに同期して、エンコーダ115からの記録信号を所定の方式に変調し、その変調した記録信号を磁気ヘッド駆動回路118へ出力する。
【0047】
レーザ駆動回路119は、駆動信号PWに基づいて、レーザ光の強度を記録時の強度に設定するように光学ヘッド101に含まれる半導体レーザ(図示せず)を制御し、光学ヘッド101は、記録時の強度を有するレーザ光を光磁気記録媒体10に照射する。また、磁気ヘッド駆動回路118は、記録信号によって変調された電流を磁気ヘッド120のコイルに流し、磁気ヘッド120は、記録信号によって変調された磁界を光磁気記録媒体10に印加する。これによって、記録信号が光磁気記録媒体10に記録される。
【0048】
チルト検出回路113は、再生信号増幅回路102から入力されたチルトマーク信号CHMに基づいて、上述した方法によってチルトを検出する。この場合、チルト検出回路113は、図4に示すチルトマーク信号CHM1が入力される限り、チルト検出信号CHDTを制御回路114へ出力しないので、光磁気記録媒体10にチルトが発生するまでは、上述した磁界強度の調整は行なわれない。
【0049】
チルト検出回路113は、図4に示すチルトマーク信号CHM2(またはCHM3)が入力されると、上述した方法によってチルト検出信号CHDTを生成し、その生成したチルト検出信号CHDTを制御回路114へ出力する。そうすると、制御回路114は、駆動信号MGDを生成して磁気ヘッド駆動回路118へ駆動信号MGDを出力するとともに、チルトマーク信号CHMに基づいて光学ヘッド101に含まれる対物レンズ(図示せず)のトラッキングサーボを行なうようにサーボ回路104を制御する。サーボ回路104は、入力されたチルトマーク信号CHMに基づいて、レーザ光が光磁気記録媒体10のランド1またはグルーブ2の中心に照射されるようにサーボ機構105を制御する。すなわち、サーボ回路104は、図4に示すチルトマーク信号CHM1が得られるようにサーボ機構105を制御する。そして、サーボ機構105は、サーボ回路104からの制御に基づいて対物レンズ(図示せず)のトラッキングサーボを行ない、レーザ光は、ランド1またはグルーブ2の中心に照射される。
【0050】
一方、磁気ヘッド駆動回路118は、駆動信号MGDに基づいて磁気ヘッド120を駆動し、磁気ヘッド120は、強度が変化し、かつ、記録信号「101101」によって変調された磁界を光磁気記録媒体10に印加する。これによって、磁界強度を変化させながら記録信号WDが光磁気記録媒体10に記録される。
【0051】
記録信号「101101」が光磁気記録媒体10に記録されると、制御回路114は、レーザ光の強度を再生時の強度に設定するための駆動信号PRをレーザ駆動回路119へ出力する。レーザ駆動回路119は、駆動信号PRに基づいてレーザ光の強度を再生時の強度に設定し、光学ヘッド101は、再生時の強度を有するレーザ光を光磁気記録媒体10に照射する。そして、光学ヘッド101は、光磁気記録媒体10からの反射光を検出して光磁気信号RFを再生信号増幅回路102へ出力する。再生信号増幅回路102は、光磁気信号RFを所定のレベルに増幅した後、光磁気信号RFをBPF107へ出力する。BPF107は、光磁気信号RFの高域と低域とを除去し、AD変換器108は、外部同期信号CLKに同期して、光磁気信号RFをアナログ信号からデジタル信号に変換する。そして、波形等化回路109は、外部同期信号CLKに同期して、光磁気信号RFの前後のデータが1対1に波形干渉を行なうように波形等化を行ない、復号回路110は、外部同期信号CLKに同期して、光磁気信号RFを多値から2値に変換する。復調回路111は、外部同期信号CLKに同期して、記録時に施されたデジタル変調を解くための復調を行ない、デコーダ112は、復調された再生信号の誤り訂正を行ない、エラーレートを制御回路114へ出力する。
【0052】
そして、制御回路114は、入力されたエラーレートに基づいて好適な磁界強度を決定し、磁界の強度を好適な強度に設定するための駆動信号MGDPFRを生成して磁気ヘッド駆動回路118へ出力する。
【0053】
磁気ヘッド駆動回路118は、駆動信号MGDPFRに基づく強度を有し、かつ、変調回路116からの記録信号に基づいて変調された磁界を発生するように磁気ヘッド120を駆動して、記録信号が光磁気記録媒体10に記録される。
【0054】
次に、光磁気ディスク装置100における光磁気記録媒体10からの信号の再生動作について説明する。光磁気記録媒体10が外部同期信号CLKに同期して所定の回転数で回転され、光学ヘッド101の対物レンズ(図示せず)のトラッキングサーボおよびフォーカスサーボが行なわれるまでの動作は、記録動作の場合と同じである。その後、光学ヘッド101は、再生時の強度を有するレーザ光によって光磁気記録媒体10から光磁気信号RFを検出して再生信号増幅回路102へ出力する。
【0055】
再生信号増幅回路102は、光磁気信号RFを所定のレベルに増幅した後、光磁気信号RFをBPF107へ出力する。BPF107は、光磁気信号RFの高域と低域とを除去し、AD変換器108は、外部同期信号CLKに同期して、光磁気信号RFをアナログ信号からデジタル信号に変換する。そして、波形等化回路109は、外部同期信号CLKに同期して、光磁気信号RFの前後のデータが1対1に波形干渉を行なうように波形等化を行ない、復号回路110は、外部同期信号CLKに同期して、光磁気信号RFを多値から2値に変換する。復調回路111は、外部同期信号CLKに同期して、記録時に施されたデジタル変調を解くための復調を行ない、デコーダ112は、復調された再生信号の誤り訂正を行ない、再生データを出力する。これによって、光磁気記録媒体10からの信号の再生動作が終了する。
【0056】
実施の形態1によれば、光磁気ディスク装置は、光磁気記録媒体にチルトが発生したとき、レーザ光の光軸が光磁気記録媒体のランドまたはグルーブの中心に一致するように対物レンズのトラッキングサーボを行ない、径方向に均一な磁区が形成されるように磁界強度を調整するので、記録信号を光磁気記録媒体に正確に記録できる。
【0057】
[実施の形態2]
図8を参照して、実施の形態2による光磁気ディスク装置200は、図1に示す光磁気ディスク装置100に振幅検出回路121を追加したものであり、その他は、光磁気ディスク装置100と同じである。光磁気ディスク装置200においては、再生信号増幅回路102は、光磁気信号RFを振幅検出回路121へも出力する。また、外部同期信号生成回路103は、外部同期信号CLKを振幅検出回路121へも出力する。振幅検出回路121は、再生信号増幅回路102から入力された光磁気信号RFの振幅を外部同期信号CLKに同期して検出し、その検出した振幅を制御回路114へ出力する。
【0058】
図9を参照して、振幅検出回路121における光磁気信号RFの振幅の検出方法について説明する。振幅検出回路121は、外部同期信号CLKの各タイミングにおいて、光磁気信号RFの振幅値PK1〜PK13を検出して振幅信号RFPを生成する。そして、振幅検出回路121は、検出した振幅信号RFPの振幅値PK1,PK4,PK5,PK7,PK9,PK12の平均値PKA1と、振幅値PK2,PK3,PK6,PK8,PK10,PK11,PK13の平均値PKA2とを求め、平均値PKA1の絶対値と平均値PKA2の絶対値との和を光磁気信号RFの振幅PKとして求める。
【0059】
図10および図11を参照して、光磁気記録媒体10にチルトが発生した場合に、光磁気信号RFの振幅に基づいて磁界強度を調整する方法について説明する。実施の形態2においては、光磁気記録媒体10にチルトが発生したとき、実施の形態1と同じように磁界強度を変化させながら記録信号「101101」を記録し、その記録信号「101101」に対応する光磁気信号RFの振幅が最大になる(「飽和する」とも言う、以下同じ)ように磁界強度を調整する。すなわち、制御回路114は、チルト検出回路113からチルト検出信号CHDTを受けると、駆動信号MGD,PWを生成して駆動信号MGDを磁気ヘッド駆動回路118へ出力し、駆動信号PWをレーザ駆動回路119へ出力する。そして、レーザ駆動回路119は、記録時の強度を有するレーザ光を生成するように半導体レーザ(図示せず)を駆動し、光学ヘッド101は、記録時の強度を有するレーザ光を光磁気記録媒体10に照射する。また、磁気ヘッド駆動回路118は、駆動信号MGDに基づいて磁気ヘッド120を駆動し、磁気ヘッド120は、強度が変化し、かつ、記録信号「101101」によって変調された磁界を光磁気記録媒体10に印加する。これによって、磁界強度を変化させながら記録信号「101101」が光磁気記録媒体10に記録される。
【0060】
図10を参照して、磁界の中心がランド1またはグルーブ2の中心に一致しているとき、光磁気信号RF1が検出され、振幅検出回路121は、上述した方法によって最も大きい振幅を検出する。磁界の中心がランド1またはグルーブ2の中心からずれると、光磁気信号RF2,RF3が検出され、光磁気信号RF2,RF3の順で振幅が小さくなる。したがって、本発明においては、光磁気信号RF1が検出されるように、磁界強度を調整する。
【0061】
制御回路114は、振幅検出回路121から光磁気信号RFの振幅を受け、図11に示すように、光磁気信号の振幅と磁界強度との関係図を作成し、光磁気信号RFの振幅が最大になる磁界強度の範囲H1〜H2を検出し、その検出した磁界強度の範囲H1〜H2に含まれる強度を好適な磁界強度として決定する。制御回路114は、好適な磁界強度を決定すると、磁界の強度を好適な強度に設定するための駆動信号MGDPFRを生成し、その生成した駆動信号MGDPFRを磁気ヘッド駆動回路118へ出力する。その後の動作は、実施の形態1において説明したのと同じである。このように、実施の形態2においては、光磁気記録媒体10から検出した光磁気信号RFの振幅が最大になるように磁界強度が調整される。
【0062】
なお、制御回路114は、再生信号の振幅が飽和する磁界強度の範囲H1〜H2に含まれる磁界強度を好適な強度として決定するとして説明したが、本発明においては、磁界強度H1と磁界強度H2との平均値を最適な磁界強度Hoptとして決定し、その決定した最適強度Hoptに磁界の強度を設定してもよい。この場合、制御回路114は、磁界の強度を最適強度Hoptに設定するための駆動信号MGDOTを生成して磁気ヘッド駆動回路118へ駆動信号MGDOTを出力する。そして、磁気ヘッド駆動回路118は、駆動信号MGDOTに基づく磁界の強度を有し、変調回路116からの記録信号によって変調された磁界を生成するように磁気ヘッド120を駆動する
光磁気記録媒体10にチルトが発生しない場合の光磁気記録媒体10への信号の記録動作および光磁気記録媒体10からの信号の再生動作は実施の形態1における説明と同じである。そこで、光磁気記録媒体10にチルトが発生した場合の光磁気ディスク装置200における動作について説明する。
【0063】
チルト検出回路113は、図4に示すチルトマーク信号CHM2(またはCHM3)が入力されると、上述した方法によってチルト検出信号CHDTを生成し、その生成したチルト検出信号CHDTを制御回路114へ出力する。そうすると、制御回路114は、駆動信号MGDを生成し、その生成した駆動信号MGDを磁気ヘッド駆動回路118へ出力するとともに、チルトマーク信号CHMに基づいて光学ヘッド101に含まれる対物レンズ(図示せず)のトラッキングサーボを行なうようにサーボ回路104を制御する。サーボ回路104は、入力されたチルトマーク信号CHMに基づいて、レーザ光が光磁気記録媒体10のランド1またはグルーブ2の中心に照射されるようにサーボ機構105を制御する。すなわち、サーボ回路104は、図4に示すチルトマーク信号CHM1が得られるようにサーボ機構105を制御する。そして、サーボ機構105は、サーボ回路104からの制御に基づいて対物レンズ(図示せず)のトラッキングサーボを行ない、レーザ光は、ランド1またはグルーブ2の中心に照射される。
【0064】
一方、磁気ヘッド駆動回路118は、駆動信号MGDに基づいて磁気ヘッド120を駆動し、磁気ヘッド120は、強度が変化し、かつ、記録信号「101101」によって変調された磁界を光磁気記録媒体10に印加する。これによって、磁界強度を変化させながら記録信号「101101」が光磁気記録媒体10に記録される。
【0065】
記録信号「101101」が光磁気記録媒体10に記録されると、制御回路114は、レーザ光の強度を再生時の強度に設定するための駆動信号PRをレーザ駆動回路119へ出力する。レーザ駆動回路119は、駆動信号PRに基づいてレーザ光の強度を再生時の強度に設定し、光学ヘッド101は、再生時の強度を有するレーザ光を光磁気記録媒体10に照射する。そして、光学ヘッド101は、光磁気記録媒体10からの反射光を検出して光磁気信号RFを再生信号増幅回路102へ出力する。再生信号増幅回路102は、光磁気信号RFを所定のレベルに増幅した後、光磁気信号RFを振幅検出回路121へ出力する。
【0066】
振幅検出回路121は、上述した方法によって光磁気信号RFの振幅を検出して制御回路114へ出力する。制御回路114は、上述した方法によって好適な磁界強度を決定し、磁界の強度を好適な磁界強度に設定するための駆動信号MGDPFRを生成して磁気ヘッド駆動回路118へ出力する。その後の動作は実施の形態1における説明と同じである。これによって、光磁気記録媒体10にチルトが発生したとき、ラジアル方向DR1に均一な磁区が形成されるように磁界強度が調整される。
【0067】
その他は、実施の形態1と同じである。
実施の形態2によれば、光磁気ディスク装置は、光磁気記録媒体にチルトが発生した場合、磁界強度を変化させながら記録した記録信号に対応する光磁気信号の振幅が最大になるように磁界強度を調整するので、光磁気記録媒体にチルトが発生しても、光磁気記録媒体に信号を正確に記録できる。
【0068】
[実施の形態3]
図12を参照して、実施の形態3による光磁気ディスク装置300は、図1に示す光磁気ディスク装置100にチルトセンサ122を追加し、チルト検出回路113をチルト検出回路113Aに代えたものであり、その他は、光磁気ディスク装置100と同じである。チルトセンサ122は、2つのレーザ光を光磁気記録媒体10に照射し、その2つのレーザ光の光磁気記録媒体10での反射光を別々の検出部で検出し、その検出した2つの反射光強度をサーボ回路104およびチルト検出回路113Aへ出力する。
【0069】
図13を参照して、チルトセンサ122は、発光部1221と、センサ1222,1223とから成る。発光部1221は、レーザ光LBC1,LBC2を発光する。センサ1222は、レーザ光LBC1の光磁気記録媒体10での反射光を検出する。センサ1223は、レーザ光LBC2の光磁気記録媒体10での反射光を検出する。
【0070】
光磁気記録媒体10にチルトが発生していない場合、センサ1222が検出する反射光強度IPH1は、センサ1223が検出する反射光強度IPH2に等しい。すなわち、IPH1=IPH2になる(図13の(a)参照)。また、光磁気記録媒体10にスピンドルモータ106側へのチルトが発生している場合、センサ1222が検出する反射光強度IPH1は、センサ1223が検出する反射光強度IPH2よりも大きい。すなわち、IPH1>IPH2になる(図13の(b)参照)。さらに、光磁気記録媒体10にスピンドルモータ106と反対側へのチルトが発生している場合、センサ1222が検出する反射光強度IPH1は、センサ1223が検出する反射光強度IPH2よりも小さい。すなわち、IPH1<IPH2になる(図13の(c)参照)。
【0071】
チルトセンサ122は、センサ1222,1223で検出した反射光強度IPH1,IPH2をサーボ回路104およびチルト検出回路113Aへ出力する。チルト検出回路113Aは、入力された反射光強度IPH1,IPH2に基づいて2つの反射光強度の大小関係を判定する。そして、チルト検出回路113Aは、IPH1=IPH2であれば、光磁気記録媒体10にチルトが発生していないと判定し、IPH1>IPH2であれば、光磁気記録媒体10にスピンドルモータ106側へのチルトが発生していると判定し、IPH1<IPH2であれば、光磁気記録媒体10にスピンドルモータ106と反対側へのチルトが発生していると判定する。チルト検出回路113Aは、IPH1>IPH2、またはIPH1<IPH2と判定したとき、チルト検出信号CHDTを生成し、その生成したチルト検出信号CHDTを制御回路114へ出力する。チルト検出信号CHDTを受けた制御回路114の動作は、実施の形態1で説明したのと同じである。
【0072】
サーボ回路104は、光磁気記録媒体10にチルトが発生している場合、制御回路114からの制御によって、反射光強度IPH1が反射光強度IPH2に等しくなるように光学ヘッド101に含まれる対物レンズ(図示せず)のトラッキングサーボを行なう。これによって、光磁気記録媒体10にチルトが発生してもレーザ光の光軸を光磁気記録媒体10のランド1またはグルーブ2の中心に一致させることができる。
【0073】
光磁気記録媒体10にチルトが発生したときの磁界強度を調整する方法は、実施の形態1で説明した方法と同じである。
【0074】
チルトセンサ122は、光磁気記録媒体10にチルトが発生し易い位置(径方向DR1の位置)に設置しておいても良いし、光学ヘッド101の径方向DR1への移動に伴って径方向DR1に移動するようにしても良い。
【0075】
また、チルトセンサ122によって光磁気記録媒体10のチルトを検出する場合、光磁気記録媒体10は、チルトマークを含まなくても良い。
【0076】
さらに、光磁気記録媒体10がチルトマークを含む場合、サーボ回路104は、再生信号増幅回路102から入力されるチルトマーク信号CHMに基づいて、光学ヘッド101に含まれる対物レンズ(図示せず)のトラッキングサーボを行なうように構成してもよい。
【0077】
その他は、実施の形態1における説明と同じである。
実施の形態3によれば、光磁気ディスク装置は、光磁気記録媒体にチルトが発生したとき、レーザ光の光軸が光磁気記録媒体のランドまたはグルーブの中心に一致するように対物レンズのトラッキングサーボを行ない、径方向に均一な磁区が形成されるように磁界強度を調整するので、記録信号を光磁気記録媒体に正確に記録できる。
【0078】
[実施の形態4]
図14を参照して、実施の形態4による光磁気ディスク装置400は、図8に示す光磁気ディスク装置200にチルトセンサ122を追加し、チルト検出回路113をチルト検出回路113Aに代えたものであり、その他は光磁気ディスク装置200と同じである。また、チルトセンサ122およびチルト検出回路113Aの説明は、実施の形態3における説明と同じである。したがって、光磁気ディスク装置400においても、光磁気記録媒体10にチルトが発生したとき、そのチルトの影響を除去するように磁界強度を調整できる。
【0079】
その他は、実施の形態2,3と同じである。
実施の形態4によれば、光磁気ディスク装置は、光磁気記録媒体にチルトが発生したとき、レーザ光の光軸が光磁気記録媒体のランドまたはグルーブの中心に一致するように対物レンズのトラッキングサーボを行ない、径方向に均一な磁区が形成されるように磁界強度を調整するので、記録信号を光磁気記録媒体に正確に記録できる。
【0080】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1による光磁気ディスク装置のブロック図である。
【図2】 光磁気信号、チルトマーク信号、およびファインクロックマーク信号の検出方法を説明するための図である。
【図3】 外部同期信号の生成方法を説明するための図である。
【図4】 チルトの検出方法を説明するための図である。
【図5】 実施の形態1におけるチルトによる影響を除去する方法を説明するための断面図である。
【図6】 図1に示す光磁気ディスク装置における信号のタイミングチャートである。
【図7】 再生信号のエラーレートと磁界強度との関係を示す図である。
【図8】 実施の形態2による光磁気ディスク装置のブロック図である。
【図9】 光磁気記録媒体から検出した光磁気信号の振幅検出における信号のタイミングチャートである。
【図10】 実施の形態2におけるチルト検出に用いる光磁気信号のタイミングチャートである。
【図11】 光磁気信号の振幅と磁界強度との関係を示す図である。
【図12】 実施の形態3による光磁気ディスク装置のブロック図である。
【図13】 チルトセンサによるチルトの検出方法を説明するための図である。
【図14】 実施の形態4による光磁気ディスク装置のブロック図である。
【図15】 従来の問題点を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1 ランド、2 グルーブ、3 ファインクロックマーク、4 チルトマーク、10 光磁気記録媒体、11,12,1011〜1016 領域、30,40回路、100,200,300,400 光磁気ディスク装置、101 光学ヘッド、102 再生信号増幅回路、103 外部同期信号生成回路、104 サーボ回路、105 サーボ機構、106 スピンドルモータ、107 BPF、108 AD変換器、109 波形等化回路、110 復号回路、111 復調回路、112 デコーダ、113,113A チルト検出回路、114 制御回路、115 エンコーダ、116 変調回路、118 磁気ヘッド駆動回路、119 レーザ駆動回路、120 磁気ヘッド、121 振幅検出回路、122チルトセンサ、301,403,406 減算器、401,402,404,405 加算器、1010 光検出器、1221 発光部、1222,1223
センサ。
Claims (4)
- 光磁気記録媒体に信号を記録および/または再生する光磁気ディスク装置であって、
前記光磁気記録媒体のチルトを検出するチルト検出手段と、
対物レンズによりレ−ザ光を前記光磁気記録媒体に照射し、その反射光を検出する光学ヘッドと、
前記光磁気記録媒体に発生したチルトの影響を除去するように前記対物レンズのトラッキングサーボを行なうサーボ手段と、
前記光磁気記録媒体に磁界を印加する磁気ヘッドと、
前記磁気ヘッドを駆動する磁気ヘッド駆動手段と、
制御回路を備え、
前記制御回路は、信号を記録する際、前記光学ヘッドに記録レーザパワーを設定し、記録動作中に前記チルト検出手段からチルト検出信号を受けると、強度を変化させて、記録信号によって変調された磁界を前記光磁気記録媒体に印加するための第1の駆動信号を前記磁気ヘッド駆動手段へ出力し、前記磁界の強度を変化させて記録した記録信号を前記光学ヘッドによって検出した光磁気信号に基づいて前記磁界の好適な強度を決定し、その後の記録動作においては、前記記録時のレーザパワーを保持させたまま、その決定した好適な強度に前記磁界の強度を設定するための第2の駆動信号を前記磁気ヘッド駆動手段へ出力し、
前記磁気ヘッド駆動手段は、前記第1または第2の駆動信号に基づいて前記磁気ヘッドを駆動し、
前記磁気ヘッドは、記録信号によって変調された磁界を前記光磁気記録媒体に印加することを特徴とした光磁気ディスク装置。 - 前記光学ヘッドが検出した光磁気信号を復号および復調した再生信号のエラーレートを検出するエラー検出回路をさらに備え、
前記制御回路は、
前記磁界の強度を変化させて記録した記録信号に対応する再生信号のエラーレートを前記エラー検出回路から受け、
前記再生信号のエラーレートが飽和値になる前記磁界の第1および第2の強度を検出し、
その検出した第1の強度と第2の強度との平均値を最適強度と決定し
その決定した最適強度に前記磁界の強度を設定するための第3の駆動信号を前記磁気ヘッド駆動手段へ出力し、
前記磁気ヘッド駆動手段は、
前記第3の駆動信号を受けると前記第2の駆動信号に代えて前記第3の駆動信号に基づいて前記磁気ヘッドを駆動する、請求項1に記載の光磁気ディスク装置。 - 前記光学ヘッドが検出した光磁気信号の振幅を検出する振幅検出回路をさらに備え、
前記制御回路は、前記磁界の強度を変化させて記録した記録信号に対応する光磁気信号の振幅を前記振幅検出回路から受け、その受けた振幅が飽和する前記磁界の強度範囲を前記好適な強度と決定する、請求項1に記載の光磁気ディスク装置。 - 前記制御回路は、
前記光磁気信号の振幅が飽和値になる前記磁界の第1および第2の強度を検出し、
その検出した第1の強度と第2の強度との平均値を最適強度と決定し
その決定した最適強度に前記磁界の強度を設定するための第3の駆動信号を前記磁気ヘッド駆動手段へ出力し、
前記磁気ヘッド駆動手段は、
前記第3の駆動信号を受けると、前記第2の駆動信号に代えて前記第3の駆動信号に基づいて前記磁気ヘッドを駆動する、請求項3に記載の光磁気ディスク装置。
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