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JP3660961B2 - 冷凍装置 - Google Patents

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JP3660961B2
JP3660961B2 JP2000212268A JP2000212268A JP3660961B2 JP 3660961 B2 JP3660961 B2 JP 3660961B2 JP 2000212268 A JP2000212268 A JP 2000212268A JP 2000212268 A JP2000212268 A JP 2000212268A JP 3660961 B2 JP3660961 B2 JP 3660961B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、利用側との間で循環する熱媒体を冷却する冷凍装置に関し、特に、2つの異なる温度の熱媒体を利用側へ供給するものに係る。
【0002】
【従来の技術】
従来より、利用側との間で循環する熱媒体(ブライン)の冷却を冷凍サイクルにより行う冷凍装置が、いわゆるチリングユニットとして知られている。例えば、特開平5−280809号公報には、冷却した熱媒体で工作機械の冷却を行う冷凍装置が開示されている。具体的に、上記冷凍装置では、冷媒回路の蒸発器と利用側である工作機械との間でブラインを循環させ、蒸発器で冷媒がブラインから吸熱することによってブラインの冷却を行っている。
【0003】
この種の冷凍装置は、工場の生産設備を冷却するために設けられることも多い。一方、工場等では、異なる対象物を冷却する必要性から、異なる温度のブラインを供給しなければならない場合もある。このような場合、従来は、対象物ごとに冷凍装置を設け、各冷凍装置において異なる温度のブラインを生成し、対応する対象物へ供給していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のように1つの温度のブラインを1つの冷凍装置で生成し、対象物ごとに複数の冷凍装置を設けたのでは、冷媒回路が重複して設けられることとなり、装置の構成が複雑化するという問題があった。また、各冷媒回路はそれぞれ圧縮機を有しており、全体として複数の圧縮機が設けられることとなる。このため、圧縮機の台数が増える分だけ、圧縮機のトラブルによって利用側へ悪影響が及ぶ可能性が増大するという問題もあった。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、利用側に対して複数の異なる温度の熱媒体を供給するための冷凍装置について、その構成を簡素化すると共に、信頼性を向上させることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明が講じた第1の解決手段は、冷凍装置を対象としている。そして、圧縮機(21)、凝縮器(22)、膨張機構(E1,E2)、第1蒸発器(23)、及び第2蒸発器(24)を有して冷媒が循環する冷媒回路(20)と、上記凝縮器(22)に接続して該凝縮器(22)へ冷却水を供給する冷却水回路(40)と、第1設定温度の第1熱媒体を利用側へ供給するために、第1熱媒体を上記冷却水回路(40)の冷却水と熱交換させる冷却熱交換器(41)が上記第1蒸発器( 23 )と直列に接続されて、上記第1蒸発器(23)及び冷却熱交換器(41)と利用側の間で第1熱媒体を循環させる第1回路(50)と、上記第1設定温度よりも低い第2設定温度の第2熱媒体を利用側へ供給するために上記第2蒸発器(24)と利用側の間で第2熱媒体を循環させる第2回路(60)とを備え、上記冷却熱交換器( 41 )は、第1回路( 50 )における第1蒸発器( 23 )の上流に設けられ、上記第1回路( 50 )を循環する第1熱媒体を上記冷却熱交換器( 41 )での冷却水との熱交換により冷却した後に第1蒸発器( 23 )での冷媒との熱交換により更に冷却してから利用側へ供給する動作を行うものである。
【0007】
本発明が講じた第2の解決手段は、上記第1の解決手段において、第1蒸発器(23)と第2蒸発器(24)とは、冷媒回路(20)において互いに並列に接続されるものである。
【0008】
本発明が講じた第3の解決手段は、上記第2の解決手段において、冷媒回路(20)の膨張機構(E1,E2)は、第1蒸発器(23)の流入側に設けられた第1膨張弁(E1)と、第2蒸発器(24)の流入側に設けられた第2膨張弁(E2)とによって構成されるものである。
【0009】
本発明が講じた第4の解決手段は、上記第1の解決手段において、冷却熱交換器(41)と凝縮器(22)とは、冷却水回路(40)において互いに並列に接続されるものである。
【0010】
本発明が講じた第5の解決手段は、上記第4の解決手段において、冷却水回路(40)は、冷却熱交換器(41)の流入側に設けられた第1調節弁(S1)と、凝縮器(22)の流入側に設けられた第2調節弁(S2)とを備えるものである。
【0011】
本発明が講じた第6の解決手段は、上記第1の解決手段において、冷媒回路(20)の圧縮機(21)は、その容量が可変に構成されるものである。
【0012】
本発明が講じた第7の解決手段は、上記第1の解決手段において、冷媒回路(20)は、凝縮器(22)から出た液冷媒を圧縮機(21)の吸入側へ導入するための液冷媒導入管路(34)と、該液冷媒導入管路(34)に設けられた液側調節弁(E3)とを備えるものである。
【0013】
本発明が講じた第8の解決手段は、上記第1の解決手段において、冷媒回路(20)は、圧縮機(21)の吐出冷媒を該圧縮機(21)の吸入側へ導入するためのガス冷媒導入管路(35)と、該ガス冷媒導入管路(35)に設けられたガス側調節弁(E4)とを備えるものである。
【0014】
本発明が講じた第9の解決手段は、上記第1の解決手段において、冷媒回路(20)は、凝縮器(22)から出た液冷媒を圧縮機(21)の吸入側へ導入するための液冷媒導入管路(34)と、該液冷媒導入管路(34)に設けられた液側調節弁(E3)と、圧縮機(21)の吐出冷媒を該圧縮機(21)の吸入側へ導入するためのガス冷媒導入管路(35)と、該ガス冷媒導入管路(35)に設けられたガス側調節弁(E4)とを備えるものである。
【0015】
本発明が講じた第10の解決手段は、上記第9の解決手段において、冷媒回路(20)における圧縮機(21)の吸入側にアキュームレータ(25)が設けられ、液導入管路の液冷媒とガス導入管路のガス冷媒とが上記アキュームレータ(25)の上流に導入されるものである。
【0016】
本発明が講じた第11の解決手段は、上記第1の解決手段において、冷媒回路(20)の冷媒がR407Cで構成されるものである。
【0017】
本発明が講じた第12の解決手段は、上記第1の解決手段において、第1回路(50)には、利用側へ送られる冷却後の第1熱媒体が第1設定温度となるように該第1熱媒体を加熱する第1調節用ヒータ(52)が設けられ、第2回路(60)には、利用側へ送られる冷却後の第2熱媒体が第2設定温度となるように該第2熱媒体を加熱する第2調節用ヒータ(62)が設けられるものである。
【0018】
本発明が講じた第13の解決手段は、上記第1の解決手段において、第1回路(50)には、第1熱媒体を貯留するための第1タンク(53)が設けられ、第2回路(60)には、第2熱媒体を貯留するための第2タンク(63)が設けられるものである。
【0019】
本発明が講じた第14の解決手段は、上記第12の解決手段において、第1回路(50)における第1調節用ヒータ(52)の下流には、第1熱媒体を貯留するための第1タンク(53)が設けられ、第2回路(60)における第2調節用ヒータ(62)の下流には、第2熱媒体を貯留するための第2タンク(63)が設けられるものである。
【0020】
本発明が講じた第15の解決手段は、上記第13又は第14の解決手段において、第1タンク(53)における第1熱媒体の液面位置が少なくとも所定の下限位置となった場合に検出信号を出力する第1液面検出手段(56)と、第2タンク(63)における第2熱媒体の液面位置が少なくとも所定の下限位置となった場合に検出信号を出力する第2液面検出手段(66)とを備えるものである。
【0021】
本発明が講じた第16の解決手段は、上記第15の解決手段において、第1液面検出手段(56)の検出箇所における第1熱媒体の液面の波立ちを抑制するための第1抑制手段(73,74)と、第2液面検出手段(66)の検出箇所における第2熱媒体の液面の波立ちを抑制するための第2抑制手段(73,74)とを備えるものである。
【0022】
本発明が講じた第17の解決手段は、上記第13又は第14の解決手段において、第1回路(50)と第2回路(60)とに接続して第1回路(50)又は第2回路(60)に所定のガスを導入し、第1回路(50)に充填された第1熱媒体を導入したガスによって第1タンク(53)へ回収する動作と、第2回路(60)に充填された第2熱媒体を導入したガスによって第2タンク(63)へ回収する動作とを行うためのガス導入手段(77)を備えるものである。
【0023】
−作用−
本発明に係る各解決手段では、冷媒回路(20)、第1回路(50)、及び第2回路(60)によって冷凍装置が構成される。冷媒回路(20)では、充填された冷媒が相変化しつつ循環し、蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。第1回路(50)では、充填された第1熱媒体が循環する。この第1回路(50)で循環する第1熱媒体は、第1設定温度となるように冷却されて利用側へ送られる。第2回路(60)では、充填された第2熱媒体が循環する。この第2回路(60)で循環する第2熱媒体は、第2設定温度となるように冷却されて利用側へ送られる。また、第2設定温度は、第1設定温度よりも低い温度とされる。
【0024】
上記第1の解決手段では、冷媒回路(20)に第1蒸発器(23)と第2蒸発器(24)とが設けられる。冷媒回路(20)で循環する冷媒は、第1蒸発器(23)と第2蒸発器(24)の両方に送られる。第1蒸発器(23)では、冷媒が第1熱媒体から吸熱し、第1熱媒体が冷却される。第2蒸発器(24)では、冷媒が第2熱媒体から吸熱し、第2熱媒体が冷却される。即ち、1つの冷媒回路(20)で循環する冷媒によって、第1熱媒体及び第2熱媒体の冷却が行われる。また、凝縮器(22)には、冷却水回路(40)が接続されて冷却水が供給される。冷媒回路(20)の冷媒は、凝縮器(22)において、冷却水に放熱して凝縮する。
【0025】
第1回路(50)では、第1熱媒体が第1蒸発器(23)と利用側の間で循環する。また、第1回路(50)には、冷却熱交換器(41)が接続される。この冷却熱交換器(41)は、冷却水回路(40)にも接続され、第1回路(50)の第1熱媒体を冷却水回路(40)の冷却水と熱交換させる。第1回路(50)で循環する第1熱媒体は、第1蒸発器(23)における冷媒への放熱と、冷却水回路(40)における冷却水への放熱とによって冷却される。そして、第1熱媒体は、その温度を第1設定温度とするために冷却熱交換器(41)及び第1蒸発器(23)で冷却され、その後に利用側へ供給される。尚、第1熱媒体の冷却を冷却熱交換器(41)及び第1蒸発器(23)の両方で常に行わなければならない訳ではなく、例えば、冷却熱交換器(41)における冷却で第1熱媒体の温度が第1設定温度に達する場合には、第1蒸発器(23)における第1熱媒体の冷却を行う必要はない。
【0026】
第2回路(60)では、第2熱媒体が第2蒸発器(24)と利用側の間で循環する。その際、循環する第2熱媒体は、第2蒸発器(24)において冷媒回路(20)の冷媒と熱交換を行い、冷媒に対して放熱する。この第2蒸発器(24)における第2熱媒体の冷却は、利用側へ供給する第2熱媒体を第2設定温度とするために行われる。
【0027】
また、上記第1の解決手段では、第1回路(50)において、第1蒸発器(23)の上流に冷却熱交換器(41)が設けられる。具体的に、第1回路(50)で循環する第1熱媒体は、先ず冷却熱交換器(41)へ導入される。冷却熱交換器(41)では、冷却水回路(40)の冷却水と熱交換することにより、第1熱媒体が冷却される。その後、第1熱媒体は、第1蒸発器(23)に導入される。第1蒸発器(23)では、冷媒回路(20)の冷媒と熱交換することにより、第1熱媒体が冷却される。そして、第1蒸発器(23)から出た第1熱媒体が、利用側へ供給される。尚、冷却熱交換器(41)の出口において、第1熱媒体の温度が既に第1設定温度となっていれば、第1蒸発器(23)に対する冷媒の供給を遮断し、第1蒸発器(23)における冷却を行わないようにしてもよい。
【0028】
上記第2の解決手段では、冷媒回路(20)において、第1蒸発器(23)と第2蒸発器(24)とが並列接続される。つまり、冷媒回路(20)を循環する冷媒は、二手に分流されて、一方が第1蒸発器(23)に導入され、他方が第2蒸発器(24)に導入される。第1蒸発器(23)に導入された冷媒は、第1回路(50)の第1熱媒体から吸熱して蒸発する。第2蒸発器(24)に導入された冷媒は、第2回路(60)の第2熱媒体から吸熱して蒸発する。そして、両蒸発器で蒸発した冷媒は、合流した後に圧縮機(21)へ吸入される。
【0029】
上記第3の解決手段では、冷媒の膨張機構(E1,E2)が第1膨張弁(E1)と第2膨張弁(E2)とによって構成される。第1膨張弁(E1)は、冷媒回路(20)における第1蒸発器(23)の流入側に設けられる。第2膨張弁(E2)は、冷媒回路(20)における第2蒸発器(24)の流入側に設けられる。本解決手段において、凝縮器(22)で凝縮した冷媒は、二手に分流されて第1膨張弁(E1)と第2膨張弁(E2)とに向けて流れる。第1膨張弁(E1)では流入した冷媒が減圧され、この第1膨張弁(E1)で減圧された冷媒が第1蒸発器(23)へ導入される。第2膨張弁(E2)では流入した冷媒が減圧され、この第2膨張弁(E2)で減圧された冷媒が第2蒸発器(24)へ導入される。従って、第1蒸発器(23)と第2蒸発器(24)に対する冷媒の分配割合は、第1膨張弁(E1)及び第2膨張弁(E2)の開度を調節することによって、適切な値に設定される。
【0030】
上記第4の解決手段では、冷却水回路(40)において、冷却熱交換器(41)と凝縮器(22)とが並列接続される。つまり、冷却水回路(40)を流れる冷却水は、二手に分流されて、一方が冷却熱交換器(41)に導入され、他方が凝縮器(22)に導入される。冷却熱交換器(41)に導入された冷却水は、第1回路(50)の第1熱媒体から吸熱する。凝縮器(22)に導入された冷却水は、冷媒回路(20)の冷媒から吸熱する。冷却熱交換器(41)で吸熱した冷却水と凝縮器(22)で吸熱した冷却水は、例えば、合流後に冷却塔に送られて冷却される。
【0031】
上記第5の解決手段では、冷却水回路(40)に第1調節弁(S1)と第2調節弁(S2)とが設けられる。第1調節弁(S1)は、冷却水回路(40)における冷却熱交換器(41)の流入側に設けられる。第2調節弁(S2)は、冷却水回路(40)における凝縮器(22)の流入側に設けられる。本解決手段において、冷却水回路(40)を流れる冷却水は、二手に分流されて、一方が第1調節弁(S1)を通って冷却熱交換器(41)へ導入され、他方が第2調節弁(S2)を通って凝縮器(22)に導入される。従って、冷却熱交換器(41)と凝縮器(22)に対する冷却水の分配割合は、第1調節弁(S1)及び第2調節弁(S2)の開度を調節することによって、適切な値に設定される。
【0032】
上記第6の解決手段では、冷媒回路(20)の圧縮機(21)が容量可変に構成される。例えば、圧縮機(21)を電動機で駆動する場合、インバータを介して電動機に電力を供給し、電動機の回転数を変更することによって圧縮機(21)の容量が変更可能に構成される。
【0033】
上記第7の解決手段では、液冷媒導入管路(34)と液側調節弁(E3)とが、冷媒回路(20)に設けられる。液冷媒導入管路(34)は、凝縮器(22)で凝縮した冷媒の全部又は一部を圧縮機(21)の吸入側へ導入するために設けられる。液側調節弁(E3)は、液冷媒導入管路(34)に設けられる。この液側調節弁(E3)は、液冷媒導入管路(34)を流れる冷媒の流量を調節すると共に、該冷媒を減圧するために設けられる。つまり、液側調節弁(E3)の開度を調節すれば、所定流量の液冷媒が液冷媒導入管路(34)に流入し、この液冷媒が液側調節弁(E3)で減圧された後に圧縮機(21)の吸入側へ送られる。
【0034】
上記第8の解決手段では、ガス冷媒導入管路(35)とガス側調節弁(E4)とが、冷媒回路(20)に設けられる。ガス冷媒導入管路(35)は、圧縮機(21)から吐出されたガス冷媒の全部又は一部を圧縮機(21)の吸入側へ導入するために設けられる。ガス側調節弁(E4)は、ガス冷媒導入管路(35)に設けられる。このガス側調節弁(E4)は、ガス冷媒導入管路(35)を流れる冷媒の流量を調節すると共に、該冷媒を減圧するために設けられる。つまり、ガス側調節弁(E4)の開度を調節すれば、所定流量のガス冷媒がガス冷媒導入管路(35)に流入し、このガス冷媒がガス側調節弁(E4)で減圧された後に圧縮機(21)の吸入側へ送られる。
【0035】
上記第9の解決手段では、液冷媒導入管路(34)、液側調節弁(E3)、ガス冷媒導入管路(35)、及びガス側調節弁(E4)が、冷媒回路(20)に設けられる。液冷媒導入管路(34)及び液側調節弁(E3)の作用は、上記第7の解決手段と同様である。また、ガス冷媒導入管路(35)及びガス側調節弁(E4)の作用は、上記第8の解決手段と同様である。
【0036】
上記第10の解決手段では、冷媒回路(20)において、圧縮機(21)の吸入側にアキュームレータ(25)が設けられる。また、液冷媒導入管路(34)の出口端と、ガス冷媒導入管路(35)の出口端とは、共に冷媒回路(20)におけるアキュームレータ(25)の上流側に接続される。つまり、液冷媒導入管路(34)を流れる液冷媒と、ガス冷媒導入管路(35)を流れるガス冷媒とは、共にアキュームレータ(25)を通じて圧縮機(21)の吸入側へ供給される。その際、液冷媒導入管路(34)の液冷媒と、ガス冷媒導入管路(35)のガス冷媒とは、アキュームレータ(25)において混合される。そして、圧縮機(21)には、混合後のガス冷媒だけがアキュームレータ(25)から供給される。
【0037】
上記第11の解決手段では、冷媒回路(20)の冷媒がR407Cとされる。つまり、冷媒回路(20)では、冷媒として充填されたR407Cが循環する。
【0038】
上記第12の解決手段では、第1回路(50)に第1調節用ヒータ(52)が設けられ、第2回路(60)に第2調節用ヒータ(62)が設けられる。第1調節用ヒータ(52)は、利用側へ送られる第1熱媒体の温度を第1設定温度とするために、第1熱媒体の加熱を行う。つまり、第1回路(50)を循環する第1熱媒体は、冷却水や冷媒との熱交換によって冷却されるが、冷却後の第1熱媒体の温度が第1設定温度を下回る場合もあり得る。そこで、このような場合には第1調節用ヒータ(52)で冷却後の第1熱媒体を加熱し、第1熱媒体の温度を第1設定温度とした上で利用側へ供給する。
【0039】
同様に、第2調節用ヒータ(62)は、利用側へ送られる第2熱媒体の温度を第2設定温度とするために、第2熱媒体の加熱を行う。つまり、第2回路(60)を循環する第2熱媒体は、冷媒との熱交換によって冷却されるが、冷却後の第2熱媒体の温度が第2設定温度を下回る場合もあり得る。そこで、このような場合には第2調節用ヒータ(62)で冷却後の第2熱媒体を加熱し、第2熱媒体の温度を第2設定温度とした上で利用側へ供給する。
【0040】
上記第13の解決手段では、第1回路(50)に第1タンク(53)が設けられ、第2回路(60)に第2タンク(63)が設けられる。第1タンク(53)には、第1回路(50)を循環する第1熱媒体が貯留される。つまり、第1回路(50)の第1熱媒体は、第1タンク(53)を通過して利用側へ送られる。第2タンク(63)には、第2回路(60)を循環する第2熱媒体が貯留される。つまり、第2回路(60)の第2熱媒体は、第2タンク(63)を通過して利用側へ送られる。
【0041】
上記第14の解決手段では、第1回路(50)における第1調節用ヒータ(52)の下流に、第1タンク(53)が設けられる。第1回路(50)で循環する第1熱媒体は、第1調節用ヒータ(52)を通過して第1タンク(53)へ流入し、その後に利用側へ供給される。また、第2回路(60)における第2調節用ヒータ(62)の下流に、第2タンク(63)が設けられる。第2回路(60)で循環する第2熱媒体は、第2調節用ヒータ(62)を通過して第2タンク(63)へ流入し、その後に利用側へ供給される。
【0042】
上記第15の解決手段では、第1液面検出手段(56)と第2液面検出手段(66)とが設けられる。第1液面検出手段(56)は、第1タンク(53)における第1熱媒体の液面が所定の下限位置に達すると、検出信号を出力する。また、第2液面検出手段(66)は、第2タンク(63)における第2熱媒体の液面が所定の下限位置に達すると、検出信号を出力する。尚、第1,第2液面検出手段(56,66)は、熱媒体の液面が下限位置に達した場合にのみ検出信号を出力するものであってもよく、また、例えば液面が上限位置に達した場合にも検出信号を出力するものであってもよい。
【0043】
上記第16の解決手段では、第1抑制手段(73,74)と第2抑制手段(73,74)とが設けられる。第1抑制手段(73,74)は、第1タンク(53)に設けられ、第1液面検出手段(56)が検出する箇所において、第1熱媒体の液面の波立ちを抑制する。従って、第1液面検出手段(56)は、第1抑制手段(73,74)によって波立ちが抑えられた液面の位置に基づき、その位置が下限位置に達すると検出信号を出力する。第2抑制手段(73,74)は、第2タンク(63)に設けられ、第2液面検出手段(66)が検出する箇所において、第2熱媒体の液面の波立ちを抑制する。従って、第2液面検出手段(66)は、第2抑制手段(73,74)によって波立ちが抑えられた液面の位置に基づき、その位置が下限位置に達すると検出信号を出力する。
【0044】
上記第17の解決手段では、第1回路(50)と第2回路(60)に対してガス導入手段(77)が接続される。ガス導入手段(77)によって第1回路(50)にガスを導入すると、第1回路(50)に存在する第1熱媒体は、導入されたガスによって押し流され、第1タンク(53)に流入する。従って、第1回路(50)に充填された第1熱媒体は、第1タンク(53)に回収される。同様に、ガス導入手段(77)によって第2回路(60)にガスを導入すると、第2回路(60)に存在する第2熱媒体は、導入されたガスによって押し流されて第2タンク(63)に流入する。従って、第2回路(60)に充填された第2熱媒体は、第2タンク(63)に回収される。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、1つの冷媒回路(20)を有する冷凍装置によって、温度の異なる第1熱媒体と第2熱媒体とを利用側へ供給することができる。具体的に、本発明では、冷媒回路(20)に第1蒸発器(23)と第2蒸発器(24)を設け、冷却熱交換器(41)での冷却水との熱交換、及び第1蒸発器(23)での冷媒の熱交換により第1熱媒体を冷却し、第2蒸発器(24)での冷媒との熱交換により第2熱媒体を冷却している。
【0046】
つまり、本発明によれば、従来のように、第1熱媒体の冷却を行う冷媒回路と第2熱媒体の冷却を行う冷媒回路とを別個に設ける必要はなく、1つの冷媒回路(20)で冷媒を循環させることによって、第1設定温度の第1熱媒体と第2設定温度の第2熱媒体とを利用側へ供給できる。従って、冷凍装置の構成を簡素化でき、構成機器の数を削減することによってトラブルの可能性を低減できるため、信頼性の向上を図ることが可能となる。
【0047】
ここで、従来のものでは、次のような問題もあった。この問題点について、第1回路(50)における第1設定温度が30℃程度であり、第2回路(60)における第2設定温度が−5℃程度である場合を例に説明する。
【0048】
この場合、第2熱媒体を第2設定温度とするためには、1年を通じて冷媒回路(20)における冷凍サイクルを行う必要がある。一方、第1熱媒体の冷却については、夏期を除けば、冷却塔などで冷却した冷却水により行うことも可能である。このように冷却水を利用すれば、第1熱媒体の冷却に要するエネルギを削減できる。しかしながら、夏期においては、冷却水のみによる冷却では、第1熱媒体を第1設定温度とすることができない。このため、従来の冷凍装置では、夏期における第1熱媒体の冷却だけのために専用の冷媒回路を設ける必要があった。つまり、1年を通じて運転される第2熱媒体用の冷媒回路に加え、1年のうち夏期だけに運転される第1熱媒体用の冷媒回路をも設けなければならなかった。
【0049】
これに対し、本発明では、1つの冷媒回路(20)での冷凍サイクルによって第1熱媒体と第2熱媒体の両方を冷却し、更には第1熱媒体を冷却水によっても冷却する構成としている。従って、上記の場合において、夏期以外には冷却水のみで第1熱媒体を冷却する一方、夏期には冷媒回路(20)で循環する冷媒をも用いて第1熱媒体の冷却できる。このため、冷媒回路(20)を1つだけとして構成の簡素化を図りつつ、冷却水を利用することによって、第1熱媒体の冷却に要するエネルギを削減できる。
【0050】
また、本発明では、第1回路(50)で循環する第1熱媒体を、冷却熱交換器(41)で冷却した後に、第1蒸発器(23)へ導入している。つまり、先ず冷却水との熱交換で第1熱媒体を冷却し、その後に冷媒との熱交換で第1熱媒体を更に冷却している。従って、第1蒸発器(23)に導入された冷媒は、冷却熱交換器(41)で冷却水が吸熱しきれなかった分の熱量を、第1熱媒体から吸熱すればよいこととなる。このため、冷媒回路(20)での冷凍サイクルにより第1熱媒体から吸熱すべき熱量を確実に削減でき、第1熱媒体の冷却に要するエネルギを一層低減できる。
【0051】
上記第2,第3の解決手段では、第1蒸発器(23)及び第2蒸発器(24)を、冷媒回路(20)において並列に接続している。特に、第3の解決手段では、各蒸発器(23,24)に対応して膨張弁(E1,E2)を1つずつ設け、分流された後の冷媒を膨張弁(E1,E2)で減圧した後に対応する蒸発器(23,24)へ導入している。従って、第1膨張弁(E1)及び第2膨張弁(E2)の開度調節によって、第1蒸発器(23)に流入する冷媒量と第2蒸発器(24)に流入する冷媒量との割合、即ち第1蒸発器(23)と第2蒸発器(24)に対する冷媒の分配割合を任意に設定できる。このため、第1蒸発器(23)で冷媒が第1熱媒体から吸熱する熱量と、第2蒸発器(24)で冷媒が第2熱媒体から吸熱する熱量とを適切な値に設定でき、利用側へ供給する第1熱媒体及び第2熱媒体の温度調節を的確に行うことができる。
【0052】
上記第4,第5の解決手段によれば、冷却熱交換器(41)及び凝縮器(22)を、冷却水回路(40)において並列に接続している。特に、第5の解決手段では、冷却水回路(40)において、冷却熱交換器(41)と凝縮器(22)に対応して調節弁(S1,S2)を1つずつ設けている。従って、冷却熱交換器(41)に流入する冷却水量と凝縮器(22)に流入する冷却水量との割合、即ち冷却熱交換器(41)と凝縮器(22)に対する冷却水の分配割合を任意に設定できる。このため、冷却熱交換器(41)における第1熱媒体の冷却と、凝縮器(22)における冷媒の冷却とを適切に行うことができる。
【0053】
上記第6の解決手段によれば、圧縮機(21)を容量可変としているため、冷媒回路(20)での冷凍サイクルにより得られる冷却能力を調節でき、第1熱媒体や第2熱媒体の冷却を適切に行うことができる。
【0054】
上記第7,第9の解決手段によれば、次のような動作が可能となる。即ち、圧縮機(21)の吐出冷媒温度が過度に上昇した場合には、液冷媒導入管路(34)を通じて液冷媒を圧縮機(21)の吸入側に導入し、圧縮機(21)の吸入冷媒温度を低下させる動作を行うことができる。その際、液側調節弁(E3)の開度調節によって、適切な量の液冷媒を圧縮機(21)の吸入側へ供給できる。この動作によって、吐出冷媒温度の過上昇による圧縮機(21)の破損を回避しつつ、圧縮機(21)の運転を継続できる。
【0055】
上記第8,第9の解決手段によれば、次のような動作が可能となる。即ち、圧縮機(21)の吸入冷媒圧力が過度に低下した場合には、ガス冷媒導入管路(35)を通じて吐出冷媒を圧縮機(21)の吸入側に導入し、圧縮機(21)の吸入冷媒圧力を上昇させる動作を行うことができる。また、圧縮機(21)の吸入冷媒が湿り状態となった場合には、ガス冷媒導入管路(35)を通じて吐出冷媒を圧縮機(21)の吸入側に導入し、圧縮機(21)の吸入冷媒の湿り度を低減し、あるいは吸入冷媒を過熱蒸気とすることができる。そして、これらの場合には、ガス側調節弁(E4)の開度調節を行い、適切な量のガス冷媒を圧縮機(21)の吸入側へ供給できる。従って、これらの動作によって、吸入冷媒圧力の過低下や液バックによる圧縮機(21)の破損を回避しつつ、圧縮機(21)の運転を継続できる。
【0056】
更に、上記第9の解決手段によれば、液冷媒導入管路(34)とガス冷媒導入管路(35)との両方を設けているため、利用側での冷却負荷が無くなった状態においても、圧縮機(21)を継続して運転することが可能となる。
【0057】
ここで、利用側での冷却負荷が無くなった状態では、第1熱媒体や第2熱媒体の温度が下がりすぎるのを避けるため、第1,第2熱媒体の冷却を停止する必要がある。しかしながら、それ程時間を経ずに再び利用側の冷却負荷が高まる場合もある。従って、このような場合には、その後の冷却負荷の増大に対応するため、一時的に冷却負荷が無くなったとしても、圧縮機(21)の運転を継続させておく必要が生じる。
【0058】
この場合において、本解決手段では、圧縮機(21)の吸入側に対して、液冷媒導入管路(34)を通じて液冷媒を供給できると共に、ガス冷媒導入管路(35)を通じて吐出ガス冷媒を供給できる。このため、冷媒回路(20)において、蒸発器(23,24)への冷媒流入を遮断して熱媒体の冷却を行わない状態であっても、圧縮機(21)の吸入冷媒を確保することができ、圧縮機(21)の運転を継続できる。
【0059】
その際、液側調節弁(E3)の開度調節によって液冷媒導入管路(34)からの液冷媒の供給量を調節し、ガス側調節弁(E4)の開度調節によってガス冷媒導入管路(35)からのガス冷媒の供給量を調節する。これによって、圧縮機(21)の吸入冷媒が過度に湿るのを回避でき、液バックによる圧縮機(21)の破損を防止しつつ、圧縮機(21)の運転継続が可能となる。
【0060】
特に、上記第10の解決手段によれば、液冷媒導入管路(34)の液冷媒と、ガス冷媒導入管路(35)のガス冷媒とをアキュームレータ(25)で混合し、その後にアキュームレータ(25)からガス冷媒だけを圧縮機(21)へ供給できる。このため、液冷媒導入管路(34)を通じた液冷媒の供給を行う場合であっても、液バックによる圧縮機(21)の破損を確実に回避できる。
【0061】
上記第12の解決手段では、第1回路(50)と第2回路(60)にそれぞれ調節用ヒータ(52,62)を設けている。このため、加熱量の調節が容易なヒータ(52,62)を用いることにより、利用側へ供給される第1,第2熱媒体を、確実に第1,第2設定温度に保つことができる。
【0062】
上記第13,第14の解決手段では、第1,第2回路(50,60)にそれぞれ第1,第2タンク(53,63)が設けられる。特に、第14の解決手段によれば、第1,第2調節用ヒータ(52,62)の下流に第1,第2タンク(53,63)を設けており、第1,第2調節用ヒータ(52,62)から出た第1,第2熱媒体が第1,第2タンク(53,63)に貯留される。つまり、第1設定温度の第1熱媒体が、第1タンク(53)に貯留される。同様に、第2設定温度の第2熱媒体が、第2タンク(63)に貯留される。
【0063】
このため、例えば利用側の負荷が急激に変動した場合に、第1,第2調節用ヒータ(52,62)から出た第1,第2熱媒体の温度がその設定温度からずれてしまったとしても、この温度の変動は、第1,第2タンク(53,63)に貯留された第1,第2熱媒体によって緩和される。従って、利用側へ供給する第1,第2熱媒体の温度を、一層確実に第1,第2設定温度に保持することが可能となる。
【0064】
上記第15,第16の解決手段によれば、第1,第2タンク(53,63)における液面位置が所定の下限位置に達したことを、確実に検知できる。ここで、第1,第2回路(50,60)において、第1,第2タンク(53,63)の内部やその下流にポンプを設けている場合、第1,第2タンク(53,63)に貯留する熱媒体の量が過少となると、ポンプが空気を吸入してしまい、利用側に対する熱媒体の供給量が低下するおそれがある。これに対し、本解決手段のように液面検出手段を設ければ、第1,第2タンク(53,63)における熱媒体の貯留量を正確に把握でき、熱媒体の供給量不足といった事態を回避できる。
【0065】
特に、第16の解決手段では、第1,第2抑制手段(73,74)によって波立ちが抑えられた液面の位置を、第1,第2液面検出手段(56,66)により検出している。従って、第1,第2タンク(53,63)における正確な液面位置に基づいて、該液面位置が下限位置に達したことを検出できる。このため、熱媒体の供給量不足に至る危険性を一層低減できる。
【0066】
上記第17の解決手段によれば、ガス導入手段(77)によりガスを導入すれば、第1,第2回路(50,60)に充填された第1,第2熱媒体を、ほぼ完全に第1,第2タンク(53,63)に回収するできる。そして、第1,第2タンク(53,63)に回収された熱媒体を抜き取ることによって、第1,第2回路(50,60)からほぼ完全に熱媒体を抜き取ることが可能となる。このため、冷凍装置の保守作業に要する工数を削減することができる。また、抜き出した第1,第2熱媒体を再使用することもでき、高価な熱媒体を用いる場合であっても、ランニングコストの低減を図ることができる。
【0067】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。本実施形態は、本発明に係る冷凍装置により構成された、ブラインのチリングユニットである。
【0068】
図1に示すように、上記チリングユニット(10)は、冷媒回路(20)、冷却水回路(40)、第1回路(50)、第2回路(60)、及びコントローラ(80)を備えている。このチリングユニット(10)は、半導体の製造工程におけるシリコンウェハーの冷却を行うために、温度レベルの異なる第1ブラインと第2ブラインとを、利用側である半導体の生産設備に供給するためのものである。
【0069】
《冷媒回路》
上記冷媒回路(20)は、圧縮機(21)、凝縮器(22)、第1膨張弁(E1)、第2膨張弁(E2)、第1蒸発器(23)、第2蒸発器(24)、及びアキュームレータ(25)を配管接続して構成されている。また、第1蒸発器(23)と第2蒸発器(24)とは、冷媒回路(20)において並列接続されている。この冷媒回路(20)には、R407Cが冷媒として充填されている。冷媒回路(20)では、この冷媒が相変化しつつ循環し、冷凍サイクルが行われる。
【0070】
上記冷媒回路(20)において、圧縮機(21)の吐出側は、吐出ガス配管(31)を介して凝縮器(22)における冷媒流路(22a)の上端に接続されている。この凝縮器(22)については、後述する。凝縮器(22)における冷媒流路(22a)の下端には、液配管(32)の一端が接続されている。液配管(32)は、他端側で2つの分岐管に分岐されている。液配管(32)の第1分岐管(32a)は、第1膨張弁(E1)を介して、第1蒸発器(23)における1次側流路(23a)の上端に接続されている。一方、液配管(32)の第2分岐管(32b)は、第2膨張弁(E2)を介して、第2蒸発器(24)における1次側流路(24a)の上端に接続されている。尚、第1蒸発器(23)及び第2蒸発器(24)については、後述する。
【0071】
第1蒸発器(23)と第2蒸発器(24)とは、吸入ガス配管(33)を介して圧縮機(21)の吸入側に接続されている。具体的に、吸入ガス配管(33)は、一端側で2つの分岐管に分岐されている。そして、吸入ガス配管(33)は、その第1分岐管(33a)が第1蒸発器(23)における1次側流路(23a)の下端に接続され、その第2分岐管(33b)が第2蒸発器(24)における1次側流路(24a)の下端に接続されている。また、吸入ガス配管(33)の他端は、アキュームレータ(25)を介して圧縮機(21)の吸入側に接続されている。
【0072】
上記第1膨張弁(E1)及び第2膨張弁(E2)は、冷媒の膨張機構を構成している。また、第1膨張弁(E1)及び第2膨張弁(E2)としては、共に、モータで駆動されて開度が変更される、いわゆる電子膨張弁が用いられている。
【0073】
上記凝縮器(22)は、いわゆるプレート式熱交換器により構成されている。凝縮器(22)には、冷媒流路(22a)と冷却水流路(22b)とが区画形成されている。この凝縮器(22)は、冷媒流路(22a)の冷媒と冷却水流路(22b)の冷却水とを熱交換させ、この熱交換によって冷媒を凝縮させるためのものである。
【0074】
上記第1蒸発器(23)は、いわゆるプレート式熱交換器により構成されている。第1蒸発器(23)には、1次側流路(23a)と2次側流路(23b)とが区画形成されている。この第1蒸発器(23)は、1次側流路(23a)の冷媒と2次側流路(23b)のブラインとを熱交換させ、この熱交換によってブラインを冷却するためのものである。
【0075】
上記第2蒸発器(24)は、いわゆるプレート式熱交換器により構成されている。第2蒸発器(24)には、1次側流路(24a)と2次側流路(24b)とが区画形成されている。この第2蒸発器(24)は、1次側流路(24a)の冷媒と2次側流路(24b)のブラインとを熱交換させ、この熱交換によってブラインを冷却するためのものである。
【0076】
上記圧縮機(21)は、全密閉型のスクロール圧縮機(21)によって構成されている。この圧縮機(21)の電動機には、図外のインバータを介して電力が供給される。そして、インバータの出力周波数を調節して電動機の回転数を変更することにより、圧縮機(21)の容量が変更される。即ち、上記圧縮機(21)は、容量可変に構成されている。
【0077】
更に、上記冷媒回路(20)には、液冷媒導入管(34)、ガス冷媒導入管(35)、第3膨張弁(E3)、及び第4膨張弁(E4)が設けられている。
【0078】
上記液冷媒導入管(34)の一端は、上記液配管(32)における第1及び第2膨張弁(E1,E2)の上流側に接続されている。また、液冷媒導入管(34)の他端は、上記吸入ガス配管(33)におけるアキュームレータ(25)の上流側に接続されている。この液冷媒導入管(34)は、凝縮器(22)で凝縮した冷媒を圧縮機(21)の吸入側へ導入するための液冷媒導入管路を構成している。液冷媒導入管(34)には、第3膨張弁(E3)が液側調節弁として設けられている。この第3膨張弁(E3)は、上述の電子膨張弁によって構成されている。
【0079】
上記ガス冷媒導入管(35)の一端は、上記吐出ガス配管(31)に接続されている。また、ガス冷媒導入管(35)の他端は、上記吸入ガス配管(33)におけるアキュームレータ(25)の上流側に接続されている。この液冷媒導入管(34)は、圧縮機(21)から吐出されたガス冷媒を圧縮機(21)の吸入側へ導入するためのガス冷媒導入管路を構成している。ガス冷媒導入管(35)には、第4膨張弁(E4)がガス側調節弁として設けられている。この第4膨張弁(E4)は、上述の電子膨張弁によって構成されている。
【0080】
《冷却水回路》
上記冷却水回路(40)は、流入配管(42)及び流出配管(43)を備えている。また、冷却水回路(40)には、冷却熱交換器(41)が接続されている。この冷却水回路(40)では、上記凝縮器(22)及び冷却熱交換器(41)と、図外の冷却塔との間で冷却水が循環する。
【0081】
上記流入配管(42)の一端は、図外のポンプを介して冷却塔に接続されている。また、流入配管(42)は、他端側で2つの分岐管に分岐されている。流入配管(42)の第1分岐管(42a)は、第1電動弁(S1)を介して冷却熱交換器(41)における冷却水流路(41b)の下端に接続されている。この第1電動弁(S1)は、第1調節弁を構成している。一方、流入配管(42)の第2分岐管(42b)は、第2電動弁(S2)を介して凝縮器(22)における冷却水流路(22b)の下端に接続されている。この第2電動弁(S2)は、第2調節弁(S2)を構成している。尚、冷却熱交換器(41)については、後述する。
【0082】
上記冷却熱交換器(41)と凝縮器(22)とは、流出配管(43)を介して冷却塔に接続されている。具体的に、流出配管(43)は、その一端側で2つの分岐管に分岐されている。流出配管(43)の第1分岐管(43a)は、冷却熱交換器(41)における冷却水流路(41b)の上端に接続されている。一方、流入配管(42)の第2分岐管(43b)は、凝縮器(22)における冷却水流路(22b)の上端に接続されている。また、流入配管(42)は、その他端が図外の冷却塔に接続されている。
【0083】
上記冷却熱交換器(41)は、いわゆるプレート式熱交換器により構成されている。冷却熱交換器(41)には、冷却水流路(41b)とブライン流路(41a)とが区画形成されている。この冷却熱交換器(41)は、冷却水流路(41b)の冷却水とブライン流路(41a)のブラインとを熱交換させ、この熱交換によってブラインを冷却するためのものである。
【0084】
《第1回路、第2回路》
上記第1回路(50)は、冷却熱交換器(41)、第1蒸発器(23)、第1ヒータ(52)、及び第1タンク(53)を順に配管接続して構成された閉回路である。この第1回路(50)には、第1熱媒体である第1ブラインが充填されている。そして、第1回路(50)では、冷却熱交換器(41)及び第1蒸発器(23)と利用側との間で第1ブラインが循環し、第1設定温度とされた第1ブラインが利用側へ供給される。尚、第1ブラインは、いわゆるフロリナートにより構成されている。また、第1設定温度は、例えば30℃〜120℃の範囲内の所定値に設定される。
【0085】
上記第1回路(50)において、利用側から延びるブラインの戻り管(51)は、冷却熱交換器(41)におけるブライン流路(41a)の下端に接続されている。冷却熱交換器(41)におけるブライン流路(41a)の上端は、第1蒸発器(23)における2次側流路(23b)の下端と配管接続されている。第1蒸発器(23)における2次側流路(23b)の上端は、第1ヒータ(52)を介して第1タンク(53)の下部と配管接続されている。この第1ヒータ(52)は、第1調節用ヒータを構成している。
【0086】
第1タンク(53)には、その底部に第1ブラインポンプ(54)が設置されている。この第1ブラインポンプ(54)には、利用側へ延びるブラインの送出管(55)が接続されている。第1ブラインポンプ(54)は、第1タンク(53)内の第1ブラインを吸入し、送出管(55)を通じて利用側へ送り出すためのものである。また、送出管(55)には、第1逆止弁(CV1)が設けられている。この第1逆止弁(CV1)は、第1タンク(53)から利用側へ向かう第1ブラインの流通のみを許容する。
【0087】
上記第2回路(60)は、第2蒸発器(24)、第2ヒータ(62)、及び第2タンク(63)を順に配管接続して構成された閉回路である。この第2回路(60)には、第2熱媒体である第2ブラインが充填されている。そして、第2回路(60)では、第2蒸発器(24)と利用側との間で第2ブラインが循環し、第2設定温度とされた第2ブラインが利用側へ供給される。尚、第2ブラインは、いわゆるフロリナートにより構成されている。また、第2設定温度は、例えば−30℃〜60℃の範囲内の所定値に設定される。ただし、第2設定温度は、上記第1設定温度よりも低い値に設定される。
【0088】
上記第2回路(60)において、利用側から延びるブラインの戻り管(61)は、第2蒸発器(24)における2次側流路(24b)の下端に接続されている。第2蒸発器(24)における2次側流路(24b)の上端は、第2ヒータ(62)を介して第2タンク(63)の下部と配管接続されている。この第2ヒータ(62)は、第2調節用ヒータを構成している。
【0089】
第2タンク(63)には、その底部に第2ブラインポンプ(64)が設置されている。この第2ブラインポンプ(64)には、利用側へ延びるブラインの送出管(65)が接続されている。第2ブラインポンプ(64)は、第2タンク(63)内の第2ブラインを吸入し、送出管(65)を通じて利用側へ送り出すためのものである。また、送出管(65)には、第2逆止弁(CV2)が設けられている。この第2逆止弁(CV2)は、第2タンク(63)から利用側へ向かう第2ブラインの流通のみを許容する。
【0090】
《第1タンク、第2タンク》
上記第1タンク(53)は、直方体形状の容器で構成されている。この第1タンク(53)の大きさは、概ね一斗缶程度とされている。第1タンク(53)には、第1ヒータ(52)を通過した第1ブラインが貯留されている。つまり、第1タンク(53)には、第1設定温度とされた第1ブラインが貯留されている。
【0091】
上記第1タンク(53)には、電極式の液面センサ(56)が、第1液面検出手段として設けられている。上記液面センサ(56)は、下限検知部(56a)と、上限検知部(56b)とを備えている。下限検知部(56a)は、第1タンク(53)における液面の下限位置に設けられている。この液面の下限位置は、第1タンク(53)内に設けられた第1ブラインポンプ(54)が空気を吸い込まないように、第1ブラインポンプ(54)の吸入口の位置に対応して定められている。また、上限検知部(56b)は、第1タンク(53)における液面の上限位置に設けられている。この液面の上限位置は、第1タンク(53)から第1ブラインがオーバーフローしないように定められている。そして、上記液面センサ(56)は、下限検知部(56a)が第1ブラインの液面を検知すると検出信号として下限信号を出力し、上限検知部(56b)が第1ブラインの液面を検知すると検出信号として上限信号を出力する。
【0092】
上記第2タンク(63)は、直方体形状の容器で構成されている。この第2タンク(63)の大きさは、概ね一斗缶程度とされている。第2タンク(63)には、第2ヒータ(62)を通過した第2ブラインが貯留されている。つまり、第2タンク(63)には、第2設定温度とされた第2ブラインが貯留されている。
【0093】
上記第2タンク(63)には、電極式の液面センサ(66)が、第2液面検出手段として設けられている。上記液面センサ(66)は、下限検知部(66a)と、上限検知部(66b)とを備えている。下限検知部(66a)は、第2タンク(63)における液面の下限位置に設けられている。この液面の下限位置は、第2タンク(63)内に設けられた第2ブラインポンプ(64)が空気を吸い込まないように、第2ブラインポンプ(64)の吸入口の位置に対応して定められている。また、上限検知部(66b)は、第2タンク(63)における液面の上限位置に設けられている。この液面の上限位置は、第2タンク(63)から第2ブラインがオーバーフローしないように定められている。そして、上記液面センサ(66)は、下限検知部(66a)が第2ブラインの液面を検知すると検出信号として下限信号を出力し、上限検知部(66b)が第2ブラインの液面を検知すると検出信号として上限信号を出力する。
【0094】
上記第1タンク(53)及び第2タンク(63)には、それぞれドレンポート(71)が1つずつ設けられている。このドレンポート(71)は、第1,第2タンク(53,63)の底部に接続している。また、各ドレンポート(71)には、ドレン弁(72)が1つずつ設けられている。このドレンポート(71)は、第1,第2タンク(53,63)からブラインを抜き取る際に用いられる。
【0095】
上記第1タンク(53)及び第2タンク(63)には、それぞれ波除け板(73)が1つずつ設けられている。第1タンク(53)に設けられた波除け板(73)は、第1抑制手段を構成している。また、第2タンク(63)に設けられた波除け板(73)は、第2抑制手段を構成している。ここでは、第1タンク(53)の波除け板(73)について説明するが、第2タンク(63)のものについても同様に構成されている。
【0096】
図2に示すように、波除け板(73)は、上から見てコ字状に形成されている。また、波除け板(73)の高さは、第1タンク(53)の深さよりもやや短く設定されている。この波除け板(73)は、第1タンク(53)の内側面に取り付けられ、その内側に空間を区画している。また、波除け板(73)は、その下端が第1タンク(53)の底面よりもやや上となり、その上端が第1タンク(53)の天板よりもやや下となるように配置されている。
【0097】
波除け板(73)の内側に区画された空間には、波除け板(73)の下端と第1タンク(53)の底面との間の隙間だけを通って第1ブラインが出入りする。従って、波除け板(73)の外側において第1ブラインの液面が波立っている場合であっても、波除け板(73)の内側の空間では、液面の波立ちが抑えられる。そして、第1タンク(53)の液面センサ(56)は、この波除け板(73)の内側に区画された空間に配置され、波立ちの抑制された液面に基づいて検出信号を出力する。
【0098】
上述のように、第2タンク(63)の波除け板(73)も、上記第1タンク(53)の波除け板(73)と同様に形成され、且つ同様に設置されている。そして、第2タンク(63)の液面センサ(66)は、第2タンク(63)において波除け板(73)が区画する空間の液面位置を検出するように、所定位置に配置される。
【0099】
《その他》
上記第1回路(50)と第2回路(60)には、ガス導入手段である窒素導入管(77)が接続されている。窒素導入管(77)は、その一端に開閉弁(79)が設けられている。この窒素導入管(77)の一端は、窒素ボンベが接続する接続ポート(78)を構成している。
【0100】
窒素導入管(77)は、他端側で2つの分岐管に分岐されている。窒素導入管(77)の第1分岐管(77a)は、第1回路(50)の送出管(55)における第1逆止弁(CV1)の下流側に接続されている。この第1分岐管(77a)には、該送出管(55)に向かって順に、第1電磁弁(SV1)と第3逆止弁(CV3)とが設けられている。第3逆止弁(CV3)は、接続ポート(78)から該送出管(55)に向かう窒素ガスの流通のみを許容する。一方、窒素導入管(77)の第2分岐管(77b)は、第2回路(60)の送出管(65)における第2逆止弁(CV2)の下流側に接続されている。この第2分岐管(77b)には、該送出管(65)に向かって順に、第2電磁弁(SV2)と第4逆止弁(CV4)とが設けられている。第4逆止弁(CV4)は、接続ポート(78)から該送出管(65)に向かう窒素ガスの流通のみを許容する。
【0101】
上記冷媒回路(20)、第1回路(50)、及び第2回路(60)には、各種のセンサが設けられている。
【0102】
具体的に、上記冷媒回路(20)には、第1圧力センサ(P1)、第2圧力センサ(P2)、第1サーミスタ(T1)、第2サーミスタ(T2)、及び第3サーミスタ(T3)が設けられている。第1圧力センサ(P1)は、吸入ガス配管(33)に接続され、圧縮機(21)が吸入する冷媒の圧力を検出する。第2圧力センサ(P2)は、吐出ガス配管(31)に接続され、圧縮機(21)が吐出する冷媒の圧力を検出する。第1サーミスタ(T1)は、吸入ガス配管(33)に取り付けられ、この吸入ガス配管(33)の温度を検出することによって、圧縮機(21)が吸入する冷媒の温度を検出する。第2サーミスタ(T2)は、吐出ガス配管(31)に取り付けられ、この吐出ガス配管(31)の温度を検出することによって、圧縮機(21)が吐出する冷媒の温度を検出する。第3サーミスタ(T3)は、吸入ガス配管(33)の第2分岐管(33b)に設けられ、この第2分岐管(33b)の温度を検出することによって、第2蒸発器(24)から流出した冷媒の温度を検出する。
【0103】
上記第1回路(50)には、第1白金温度計(Pt1)、第2白金温度計(Pt2)、第4白金温度計(Pt4)、及び第3圧力センサ(P3)が設けられている。第1白金温度計(Pt1)は、第1回路(50)の戻り管(51)に設けられ、利用側から戻ってきた第1ブラインの温度を検出する。第2白金温度計(Pt2)は、第1回路(50)における冷却熱交換器(41)の出口付近に設けられ、冷却熱交換器(41)から流出する第1ブラインの温度を検出する。第4白金温度計(Pt4)は、第1回路(50)における第1ヒータ(52)の出口付近に設けられ、第1ヒータ(52)から流出する第1ブラインの温度を検出する。第3圧力センサ(P3)は、第1回路(50)の送出管(55)に接続され、第1ブラインポンプ(54)から吐出された第1ブラインの圧力を検出する。
【0104】
上記第2回路(60)には、第5白金温度計(Pt5)、第7白金温度計(Pt7)、及び第4圧力センサ(P4)が設けられている。第5白金温度計(Pt5)は、第2回路(60)の戻り管(61)に設けられ、利用側から戻ってきた第2ブラインの温度を検出する。第7白金温度計(Pt7)は、第2回路(60)における第2ヒータ(62)の出口付近に設けられ、第2ヒータ(62)から流出する第2ブラインの温度を検出する。第4圧力センサ(P4)は、第2回路(60)の送出管(65)に接続され、第2ブラインポンプ(64)から吐出された第2ブラインの圧力を検出する。尚、上記の各白金温度計は、白金測温抵抗体を用いた温度センサである。
【0105】
上記コントローラ(80)は、チリングユニット(10)の運転制御を行うものである。このコントローラ(80)には、上記のサーミスタ(T1,…)、圧力センサ(P1,…)、白金温度計(Pt1,…)、液面センサ(56,66)の検出信号が入力される。そして、コントローラ(80)は、入力された信号に基づき、第1〜第4膨張弁(E1〜E4)の開度調節、第1,第2電動弁(S1,S2)の開度調節、圧縮機(21)の容量調節、第1,第2ヒータ(52,62)の出力調節などを行う。
【0106】
−運転動作−
上記チリングユニット(10)の運転動作について説明する。
【0107】
《冷媒回路、冷却水回路における動作》
冷媒回路(20)において、圧縮機(21)を運転すると、圧縮されたガス冷媒が圧縮機(21)から吐出される。このガス冷媒は、吐出ガス配管(31)を通って凝縮器(22)の冷媒流路(22a)に導入される。凝縮器(22)の冷媒流路(22a)では、導入された冷媒が冷却水流路(22b)の冷却水に放熱して凝縮する。凝縮した冷媒は、凝縮器(22)から出て液配管(32)を流れる。その後、液配管(32)の冷媒は、二手に分流されて、一方が第1分岐管(32a)に流入し、他方が第2分岐管(32b)に流入する。
【0108】
液配管(32)の第1分岐管(32a)に流入した冷媒は、第1膨張弁(E1)で減圧された後に、第1蒸発器(23)の1次側流路(23a)に導入される。この1次側流路(23a)では、導入された冷媒が2次側流路(23b)の第1ブラインから吸熱して蒸発する。蒸発した冷媒は、第1蒸発器(23)から出て吸入ガス配管(33)の第1分岐管(33a)に流入する。
【0109】
一方、液配管(32)の第2分岐管(32b)に流入した冷媒は、第2膨張弁(E2)で減圧された後に、第2蒸発器(24)の1次側流路(24a)に導入される。この1次側流路(24a)では、導入された冷媒が2次側流路(24b)の第2ブラインから吸熱して蒸発する。蒸発した冷媒は、第2蒸発器(24)から出て吸入ガス配管(33)の第2分岐管(33b)に流入する。
【0110】
吸入ガス配管(33)において、第1分岐管(33a)の冷媒と第2分岐管(33b)の冷媒とが合流する。この合流後の冷媒は、アキュームレータ(25)を通って圧縮機(21)に吸入される。圧縮機(21)は、吸入した冷媒を圧縮して再び吐出する。冷媒回路(20)では、以上のように冷媒が循環して、冷凍サイクルが行われる。
【0111】
冷却水回路(40)において、ポンプ(図外)を運転すると、冷却塔(図外)で冷却された冷却水が、流入配管(42)を通じて送り込まれる。流入配管(42)を流れる冷却水は、二手に分流され、一方が第1分岐管(42a)に流入し、他方が第2分岐管(42b)に流入する。
【0112】
流入配管(42)の第1分岐管(42a)に入った冷却水は、第1電動弁(S1)を通過して冷却熱交換器(41)の冷却水流路(41b)に導入される。冷却熱交換器(41)では、導入された冷却水がブライン流路(41a)の第1ブラインから吸熱する。吸熱後の冷却水は、冷却熱交換器(41)から出て流出配管(43)の第1分岐管(43a)を流れる。
【0113】
一方、流入配管(42)の第2分岐管(42b)に入った冷却水は、第2電動弁(S2)を通過して凝縮器(22)の冷却水流路(22b)に導入される。凝縮器(22)では、導入された冷却水が冷媒流路(22a)の冷媒から吸熱する。吸熱後の冷却水は、凝縮器(22)から出て流出配管(43)の第2分岐管(43b)を流れる。
【0114】
流出配管(43)において、第1分岐管(43a)の冷却水と第2分岐管(43b)の冷却水とが合流する。この合流後の冷却水は、冷却塔(図外)に送られて冷却され、再び流入配管(42)を通じて送り込まれる。
【0115】
《第1回路、第2回路における動作》
第1回路(50)において、第1ブラインポンプ(54)を運転すると、第1ブラインが循環する。利用側で対象物から吸熱した第1ブラインは、戻り管(51)を流れて冷却熱交換器(41)のブライン流路(41a)に導入される。冷却熱交換器(41)では、ブライン流路(41a)の第1ブラインが冷却水流路(41b)の冷却水と熱交換する。この熱交換により、第1ブラインは、冷却水に放熱して冷却される。冷却熱交換器(41)で冷却された第1ブラインは、第1蒸発器(23)の2次側流路(23b)に導入される。第1蒸発器(23)では、2次側流路(23b)の第1ブラインが1次側流路(23a)の冷媒と熱交換する。この熱交換により、第1ブラインは、冷媒に放熱して更に冷却される。
【0116】
第1蒸発器(23)から出た第1ブラインは、第1ヒータ(52)に導入される。第1ヒータ(52)は、第1ブラインの温度が第1設定温度となるように、第1ブラインに適当な熱量を付与する。つまり、第1蒸発器(23)の出口において第1ブラインの温度が第1設定温度よりも低くなった場合には、第1ヒータ(52)での加熱によって第1ブラインの温度を第1設定温度に合わせる。
【0117】
第1ヒータ(52)において第1設定温度となった第1ブラインは、第1タンク(53)に流入して貯留される。第1タンク(53)に貯留された第1設定温度の第1ブラインは、第1ブラインポンプ(54)に吸入され、送出管(55)に送り出される。送出管(55)を通じて供給された第1ブラインは、利用側において対象物の冷却に利用される。利用側で対象物から吸熱した第1ブラインは、戻り管(51)を通じて再び冷却熱交換器(41)へ送り込まれる。
【0118】
第2回路(60)において、第2ブラインポンプ(64)を運転すると、第2ブラインが循環する。利用側で対象物から吸熱した第2ブラインは、戻り管(61)を流れて第2蒸発器(24)の2次側流路(24b)に導入される。第2蒸発器(24)では、2次側流路(24b)の第2ブラインが1次側流路(24a)の冷媒と熱交換する。この熱交換により、第2ブラインは、冷媒に放熱して冷却される。
【0119】
第2蒸発器(24)から出た第2ブラインは、第2ヒータ(62)に導入される。第2ヒータ(62)は、第2ブラインの温度が第2設定温度となるように、第2ブラインに適当な熱量を付与する。つまり、第2蒸発器(24)の出口において第2ブラインの温度が第2設定温度よりも低くなった場合には、第2ヒータ(62)での加熱によって第2ブラインの温度を第2設定温度に合わせる。
【0120】
第2ヒータ(62)において第2設定温度となった第2ブラインは、第2タンク(63)に流入して貯留される。第2タンク(63)に貯留された第2設定温度の第2ブラインは、第2ブラインポンプ(64)に吸入され、送出管(65)に送り出される。送出管(65)を通じて供給された第2ブラインは、利用側において対象物の冷却に利用される。利用側で対象物から吸熱した第2ブラインは、戻り管(61)を通じて再び第2蒸発器(24)へ送り込まれる。
【0121】
《コントローラの制御動作》
上述のように、上記コントローラ(80)は、チリングユニット(10)の運転制御を行う。ここでは、その内容について説明する。
【0122】
上記コントローラ(80)は、冷却熱交換器(41)における熱交換量の調節を行う。つまり、第1電動弁(S1)の開度を調節し、冷却熱交換器(41)に対する冷却水の供給量を変更することによって、冷却熱交換器(41)における第1ブラインからの放熱量を調節する。
【0123】
上記コントローラ(80)は、第1蒸発器(23)及び第2蒸発器(24)における熱交換量の調節を行う。つまり、第1膨張弁(E1)の開度を調節し、第1蒸発器(23)に対する冷媒の供給量を変更することによって、第1蒸発器(23)における第1ブラインからの放熱量を調節する。また、第2膨張弁(E2)の開度を調節し、第2蒸発器(24)に対する冷媒の供給量を変更することによって、第2蒸発器(24)における第2ブラインからの放熱量を調節する。その際、コントローラ(80)は、圧縮機(21)の容量調節も行う。つまり、第1,第2蒸発器(24)における冷却能力の過不足に応じてインバータ(図外)の出力周波数を変更し、圧縮機(21)における電動機の回転数を変更することによって、圧縮機(21)の容量を調節する。
【0124】
尚、冷却熱交換器(41)の出口において、第1ブラインの温度が既に第1設定温度以下となっている場合には、第1蒸発器(23)における第1ブラインの冷却を停止する。つまり、このような場合には、上記コントローラ(80)が第1膨張弁(E1)を全閉し、第1蒸発器(23)に対する冷媒の供給を遮断する。
【0125】
上記コントローラ(80)は、第1ヒータ(52)及び第2ヒータ(62)の出力調節を行う。つまり、第1ヒータ(52)については、第4白金温度計(Pt4)の検出温度が第1設定温度となるように、その出力が調節される。また、第2ヒータ(62)については、第7白金温度計(Pt7)の検出温度が第2設定温度となるように、その出力が調節される。尚、運転状態によっては、第1ヒータ(52)や第2ヒータ(62)の出力をゼロとし、これらヒータ(52,62)におけるブラインの加熱を行わない場合もある。
【0126】
上記コントローラ(80)は、第1ブラインポンプ(54)と第2ブラインポンプ(64)の発停制御を行う。ここでは第1ブラインポンプ(54)の場合を例に説明するが、第2ブラインポンプ(64)の場合も同様である。
【0127】
この第1ブラインポンプ(54)は、原則として常時運転されるものである。ただし、第1タンク(53)の液面センサ(56)が下限信号又は上限信号の何れかを出力した場合には、上記コントローラ(80)が第1ブラインポンプ(54)を緊急停止する。つまり、下限信号が出力された場合、第1ブラインの流量が不足したまま運転を継続すると、利用側の冷却対象物にダメージを与えるおそれがあるため、第1ブラインポンプ(54)の運転を停止する。また、上限信号が出力された場合、第1タンク(53)から第1ブラインが溢れ出すおそれがあるため、第1ブラインポンプ(54)の運転を停止する。
【0128】
上記コントローラ(80)は、冷媒回路(20)における低圧の制御を行う。具体的に、コントローラ(80)は、第2電動弁(S2)の開度を調節して凝縮器(22)に対する冷却水の供給量を調節し、凝縮器(22)における冷媒からの放熱量を調節する。そして、凝縮器(22)における冷媒の圧力を変更することによって、冷媒回路(20)の低圧を調節する。その際、コントローラ(80)は、冷媒回路(20)の低圧を可能な範囲で最も低くなるようにして、圧縮機(21)における消費電力の低減を図る。
【0129】
上記コントローラ(80)は、冷媒回路(20)の運転状態が異常な状態となっても、圧縮機(21)の運転を継続させつつ、圧縮機(21)を保護するための動作を行う。
【0130】
具体的に、圧縮機(21)の吐出冷媒温度が過度に上昇した場合において、コントローラ(80)は、第3膨張弁(E3)を開き、液冷媒導入管(34)を通じて液冷媒を圧縮機(21)の吸入側へ導入する。このように液冷媒を導入すると、圧縮機(21)の吸入冷媒温度が低下してその吐出冷媒温度も低下するため、圧縮機(21)の破損を回避しつつ運転を継続できる。
【0131】
また、圧縮機(21)の吸入冷媒圧力が過度に低下した場合、あるいは圧縮機(21)の吸入冷媒が湿り状態となった場合において、コントローラ(80)は、第4膨張弁(E4)を開き、ガス冷媒導入管(35)を通じて圧縮機(21)の吐出冷媒を圧縮機(21)の吸入側へ導入する。このように吐出冷媒を導入すると、圧縮機(21)の吸入冷媒圧力が上昇し、その吸入冷媒の湿り度も低下するため、圧縮機(21)の破損を回避しつつ運転を継続できる。
【0132】
ここで、上述したように、上記チリングユニット(10)は、半導体の生産設備にブラインを供給するものである。そして、この利用側の特性上、チリングユニット(10)においては、冷却負荷のある状態と冷却負荷のない状態とが、比較的短い時間間隔で交互に繰り返される。このため、例え冷却負荷が無くなった状態であっても、次に冷却負荷が生じる場合に備えて、圧縮機(21)の運転を継続させる必要がある。ところが、冷却負荷のない状態では、第1蒸発器(23)や第2蒸発器(24)においてブラインを冷却する必要がなくなる。このため、第1膨張弁(E1)及び第2膨張弁(E2)が全閉されてしまい、このままでは圧縮機(21)の運転を継続できなくなる。
【0133】
そこで、上記コントローラ(80)は、第1膨張弁(E1)及び第2膨張弁(E2)の両方が全閉された状態であっても、圧縮機(21)の運転を継続するための動作を行う。具体的に、コントローラ(80)は、第3膨張弁(E3)と第4膨張弁(E4)の開度調節を行う。第3膨張弁(E3)を開くと、凝縮器(22)で凝縮した冷媒が、液冷媒導入管(34)を通じて吸入ガス配管(33)に導入される。また、第4膨張弁(E4)を開くと、圧縮機(21)から吐出されたガス冷媒が、ガス冷媒導入管(35)を通じて吸入ガス配管(33)に導入される。そして、液冷媒導入管(34)を通じて送り込まれた冷媒と、ガス冷媒導入管(35)を通じて送り込まれた冷媒とは、共にアキュームレータ(25)へ流入し、その後に圧縮機(21)に吸入される。その際、コントローラ(80)は、液バックの問題が生じないように、第3膨張弁(E3)と第4膨張弁(E4)の開度をそれぞれ適当に調節する。以上の動作によって、第1膨張弁(E1)及び第2膨張弁(E2)が全閉されていても、圧縮機(21)の運転が可能となる。
【0134】
《その他の動作》
上記チリングユニット(10)の点検や修理の際には、第1回路(50)や第2回路(60)からブラインを抜き取らなければならない場合もある。このような場合には、窒素導入管(77)を通じて第1,第2回路(50,60)に窒素ガスを導入し、ブラインを第1,第2タンク(53,63)に回収する動作を行う。尚、ここでは、この動作について第1回路(50)の場合を例に説明するが、第2回路(60)についても同様である。
【0135】
接続ポート(78)に窒素ボンベを接続し、開閉弁(79)を開く。続いて第1電磁弁(SV1)を開放すると、窒素ボンベから第1回路(50)へ窒素ガスが送り込まれる。この時、窒素ガスは、第1回路(50)の送出管(55)における第1逆止弁(CV1)の下流に導入される。このため、第1回路(50)における第1ブラインの循環方向に沿って、この第1逆止弁(CV1)から第1ヒータ(52)に至るまでの間の第1ブラインは、導入された窒素ガスによって押し流されて第1タンク(53)に回収される。そして、第1タンク(53)のドレン弁(72)を開き、第1タンク(53)から第1ブラインを排出することによって、第1回路(50)からほぼ完全に第1ブラインが抜き取られる。
【0136】
−実施形態の効果−
本実施形態によれば、冷媒回路(20)を1つだけ有するチリングユニット(10)によって、第1設定温度の第1ブラインと、第2設定温度の第2ブラインとの両方を利用側へ供給することが可能となる。つまり、本実施形態によれば、従来のように、第1ブラインの冷却を行う冷媒回路と第2ブラインの冷却を行う冷媒回路との両方を設ける必要はない。従って、チリングユニット(10)の構成を簡素化でき、構成機器の数、特に圧縮機(21)の台数を削減することによってトラブルの可能性を低減できる。このため、チリングユニット(10)の信頼性を向上させることができる。
【0137】
また、本実施形態では、第1回路(50)に冷却熱交換器(41)を接続し、冷却水との熱交換によっても第1ブラインを冷却するようにしている。従って、冷凍サイクルにより得られた冷熱のみを用いて第1ブラインを冷却する場合に比べ、第1ブラインの冷却に要するエネルギを大幅に低減できる。このため、チリングユニット(10)の運転に要するエネルギを削減でき、チリングユニット(10)の消費電力を低減できる。
【0138】
また、本実施形態では、インバータの出力周波数を変更することによって、圧縮機(21)の容量を変更している。ここで、従来、この種のチリングユニット(10)では、圧縮機(21)の吐出ガスをそのまま吸入側へ戻す、いわゆるホットガスバイパスによって圧縮機(21)の容量を調節していた。このため、圧縮機(21)の容量は変更されても圧縮機(21)の消費電力は低下せず、エネルギ効率の点で問題があった。これに対し、本実施形態のようにインバータにより圧縮機(21)の容量を調節すれば、圧縮機(21)の容量を小さくすれば消費電力も低下するため、省エネルギ性に優れたチリングユニット(10)を実現できる。
【0139】
ここで、急激な負荷変動に制御が追従できず、第1ヒータ(52)の出口における第1ブラインの温度が第1設定温度からずれてしまう場合もあり得る。これに対し、本実施形態に係る第1回路(50)では、第1設定温度となった第1ブラインを一旦第1タンク(53)に貯留し、その後に利用側へ送るようにしている。従って、第1タンク(53)に流入する第1ブラインの温度が一時的に第1設定温度でなくなったとしても、第1タンク(53)から利用側へ送られる第1ブラインの温度は、ほとんど変動することなく第1設定温度に保たれる。この点は、第2回路(60)についても同様である。このため、本実施形態によれば、利用側へ供給するブラインの温度を確実に設定温度に保持することが可能となる。
【0140】
また、本実施形態では、第1,第2タンク(53,63)に波除け板(73)を設け、この波除け板(73)で区画された空間において、液面センサ(56,66,)により液面の検知を行っている。従って、波立ちの抑えられた液面に基づいて液面センサ(56,66,)の検出信号が出力されることとなる。このため第1,第2タンク(53,63)における液面位置を正確に検出でき、ブラインの供給量不足や、ブラインのオーバーフローといった事態を確実に回避できる。
【0141】
また、本実施形態では、第1,第2回路(50,60)に窒素導入管(77)を接続しているため、第1,第2回路(50,60)からのブラインの抜き取りを容易に且つ確実に行うことができる。このため、チリングユニット(10)の保守作業に要する工数を削減することができる。また、第1,第2タンク(53,63)からブラインを抜き出すことができるため、抜き出したブライン(フロリナート)を再使用することも可能となる。
【0142】
【発明のその他の実施の形態】
上記実施形態では、第1,第2抑制手段(73,74)を波除け板(73)によって構成しているが、これに代えて、次のようにしてもよい。即ち、図3に示すように、第1,第2タンク(53,63)に別体の補助タンク(74)を設け、この補助タンク(74)によって第1,第2抑制手段を構成してもよい。尚、ここでは、第1タンク(53)の場合を例に説明する。
【0143】
上記補助タンク(74)は、縦長の容器状に形成されている。補助タンク(74)は、その上端部が上連絡管(75)を介して第1タンク(53)の上部と連通し、その下端部が下連絡管(76)を介して第1タンク(53)の下部と連通している。この補助タンク(74)には、下連絡管(76)のみを通じて第1タンク(53)に貯留する第1ブラインが出入りする。従って、補助タンク(74)内に形成される液面は第1タンク(53)の液面と同じ位置であって、更に補助タンク(74)内の液面は波立ちが抑えられている。そして、この補助タンク(74)に、液面センサ(56)が設置される。つまり、液面センサ(56)は、補助タンク(74)に形成される波立ちの少ない液面に基づいて、上限信号又は下限信号を出力する。
【0144】
更に、図4に示すように、波除け板(73)と補助タンク(74)を組み合わせて第1,第2抑制手段を構成してもよい。即ち、波除け板(73)の内側に区画された空間に上連絡管(75)及び下連絡管(76)が開口するようにして、補助タンク(74)における液面の波立ちを一層少なくするようにしてもよい。
【0145】
また、上記実施形態では、電極式の液面センサを用いているが、これに代えて、フロート式の液面センサを用いてもよい。
【0146】
また、上記実施形態では、第1,第2ブラインとしてフロリナートを用いているが、これ以外の物質をブラインとして用いることも可能である。
【0147】
また、上記実施形態では、スクロール型の圧縮機(21)を用いているが、その他の形式の圧縮機、例えばローリングピストン型の圧縮機を用いてもよい。
【0148】
また、上記実施形態では、第1蒸発器(23)、第2蒸発器(24)、凝縮器(22)、及び冷却熱交換器(41)をプレート式熱交換器により構成しているが、その他の形式の熱交換器、例えば二重管式の熱交換器を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態に係るチリングユニットの全体構成を示す配管系統図である。
【図2】 実施形態に係る第1(第2)タンクの概略斜視図である。
【図3】 その他の実施形態に係る第1(第2)タンクの概略斜視図である。
【図4】 その他の実施形態に係る第1(第2)タンクの概略斜視図である。
【符号の説明】
(20) 冷媒回路
(21) 圧縮機
(22) 凝縮器
(23) 第1蒸発器
(24) 第2蒸発器(蒸発器)
(25) アキュームレータ
(34) 液冷媒導入管 (液冷媒導入管路)
(35) ガス冷媒導入管(ガス冷媒導入管路)
(40) 冷却水回路
(41) 冷却熱交換器
(50) 第1回路
(52) 第1ヒータ(第1調節用ヒータ)
(53) 第1タンク
(56) 液面センサ(第1液面検出手段)
(60) 第2回路
(62) 第2ヒータ(第2調節用ヒータ)
(63) 第2タンク
(66) 液面センサ(第2液面検出手段)
(73) 波除け板 (第1,第2抑制手段)
(74) 補助タンク(第1,第2抑制手段)
(77) 窒素導入管(ガス導入手段)
(E1) 第1膨張弁(膨張機構)
(E2) 第2膨張弁(膨張機構)
(E3) 第3膨張弁(液側調節弁)
(E4) 第4膨張弁(ガス側調節弁)
(S1) 第1電動弁(第1調節弁)
(S2) 第2電動弁(第2調節弁)

Claims (17)

  1. 圧縮機(21)、凝縮器(22)、膨張機構(E1,E2)、第1蒸発器(23)、及び第2蒸発器(24)を有して冷媒が循環する冷媒回路(20)と、
    上記凝縮器(22)に接続して該凝縮器(22)へ冷却水を供給する冷却水回路(40)と、
    第1設定温度の第1熱媒体を利用側へ供給するために、第1熱媒体を上記冷却水回路(40)の冷却水と熱交換させる冷却熱交換器(41)が上記第1蒸発器( 23 )と直列に接続されて、上記第1蒸発器(23)及び冷却熱交換器(41)と利用側の間で第1熱媒体を循環させる第1回路(50)と、
    上記第1設定温度よりも低い第2設定温度の第2熱媒体を利用側へ供給するために上記第2蒸発器(24)と利用側の間で第2熱媒体を循環させる第2回路(60)とを備え
    上記冷却熱交換器( 41 )は、第1回路( 50 )における第1蒸発器( 23 )の上流に設けられ、
    上記第1回路( 50 )を循環する第1熱媒体を上記冷却熱交換器( 41 )での冷却水との熱交換により冷却した後に第1蒸発器( 23 )での冷媒との熱交換により更に冷却してから利用側へ供給する動作を行う冷凍装置。
  2. 請求項1記載の冷凍装置において、
    第1蒸発器(23)と第2蒸発器(24)とは、冷媒回路(20)において互いに並列に接続されている冷凍装置。
  3. 請求項2記載の冷凍装置において、
    冷媒回路(20)の膨張機構(E1,E2)は、第1蒸発器(23)の流入側に設けられた第1膨張弁(E1)と、第2蒸発器(24)の流入側に設けられた第2膨張弁(E2)とによって構成されている冷凍装置。
  4. 請求項1記載の冷凍装置において、
    冷却熱交換器(41)と凝縮器(22)とは、冷却水回路(40)において互いに並列に接続されている冷凍装置。
  5. 請求項4記載の冷凍装置において、
    冷却水回路(40)は、冷却熱交換器(41)の流入側に設けられた第1調節弁(S1)と、凝縮器(22)の流入側に設けられた第2調節弁(S2)とを備えている冷凍装置。
  6. 請求項1記載の冷凍装置において、
    冷媒回路(20)の圧縮機(21)は、その容量が可変に構成されている冷凍装置。
  7. 請求項1記載の冷凍装置において、
    冷媒回路(20)は、凝縮器(22)から出た液冷媒を圧縮機(21)の吸入側へ導入するための液冷媒導入管路(34)と、該液冷媒導入管路(34)に設けられた液側調節弁(E3)とを備えている冷凍装置。
  8. 請求項1記載の冷凍装置において、
    冷媒回路(20)は、圧縮機(21)の吐出冷媒を該圧縮機(21)の吸入側へ導入するためのガス冷媒導入管路(35)と、該ガス冷媒導入管路(35)に設けられたガス側調節弁(E4)とを備えている冷凍装置。
  9. 請求項1記載の冷凍装置において、
    冷媒回路(20)は、凝縮器(22)から出た液冷媒を圧縮機(21)の吸入側へ導入するための液冷媒導入管路(34)と、該液冷媒導入管路(34)に設けられた液側調節弁(E3)と、圧縮機(21)の吐出冷媒を該圧縮機(21)の吸入側へ導入するためのガス冷媒導入管路(35)と、該ガス冷媒導入管路(35)に設けられたガス側調節弁(E4)とを備えている冷凍装置。
  10. 請求項9記載の冷凍装置において、
    冷媒回路(20)における圧縮機(21)の吸入側にアキュームレータ(25)が設けられ、
    液導入管路の液冷媒とガス導入管路のガス冷媒とが上記アキュームレータ(25)の上流に導入される冷凍装置。
  11. 請求項1記載の冷凍装置において、
    冷媒回路(20)の冷媒がR407Cで構成されている冷凍装置。
  12. 請求項1記載の冷凍装置において、
    第1回路(50)には、利用側へ送られる冷却後の第1熱媒体が第1設定温度となるように該第1熱媒体を加熱する第1調節用ヒータ(52)が設けられ、
    第2回路(60)には、利用側へ送られる冷却後の第2熱媒体が第2設定温度となるように該第2熱媒体を加熱する第2調節用ヒータ(62)が設けられている冷凍装置。
  13. 請求項1記載の冷凍装置において、
    第1回路(50)には、第1熱媒体を貯留するための第1タンク(53)が設けられ、
    第2回路(60)には、第2熱媒体を貯留するための第2タンク(63)が設けられている冷凍装置。
  14. 請求項12記載の冷凍装置において、
    第1回路(50)における第1調節用ヒータ(52)の下流には、第1熱媒体を貯留するための第1タンク(53)が設けられ、
    第2回路(60)における第2調節用ヒータ(62)の下流には、第2熱媒体を貯留するための第2タンク(63)が設けられている冷凍装置。
  15. 請求項13又は14記載の冷凍装置において、
    第1タンク(53)における第1熱媒体の液面位置が少なくとも所定の下限位置となった場合に検出信号を出力する第1液面検出手段(56)と、
    第2タンク(63)における第2熱媒体の液面位置が少なくとも所定の下限位置となった場合に検出信号を出力する第2液面検出手段(66)と
    を備えている冷凍装置。
  16. 請求項15記載の冷凍装置において、
    第1液面検出手段(56)の検出箇所における第1熱媒体の液面の波立ちを抑制するための第1抑制手段(73,74)と、
    第2液面検出手段(66)の検出箇所における第2熱媒体の液面の波立ちを抑制するための第2抑制手段(73,74)と
    を備えている冷凍装置。
  17. 請求項13又は14記載の冷凍装置において、
    第1回路(50)と第2回路(60)とに接続して第1回路(50)又は第2回路(60)に所定のガスを導入し、第1回路(50)に充填された第1熱媒体を導入したガスによって第1タンク(53)へ回収する動作と、第2回路(60)に充填された第2熱媒体を導入したガスによって第2タンク(63)へ回収する動作とを行うためのガス導入手段(77)を備えている冷凍装置。
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