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JP3659077B2 - 車両後部構造 - Google Patents

車両後部構造 Download PDF

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JP3659077B2
JP3659077B2 JP22019499A JP22019499A JP3659077B2 JP 3659077 B2 JP3659077 B2 JP 3659077B2 JP 22019499 A JP22019499 A JP 22019499A JP 22019499 A JP22019499 A JP 22019499A JP 3659077 B2 JP3659077 B2 JP 3659077B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、主に、リヤハッチゲートを有する車両後部構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両後部構造としては、図11及び図12に示すようなものが知られている(特開平1−134577号公報等参照)。
【0003】
このような車両1では、車体2の後部3に、リヤピラー部材6が設けられている。このリヤピラー部材6には、リヤサスペンション4を支持するストラットタワー構成部材としてのサスペンションタワー部5が結合されている。
【0004】
このリヤピラー部材6では、リヤピラーインナパネル6aとアウタパネル6bとの間に、リヤレインフォースメント部材6cが上下方向に沿って延設されている。
【0005】
また、このリヤピラーインナパネル6aと、前記サスペンションタワー部5の上面部5aとの間には、補強部材7が連結されている。
【0006】
そして、このようなトランクルームを独立して後部3に形成するセダンタイプの車両1では、図示省略のリヤパーセルシェリフが車幅方向に沿って延設されている。
【0007】
次に、この一従来例の作用について説明する。
【0008】
この一従来例では、前記リヤサスペンション4から加わる上下方向の荷重は、前記補強部材7を介して前記リヤピラー部材6に伝達されると共に、前記リヤパーセルシェリフにも伝達されて吸収される。
【0009】
更に、他の従来の車両後部構造としては、図13乃至図15に示すような荷室を乗員室と一体に有するワゴンタイプの車両8が知られている(特開平1−156181号公報等参照)。
【0010】
このような車両8では、車体9の後部10に、センターピラー11の下部からリヤピラー12の下部に渡り、ベルトラインレインフォース部材13がリヤインナパネル14の外側面14aに接合されて、閉断面15が形成されている。
【0011】
また、クォータピラー16は、図15に示すように略ハット型断面形状のピラーアウタ部材16a及びピラーインナ部材16bとを各前,後フランジ部16c,16dで接合して、水平方向閉断面20が形成されている。このうち、ピラーインナ部材16b内の凹部には、断面略凹字状のピラーレインフォースメント部材17が、内側面に隣接して設けられている。
【0012】
そして、下方に位置するホイールハウス部材18と、このクォータピラー16の下部とが、前記閉断面15を介して、前記各前,後フランジ部16c,16d間に介在されたサスペンションレインフォースメント部材19によって連結されている。このサスペンションレインフォースメント部材19は、外側方に膨出する断面略ハット状を呈して構成されている。
【0013】
次に、前記他の従来例の作用について説明する。
【0014】
前記他の従来例では、図示省略のサスペンション装置からの入力荷重は、前記ピラーレインフォースメント部材17を設けた前記クォータピラー16に伝達されると共に、前記閉断面15を介して、ベルトラインレインフォース部材13に伝達されて車両前後方向に分散され、前記リヤインナパネル14に吸収される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記一従来例の車両1では、車体2の後部3に、リヤパーセルシェリフが車幅方向に沿って延設されて、サスペンション装置からの入力荷重が受け止められるように構成されている。
【0016】
また、前記他の従来例の車両8では、図示省略のリヤハッチゲート開口を車体9後面部に設けているため、前記リヤパーセルシェリフを配設出来ない。このため、断面略凹字状の前記ピラーレインフォースメント部材17を、ピラーインナ部材16bの凹部の内側面に隣接配置させて、強度を稼ぎ、ベルトラインレインフォース部材13,13を、前記クォータピラー16の車両前後方向に沿って延設させて、サスペンション装置からの入力荷重を、分散させて前記リヤインナパネル14に吸収させるように構成されている。
【0017】
このように、リヤハッチゲート開口を有する車両8では、前記ピラーレインフォースメント部材17に加えて更に、前記ベルトラインレインフォース部材13を設けなければ、充分な剛性を得ることが困難であった。
【0018】
特に、リヤピラーが後部ハッチ開口部の周縁に延設されている3ドアタイプ等のハッチバック車では、車幅方向に延設される前記リヤパーセルシェリフ及び、車両前後方向に延設される前記ベルトラインレインフォース部材13を設けることが困難であるので、補強には、所定重量を有する補強部材を多用しなければならず、重量が増加してしまうといった問題もあった。
【0019】
更に、前記サスペンションレインフォースメント19は、外側方に膨出する形状を呈しているので、図15に示すクォータピラー16上部では、ピラーの内倒れに伴い、図中白抜き矢印で示すように口開き方向に開口変形して、剛性の向上に寄与しにくいといった問題もあった。
【0020】
そこで、本発明の目的は、上記の問題点を解消し、スペース効率が良好で、しかも簡易な構造で所望の強度を容易に得ることが出来る車両後部構造を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載された発明では、略ハット型断面形状のリヤピラーアウタ部材及びリヤピラーインナ部材とを前,後フランジ部で接合して、水平方向閉断面を形成したリヤピラーと、前記リヤピラー下縁に設けられて、ホイルハウスアウタ部材及びホイルハウスインナ部材とからなるホイルハウスと、前記リヤピラー内部に設けられて外側方に膨出する断面略ハット状のリヤピラーレインフォース部材とを有する車両後部構造において、前記リヤピラーレインフォース部材の下縁に対し、該リヤピラーレインフォース部材の前,後フランジ部と前記ホイルハウスアウタ部材及びホイルハウスインナ部材の上端フランジ部とを接合した接合個所の上端が高くなるように配置し、前記リヤピラーレインフォース部材には、車外側方向に膨出された略コ字状を呈するブレース部材を車幅方向に重合すると共に、該ブレース部材の前,後壁部が前記リヤピラーレインフォース部材の前,後壁部に接合される接合部を、前記接合箇所の上端に対して上,下に跨るように配設し、さらに前記ブレース部材の上部に対応する高さからリヤピラー上方に向かって、前記リヤピラーレインフォースの車内側には、略平板状を呈するアッパ部を延設すると共に、該アッパ部に対応する高さの前記リヤピラーレインフォース部材に設けられた前記車外側方向に膨出された略ハット状の開口部の前,後フランジ部を、該アッパ部の前,後縁部に各々接合した車両後部構造を特徴としている。
【0022】
このように構成された請求項1記載のものでは、前記ブレース部材の前,後壁部のうち、前記リヤピラーレインフォース部材の前,後壁部に接合される接合部が、前記リヤピラーレインフォース部材の前,後フランジ部と前記ホイルハウスアウタ部材及びホイルハウスインナ部材の上端フランジ部とを接合した接合箇所の上端に対して上,下に跨るように配設されている。
【0023】
このため、前記ホイルハウスから伝達される車幅方向のサスペンション入力荷重は、前記リヤピラーレインフォース部材と前記ブレース部材とによって形成される水平方向閉断面、及び入力荷重を有利なせん断方向で受ける前記接合部によって受け止められる。
【0024】
そして、該サスペンション入力荷重は、前記リヤピラー内部に設けられるリヤピラーレインフォース部材と共に、該ブレース部材を介して、前記リヤピラー上部に伝達されてリヤピラー全体に吸収される。
【0025】
このため、該リヤピラーにサスペンション入力荷重を効率良く吸収させることが出来る。
【0026】
しかも、前記ブレース部材は、リヤピラー内部に設けられるリヤピラーレインフォース部材へ、前記車幅方向に重合されているので、スペース効率が良好であり、簡易な構造で所望の強度を容易に得ることが出来るため、重量を増大させる虞が減少する。
【0028】
また、前記開口部の前,後フランジ部が、平板状の前記アッパ部によって連結されるので、口開き方向に開口変形する虞がない。
【0029】
このため、前記リヤピラーの内倒れが更に抑制されて、容易に所望の剛性を得ることが出来る。
【0030】
そして、請求項に記載されたものでは、前記リヤピラーは、後部ハッチ開口部の周縁に延設されている請求項記載の車両後部構造を特徴としている。
【0031】
このように構成された請求項記載のものでは、前記後部ハッチ開口部の周縁に、サスペンション入力荷重を有効に受け止められる所望の剛性を有する前記リヤピラーが、延設されているので、前記リヤパーセルシェリフ及び、前記ベルトラインレインフォース部材等を設ける必要が無く、重量の増加も抑制される。
【0032】
従って、例えば、3ドアタイプ等のハッチバック車等、車体後部に開口部を有して、補強部材の配設スペースが確保しにくい車両等に用いて好適である。
【0033】
【発明の実施の形態1】
以下、本発明の具体的な実施の形態1について、図示例と共に説明する。
【0034】
図1乃至図11は、この発明の実施の形態1を示すものである。なお、前記従来例と同一乃至均等な部分については同一符号を付して説明する。
【0035】
まず、構成を説明すると、この実施の形態1の車両後部構造では、3ドアタイプのハッチバック車21に、4輪駆動システムを採用することにより、後輪軸にも、駆動力がフロントエンジンから伝達されるものを用いている。
【0036】
このハッチバック車21の車体22の後部23には、一対のリヤピラー24,24が設けられている。このリヤピラー24,24は、後部ハッチ開口部の周縁を構成する両側縁に上下方向に沿って延設され、車両前方に向けて所定角度で傾斜されている。
【0037】
このリヤピラー24,24の下方には、ホイルハウス29,29が位置して、これらのホイルハウス29,29上面から各リヤピラー24が上方へ向けて延設されて主に構成されている。
【0038】
このうち、前記リヤピラー24は、略ハット型断面形状のピラーアウタ部材25及びピラーインナ部材26とを各前,後フランジ部25a,25b及び26a,26bで接合して、水平方向閉断面27が形成されている。この水平方向閉断面27内には、図示省略のハーネス,ウォッシャチューブ,サンルーフドレインホース等を挿通させるために、所定の閉断面積を有している。
【0039】
このピラーインナ部材26内の凹部には、外側方に膨出する断面略ハット状のリヤピラーレインフォース部材28が、設けられている。
【0040】
また、前記リヤピラー24下縁に設けられたホイルハウス29は、ホイルハウスアウタ部材30及びホイルハウスインナ部材31とから主に構成されている。
【0041】
このうち、ホイルハウスインナ部材31は、図1に示すように、ホイルハウス本体31aから上方に膨出して、リヤサスペンション4を収納するストラットタワー部31bを有すると共に、周縁に、前記ホイルハウスアウタ部材30のホイルハウス本体30aの周縁のフランジ部30bに接合するフランジ部31cが一体に設けられている。これらのフランジ部30b,31cでは、上端30c,31dが、前記各ホイルハウス本体30a,31aの外周縁から所定距離h上方に位置する接合箇所31eを有するように構成されている。
【0042】
前記リヤピラーレインフォース部材28には、前記ホイルハウス本体30aの上面に接続される下側フランジ部28aと、この下側フランジ部28aから上方へ向けて延設されて、外側に凸状の凹部を形成する前,後壁部及び側壁部28b,28c,28dと、この前,後壁部28b,28cから前後方向へ延設される前,後フランジ部28e,28fとを有している。これらの前,後フランジ部28e,28fの側端縁は、各々図4に示すように前記前,後フランジ部25a,25b及び26a,26b間に挟持されて接合されている。
【0043】
そして、これらの前,後壁部及び側壁部28b,28c,28dによって、車外側方向に膨出された略ハット状の開口部28hが形成されている。
【0044】
また、前記側壁部28dには略円形又は略楕円形の肉抜き開口28i…が複数形成されている。
【0045】
更に、この実施の形態1では、図3に示すように、前記リヤピラーレインフォース部材28が、前記ピラーアウタ部材25のウエストライン25c近傍で車両側面視でくの字を呈する様に前方へ所定角度α屈折されていて、稜線28gの延長線上で、前記ピラーインナ部材26の内側に、図10に示すようなブラケット33aを介してリヤシートベルトアンカブラケット33が配設されている。
【0046】
また、このリヤピラーレインフォース部材28の内側には、ブレース部材34が車幅方向に重合されて設けられている。
【0047】
このブレース部材34は、前記リヤピラー24内で上方へ向けて延設されるアッパ部35と、このアッパ部35と一体に形成されて、車外側方向に膨出された略コ字状を呈するロア部36とを有して主に構成されている。
【0048】
このうち、前記アッパ部35は、図4に示すように略平板状を呈して、このアッパ部35に対応する高さの前記リヤピラーレインフォース部材28に形成された開口部28hの前,後フランジ部28e,28f間が、このアッパ部35の前,後縁部35a,35bに各々接合されている。
【0049】
また、前記ロア部36は、図7に示すように膨出面部36a及び前,後壁部36b,36cによって、水平断面略コ字状を呈して、前記リヤピラーレインフォース部材28の前,後壁部28b,28cに接合される接合部36dを前記アッパ部35が連設される位置から、下方に向けて延設されている。この接合部36dは、上下方向で、前記リヤピラーレインフォース部材の前,後フランジ部28e,28f側端縁と前記ホイルハウスアウタ部材30及びホイルハウスインナ部材31のフランジ部30b,31cの上端30c,31dとを接合した前記接合箇所31eの上,下に跨るように構成されている。
【0050】
そして、このロア部36では、前記膨出面部36aが、前記ホイルハウスアウタ部材30がピラーインナ部材26等と接合される位置から車幅方向に間隔wを開けて車外側の水平方向閉断面27内に位置するように構成されている。
【0051】
このロア部36の前記膨出面部36aには、略楕円形の肉抜き開口36eが形成されている。更に、この実施の形態1では、図9に示すように、前記リヤピラーレインフォース部材28の上端縁近傍では、前記ショルダアンカ部材37が装着される平板状ブラケット38が、前,後フランジ部38a,38bを前記前,後フランジ部28e,28fに接合されて設けられると共に、装着面部38cが前記ピラーインナ部材26の内側側面に対向されて隣接配置されている。
【0052】
次に、この実施の形態1の作用について説明する。
【0053】
この実施の形態1の車両後部構造では、前記ブレース部材34のロア部36の前,後壁部36b,36cのうち、前記リヤピラーレインフォース部材28の前,後壁部28b,28cに接合される接合部36dが、前記リヤピラーレインフォース部材28の前,後フランジ部28e,28fと前記ホイルハウスアウタ部材30及びホイルハウスインナ部材31の上端30c,31dとを接合した接合箇所31eの上端に対して上,下に跨るように配設されている。
【0054】
このため、前記ホイルハウス29から伝達される車幅方向のサスペンション入力荷重は、前記リヤピラーレインフォース部材28と前記ブレース部材34とによって形成される水平方向閉断面27及び入力荷重を有利なせん断方向で受ける前記接合部36dによって受け止められる。
【0055】
図7に示すように、前記膨出面部36aが、前記ホイルハウスアウタ部材30がピラーインナ部材26等と接合される位置から車幅方向に間隔wを開けて車外側の水平方向閉断面27内に位置するので、前記ストラットタワー部31bの側方位置では、二重の水平方向閉断面27形状が構成されていて、前記ピラーアウタ部材25のウエストライン25cの近傍での屈曲変形が抑制される。
【0056】
そして、このサスペンション入力荷重は、前記リヤピラー24内部に設けられるリヤピラーレインフォース部材28と共に、このブレース部材34のロア部36から一体に設けられたアッパ部35を介して、前記リヤピラー24に伝達されてリヤピラー24に吸収される。
【0057】
このため、リヤピラー24にサスペンション入力荷重を効率良く吸収させることが出来る。
【0058】
しかも、前記ブレース部材34は、リヤピラー24内部に設けられるリヤピラーレインフォース部材28へ、前記車幅方向に重合されて、リヤピラー24内部の水平方向閉断面27内に位置しているので、スペース効率が良好である。このように、ブレース部材34を追加する簡易な構造で所望の強度を容易に得ることが出来るため、重量を増大させる虞が減少する。
【0059】
また、図4に示すように、前記開口部28hの前,後に位置する前,後フランジ部28e,28fが、平板状の前記アッパ部35の前,後縁部35a,35bに各々接合されて、このアッパ部35で連結されるので、開口部28hが口開き方向に開口変形する虞がない。
【0060】
また、この実施の形態1では、前記リヤピラーレインフォース部材28の上部の開口部28hが、前記平板状ブラケット38の前,後フランジ部38a,38bを前記前,後フランジ部28e,28fに接合されることにより連結されているので、更に、開口部28hが口開き方向に開口変形する虞がない。
【0061】
このため、前記リヤピラー24,24の内倒れが更に抑制されて、容易に所望の剛性を得ることが出来る。
【0062】
そして、前記後部ハッチ開口部の周縁に、サスペンション入力荷重を有効に受け止められる所望の剛性を有する前記リヤピラー24,24が、左,右一対延設されているので、前記リヤパーセルシェリフ及び、前記ベルトラインレインフォース部材等の他の補強部材を設ける必要が無く、重量の増加も抑制される。
【0063】
従って、例えば、3ドアタイプ等のハッチバック車21等、車体後部に開口部を有して、補強部材の配設スペースが確保しにくい車両等に用いて好適である。
【0064】
また、この実施の形態1では、前記リヤピラーレインフォース部材28が、前記ピラーアウタ部材25のウエストライン25a近傍で車両側面視でくの字を呈する様に前方へ所定角度α屈折されていて、稜線28gの延長線上にリヤシートベルトアンカブラケット33が配設されている。
【0065】
このため、前記ブレース部材34のロア部36は、前記リヤシートベルトアンカブラケット33を回避して前記ホイルハウスアウタ部材30のホイルハウス本体30a上面に接続されていても、シートベルト張設力が、リヤピラー24延設方向に沿って作用して支持剛性を良好なものとすることが出来る。また、前記ピラーインナ部材26の内側に、図10に示すようなブラケット33aが配設されているので、ピラーインナ部材26にシートベルト挿通用の開口を形成する必要が無く、この点においてもリヤピラー24剛性の低下を抑制出来る。
【0066】
以上、この発明の実施の形態1を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態1に限らず、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。
【0067】
例えば、この実施の形態1の車両後部構造では、前記ショルダアンカ部材37が装着される平板状ブラケット38が、前,後フランジ部38a,38bを前記前,後フランジ部28e,28fに接合されて設けられているが、特にこれに限らず、一方又は双方の前,後フランジ部38a,38bを、図9中二点鎖線に示すように車外側に屈曲させると共に、前,後壁部28b,28cに各々内接させて接合させてもよい。
【0068】
また、前記実施の形態1では、アッパ部35をブレース部材34と一体に形成しているが、別体に形成してもブレース部材34上部に対応する高さからリヤピラー24上方に向かって、前記リヤピラーレインフォース28の車内側に、略平板状を呈するアッパ部35を延設してあればよい。
【0069】
更に、前記実施の形態1では、3ドアタイプのハッチバック車21を用いて説明してきたが、特にこれに限らず、例えば、5ドアタイプのハッチバック車等、後部ハッチ開口部の周縁を構成する両側縁に上下方向に沿って延設されているリヤピラー24,24を有するものであるならばよく、ハッチの開放方向も、横開きハッチ、上開きハッチ等どのような方向に開放されるものであってもよい。
【0070】
【発明の効果】
以上説明してきたように、請求項1記載の発明によれば、前記ブレース部材の前,後壁部のうち、前記リヤピラーレインフォース部材の前,後壁部に接合される接合部が、前記リヤピラーレインフォース部材の前,後フランジ部と前記ホイルハウスアウタ部材及びホイルハウスインナ部材の上端フランジ部とを接合した接合箇所の上端に対して上,下に跨るように配設されている。
【0071】
このため、前記ホイルハウスから伝達される車幅方向のサスペンション入力荷重は、前記リヤピラーレインフォース部材と前記ブレース部材とによって形成される水平方向閉断面、及び入力荷重を有利なせん断方向で受ける前記接合部によって受け止められる。
【0072】
そして、該サスペンション入力荷重は、前記リヤピラー内部に設けられるリヤピラーレインフォース部材と共に、該ブレース部材を介して、前記リヤピラー上部に伝達されてリヤピラー全体に吸収される。
【0073】
このため、該リヤピラーにサスペンション入力荷重を効率良く吸収させることが出来る。
【0074】
しかも、前記ブレース部材は、リヤピラー内部に設けられるリヤピラーレインフォース部材へ、前記車幅方向に重合されているので、スペース効率が良好であり、簡易な構造で所望の強度を容易に得ることが出来るため、重量を増大させる虞が減少する。
【0075】
また前記開口部の前,後フランジ部が、平板状の前記アッパ部によって連結されるので、口開き方向に開口変形する虞がない。
【0076】
このため、前記リヤピラーの内倒れが更に抑制されて、容易に所望の剛性を得ることが出来る。
【0077】
そして、請求項に記載されたものでは、前記後部ハッチ開口部の周縁に、サスペンション入力荷重を有効に受け止められる所望の剛性を有する前記リヤピラーが、延設されているので、前記リヤパーセルシェリフ及び、前記ベルトラインレインフォース部材等を設ける必要が無く、重量の増加も抑制される。
【0078】
従って、例えば、3ドアタイプ等のハッチバック車等、車体後部に開口部を有して、補強部材の配設スペースが確保しにくい車両等に用いて好適である、という実用上有益な効果を発揮し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1の車両後部構造で、全体の構成を説明する分解斜視図である。
【図2】実施の形態1の車両後部構造で、車体の側面図である。
【図3】実施の形態1の車両後部構造で、ピラーアウタ部材を外した車体後部の要部の構成を説明する側面図である。
【図4】実施の形態1の車両後部構造で、図2中A−A線に沿った位置での断面図である。
【図5】実施の形態1の車両後部構造で、図3中B−B線に沿った位置での断面図である。
【図6】実施の形態1の車両後部構造で、ブレース部材の側面図である。
【図7】実施の形態1の車両後部構造で、図3中C−C線に沿った位置での断面図である。
【図8】実施の形態1の車両後部構造で、要部の拡大断面図である。
【図9】実施の形態1の車両後部構造で、図3中D−D線に沿った位置での断面図である。
【図10】実施の形態1の車両後部構造で、図3中E−E線に沿った位置での断面図である。
【図11】一従来例の車両の側面図である。
【図12】一従来例の車両の後部構造で、図11中F−F線に沿った位置での断面図である。
【図13】他の従来例の車両の側面図である。
【図14】他の従来例の車両の後部構造で、リヤアウタパネル部材を外した車体後部の要部の構成を説明する斜視図である。
【図15】他の従来例の車両の後部構造で、図14中G−G線に沿った位置での断面図である。
【符号の説明】
21 ハッチバック車(車両)
22 車体
23 後部
24 リヤピラー
25 ピラーアウタ部材
25a 前フランジ部
25b 後フランジ部
26 ピラーインナ部材
26a 前フランジ部
26b 後フランジ部
27 水平方向閉断面
28 リヤピラーレインフォース部材
28b 前壁部
28c 後壁部
28h 開口部
29 ホイルハウス
30 ホイルハウスアウタ部材
30c 上端(上端フランジ部)
31 ホイルハウスインナ部材
31d 上端(上端フランジ部)
31e 接合箇所
34 ブレース部材
35 アッパ部
35a 前縁部
35b 後縁部
36 ロア部
36b 前壁部
36c 後壁部
36d 接合部

Claims (2)

  1. 略ハット型断面形状のリヤピラーアウタ部材及びリヤピラーインナ部材とを前,後フランジ部で接合して、水平方向閉断面を形成したリヤピラーと、前記リヤピラー下縁に設けられて、ホイルハウスアウタ部材及びホイルハウスインナ部材とからなるホイルハウスと、前記リヤピラー内部に設けられて外側方に膨出する断面略ハット状のリヤピラーレインフォース部材とを有する車両後部構造において、
    前記リヤピラーレインフォース部材の下縁に対し、該リヤピラーレインフォース部材の前,後フランジ部と前記ホイルハウスアウタ部材及びホイルハウスインナ部材の上端フランジ部とを接合した接合個所の上端が高くなるように配置し、前記リヤピラーレインフォース部材には、車外側方向に膨出された略コ字状を呈するブレース部材を車幅方向に重合すると共に、該ブレース部材の前,後壁部が前記リヤピラーレインフォース部材の前,後壁部に接合される接合部を、前記接合箇所の上端に対して上,下に跨るように配設し、さらに前記ブレース部材の上部に対応する高さからリヤピラー上方に向かって、前記リヤピラーレインフォースの車内側には、略平板状を呈するアッパ部を延設すると共に、該アッパ部に対応する高さの前記リヤピラーレインフォース部材に設けられた前記車外側方向に膨出された略ハット状の開口部の前,後フランジ部を、該アッパ部の前,後縁部に各々接合したことを特徴とする車両後部構造。
  2. 前記リヤピラーは、後部ハッチ開口部の周縁に延設されていることを特徴とする請求項1記載の車両後部構造。
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