JP3653514B2 - 撹拌バケット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、バックホー等のショベル系掘削機のアーム先端に取り付けて使用する撹拌作業用のバケットに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、刈り取った草や伐採した樹木等を焼却処理することが、法律上規制されたため、それら刈草や樹木を粉砕した樹木片からコンポストを作ることが行われている。コンポストを作るためには、それら刈草や樹木片を、微生物や水分と混合撹拌しなければならないが、撹拌対象物が大量にある場合は、バックホー等のショベル系掘削機のバケットで、その撹拌対象物をすくい取ったり落としたりして、撹拌することが行われている。
【0003】
このような撹拌作業に利用できるバケットとして、例えば、以下の特許文献1には、底面に網状部を形成したバケットが記載されている。このバケットは、前記網状部を使って、すくい取った撹拌対象物をほぐしながら落とすことが可能である。
【0004】
また、以下の特許文献2には、地盤を混合撹拌するためのミキシングフォークが記載されている。このミキシングフォークは、複数のフォークブレードと支持ロットとが網状に組み立てられてなり、その先端部には刃部が設けられている。そして、その刃部で地盤を掘削しながら、フォークブレードですき取り削土を撹拌することができる。
【0005】
さらに、以下の特許文献3には、土砂の除礫作業を行うための土砂ふるい落し装置が記載されている。この土砂ふるい落し装置は、上面、側面及び底面が網状に形成された箱形のふるい落し装置本体を備え、その装置本体の上面の開口部には、刃部が設けられている。そして、その刃部を利用して開口部から装置本体内に土砂を掻き込むとともに、その装置本体の網目から掻き込んだ土砂等をふるい落とすことができる。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−192496号公報
【特許文献2】
特開2001−90059号公報
【特許文献3】
特開2001−73401号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のバケット等には、撹拌対象物をすくい取るための刃部が一箇所にしか設けられておらず、撹拌対象物をすくい取る際のバケット移動方向が一方向に限られていた。すなわち、ショベル系掘削機から見てバケットの手前側に刃部が設けられている場合、そのバケットよりも手前側の撹拌対象物しかすくい取ることができず、バケットの奥側に刃部が設けられている場合、奥側の撹拌対象物しかすくい取ることができなかった。そのため、ショベル系掘削機のアームを揺動させて、バケットを往復させても、そのバケットは、往路又は復路のどちらか一方で撹拌対象物をすくい取るだけで、アームを何度も往復させなければならなかった。
【0008】
また、従来のバケット等では、すくい取られた撹拌対象物の周囲が、壁面や網状部で囲まれており、刃部の設けられた一箇所だけが開放しているに過ぎなかった。そのため、すくい取った撹拌対象物を網状部の上方で激しく移動させようにも、前記壁面等が邪魔になって十分に移動させることができず、撹拌対象物をほぐしながら落とす作業の効率が悪かった。
【0009】
そこで、この発明は、上記不具合を解消し、アームを移動させた際のバケットの往路及び復路にて、撹拌対象物をすくい取ることができるとともに、すくい取った撹拌対象物を網状部の上方で激しく移動させることができるため、すくい取って落とす作業の効率が高く、ひいては撹拌能力の高い撹拌バケットを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、この発明の撹拌バケットは、バックホー等のショベル系掘削機のアーム先端に取り付けて、刈草や樹木片等の撹拌対象物を撹拌するための撹拌バケットであって、バケット本体が、前記アームの揺動する方向の両先端部分に設けられて撹拌対象物をすくい取るための一対のすくい刃と、それらすくい刃間に配されて、すくい取られた撹拌対象物を下方に落とすための網状部とを備え、このバケット本体における前記アームの揺動方向の両先端部側が開放状態とされて、撹拌バケットを揺らすことによって、前記すくい取られた撹拌対象物を、前記網状部からほぐし落とすとともに、前記バケット本体における前記アームの揺動方向の両先端部側からも放出可能とされている。
【0011】
具体的には、前記バケット本体は、その上面から立ち上がった1又は複数のブラケットを介して、アームの先端に取り付けられるものである。
【0012】
また、前記ブラケットは、上方に向って小幅となっている略扇形であって、その上端部において水平ロッドで連結されているとともに、その水平ロッドには、アーム先端に取り付けるため取付穴が形成された取付部が設けられている。さらに、前記すくい刃は、ブラケットのアーム揺動方向側の端縁から刃先が突出するようにして設けられている。
【0013】
その上、前記すくい刃及び/又は網状部は、前記アーム揺動方向において、そのすくい刃の刃先側が網状部の上面よりも高くなるように、その刃先側が上向きとなるような湾曲状又は傾斜状とされている。
【0014】
さらに、前記すくい刃は、アームの揺動方向に対して略直交する横方向に長い板状とされている。
【0015】
加えて、前記網状部の網目は、アーム揺動方向に長い長方形とされている。また、前記網状部の網目は、アーム揺動方向の長さが、約170mm〜190mmとされており、アーム揺動方向に対して直交する方向の長さが、約150mm〜170mmとされている。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、この発明の一実施形態に係る撹拌バケット(1)を示している。この撹拌バケット(1)は、図2に示すように、バックホー等のショベル系掘削機(2)のアーム(3)先端に、例えば四節リンク(4)を介して、アーム(3)の回転方向と同方向に角度の変更が可能な状態で取り付けられる。
【0017】
(5)は、バケット本体であって、一対のすくい刃(6)(6)と、それらすくい刃(6)(6)間に配された網状部(7)とからなる。
【0018】
網状部(7)は、すくい取った撹拌対象物を、ほぐしながら落とす部分である。この網状部(7)は、図3に示すように、例えば、アーム(3)が揺動する方向に沿って配された複数の主枠材(8)(8)…と、それら主枠材(8)(8)…と直交する方向に沿って配された複数の副枠材(9)(9)…とを、網板状に連結してなる。なお、網状部(7)は上記形状に限られるものではなく、例えば上面に複数の孔が設けられた板状のもの等であっても良い。
【0019】
主枠材(8)(8)…と副枠材(9)(9)…とで囲まれた隙間部分、すなわち網状部(7)の網目(10)(10)…は、アーム揺動方向に長い長方形となっており、具体的には、アーム揺動方向の長さ(L1)が約180mm、アーム揺動方向に対して直交する方向の長さ(L2)が約165mmである。この網目(10)(10)…の大きさは、撹拌対象物を効率良くすくい取って、網目(10)(10)…から効率良く落とす作業に適している。すなわち、撹拌対象物をすくい取る際に、その撹拌対象物が網目(10)(10)…から落ち難く、撹拌対象物を網目(10)(10)…から落とす際に、その撹拌対象物が僅かな振動でも落ちる大きさである。
【0020】
なお、網目(10)(10)…の大きさは、上記に限られないが、作業効率を考慮すれば、アーム揺動方向の長さ(L1)は約170mm〜190mm、アーム揺動方向に対して直交する方向の長さ(L2)は約150mm〜170mmが望ましい。
【0021】
また、網目(10)(10)…の形状は、アーム揺動方向に短い長方形や、円形又は楕円形等であっても良いが、アーム揺動方向に長いことが望ましい。すなわち、網目(10)(10)…に詰まろうとする撹拌対象物を落とすために、アーム(3)を揺動させて撹拌バケット(1)を揺らすことが行われるが、そのアーム(3)の揺れる方向に沿って網目(10)(10)…の形状が長ければ、前記詰まろうとする撹拌対象物の距離移動が長くなり、網目(10)(10)…から落とし易いためである。
【0022】
各主枠材(8)は、図4に示すように、側面側から見た形状が、例えば両端部が上方を向くようにして、中央部付近で折り曲げられた略く字形の板状である。また、各主枠材(8)の両端部下面には、図5に示すように、すくい刃(6)(6)を取り付けるための切欠き(11)(11)が夫々形成されている。さらに、各主枠材(8)の両端部は、先端先細りの形状であって、その上面は斜めにカットされたカット面(12)となっている。
【0023】
各副枠材(9)は、例えば丸棒状であって、主枠材(8)(8)…の側面を貫通するようにして、それら主枠材(8)(8)…に、例えば溶接により固着されている。なお、主枠材(8)(8)…及び副枠材(9)(9)…は、上記形状に限られるものではない。
【0024】
すくい刃(6)(6)は、例えばアーム揺動方向に対して略直交する横方向に長い板状であって、例えば、板状の刃部(13)と、その刃部(13)より肉薄板状の基台部(14)とが、それら刃部(13)の下面と基台部(14)の下面とが略面一となるようにして、溶接で一体に連結されてなる。
【0025】
刃部(13)は、摩耗を防ぐために、硬質の素材からできている。また、刃部(13)の刃先(15)は、下面が斜めにカットされた先端先細り形状となっている。なお、すくい刃(6)(6)は、それ全体が摩耗し難い硬質の素材からできていても良い。
【0026】
すくい刃(6)(6)は、撹拌対象物を網状部(7)の上面へとすくい取るためのものであって、バケット本体(5)におけるアーム揺動方向の両先端部分に設けられている。
【0027】
具体的には、すくい刃(6)(6)は、その基台部(14)(14)側を網状部(7)の主枠材(8)(8)…の切欠き(11)(11)…に嵌め込むようにして、その網状部(7)のアーム揺動方向の両先端部側に取り付けられている。また、すくい刃(6)(6)の上面は、網状部(7)の上面よりもやや低くなっており、すくい刃(6)(6)の下面は、網状部(7)の下面と略面一となっている。
【0028】
また、すくい刃(6)(6)は、網状部(7)の上面にすくい取った撹拌対象物を、撹拌バケット(1)の前後方向へ振り落とすための放出口も兼ねている。すなわち、すくい刃(6)(6)の網状部(7)に対する傾きは、撹拌バケット(1)を揺動させることによって、網状部(7)の上面の撹拌対象物をすくい刃(6)(6)の上方から放出することが可能な角度とされている。また、すくい刃(6)(6)及び網状部(7)は、アーム揺動方向において、そのすくい刃(6)(6)の刃部(13)(13)の刃先(15)(15)側が、網状部(7)の上面よりも高くなるように、それら刃先(15)(15)側が上向きとなるような傾斜状とされている。
【0029】
具体的には、図4に示すように、側面側から見た網状部(7)は、その両端部側が上方に夫々約5度ずつ傾いている。すなわち、中央部付近で約10度折り曲げられた略く字形となっている。また、側面側から見たすくい刃(6)(6)は、刃部(13)(13)の刃先(15)(15)側が、網状部(7)の端部よりも更に上方を向くように、網状部(7)に対して夫々約5度傾いている。
【0030】
すなわち、バケット本体(5)は、アーム揺動方向の両先端部側へ向けて、上方へ約5度ずつ2段階で傾斜しており、バケット本体(5)は、アーム揺動方向において、その中央付近が最も低く、両先端部が最も高くなっている。なお、網状部(7)及びすくい刃(6)(6)の傾斜角度は、上記に限定されるものではないが、夫々の傾斜角度は、0度〜約10度とすることが望ましく、両方の傾斜角度を合わせた角度すなわち水平面に対するすくい刃(6)(6)の傾斜角度は、約5度〜15度になることが望ましい。
【0031】
なお、すくい刃(6)(6)及び網状部(7)は、アーム揺動方向において、すくい刃(6)(6)の刃部(13)(13)の刃先(15)(15)側が網状部(7)の上面よりも高くなるように、それら刃先(15)(15)側が上向きとなるような湾曲状とされていても良い。また、網状部(7)又はすくい刃(6)(6)のいずれかのみが、傾斜状又は湾曲状とされていても良い。
【0032】
バケット本体(5)には、例えば上方に向って小幅となっている略扇形のブラケット(16)(16)(17)が、そのバケット本体(5)の上面から立ち上がるようにして設けられている。これらブラケット(16)(16)(17)は、バケット本体(5)のアーム揺動方向に対して直交する方向側の端縁に沿って設けられた一対の側面ブラケット(16)(16)と、それら側面ブラケット(16)(16)間の略中間位置に配された中央ブラケット(17)からなる。なお、撹拌バケット(1)の強度が十分に確保できていれば、中央ブラケット(17)を設けなくても良い。
【0033】
各ブラケット(16)(16)(17)の下端縁には、副枠材(9)(9)が貫通されており、それらブラケット(16)(16)(17)と副枠材(9)(9)とは、例えば溶接により固着されている。
【0034】
また、各ブラケット(16)(16)(17)の下端には、すくい刃(6)(6)の上面の形状に合わせた切欠き(18)(18)…が、夫々形成されており、それら切欠き(18)(18)…にすくい刃(6)(6)の基台部(14)側の端部が嵌め込まれ、それらブラケット(16)(16)(17)とすくい刃(6)(6)とが、例えば溶接により固着されている。なお、すくい刃(6)(6)は、刃部(13)(13)の刃先(15)(15)がブラケット(16)(16)(17)のアーム揺動方向側端縁から突出した状態で固着されている。
【0035】
ブラケット(16)(16)(17)は、その上端部において、アーム揺動方向に対して直交するようにして配された中空の水平ロッド(19)に連結されている。そして、この水平ロッド(19)とバケット本体(5)の上面との間の空間が、すくい取った撹拌対象物を保持するための空間となっている。なお、側面ブラケット(16)(16)と水平ロッド(19)との接合箇所は、夫々一対の略L字形のリブ(20)(20)によって補強されている。
【0036】
水平ロッド(19)には、一対の略逆三角形板状の取付部(21)(21)が、それら取付部(21)(21)にその水平ロッド(19)を貫通させるようにして、例えば溶接により固着されている。また、各取付部(21)(21)と水平ロッド(19)との接合箇所は、夫々リブ(22)(22)によって補強されている。
【0037】
各取付部(21)(21)には、水平ロッド(19)を挟んだ両側であってその水平ロッド(19)の上方位置に、アーム(3)先端に取り付けるための取付穴(23)(23)…が形成されている。また、それら取付穴(23)(23)…は、ボス(24)(24)…によって補強されている。
【0038】
次に、この撹拌バケット(1)を使用して、撹拌対象物を撹拌する作業について説明する。この撹拌バケット(1)は、刈草や樹木片等の撹拌対象物(25)をすくい取ったり、すくい取った撹拌対象物(25)をほぐしながら落とすために用いられる。
【0039】
すくい取り作業は、ブームシリンダ(26)の伸縮で揺動するブーム(27)と、アームシリンダ(28)の伸縮で揺動するアーム(3)とで、撹拌バケット(1)を移動させるとともに、作業用シリンダーロッド(29)の伸縮でその撹拌バケット(1)の角度を調整して、撹拌対象物(25)をすくい刃(6)(6)ですくい取るようにして行われる。このすくい取り作業の際、すくい刃(6)(6)が、バケット本体(5)のアーム揺動方向両先端部側に取り付けられているため、ショベル系掘削機(2)から見て撹拌バケット(1)の手前側にある撹拌対象物(25)も、奥側にある撹拌対象物(25)もすくい取ることができる。そのため、アーム(3)の揺動で往復する撹拌バケット(1)の往路及び復路のいずれにおいても、撹拌対象物(25)をすくい取ることが可能である。したがって、アーム(3)を揺動させる回数が減少するだけでなく、ショベル系掘削機(2)の移動も減少し、作業時間を短縮することができる。
【0040】
また、すくい刃(6)(6)の刃先(15)(15)側が網状部(7)の上面よりも高くなっているため、すくい取った撹拌対象物(25)がこぼれ落ち難く、一度に多量の撹拌対象物をすくい取ることができる。さらに、すくい刃(6)(6)は、アーム揺動方向に対して略直交する方向に長い板状とされているため、撹拌対象物(25)をすくい取り易い。
【0041】
撹拌対象物(25)を撹拌バケット(1)から落とす作業は、アーム(3)を揺動させる等して撹拌バケット(1)を揺らして、撹拌対象物(25)を網目(10)(10)…からほぐし落とすとともに、すくい刃(6)(6)の上方から放り落とすようにして行われる。
【0042】
この作業の際、バケット本体(5)のアーム揺動方向の両先端部側すなわちすくい刃(6)(6)の上方が開放しているため、撹拌対象物(25)を、網状部(7)上方でアーム揺動方向に沿って大きく滑るように移動させることが可能である。このようにすくい取った撹拌対象物(25)を動かすことができるため、網目(10)(10)…に撹拌対象物(25)が詰まり難く、作業の効率が良い。
【0043】
さらに、すくい刃(6)(6)の刃先(15)(15)側が網状部(7)の上面よりも高くなっているため、撹拌対象物(25)を網状部(7)上方で激しく揺り動かしても、その撹拌対象物(25)が刃先(15)(15)側からこぼれ落ち難い。なお、撹拌バケット(1)に図示しない起振動装置を取り付けて、作業効率をより向上させることも考えられる。
【0044】
また、バケット本体(5)のアーム揺動方向両先端部側すなわちすくい刃(6)(6)の上方が開放しているため、撹拌バケット(1)の前後両側にもすくい取った撹拌対象物(25)を放出することができる。したがって、網状部(7)の真下付近(30)及びその真下付近(30)を挟んだ前後両側付近(31)(31)に、撹拌対象物(25)を落とすことが可能で、その撹拌対象物(25)を広い範囲に亘って拡散させることができるため、十分に撹拌することができる。
【0045】
またその際、すくい刃(6)(6)の刃先(15)(15)側が網状部(7)の上面よりも高くなっているため、アーム(3)の揺動によりその撹拌対象物(25)をそれら刃先(15)(15)側に引っ掛けながら遠くまで振り飛ばすことができ、撹拌対象物(25)がより一箇所に固まって落ち難い。
【0046】
撹拌終了後の撹拌対象物(25)の上面は、撹拌バケット(1)のすくい刃(6)(6)を使ってならされる。ならし作業の際は、図6に示すように、バケット本体(5)の上面がショベル系掘削機(2)側を向くように撹拌バケット(1)を傾けて、その撹拌バケット(1)を地面(32)に沿ってショベル系掘削機(2)側に移動させることによって行われる。この際、すくい刃(6)(6)は、網状部(7)に対して約5度傾けられているため、バケット本体(5)の地面(32)に対する傾斜角度を大きくしながらも、下側のすくい刃(6)の地面(32)に対する傾斜角度をなるべく小さくすることができる。そのため、多くの撹拌対象物(25)を掻き集められるようにバケット本体(5)を立てても、すくい刃(6)はねかせることが可能である。したがって、そのすくい刃(6)で地面(32)を抉ってしまう虞が少なく、撹拌対象物(25)を撫でるように扱えるため、ならし作業が容易である。
【0047】
また、すくい刃(6)(6)は、ブラケット(16)(16)(17)のアーム揺動方向側の端縁から刃先(15)(15)が突出するようにして取り付けられているため、そのすくい刃(6)(6)の刃先(15)(15)を目視し易く、ならし作業がより容易である。
【0048】
なお、ならし作業は、図7に示すように、撹拌バケット(1)を、バケット本体(5)の下面がショベル系掘削機(2)側を向くように傾けて行っても良い。
【0049】
この発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正及び変更を加え得ることは勿論である。
【0050】
【発明の効果】
この発明の撹拌バケットは、バケット本体が、アーム揺動方向の両先端部分に設けられた一対のすくい刃と、それらすくい刃間に配された網状部とからなる。このように、すくい刃がアーム揺動方向の両先端部分に設けられているため、アームの揺動で往復させたバケットの往路及び復路において、撹拌対象物をすくい取ることが可能である。したがって、アームを揺動させる回数が減少するとともに、ショベル系掘削機の移動も減少するため、作業時間を短縮できる。また、バケット本体のアームの揺動方向の両先端部側は、すくい刃が設けられているため開放状態となっており、撹拌対象物をほぐしながら落とす作業の際、網状部の上方の撹拌対象物を、アームの揺動方向に大きく移動させることが可能で、網状部の網目に撹拌対象物が詰まり難い。さらに、バケット本体のアームの揺動方向両先端部側からも撹拌対象物を放出すことが可能であり、前記すくい取った撹拌対象物を広範囲に亘って落として拡散させ十分に撹拌することができる。本発明者による実機試験では、既存のバケット使用して撹拌する場合に比べ、約4倍〜5倍のスピードで撹拌することができた。
【0051】
また、すくい刃及び網状部が、アーム揺動方向において、すくい刃の刃先側が上向きとなるような湾曲状又は傾斜状とされているため、すくい取った撹拌対象物が刃先側からこぼれ落ち難く、一度により多量の撹拌対象物をすくいとれることができるとともに、網状部の上方の撹拌対象物を激しく揺り動かすことが可能である。また、すくい取った撹拌対象物を、刃先に引っ掛けて遠くまで振り飛ばすこともでき、撹拌効率が高い。さらに、ならし作業の際、バケット本体の傾斜角度を大きくしながらも、すくい刃の傾斜角度を小さくすることができ、ならし作業が容易である。
【0052】
さらに、すくい刃は、ブラケットのアーム揺動方向側の端縁から刃先が突出するようにして設けられているため、ならし作業の際、刃先の位置確認が容易である。
【0053】
加えて、すくい刃は、アームの揺動方向に対して略直交する方向に長い板状とされているため、撹拌対象物をすくい取り易い。また、網状部の網目は、アームが揺動する方向に長い長方形とされているため、アームを揺動させて撹拌バケットを揺らした際、網目に詰まろうとする撹拌対象物がそのアームの揺れる方向に沿って長い距離を移動し、目詰まりが起こり難い。
【0054】
さらに、網状部の網目は、アーム揺動方向の長さを約170mm〜190mmに、アーム揺動方向に対して直交する方向の長さを約150mm〜170mmにすることによって、撹拌対象物をすくい取る際には、その撹拌対象物が落ち難く、落とす際には落ち易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施形態に係る撹拌バケットを示す斜視図である。
【図2】撹拌バケットの使用状態を示す図である。
【図3】撹拌バケットの水平断面図である。
【図4】撹拌バケットの縦断面図である。
【図5】すくい刃の一部を示す拡大斜視図である。
【図6】ならし作業を説明する図である。
【図7】同じく、ならし作業を説明する図である。
【符号の説明】
(1) 撹拌バケット
(2) ショベル系掘削機
(3) アーム
(5) バケット本体
(6) すくい刃
(7) 網状部
(10) 網目
(15) 刃先
(16)(17) ブラケット
(19) 水平ロッド
(21) 取付部
(23) 取付穴
(25) 撹拌対象物
Claims (8)
- バックホー等のショベル系掘削機のアーム先端に取り付けて、刈草や樹木片等の撹拌対象物を撹拌するための撹拌バケットであって、バケット本体が、前記アームの揺動する方向の両先端部分に設けられて撹拌対象物をすくい取るための一対のすくい刃と、それらすくい刃間に配されて、すくい取られた撹拌対象物を下方に落とすための網状部とを備え、このバケット本体における前記アームの揺動方向の両先端部側が開放状態とされて、撹拌バケットを揺らすことによって、前記すくい取られた撹拌対象物を、前記網状部からほぐし落とすとともに、前記バケット本体における前記アームの揺動方向の両先端部側からも放出可能とされていることを特徴とする撹拌バケット。
- 前記バケット本体は、その上面から立ち上がった1又は複数のブラケットを介して、アームの先端に取り付けられるものである請求項1記載の撹拌バケット。
- 前記ブラケットは、上方に向って小幅となっている略扇形であって、その上端部において水平ロッドで連結されているとともに、その水平ロッドには、アーム先端に取り付けるため取付穴が形成された取付部が設けられている請求項2記載の撹拌バケット。
- 前記すくい刃は、ブラケットのアーム揺動方向側の端縁から刃先が突出するようにして設けられている請求項2又は3記載の撹拌バケット。
- 前記すくい刃及び/又は網状部は、前記アーム揺動方向において、そのすくい刃の刃先側が網状部の上面よりも高くなるように、その刃先側が上向きとなるような湾曲状又は傾斜状とされている請求項1乃至4のいずれかに記載の撹拌バケット。
- 前記すくい刃は、アームの揺動方向に対して略直交する横方向に長い板状とされている請求項1乃至5のいずれかに記載の撹拌バケット。
- 前記網状部の網目は、アーム揺動方向に長い長方形とされている請求項1乃至6のいずれかに記載の撹拌バケット。
- 前記網状部の網目は、アーム揺動方向の長さが、約170mm〜190mmとされており、アーム揺動方向に対して直交する方向の長さが、約150mm〜170mmとされている請求項1乃至7のいずれかに記載の撹拌バケット。
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Publications (2)
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