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JP3653376B2 - 燃焼装置 - Google Patents

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JP3653376B2
JP3653376B2 JP16735997A JP16735997A JP3653376B2 JP 3653376 B2 JP3653376 B2 JP 3653376B2 JP 16735997 A JP16735997 A JP 16735997A JP 16735997 A JP16735997 A JP 16735997A JP 3653376 B2 JP3653376 B2 JP 3653376B2
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英樹 伊藤
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料と一次空気とを混合部で混合し、この混合気をバーナヘッドより噴出させて燃焼させるようにした燃焼装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の燃焼装置としては、たとえば、特開平8−5021号公報に示されるように、バーナ本体と、このバーナ本体の外周に設けられた有底筒状のバーナケースと、このバーナケースに連設され、内部において火炎が形成される燃焼筒と、前記バーナケースに連設され、前記バーナ本体に燃焼用空気を供給する送風機とを備え、前記バーナ本体には、前記送風機から燃焼用空気が供給されるとともに、燃料を噴霧する燃料ノズル、および、この燃料ノズルから供給された燃料を遠心力を利用して飛散気化させて前記燃焼用空気と混合する回転霧化器を具備した気化室が設けられ、さらに、前記バーナケースとバーナ本体の間には、前記送風機から供給される燃焼用空気の一部を分岐させて前記燃焼筒内へ送り込む二次空気供給路が形成されている。
【0003】
そして、前記二次空気供給路の、前記燃焼筒に対峙させられる端部には、図4に示すように、環状の二次空気制御板1が設けられ、この二次空気制御板1には、同一形状を有し、かつ、前記二次空気供給路と燃焼筒との連通をなす二次空気噴出孔2が周方向に所定間隔をおいて複数設けられている。
【0004】
このような従来の燃焼装置では、前記気化室の側壁を加熱した後に、この気化室に燃料ノズルによって燃料を噴霧するとともに、送風機によって燃焼用の一次空気を供給し、これらの一次空気と燃料とを回転霧化器によって前記気化室の内壁へ飛散させることにより、前記気化室の側壁の熱によって気化させるとともに、所定の空燃比を有する混合気を生成し、混合気をバーナヘッドから噴出させて点火することによって火炎を形成し、さらに、この火炎の外周に、前記二次空気制御板1の二次空気噴出孔2を介して二次空気を供給することにより、火炎の二次燃焼を促進させるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述の燃焼装置においては、通常、燃焼能力が、たとえば、強燃焼と弱燃焼のように多段階に調整可能であることが殆どである。
【0006】
これは、たとえば、燃焼装置が給湯器等の熱源機に用いられるものであると、要求された温水温度が高い場合と低い場合に、あるいは、温水暖房装置等の熱源機に用いられるものであると、要求熱量が大きい場合と小さい場合等に、前述した多段階の燃焼制御が行なわれる。
【0007】
そして、このような燃焼制御は、燃焼装置に供給される燃料ならびに燃焼用空気の供給量の調整によって行なわれるが、特に、二次空気を供給する二次空気噴出孔2が同じ孔径に形成されていることから、たとえば、これらの二次空気噴出孔2の孔径を、強燃焼に適した大きさに形成した場合、弱燃焼時には二次空気噴出孔2から噴出する二次空気の流速が著しく低下してしまい、この結果、二次空気流によって火炎の広がりを抑制することができず、前記燃焼筒等が異常に過熱されてしまうことが想定される。
【0008】
また、このような不具合を抑制するために、弱燃焼時における二次空気量を多くすることが考えられるが、二次空気量の増加に伴って一次空気量も増加してしまうことから、燃料量と一次空気量とのバランスが崩れて、過剰空気によるリフティング燃焼を起こし、騒音を発生するといった不具合が生じ、有効な手段とはなり得ていない。
【0009】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、燃焼状態を変化させた場合においても、火炎形状を最適に保持するとともに騒音の発生を抑制することのできる燃焼装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の燃焼装置は、前述した目的を達成するために、燃料と一次空気とを混合する混合部と、この混合部からの混合気を燃焼させるバーナヘッドと、このバーナヘッドに形成される火炎の外周に二次空気を供給する多数の環状に並べて設けられた二次空気噴出孔とを備えるとともに、燃料供給量および空気供給量を調整して燃焼能力を切換え可能とした燃焼装置において、前記二次空気噴出孔が、全周にわたって交互に設けられた孔径の異なる大小複数種類の孔で形成されていることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図1ないし図3を参照して説明すれば、図1中、符号10は、本実施形態に係わる燃焼装置が適用された温水暖房装置の熱源機を示し、この熱源機10は、ハウジング11と、このハウジング11内に設けられた温水加熱器12と、この温水加熱器12に被加熱水を供給する循環ポンプ13と、リザーブタンク14と、前記温水加熱器12に併設された本実施形態に係わる燃焼装置15とを備えている。
【0013】
ついで、前記燃焼装置15について詳述すれば、この燃焼装置15は、図2に示すように、有底筒状のバーナケーシング16と、このバーナケーシング16の底部外方に併設されたファンケーシング17と、前記バーナケーシング16の開口部分に連設された燃焼筒18と、前記バーナケーシング16の内部に装着されたバーナ本体19と、前記ファンケーシング17内に設置された送風ファン20と、前記ファンケーシング17の外部に装着されて、前記送風ファン20を回転駆動するモータ21とを備えている。
【0014】
前記バーナ本体19は、有底筒状に形成されており、軸方向の中間部には、その内部を2分割するようにバーナヘッドとしてのバーナプレート22が取り付けられ、このバーナプレート22には、多数の炎孔22aが形成され、また、このバーナプレート22と前記バーナ本体19の底部との間の空間部が混合部としての気化室Aとなされ、さらに、この気化室Aを形成する周壁には、この周壁を加熱するシーズヒータ等の気化用電気ヒータ23が埋設されている。
【0015】
また、前記バーナ本体19の底部中央およびバーナケーシング16の底部中央には貫通孔19a・16aが形成され、これらの貫通孔19a・16aには前記ファンケーシング17の送風口17aが対峙させられており、この送風口17aから送り込まれる燃焼用空気が前記貫通孔19a・16aを介して前記気化室Aへ一次空気として供給されるようになされている。
【0016】
さらに、前記気化室Aの内部で、前記バーナプレート22の近傍には、後述する混合気の流路を絞り込む絞り板24が設けられ、この絞り板24と前記バーナ本体19の底部との間には、燃料を気化室Aの内壁面へ向けて飛散させるとともに、前記貫通孔19a・16aを介して供給される一次空気と気化燃料とを攪拌して混合する回転霧化器25が設けられている。
【0017】
そして、この回転霧化器25は、前記送風ファン20の回転軸26に取り付けられて、この送風ファン20とともに回転駆動させられるようになっている。
【0018】
一方、前記バーナケーシング16の底部で、前記貫通孔16aを取り巻く位置には、周方向に間隔をおいて多数の二次空気供給孔16bが形成されており、後述する蓄気室Bは、前記バーナケーシング16とファンケーシング17との間に介装されたシール材27に形成されている連通孔27a、および、前記ファンケーシング17に形成されている二次空気吐出孔17bを介して、前記ファンケーシング17に連通させられている。
【0019】
また、前記バーナケーシング16とバーナ本体19との間には、環状の蓄気室Bが形成され、この蓄気室Bには、前記送風ファン20から送り込まれる燃焼用空気の一部が、二次空気として供給されるようになされている。
【0020】
一方、前記蓄気室Bの下流側の端部には、この蓄気室Bの端部を覆うようにして二次空気制御板28が設けられており、この二次空気制御板28には、二次空気を前記蓄気室Bから前記バーナ本体19の前方へ送り込むための二次空気噴出孔28a・28bが形成されている。
【0021】
さらに詳述すれば、前記二次空気制御板28は、大径部29と小径部30とを備えており、その小径部29が、前記バーナ本体19の開口部外周に嵌合させられるとともに、この外周に形成されている段部19bに当接させられてこのバーナ本体19の所定位置に係合され、かつ、大径部29の先端部に連設されているフランジ29aが、前記バーナケーシング16と燃焼筒18との接続部において挟持されることにより、前記バーナ本体19とともに、前記バーナケーシング16と燃焼筒18との間で挟持固定されるようになされている。
【0022】
そして、前記二次空気噴出孔28a・28bは、図3に示すように、周方向に間隔をおいて多数形成されており、本実施形態では、大小2種類の孔径に形成されて交互に配置され、その開口面積の比率は燃焼装置15の能力等によっても異なるが、たとえば、2:1に設定される。
【0023】
さらに、図2中符号31は、前記バーナ本体19の側壁に取り付けられたバーナサーミスタであり、32は、バーナプレート22の前方に位置させられた点火プラグ、33はフレームロッド、また、符号34は、前記ファンケーシング17の送風口17aから前記回転霧化器25の基端部へ向けて延設され、この回転霧化器25へ燃料を噴霧する燃料供給ノズル、符号35は、前記ファンケーシング17の壁部に設けられた吸気口である。
【0024】
ついで、このように構成された本実施形態に係わる燃焼装置15の作用について説明すれば、点火時においては、気化用電気ヒータ23が通電されてバーナ本体19が加熱され、このバーナ本体19の温度が所定温度に到達した時点で、前記送風ファン20が駆動されるとともに、前記燃料供給ノズル34から燃料が回転中の回転霧化器25へ供給され、この燃料は気化室Aの内壁面に向かって飛散し、この内壁面と接触して気化される。
【0025】
一方、前記送風ファン20から供給される燃焼用空気の一部は、図2に矢印イで示すように、一次空気として前記送風口17aからバーナ本体19の気化室Aへ供給されて、この気化室Aで気化燃料と混合され、この混合気は、前記絞り板24を経てバーナプレート22の炎孔22aからバーナ本体19の前方へ吐出され、この時点で前記点火プラグ32による点火動作が行なわれて着火され、図2に符号Fで示すように、バーナプレート22の前方に火炎が形成されて燃焼が開始される。
【0026】
一方、前記送風ファン20から供給される燃焼用空気の残余の部分は、前記二次空気吐出孔17b、連通孔27a、および、二次空気供給孔16bを経て前記蓄気室Bへ送り込まれた後に、その下流側に設けられている二次空気制御板28に形成されている二次空気噴出孔28a・28bから、前記火炎Fへ向けてその外周部から供給され、これによって、前記火炎Fの二次燃焼が促進される。
【0027】
ここで、燃焼が強燃焼である場合には、前記二次空気の供給量が多く、したがって、前記大径の二次空気噴出孔28aから噴出される二次空気の流速が速く、その前方に形成されている火炎Fが設定された範囲内に絞り込まれて、安定した燃焼が維持され、また、火炎Fの広がりによる燃焼筒18の過熱が防止されて、燃焼筒18を保護することができる。
【0028】
また、前記燃焼が弱燃焼である場合には、燃焼用空気の供給量が全体として減少させられることにより、前記大径の二次空気噴出孔28aから供給される二次空気の流速は低下するものの、小径の二次空気噴出孔28bが形成されていることにより、この小径の二次空気噴出孔28bによって、前記二次空気の流速が速められる。
【0029】
したがって、弱燃焼時においても、前記火炎Fの外周部に十分な流速を有する二次空気が供給されることとなり、これによって、前記火炎Fの広がりが抑制され、前述した燃焼筒18の過熱が防止されて、燃焼筒18を保護することができる。
【0030】
さらに、弱燃焼時における二次空気の流速が確保されることにより、燃焼用空気の全体としての供給量を増やす必要がなくなり、これに伴い、弱燃焼時における燃料量と一次空気量のバランスが保たれ、この結果、火炎Fが前記バーナプレート22から浮き上がるリフティング燃焼が防止され、燃焼騒音の発生が抑制される。
【0031】
なお、前記実施形態において示した各構成部材の諸形状や寸法等は一例であって設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0032】
たとえば、前記大径の二次空気噴出孔28aと小径の二次空気噴出孔28bの面積率は一例であって、燃焼装置15に対する要求能力等に応じて変更可能であり、その孔径の種類も、2種類以上であってもよいものである。
【0033】
また、一実施形態として石油等の液体燃料を気化させて燃焼させる液体燃料燃焼装置について説明したが、プロパンガスや都市ガス等の気体燃料を燃焼させる気体燃料燃焼装置であってもよい。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の燃焼装置においては、燃料と一次空気とを混合する混合部と、この混合部からの混合気を燃焼させるバーナヘッドと、このバーナヘッドに形成される火炎の外周に二次空気を供給する多数の環状に並べて設けられた二次空気噴出孔とを備えるとともに、燃料供給量および空気供給量を調整して燃焼能力を切換え可能とした燃焼装置において、前記二次空気噴出孔が、全周にわたって交互に設けられた孔径の異なる大小複数種の孔で形成されていることを特徴とするものであるから、弱燃焼において、燃料量と一次空気量のバランスを維持しながら十分な二次空気の流速を確保でき、その結果、強燃焼から弱燃焼の広範囲にわたって火炎の広がりやリフティング燃焼を防止し、燃焼筒等の火炎包囲部材の耐久性を向上できるとともに、燃焼騒音の発生を抑制することができ、且つ、火炎の外周の全周にわたって均一な二次空気の供給を可能とし、常に良好で均一な燃焼状態が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態が適用された熱源機の概略構成を示す正面図である。
【図2】本発明の一実施形態を示す縦断面図である。
【図3】本発明の一実施形態を示すもので、二次空気制御板の正面図である。
【図4】従来の二次空気制御板の正面図である。
【符号の説明】
15 燃焼装置
16 バーナケーシング
18 燃焼筒
19 バーナ本体
20 送風ファン
22 バーナプレート(バーナヘッド)
28 二次空気制御板
28a 大径の二次空気噴出孔
28b 小径の二次空気噴出孔
A 気化室(混合部)
B 蓄気室
F 火炎

Claims (1)

  1. 燃料と一次空気とを混合する混合部と、この混合部からの混合気を燃焼させるバーナヘッドと、このバーナヘッドに形成される火炎の外周に二次空気を供給する多数の環状に並べて設けられた二次空気噴出孔とを備えるとともに、燃料供給量および空気供給量を調整して燃焼能力を切換え可能とした燃焼装置において、前記二次空気噴出孔が、全周にわたって交互に設けられた孔径の異なる大小複数種類の孔で形成されていることを特徴とする燃焼装置。
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