JP3648857B2 - ベルト伝達装置の補機トルク検出装置 - Google Patents
ベルト伝達装置の補機トルク検出装置 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はエンジンの補機トルク検出装置に関し、特に、複数の補機を一連のベルトを介して駆動し、これら複数の補機の総和トルクを検出して、エンジンの運転制御にフィードバックすることが可能な補機トルク検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車等の車両に搭載された内燃機関においては、その補機、例えば車両用空調装置のコンプレッサ、パワーステアリングの油圧ポンプ、オルタネータ、ラジエータ用冷却ファン等を、内燃機関のクランク軸に設けられたクランク軸プーリによって一連のベルトを介して同時に駆動されようになっている。
【0003】
そして、例えば、空調装置のコンプレッサや、パワーステアリングの油圧ポンプのような使用状態によって補機トルクが変動する2つの補機の総和トルクや、これら補機全ての総和トルクを正確に測定することができれば、アイドル回転数をより高い精度を持って制御することができるし、アイドル回転数をさらに低く抑えることが可能になるし、オートマティックトランスミッションの制御をよりきめ細やかなものとし、シフトチェンジをより円滑なものにすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、補機の設置数が増加している近年においては、このような一連のベルトを介して複数の補機を同時に駆動するものにおいて、例えば上述したように、空調装置のコンプレッサやパワーステアリングの総和トルクを測定するために、各補機の補機トルクをそれぞれ測定するすることも考えられるが、補機トルク検出装置の点数の増加、システムの複雑化によりコスト増となってしまう。
【0005】
そこで、本発明では、一連のベルトにより複数の補機を駆動するものにおいて、安価に複数の補機の総和トルクを検出する補機トルク検出装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
つまり、本発明者らの検討によると、一連のベルトを介して複数の補機を同時に駆動するものにおいて、駆動軸プーリの回転数と、その他のアイドラプーリ、もしくは補機プーリの回転数は、補機の総和トルクに密接した関係があることが分かった。
【0007】
以下に本発明者がこの関係を導き出した原理を図1に基づき説明する。
なお、説明上、分かりやすくするために2つのプーリー、駆動プーリ100と従動(補機)プーリ200とからなるベルト伝達装置にて説明する。
今、駆動プーリ100が駆動されているとすると、ベルト300の張力分布は図中ベルトの幅(線が引いてある部分)にて示される。また、図中下方に位置する張り側の張力をT1、緩み側の張力をT2とする。そして、従動プーリ200とベルト300と接している部分のうち、角度θ─φ、つまり図中C〜Bの部分は緩み側の張力T2と同一である。
【0008】
言い換えると、図中A〜Cの部分で動力伝達が行われ、従動プーリ200は、ベルト300に対して遅れながら滑っている。また、図中C〜Bの部分では、ベルト300と従動プーリ200は一緒に回転していることになる。
そして、伝動馬力(以下、補機トルク)が大きくなると、図中C〜B部分は、消失して、ベルト300と従動プーリ200との全接触面にて動力伝達が行われ、補機トルクが大きくなると、張力T1は大きくなり、張力T2は小さくなり、補機トルクが大きくなるほどT1とT2との差が大きくなる。
【0009】
そして、従動プーリ200とベルト300との間にはすべりが生じ、このすべりは通常のすべりと、弾性すべりとの2つに分けて考えることができる。つまり、φ>θで、補機トルクが大きくなってベルト300と従動プーリ200との全面接触にて動力伝達が行われているときのすべりを通常すべりと言う。また、θ≧φにおいて、張力が変化している部分A〜Cでは、従動プーリ200は、ベルト300に対して遅れながらすべっており、このすべりを弾性すべりと言う。
【0010】
そして、通常、このようなベルト伝達装置においては、過大な補機トルクが発生しない限り、弾性すべりが発生している状態にて作動していると考えられる。つまり、補機トルクが大きくなると、T1とT2との差が大きくなるとともに、従動プーリ200のベルト300に対する遅れが大きくなると言える。
一方、駆動プーリ100においても、同様な考え方で角度θ′─φ′つまり図中G〜Fの部分は張り側の張力T1と同一である。言い換えると、図中G〜Hの部分で動力伝達が行われ、この部分ではベルト300が駆動プーリ100に対して遅れながら滑っている。また、図中F〜Gの部分では、ベルト300と駆動プーリ100は一緒に回転していることになる。
【0011】
そして、このようなベルト伝達装置において、上記補機トルク(Trq)は、以下の数式1にて示される。
【0012】
【数1】
Trq=R1・(T1─T2) :R1、駆動プーリの半径
また、Kをベルト300の弾性定数、ε1、ε2を張り側のベルト歪み、緩み側のベルト歪みとすると、さらに以下の数式2、3の関係がある。
【0013】
【数2】
T1=K・ε1
【0014】
【数3】
T2=K・ε2
そして、図のようなベルト伝達装置において定常回転状態(弾性すべりの状態)では、質量保存の法則により以下の関係式が成立する。
つまり、単位時間に点Dを通過する質量=単位時間に点Eを通過する質量
今ベルト300に張力が無いときのベルトの線密度をρ0とすると、張力T1の時はベルト300の張り側の長さが(1+ε1)倍になり線密度はρ0/(1+ε1)になる。
【0015】
同様に張力T2のときベルト300の緩み側の長さが(1+ε2)倍になり線密度はρ0(1+ε2)になる。
従って、上記関係式はρ0/(1+ε1)・V1=ρ0(1+ε2)・V2となり、これを変形するとV1/V2=(1+ε1)/(1+ε2)となる。
つまり、ベルト300は伸びた分だけ速度が速くなり、さらにこれを変形すると数式4となる。
【0016】
【0017】
そして、上式補機トルクTrq=R1・K(V1/V2─1)となるのであるが、この式中(V1/V2─1)を変形すると、(V1−V2)/V2となり、この速度差V1−V2は、上述したように補機トルクが大きくなって、従動プーリ200のベルト300に対する遅れが大きくなるほど、大きくなる。
従って、(V1−V2)/V2は、従動プーリ200とベルト300との弾性すべりにおけるスリップ率と考えることができ、この結果、補機トルクTrqはスリップ率と直線的な関係があると考えられる。また、同様に駆動プーリ100とベルト300とのスリップ率とも考えることができる。
【0018】
従って、速度V1、V2が分かれば、補機トルクTrqとの相関関係が分かるのであるが、これは以下のようにして分かる。
例えばベルト300の緩み側にアイドラプーリを設ければ、アイドラプーリーは補機トルクを0と考えるとベルト300の緩み側と一緒に回転するので、このアイドラプーリの回転数(回転速度)w1が分かれば、V1(アイドラプーリの半径をR3とすると、R3・w1)が分かることになる。また、例えばベルト300の張り側にアイドラプーリを設ければ、ベルト300の張り側と一緒に回転するので、アイドラプーリの回転数w2が分かれば、V2(アイドラプーリの半径をR4とすると、R4・w2)が分かることになる。この結果、アイドラプーリを設ければ、容易にV1、V2が分かることになる。
【0019】
さらに上記(V1−V2)/V2は、上述した弾性すべりの状態では、駆動プーリ100と従動プーリ200とのスリップ率と考えることができる。つまり、上述したように弾性スリップの状態では、V1は駆動プーリ100の回転速度、V2は従動プーリ200の回転速度となり、駆動プーリー100と従動プーリ200との回転速度と補機トルクとは相関関係がある。
【0020】
さらに上記回転速度V1、V2は、駆動プーリ100の回転数をW1、従動プーリ200の回転数をW2とすると、V1=R1・W1、V2=R2・W2となり、
補機トルクTrq=R1・K((R1/R2)・(W1/W2─1))となる。
【0021】
この結果、R1、R2は、固定値であるので、補機トルクTrqは、駆動プーリ100と従動プーリ200との回転数比(回転数の差)と直線関係となる。
そして、このような考えに基づいて、駆動源(駆動プーリ100)により、複数の補機101〜104とアイドラプーリ105が一連のベルト300にて駆動される図2に示すようなベルト伝達装置において、図3に示すように駆動プーリ(例えば、エンジンのクランク軸プーリ)100の回転数W0と、アイドラプーリ105の回転数W5が分かれば、全ての補機の総トルクが分かることになる。また、回転数W0と補機101〜104のうち一つのプーリの回転数(W1〜4)を検出することで、所望の補機トルクを検出することができる。さらに例えば、補機1と補機3との回転数を検出することで、補機2と補機3との総和補機トルクを検出することができる。
【0022】
なお、図2中T1〜T5は、各補機間のベルト300の張力を表すものであり、アイドラプーリ105の補機トルクを0と考えるとアイドラプーリの前後では、張力の変化は無い。
そして、以上のような考え方に基づいて本発明者らが検討した結果、精度良く補機トルクを検知することが可能であることが確認されたのである。
【0023】
そこで、本発明は、請求項1記載の発明では、駆動軸プーリの回転数を検出する第1の回転数検出手段と、駆動軸プーリよりもベルトの進行方向の前方で複数の補機プーリよりもベルトの進行方向の後方に配置されたアイドラプーリの回転数を検出する第2の回転数検出手段と、第1、第2の回転数検出手段によって検出された回転数の差もしくは比に基づいて、前記複数の補機の総和トルクを検出する総和トルク検出装置と、を備えたことを特徴としている。これにより、一つのベルトにて複数の補機が駆動されるようなベルト伝達装置において、複数の補機の総和トルクを精度良く検出することができる。また、単に回転数を検出する手段を設けるだけであるので、一つの補機の補機トルクを検出する補機トルク検出装置を、各補機に設ける必要が無く、安価に補機トルクを検出することができる。
【0024】
また、請求項2記載の発明では、駆動軸プーリの回転数を検出する第1の回転数検出手段と、複数の補機プーリのうちベルトの進行方向の最も後方に配置された一つの補機プーリーの回転数を検出する第2の回転数検出手段と、第1、第2の回転数検出手段によって検出された回転数の差もしくは比に基づいて、前記複数の補機の総和トルクを検出する総和トルク検出装置と、を備えたことを特徴としている。
【0025】
これによっても、一つのベルトにて複数の補機が駆動されるようなベルト伝達装置において、複数の補機の総和トルクを精度良く検出することができる。また、単に回転数を検出する手段を設けるだけであるので、一つの補機の補機トルクを検出する補機トルク検出装置を、各補機に設ける必要が無く、安価に補機トルクを検出することができる。
【0026】
また、請求項4記載の発明では、総和トルク検出装置は、回転数の比、もしくは回転数の差と総和トルクとの関係を表すマップを有し、複数の補機のうち、補機トルクの大きさが実質的に一定で、その値が判明している一つの補機を断続運転し、断続運転前後の総和トルクを予め設定しておき、運転前の前記回転数比と運転後の回転数比に基づいて、マップを補正する補正手段を有することを特徴としている。
【0027】
これにより、ベルトの経年変化によって、ベルトの弾性定数が変化しても、また異常な環境条件の下で運転される場合でも、総和トルクの検出精度を高くすることが可能である。
【0030】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図6に示すように、自動車等に搭載される内燃機関1において、ベルト伝達装置として、各種の補機を駆動するためのベルトプーリ、例えば空調装置のコンプレッサ用プーリ2、パワーステアリングの油圧ポンプ用プーリ3、オルタネータ用(発電用)プーリ4、ラジエータの冷却ファン用プーリ5というような複数の補機用プーリが、クランク軸プーリ6(一般的に言えば駆動軸プーリ)によって一連のベルト7を介して同時に駆動されるようになっている。
【0031】
そして、このようなベルト伝達装置において、多くのプーリに蛇行上に一本のベルト7を巻架するために、アイドラプーリが用いられる場合があり、図6の例はアイドラプーリ8が設けられるとともに、ベルト7の張力が一定になるように自動的に調整するオートテンショナー9も、一つのアイドラプーリ10を伴ってベルト7の緩み側に設けられている。
【0032】
本発明の特徴として、図4、5に示す実施形態では、オートテンショナー9を利用して補機トルク検出装置の一部を構成している。オートテンショナー9のアイドラプーリ10の円環状内面11には、磁性体からなる多数の歯12が等間隔に設けられている。
実際には、アイドラプーリ10全体を磁性のある鉄あるいは鋼材のような素材によって形成し、その円環状内面11に内歯車状に多数の歯12を切削形成する。もしくは、アイドラプーリ10を鋳造等の方法で型成形する場合には、円環状内面11の歯12も同じ鋳型によって同時に成形されるようにすると良い。
【0033】
オートテンショナー9のアーム13は、その基部14が、図示しない軸によって限られた範囲内で回動することができるように支持されている。そして、このアーム13は、図示しない発条もしくは油圧シリンダのような付勢手段によって、ベルト7を緊張させる回動方向に付勢されている。
また、アーム13の自由端に一体的に取り付けられた軸15には、軸受16が設けられて、この軸受16によりアイドラプーリ10が回転自在に軸支されている。
【0034】
アーム13に形成された突起17には、回転数センサとしての電磁ピックアップ18が取り付けられており、電磁ピックアップ18の先端(検出端)は、磁性体からなる多数の歯12と所定の間隔をあけて、多数の歯12に突出するようになっている。
電磁ピックアップ18は、周知のものであって、簡単に言えば永久磁石、または磁気的にそれを接続している磁性体のコアにコイルを巻いたものであって、コイルの両端を可撓性のあるリード線19、20によって直接に外部の固定端子へ接続したり、コイルの一端をアーム13に接続するとともにコイルの他端を可撓性のあるリード線によって外部へ引き出して外部の固定端子へ接続する。
【0035】
そして、アーム13の移動範囲は、狭い角度内に限られているので、スリップリングのような摺動機構を用いなくとも、このように可撓性のあるリード線の先端を直接に対象の固定端子へ接続して出力信号を外部へ取り出すことができる。そして、本実施形態では、このような一連ベルト7にて駆動される複数の補機トルクの総和トルクを算出するのであるが、総和トルク検出装置400の構成を、図6中ブロック図にて示す。
【0036】
つまり、本実施形態における総和トルク検出装置400は、クランク軸21(クランク軸プーリ6)の回転数W1と、電磁ピックアップ18にて測定されたアイドラプーリ10の回転数W2とに基づいて、総和トルクを算出し、この算出された総和トルクをエンジン制御装置500に出力することで、エンジン1のアイドル回転数等を適時制御するようになっている。
【0037】
クランク軸プーリ6には、図6に示すように回転数センサ50が設けられている。なお、回転数センサ50は、クランク軸21、もしくはクランク軸21自体でなくとも、図示しないカム軸のようにクランク軸21に対して一定の回転比を持って駆動される軸の回転数を検出するものである。
通常、内燃機関では機関の回転数W1、もしくはそれに対して一定の比率にて回転するものの回転数は、エンジンの運転制御のための一ファクターとして利用されることが多く、クランク軸21に回転数センサを設けた車両が多い。
【0038】
従って、他の目的にて設置された回転数センサであっても、その出力信号を本発明の目的に利用すれば良い。また、回転数W1を検出する手段を備えていない内燃機関においては、クランク軸プーリ6に対して、図4、図5に示したものと同様な回転数検出手段を設けると良い。
【0039】
次に、図4、5に示した本発明の第1実施形態の作動について説明する。図6においてクランク軸21が回転することにより、クランク軸プーリ6に対して一連のベルト7によって各種プーリ2、3、5、8、10は一斉に回転駆動される。そして、この際、これら各種プーリ(各種補機)を駆動するためにクランク軸21に作用する総和トルクは、クランク軸21自体の回転数に伴って変化するだけでなく、補機の中にはコンプレッサ2のように断続運転されるものがあるため、総和トルクは一定で無く、内燃機関1の運転中は常時変動していると言って良い。
【0040】
そこで、変動する総和トルクを常時リアルタイムに正確に検出することができれば、内燃機関1の運転状態(例えばアイドル回転数)をきめ細やかな制御を行うことが可能となる。
そこで、本実施形態では、図1ないし図3に示した考え方に基づいて、回転数センサ50にて検出したクランク軸21の回転数W1と、ベルト7の進行方向前方でクランク軸プーリ6と隣合うように配置したオートテンショナー9に設けた電磁ピックアップ18によって検出したアイドラプーリであるプーリ10の回転数W2とによって、総和トルクを高い精度にて検知する。
【0041】
なお、電磁ピックアップ18にて回転数W2を検出するのであるが、簡単にこの原理を説明しておく。クランク軸プーリ6からベルト7を介してオートテンショナーのアイドラプーリ10が回転駆動されると、アーム13に対して固定されて実質的に移動しない電磁ピックアップ18の検出端の直前を、磁性体からなる多数の歯12が微小な時間間隔をおいて間欠的に通過している永久磁石の磁束密度が急激に増減変化する。
【0042】
この結果、電磁ピックアップ18のコイルには、電圧波形として略等間隔のピークを有するパルス電流が発生する。このパルス電流が回転数W2に対応する出力信号としてリード線19、20を介して、直接外部の固定端子へ取り出されて、演算装置を備えた総和トルク検出装置400に入力される。
総和トルク検出装置400においては、電磁ピックアップ18の出力信号であるパルス電流の単位時間当たりのピーク数をカウントすることによって、オートテンショナーのアイドラプーリ10の回転数W2を検出する。
【0043】
そして、仮にクランク軸プーリ6とアイドラプーリ10とが同径であれば、この回転数W2は、クランク軸プーリ6とベルト7との間における弾性スリップ分だけ減少しているので、回転数W1とW2の比、回転数比W1/W2の値によってクランク軸プーリ6に対するアイドラプーリ10のスリップ量の大きさを知ることができる。なお、この場合、アイドラプーリ10は負荷が無いものと考えて、ベルト7とアイドラプーリ10との間のスリップは無視できる。
【0044】
そこで、検出された回転数W1および回転数W2によってクランク軸プーリ6とアイドラプーリ10との間のスリップ量(スリップ率)の大きさを示す回転数比W1/W2を計算し、その値を図7に当てはめることで、その時点におけるクランク軸21に作用している総和トルクの大きさを知ることができる。そして、このような方法による 総和トルクの算出方法は、極めて高い精度にて検知することは、本発明者らの実験にて確認されている。
【0045】
また、このスリップ量(率)は、上述したようにベルト7の緩み側と張り側の速度比、つまり、クランク軸プーリ6とアイドラプーリ10との回転速度比から考えついたものであるので、当然ながら、クランク軸プーリ6とアイドラプーリ10との半径比Rを計算に入れなければならない。
つまり、W1、W2、S、Rを以下のように定義すると、
W1:クランク軸21およびクランク軸プーリ6の回転数
W2:オートテンショナーのアイドラプーリ10の回転数
S:クランク軸プーリ6に対するベルト7、つまりクランク軸プーリ6に対するアイドラプーリ10のスリップ率
R:プーリの半径比(アイドラプーリ10の径をR2、クランク軸プーリ6の径をR1としたとき、R=R1/R2)
とした場合、クランク軸プーリ6とベルト7(アイドラプーリ10)との間に生じるスリップ率Sは、
S=(W1─R・W2)/W2=R・(W1/W2)─1 (1)
そして、この数式(1)における半径比Rは定数であるので、スリップ率Sは、クランク軸プーリ6とアイドラプーリ10とを同径とした場合と同様に、回転数比W1/W2の値に依存することになる。
【0046】
従って、スリップ率Sから総和トルクの値を求めるためのスリップ率─補機トルク線図は、図7において縦軸に回転数比W1/W2をとると共に、縦軸および横軸間の比例関係を示す傾斜した直線を上下方向に平行移動させたものとなる。また、数式(1)から明らかなようにW1−R・W2=ΔWの値は、クランク軸プーリ6とベルト7との間の弾性スリップによって、アイドラプーリ10において生じる回転数の減少分を、基準回転数をアイドラプーリ10の回転数W2として算出しているが、回転数の変動の少ないクランク軸プーリ6の回転数W1を基準回転数としても良い。
【0047】
この場合のスリップ率をS′とすると、
S′=(W1−R・W2)/W1=1−R・(W2/W1) (2)
のように定義することができる。そして、クランク軸プーリ6の回転数W1を基準として回転数の比W2/W1を縦軸に取り、補機トルクを横軸によって実測値を線図上にプロットしたものを図8として示す。
【0048】
図8は、前述した図7に対応するもので、クランク軸プーリ6とアイドラプーリ10を同径とした場合である。この場合は、クランク軸プーリ6の回転数W1を基準としているので、図7の場合とは異なって回転数比─補機トルク線図の直線が右下がりになっている。また、内燃機関のように、複数の補機プーリ2〜5が一連のベルト7によって駆動される場合には、空調装置のコンプレッサ用プーリ2のように断続的に運転されるものでなく、冷却ファン用プーリ5のように一定値以上のトルクによって常時駆動されているものもあるので、クランク軸プーリ6に作用する補機トルクの値が図7、8において原点になることはあり得ない。従って、その時の回転数の比W1/W2もしくはW2/W1の値が1になることは無い。
【0049】
そこで、図7、図8では、回転数比─補機トルク線図を簡略化するために、補機トルクが常時作用している補機の基本的なトルク値と、それに対応する回転数比の微小変化分を線図上では省略して示している。すなわち、横軸の補機トルクとしては、断続運転されてトルク値が変化する補機トルクと、常時駆動されている補機でもトルク値が変化する分の合計をとっており、縦軸の回転数の比は、1.000から始まっている。
【0050】
また、前述したようにクランク軸プーリ6とアイドラプーリ10との半径が異なる場合でも、例えばスリップ率S′は、上記数式(2)によって定義されるので、回転数比とプーリの半径比Rの値を用いてスリップ率を算出し、実測にて用意されている図9に示すようなスリップ率─補機トルク線図にその値を当てはめることにより、その時に作用している補機トルクの値を正確に読み取ることができる。
【0051】
なお、アイドラプーリ10の回転数W2を基準とするスリップ率Sと補機トルクとの関係を求めても、図9と同様なスリップ率─補機トルク線図が得られる。そして、このようにスリップ率と補機トルクとの関係を実測して得た図9のようなスリップ率─補機トルク線図を、例えば演算装置を備えている総和トルク検出装置400内に予めマップとして設定しておけば、前述のような検出手段によって回転数W1およびW2を自動的に常時検出し、この検出値から自動的に高精度で、リアルタイムで補機トルクの大きさを検出することができる。
【0052】
また、以上の説明では、スリップ率から補機トルクを設定したが、当然ながら回転数比から直接補機トルクを算出することもできる。この場合の処理手順を図10に示す。
(第2実施形態)
上述した第1実施形態では、全ての補機の総和トルクを算出したが、本発明は、上述したようにクランク軸プーリ6の回転数と、どのプーリの回転数を検出するかによって所望の補機トルクを知ることができる。
【0053】
つまり、図6に示すベルト伝達装置を、図2に当てはめると、補機1が冷却用ファンプーリ5、補機2がコンプレッサ用プーリ2、補機3が油圧ポンプ用プーリ3、補機4がオルタネータ用(発電用)プーリ4、補機5がアイドラプーリ10に相当する。なお、アイドラプーリ8は負荷トルクが無いものとして、ここでは無視する。
【0054】
これにより、例えば、図6中クランク軸プーリ6の回転数と、コンプレッサ用プーリ2の回転数を検出すれば、図3の関係より、コンプレッサ用プーリ2と冷却ファン用プーリ5との総和トルクを算出することができる。そして、例えば冷却用ファンプーリ5の補機トルクは、ほぼ一定値として考えることができるので、上記総和トルクからファンプーリ5の補機トルクを引けば、コンプレッサ用プーリ2の単独の補機トルクを算出することができる。なお、この場合の処理手順を図11に示す。
【0055】
また、このようにコンプレッサ用プーリ2の補機トルクを算出する場合では、コンプレッサ用プーリ2に回転数センサを設ける必要があるが、車種によっては、既にコンプレッサ用プーリ2に回転数センサが設けられているものがある。
つまり、空調装置のコンプレッサのロックを検出するためにロックセンサ(コンプレッサ用プーリ2の回転数によってコンプレッサのロックを判定する)を有するものがあるので、これを利用すれば回転数センサを特別に設けずに、コンプレッサの補機トルクを算出することができる。
【0056】
(第3実施形態)
上記第1、第2実施形態では、ベルト7にて複数の補機が回転駆動されるようなベルト伝達装置において、全ての補機の総和トルクを算出したが、本発明では、例えば補機とアイドラプーリとの回転数をそれぞれ検出することで、2つ以上の所望の補機の総和トルクを算出することができる。
【0057】
つまり、上記第2実施形態にて述べたように図6を図2に当てはめると、図3に示したような関係から、図6中コンプレッサ用プーリ2と、冷却ファン用プーリ5との回転数比が分かれば、この回転数比と、単独のコンプレサ用プーリ2の補機トルクとの相関が分かる。従って、この相関に基づいて図7に示すようなマップを設定しておけば、精度良く、コンプレッサの補機トルクが算出できる。
【0058】
また、同様に図6中コンプレッサ用プーリ2と、発電用プーリ4との回転数比が分かれば、この回転数比と、油圧ポンプ用プーリと発電用プーリ4とがたしこまれた2つの補機の総和トルクとの相関が分かる。従って、この相関に基づいて図7に示すようなマップを設定しておけば、精度良く、油圧ポンプ用プーリと発電用プーリ4とがたしこまれた2つの補機の総和トルクが算出できる。
【0059】
また、同様に図6中アイドラプーリ8と、発電用プーリ4との回転数比が分かれば、この回転数比と、油圧ポンプ用プーリと発電用プーリ4とがたしこまれた2つの補機の総和トルクとの相関が分かる。従って、この相関に基づいて図7に示すようなマップを設定しておけば、精度良く、油圧ポンプ用プーリと発電用プーリ4とがたしこまれた2つの補機の総和トルクが算出することもできる。
【0060】
以上のようにクランク軸プーリ6を除いた2つのプーリの回転数比が分かれば、所望の補機の補機トルクが算出することが可能となる。なお、二つのプーリの回転数を検出する手段としては、図4、5に示したような電磁ピックアップ18にてプーリの回転数を検出すれば良い。また、コンプレッサ用プーリ2の回転数を検出する場合は、上述したようにコンプレッサロック用のセンサを設けてあれば、これを利用すれば良い。
【0061】
(第4実施形態)
上記第1〜3実施形態では、クランク軸プーリ6に作用している補機トルクの大きさをリアルタイムに正確に検知することができるが、ベルト7が径年変化によって劣化したり、プーリの有効半径が変化すると、予め設定された条件下において実測に設定された図7ないし図9のようなマップの勾配が不適合となる。
【0062】
さらに長年の使用によりベルト7が磨耗して実質的にプーリの半径比Rが変化すると、回転数比─補機トルク線図が不適合になる場合がある。そこで、本実施形態では、このような問題に対処して演算処理のために総和トルク検出装置400内に設定されている図7〜9に示すようなマップを、所定の時期に補正することにより、総和トルクの検出精度を常に高く維持するように補正手段が備えられている。
【0063】
この補正手段の例を図12に基づいて説明する。
例えば、多くの車は、リアウインドのガラス面に除霜用として熱線ヒータが設けられている。この熱線ヒータは、オルタネータプーリ4に連結されたオルタネータから通電を受けている状態では、一定の大きさの電気的負荷をオルタネータに与える。従って、熱線ヒータに通電されている状態では、オルタネータを回転駆動するトルクに一定の増加分が含まれる。
【0064】
そして、熱線ヒータに通電されている状態(熱線スイッチON)と、通電されていない状態(熱線スイッチOFF)での、回転数比の値を検出して、予め設定された総和トルクと、回転数比との関係を、図7に示すような回転数比─補機トルク線図上にプロットし、これら2点を直線的に結び、先に設定されている図7に示す直線を、この直線に置き換えるようにしてある。
【0065】
ここで、熱線スイッチON、OFFにおける予め設定された総和トルクとは、ベルト300の使用初期時で、例えば、アイドル回転数で、コンプレッサがオフ、つまりコンプレッサ用プーリ2には負荷トルクが無く、油圧ポンプ用プーリ3の負荷トルク一定(例えば、車両ハンドルが車両直進状態の操作位置にある)一定の条件下で、熱線スイッチをON、OFFさせたときの各総和トルクTb、Ta実測された値である。また、熱線スイッチON、OFFさせると、オルタネータの電流値が変化するので、この総和トルクTb、Taは、オルタネータの電流値によって分かる。
【0066】
具体的には、図12に示される補正手段は、上述した一定の条件下において、先ずステップ101にて、熱線スイッチがOFFの状態で、クランク軸プーリ6とアイドラプーリ10の各回転数W1a、W2aを検出し、これらの回転数比Wra=W2a/W1aを算出する。そして、補機トルクの値が図7に示すような回転数比─補機トルク線図上において、基準となる値となるA点の座標(Ta、Wra)を決定する。
【0067】
次に、ステップ101の処理を終わった後の短時間内にステップ102に進んで、熱線スイッチがONの状態で、クランク軸プーリ6とアイドラプーリ10の各回転数W1b、W2bを検出し、これらの回転数比Wrb=W2b/W1bを算出しする。そして、補機トルクの値が図7に示すような回転数比─補機トルク線図上において、基準となる値となるB点の座標(Tb、Wrb)を決定する。
【0068】
このようにして、回転数比─補機トルク線図上のA点とB点が決まるので、ステップ103にてA点とB点を直線的に結ぶことによってできた新たなる線図を、総和トルク検出装置400もしくはエンジン制御装置500内に先に設定されているマップと置き換える。また、この処理は、当初のマップ(図7〜9)を設定するときにも同様な手順で行えば良い。
【0069】
なお、ステップ101の処理を行った後に、ステップS102の処理を行うための時間は2、3秒に抑えてその間に他の補機トルクの変動が起こらないようにする必要がある。
(第5実施形態)
本実施形態では、上述した回転数による総和トルクの算出とは異なり、オートテンショナプーリ11の状態変化より、後述のようにオルタネータやパワステポンプ等の各補機のトルクの総和を検出し、この検出結果をエンジン制御装置500へ送る。エンジン制御装置500では、総和トルクの変動に応じてエンジン出力を適宜変更して、エンジン回転数を一定に維持する。
【0070】
図13にはオートテンショナー9の破断透視図を示し、図14にオートテンショナー9の断面図を示す。アイドラプーリ10(以下、単にプーリという)は平面をなすその外周面がVベルト7の背面に接しており、アーム13の先端に設けた軸15に回転自在に支持されている。プーリ10の本体には中心に厚肉筒状のボス部111が形成され、このボス部111がボールベアリング16(軸受)を介して軸15に回転自在に結合されている。
【0071】
アーム13はその基端がエンジン側面に立設された支軸115に回転自在に支持されるとともに、支軸115回りに配したコイルバネ113のバネ力によってアーム13先端が図13の矢印方向へ付勢されており、これによりプーリ10に懸架されたベルト7に常にほぼ一定の張力が与えられる。
図14において、アーム13の基端は、エンジンEの側面に立設した支軸115に回転自在に装着された傘形保持部141となっており、この保持部141は周囲に配したコイルバネ113により支軸115回りに回転付勢されている。プーリ10は上記アーム13の先端に設けた軸15にボールベアリング16を介して支持されており、この軸15には基部外周の複数箇所に歪みゲージ73が貼着してある。
【0072】
オートテンショナー9の上記プーリ10によりベルト7の張力はほぼ一定に保たれるが、微視的に見ると、他の補機のいずれかの負荷トルクが変動するとベルト7の張力も僅かに変化する。この張力変化は図15に示すように、軸15の軸荷重として現れるから、これを歪みゲージ73で検出すれば、図16に示すような比例関係で全補機の総和トルクが算出できる。したがって、この総和トルクに応じてエンジン出力を変更することにより、エンジン回転数の急変を防止することができる。
(第6実施形態)
図17にオートテンショナー9の正面図を示し、図18にその断面図を示す。アーム13基端の保持部141はエンジン側面に固定されるベース体116の支軸115に回転自在に結合されており、上記アーム13の先端に軸15が形成されて、ここにプーリ10が回転自在に支持されている。アーム13は支軸115周りのコイルバネ113により、図17の反時計方向へ回転付勢されており、この状態で、図の左方から至ったVベルト4を懸架している。
【0073】
アーム13の先端には、プーリ10が位置する側と反対面に、発光ダイオード74がベース体116へ向けて設けてあり、一方、上記発光ダイオード74に対向するベース体116下縁の支持壁161には、図17の左右方向へ直線状に延びる位置検出センサ75が設けてある。位置検出センサ75は、図19に示すように、前面に一定間隔でスリット751を有し、これらスリット751に対応する位置にフォトダイオードアレイ752が配設してある。
【0074】
補機の総和トルクが増大してベルト7の張力が大きくなると、コイルバネ113のバネ力に抗してアーム13が図17における反時計方向へ回転し、この回転角度の変化に伴ってアーム13の先端、およびここに設けたプーリ10が図19の右方へ移動する。この移動は、発光ダイオード74の光を受けるフォトダイオードアレイ752によって検出され、図20に示すような比例関係で、アーム13の回転角度変化(すなわちプーリ10の位置変化)に応じた全補機の負荷トルクの総和、つまり総和トルクが算出される。
【0075】
(他の例)
上記第1〜第4実施形態では、回転数センサとして電磁ピックアップ18を使用したが、図21、22に示すような光素子を用いても良い。図21中、22は発光ダイオードのような発光素子、23はフォトダイオードのような受光素子である。発光素子22と受光素子23とは、例えば第1、2実施形態と同様にオートテンショナー9のアイドラプーリ10の縁部において、対向するようにアーム13上に取り付けられる。そのために、発光素子22と受光素子23のいずれか一方を支持する突起24のようなものをアーム13と一体に形成しても良い。
【0076】
発光素子22と受光素子23の間には、アイドラプーリ10の縁部に環状に形成された回転スリット25が介在するように、発光素子22と受光素子23が位置決めされている。回転スリット25は、図21から明らかなように環状の板26に光を透過する半径方向の細かな開口27を円周方向から見て等間隔に形成したものであって、アイドラプーリ10のスカート部28に直接形成しても良い。また、回転スリット25をアイドラプーリ10とは別体のものとして形成して、それをスカート部28に取り付けても良い。また、受光素子23の受光面には、マスクとしての板状の固定スリット29が固定されており、固定スリット29には幾つかの開口30が形成されている。
【0077】
これにより、アイドラプーリ10がベルト7によって駆動されて回転すると、回転スリット25が共に回転し、発光素子22の光軸が、回転スリット25の環状の板26に形成された開口27と、固定スリット29に開口形成された開口30に合致したときだけ、発光素子22の発する光が受光素子23に到達してパルス電流が受光素子23から出力される。
【0078】
従って、このパルス電流は、第1、第2実施形態と同様にアイドラプーリ10の回転数W2を表すものであり、別に計測されるクランク軸21の回転数W1とともに処理されて、図7に示すように回転数比─補機トルク線図から、クランク軸21に作用する総和トルクの大きさを知ることができる。
また、さらに以上に述べた各実施形態では、一つのベルト7にてコンプレッサ用プーリ2、パワーステアリングの油圧ポンプ用プーリ3、オルタネータ用プーリ4、ラジエータの冷却ファン用プーリ5というような複数の補機を駆動したが、本発明では、図23に示すようにベルト伝達装置においても適用できる。
【0079】
つまり、図23に示すベルト伝達装置は、クランク軸プーリ6と、コンプレッサ用プーリ2、パワーステアリングの油圧ポンプ用プーリ3とからなり、オートテンショナー、アイドラプーリ等は設けられていない。そして、このようなベルト伝達装置において、クランク軸プーリ6の回転数と、油圧ポンプ用プーリ3の回転数を検出すれば、上記第1、第2実施形態と同様に2つの補機の総和トルクを算出することができる。また、クランク軸プーリ6の回転数と、コンプレッサア用プーリ2の回転数を検出すれば、空調装置のコンプレッサ(図示しない)単独の補機トルクを算出することができる。
【0080】
また、図23において、コンプレッサ用プーリ2、パワーステアリングの油圧ポンプ用プーリ3とは、配置位置を入れ換えても良いし、どのような補機であっても良い。
また、上記第1〜第3実施形態では、アイドラプーリ10その円環状内面11に内歯車状に多数の歯12を切削形成したが、図24、25に示すように一つでも良い。この場合、歯12を加工が容易となる。また、図26、27に示すようにアイドラプーリ10の円板状の円板部に鋳造等により、アイドラプーリ10の周方向に沿ってスリット116を形成して、歯12の役割を果しても良い。
【0081】
また、図28に示すようにアイドラプーリ10の周壁部に、スリット116を形成し、歯12の役割を果しても良い。なお、この場合、電磁ピックアップ18は、このスリットに対向するようにして配置する。
また、上記第1実施形態において、アイドラプーリ10とクランク軸プーリ6との回転数を検出して、補機の総和トルクを算出したが、図6においてクランク軸プーリ6と発電用プーリ4との回転数を検出し、この2つの回転数に基づいて、図7に示すような回転数比─補機トルク線図を設定することでも、補機の総和トルクを算出するようにしても良い。なお、この場合、発電用プーリ4の回転数を検出手段としては、図4、5に示すような電磁ピックアップ18と歯12を用いたり、上述した発光素子22と受光素子23にて検出すれば良い。
【0082】
また、上記第1〜第4実施形態では、回転数比に基づいて総和トルクを算出したが、回転数の差に基づいて総和トルクを算出しても、勿論良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の原理を表す図である。
【図2】 本発明の原理を表す図である。
【図3】 本発明の概要を表す図である。
【図4】本発明の第1実施形態におけるアイドラプーリ10の断面図である。
【図5】上記第1実施形態におけるアイドラプーリ10の下面図である。
【図6】上記第1実施形態におけるベルト伝達装置の全体構成図である。
【図7】上記第1実施形態における回転数比と補機トルクとの関係図である。
【図8】上記第1実施形態における回転数比と補機トルクとの関係図である。
【図9】上記第1実施形態におけるスリップ率と補機トルクとの関係図である。
【図10】上記第1実施形態における補機トルクの算出の手順を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第2実施形態における補機トルクの算出の手順を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第4実施形態における処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第5実施形態における、オートテンショナーの破断透視図である。
【図14】本発明の第5実施形態における、オートテンショナーの縦断面図である。
【図15】上記第5実施形態における、ベルト張力とオートテンショナプーリの軸荷重の関係を示す説明図である。
【図16】上記第5実施形態における、ベルト張力変化と補機の負荷トルクの関係を示す図である。
【図17】本発明の第6実施形態における、オートテンショナーの正面図である。
【図18】上記第6実施形態における、オートテンショナーの縦断面図で、図20のX −X 線に沿った断面図である。
【図19】上記第6実施形態における、位置検出センサの破断斜視図である。
【図20】上記第6実施形態における、アームの回転角度変化と補機の負荷トルクの関係を示す図である。
【図21】本発明の他の例を示す図である。
【図22】本発明の他の例を示す図である。
【図23】本発明の他の例を示す図である。
【図24】本発明の他の例を示す図である。
【図25】本発明の他の例を示す図である。
【図26】本発明の他の例を示す図である。
【図27】本発明の他の例を示す図である。
【図28】本発明の他の例を示す図である。
【符号の説明】
1…エンジン、2…コンプレッサ用プーリ、3…油圧ポンプ用プーリ
4…発電用プーリ、5…冷却ファン用プーリ、6…クランク軸プーリ
7…ベルト、10…アイドラプーリ、12…歯、18…電磁ピックアップ
50…回転数センサ
【発明の属する技術分野】
本発明はエンジンの補機トルク検出装置に関し、特に、複数の補機を一連のベルトを介して駆動し、これら複数の補機の総和トルクを検出して、エンジンの運転制御にフィードバックすることが可能な補機トルク検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車等の車両に搭載された内燃機関においては、その補機、例えば車両用空調装置のコンプレッサ、パワーステアリングの油圧ポンプ、オルタネータ、ラジエータ用冷却ファン等を、内燃機関のクランク軸に設けられたクランク軸プーリによって一連のベルトを介して同時に駆動されようになっている。
【0003】
そして、例えば、空調装置のコンプレッサや、パワーステアリングの油圧ポンプのような使用状態によって補機トルクが変動する2つの補機の総和トルクや、これら補機全ての総和トルクを正確に測定することができれば、アイドル回転数をより高い精度を持って制御することができるし、アイドル回転数をさらに低く抑えることが可能になるし、オートマティックトランスミッションの制御をよりきめ細やかなものとし、シフトチェンジをより円滑なものにすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、補機の設置数が増加している近年においては、このような一連のベルトを介して複数の補機を同時に駆動するものにおいて、例えば上述したように、空調装置のコンプレッサやパワーステアリングの総和トルクを測定するために、各補機の補機トルクをそれぞれ測定するすることも考えられるが、補機トルク検出装置の点数の増加、システムの複雑化によりコスト増となってしまう。
【0005】
そこで、本発明では、一連のベルトにより複数の補機を駆動するものにおいて、安価に複数の補機の総和トルクを検出する補機トルク検出装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
つまり、本発明者らの検討によると、一連のベルトを介して複数の補機を同時に駆動するものにおいて、駆動軸プーリの回転数と、その他のアイドラプーリ、もしくは補機プーリの回転数は、補機の総和トルクに密接した関係があることが分かった。
【0007】
以下に本発明者がこの関係を導き出した原理を図1に基づき説明する。
なお、説明上、分かりやすくするために2つのプーリー、駆動プーリ100と従動(補機)プーリ200とからなるベルト伝達装置にて説明する。
今、駆動プーリ100が駆動されているとすると、ベルト300の張力分布は図中ベルトの幅(線が引いてある部分)にて示される。また、図中下方に位置する張り側の張力をT1、緩み側の張力をT2とする。そして、従動プーリ200とベルト300と接している部分のうち、角度θ─φ、つまり図中C〜Bの部分は緩み側の張力T2と同一である。
【0008】
言い換えると、図中A〜Cの部分で動力伝達が行われ、従動プーリ200は、ベルト300に対して遅れながら滑っている。また、図中C〜Bの部分では、ベルト300と従動プーリ200は一緒に回転していることになる。
そして、伝動馬力(以下、補機トルク)が大きくなると、図中C〜B部分は、消失して、ベルト300と従動プーリ200との全接触面にて動力伝達が行われ、補機トルクが大きくなると、張力T1は大きくなり、張力T2は小さくなり、補機トルクが大きくなるほどT1とT2との差が大きくなる。
【0009】
そして、従動プーリ200とベルト300との間にはすべりが生じ、このすべりは通常のすべりと、弾性すべりとの2つに分けて考えることができる。つまり、φ>θで、補機トルクが大きくなってベルト300と従動プーリ200との全面接触にて動力伝達が行われているときのすべりを通常すべりと言う。また、θ≧φにおいて、張力が変化している部分A〜Cでは、従動プーリ200は、ベルト300に対して遅れながらすべっており、このすべりを弾性すべりと言う。
【0010】
そして、通常、このようなベルト伝達装置においては、過大な補機トルクが発生しない限り、弾性すべりが発生している状態にて作動していると考えられる。つまり、補機トルクが大きくなると、T1とT2との差が大きくなるとともに、従動プーリ200のベルト300に対する遅れが大きくなると言える。
一方、駆動プーリ100においても、同様な考え方で角度θ′─φ′つまり図中G〜Fの部分は張り側の張力T1と同一である。言い換えると、図中G〜Hの部分で動力伝達が行われ、この部分ではベルト300が駆動プーリ100に対して遅れながら滑っている。また、図中F〜Gの部分では、ベルト300と駆動プーリ100は一緒に回転していることになる。
【0011】
そして、このようなベルト伝達装置において、上記補機トルク(Trq)は、以下の数式1にて示される。
【0012】
【数1】
Trq=R1・(T1─T2) :R1、駆動プーリの半径
また、Kをベルト300の弾性定数、ε1、ε2を張り側のベルト歪み、緩み側のベルト歪みとすると、さらに以下の数式2、3の関係がある。
【0013】
【数2】
T1=K・ε1
【0014】
【数3】
T2=K・ε2
そして、図のようなベルト伝達装置において定常回転状態(弾性すべりの状態)では、質量保存の法則により以下の関係式が成立する。
つまり、単位時間に点Dを通過する質量=単位時間に点Eを通過する質量
今ベルト300に張力が無いときのベルトの線密度をρ0とすると、張力T1の時はベルト300の張り側の長さが(1+ε1)倍になり線密度はρ0/(1+ε1)になる。
【0015】
同様に張力T2のときベルト300の緩み側の長さが(1+ε2)倍になり線密度はρ0(1+ε2)になる。
従って、上記関係式はρ0/(1+ε1)・V1=ρ0(1+ε2)・V2となり、これを変形するとV1/V2=(1+ε1)/(1+ε2)となる。
つまり、ベルト300は伸びた分だけ速度が速くなり、さらにこれを変形すると数式4となる。
【0016】
【0017】
そして、上式補機トルクTrq=R1・K(V1/V2─1)となるのであるが、この式中(V1/V2─1)を変形すると、(V1−V2)/V2となり、この速度差V1−V2は、上述したように補機トルクが大きくなって、従動プーリ200のベルト300に対する遅れが大きくなるほど、大きくなる。
従って、(V1−V2)/V2は、従動プーリ200とベルト300との弾性すべりにおけるスリップ率と考えることができ、この結果、補機トルクTrqはスリップ率と直線的な関係があると考えられる。また、同様に駆動プーリ100とベルト300とのスリップ率とも考えることができる。
【0018】
従って、速度V1、V2が分かれば、補機トルクTrqとの相関関係が分かるのであるが、これは以下のようにして分かる。
例えばベルト300の緩み側にアイドラプーリを設ければ、アイドラプーリーは補機トルクを0と考えるとベルト300の緩み側と一緒に回転するので、このアイドラプーリの回転数(回転速度)w1が分かれば、V1(アイドラプーリの半径をR3とすると、R3・w1)が分かることになる。また、例えばベルト300の張り側にアイドラプーリを設ければ、ベルト300の張り側と一緒に回転するので、アイドラプーリの回転数w2が分かれば、V2(アイドラプーリの半径をR4とすると、R4・w2)が分かることになる。この結果、アイドラプーリを設ければ、容易にV1、V2が分かることになる。
【0019】
さらに上記(V1−V2)/V2は、上述した弾性すべりの状態では、駆動プーリ100と従動プーリ200とのスリップ率と考えることができる。つまり、上述したように弾性スリップの状態では、V1は駆動プーリ100の回転速度、V2は従動プーリ200の回転速度となり、駆動プーリー100と従動プーリ200との回転速度と補機トルクとは相関関係がある。
【0020】
さらに上記回転速度V1、V2は、駆動プーリ100の回転数をW1、従動プーリ200の回転数をW2とすると、V1=R1・W1、V2=R2・W2となり、
補機トルクTrq=R1・K((R1/R2)・(W1/W2─1))となる。
【0021】
この結果、R1、R2は、固定値であるので、補機トルクTrqは、駆動プーリ100と従動プーリ200との回転数比(回転数の差)と直線関係となる。
そして、このような考えに基づいて、駆動源(駆動プーリ100)により、複数の補機101〜104とアイドラプーリ105が一連のベルト300にて駆動される図2に示すようなベルト伝達装置において、図3に示すように駆動プーリ(例えば、エンジンのクランク軸プーリ)100の回転数W0と、アイドラプーリ105の回転数W5が分かれば、全ての補機の総トルクが分かることになる。また、回転数W0と補機101〜104のうち一つのプーリの回転数(W1〜4)を検出することで、所望の補機トルクを検出することができる。さらに例えば、補機1と補機3との回転数を検出することで、補機2と補機3との総和補機トルクを検出することができる。
【0022】
なお、図2中T1〜T5は、各補機間のベルト300の張力を表すものであり、アイドラプーリ105の補機トルクを0と考えるとアイドラプーリの前後では、張力の変化は無い。
そして、以上のような考え方に基づいて本発明者らが検討した結果、精度良く補機トルクを検知することが可能であることが確認されたのである。
【0023】
そこで、本発明は、請求項1記載の発明では、駆動軸プーリの回転数を検出する第1の回転数検出手段と、駆動軸プーリよりもベルトの進行方向の前方で複数の補機プーリよりもベルトの進行方向の後方に配置されたアイドラプーリの回転数を検出する第2の回転数検出手段と、第1、第2の回転数検出手段によって検出された回転数の差もしくは比に基づいて、前記複数の補機の総和トルクを検出する総和トルク検出装置と、を備えたことを特徴としている。これにより、一つのベルトにて複数の補機が駆動されるようなベルト伝達装置において、複数の補機の総和トルクを精度良く検出することができる。また、単に回転数を検出する手段を設けるだけであるので、一つの補機の補機トルクを検出する補機トルク検出装置を、各補機に設ける必要が無く、安価に補機トルクを検出することができる。
【0024】
また、請求項2記載の発明では、駆動軸プーリの回転数を検出する第1の回転数検出手段と、複数の補機プーリのうちベルトの進行方向の最も後方に配置された一つの補機プーリーの回転数を検出する第2の回転数検出手段と、第1、第2の回転数検出手段によって検出された回転数の差もしくは比に基づいて、前記複数の補機の総和トルクを検出する総和トルク検出装置と、を備えたことを特徴としている。
【0025】
これによっても、一つのベルトにて複数の補機が駆動されるようなベルト伝達装置において、複数の補機の総和トルクを精度良く検出することができる。また、単に回転数を検出する手段を設けるだけであるので、一つの補機の補機トルクを検出する補機トルク検出装置を、各補機に設ける必要が無く、安価に補機トルクを検出することができる。
【0026】
また、請求項4記載の発明では、総和トルク検出装置は、回転数の比、もしくは回転数の差と総和トルクとの関係を表すマップを有し、複数の補機のうち、補機トルクの大きさが実質的に一定で、その値が判明している一つの補機を断続運転し、断続運転前後の総和トルクを予め設定しておき、運転前の前記回転数比と運転後の回転数比に基づいて、マップを補正する補正手段を有することを特徴としている。
【0027】
これにより、ベルトの経年変化によって、ベルトの弾性定数が変化しても、また異常な環境条件の下で運転される場合でも、総和トルクの検出精度を高くすることが可能である。
【0030】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図6に示すように、自動車等に搭載される内燃機関1において、ベルト伝達装置として、各種の補機を駆動するためのベルトプーリ、例えば空調装置のコンプレッサ用プーリ2、パワーステアリングの油圧ポンプ用プーリ3、オルタネータ用(発電用)プーリ4、ラジエータの冷却ファン用プーリ5というような複数の補機用プーリが、クランク軸プーリ6(一般的に言えば駆動軸プーリ)によって一連のベルト7を介して同時に駆動されるようになっている。
【0031】
そして、このようなベルト伝達装置において、多くのプーリに蛇行上に一本のベルト7を巻架するために、アイドラプーリが用いられる場合があり、図6の例はアイドラプーリ8が設けられるとともに、ベルト7の張力が一定になるように自動的に調整するオートテンショナー9も、一つのアイドラプーリ10を伴ってベルト7の緩み側に設けられている。
【0032】
本発明の特徴として、図4、5に示す実施形態では、オートテンショナー9を利用して補機トルク検出装置の一部を構成している。オートテンショナー9のアイドラプーリ10の円環状内面11には、磁性体からなる多数の歯12が等間隔に設けられている。
実際には、アイドラプーリ10全体を磁性のある鉄あるいは鋼材のような素材によって形成し、その円環状内面11に内歯車状に多数の歯12を切削形成する。もしくは、アイドラプーリ10を鋳造等の方法で型成形する場合には、円環状内面11の歯12も同じ鋳型によって同時に成形されるようにすると良い。
【0033】
オートテンショナー9のアーム13は、その基部14が、図示しない軸によって限られた範囲内で回動することができるように支持されている。そして、このアーム13は、図示しない発条もしくは油圧シリンダのような付勢手段によって、ベルト7を緊張させる回動方向に付勢されている。
また、アーム13の自由端に一体的に取り付けられた軸15には、軸受16が設けられて、この軸受16によりアイドラプーリ10が回転自在に軸支されている。
【0034】
アーム13に形成された突起17には、回転数センサとしての電磁ピックアップ18が取り付けられており、電磁ピックアップ18の先端(検出端)は、磁性体からなる多数の歯12と所定の間隔をあけて、多数の歯12に突出するようになっている。
電磁ピックアップ18は、周知のものであって、簡単に言えば永久磁石、または磁気的にそれを接続している磁性体のコアにコイルを巻いたものであって、コイルの両端を可撓性のあるリード線19、20によって直接に外部の固定端子へ接続したり、コイルの一端をアーム13に接続するとともにコイルの他端を可撓性のあるリード線によって外部へ引き出して外部の固定端子へ接続する。
【0035】
そして、アーム13の移動範囲は、狭い角度内に限られているので、スリップリングのような摺動機構を用いなくとも、このように可撓性のあるリード線の先端を直接に対象の固定端子へ接続して出力信号を外部へ取り出すことができる。そして、本実施形態では、このような一連ベルト7にて駆動される複数の補機トルクの総和トルクを算出するのであるが、総和トルク検出装置400の構成を、図6中ブロック図にて示す。
【0036】
つまり、本実施形態における総和トルク検出装置400は、クランク軸21(クランク軸プーリ6)の回転数W1と、電磁ピックアップ18にて測定されたアイドラプーリ10の回転数W2とに基づいて、総和トルクを算出し、この算出された総和トルクをエンジン制御装置500に出力することで、エンジン1のアイドル回転数等を適時制御するようになっている。
【0037】
クランク軸プーリ6には、図6に示すように回転数センサ50が設けられている。なお、回転数センサ50は、クランク軸21、もしくはクランク軸21自体でなくとも、図示しないカム軸のようにクランク軸21に対して一定の回転比を持って駆動される軸の回転数を検出するものである。
通常、内燃機関では機関の回転数W1、もしくはそれに対して一定の比率にて回転するものの回転数は、エンジンの運転制御のための一ファクターとして利用されることが多く、クランク軸21に回転数センサを設けた車両が多い。
【0038】
従って、他の目的にて設置された回転数センサであっても、その出力信号を本発明の目的に利用すれば良い。また、回転数W1を検出する手段を備えていない内燃機関においては、クランク軸プーリ6に対して、図4、図5に示したものと同様な回転数検出手段を設けると良い。
【0039】
次に、図4、5に示した本発明の第1実施形態の作動について説明する。図6においてクランク軸21が回転することにより、クランク軸プーリ6に対して一連のベルト7によって各種プーリ2、3、5、8、10は一斉に回転駆動される。そして、この際、これら各種プーリ(各種補機)を駆動するためにクランク軸21に作用する総和トルクは、クランク軸21自体の回転数に伴って変化するだけでなく、補機の中にはコンプレッサ2のように断続運転されるものがあるため、総和トルクは一定で無く、内燃機関1の運転中は常時変動していると言って良い。
【0040】
そこで、変動する総和トルクを常時リアルタイムに正確に検出することができれば、内燃機関1の運転状態(例えばアイドル回転数)をきめ細やかな制御を行うことが可能となる。
そこで、本実施形態では、図1ないし図3に示した考え方に基づいて、回転数センサ50にて検出したクランク軸21の回転数W1と、ベルト7の進行方向前方でクランク軸プーリ6と隣合うように配置したオートテンショナー9に設けた電磁ピックアップ18によって検出したアイドラプーリであるプーリ10の回転数W2とによって、総和トルクを高い精度にて検知する。
【0041】
なお、電磁ピックアップ18にて回転数W2を検出するのであるが、簡単にこの原理を説明しておく。クランク軸プーリ6からベルト7を介してオートテンショナーのアイドラプーリ10が回転駆動されると、アーム13に対して固定されて実質的に移動しない電磁ピックアップ18の検出端の直前を、磁性体からなる多数の歯12が微小な時間間隔をおいて間欠的に通過している永久磁石の磁束密度が急激に増減変化する。
【0042】
この結果、電磁ピックアップ18のコイルには、電圧波形として略等間隔のピークを有するパルス電流が発生する。このパルス電流が回転数W2に対応する出力信号としてリード線19、20を介して、直接外部の固定端子へ取り出されて、演算装置を備えた総和トルク検出装置400に入力される。
総和トルク検出装置400においては、電磁ピックアップ18の出力信号であるパルス電流の単位時間当たりのピーク数をカウントすることによって、オートテンショナーのアイドラプーリ10の回転数W2を検出する。
【0043】
そして、仮にクランク軸プーリ6とアイドラプーリ10とが同径であれば、この回転数W2は、クランク軸プーリ6とベルト7との間における弾性スリップ分だけ減少しているので、回転数W1とW2の比、回転数比W1/W2の値によってクランク軸プーリ6に対するアイドラプーリ10のスリップ量の大きさを知ることができる。なお、この場合、アイドラプーリ10は負荷が無いものと考えて、ベルト7とアイドラプーリ10との間のスリップは無視できる。
【0044】
そこで、検出された回転数W1および回転数W2によってクランク軸プーリ6とアイドラプーリ10との間のスリップ量(スリップ率)の大きさを示す回転数比W1/W2を計算し、その値を図7に当てはめることで、その時点におけるクランク軸21に作用している総和トルクの大きさを知ることができる。そして、このような方法による 総和トルクの算出方法は、極めて高い精度にて検知することは、本発明者らの実験にて確認されている。
【0045】
また、このスリップ量(率)は、上述したようにベルト7の緩み側と張り側の速度比、つまり、クランク軸プーリ6とアイドラプーリ10との回転速度比から考えついたものであるので、当然ながら、クランク軸プーリ6とアイドラプーリ10との半径比Rを計算に入れなければならない。
つまり、W1、W2、S、Rを以下のように定義すると、
W1:クランク軸21およびクランク軸プーリ6の回転数
W2:オートテンショナーのアイドラプーリ10の回転数
S:クランク軸プーリ6に対するベルト7、つまりクランク軸プーリ6に対するアイドラプーリ10のスリップ率
R:プーリの半径比(アイドラプーリ10の径をR2、クランク軸プーリ6の径をR1としたとき、R=R1/R2)
とした場合、クランク軸プーリ6とベルト7(アイドラプーリ10)との間に生じるスリップ率Sは、
S=(W1─R・W2)/W2=R・(W1/W2)─1 (1)
そして、この数式(1)における半径比Rは定数であるので、スリップ率Sは、クランク軸プーリ6とアイドラプーリ10とを同径とした場合と同様に、回転数比W1/W2の値に依存することになる。
【0046】
従って、スリップ率Sから総和トルクの値を求めるためのスリップ率─補機トルク線図は、図7において縦軸に回転数比W1/W2をとると共に、縦軸および横軸間の比例関係を示す傾斜した直線を上下方向に平行移動させたものとなる。また、数式(1)から明らかなようにW1−R・W2=ΔWの値は、クランク軸プーリ6とベルト7との間の弾性スリップによって、アイドラプーリ10において生じる回転数の減少分を、基準回転数をアイドラプーリ10の回転数W2として算出しているが、回転数の変動の少ないクランク軸プーリ6の回転数W1を基準回転数としても良い。
【0047】
この場合のスリップ率をS′とすると、
S′=(W1−R・W2)/W1=1−R・(W2/W1) (2)
のように定義することができる。そして、クランク軸プーリ6の回転数W1を基準として回転数の比W2/W1を縦軸に取り、補機トルクを横軸によって実測値を線図上にプロットしたものを図8として示す。
【0048】
図8は、前述した図7に対応するもので、クランク軸プーリ6とアイドラプーリ10を同径とした場合である。この場合は、クランク軸プーリ6の回転数W1を基準としているので、図7の場合とは異なって回転数比─補機トルク線図の直線が右下がりになっている。また、内燃機関のように、複数の補機プーリ2〜5が一連のベルト7によって駆動される場合には、空調装置のコンプレッサ用プーリ2のように断続的に運転されるものでなく、冷却ファン用プーリ5のように一定値以上のトルクによって常時駆動されているものもあるので、クランク軸プーリ6に作用する補機トルクの値が図7、8において原点になることはあり得ない。従って、その時の回転数の比W1/W2もしくはW2/W1の値が1になることは無い。
【0049】
そこで、図7、図8では、回転数比─補機トルク線図を簡略化するために、補機トルクが常時作用している補機の基本的なトルク値と、それに対応する回転数比の微小変化分を線図上では省略して示している。すなわち、横軸の補機トルクとしては、断続運転されてトルク値が変化する補機トルクと、常時駆動されている補機でもトルク値が変化する分の合計をとっており、縦軸の回転数の比は、1.000から始まっている。
【0050】
また、前述したようにクランク軸プーリ6とアイドラプーリ10との半径が異なる場合でも、例えばスリップ率S′は、上記数式(2)によって定義されるので、回転数比とプーリの半径比Rの値を用いてスリップ率を算出し、実測にて用意されている図9に示すようなスリップ率─補機トルク線図にその値を当てはめることにより、その時に作用している補機トルクの値を正確に読み取ることができる。
【0051】
なお、アイドラプーリ10の回転数W2を基準とするスリップ率Sと補機トルクとの関係を求めても、図9と同様なスリップ率─補機トルク線図が得られる。そして、このようにスリップ率と補機トルクとの関係を実測して得た図9のようなスリップ率─補機トルク線図を、例えば演算装置を備えている総和トルク検出装置400内に予めマップとして設定しておけば、前述のような検出手段によって回転数W1およびW2を自動的に常時検出し、この検出値から自動的に高精度で、リアルタイムで補機トルクの大きさを検出することができる。
【0052】
また、以上の説明では、スリップ率から補機トルクを設定したが、当然ながら回転数比から直接補機トルクを算出することもできる。この場合の処理手順を図10に示す。
(第2実施形態)
上述した第1実施形態では、全ての補機の総和トルクを算出したが、本発明は、上述したようにクランク軸プーリ6の回転数と、どのプーリの回転数を検出するかによって所望の補機トルクを知ることができる。
【0053】
つまり、図6に示すベルト伝達装置を、図2に当てはめると、補機1が冷却用ファンプーリ5、補機2がコンプレッサ用プーリ2、補機3が油圧ポンプ用プーリ3、補機4がオルタネータ用(発電用)プーリ4、補機5がアイドラプーリ10に相当する。なお、アイドラプーリ8は負荷トルクが無いものとして、ここでは無視する。
【0054】
これにより、例えば、図6中クランク軸プーリ6の回転数と、コンプレッサ用プーリ2の回転数を検出すれば、図3の関係より、コンプレッサ用プーリ2と冷却ファン用プーリ5との総和トルクを算出することができる。そして、例えば冷却用ファンプーリ5の補機トルクは、ほぼ一定値として考えることができるので、上記総和トルクからファンプーリ5の補機トルクを引けば、コンプレッサ用プーリ2の単独の補機トルクを算出することができる。なお、この場合の処理手順を図11に示す。
【0055】
また、このようにコンプレッサ用プーリ2の補機トルクを算出する場合では、コンプレッサ用プーリ2に回転数センサを設ける必要があるが、車種によっては、既にコンプレッサ用プーリ2に回転数センサが設けられているものがある。
つまり、空調装置のコンプレッサのロックを検出するためにロックセンサ(コンプレッサ用プーリ2の回転数によってコンプレッサのロックを判定する)を有するものがあるので、これを利用すれば回転数センサを特別に設けずに、コンプレッサの補機トルクを算出することができる。
【0056】
(第3実施形態)
上記第1、第2実施形態では、ベルト7にて複数の補機が回転駆動されるようなベルト伝達装置において、全ての補機の総和トルクを算出したが、本発明では、例えば補機とアイドラプーリとの回転数をそれぞれ検出することで、2つ以上の所望の補機の総和トルクを算出することができる。
【0057】
つまり、上記第2実施形態にて述べたように図6を図2に当てはめると、図3に示したような関係から、図6中コンプレッサ用プーリ2と、冷却ファン用プーリ5との回転数比が分かれば、この回転数比と、単独のコンプレサ用プーリ2の補機トルクとの相関が分かる。従って、この相関に基づいて図7に示すようなマップを設定しておけば、精度良く、コンプレッサの補機トルクが算出できる。
【0058】
また、同様に図6中コンプレッサ用プーリ2と、発電用プーリ4との回転数比が分かれば、この回転数比と、油圧ポンプ用プーリと発電用プーリ4とがたしこまれた2つの補機の総和トルクとの相関が分かる。従って、この相関に基づいて図7に示すようなマップを設定しておけば、精度良く、油圧ポンプ用プーリと発電用プーリ4とがたしこまれた2つの補機の総和トルクが算出できる。
【0059】
また、同様に図6中アイドラプーリ8と、発電用プーリ4との回転数比が分かれば、この回転数比と、油圧ポンプ用プーリと発電用プーリ4とがたしこまれた2つの補機の総和トルクとの相関が分かる。従って、この相関に基づいて図7に示すようなマップを設定しておけば、精度良く、油圧ポンプ用プーリと発電用プーリ4とがたしこまれた2つの補機の総和トルクが算出することもできる。
【0060】
以上のようにクランク軸プーリ6を除いた2つのプーリの回転数比が分かれば、所望の補機の補機トルクが算出することが可能となる。なお、二つのプーリの回転数を検出する手段としては、図4、5に示したような電磁ピックアップ18にてプーリの回転数を検出すれば良い。また、コンプレッサ用プーリ2の回転数を検出する場合は、上述したようにコンプレッサロック用のセンサを設けてあれば、これを利用すれば良い。
【0061】
(第4実施形態)
上記第1〜3実施形態では、クランク軸プーリ6に作用している補機トルクの大きさをリアルタイムに正確に検知することができるが、ベルト7が径年変化によって劣化したり、プーリの有効半径が変化すると、予め設定された条件下において実測に設定された図7ないし図9のようなマップの勾配が不適合となる。
【0062】
さらに長年の使用によりベルト7が磨耗して実質的にプーリの半径比Rが変化すると、回転数比─補機トルク線図が不適合になる場合がある。そこで、本実施形態では、このような問題に対処して演算処理のために総和トルク検出装置400内に設定されている図7〜9に示すようなマップを、所定の時期に補正することにより、総和トルクの検出精度を常に高く維持するように補正手段が備えられている。
【0063】
この補正手段の例を図12に基づいて説明する。
例えば、多くの車は、リアウインドのガラス面に除霜用として熱線ヒータが設けられている。この熱線ヒータは、オルタネータプーリ4に連結されたオルタネータから通電を受けている状態では、一定の大きさの電気的負荷をオルタネータに与える。従って、熱線ヒータに通電されている状態では、オルタネータを回転駆動するトルクに一定の増加分が含まれる。
【0064】
そして、熱線ヒータに通電されている状態(熱線スイッチON)と、通電されていない状態(熱線スイッチOFF)での、回転数比の値を検出して、予め設定された総和トルクと、回転数比との関係を、図7に示すような回転数比─補機トルク線図上にプロットし、これら2点を直線的に結び、先に設定されている図7に示す直線を、この直線に置き換えるようにしてある。
【0065】
ここで、熱線スイッチON、OFFにおける予め設定された総和トルクとは、ベルト300の使用初期時で、例えば、アイドル回転数で、コンプレッサがオフ、つまりコンプレッサ用プーリ2には負荷トルクが無く、油圧ポンプ用プーリ3の負荷トルク一定(例えば、車両ハンドルが車両直進状態の操作位置にある)一定の条件下で、熱線スイッチをON、OFFさせたときの各総和トルクTb、Ta実測された値である。また、熱線スイッチON、OFFさせると、オルタネータの電流値が変化するので、この総和トルクTb、Taは、オルタネータの電流値によって分かる。
【0066】
具体的には、図12に示される補正手段は、上述した一定の条件下において、先ずステップ101にて、熱線スイッチがOFFの状態で、クランク軸プーリ6とアイドラプーリ10の各回転数W1a、W2aを検出し、これらの回転数比Wra=W2a/W1aを算出する。そして、補機トルクの値が図7に示すような回転数比─補機トルク線図上において、基準となる値となるA点の座標(Ta、Wra)を決定する。
【0067】
次に、ステップ101の処理を終わった後の短時間内にステップ102に進んで、熱線スイッチがONの状態で、クランク軸プーリ6とアイドラプーリ10の各回転数W1b、W2bを検出し、これらの回転数比Wrb=W2b/W1bを算出しする。そして、補機トルクの値が図7に示すような回転数比─補機トルク線図上において、基準となる値となるB点の座標(Tb、Wrb)を決定する。
【0068】
このようにして、回転数比─補機トルク線図上のA点とB点が決まるので、ステップ103にてA点とB点を直線的に結ぶことによってできた新たなる線図を、総和トルク検出装置400もしくはエンジン制御装置500内に先に設定されているマップと置き換える。また、この処理は、当初のマップ(図7〜9)を設定するときにも同様な手順で行えば良い。
【0069】
なお、ステップ101の処理を行った後に、ステップS102の処理を行うための時間は2、3秒に抑えてその間に他の補機トルクの変動が起こらないようにする必要がある。
(第5実施形態)
本実施形態では、上述した回転数による総和トルクの算出とは異なり、オートテンショナプーリ11の状態変化より、後述のようにオルタネータやパワステポンプ等の各補機のトルクの総和を検出し、この検出結果をエンジン制御装置500へ送る。エンジン制御装置500では、総和トルクの変動に応じてエンジン出力を適宜変更して、エンジン回転数を一定に維持する。
【0070】
図13にはオートテンショナー9の破断透視図を示し、図14にオートテンショナー9の断面図を示す。アイドラプーリ10(以下、単にプーリという)は平面をなすその外周面がVベルト7の背面に接しており、アーム13の先端に設けた軸15に回転自在に支持されている。プーリ10の本体には中心に厚肉筒状のボス部111が形成され、このボス部111がボールベアリング16(軸受)を介して軸15に回転自在に結合されている。
【0071】
アーム13はその基端がエンジン側面に立設された支軸115に回転自在に支持されるとともに、支軸115回りに配したコイルバネ113のバネ力によってアーム13先端が図13の矢印方向へ付勢されており、これによりプーリ10に懸架されたベルト7に常にほぼ一定の張力が与えられる。
図14において、アーム13の基端は、エンジンEの側面に立設した支軸115に回転自在に装着された傘形保持部141となっており、この保持部141は周囲に配したコイルバネ113により支軸115回りに回転付勢されている。プーリ10は上記アーム13の先端に設けた軸15にボールベアリング16を介して支持されており、この軸15には基部外周の複数箇所に歪みゲージ73が貼着してある。
【0072】
オートテンショナー9の上記プーリ10によりベルト7の張力はほぼ一定に保たれるが、微視的に見ると、他の補機のいずれかの負荷トルクが変動するとベルト7の張力も僅かに変化する。この張力変化は図15に示すように、軸15の軸荷重として現れるから、これを歪みゲージ73で検出すれば、図16に示すような比例関係で全補機の総和トルクが算出できる。したがって、この総和トルクに応じてエンジン出力を変更することにより、エンジン回転数の急変を防止することができる。
(第6実施形態)
図17にオートテンショナー9の正面図を示し、図18にその断面図を示す。アーム13基端の保持部141はエンジン側面に固定されるベース体116の支軸115に回転自在に結合されており、上記アーム13の先端に軸15が形成されて、ここにプーリ10が回転自在に支持されている。アーム13は支軸115周りのコイルバネ113により、図17の反時計方向へ回転付勢されており、この状態で、図の左方から至ったVベルト4を懸架している。
【0073】
アーム13の先端には、プーリ10が位置する側と反対面に、発光ダイオード74がベース体116へ向けて設けてあり、一方、上記発光ダイオード74に対向するベース体116下縁の支持壁161には、図17の左右方向へ直線状に延びる位置検出センサ75が設けてある。位置検出センサ75は、図19に示すように、前面に一定間隔でスリット751を有し、これらスリット751に対応する位置にフォトダイオードアレイ752が配設してある。
【0074】
補機の総和トルクが増大してベルト7の張力が大きくなると、コイルバネ113のバネ力に抗してアーム13が図17における反時計方向へ回転し、この回転角度の変化に伴ってアーム13の先端、およびここに設けたプーリ10が図19の右方へ移動する。この移動は、発光ダイオード74の光を受けるフォトダイオードアレイ752によって検出され、図20に示すような比例関係で、アーム13の回転角度変化(すなわちプーリ10の位置変化)に応じた全補機の負荷トルクの総和、つまり総和トルクが算出される。
【0075】
(他の例)
上記第1〜第4実施形態では、回転数センサとして電磁ピックアップ18を使用したが、図21、22に示すような光素子を用いても良い。図21中、22は発光ダイオードのような発光素子、23はフォトダイオードのような受光素子である。発光素子22と受光素子23とは、例えば第1、2実施形態と同様にオートテンショナー9のアイドラプーリ10の縁部において、対向するようにアーム13上に取り付けられる。そのために、発光素子22と受光素子23のいずれか一方を支持する突起24のようなものをアーム13と一体に形成しても良い。
【0076】
発光素子22と受光素子23の間には、アイドラプーリ10の縁部に環状に形成された回転スリット25が介在するように、発光素子22と受光素子23が位置決めされている。回転スリット25は、図21から明らかなように環状の板26に光を透過する半径方向の細かな開口27を円周方向から見て等間隔に形成したものであって、アイドラプーリ10のスカート部28に直接形成しても良い。また、回転スリット25をアイドラプーリ10とは別体のものとして形成して、それをスカート部28に取り付けても良い。また、受光素子23の受光面には、マスクとしての板状の固定スリット29が固定されており、固定スリット29には幾つかの開口30が形成されている。
【0077】
これにより、アイドラプーリ10がベルト7によって駆動されて回転すると、回転スリット25が共に回転し、発光素子22の光軸が、回転スリット25の環状の板26に形成された開口27と、固定スリット29に開口形成された開口30に合致したときだけ、発光素子22の発する光が受光素子23に到達してパルス電流が受光素子23から出力される。
【0078】
従って、このパルス電流は、第1、第2実施形態と同様にアイドラプーリ10の回転数W2を表すものであり、別に計測されるクランク軸21の回転数W1とともに処理されて、図7に示すように回転数比─補機トルク線図から、クランク軸21に作用する総和トルクの大きさを知ることができる。
また、さらに以上に述べた各実施形態では、一つのベルト7にてコンプレッサ用プーリ2、パワーステアリングの油圧ポンプ用プーリ3、オルタネータ用プーリ4、ラジエータの冷却ファン用プーリ5というような複数の補機を駆動したが、本発明では、図23に示すようにベルト伝達装置においても適用できる。
【0079】
つまり、図23に示すベルト伝達装置は、クランク軸プーリ6と、コンプレッサ用プーリ2、パワーステアリングの油圧ポンプ用プーリ3とからなり、オートテンショナー、アイドラプーリ等は設けられていない。そして、このようなベルト伝達装置において、クランク軸プーリ6の回転数と、油圧ポンプ用プーリ3の回転数を検出すれば、上記第1、第2実施形態と同様に2つの補機の総和トルクを算出することができる。また、クランク軸プーリ6の回転数と、コンプレッサア用プーリ2の回転数を検出すれば、空調装置のコンプレッサ(図示しない)単独の補機トルクを算出することができる。
【0080】
また、図23において、コンプレッサ用プーリ2、パワーステアリングの油圧ポンプ用プーリ3とは、配置位置を入れ換えても良いし、どのような補機であっても良い。
また、上記第1〜第3実施形態では、アイドラプーリ10その円環状内面11に内歯車状に多数の歯12を切削形成したが、図24、25に示すように一つでも良い。この場合、歯12を加工が容易となる。また、図26、27に示すようにアイドラプーリ10の円板状の円板部に鋳造等により、アイドラプーリ10の周方向に沿ってスリット116を形成して、歯12の役割を果しても良い。
【0081】
また、図28に示すようにアイドラプーリ10の周壁部に、スリット116を形成し、歯12の役割を果しても良い。なお、この場合、電磁ピックアップ18は、このスリットに対向するようにして配置する。
また、上記第1実施形態において、アイドラプーリ10とクランク軸プーリ6との回転数を検出して、補機の総和トルクを算出したが、図6においてクランク軸プーリ6と発電用プーリ4との回転数を検出し、この2つの回転数に基づいて、図7に示すような回転数比─補機トルク線図を設定することでも、補機の総和トルクを算出するようにしても良い。なお、この場合、発電用プーリ4の回転数を検出手段としては、図4、5に示すような電磁ピックアップ18と歯12を用いたり、上述した発光素子22と受光素子23にて検出すれば良い。
【0082】
また、上記第1〜第4実施形態では、回転数比に基づいて総和トルクを算出したが、回転数の差に基づいて総和トルクを算出しても、勿論良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の原理を表す図である。
【図2】 本発明の原理を表す図である。
【図3】 本発明の概要を表す図である。
【図4】本発明の第1実施形態におけるアイドラプーリ10の断面図である。
【図5】上記第1実施形態におけるアイドラプーリ10の下面図である。
【図6】上記第1実施形態におけるベルト伝達装置の全体構成図である。
【図7】上記第1実施形態における回転数比と補機トルクとの関係図である。
【図8】上記第1実施形態における回転数比と補機トルクとの関係図である。
【図9】上記第1実施形態におけるスリップ率と補機トルクとの関係図である。
【図10】上記第1実施形態における補機トルクの算出の手順を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第2実施形態における補機トルクの算出の手順を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第4実施形態における処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第5実施形態における、オートテンショナーの破断透視図である。
【図14】本発明の第5実施形態における、オートテンショナーの縦断面図である。
【図15】上記第5実施形態における、ベルト張力とオートテンショナプーリの軸荷重の関係を示す説明図である。
【図16】上記第5実施形態における、ベルト張力変化と補機の負荷トルクの関係を示す図である。
【図17】本発明の第6実施形態における、オートテンショナーの正面図である。
【図18】上記第6実施形態における、オートテンショナーの縦断面図で、図20のX −X 線に沿った断面図である。
【図19】上記第6実施形態における、位置検出センサの破断斜視図である。
【図20】上記第6実施形態における、アームの回転角度変化と補機の負荷トルクの関係を示す図である。
【図21】本発明の他の例を示す図である。
【図22】本発明の他の例を示す図である。
【図23】本発明の他の例を示す図である。
【図24】本発明の他の例を示す図である。
【図25】本発明の他の例を示す図である。
【図26】本発明の他の例を示す図である。
【図27】本発明の他の例を示す図である。
【図28】本発明の他の例を示す図である。
【符号の説明】
1…エンジン、2…コンプレッサ用プーリ、3…油圧ポンプ用プーリ
4…発電用プーリ、5…冷却ファン用プーリ、6…クランク軸プーリ
7…ベルト、10…アイドラプーリ、12…歯、18…電磁ピックアップ
50…回転数センサ
Claims (4)
- エンジン(1)に設けられ、このエンジン(1)により回転駆動する駆動軸プーリ(6)と、アイドラプーリ(10)と、前記駆動軸プーリ(6)および前記アイドラプーリ(10)に巻架された一つのベルト(7)により複数の補機を駆動する複数の補機プーリ(2〜5)とを有するベルト伝達装置の補機トルク検出装置であって、
前記アイドラプーリ(10)は、前記駆動軸プーリ(6)よりも前記ベルト(7)の進行方向の前方で前記複数の補機プーリ(2〜5)よりも前記ベルト(7)の進行方向の後方に配置されており、
前記駆動軸プーリ(6)の回転数を検出する第1の回転数検出手段(50)と、
前記アイドラプーリ(10)の回転数を検出する第2の回転数検出手段(12、18)と、
前記第1、第2の回転数検出手段(12、18、50)によって検出された回転数(W1、W2)の差もしくは比に基づいて、前記複数の補機(2〜5)の総和トルクを検出する総和トルク検出装置(400)と、を備えたことを特徴とするベルト伝達装置の補機トルク検出装置。 - エンジン(1)に設けられ、このエンジン(1)により回転駆動する駆動軸プーリ(6)およびこの駆動軸プーリ(6)に巻架された一つのベルト(7)により複数の補機を駆動する複数の補機プーリ(2〜5)とを有するベルト伝達装置の補機トルク検出装置であって、
前記駆動軸プーリ(6)の回転数を検出する第1の回転数検出手段(50)と、
前記複数の補機プーリのうち前記ベルト(7)の進行方向の最も後方に配置された一つの補機プーリーの回転数を検出する第2の回転数検出手段(12、18)と、
前記第1、第2の回転数検出手段によって検出された回転数(W1、W2)の差もしくは比に基づいて、前記複数の補機(2〜5)の総和トルクを検出する総和トルク検出装置(400)と、を備えたことを特徴とするベルト伝達装置の補機トルク検出装置。 - 前記アイドラプーリ(10)は、前記ベルト(7)の張力を一定に保つオートテンショナーに設けられていることを特徴とする請求項1に記載のベルト伝達装置の補機トルク検出装置。
- 前記総和トルク検出装置は、前記回転数の比、もしくは回転数の差と前記総和トルクとの関係を表すマップを有し、
前記複数の補機のうち、補機トルクの大きさが実質的に一定で、その値が判明している一つの補機を断続運転し、断続運転前後の前記総和トルクを予め設定しておき、運転前の前記回転数比と運転後の回転数比に基づいて、前記マップを補正する補正手段を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載のベルト伝達装置の補機トルク検出装置。
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