JP3643713B2 - 自動販売機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、実際に販売する商品を前方から視認可能な状態で前後方向に延びる商品通路内に収納し、収納した商品に関する情報を前方から視認可能に表示するとともに、販売時に、収納した商品を商品通路から払い出し、商品取出口に搬送する自動販売機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の自動販売機として、いわゆるショーケース型の自動販売機が知られている。ショーケース型の自動販売機は、左右方向に並ぶ複数の商品通路を有し、上下方向に配置された複数の商品ラックと、商品通路の払出口に臨む受取位置と販売取出口との間で移動可能な搬送機構とを備えている。各商品ラックの上面には、左右方向に仕切るように複数の仕切壁が取り付けられ、これらの仕切壁は、商品通路の側壁をそれぞれ構成している。これら複数の仕切壁は、商品ラックに対する取付位置をそれぞれ変更可能に構成されており、異なる幅の商品を販売する場合には、仕切壁の取付位置を変更することによって、商品通路の幅を変更している。
【0003】
また、商品ラックには、販売商品に関する情報、すなわち販売商品の価格や番号などを表示する表示ラベルが、前方から視認可能に商品通路の払出口の近くに配置されており、これらの表示ラベルは、粘着テープや接着剤によって貼り付けられている。販売時に、商品購入者が表示ラベルを参照しながら商品選択ボタンを操作すると、搬送機構が選択された商品を収納する商品通路の受取位置に移動して停止する。そして、搬送機構は、払出口から払い出された商品を受け取り、商品取出口まで搬送する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の自動販売機では、販売する商品の変更に伴い、商品通路に対応する表示ラベルを商品ラックから剥がして付け替えたり、その貼り付け位置を変更したりしなければならない。この表示ラベルは、粘着テープや接着剤で貼り付けられているので、剥がす際に損傷してしまい、再利用できない。また、商品通路の幅の変更に伴って、商品を商品通路から払い出す払出口の位置が左右方向にずれてしまうので、これに応じて、販売時に搬送機構が払出口付近で停止する受取位置を、変更の都度、商品通路毎に左右方向に調整しなければならない。このように、従来の自動販売機では、販売する商品の幅の変更に伴うメンテナンス作業、すなわち表示ラベルの付替および取付位置の変更作業や搬送機構の受取位置の調整作業などが大きな負担になっており、これを解消できるものが望まれている
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、実際に販売する商品を前方から視認可能な状態で収納する自動販売機において、商品通路の幅の変更に伴うメンテナンス作業を、容易にかつ効率よく行うことができる自動販売機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1の自動販売機は、前後方向に延びる商品通路内に、複数の商品を並べて収納し、販売時に、最前位置の商品を商品通路の前端の払出口から前方に払い出すとともに、払い出された商品を商品取出口に搬送する自動販売機であって、上下方向に延びる透明な前面パネルと、この前面パネルの後方にほぼ水平に設けられた棚板と、この棚板上に前後方向に延びるように取り付けられ、商品通路を画成するとともに、棚板に対する取付位置を左右方向に変更可能に構成された仕切壁と、を備え、仕切壁は、その前端部に設けられた取付部を有し、この取付部に着脱自在に取り付けられ、商品に関連する情報を表示する表示部材と、前面パネルの後方に配置され、商品通路の払出口に臨む受取位置と、商品取出口に搬送するための搬出位置との間で移動自在に設けられ、販売時に商品通路から払い出された商品を受取位置で受け取り、搬出位置に搬送する搬送手段と、この搬送手段に設けられ、搬送手段が受取位置にあるときに、表示部材を検出して検出信号を出力する検出手段と、販売時に、搬送手段を、販売すべき商品を収納する商品通路の受取位置に向かって移動させるとともに、検出手段から検出信号が出力されたときに、受取位置に停止させるように制御する制御装置と、を更に備えていることを特徴とする。
【0007】
この自動販売機によれば、販売する商品の幅の変更に伴って仕切壁の棚板への取付位置が左右方向に変更される。この場合に、商品に関連する情報を表示する表示部材、例えば価格を表示する価格ラベルは、仕切壁の前端部の取付部に取り付けられていることにより、仕切壁とともに棚板に対する配置が左右方向に変更される。これによって、従来と異なり、表示部材の配置を変更するために別に作業を行う必要がなくなる。これに加えて、表示部材は、取付部に着脱自在に取り付けられているので、交換作業が容易になるとともに、従来の粘着テープや接着剤で貼り付けた場合と異なり、取り外す際に損傷・変形することがなく、繰り返し利用できる。以上によって、商品通路の幅の変更に伴うメンテナンス作業を、容易にかつ効率よく行うことができる。また、販売時に、制御装置が、搬送手段を受取位置に向かって移動させるとともに、検出手段の表示部材の検出信号に従って停止させることにより、搬送手段は、受取位置に停止する。この表示部材は仕切壁の取付部に取り付けられているので、販売商品の幅の変更に伴って仕切壁の棚板への取付位置を左右方向に変更した場合でも、表示部材を検出手段で検出することによって、搬送手段を受取位置に移動させ、停止させる動作を確実かつ適切に実行することができる。これによって、商品を確実に販売することができる。したがって、商品通路の幅を変更した場合でも、従来と異なり、搬送手段の停止位置を左右方向に調整する必要がなくなることによって、商品通路の幅の変更に伴うメンテナンス作業を、さらに容易に行うことができる。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の自動販売機において、仕切壁は、棚板にそれぞれ取り付けられるとともに、取付部および表示部材をそれぞれ備える複数の仕切壁で構成され、これら複数の仕切壁の隣り合う各2つの仕切壁間には、商品通路が画成され、搬送手段は、試運転のために、受取位置の高さで棚板の全体に渡って左右方向に移動可能に設けられ、制御装置は、この試運転時に、検出手段が複数の表示部材をそれぞれ検出したときの複数の検出信号に基づいて複数の受取位置を演算する演算手段と、この演算手段が演算した複数の受取位置を記憶する記憶手段と、を備えていることを特徴とする。
【0011】
この自動販売機によれば、制御装置は、仕切壁が複数設けられている場合に、試運転として、搬送手段を棚板に沿って移動させ、そのときに検出手段で検出された検出信号に基づいて、演算手段により複数の受取位置を演算し、記憶手段に予め記憶することができる。したがって、複数の仕切壁間に画成された複数の商品通路の幅を変更した場合でも、商品の販売に先立ち試運転を行って変更後の受取位置を予め記憶しておくことにより、販売時に、搬送手段を受取位置に近づくまで左右方向に速い速度で移動させ、受取位置付近において速度を緩めるような移動速度制御を実行することができる。これによって、商品の販売時間を短縮することができる。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の自動販売機において、搬送手段の前面には、発光手段が設けられており、制御装置は、検出手段から検出信号が出力されたときに、発光手段を発光させるように構成されていることを特徴とする。
【0013】
この自動販売機によれば、発光手段の発光によって、搬送手段が受取位置に到達したことを前方に報知することができる。これによって、試運転時などにおいてメンテナンス作業を行う際に、検出手段の動作確認などを容易に行うことができる。また、搬送手段が受取位置にあるときに発光し続けるすなわち点灯を続けるので、このことを知らせることができるとともに、搬送手段の受取位置への移動を棚板に沿って左右方向に行う場合には、受取位置を通過する毎に発光手段が短く発光するすなわち点滅するので、販売時における商品購入者の興趣を増大させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る自動販売機について説明する。図1〜図3は、本実施形態による自動販売機2を示している。この自動販売機2は、横長ボックス状の販売機本体3内に、缶入飲料やペットボトル入り飲料などの多品目の商品Sを前後方向に並べて収納するとともに、商品Sを前面の透明なスライディングドア(前面パネル)3aを通して見えるようにした、いわゆるショーケース型のものである。自動販売機2は、上記販売機本体3と、商品Sを収納するとともに販売時にこれを払い出す商品収納払出装置1と、販売時に、商品収納払出装置1から払い出された商品Sを受け取り、商品取出口6に臨む搬出位置に搬送する商品搬送装置(搬送手段)4とを備えている。
【0015】
販売機本体3は、複数の外壁パネル3bをボックス状に組み立てたものであり、その開放した前面には、2枚の上記スライディングドア3a,3aが取り付けられている。各スライディングドア3aは、常時は閉状態でロックされており、商品Sのローディング時などに開放され、後述するように商品Sが補充される。また、販売機本体3の上部には、商品Sを冷却する冷却装置5が設けられ、前面のスライディングドア2aの右方には、商品取出口6と、プリペイドカードが挿入されるカード挿入口7a、カードリーダーおよびテンキー式の商品選択ボタン(いずれも図示せず)などを取り付けたコントロールパネル7とが設けられている。また、コントロールパネル7には、図示しない制御装置が内蔵されており、この制御装置は、いずれも図示しないRAM(記憶手段)、ROMおよびCPUなどで構成されたマイクロコンピュータ(演算手段)を備えている。制御装置は、後述する商品搬送装置4、反射式フォトセンサ、透過式フォトセンサおよびプッシャ駆動機構8などに電気的に接続されている。
【0016】
商品搬送装置4は、商品収納払出装置1の前方に、左右方向に移動自在に設けられたYモジュール4aと、Yモジュール4aを左右方向に駆動するX方向駆動機構4bと、Yモジュール4aの左右方向の移動を案内する上下のガイド機構4c,4cなどで構成されている。Yモジュール4aは、上下方向に延び、X方向駆動機構4bによって左右方向に駆動される可動体4dと、この可動体4dの右側面に突出し、かつ可動体4dに対して上下方向に移動自在に設けられたバケット(搬送手段)4eとを備えている。また、可動体4dには、バケット4eを上下方向に駆動するY方向駆動機構(図示せず)が内蔵され、バケット4eには、ともに図示しない反射式フォトセンサおよび透過式フォトセンサと、バケット4eの前面上部に配置されたLED(発光手段)4fと、図8に示すようなプッシャ駆動機構8とが設けられている。
【0017】
反射式フォトセンサ(検出手段)は、発光素子と受光素子を組み合わせ、並設したものであり、発光素子から放射された光線が対象物に反射され、受光素子側に入射することによって対象物を検出する。反射式フォトセンサは、その前方の所定距離以内に位置し、かつある程度の光反射性を有する対象物のみを検出可能であり、検出信号を上記制御装置へ出力する。制御装置は、販売時に、商品Sを搬送するために、バケット4eを商品収納払出装置1から払い出された商品Sを受け取る受取位置(後述する払出口11bに臨む位置)に向かって移動させる。この場合、後述するように、反射型フォトセンサにおける検出時間Tを判断することによって、価格ラベルL2の存在を検出する。そして、価格ラベルL2を検出したときに、バケット4eを停止させることにより、バケット4eを受取位置に停止させる。
【0018】
透過式フォトセンサも、発光素子と受光素子を互いに対向するように組み合わせたものであり、発光素子から放射された光線が対象物に遮られ、受光素子側に入射しなくなることによって対象物を検出するとともに、検出信号を上記制御装置へ出力する。透過式フォトセンサの発光素子および受光素子は、バケット4eの後端部に取り付けられており、制御装置は、この透過式フォトセンサによって、商品収納払出装置1からの商品Sの払い出しを検出する。
【0019】
また、LED4fは、販売時に、バケット4eの反射式フォトセンサが、仕切壁13の価格ラベルL2を検出したときに点滅するとともに、バケット4eが受取位置に停止し、反射式フォトセンサから価格ラベルL2の検出信号が連続して出力されている間は、点灯状態になるように構成されている。このLED4fは、バケット4eの前面上部に配置され、透明なスライディングドア3aを介して前方から視認可能であることによって、販売動作中に、商品購入者に対してバケット4eが動作している、すなわち販売動作中であることをアピールする。これに加えて、試運転時などには、反射式フォトセンサと各価格ラベルL2との間の距離が所定距離であるか否か、すなわち適切な検出時間で検出しているか否かの動作確認や、反射式フォトセンサが正常に動作しているか否かの故障判定などに利用される。
【0020】
プッシャ駆動機構8は、スイングアーム8a、スイングアーム8aの上端部に取り付けられた駆動ギアG1を含む複数のギアおよび上記制御装置によって駆動される図示しないモータなどを備えている。駆動ギアG1は、モータおよび複数のギアを介して図8の反時計回りに回転される。スイングアーム8aは、図8に示す鉛直姿勢の待機位置と、時計回りに回動し、駆動ギアG1が商品収納払出装置1の後述するギアG2と噛み合う噛合位置との間で、その下端部を支点として回動可能になっている。スイングアーム8aは、販売待機時に、待機位置に保持されるとともに、販売時に、噛合位置に回動する。このとき、駆動ギアG1がギアG2と噛み合うことにより、プッシャ駆動機構8のモータの回転がギアG2に伝達される。
【0021】
次に、商品収納払出装置1の構成について説明すると、商品収納払出装置1は、図3に示すように、販売機本体3内に組み立てられたラックフレーム10と、このラックフレーム10に水平に取り付けられた多数の商品ラック11とを備えている。ラックフレーム10は、左右の3箇所に等間隔で配置された縦フレーム材10a,10a,10aを有している。これらの縦フレーム材10aの上部間および下部間を図示しない上下の横フレーム材で連結し、さらに、図示しない側壁パネルを縦フレーム材10aに取り付けることによって、各2つの縦フレーム材10a、10a間に、左右2つの商品収納室10b,10bが画成されている。左収納室10bには、上下10段の商品ラック11が、右収納室10bには上下9段の商品ラック11が、それぞれ並んで格納されており、これらの商品ラック11は、図2に示すように、その前端部が面一に並ぶように格納されている。
【0022】
図4に示すように、商品ラック11は、平面形状が矩形の棚板12と、この棚板12に着脱自在に取り付けられた、棚板12上を左右方向に仕切る複数の仕切壁13とを備えている。各2つの仕切壁13,13間や、棚板12の右側壁12cと仕切壁13の間には、前後方向に延びる商品通路11aが画成されており、各商品通路11aの前端部は、前方に開口して商品Sを払い出すための払出口11bを形成している。各商品通路11aには、同一種類の商品Sが収納されている(図10および図18参照)。棚板12は、鋼板を曲げ加工することによって製作され、商品通路11aの底を構成する平らな底壁12aと、底壁12aの前端部から下方に折れ曲がった前壁12bと、底壁12aの左右端部および後端部からそれぞれ上方に折れ曲がった左右の側壁12c,12cおよび後壁12dとを備えている。
【0023】
前壁12bは、図8および図15に示すように、底壁12aの前縁から後方(同図の右方、以下同様)に折り返され、さらに下方に鉛直に折れ曲がるとともに、底壁12aの前縁に平行に延びる上壁部12jと、この上壁部12jから斜め前方に折れ曲がり、さらに下方に延びる段部12iとを有している。図5に示すように、上壁部12jには、多数の横長の前角孔12eが形成されている。これらの前角孔12eは、左右方向に並び、かつ隣り合う各2つの中心間の距離すなわちピッチPが互いに等しくなるように形成されている。この棚板12では、ピッチPは13mmに設定されている。
【0024】
一方、図4に示すように、後壁12dは、棚板12の後端に沿って左右方向に延びており、鉛直線上に並ぶ上下2つの横長の後角孔12f,12fを1組として、左右方向に並んだ多数組の後角孔12f,12fを有している。各組の後角孔12f,12fは、前壁12bの各前角孔12eに対応する位置、すなわち各前角孔12eを含んで前後方向に延びる鉛直面が後壁12dと交差する交差線上にそれぞれ形成されており、これによって、隣り合う左右各2つの後角穴12f,12fのピッチPは、前角孔12eと同様に13mmに設定されている。
【0025】
また、底壁12aの前後部には、前角孔12eと、これに対応する後角孔12fを含んで前後方向に延びる鉛直面が底壁12aと交差する交差線上に前後に並んだ2つの基準孔(図示せず)を1組として、複数組の基準孔が左右方向に並んで形成されている。各1組の基準孔は、7つの前角孔12e毎に配置されている。これらの基準孔は、後述するように、仕切壁13を棚板12に左右方向に揃えて取り付けるための目印として利用される。
【0026】
図6〜図8に示すように、仕切壁13は、前後方向(図8の左右方向)に長い箱形の仕切壁本体14と、仕切壁本体14の前後端部に取り付けられた前後の連結アダプタ15,16と、仕切壁本体14に前後方向に移動可能に取り付けられたプッシャ20とを備えており、モジュール化された部品である。図6に示すように、仕切壁本体14は、前後方向に同一のほぼ矩形の縦長の断面形状を有し、アルミ合金を押出成形することによって製作されるとともに、その幅Wは19mmに設定されている。仕切壁本体14の上端部には、上溝14aが形成されており、この上溝14aは、仕切壁本体14内を前後方向に連通している。さらに、上溝14aは、C形鋼と同様の断面形状の壁で画成されており、仕切壁本体14の上面に開口するとともに、その開口は、前後方向に延びる狭いスリット14bになっている。また、仕切壁本体14の下端部には、断面矩形の下中空部14cが形成されており、下中空部14cは、仕切壁本体14内を前後方向に連続して延びている。
【0027】
仕切壁本体14の右側面14dの上部には、前後方向に延びる案内溝14eが形成されており、この案内溝14eの開口の上下縁は、右側面14dに連続して上下方向に突出し、かつ互いに平行に前後方向に連続して延びる上下の係合突部14f,14fになっている。また、右側面14dの中央部には、上記案内溝14eと平行に前後方向に延びる断面矩形の溝14gが形成されている。この溝14g内には、前後方向に延びるタイミングベルト17が格納されている。
【0028】
また、前連結アダプタ15は、図6〜図8に示すように、縦長の合成樹脂成形品であり、その背面の上下端部には、ともに後方に突出する左右2つの突起15a,15aを1組として、上下2組の突起15aがそれぞれ設けられている。上1組の突起15aは上記仕切壁本体14の上溝14aの前開口部に、下1組の突起15aは下中空部14cの前開口部にそれぞれ嵌合しており、これらの嵌合によって前連結アダプタ15は、仕切壁本体14に取り付けられている。
【0029】
図7に示すように、前連結アダプタ15の前側の上下部には、上下の取付枠(取付部)15b,15cがそれぞれ設けられており、図5に示すように、上取付枠15bには、前記商品通路11aの番号、言い換えればこれに収納した商品Sの番号を表示する番号ラベル(表示部材)L1が、下取付枠15cには、収納商品Sの価格を表示する価格ラベル(表示部材)L2がそれぞれ取り付けられている。上取付枠15bの上端部には、スリットSL1が形成され、上取付枠15bの左右枠部内には、スリットSL1に連続するとともに、互いに平行に上下方向に延びる溝(図示せず)がそれぞれ形成されている。これにより、番号ラベルL1は、スリットSL1に差し込まれることによって、上取付枠15bに取り付けられ、これとは逆に、上方に引っ張られることによって上取付枠15bから取り外される。このように、番号ラベルL1は、上取付枠15bに対して着脱可能に取り付けられており、商品ラック11の商品通路11aの数を変更する場合などには、それに応じて差し替えられる。
【0030】
一方、下取付枠15cも上記上取付枠15bと同様に構成されており、価格ラベルL2は、下取付枠15cの上部に形成されたスリットSL2に差し込まれることによって、下取付枠15cに着脱可能に取り付けられている。したがって、商品通路11aに収納する商品Sの価格が変更になった場合などには、それに応じて価格ラベルL2が差し替えられる。
【0031】
さらに、価格ラベルL2は光反射性を備えており、自動販売機2の運転中に、前述したバケット4eの反射型フォトセンサが価格ラベルL2に向けて光線を放射した場合、この放射光線は、価格ラベルL2によって反射式フォトセンサの受光素子側に反射されるようになっている。これに加えて、価格ラベルL2は、商品収納払出装置1の最前位置に位置し、反射型フォトセンサとの前後方向の距離が一定になるように配置されている。これによって、反射型フォトセンサにおける価格ラベルL2の検出時間T、すなわち反射式フォトセンサが放射した光線が価格ラベルL2によって反射され、受光素子側に入射するまでに要する時間Tは、所定値Tpになっており、制御装置は、反射式フォトセンサの検出時間Tが所定値Tpか否かを判断することで、価格ラベルL2の存在の有無を検出する。すなわち、検出時間Tが所定値Tpのときに、反射式フォトセンサが価格ラベルL2の存在を検出したと判断する。
【0032】
前連結アダプタ15の中央部、すなわち上取付枠15bと下取付枠15cの間には、図8に示すように、前後方向に開口する前拡がりの凹部が形成されている。この凹部内には、前プーリ18付きのギアG2が設けられており、これらは合成樹脂で一体成形されている。このギアG2は、左右方向に延びる水平軸線回りに回動自在に前連結アダプタ15に取り付けられている。ギアG2の前端部は、凹部の前面開口を介して前連結アダプタ15の前縁よりも少し前方に突出している。前プーリ18は、タイミングベルト17の歯と噛み合う歯付きプーリで構成されており、ギアG2が前述した駆動ギアG1によって時計回りに駆動されると、これと一体に前プーリ18も時計回りに回転し、タイミングベルト17を時計回りに回転にさせる。
【0033】
また、前連結アダプタ15の下取付枠15cの背面には、ともに水平に後方に突出する係合突起15dと連結爪15eがそれぞれ形成されている。図8に示すように、係合突起15dは、棚板12の底壁12aの下面の前端部に当接しており、これによって、前連結アダプタ15は、棚板12に対して上方に移動しないように係止されている。一方、連結爪15eは、係合突起15dのすぐ下方に設けられ、その先端部の下面には、段部が形成されている。この連結爪15eは弾性を有しており、前述した棚板12の前壁12bのいずれか1つの前角孔12eに差し込まれ、段部が係止されることによって、これに抜け止め状態でスナップ嵌めされている。これにより、前連結アダプタ15は、棚板12に対して左右方向および下方に移動しないように係止されている。以上のように、前連結アダプタ15は、連結爪15eおよび係合突起15dによって棚板12に抜け止め状態で連結されているとともに、連結爪15eの先端部を手で上方に弾性変形させることによって、棚板12から必要に応じて取り外すことができる。
【0034】
さらに、前連結アダプタ15は、その右側面の後部の上側に半円形に切り欠かれた切欠穴15fを備えており、この切欠穴15fは、仕切壁本体14の案内溝14eに連続するように、案内溝14eの前側に位置している。
【0035】
一方、図6および図8に示すように、後連結アダプタ16もまた、縦長の合成樹脂成形品であり、その前面の上下端部には、ともに前方に突出する左右2つの突起16a,16aを1組として、上下2組の突起16aがそれぞれ設けられている。上1組の突起16aは前述した仕切壁本体14の上溝14aの後開口部に、下1組の突起16aは下中空部14cの後開口部にそれぞれ嵌合しており、これらの嵌合によって後連結アダプタ16は、仕切壁本体14に取り付けられている。
【0036】
後連結アダプタ16の背面の上下端部にはそれぞれ、後方に突出する連結突起16b,16bが形成されている。これらの連結突起16b,16bは、前述した棚板12の後壁12dのいずれか1組の後角孔12f,12fにそれぞれ嵌合しており、これによって、後連結アダプタ16は、棚板12に連結されている。このように、後連結アダプタ16が棚板12の後壁12dに連結され、かつ上述したように前連結アダプタ15が棚板12の前壁12bに連結されていることによって、仕切壁13は、棚板12に連結されている。また、上述したように、前連結アダプタ15の連結爪15eを、指で弾性変形させて前角孔12eから外すと同時に、仕切壁13を前方に移動させて連結突起16bを後角孔12fから外せば、仕切壁13を棚板12から取り外すことができる。
【0037】
また、後連結アダプタ16の中央部には、前面が開放する凹部が形成されており、この凹部内には、前述した前プーリ18と同様に構成された後プーリ19が設けられている。後プーリ19は、左右方向に延びる水平軸線回りに回動自在にホルダ19aに取り付けられ、後プーリ19と前プーリ18の間には、前述したタイミングベルト17が掛け渡されている。
【0038】
ホルダ19aは、上方から見て断面「コ」の字形の金属板であり、後連結アダプタ16に内蔵された上下2つコイルばね16c,16cによって、後方に付勢されている。このように、ホルダ19aがコイルばね16cで後方に付勢されることにより、タイミングベルト17は張った状態に保持されている。この場合、タイミングベルト17の張力は、後プーリ19と前プーリ18を互いに近づけるように作用するので、前連結アダプタ15は前プーリ18を介して、後連結アダプタ16は後プーリ19およびコイルばね16cを介して仕切壁本体14側にそれぞれ押圧されている。それゆえ、前述したように、仕切壁13を棚板12から取り外しても、前後の連結アダプタ15,16は、仕切壁本体14との嵌合が外れないように保持される。
【0039】
さらに、後連結アダプタ16は、その右側面の前部の上側に半円形に切り欠かれた切欠穴16dを備えており、この切欠穴16dは、仕切壁本体14の案内溝14eに連続するように、案内溝14eの後側に配置されている。
【0040】
一方、プッシャ20は、販売時に商品通路11a内の収納商品Sを前方に押圧し、払出口11bから払い出すためのものである。図5〜図7に示すように、プッシャ20は、サポート21と、このサポート21に取り付けられ、商品通路11a内の商品Sを押圧するプッシャ本体22と、サポート21の前後部の上側に回転自在にそれぞれ取り付けられた前後2つの第1ガイドローラ23,23と、サポート21の下端部に回転自在に取り付けられた第2ガイドローラ24とで構成されている。
【0041】
サポート21は、矩形の金属板を曲げ加工することによって製作されており、矩形の板壁部21aと、板壁部21aの上下端部および前端部からそれぞれ右方に折れ曲がった上下および前の3つのつば部21b,21b,21bとを備えている。板壁部21aは、仕切壁本体14の右側面14dに沿って鉛直に配置され、その中央下部が上記タイミングベルト17の水平な下半部に連結されている。この連結によって、プッシャ20は、上述したようなタイミングベルト17の時計回りの回転に伴い、サポート21を介して前方に移動する。
【0042】
プッシャ本体22は、縦長で厚さの厚い矩形板であり、仕切壁本体14の右側面14dに対して直角にかつ鉛直方向に延びるように、サポート21の前つば部21bに取り付けられている。プッシャ本体22の前面は、プッシャ20が前方に移動する際に、商品Sを前方に押圧する平らな押圧面22aになっており、この押圧面22aには、売切れラベル22bが取り付けられている。この売切れラベル22bは、商品通路11a内の商品Sが空になったときに、スライディングドア3aを通して視認可能になり、これによって、商品購入者に商品Sの売切れを知らせる。
【0043】
前後の第1ガイドローラ23,23はそれぞれ、左右方向に延びる水平軸線回りに回転自在にサポート21の板壁部21aに取り付けられている。これら第1のガイドローラ23,23は、それらの回転軸線が互いに水平に並ぶように、サポート21の板壁部21aの左面に近接して設けられている。各第1ガイドローラ23の外周面の中央部には、その全周上に渡るU字溝23aが形成されている。このU溝23aは、前述した仕切壁本体14の案内溝14eの上下の係合突部14f,14fに係合しており、第1ガイドローラ23の内半部は、案内溝14eが収容されている。これによって、第1ガイドローラ23は、係合突部14f,14fに案内され、前後方向に転動可能である。この転動の際に、前第1ガイドローラ23が、上述した前連結アダプタ15の切欠穴15fの縁部に、後第1ガイドローラ23が上述した後連結アダプタ16の切欠穴16dの縁部にそれぞれ係止されることによって、プッシャ20の前後方向の移動可能な範囲、すなわちストローク量が規定される。この場合、切欠穴15f,16dが半円形であることによって、プッシャ20の前後のストローク量をできる限り大きく確保するようにしている。
【0044】
第2ガイドローラ24は、サポート21の下つば部21bに鉛直軸線回りに回転自在に取り付けられている。この第2ガイドローラ24は、下つば部21bの下面に近接し、プッシャ本体22よりも後方に配置されている。プッシャ20の移動に伴って、第2ガイドローラは、仕切壁本体14の右側面14d上を転動する。
【0045】
プッシャ20は、以上のように構成されており、販売時には、前記商品搬送装置4のプッシャ駆動機構8が、タイミングベルト17を図6の時計回りに回転させることによって、プッシャ20は前方に移動し、商品通路11a内の商品Sを払出口11bから前方に払い出す。
【0046】
以上述べたように、仕切壁13は、棚板12に対して着脱自在であり、さらに、その取付位置も連結爪15eおよび連結突起16b,16bを、棚板12のいずれか1組の前角孔12eおよび後角孔12fに選択的に嵌合させることによって、変更可能である。現在、市販されている缶入飲料商品Sでは、66,53mm径のものが、乳酸飲料商品Sでは、38mm径のものが大多数を占めている。この商品収納払出装置1では、これら3種類の径の主要な商品Sを効率よくかつ収まりよく収納するために、仕切壁13の取付位置を変更し、商品通路11aの幅を変更した際に、各種の商品Sと両側の仕切壁13とのクリアランス(両側の隙間を合算した量)が適切な値で、かつばらつかないように、隣り合う前角孔12e,12e(または後角孔12f,12f)間のピッチPが設定されている。
【0047】
このような観点に立って、より具体的には、ピッチPが以下のように設定されている。仕切壁13の幅をW(mm)、隣り合う前角孔12e,12e間のピッチをP(mm)、商品通路11aに66,53,38mm径の商品Sを収納した場合の両側の仕切壁13間のピッチ数をそれぞれN,N−1,N−2(Nは3以上の整数)、66,53,38mm径の商品Sと両側の仕切壁13との間のクリアランスをそれぞれ、C1,C2,C3(mm)とすると、下式(1)〜(3)が成立する。
【0048】
P・N−W−66=C1 …… (1)
P・(N−1)−W−53=C2 …… (2)
P・(N−2)−W−38=C3 …… (3)
【0049】
これらの式(1)〜(3)から各クリアランス間の差の絶対値Z1〜Z3を求めると、下式(4)〜(6)のようになる。
【0050】
Z1=|C1−C2|=|P−13| …… (4)
Z2=|C2−C3|=|P−15| …… (5)
Z3=|C1−C3|=2|P−14| …… (6)
【0051】
上記式(4)〜(6)を参照すると、Z1〜Z3の値は、P=14±2mmの範囲において、0〜4mmの範囲に収まる。すなわちC1〜C3の値のばらつきが、0〜4mmの範囲に収まることがわかる。これによって、P=14±2mmとすると、商品通路11a内に商品Sを安定した状態で収まりよく収納できる。また、P=14±1mmの範囲において、C1〜C3の値のばらつきは、0〜2mmの範囲に収まり、特に、P=14mmのときに、(Z1,Z2,Z3)=(1,1,0)mmとなる。すなわち、P=14mmのときに、C1〜C3間の値のばらつきが最も小さくなることがわかる。本実施形態では、ローディング作業の容易性と払出動作の円滑性とを確保でき、かつ収納商品Sの収まりがよくなるようなクリアランスC1〜C3の適切な値は、7±1mmであることを考慮し、W=19mmと設定することによって、N=7,P=13mmに設定した。
【0052】
また、図1に示すように、左商品収納室10bの最下位の商品ラック11には、半ダースの缶入飲料商品Sを紙パック詰めした幅広商品S1が収納されている。図9に示すように、この商品ラック11では、商品通路11aの幅が幅広商品S1に合わせて広く設定されているとともに、プッシャ20には、プッシャアダプタ25が取り付けられている。プッシャアダプタ25は、ともに幅の広い前壁部25aと天板部25bを備えた断面L形の金属板であり、プッシャ20から商品通路11a内に右方に突出している。
【0053】
前壁部25aの前面には、前記売切れラベル22bと同様に構成された売切れラベル25cが取り付けられている。天板部25bの左前端部には、矩形の長孔25dが形成されており、この長孔25dがプッシャ本体22に嵌合していることによって、プッシャアダプタ25は、その前壁部25aの背面がプッシャ本体22の前面に隙間なく当接した状態で、プッシャ20に着脱自在に取り付けられている。また、天板部25bの上面の左後端部には、鉛直軸線回りに回動自在な第3ガイドローラ25eが取り付けられており、第3ガイドローラ25eは、プッシャ20の前後方向の移動時に、仕切壁13の右側面上を転動する。
【0054】
このプッシャアダプタ25は、次に述べる理由によって設けられている。プッシャ20のみで幅広商品S1を押圧すると、プッシャ本体22は商品Sの左後端部にしか当接しない。このため、プッシャ本体22の押圧力が商品Sに均等に作用せず、かつその作用面積が小さくなることによって、商品Sを前方に円滑に払い出せなくなることがある。しかし、上記のようなプッシャアダプタ25をプッシャ20に取り付けると、前壁部25aの幅が広いことによって、前壁部25aと幅広商品S1の当接面積、すなわちプッシャ20の押圧力が幅広商品S1に作用する作用面積を大きくできることによって、幅広商品S1であってもこれを前方に円滑に払い出すことが可能になる。
【0055】
また、前述したような66,53,38mm径の缶入飲料商品Sとは異なる径の缶入飲料商品Sを収納する場合には、図10に示すような仕切壁アダプタ26が仕切壁13に取り付けられる。以下、仕切壁アダプタ26を仕切壁13に取り付けた状態について説明する。この仕切壁アダプタ26は、前後方向に長い金属板であり、鉛直な板壁部26aと、この板壁部26aの上端部から右方に折れ曲がり、さらに下方に折れ曲がった差込部26bと、板壁部26aの下端部から右方に折れ曲がった当接部26cとを備えている。仕切壁アダプタ26は、差込部26bの先端部が仕切壁本体14の上面のスリット14bに差し込まれ、嵌合することによって、仕切壁13に着脱自在に取り付けられている。また、当接部26cは、仕切壁13の左側面に当接しており、これによって、仕切壁アダプタ26は仕切壁13に安定した状態で取り付けられている。このように、仕切壁アダプタ26を仕切壁13に取り付けることによって、収納する商品Sの幅に応じて商品通路11aの幅を適切に調整できる。
【0056】
さらに、図11に示すように、径が細い缶入飲料商品Sや小円筒形のチョコレート商品Sなど、横倒し状態でしか商品通路11aに収納できない商品Sを販売する場合には、底壁アダプタ27が棚板12の底壁12aに取り付けられる。底壁アダプタ27は、図中の左側に示す使用状態と、図中の右側に示す不使用状態とで、その上下方向を逆にして底壁12aに取り付け可能であり、以下、使用状態で底壁12aに取り付けた底壁アダプタ27について説明する。底壁アダプタ27は、その鉛直な前壁部の前面に設けられた取付枠27aと、両側端部から後方に突出する左右の係合爪27b,27bと、各係合爪27bを間にして両側端部に上下に形成された係合突起27c,27cと、前壁部の上端部から後方に延びるくさび状のガイド部27dとを備えている。
【0057】
取付枠27aは、商品名ラベルL3を差し込むためのスリットSL3が、取付枠27aの右側面に形成されている点を除けば、前述した前連結アダプタ15の下取付枠15cと同様に構成されている。すなわち、商品名ラベルL3は、取付枠27aに対して着脱自在になっており、商品通路11aに収納する商品Sの価格が変更になった場合などには、これに応じて差し替えられる。また、商品名ラベルL3は、価格ラベルL2と比べてその光反射性がかなり低く設定されており、これによって、反射式フォトセンサは、バケット4eが払出口11bに臨むような高さで左右方向に移動する際に、価格ラベルL2からの反射光を検出可能であるとともに、商品名ラベルL3からの反射光を検出不能になっている。
【0058】
底壁アダプタ27は、上係合突起27cとガイド部27dの間の溝で、底壁12aの前端部に嵌合しており、これによって、棚板12に対して上方に動かないように係止されている。また、左右の係合爪27bはそれぞれ弾性を有しており、棚板12の前壁12bのいずれか2つの前角孔12e,12eに差し込まれることによって、これに抜け止め状態でスナップ嵌めされている。これによって、底壁アダプタ27は、棚板12に対して左右方向および下方に動かないように係止されている。
【0059】
また、ガイド部27dの上面は、斜め後ろ下がりのガイド面27fになっており、このガイド面27fは、底壁12aの上面に連続するように延びている。このガイド部27dのガイド面27fの傾斜は、販売待機時には、横倒し状態の商品Sが商品通路11aから誤って転がり出ることなく、商品通路11a内に保持され、販売時には、プッシャ20の押圧力により、商品Sがガイド部27dを容易に乗り越えて払出口11bから払い出されるような角度に設定されている。
【0060】
さらに、底壁アダプタ27は、商品Sを直立状態で収納する場合などには、図中の右側に示す不使用状態で底壁12aに取り付けることが可能である。この場合には、係合爪27bを弾性変形させて前角孔12eから外し、上下を逆にしてから、係合爪27bを前角孔12eにスナップ嵌めする。これと同時に、商品名ラベルL3も上下を逆にして取付枠27aに取り付ける。図中に示すように、底壁アダプタ27は、不使用状態で底壁12aに取り付けられているときに、底壁12aよりも上方に突出することがなく、商品Sの払出動作の障害にならない。
【0061】
一方、図4および図12に示すように、棚板12の左右の側壁12c,12cの外面には、前後方向に延び、断面「コ」の字形のレール12gと、左右方向に延びる水平軸線回りに回転自在なローラ12hとがそれぞれ取り付けられている。また、図示はしないが、ラックフレーム10の側壁パネルには、レール12gおよびローラ12hと同様のレールおよびローラがそれぞれ設けられており、棚板12のローラ12hは、ラックフレーム10のレールに係合し、このレール内を転動可能になっている。さらに、ラックフレーム10のローラは、レール12gに係合し、レール12g内に転動可能になっている。以上のように、商品ラック11は、ラックフレーム10内から前方に引き出し自在になっている。また、ラックフレーム10には、図示はしないが、棚板12の後壁12dに当接し、これを前方に付勢する板バネが設けられている。
【0062】
次に、図12〜図15に示すように、商品ラック11の下部には、商品ラック11をラックフレーム10にロックするロック機能と、ローディング時などの商品ラック11が販売機本体3から前方に引き出される際に、商品Sを商品通路11a内に保持する保持機能と、を兼ね備えたロック機構30が設けられている。ロック機構30は、左右対称に構成されており、以下、右半部の構成について説明する。図13および図14に示すように、ロック機構30は、商品Sを商品通路11a内に保持するための商品ストッパ31と、商品ストッパ31を前方(図13の下方、以下同様)に付勢するためのプッシュ板32と、プッシュ板32に第1コイルばね33を介して連結されたスライド板34と、スライド板34に連結された開放レバー35と、スライド板34に係合するロック板36と、棚板12の底壁12aの下面に取り付けられたフレーム37とを備えている。図8に示すように、フレーム37は、金属板を曲げ加工して製作され、前後に2段階の高さの異なる段部を備えている。
【0063】
商品ストッパ31は、金属製の丸棒を曲げ加工することによって製作されており、棚板12よりも左右方向に少し長く延びるロッド状のストッパ部31aと、ストッパ部31aの両端部から後方に直角に折れ曲がり、さらに棚板12の側壁12c側に直角に折れ曲がった腕部31bとを備えている。腕部31bの後端部は、左右方向に延びる水平軸線回りに回動自在にかつ前後方向に移動自在に、フレーム37に取り付けられており、図示しないコイルばねによって上方に常時、付勢されている。商品ストッパ31は、図15に示す退避位置と、図17に示す突出位置との間で回動可能であり、常時は、退避位置にあって、棚板12の前壁12bの段部12iの背面と、開放レバー35の下面とに当接した状態で、これらの間に係止されている。また、商品ラック11が販売機本体3から前方に引き出される際には、開放レバー35が押し下げられることによって突出位置まで回動し、図18に示すように、商品通路11aの払出口11bを閉鎖する。これによって、商品Sを商品通路11a内に保持する。
【0064】
プッシュ板32は、金属板を曲げ加工することによって製作され、図15に示す位置と図17に示す位置との間で前後方向に移動自在に、フレーム37に取り付けられている。プッシュ板32は、前後方向に細長く平らに延びる平板部32aと、平板部32aの前端部から上方に折れ曲がった前壁部32bと、平板部32aの右端部から下方に折れ曲がったフック32cとを備えている。フック32cには、第1コイルばね33の後端部が連結されており、この第1コイルばね33によって、プッシュ板32は前方に常時、付勢されているとともに、その前壁部32bは、上記ストッパ31の腕部31bの後端部に当接している。これによって、商品ストッパ31は、上記退避位置において、前方に常時、付勢され、かつ上述したようにコイルばねによって上方に常時、付勢された状態で、段部12iと開放レバー35に係止されている。
【0065】
また、スライド板34は、図15に示す位置と図16に示す位置との間で前後方向に移動自在に、フレーム37に取り付けられている。スライド板34は、ともに曲げ加工した2枚の金属板34A,34Bを上下に貼り合わせ固定することによって製作されている。上スライド板34Aは、平板部34Aaと、この平板部34Aaの前端部から上方に折れ曲がり、さらに前方に折れ曲がった前係合部34Abと、前係合部34Abに形成された長穴34Acとを備えている。
【0066】
下スライド板34Bは、平板部34Baと、この平板部34Baの右端部の前側から下方に折れ曲がったフック部34Bbと、平板部34Baの後端部から下方に折れ曲がったプッシャ部34Bcとを備えている。フック部34Bbには、上記第1コイルばね33の前端部が連結されており、これによって、スライド板34は、後方に常時、付勢されている。プッシャ部34Bcは、ロック板36に後方から当接可能な位置に設けられている。
【0067】
開放レバー35は、図15に示す閉鎖位置と、図16に示す開放位置との間で回動自在にフレーム37に取り付けられている。開放レバー35は、底壁12aの前縁部よりも前方に少し突出し、水平な上面を有するレバー部35aと、レバー部35aの後端部から上方に延びる突起35bとを備えている。この突起35bは、上記スライド板34の前係合部34Abの長穴34Acに係合しており、これによって、開放レバー35は、図16に示す開放位置に反時計回りに回動する際、スライド板34を前方に移動させる。上述したようにスライド板34は、コイルばね33によって常時、後方に付勢されているので、開放レバー35は、常時は、閉鎖位置に保持されている。
【0068】
図13に示すように、ロック板36は、前腕部36aおよび後腕部36bを有し、これらが平面的に「く」の字形に形成された金属板である。ロック板36は、図13の実線で示す閉鎖位置と2点鎖線で示す開放位置との間で鉛直軸線回りに回動自在に、フレーム37に取り付けられている。ロック板36の後腕部36bの右端部には、切欠部36cが形成されており、ラックフレーム10には、この切欠部36cに嵌合する係合突起10cが設けられている。
【0069】
また、ロック板36の前腕部36aの右端部には、第2コイルばね38の前端部が取り付けられている。第2コイルばね38は、左斜め後方に延びて、その後端部がフレーム37に連結されている。この第2コイルばね38によって、ロック板36は、図13の時計回りに常時、付勢され、その切欠部36cが係合突起10cと常時、嵌合している。この嵌合によって、商品ラック11は、ラックフレーム10の板バネの前方への付勢力に抗しながら、ラックフレーム10にロックされている。さらに、ロック板36の前腕部36aの右端部には、スライド板34のプッシャ部34Bcが当接しており、ロック板36は、スライド板34が図16に示す位置まで前方に移動すると、これに押されて図13の2点鎖線で示す開放位置まで反時計回りに回動する。以上のように、ロック機構30の右半部は構成されており、その左半部も同様に構成されている。
【0070】
以上のように構成された商品収納払出装置1の動作について説明する。最初に、ローディング時において、商品ラック11を販売機本体3から引き出す際に、ロック機構30が商品ラック11のロックを解除する動作について説明する。まず、開放レバー35のレバー部35aを指で下方に押すと、開放レバー35が図15に示す閉鎖位置から図16に示す開放位置まで反時計回りに回動する。この開放レバー35の回動に伴って、スライド板34が前方に引っ張られ、図16に示す位置まで移動する。これと同時に、スライド板34のプッシャ部34Bcが、ロック板36の前腕部36aを第2コイルばね38の付勢力に抗しながら前方に押すことによって、ロック板36は、図13の2点鎖線で示す位置まで反時計回りに回動する。この回動に伴って、ロック板36の切欠部36cと、ラックフレーム10の係合突起10cとの嵌合が外れ、商品ラック11のロックが解除される。左右の開放レバー35,35を両方とも指で押すことによって、商品ラック11の両側のロックが解除される。
【0071】
これによって、商品ラック11は、ラックフレーム10の板バネの付勢力によって前方に押され、棚板12のレール12gがラックフレーム10のローラに案内され、かつローラ12hがラックフレーム10のレールに案内されることによって、前方に移動する。
【0072】
さらに、ロック機構30は、上記商品ラック11の左右両側のロック解除動作と同時に、商品ストッパ31によって、商品Sを商品通路11a内に保持する。この動作について説明すると、上述したように左右の開放レバー35を同時に反時計回りに回動させると、図16に示すように、商品ストッパ31は、開放レバー35に押されて下方に回動する。商品ストッパ31は、図16に示す位置まで回動すると同時に、プッシュ板32の付勢力によって前方に押され、開放レバー35の下面に沿って前方にスライドする。そして、開放レバー35よりも前方に突出した時点で、図17に示すようにコイルばねの付勢力によって突出位置まで時計回りに回動し、商品通路11aの払出口11bを閉鎖する。
【0073】
特に、このロック機構30では、商品ストッパ31が払出口11bを閉鎖した後に、商品ラック11の左右両側のロックが解除されるような動作タイミングに設定されている。このため、商品ストッパ31が払出口11bを閉鎖した状態でしか商品ラック11を引き出すことができないので、引き出し動作中に、商品Sが商品通路11a内から前方に誤って落下することがない。
【0074】
引き出した商品ラック11に商品Sをローディングするときには、ストッパ20を手で後方に移動させる。この場合、プッシャ20は、回動自在なタイミングベルト17に取り付けられているので、容易に後方に移動させることができる。
【0075】
次に、ローディングの終了後、商品ラック11を販売機本体3内に押し戻す。商品ラック11をラックフレーム10の板バネの付勢力に抗しながら図13に示す位置まで押し込むと、ロック機構30の左右のロック板36の切欠部36cが、ラックフレーム10の左右の係合突起10cにそれぞれ嵌合することによって、商品ラック11の左右両側部が、ラックフレーム10にロックされる。この後、手で商品ストッパ31を図15に示す退避位置まで移動させ、棚板12の段部12iと開放レバー35の間に係止させる。これによって、商品ストッパ31は、商品収納払出装置1の商品払出動作の障害にならなくなる。
【0076】
また、ローディング時や、自動販売機2の運転開始時などにおいて、商品通路11aの幅を変更する場合には、まず、仕切壁13を棚板12から取り外す。この際、前述したように、連結爪15eを指で弾性変形させて前角孔12eから外すと同時に、仕切壁13を前方に移動させて連結突起16bを後角孔12fから抜くことによって、仕切壁13は棚板12から取り外される。前述したように、仕切壁13を棚板12から取り外したときでも、タイミングベルト17の張力によって、前後の連結アダプタ15,16は、仕切壁本体14側にそれぞれ押圧されているので、仕切壁本体14との嵌合が外れないように保持される。
【0077】
さらに、仕切壁13を棚板12の適切な位置に取り付ける場合には、上下の連結突起16b,16bを適切な位置の後角孔12f,12fに差し込む。これによって、仕切壁13が直立するように位置決めされる。また、底壁12aの前後の基準孔を目印として、仕切壁13がこれらの基準孔に平行になるように、突起16b,16bを後角孔12f,12fに差し込みながら、仕切壁13を後方に移動させることにより、連結爪15eが適切な前角孔12eにスナップ嵌めされる。このように、仕切壁13の取付作業を行う場合に、仕切壁13を斜めに傾くことなく前後方向に延びるように適切に棚板12に取り付けることができる。また、その取付作業も、底壁12aの前後の基準孔を目印として仕切壁13の連結突起16bを後角孔12fに差し込むだけでよいので、容易に行うことができる。
【0078】
また、商品通路11aの幅変更に伴い、番号ラベルL1の変更が必要になった場合には、古い番号ラベルL1を上取付枠15bのスリットSL1から抜き出し、新しい番号ラベルL1をスリットSL1に差し込み、上取付枠15bに取り付ける。同様に、収納商品Sの変更などで価格ラベルL2の変更が必要になった場合にも、古い価格ラベルL2を下取付枠15cから取り外し、新しいものを取り付ける。
【0079】
以上のような商品通路11aの幅の変更を実施した後で、制御装置は、以下に述べるような自動販売機2の試運転を行うことにより、各商品通路11aの幅の変更後のバケット4eの各受取位置すなわち各価格ラベルL2の位置を演算し、記憶する。まず、商品搬送装置4を商品収納室10bの右端部に移動させてから、そのバケット4eを商品通路11aの幅の変更を実施した商品ラック11の受取位置の高さ、すなわちバケット4eの反射式フォトセンサが、当該商品ラック11の各仕切壁13の価格ラベルL2を検出可能な高さまで移動させ、停止させる。この後、反射式フォトセンサを動作状態に維持したままで、バケット4eを商品ラック11の右端部から左端部まで移動させることにより、各価格ラベルL2を検出する。
【0080】
この移動時に、バケット4eの前面のLED4fは、価格ラベルL2を検出した際に点滅し、それ以外のときは消灯するので、作業者は、LED4fの点灯状態を見ていることで、反射式フォトセンサの動作確認や故障確認を行うことができる。例えば、価格ラベルL2の位置を通過しても、LED4fが点滅しないときには、反射式フォトセンサのセンサ部の汚れやセンサ自体の故障、反射式フォトセンサと価格ラベルL2の間の前後の位置関係のずれおよびLED4fの故障などが考えられる。
【0081】
以上の動作によって、制御装置は、商品ラック11における各価格ラベルL2の位置すなわちバケット4eの各受取位置を演算するとともに、制御装置内のRAMに記憶し、試運転を終了する。そして、販売時には、以下のように商品搬送装置4の移動速度制御を実行する。まず、RAM内の各受取位置に基づき、選択された商品Sを収納する商品通路11aの受取位置を予め判断する。そして、バケット4eを当該受取位置の近くまでは高速で移動させ、受取位置に近づいてからは、低速で移動させた後、反射式フォトセンサの価格ラベルL2の検出信号によって、受取位置で適切に停止させる。これによって、各受取位置を予めRAMに記憶することなく、バケット4eを一定速度で移動させる場合と比べて、商品Sの販売時間を短縮することができる。
【0082】
次に、販売時における商品収納払出装置1の商品払出動作について説明する。まず、商品購入者がプリペイドカードをカード挿入口7aに差し込み、商品Sを選択して商品選択ボタンを押すと、制御装置は、選択された商品Sを判断して商品搬送装置4を駆動する。そして、バケット4eを上記移動速度制御で選択商品Sを収納する商品通路11aの払出口11bに臨む受取位置に移動させる。この場合、具体的には、商品通路11aを画成している左側の仕切壁13の価格ラベルL2の存在を、反射式フォトセンサによって検出し、その検出した位置でバケット4eを停止させる。このバケット4eが移動する際に、LED4fは、バケット4eが目的以外の受取位置を通過し、反射式フォトセンサが価格ラベルL2を一時的に検出したときには点滅し、バケット4eが目的の受取位置に停止し、反射式フォトセンサが価格ラベルL2の検出信号を連続して出力しているときには、点灯状態に保持される。これによって、商品購入者に対して、バケット4eの販売動作をアピールすることができる。
【0083】
次に、図8に示すように、プッシャ駆動機構8を駆動し、スイングアーム8aを噛合位置に回動させることによって、駆動ギアG1とギアG2を噛み合わせる。そして、駆動ギアG1を反時計回りに回転させ、ギアG2を時計回りに回転させることによって、タイミングベルト17を時計回りに回転させる。このタイミングベルト17の回転に伴ってプッシャ20が前方に移動し、商品通路11a内に並んだ商品Sを前方に押す。これによって、商品Sが商品通路11aの払出口11bからバケット4e内に払い出される。
【0084】
このプッシャ20が商品Sを前方に押す際に、プッシャ20の移動を案内する前後の第1ガイドローラ23,23が、案内溝14eの上下の係合突部14f,14fに抜け止め状態で係合していることによって、商品Sの押圧力により、プッシャ本体22に左右方向に延びる軸線回りの曲げモーメントが発生しても、これら前後の第1ガイドローラ23,23は、プッシャ本体14がこの軸線回りに回転するのを抑制し、後方に傾かないように支持する。さらに、第2ガイドローラ24は、プッシャ本体22よりも後方に配置されているので、プッシャ20の前方への移動時に、商品Sの押圧力によって、プッシャ本体22に上下方向に延びる軸線回りの曲げモーメントが発生しても、プッシャ本体22がこの軸線回りに回転するのを抑制し、後方に傾かないように支持する。
【0085】
商品Sの払い出しが、バケット4eの透過式フォトセンサによって検出された時点で、ギアG2の回転を停止するとともに、スイングアーム8aを待機位置に戻す。この後、バケット4eを商品取出口6まで移動させ、商品Sを商品取出口6内に払い出して、販売動作を終了する。
【0086】
以上詳述したように、本発明の自動販売機2によれば、販売する商品Sの幅の変更に伴って仕切壁13の棚板12への取付位置が左右方向に変更される。この場合に、番号および価格ラベルL1,L2は、仕切壁13の前端部の上下の取付枠14b,14cにそれぞれ取り付けられているので、仕切壁13とともに棚板12に対する配置が左右方向に変更される。これによって、従来と異なり、仕切壁13の取付位置の変更作業とは別に、ラベルL1,L2の配置を変更するための作業を行う必要がなくなる。これに加えて、番号および価格ラベルL1,L2は、上下の取付枠14b,14cに着脱自在にそれぞれ取り付けられているので、これらの交換作業が容易になる。また、番号および価格ラベルL1,L2はそれぞれ、スリットSL1,SL2から抜き出すだけで上下の取付枠14b,14cから取り外せるので、従来の粘着テープで貼り付けた場合と異なり、取り外す際に損傷・変形することがなく、繰り返し利用できる。
【0087】
さらに、販売時に、制御装置は、上述したように反射式フォトセンサの価格ラベルL2の検出信号に応じて、商品搬送装置4のバケット4eの移動・停止を制御する。価格ラベルL2は、上記のように仕切壁13に取り付けられているので、販売商品Sの幅の変更に伴って仕切壁13の棚板12への取付位置を左右方向に変更した場合でも、バケット4eの受取位置への移動・停止を価格ラベルL2の検出信号に基づき確実かつ適切に実行することができる。このように、商品通路11aの幅を変更した場合でも、従来と異なり、バケット4eの受取位置を左右方向に調整する作業が必要がなくなる。以上によって、商品通路11aの幅の変更に伴うメンテナンス作業が容易になる。
【0088】
また、制御装置は、試運転時などに商品ラック11における各価格ラベルL2の配置すなわち各商品通路11aの受取位置を予めRAMに記憶できるので、販売時に、各商品通路11aの受取位置に基づき、次のようなバケット4eの移動速度制御を実行できる。すなわち、選択された商品Sを収納する商品通路11aの受取位置を予め判断して、バケット4eを当該受取位置の近くまでは高速で移動させ、これに近づいてからは、低速で移動させるとともに、反射式フォトセンサの価格ラベルL2の検出信号によって、受取位置で適切に停止させることができる。したがって、各受取位置を予めRAMに記憶することなく、バケット4eを一定速度で移動させる場合と比べて、商品Sの販売時間を短縮することができる。
【0089】
さらに、バケット4eの受取位置への移動時に、LED4fの点滅によって、バケット4eが受取位置に到達したことを前方に報知することができる。特に、バケット4eを受取位置に移動させる際に、バケット4eを受取位置の高さで棚板12に沿って左右方向に移動させるようにすれば、反射式フォトセンサが価格ラベルL2を検出する度に、LED4fが点滅し、目的の受取位置で停止したときには、点灯状態に維持される。これによって、メンテナンス時における反射式フォトセンサの動作確認や故障確認を容易に行うことができるとともに、販売時に、商品購入者に対してバケット4eの販売動作をアピールすることができ、商品購入者の興趣を増大させることができる。
【0090】
なお、上記実施形態においては、バケット4eを払出口11bに臨む受取位置まで移動させる際に、受取位置を検出するために反射式フォトセンサを用いて価格ラベルL2の存在を検出するようにしたが、受取位置を検出するための構成はこれに限らず、OCR装置などを用いて価格ラベルL2に印刷した2次元コードやバーコードを読み取ったり、磁気センサで価格ラベルL2に形成した磁気層の磁気信号を読み取ったりしてもよく、価格ラベルL2の存在を検出可能な構成であればよい。また、価格ラベルL2に限らず、番号ラベルL1を検出するようにしてもよい。
【0091】
さらに、番号および価格ラベルL1,L2をそれぞれ、上下の取付枠15b,15cの上端部のスリットSL1,SL2に差し込むことによって、上下の取付枠15b,15cに着脱自在に取り付けるようにしたが、これに限らず、上下の取付枠15b,15cの開口部にスリットや穴を形成し、これらのスリットや穴に嵌合する突起や爪を、ラベルL1,L2の背面に後方に突出するように形成することによって、ラベルL1、L2を上下の取付枠15b,15cに着脱自在に取り付けるようにしてもよく、着脱自在に取付可能な構成であればよい。
【0092】
また、棚板12をラックフレーム10に水平に取り付けるようにしたが、棚板12を少し斜め後ろ下がりに取り付けるようにしてもよい。このようにすれば、商品通路11a内の商品Sが、地震などで払出口11bから誤って落下することを防止できる。
【0093】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、実際に販売する商品を前方から視認可能な状態で収納する自動販売機において、商品通路の幅の変更に伴うメンテナンス作業を、容易にかつ効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る自動販売機の外観を示す正面図である。
【図2】自動販売機の側断面図である。
【図3】自動販売機の商品収納払出装置の正面図である。
【図4】商品ラックの斜視図である。
【図5】商品ラックの要部を拡大した正面図である。
【図6】仕切壁の構成を示す斜視図である。
【図7】番号ラベルおよび価格ラベルを上下の取付枠に取り付ける動作を示す斜視図である。
【図8】仕切壁とプッシャ駆動機構を示す側面図である。
【図9】商品ラックの商品通路に幅広商品を収納した状態を示す斜視図である。
【図10】商品ラックの仕切壁に仕切壁アダプタを取り付けた状態を示す斜視図である。
【図11】商品ラックの底壁に底壁アダプタを使用状態および不使用状態で取り付ける動作を示す斜視図である。
【図12】商品ラックの側面図である。
【図13】ロック機構を示す平面図である。
【図14】ロック機構の要部の構成を示す斜視図である。
【図15】商品ストッパが退避位置にあるときのロック機構を示す側面図である。
【図16】開放レバーが押され、商品ストッパが移動するときのロック機構の動作を示す側面図である。
【図17】商品ストッパが突出位置に移動したときのロック機構を示す側面図である。
【図18】商品ストッパが突出位置にあるときの商品ラックを示す斜視図である。
【符号の説明】
2 自動販売機
3a スライディングドア(前面パネル)
4 商品搬送装置(搬送手段)
4e バケット(搬送手段)
4f LED(発光手段)
11a 商品通路
11b 払出口
12 棚板
13 仕切壁
14b 上取付枠(取付部)
14c 下取付枠(取付部)
L1 番号ラベル(表示部材)
L2 価格ラベル(表示部材)
Claims (3)
- 前後方向に延びる商品通路内に、複数の商品を並べて収納し、販売時に、最前位置の商品を前記商品通路の前端の払出口から前方に払い出すとともに、払い出された前記商品を商品取出口に搬送する自動販売機であって、
上下方向に延びる透明な前面パネルと、
この前面パネルの後方にほぼ水平に設けられた棚板と、
この棚板上に前後方向に延びるように取り付けられ、前記商品通路を画成するとともに、前記棚板に対する取付位置を左右方向に変更可能に構成された仕切壁と、
を備え、
前記仕切壁は、その前端部に設けられた取付部を有し、
この取付部に着脱自在に取り付けられ、前記商品に関連する情報を表示する表示部材と、
前記前面パネルの後方に配置され、前記商品通路の前記払出口に臨む受取位置と、前記商品取出口に搬送するための搬出位置との間で移動自在に設けられ、販売時に前記商品通路から払い出された前記商品を前記受取位置で受け取り、前記搬出位置に搬送する搬送手段と、
この搬送手段に設けられ、前記搬送手段が前記受取位置にあるときに、前記表示部材を検出して検出信号を出力する検出手段と、
販売時に、前記搬送手段を、販売すべき商品を収納する前記商品通路の前記受取位置に向かって移動させるとともに、前記検出手段から前記検出信号が出力されたときに、前記受取位置に停止させるように制御する制御装置と、
を更に備えていることを特徴とする自動販売機。 - 前記仕切壁は、前記棚板にそれぞれ取り付けられるとともに、前記取付部および前記表示部材をそれぞれ備える複数の仕切壁で構成され、これら複数の仕切壁の隣り合う各2つの仕切壁間には、前記商品通路が画成され、前記搬送手段は、試運転のために、前記受取位置の高さで前記棚板の全体に渡って左右方向に移動可能に設けられ、前記制御装置は、この試運転時に、前記検出手段が複数の前記表示部材をそれぞれ検出したときの複数の検出信号に基づいて複数の前記受取位置を演算する演算手段と、この演算手段が演算した前記複数の受取位置を記憶する記憶手段と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の自動販売機。
- 前記搬送手段の前面には、発光手段が設けられており、前記制御手段は、前記検出手段から前記検出信号が出力されたときに、前記発光手段を発光させるように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の自動販売機。
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