JP3538286B2 - X線装置 - Google Patents
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Description
特に、X線診断における撮影時のX線条件を適正に制御
する露出制御装置に適用して有効な技術に関するもので
ある。
は、古くから工夫、改良が行われているが、被検体透過
時の造影剤や骨等の影響で適正なX線条件設定が難し
く、特に多用されている消化器診断においては、その改
良の要求が強い。
とえば、特開昭57−88698号公報に記載されるX
線自動露出装置がある。
過像を一部採光したものを複数のフォトダイオードで検
出し、この複数のフォトダイオードの内選択された幾つ
かのフォトダイオードの検出器の出力に基づいて、X線
撮影時におけるX線の照射時間を制御する方法である。
ォトダイオードの出力信号に基づいてX線撮影時におけ
るX線の照射時間をリアルタイムに制御できるので、被
検体の個体差やX線撮影条件等に左右されない制御が可
能となる。
は、特開昭62−15800号公報に記載されるX線診
断装置がある。
におけるX線検出器から出力されるビデオ信号から、被
検体の平均的な厚さおよび最小・最大の厚さを求め、前
記被検体のX線撮影像のコントラストが最大となるよう
なX線撮影条件を決定し、撮影を制御する。
オ信号を用いて被検体のX線撮影条件を決定するので、
前記特開昭57−88698号公報の場合のようにフォ
トダイオードを用意する必要がなく、簡単な装置構成で
X線撮影条件を制御することができる。
う場合、ビデオ信号の読み込み速度よりも短い時間スケ
ールで撮影時間の制御を行う必要があるので、リアルタ
イムの制御が不可能である。
0号公報に記載のように、被検体のX線撮影条件を予め
決定する必要がある。
技術を検討した結果、以下の問題点を見いだした。
線自動露出装置は、正確な露出制御を行うために多数の
フォトダイオードを必要とするので、コストが上昇して
しまうという問題がある。
と共に、多数の入力に基づいて露出を制御するための制
御装置もフォトダイオード数の増加と共に複雑となるの
で、コストがかかるという問題がある。
とでは、光に対する感度特性に差があるので、正確な露
出制御を困難なものにするという問題がある。
るX線散乱は、一般的にX線管の管電圧、X線フィルタ
の種類、被検体の厚さ、被検体とX線検出器の入力面と
の距離(以下、エアギャップと記す)、および、X線グ
リッドの種類等により、その散乱強度および散乱分布が
変化すると共に、X線の照射領域の大きさの影響を受け
ることが知られている。
ァイア(以下、X線I.I.と記す)を使用する装置で
は、X線像を光学像に変換する際に生じるグレア散乱が
検出領域を規定するI.I.モードにしたがって、その
散乱強度および散乱分布を変化することが知られてい
る。
とを用いた装置では、X線I.I.に入射する直接X線
および散乱X線に加え、X線I.I.で生じるグレア散
乱をも含んだ結果がテレビカメラで撮影すなわちビデオ
信号に変換されることになる。
載のX線診断装置では、ビデオ信号を用いて露出制御を
行う際に、X線散乱やグレア散乱の影響が考慮されてい
ないので、被検体の正確な厚さを求めることができず、
この結果、X線撮影条件を正確に決定できないという問
題がある。
願人による特願平8−214466号に記載の「X線装
置」がある。
とテレビカメラの出力であるビデオ信号出力との関係、
および、被検体で散乱されるX線の点広がりを予め計測
し、その結果を記憶装置に記憶しておく。
X線撮影を行う場合には、X線装置がX線透視時条件、
散乱X線の点広がりおよび記憶手段の記憶内容から、テ
レビカメラ(X線イメージインテンシファイアを含む)
の入射光量に占める散乱X線量すなわち散乱X線による
テレビカメラの入射光量の増加分を計算し、撮影条件を
決定する。
件から被検体が所定の厚さの場合の出力画像の強度分布
を計算する。次に、透視時における出力画像の強度分布
と被検体厚との関係を求め、この関係から作業者の関心
領域(以下、ROI:Region Of Inter
estと記す)内での平均出力信号を、たとえば、周知
の最小2乗法を用いる関数フィッティングによって求め
る。次に、この平均出力信号からROI内の平均被検体
厚を計算し、撮影条件の一部(管電圧、X線フィルタ種
類等)を決定する。
影条件(エアギャップ、グリッドの種類およびイメージ
インテンシファイアのモード等)を決定し、この条件下
で撮影を行った場合の出力画像の強度分布と被検体厚と
の関係を求め、この関係からROI内での平均出力信号
を求める。
影時の平均出力信号とから、最終すなわち実際に撮影を
行う場合の撮影条件(X線管の管電流量、光学絞り面積
およびテレビカメラのゲイン)を求め、X線撮影を行う
というものである。
の平均出力信号を計算する際に、2次元の畳み込み演算
を伴う出力画像の強度分布を計算する必要があるので、
撮影時の撮像条件の決定に多くの時間がかかるという問
題があった。
らX線撮影時の撮像条件を決定する際に、少ない時間で
適正な濃度レベルの撮像条件を決定することが可能なX
線装置を提供することにある。
件からX線撮影時の撮像条件を決定する際に、X線散乱
の影響を考慮した撮像条件を決定することが可能なX線
装置を提供することにある。
により低コストなX線装置を実現することが可能な技術
を提供することにある。
な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らか
になるであろう。
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
下記のとおりである。
射領域を制限するX線コリメータと、被検体のX線像を
撮像する検出手段と、前記X線像を表示する表示手段と
を有するX線装置に於いて、前記被検体を模擬する材料
を用いて得られる、前記検出手段の出力値Iと前記X線
管の管電圧Vと管電流量Qと前記検出手段の利得Gと前
記被検体の厚さtとの関係を、前記管電圧Vを変数とす
る多項式Po(V)及びμ(V)を用いた第1の近似式
I=QGPo(V)exp(−μ(V)t)で近似して
得られる前記Po(V)及びμ(V)の多項式係数の値
を格納する第1の格納手段と、前記照射領域のサイズの
変化に対する前記検出手段の出力値Iの変化率を前記X
線管の管電圧Vと前記被検体の厚さtと前記照射領域の
サイズとを変数とする多項式で構成される第2の近似式
で近似して得られる多項式係数の値を格納する第2の格
納手段と、前記被検体と前記検出手段の入力面との距離
の変化に対する前記検出手段の出力値Iの変化率を、前
記X線管の管電圧Vと前記被検体の厚さtと前記被検体
と前記検出手段の入力面との距離とを変数とする多項式
で構成される第3の近似式で近似して得られる多項式係
数の値を格納する第3の格納手段と、前記第1〜3の近
似式の積で表される出力近似関数と透視時における前記
X線管の管電圧Vと管電流量Qと前記照射領域のサイズ
と前記被検体と前記検出手段の入力面との距離と前記検
出手段の利得Gの値とに基づいて前記被検体の厚さtを
計算する第1の計算手段と、前記第1の計算手段により
計算された前記被検体の厚さtと前記出力近似関数と撮
影時において予め設定された前記X線管の管電圧Vと前
記照射領域のサイズと前記被検体と前記検出手段の入力
面との距離とに基づいて撮影時の管電流量Q及び前記検
出手段の利得Gを計算する第2の計算手段と、前記第2
の計算手段の計算結果に基づいて撮影を制御する制御手
段とを具備するX線装置。
おいて、X線のエネルギー分布を変化させるX線フィル
タ、及び/又は、X線が前記被検体を透過する際に発生
する散乱X線を除去するX線グリッドを有し、複数の前
記X線フィルタ、及び/又は、複数の前記X線グリッド
の組み合わせに対して求められた前記第1〜3の近似式
の多項式係数の値を、それぞれ前記第1〜3の格納手段
が格納する。
おいて、前記第2の近似式は一定値である。
おいて、前記第3の近似式は一定値である。
おいて、前記第1の計算手段は、透視時に於ける前記管
電圧V、前記管電流量Q及び前記利得Gの値が予め設定
した許容値の範囲内であるか否かを判定する判定手段を
有し、前記判定手段が前記管電圧V、前記管電流量Q、
及び前記利得Gが前記許容値の範囲内に含まれないと判
定した場合に、撮影時の前記管電流量Q又は前記利得G
を所定倍する出力値補正手段を前記第2の計算手段が具
備する。
模擬する材料を用いて得られる、検出手段の出力値Iと
X線管の管電圧Vと管電流量Qと検出手段の利得Gと被
検体の厚さtとの関係を、管電圧Vを変数とする多項式
Po(V)及びμ(V)を用いた第1の近似式I=QG
Po(V)exp(−μ(V)t)で近似して得られる
Po(V)及びμ(V)の多項式係数の値を第1の格納
手段に格納しておく。また、照射領域のサイズの変化に
対する検出手段の出力値Iの変化率を、X線管の管電圧
Vと被検体の厚さtと照射領域のサイズとを変数とする
多項式で構成される第2の近似式で近似して得られる多
項式係数の値を第2の格納手段に格納しておく。
距離の変化に対する検出手段の出力値Iの変化率を、X
線管の管電圧Vと被検体の厚さtと被検体と検出手段の
入力面との距離とを変数とする多項式で構成される第3
の近似式で近似して得られる多項式係数の値を第3の格
納手段に格納しておく。
ず、作業者および自動透視制御により設定される設定条
件に基づいた撮像条件で透視を行い、被検体の撮影部位
を決定する。
1の計算手段が、まず、第1〜3の近似式の積で表され
る出力近似関数と、透視時におけるX線管の管電圧Vと
管電流量Qと照射領域のサイズと被検体と検出手段の入
力面との距離と検出手段の利得Gの値とに基づいて、被
検体の厚さtを計算する。次に、第2の計算手段が第1
の計算手段により計算された被検体の厚さtと出力近似
関数と、撮影時において予め設定されたX線管の管電圧
Vと照射領域のサイズと被検体と検出手段の入力面との
距離とに基づいて、撮影時の管電流量Q及び検出手段の
利得Gを計算する。この後に、制御手段が第2の計算手
段の計算結果に基づいて撮影を制御するX線管の管電
圧、管電流量およびX線検出手段の利得等の撮影時の撮
像条件を制御するので、少ない時間で適正な濃度レベル
の撮像条件でのX線撮像ができる。
ネルギー分布を変化させるX線フィルタ、及び/又は、
X線が被検体を透過する際に発生する散乱X線を除去す
るX線グリッドを有し、複数のX線フィルタ、及び/又
は、複数のX線グリッドの組み合わせに対して求められ
た第1〜3の近似式の多項式係数の値を、それぞれ第1
〜3の格納手段が格納することにより、X線散乱による
検出手段の出力値への影響を考慮できるので、X線散乱
の影響を考慮した撮像条件で被検体のX線像を撮影でき
る。
似式を一定値で近似することにより、照射領域のサイズ
の変化量の測定を省略できるので、照射領域のサイズの
変化量を測定するための測定機構を省くことができる。
る。
似式を一定値で近似することにより、被検体からX線検
出手段の入力面までの距離を変数とする測定を省略でき
るので、被検体からX線検出手段の入力面までの距離を
変化させたときのX線検出手段の出力値を測定するため
の測定機構を省くことができる。
る。
の判定結果に基づいて、出力値補正手段が撮影時のX線
管の管電流量QまたはX線検出手段の利得Gを所定倍す
るので、たとえば、被検体の厚さが厚いために透視時の
X線検出手段の利得Gを適正なレベルにまで上げること
ができない場合であっても、撮影時の撮像条件は正確に
計算できる。
施の形態(実施例)とともに図面を参照して詳細に説明
する。
全図において、同一機能を有するものは同一符号を付
け、その繰り返しの説明は省略する。
の概略構成を示すブロック図であり、X線管1、X線フ
ィルタ2、X線コリメータ3、寝台天板5、X線グリッ
ド6、X線イメージインテンシファイア(以下、X線
I.I.と略記する)7、光学レンズ系8、テレビカメ
ラ9、モニタ(表示手段)10、遠隔操作卓11、操作
卓12、X線制御器100、X線フィルタ制御器10
1、X線コリメータ制御器102、透視・撮影位置制御
器103、I.I.モード制御器104、光学絞り制御
器105、テレビカメラ制御器106、アンプ107、
A/D変換器108、画像処理装置109、透視条件演
算装置110、透視条件記憶メモリ111、撮影条件演
算装置(撮影時撮像条件計算手段)112、撮影条件記
憶メモリ113、テーブル(格納手段)114等より構
成される。なお、前記各装置および機構は公知のものを
用いる。
I.7、光学レンズ系8およびテレビカメラ9からな
り、X線検出系(X線検出手段)は、前述のX線検出器
にアンプ107を加えた構成となる。したがって、X線
検出系の利得および出力値は、それぞれアンプ107の
利得および出力値となる。撮影系は、X線管1、X線フ
ィルタ2、X線コリメータ3、X線グリッド6および前
述のX線検出器からなる。制御系(制御手段)は、各制
御器100〜106、アンプ107および該各制御器の
制御情報を格納出力する撮影条件記憶メモリ113から
なる。また、被検体4は、寝台天板5上に位置し、撮影
体位を様々に変化できるものとする。そして、図示しな
い作業者は、被検体4の撮りたい部位を前記X線検出器
の視野の中心付近に設定する。
との距離は120[cm]、被検体4の厚さはt、寝台
天板5の上面とX線I.I.7の入力面との間の距離
(以下エアギャップとする)はLである。
て様々に変化する。また、エアギャップLは寝台天板5
の位置の設定に従い変化する。X線I.I.7のX線入
力面の直径は30.48[cm]である。(x,y)座
標系はX線I.I.7の入力面上で定義され、X線I.
I.7の中心を原点に持ち、体軸方向をy軸、y軸に直
交する方向をx軸として定める。X線グリッド6は、X
線I.I.7の入力面上に固定される。テレビカメラ9
は、撮影素子として高解像度CCD素子を使用してい
る。
要を説明すると、X線制御器100は、X線透視時にお
けるX線管1の管電圧(以下、透視管電圧と記す)およ
び管電流量(以下、透視管電流と記す)を透視条件記憶
メモリ111から読み出し、該読み出し値に基づいて、
X線管1のX線発生をリアルタイム制御する。また、X
線撮影時におけるX線管1の管電圧(以下、撮影管電圧
と記す)、管電流量(以下、撮影管電流と記す)および
撮影時間を撮影条件記憶メモリ113から読み出し、該
読み出し値に基づいて、X線管1のX線発生を制御す
る。
撮影時におけるX線フィルタ2の種類および有無を、そ
れぞれ透視条件記憶メモリ111および撮影条件記憶メ
モリ113から読み出し、該読み出し値に基づいて、X
線フィルタ2の種類および有無を制御する。X線フィル
タ2は、X線管1から放射されるX線のエネルギー分布
を変化させるために用いられる。
・撮影時におけるX線照射領域13を設定するためのX
線コリメータ3の位置を、透視条件記憶メモリ111お
よび撮影条件記憶メモリ113から読み出し、該読み出
し値に基づいて、X線コリメータ3の位置を制御する。
ただし、X線照射領域13は、X線I.I.7の入力面
上におけるX線の照射領域として定義する。X線コリメ
ータ3は、前記X線照射領域13をx軸およびy軸方向
に変化することができる。また、この変化量はそれぞれ
x軸およびy軸に対して軸対称であり、x軸方向および
y軸方向のX線照射領域の大きさは、それぞれAxおよ
びAyで表現する。
X線透視・撮影位置を制御する装置である。透視・撮影
位置の制御は、固定された寝台天板5に対して撮影系全
体を移動することにより、あるいは固定された撮影系に
対して寝台天板5を移動することにより、または、これ
らの両方を組み合わせることにより行う。
・撮影時におけるX線I.I.7のI.I.モードを、
それぞれ透視条件記憶メモリ111および撮影条件記憶
メモリ113から読み出し、X線I.I.7のI.I.
モードを制御する。ただし、I.I.モードは、X線
I.I.7のX線検出領域を規定するものである。X線
I.I.7にはI.I.モードとして、たとえば、7、
9、12インチモードが用意されており、X線I.I.
7の入力面上において、およそそれぞれのインチ数(た
だし、1インチを2.54[cm]とする)を直径とす
る円の内部の領域でX線を検出する。
時における光学レンズ系8の光学絞り面積を、それぞれ
透視条件記憶メモリ111および撮影条件記憶メモリ1
13から読み出し、該読み出し値に基づいて、図示しな
い周知の絞り機構を制御する。
撮影時におけるテレビカメラ9の走査条件を、それぞれ
透視条件記憶メモリ111および撮影条件記憶メモリ1
13から読み出し、該読み出し値に基づいて、テレビカ
メラ9の走査条件を制御する。また、テレビカメラ制御
器106は、テレビカメラ9の走査のタイミングを制御
する。ただし、本実施の形態においては、テレビカメラ
9のX線透視時における標準走査モードは毎秒30フレ
ーム、走査線数1050本であるが、毎秒60フレー
ム、走査数525本による透視も可能である。また、テ
レビカメラ9のX線撮影時における標準走査線数は21
00本であるが、走査線数1050本および525本に
よる撮影も可能である。
るテレビカメラ9の出力信号のゲインを、それぞれ透視
条件記憶メモリ111および撮影条件記憶メモリ113
から読み出し、制御する。
X線透視・撮影位置、X線グリッド6の種類、I.I.
モード、および、テレビカメラ9の走査条件は、それぞ
れ図示しない作業者が遠隔操作卓11あるいは操作卓1
2を通して手動設定する。透視・撮影時におけるX線管
1の管電圧、管電流、X線フィルタ2の種類、光学絞り
面積、および、アンプ107のゲインは、それぞれ図示
しない作業者が遠隔操作卓11あるいは操作卓12を通
して手動設定することができると共に、自動設定するこ
ともできる。ただし、撮影時における撮影時間は、後述
する方法(手順)より自動設定される。遠隔操作卓11
あるいは操作卓12は、前述の設定の他に、被検体4の
撮像対象部位(例えば胸部・腹部等)の設定、および、
分割撮影モード等の設定を行うことができる。このとき
の分割モードとしては、分割なし、上下および左右2分
割モード、4分割モードが用意される。
あるいは管電流量Q(ただし、管電流量Qは、X線透視
時においては、X線管1の管電流とテレビカメラ9の1
フレームの読み込み時間の積として、一方、X線撮影時
においては、X線管1の管電流と撮影時間の積として定
義する)、X線フィルタ2の種類、X線照射領域13を
表現するAxおよびAy、エアギャップL、X線グリッ
ド6の種類、I.I.モード、光学絞り面積Ω、テレビ
カメラ9の走査条件、および、アンプ107のゲインG
の状態をそれぞれパラメータとして、X線透視およびX
線撮影時における前記各パラメータの設定値をそれぞれ
X線透視条件およびX線撮影条件とする。このときのX
線透視条件およびX線撮影条件は、それぞれ透視条件記
憶メモリ111および撮影条件記憶メモリ113に記録
される。
るX線装置の動作を説明する。X線透視および撮影時に
おいて、X線管1で発生したX線は、まず、X線フィル
タ2によりエネルギー分布が変化され、次に、X線コリ
メータ3によりX線照射領域13を制限された後に、被
検体4に照射される。
過する際に、その一部が被検体4により散乱される。こ
の散乱X線は、X線グリッド6により、その大部分が遮
断されるが、その一部は遮断されずにX線グリッド6を
透過する。このX線グリッド6を透過した散乱X線と被
検体4を散乱されずに透過した直接X線とは、同時にX
線I.I.7の入力面で検出され、光学像に変換され
る。X線I.I.7で変換され出力面から照射された光
学像は、光学レンズ系8において、図示しない周知の光
学絞で光量を調節され、テレビカメラ9に結像される。
テレビカメラ9は、この光学像をビデオ信号に変換し、
アンプ107に出力する。アンプ107に入力されたビ
デオ信号は、このアンプ107よって信号強度を調整さ
れた後にA/D変換器108において、アナログ信号か
らデジタル信号へ変換される。このデジタル信号へ変換
されたビデオ信号は、画像処理装置109により所定の
画像処理が施された後に、モニタ10の表示画面上に表
示される。
理装置109から出力されるビデオ信号は、透視条件演
算装置110に入力される。
ビデオ信号出力を予め設定される値(適正な値)にする
X線管1の透視管電圧V、管電流量Q、光学絞り面積Ω
およびアンプ107のゲインGのそれぞれの値をリアル
タイムに計算して、透視条件記憶メモリ111中のそれ
ぞれの値の格納場所に上書きする。このとき、透視時に
おけるビデオ信号の信号出力の適正値は、撮影対象であ
る被検体部位や分割モードによって異なり、これらの値
はテーブル114に予め保存されている。したがって、
透視条件演算装置110は、図示しない作業者による遠
隔操作卓11あるいは操作卓12を通して透視条件記憶
メモリに入力111された被検体部位および分割モード
の設定値からテーブル114を参照し、透視時における
前記ビデオ信号の信号出力の適正値を設定する。
記憶メモリに入力111に記録された被検体部位の設定
値および透視管電圧Vから、適正なX線フィルタを選択
して透視条件記憶メモリ111上の格納場所に上書きす
る。このときのX線フィルタの選択方法の一例として
は、たとえば、electromedica 62 (1994) no.1 p19-22
等に記載の方法がある。
算装置110から入力されるX線管1の透視管電圧V、
管電流量Q、光学絞り面積Ωおよびアンプ107のゲイ
ンGの値と、図示しない作業者により遠隔操作卓11あ
るいは操作卓12を通して入力されるX線照射領域A
x,Ay、X線透視・撮影位置、X線グリッドの種類、
I.I.モード、テレビカメラ9の走査条件の値、被検
体部位の設定値、および、撮影分割モードの設定値等の
情報を保持する。各制御器は前述の情報に従ってリアル
タイムに各装置を制御し、その制御結果はビデオ信号強
度に反映されて、透視条件演算装置110にフィードバ
ックされる。
て、被検体4の見たい部位がモニタ10の表示画面の適
正な位置にくるように、遠隔操作卓11あるいは操作卓
12を用いて透視位置の位置合わせを行い、その位置が
合った時点において、遠隔操作卓11あるいは操作卓1
2を用いて、X線撮影開始の信号を発生を行い、撮影を
行う。
線制御器100はX線発生を停止してX線透視を終了す
る。また、同時に、X線撮影条件演算装置112は、X
線透視終了時のX線透視条件を透視条件記憶メモリ11
1から読み出すと共に、遠隔操作卓11あるいは操作卓
12を通して図示しない作業者により予め入力されてい
る、撮影時におけるX線照射領域A’x,A’y(以下
の記載において、撮影条件の設定値にはプライム ’
を付けて、透視条件の設定値と区別する)、I.I.モ
ード、テレビカメラ9の走査条件の情報を撮影条件記憶
メモリ113から読み出す。更に、X線撮影条件演算装
置112は、読み出した情報に基づいて、テーブル11
4を参照しながら、後述する方法により、撮影時におけ
る管電圧V’および管電流量Q’、光学絞り面積Ω’、
アンプ107のゲインG’のそれぞれの値を演算し、該
演算結果を撮影条件記憶メモリ113に格納する。演算
結果が撮影条件記憶メモリ113に格納されると同時
に、各制御器は、撮影条件を撮影条件記憶メモリ113
から読み出し、設定値に従いそれぞれの設定を行う。該
設定が完了すると同時にX線制御器100は、X線発生
信号をX線管1に送り、X線撮影を行う。撮影によって
得られたX線撮影像は、A/D変換器108によりデジ
タル信号に変換された後に、図示しないフレームメモリ
に格納される。
の概略構成を示すブロック図であり、撮影条件演算装置
112は、被検体厚計算手段(平均被検体厚計算手段)
201、撮影管電圧決定手段202、Q’Ω’G’計算
手段203および飽和監視手段(許容値判定手段、出力
値補正手段)204、Q’Ω’G’決定手段205から
構成される。
示す各手段は、周知の情報処理装置上で実行されるプロ
グラムによって実現する。
は、透視時における被検体厚とアンプ107のビデオ信
号出力との関係から被検体4の被検体厚を計算する手段
であり、詳細については、後述する。
線管1に印加するいわゆる撮影管電圧を決定する手段で
ある。本実施の形態においては、被検体厚決定手段20
1で決定された被検体厚tと撮影部位とに基づいて、テ
ーブル114bから該当する撮影管電圧を参照すること
によって、決定する。なお、詳細については、後述す
る。
計算手段201および撮影管電圧決定手段202、なら
びに、図示しない作業者によって遠隔操作卓11あるい
は操作卓12を用いて入力された撮影条件に基づく出力
画像の平均信号出力と、透視時の出力画像の平均信号出
力とが同一の値となるように、管電流量Q’、光学絞り
面積Ω’およびアンプ107のゲインG’を計算する手
段であり、詳細については後述する。
電圧V、管電流量Q、光学絞り面積Ωおよびアンプ10
7のゲインGのそれぞれが、許容される最大値に設定さ
れているか否か、すなわち、透視時の撮像条件が飽和し
ているか否かを判定し、この結果に基づき、以下に示す
処理を実行する手段である。
いなかった場合には、管電圧決定手段202およびQ’
Ω’G’計算手段203によって決定された管電圧
V’、管電流量Q’、光学絞り面積Ω’およびアンプ1
07のゲインG’の値を撮影時の値とする。
されていた場合には、Q’Ω’G’計算手段203によ
って決定された管電流量Q’、光学絞り面積Ω’および
アンプ107のゲインG’の積を、(撮影時の信号出力
の適正値)/(計算値に基づく出力画像の平均信号出
力)倍する。なお、詳細については、後述する。
手段204で求めたQ’Ω’G’から、Q’、Ω’、
G’の個々の値を求めた後、該値を撮影条件記憶メモリ
113中に、撮影自動制御による設定値315として記
録する。
てから、撮影条件が全て決定されるまでの処理を説明す
るための処理フローを示し、以下、図3に基づいて、図
2に示す撮影条件演算装置112における処理を説明す
る。
本処理フローの開始は、図示しない作業者による遠隔操
作卓11あるいは操作卓12上に設けられた撮影ボタン
のONである(ステップ301)。
件演算装置112の被検体厚計算手段201が、透視終
了時に透視条件記憶メモリ111に記録される透視条件
を全て読み出し、テーブル114aおよびテーブル11
4cを参照しながら被検体4のX線照射領域内における
平均被検体厚tを計算する(ステップ302)。ただ
し、前述の透視条件は、具体的には、遠隔操作卓11、
操作卓12あるいはその他から入力される設定値310
の中の透視時設定311、透視・撮影時共通設定313
および透視自動制御による設定値314である。
被検体厚tの値と被検体部位の設定値に対して、テーブ
ル114bを参照して適当な撮影管電圧V’を決定し、
撮影条件記憶メモリ113(具体的には撮影自動制御に
よる設定値315)に記録する(ステップ303)。
検体厚tおよび撮影管電圧V’の値と透視条件記憶メモ
リ111および撮影条件記憶メモリ113に記録されて
いる透視および撮影条件を全て読み出し、テーブル11
4cを参照しながら撮影時における管電流量Q’、光学
絞り面積Ω’およびゲインG’の積の値Q’Ω’G’を
計算する(ステップ304)。ただし、本ステップの撮
影条件は、具体的には遠隔操作卓11、操作卓12ある
いはその他から入力される設定値310および透視自動
制御による設定値314である。
制御による設定値314が、まず、出力画像の信号強度
を最大にする値に設定されているかどうか、すなわち、
透視条件が飽和しているかどうかを判定し(ステップ3
05)、飽和していない場合は、既に決定されたQ’
Ω’G’の値が適正であると判断して次のステップ30
7へ進む。一方、飽和している場合は、後述するよう
に、決定されたQ’Ω’G’の値が適正値より小さく評
価されるため、これを適正な値に補正するためにk倍し
(ステップ306)、その後に次のステップ307へ進
む。ここで、kの値は、透視終了時に得られた出力画像
の信号強度323の値を用いて、後述する方法により決
定される。
して、Q’Ω’G’決定手段205が、Q’、Ω’、
G’の値を個々に求め、それぞれの値を撮影条件記憶メ
モリ113中に、撮影自動制御による設定値315とし
て記録し(ステップ307)、撮影条件演算装置112
による撮影条件の設定が終了する。
12の各手段における処理を、図2および図3に基づい
て、具体的に説明する。
4のX線照射視野内における平均被検体厚tを計算する
には、透視撮影条件下における被検体厚と出力画像の信
号強度とを関係づける下記の数1(第1の関数)を用い
る。
変換器108から出力される画像の、中心付近の出力信
号強度の平均値を示す。
中心1/4の領域(1辺の長さ)の内部における、出力
信号の平均値とするが(例えば、走査線数2100本で
走査され、A/D変換によりサンプリングされた画像に
対しては、中心525ピクセル四方の出力信号の平均
値)、これに限るものではない。
9の走査モードおよびI.I.モードによって決定され
る係数である。FCおよびFIの値は、全ての走査モー
ドおよびI.I.モードに対して予め測定される。Po
(V)は、空気に対する平均信号出力関数であり、被検
体4が存在しない場合に、空気を透過して検出されるX
線の平均信号出力を表す。一般に、Po(V)は、管電
圧Vに依存して変化し、下記の数2で示されるような2
次関数で近似することができる。
p,bp,cpの値は、予め測定することができる。μ
(V)は、被検体4のX線吸収係数の関数である。一般
にμ(V)は、管電圧Vに依存して変化し、下記の数3
で示されるような2次関数で近似することができる。
m,bm,cmの値は、アクリル板もしくは水等の、被
検体4を模擬する材料に対して予め測定される。FF
(V,t,Ax,Ay)は、X線照射領域の変化に対す
る平均信号出力の変化率の関数である。一般に、FF
(V,t,Ax,Ay)のX線照射領域Ax,Ayに対
する変化量は、管電圧Vおよび被検体厚tに依存し、下
記の数4(第3の関数)で近似することができる。
y)を特徴づける係数KFおよび管電圧VFの値は、ア
クリル板もしくは水等の、被検体4を模擬する材料に対
して予め測定される。また、Aoは、X線照射領域A
x,Ayの標準サイズとして設定される値である。数4
をみると、FF(V,t,Ax,Ay)は、X線照射領
域Ax,Ayが標準値Aoである場合に1であり、従っ
て、数4は、X線照射領域Ax,Ayの変化に対する、
平均信号出力の変化率を表している。FL(V,t,
L)は、エアギャップの変化に対する平均信号出力の変
化率の関数である。一般に、FL(V,t,L)のエア
ギャップLに対する変化量は、管電圧Vおよび被検体厚
tに依存し、下記の数5(第4の関数)で近似すること
ができる。
づける係数KLおよび管電圧VLの値は、アクリル板も
しくは水等の、被検体4を模擬する材料に対して予め測
定される。また、Loは、エアギャップLの標準サイズ
として設定される値である。数5をみると、FL(V,
t,L)は、エアギャップLが標準値Loである場合に
1であり、従って、数5は、エアギャップLの変化に対
する、平均信号出力の変化率を表している。以上の数1
〜5を特徴づけるパラメータの内、FC,FIの値は、
特定のX線フィルタ2とX線グリッド6との組み合わせ
に対して予め計測され、テーブル114cに保存され
る。また、ap,bp,cp,am,bm,cm,K
F,VF,KL,VLの値は、全てのX線フィルタ2と
X線グリッド6の種類との組み合わせに対して予め測定
され、テーブル114cに保存される。なお、数1〜5
の導出およびテーブル114cに保存される各パラメー
タ値の測定方法については、後述する。
平均信号出力Icが適正な値Icoに保たれるように透
視制御を行う。Icoの適正値は、アクリル板もしくは
水等の、被検体4を模擬する材料に対して予め計測され
る。またIcoは、被検体部位や分割モードによって異
なる値として設定され、これらの値はテーブル114a
に保存される。
4の平均被検体厚tを計算する際には、まず、透視条件
記憶メモリ111に保存されている透視条件、すなわ
ち、遠隔操作卓11、操作卓12あるいはその他から入
力される設定値310中の透視時設定311、透視・撮
影時共通設定313および透視自動制御による設定値3
14を全て読み出す。次に、透視条件中のカメラモード
およびI.I.モードの設定値に対して、テーブル11
4cからFCおよびFIの値を読み出す。また、透視条
件中のグリッド種類およびX線フィルタ種類の設定値に
対して、テーブル114cからap,bp,cp,a
m,bm,cm,KF,VF,KLおよびVLの値を読
み出す。さらには、透視条件中の被検体部位設定および
分割モード設定の設定値に対して、テーブル114aか
ら平均信号出力の設定値Icoを読み出す。このとき、
数1の右辺において、平均被検体厚t以外の全てのパラ
メータの値が読み出されて決定されているため、数1左
辺の平均信号出力をIcoとする平均被検体厚tを決定
することができる。具体的には、数1を満たすtをニュ
ートン法や二分法等の数値計算方法を用いることで計算
できる。また、他の計算方法として、数1右辺を異なる
数点のtの値として、例えば5、10、15、20[c
m]等に対して計算した後に、これらを指数関数a×e
xp(−bt)で最小2乗フィッティングし(ただし、
a,bはフィッティングで決定される変数とする)、被
検体厚tをt=(log a − log Ico)/
bとして容易に求めることもできる。
ては、透視終了時の透視画像から実際の平均信号出力I
cを計算して、数1の左辺の平均信号出力Icとする方
法がある。この方法では、平均信号出力の実測値を用い
て演算を行うため、より正確な被検体厚tを求めること
ができる。ただし、透視終了時の透視画像が、中心1/
4の領域(1辺の長さ)の内部においてハレーションを
起こしている場合には、正確なIcが求められない。こ
のため、このハレーションの有無を判別し、ハレーショ
ンが存在する場合は、数1の左辺の平均信号出力をIc
oとする前述の方法を用いて、平均被検体厚tを計算す
る必要がある。
管電圧V’は、被検体厚計算手段201で決定された被
検体厚tに従って決定される。ここで、各被検体厚tに
対する適正な撮影管電圧V’の値は、撮影画像のコント
ラストやノイズ、検者の好み等を考慮して予めテーブル
114bに設定される。また、このような設定は、被検
体部位により異なるので(被検体部位毎にX線吸収係数
の分布が異なるため)、被検体のそれぞれの撮影部位に
合わせてテーブル値を用意することができる。
Q’Ω’G’の値は、透視終了時の出力画像の平均信号
出力と撮影画像の平均信号出力とが同一の値Icになる
ように計算される。このとき、透視終了時における透視
画像の信号出力は、透視自動制御により適正な値となっ
ているため、撮影画像の信号出力が適正値となるように
撮影を行うことができる。数1より、このようなQ’
Ω’G’の値は、下記の数6で求められる。
体厚t、撮影管電圧V’、操作卓・その他から入力され
る設定値310、透視自動制御による設定値314、お
よび、テーブル114cを参照することで、全て決定さ
れるため、数6を計算することができる。
は、透視終了時における透視画像の信号出力が透視自動
制御により適正な値となっていることを前提にしてい
る。しかしながら、被検体4が厚い場合や、造影剤を使
用する場合等は、透視自動制御を適正に行うことが出来
ないことがある。これは、被検体4のX線吸収が大き
く、透視時において許容される管電圧V、管電流量Q、
光学絞り面積Ω、ゲインGのそれぞれの値が、全て許容
される最大値に設定されているにもかかわらず、透視時
における透視画像の信号出力が適正値に満たないためで
ある。この場合、透視画像の平均信号出力Icは、適正
値Icoに対して小さな値をとるため、撮影画像におけ
る信号出力が適正値Icoをとるように、撮影時におけ
るQ’Ω’G’の値をk=Ico/Ic倍する補正を行
う必要がある。
よる設定値314を読み出し、透視時における管電圧
V、管電流量Q、光学絞り面積Ω、ゲインGの値が全て
許容される最大値に設定されているかどうか、すなわ
ち、透視条件が飽和しているかどうかを判断する。ここ
で、管電圧Vおよび管電流用Qの最大値は、X線管1の
熱容量により決定される。また、光学絞り面積Ωの最大
値は、光学系8で用いられるレンズの口径で決定され
る。さらには、アンプ107のゲインGの最大値は、透
視出力画像のSN比の制限により予め設定される。透視
条件が飽和していない場合は、透視自動制御が適正に行
われているため、Q’Ω’G’計算手段203で計算し
たQ’Ω’G’の値をそのまま用いることができる。ま
た、透視条件が飽和している場合は、透視自動制御が適
正に行われていないため、撮影画像の信号出力が適正値
Icoをとるように、Q’Ω’G’の値をk=Ico/
Ic倍する(ステップ306)。ここで、信号出力の適
正値Icoの値は、ステップ302でテーブル114a
から読み出した値を用いることができる。
G’の値に対して、それぞれQ’、Ω’、G’の値を個
々に決定する。ここで、前述の決定は、被検体4の被曝
線量、撮影画像の空間解像度、撮影画像のSN比等を考
慮して全て自動的に、あるいは、図示しない作業者によ
り、予め一部手動で決定される。一般に、管電流量Q’
を増加すれば被検体4の被曝線量が増加し、また、光学
絞り面積Ω’を大きくすれば撮影画像の空間解像度が低
下し、さらに、カメラゲインG’を増加すれば撮影画像
のSN比が低下する。このため、撮影画像の画質を重視
して撮影を行う場合には、光学絞り面積Ω’およびカメ
ラゲインG’を小さくし、逆に、管電流量Q’を大きく
すればよい。また、被検体4の被曝線量の低減を重視し
て撮影を行う場合には、光学絞り面積Ω’およびカメラ
ゲインG’を大きくし、逆に、管電流量Q’を小さくす
ればよい。
画像の平均信号出力との関係を説明するための図を、図
5にエアギャップLおよびX線照射領域Aの変化と出力
画像の平均信号出力との関係を説明するための図を、図
6にエアギャップLの変化と出力画像の平均信号出力と
の関係を説明するための図を、図7にX線照射領域A
x,Ayの変化と出力画像の平均信号出力との関係を説
明するための図を示し、以下、図4〜7に基づいて、透
視撮影条件および被検体厚と、出力画像の信号強度とを
関係づける数1〜5の導出、および、数1〜数5中の各
パラメータap,bp,cp,am,bm,cm,K
F,VF,KL,VLの測定方法について説明する。
出力画像の信号強度とを関係づける数1のうち、特に、
被検体厚tおよび管電圧Vと出力画像の平均信号出力と
の関係を図4に基づいて、説明する。ただし、以下の説
明において、被検体厚tおよび管電圧V以外の全てのパ
ラメータ、すなわち、管電流量Q、カメラ絞りΩ、アン
プのゲインG、カメラモード、I.I.モード、X線照
射領域Ax,Ay、エアギャップLに対しては、それぞ
れ標準値を定める。それぞれのパラメータに対する標準
値の例は、たとえば、図4(A)に示すようになる。な
お、以下に示す測定においては、標準値の値は、全て図
4(A)に示される値を用いる。また、以下の説明にお
いては、X線フィルタ2の種類として0.5[mm]厚
の標準的なアルミニウムフィルタ、X線グリッドの種類
として焦点距離120[cm]、グリッド比1:12の
標準的なグリッド、被検体を模擬する材料として標準的
なアクリル板を用いる。更には、X線照射領域Ax,A
yに対して、Ax=Ay=Aが保たれる場合は、簡単の
ため、これをX線照射領域Aとして省略して表現する。
図4に関する以下の全ての説明においては、標準値を持
つ全ての前述のパラメータは、標準値に固定する。この
とき、数1中のFF(V,t,Ax,Ay)およびFL
(V,t,L)の値は1となり、被検体厚tおよび管電
圧Vと出力画像の信号強度との関係を特徴づけるPo
(V)およびμ(V)を測定することができる。
00,115[kV]のそれぞれの場合において、被検
体厚tを5〜25[cm]まで5[cm]毎に変化した
場合の平均信号出力Icの測定値をプロットしたもので
ある。図4(B)には、また、前述のプロット値を指数
関数Po×exp(−μt)で最小2乗フィッティング
した結果が同時に示される。指数関数を特徴づけるパラ
メータPo,μは、前述のフィッティングで決定さる。
Po,μは、管電圧依存性を持ち、Po(V)およびμ
(V)と表現することができる。図4(B)からそれぞ
れの管電圧Vに対して決定されたPo(V)およびμ
(V)をプロットした結果をそれぞれ図4(C)、
(D)に示す。また、図4(C)、(D)には、前述の
プロット値をそれぞれ数2、数3で示される2次関数で
最小2乗フィッティングした結果を同時に示す。数2、
数3を特徴づけるパラメータap,bp,cpおよびa
m,bm,cmの値は、前述のフィッティングで決定さ
れる。これらのパラメータの値は、X線管1の管電圧
V、すなわち、放射X線のエネルギー分布に対して依存
性を持つので、一般に、X線のエネルギー分布を変化さ
せるX線フィルタやX線グリッドを変えると、パラメー
タの値も変化する。このため、使用される全てのX線フ
ィルタおよびグリッドの種類の組み合わせに対して、予
め、ap,bp,cp,am,bmおよびcmを測定し
て、その結果をテーブルとして保存する必要がある。図
4(B)〜(D)を見ると、それぞれのプロット値を最
小2乗するフィッティング関数により、フィッティング
がほぼ妥当に行われることがわかる。しかしながら、フ
ィッティング関数は、上記例のみに限定されるものでは
なく、測定値に応じて、より適切なものに置き換えるこ
ともできる。
出力画像の信号強度とを関係づける数1のうち、特に、
エアギャップLおよびX線照射領域Aの変化と出力画像
の平均信号出力との関係を図5に基づいて説明する。
に固定したまま、エアギャップLをL=5,15,25
[cm]と変えた場合の平均出力信号Icの変化の様子
を示した図である。ただし、平均出力信号Icの値は、
エアギャップLの標準値5[cm]における平均出力信
号Icの値を1として正規化してあり、このため図5
(A)は、平均出力信号Icの変化率を示した図となっ
ている。この図5(A)明らかなように、一般に、エア
ギャップLが大きくなる程、平均信号出力が小さくな
る。これは、エアギャップLが大きくなるに従い、X線
I.I.7に入射する散乱X線の量が減少することに起
因する。図5(A)には、また、前述の変化率の被検体
厚依存性、および、X線照射領域依存性について同時に
調べた結果も示す。図5(A)によれば、被検体厚tを
5,10,15[cm]と変化するに従い、変化率が大
きくなることがわかる。これは、被検体厚tが大きくな
るに従い、直接X線に対する散乱X線の割合が増加する
ことに起因する。また、図5(A)によれば、X線照射
領域Aを12,9.6,7.2[inch]四方と変化
しても、平均出力信号の変化率にはそれ程大きな影響を
与えないことがわかる。
に固定したまま、X線照射領域AをL=12,9.6,
7.2[inch]四方と変えた場合の平均出力信号I
cの変化の様子を示した図である。ただし、平均出力信
号Icの値は、X線照射領域Aの標準値12[inc
h]における平均出力信号Icの値を1として正規化し
てある。
に、X線照射領域Aが小さくなる程、平均信号出力が小
さくなる。これは、X線照射領域Aが小さくなるに従
い、X線照射領域の周辺部で散乱されて、X線I.I.
7の中心付近に入射する散乱X線の量が減少することに
起因する。また、図5(B)には、前述の変化率の被検
体厚依存性およびエアギャップ依存性について同時に調
べた結果も示す。この結果、図5(B)によれば、被検
体厚tを5,10,15[cm]と変化するに従い、変
化率が大きくなることがわかる。これは、被検体厚tが
大きくなるに従い、直接X線に対する散乱X線の割合が
増加することに起因する。また、図5(B)によれば、
エアギャップLを5,15,25[cm]と変化して
も、平均出力信号の変化率にはそれ程大きな影響を与え
ないことがわかる。
力Icの変化は、エアギャップLおよびX線照射領域A
の変化に対して、ほぼ独立であると見なすことができ
る。
域の変化に対する平均信号出力の変化率の関数FF
(V,t,Ax,Ay)と、エアギャップの変化に対す
る平均信号出力の変化率の関数FL(V,t,L)とを
互いに独立した関数として分離してある。
検体厚と、出力画像の信号強度とを関係づける数1のう
ち、特に、エアギャップLの変化と出力画像の平均信号
出力との関係を説明する。この図6においては、特に、
出力画像の信号強度として、平均出力信号Icの変化率
を示し、その表現方法は、基本的に図5(A)と同一で
あるため説明を省略する。
率の管電厚依存性を、図6(B)は平均出力信号Icの
変化率の被検体厚依存性をそれぞれ示したものである。
この図6(A)、(B)から明らかなように、平均出力
信号Icの変化率は、管電圧および被検体厚に依存性を
持つことがわかる。これは、被検体厚および管電圧が変
化するに従い、直接X線に対する散乱X線の割合が変化
することに起因する。図6(A)では、被検体厚tを2
5[cm]に固定し、管電圧V=70,90,110
[kV]のそれぞれの場合に対して、エアギャップLを
5,12,19,26[cm]と変化させており、図中
のプロット値は、実験値を表す。このプロット値から明
らかなように、平均出力信号Icは、エアギャップLの
変化に対して、ほぼリニアに変化していることがわか
る。また、前記平均出力信号Icは、管電圧Vに対して
もほぼリニアに変化することがわかる。
V]に固定し、被検体厚t=5,15,25[cm]の
それぞれの場合に対して、エアギャップLを5,12,
19,26[cm]と変化させており、図中のプロット
値は、実験値を表す。このプロット値から明らかなよう
に、平均出力信号Icは、エアギャップLの変化に対し
てほぼリニアに変化していることがわかる。さらには、
平均出力信号Icは、被検体厚tに対してもほぼリニア
に変化することがわかる。
平均信号出力Icの変化率の関数FL(V,t,L)を
数5で近似する。このとき、数5を特徴づけるVLの値
は、図6(A)中のプロット2点(t=25[cm],
L=26[cm],V=70,110[kV])の値を
測定し、前述の測定値と数5とからFL(V,t=25
[cm],L=26[cm])=1とするVLの値を計
算することで求められる。また、数5を特徴づけるKL
の値は、前述の測定値のうち、t=25[cm],L=
26[cm],V=110[kV]における測定値と、
既に求めたVLの値とから、数5を用いて容易に計算さ
れる。これらのパラメータの値は、X線管1の管電圧V
すなわち放射X線のエネルギー分布に対し依存性を持つ
ため、一般に、X線のエネルギー分布を変化させるX線
フィルタやX線グリッドを変えると、パラメータの値も
変化する。このため、使用される全てのX線フィルタお
よびグリッドの種類の組み合わせに対して、予め、VL
およびKLを測定して、テーブルとして保存する必要が
ある。図6(A)、(B)中には、前述の方法によって
求めたKLおよびVLに対して、数5を用いて計算した
平均信号出力Icの値が同時に示される。図6(A)、
(B)によれば、エアギャップLの変化に対する平均出
力信号Icの変化は、数5を用いてほぼ近似されること
がわかる。なお、数5においては、前記平均出力信号I
cのエアギャップL、被検体厚tおよび管電圧Vに対す
る変化がリニアであるとして1次関数で近似したが、前
述の近似関数は前述の例のみに限定されるものではな
く、測定値に応じて、より適切なものに置き換えること
もできる。
体厚と、出力画像の信号強度とを関係づける数1のう
ち、特に、X線照射領域Ax,Ayの変化と出力画像の
平均信号出力との関係を説明する。この図7は、平均出
力信号Icの変化率を示す図であり、その表現方法は基
本的に図4(B)と同一であるため説明を省略する。
変化率の管電厚依存性を、図7(B)は、前述の平均出
力信号Icの変化率の被検体厚依存性をそれぞれ示した
ものである。図7(A)、(B)から明らかなように、
前述の平均出力信号Icの変化率は、管電圧および被検
体厚に依存性を持つ。これは、被検体厚および管電圧が
変化するに従い、直接X線に対する散乱X線の割合が変
化することに起因する。
m]に固定し、管電圧V=70,90,110[kV]
のそれぞれの場合に対して、X線照射領域Aを12,1
0,8,6[inch]と変化させており、図中のプロ
ット値は実験値を表す。このプロット値によれば、平均
出力信号Icは、X線照射領域Aの変化に対してほぼリ
ニアに変化していることがわかる。また、平均出力信号
Icは、管電圧Vに対してもほぼリニアに変化すること
がわかる。
V]に固定し、被検体厚t=5,15,25[cm]の
それぞれの場合に対して、X線照射領域Aを12,1
0,8,6[inch]と変化させており、図中のプロ
ット値は実験値を表す。このプロット値から明らかなよ
うに、平均出力信号Icは、X線照射領域Aの変化に対
してほぼリニアに変化している。また、平均出力信号I
cは、被検体厚tに対してもほぼリニアに変化すること
がわかる。
同時に変化させた場合と、x方向のみ変化させた場合
(このとき、y方向は標準値12[inch]に固定)
とのそれぞれの場合に対する、平均出力信号Icの変化
を示したものである。図7(C)では、被検体厚tおよ
び管電圧Vをそれぞれ25[cm],90[kV]に固
定して、X線照射領域AおよびAxを12,10,8,
6[inch]と変化させており、図中のプロット値は
実験値を表す。このプロット値から明らかなように、X
線照射領域をx方向のみに変化させた場合の平均出力信
号Icの変化量は、X線照射領域をx,y方向同時に変
化させた場合の平均出力信号Icの変化量のほぼ半分と
なっている。したがって、平均出力信号Icの値は、近
似的にAxの変化量とAyの変化量の和に比例して変化
すると考えられる。
に対する平均信号出力Icの変化率の関数FF(V,
t,Ax,Ay)を数4で近似する。このとき、数4を
特徴づけるVFの値は、図7(A)中のプロット2点
(t=25[cm],A=6[inch],V=70,
110[kV])の値を測定し、この測定値と数4とか
らFF(V,t=25[cm],Ax=6[inc
h],Ay=6[inch])=1とするVFの値を計
算することで求められる。また、数4を特徴づけるKF
の値は、前記測定値のうち、t=25[cm],A=6
[inch],V=110[kV]における測定値と既
に求めたVFの値とから、数4を用いて容易に計算でき
る。これらのパラメータの値は、X線管1の管電圧Vす
なわち放射X線のエネルギー分布に対し依存性を持つた
め、一般に、X線のエネルギー分布を変化させるX線フ
ィルタやX線グリッドを変えると、パラメータの値も変
化する。このため、使用される全てのX線フィルタおよ
びグリッドの種類の組み合わせに対して予めVFおよび
KFを測定して、テーブルとして保存する必要がある。
図7(A)〜(C)中には、前述の方法によって求めた
KFおよびVFに対して、数4を用いて計算した平均信
号出力Icの値が同時に示される。
域Ax,Ayの変化に対する平均出力信号Icの変化
は、数4を用いてほぼ近似されることがわかる。なお、
数4においては、平均出力信号IcのX線照射領域A
x,Ay、被検体厚tおよび管電圧Vに対する変化がそ
れぞれリニアであるとして1次関数で近似したが、この
近似関数は、前述の例のみに限定されるものではなく、
測定値に応じてより適切なものに置き換えることもでき
る。
出および数1〜数5のパラメータap,bp,cp,a
m,bm,cm,KF,VF,KL,VLの測定方法に
ついて説明した。この他に数1中には、パラメータF
C,FIが含まれているが、これらは、それぞれカメラ
モードに対する係数、X線I.I.のI.I.モードに
対する係数を示している。FC,FIは、それぞれ標準
カメラモードおよび標準I.I.モードにおいて1であ
る。FC,FIの測定は、標準条件および適当な被検体
厚t、管電圧V(例えばt=15[cm]、V=90
[kV]等)、X線フィルタ種類およびX線グリッド種
類において、カメラモードおよびI.I.モードのみを
標準条件から変化させ、平均出力信号Icの変化率を測
定することで容易に測定できる。
よびエアギャップの変化に対する補正項FF(V,t,
Ax,Ay),FL(V,t,L)は、そのどちらか一
方、または、両方を省略できる。すなわち、FF(V,
t,Ax,Ay)=1あるいはFL(V,t,L)=1
とする。このとき、被検体厚tの導出あるいはX線撮影
条件の決定の演算において精度が劣化するが、X線照射
領域あるいはエアギャップの測定機構を必要としないた
め、装置構成を比較的簡単にすることができる。特に、
エアギャップの補正項FL(V,t,L)については、
X線透視時と撮影時において、エアギャップLが変化し
ないので、この省略が演算精度に与える影響は小さい。
例えば、FL(V,t,L)を省略した場合、数6で決
定されるQ’Ω’G’の値は、透視と撮影管の管電圧V
との差が20[kV]程度以内であれば、5%程度の誤
差範囲で計算することができる。
として図4(A)に示す値を用いたが、これに限るもの
ではない。特に、エアギャップLおよびX線照射領域A
x,Ayの標準値については、それぞれのパラメータの
最も使用頻度の高い値に設定することが望ましい。この
とき、数4および数5に示されるFF(V,t,Ax,
Ay)およびFL(V,t,L)の近似誤差、あるい
は、省略に起因する計算誤差の発生頻度を抑えることが
できる。
装置によれば、透視撮影条件下における被検体厚と出力
画像の信号強度(平均信号出力Ic)との関係を数1で
近似すると共に、まず、数1のパラメータであるFCお
よびFIを特定するための値、ならびに、Po(V)、
μ(V)、FF(V,t,Ax,Ay)およびFL
(V,t,L)を計算するための数2〜5のパラメータ
であるap,bp,cp,am,bm,cm,KF,V
F,KL,VLと、透視時の撮像条件および作業者の指
示による撮影時の撮像条件とを、それぞれテーブル11
4a〜c、透視条件記憶メモリ111および撮影条件記
憶メモリ113に格納しておく。
像条件に基づいて、まず、被検体厚計算手段201が被
検体厚を計算する。
1の管電圧を決定した後、Q’Ω’G’計算手段203
が、数2〜6、テーブル114a〜c、透視条件記憶メ
モリ111および撮影条件記憶メモリ113に格納され
る値に基づいて、簡単な演算によって撮影時の撮像条件
を決定する。
条件(透視自動制御による設定値314)の中に飽和し
ている項目がないかを判定し、透視時の撮像条件が飽和
していない場合は、透視自動制御が適正に行われている
とみなし、Q’Ω’G’計算手段203で計算したQ’
Ω’G’の値をそのまま用いる。一方、透視時の撮像条
件が飽和している場合は、透視自動制御が適正に行われ
ていなかったとみなし、撮影画像の信号出力が適正値I
coをとるように、Q’Ω’G’の値をk=Ico/I
c倍した値を用いる。
視手段204から出力されるQ’Ω’G’の値に対し
て、それぞれQ’、Ω’、G’の値を個々に求め、それ
ぞれの値を撮影条件記憶メモリ113中に、撮影自動制
御による設定値315として記録し、該設定値に基づい
て、各制御器100〜106およびアンプ107がそれ
ぞれ対応する装置を制御してX線撮影を行う、すなわ
ち、X線透視条件および透視時のビデオ信号からX線撮
影条件を決定する場合において、X線照射領域やエアギ
ャップ等の変化に伴い変化する散乱X線量を簡単な関数
を用いて精度よく計算できるので、散乱X線量の変化を
考慮してX線撮影条件を決定できる。したがって、X線
散乱による影響を除去した、より適正なX線撮影を行う
ことができる。
像条件でのX線撮像ができる。
流量光学絞り面積Ω’およびアンプ107のゲインG’
を計算する数6において、X線散乱にかかわる補正を透
視時のFF(V,t,Ax,Ay)およびFL(V,
t,L)と撮影時のFF(V’,t,Ax’,Ay’)
およびFL(V’,t,L)とからなる補正項によって
行っているので、X線散乱の影響を考慮した撮像条件で
被検体のX線像を撮影できる。
ーブル114a〜c、透視条件記憶メモリ111および
撮影条件記憶メモリ113に格納に格納する値と、数1
に示す出力値の近似式に基づく数2〜6とによって、撮
影時の撮像条件を計算するので、少ない演算量すなわち
少ない時間で適正な濃度レベルの撮像条件でのX線撮像
ができる。
るので、高速な演算能力を有しない低コストな演算装置
を使用できる。したがって、X線装置を低コストで製造
できる。
ル114aおよびテーブル114bに基づいて、被検体
4の被検体厚を近似して計算するので、たとえば、透視
時におけるX線検出器に入射するX線の強度が該X線検
出器で適正に検出できる範囲を越えている場合であって
も、被検体厚を正確に計算できる。
(透視画像)がハレーションを起こしているような場合
であっても、被検体厚を正確に計算できるので、正確に
撮影時の撮像条件を決定できる。
られた被検体厚に基づいて、Q’Ω’G’計算手段20
3が撮影時の撮像条件を計算するので、より適正に撮像
条件を計算できる。
な関数を数4および数5積で近似すると共に、該数4お
よび数5のパラメータであるKF、VF、KL、VLを
テーブル114cに格納しているので、たとえば、定期
点検等に伴う調整等を目的とした測定が短時間でできる
と共に、前述のパラメータを変更することによって、簡
単に装置の調整が行えるという効果がある。
中に飽和している項目がないかを監視し、飽和している
場合は、透視自動制御が適正に行われていなかったとみ
なし、撮影画像の信号出力が適正値Icoをとるよう
に、Q’Ω’G’の値をk=Ico/Ic倍した値を撮
影時の撮像条件とするので、たとえば、被検体4の厚さ
が厚いために透視時のアンプ107の利得を適正なレベ
ルにまで上げることができない場合であっても、撮影時
の撮像条件は正確に計算できる。
流量Q、カメラ絞りΩ、アンプのゲインG、カメラモー
ド、I.I.モード、X線照射領域Ax,Ay、エアギ
ャップL)が、たとえば、透視時に最も頻繁に使用され
る値である場合には、数4および数5の近似誤差に起因
する、撮影時の撮像条件の決定の際の誤差を減少できる
という効果もある。
合、すなわち、被検体厚が厚くX線管の管電圧が高い場
合において、特に効果的である。
mのアクリルを用いて撮影制御を行った場合を以下に示
す。このときの透視条件としては、X線管の管電圧V=
120[kV(キロボルト)]、X線照射領域Ax=A
y=7[inch]、撮影条件としては、X線管の管電
圧V’=108[kV]、X線照射領域Ax=Ay=1
2[inch]とした。また、その他の条件(X線フィ
ルタ種類、X線グリッド種類、I.I.モード、カメラ
絞り、カメラモード、アンプのゲイン、およびエアギャ
ップ)に関しては、透視時と撮影時とで同一の条件とし
た。特に、X線フィルタ種類およびX線グリッド種類
は、図4〜7に示す実験で使用したものと同一とし、
I.I.モード、カメラ絞り、カメラモードおよびアン
プのゲインは、図4(A)に示す標準値とした。また、
エアギャップLは、L=25[cm]と設定した。
を求めて実際に撮影を行い、透視画像と撮影画像とを比
較した。
0%とした場合、撮影画像の平均信号出力は95〜10
5%程度となり、すなわち、5%程度の誤差で撮影を行
うことができた。
公報に記載されているような従来の方法で、透視時と撮
影時における散乱X線量の誤差を考慮せずに撮影制御を
行った場合、撮影画像の平均信号出力は140〜150
%程度の値となり、40〜50%の誤差が生じた。この
ような大きな誤差の主原因は、X線照射領域の変化およ
びエアギャップの標準値からのずれに伴う散乱X線量の
変化である。このような大きな誤差は、撮影画像におい
てハレーションを発生させる原因となるため、従来の方
法では適正な濃度レベルで撮影を行うことができない
が、本発明に示す装置の方法を用いて、適正な濃度レベ
ルで撮影を行うことができることが確認された。
置について、その動作および効果を説明したが、本発明
はX線装置に限定されることはなく、他の一般的なX線
透視装置、X線撮影装置、立体X線撮影装置、DSA装
置(Digital Subtraction Ang
iography装置)等にも適用できることは勿論で
ある。
前記発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本
発明は、前記発明の実施の形態に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能で
あることは勿論である。
においては、X線検出器としてX線イメージインテンシ
ファイア7、光学レンズ系8およびテレビカメラ9から
なる系を用いたが、この系に限定されることはなく、X
線信号を直接電気信号に変換可能なX線平面センサ等
(撮像手段)を用いたX線検出器でこれを代用しても、
前述する効果が得られることは言うまでもない。X線平
面センサの例としては、TFT(Thin Film
Transistor)素子を用いる方法が、「Large
Area,Flat-Panel,Amorphous Silicon Imagers;L.E.Anto
nuk,et al.SPIE,Vol.2432,Physics of Medical Imagin
g,pp.216-217」等に記載される。
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記の通りである。
時の撮像条件を決定する際に、少ない時間で適正な濃度
レベルの撮像条件を決定できる。
時の撮像条件を決定する際に、X線散乱の影響を考慮し
た撮像条件を決定できる。
ので、X線装置の製造コストを低減できる。
示すブロック図である。
示すブロック図である。
が全て決定されるまでの処理を説明するための処理フロ
ーである。
力との関係を説明するための図である。
画像の平均信号出力との関係を説明するための図であ
る。
との関係を説明するための図である。
との関係を説明するための図である。
5…寝台天板、6…X線グリッド、7…X線イメージイ
ンテンシファイア、8…光学レンズ系、9…テレビカメ
ラ、10…モニタ、11…遠隔操作卓、12…操作卓、
100…X線制御器、101…X線フィルタ制御器、1
02…X線コリメータ制御器、103…透視撮影位置制
御器、104…I.I.モード制御器、105…光学絞
り制御器、106…テレビカメラ制御器、107…アン
プ、108…A/D変換器、109…画像処理装置、1
10…透視条件演算装置、111…透視条件記憶メモ
リ、112…撮影条件演算装置、113…撮影条件記憶
メモリ、114…テーブル、201…被検体厚計算手
段、202…撮影管電圧決定手段、203…Q’Ω’
G’計算手段、204…飽和監視手段、205…Q’
Ω’G’決定手段。
Claims (5)
- 【請求項1】 X線を発生するX線管と、X線の照射領
域を制限するX線コリメータと、被検体のX線像を撮像
する検出手段と、前記X線像を表示する表示手段とを有
するX線装置に於いて、前記被検体を模擬する材料を用
いて得られる、前記検出手段の出力値Iと前記X線管の
管電圧Vと管電流量Qと前記検出手段の利得Gと前記被
検体の厚さtとの関係を、前記管電圧Vを変数とする多
項式Po(V)及びμ(V)を用いた第1の近似式I=
QGPo(V)exp(−μ(V)t)で近似して得ら
れる前記Po(V)及びμ(V)の多項式係数の値を格
納する第1の格納手段と、前記照射領域のサイズの変化
に対する前記検出手段の出力値Iの変化率を前記X線管
の管電圧Vと前記被検体の厚さtと前記照射領域のサイ
ズとを変数とする多項式で構成される第2の近似式で近
似して得られる多項式係数の値を格納する第2の格納手
段と、前記被検体と前記検出手段の入力面との距離の変
化に対する前記検出手段の出力値Iの変化率を、前記X
線管の管電圧Vと前記被検体の厚さtと前記被検体と前
記検出手段の入力面との距離とを変数とする多項式で構
成される第3の近似式で近似して得られる多項式係数の
値を格納する第3の格納手段と、前記第1〜3の近似式
の積で表される出力近似関数と透視時における前記X線
管の管電圧Vと管電流量Qと前記照射領域のサイズと前
記被検体と前記検出手段の入力面との距離と前記検出手
段の利得Gの値とに基づいて前記被検体の厚さtを計算
する第1の計算手段と、前記第1の計算手段により計算
された前記被検体の厚さtと前記出力近似関数と撮影時
において予め設定された前記X線管の管電圧Vと前記照
射領域のサイズと前記被検体と前記検出手段の入力面と
の距離とに基づいて撮影時の管電流量Q及び前記検出手
段の利得Gを計算する第2の計算手段と、前記第2の計
算手段の計算結果に基づいて撮影を制御する制御手段と
を具備することを特徴とするX線装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載のX線装置に於いて、X
線のエネルギー分布を変化させるX線フィルタ、及び/
又は、X線が前記被検体を透過する際に発生する散乱X
線を除去するX線グリッドを有し、複数の前記X線フィ
ルタ、及び/又は、複数の前記X線グリッドの組み合わ
せに対して求められた前記第1〜3の近似式の多項式係
数の値を、それぞれ前記第1〜3の格納手段が格納する
ことを特徴とするX線装置。 - 【請求項3】 請求項1に記載のX線装置に於いて、前
記第2の近似式は一定値であることを特徴とするX線装
置。 - 【請求項4】 請求項1に記載のX線装置に於いて、前
記第3の近似式は一定値であることを特徴とするX線装
置。 - 【請求項5】 請求項1に記載のX線装置に於いて、前
記第1の計算手段は、透視時に於ける前記管電圧V、前
記管電流量Q及び前記利得Gの値が予め設定した許容値
の範囲内であるか否かを判定する判定手段を有し、前記
判定手段が前記管電圧V、前記管電流量Q、及び前記利
得Gが前記許容値の範囲内に含まれないと判定した場合
に、撮影時の前記管電流量Q又は前記利得Gを所定倍す
る出力値補正手段を前記第2の計算手段が具備すること
を特徴とするX線装置。
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-
1996
- 1996-10-08 JP JP26751896A patent/JP3538286B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH10112399A (ja) | 1998-04-28 |
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