JP3536606B2 - 直噴火花点火式内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents
直噴火花点火式内燃機関の燃料噴射制御装置Info
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Description
燃機関の燃料噴射制御装置に関し、特に成層燃焼と均質
燃焼とを運転状態に応じて切り換える機関における燃料
噴射制御に関する。
において、燃料を燃焼室内に直接噴射する燃料噴射弁を
備え、低・中負荷領域では、燃料を圧縮行程で噴射する
ことにより点火栓付近のみに可燃混合気を層状に生成し
て成層燃焼を行い、これにより、空燃比を大幅にリーン
とした燃焼を可能として燃費,排気性状を大きく改善し
た技術が開発されている。
でも、所定以上の高負荷領域では、限られたシリンダ容
積で要求トルクを確保するために、燃料を吸気行程で噴
射して均質に混合した混合気を形成し(均質燃焼用に燃
料を吸気通路に噴射する燃料噴射弁を備えるものを含
む) 、均質燃焼を行わせる必要があるため、成層燃焼と
均質燃焼とを運転状態に応じて切り換えるようにしてい
る。
ら均質燃焼への切り換え時には、噴射時期が圧縮行程か
ら吸気行程に早まるため、成層燃焼時において、均質燃
焼への切り換えに予め備えて均質燃焼用の燃料噴射時期
の演算・計測を行わせておくことが望まれる。しかし、
特開昭和63−138118号公報に開示されるよう
に、成層燃焼用の燃料噴射量,噴射時期、均質燃焼用の
燃焼噴射量,噴射時期を常時演算させる構成であると、
演算負荷が大きいという難点があった。
てなされたもので、成層燃焼から均質燃焼への速やかな
切り換えを行わせつつ、演算負荷をできるだけ小さくで
きる直噴火花点火式内燃機関の燃料噴射制御装置を提供
することを目的とする。
発明では、機関の燃焼室内に直接燃料を噴射する燃料噴
射弁を備えると共に、機関運転条件に応じ、吸気行程に
て燃料を噴射させて行う均質燃焼と、圧縮行程にて燃料
を噴射させて行う成層燃焼とを切り換え制御する直噴火
花点火式内燃機関の燃料噴射制御装置において、成層燃
焼と均質燃焼との別に応じて成層燃焼用の燃料噴射量と
均質燃焼用の燃料噴射量とのいずれか一方のみを演算す
る一方、均質燃焼用の燃料噴射時期を、成層燃焼時と均
質燃焼時との双方で演算するよう構成し、均質燃焼時に
は、前記均質燃焼用の燃料噴射時期を均質燃焼用の燃料
噴射量に基づいて演算させ、かつ、成層燃焼時には、前
記均質燃焼用の燃料噴射時期を成層燃焼用の燃料噴射量
に基づいて演算させるよう構成した。
焼用の燃料噴射量のみが演算され、均質燃焼時には均質
燃焼用の燃料噴射量のみが演算される。一方、均質燃焼
用の燃料噴射時期は、均質燃焼時には均質燃焼用の噴射
量に基づいて演算させるが、成層燃焼時には均質燃焼用
の噴射量が演算されないので、成層燃焼用の噴射量を代
用して演算させる。ここで、請求項2記載の発明では、
均質燃焼時は均質燃焼用の燃料噴射量を演算させると共
に、成層燃焼用の燃料噴射量を0とし、成層燃焼時は成
層燃焼用の燃料噴射量を演算させると共に、均質燃焼用
の燃料噴射量を0とするよう構成し、前記均質燃焼用の
燃料噴射時期を成層燃焼用の燃料噴射量と均質燃焼用の
燃料噴射量のうちの大きい方の燃料噴射量に基づいて演
算させる構成とした。 かかる構成によると、均質燃焼用
の燃料噴射時期を成層燃焼用の燃料噴射量と均質燃焼用
の燃料噴射量のうちの大きい方の燃料噴射量に基づいて
演算させることで、結果的に、均質燃焼時には均質燃焼
用の噴射量に基づいて均質燃焼用の噴射時期が演算さ
れ、成層燃焼時には成層燃焼用の噴射量に基づいて均質
燃焼用の噴射時期が演算されることになる。
直接燃料を噴射する燃料噴射弁を備えると共に、機関運
転条件に応じ、吸気行程にて燃料を噴射させて行う均質
燃焼と、圧縮行程にて燃料を噴射させて行う成層燃焼と
を切り換え制御する直噴火花点火式内燃機関の燃料噴射
制御装置であって、図1に示すように構成される。図1
において、燃料噴射量演算手段は、成層燃焼と均質燃焼
との別に応じて成層燃焼用の燃料噴射量と均質燃焼用の
燃料噴射量とのいずれか一方のみを演算する。
おいて、成層燃焼用の燃料噴射時期を成層燃焼用の燃料
噴射量に基づいて演算する。一方、均質用噴射時期演算
手段は、均質燃焼用の燃料噴射時期を、均質燃焼時には
均質燃焼用の燃料噴射量に基づいて演算し、成層燃焼時
には成層燃焼用の燃料噴射量に基づいて演算する。
噴射時期演算手段,前記均質用噴射時期演算手段で演算
された燃料噴射時期をそれぞれに計測し、燃料噴射制御
手段は、噴射時期計測手段で計測される噴射時期に、前
記燃料噴射量演算手段で演算された燃料噴射量に基づい
て前記燃料噴射弁による燃料噴射を行わせる。かかる構
成によると、燃料噴射量は燃焼状態に応じて均質燃焼用
と成層燃焼用とのいずれか一方のみが演算される。一
方、均質燃焼用の噴射時期を、均質燃焼時には均質燃焼
用の燃料噴射量に基づいて演算し、成層燃焼時には成層
燃焼用の燃料噴射量に基づいて演算させる。
用の噴射時期に基づいて、均質燃焼用の噴射時期が計測
され、成層燃焼から均質燃焼への切り換え時には、成層
燃焼中に計測を開始させていた均質燃焼用の噴射時期で
の噴射を可能にする。請求項4記載の発明では、前記成
層用噴射時期演算手段が、成層燃焼から均質燃焼に切り
換えられた後も、各気筒の燃焼が全て均質燃焼に切り換
わるまでの間は、成層燃焼用の燃料噴射時期を演算する
構成とした。
焼への切り換えが行われた時点で、既に均質燃焼用の吸
気行程における噴射時期を過ぎている気筒については、
引き続き成層燃焼用として圧縮行程中に燃料を噴射させ
る必要があるので、成層燃焼用の噴射時期の演算を引き
続き行わせ、例えば噴射量と回転速度とに基づいて噴射
時期を演算する構成の場合には、燃焼状態の切り換え後
の回転速度の変化に対応して成層燃焼用の噴射時期が変
更されるようにする。
御手段が、成層燃焼から均質燃焼への切り換え時に、各
気筒別に、均質燃焼用の燃料噴射時期での燃料噴射が行
われるまでは、切り換え前に前記燃料噴射量演算手段で
演算された成層燃焼用の燃料噴射量に基づいて成層燃焼
用の燃料噴射時期での燃料噴射を行わせる構成とした。
焼への切り換え要求があっても、成層燃焼時に演算した
燃料噴射量を記憶保持しておき、継続的に成層燃焼を行
わせる必要がある気筒においては、前記記憶保持してお
いた成層燃焼時の最後に演算された成層燃焼用の噴射量
に基づいて燃料噴射を行わせる。
に合わせた燃料噴射量のみを演算させることで演算負担
の軽減が図れる一方、成層燃焼時において、均質燃焼用
の噴射時期を成層燃焼用の噴射量に基づいて演算させる
ので、成層燃焼から均質燃焼への切り換えを速やかに行
わせることができるという効果がある。請求項2記載の
発明によると、均質燃焼用の噴射時期を、成層燃焼用の
噴射量と均質燃焼用の噴射量との大きい方に基づいて常
時演算させるので、燃焼状態の判別を伴うことなく成層
燃焼時に成層燃焼用の噴射量を代用して均質燃焼用の噴
射時期を演算させることができ、以って、成層燃焼から
均質燃焼への切り換えを速やかに行わせることができる
という効果がある。請求項3記載の発明によると、燃焼
状態に合わせた燃料噴射量のみを演算させることで演算
負担の軽減が図れる一方、均質燃焼用の燃料噴射時期
を、均質燃焼時には均質燃焼用の燃料噴射量に基づいて
演算し、成層燃焼時には成層燃焼用の燃料噴射量に基づ
いて演算するので、成層燃焼中に均質燃焼への切り換え
に備えて均質燃焼用の噴射時期を計測させておくことが
でき、均質燃焼への切り換え直後の吸気行程噴射時期か
ら燃料噴射を行わせることができるという効果がある。
の噴射時期を、成層燃焼時にのみ演算させることで、演
算負荷の軽減を図りつつ、成層燃焼から均質燃焼への切
り換え時において、成層燃焼を引き続き行わせる気筒に
対応して成層燃焼用の噴射時期の演算を継続させるの
で、均質燃焼への切り換えが遅れる気筒において、適切
な噴射時期で成層燃焼用の燃料噴射を行わせることがで
きるという効果がある。
合わせた燃料噴射量のみを演算させることで演算負担の
軽減が図れる一方、成層燃焼から均質燃焼への切り換え
時において、均質燃焼へ直ちに切り換えることができな
い気筒について切り換え前の成層燃焼用の噴射量に基づ
いて燃料噴射を行わせることで、引き続き成層燃焼を行
わせることができるという効果がある。
基づいて説明する。図2は、本発明の実施の形態の車両
用内燃機関のシステム構成を示す。この図2において、
アクセル操作量センサ1は、運転者によるアクセルペダ
ルの踏込み量を検出する。
のポジション信号POS及び各気筒の基準ピストン位置
毎(例えばBTDC110 °CA)のリファレンス信号R
EFを発生し、前記ポジション信号の単位時間当りの発
生数を計測することにより、或いは、前記リファレンス
信号の発生周期を計測することにより、機関回転速度N
eを検出できる。
間当りの吸入空気量を検出する。水温センサ5は、機関
4の冷却水温度を検出する。機関4のシリンダ部には、
燃焼室12内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁6、燃焼室
12内で火花点火を行う点火栓7が設けられる。そして、
機関4の低・中負荷領域では、燃焼室12内に圧縮行程で
燃料噴射することにより、燃焼室12内の点火栓7周辺に
可燃混合気を層状に形成して成層燃焼を行い、また、高
負荷領域では燃焼室7内に吸気行程で燃料噴射すること
によりシリンダ全体に略均質な混合比の混合気を形成し
て均質燃焼を行なうことができるようになっている。
に応じて均質燃焼と成層燃焼とを切り換え制御される直
噴火花点火式内燃機関である。また、機関4の吸気通路
8には、スロットル弁9が介装されると共に、該スロッ
トル弁9開度を電子制御可能なスロットル弁制御装置10
が備えられている。前記各種センサ類からの検出信号
は、コントロールユニット11へ入力され、該コントロー
ルユニット11は、前記センサ類からの信号に基づいて検
出される運転状態に応じて前記スロットル弁制御装置10
を介してスロットル弁9の開度を制御し、前記燃料噴射
弁6を駆動して燃料噴射量 (燃料供給量) を制御し、前
記点火栓7の点火時期を制御する。
実行される燃料噴射制御を、図3〜図10の各フローチャ
ートに従って説明する。図3のフローチャートは、燃料
噴射時期I/Tの設定制御の基本マーチンを示し、前記
リファレンス信号REF毎に実行され、まず、ステップ
1(図中にはS1と記してある。以下同様)では、均質
燃焼に応じた吸気行程での噴射時期を設定し、ステップ
2では、成層燃焼用の噴射時期設定の要求があるか否か
を判定する。
があるときは、ステップ3へ進んで成層燃焼に応じた圧
縮行程での噴射時期を設定する。また、成層燃焼用の噴
射時期設定の要求が無いときは、成層燃焼用の噴射時期
の演算を行なうことなく、このルーチンを終了する。従
って、均質燃焼用の噴射時期は、均質燃焼,成層燃焼を
問わずに設定されることになるが、成層燃焼用の噴射時
期は、要求があるときに限定して設定が行われるように
なっている。
の噴射時期設定の要求を判別するルーチンであり、ステ
ップ11では、目標燃焼状態が均質燃焼であるか否かを判
定する。前記目標燃焼状態は、例えば以下のようにして
設定される。まず、機関の運転状態,基本的には機関の
回転速度,負荷やその他冷却水温度等に基づいて、成層
燃焼,均質燃焼のいずれの燃焼状態とすべきかと、目標
当量比とをマップからの検索等により求める。次に、成
層燃焼と均質燃焼との切換を含む運転状態の変化によ
り、切換前後の目標当量比が変化したときは、該目標当
量比にステップ的に変化させようとしても、吸入空気量
の変化にスロットル弁の動作遅れや吸気系容積による遅
れを生じるため、該遅れに合わせるように目標当量比の
変化に位相遅れ補正を施し、目標当量比と共に機関トル
クを滑らかに変化させるようにする。一方、成層燃焼と
均質燃焼との間で切換を行なう場合は、両燃焼状態で共
に安定した燃焼が確保できる当量比の共通な領域で切換
を行なう必要があるため、前記位相遅れ補正した目標当
量比を、前記燃焼状態が切換可能な領域に設定された当
量比しきい値と比較し、該しきい値以上のときは均質燃
焼,しきい値未満のときは、成層燃焼というように切り
換えて選択する。
でない、つまり成層燃焼と判定された場合は、全気筒に
ついて成層燃焼が行なわれる状態であるので、直ちにス
テップ12へ進んで成層燃焼用の噴射時期の設定を要求
し、また、ステップ11で目標燃焼状態が均質燃焼と判定
された場合は、ステップ13に進み、各気筒のいずれかに
おいて成層燃焼用の燃料噴射の要求があるか否かを判定
し、要求がある場合にはステップ12へ進んで成層燃焼用
の噴射時期の設定を要求し、いずれの気筒においても成
層燃焼の要求がない場合は、成層燃焼用の噴射時期の設
定を要求することなく、このルーチンを終了する。
れるときには、噴射時期として遅れる方向に変化するこ
とになるので、切り換え後の最初の圧縮行程から燃料噴
射を行わせることが可能であるので、目標燃焼状態が成
層燃焼であるときには、均質燃焼からの切り換え直後を
考慮したとしても、成層燃焼用の噴射時期のみを演算す
れば良い。
わっても、直ちに成層燃焼用の噴射時期の演算が不要に
なるわけではなく、成層燃焼から均質燃焼への切り換え
は噴射時期が早まる方向の変化なので、引き続き圧縮行
程噴射による成層燃焼を行わせる必要がある気筒が発生
するので、たとえ均質燃焼に切り換わった後であって
も、成層燃焼を行う気筒がある場合には、成層燃焼用の
噴射時期設定の要求を発生させるものである。
は、機関負荷,回転などの運転条件から判定しても良
く、また、各気筒別に成層燃焼の要求があるか否かのみ
を判断して要求の発生を行わせても良い。図5のフロー
チャートは、燃料噴射量の演算を行うルーチン(燃料噴
射量演算手段)を示す。このフローは、所定時間例えば
10msec毎に実行される。
であるか否かを判別する。ステップ21で目標燃焼状態が
均質燃焼であると判別されたときはステップ22へ進み、
均質燃焼に応じた燃料噴射量CTIHを演算する。ここ
で、該燃料噴射量CTIHは、以下のように算出され
る。まず、機関の回転速度Ne,前記エアフロメータに
よって検出される実際の吸入空気量Qから基準当量比
(通常理論空燃比相当値=1) に換算した場合の基本燃
料噴射量Tpを算出する(Tp=k・Q/Ne;kは定
数) 。これを前記位相遅れ補正された目標当量比TFB
YAD,水温等の補正係数THOS,燃焼効率補正係数
ITAF,バッテリ電圧補正係数Tsで補正して次式の
ように算出される。
・ITAFH+Ts 前記燃焼効率補正係数は、燃焼効率が目標当量比やEG
R率によって変化するので、これらをパラメータとして
求められ、かつ、成層燃焼と均質燃焼とでは異なるので
均質燃焼用と成層燃焼用とで別個のマップを用意し、上
記の場合は均質燃焼用のマップから検索した値ITAF
Hが用いられる。このように燃焼効率が燃焼状態に応じ
て異なるために、選択された各燃焼状態毎に燃料噴射量
を演算する必要がある。なお、本実施の形態では、選択
された燃焼状態に対応する燃料噴射量のみを演算する構
成であるため、常時成層燃焼と均質燃焼との燃料噴射量
を演算するものに比較して演算負荷を減少できる。
た燃料噴射量CTIHを、次回燃料噴射される気筒#n
の均質燃焼用の燃料噴射量TISETHnとしてセット
する。ステップ24では、前記均質燃焼の燃料噴射量CT
IHの演算を終了したことを示すためCTIH演算終了
フラグをセットする。
焼ではなく成層燃焼であると判別されたときには、ステ
ップ25へ進んで成層燃焼に応じた燃料噴射量CTISを
均質燃焼の場合と同様にして演算する。但し、前記した
ように燃焼効率補正係数は成層燃焼用のマップから検索
した値ITAFSを用いる。ステップ26では、前記燃料
噴射量CTISを対応する気筒の成層燃焼用の燃料噴射
量TISETSnとしてセットする。
CTIHの演算が終了していないことを示すようにCT
IH演算終了フラグをリセットする(CTIH演算未終
了とる)。図6は、前記図3のフローチャートのステッ
プ1の均質燃焼用噴射時期設定のサブルーチン(均質用
噴射時期演算手段)を示すフローチャートである。
量CTIHと、成層燃焼の燃料噴射量CTISとの大き
い方を選択する。上記のように、目標燃焼状態が均質燃
焼であれば燃料噴射量CTIHのみが演算され、目標燃
焼状態が成層燃焼であれば燃料噴射量CTISのみが演
算され、演算されない方の燃料噴射量は0とされるの
で、均質燃焼時には均質燃焼用の燃料噴射量CTIHが
選択され、成層燃焼時には成層燃焼用の燃料噴射量CT
ISが選択されることになる。
期TITMHを、今回のリファレンス信号REFからの
噴射時期までのクランク角度として、燃料噴射量,機関
回転速度Neをパラメータとするマップから前記選択さ
れた燃料噴射量,機関回転速度Neに基づいて検索す
る。従って、目標燃焼状態が成層燃焼であるときには、
成層燃焼用の燃料噴射量CTISを代用して、均質燃焼
用の噴射時期が演算されることになり、燃料噴射量の演
算負担を軽減しつつ、均質燃焼用の噴射時期を、均質燃
焼への切り換えに備えて予め演算させておくことができ
る。
焼時の燃料噴射量CTISと、均質燃焼時の燃料噴射量
CTIHとは、当量比に応じた燃焼効率の相違により異
なり、該燃料噴射量の相違により噴射時期にずれを生じ
ることになるが、前記ずれは十分に小さい値であるの
で、成層燃焼時に成層燃焼用の噴射量CTISに基づい
て均質燃焼用の噴射時期を演算させても燃焼上問題はな
い。
REFから噴射時期に至るまでにカウントされるリファ
レンス信号REF数INJOFHを、REFHカウンタ
にセットする。ステップ34では、前記REFカウンタで
カウントされる最後のリファレンス信号REFから均質
燃焼の噴射時期までのクランク角度ANGTMHを、前
記ポジション信号POS毎にカウントダウンされるPO
SHカウンタにセットする。
ップ3の成層燃焼用噴射時期設定のサブルーチン(成層
用噴射時期演算手段)を示すフローチャートである。ス
テップ41では、成層燃焼用の噴射時期TITMSを、前
記リファレンス信号REFからの噴射時期までのクラン
ク角度として、成層燃焼用燃料噴射量CTIS,機関回
転速度Neをパラメータとするマップから検索する。
REFから噴射時期に至るまでにカウントされるリファ
レンス信号REF数INJOFSを、REFSカウンタ
にセットする。ステップ43では、前記REFカウンタで
カウントされる最後のリファレンス信号REFから成層
燃焼の噴射時期までのクランク角度ANGTMSを、P
OSSカウンタにセットする。
ウントするREFカウンタ及びポジション信号POSを
カウントするPOSカウンタが、成層燃焼用,均質燃焼
用としてそれぞれ設けられ、並行して噴射時期の計測が
行えるようにしてある。図8のフローチャートは、各燃
焼状態の噴射開始時期を計測するルーチン(噴射時期計
測手段)を示し、該ルーチンは前記単位クランク角度
(1度) 毎に実行される。
びPOSSカウンタにセットされた前記クランク角度A
NGTMH及びANGTMSがそれぞれデクリメントさ
れ、ステップ52では、前記ANGTMHの値が0になっ
たか否かを判定する。0になったときは、均質燃焼に応
じた噴射時期に達したときであるので、ステップ53へ進
んで均質燃焼用の燃料噴射を実行する。
と判別されたときには、ステップ54へ進み、同様に前記
ANGTMSの値が0になったか否かを判定し、0にな
ったときは、ステップ55へ進んで成層燃焼用の燃料噴射
を実行する。尚、後述するように、噴射時期である気筒
に対応して設定される均質用,成層用の噴射量が0であ
れば、実際には燃料噴射は行われないことになる。
ップ53における均質燃焼用の燃料噴射制御(燃料噴射制
御手段)を示す。ステップ61では、前記均質燃焼用の燃
料噴射量CITHの演算が終了しているか否かを前記C
ITH演算終了フラグの値によって判定する。そして、
前記燃料噴射量CITHの演算が終了していると判定さ
れた場合は、ステップ62へ進んで対応する気筒#nの成
層燃焼に応じた燃料噴射量TISETSnの値を0にリ
セットして成層燃焼を停止させる。
料噴射量TISETHnを読み込む。ステップ64では、
前記燃料噴射量TISETHn(パルス幅) を、燃料噴
射弁の通電時間を計測するカウンタにストアする。ステ
ップ65では、該気筒#nの燃料噴射弁の通電が開始さ
れ、前記TISETHnに対応する量の燃料が噴射さ
れ、均質燃焼が実行される。
射弁がカウンタにストアされた時間通電されて均質燃焼
用の燃料噴射が実行されたことを示す均質噴射実行フラ
グがセットされる。また、ステップ61で均質燃焼用の噴
射時期までに該均質燃焼用の燃料噴射量CITHの演算
が終了していない(演算途中を含む) と判定された場合
は、ステップ67へ進み、対応する気筒#nの均質燃焼用
の燃料噴射量TISETHnを0にリセットする。これ
により、成層燃焼から均質燃焼に切り換えられた場合で
も、均質燃焼用の燃料噴射量の演算が終了しない間に均
質燃焼用の噴射時期が来てしまった気筒については、ま
だ、燃料噴射量が演算されていないので均質燃焼への切
り換えが停止される。
ップ55における成層燃焼用の燃料噴射制御(燃料噴射制
御手段)を示す。ステップ71では、前記均質燃焼用の燃
料噴射(吸気行程噴射)が実行されたか否かを、均質噴
射実行フラグの値で判定し、実行されたと判定された場
合は、ステップ72へ進んで対応する気筒#nの成層燃焼
用の燃料噴射量TISETSnの値を0にリセットす
る。すなわち、均質燃焼用の燃料噴射が実行されている
ので、成層燃焼の実行を停止し、二重噴射による混合気
のリッチ化を防止する。成層燃焼から均質燃焼への切り
換え時には、均質燃焼が実行されるまでの間、成層燃焼
用の噴射量TISETSnが保持されて、切り換え前に
演算された成層燃焼用の噴射量TISETSnに基づい
て引き続き成層燃焼を行わせるようにしてある。
いないと判定された場合は、均質燃焼から成層燃焼への
切り換え直後であったとしても、吸気行程噴射を停止し
てから圧縮行程の噴射時期を迎えたことになり、その間
に成層燃焼用の噴射量を演算する時間的な余裕が十分に
あるから、ステップ73へ進んで成層燃焼用の燃料噴射量
TISETSnを読み込む。
射量TISETSnを、燃料噴射弁の通電時間を計測す
るカウンタにストアする。ステップ75では、該気筒#n
の燃料噴射弁の通電が開始され、TISETSnに対応
する量の燃料が噴射され、成層燃焼が実行される。上記
構成によれば、均質燃焼時には均質燃焼用の燃料噴射
量,噴射時期のみが演算されるので、演算負荷が軽減さ
れる。また、均質燃焼から成層燃焼に切り換えられる場
合でも、成層燃焼用の噴射時期(圧縮行程噴射)は均質
燃焼用の噴射時期(吸気行程噴射)に比較して十分遅い
ので、切換判定後に成層燃焼用の噴射時期を演算しても
該成層燃焼の噴射時期に十分間に合う。
り換えがあると、切換判定後から均質燃焼用の噴射時期
の演算を開始したのでは、演算終了後最新のリファレン
ス信号REF入力時にカウンタに噴射時期(クランク角
度) をセットすることになるため、実際には噴射可能な
均質燃焼用の噴射時期が切り換え直後に来ても、該噴射
時期に燃料噴射を行なうことができず、均質燃焼への切
換に遅れを生じることになる。
噴射時期の演算と並行して均質燃焼用の噴射時期の演算
を常時行い、該演算結果に基づいて均質燃焼用のカウン
タをセットしておき、該カウンタによる計測途中で均質
燃焼への切換判定が行なわれた場合には、該均質燃焼用
の噴射時期で均質燃焼用の燃料噴射量を供給することに
より、速やかに均質燃焼に移行させることができる。
量によって変更する必要があるが、成層燃焼時に均質燃
焼用の燃料噴射量を演算すると、成層燃焼用の燃料噴射
量と均質燃焼用の燃料噴射量とを並行して演算する必要
があり、演算負荷が大きくなってしまう。そこで、本実
施の形態では、成層燃焼時には、成層燃焼用の燃料噴射
量で代用して均質燃焼用の噴射時期を演算して、噴射量
演算の負担を軽減させるようにしてある。
量CTISと均質用の噴射量CTIHとの大きい方を選
択させることで、成層燃焼時に噴射量CTISに基づい
て均質用の噴射時期が演算される構成としたが、目標燃
焼状態を判別して、均質燃焼時であれば均質燃焼時用の
噴射量CTIHに基づいて均質用の噴射時期を演算さ
せ、成層燃焼時であれば成層燃焼時用の噴射量CTIS
で代用して均質用の噴射時期を演算させる構成としても
良い。
に従って説明する。まず、成層燃焼から均質燃焼への切
換時の様子を、図11を用いて説明する。成層燃焼時に
は、リファレンス信号REF入力毎に、成層燃焼用の噴
射時期に応じてカウンタがセットされ、カウント値が0
になったところで、対応する気筒に燃料が噴射されて成
層燃焼が行なわれると共に、均質燃焼用の噴射時期が上
述のように演算され、該均質燃焼用の噴射時期に応じて
カウンタがセットされ(参照) 、均質燃焼への切換に
備えてカウントダウンされる。但し、各気筒の均質燃焼
用の噴射量TISETHnが0であるので、均質燃焼の
噴射時期が計測されても燃料噴射は行われない。
されると、最新の運転状態に基づいた均質燃焼用の燃料
噴射量TISETHnが演算される。そして、該均質燃
焼用の燃料噴射量TISETHnの演算が終了してか
ら、該均質燃焼用の噴射時期が来た気筒(図では♯4気
筒) から該均質燃焼用の燃料噴射を行なって均質燃焼に
移行させる。ここで、前記♯4気筒については、噴射時
期の演算及びカウンタのセットは、均質燃焼への切換判
定前の段階で行なわれているので、切換後は均質燃焼用
の燃料噴射量の演算を行なうだけで、可及的に速やかに
均質燃焼に移行させることができる(参照) 。
期が過ぎていて均質燃焼の噴射時期に燃料噴射を行えな
かった(図では♯2,♯3気筒) については、切換前に
演算された成層燃焼用の燃料噴射量が成層燃焼用の噴射
時期に噴射される(,参照) 。尚、成層燃焼から均
質燃焼への切換判定直後について、切換後も成層燃焼用
の燃料噴射を行う気筒がある間において、成層燃焼用の
噴射時期を演算させる構成としたが、この他、均質燃焼
用の燃料噴射をしなかった気筒がある間、均質燃焼用の
点火時期をセットするまでの間、初回均質燃焼を行なう
までの間などにおいて、成層燃焼用の噴射時期演算を継
続させる構成としても良い。
場合の様子を図12に基づいて説明する。均質燃焼から成
層燃焼への切換判定が行なわれると、その時点から、ま
だ、均質燃焼用の燃料噴射が行なわれておらず成層燃焼
が可能な気筒(図では♯4,♯1気筒) について、成層
燃焼用の噴射時期と燃料噴射量TISETSnとを演算
して、その後の圧縮行程における噴射時期に燃料噴射を
行い(参照) 、余裕をもって成層燃焼に移行すること
ができる。
図。
チンを示すフローチャート。
を判断するルーチンを示すフローチャート。
フローチャート。
チンを示すフローチャート。
チンを示すフローチャート。
測のルーチンを示すフローチャート。
示すフローチャート。
示すフローチャート。
行するときの各種状態を示すタイムチャート。
行するときの各種状態を示すタイムチャート。
Claims (5)
- 【請求項1】機関の燃焼室内に直接燃料を噴射する燃料
噴射弁を備えると共に、機関運転条件に応じ、吸気行程
にて燃料を噴射させて行う均質燃焼と、圧縮行程にて燃
料を噴射させて行う成層燃焼とを切り換え制御する直噴
火花点火式内燃機関の燃料噴射制御装置において、 成層燃焼と均質燃焼との別に応じて成層燃焼用の燃料噴
射量と均質燃焼用の燃料噴射量とのいずれか一方のみを
演算する一方、均質燃焼用の燃料噴射時期を、成層燃焼
時と均質燃焼時との双方で演算するよう構成し、均質燃
焼時には、前記均質燃焼用の燃料噴射時期を均質燃焼用
の燃料噴射量に基づいて演算させ、かつ、成層燃焼時に
は、前記均質燃焼用の燃料噴射時期を成層燃焼用の燃料
噴射量に基づいて演算させるよう構成したことを特徴と
する直噴火花点火式内燃機関の燃料噴射制御装置。 - 【請求項2】均質燃焼時は均質燃焼用の燃料噴射量を演
算させると共に、成層燃焼用の燃料噴射量を0とし、成
層燃焼時は成層燃焼用の燃料噴射量を演算させると共
に、均質燃焼用の燃料噴射量を0とするよう構成し、前
記均質燃焼用の燃料噴射時期を成層燃焼用の燃料噴射量
と均質燃焼用の燃料噴射量のうちの大きい方の燃料噴射
量に基づいて演算させることを特徴とする請求項1記載
の直噴火花点火式内燃機関の燃料噴射制御装置。 - 【請求項3】機関の燃焼室内に直接燃料を噴射する燃料
噴射弁を備えると共に、機関運転条件に応じ、吸気行程
にて燃料を噴射させて行う均質燃焼と、圧縮行程にて燃
料を噴射させて行う成層燃焼とを切り換え制御する直噴
火花点火式内燃機関の燃料噴射制御装置において、 成層燃焼と均質燃焼との別に応じて成層燃焼用の燃料噴
射量と均質燃焼用の燃料噴射量とのいずれか一方のみを
演算する燃料噴射量演算手段と、 成層燃焼時において、成層燃焼用の燃料噴射時期を成層
燃焼用の燃料噴射量に基づいて演算する成層用噴射時期
演算手段と、均質燃焼用の燃料噴射時期を、均質燃焼時には均質燃焼
用の燃料噴射量に基づいて演算し、成層燃焼時には成層
燃焼用の燃料噴射量に基づいて演算する 均質用噴射時期
演算手段と、 前記成層用噴射時期演算手段,前記均質用噴射時期演算
手段で演算された燃料噴射時期をそれぞれに計測する噴
射時期計測手段と、 該噴射時期計測手段で計測される噴射時期に、前記燃料
噴射量演算手段で演算された燃料噴射量に基づいて前記
燃料噴射弁による燃料噴射を行わせる燃料噴射制御手段
と、 を含んで構成されたことを特徴とする直噴火花点火式内
燃機関の燃料噴射制御装置。 - 【請求項4】前記成層用噴射時期演算手段が、成層燃焼
から均質燃焼に切り換えられた後も、各気筒の燃焼が全
て均質燃焼に切り換わるまでの間は、成層燃焼用の燃料
噴射時期を演算することを特徴とする請求項3記載の直
噴火花点火式内燃機関の燃料噴射制御装置。 - 【請求項5】前記燃料噴射制御手段が、成層燃焼から均
質燃焼への切り換え時に、各気筒別に、均質燃焼用の燃
料噴射時期での燃料噴射が行われるまでは、切り換え前
に前記燃料噴射量演算手段で演算された成層燃焼用の燃
料噴射量に基づいて成層燃焼用の燃料噴射時期での燃料
噴射を行わせることを特徴とする請求項3又は4に記載
の直噴火花点火式内燃機関の燃料噴射制御装置。
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