JP3535485B2 - 3相ハイブリッド形ステッピングモータ - Google Patents
3相ハイブリッド形ステッピングモータInfo
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Description
ステッピングモータに係り、特に高出力、低コギング、
低磁束歪率の、6個の巻線極を備えた3相ハイブリッド
形ステッピングモータに関するものである。
ド形ステッピングモータには図1A〜図1Cに示すよう
に巻線極が12個のものと、図2A〜図2Cに示すよう
に6個のものとがある。
B及び図1Cに示すものでは略円環状ヨーク1の内周に
12個の磁極2を等間隔に配置し、該磁極2の夫々に巻
線3を巻装して3相巻線を形成し、該磁極2の先端に複
数の極歯4を設けた固定子5と、該固定子5と空隙を介
して対向し、その外周に複数の小歯6を等ピッチで設け
た2個の回転子磁極7を、前記小歯6の配設ピッチの1
/2ピッチずらせて、軸方向にNS2極に磁化した永久
磁石8の端面に固着した回転子9とより成り、上記回転
子9を回転自在に軸支したものである。各回転子磁極7
に設けた小歯の数は50個である。
は固定子磁極7が6個で回転子磁極に設けた小歯は40
個である。
ついて巻線極が6個のものについて、巻線極の先端に設
けた極歯の配置を、そのパーミアンス分布を6次の高調
波でバランスさせたバーニアピッチで配設することによ
りコギングトルクと電流波形の第3高調波を減少できる
ことは特願2000−240691号として出願されている。
巻線極が6個のものについては回転子磁極の小歯の数を
40個の場合について検討した結果が記載されている
が、小歯の数が50個の場合についての検討が充分でな
かった。
ものについて固定子の極歯と回転子の小歯の配置を変更
して固定子と回転子の歯間のパーミアンス分布を2次元
磁場解析(FEM)の手法により解析しその結果により
歯の配置について結果を得た。
ド形ステッピングモータにおいて巻線極12個のものと
6個のものとの性能比較表を表1に示す。
のに対し6個のものは巻線磁束量φと発生トルクTが夫
々2倍となっている。
「ファラデーの法則」によると、1相の誘起電圧e1は数
1で表される。
イル1ターンに入る磁石磁束、ωは回転子の角速度であ
る。また、θ=ωtである。さらに、磁束φは数2の形
になる。
高値)である。したがって、e1の波高値(絶対値)をE
1とすると、数3のようになる。
数p、角速度ω、コイル磁束Φのそれぞれに比例するこ
とがわかる。一方、誘起電力e1の発生しているコイルに
電流i1を流したときの電気的入力はe1×i1になるが、こ
れは「エネルギー保存の法則」によって数4のように1
相の機械的出力(トルクτ1×回転角速度ω)に等し
い。
しい(最大出力に相当)とすると、数5と数6が得られ
る。
成分はキャンセルされるので、数7が得られる。
がわかる。
づつ示したもので、両方のスロットの全断面積は等しい
ので、同じ線径の導体を巻いたとすると、1相の巻数を
同一にして同じ電流を流すことができる。しかるに、6
極では1巻線極の極歯の数が8で12極の場合の4の2
倍で構成されるので、磁束も2倍となる。したがって、
トルクも2倍となる。
タに比べて極対数pが極端に大きいので、インダクタン
スLが大きく、その電圧降下pωLも大きくなって、高速
時に電流が流れなくなるという重大な問題がある。
加わる端子電圧に対してある一定割合の逆起電力になる
ように巻線数を選ぶのが普通である。そこで、ここでは
それぞれのモータで端子間の誘起電圧が一定になるよう
に巻数を選んだ場合のインダクタンスを数8で計算して
表1に示した。表1で、磁束量、トルク、インダクタン
ス等は、star結線の巻線極数12の場合を1とする比率
で示した。
例)、nPは並列回路数、nWはポール数、mは相数、PTは
全空隙パーミアンスである。端子間誘起電圧を一定と考
えると、数3より、n1はΦに逆比例するので、nWが半分
になってΦが2倍になると、n1も半減して、結果として
数8の値は変化しないことになる。次に、結線方式につ
いて説明すると、3相モータでは図4A及び図4Bに示
すようにstarとdeltaの2種類がある。この場合の代表
的な駆動方式として3相のうち常に2相に電流の流れる
2相−2相駆動方式を考えると、star結線では図4Aの
A、B、C3端子のうち任意の2個(例えばA、B)間
の直列回路に電源が接続されて(U相とV相に)電流が
流れ、delta結線では図4Bの任意の1端子(例えば
A)と他の2端子(B、C)間の並列回路に電源が接続
されて(W相とV相に)電流が流れることになる。この
ときの端子間の誘起電圧を一定にするためには、star結
線の1相当たり巻数n1はdelta結線の1/√3=0.5
77倍にしなければならない。また、直列コイル数nSは
starでは2、deltaでは1であるのに対し、並列コイル
数nPはstarでは1、deltaでは2となる。したがって、
これらを用いて数8を計算すると、starのインダクタン
スが1に対して、deltaの方は0.75になり、後者の
方が端子間インダクタンスが小さいので、より高速運転
できる可能性がある。
て2次元FEM磁場解析によって簡易的に計算した結果を
示すと表2のようになる。
キャンセル方式(6.75°ピッチ)、巻線極6のものは6
次キャンセル方式(7.05°ピッチ)とした。巻線極磁束
比率は、磁石の磁束が有効に利用される割合であって、
磁石より出る磁束は略一定となるので、この値が巻線磁
束に比例すると考えてよい。
倍になる。また、巻線極6のものは1極を構成する極歯
の数が2倍になるので、各極歯に少しずつずれが生じ、
全体として滑らかな波形が得られ、歪み率やコギングト
ルクも小さくなる効果が得られると考えられる。
のについてやや詳細な計算をした結果を図5に示す。
ためのバランス高調波は6次であるが、現流が4次であ
り、3次も第3調波の低減に効果があると考えられるの
で、バーニアなしも含めて4種類についてコギングトル
ク、磁束および磁束波形歪み率を計算した。極歯の幅
は、最適と思われる0.4を採用した。それぞれの性能を
総合的に判断して、6次バランスが最適と判断される。
幅について検討した。簡単のために、回転子と固定子を
同じ歯幅として計算した結果を図6に示す。これを見る
と、小歯幅は0.4程度が最適と思われる。
グモータのステータ構造について検討した結果、つぎの
結論が得られた。
が約2倍になるので、この面でトルク倍増の妥当性が検
証された。
磁束量の点から、6次バランスが最適である。
るが、現流品と同じ0.41でも問題ないと思われる。
である。
ド形ステッピングモータは、略円環状ヨークの内周に6
個の磁極を等間隔に配置し、該磁極の夫々に巻線を巻装
して3相巻線を形成し、かつ該磁極の先端に複数個の極
歯を設けた固定子と、その外周に複数個の小歯を等ピッ
チで設けた2個の回転子磁極を、前記小歯の配設ピッチ
の1/2ピッチずらせて、軸方向にNS2極に磁化した
永久磁石の端面に固着した回転子とより成り、上記回転
子を上記固定子と空隙を介して対向した3相ハイブリッ
ド形ステッピングモータにおいて、前記固定子磁極の先
端に設けた極歯のパーミアンス分布を6次高調波でバラ
ンスさせたバーニアピッチとし、上記固定子磁極の極歯
と上記回転子の小歯の歯幅比を0.35〜0.45としたことを
特徴とする。
モータは、略円環状ヨークの内周に6個の磁極を等間隔
に配置し、該磁極の夫々に巻線を巻装して3相巻線を形
成し、かつ該磁極の先端に複数個の極歯を設けた固定子
と、その外周に複数個の小歯を等ピッチで設けた2個の
回転子磁極を、前記小歯の配設ピッチの1/2ピッチず
らせて、軸方向にNS2極に磁化した永久磁石の端面に
固着した回転子とより成り、上記回転子を上記固定子と
空隙を介して対向した3相ハイブリッド形ステッピング
モータにおいて、前記固定子磁極の先端に設けた極歯の
パーミアンス分布を3次高調波でバランスさせたバーニ
アピッチとし、上記固定子磁極の極歯と上記回転子の小
歯の歯幅比を0.35〜0.45としたことを特徴とする。
モータは、上記回転子の小歯数を50、上記固定子極歯
数を8、極歯ピッチを7.05度、上記回転子の小歯と固定
子の極歯の歯幅比を0.36〜0.44としたことを特徴とす
る。
ていることを特徴とする。
を説明する。
うに、3相ハイブリッド形ステッピングモータを、略円
環状ヨーク1の内周に6個の磁極2を等間隔に配置し、
該磁極の夫々に巻線3を巻装して3相巻線を形成し、か
つ該磁極の先端に6個の極歯4を設けた固定子5と、そ
の外周に50個の小歯6を等ピッチで設けた2個の回転
子磁極7を、前記小歯6の配設ピッチの1/2ピッチず
らせて、軸方向にNS2極に磁化した永久磁石8の端面
に固着した回転子9とにより構成し、上記回転子9を回
転自在に軸支し上記固定子5と空隙を介して対向し、前
記固定子磁極2の先端に設けた6個の極歯4のパーミア
ンス分布を6次または3次高調波でバランスさせたバー
ニアピッチとし、歯幅比を0.35〜0.45とする。
子の極歯数を8、極歯ピッチを7.05度、上記回転子の小
歯と固定子の極歯の歯幅比を0.36〜0.44とする。
高出力、低コギングトルク、低磁束歪率の3相ハイブリ
ッド形ステッピングモータを得ることができるようにな
る大きな利益がある。
グモータの縦断正面図である。
グモータの左側面図(N極側)である。
グモータの右側面図(S極側)である。
モータの縦断正面図である。
グモータの左側面図(N極側)である。
グモータの右側面図(S極側)である。
テッピングモータの固定子鉄心の説明図である。
モータの結線方式説明図である。
モータの結線方式説明図である。
ータのコギングトルク、磁束及び磁束波形歪み率の特性
線図である。
ータのコギングトルク、磁束及び磁束波形歪み率の特性
線図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 略円環状ヨークの内周に6個の磁極を等
間隔に配置し、該磁極の夫々に巻線を巻装して3相巻線
を形成し、かつ該磁極の先端に複数個の極歯を設けた固
定子と、その外周に複数個の小歯を等ピッチで設けた2
個の回転子磁極を、前記小歯の配設ピッチの1/2ピッ
チずらせて、軸方向にNS2極に磁化した永久磁石の端
面に固着した回転子とより成り、上記回転子を上記固定
子と空隙を介して対向した3相ハイブリッド形ステッピ
ングモータにおいて、前記固定子磁極の先端に設けた極
歯のパーミアンス分布を6次高調波でバランスさせたバ
ーニアピッチとし、上記固定子磁極の極歯と上記回転子
の小歯の歯幅比を0.35〜0.45としたことを特徴とする3
相ハイブリッド形ステッピングモータ。 - 【請求項2】 略円環状ヨークの内周に6個の磁極を等
間隔に配置し、該磁極の夫々に巻線を巻装して3相巻線
を形成し、かつ該磁極の先端に複数個の極歯を設けた固
定子と、その外周に複数個の小歯を等ピッチで設けた2
個の回転子磁極を、前記小歯の配設ピッチの1/2ピッ
チずらせて、軸方向にNS2極に磁化した永久磁石の端
面に固着した回転子とより成り、上記回転子を上記固定
子と空隙を介して対向した3相ハイブリッド形ステッピ
ングモータにおいて、前記固定子磁極の先端に設けた極
歯のパーミアンス分布を3次高調波でバランスさせたバ
ーニアピッチとし、上記固定子磁極の極歯と上記回転子
の小歯の歯幅比を0.35〜0.45としたことを特徴とする3
相ハイブリッド形ステッピングモータ。 - 【請求項3】 上記回転子の小歯数を50、上記固定子
極歯数を8、極歯ピッチを7.05度、上記回転子の小歯と
固定子の極歯の歯幅比を0.36〜0.44としたことを特徴と
する請求項1または2記載の3相ハイブリッド形ステッ
ピングモータ。 - 【請求項4】 上記固定子の3相巻線がデルタに結線さ
れていることを特徴とする請求項1、2または3記載の
3相ハイブリッド形ステッピングモータ。
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