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JP3531027B2 - マイクロポンプおよびポンプシステム - Google Patents

マイクロポンプおよびポンプシステム

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Publication number
JP3531027B2
JP3531027B2 JP26417196A JP26417196A JP3531027B2 JP 3531027 B2 JP3531027 B2 JP 3531027B2 JP 26417196 A JP26417196 A JP 26417196A JP 26417196 A JP26417196 A JP 26417196A JP 3531027 B2 JP3531027 B2 JP 3531027B2
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JP
Japan
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substrate
chamber
pressure chamber
fluid
micropump
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JP26417196A
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昌敏 金丸
晃 小出
顕臣 河野
亮 三宅
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04BPOSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
    • F04B43/00Machines, pumps, or pumping installations having flexible working members
    • F04B43/02Machines, pumps, or pumping installations having flexible working members having plate-like flexible members, e.g. diaphragms
    • F04B43/04Pumps having electric drive
    • F04B43/043Micropumps

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Reciprocating Pumps (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は医療,化学分析等に
用いるための微量流体供給装置に係り、特に流体流量を
高精度に制御するためのマイクロポンプの構造及びこの
マイクロポンプを用いるポンプシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、微量な液体を送液するポンプには
数多くの原理が存在するが、本発明と同様に流体の抵抗
を利用したバルブレスポンプとして、例えばMicro E
lectroMechanical Systems (1996)378頁から383
頁、およびMicro ElectroMechanical Systems
(1996)479頁から484頁に記載されている。両方式とも
シリコン基板の一平面上に、二つのチャンバーおよびこ
のチャンバ−に接続された開口角の異なるディフューザ
またはノズルを異方性エッチングもしくはドライエッチ
ングを用いて加工し、その後、前記シリコン基板のエッ
チングされた側の面をガラス基板と陽極接合してポンプ
を形成している。ポンプの吸込側にはポンプに向かって
流路幅が広がる流路が、吐出側にはポンプに向かって流
路幅が狭まる流路が、それぞれ形成される。
【0003】ポンプは、並列して各独立に形成された二
つのチャンバーの壁面を構成するダイアフラムを、互い
に反対の位相で交互に動かす(振動させる)ことで送液
を行う。この時、ダイアフラムを駆動(振動)させるの
にバイモルフタイプの圧電ディスクを用いている。チャ
ンバーが二つあるのは脈動を軽減するためである。
【0004】ポンプの作動原理は次のとおりである。ダ
イアフラムが下に変位した場合、つまりチャンバーの容
積が減少しチャンバー内の流体が外に向かって押し出さ
れる場合は、チャンバの入口側はノズルとして機能しチ
ャンバの出口側はディフューザとして機能するため、出
口側に比較して入口側の流体抵抗が大きくなり、入口側
から外に向かって流出する液体量より出口側のディフュ
ーザの方から流出する液体の量が多くなる。逆にダイア
フラムが上に変位した場合、つまりチャンバーの容積が
増大しチャンバー内の圧力が低下して外部の流体がチャ
ンバー内に向かって流入する場合は、チャンバの出口側
はノズルとして機能しチャンバの入口側はディフューザ
として機能するため、入口側に比較して出口側の流体抵
抗が大きくなり、入口側から流入する液体の方が出口側
から流入する液体の量より多い。そのため全体としてデ
ィフューザ方向に液体が流れる。ディフューザの役目は
流速を吐出圧に変換することである。ディフューザの入
口の幅は20〜80マイクロメータである。また、ディフュ
ーザの最適角度は2θ=4度であると記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術では、ディ
フューザの効率とノズルの効率がディフューザまたはノ
ズルの角度によって大きく変化し、圧力を上昇させるた
めにノズルよりディフューザの効率が高い領域を用いて
いるが、その領域は狭く、その最適角度は先に述べたよ
うに、2θ=4度である。また、ディフューザまたはノ
ズルの入口と出口の適正な寸法比が小さく、前に記載し
たようにディフューザまたはノズルの最適角度が小さい
ため、ディフューザまたはノズルの寸法を小さく設計し
ている。そのため加工精度が直接性能に影響する可能性
がある。さらに、前記ポンプにおいては流体抵抗部での
流速が速くなるため、キャビテーションが起こりやす
い。そのため、キャビテーションが発生しない領域でし
かポンプの駆動周波数を変化できない課題があった。
【0006】本発明の課題は、マイクロポンプの構造
を、加工精度が低くてもポンプ性能への影響が小さい構
造とするにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために、少なくとも一部分に板厚方向に振動する
ダイアフラムが壁面の少なくとも一部として形成された
圧力室と、流体の入口につながると共に前記圧力室の入
口側につながる流路または室と、前記圧力室の出口側に
つながると共に流体の出口につながる室とを有してな
り、前記ダイアフラムを振動させることにより前記圧力
室の体積を変化させ、取扱流体が前記体積変化により前
記圧力室に流入するときの流体抵抗と前記圧力室から流
出するときの流体抵抗の差を利用して流体を吐出するバ
ルブレスマイクロポンプであり、前記圧力室の入口側、
及び前記圧力室の出口側につながる室の入口側に、
々、前記ダイフラム面に平行な面内で、前記圧力室の
内部に向かって該圧力室の中心線に対して対称な形をな
して流体が流れる方向に平行に延長する形に形成された
一対の突起、及び前記圧力室の出口側につながる室の内
部に向かって前記圧力室の中心線に対して対称な形をな
して流体が流れる方向に平行に延長する形に形成された
一対の突起を設けた構成としたことを特徴とする。こ
ような構造を用いることにより、前記従来方法のように
ディフューザまたはノズルを用いる必要がない。そのた
め、適正な角度および入口と出口の寸法比を求める必要
がなく、加工精度が直接性能に影響しない。また、本方
式では流体抵抗部において流速が急激に上昇する部分が
ないためポンプの駆動周波数を増加させてもキャビテー
ションが起こりにくい。また、前記ダイアフラムが形成
された第1の基板と、前記第1の基板に対向しかつ接し
て配置された第2の基板とを含み、該第2の基板には、
前記圧力室の入口側につながる流路または室と、前記圧
力室と、前記圧力室の出口側につながる室となるくぼ
み、及び前記圧力室の内部に向かって形成された一対の
突起と、前記圧力室の出口側につながる室の内部に向か
って形成された一対の突起とが形成されている構成とす
る。
【0008】また、本発明のマイクロポンプの圧力室を
直列に配置するか、もしくは本発明のマイクロポンプを
入口と出口を一カ所にして並列に配置し、各基板の駆動
を制御することにより圧力および流量を広範囲に得るこ
とが可能である。
【0009】基板を加工して圧力室を形成するには、基
板をシリコン基板とし、シリコンの異方性エッチングま
たはドライエッチングを用いて形成すればよい。
【0010】また、前記第2の基板の、前記第1の基板
に接する面と反対側の面に接して第3の基板が配置さ
れ、この第3の基板の前記第2の基板と反対側の面に接
して第4の基板が配置され、前記第3の基板と第4の基
板の間に、前記入口及び前記出口に通ずるマイクロ流路
が形成されている構成にしてもよい。
【0011】さらに、それぞれ異なる液体を蓄える複数
の貯槽と、この貯槽それぞれにフィルタを介して吸込側
が接続された複数のマイクロポンプと、この複数のマイ
クロポンプの吐出側に混合器を介して接続された分析手
段と、を含んでなるマイクロポンプシステムにおいて、
前記マイクロポンプを前記請求項1乃至5のうちのいず
れかに記載のマイクロポンプとしてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態に関し、図1
乃至図15を参照して説明する。本発明の第1の実施例
に関するマイクロポンプの構造について、図1を用いて
説明する。図1(a)にポンプの断面図、図1(b)にポ
ンプの平面図をそれぞれ示す。本実施例のマイクロポン
プは、図1(a)に示すように、ダイアフラム8が形成
された第1の基板1と、第1の基板1の前記ダイアフラ
ムが形成されている面に接合して配置された第2の基板
2と、第1の基板1の前記ダイアフラムに接合して配置
され該ダイアフラム8を図上上下方向(基板面に垂直の
方向)に振動させるアクチュエータ7と、を含んで構成
されている。
【0013】第2の基板2には、第1の基板1に面する
側の前記ダイアフラム8に対向する位置に基板面から一
様な深さに彫りこまれたくぼみをなす圧力室3が形成さ
れ、圧力室3の図上左側に第1の室9が、圧力室3の図
上右側に第2の室10が、いずれも圧力室3と同じ深さ
に形成されている。第1の室9と圧力室3は、圧力室3
に向かって流路幅が狭くなるノズル11で接続され、圧
力室3と第2の室10は、第2の室10に向かって流路
幅が狭くなるノズル11Aで接続されている。ノズル1
1及びノズル11Aの基板面からの彫りこみ深さは、前
記圧力室3、と同じになっている。また、第1の室9の
圧力室3から遠い側の端部には、第2の基板2の第1の
基板1と反対側の面に開口する流路である入口4が接続
され、第2の室10の圧力室3から遠い側の端部には、
第2の基板2の第1の基板1と反対側の面に開口する流
路である出口5が接続されている。すなわち、入口4は
第1の室9、ノズル11を介して圧力室3に連通し、圧
力室3はノズル11A、第2の室10を介して出口5に
連通している。
【0014】前記第1の基板にダイアフラム8を形成す
る加工および第2の基板に圧力室3、第1の室9,第2
の室10、ノズル11,11A、入口4、出口5を形成
する加工は、半導体の製造に用いるホトリソプロセスお
よびシリコンの異方性エッチングにより行った。より詳
細には第1の基板および第2の基板とも3インチ(10
0)シリコンウエハの厚さ220μmのものを用いた。
前記、シリコンウエハは厚さが220μmより厚いもの
を用いても、厚さが220μmより薄いものを用いても
マイクロポンプとして強度的に問題がなければよい。
【0015】第1の基板の加工プロセスは、次のとおり
である。始めにシリコンウエハの両方の表面に熱酸化膜
6を1.5μm程度の厚さに形成し、そこにホトリソグ
ラフィー技術により、ダイアフラムのマスクパタ−ンを
片面に転写する。次に、パターンを転写した熱酸化膜6
をマスクにして40wt%水酸化カリウム水溶液(67
℃)を用いてシリコンの異方性エッチング加工を行う。
異方性エッチング加工とはシリコンの結晶面、例えば、
(111)面とその他の結晶面でエッチング速度が1:
200程度異なることを利用して構造体を加工するもの
である。図1(a)では、ダイアフラム8の中央部分が
エッチングされないで残っているが、これは、ダイアフ
ラムを振動させるアクチュエータ7に接合する部分であ
る。
【0016】第2の基板の加工プロセスは、次のとおり
である。始めにシリコンウエハの両方の表面に熱酸化膜
6を0.5μm程度の厚さに形成し、そこにホトリソグ
ラフィー技術により、圧力室3と流路(第1の室9,ノ
ズル11,第2の室10,ノズル11A)のマスクパタ
−ンを片面に転写する。次に、パターンを転写した熱酸
化膜6をマスクにして40wt%水酸化カリウム水溶液
(67℃)を用いてシリコンの異方性エッチング加工を
行い、基板面からの深さが15μmの圧力室と流路を形
成する。その後、再度シリコンウエハの両方の表面に熱
酸化膜6を1.5μmの厚さに形成し、そこにホトリソ
グラフィー技術により、圧力室が形成されていない面
に、入口と出口のマスクパタ−ンを転写する。次に、パ
ターンを転写した熱酸化膜をマスクにして40wt%水酸
化カリウム水溶液(67℃)を用いてシリコンの異方性
エッチング加工を行い、入口4と出口5となる流路をウ
エハ内に形成した。
【0017】本実施例のマイクロポンプでは、流体に気
体のような圧縮性流体もしくは水のような非圧縮性流体
のどちらも用いることができる。その場合、圧縮性流体
を用いる時には圧力室の深さ(基板面からの彫りこみ深
さ、以下同じ)はダイアフラムの変位量だけ加工してあ
れば良いが、非圧縮性流体を用いる場合にはさらに圧力
室の深さを深く加工してもポンプとして機能する。な
お、圧力室および圧力室につながる入口および出口の流
路等は第2の基板だけでなく第1の基板に形成してもよ
い。なお、本ポンプはバルブレスポンプであるため、従
来、バルブもしくは逆止弁において生じたような、バル
ブの移動量が小さいことに起因して液体中の微粒子等が
バルブにひっかかる現象が起こる心配はない。
【0018】前記第1の基板と第2の基板はシリコン熱
酸化膜6を介してシリコン同士が直接接合されている。
前記、直接接合とはクラス10程度のクリーンな雰囲気
で洗浄したシリコンウエハ同士を水素結合を用いて貼り
合わせ、その後無加圧で高温熱処理を行う接合法であ
る。本発明のマイクロポンプの第1、第2の基板は、第
1の基板および第2の基板のそれぞれに形成された熱酸
化膜6を用いて、両基板の接合面を洗浄後、クラス10
の雰囲気で貼り合わせ1150℃で2時間高温熱処理を
加えて接合した。また,アセンブルに必要な位置合わせ
は治具を用いてチップの外側で行った。その他の位置合
わせ方法として、例えば、ウエハ上にマーカーを形成し
偏向顕微鏡または赤外線顕微鏡を用いてウエハサイズも
しくはチップサイズで位置合わせを行う方法を用いても
よい。
【0019】なお、第1の基板および第2の基板の接合
は、直接接合にかぎらずその他の接合法、例えば、表面
に金の薄膜を形成し加熱して行う、金ーシリコン共晶接
合、表面にアルミニウムの薄膜を形成し加熱して行う、
アルミニウムーシリコン共晶接合、接合面に金属を挟ん
で拡散を利用して接合を行う拡散接合、イオンビームま
たはアトムビームを用いて真空中で接合表面を活性化し
ながら接合を行う表面活性化接合を適用してもポンプの
機能に支障はない。
【0020】また、第1の基板1のダイアフラム8には
ダイアフラムを上下に振動させるためにアクチュエータ
7が接合されている。本実施例においては、前記アクチ
ュエータ7には積層型の圧電素子を用いた。なお、前記
アクチュエータは本ポンプのダイアフラム部だけが可動
するように上部は治具によって固定されている。
【0021】本実施例のマイクロポンプのダイアフラム
を駆動もしくは振動させるための方式は圧電素子にかぎ
らず、永久磁石と電磁石を用いて磁気力を利用した方
式、静電気力を利用した方式等を用いることができる。
【0022】図1(b)の平面図を用いて第2の基板2
に形成した構造体の構成について説明する。なお、本平
面図は第2の基板2を図1(a)の図上上方、すなわち
ダイアフラム8の振動方向、言い替えると基板面に垂直
な方向から見たものである。シリコン基板(第2の基
板)に入口4と出口5を配置し、それらと流路でつなが
っている圧力室3が配置されている。圧力室3の入口側
に第1の室9が、出口側に第2の室10が設けられてい
る。圧力室3の流体が吐出される出口側に第2の室10
とつながるノズル11Aが配置され、該第2の室10の
入口側に一対の突起12Aが形成されている。また、第
1の室9の出口側に圧力室3の入口側とつながるノズル
11が配置され、圧力室3の入口側に一対の突起12が
形成されている。
【0023】突起12は、その形状をダイアフラム8に
平行な面に垂直に投影したとき、ノズル11が圧力室3
につながる位置(ノズルの流路幅が最も狭い位置)の流
路両側面を圧力室3内部に向かって、ノズル11中心線
に平行に、かつノズル11中心線に対して対称な形をな
してして延長する形に形成され、その先端部は矢印状
に、ノズル11中心線から離れるほど第1の室9側に近
づくように傾斜してとがった形になっている。同様に、
突起12Aは、ノズル11Aが第2の室10につながる
位置(ノズルの流路幅が最も狭い位置)の流路両側面を
第2の室10内部に向かって、ノズル11A中心線に平
行に、かつノズル11A中心線に対して対称な形をなし
て延長する形に形成され、その先端部は矢印状に、ノズ
ル11A中心線から離れるほど圧力室3側に近づくよう
に傾斜してとがった形になっている。突起12、12A
は、圧力室3や第2の室10をエッチングして形成する
際に、エッチング加工を行わないで基板面をそのまま残
すことで形成されており、圧力室3や第2の室10の図
上、左側端面(上流側端面)から、下流側に向かって突
出した形になっている。
【0024】また、本発明において、ダイアフラムによ
って圧力室の体積を変化させるための良好な範囲は、同
図(b)の点線部14、つまり、前記突起12がある部
分を除外した部分である。
【0025】本発明のポンプ原理を図2に示す。以下の
説明では、便宜上、ダイアフラム8が圧力室3の上方に
あり、流体は図上左方下部の入口4から吸入され、図上
右方下部の出口5から吐出されるものとした。本ポンプ
は、圧力室上部のダイアフラムの変位(振動)により圧
力室3の体積を増減することで流体を入口側から吸入し
出口側に吐出する。
【0026】図2(a)はダイアフラムが上方に変位し
た場合の流体の動きを示した第2の基板2を上方から見
た平面図である。ダイアフラムが上方に変位した場合、
圧力室3の体積が増加して圧力室3内の圧力が低下する
ため、流体は入口4および出口5の両方から吸入され
る。入口4から吸入された吸入量13aは、第1の室9
の吸入抵抗の小さいノズル11を通って圧力室3に吸入
される。一方、出口5から吸入された吸入量13bは、
第2の室10の吸入抵抗の大きい突起12Aのある部分
を突起12Aに対して逆行する方向に通って圧力室3に
吸入される。この際、入口4方向から圧力室3への吸入
抵抗は小さく出口5方向から圧力室3への吸入抵抗は大
きいため,入口4からの吸入量13aは出口5からの吸
入量13bよりも大きくなる。言い方を変えると、第1
の室9からは、第1の室9の幅全体の流体がノズル11
に滑らかに導かれるが、第2の室10からは、一対の突
起12Aで挟まれた流路幅にちょうど流れ込んだ流体は
圧力室3に導かれるが、突起12Aで挟まれた流路幅か
ら外側の外れた流れはわきににそれてしまい、圧力室3
に流れないのである。
【0027】また、図2(b)は、ダイアフラムが下方
に変位した場合の流体の動きを示した第2の基板2を上
方から見た平面図である。ダイアフラムが下方に変位し
た場合、圧力室の体積が減少して圧力室3内の圧力が上
昇するため、流体は入口4および出口5の両方へ吐出さ
れる。圧力室3から第2の室10へ吐出された吐出量1
3dは、圧力室3の吸入抵抗の小さいノズル11Aを通
って第2の室10に吐出される。一方、圧力室3から第
1の室9へ吐出される吐出量13cは、圧力室3の吸入
抵抗の大きい突起12のある部分を突起12に対して逆
行する方向に通って第1の室9へ吐出される。この際、
圧力室3から出口5方向への吐出抵抗は小さく、圧力室
3から入口4方向への吐出抵抗は大きいため、出口5方
向への吐出量13dは入口4方向への吐出量13cより
も大きくなる。
【0028】本実施例のマイクロポンプでは、圧力室上
部のダイアフラムの上下1回の変位による吐出量ΔQは
(1)式で与えられ、ダイアフラムの上下の変位数に比
例して流量を増加させることが可能で流体を入口側から
出口側に吐出することができる。
【0029】 ΔQ=13a−13b=13d−13c………(1) 図1に示したマイクロポンプを用いてポンプ性能につい
て調査した。ダイアフラムポンプを駆動させるアクチュ
エ−タに圧電素子を用い、流体には非圧縮性流体である
水を用いた。ダイアフラム部の寸法は5mm角のものを
用いた。図3に吐出圧力と駆動周波数との関係を示す。
駆動周波数の増加にともなって吐出圧力が比例して増加
し、駆動周波数2000Hzで0.008MPaの吐出圧
力が得られた。図4に吐出流量と駆動周波数の関係を示
す。図中のtはダイアフラムの変位量を示している。同
図より駆動周波数が増加すると吐出流量も増加する結果
が得られた。また、変位量tが大きくなるにしたがって
吐出流量が増加する結果が得られた。また、流体に空気
を適用した場合にも圧電素子の駆動周波数の増加にとも
なって圧力および流量が増加する結果が得られた。本方
式では従来方法のようなディフューザまたはノズルを用
いていないため、ポンプを小形化した場合にも加工精度
が直接性能に影響しなかった。また、本方式では流体抵
抗部において流速が急激に上昇する部分がないためポン
プの駆動周波数を増加させてもキャビテーションは起こ
らなかった。
【0030】本発明の第2の実施例のマイクロポンプに
ついて図5を用いて説明する。本実施例が前記第1の実
施例と異なるのは、第1の基板1aを一部だけ薄くして
その部分をダイアフラムとして用いるのではなく、均一
な厚みの第1の基板1aをそのままダイアフラムとして
適用した点であり、その他の構成は前記第1の実施例と
同じなので詳細な説明は省略する。この方式ではポンプ
基板(第1の基板1a)の外部からダイアフラム部をア
クチュエータ7によって駆動もしくは振動させる。圧力
室3には前記実施例と同様に本発明の流体抵抗を起こす
突起部がある流路が形成されており、入口4から流入し
た流体はアクチュエータ7の駆動によって出口5から吐
出される。前記第1の基板1aの材質にはシリコン、ガ
ラス、金属薄膜を用いることができる。ガラスは特にア
ルミノけい酸ガラス等のガラス組成にナトリウムが含有
されているガラスがよい。また、金属薄膜は例えば、ニ
ッケル、タングステン、各種金属の合金等の圧延材料も
しくは金属スパッタ膜、蒸着膜を用いることができる。
なお、金属スパッタ膜、蒸着膜は材料強度が小さいた
め、非常に小さな流体を扱う大きさ1mm以下のマイク
ロポンプのダイアフラムとして用いるとよい。第1の基
板1aと第2の基板2の接合に関しては、第1の基板1
aにアルミノけい酸ガラス、第2の基板にシリコンを用
いた場合は、両基板を400℃に加熱した状態で800
Vの電圧を印加して接合する陽極接合を行うとよい。ま
た、第1の基板1aにアルミノけい酸ガラス以外のガラ
スもしくは金属薄膜を用い、第2の基板2にシリコンを
用いた場合は金ーシリコン共晶接合、アルミニウムーシ
リコン共晶接合、接合面に金属を挟んで拡散を利用して
接合を行う拡散接合、イオンビームまたはアトムビーム
を用いて真空中で接合表面を活性化しながら接合を行う
表面活性化接合を適用できる。ただし、接合面にインサ
ート材15を挟む場合は圧力室3の高さ量すなわちアセ
ンブル後のギャップ量がインサート材15の厚さ分だけ
変化するので、圧縮性流体を用いる場合はギャップ量の
変化量も計算に入れて設計すればよい。
【0031】本発明の第3の実施例のマイクロポンプに
ついて図6を用いて説明する。本実施例は前記と同様に
第1の基板1aをそのままダイアフラムとして適用して
いるが、本実施例が前記第2の実施例と相違する点は、
第2の実施例のアクチュエータ7に代えて、本実施例で
は第1の基板1aおよび第2の基板2の両基板を電子回
路16によって電気的に制御することにより、静電引力
を利用してダイアフラム部を上下方向に駆動もしくは振
動させるようにし、第1の基板1aと第2の基板2の間
に絶縁膜30を介在させたことである。その他の構成は
前記第2の実施例と同じなので詳細な説明は省略する。
この方式では静電気を用いているため、例えば、ガラス
のような絶縁膜30が第1の基板と第2の基板の間に必
要である。前記第1の基板1aの材質にはシリコン、金
属薄膜等の導電性材料を用いることができる。また、第
2の基板にはシリコンを用いるとよい。さらに、両基板
にシリコンを適用すると制御回路を作り込むことができ
る利点もある。この他にアクチュエータとしてバイモル
フ素子もしくはバイメタル素子を第1の基板に適用する
ことができる。
【0032】以上に述べた各実施例は図7に示す第4の
実施例のように、シリコン基板を4層に形成することに
よりマイクロポンプとマイクロ流路を一体に形成するこ
とができる。複雑な流路が必要な場合はさらに多層に形
成することができる。本実施例では、前記第1の実施例
のポンプに加え、第3の基板である流路基板17が前記
第2の基板2の入口4、出口5が形成された面に接合さ
れ、流路基板17の前記第2の基板2と反対側の面に第
4の基板である流路基板18が接合されている。流路基
板17,18は前記第2の基板2よりも大きく、第2の
基板2に接合されていない基板面が残っていて、流路基
板17には、第2の基板2の入口4、出口5に対向する
位置に板厚方向に貫通する開口(入口4A,出口5A)
が形成されているとともに、第2の基板2に接合されて
いない基板面に、板厚方向に貫通する二つの開口(入口
4B,出口5B)が形成されている。第4の基板である
流路基板18の前記流路基板17に接合される面には微
細なマイクロ流路19、19Aが形成されており、マイ
クロ流路19は流路基板18の流路基板17の入口4A
と入口4Bに対向する位置を結ぶように、マイクロ流路
19Aは流路基板18の流路基板17の出口5Aと出口
5Bに対向する位置を結ぶように、それぞれ配置されて
いる。
【0033】アクチュエータの駆動により、流路基板1
7の前記第2の基板への接合部から外れた位置にある入
口4Bから流入した流体は、マイクロポンプおよびマイ
クロ流路19,19Bを通って、出口5Bへ吐出され
る。このような構造を形成することにより、図8に示す
ように、流路基板17の前記第2の基板への接合部から
外れた位置に流体タンク20を搭載したポンプシステム
ができる。この方式ではホースを使用する部分が少ない
ため、例えば、分析用の試薬を流体に用いる場合には使
用量を少なくできる。また、分析用の試薬供給ポンプや
微小な範囲だけを冷却する冷却ポンプに用いることがで
きる。前記に示した多層のシリコン基板では強度は十分
であるが、シリコンは脆性材料であるため、衝撃に弱
い。そのため、多層シリコン基板の両側に厚さ0.5m
mのガラス(図示せず)を陽極接合によって接合させた
結果、衝撃力が増加した。
【0034】図9に本発明のマイクロポンプを用いた第
5に実施例である化学分析システムの系統図(フローチ
ャート)の一例を示す。本システムは、容器41にフィ
ルタ24Aを介して接続されたマイクロポンプ25A
と、容器42にフィルタ24Bを介して接続されたマイ
クロポンプ25Bと、容器43にフィルタ24Cを介し
て接続されたマイクロポンプ25Cと、容器44にフィ
ルタ24Dを介して接続されたマイクロポンプ25D
と、マイクロポンプ25Cの吐出流体とマイクロポンプ
25Dの吐出流体を混合する混合器26Bと、マイクロ
ポンプ25Bの吐出管31と混合器26Bの出口管32
に接続されて両者から送りこまれる流体を混合する混合
器26Aと、吐出管31とマイクロポンプ25Aの吐出
口を連通する吐出管33と、混合器26Aの出側に接続
されたレーザ分析系27と、レーザ分析系27の出側に
接続された廃液タンク28と、を含んで構成されてい
る。マイクロポンプ25A〜25Dには、前記第1の実
施例に記載されたものを用いている。容器41には洗浄
液21が、容器42には試料22が、容器43、44に
は試薬23A,23Bが、それぞれ収容されている。試
薬23A,23Bは通常混合して使用されるから、出口
管32は洗浄の必要はない。
【0035】分析する試料22は容器42からマイクロ
ポンプ25Bによって適量吸い上げられる。一方、分析
用の試薬23は容器43からフィルタ24Cを通ってマ
イクロポンプ25Cによって適量吸い上げられ、混合器
26Aで試料22と混合され、レーザ分析系27におい
て成分分析された後、廃液タンク28に集められる。ま
た、分析が一度終了すると、吐出管31及び混合器26
Aとレーザ分析系27を結ぶ流路内は、洗浄液21によ
って洗浄される。本発明のマイクロポンプを用い、ポン
プと流路やレーザ分析系を搭載した検出系を一体化もし
くはシステム化することにより、従来大きなシステムで
あった化学分析装置を持ち運びが可能な大きさまで小型
化することが可能となる。
【0036】次に、第2の基板2に形成した圧力室およ
び流路に関する他の実施例について図10ないし図11
を用いて説明する。本発明のマイクロポンプにおいては
原理上、入口から吸入する流体が流体抵抗を受けずに圧
力室に吸入されればよい。したがって、図10に示す第
6の実施例のように、第1の室を独立した区画でなく流
路29の形状に変えてもマイクロポンプとして用いるこ
とができる。
【0037】本発明によればかならずしも圧力室に突起
を形成する必要はない。図11に示す第7の実施例のよ
うに、圧力室3の両側に延長して設けた流路に突起1
2,12Aを形成した場合もポンプ作用を起こすことが
できる。実験の結果ポンプ作用を確認することができ
た。このような構造とすることにより、非常に小さな2
mm角のマイクロポンプを形成することができた。
【0038】図12は本発明に係る圧力室、流路もしく
は第2の室に形成した突起の形状に関するものである。
図は圧力室3に形成した突起の形状を示しており、図1
2(a)は突起の先端が鋭利な形状、図12(b)は突
起の先端が角ばった形状、図12(c)は突起の先端が
丸い形状を示している。実験の結果、どの先端形状とも
流体抵抗として機能し、ポンプ作用が確認できた。な
お、突起は流路もしくは圧力室の中心線に対して対称で
かつ流体が流れる方向に伸びていてかつ流体が流れる方
向に並行に配置された突起構造が最も効率が良好であっ
た。
【0039】本発明の第2の基板に形成した圧力室およ
び流路に関する第8の実施例について図13を用いて説
明する。図13は前記第2の基板2に形成したポンプ構
造を3個並列に配置したものである。図に示すように3
個のポンプは入口4と出口5が同一であり、点線で示す
部分がダイアフラムによって体積が変化する部分を示
す。このような構造を用いることにより大流量を得るた
めのマイクロポンプとして用いることができる。また、
入口と出口を同一にして本発明のポンプ構造を複数個配
置することにより流量範囲を自由にコントロールするこ
とが可能である。さらに、入口と出口を別々にして本発
明のポンプ構造を複数個配置することにより、他種類の
流体を一つのポンプユニットとして扱うことができるた
め、化学分析装置等のマイクロポンプとして適してい
る。
【0040】さらに、前記、ポンプユニットと流路やレ
ーザ光学系を搭載した検出系を一体化もしくはシステム
化することにより、従来大きなシステムであった化学分
析装置を持ち運びが可能な大きさまで小型化することが
可能となり、環境計測,在宅看護等の医療,品質管理等に
適用することができる。一方、ポンプを小型化すること
により、分析に用いる試薬および廃液処理量を減少させ
ることができ、装置が小さいためメンテナンスフリーで
環境にやさしいポータブルタイプの小形化学分析装置を
提供できる。なお、このような化学分析用に適用するマ
イクロポンプは接合部を含め耐薬品性の高い材料が好ま
しい。また、耐薬品性の低い材料を適用する場合は流体
が流れる流路表面に耐薬品性の材料、例えば、ポリテト
ラフルオロエチレン等の薄膜を用いるとよい。
【0041】本発明の第2の基板に形成した圧力室およ
び流路に関する第9の実施例について図14を用いて説
明する。図14は第2の基板2に入口4と出口5の間に
圧力室3を3個直列に配置したものである。点線で示す
部分がダイアフラムによって体積が変化する部分を示
す。このような構造を用い、ダイアフラムの駆動を電気
回路により制御することにより高圧力を得ることができ
た。また、圧力室を複数個配置することにより圧力範囲
を自由にコントロールすることが可能であった。この他
に圧力室の底面に幅5μm、深さ5μmの細いスクライ
ブラインを流れ方向に形成した結果、圧力を上昇させる
ことができた。また、圧力室の両側に前記図11に示す
ような流路を段階的に流路幅を変えて3段階に設け、各
流路に本発明の突起部を各1個所、入り口側、出口側で
それぞれ3箇所設けた方式ではポンプの圧力を上昇させ
ることができた。さらに、上記各実施例では、一つの圧
力室には入口、出口に各一対の突起部を設けたが、圧力
室に入口、出口となるノズルを各複数個設け、ノズルご
とに本発明の突起部を設けることにより、さらに高圧力
が得られた。
【0042】本発明においては第2の基板に形成するポ
ンプ構造は直線形状にかぎらず図15に示す第10の実
施例のように曲線形状であっても、ポンプとして用いる
ことができる。このポンプ構造では角部のような部分が
ないため、圧力室内を流れる流体によどみ等が起きず、
流体抵抗が小さくなるためなめらかに流体を流すことが
できる。前記のポンプ構造は反応性イオンエッチング装
置を用いて、深さ5μm程度シリコン部のエッチング加
工を行った。加工条件はガスに六フッ化イオウ(SF6)
とトリフルオロメタン(CHF3)を用い、RF投入電力10
0W、真空度40Paでマスク材にフォトレジストを用い
た。前記マスクはレジスト以外に例えば、アルミニウ
ム、白金、ニッケル等の金属薄膜をスパッタもしくは蒸
着によって形成したものを用いてもよい。
【0043】前記各実施例において、ポンプと流体を供
給するための外部との接続は、例えば、ホース等による
接続が考えられるが、ポンプ材料にシリコンを用いた場
合には入口もしくは出口にホース挿入用の穴を形成する
方法、異方性エッチングによってホース挿入用の突起を
形成する方法を用いるとよい。
【0044】前記各実施例における第2の基板の材質
は、シリコンを用いて形成する方法が精度および量産性
の点から最もよいが、本発明ではこの他に第2の基板に
金属材料やプラスチック材料を用いてマイクロポンプを
形成することができる。例えば、ステンレス綱などの金
属材料を用いる場合、圧力室もしくは流路等をプレス加
工やコイニング加工等の金型を用いた転写加工を行うと
よい。また、プラスチック材料を用いる場合、射出成形
を用いるとよい。
【0045】
【発明の効果】本発明のマイクロポンプによれば、厳密
な加工精度を要求されないため量産性に優れており、複
雑な微小流路との整合性にも優れている。そのため低コ
ストのマイクロポンプを供給することができる。また、
圧力および流量範囲が広範囲であり高性能なマイクロポ
ンプを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す断面図及び平面図
である。
【図2】図1の実施例における流体の流れを示す平面図
である。
【図3】本発明の実施例の吐出圧力と駆動周波数の関係
を示すグラフである。
【図4】本発明の実施例の吐出流量と駆動周波数の関係
を示すグラフである。
【図5】本発明の第2の実施例を示す断面図である。
【図6】本発明の第3の実施例を示す断面図である。
【図7】本発明の第4の実施例を示す一部断面を示す斜
視図である。
【図8】図7に示す実施例の外観を示す斜視図である。
【図9】本発明の第5の実施例を示す系統図である。
【図10】本発明の第6の実施例を示す平面図である。
【図11】本発明の第7の実施例を示す平面図である。
【図12】本発明における突起の形状の例を示す平面図
である。
【図13】本発明の第8の実施例を示す平面図である。
【図14】本発明の第9の実施例を示す平面図である。
【図15】本発明の第10の実施例を示す平面図であ
る。
【符号の説明】
1,1a 第1の基板 2 第2の
基板 3 圧力室 4,4A,4B
入口 5,5A,5B 出口 7 アクチュエー
タ 8 ダイアフラム 9 第1の室 10 第2の室 11,11A ノ
ズル 12,12A 突起 13a〜13d
吸入量もしくは吐出量 14 ダイアフラムの変形部 15 インサート
材 16 電気回路 17、18 流路
基板 19 マイクロ流路 20 流体タンク 21 洗浄液 22 試料 23A,23B 分析用試薬 24A〜24D
フィルタ 25A〜25D マイクロポンプ 26A,26B
混合器 27 レーザ分析系 28 廃液タンク 29 流路 30 絶縁膜 31 吐出管 32 出口管 33 吐出管 41〜44 容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三宅 亮 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所 機械研究所内 (56)参考文献 特開 昭61−180075(JP,A) 特開 昭62−221884(JP,A) 特開 平5−340356(JP,A) 特開 平7−167846(JP,A) 特開 昭60−228300(JP,A) 特表 平8−506874(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04B 43/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一部分に板厚方向に振動する
    ダイアフラムが壁面の少なくとも一部として形成された
    圧力室と、流体の入口につながると共に前記圧力室の入
    口側につながる流路または室と、前記圧力室の出口側に
    つながると共に流体の出口につながる室とを有してな
    り、前記ダイアフラムを振動させることにより前記圧力
    室の体積を変化させ、取扱流体が前記体積変化により前
    記圧力室に流入するときの流体抵抗と前記圧力室から流
    出するときの流体抵抗の差を利用して流体を吐出するバ
    ルブレスマイクロポンプであり、 前記圧力室の入口側、及び前記圧力室の出口側につなが
    る室の入口側に、各々、前記ダイフラム面に平行な面
    内で、前記圧力室の内部に向かって該圧力室の中心線に
    対して対称な形をなして流体が流れる方向に平行に延長
    する形に形成された一対の突起、及び前記圧力室の出口
    側につながる室の内部に向かって前記圧力室の中心線に
    対して対称な形をなして流体が流れる方向に平行に延長
    する形に形成された一対の突起を設けたことを特徴とす
    るマイクロポンプ。
  2. 【請求項2】 前記ダイアフラムが形成された第1の基
    板と、前記第1の基板に対向しかつ接して配置された第
    2の基板とを含み、該第2の基板には、前記圧力室の入
    口側につながる流路または室と、前記圧力室と、前記圧
    力室の出口側につながる室となるくぼみ、及び前記圧力
    室の内部に向かって形成された一対の突起と、前記圧力
    室の出口側につながる室の内部に向かって形成された一
    対の突起とが形成されていることを特徴する特許請求項
    1に記載のマイクロポンプ。
  3. 【請求項3】 前記圧力室が直列に複数個配置されてい
    ることを特徴とする請求項1または2に記載のマイクロ
    ポンプ。
  4. 【請求項4】 前記第1の基板及び第2の基板の材質に
    シリコンを用いることを特徴とする請求項乃至3のい
    ずれかに記載のマイクロポンプ。
  5. 【請求項5】 前記第2の基板の、前記第1の基板に接
    する面と反対側の面に接して第3の基板が配置され、こ
    の第3の基板の前記第2の基板と反対側の面に接して第
    4の基板が配置され、前記第3の基板と第4の基板の間
    に、前記入口及び前記出口に通ずるマイクロ流路が形成
    されていることを特徴とする請求項乃至4のいずれか
    に記載のマイクロポンプ。
  6. 【請求項6】 それぞれ異なる液体を蓄える複数の貯槽
    と、この貯槽それぞれにフィルタを介して吸込側が接続
    された複数のマイクロポンプと、この複数のマイクロポ
    ンプの吐出側に混合器を介して接続された分析手段と、
    を含んでなるマイクロポンプシステムにおいて、前記マ
    イクロポンプが前記請求項1乃至5のうちのいずれかに
    記載のマイクロポンプであることを特徴とするマイクロ
    ポンプシステム。
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