JP3515140B2 - ブロイラー用腹水症防止剤及び腹水症防止方法 - Google Patents
ブロイラー用腹水症防止剤及び腹水症防止方法Info
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Description
止剤、育成率向上剤及びこれらを用いて腹水症を防止
し、育成率を向上させる方法に関する。
るべく、ブロイラーが早く大きく増体重させるために、
用いる系統の育種、飼育方法を研究開発してきた。しか
し、これらの研究開発の結果、ブロイラーの増体速度は
大幅に向上したものの、この増体速度に心臓機能の向上
が伴わず、特に冬場、或は高地のようにブロイラーの酸
素要求量が高まる条件下では、心臓に負担がかかり、心
不全から腹水症を併発するという現象が知られるように
なってきた。
の低下、増体重の減少という弊害を招き、1978年頃
から問題視され始め、今なおこれが、ブロイラー産業に
とっては、大きな経済的打撃となっている。
に、ブロイラーの酸素要求量が高まらないようにするた
めに、鶏舎の構造を変えたり、冬場の温度管理を適切に
行う等の対策がなされているが、これらはコストがかか
り、経済的に負担が大きいという問題を抱えている。
に働きかけて、腹水症を防止するようなブロイラー用腹
水症防止剤の開発が望まれているが、腹水症に効果的な
薬剤は未だ知られていない。
(補酵素Qとも呼ばれる)は、従来より、ブロイラー用
飼料に添加、給与するという試みがなされている。例え
ば、英国特許公告第918409号には、飼育の最初の
5週間、補酵素Q2〜Q10をブロイラー飼育飼料に1〜
100mg/kg添加して給与し、増体重を向上させる
という報告がある。また、特開昭50−82219号に
は、α−トコフェロールと補酵素Q7の合剤が産卵率を
向上させるという報告がなされている。
れる以前のものであり、ブロイラーの増体重、または産
卵率の向上作用に基づくものであって、ブロイラー腹水
症に対する防止作用に関わるものではない。
らなされたものであり、ブロイラーの腹水症を有効に防
止し、育成率を向上させることができる薬剤及び飼料を
提供することを課題とする。
解決するために鋭意研究を重ねた結果、キノン類をブロ
イラーに投与すると、ブロイラーの腹水症を未然に防
ぎ、育成率を促進することを見出し、本発明を完成する
に至った。
類を有効成分として含有するブロイラー用腹水症防止剤
である。
C2の間の二重結合の一方の共有結合を表し、nは1〜
11の整数を表す。本発明はまた、前記キノン類を有効
成分として含有するブロイラー用育成率向上剤、更にこ
れらのブロイラー用腹水症防止剤及びブロイラー用育成
率向上剤から選ばれる1種または2種以上を配合したブ
ロイラー用飼料を提供する。さらに本発明は、前記キノ
ン類を含有する組成物を、キノン類の量として1日当た
り0.05〜50mg/kg体重の割合でブロイラーに
投与することにより、ブロイラーの腹水症を防止し、育
成率を向上させる方法を提供する。
育成中の斃死率を減少させ、生育個体の割合を増加させ
ることをいう。以下、本発明を詳細に説明する。本発明
のブロイラー用腹水症防止剤あるいはブロイラー用育成
率向上剤は、上記化2で表される化合物(以下、単に
「キノン類」という)の1種あるいは2種以上を有効成
分として含有する。キノン類のうち、上記化2中におい
てY及びZがC1とC2の間の共有結合を表し、C1C2間
に二重結合を有するユビキノンが好ましく、更にそのう
ちnが8である補酵素Q9及び化2中nが9である補酵
素Q1 0が本発明においては、特に好ましい。
属等の糸状菌類、キャンディダ属、サッカロマイセス属
等の酵母類、シュードモナス属、アクロモバクター属、
ロドシュードモナス属等の細菌類、あるいはタバコの
葉、トウモコロシ油、麦芽油等のユビキノン含有物から
抽出、精製して得られる。また、キノン類は化学合成に
よって得ることもでき、市販されてものを使用してもよ
い。
ブロイラー用育成率向上剤の剤型は特に限定されず、キ
ノン類の1種又は2種以上の混合物そのものでもよく、
これらを飼育上無害な希釈剤、担体、賦形剤等とともに
組成物として用いてもよい。また、上記のようなキノン
類含有物からの粗精製物、あるいはキノン類含量が高い
場合はキノン類含有物をそのまま使用してもよい。これ
らを通常ブライラーの飼育に用いる飼料に配合すること
により、本発明のブロイラー用飼料が得られる。
ー用育成率向上剤、あるいはブロイラー用飼料の投与方
法としては、経口、非経口のいずれも選択できるが、経
口投与が好ましい。投与量は、経口投与では、キノン類
の量として、1日当たり0.05〜50mg/kg体重
の割合で投与すると、所期の効果が期待できる。投与時
期と期間に関しても、特に限定されるものではないが、
4週令以後のブロイラーに投与するとより効果的であ
り、4週間以上継続投与すると特に効果的である。
剤、ブロイラー用育成率向上剤、及びブロイラー用飼料
を用いることができるブロイラーの鶏種は、特に限定さ
れない。
リット値が増大し、心臓のエネルギー要求性が高まり、
心臓うっ血を起こし腹水症を併発する。本発明のブロイ
ラー用腹水症防止剤等をブロイラー、特に酸素要求量の
高いブロイラーに投与すると、この心臓のエネルギー要
求性を充足し、腹水症を防止し、その結果育成率を向上
すると推測される。
イラー用育成率向上剤及びブロイラー用飼料の実施例と
して、ユビキノンを配合した飼料を説明する。
全飼料量に対して20ppm含有するブロイラー用腹水
症防止剤を製造した。同様にして、比較例として、補酵
素Qの代わりにα−トコフェロールを含有した飼料を製
造した。
タミンAを10000IU/g、ビタミンD3を200
0IU/g、ビタミンEを10IU/g含有し、ビタミ
ンB剤は、ビタミンB1を2g/kg、ビタミンB2を1
0g/kg、ビタミンB6を2g/kg、ニコチン酸ア
ミドを2g/kg、パントテン酸カルシウムを4g/k
g、塩化コリンを120g/kg、ヨウ酸を1g/kg
含有する。また、微量ミネラルは、Mnを8.0%、F
eを0.6%、Cuを0.06%、Iを0.1%、Zn
を5.0%含有している。尚、サリノマイシンは抗コク
シジウム剤、バージニアマイシンは抗生物質である。
る方法の実施例を説明する。上記実施例1及び比較例1
の飼料をブロイラーに投与し、本発明のブロイラー用腹
水症防止剤及び腹水症を防止する方法の評価を行った。
雄肉用鶏を、ウィンドレス鶏舎で、56日間飼育した。
飼育条件としては、育雛温度を、腹水症を誘発しやすい
ような条件、つまり、飼育開始後14日目〜21日目ま
では寒冷感作期間として5℃以下、他の期間は21〜2
6℃の範囲に設定し、管理した。飼育期間中の温度を表
2に示す。
ラーに表3に示す配合の通常飼料を与え、その後35日
間は、1群には実施例の飼料を、他の1群には、比較例
の飼料を与えて飼育した。
量ミネラルは、前記実施例1と同じものを用いた。
調査し、各群での腹水症の発生率を求めた。飼育期間終
了後、それぞれの群で、生存しているブロイラーの数を
調べて育成率を求めた。また、体重を測定してその平均
値を求めるとともに、飼育期間中、記録しておいた飼料
摂取量について、その体重当りの値を求め、これを飼料
要求率とした。以上の値について両群を比較した結果を
表4に示す。
ロイラー用腹水症防止剤を投与されたブロイラーは、α
−トコフェロールを投与されたブロイラーに比べて、腹
水症の発生率が非常に少なく、育成率も高い。また少な
い飼料で効果的に増体重している。
ブロイラーの腹水症を有効に防止し、育成率を向上さ
せ、また成長促進効果および飼料効率の改善も可能とす
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 少なくとも4週齢であるブロイラーに、化
1で表される少なくとも一つのキノン類を有効成分とし
て含有する組成物を投与することを特徴とするブロイラ
ーの腹水症を防止する方法。 【化1】 ただし、化1中、Y及びZはH、CH3、あるいはC1と
C2の間の二重結合の一方の共有結合を表し、nは1〜
11の整数を表す。 - 【請求項2】 前記化1で表される少なくとも一つのキ
ノン類を有効成分として含有する組成物を、キノン類の
量として1日当たり0.05〜50mg/kg体重の割
合でブロイラーに投与する、請求項1に記載のブロイラ
ーの腹水症を防止する方法。 - 【請求項3】 前記化1で表される少なくとも一つのキ
ノン類を有効成分として含有する組成物が、飼料に混合
されブロイラーに投与される、請求項1に記載のブロイ
ラーの腹水症を防止する方法。 - 【請求項4】 前記化1で表される少なくとも一つのキ
ノン類を有効成分として含有する組成物が、少なくとも
4週齢であるブロイラーに対し4週間以上継続投与す
る、請求項1に記載のブロイラーの腹水症を防止する方
法。 - 【請求項5】 前記化1中、nが8または9である、請
求項1に記載のブロイラーの腹水症を防止する方法。
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