JP3508678B2 - ポリ乳酸組成物及びその成型品 - Google Patents
ポリ乳酸組成物及びその成型品Info
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Description
ポリ乳酸組成物及びその成型品に関する。
リマーが、環境保護の見地から注目されている。特にポ
リ乳酸は、農産物を原料とするため資源的に有利で、
又、溶融成型性や耐熱性にも優れているために最も期待
されている。しかし、未変性品であるポリ乳酸ホモポリ
マーは、結晶性が高く分子構造が剛直であるため、硬く
脆く、成型品が破損し易いことから、柔軟性についての
改良が求められている。また、用途によっては、例えば
フィルム用や成型品用の一部には、高い柔軟性が必要と
されている。
たり混合したりして、柔軟性の強化や脆さの改善が図ら
れている。
れば、結晶性の低下に伴って、融点や耐熱性が低下する
という問題が生じる。また、可塑剤の混合法によれば、
可塑剤と母体であるポリ乳酸との親和性が低いため、可
塑剤が浸み出して組成物の表面を汚したり、成型品の透
明性や光沢が損なわれるといった問題が生じる。
れることなく、優れた柔軟性、可撓性、透明性、光沢を
有し、しかも可塑剤の浸出による表面汚れの少ない改良
されたポリ乳酸組成物とその応用製品とを提供するもの
である。
明の目的を達成するため、発明のポリ乳酸組成物は、乳
酸を主成分とする重合体(A)と、脂肪族ジカルボン酸
及び鎖状分子ジオールを主成分とする脂肪族ポリエステ
ル(B)とからなることを特徴とする。
(A)とは、ポリL−乳酸やポリD−乳酸等のポリ乳酸
ホモポリマー、ポリL/D−乳酸共重合体、及びこれら
にエステル結合形成性の重合材料を共重合させたポリ乳
酸共重合体で、共重合体中の乳酸由来成分の重量比率が
50%以上のものをいう。
性の重合材料としては、例えば、グリコール酸、ヒドロ
キシブチルカルボン酸等のヒドロキシアルキルカルボン
酸、グリコリド、ブチロラクトン、ε−カプロラクトン
等のラクトン、脂肪族及び芳香族ジカルボン酸、脂肪族
ジオール、水酸基末端を持つポリアルキレンエーテル及
びそのオリゴマー、ポリアルキレンカーボネート及びそ
のオリゴマー(ジオール)等が挙げられる。
ば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、デカンジカル
ボン酸、ドデカンジカルボン酸など、炭素数 4〜20のジ
カルボン酸が好適である。芳香族ジカルボン酸として
は、フタル酸、イソフタル酸、5−スルホイソフタル酸
及びその金属(Na,K等)塩、テレフタル酸、ナフタ
レンジカルボン酸などが好適である。
グリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、
ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオー
ル、ドデカンジオール等、炭素数 2〜20のものが好適で
ある。
例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、ポリブチレンエーテル、及びこれらの共重
合物で、例えば、ポリエチレン/プロピレングリコー
ル、ポリエチレン/ブチレンエーテルなどが挙げられ、
また、これらのオリゴマー、特に分子量2000未満、好ま
しくは分子量1000以下のもので、例えばジエチレングリ
コール、トリエチレングリコールなどが最も好ましい。
共重合アルキレンエーテルとしては、例えばポリプロピ
レングリコール1モルにエチレンオキシド2モルを付加
反応させて、平均重合度3のエチレン/プロピレンエー
テルグリコールを得ることができ、また、ブタンジオー
ル1モルにエチレンオキシド3モルを付加反応させれ
ば、平均重合度4のエチレン/ブチレンエーテルグリコ
ールを得ることができる。同様にして、ジオール類にプ
ロピレンオキシドを付加反応させることにより、プロピ
レンエーテル共重合グリコールを得ることができる。
モルとなるように組せられて共重合成分を形成する。例
えば、等モルのエチレングリコールとアジピン酸とが反
応すれば、一方の末端が水酸基で、他方がカルボキシル
基のポリエチレンアジペートが得られ、モル比 101/100
で反応させれば、重合度 101で、両末端が水酸基のポリ
エチレンアジペートが得られ、共にラクチドと共重合し
て良好なポリ乳酸/ポリエチレンアジペートブロック共
重合物を得ることができる。
る共重合体(A)の内の50重量%未満を占める。共重合
成分が多いほど共重合体(A)は変性され、結晶性や耐
熱性が低下し、分解性が高まる。共重合比率は、目的や
用途によって任意に選択すればよいが、多くの場合は 1
〜40%、特に 3〜30%がよく使われ、 2〜20%が最も広
く用いられる。
軟性や耐衝撃性が改良される効果がみられるが、ガラス
転移点や耐熱性が低下する傾向がある。また、芳香族成
分の共重合によって、ガラス転移点や耐熱性が向上する
傾向がある。しかし、あまり融点の高い共重合成分(例
えば、芳香族ジカルボン酸とジオールからなるポリエス
テル)は、共重合操作や溶融成型性の観点から問題があ
り、共重合成分としては、適切な融点、例えば融点 200
℃以下、特に 180℃以下のものを選択することが望まし
い。
との共重合には、ランダム共重合及びブロック共重合の
いずれも利用することができる。しかし、共重合による
結晶性、融点、耐熱性などを最小限に抑制するために
は、ブロック共重合が特に好ましい。ブロック共重合
は、例えば、共重合成分を予め重合して分子末端に水酸
基を持つポリマー又はオリゴマーとした後、その末端水
酸基を重合開始点としてラクチドを重合すれば、ポリ乳
酸セグメント(ブロック)と共重合物(ポリエステル)
セグメントとが結合されたブロック共重合体を得ること
ができる。また、分子末端に水酸基やカルボキシル基な
どを持つポリ乳酸と、同じく末端に官能基を持つ共重合
成分であるポリエステルとを、ジカルボン酸、ジカルボ
ン酸無水物、ジカルボン酸ハロゲン化物、ジイソシアネ
ート、ジアミン等の2官能性化合物と反応させて連結
し、ブロック共重合体を得ることができる。
マーは、乳酸を主成分とする重合体(A)で、それに脂
肪族ジカルボン酸及び鎖状ジオールを主成分とする脂肪
族ポリエステル(B)を配合したことを特徴としてい
る。
つである脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、アジ
ピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジ
カルボン酸など、炭素数 4〜50の、特に炭素数 4〜20直
鎖ジカルボン酸が好適であるが、側鎖や二重結合を持つ
ものも利用できる。
である鎖状ジオールとしては、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオー
ル、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオ
ール等の炭素数 2〜20のもの、及びポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレンエーテ
ル等のポリアルキレンエーテル及びこれらの共重合物及
びそのオリゴマー、及びポリアルキレンカーボネート及
びそのオリゴマーを包含する。なお、ポリアルキレンエ
ーテル及びポリアルキレンカーボネートのオリゴマーと
しては、分子量2000未満、特に分子量1000以下のものが
好ましい。
述した脂肪族ジカルボン酸及び鎖状ジオールであるが、
これら以外の成分が副次的に含まれていてもよい。副次
的成分としては、例えば、乳酸、グリコール類、ヒドロ
キシブチルカルボン酸などのヒドロキシアルキルカルボ
ン酸、ブチロラクトン、ε−カプロラクトンなどのラク
トン、ジアミン、ジイソシアネート等も応用できる。
子量は特には限定されないが、一般に分子量が小さい
程、可塑効果が大きい反面、安定性が低くなり、成型品
表面への浸出による汚れが発生しやすくなる。多くの場
合、脂肪族ポリエステル(B)の分子量は 500以上、特
に1000以上が好ましく、3000以上が更に好ましく、5000
〜20万が最も広く用いられる。
ルを主成分とするために、ガラス転移点が低く、大きな
可塑効果を有しており、成型品に高い柔軟性や耐衝撃性
を与える。また、必要に応じて、高分子量の可塑剤とす
ることが可能で、成型品表面への浸出が少なく、安定な
効果を持続的に発揮し、可塑化に伴う強度の低下を最小
限にすることができる。このような高分子可塑剤として
の効果は、分子量3000以上で明瞭に発揮され、特に分子
量1万以上で顕著になる。
ボキシル基や水酸基などでも良く、また、それらがアル
キル基、アリル基、アルキルアリル基、その他の官能基
を有する化合物により封鎖されていても良い。末端にカ
ルボキシル基や水酸基を持つ場合は、母体ポリマー
(A)との親和性が高いが、逆に安定性の見地からは不
安定であり、母体ポリマー(A)と反応したり、空気中
の水分を吸収して母体ポリマー(A)の分解を促進する
傾向がある。脂肪族ポリエステルの末端官能基は、組成
物の使用目的によって任意に選択すれば良いが、上述し
た組成物の安定性の見地からは封鎖したものが好まし
い。例えば、両末端をステアリル基のような高級アルキ
ル基で封鎖すれば、高級アルキル基自体の可塑効果も加
算され、安定性と可塑効果の双方共に優れた組成物を得
ることができる。
(B)の構成成分である脂肪族ジカルボン酸及び鎖状ジ
オールと同一又は近似する成分を、母体ポリマー(A)
の共重合成分として使用することにより、母体ポリマー
(A)と脂肪族ポリエステル(B)との分子構造の近似
性を高めることができる。
を構成する構成単位(ジカルボン酸、ジオール、ヒドロ
キシカルボン酸など)の炭素原子数及び酸素原子数の近
似性であらわすことができる。例えば、2種の構成単位
の炭素原子数及び酸素原子数の差が4以下であれば近似
性が認められ、2以下であればかなり近似性が高く、同
一であれば最も近似性が高い。例えば、エチレンアジペ
ート、エチレンセバケート、ブチレンアジペート、ブチ
レンセバケート等は相互近似性が高い。同様に、ジエチ
レングリコールとアジピン酸とのポリエステルエーテル
は、ポリブチレンアジペートとの近似性が高い。ポリ乳
酸の主鎖の繰返し単位中の原子数は、炭素2、酸素1で
あり、ポリグリコール酸の繰返し単位中の原子数は、ポ
リ乳酸と全く同一で、両者は最も近似性が高い。同様
に、ヒドロキシブチルカルボン酸のそれも乳酸にかなり
近似している。ジカルボン酸とジオールとからなるポリ
エステルであって、繰返し単位中の原子数の少ないもの
としてエチレンサクシネートがあり、炭素6、酸素2で
あるが、その中に2つのエステル結合を含んでいるの
で、エステル結合間の平均原子数で言えば、炭素3、酸
素1で、ポリ乳酸にかなり近いと言える。即ち、炭素数
6以下、特に4以下のジカルボン酸やジオールからなる
ポリエステルは、ポリ乳酸と高い近似性を示す。
を、母体ポリマー(A)及び脂肪族ポリエステル(B)
に導入することにより、優れた混和性、可塑効果、透明
性などを実現することができる。また、母体ポリマー
(A)と脂肪族ポリエステル(B)との分子構造の近似
性が高い程、その作用効果が優れ、両者が同一の構成成
分を持つ場合に最も効果が著しい。例えば、母体ポリマ
ー(A)中の共重合成分の少なくとも一つが、脂肪族ポ
リエステル(B)の構成成分である脂肪族ジカルボン酸
又は鎖状ジオールと同一であれば、両者の親和性は極め
て高く、ジカルボン酸成分とジオール成分の両方が同一
であれば、最も高い親和性が実現される。即ち、同一の
脂肪族ジカルボン酸/鎖状ジオールからなる同種のポリ
エステルを、母体ポリマー(A)中の共重合成分とする
と同時に、脂肪族ポリエステル(B)の主成分とするこ
とにより、最高の親和性が得られ、本発明の目的に最も
適うものが得られる。勿論、母体ポリマー(A)と脂肪
族ポリエステル(B)が共有する脂肪族ポリエステル
(セグメント)は、その構成成分であるジオールとジカ
ルボン酸とが同一であれば十分であり、その重合度は異
なっていてもよい。
(A)への混合率は、目的によって異なるが、一般に、
混合率が大きいほど可塑化が著しい。成型品の耐熱性を
あまり損なわずに耐衝撃性を付与するためには、脂肪族
ポリエステル(B)の混合率は 1〜15%程度、特に 3〜
10%程度がよく用いられる。逆に、高い柔軟性を必要と
する場合には、脂肪族ポリエステル(B)の混合率は10
〜50%程度、特に15〜40%程度がよく用いられる。母体
ポリマー(A)中の共重合成分も可塑剤的に作用するか
ら、共重合成分が多い場合には、脂肪族ポリエステル
(B)の混合率は比較的少量でも良い。組成物全体から
みた共重合成分と脂肪族ポリエステル(B)との重量分
率の合計は、多くの場合 2〜70%、特に 5〜50%、最も
多くの場合8〜40%が好ましい。
合、母体ポリマー(A)の重合後、混合される。母体ポ
リマー(A)の重合原料や重合工程中に混合することも
不可能ではないが、エステル交換反応により母体ポリマ
ーと共重合したり、可塑剤が分解することなく、所望の
混合率と可塑効果を性格に実現するには、母体ポリマー
の重合後、成型前又は成型工程で混合することが好まし
い。
で機械的撹拌や静止混合器で混合してもよく、粉末状や
粒子状で混合して溶融又は溶解してもよい。本発明の組
成物は、母体ポリマー(A)と脂肪族ポリエステル
(B)との親和性が高く、容易に均一に混合することが
できる。
リマー(A)と脂肪族ポリエステル(B)の他に、副次
的に他の成分を添加しても良い。副次的添加物の例とし
ては、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、着色
剤、各種無機粒子、各種フィラー、撥水剤、親水剤、制
電剤、離型剤、可塑剤、生理活性物質、防腐剤、香料、
抗菌剤、発泡剤、その他の類似のものが挙げられる。
い限り、重量比率で示している。ポリ乳酸及びポリ乳酸
共重合物の分子量は、試料のクロロホルム 0.1%溶液の
GPC分析で、ポリスチレン換算で分子量 500以下のも
のを除く高分子物の分散の重量平均値である。
ド95部に対し、共重合成分として両末端が水酸基で分子
量9000のポリエチレンアジペート 5部、直径0.05μmの
酸化チタン粒子(結晶核剤)0.5 %、オクチル酸錫0.05
%、チバガイギー社イルガノックス1010(酸化防止剤)
0.2 %を混合し、2本のスクリューが噛み合う二軸混合
送液器で、窒素雰囲気中180 ℃で連続的に平均30分間反
応(予備)重合し、続いてオクチル酸錫を 0.1%添加
し、互いに噛み合うスクリュー群と互いに噛み合う長円
形(2フライト型)の撹拌素子群からなる2軸混練機を
用い、190 ℃で平均15分間重合した後、最終ベント孔よ
り、溶融し水分率 10ppm以下とした可塑剤P1を 5%供
給して混合し、更にケニックス社の静止混合素子60個を
内臓した円筒中を通過させた後、口金より押出し、水で
冷却固化し、切断して、チップC1を得た。
ンアジペートの両末端水酸基をステアリン酸でエステル
化し封鎖した分子量約4500のもので、他に固相重合開始
剤用にトリエチレングリコールを 0.3%混合したもので
ある。
素中で12時間加熱処理し、更に 160℃、常圧で48時間熱
処理(固相重合)して、チップC2を得た。チップC2
の平均分子量は162,000 、残存モノマー(ラクチド)は
0.2%であった。チップC2を用い、それを射出成型し
てV字形ノッチのついた衝撃試験片を作成した。同じく
チップC2をスクリュー押出機で 210℃で溶融し、T型
口金のスリットより押出し、冷却した後、90℃で縦方向
に 3.1倍、横方向に 2.9倍延伸して、厚さ50μm のフィ
ルムを作成した。
ド重合時に共重合成分を加えずに得たポリ乳酸ホモポリ
マーに、可塑剤P1を 5%添加混合して得たものをチッ
プC3とする。チップC3の分子量は 163,000、残存モ
ノマー量は 0.2%であった。チップC3から、チップC
2と同様にして衝撃試験片及び延伸フィルムを作成し
た。
ド重合時に共重合成分を加えずに得たポリ乳酸ホモポリ
マーに、可塑剤を添加せずにチップC4を得た。チップ
C4の分子量は 169,000、残存モノマー量は 0.2%であ
った。チップC4から、チップC2と同様にして衝撃試
験片及び延伸フィルムを作成した。
P1の代わりに分子量約4500のポリε−カプロラクトン
を添加混合し、以下固相重合を同様に行って得たものを
チップC5とする。チップC5の分子量は 153,000、残
存モノマー量 0.3%であった。チップC5から、チップ
C2と同様にして衝撃試験片及び延伸フィルムを作成し
た。
ド重合時に共重合成分を加えず、可塑剤P1の代わりに
分子量約4500のポリε−カプロラクトンを添加混合し
て、以下固相重合を同様に行って得たものをチップC6
とする。チップC6の分子量は154,000、残存モノマー
量 0.3%であった。チップC6から、チップC2と同様
にして衝撃試験片及び延伸フィルムを作成した。
て、夫々衝撃強度を測定した。また、各延伸フィルムの
透明性を肉眼判定した。その結果を表1に示す。表1に
見るように、本発明組成物の衝撃強度及び透明度は、比
較例よりも優れ、特に母体ポリマーと可塑剤とが同一の
共重合成分を持つチップC2から得たものが最も優れた
性能を示している。
様にして、但し、ラクチド重合時にジエチレングリコー
ルとアジピン酸とを重合したポリエステルエーテルで、
分子量約9000、両末端が水酸基のものを 5%共重合し、
その後、可塑剤P1の代わりにジエチレングリコールと
アジピン酸とを重合したポリエステルエーテルであって
両末端をラウリル酸でエステル化し封鎖した分子量約60
00のものを 5%添加し、以下同様にチップ化、固相重合
を行って得たものをチップC7とする。チップC7の分
子量は 171,000、残存モノマー量 0.1%であった。チッ
プC7から、得た試験片の衝撃強度は 6.3kg・cm/cm 、
延伸フィルムの透明度は、チップC2から得たフィルム
と同等で、極めて優れたものであった。
び脂肪族ポリエステル(B)の組成の広範な組み合わせ
が可能となり、目的や用途に応じて、多様な可塑化され
たポリ乳酸組成物が得られる。特に母体ポリマーと親和
性の高い可塑剤を組み合わせることにより、優れた柔軟
性、耐衝撃性、透明度を持つ成型品が得られ、可塑剤の
表面浸出による汚れを抑制することができる。同様に分
子量の高い可塑剤を用いることにより、可塑効果の永続
性、安定性に優れ、表面汚れの少ない成型品を得ること
ができる。これらの優れた効果は、母体ポリマーである
乳酸を主成分とする重合体(A)と脂肪族ポリエステル
(B)との相互に近似性の高い成分を導入することによ
り、一層著しくなり、同一の成分を導入することにより
最も顕著な効果が得られる。
ルは分解性に優れ、これらから得られる脂肪族ポリエス
テルも分解性に優れ、これを導入した母体ポリマー
(A)及び脂肪族ポリエステル(B)も分解性に優れ
る。一般に、脂肪族ジカルボン酸や脂肪族ジオールが有
するアルキル基の炭素数が多くなると、撥水性が高ま
り、それらを構成成分とする母体ポリマー(A)や脂肪
族ポリエステル(B)の分解性が抑制される傾向がある
が、これらの組成物は、長寿命であり、低分解性を必要
とする用途に適する。
マー、例えば、ジエチレングリコールやトリエチレング
リコール、低分子量ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコールなどを応用した場合は、可塑効果、特
に柔軟性に優れた成型品が得られる。また、生分解性も
十分に認められ、環境保護等に効果を奏する。更に、可
塑剤の添加量を調節することにより、成型品の分解性や
物性を大幅に変化させることができ、広範な用途に好適
に用いることができる。特に高分子量の可塑剤を用いる
と、可塑剤を大量に混合しても、低分子量の可塑剤に比
べて特性(強度等)の劣化が少なく、優れた柔軟な製品
を得ることができる。
織布、紙、フェルト、網、ロープ、フィルム、シ−ト、
板、棒、チューブ、多孔質成型品、各種容器、各種部
品、各種複合材料、その他の各種の成型品等の各々の用
途に応じて、最適な特性に改良して、好適に利用するこ
とができる。
Claims (10)
- 【請求項1】 乳酸を主成分とする重合体(A)と、脂
肪族ジカルボン酸及び、ポリアルキレンエーテルを除く
鎖状分子ジオールを主成分とする、分子量1万〜20万
である脂肪族ポリエステル可塑剤(B)との混合組成物
からなるポリ乳酸組成物。 - 【請求項2】 乳酸を主成分とする重合体(A)が、ポ
リ乳酸ホモポリマー、ポリL/D−乳酸共重合体、およ
びこれらにエステル結合形成性の重合材料を共重合させ
たポリ乳酸共重合体である、請求項1記載のポリ乳酸組
成物。 - 【請求項3】 脂肪族ジカルボン酸及び、ポリアルキレ
ンエーテルを除く鎖状分子ジオールを主成分とする脂肪
族ポリエステル可塑剤(B)の脂肪族ジカルボン酸が、
コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン
酸及びドデカンジカルボン酸からなる群から選ばれる化
合物である、請求項1又は2記載のポリ乳酸組成物。 - 【請求項4】 脂肪族ジカルボン酸及び、ポリアルキレ
ンエーテルを除く鎖状分子ジオールを主成分とする脂肪
族ポリエステル可塑剤(B)の鎖状分子ジオールが、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオ
ール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジ
オール、ドデカンジオール及びポリアルキレンカーボネ
ート及びそのオリゴマーからなる群から選ばれる化合物
である、請求項1乃至3いずれか1項記載のポリ乳酸組
成物。 - 【請求項5】 脂肪族ポリエステル可塑剤(B)の重量
比率が50%未満である、請求項1乃至4いずれか1項
記載のポリ乳酸組成物。 - 【請求項6】 請求項1乃至5いずれか1項記載のポリ
乳酸組成物を含む製品。 - 【請求項7】 請求項1乃至5いずれか1項記載のポリ
乳酸組成物を含む繊維。 - 【請求項8】 請求項1乃至5いずれか1項記載のポリ
乳酸組成物を含むフィルム。 - 【請求項9】 請求項1乃至5いずれか1項記載のポリ
乳酸組成物を含むシート。 - 【請求項10】 請求項1乃至5いずれか1項記載のポ
リ乳酸組成物を含む容器。
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