JP3596276B2 - 取付枠 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、開口部を有する枠状に形成され、壁面に穿設された取付孔に配線器具を取り付けるための取付枠に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、図8に示すように、埋込コンセント等の配線器具1を壁面Wに穿設された取付孔Hに取り付ける場合には、複数のボックスネジBBと、取付孔Hの壁面W内部(図8では右側)に設けられ、ボックスネジBB用のネジ孔3aが形成されたボックス3と、開口部を有する枠状に形成され、ボックスネジBB用の貫通孔114が開口部の上側及び下側の各々に穿設されている取付枠100とが使用される。
【0003】
なお、この種の取付枠では、当該取付枠に既製の化粧カバーを取り付けることができない。また、取付枠の正面側に取り付けられる化粧カバー等の化粧枠部材は、取付枠の左右端から正面側に突設して上下方向に伸びる突設片と線接触するが、この上下方向に伸びる突設片の精度のばらつきにより、反りが発生する問題がある。さらに、複数の取付枠を連接させる場合、従来の連接構造では、特に左右方向に位置ずれが生じる問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記取付枠100では、ボックス3のネジ孔3aに対してボックスネジBBを強めに締め付けると、図9に示すように、取付枠100が変形してしまうという問題があった。この結果、配線器具が壁面W内部側に沈み込んでしまう。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ボックスネジの締め付けに対して変形し難い取付枠を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための請求項1記載の発明の取付枠は、壁面に穿設された取付孔への配線器具取付け用で、一の方向に伸びる開口部を有する枠状に形成された本体を有し、前記開口部の一方側の前記本体一端部及び前記開口部の他方側の前記本体他端部の各々には、前記配線器具の取付けの際に使用されるボックスネジ挿通用の貫通孔が穿設され、前記貫通孔の両側の各々には、前記開口部側から反対側に伸びるビードが形成され、前記本体一端部及び前記本体他端部間の前記本体の両端には、それぞれ前記一の方向に伸びる一対の突設片が形成され、これらの各突設片の端面に、化粧枠部材と接触する複数の突起部が形成され、前記本体の四隅近傍の各々には、前記化粧枠部材取付用の係止部が形成され、前記本体一端部及び前記本体他端部の各々には、前記本体と離間して対向配置される前記化粧枠部材の対向面に当接する突片が形成され、前記本体一端部及び前記本体他端部の各々の両側端には、前記一の方向に伸びる一対の補強リブがそれぞれ形成され、前記本体の四隅の各々にはフックが形成され、前記各フックは、当該本体の両側の少なくとも一方に当該本体と同一形状の別の本体が連接された際に前記別の本体の対応するフックと係合することを特徴とする。
【0006】
この構造では、各貫通孔の両側の各々がビードによって補強されるので、当該取付枠は、ボックスネジの締め付けに対して変形し難くなる。これにより、配線器具の壁面内部側への沈み込みが防止される。また、各突設片の端面に形成された複数の突起部により、取付枠に対する化粧枠部材の接触が点となるので、線接触の場合よりも寸法精度を維持しやすくなる。これにより、化粧枠部材の反りが防止される。
【0007】
この構造では、本体の四隅近傍の各々に係止部が形成されているので、当該取付枠への化粧カバー等の化粧枠部材の取付けが可能になる。
【0008】
この構造では、化粧カバー等の化粧枠部材の対抗面が各突片と当接することから、化粧枠部材の正面を指で押しても当該化粧枠部材は変形しなくなる。これにより、化粧枠部材の変形が防止される。また、本体一端部及び本体他端部の各々は突片により補強されるので、当該取付枠は、配線器具の取付の際に使用されるボックスネジの締め付けに対して変形し難くなる。これにより、配線器具の壁面内部側への沈み込みが防止される。
【0011】
この構造では、本体一端部及び本体他端部の各々が補強リブによって補強されるので、取付枠は、ボックスネジの締め付けに対して変形し難くなる。これにより、配線器具の壁面内部側への沈み込みが防止される。
【0012】
この構成では、各フックは、本体の両側の少なくとも一方に当該本体と同一形状の別の本体が連接された際に前記別の本体の対応するフックと係合するようになるので、当該取付枠と別の取付枠との位置ずれが防止されるようになる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態に係る取付枠に加え、配線器具及び化粧カバーを示す斜視図で、以下この図1を用いて本実施形態に係る取付枠の構造をこの構造による作用とともに説明する。
図1において、真ん中の部品が取付枠10であり、この取付枠10に対して、正面側の部品が配線器具1で、背面側の部品が既製の化粧カバー2である。この化粧カバー2は、後述するプレートカバー4とともに化粧枠部材を構成する。
【0014】
まず、配線器具1を壁面Wに穿設された取付孔Hに取り付ける場合に使用される取付枠10以外の各部品について説明すると、配線器具1は、2口の埋込コンセントで、左右側面には係合凸部1aが形成されている。
化粧カバー2は、開口部2aを有する枠状に形成されており、化粧カバー2の四隅背面には、当該化粧カバー2を取付枠10に取り付けるための先端に爪を有する係合凸部2bが形成されている。さらに、化粧カバー2の背面には、複数の突起部2cが設けられている。
【0015】
図2は、本実施形態で使用される各部品を示す図で、本実施形態では、2本のボックスネジBBと、取付孔Hの壁面内部(図2では右側)に設けられ、ボックスネジ用のネジ孔3aが形成された箱状のボックス3と、プレートカバー4とがさらに使用される。なお、図2では、電線Cが配線器具1の所定の接続端子に接続されている。
【0016】
次に、取付枠10について説明すると、取付枠(本体)10は、図1に示すように、開口部11を有する枠状に形成され、開口部11上側の取付枠10の上部(本体一端部)12及び開口部11下側の取付枠10の下部(本体他端部)13の各々には、ボックスネジBB挿通用の貫通孔14が穿設されている(図2参照)。
【0017】
また、各貫通孔14の左右側の各々には、開口部11側から反対側に伸びるビード(リブ)15が形成されている。このように、各貫通孔14の左右側の各々がビードによって補強されるので、取付枠10は、ボックスネジBBの締め付けに対して変形し難くなる。これにより、配線器具1の壁面W内部側への沈み込みが防止される(図4参照)。
【0018】
また、取付枠10の四隅近傍の各々には、化粧カバー2の対応する係合凸部2bと係合して化粧カバー2を取付枠10に取り付けるための係止部16が形成されている。
図3(a)は、取付枠10に配線器具1及び化粧カバー2を取り付けた場合の正面図、(b)は下側面図、(c)は右側面図で、図3(c)に示すように、本実施形態では、各係合凸部2bの先端に形成された内向きの爪が係止部16の背面に掛止する構造になっている。これにより、取付枠10への化粧カバー2の取付けを可能にしている。
【0019】
図1に戻って、また、上部12及び下部13の各々の開口部11側の縁部中央には、取付枠10の正面側に当該取付枠10の正面と離間して取り付けられる化粧カバー2の背面に当接する左右方向に伸びる突片17が形成されている。このように、化粧カバー2の背面が各突片17と当接するので(図3(b)参照)、化粧カバー2の正面を指で押しても当該化粧カバー2は変形しなくなる。これにより、化粧カバー2の変形が防止される。また、上部12及び下部13の各々は突片17により補強されるので、取付枠10は、ボックスネジBBの締め付けに対して変形し難くなる。これにより、配線器具1の壁面W内部側への沈み込みがさらに防止される。
【0020】
また、上部12及び下部13の各々の左右端には、それぞれ上下方向に伸びる補強リブ18が形成されている。このように、上部12及び下部13の各々が補強リブ18によって補強されるので、取付枠10は、ボックスネジBBの締め付けに対して変形し難くなる。これにより、配線器具1の壁面W内部側への沈み込みがより好適に防止される。
【0021】
さらに、取付枠10の四隅の各々にはフック19が形成されている。
図4は、取付枠10に形成された各フック19の作用の説明図で、図4の例では、取付枠10の右側に別の取付枠10が連接されており、この場合、左の取付枠10の右側におけるフック19は、別の取付枠10の対応するフック19と係合している。また、図1の斜視図からもわかるように、下側の各フック19も係合する。さらに、左の取付枠10の上側のフック19及び下側のフック19の先端がそれぞれ上及び下向きになっている一方、右の取付枠10の上側のフック19及び下側のフック19の先端がそれぞれ下及び上向きになっているとにより、図4に示すように左右の取付枠10の各フック19が一旦係合すると、上下左右方向に位置ずれしなくなる。これにより、これらの取付枠10の正面側に図略のプレートカバー(図2に示すプレートカバー4の2連式のもの)を取り付ける場合、上下左右方向の位置ずれに起因する取付け不具合が生じなくなる。
【0022】
図5(a)は、取付枠10に配線器具1を取り付けた場合の正面図、(b)は下側面図、(c)は右側面図で、取付枠10の左右端には、背面側に突設し、孔が穿設された係合枠20が形成されており(図1参照)、開口部11に挿入された配線器具1の各係合凸部1aが対応する係合枠20の孔に嵌入することで、配線器具1は取付枠10に取付固定される。
【0023】
また、図1に示すように、取付枠10の左右端の各々には、正面側に突設して上下方向に伸びる突設片21が形成されており、各突設片21の上下端には突起部22がさらに形成されている。これら突起部22及び化粧カバー2の突起部2cにより、図3(c)に示すように、取付枠10に対する化粧カバー2の接触が点となるので、線接触の場合よりも寸法精度を維持することが可能になる。これにより、化粧カバー2の反りが防止される。
【0024】
以上、本実施形態によれば、ボックス3のネジ孔3aに対してボックスネジBBを強めに締め付けても、取付枠10が変形し難くなる効果が得られる。
なお、本実施形態では、複数の突起部22,2cは、化粧カバー2及び取付枠10の双方に形成される構造になっているが、これに限らず、図6(a)に示すように、取付枠10のみに形成される構造でもよく、或いは図6(b)に示すように、化粧カバー2にのみ形成される構造でもよい。
【0025】
また、本実施形態では、化粧枠部材として、化粧カバー2及びプレートカバー4を用いて説明したが、請求項3、4及び6記載の発明の化粧枠部材は、これに限らず、図7に示す化粧プレート5でもよい。
すなわち、この場合に適用される請求項3記載の発明の別の実施形態に係る取付枠における上部12及び下部13の各々に形成された突片17は、化粧プレート5の背面に当接することになる。また、請求項4記載の発明の別の実施形態に係る取付枠では、複数の突起部は、化粧プレート5の背面と取付枠の正面(詳述すると図1に示す突設片21の正面)との間に設けられることになる。さらに、請求項6についても同様である。なお、6はプレートボディである。
【0027】
【発明の効果】
以上のことから明らかなように、請求項1記載の発明によれば、ボックスネジの締め付けに対して当該取付枠を変形し難くすることが可能になる他、化粧枠部材の取付け、化粧枠部材の変形防止、化粧枠部材の反り防止、及び当該取付枠と別の取付枠との位置ずれ防止が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る取付枠に加え、配線器具及び化粧カバーを示す斜視図である。
【図2】本実施形態で使用される各部品を示す図である。
【図3】(a)は、取付枠に配線器具及び化粧カバーを取り付けた場合の正面図、(b)は下側面図、(c)は右側面図である。
【図4】取付枠に形成された各フックの作用の説明図である。
【図5】(a)は、取付枠に配線器具を取り付けた場合の正面図、(b)は下側面図、(c)は右側面図である。
【図6】(a)は複数の突起部を取付枠のみに形成した構造を示す図、(b)は複数の突起部を化粧カバーのみに形成した構造を示す図である。
【図7】本発明を化粧プレート及びプレートボディに適用した場合の別の実施形態を示す図である。
【図8】従来の取付枠等を示す図である。
【図9】従来の取付枠の変形の様子を示す図である。
【符号の説明】
1 配線器具
2 化粧カバー
5 化粧プレート
6 プレートボディ
10 取付枠
11 開口部
12 上部
13 下部
14 貫通孔
15 ビード
16 係止部
17 突片
18 補強リブ
19 フック
20 係合枠
21 突設片
22,2c 突起部
Claims (1)
- 壁面に穿設された取付孔への配線器具取付け用で、一の方向に伸びる開口部を有する枠状に形成された本体を有し、前記開口部の一方側の前記本体一端部及び前記開口部の他方側の前記本体他端部の各々には、前記配線器具の取付けの際に使用されるボックスネジ挿通用の貫通孔が穿設され、前記貫通孔の両側の各々には、前記開口部側から反対側に伸びるビードが形成され、前記本体一端部及び前記本体他端部間の前記本体の両端には、それぞれ前記一の方向に伸びる一対の突設片が形成され、これらの各突設片の端面に、化粧枠部材と接触する複数の突起部が形成され、前記本体の四隅近傍の各々には、前記化粧枠部材取付用の係止部が形成され、前記本体一端部及び前記本体他端部の各々には、前記本体と離間して対向配置される前記化粧枠部材の対向面に当接する突片が形成され、前記本体一端部及び前記本体他端部の各々の両側端には、前記一の方向に伸びる一対の補強リブがそれぞれ形成され、前記本体の四隅の各々にはフックが形成され、前記各フックは、当該本体の両側の少なくとも一方に当該本体と同一形状の別の本体が連接された際に前記別の本体の対応するフックと係合することを特徴とする取付枠。
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1998
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