JP3595579B2 - 画像処理装置及び画像処理方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、複写機等の画像処理装置及び画像処理方法に関し、特に原稿上に所定の色マーカでマーキングされた色の情報に基づいて所定のマーカ編集を施すものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、カラー複写機において、白黒の原稿上に市販のマーカペンにより所望範囲を囲んだり、なぞったりしてその範囲の色付けを行うマーカ編集機能が提案されている。このようなマーカ編集機能は、例えば図37(a)に示すように下地が白色の原稿上において、黒線で決定されている所望の閉区間1000の内側を青の色マーカ1001で着色することにより、同図(b)に示すように閉区間全体を青に着色してプリントアウトするペイントモードや、図38(a)に示すように下地が白色の原稿上において、所望の黒線1002を赤の色マーカ1003で線の周囲を着色することにより、同図(b)に示すように黒線を赤線に変換着色してプリントアウトするラインモードなど複数のモードを具備しているものが一般的である。
【0003】
先ず、図37に示したペイントモードの判定について説明する。同図(a)の画像の読み取り動作中、あるタイミングで読み取りラインがラインAであるとすると、画素データの出力順が矢印方向の場合、…、白、黒、青、白、……、白、青、黒、白、…の順で色データが出力される。よって、最初に現れた青の直前に黒があることを検出することで、最初の青の画素からペイントモードが開始されたことが判定される。また、最後の青の直後が黒であることを検出することで、最後の青の画素でペイントモードが終了したことが判定される。従って、ペイントモード間の画素(青、白、……、白、青)をすべて青データとして出力することでペイントモードが実現される。
【0004】
次に、図38に示したラインモードの判定について説明する。同図(a)の画像読み取り動作中、あるタイミングでの読み取りラインがラインBであるとすると、画素データの出力順が矢印方向の場合、…、白、赤、黒、……、黒、赤、白、…の順で色データが出力される。よって、最初に現れた赤の直前に白があることを検出することで、最初の赤の画素からラインモードが開始されたことが判定される。また、最後の赤の直後に白であることを検出することで、最後の赤の画素でラインモードが終了したことが判定される。従って、ラインモード間の画素(赤、黒、……、黒、赤)のうち、赤の画素を白データに、また黒の画素を赤データとして出力することでラインモードが実現される。
【0005】
以上のように、最初にマーカの色が検出された画素の直前の画素が白色であるか黒色であるかで開始モードを決定し、開始モードがペイントモードの場合は最後にマーカの色が検出された画素の直後の画素が黒色のときモードを終了し、開始モードがラインモードの場合は最後にマーカの色が検出された画素の直後の画素が白色のときモードを終了するように制御される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、色変換モードはユーザによるマーカ着色の状態で決定されるものであり、例えば図39(a)に示すように、ユーザが原稿画像1004に対してラインモードマーカ処理を所望し、マーカ着色したとき重ね塗りによる塗りむらのために色1005が生じることがあり、以下のような不具合があった。即ち、色1005は、通常の塗り状態の色1006に比べてマーカ色が濃いので、色1005と色1006が個別の色であると誤判定されて、同図(b)に示すような出力結果となることがあった。
【0007】
また、原稿に使用される用紙の色は、白が主であるが再生紙のように少し色が付いたものや、光沢のあるものが存在すること、マーカペンの色にばらつきがあること、原稿を読み取るセンサのカラーフィルタの特性にもばらつきがあること等の要因で読み取った色の誤判定が発生し、ユーザの意図しない出力結果をとなる場合もあった。
【0008】
また、マーカペンの色は、同じ名称(例えば「赤」)であっても国によって異なっている。さらに、販売されている(市場に出回っている)マーカペンの色は5色の国もあれば、8色の国もあり統一されていない。このため、全世界で使用されているカラーマーキング用のマーカペンの色をすべて正しく認識することは困難であり、色の誤判定が発生していた。
【0009】
本発明は上述した点に着目してなされたものであり、読み取った色の誤判定を防止し、正確なマーカ編集を行うことができる画像処理装置及び画像処理方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、原稿を読み取る原稿読み取り手段と、読み取った画像データに基づいて所定の色マーカで原稿上にマーキングされた色を判定するマーカ色判定手段とを有し、マーキングされた色の情報に基づいて所定のマーカ編集を施す画像処理装置において、前記所定の色マーカによってマーキングされた色データを予め読み取って登録するためのマーカ色登録手段を設け、前記マーカ色登録手段は、同一の色マーカで複数回重ね塗りされた領域における色データを読み取ってマーカ色登録し、前記マーカ色判定手段は、原稿の読み取り時に前記登録された色データと読み取った色データとを比較して、何度塗りかに関係なく同じ色のマーカとして色判定するようにしたものである。
【0013】
さらに同じ目的を達成するため本発明は、原稿を読み取る原稿読み取り手段と、読み取った画像データに基づいて所定の色マーカで原稿上にマーキングされた色を判定するマーカ色判定手段とを有し、マーキングされた色の情報に基づいて所定のマーカ編集を施す画像処理装置において、当該装置が販売される地域を判定する地域判定手段を設け、前記マーカ色判定手段は、当該装置が販売される地域に応じて色判定用のパラメータを変更するようにしたものである。
【0014】
また、前記地域判定手段は、当該装置の変倍設定に基づいて販売地域を判定したり、当該装置の印字ヘッドに付加された地域情報に基づいて販売地域を判定したり、当該装置に供給される交流電源の特性に基づいて販売地域を判定したりすることが望ましい。
【0015】
また、当該装置の印字ヘッドに色判定用パラメータを記憶するパラメータ記憶手段を設け、前記マーカ色判定手段は、前記パラメータ記憶手段に記憶された色判定用パラメータを使用して色判定を行うことが望ましい。
【0016】
また、前記印字ヘッド内に格納されているインクの色と、前記色判定用パラメータの主色の色とが同一であることが望ましい。
さらに同じ目的を達成するため本発明は、原稿を読み取る原稿読み取りステップと、読み取った画像データに基づいて所定の色マーカで原稿上にマーキングされた色を判定するマーカ色判定ステップとを有し、マーキングされた色の情報に基づいて所定のマーカ編集を施す画像処理方法において、前記所定の色マーカによってマーキングされた色データを予め読み取って登録するマーカ色登録ステップを設け、前記マーカ色登録ステップにおいて、同一の色マーカで複数回重ね塗りされた領域における色データを読み取ってマーカ色登録し、前記マーカ色判定ステップにおいて、原稿の読み取り時に前記登録された色データと読み取った色データとを比較して、何度塗りかに関係なく同じ色のマーカとして色判定するようにしたものである。
さらに同じ目的を達成するため本発明は、原稿を読み取る原稿読み取りステップと、読み取った画像データに基づいて所定の色マーカで原稿上にマーキングされた色を判定するマーカ色判定ステップとを有し、マーキングされた色の情報に基づいて所定のマーカ編集を施す画像処理方法において、当該画像処理方法を実施する画像処理装置が販売される地域を判定する地域判定ステップを設け、前記マーカ色判定ステップは、当該画像処理方法を実施する画像処理装置が販売される地域に応じて色判定用のパラメータを変更するようにしたものである。
【0017】
【作用】
請求項1の画像処理装置及び請求項8の画像処理方法によれば、所定の色マーカによってマーキングされた色データが予め登録され、同一の色マーカで複数回重ね塗りされた領域における色データを読み取ってマーカ色登録し、原稿の読み取り時に前記登録された色データと読み取った色データとを比較することにより何度塗りかに関係なく同じ色のマーカとして色判定される。
【0022】
請求項2の画像処理装置及び請求項9の画像処理方法によれば、当該装置が販売される地域が判定され、その販売地域に応じて色判定用のパラメータが変更される。
【0023】
請求項3乃至5の画像処理装置によれば、当該装置の販売地域は、当該装置の変倍設定、当該装置の印字ヘッドに付加された地域情報、又は当該装置に供給される交流電源の特性に基づいて判定される。
【0024】
請求項6の画像処理装置によれば、当該装置の印字ヘッドに設けられたパラメータ記憶手段に色判定用パラメータが記憶され、該記憶された色判定用パラメータを使用して色判定が行われる。
【0025】
【実施例】
以下図面を用いて、本発明の実施例について説明を行う。
【0026】
図1は、本発明の第1の実施例にかかるマーカ編集回路の構成を示すブロック図である。同図において、51はカラ−CCDセンサであり、原稿の読み取り画像信号をRGBの信号に色分解して信号をアナログアンプ52に出力する。アナログアンプ52は、入力信号に対して所定のゲイン(増幅率)で増幅を行なう。この増幅信号はA/Dコンバータ53に入力され、アナログ信号が8ビットのデジタル信号に変換される。A/Dコンバータ53のデジタル信号出力は、色コード判定回路54及びマーカ色登録回路55に入力される。色コード判定回路54は、A/Dコンバータ53からの入力信号と、マーカ色登録回路55の出力信号とを比較し、入力信号を判定されたマーカ色に対応した6ビットのコード信号に変換する。即ち、入力される256×256×256=16777216色の色信号をあらかじめ決められた64色の色コードに変換する。
【0027】
これは、マーカ原稿上に存在する色が白色と黒色と市場で販売されているマーカ色に限られるということを前提としたものであり、以降のデータ処理回路の規模を小さくするための回路である。色コード判定回路54とマーカ色登録回路55の詳細な動作については後述する。
【0028】
色コード判定回路54の出力信号は、領域判定回路56に入力され、読み取っている領域がノーマル領域、ライン領域又はペイント領域のいずれの領域に属しているかを判定する(それぞれの領域についての説明は後述する)。領域判定回路56の出力信号は、出力色判定回路57に入力され、出力色判定回路57は、色コードと領域モードに従って出力する色を決定し、決定した色に応じた8ビットの画像データに変換して次段の画像処理回路にデータを送出する。
【0029】
領域判定回路56における、ペイントモード及びラインモードの2つの処理モードの決定は以下の条件による。
【0030】
(1)ペイントモード:ノーマル領域内にあって、読み取り色が「黒」→「色」に遷移したとき最初の「色」が読み取られた画素からペイントモードに切り替え、「色」→「黒」の遷移が検出されるまでペイントモードは継続する。「色」→「黒」の遷移が検出されたとき、ノーマルモードに戻る。
【0031】
(2)ラインモード:ノーマル領域内にあって、読み取り色が「白」→「色」に遷移したとき最初の「色」が読み取られた画素からラインモードに切り替え、「色」→「白」の遷移が検出されるまでラインモードは継続する。「色」→「白」の遷移が検出されたとき、ノーマルモードに戻る。
【0032】
上記のルールに従い、原稿上の画像を読み取りながらマーカ処理が施された画像信号がマーカ編集回路より出力される。
【0033】
次にマーカ色登録回路55について説明する。マーカ色登録回路55は図2に示すように、原稿用紙の所定の位置に登録したいマーカによる色パッジシート60をユーザが作成し、これを読み取り、データ処理することにより使用するマーカの色登録を行う。即ち、図2においては、領域61a〜61cを緑マーカの着色領域、62a〜62cをピンクマーカの着色領域と定め、ユーザは領域61aを使用したい緑マーカにより2度塗りすることなく1度塗りで着色し、同様に領域61bを緑マーカの2度塗りにより着色、領域61cを緑マーカの3度塗りにより着色する。同様に、領域62a〜62cを使用したいピンクマーカによりそれぞれ1度塗り、2度塗り、3度塗りする。このようにして作成した色パッジシート60を不図示のスキャナ原稿台の所定位置にセットし、カラーCCD51による読み取りを開始する。A/Dコンバータ53により、8ビットのデジタル信号に変換されたパッジの画像信号は、マーカ色登録回路55に入力される。
【0034】
マーカ色登録回路55の構成を図3に示す。図中10は、平均化回路であり、入力される色情報をRGB毎に例えば64画素分サンプルし、平均値を算出する。11はRmax検出回路であり、平均化回路10の出力のうちR信号がFFh(8ビット全て1、即ちR成分が最大値)のとき、信号1を出力し、そうでないとき(00h〜FEh)は信号0を出力する。12及び13もRmax検出回路11と同様の機能を持つGmax検出回路及びBmax検出回路であり、それぞれG信号、B信号の最大値か否かを検出する。14は比率演算回路であり、平均化回路10、Rmax検出回路11、Gmax検出回路12及びBmax検出回路13の出力信号が入力される。比率演算回路14は、入力されるR,G,B信号の比率を演算し、各色6ビットの比率データとして出力する。16はバックアップ用のバッテリであり、装置の電源が落されたときも、メモリ15に所定の電圧を与え保存したデータが消去されないように具備されたものである。
【0035】
図4は、比率データの算出ルールの表を示す。この図4からわかるように、比率算出の際、基準となる色をRGBのいずれにするかを決定する決定要因はRmax検出回路11〜Bmax検出回路13の出力による。
【0036】
図4においてType1は、Rmax検出回路11〜Bmax検出回路13がすべて0を出力する場合である。このときは、2番目にデータが大きい色を基準にして、残りの2色を基準に対してどのくらい大きいかを表す。例えば入力するRGBデータがそれぞれ43,A8,67であったときは、Bデータ(67)を基準にするということになる。比率演算回路14の比率データは前述のとおり6ビットであるから、基準データを中間の値である20hと定める。その他の色(ここではRとG)に関しては基準に対して×1/4〜×4までの比を6ビットで表現することを考え、×1/4を00h、×4をFFhにあてると、データの1ステップの差が基準値に対する0.0625倍の差となる。つまり、(R,G,B)=(43,A8,67)ならば比率演算回路14から出力するRGBの各比率データは、
R:G:B=0.6505:1.6311:1であるので、近似して(R,G,B)=(1Ah,2Ah,20h)となる。
【0037】
Type2〜4は、Rmax検出回路11〜Bmax検出回路13のうちいずれか1回路のみ1を出力する場合である。このときは、最大値を示す色(1を出力する回路に対する色)を基準値20hとして、残りの2色を基準に対してどのくらい大きいかを示す。
【0038】
Type5〜7は、Rmax検出回路11〜Bmax検出回路部13のうちいずれか2回路が1を出力する場合である。このときは、大きさが1番目と2番目のデータはともにFFhなので、これを基準値20hとする。当然、最小値を示す色は20hより小さい値が算出される。このようなマーカ色は後段の色コード判定回路54により判定される色コードが、最小値を示す色の大きさの情報のみで判定されることになるが、例えば、Type7に相当する色は、極端にマゼンタ成分が多い色であり、このような色特性を有する市場で販売されているマーカの種類は、せいぜい1〜2種類であるので判別は容易である。
【0039】
Type8は、Rmax検出回路11〜Bmax検出回路13が全て1を出力する場合である。このようなデータは、純白のデータであるため、所定のパッジ位置にマーカが塗られていないことを示す。もしも、Type8に相当するデータが入力した場合は、オペレータに対してブザーによる警告を出すように不図示の制御回路で制御を行う。
【0040】
平均化回路10は、図2に示した色パッジを61a,61b,61c,62a,62b,62c…の順に入力してゆく。緑マーカのRGBの比率は61a,61b,61cによって決定されるが、図5(A)に示すようにどの信号もFFhより小さく、またパッジの差による比率の変化はほどんどない。よって、3つのパッジの比率の平均値として、比率演算回路14より(R,G,B)=(1Ah,2Ah,20h)を出力してメモリ15にデータを書き込む。
【0041】
これに対して、図2の色パッジ62a〜62cのピンクマーカによる色パッジの読み取りデータは、図5(B)のようになっており、R信号が1度塗りと2度塗りのときFFh,B信号が1度塗りのときFFhとなっている。従ってパッジの差による比率が62a〜62cでそれぞれ異なっている。これは、ピンクマーカがR(赤)の補色であるC(シアン)成分及びG(緑)の補色であるY(イエロー)をほとんど含んでいないために起こる現象である。このように、Rmax検出回路11〜Bmax検出回路13の出力のうち、ひとつでも1が出力されれば、0が出力されたパッジのデータは無視することにして、1の数が多いパッジのデータを処理して比率計算を行う。
【0042】
図6は、比率演算回路14においてどのデータを使用して計算を行うかを決定する処理のフローチャートである。
【0043】
Step1ではまず、3種のパッジを読み込んだときのRmax検出回路11〜Bmax検出回路13の出力に1が現れたものがあるかどうかを検出する。1が現れていなければ、Noに進み図4の表に従い、Type1の条件に従って平均比率を算出する(Step1a)。図2中の緑のパッジ61a〜61cはこの条件に相当する。Step1でひとつでも1が現れていればStep2に進む。
【0044】
Step2ではRmax検出回路11〜Bmax検出回路13の出力に現れた「1」の数が3つのパッジとも等しいかどうかを検知する。Yesであれば、図4の表に従い、比率の平均を算出する(Step2a)。Noであれば、Step3に進む。Step3ではユーザが所定位置にマーカ着色しているかどうかを検出する。即ち、Rmax検出回路11〜Bmax検出回路13の出力に現れた「1」の数が3のパッジがあればYesに進み、ブザーによる警告を発生する(Step3a)。これは、図4のType8に相当する。Noであれば、Step4に進む。
【0045】
Step1で、FFhとなる色の個数が最低1個は存在することが検出され、Step2で、FFhとなる色の個数が3つのパッジで同一でないことが検出され、Step3で、FFhとなる色の個数が3であるパッジが3つのパッジに存在しないことが検出されているので、Step4ではRmax検出回路11〜Bmax検出回路13の出力に現れた「1」の数の組み合せは、2個−*個−*個(順不同)または2個−2個−*個(順不同)の二通りしか存在しない。ここで*個とは1個または0個を意味している。Step4では、2個−*個−*個の組み合せのときには2個があらわれたパッジのデータのみを使用し、図4の表に従って比率を計算する(Step4a)。また、2個−2個−*個の組み合せのときには2個があらわれたパッジの2データを使用し、それぞれ図4の表に従って比率を計算し、両者の平均比率データを算出する(Step4b)。
【0046】
例えば、図5(B)で示したピンクマーカによるパッジ62aの入力データが(R,G,B)=(FFh,8Ch,FFh)、パッジ62bの入力データが(R,G,B)=(FFh,4Ah,D5h)、パッジ62cの入力データが(R,G,B)=(FFh,2Eh,8Eh)であったとすると、図6におけるStep4aの2個−*個−*個の処理が行われる。即ち、図4のType6に対応し、パッジ62aの入力データ(R,G,B)=(FFh,8Ch,FFh)のみにより導かれる比率データ(R,G,B)=(20h,11h,20h)が算出される。
【0047】
このようにして算出された比率データは、図3のメモリ15に保存される。メモリ15は、例えばRAMで構成し、このRAMのアドレスは登録を行うマーカの数だけ用意されていれば良い。メモリ15は不図示のCPUの制御を受け、必要に応じてデータが読み出され、そのデータがCPUを経由して色コード判定回路54に送出される。続いて、色コード判定回路54の動作を説明する。
【0048】
図7は、色コード判定回路54の構成を示す図である。同図において116〜119はそれぞれRmax検出回路、Gmax検出回路、Bmax検出回路及び比率演算回路であり、図3で示したRmax検出回路11、Gmax検出回路12、Bmax検出回路13及び比率検出回路14と同一機能を有する。111aは、入力される比率演算回路119の出力データが緑マーカの比率かどうかを判定するコンパレータである。同様に、111b,111c,…も、それぞれ入力するデータが、単一のマーカ色に対応した比率であるかどうかを判定するコンパレータであり、登録/判定を行うマーカの数だけ具備している。各コンパレータのB入力には図3中のメモリ15から読み出されたマーカ毎の比率データが書き込まれたレジスタ112a,112b,112c,…が接続されている。
【0049】
例えば、レジスタ112aには緑マーカの比率データが書き込まれており、レジスタ112bにはピンクマーカの比率データが書き込まれている。コンパレータ111a,111b,111c…は、A端子に入力されるデータとB端子に入力されるデータが近似しているときは、信号「1」を出力する。例えば、RGBの各々の比率データが±2の範囲内の差であれば、信号「1」を出力するように不図示のCPUより制御を受ける。
【0050】
しかし、マーカ色を登録する際に、図3に示したマーカ色登録回路中の比率演算回路14にRmax検出回路11〜Bmax検出回路13のいずれかひとつでも「1」が出力されていたならば、「1」の個数により近似範囲を調整する。即ち、「1」の個数が1個ならば、RGBの各々の比率データが±4の範囲内の差であれば各々のコンパレータが1を出力するように制御し、「1」の個数が2個ならば、RGBの各々の比率データが±8の範囲内の差であれば各々のコンパレータが1を出力するように制御する。
【0051】
このように「1」の個数によりコンパレータの制御範囲を換えることにより、前述のピンクマーカ等の重ね塗りの状態によりRGBの比率が異なるマーカ色についても色の判定が正しく行われる。ピンクマーカの例を挙げれば、RGBの各々の比率データが±8の範囲内の差でコンパレータが「1」を出力するように設定すれば、図5(B)の62b及び62cの比率データが入力されても、コンパレータ111bは「1」を出力する。
【0052】
コンパレータ111a,111b,111c…の出力は、それぞれANDゲート113a,113b,113c…に入力する。ANDゲート113a,113b,113c…のもう一方の入力にはあらかじめ決められた色コードデータが設定されたレジスタ114a,114b,114c,…が接続されている。例えば、レジスタ114aには緑色のマーカの色コードデータ(仮に001とする)が設定されており、レジスタ114bにはピンク色のマーカの色コードデータ(仮に002とする)が設定されている。
【0053】
115は、ORゲートであり、ANDゲート113a,113b,113c…の出力がすべて入力されている。即ち、比率演算回路119から出力する比率データにより信号「1」を出力するコンパレータは、111a,111b,111c…のうち1個だけであるから、ORゲート115から出力するデータは、読み取りを行っているマーカの色に対応したデータが出力される。
【0054】
そして、OR回路115の出力は、色コード判定回路54の出力として、前述したように領域判定回路56に入力され、読み取っている領域がノーマル、ライン又はペイント領域のいずれの領域に属しているかが判定される。領域判定回路56の出力は、出力色判定回路57に入力され、色コードと領域モードに従って出力する色を決定し、決定した色に応じた8ビットの画像データに変換して次段の画像処理回路にデータを送出する。
【0055】
上述した実施例においては、色パッジシートを図2のフォーマットで色塗りするようにしたが、例えば図8のフォーマットを用いるようにしてもよい。これにより色塗りムラが少なくなり、色塗り領域も少なくて済むので、都合が良い。図8において、121〜123は黒枠であり、所定の線幅を有している。オペレータは、まずマーカペンにより、黒枠121の内側を塗りつぶす。次に、黒枠122の内側を塗りつぶし、最後に黒枠123の内側を塗りつぶす。
【0056】
このようなフォーマットの色パッジシートを読み取って、マーカ色登録を行うときの読み取りシーケンスについて説明する。読み取られた画像データに黒が検出されたら、色パッジの領域に入ることを示している。検出された黒は、黒枠121であるから黒の次に現れる色データは、1度塗りされたマーカ色である。その次に黒が検出されれば、その黒は黒枠122であるから黒の次に現れる色データは、2度塗りされたマーカ色である。さらに、その後に黒が検出されれば、その黒は黒枠123であるから黒の次に現れる色データは、3度塗りされたマーカ色である。このようにして、1度塗り〜3度塗りのマーカ色の色データを読み取り、マーカ色登録を行えば、色登録の際の読み取り領域が狭いので、高速に色登録を行うことができる。また、黒枠の検出後の色データをマーカ色と認識するので、色パッジシートを原稿台にセットする際、多少位置がずれても正しく色登録を行うことができる。
【0057】
そして、登録された1〜3度塗りの色データに従って、何度塗りかは関係なく同じ色のマーカとして色判定することができる。
【0058】
(第2実施例)
次に本発明の第2実施例を図9〜図30を参照して説明する。
【0059】
まず、本実施例におけるマーカ編集の内容を説明する。モノクロ原稿に色マーカで色付けしてマーカ編集を行うと、図9に示すような出力が得られる。
【0060】
即ち、▲1▼同図上段に示すように黒線で仕切られた閉領域の内側をマーキングする(但し、黒線から1mm以内に隣接してマーキングする必要がある)と、閉領域内がマーカの色で塗りつぶされる。▲2▼また、同図中段に示すように黒線を包含する形でマーキングする(但し、黒線の周りは1mm以上の幅で塗りつぶす必要がある)と、黒線がマーカの色で置き換えられる。▲3▼さらに、同図下段に示すように上記▲1▼と▲2▼の複合型で、外側の黒線で仕切られた閉領域の内側を第1の色でマーキングするとともに内側の黒線を包含する形で第2の色でマーキングすると、外側の黒線の内部は第1の色で塗りつぶされ、内側の黒線は第2の色に置換される。
【0061】
これらの処理を実現するために本実施例で用いたフルカラー複写機の画像処理部の構成を図10に示す。221は原稿画像を読み取り、RGBデータを出力するCCDラインセンサ、222はRGBデータを増幅するアンプ回路、223はRGBデータを8ビットのディジタル値に量子化するAD変換器、224は画像データをシェーディング補正するシェーディング補正回路、225は読み取られたRGBデータの位置ずれを補正する色ずれ補正回路、226は黒文字を検出して、黒文字信号を生成する黒文字検出回路、227はマーカ編集回路、228は拡大縮小の変倍を行う変倍回路、229は空間フィルタ233や二値化回路235で用いられる信号を生成する制御信号生成回路、230はLOGテーブルに従ってLOG変換を行うLOG変換回路、231はLOG変換後のCMY(Cyan,Magenta,Yellow)データの中から最小値を抽出する最小値抽出回路、232は行列演算によりマスキングとUCRを行うマスキング・UCR回路、233はエッジ強調またはスムージング処理を行う空間フィルタ回路、234は入力信号をガンマ(γ)変換するガンマ変換回路、235はディザ法などで8ビットの多値データを二値化する二値化回路、236はCMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、黒)各ヘッド間の調整をするヘッドタイミング調整回路、237は調整されたヘッドを駆動するヘッドドライバ回路、238はCMYK4色のBJインクヘッドである。ただし、マーカ編集処理を行う場合、LOG変換回路230、マスキング・UCR回路232は何も処理をしない(スルー)ように設定される。
【0062】
次に、マーカ編集回路227の詳細を図11の全体ブロック図を用いて説明する。R,G,Bの8ビットより構成されている画像データは、LOG変換回路240によりC,M,Yの8ビット画像データに変換され、白黒判別回路241に入る。ここでは、白黒、各しきい値を持っており、CMYの各データ値が全て白のしきい値以下ならばその画素は白と判断される。また、各データ値全てが黒のしきい値以上なら黒と判断される。これらにより、白あるいは黒と判断された画素については判定色コード化回路244でコード化される。
【0063】
白黒以外の色と判断された画素は、主色抽出回路242へ入力される。この回路ではCMY成分中、どの成分が最大であるかを出力する。次に色判定回路243で色判別が行われる。判別方法は、図12に示すように主色抽出回路242で得られた主色(シアン、マゼンタ、イエロー)毎に、残りの2成分との比を求め、CMY各成分の比で色を決定する。例えば、主色がM(マゼンタ)でC(シアン)がその3/8以下、かつY(イエロー)がその5/8以下ならばその画素をP(ピンク)と判定する。CMYがほぼ1:1:1の比である部分は黒と判断するが、これは黒のしきい値レベルに達していない薄い黒(グレー)も黒と判断するためである。つまり、黒については2段階で判断していることになる。図12の色判別に示している主色と主色に対する残りの2成分の比により色を判別する表において、読みとった画像を何色に判別するかは可変できるようになっている。色を判別する詳細については後で述べる。
【0064】
判定にCMYの成分比を用いたのは、各色毎に特定のCMY成分比を持っており、かつその値が、色の濃淡に対してほぼ一定であるからである。
【0065】
色判定回路243の出力は判定色コード化回路244により図13に示すように4ビットの色コードに変換され、該変換された色コードはマーカ色判別回路251から孤立色除去回路252に入力される。
【0066】
孤立色除去回路252では、図14に示すようにまわりの3×3のマトリクス上の画素を見て中央の注目画素*が決定され、以下の1)〜4)の処理が順次実行される。
【0067】
1)*≠Aかつ*≠Hのときは、*=Aとする
2)*≠Cかつ*≠Fのときは、*=Cとする
3)*≠Dかつ*≠Eのときは、*=Dとする
4)*≠Bかつ*≠Gのときは、*=Bとする
即ち、1)2)3)4)の順番で実行され、条件にあえば注目画素が変更される。ここで、245は、注目画素の周囲8画素を記憶しておく遅延回路であり、246は上記の画素間の比較を行う比較回路である。注目画素が左あるいは上の画素に変更する理由は、主走査方向が左→右、副走査方向が上→下であるために、注目画素が決定される時点で、それより左、あるいは上の画素は孤立色除去処理が終了しているからである。
【0068】
この処理により、ノイズの多い画像に対してはノイズを除去することができる。しかし、この処理を加えると1画素単位の細線が除去される可能性があり、細い黒文字の再現性が問題となるので、黒画素に対しては孤立色除去処理を適用する場合と適用しない場合の2つのモードを設けている。孤立色除去回路の出力は、4ビットの色コードとして領域判定部253に入力される。
【0069】
領域判定部253の領域判定回路247は、画像の各画素が以下の4つの領域のどの領域であるかを決定するものである。
【0070】
1)ノーマル領域
2)ペイント領域
3)ライン領域
4)ペイント内ライン領域
ノーマル領域は、何もしない領域であり、初期値はこの領域に設定されている。ペイント領域は閉区間内を塗りつぶす領域である。但し、境界の黒線上ではノーマル領域とする。ライン領域は、黒色をマーカ色に置き換える領域である。ペイント内ライン領域は、ペイント領域とライン領域の複合型であり、ペイント領域内のライン領域である。
【0071】
この領域判定回路253は、図15に示すように、副走査方向に128個の画素のセンサを有し、各画素について読み取ったデータと主走査方向の一つ前の画素の遅延データをメモリに記憶している。遅延データには、ペイント領域時の色を決定するペイント決定色、ラインあるいは入れ子ライン領域時の色を決定するライン決定色、領域、センサ移動方向の黒画素からの距離を記憶しておく横黒カウンタ、色画素からの距離を記憶しておく横色カウンタ、一ライン前に読み込んだ画素の色である前色がある。これらのデータと読み込まれたデータの論理合成により、印字色が決定される。その詳細は図16〜19に示す。
【0072】
例えば、図17に示すように、前色が白でペイント領域にあり、今色がマーカ色の場合、縦横の黒距離カウンタを見て、黒から近いと判断されるとペイント領域であると判定して、今色を印字し、ペイント決定色に今色をセットするといった手順で処理を進める。図16〜19で注目すべき点は、カウンタを用いている点で、これによりマーキングを厳密に黒に隣接しなくてもある条件以内であれば黒に隣接しているものとみなして処理を行うことができる。マーキングの条件として、はみ出しでなく隙間を許すことを採用した理由として、はみ出しは円グラフのようなものに対しての色付けができないことや、隙間は修正が可能であることなどが挙げられる。
【0073】
また、カウンタは縦横しか見ていないため、仮に斜め方向にマーカ色か黒色が隣接していても縦横カウンタでは検知できない。この場合誤動作するため、領域判定部では図20に示すような処理を追加して回避している。その方法は、注目画素が白で、前色がマーカ色でかつペイント領域で、縦横いずれかが黒から近ければ注目画素を前色で置き換えるものである。これにより、黒色とマーカ色の間の白い隙間はあたかもマーカ色であるかのように処理され、斜め方向の隙間にも対処できる。
【0074】
また、記憶データに縦方向の距離カウンタが含まれていないのは、現在読み取っているセンサ内で計算可能であるために、記憶しておく必要がないからである。
【0075】
以上に述べた処理後の色コードは出力変換回路254に入力される。このデータはセレクタ248により、領域判定する前の色コードと切り替えられて、濃度生成・印字色判定回路249に入力される。セレクタ248は、色判定のみを行ったデータを出力できるようにするために設けられている。
【0076】
濃度生成・印字色判定回路249は4ビットの色コードをあらかじめ設定された出力色テーブルを用いてCMYKのデータに変換する回路である。また黒に関しては、ハーフトーンを実現するために、マーカ編集回路227に入力されるM(マゼンタ)の濃度データを用いる。
【0077】
ここで、出力変換モードには次の3モードがある。
【0078】
1)標準バックモード
2)標準ブルーバックモード
3)特別ブルーバックモード
標準バックモードは領域判定回路252で生成された色コードを図21に示すCMYKの出力色テーブルで変換して出力するモードである。標準ブルーバックモードは標準バックモードの白と出力決定された画素をブルーに、また黒と出力決定された画素を白にそれぞれ変換して出力するもので、OHP原稿で用いるブルーバック原稿を作成できる。特別ブルーバックモードは標準ブルーバックモードとほぼ同じであるが、ペイント領域内の黒だけはそのまま出力するモードである。
【0079】
以上の処理を終えたCMYKデータは、図10に示した各回路ブロックにおいて変倍、マスキング、二値化などの処理が行われ、プリンタ部で印字される。
【0080】
次に、出力変換回路254におけるブルーバック処理を具体的に説明する。
【0081】
ここでは図22(a)のような原稿を考える。これは画像を横から見たもので縦軸は濃度を表す。左側の黒線は閉区間の黒線であり、その横がマーカで色付けされている。また、右側の黒はペイント領域内にある黒文字である。黒の濃度が山型をしているのは、白と黒の境界付近では黒の濃度が低いことを示している。このような画像にマーカ編集処理を施すと、同図(b)のような出力結果が得られる。
【0082】
まず、閉区間を表す黒線の左側は、ノーマル領域であるのでバックグランド色であるブルーとなる。次に黒線は反転濃度を用いて白を表現するために黒線のエッジ部分が黒くなる。次にペイント領域内の白は塗られたマーカ色となる。黒文字は黒線と同様、反転濃度を用いてエッジの部分が黒くなった白文字となる。仮にマーカ色がピンクのような明るい色の場合、ピンク色と白文字の間に発生する黒が目立ってしまう。
【0083】
この問題を解決するために、先ほど述べた記憶データの領域情報とペイント決定色を用いて処理を行うと同図(c)のようになる。黒線は領域情報としてノーマル領域を持ち、ペイント決定色は持っていないのでバックグランド色であるブルーで反転濃度を生成する。黒文字は、領域情報としペイント領域、ペイント決定色としてマーカ色を持っているので、マーカ決定色と白の間でハーフトーン濃度を生成するので文字のエッジはペイント決定色の濃いレベルで埋められることになり、ゴミが発生しない(エッジに黒が発生することを防止できる)。
【0084】
この動作を表にしたものを図23に示す。上記で説明した部分印字決定色が黒でペイント領域でブルーバックの時に対応する。この時黒の濃度情報から反転濃度を生成し、ペイント決定色であるところのペイントテーブルに反転濃度を係数として掛けることにより文字のエッジを周囲の色に合わせてハーフトーン処理することができる。なお、この図においてA,B,Cは濃度を調整するために設定される定数である。
【0085】
次に、原稿の端に塗られたマーカを読み取り、色判定用パラメータを設定する方法について以下に述べる。本実施例において、判別するマーカ色は、シアン、グリーン、ブルー、レッド、ピンク、バイオレット、オレンジ、イエローの8色に定義し、図24に示すように原稿の先端においてマーカで塗る位置も指定されている。マーカ編集モードが選択されコピー動作を開始するためのコピーボタンが押されると、画像読み取りセンサ221の各画素のムラを取るためのシェーディング補正が実施される。シェーディング補正が終了後、画像読み取りセンサ221を図24に示すシアンのマーカが塗られている原稿が置かれている位置に移動させ図25に示すヒストグラムを作成する。ヒストグラムは、主色抽出回路242で得られた図12に示す主色毎に、残り2成分との比を求めそれぞれの度数分布を示したものである。
【0086】
度数分布の作成方法について図26を参照して説明する。図26は、色判定回路243の構成を示すブロック図であり、シアンのマーカで塗られている原稿を読み取って主色抽出回路242で主色がシアンであると判定されている場合を示す。
【0087】
261は、主色であるシアンの画像データを記憶している8ビットのレジスタであり、262は、マゼンタの画像データを記憶している8ビットのレジスタであり、263は、イエローの画像データを記憶している8ビットのレジスタである。各8ビットレジスタ261、262、263の入力は、白黒判別回路241の出力に接続されている。
【0088】
264は、レジスタ261および262に記憶されているシアンとマゼンタの画像データをもとにマゼンタとシアンの比を求め、3ビットの信号を出力する除算ブロックであり、265は、レジスタ261および263に記憶されているシアンとイエローの画像データをもとにイエローとシアンの比を求め3ビットの信号を出力する除算ブロックである。266は、除算ブロック264および265によって得られた主色のシアンに対するマゼンタおよびイエローの比をアドレスバスに入力し度数分布を記憶して置くためのSRAMである。267は、入力端子AがH(高)レベルの場合データバス上のデータを読み込み、読み込んだデータに1を加算して記憶し、入力端子AがL(低)レベルの場合記憶しているデータをデータバス上に出力する機能を有する演算部である。268は読み書き制御部であり、SRAM266の読み書きを制御する機能を有する。
【0089】
すなわち、主色がシアンであり、原稿の1画素に対応するシアン、マゼンタ、イエロー3色がレジスタ261、262及び263に記憶され、読み書き制御部268は、除算ブロック264と265で演算が終了したタイミングで出力端子RをLレベルにする。読み書き制御部268の出力端子RがLレベルになることにより、SRAM266は、リード状態になり、アドレスバスで設定されている番地のデータをデータバスに出力し、演算部267においてデータバスのデータに1加算が行われる。次に、演算部267における加算処理が終了したタイミングで読み書き制御部268の出力端子RをHレベル、出力端子WをLレベルにする。読み書き制御部268の出力端子WがLレベルになることにより、SRAM266のデータバスが入力状態になるとともに、演算部267に記憶されているデータがデータバスに出力される。次に、読み書き制御部268は、出力端子WをHレベルにする。読み書き制御部268の出力端子WがLレベルからHレベルに変化することにより、データバス上のデータがSRAM266に記憶される。同様に主色がマゼンタ、主色がイエローについても度数分布表が作成される。
【0090】
以上原稿に塗られているシアンの1画素に対する度数分布表作成処理について説明したが本実施例では前記度数分布を求める処理を100回繰り返し原稿に塗られているシアンの100点をサンプルして度数分布表を作成している。
【0091】
次に、画像読み取りセンサ221を図24に示すグリーンのマーカが塗られている原稿が置かれている位置に移動させ、原稿にグリーンが塗られている場合の主色シアン、マゼンタ、イエローそれぞれに対する度数分布表を作成する。以後同様にブルー、レッド、ピンク、バイオレット、オレンジ、イエローのマーカで塗られている位置の画像データを読み取り、度数分布表を作成する。度数分布表を作成するに当たり、もし、目的とする位置にマーカが塗られていない場合は、塗られていない色に対する標準の度数分布を代用する。最後に、主色シアン、マゼンタ、イエローそれぞれの度数分布において共通に度数が0で、かつ、前もって決められている範囲(シアン、マゼンタ、イエローが共に濃い範囲で薄い黒に対応する領域)の領域を黒となるように度数分布表を修正する。
【0092】
次に、度数分布表よりマーカの読み取り色判定用パラメータを作成する方法について図28の概念図と図27のフローを用いて述べる。図28(A)は、主色Cについて得られた度数分布表(原稿に塗られたシアン、グリーン、ブルー、レッド、ピンク、バイオレット、オレンジ、イエロー、黒を読み取りそれぞれの色に対し作成したものを合成しもの)である。度数分布表は、SRAM266にそれぞれの色毎に記憶されており、図示しないCPUによって読み出され、図27に示すフローに従って処理される。
【0093】
ステップS1においては、黒とブルーの領域が隣接しているかを判定する。領域が隣接している場合は、ステップS2へ進み、領域が隣接していない場合は、ステップS11へ進む。
【0094】
ステップS2においては、黒とブルーの領域の隣接状態を判断する。もし、黒とブルーの領域が重なり合っている場合は、ステップS4へ進み、黒とブルーの領域間に隙間(度数0)がある場合(図28(A)は隙間がある状態を示す)は、ステップS3へ進む。
【0095】
ステップS3においては、黒とブルーの領域間の中心を出し、領域間の中心を黒とブルーの境界としては、ステップS5へ進む。
【0096】
ステップS4においては、黒とブルーの領域が重なり合っている間の中心を出し、重なり合っている間の中心を黒とブルーの境界として、ステップS5へ進む。
【0097】
ステップS5においては、黒とブルーの領域が隣接している部分に対して境界を決定する処理がすべて終了したかを判断する。境界を決定する処理がすべて終了している場合は、ステップS11へ進み、境界を決定する処理が残っている場合は、ステップS2に戻る。図28(B)は、ステップS5が終了した時の度数分布表を示す。
【0098】
ステップS11においては、黒とグリーンの領域が隣接しているかを判定する。領域が隣接している場合は、ステップS12へ進み、領域が隣接していない場合は、ステップS21へ進む。
【0099】
ステップS12においては、黒とグリーンの領域の隣接状態を判断する。もし、黒とグリーンの領域が重なり合っている場合は、ステップS14へ進み、黒とグリーンの領域間に隙間(度数0)がある場合は、ステップS13へ進む。
【0100】
ステップS13においては、黒とグリーンの領域間の中心を出し、領域間の中心を黒とグリーンの境界として、ステップS15へ進む。
【0101】
ステップS14においては、黒とグリーンの領域が重なり合っている間の中心を出し、重なり合っている間の中心を黒とグリーンの境界として、ステップS15へ進む。
【0102】
ステップS15においては、黒とグリーンの領域が隣接している部分に対して境界を決定する処理がすべて終了したかを判断する。境界を決定する処理がすべて終了している場合は、ステップS21へ進み、境界を決定する処理が残っている場合は、ステップS12にもどる。図28(C)は、ステップS15が終了した時の度数分布表を示す。
【0103】
ステップS21においては、ブルーとグリーンの領域が隣接しているかを判定する。領域が隣接している場合は、ステップS22へ進み、領域が隣接していない場合は、ステップS31へ進む。
【0104】
ステップS22においては、ブルーとグリーンの領域の隣接状態を判断する。もし、ブルーとグリーンの領域が重なり合っている場合は、ステップS24へ進み、ブルーとグリーンの領域間に隙間(度数0)がある場合は、ステップS23へ進む。
【0105】
ステップS23においては、ブルーとグリーンの領域間の中心を出し、領域間の中心をブルーとグリーンの境界とし、ステップS25へ進む。
【0106】
ステップS24においては、ブルーとグリーンの領域が重なり合っている間の中心を出し、重なり合っている間の中心をブルーとグリーンの境界として、ステップS25へ進む。
【0107】
ステップS25においては、ブルーとグリーンの領域が隣接している部分に対して境界を決定する処理がすべて終了したかを判断する。境界を決定する処理がすべて終了している場合は、ステップS31へ進み、境界を決定する処理が残っている場合は、ステップS22に戻る。図28(D)は、ステップS25が終了した時の度数分布表を示す。
【0108】
ステップS31においては、ブルーとシアンの領域が隣接しているかを判定する。領域が隣接している場合は、ステップS32へ進み、領域が隣接していない場合は、ステップS41へ進む。
【0109】
ステップS32においては、ブルーとシアンの領域の隣接状態を判断する。もし、ブルーとシアンの領域が重なり合っている場合は、ステップS34へ進み、ブルーとシアンの領域間に隙間(度数0)がある場合は、ステップS33へ進む。
【0110】
ステップS33においては、ブルーとシアンの領域間の中心を出し、領域間の中心をブルーとシアンの境界として、ステップS35へ進む。
【0111】
ステップS34においては、ブルーとシアンの領域が重なり合っている間の中心を出し、重なり合っている間の中心をブルーとシアンの境界として、ステップS35へ進む。
【0112】
ステップS35においては、ブルーとシアンの領域が隣接している部分に対して境界を決定する処理がすべて終了したかを判断する。境界を決定する処理がすべて終了している場合は、ステップS41へ進み、境界を決定する処理が残っている場合は、ステップS32に戻る。図28(E)は、ステップS35が終了した時の度数分布表を示す。
【0113】
ステップS41においては、グリーンとシアンの領域が隣接しているかを判定する。領域が隣接している場合は、ステップS42へ進み、領域が隣接していない場合は、ステップS51へ進む。
【0114】
ステップS42においては、グリーンとシアンの領域の隣接状態を判断する。もし、グリーンとシアンの領域が重なり合っている場合は、ステップS44へ進み、グリーンとシアンの領域間に隙間(度数0)がある場合は、ステップS43へ進む。
【0115】
ステップS43においては、グリーンとシアンの領域間の中心を出し、領域間の中心をグリーンとシアンの境界として、ステップS45へ進む。
【0116】
ステップS44においては、グリーンとシアンの領域が重なり合っている間の中心を出し、重なり合っている間の中心をグリーンとシアンの境界としステップS45へ進む。
【0117】
ステップS45においては、グリーンとシアンの領域が隣接している部分に対して境界を決定する処理がすべて終了したかを判断する。境界を決定する処理がすべて終了している場合は、ステップS51へ進み、境界を決定する処理が残っている場合は、ステップS42に戻る。図28(F)は、ステップS45が終了した時の度数分布表を示す。
【0118】
ステップS51においては、グリーンとブルーの領域が隣接しているかを判定する。領域が隣接している場合は、ステップS52へ進み、領域が隣接していない場合は、ステップS61へ進む。
【0119】
ステップS52においては、グリーンとブルーの領域の隣接状態を判断する。もし、グリーンとブルーの領域が重なり合っている場合は、ステップS54へ進み、グリーンとシアンの領域間に隙間(度数0)がある場合は、ステップS53へ進む。
【0120】
ステップS53においては、グリーンとブルーの領域間の中心を出し、領域間の中心をグリーンとブルーの境界として、ステップS55へ進む。
【0121】
ステップS54においては、グリーンとブルーの領域が重なり合っている間の中心を出し、重なり合っている間の中心をグリーンとブルーの境界として、ステップS55へ進む。
【0122】
ステップS55においては、グリーンとブルーの領域が隣接している部分に対して境界を決定する処理がすべて終了したかを判断する。境界を決定する処理がすべて終了している場合は、ステップS61へ進み、境界を決定する処理が残っている場合は、ステップS52に戻る。図28(G)は、ステップS55が終了した時の度数分布表を示す。
【0123】
ステップS61においては、主色がシアンについての境界を決定する処理を終了する。同様に主色がマゼンタ、主色がイエローについても境界を決定する処理を実施する。
【0124】
以上原稿の端に塗られたマーカを読み取り色判定用パラメータを設定する処理で得られた結果は、実際のコピー動作において色判定回路243で用いられる。また、原稿の先端にマーカだけが塗られている(黒が無い)場合、前記マーカ処理のルールに従い、原稿の先端のマーカは印字用紙に印字されない。
【0125】
このように実際に原稿上に塗られたマーカを読み取った結果に基づいて設定された色判定パラメータ(例えば図28(G))を用いることにより、用紙の色やマーカの色のばらつきあるいは読み取りセンサの特性のばらつき等の影響を排除して、正確な色判別が可能となる。
【0126】
次に図29及び図30を用いて第2実施例の変形例について説明する。本実施例は、原稿の端に塗られたマーカを読み取り、色判定用パラメータを設定する方法として、色判定用パラメータの基本型を前もって決めておき、原稿の端に塗られたマーカを読み取った結果に応じて、色判定用パラメータの基本型に補正を加える方法採用したものである。
【0127】
図29(A)は、色判定用パラメータの基本型のなかでシアンを主色にしものである。色を判定するパラメータ(以下「領域」とする)の基本型は通常の使用状態においてマーカを塗られた原稿を読み取った場合に分布する範囲となっている。
【0128】
図29(B)は、図29(A)よりシアンとグリーンの領域を抜き出したものである。図29(B)のaは、イエローとマゼンタが零の点を基準として、イエロー方向における標準のシアン領域端までの距離、bはイエローとマゼンタが零の点を基準として、イエロー方向における標準のグリーン領域端までの距離、Zは、色判定パラメータを補正後のシアンとグリーンの境界までの距離である。
【0129】
図29(C)は、原稿の端に塗られたマーカを読み取り、度数分布を作成したものであり、シアン及びグリーンの分布が、標準のシアン領域及び標準のグリーン領域の範囲内に入っている場合を示したものである。cは、イエローとマゼンタが零の点を基準として、イエロー方向におけるシアンの分布端までの距離、dは、イエローとマゼンタが零の点を基準として、イエロー方向におけるグリーンの端までの距離である。図29(D)は、図29(C)におけるシアンの領域とグリーンの領域を補正し、シアンとグリーンの境界Zを示した図であり、
Z=a+(b−a)×(d−b)÷{(a−c)+(d−b)}
の関係が成り立っている。
【0130】
すなわち、標準のシアン領域端と標準のグリーン領域端の距離(b−a)を求め、求めた距離を標準のシアン領域端とシアン分布端間の距離(a−c)と標準のグリーン領域端とグリーン分布端間(d−b)の距離で分割し、シアンとグリーンの境界Zとしている。また、補正後のシアン領域は、同一の記号で示しているが、標準のシアン領域と補正により追加されたシアン領域の区別をつけるため境界に実線を入れてある。同様に補正後のグリーン領域及び図29の以後の図面にも境界を示す実線を入れてある。
【0131】
図29(E)は、シアンの分布が標準のシアン領域をはみ出しグリーンの分布が標準のグリーン領域の範囲内に入っている場合を示したものである。図29(F)は、図29(E)におけるシアンの領域とグリーンの領域を補正し、シアンとグリーンの境界Zを示した図であり
Z=c+(b−c)÷2
の関係が成り立っている。すなわち、シアン分布端と標準のグリーン領域端の中心をシアンとグリーンの境界Zとしている。
【0132】
図29(G)は、グリーンの分布が標準のグリーン領域をはみ出しシアンの分布が標準のシアン領域の範囲内に入っている場合を示しものである。図29(H)は、図29(G)におけるシアンの領域とグリーンの領域を補正し、シアンとグリーンの境界Zを示した図であり
Z=a+(d−a)÷2
の関係が成り立ている。すなわち、グリーン分布端と標準のシアン領域端の中心をシアンとグリーンの境界Zとしている。
【0133】
図30(A)は、グリーンの分布及びシアンの分布が標準のグリーン領域及び標準のシアン領域をともにはみ出している場合を示したものである。図30(B)は、図30(A)におけるシアンの領域とグリーンの領域を補正し、シアンとグリーンの境界Zを示した図であり
Z=c+(d−c)÷2
の関係が成り立っている。すなわち、グリーン分布端とシアン分布端の中心をシアンとグリーンの境界Zとしている。
【0134】
図30(C)は、シアンの分布が標準のシアン領域をはみだし、標準のグリーン領域に入り、グリーンの分布が標準のグリーン領域範囲内に入っている場合を示したものである。図30(D)は、図30(C)におけるシアンの領域とグリーンの領域を補正し、シアンとグリーンの境界Zを示した図であり
Z=b
の関係が成り立っている。すなわち、標準のグリーン領域端を境界Zとしている。
【0135】
図30(E)は、グリーンの分布が標準のグリーン領域をはみだし、標準のシアン領域に入り、シアンの分布が標準のシアン範囲内に入っている場合を示したものである。図30(F)は、図30(E)におけるシアンの領域とグリーンの領域を補正し、シアンとグリーンの境界Zを示した図であり
Z=a
の関係が成り立っている。即ち、標準のシアン領域端を境界Zとしている。
【0136】
図30(G)は、グリーンの分布が標準のグリーン領域をはみ出し、標準のシアン領域に入り、シアンの分布が標準のシアン領域をはみ出し、標準のグリーン領域に入っている場合を示したものである。図30(H)は、図30(G)におけるシアンの領域とグリーンの領域を補正し、シアンとグリーンの境界Zを示した図であり
Z=a+(b−a)÷2
に関係が成り立っている。すなわち、標準のシアン領域端と標準のマゼンタ領域端の中心を境界Zとしている。
【0137】
図30(C)、図30(E)、図30(G)、の場合は、標準のシアン領域にグリーン、または、標準のグリーン領域にシアンというように異なる色のマーカが入る可能性があるため、上述したように境界を決定するとともに例えば操作部(図示せず)の液晶にシアンのマーカがグリーンとして検知される可能性があることを表示し、使用者に注意を促す処置を実施する。また、図29、30においては、主色Cのシアンとグリーンの境界を決定する例について述べてあるが主色Cの他の色、主色M、主色Yに対しても同様の処理を施し境界を決定することは言うまでもない。
【0138】
次に上述した第2実施例において、カラ−マ−キングに用いられているマ−カペンの色を判定するための色判定パラメ−タを当該複写機が出荷される国や地域に応じて最適化する第1の手法を図31及び図32を用いて説明する。
【0139】
図31は、複写機の操作部の変倍設定の例を示したものである。日本の場合、用紙としてA、B系列が用いられているため、変倍組み合せとしてA4とB4、A4とA3、B4とA3の3種類が考えられる。アメリカの場合、用紙としてインチ系が用いられているため、変倍の組み合せとしてLTRとLGLが考えられる。ヨ−ロッパの場合、用紙としてA系列が用いられているため、変倍の組み合わせとしてA4とA3が考えられる。すなわち、変倍設定だけを考えてみても、地域により、変倍の組み合せの数や、縮小率、拡大率が異なっていることがわかる。現在、複写機の変倍に対する制御方法は、地域毎に独立したソフトを作成するのではなく、全世界共通でソフトを作成し、地域向けのコードを登録しておき、地域向けのコードを基にして変倍の組み合せ数や、縮小率、拡大率を対応させている。すなわち、現在販売されている複写機の制御部には、地域向けのコードが使用されている。
【0140】
図32は、地域に対応して色判定用パラメータを設定するフローを示しものであり、複写機の使用者がマーカ編集を選択し、複写ボタンを押してからの処理について記述したものである。
【0141】
ステップS101では、複写機内に記憶されている地域向けコードがヨーロッパになっているかを判断する。地域向けコードがヨーロッパになっている場合は、色判定パラメータをヨーロッパ向け仕様とする(ステップS108)。具体的には、原稿に塗られているマーカの色を判定するためのパラメータ(前もって用意されている)の中からヨーロッパ向けのものを読み出す。
【0142】
ステップS101で、地域向けコードがヨーロッパになっていない場合は、さらに地域向けコードがアメリカになっているか否かを判断する(ステップS102)。なお本実施例においては、地域向けコードは、変倍回路228とマーカ編集回路227で共通に使用しているが、マーカ編集回路227として独自に地域向けコードを使用してもよい。
【0143】
ステップS102で、地域向けコードがアメリカになっている場合は、色判定パラメータをアメリカ向け仕様とし(ステップS107)、地域向けコードがアメリカになっていない場合は、色判定コードを日本向け仕様とする(ステップS103)。
【0144】
ステップS103,S107又はS108を実行した後はステップS104に進み、色判定パラメータの設定、すなわち、図12に示す色判定の領域の設定を行う。続くステップS105では、マーカ編集による複写動作を実施する。詳細なマーカ編集の複写動作は、前述した通りである。マーカ編集の複写動作が終了すると、複写動作を終了する。
【0145】
次に色判定パラメ−タを当該複写機が出荷される国や地域に応じて最適化する第2の手法を、図33(A)を用いて説明する。この手法は、印字ヘッドに地域をあらわす情報を付加するようにしたものである。
【0146】
図33(A)は、印字ヘッドK(301)の構成を示す。印字ヘッドKの左端部に仕向地を示す突起を形成する部分を設け、スイッチSW1及びSW2により突起の有無を検知することで仕向地を判断できるようにしたものである。例えば、スイッチSW1及びSW2が共にOFFの場合は日本、スイッチSW1がONでスイッチSW2がOFFの場合はアメリカ、スイッチSW1がOFFでスイッチSW2がONの場合はヨーロッパ、スイッチSW1及びSW2が共にONの場合はその他の地域というように色判定のパラメータを設定する。
【0147】
このように、印字ヘッドに仕向地を示す情報を付加する構成とすることにより、マーカの処理に関して複写機本体を全世界共通にすることが可能になる。
【0148】
次に色判定パラメ−タを当該複写機が出荷される国や地域に応じて最適化する第3の手法を、図33(B)と図34を用いて説明する。この手法は、第2の手法と同様に印字ヘッドに地域をあらわす情報を付加するようにしたものである。
【0149】
図33(B)は、印字ヘッドY(302)の構成を示す。印字ヘッドYの左端部にマーカの色がY主色の場合の色判定パラメータを示す突起を形成する部分をもうけ、スイッチSW−Y1からSW−Y320により突起の有無を検知することで地域に対応した色判定パラメータを設定できるようにしたものである。図34(A)にYが主色の場合の標準のパラメータを示す。Yが主色の場合、標準状態においは、イエロー、オレンジ、レッド、グリーン、黒の5色の可能性がある。Yが主色の場合、ある一つのエリア(同図中の1つの升)を考えた時、前記5色の内どれか一つが選択される。
【0150】
よって、スイッチSW−Y1からSW−Y5を一つのエリアに割り当て、そのエリアの判定色をスイッチSW−Y1からSW−Y5のいずれがONしているか判定し、ONしているSWの番号に対応した色を判定色として設定するように構成する。本実施例においては、一つの主色に対して64(8×8)のエリアがあるため320個(64×5)のSWと、判定色を指定する突起が64個必要になる。また、地域ごとに突起の位置を調整する必要がある。そこで、実際の複写機においては、ヘッドに不揮発性メモリを搭載し、その不揮発性メモリに色判定パラメータを記憶し、複写機の電源をONしたときにヘッドの不揮発性メモリより色判定パラメータを読み出して色判定パラメータを設定するように構成する。
【0151】
図34(B)は、第3の手法により設定されたある地域向けの色判定パラメータの例を示す図である。本地域においては、オレンジ色のマーカペンは使用していないが、オレンジに近いレッド(この地域では、レッドとして認識されている)が多く用いられており、レッドをオレンジに誤判定されることを防ぐため、オレンジ色の判定領域をレッド色に定義した例を示している。
【0152】
この結果、標準設定では、8色のマーカ色を判定できるところを7色に制限することによりマーカ色の誤判定を少なくすることが可能となる。
【0153】
また、Y主色について説明をしたが、C主色、M主色についても同様の処理が可能なことは言うまでもない。
【0154】
なお、上述した第3の手法を採用する場合は、印字ヘッドに格納されているインクの色と、色判定パラメータの主色の色とを同一とすることが望ましい。
【0155】
次に色判定パラメ−タを当該複写機が出荷される国や地域に応じて最適化する第4の手法を、図35及び図36を用いて説明する。この手法は、AC電源ラインの特性をもとに地域を判定し、得られた地域情報をもとにして、色判定パラメータを設定するものである。
【0156】
図35は、AC電源の特性を調べるための構成を示すブロック図である。AC電源としては、電圧100Vから240V、周波数50HZ、60HZが対象となる。同図において、AC電源は、減衰器311に加えられ、減衰器311により電圧が1000分の1に減衰され、CPU312のAD変換器に入力される。AD変換器に入力された信号は、図36に示すフローにもとづいて処理される。図36は、AC電源の特性より複写機が使用されている地域を判定するフローを示す。
【0157】
ステップS111では、電圧の最大値から最小値を減算し、次いで、電圧の最大値から最小値までの時間を計測する(ステップS112)。続くステップS113では、AC電源の電圧が200V系か否かを判定する。すなわち、ステップS111で得られた電圧のピーク値に減衰器311の減衰率の逆数を掛け、得られた値が、500V以上だったら電源電圧が200V系であると判断し、ステップS118に進む。得られた値が500V以下だったら電源電圧が200V系ではないと判断し、ステップS114に進む。
【0158】
ステップS114では、AC電源の電圧が115V系かを判定する。すなわち、ステップS111で得られた電圧のピーク値に減衰器311の減衰率の逆数を掛け、得られた値が、300V以上だったら電源電圧が115V系であると判断し、色判定パラメータをアメリカ向け仕様とする(ステップS117)。一方、得られた値が300V以下だったら電源電圧が200V系ではないと判断し、色判定パラメータを日本向け仕様とする(ステップS115)。具体的には、原稿に塗られているマーカの色を判定するためのパラメータ(前もって用意されている)の中から日本向けのものを読み出す。
【0159】
ステップS118では、AC電源の周波数が50HZか60HZかを判定する。すなわち、ステップS112で得られた電圧の最大値から最小値までの時間を2倍して、1周期の時間を求め、1周期の時間の逆数を取り、AC電源の周波数を得る。そして、AC電源の周波数が55HZ以下の場合は、50HZ系と判断し、色判定パラメータを韓国向け仕様とする(ステップS119)。また、AC電源の周波数が55HZ以上の場合は、60HZ系と判断し、色判定パラメータをヨーロッパ向け仕様とする(ステップS119)。
【0160】
ステップS115,S117,S119又はS120を実行した後は、ステップS121及びS122で図32のステップS104及びS105と同様の処理を行い本処理を終了する。
【0161】
第4の手法によれば、仕向け地情報が付加されていない場合であっても、使用地域を判定し、正確な色判定パラメータの設定が可能となる。
【0162】
【発明の効果】
以上詳述したように請求項1の画像処理装置及び請求項8の画像処理方法によれば、所定の色マーカによってマーキングされた色データが予め登録され、同一の色マーカで複数回重ね塗りされた領域における色データを読み取ってマーカ色登録し、原稿の読み取り時に前記登録された色データと読み取った色データとを比較することにより、何度塗りかに関係なく同じ色のマーカとして色判定されるので、ユーザのマーカ塗りむら、画像読み取りセンサの特性ばらつき等に起因するマーカ色の誤判別を防止することができ、所望のマーカ編集結果を得ることができる。
【0164】
請求項2の画像処理装置及び請求項9の画像処理方法によれば、当該装置が販売される地域が判定され、その販売地域に応じて色判定用のパラメータが変更されるので、販売地域に拘わらず正確なマーカ色の判別を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例にかかる画像処理回路の構成を示すブロック図である。
【図2】色パッジシートの例を示す図である。
【図3】図1のマーカ色登録回路の構成を示すブロック図である。
【図4】図3の比率演算回路における処理の内容を説明するための図である。
【図5】マーカの色分布を示す図である。
【図6】図3の比率演算回路における処理のフローチャートである。
【図7】図1の色コード判定回路の構成を示すブロック図である。
【図8】色パッジシートの他の例を示す図である。
【図9】本発明の第2実施例におけるマーカ編集の内容を説明するための図である。
【図10】本発明の第2実施例にかかるカラー複写機の画像処理回路の構成を示すブロック図である。
【図11】図10のマーカ編集回路の構成を示すブロック図である。
【図12】色判別の方法を説明するための図である。
【図13】色コードテーブルを示す図である。
【図14】孤立点除去の手法を説明するための図である。
【図15】領域判定時の記憶データを説明するための図である。
【図16】領域判定の手法を説明するためのテーブルを示す図である。
【図17】領域判定の手法を説明するためのテーブルを示す図である。
【図18】領域判定の手法を説明するためのテーブルを示す図である。
【図19】領域判定の手法を説明するためのテーブルを示す図である。
【図20】尾引き処理を説明するための図である。
【図21】出力色テーブルを示す図である。
【図22】ブルーバック処理を説明するための図である。
【図23】色濃度判定条件を説明するためのテーブルを示す図である。
【図24】原稿の先端に塗るマーカの位置を例示した図である。
【図25】シアンのマーカを読み取ったときの度数分布の例を示す図である。
【図26】色判定回路の構成を示すブロック図である。
【図27】色判定用パラメータを作成する処理のフローチャートである。
【図28】色判定用パラメータの作成処理を説明するための図である。
【図29】色判定用パラメータの補正処理を説明するための図である。
【図30】色判定用パラメータの補正処理を説明するための図である。
【図31】変倍の設定例を示す図である。
【図32】色判定用パラメータの設定処理のフローチャートである。
【図33】地域情報が付加された印字ヘッドを示す図である。
【図34】地域情報に応じた色判定用パラメータの変更例を説明するための図である。
【図35】AC電源と特性を測定するための構成を示す図である。
【図36】AC電源の特性に基づいて販売地域を判定する処理のフローチャートである。
【図37】マーカ編集を説明するための図である。
【図38】マーカ編集を説明するための図である。
【図39】従来のマーカ編集の問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
14 比率演算回路
54 色コード判定回路
55 マーカ色登録回路
227 マーカ編集回路
251 マーカ色判別回路
【産業上の利用分野】
本発明は、複写機等の画像処理装置及び画像処理方法に関し、特に原稿上に所定の色マーカでマーキングされた色の情報に基づいて所定のマーカ編集を施すものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、カラー複写機において、白黒の原稿上に市販のマーカペンにより所望範囲を囲んだり、なぞったりしてその範囲の色付けを行うマーカ編集機能が提案されている。このようなマーカ編集機能は、例えば図37(a)に示すように下地が白色の原稿上において、黒線で決定されている所望の閉区間1000の内側を青の色マーカ1001で着色することにより、同図(b)に示すように閉区間全体を青に着色してプリントアウトするペイントモードや、図38(a)に示すように下地が白色の原稿上において、所望の黒線1002を赤の色マーカ1003で線の周囲を着色することにより、同図(b)に示すように黒線を赤線に変換着色してプリントアウトするラインモードなど複数のモードを具備しているものが一般的である。
【0003】
先ず、図37に示したペイントモードの判定について説明する。同図(a)の画像の読み取り動作中、あるタイミングで読み取りラインがラインAであるとすると、画素データの出力順が矢印方向の場合、…、白、黒、青、白、……、白、青、黒、白、…の順で色データが出力される。よって、最初に現れた青の直前に黒があることを検出することで、最初の青の画素からペイントモードが開始されたことが判定される。また、最後の青の直後が黒であることを検出することで、最後の青の画素でペイントモードが終了したことが判定される。従って、ペイントモード間の画素(青、白、……、白、青)をすべて青データとして出力することでペイントモードが実現される。
【0004】
次に、図38に示したラインモードの判定について説明する。同図(a)の画像読み取り動作中、あるタイミングでの読み取りラインがラインBであるとすると、画素データの出力順が矢印方向の場合、…、白、赤、黒、……、黒、赤、白、…の順で色データが出力される。よって、最初に現れた赤の直前に白があることを検出することで、最初の赤の画素からラインモードが開始されたことが判定される。また、最後の赤の直後に白であることを検出することで、最後の赤の画素でラインモードが終了したことが判定される。従って、ラインモード間の画素(赤、黒、……、黒、赤)のうち、赤の画素を白データに、また黒の画素を赤データとして出力することでラインモードが実現される。
【0005】
以上のように、最初にマーカの色が検出された画素の直前の画素が白色であるか黒色であるかで開始モードを決定し、開始モードがペイントモードの場合は最後にマーカの色が検出された画素の直後の画素が黒色のときモードを終了し、開始モードがラインモードの場合は最後にマーカの色が検出された画素の直後の画素が白色のときモードを終了するように制御される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、色変換モードはユーザによるマーカ着色の状態で決定されるものであり、例えば図39(a)に示すように、ユーザが原稿画像1004に対してラインモードマーカ処理を所望し、マーカ着色したとき重ね塗りによる塗りむらのために色1005が生じることがあり、以下のような不具合があった。即ち、色1005は、通常の塗り状態の色1006に比べてマーカ色が濃いので、色1005と色1006が個別の色であると誤判定されて、同図(b)に示すような出力結果となることがあった。
【0007】
また、原稿に使用される用紙の色は、白が主であるが再生紙のように少し色が付いたものや、光沢のあるものが存在すること、マーカペンの色にばらつきがあること、原稿を読み取るセンサのカラーフィルタの特性にもばらつきがあること等の要因で読み取った色の誤判定が発生し、ユーザの意図しない出力結果をとなる場合もあった。
【0008】
また、マーカペンの色は、同じ名称(例えば「赤」)であっても国によって異なっている。さらに、販売されている(市場に出回っている)マーカペンの色は5色の国もあれば、8色の国もあり統一されていない。このため、全世界で使用されているカラーマーキング用のマーカペンの色をすべて正しく認識することは困難であり、色の誤判定が発生していた。
【0009】
本発明は上述した点に着目してなされたものであり、読み取った色の誤判定を防止し、正確なマーカ編集を行うことができる画像処理装置及び画像処理方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、原稿を読み取る原稿読み取り手段と、読み取った画像データに基づいて所定の色マーカで原稿上にマーキングされた色を判定するマーカ色判定手段とを有し、マーキングされた色の情報に基づいて所定のマーカ編集を施す画像処理装置において、前記所定の色マーカによってマーキングされた色データを予め読み取って登録するためのマーカ色登録手段を設け、前記マーカ色登録手段は、同一の色マーカで複数回重ね塗りされた領域における色データを読み取ってマーカ色登録し、前記マーカ色判定手段は、原稿の読み取り時に前記登録された色データと読み取った色データとを比較して、何度塗りかに関係なく同じ色のマーカとして色判定するようにしたものである。
【0013】
さらに同じ目的を達成するため本発明は、原稿を読み取る原稿読み取り手段と、読み取った画像データに基づいて所定の色マーカで原稿上にマーキングされた色を判定するマーカ色判定手段とを有し、マーキングされた色の情報に基づいて所定のマーカ編集を施す画像処理装置において、当該装置が販売される地域を判定する地域判定手段を設け、前記マーカ色判定手段は、当該装置が販売される地域に応じて色判定用のパラメータを変更するようにしたものである。
【0014】
また、前記地域判定手段は、当該装置の変倍設定に基づいて販売地域を判定したり、当該装置の印字ヘッドに付加された地域情報に基づいて販売地域を判定したり、当該装置に供給される交流電源の特性に基づいて販売地域を判定したりすることが望ましい。
【0015】
また、当該装置の印字ヘッドに色判定用パラメータを記憶するパラメータ記憶手段を設け、前記マーカ色判定手段は、前記パラメータ記憶手段に記憶された色判定用パラメータを使用して色判定を行うことが望ましい。
【0016】
また、前記印字ヘッド内に格納されているインクの色と、前記色判定用パラメータの主色の色とが同一であることが望ましい。
さらに同じ目的を達成するため本発明は、原稿を読み取る原稿読み取りステップと、読み取った画像データに基づいて所定の色マーカで原稿上にマーキングされた色を判定するマーカ色判定ステップとを有し、マーキングされた色の情報に基づいて所定のマーカ編集を施す画像処理方法において、前記所定の色マーカによってマーキングされた色データを予め読み取って登録するマーカ色登録ステップを設け、前記マーカ色登録ステップにおいて、同一の色マーカで複数回重ね塗りされた領域における色データを読み取ってマーカ色登録し、前記マーカ色判定ステップにおいて、原稿の読み取り時に前記登録された色データと読み取った色データとを比較して、何度塗りかに関係なく同じ色のマーカとして色判定するようにしたものである。
さらに同じ目的を達成するため本発明は、原稿を読み取る原稿読み取りステップと、読み取った画像データに基づいて所定の色マーカで原稿上にマーキングされた色を判定するマーカ色判定ステップとを有し、マーキングされた色の情報に基づいて所定のマーカ編集を施す画像処理方法において、当該画像処理方法を実施する画像処理装置が販売される地域を判定する地域判定ステップを設け、前記マーカ色判定ステップは、当該画像処理方法を実施する画像処理装置が販売される地域に応じて色判定用のパラメータを変更するようにしたものである。
【0017】
【作用】
請求項1の画像処理装置及び請求項8の画像処理方法によれば、所定の色マーカによってマーキングされた色データが予め登録され、同一の色マーカで複数回重ね塗りされた領域における色データを読み取ってマーカ色登録し、原稿の読み取り時に前記登録された色データと読み取った色データとを比較することにより何度塗りかに関係なく同じ色のマーカとして色判定される。
【0022】
請求項2の画像処理装置及び請求項9の画像処理方法によれば、当該装置が販売される地域が判定され、その販売地域に応じて色判定用のパラメータが変更される。
【0023】
請求項3乃至5の画像処理装置によれば、当該装置の販売地域は、当該装置の変倍設定、当該装置の印字ヘッドに付加された地域情報、又は当該装置に供給される交流電源の特性に基づいて判定される。
【0024】
請求項6の画像処理装置によれば、当該装置の印字ヘッドに設けられたパラメータ記憶手段に色判定用パラメータが記憶され、該記憶された色判定用パラメータを使用して色判定が行われる。
【0025】
【実施例】
以下図面を用いて、本発明の実施例について説明を行う。
【0026】
図1は、本発明の第1の実施例にかかるマーカ編集回路の構成を示すブロック図である。同図において、51はカラ−CCDセンサであり、原稿の読み取り画像信号をRGBの信号に色分解して信号をアナログアンプ52に出力する。アナログアンプ52は、入力信号に対して所定のゲイン(増幅率)で増幅を行なう。この増幅信号はA/Dコンバータ53に入力され、アナログ信号が8ビットのデジタル信号に変換される。A/Dコンバータ53のデジタル信号出力は、色コード判定回路54及びマーカ色登録回路55に入力される。色コード判定回路54は、A/Dコンバータ53からの入力信号と、マーカ色登録回路55の出力信号とを比較し、入力信号を判定されたマーカ色に対応した6ビットのコード信号に変換する。即ち、入力される256×256×256=16777216色の色信号をあらかじめ決められた64色の色コードに変換する。
【0027】
これは、マーカ原稿上に存在する色が白色と黒色と市場で販売されているマーカ色に限られるということを前提としたものであり、以降のデータ処理回路の規模を小さくするための回路である。色コード判定回路54とマーカ色登録回路55の詳細な動作については後述する。
【0028】
色コード判定回路54の出力信号は、領域判定回路56に入力され、読み取っている領域がノーマル領域、ライン領域又はペイント領域のいずれの領域に属しているかを判定する(それぞれの領域についての説明は後述する)。領域判定回路56の出力信号は、出力色判定回路57に入力され、出力色判定回路57は、色コードと領域モードに従って出力する色を決定し、決定した色に応じた8ビットの画像データに変換して次段の画像処理回路にデータを送出する。
【0029】
領域判定回路56における、ペイントモード及びラインモードの2つの処理モードの決定は以下の条件による。
【0030】
(1)ペイントモード:ノーマル領域内にあって、読み取り色が「黒」→「色」に遷移したとき最初の「色」が読み取られた画素からペイントモードに切り替え、「色」→「黒」の遷移が検出されるまでペイントモードは継続する。「色」→「黒」の遷移が検出されたとき、ノーマルモードに戻る。
【0031】
(2)ラインモード:ノーマル領域内にあって、読み取り色が「白」→「色」に遷移したとき最初の「色」が読み取られた画素からラインモードに切り替え、「色」→「白」の遷移が検出されるまでラインモードは継続する。「色」→「白」の遷移が検出されたとき、ノーマルモードに戻る。
【0032】
上記のルールに従い、原稿上の画像を読み取りながらマーカ処理が施された画像信号がマーカ編集回路より出力される。
【0033】
次にマーカ色登録回路55について説明する。マーカ色登録回路55は図2に示すように、原稿用紙の所定の位置に登録したいマーカによる色パッジシート60をユーザが作成し、これを読み取り、データ処理することにより使用するマーカの色登録を行う。即ち、図2においては、領域61a〜61cを緑マーカの着色領域、62a〜62cをピンクマーカの着色領域と定め、ユーザは領域61aを使用したい緑マーカにより2度塗りすることなく1度塗りで着色し、同様に領域61bを緑マーカの2度塗りにより着色、領域61cを緑マーカの3度塗りにより着色する。同様に、領域62a〜62cを使用したいピンクマーカによりそれぞれ1度塗り、2度塗り、3度塗りする。このようにして作成した色パッジシート60を不図示のスキャナ原稿台の所定位置にセットし、カラーCCD51による読み取りを開始する。A/Dコンバータ53により、8ビットのデジタル信号に変換されたパッジの画像信号は、マーカ色登録回路55に入力される。
【0034】
マーカ色登録回路55の構成を図3に示す。図中10は、平均化回路であり、入力される色情報をRGB毎に例えば64画素分サンプルし、平均値を算出する。11はRmax検出回路であり、平均化回路10の出力のうちR信号がFFh(8ビット全て1、即ちR成分が最大値)のとき、信号1を出力し、そうでないとき(00h〜FEh)は信号0を出力する。12及び13もRmax検出回路11と同様の機能を持つGmax検出回路及びBmax検出回路であり、それぞれG信号、B信号の最大値か否かを検出する。14は比率演算回路であり、平均化回路10、Rmax検出回路11、Gmax検出回路12及びBmax検出回路13の出力信号が入力される。比率演算回路14は、入力されるR,G,B信号の比率を演算し、各色6ビットの比率データとして出力する。16はバックアップ用のバッテリであり、装置の電源が落されたときも、メモリ15に所定の電圧を与え保存したデータが消去されないように具備されたものである。
【0035】
図4は、比率データの算出ルールの表を示す。この図4からわかるように、比率算出の際、基準となる色をRGBのいずれにするかを決定する決定要因はRmax検出回路11〜Bmax検出回路13の出力による。
【0036】
図4においてType1は、Rmax検出回路11〜Bmax検出回路13がすべて0を出力する場合である。このときは、2番目にデータが大きい色を基準にして、残りの2色を基準に対してどのくらい大きいかを表す。例えば入力するRGBデータがそれぞれ43,A8,67であったときは、Bデータ(67)を基準にするということになる。比率演算回路14の比率データは前述のとおり6ビットであるから、基準データを中間の値である20hと定める。その他の色(ここではRとG)に関しては基準に対して×1/4〜×4までの比を6ビットで表現することを考え、×1/4を00h、×4をFFhにあてると、データの1ステップの差が基準値に対する0.0625倍の差となる。つまり、(R,G,B)=(43,A8,67)ならば比率演算回路14から出力するRGBの各比率データは、
R:G:B=0.6505:1.6311:1であるので、近似して(R,G,B)=(1Ah,2Ah,20h)となる。
【0037】
Type2〜4は、Rmax検出回路11〜Bmax検出回路13のうちいずれか1回路のみ1を出力する場合である。このときは、最大値を示す色(1を出力する回路に対する色)を基準値20hとして、残りの2色を基準に対してどのくらい大きいかを示す。
【0038】
Type5〜7は、Rmax検出回路11〜Bmax検出回路部13のうちいずれか2回路が1を出力する場合である。このときは、大きさが1番目と2番目のデータはともにFFhなので、これを基準値20hとする。当然、最小値を示す色は20hより小さい値が算出される。このようなマーカ色は後段の色コード判定回路54により判定される色コードが、最小値を示す色の大きさの情報のみで判定されることになるが、例えば、Type7に相当する色は、極端にマゼンタ成分が多い色であり、このような色特性を有する市場で販売されているマーカの種類は、せいぜい1〜2種類であるので判別は容易である。
【0039】
Type8は、Rmax検出回路11〜Bmax検出回路13が全て1を出力する場合である。このようなデータは、純白のデータであるため、所定のパッジ位置にマーカが塗られていないことを示す。もしも、Type8に相当するデータが入力した場合は、オペレータに対してブザーによる警告を出すように不図示の制御回路で制御を行う。
【0040】
平均化回路10は、図2に示した色パッジを61a,61b,61c,62a,62b,62c…の順に入力してゆく。緑マーカのRGBの比率は61a,61b,61cによって決定されるが、図5(A)に示すようにどの信号もFFhより小さく、またパッジの差による比率の変化はほどんどない。よって、3つのパッジの比率の平均値として、比率演算回路14より(R,G,B)=(1Ah,2Ah,20h)を出力してメモリ15にデータを書き込む。
【0041】
これに対して、図2の色パッジ62a〜62cのピンクマーカによる色パッジの読み取りデータは、図5(B)のようになっており、R信号が1度塗りと2度塗りのときFFh,B信号が1度塗りのときFFhとなっている。従ってパッジの差による比率が62a〜62cでそれぞれ異なっている。これは、ピンクマーカがR(赤)の補色であるC(シアン)成分及びG(緑)の補色であるY(イエロー)をほとんど含んでいないために起こる現象である。このように、Rmax検出回路11〜Bmax検出回路13の出力のうち、ひとつでも1が出力されれば、0が出力されたパッジのデータは無視することにして、1の数が多いパッジのデータを処理して比率計算を行う。
【0042】
図6は、比率演算回路14においてどのデータを使用して計算を行うかを決定する処理のフローチャートである。
【0043】
Step1ではまず、3種のパッジを読み込んだときのRmax検出回路11〜Bmax検出回路13の出力に1が現れたものがあるかどうかを検出する。1が現れていなければ、Noに進み図4の表に従い、Type1の条件に従って平均比率を算出する(Step1a)。図2中の緑のパッジ61a〜61cはこの条件に相当する。Step1でひとつでも1が現れていればStep2に進む。
【0044】
Step2ではRmax検出回路11〜Bmax検出回路13の出力に現れた「1」の数が3つのパッジとも等しいかどうかを検知する。Yesであれば、図4の表に従い、比率の平均を算出する(Step2a)。Noであれば、Step3に進む。Step3ではユーザが所定位置にマーカ着色しているかどうかを検出する。即ち、Rmax検出回路11〜Bmax検出回路13の出力に現れた「1」の数が3のパッジがあればYesに進み、ブザーによる警告を発生する(Step3a)。これは、図4のType8に相当する。Noであれば、Step4に進む。
【0045】
Step1で、FFhとなる色の個数が最低1個は存在することが検出され、Step2で、FFhとなる色の個数が3つのパッジで同一でないことが検出され、Step3で、FFhとなる色の個数が3であるパッジが3つのパッジに存在しないことが検出されているので、Step4ではRmax検出回路11〜Bmax検出回路13の出力に現れた「1」の数の組み合せは、2個−*個−*個(順不同)または2個−2個−*個(順不同)の二通りしか存在しない。ここで*個とは1個または0個を意味している。Step4では、2個−*個−*個の組み合せのときには2個があらわれたパッジのデータのみを使用し、図4の表に従って比率を計算する(Step4a)。また、2個−2個−*個の組み合せのときには2個があらわれたパッジの2データを使用し、それぞれ図4の表に従って比率を計算し、両者の平均比率データを算出する(Step4b)。
【0046】
例えば、図5(B)で示したピンクマーカによるパッジ62aの入力データが(R,G,B)=(FFh,8Ch,FFh)、パッジ62bの入力データが(R,G,B)=(FFh,4Ah,D5h)、パッジ62cの入力データが(R,G,B)=(FFh,2Eh,8Eh)であったとすると、図6におけるStep4aの2個−*個−*個の処理が行われる。即ち、図4のType6に対応し、パッジ62aの入力データ(R,G,B)=(FFh,8Ch,FFh)のみにより導かれる比率データ(R,G,B)=(20h,11h,20h)が算出される。
【0047】
このようにして算出された比率データは、図3のメモリ15に保存される。メモリ15は、例えばRAMで構成し、このRAMのアドレスは登録を行うマーカの数だけ用意されていれば良い。メモリ15は不図示のCPUの制御を受け、必要に応じてデータが読み出され、そのデータがCPUを経由して色コード判定回路54に送出される。続いて、色コード判定回路54の動作を説明する。
【0048】
図7は、色コード判定回路54の構成を示す図である。同図において116〜119はそれぞれRmax検出回路、Gmax検出回路、Bmax検出回路及び比率演算回路であり、図3で示したRmax検出回路11、Gmax検出回路12、Bmax検出回路13及び比率検出回路14と同一機能を有する。111aは、入力される比率演算回路119の出力データが緑マーカの比率かどうかを判定するコンパレータである。同様に、111b,111c,…も、それぞれ入力するデータが、単一のマーカ色に対応した比率であるかどうかを判定するコンパレータであり、登録/判定を行うマーカの数だけ具備している。各コンパレータのB入力には図3中のメモリ15から読み出されたマーカ毎の比率データが書き込まれたレジスタ112a,112b,112c,…が接続されている。
【0049】
例えば、レジスタ112aには緑マーカの比率データが書き込まれており、レジスタ112bにはピンクマーカの比率データが書き込まれている。コンパレータ111a,111b,111c…は、A端子に入力されるデータとB端子に入力されるデータが近似しているときは、信号「1」を出力する。例えば、RGBの各々の比率データが±2の範囲内の差であれば、信号「1」を出力するように不図示のCPUより制御を受ける。
【0050】
しかし、マーカ色を登録する際に、図3に示したマーカ色登録回路中の比率演算回路14にRmax検出回路11〜Bmax検出回路13のいずれかひとつでも「1」が出力されていたならば、「1」の個数により近似範囲を調整する。即ち、「1」の個数が1個ならば、RGBの各々の比率データが±4の範囲内の差であれば各々のコンパレータが1を出力するように制御し、「1」の個数が2個ならば、RGBの各々の比率データが±8の範囲内の差であれば各々のコンパレータが1を出力するように制御する。
【0051】
このように「1」の個数によりコンパレータの制御範囲を換えることにより、前述のピンクマーカ等の重ね塗りの状態によりRGBの比率が異なるマーカ色についても色の判定が正しく行われる。ピンクマーカの例を挙げれば、RGBの各々の比率データが±8の範囲内の差でコンパレータが「1」を出力するように設定すれば、図5(B)の62b及び62cの比率データが入力されても、コンパレータ111bは「1」を出力する。
【0052】
コンパレータ111a,111b,111c…の出力は、それぞれANDゲート113a,113b,113c…に入力する。ANDゲート113a,113b,113c…のもう一方の入力にはあらかじめ決められた色コードデータが設定されたレジスタ114a,114b,114c,…が接続されている。例えば、レジスタ114aには緑色のマーカの色コードデータ(仮に001とする)が設定されており、レジスタ114bにはピンク色のマーカの色コードデータ(仮に002とする)が設定されている。
【0053】
115は、ORゲートであり、ANDゲート113a,113b,113c…の出力がすべて入力されている。即ち、比率演算回路119から出力する比率データにより信号「1」を出力するコンパレータは、111a,111b,111c…のうち1個だけであるから、ORゲート115から出力するデータは、読み取りを行っているマーカの色に対応したデータが出力される。
【0054】
そして、OR回路115の出力は、色コード判定回路54の出力として、前述したように領域判定回路56に入力され、読み取っている領域がノーマル、ライン又はペイント領域のいずれの領域に属しているかが判定される。領域判定回路56の出力は、出力色判定回路57に入力され、色コードと領域モードに従って出力する色を決定し、決定した色に応じた8ビットの画像データに変換して次段の画像処理回路にデータを送出する。
【0055】
上述した実施例においては、色パッジシートを図2のフォーマットで色塗りするようにしたが、例えば図8のフォーマットを用いるようにしてもよい。これにより色塗りムラが少なくなり、色塗り領域も少なくて済むので、都合が良い。図8において、121〜123は黒枠であり、所定の線幅を有している。オペレータは、まずマーカペンにより、黒枠121の内側を塗りつぶす。次に、黒枠122の内側を塗りつぶし、最後に黒枠123の内側を塗りつぶす。
【0056】
このようなフォーマットの色パッジシートを読み取って、マーカ色登録を行うときの読み取りシーケンスについて説明する。読み取られた画像データに黒が検出されたら、色パッジの領域に入ることを示している。検出された黒は、黒枠121であるから黒の次に現れる色データは、1度塗りされたマーカ色である。その次に黒が検出されれば、その黒は黒枠122であるから黒の次に現れる色データは、2度塗りされたマーカ色である。さらに、その後に黒が検出されれば、その黒は黒枠123であるから黒の次に現れる色データは、3度塗りされたマーカ色である。このようにして、1度塗り〜3度塗りのマーカ色の色データを読み取り、マーカ色登録を行えば、色登録の際の読み取り領域が狭いので、高速に色登録を行うことができる。また、黒枠の検出後の色データをマーカ色と認識するので、色パッジシートを原稿台にセットする際、多少位置がずれても正しく色登録を行うことができる。
【0057】
そして、登録された1〜3度塗りの色データに従って、何度塗りかは関係なく同じ色のマーカとして色判定することができる。
【0058】
(第2実施例)
次に本発明の第2実施例を図9〜図30を参照して説明する。
【0059】
まず、本実施例におけるマーカ編集の内容を説明する。モノクロ原稿に色マーカで色付けしてマーカ編集を行うと、図9に示すような出力が得られる。
【0060】
即ち、▲1▼同図上段に示すように黒線で仕切られた閉領域の内側をマーキングする(但し、黒線から1mm以内に隣接してマーキングする必要がある)と、閉領域内がマーカの色で塗りつぶされる。▲2▼また、同図中段に示すように黒線を包含する形でマーキングする(但し、黒線の周りは1mm以上の幅で塗りつぶす必要がある)と、黒線がマーカの色で置き換えられる。▲3▼さらに、同図下段に示すように上記▲1▼と▲2▼の複合型で、外側の黒線で仕切られた閉領域の内側を第1の色でマーキングするとともに内側の黒線を包含する形で第2の色でマーキングすると、外側の黒線の内部は第1の色で塗りつぶされ、内側の黒線は第2の色に置換される。
【0061】
これらの処理を実現するために本実施例で用いたフルカラー複写機の画像処理部の構成を図10に示す。221は原稿画像を読み取り、RGBデータを出力するCCDラインセンサ、222はRGBデータを増幅するアンプ回路、223はRGBデータを8ビットのディジタル値に量子化するAD変換器、224は画像データをシェーディング補正するシェーディング補正回路、225は読み取られたRGBデータの位置ずれを補正する色ずれ補正回路、226は黒文字を検出して、黒文字信号を生成する黒文字検出回路、227はマーカ編集回路、228は拡大縮小の変倍を行う変倍回路、229は空間フィルタ233や二値化回路235で用いられる信号を生成する制御信号生成回路、230はLOGテーブルに従ってLOG変換を行うLOG変換回路、231はLOG変換後のCMY(Cyan,Magenta,Yellow)データの中から最小値を抽出する最小値抽出回路、232は行列演算によりマスキングとUCRを行うマスキング・UCR回路、233はエッジ強調またはスムージング処理を行う空間フィルタ回路、234は入力信号をガンマ(γ)変換するガンマ変換回路、235はディザ法などで8ビットの多値データを二値化する二値化回路、236はCMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、黒)各ヘッド間の調整をするヘッドタイミング調整回路、237は調整されたヘッドを駆動するヘッドドライバ回路、238はCMYK4色のBJインクヘッドである。ただし、マーカ編集処理を行う場合、LOG変換回路230、マスキング・UCR回路232は何も処理をしない(スルー)ように設定される。
【0062】
次に、マーカ編集回路227の詳細を図11の全体ブロック図を用いて説明する。R,G,Bの8ビットより構成されている画像データは、LOG変換回路240によりC,M,Yの8ビット画像データに変換され、白黒判別回路241に入る。ここでは、白黒、各しきい値を持っており、CMYの各データ値が全て白のしきい値以下ならばその画素は白と判断される。また、各データ値全てが黒のしきい値以上なら黒と判断される。これらにより、白あるいは黒と判断された画素については判定色コード化回路244でコード化される。
【0063】
白黒以外の色と判断された画素は、主色抽出回路242へ入力される。この回路ではCMY成分中、どの成分が最大であるかを出力する。次に色判定回路243で色判別が行われる。判別方法は、図12に示すように主色抽出回路242で得られた主色(シアン、マゼンタ、イエロー)毎に、残りの2成分との比を求め、CMY各成分の比で色を決定する。例えば、主色がM(マゼンタ)でC(シアン)がその3/8以下、かつY(イエロー)がその5/8以下ならばその画素をP(ピンク)と判定する。CMYがほぼ1:1:1の比である部分は黒と判断するが、これは黒のしきい値レベルに達していない薄い黒(グレー)も黒と判断するためである。つまり、黒については2段階で判断していることになる。図12の色判別に示している主色と主色に対する残りの2成分の比により色を判別する表において、読みとった画像を何色に判別するかは可変できるようになっている。色を判別する詳細については後で述べる。
【0064】
判定にCMYの成分比を用いたのは、各色毎に特定のCMY成分比を持っており、かつその値が、色の濃淡に対してほぼ一定であるからである。
【0065】
色判定回路243の出力は判定色コード化回路244により図13に示すように4ビットの色コードに変換され、該変換された色コードはマーカ色判別回路251から孤立色除去回路252に入力される。
【0066】
孤立色除去回路252では、図14に示すようにまわりの3×3のマトリクス上の画素を見て中央の注目画素*が決定され、以下の1)〜4)の処理が順次実行される。
【0067】
1)*≠Aかつ*≠Hのときは、*=Aとする
2)*≠Cかつ*≠Fのときは、*=Cとする
3)*≠Dかつ*≠Eのときは、*=Dとする
4)*≠Bかつ*≠Gのときは、*=Bとする
即ち、1)2)3)4)の順番で実行され、条件にあえば注目画素が変更される。ここで、245は、注目画素の周囲8画素を記憶しておく遅延回路であり、246は上記の画素間の比較を行う比較回路である。注目画素が左あるいは上の画素に変更する理由は、主走査方向が左→右、副走査方向が上→下であるために、注目画素が決定される時点で、それより左、あるいは上の画素は孤立色除去処理が終了しているからである。
【0068】
この処理により、ノイズの多い画像に対してはノイズを除去することができる。しかし、この処理を加えると1画素単位の細線が除去される可能性があり、細い黒文字の再現性が問題となるので、黒画素に対しては孤立色除去処理を適用する場合と適用しない場合の2つのモードを設けている。孤立色除去回路の出力は、4ビットの色コードとして領域判定部253に入力される。
【0069】
領域判定部253の領域判定回路247は、画像の各画素が以下の4つの領域のどの領域であるかを決定するものである。
【0070】
1)ノーマル領域
2)ペイント領域
3)ライン領域
4)ペイント内ライン領域
ノーマル領域は、何もしない領域であり、初期値はこの領域に設定されている。ペイント領域は閉区間内を塗りつぶす領域である。但し、境界の黒線上ではノーマル領域とする。ライン領域は、黒色をマーカ色に置き換える領域である。ペイント内ライン領域は、ペイント領域とライン領域の複合型であり、ペイント領域内のライン領域である。
【0071】
この領域判定回路253は、図15に示すように、副走査方向に128個の画素のセンサを有し、各画素について読み取ったデータと主走査方向の一つ前の画素の遅延データをメモリに記憶している。遅延データには、ペイント領域時の色を決定するペイント決定色、ラインあるいは入れ子ライン領域時の色を決定するライン決定色、領域、センサ移動方向の黒画素からの距離を記憶しておく横黒カウンタ、色画素からの距離を記憶しておく横色カウンタ、一ライン前に読み込んだ画素の色である前色がある。これらのデータと読み込まれたデータの論理合成により、印字色が決定される。その詳細は図16〜19に示す。
【0072】
例えば、図17に示すように、前色が白でペイント領域にあり、今色がマーカ色の場合、縦横の黒距離カウンタを見て、黒から近いと判断されるとペイント領域であると判定して、今色を印字し、ペイント決定色に今色をセットするといった手順で処理を進める。図16〜19で注目すべき点は、カウンタを用いている点で、これによりマーキングを厳密に黒に隣接しなくてもある条件以内であれば黒に隣接しているものとみなして処理を行うことができる。マーキングの条件として、はみ出しでなく隙間を許すことを採用した理由として、はみ出しは円グラフのようなものに対しての色付けができないことや、隙間は修正が可能であることなどが挙げられる。
【0073】
また、カウンタは縦横しか見ていないため、仮に斜め方向にマーカ色か黒色が隣接していても縦横カウンタでは検知できない。この場合誤動作するため、領域判定部では図20に示すような処理を追加して回避している。その方法は、注目画素が白で、前色がマーカ色でかつペイント領域で、縦横いずれかが黒から近ければ注目画素を前色で置き換えるものである。これにより、黒色とマーカ色の間の白い隙間はあたかもマーカ色であるかのように処理され、斜め方向の隙間にも対処できる。
【0074】
また、記憶データに縦方向の距離カウンタが含まれていないのは、現在読み取っているセンサ内で計算可能であるために、記憶しておく必要がないからである。
【0075】
以上に述べた処理後の色コードは出力変換回路254に入力される。このデータはセレクタ248により、領域判定する前の色コードと切り替えられて、濃度生成・印字色判定回路249に入力される。セレクタ248は、色判定のみを行ったデータを出力できるようにするために設けられている。
【0076】
濃度生成・印字色判定回路249は4ビットの色コードをあらかじめ設定された出力色テーブルを用いてCMYKのデータに変換する回路である。また黒に関しては、ハーフトーンを実現するために、マーカ編集回路227に入力されるM(マゼンタ)の濃度データを用いる。
【0077】
ここで、出力変換モードには次の3モードがある。
【0078】
1)標準バックモード
2)標準ブルーバックモード
3)特別ブルーバックモード
標準バックモードは領域判定回路252で生成された色コードを図21に示すCMYKの出力色テーブルで変換して出力するモードである。標準ブルーバックモードは標準バックモードの白と出力決定された画素をブルーに、また黒と出力決定された画素を白にそれぞれ変換して出力するもので、OHP原稿で用いるブルーバック原稿を作成できる。特別ブルーバックモードは標準ブルーバックモードとほぼ同じであるが、ペイント領域内の黒だけはそのまま出力するモードである。
【0079】
以上の処理を終えたCMYKデータは、図10に示した各回路ブロックにおいて変倍、マスキング、二値化などの処理が行われ、プリンタ部で印字される。
【0080】
次に、出力変換回路254におけるブルーバック処理を具体的に説明する。
【0081】
ここでは図22(a)のような原稿を考える。これは画像を横から見たもので縦軸は濃度を表す。左側の黒線は閉区間の黒線であり、その横がマーカで色付けされている。また、右側の黒はペイント領域内にある黒文字である。黒の濃度が山型をしているのは、白と黒の境界付近では黒の濃度が低いことを示している。このような画像にマーカ編集処理を施すと、同図(b)のような出力結果が得られる。
【0082】
まず、閉区間を表す黒線の左側は、ノーマル領域であるのでバックグランド色であるブルーとなる。次に黒線は反転濃度を用いて白を表現するために黒線のエッジ部分が黒くなる。次にペイント領域内の白は塗られたマーカ色となる。黒文字は黒線と同様、反転濃度を用いてエッジの部分が黒くなった白文字となる。仮にマーカ色がピンクのような明るい色の場合、ピンク色と白文字の間に発生する黒が目立ってしまう。
【0083】
この問題を解決するために、先ほど述べた記憶データの領域情報とペイント決定色を用いて処理を行うと同図(c)のようになる。黒線は領域情報としてノーマル領域を持ち、ペイント決定色は持っていないのでバックグランド色であるブルーで反転濃度を生成する。黒文字は、領域情報としペイント領域、ペイント決定色としてマーカ色を持っているので、マーカ決定色と白の間でハーフトーン濃度を生成するので文字のエッジはペイント決定色の濃いレベルで埋められることになり、ゴミが発生しない(エッジに黒が発生することを防止できる)。
【0084】
この動作を表にしたものを図23に示す。上記で説明した部分印字決定色が黒でペイント領域でブルーバックの時に対応する。この時黒の濃度情報から反転濃度を生成し、ペイント決定色であるところのペイントテーブルに反転濃度を係数として掛けることにより文字のエッジを周囲の色に合わせてハーフトーン処理することができる。なお、この図においてA,B,Cは濃度を調整するために設定される定数である。
【0085】
次に、原稿の端に塗られたマーカを読み取り、色判定用パラメータを設定する方法について以下に述べる。本実施例において、判別するマーカ色は、シアン、グリーン、ブルー、レッド、ピンク、バイオレット、オレンジ、イエローの8色に定義し、図24に示すように原稿の先端においてマーカで塗る位置も指定されている。マーカ編集モードが選択されコピー動作を開始するためのコピーボタンが押されると、画像読み取りセンサ221の各画素のムラを取るためのシェーディング補正が実施される。シェーディング補正が終了後、画像読み取りセンサ221を図24に示すシアンのマーカが塗られている原稿が置かれている位置に移動させ図25に示すヒストグラムを作成する。ヒストグラムは、主色抽出回路242で得られた図12に示す主色毎に、残り2成分との比を求めそれぞれの度数分布を示したものである。
【0086】
度数分布の作成方法について図26を参照して説明する。図26は、色判定回路243の構成を示すブロック図であり、シアンのマーカで塗られている原稿を読み取って主色抽出回路242で主色がシアンであると判定されている場合を示す。
【0087】
261は、主色であるシアンの画像データを記憶している8ビットのレジスタであり、262は、マゼンタの画像データを記憶している8ビットのレジスタであり、263は、イエローの画像データを記憶している8ビットのレジスタである。各8ビットレジスタ261、262、263の入力は、白黒判別回路241の出力に接続されている。
【0088】
264は、レジスタ261および262に記憶されているシアンとマゼンタの画像データをもとにマゼンタとシアンの比を求め、3ビットの信号を出力する除算ブロックであり、265は、レジスタ261および263に記憶されているシアンとイエローの画像データをもとにイエローとシアンの比を求め3ビットの信号を出力する除算ブロックである。266は、除算ブロック264および265によって得られた主色のシアンに対するマゼンタおよびイエローの比をアドレスバスに入力し度数分布を記憶して置くためのSRAMである。267は、入力端子AがH(高)レベルの場合データバス上のデータを読み込み、読み込んだデータに1を加算して記憶し、入力端子AがL(低)レベルの場合記憶しているデータをデータバス上に出力する機能を有する演算部である。268は読み書き制御部であり、SRAM266の読み書きを制御する機能を有する。
【0089】
すなわち、主色がシアンであり、原稿の1画素に対応するシアン、マゼンタ、イエロー3色がレジスタ261、262及び263に記憶され、読み書き制御部268は、除算ブロック264と265で演算が終了したタイミングで出力端子RをLレベルにする。読み書き制御部268の出力端子RがLレベルになることにより、SRAM266は、リード状態になり、アドレスバスで設定されている番地のデータをデータバスに出力し、演算部267においてデータバスのデータに1加算が行われる。次に、演算部267における加算処理が終了したタイミングで読み書き制御部268の出力端子RをHレベル、出力端子WをLレベルにする。読み書き制御部268の出力端子WがLレベルになることにより、SRAM266のデータバスが入力状態になるとともに、演算部267に記憶されているデータがデータバスに出力される。次に、読み書き制御部268は、出力端子WをHレベルにする。読み書き制御部268の出力端子WがLレベルからHレベルに変化することにより、データバス上のデータがSRAM266に記憶される。同様に主色がマゼンタ、主色がイエローについても度数分布表が作成される。
【0090】
以上原稿に塗られているシアンの1画素に対する度数分布表作成処理について説明したが本実施例では前記度数分布を求める処理を100回繰り返し原稿に塗られているシアンの100点をサンプルして度数分布表を作成している。
【0091】
次に、画像読み取りセンサ221を図24に示すグリーンのマーカが塗られている原稿が置かれている位置に移動させ、原稿にグリーンが塗られている場合の主色シアン、マゼンタ、イエローそれぞれに対する度数分布表を作成する。以後同様にブルー、レッド、ピンク、バイオレット、オレンジ、イエローのマーカで塗られている位置の画像データを読み取り、度数分布表を作成する。度数分布表を作成するに当たり、もし、目的とする位置にマーカが塗られていない場合は、塗られていない色に対する標準の度数分布を代用する。最後に、主色シアン、マゼンタ、イエローそれぞれの度数分布において共通に度数が0で、かつ、前もって決められている範囲(シアン、マゼンタ、イエローが共に濃い範囲で薄い黒に対応する領域)の領域を黒となるように度数分布表を修正する。
【0092】
次に、度数分布表よりマーカの読み取り色判定用パラメータを作成する方法について図28の概念図と図27のフローを用いて述べる。図28(A)は、主色Cについて得られた度数分布表(原稿に塗られたシアン、グリーン、ブルー、レッド、ピンク、バイオレット、オレンジ、イエロー、黒を読み取りそれぞれの色に対し作成したものを合成しもの)である。度数分布表は、SRAM266にそれぞれの色毎に記憶されており、図示しないCPUによって読み出され、図27に示すフローに従って処理される。
【0093】
ステップS1においては、黒とブルーの領域が隣接しているかを判定する。領域が隣接している場合は、ステップS2へ進み、領域が隣接していない場合は、ステップS11へ進む。
【0094】
ステップS2においては、黒とブルーの領域の隣接状態を判断する。もし、黒とブルーの領域が重なり合っている場合は、ステップS4へ進み、黒とブルーの領域間に隙間(度数0)がある場合(図28(A)は隙間がある状態を示す)は、ステップS3へ進む。
【0095】
ステップS3においては、黒とブルーの領域間の中心を出し、領域間の中心を黒とブルーの境界としては、ステップS5へ進む。
【0096】
ステップS4においては、黒とブルーの領域が重なり合っている間の中心を出し、重なり合っている間の中心を黒とブルーの境界として、ステップS5へ進む。
【0097】
ステップS5においては、黒とブルーの領域が隣接している部分に対して境界を決定する処理がすべて終了したかを判断する。境界を決定する処理がすべて終了している場合は、ステップS11へ進み、境界を決定する処理が残っている場合は、ステップS2に戻る。図28(B)は、ステップS5が終了した時の度数分布表を示す。
【0098】
ステップS11においては、黒とグリーンの領域が隣接しているかを判定する。領域が隣接している場合は、ステップS12へ進み、領域が隣接していない場合は、ステップS21へ進む。
【0099】
ステップS12においては、黒とグリーンの領域の隣接状態を判断する。もし、黒とグリーンの領域が重なり合っている場合は、ステップS14へ進み、黒とグリーンの領域間に隙間(度数0)がある場合は、ステップS13へ進む。
【0100】
ステップS13においては、黒とグリーンの領域間の中心を出し、領域間の中心を黒とグリーンの境界として、ステップS15へ進む。
【0101】
ステップS14においては、黒とグリーンの領域が重なり合っている間の中心を出し、重なり合っている間の中心を黒とグリーンの境界として、ステップS15へ進む。
【0102】
ステップS15においては、黒とグリーンの領域が隣接している部分に対して境界を決定する処理がすべて終了したかを判断する。境界を決定する処理がすべて終了している場合は、ステップS21へ進み、境界を決定する処理が残っている場合は、ステップS12にもどる。図28(C)は、ステップS15が終了した時の度数分布表を示す。
【0103】
ステップS21においては、ブルーとグリーンの領域が隣接しているかを判定する。領域が隣接している場合は、ステップS22へ進み、領域が隣接していない場合は、ステップS31へ進む。
【0104】
ステップS22においては、ブルーとグリーンの領域の隣接状態を判断する。もし、ブルーとグリーンの領域が重なり合っている場合は、ステップS24へ進み、ブルーとグリーンの領域間に隙間(度数0)がある場合は、ステップS23へ進む。
【0105】
ステップS23においては、ブルーとグリーンの領域間の中心を出し、領域間の中心をブルーとグリーンの境界とし、ステップS25へ進む。
【0106】
ステップS24においては、ブルーとグリーンの領域が重なり合っている間の中心を出し、重なり合っている間の中心をブルーとグリーンの境界として、ステップS25へ進む。
【0107】
ステップS25においては、ブルーとグリーンの領域が隣接している部分に対して境界を決定する処理がすべて終了したかを判断する。境界を決定する処理がすべて終了している場合は、ステップS31へ進み、境界を決定する処理が残っている場合は、ステップS22に戻る。図28(D)は、ステップS25が終了した時の度数分布表を示す。
【0108】
ステップS31においては、ブルーとシアンの領域が隣接しているかを判定する。領域が隣接している場合は、ステップS32へ進み、領域が隣接していない場合は、ステップS41へ進む。
【0109】
ステップS32においては、ブルーとシアンの領域の隣接状態を判断する。もし、ブルーとシアンの領域が重なり合っている場合は、ステップS34へ進み、ブルーとシアンの領域間に隙間(度数0)がある場合は、ステップS33へ進む。
【0110】
ステップS33においては、ブルーとシアンの領域間の中心を出し、領域間の中心をブルーとシアンの境界として、ステップS35へ進む。
【0111】
ステップS34においては、ブルーとシアンの領域が重なり合っている間の中心を出し、重なり合っている間の中心をブルーとシアンの境界として、ステップS35へ進む。
【0112】
ステップS35においては、ブルーとシアンの領域が隣接している部分に対して境界を決定する処理がすべて終了したかを判断する。境界を決定する処理がすべて終了している場合は、ステップS41へ進み、境界を決定する処理が残っている場合は、ステップS32に戻る。図28(E)は、ステップS35が終了した時の度数分布表を示す。
【0113】
ステップS41においては、グリーンとシアンの領域が隣接しているかを判定する。領域が隣接している場合は、ステップS42へ進み、領域が隣接していない場合は、ステップS51へ進む。
【0114】
ステップS42においては、グリーンとシアンの領域の隣接状態を判断する。もし、グリーンとシアンの領域が重なり合っている場合は、ステップS44へ進み、グリーンとシアンの領域間に隙間(度数0)がある場合は、ステップS43へ進む。
【0115】
ステップS43においては、グリーンとシアンの領域間の中心を出し、領域間の中心をグリーンとシアンの境界として、ステップS45へ進む。
【0116】
ステップS44においては、グリーンとシアンの領域が重なり合っている間の中心を出し、重なり合っている間の中心をグリーンとシアンの境界としステップS45へ進む。
【0117】
ステップS45においては、グリーンとシアンの領域が隣接している部分に対して境界を決定する処理がすべて終了したかを判断する。境界を決定する処理がすべて終了している場合は、ステップS51へ進み、境界を決定する処理が残っている場合は、ステップS42に戻る。図28(F)は、ステップS45が終了した時の度数分布表を示す。
【0118】
ステップS51においては、グリーンとブルーの領域が隣接しているかを判定する。領域が隣接している場合は、ステップS52へ進み、領域が隣接していない場合は、ステップS61へ進む。
【0119】
ステップS52においては、グリーンとブルーの領域の隣接状態を判断する。もし、グリーンとブルーの領域が重なり合っている場合は、ステップS54へ進み、グリーンとシアンの領域間に隙間(度数0)がある場合は、ステップS53へ進む。
【0120】
ステップS53においては、グリーンとブルーの領域間の中心を出し、領域間の中心をグリーンとブルーの境界として、ステップS55へ進む。
【0121】
ステップS54においては、グリーンとブルーの領域が重なり合っている間の中心を出し、重なり合っている間の中心をグリーンとブルーの境界として、ステップS55へ進む。
【0122】
ステップS55においては、グリーンとブルーの領域が隣接している部分に対して境界を決定する処理がすべて終了したかを判断する。境界を決定する処理がすべて終了している場合は、ステップS61へ進み、境界を決定する処理が残っている場合は、ステップS52に戻る。図28(G)は、ステップS55が終了した時の度数分布表を示す。
【0123】
ステップS61においては、主色がシアンについての境界を決定する処理を終了する。同様に主色がマゼンタ、主色がイエローについても境界を決定する処理を実施する。
【0124】
以上原稿の端に塗られたマーカを読み取り色判定用パラメータを設定する処理で得られた結果は、実際のコピー動作において色判定回路243で用いられる。また、原稿の先端にマーカだけが塗られている(黒が無い)場合、前記マーカ処理のルールに従い、原稿の先端のマーカは印字用紙に印字されない。
【0125】
このように実際に原稿上に塗られたマーカを読み取った結果に基づいて設定された色判定パラメータ(例えば図28(G))を用いることにより、用紙の色やマーカの色のばらつきあるいは読み取りセンサの特性のばらつき等の影響を排除して、正確な色判別が可能となる。
【0126】
次に図29及び図30を用いて第2実施例の変形例について説明する。本実施例は、原稿の端に塗られたマーカを読み取り、色判定用パラメータを設定する方法として、色判定用パラメータの基本型を前もって決めておき、原稿の端に塗られたマーカを読み取った結果に応じて、色判定用パラメータの基本型に補正を加える方法採用したものである。
【0127】
図29(A)は、色判定用パラメータの基本型のなかでシアンを主色にしものである。色を判定するパラメータ(以下「領域」とする)の基本型は通常の使用状態においてマーカを塗られた原稿を読み取った場合に分布する範囲となっている。
【0128】
図29(B)は、図29(A)よりシアンとグリーンの領域を抜き出したものである。図29(B)のaは、イエローとマゼンタが零の点を基準として、イエロー方向における標準のシアン領域端までの距離、bはイエローとマゼンタが零の点を基準として、イエロー方向における標準のグリーン領域端までの距離、Zは、色判定パラメータを補正後のシアンとグリーンの境界までの距離である。
【0129】
図29(C)は、原稿の端に塗られたマーカを読み取り、度数分布を作成したものであり、シアン及びグリーンの分布が、標準のシアン領域及び標準のグリーン領域の範囲内に入っている場合を示したものである。cは、イエローとマゼンタが零の点を基準として、イエロー方向におけるシアンの分布端までの距離、dは、イエローとマゼンタが零の点を基準として、イエロー方向におけるグリーンの端までの距離である。図29(D)は、図29(C)におけるシアンの領域とグリーンの領域を補正し、シアンとグリーンの境界Zを示した図であり、
Z=a+(b−a)×(d−b)÷{(a−c)+(d−b)}
の関係が成り立っている。
【0130】
すなわち、標準のシアン領域端と標準のグリーン領域端の距離(b−a)を求め、求めた距離を標準のシアン領域端とシアン分布端間の距離(a−c)と標準のグリーン領域端とグリーン分布端間(d−b)の距離で分割し、シアンとグリーンの境界Zとしている。また、補正後のシアン領域は、同一の記号で示しているが、標準のシアン領域と補正により追加されたシアン領域の区別をつけるため境界に実線を入れてある。同様に補正後のグリーン領域及び図29の以後の図面にも境界を示す実線を入れてある。
【0131】
図29(E)は、シアンの分布が標準のシアン領域をはみ出しグリーンの分布が標準のグリーン領域の範囲内に入っている場合を示したものである。図29(F)は、図29(E)におけるシアンの領域とグリーンの領域を補正し、シアンとグリーンの境界Zを示した図であり
Z=c+(b−c)÷2
の関係が成り立っている。すなわち、シアン分布端と標準のグリーン領域端の中心をシアンとグリーンの境界Zとしている。
【0132】
図29(G)は、グリーンの分布が標準のグリーン領域をはみ出しシアンの分布が標準のシアン領域の範囲内に入っている場合を示しものである。図29(H)は、図29(G)におけるシアンの領域とグリーンの領域を補正し、シアンとグリーンの境界Zを示した図であり
Z=a+(d−a)÷2
の関係が成り立ている。すなわち、グリーン分布端と標準のシアン領域端の中心をシアンとグリーンの境界Zとしている。
【0133】
図30(A)は、グリーンの分布及びシアンの分布が標準のグリーン領域及び標準のシアン領域をともにはみ出している場合を示したものである。図30(B)は、図30(A)におけるシアンの領域とグリーンの領域を補正し、シアンとグリーンの境界Zを示した図であり
Z=c+(d−c)÷2
の関係が成り立っている。すなわち、グリーン分布端とシアン分布端の中心をシアンとグリーンの境界Zとしている。
【0134】
図30(C)は、シアンの分布が標準のシアン領域をはみだし、標準のグリーン領域に入り、グリーンの分布が標準のグリーン領域範囲内に入っている場合を示したものである。図30(D)は、図30(C)におけるシアンの領域とグリーンの領域を補正し、シアンとグリーンの境界Zを示した図であり
Z=b
の関係が成り立っている。すなわち、標準のグリーン領域端を境界Zとしている。
【0135】
図30(E)は、グリーンの分布が標準のグリーン領域をはみだし、標準のシアン領域に入り、シアンの分布が標準のシアン範囲内に入っている場合を示したものである。図30(F)は、図30(E)におけるシアンの領域とグリーンの領域を補正し、シアンとグリーンの境界Zを示した図であり
Z=a
の関係が成り立っている。即ち、標準のシアン領域端を境界Zとしている。
【0136】
図30(G)は、グリーンの分布が標準のグリーン領域をはみ出し、標準のシアン領域に入り、シアンの分布が標準のシアン領域をはみ出し、標準のグリーン領域に入っている場合を示したものである。図30(H)は、図30(G)におけるシアンの領域とグリーンの領域を補正し、シアンとグリーンの境界Zを示した図であり
Z=a+(b−a)÷2
に関係が成り立っている。すなわち、標準のシアン領域端と標準のマゼンタ領域端の中心を境界Zとしている。
【0137】
図30(C)、図30(E)、図30(G)、の場合は、標準のシアン領域にグリーン、または、標準のグリーン領域にシアンというように異なる色のマーカが入る可能性があるため、上述したように境界を決定するとともに例えば操作部(図示せず)の液晶にシアンのマーカがグリーンとして検知される可能性があることを表示し、使用者に注意を促す処置を実施する。また、図29、30においては、主色Cのシアンとグリーンの境界を決定する例について述べてあるが主色Cの他の色、主色M、主色Yに対しても同様の処理を施し境界を決定することは言うまでもない。
【0138】
次に上述した第2実施例において、カラ−マ−キングに用いられているマ−カペンの色を判定するための色判定パラメ−タを当該複写機が出荷される国や地域に応じて最適化する第1の手法を図31及び図32を用いて説明する。
【0139】
図31は、複写機の操作部の変倍設定の例を示したものである。日本の場合、用紙としてA、B系列が用いられているため、変倍組み合せとしてA4とB4、A4とA3、B4とA3の3種類が考えられる。アメリカの場合、用紙としてインチ系が用いられているため、変倍の組み合せとしてLTRとLGLが考えられる。ヨ−ロッパの場合、用紙としてA系列が用いられているため、変倍の組み合わせとしてA4とA3が考えられる。すなわち、変倍設定だけを考えてみても、地域により、変倍の組み合せの数や、縮小率、拡大率が異なっていることがわかる。現在、複写機の変倍に対する制御方法は、地域毎に独立したソフトを作成するのではなく、全世界共通でソフトを作成し、地域向けのコードを登録しておき、地域向けのコードを基にして変倍の組み合せ数や、縮小率、拡大率を対応させている。すなわち、現在販売されている複写機の制御部には、地域向けのコードが使用されている。
【0140】
図32は、地域に対応して色判定用パラメータを設定するフローを示しものであり、複写機の使用者がマーカ編集を選択し、複写ボタンを押してからの処理について記述したものである。
【0141】
ステップS101では、複写機内に記憶されている地域向けコードがヨーロッパになっているかを判断する。地域向けコードがヨーロッパになっている場合は、色判定パラメータをヨーロッパ向け仕様とする(ステップS108)。具体的には、原稿に塗られているマーカの色を判定するためのパラメータ(前もって用意されている)の中からヨーロッパ向けのものを読み出す。
【0142】
ステップS101で、地域向けコードがヨーロッパになっていない場合は、さらに地域向けコードがアメリカになっているか否かを判断する(ステップS102)。なお本実施例においては、地域向けコードは、変倍回路228とマーカ編集回路227で共通に使用しているが、マーカ編集回路227として独自に地域向けコードを使用してもよい。
【0143】
ステップS102で、地域向けコードがアメリカになっている場合は、色判定パラメータをアメリカ向け仕様とし(ステップS107)、地域向けコードがアメリカになっていない場合は、色判定コードを日本向け仕様とする(ステップS103)。
【0144】
ステップS103,S107又はS108を実行した後はステップS104に進み、色判定パラメータの設定、すなわち、図12に示す色判定の領域の設定を行う。続くステップS105では、マーカ編集による複写動作を実施する。詳細なマーカ編集の複写動作は、前述した通りである。マーカ編集の複写動作が終了すると、複写動作を終了する。
【0145】
次に色判定パラメ−タを当該複写機が出荷される国や地域に応じて最適化する第2の手法を、図33(A)を用いて説明する。この手法は、印字ヘッドに地域をあらわす情報を付加するようにしたものである。
【0146】
図33(A)は、印字ヘッドK(301)の構成を示す。印字ヘッドKの左端部に仕向地を示す突起を形成する部分を設け、スイッチSW1及びSW2により突起の有無を検知することで仕向地を判断できるようにしたものである。例えば、スイッチSW1及びSW2が共にOFFの場合は日本、スイッチSW1がONでスイッチSW2がOFFの場合はアメリカ、スイッチSW1がOFFでスイッチSW2がONの場合はヨーロッパ、スイッチSW1及びSW2が共にONの場合はその他の地域というように色判定のパラメータを設定する。
【0147】
このように、印字ヘッドに仕向地を示す情報を付加する構成とすることにより、マーカの処理に関して複写機本体を全世界共通にすることが可能になる。
【0148】
次に色判定パラメ−タを当該複写機が出荷される国や地域に応じて最適化する第3の手法を、図33(B)と図34を用いて説明する。この手法は、第2の手法と同様に印字ヘッドに地域をあらわす情報を付加するようにしたものである。
【0149】
図33(B)は、印字ヘッドY(302)の構成を示す。印字ヘッドYの左端部にマーカの色がY主色の場合の色判定パラメータを示す突起を形成する部分をもうけ、スイッチSW−Y1からSW−Y320により突起の有無を検知することで地域に対応した色判定パラメータを設定できるようにしたものである。図34(A)にYが主色の場合の標準のパラメータを示す。Yが主色の場合、標準状態においは、イエロー、オレンジ、レッド、グリーン、黒の5色の可能性がある。Yが主色の場合、ある一つのエリア(同図中の1つの升)を考えた時、前記5色の内どれか一つが選択される。
【0150】
よって、スイッチSW−Y1からSW−Y5を一つのエリアに割り当て、そのエリアの判定色をスイッチSW−Y1からSW−Y5のいずれがONしているか判定し、ONしているSWの番号に対応した色を判定色として設定するように構成する。本実施例においては、一つの主色に対して64(8×8)のエリアがあるため320個(64×5)のSWと、判定色を指定する突起が64個必要になる。また、地域ごとに突起の位置を調整する必要がある。そこで、実際の複写機においては、ヘッドに不揮発性メモリを搭載し、その不揮発性メモリに色判定パラメータを記憶し、複写機の電源をONしたときにヘッドの不揮発性メモリより色判定パラメータを読み出して色判定パラメータを設定するように構成する。
【0151】
図34(B)は、第3の手法により設定されたある地域向けの色判定パラメータの例を示す図である。本地域においては、オレンジ色のマーカペンは使用していないが、オレンジに近いレッド(この地域では、レッドとして認識されている)が多く用いられており、レッドをオレンジに誤判定されることを防ぐため、オレンジ色の判定領域をレッド色に定義した例を示している。
【0152】
この結果、標準設定では、8色のマーカ色を判定できるところを7色に制限することによりマーカ色の誤判定を少なくすることが可能となる。
【0153】
また、Y主色について説明をしたが、C主色、M主色についても同様の処理が可能なことは言うまでもない。
【0154】
なお、上述した第3の手法を採用する場合は、印字ヘッドに格納されているインクの色と、色判定パラメータの主色の色とを同一とすることが望ましい。
【0155】
次に色判定パラメ−タを当該複写機が出荷される国や地域に応じて最適化する第4の手法を、図35及び図36を用いて説明する。この手法は、AC電源ラインの特性をもとに地域を判定し、得られた地域情報をもとにして、色判定パラメータを設定するものである。
【0156】
図35は、AC電源の特性を調べるための構成を示すブロック図である。AC電源としては、電圧100Vから240V、周波数50HZ、60HZが対象となる。同図において、AC電源は、減衰器311に加えられ、減衰器311により電圧が1000分の1に減衰され、CPU312のAD変換器に入力される。AD変換器に入力された信号は、図36に示すフローにもとづいて処理される。図36は、AC電源の特性より複写機が使用されている地域を判定するフローを示す。
【0157】
ステップS111では、電圧の最大値から最小値を減算し、次いで、電圧の最大値から最小値までの時間を計測する(ステップS112)。続くステップS113では、AC電源の電圧が200V系か否かを判定する。すなわち、ステップS111で得られた電圧のピーク値に減衰器311の減衰率の逆数を掛け、得られた値が、500V以上だったら電源電圧が200V系であると判断し、ステップS118に進む。得られた値が500V以下だったら電源電圧が200V系ではないと判断し、ステップS114に進む。
【0158】
ステップS114では、AC電源の電圧が115V系かを判定する。すなわち、ステップS111で得られた電圧のピーク値に減衰器311の減衰率の逆数を掛け、得られた値が、300V以上だったら電源電圧が115V系であると判断し、色判定パラメータをアメリカ向け仕様とする(ステップS117)。一方、得られた値が300V以下だったら電源電圧が200V系ではないと判断し、色判定パラメータを日本向け仕様とする(ステップS115)。具体的には、原稿に塗られているマーカの色を判定するためのパラメータ(前もって用意されている)の中から日本向けのものを読み出す。
【0159】
ステップS118では、AC電源の周波数が50HZか60HZかを判定する。すなわち、ステップS112で得られた電圧の最大値から最小値までの時間を2倍して、1周期の時間を求め、1周期の時間の逆数を取り、AC電源の周波数を得る。そして、AC電源の周波数が55HZ以下の場合は、50HZ系と判断し、色判定パラメータを韓国向け仕様とする(ステップS119)。また、AC電源の周波数が55HZ以上の場合は、60HZ系と判断し、色判定パラメータをヨーロッパ向け仕様とする(ステップS119)。
【0160】
ステップS115,S117,S119又はS120を実行した後は、ステップS121及びS122で図32のステップS104及びS105と同様の処理を行い本処理を終了する。
【0161】
第4の手法によれば、仕向け地情報が付加されていない場合であっても、使用地域を判定し、正確な色判定パラメータの設定が可能となる。
【0162】
【発明の効果】
以上詳述したように請求項1の画像処理装置及び請求項8の画像処理方法によれば、所定の色マーカによってマーキングされた色データが予め登録され、同一の色マーカで複数回重ね塗りされた領域における色データを読み取ってマーカ色登録し、原稿の読み取り時に前記登録された色データと読み取った色データとを比較することにより、何度塗りかに関係なく同じ色のマーカとして色判定されるので、ユーザのマーカ塗りむら、画像読み取りセンサの特性ばらつき等に起因するマーカ色の誤判別を防止することができ、所望のマーカ編集結果を得ることができる。
【0164】
請求項2の画像処理装置及び請求項9の画像処理方法によれば、当該装置が販売される地域が判定され、その販売地域に応じて色判定用のパラメータが変更されるので、販売地域に拘わらず正確なマーカ色の判別を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例にかかる画像処理回路の構成を示すブロック図である。
【図2】色パッジシートの例を示す図である。
【図3】図1のマーカ色登録回路の構成を示すブロック図である。
【図4】図3の比率演算回路における処理の内容を説明するための図である。
【図5】マーカの色分布を示す図である。
【図6】図3の比率演算回路における処理のフローチャートである。
【図7】図1の色コード判定回路の構成を示すブロック図である。
【図8】色パッジシートの他の例を示す図である。
【図9】本発明の第2実施例におけるマーカ編集の内容を説明するための図である。
【図10】本発明の第2実施例にかかるカラー複写機の画像処理回路の構成を示すブロック図である。
【図11】図10のマーカ編集回路の構成を示すブロック図である。
【図12】色判別の方法を説明するための図である。
【図13】色コードテーブルを示す図である。
【図14】孤立点除去の手法を説明するための図である。
【図15】領域判定時の記憶データを説明するための図である。
【図16】領域判定の手法を説明するためのテーブルを示す図である。
【図17】領域判定の手法を説明するためのテーブルを示す図である。
【図18】領域判定の手法を説明するためのテーブルを示す図である。
【図19】領域判定の手法を説明するためのテーブルを示す図である。
【図20】尾引き処理を説明するための図である。
【図21】出力色テーブルを示す図である。
【図22】ブルーバック処理を説明するための図である。
【図23】色濃度判定条件を説明するためのテーブルを示す図である。
【図24】原稿の先端に塗るマーカの位置を例示した図である。
【図25】シアンのマーカを読み取ったときの度数分布の例を示す図である。
【図26】色判定回路の構成を示すブロック図である。
【図27】色判定用パラメータを作成する処理のフローチャートである。
【図28】色判定用パラメータの作成処理を説明するための図である。
【図29】色判定用パラメータの補正処理を説明するための図である。
【図30】色判定用パラメータの補正処理を説明するための図である。
【図31】変倍の設定例を示す図である。
【図32】色判定用パラメータの設定処理のフローチャートである。
【図33】地域情報が付加された印字ヘッドを示す図である。
【図34】地域情報に応じた色判定用パラメータの変更例を説明するための図である。
【図35】AC電源と特性を測定するための構成を示す図である。
【図36】AC電源の特性に基づいて販売地域を判定する処理のフローチャートである。
【図37】マーカ編集を説明するための図である。
【図38】マーカ編集を説明するための図である。
【図39】従来のマーカ編集の問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
14 比率演算回路
54 色コード判定回路
55 マーカ色登録回路
227 マーカ編集回路
251 マーカ色判別回路
Claims (9)
- 原稿を読み取る原稿読み取り手段と、読み取った画像データに基づいて所定の色マーカで原稿上にマーキングされた色を判定するマーカ色判定手段とを有し、マーキングされた色の情報に基づいて所定のマーカ編集を施す画像処理装置において、
前記所定の色マーカによってマーキングされた色データを予め読み取って登録するためのマーカ色登録手段を設け、
前記マーカ色登録手段は、同一の色マーカで複数回重ね塗りされた領域における色データを読み取ってマーカ色登録し、
前記マーカ色判定手段は、原稿の読み取り時に前記登録された色データと読み取った色データとを比較して、何度塗りかに関係なく同じ色のマーカとして色判定することを特徴とする画像処理装置。 - 原稿を読み取る原稿読み取り手段と、読み取った画像データに基づいて所定の色マーカで原稿上にマーキングされた色を判定するマーカ色判定手段とを有し、マーキングされた色の情報に基づいて所定のマーカ編集を施す画像処理装置において、
当該装置が販売される地域を判定する地域判定手段を設け、
前記マーカ色判定手段は、当該装置が販売される地域に応じて色判定用のパラメータを変更することを特徴とする画像処理装置。 - 前記地域判定手段は、当該装置の変倍設定に基づいて販売地域を判定することを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
- 前記地域判定手段は、当該装置の印字ヘッドに付加された地域情報に基づいて販売地域を判定することを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
- 前記地域判定手段は、当該装置に供給される交流電源の特性に基づいて販売地域を判定することを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
- 当該装置の印字ヘッドに色判定用パラメータを記憶するパラメータ記憶手段を設け、前記マーカ色判定手段は、前記パラメータ記憶手段に記憶された色判定用パラメータを使用して色判定を行うことを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
- 前記印字ヘッド内に格納されているインクの色と、前記色判定用パラメータの主色の色とが同一であることを特徴とする請求項6記載の画像処理装置。
- 原稿を読み取る原稿読み取りステップと、読み取った画像データに基づいて所定の色マーカで原稿上にマーキングされた色を判定するマーカ色判定ステップとを有し、マーキングされた色の情報に基づいて所定のマーカ編集を施す画像処理方法において、
前記所定の色マーカによってマーキングされた色データを予め読み取って登録するマーカ色登録ステップを設け、
前記マーカ色登録ステップにおいて、同一の色マーカで複数回重ね塗りされた領域における色データを読み取ってマーカ色登録し、
前記マーカ色判定ステップにおいて、原稿の読み取り時に前記登録された色データと読み取った色データとを比較して、何度塗りかに関係なく同じ色のマーカとして色判定することを特徴とする画像処理方法。 - 原稿を読み取る原稿読み取りステップと、読み取った画像データに基づいて所定の色マーカで原稿上にマーキングされた色を判定するマーカ色判定ステップとを有し、マーキングされた色の情報に基づいて所定のマーカ編集を施す画像処理方法において、
当該画像処理方法を実施する画像処理装置が販売される地域を判定する地域判定ステップを設け、
前記マーカ色判定ステップは、当該画像処理方法を実施する画像処理装置が販売される地域に応じて色判定用のパラメータを変更することを特徴とする画像処理方法。
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