[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP3588693B2 - Mn−Zn系フェライトおよびその製造方法 - Google Patents

Mn−Zn系フェライトおよびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3588693B2
JP3588693B2 JP2000030388A JP2000030388A JP3588693B2 JP 3588693 B2 JP3588693 B2 JP 3588693B2 JP 2000030388 A JP2000030388 A JP 2000030388A JP 2000030388 A JP2000030388 A JP 2000030388A JP 3588693 B2 JP3588693 B2 JP 3588693B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mol
ferrite
firing
mass
oxygen concentration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000030388A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001220221A (ja
Inventor
修 小林
修 山田
清 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Minebea Co Ltd
Original Assignee
Minebea Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Minebea Co Ltd filed Critical Minebea Co Ltd
Priority to JP2000030388A priority Critical patent/JP3588693B2/ja
Priority to US09/769,296 priority patent/US6436308B2/en
Priority to EP01102456A priority patent/EP1138648B1/en
Priority to DE60105341T priority patent/DE60105341T2/de
Publication of JP2001220221A publication Critical patent/JP2001220221A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3588693B2 publication Critical patent/JP3588693B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/12Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials
    • H01F1/34Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials non-metallic substances, e.g. ferrites
    • H01F1/342Oxides
    • H01F1/344Ferrites, e.g. having a cubic spinel structure (X2+O)(Y23+O3), e.g. magnetite Fe3O4
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B35/00Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products
    • C04B35/01Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products based on oxide ceramics
    • C04B35/26Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products based on oxide ceramics based on ferrites
    • C04B35/265Compositions containing one or more ferrites of the group comprising manganese or zinc and one or more ferrites of the group comprising nickel, copper or cobalt
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B35/00Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products
    • C04B35/01Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products based on oxide ceramics
    • C04B35/26Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products based on oxide ceramics based on ferrites
    • C04B35/2658Other ferrites containing manganese or zinc, e.g. Mn-Zn ferrites

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Magnetic Ceramics (AREA)
  • Soft Magnetic Materials (AREA)
  • Compounds Of Iron (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軟磁性を有する酸化物磁性材料に係り、より詳しくは各種インダクタンス素子、EMI対策用インピーダンス素子などとしての使用に向けて好適なMn −Zn フェライトとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
軟磁性を有する代表的な酸化物磁性材料としては、Mn −Zn フェライトがある。このMn −Zn フェライトは、従来一般には化学量論組成である50 mol%よりも多いFe 、平均的には52〜55 mol%のFe と、10〜24 mol%の ZnOと、残部 MnOとを含有する基本成分組成となっている。そして、通常は、Fe 、ZnO、 MnOの各原料粉末を所定の割合で混合した後、仮焼、粉砕、成分調整、造粒、成形の各工程を経て所定の形状とし、しかる後、窒素を流すことにより酸素濃度を低く抑えた還元性雰囲気中で、1200〜1400℃に2〜4時間保持する焼成処理を行って製造される。このように還元性雰囲気中で焼成する理由は、Fe3+ の一部を還元することによりFe2+ を生成するためである。このFe2+は正の結晶磁気異方性を有し、Fe3+ の負の結晶磁気異方性を打ち消して軟磁性を高める効果がある。
【0003】
上記したFe2+ の生成量は焼成並びに焼成後の冷却時の酸素濃度に依存し、この設定を誤ると良好な軟磁気特性を確保することは困難となる。そこで、従来は実験的に下記(1)式を確立し、この(1)式に従って焼成並びに焼成後の冷却時の酸素濃度を厳しく管理している。ここで、Tは温度(℃)、Poは酸素濃度(−)、bは定数であり、通常、この定数として7〜8を採用している。この定数が7〜8ということは、焼成中の酸素濃度を狭い範囲に制御しなければならないことを意味し、焼成処理が極めて面倒になり、製造コストも嵩むという問題がある。
log Po=−14540 /(T+273 )+b … (1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、電子機器の小型高性能化に伴い、処理信号が高周波数化される傾向にあり、高周波数帯域においても優れた磁気特性を有する磁性材料が必要になってきている。
しかるに、Mn −Zn フェライトを磁心材料として用いる場合は、使用する周波数帯域が高くなるに従って渦電流が流れ、これによる損失が大きくなる。したがって、磁心材料として使用できる周波数の上限を高めるには、その比抵抗をできるだけ大きくする必要がある。しかし、上記した一般的なMn−Znフェラ イトは、Feが化学量論組成である50 mol%よりも過剰であるため、Fe2+ が多く存在し、上記したFe3+ とFe2+ との間(イオン間)での電子の授受が容易なため、その比抵抗はおよそ1Ωmのオーダーかそれより小さい値である。したがって、使用できる周波数も数百kHz 程度が限界で、これを超える周波数帯域では透磁率(初透磁率)が著しく低下して、軟磁性材料としての特性を全く失ってしまう、という問題があった。
【0005】
一部では、Mn −Zn フェライトの見かけ上の抵抗を高めるため、副成分としてCaO、SiO等を添加して結晶粒界を高抵抗化すると共に、1200℃程度の低温焼成を行って、結晶粒界を一般的な、およそ20μmから5μm程度に小さくして結晶粒界の割合を増やす対策を採っている場合もある。しかし,このような対策を採用しても、結晶粒内そのものの抵抗が低いため、1Ωmのオーダーを超える比抵抗を得ることは難しく、根本的な解決には至らない。
【0006】
また、例えば、CaO、SiO、SnO、TiOを添加して高抵抗化を図ったMn−Znフェライトが開発され、特開平9−180925号に明らかにされている。しかし、その比抵抗は0.3〜2.0Ωmと低く、高周波帯域において使用するには不十分である。さらに、Feを50 mol%以下とし、SnO等を加えたMn −Zn フェライトがGB 1,304,237に明らかにされている。Feが50 mol%以下の場合、本来Fe2+は非常に生成しづらいはずであるにもかかわらず、この特許に記載のMn −Zn フェライトは、Fe2+を3〜7mol%も含有している。このため、従来一般のMn−Znフェライトの比抵抗を上回ることはできない。
【0007】
一方、最近、偏向ヨーク用コア材として、Fe を50 mol%未満とすることで高抵抗化したMn −Zn 系フェライトが開発され、特開平7−230909号公報、特開平10−208926号公報、特開平11−199235号公報等に明らかにされている。
しかしながら、何れの公報に記載のMn −Zn 系フェライトについても、用途が偏向ヨーク用コア材である点と、各公報に記載の発明の実施例からみて、64〜100 kHzという周波数帯域での使用を目的としたフェライト材である。高い比抵抗をねらてFeを50 mol%以下としたのは、偏向ヨーク用のコアに銅線を直に巻付けることを可能にするためであると記述されており、1MHzを超えるような高周波数帯域において使用することを意図したものではない。何れも、100 kHzで1100程度の初透磁率であり、高い比抵抗を得るためにFeを50 mol%未満とするだけでは、優れた軟磁気特性は得られない。
【0008】
さらに、初透磁率の温度係数を小さくするために、Fe が50 mol%以下のMn −Zn フェライトにCoO を1.3〜1.5 mol%添加したものが、特公昭52−4753号公報に開示されている。これもZnO が11 mol%と少なく、焼成および冷却時の酸素濃度も厳密に制御されていないため、100kHz における初透磁率はおよそ2000であった。
【0009】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、1Ωmのオーダーを超える大きな比抵抗を有し、かつ100 kHzで4000以上、10MHz で100以上の高い初透磁率を持つMn −Zn フェライトを提供し、併せてこのようなMn −Zn フェライトを容易かつ安価に得ることができる製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係るMn−Znフェライトの一つは、主成分が、Fe 44.0〜49.0 mol %(ただし、 49.0 mol %は除く)、 ZnO 15.0〜26.5 mol%、CoO 0.1〜3.0 mol%、Mn 0.02〜1.00 mol%、残部 MnOからなり、室温(25℃)における初透磁率が、100kHz で4000以上、10MHz で 100以上であることを特徴とする。
本Mn−Znフェライトは、上記主成分に加えて、副成分としV 0.010〜0.200 mass%、 Bi 0.005〜0.100 mass%、In 0.005〜0.100 mass%、PbO 0.005 〜0.100 mass%、MoO 0.001〜0.100 mass%および WO 0.001〜0.100 mass%のうちの1種または2種以上を含有させてもよいものである。
【0011】
一方、上記目的を達成するための本発明に係る製造方法は、上記のように構成したMn −Zn フェライトの組成となるように成分調整した混合粉末を用いて成形を行った後、前記(1) 式で、定数bとして6〜10の範囲から選択した任意の値で規定される酸素濃度の雰囲気中で焼成および少なくとも 500℃までの焼成後の冷却を行うことを特徴とする。ただし、この(1)式において酸素濃度P o 2 0.21 (大気圧)を超える場合は、 0.21 を雰囲気制御の目標とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
従来の一般的なMn −Zn フェライトでは、前述したようにFeが化学量論組成である50 mol%よりも多い。この過剰分のFeをヘマタイトとして析出させないため、窒素を流すことにより酸素濃度をかなり低く抑えた条件下、つまり定数bが7〜8で焼成および冷却をしなければならなかった。一方、本発明においては、Feを50 mol%未満としているため、ヘマタイトは析出し難く、焼成中の酸素濃度の範囲を多少広くしても良好な磁気特性が得られる。また、従来のFeが50 mol%よりも多いMn −Zn フェライトでは、Fe2+ がおよそ3.0 mol%存在するのに対し、本発明のMn−Znフェライトでは、Fe2+ が0.1〜0.7 mol%と少ないために、比抵抗が非常に高い。したがって、高周波数帯域においてもさほど渦電流が大きくならず、良好な初透磁率が得られる。しかし、このFeが少なすぎると飽和磁化の低下を招くので、少なくとも44.0 mol%以上必要である。
【0013】
主成分としてのZnO は、キュリー温度や飽和磁化に影響を与えるが、少なすぎると初透磁率が低下し、逆に多すぎると飽和磁化やキュリー温度が低下してしまうので、上記範囲15.0〜26.5 mol%とする。
【0014】
CoO はCo2+ が正の結晶磁気異方性を持つため、同じ正の結晶磁気異方性を持つFe2+ が少量しか存在しなくても、Fe3+ の負の結晶磁気異方性を相殺することができる。さらに、Co2+ は誘導磁気異方性を発生させることにより高周波数帯域の損失を低減させる効果もある。ただし、その含有量があまりに少ないとその効果は小さく、逆に多すぎると磁歪が大きくなり初透磁率が低下するため、0.1〜3.0 mol%とする。
【0015】
上記フェライト中のマンガン成分は、Mn2+ およびMn3+ として存在するが、Mn3+ は結晶格子を歪ませる等の理由で初透磁率を著しく低下させるため、Mn として1.00 mol%以下とする。ただし、Mn が少なすぎると比抵抗が著しく低下するため、少なくとも0.02 mol%を含有させるようにする。
【0016】
本発明は、副成分としてV、 Bi、In 、PbO 、MoOおよびWO の一種または二種以上を含有させることができる。これら副成分は、何れも粒成長を促進する作用がある。比較的低周波数帯域における初透磁率は結晶粒径に依存し、したがって、前記した副成分を含有させることにより低周波数帯域における初透磁率を高めることができる。ただし、それらの含有量が少なすぎるとその効果が小さく、逆に多すぎると異常粒成長が起こってしまうので、Vは 0.010〜0.200 mass%、 Bi、In、PbO はそれぞれ0.005〜0.100 mass%、MoO 、WO は それぞれ0.001〜0.100 mass%とするのが望ましい。
【0017】
本発明では、上記したように焼成および焼成後の冷却を、前記(1) 式における定数bとして6〜10の範囲から選択した任意の値を用いて求めた酸素濃度の雰囲気中で行うことで、Mn3+ 量を制御する。定数bとして10より大きい値を選択した場合は、フェライト中のMn3+ 量が1mol% よりも多くなり、初透磁率は急激に低下する。したがって、初透磁率を高くするためには、フェライト中のMn3+量を少なくする必要があり、定数bは小さな値を選択するのが望ましいが、6より小さい値を選択すると、Fe2+ が多くなったり、あるいはMn3+ が少なくなり過ぎることによって、比抵抗が著しく低下してしまうので、この定数bは少なくとも6とする。
【0018】
Mn −Zn フェライトの製造に際しては、予め主成分としてのFe、ZnO、CoO、Mn およびMnO の各原料粉末を所定の比率となるように秤量し、これらを混合して混合粉末を得、次に、この混合粉末を仮焼、微粉砕する。前記仮焼温度は、目標組成によって多少異なるが、800 〜1000℃の温度範囲内で適宜の温度を選択する。また、混合粉末の微粉砕には汎用のボールミルを用いることができる。なお、副成分としてのV、 Bi、In 、PbO 、MoO、WO を含有させる場合は、前記微細な混合粉末に、これら副成分の粉末を適量添加混合し、目標成分の混合粉末を得る。その後は、通常のフェライト製造プロセスに従って造粒、成形を行い、さらに、1100〜1400℃で焼成を行う。なお、前記造粒は、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、メチルセルロース、ポリエチレンオキシド、グリセリン等のバインダーを添加する方法を、また成形は、例えば、80MPa 以上の圧力を加えて行う方法をそれぞれ採用することができる。
【0019】
上記した焼成および焼成後の冷却は、焼成炉中に窒素ガス等の不活性ガスを流して酸素濃度を制御する。この場合、前記 (1)式中の定数は6〜10の範囲内で任意の値を選択することができるので、従来一般の、Fe が50 mol%よりも多いMn −Zn フェライトを焼成する場合に選択した定数b(7〜8)と比較して、その許容範囲はかなり広く、容易に酸素濃度の制御を行うことができる。また、この場合、上記(1) 式に基づく焼成後の冷却は、500 ℃より低い温度では、酸素濃度によらず酸化または還元の反応を無視できるため、500 ℃までとすれば十分である。
【0020】
【実施例】
実施例1
Fe が42.0〜51.0 mol%、CoO が0〜4.0 mol%、残部が MnO、Mn およびZnO で、MnO とMn とを全て MnO として換算したときの MnO とZnO とでモル比が3:2となるように各原料粉末をボールミルにて混合した後、空気中、 900℃で2時間仮焼し、さらにボールミルにて20時間粉砕して、混合粉末を得た。次に、この混合粉末を先の組成となるように成分調整し、さらにボールミルにて1時間混合した。次に、この混合粉末にポリビニルアルコールを加えて造粒し、80MPa の圧力で外径18mm,内径10mm,高さ4mmのトロイダルコア(成形体)を成形した。その後、この成形体を焼成炉に入れ、窒素を流すことにより、前記(1) 式中の定数bを8として求められる酸素濃度となるように雰囲気を調整し、1300℃で3時間焼成および焼成後の冷却を行い、表1に示すような試料1−1〜1−9を得た。
そして、上記のようにして得た各試料1−1〜1−9について、蛍光X線分析によって最終的な成分組成を確認すると共に、比抵抗、100 kHz および10MHz における初透磁率を測定した。それらの結果を表1に一括して示す。
【0021】
【表1】
Figure 0003588693
【0022】
表1に示す結果より、Fe が50.0 mol%よりも多い比較試料1−1および1−2に対し、Fe が50.0 mol%未満の試料1−3〜1−9は、何れも比抵抗が著しく高くなっている。さらに、これらの試料のうち、100 kHz において4000以上、かつ10 MHzにおいて100 以上の初透磁率が得られたのは、Fe 44.0〜49.8 mol%で、かつCoO が 0.1〜3.0 mol%の試料1−3、1−4、1−6、1−8である。
【0023】
実施例2
Fe が48.0 mol%、CoO が 1.0 mol%、ZnO が12.0〜27.0 mol%で、残部が MnO およびMn となるように各原料粉末をボールミルにて混合した後、実施例1と同様の製造条件で表2に示すような試料2−1〜2−6を得た。そして、このようにして得た各試料2−1〜2−6について、蛍光X線分析によって最終的な成分組成を確認すると共に、100 kHz および10 MHzにおける初透磁率、キュリー温度を測定した。それらの結果を表2に一括して示す。
【0024】
【表2】
Figure 0003588693
【0025】
表2に示す結果より、100 kHz において4000以上、かつ10 MHzにおいて100 以上の初透磁率が得られたのは、ZnO が15.0 mol%以上の試料2−2〜2−6である。ただし、ZnO が27.0 mol%の比較試料2−6では、キュリー温度が70℃と低く実用上問題である。
【0026】
実施例3
実施例1の試料1−6と同じ組成となるように各原料粉末をボールミルにて混合した後、空気中、900 ℃で2時間仮焼し、さらにボールミルにて2時間粉砕して、混合粉末を得た。次に、この混合粉末を先の組成となるように成分調整し、さらにボールミルにて1時間混合した。次に、この混合粉末にポリビニルアルコールを加えて造粒し、80MPa の圧力で外径18mm,内径10mm,高さ4mmのトロイダルコア(成形体)を成形した。その後、この成形体を焼成炉に入れ、窒素を流すことにより、前記(1) 式中の定数bを5.5 〜12の範囲で種々に変化させて求められる酸素濃度となるように雰囲気を調整し、1300℃で3時間焼成および焼成後の冷却を行い、表3に示すような試料3−1〜3−5を得た。
そして、このようにして得た各試料3−1〜3−5について、比抵抗、100 kHz および10MHz における初透磁率を測定し、また各試料中のMn の定量分析を行った。それらの結果を表3に一括して示す。
【0027】
【表3】
Figure 0003588693
【0028】
表3に示す結果より、(1) 式中の定数bを6〜10とした酸素濃度の雰囲気中で焼成を行った本発明試料3−2〜3−4は、何れも100 kHz および10MHz における初透磁率が高い。しかし、定数bを5.5 とした酸素濃度の雰囲気中で焼成を行った比較試料3−1は、比抵抗が低いために10MHz での初透磁率が最も低い。逆に、定数bを12とした比較試料3−5は、Mn 量が1.1mol%と多いため、100MHz における初透磁率が低い。
【0029】
実施例4
実施例1の試料1−6と同じ組成となるように各原料粉末をボールミルにて混合した後、900 ℃で2時間仮焼し、さらにボールミルにて20時間粉砕して、混合粉末を得た。次に、この混合粉末を先の組成となるように成分調整すると共に、副成分としてV、 Bi、In 、PbO 、MoOまたはWO を所定量加え、さらにボールミルにて1時間混合した。次に、この混合粉末にポリビニルアルコールを加えて造粒し、80MPa の圧力で外径18mm,内径10mm,高さ4mmのトロイダルコア(成形体)を成形した。その後、この成形体を焼成炉に入れ、窒素を流すことにより、前記(1) 式中の定数bを8として求められる酸素濃度となるように雰囲気を調整し、1300℃で3時間焼成および焼成後の冷却を行い、表4に示すような試料4−1〜4−8を得た。そして、このようにして得た各試料4−1〜4−8について、平均結晶粒径と100 kHzにおける初透磁率を測定した。それらの結果を表4に一括して示す。
【0030】
【表4】
Figure 0003588693
【0031】
表4に示す結果より、副成分を含まない本発明試料1−6に対し、副成分を適量含む本発明試料4−1,4−2および4−4〜4−8は、何れも結晶粒径が大きくなり、初透磁率がより改善されている。ただし、副成分としてのVを過剰に含む比較試料4−3では、異常粒成長が起こり、初透磁率が大幅に低下している。
【0032】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明に係るMn −Zn フェライトによれば、Fe を化学量論組成よりも少ない44.0〜49.0 mol %(ただし、 49.0 mol %は除く)の範囲内で含有させると共に、CoO を 0.1〜3.0 mol%、Mn を0.02〜1.00 mol%の範囲内で含有させ、かつ適当な酸素濃度の雰囲気で焼成を行うことにより、100 kHzから10 MHzにわたる広範囲において優れた初透磁率を有するものとなり、その利用価値は大なるものがある。
また、副成分として、V、 Bi、In 、PbO 、MoO、WO 等を適量含有させた場合は、低周波数帯域においてより一層高い初透磁率を確保することができ、その利用価値はより一層高まる。
さらに、本発明に係るMn −Zn フェライトの製造方法によれば、焼成および焼成後の酸素濃度を厳密に制御する必要がないので、Mn −Zn フェライトの製造の安定化並びに低コスト化に大きく寄与するものとなる。

Claims (3)

  1. 主成分が、Fe2O3 44.0〜49.0 mol%(ただし、49.0 mol%は除く)、 ZnO 15.0〜26.5 mol%、CoO 0.1〜3.0 mol%、Mn2O3 0.02〜1.00 mol%、残部 MnOからなり、室温(25℃)における初透磁率が、100kHz で4000以上、10MHz で 100以上であることを特徴とするMn−Zn系フェライト。
  2. 副成分として、V2O5 0.010〜0.200 mass%、 Bi2O3 0.005〜0.100 mass%、In2O3 0.005〜0.100 mass%、PbO 0.005 〜0.100 mass%、MoO3 0.001〜0.100 mass%およびWO3 0.001〜0.100 mass%のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載のMn−Zn系フェライト。
  3. 請求項1または2に記載のMn−Zn系フェライトの組成となるように成分調整した混合粉末を用いて成形を行った後、焼成および少なくとも 500 ℃までの焼成後の冷却を、温度に応じて下記の式で規定される酸素濃度の雰囲気中で行うことを特徴とするMn −Zn 系フェライトの製造方法。
    log Po2=−14540 /(T+273 )+b
    ただし、T:温度(℃)、Po2:酸素濃度(−)で、0 . 21(大気圧)以下、b:6〜10の範囲から選択した定数
JP2000030388A 2000-02-08 2000-02-08 Mn−Zn系フェライトおよびその製造方法 Expired - Fee Related JP3588693B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000030388A JP3588693B2 (ja) 2000-02-08 2000-02-08 Mn−Zn系フェライトおよびその製造方法
US09/769,296 US6436308B2 (en) 2000-02-08 2001-01-26 Mn-Zn ferrite and production process thereof
EP01102456A EP1138648B1 (en) 2000-02-08 2001-02-03 Mn-Zn ferrite and production process thereof
DE60105341T DE60105341T2 (de) 2000-02-08 2001-02-03 Mn-Zn-Ferrit und Verfahren zu seiner Herstellung

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000030388A JP3588693B2 (ja) 2000-02-08 2000-02-08 Mn−Zn系フェライトおよびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001220221A JP2001220221A (ja) 2001-08-14
JP3588693B2 true JP3588693B2 (ja) 2004-11-17

Family

ID=18555406

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000030388A Expired - Fee Related JP3588693B2 (ja) 2000-02-08 2000-02-08 Mn−Zn系フェライトおよびその製造方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US6436308B2 (ja)
EP (1) EP1138648B1 (ja)
JP (1) JP3588693B2 (ja)
DE (1) DE60105341T2 (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3418827B2 (ja) 2000-03-15 2003-06-23 ミネベア株式会社 Mn−Znフェライトおよびその製造方法
JP2002167272A (ja) * 2000-11-28 2002-06-11 Minebea Co Ltd Mn−Znフェライトの製造方法
JP2004140006A (ja) * 2002-10-15 2004-05-13 Minebea Co Ltd コモンモードチョークコイル及びラインフィルタ
JP4508626B2 (ja) * 2003-12-17 2010-07-21 Jfeケミカル株式会社 Mn−Co−Zn系フェライト
JP4554960B2 (ja) * 2004-03-05 2010-09-29 Jfeケミカル株式会社 Mn−Co−Zn系フェライト
JP4554959B2 (ja) * 2004-03-05 2010-09-29 Jfeケミカル株式会社 Mn−Co−Zn系フェライト
JP4554965B2 (ja) * 2004-03-24 2010-09-29 Jfeケミカル株式会社 Mn−Co−Zn系フェライト
JP4656958B2 (ja) * 2005-02-01 2011-03-23 Jfeフェライト株式会社 Mn−Co−Zn系フェライト
JP2006273673A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Jfe Ferrite Corp Mn−Co−Zn系フェライトおよびその製造方法
KR101121554B1 (ko) * 2006-10-19 2012-03-06 히다찌긴조꾸가부시끼가이사 전파 흡수 재료 및 전파 흡수체
JP2010180101A (ja) * 2009-02-06 2010-08-19 Jfe Chemical Corp 高抵抗高飽和磁束密度MnZnCoフェライトおよびその製造方法
JP5240312B2 (ja) * 2011-03-25 2013-07-17 Tdk株式会社 電波吸収体用フェライト組成物および電波吸収体用フェライトコア
CN105198398B (zh) * 2015-09-09 2017-07-14 苏州冠达磁业有限公司 低温升超低损耗高磁导率及叠加特性锰锌铁氧体
CN116854459A (zh) * 2023-05-19 2023-10-10 江苏阜宁海天金宁三环电子有限公司 一种高频高阻抗的贫铁锰锌铁氧体及其制备方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE1771921B2 (de) 1968-07-31 1972-12-07 CRL Electronic Bauelemente GmbH, 8500 Nürnberg, Rosenthal Stemag Tech nische Keramik GmbH, 8672 Selb Ferrite hoher temperaturempfindlichkeit
JPS5243200B2 (ja) 1972-09-27 1977-10-28
JPS524753A (en) 1975-06-30 1977-01-14 Fujitsu Ltd Mic circulator
JP3454316B2 (ja) 1994-02-18 2003-10-06 Tdk株式会社 マンガン亜鉛系フェライトコア及びその製造方法
JP3771952B2 (ja) 1995-06-28 2006-05-10 ソニー株式会社 単結晶iii−v族化合物半導体層の成長方法、発光素子の製造方法およびトランジスタの製造方法
JPH10208926A (ja) 1997-01-21 1998-08-07 Fuji Elelctrochem Co Ltd フェライト材料並びにその製造方法及びその材料を用いた偏向ヨークコア
JPH11199235A (ja) 1998-01-16 1999-07-27 Fuji Elelctrochem Co Ltd フェライト材料

Also Published As

Publication number Publication date
US6436308B2 (en) 2002-08-20
EP1138648A2 (en) 2001-10-04
US20010017363A1 (en) 2001-08-30
EP1138648A3 (en) 2002-05-22
DE60105341T2 (de) 2005-09-15
JP2001220221A (ja) 2001-08-14
DE60105341D1 (de) 2004-10-14
EP1138648B1 (en) 2004-09-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3108803B2 (ja) Mn−Znフェライト
JP3584439B2 (ja) Mn−Znフェライトおよびその製造方法
JP3588693B2 (ja) Mn−Zn系フェライトおよびその製造方法
JP3584438B2 (ja) Mn−Znフェライトおよびその製造方法
WO2004028997A1 (ja) フェライト材料
US20070205390A1 (en) Mn-Zn BASED FERRITE MATERIAL
JP3418827B2 (ja) Mn−Znフェライトおよびその製造方法
JP3108804B2 (ja) Mn−Znフェライト
JP2005132715A (ja) Ni−Cu−Zn系フェライト材料及びその製造方法
JP2005330126A (ja) MnZnフェライト及びその製造方法
JP2004247370A (ja) MnZnフェライト
JP5845137B2 (ja) Mn−Zn系フェライトの製造方法
JP3446082B2 (ja) Mn−Znフェライトおよびその製造方法
JP2004247371A (ja) MnZnフェライト
JP4303443B2 (ja) フェライト材料の製造方法
JP3584437B2 (ja) Mn−Znフェライトの製造方法
JP4799808B2 (ja) フェライト組成物、磁心及び電子部品
JP7117447B1 (ja) ジルコニア質セッタおよびMnZn系フェライトの製造方法
JP3617070B2 (ja) 低損失フェライトの製造方法
JP2627676B2 (ja) 酸化物磁性材料の製造方法
JP2004196658A (ja) Mn−Znフェライトおよびその製造方法
WO2023182133A1 (ja) MnZn系フェライト
JP2006298728A (ja) Mn−Zn系フェライト材料
JP2004196657A (ja) Mn−Znフェライトの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040121

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040317

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20040405

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040728

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040803

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080827

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080827

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090827

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090827

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100827

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees