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JP3586591B2 - 冗長機能を有する不揮発性半導体メモリ装置のための不良アドレスデータ記憶回路および不良アドレスデータ書き込み方法 - Google Patents

冗長機能を有する不揮発性半導体メモリ装置のための不良アドレスデータ記憶回路および不良アドレスデータ書き込み方法 Download PDF

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  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Read Only Memory (AREA)
  • For Increasing The Reliability Of Semiconductor Memories (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メモリセルアレイ内の不良部分を予備のもの(冗長)に置換して救済する冗長機能を有した不揮発性半導体メモリ装置に関し、より詳しくは、このような不揮発性半導体メモリ装置において不良部分のアドレスデータを記憶するための回路およびそのようなアドレスデータの書き込み方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
不揮発性半導体メモリ装置では、歩留りを向上させるために、不良ビット線、不良ワード線、不良メモリセルを予備のもの(冗長)と置換する手法が知られている。このような手法を用いる不揮発性半導体メモリ装置では、不良ビット線、不良ワード線、不良メモリセルのアドレス、つまり不良アドレスのデータを記憶する必要がある。
【0003】
従来、不良アドレスデータを記憶する方法として最も一般的なものは、たとえば特開平6−150689等に開示されているように、ヒューズを用いるものである。図9にヒューズを用いた不良アドレスデータ記憶回路の一例を示す。ここでは3ビットのアドレスデータを記憶する場合を示している。
【0004】
この回路では、不良ビットのアドレスが101とすると、2番目のヒューズF1が切断される。この不良ビット(不良アドレス)の特定とヒューズの切断はデバイスのテスト時に行われる。
【0005】
次に、テストが終了し、実際のデバイスが動作する場合について述べる。電源電圧Vccが立ち上がると、rdcamen信号も“ハイ”レベルとなり、この信号がゲートに入力されるトランジスタTrがオンする。このとき、1番目のヒューズF0と3番目のヒューズF2は導通しているため、該当するインバータIn0,In2の入力段に電圧Vssが入力され、インバータの出力端子radd0,radd2は“ハイ”レベルとなる。一方、端子radd1からの出力信号については、ヒューズF1が切断されているので、対応するインバータIn1の入力段はキャパシタCを介して一旦Vccとなり、出力は“ロー”レベルとなり、PチャンネルMOSトランジスタPがオンすることで、“ロー”レベルがラッチされる。この結果、出力端子radd0〜radd2からは101が出力される。
【0006】
この手法で最も問題となるのが、ヒューズの部分のレイアウト面積である。高集積化が進み、記憶するアドレスが増加するにつれてこの部分のレイアウト面積が増加してしまうため、面積の縮小化が必要となる。
【0007】
この問題を解決する手段の1つとして、たとえば特開平5−276018で開示されているように、ヒューズの代わりに電気的に書換可能な不揮発性半導体メモリセルを用いる手法がある。図10に3ビットのアドレスを記憶するその一例の回路図を示す。図10から分かるように、図9に示したヒューズの部分に電気的に書換可能なフローティングゲートを有する不揮発性半導体メモリセルM0〜M2を配置している。この場合、ヒューズ切断の代わりに、不揮発性半導体メモリセルへの書き込みが必要となる。したがって、ビット線選択信号bitsel0, bitsel1, bitsel2によってトランスファーゲートTr0, Tr1, Tr2を選択的にオンするカラムデコーダ(図せず)と、不良アドレスデータを書き込むためのデータラッチ回路LATおよびレベルシフターHVが付加されている。
【0008】
この回路にアドレス101を記憶する場合について述べる。図10に示した回路は、ETOX(EPROM Thin OXide)に代表される、チャネルホットエレクトロンを用いて書き込みを行うフラッシュメモリに適応したものである.このタイプのフラッシュメモリでは、初期状態におけるメモリセルのしきい値は1V〜2V付近にある。
【0009】
書き込みはチャネルホットエレクトロンを用いて行う。図10のデータ線DLには不良アドレスがシリアルに出力される。まず、不良アドレス101の最初の“1”に相当する“ハイ”レベルの信号がデータ線DLに出力される。この信号は書き込みデータラッチ回路LATにて反転してラッチされ、“ロー”レベルの信号がレベルシフターHVに入力され、レベルシフターHVは0Vを出力する。結果、トランスファーゲートTr3はオフ状態となる。
【0010】
一方、メモリセルのワード線WLに電圧Vpp(例えば10V)が印加される。そして、メモリセルM0に書き込みを行うべく、電圧Vppの信号bitsel0がトランスファーゲートTr0に印加されるので、トランスファーゲートTr0はオンする。しかし、先のトランスファーゲートTr3がオフのため、ビット線BL0はフローティング状態となり、従って、メモリセルM0には書き込みは行われず、メモリセルM0のしきい値は低い状態(2V以下)のままとなる。この時、ビット線BL1及びBL2もフローティング状態である。
【0011】
次のタイミングでは、データ線DLには不良アドレス101の“0”に相当する“ロー”レベルの信号が出力される。また、電圧Vppの信号bitsel1がトランスファーゲートTr1に印加され、トランスファーゲートTr1がオンする。レベルシフターHVからは“ハイ”レベル(Vppのレベル)の信号が出力されるため、トランスファーゲートTr3はオンし、電圧hhprg(例えば6V)がビット線BL1に出力される。この時、ビット線BL0及びBL2はフローティング状態である。一方、ワード線WLには、Vppが印加されているため、チャネルホットエレクトロンによりメモリセルM1への書き込みが行われ、しきい値が上昇する。
【0012】
続いて、不良アドレス101の最後の“1”に相当するデータがメモリセルM2に格納されるわけであるが、これは先に説明したメモリセルM0への動作と同様であり、結果、メモリセルM2への書き込みは行われず、M2のしきい値は低い状態を保持する。
【0013】
このような不良アドレスの特定とメモリセルへの不良アドレスデータの書き込みはデバイスのテスト時、基本的には、ウエハテスト時に行なわれる。ウエハテストは、1つのチップに対して、1回だけ行なわれるのではなく、何度か、少なくとも、常温テスト、高温テストの2回は行なわれる。そして、上記のような不良アドレスデータの書き込みはテスト毎に行なわれるので、常温テスト時、高温テスト時の最低2度は行なわれることになる。また、例えば、常温テストにおいても、いくつかのテスト項目があり、全てのテストが終了して、不良アドレスデータを書き込むのではなく、テスト項目により、その都度データを書き込む手法を用いるのが通常である。
【0014】
そして、上記書き込みは、以下に述べるように、デバイスの電源の立ち上がり時に不良アドレス等のデータを出力させるようにするため、通常、1つのワード線上のメモリセルに対して行なわれている。
【0015】
次に、不良アドレスデータが記憶されたあと、実際にデバイスが使用された時の動作について述べる。
【0016】
まず、デバイスに電源電圧が印加されると、信号rdcamenもVcc(例えば3V)に立ち上がり、この信号がゲートに入力されるトランスファーゲートTrがオンする。また、ワード線WLもVccに立ち上がるため、しきい値の低いメモリセルM0、M2がオンし、ビット線BL0とBL2はVssレベルに引かれる。このため、出力端子radd0とradd2からは反転された“ハイ”レベルの信号が出力される。
【0017】
一方、ビット線BL1は、メモリセルM1のしきい値が高くなっているためオンせず、電源電圧の投入時にVccからキャパシタC1を介して、ビット線BL1の電位が上がるため、インバータIn1の出力は“ロー”となり、これによりPチャンネルMOSトランジスタPがオンすることで、インバータIn1入力段も“ハイ”に確定、ラッチされることになる。これにより、先の図9のヒューズの場合と同様に、インバータの出力端子radd0、radd1、radd2には不良アドレスデータ101が出力される。
【0018】
以上はチャネルホットエレクトロンを用いるタイプのフラッシュメモリのものである。
【0019】
近年、フラッシュメモリの高集積化に伴い、低消費電力化が求められている。このため、書き込み(プログラム)や消去(イレース)の動作にFN(Fowler‐Nordheim ファウラー−ノーデハイム)トンネル現象を用いることで、低消費電力化を可能としている。ここで、書き込み及び消去の両方にFNトンネル現象を用いるフラッシュメモリをFN−FNタイプのフラッシュメモリと呼ぶ。FN−FNタイプのフラッシュメモリを利用して不良アドレスデータを記憶させる場合、その記憶回路は、図10の回路図から、図11に示すような回路となることが想像できる。次に、この回路の動作について説明する。
【0020】
まず、メモリセルを次のようにして一括して消去(しきい値の高い状態)する。共通ソース、及びメモリセルが形成されている基板(ウェル)にVns(たとえば−8V)を印加する。また、信号rdcamen及び信号rdpgenがゲートに入力されるトランスファーゲートTrをオフにすることで、全ビット線BLをオープン状態とし、メモリセルのコントロールゲートに接続されるワード線WLにはVpp(例えば10V)を印加する。これにより、FNトンネル現象が発生し、チャネル層から電子がフローティングゲートに注入されることで、メモリセルのしきい値が4V以上に上昇し、消去状態となる。
【0021】
次に、不良アドレスデータをメモリセルに書き込む。データ線DLには不良アドレスがシリアルに出力され、これにタイミングを合わせてカラムデコーダ(図示せず)からのビット線選択信号bitsel0、bitsel1、bitsel2によりトランスファーゲートTr0,Tr1,Tr2がオンもしくはオフすることになる。
【0022】
まず、それぞれの所定のラッチ回路LAT0,LAT1,LAT2に不良アドレスデータを転送する。先と同様、不良アドレスを101とすれば、最初の“1”のデータに相当する“ハイ”がデータ線DLに出力される。信号bitsel0によりトランスファーゲートTr0がオンし、ラッチ回路LAT0には“ハイ”がラッチされる。次のタイミングでは、“0”のデータに相当する“ロー”が、この時点でオンとなったトランスファーゲートTr1を介してラッチ回路LAT1に入力され、ラッチされる。続いて、同様に、ラッチ回路LAT2には“ハイ”がラッチされる。
【0023】
次に、ワード線WLにVnn(例えば−8V)を印加し、また、メモリセルヘの書き込み速度をあげるため、hhprg信号の電圧レベルを先のVcc(例えば3V)からVpg(例えば5V)に昇圧し、rdpgen信号をVpps(例えば7V)にすることで、ゲートにrdpgen信号が入力されるトランスファーゲートTrをオンにする。ラッチ回路LAT0、ラッチ回路LAT2には、“ハイ”がラッチされているため、ビット線BL0及びBL2には、Vpgが出力される。これにより、メモリセルアレイ内のメモリセルM0とM2のドレイン側でFNトンネル現象が発生し、フローテイングゲートの電子がドレイン側に引き抜かれることで、しきい値は2V以下に低下し、書き込みがなされたことになる。一方、メモリセルM1については、ラッチ回路LAT1に“ロー”がラッチされているため、ビット線BL1がVss(0V)となることから、書き込みは行われず、しきい値は4V以上のままを維持する。ここまではrdcamen信号がゲートに入力されるトランスファーゲートTrはオフでよい。
【0024】
不良アドレスデータが記憶されたあと、実際にデバイスが使用された時の動作については先と同様であり、ワード線WLにはVcc(例えば3V)を、共通ソースにはVss(0V)を印加するようにして、デバイスに電源を投入すると、出力端子radd0、radd1、radd2から不良アドレスデータ101が出力される。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
フラッシュメモリの場合、検討しなければならない問題の1つとしてディスターブがある。この場合、特に、問題となるのは、書き込み時のゲートディスターブである。
【0026】
図10に示したフラッシュメモリでの書き込みゲートディスターブの状態を図12に模式的に示す。図12に示されているのは非選択メモリセルである。非選択メモリセルのコントロールゲートも、選択メモリセルと同一のワード線WLに接続されているため、データ書き込み(プログラム)時には、Vpp(10V)が印加される。ソースは、図10から分かるように、Vss(0V)の共通ソースに全て接続されている。一方、ドレインは、これに接続されるビット線がフローティング状態(オープン)である。ここで基板(ウェル)は選択メモリセルも非選択メモリセルも共通であり、Vss(0V)とすることから、非選択メモリセルといえどもフローティングゲートと基板(ウェル)との間の電界により、軽い書き込み状態となり、非選択メモリセルのしきい値が変動(この場合、高くなる。ディスターブ)する。これが大きくなると、本来は消去状態であるにもかかわらず、「書き込み状態」と誤読み出しを起こすことになる。
【0027】
ただし、チャネルホットエレクトロンの場合には、1セル当たりの書き込み速度が1μs程度であるので、前記したような手法で1セルごとに順に書き込む方式の場合で、例えば256個のメモリセルを順に書き込んだとしても、最も厳しい条件で255μsのディスターブ時間しかならない。この長さは、ディスターブ時間としては非常に短く、十分耐えられるため、メモリセルのしきい値が変動し、誤読み出しをおこすような問題はおきない。
【0028】
しかし、図11に示したようにアドレスデータをラッチ回路に一括転送してメモリアレイ内のメモリセルに書き込みを行う回路方式では、以下のような問題が起きる。
【0029】
FN−FNタイプのフラッシュメモリでの、FNトンネル現象を用いて書き込む速度は、先のチャネルホットエレクトロンタイプのものと比較して非常に遅く、1メモリセル当たり1ms程度かかる。FNトンネル現象を用いて書き込むタイプのフラッシュメモリのゲートディスターブ状態の一例を図13に模式的に示す。
【0030】
図13に示されているメモリセルは非選択メモリセルである。非選択メモリセルのコントロールゲートも、選択メモリセルと同一のワード線WLに接続されているため、不良アドレスデータの書き込み時には、Vnn(−8V)が印加される。非選択メモリセルのドレインは、先の説明(書き込まれないメモリセルの動作)及び図11から分かるように、これに接続されるビット線BLがVss(0V)であり、一方、ソースはオープン(共通ソース線がオープン)である。ここで基板(ウェル)は選択メモリセルも非選択メモリセルも共通であり、Vss(0V)とすることから、非選択メモリセルといえどもフローティングゲートと基板(ウェル)との間の電界により、軽い書き込み状態となり、非選択メモリセルのしきい値が変動(この場合、低くなる。ディスターブ)し、この変動が大きくなると本来は消去状態であるにもかかわらず、「書き込み状態」と誤読み出しを起こすことになる。
【0031】
FNトンネル現象を用いた書き込みは、先に述べたように書き込み速度が遅く、1メモリセル当たり1ms程度であるので、例えば、256個のメモリセルに順に書き込んだ場合、ゲートディスターブ時間は255ms(「選択されている時間1ms」プラス「他のメモリセルが選択されている時間255ms」)となる。さらに、上述したように複数のテスト(例えば、ウェハレベルでの常温テスト、高温テスト及び各々での各項目別テスト)が行われると、先のゲートディスターブ時間は膨大なものとなる。この非常に長いゲートディスターブ時間により、メモリセルのしきい値が変動してしまう。実際には、2ms以上のゲートディスターブ時間が生じると、メモリセルの中には製造条件等によりしきい値が低下して4Vよりも小さくなるものも出てきている。
【0032】
このしきい値の低下が進み、ワード線WLにVccが印加されるとメモリセルに電流が流れるようになり、これにより不良アドレスラッチ回路の入力段のしきい値電圧Vthを下回ると、端子raddでの出力は本来“ロー”であるはずのものが、“ハイ”と誤出力され、誤った不良アドレスが出力されることになる。
【0033】
そこで、本発明の目的は、冗長機能を有する不揮発性半導体メモリ装置のメモリセルアレイに不良部分があった場合に、上記不良部分のアドレスデータを記憶する不良アドレスデータ記憶回路であって、不良アドレスデータの書き込み時のゲートディスターブを回避でき、したがって信頼性を高めることを可能とする不揮発性半導体メモリ装置のための不良アドレスデータ記憶回路を提供すると共に、そのような不良アドレスデータ記憶回路への不良アドレスデータ書き込み方法を提供することにある。
【0034】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の不良アドレスデータ記憶回路は、冗長機能を有する不揮発性半導体メモリ装置のメモリセルアレイに不良部分があった場合に、上記不良部分のアドレスデータを記憶する不良アドレスデータ記憶回路であって、
行と列に配置された電気的に書き込み及び消去可能なメモリセルと、
各行のメモリセルにそれぞれ接続される複数のワード線と、
各列のメモリセルにそれぞれ接続される複数のビット線と、
ビット線を選択するビット線選択手段と、
不良アドレスデータの書き込み動作のたびに異なるワード線を選択するワード線選択手段とを備えたことを特徴としている。
【0035】
一方、本発明の不良アドレスデータ書き込み方法は、冗長機能を有する不揮発性半導体メモリ装置のメモリセルアレイに不良部分があった場合に、行と列に配置された電気的に書き込み及び消去可能なメモリセルと、各行のメモリセルにそれぞれ接続される複数のワード線と、各列のメモリセルにそれぞれ接続される複数のビット線とを有し、上記不揮発性半導体メモリ装置に含まれる不良アドレスデータ記憶回路に上記不良部分のアドレスデータを書き込むための方法であって、
上記複数のワード線をすべて選択することにより、上記不良アドレスデータ記憶回路内のメモリセル全てを一括して消去する第1のステップと、
複数のワード線のうちの1つを選択すると共に、書き込むべきアドレスデータのビット数に応じた数のビット線を選択し、この選択したワード線およびビット線につながるメモリセルにアドレスデータを書き込む第2のステップとを備え、上記第2のステップを繰り返し行なう場合には、既に選択されたワード線とは異なるワード線を選択することにより、不良アドレスデータの書き込みごとに、異なるワード線につながるメモリセルに書き込みを行うことを特徴としている。
【0036】
本発明によれば、書き込み毎に、異なるワード線に接続されたメモリセルに書き込みを行う、つまり、1つのワード線につながるメモリセルには一度しか書き込み用の電圧を印加しないため、複数の書き込みを行っても、1本のワード線のみを用いていた従来技術に比べて、メモリセルヘのゲートディスターブ(書き込み状態のメモリセルのしきい値の変動)は極めて小さく、従って、不良アドレスデータを誤読み出しするような事態を回避できる。この結果、信頼性の高い不良アドレスデータ記憶回路を実現できる。よって、この不良アドレスデータ記憶回路を備えた不揮発性半導体メモリ装置においては、不良ビット線や不良ワード線等のアドレスを別の救済用メモリセルのあるアドレスに確実に置換することが出来る。したがって、この発明は、大容量化する不揮発性半導体メモリ装置の歩留り向上ならびに製造コストの低減に寄与できる。
【0037】
また、複数のワード線を用いる本発明は、1本のワード線のみを用いていた従来技術に比べて、メモリセルへの書き込み時のゲートディスターブ時間が非常に短いので、この発明を書き込み時間の遅いFN−FNタイプの不揮発性半導体メモリ装置にも好適に適用することができる。
【0038】
また、本発明によれば、不良アドレスデータ記憶回路でのメモリセルを、マトリックス状のアレイ構成にすることで、テスト回数への自由度を持たせることができる。また、メモリセル配列パターンを均一化することで、露光等での製造条件を均一化できるため、不良アドレスデータ記憶回路のメモリセルを、この不良アドレスデータ記憶回路を使用する不揮発性半導体メモリ装置本来のメモリセルの特性に近く、かつ、特性のばらつきを減らして構成できる。
【0039】
一実施形態においては、同一ビット線につながるメモリセルに書き込みが行なわれないよう、書き込み毎に異なるビット線が選択される。こうすることで、ドレインディスターブを極力小さくできる。また、この構成は、書き込みが行なわれたメモリセルのつながるデータ線を同時に選択して、書き込みデータを一斉に読み出すことを可能とする。
【0040】
一実施形態においては、メモリセルの消去動作、書き込み動作がともにファウラー−ノーデハイム・トンネリング現象を用いて行なわれる。
【0041】
FN−FNタイプは、低消費電力でのフローテイングゲートヘの電子の注入並びに放出が可能なので、低消費電力でメモリセルヘの消去並びに書き込みが行なえる。したがって、電源電圧Vccから各種昇圧電圧を作るチャージポンプ回路の負担が減少することで、低消費電力化だけではなく、電源電圧も低くすることができる。
【0042】
また、一実施形態においては、メモリセルを一括して消去する際に、すべてのワード線が選択されて、すべてのメモリセルが、書き込みデータの読み出し時にワード線に印加される読み出し電圧の値よりしきい値が高い状態にされると共に、書き込みが行なわれなかったメモリセルは、不良アドレスデータ書き込み動作後もこのしきい値の高い状態を保持するようになっている。
【0043】
このようにすることにより、複数回に分けて異なるワード線のメモリセルに書き込んでも、同じビット線に接続された複数のメモリセルの中から、書き込まれていないメモリセル(しきい値が高い状態)の影響を受けることなく、書き込まれたメモリセル(しきい値の低い状態)があれば、データとして有効に出力することが出来る。従って、複数回のテストの結果をその都度、異なるワード線と異なるビット線のメモリセルに書き込んで記憶させることが出来ると共に、不良アドレスデータ記憶回路内の書き込みが行われた全てのワード線に、読み出し電圧(消去状態のしきい値と書き込み状態のしきい値のほぼ中間値)を印加することで、不良アドレスデータ記憶回路が組み込まれたデバイスへの電源投入時に、一括してこれら不良アドレスデータを正確に出力することが出来る。
【0044】
上記読み出し電圧として、望ましくは、電源電圧が使用される。電源電圧Vccを用いることで、新たに電圧発生回路を設けることなく、読み出し電圧を得ることが出来る。また、メモリセルのしきい値の高い状態を、電源電圧Vccより高く設定することで、(電源投入時を含む)通常のデバイス動作時において、不良アドレスデータ記憶回路のメモリセルのワード線に読み出し電圧(例えば、Vcc)を印加してもメモリセルをオフ状態とすることが出来、また、しきい値を十分高くすることで、読み出しマージンとできる。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。なお、本発明の実施の形態を示した図面において、図9〜図11の回路で使用されているのと同様の信号、信号線、端子等には図9〜図11で使用したのと同じ符号を用いることとする。
【0046】
(実施の形態1)
本発明を実施した不良アドレスデータ記憶回路の一例を図1に示す。図から分かるように、この回路は、マトリックス状(この例では4行8列)に配列された複数のメモリセルm00〜m37を有するメモリセルアレイ1、各列に対応する書き込みラッチ回路2(2−0〜2−7)、同じく各列に対応する不良アドレスラッチ回路3(3−0〜3−7)、ビット線選択信号bitsel0〜bitsel7を出力するカラムデコーダ4、およびワード線デコーダ回路5を備えている。また、各書き込みラッチ回路2の入力側にはカラムデコーダ4からの信号bitsel0〜bitsel7がゲートに入力されるトランスファーゲートTr0〜Tr7が接続されている。さらに、メモリセルアレイ1と各書き込みラッチ回路2との間およびメモリセルアレイ1と各不良アドレスラッチ回路3との間には、ゲートにrdpgen信号が入力されるトランスファーゲートTraおよびゲートにrdcamen信号が入力されるトランスファーゲートTrbがそれぞれ接続されている。各行のメモリセルのコントロールゲートは、対応するワード線rwl0,rwl1,rwl2,rwl3に接続されている。また、各列のメモリセルのドレインは対応するビット線bl0〜bl7に接続され、全メモリセルのソースは共通ソースに接続されている。
【0047】
各書き込みラッチ回路2は図4に示す回路構成を有し、各不良アドレスラッチ回路は3は図3に示す回路構成を有する。不良アドレスラッチ回路3は、キャパシタ31とPチャネルMOSトランジスタ32とインバータ33とを含んでおり、図9〜11に示されたものと同様の構成である。一方、書き込みラッチ回路2は、2つのインバータ21,22の他、rdrstb信号がゲートに入力されるPチャネルMOSトランジスタ23を含んでおり、図11に示された書き込みラッチ回路にPチャネルMOSトランジスタ23を加えた回路構成となっている。
【0048】
次に、上記構成の不良アドレスデータ記憶回路への書き込み方法を説明する。
【0049】
まず最初に、全部のメモリセルを一括して消去状態(しきい値の高い状態)にする。この場合、不良アドレスを記憶するメモリセルと、図示しない本来のメモリセルとを一括して消去してもよい。
【0050】
消去は共通ソース、及びメモリセルが形成されている基板(ウェル)にVns(例えば−8V)を印加する。また、rdcamen信号及びrdpgen信号がゲートに入力されるトランスファーゲートTrb,Traをオフにすることで、全メモリセルのドレインに接続されるビット線bl0〜bl7をオープン状態とし、メモリセルのコントロールゲートに接続されるワード線rwl0〜rwl3にはVpp(例えば10V)を印加する。これにより、FNトンネル現象が発生し、チャネル層から電子がフローティングゲートに注入されることで、不良アドレスを記憶するための全てのメモリセルm00〜m37のしきい値が4V以上に上昇し、消去状態となる。
【0051】
次に、先に述べたように複数のウェハテストを実施する中で、不良アドレスのデータ書き込みを行なう。まず、第1回目のテスト結果に基づいての不良アドレスのデータの書き込みについて述べる。ここでは、メモリセルm00、m01にデータ0、1を書き込むものとする。
【0052】
最初にrdrstb信号を“ハイ”から“ロー”にする。これは、書き込みラッチ回路2の初期状態を決めるもので、これにより各書き込みラッチ回路2からの出力rdaは“ロー”に設定される。この後、rdrstb信号を“ハイ”に戻す。まず、データ線DL0には、第1のタイミングで不良アドレスデータ0に相当する“ロー”が出力される。これにタイミングを合わせてカラムデコーダからbitsel0に“ハイ”が出力され、トランスファーゲートTr0はオンとなる(このとき、他のトランスファーゲートはオフの状態にある。)。これにより、“ロー”は、書き込みラッチ回路2−0に入力されるが、この書き込みラッチ回路2−0の出力rda0は“ロー”を維持する。なお、この段階では、hhprgはVcc(例えば、3V)の電位を有し、一方、rdpgen信号は“ロー”状態となっており、この信号がゲートに接続されているトランスファーゲートTraはオフ状態である。
【0053】
次に第2のタイミングで、不良アドレスデータ1に相当する“ハイ”がデータ線DL0に出力される。これにタイミングを合わせて、カラムデコーダから“ハイ”のbitsel1信号が出力され、トランスファーゲートTr1がオンする(このとき、他のトランスファーゲートはオフの状態である。)。データ線DL0上の“ハイ”レベルの信号は、書き込みラッチ回路2−1に入力され、これにより、書き込みラッチ回路2−1の出力rda1は“ハイ”となり、ラッチされる。
【0054】
以上のようにしてデータの転送が終了すると、メモリセルヘの書き込み速度を上げるため、hhprg信号をVpg(例えば、5V)に昇圧する。また、rdpgen信号をVpps(例えば、7V)にして、このrdpgen信号がゲートに入力されるトランスファーゲートTraをオンにする。これにより、メモリセルm00のドレインには、rda0の“ロー”であるVss(0V)が、一方、メモリセルm01のドレインには、rda1の“ハイ”であるVpgが印加されることになる。また、ソースは、共通ソースに接続され、フローティング状態(オープン)となっている。
【0055】
ワード線デコーダ回路5より、ワード線rwl0にVnn(例えば、−8V)が印加されると、これにより、メモリセルm01でFNトンネル現象が発生し、フローティングゲートから電子が引き抜かれる(書き込みが行われる)。この結果、メモリセルm01のしきい値が低下し、2V以下になる。一方、メモリセルm00はドレインがVssなのでFNトンネル現象は発生せず、フローテイングゲートからはほとんど電子は引き抜かれることはなく、従って、初期の消去状態(しきい値が4V以上)を維持している。
【0056】
尚、m00とm01以外で同じワード線rwl0がコントロールゲートに接続されているメモリセル(m02他)では、書き込みラッチ回路2の出力rdaは“ロー”に初期設定されたままであるので、これらのドレインにはVssが出力されており、メモリセルm00と同様にしきい値は4V以上を維持している。
【0057】
以上、第1回目のテスト結果に基づいての不良アドレスのデータ0、1の書き込みについて説明した。
【0058】
次に、第2回目のテスト結果に基づいての不良アドレスのデータの第2回目の書き込みについて述べる。ここでは、先とは異なるワード線rwl1にコントロールゲートが接続されているメモリセルm12、m13に、不良アドレスデータ0、1をそれぞれ書き込むものとする。
【0059】
最初にrdrstb信号を“ハイ”から“ロー”にする。これは、書き込みラッチ回路2(図4参照)の初期状態を決めるもので、これにより各書き込みラッチ回路2からの出力rdaは“ロー”に設定される。この後、rdrstb信号を“ハイ”に戻す。
【0060】
まず、データ線DL0には、第1のタイミングで、不良アドレスデータ0に相当する“ロー”の信号が出力される。これにタイミングを合わせて、カラムデコーダ4からbitsel2に“ハイ”が出力され、トランスファーゲートTr2はオンとなる(このとき他のトランスファーゲートはオフの状態である。)。これにより、“ロー”は、書き込みラッチ回路2−2に入力される。このときこの書き込みラッチ回路2−2の出力rda2は“ロー”であったため、“ロー”を維持する。
【0061】
尚、この段階では、hhprg信号はVcc(例えば、3V)となっており、一方、rdpgen信号は“ロー”レベルとなっているので、この信号がゲートに接続されているトランスファーゲートTraはオフ状態である。
【0062】
次に第2のタイミングでデータ線DL0には、不良アドレスデータ1に相当する“ハイ”が出力される。これにタイミングを合わせてカラムデコーダから“ハイ”のbitsel3信号が出力され、トランスファーゲートTr3はオンする。このとき他のトランスファーゲートはオフの状態である。データ線DL0上の“ハイ”の信号は、書き込みラッチ回路2−3に入力され、これにより、書き込みラッチ回路2−3の出力rda3は“ハイ”となり、ラッチされる。
【0063】
以上のようにしてデータの転送が終了すると、メモリセルヘの書き込み速度をあげるため、hhprg信号をVpg(例えば、5V)に昇圧する。また、rdpgen信号をVpps(例えば、7V)にし、このrdpgen信号がゲートに入力されているトランスファーゲートTraをオンにする。これにより、メモリセルm12のドレインには、書き込みラッチ回路2の出力rda2の“ロー”であるVss(0V)が印加され、一方、メモリセルm13のドレインには、出力rda3の“ハイ”であるVpgが印加されることになる。また、ソースは、共通ソースに接続されフローティング状態(オープン)となっている。
【0064】
ワード線デコーダ回路5より、今度はワード線rwl1にVnn(例えば、−8V)が印加され、これにより、メモリセルm13でFNトンネル現象が発生し、フローティングゲートから電子が引き抜かれる(書き込みが行われる)ことで、メモリセルm13のしきい値が低下し、2V以下になる。一方、メモリセルm12はドレインがVssなのでFNトンネル現象は発生せず、フローテイングゲートからはほとんど電子は引き抜かれることはなく、従って、初期の消去状態(しきい値が4V以上)を維持している。
【0065】
尚、メモリセルm12とm13以外で、同じワード線rwl1がコントロールゲートに接続されているメモリセル(m10,m11他)では、書き込みラッチ回路2の出力rdaは“ロー”に初期設定されたままであるので、これらのドレインにはVssが出力されており、メモリセルm12と同様にしきい値は4V以上を維持している。
【0066】
以上、第2回目のテスト結果に基づいての不良アドレスのデータ0、1の書き込みについて説明した。
【0067】
第3回目のテスト結果に基づいての不良アドレスのデータの書き込みを行う場合は、今度は、ワード線デコーダ回路5によりワード線rwl2を選択して、メモリセルm24、m25に不良アドレスデータを記憶させる。同様に、第4回目の書き込みは、ワード線rwl3を選択してメモリセルm36、m37に行うことになる。
【0068】
なお、以上の不良アドレスデータの書き込みの際には、rdcamen信号は“ロー”レベルになっており、したがって、この線がゲートに接続されたトランスファーゲートTra(メモリセルアレイ1と不良アドレスラッチ回路3との間にあるトランスファーゲート)はオフ状態となっている。
【0069】
以上のように、異なるタイミングでの書き込みは、異なるワード線でかつ、異なるビット線(ドレインに接続)につながるメモリセルに不良アドレスデータの書き込み動作を行っていく。このように1つのワード線に接続されたメモリセルヘの書き込みを1回とすることで、FN―FNタイプのフラッシュメモリで問題となるゲートディスターブによるメモリセルのしきい値の変動を回避することができる。
【0070】
次に、以上のようにして不良アドレスデータ記憶回路に不良アドレスデータが書き込まれているデバイスの通常動作時の動作について説明する。通常に動作させる場合の電源投入時の各信号の立ち上がり状態を図5に示す。この図から分かるように、電源電圧Vccが上昇するに従い、不良アドレスが書き込まれている全てのワード線rwl0〜rwl3とrdcamenの電圧が同じくVccまで立ち上がる。これにより、rdcamen信号がゲートに入力されているトランスファーゲートTrbはオンとなる。また、このとき、rdpgen信号は“ロー”であり、この信号がゲートに入力されているトランスファーゲートTra(書き込みラッチ回路2とメモリセルアレイ1との間にあるトランスファーゲート)はオフ状態である。なお、電源投入時のワード線rwl0〜rwl3への印加電圧は、本来のメモリセルアレイの読み出し動作(リード)時に選択ワード線に印加する電圧と同じでも良い。
【0071】
本発明の特徴は、異なるワード線につながるメモリセルにデータを書き込み、書き込まれたメモリセルがつながるワード線が、デバイスの通常動作時においては全て立ち上がる点である。もし、1つの同じビット線blにつながるメモリセルのうち、1つでもデータ“1”が書き込まれている(つまり、そのメモリセルのしきい値が2V以下)場合、例えば、メモリセルm01が2V以下であり、同一ビット線bl1につながる他の3つのメモリセルm11、m21、m31はイレース状態でしきい値が高い状態を維持している場合には、電源電圧Vccが立ち上がると、図3に示す不良アドレスラッチ回路3(3−1)において、入力rbl1の電圧は、Vccと接続されたキャパシタ31のカップリングによって一旦は上昇する。しかしながら、メモリセルm01のしきい値が低いため、電流が流れ、rbl1の電圧がメモリセルm01を通してディスチャージし、rbl1は共通ソースの電位Vssとなる。結果として、出力radd0は“ハイ”状態、つまりデータ“1”となる。
【0072】
一方、例えば、書き込まれたデータが0の場合、例えば、メモリセルm00が4V以上であり、同一ビット線bl0につながる外の3つのメモリセルm10,m20,m30もイレース状態でしきい値が高い状態の場合、全てのメモリセルのしきい値が4V以上なので、メモリセルを通して電流が流れない。そのため、対応する不良アドレスラッチ回路3(3−0)では、rbl0の電圧が、電源Vccと接続されたキャパシタ31のカップリングによって上昇し、これによりインバータ33の出力は“ロー”となり、PチャンネルMOSトランジスタ32がオンして、rbl0はVccでラッチされる。したがって、出力radd0は“ロー”状態つまりデータ“0”となる。
【0073】
上述の例では、メモリセルm01、m13がプログラム状態(しきい値が2V以下)であるため、これらのメモリセルのドレインが接続されている不良アドレスラッチ回路3−1,3−3の出力端子radd1、radd3はいずれも“ハイ”となる。一方、メモリセルm00、m12は消去状態(しきい値が4V以上)のままであり、また、これらメモリセルと同じビット線bl0,bl2にドレインが接続されているメモリセルm10、m20、m30及びm02、m22、m32もまた消去状態であるので、これらのメモリセルのドレインが接続されている不良アドレスラッチ回路3−0,3−2の出力端子radd0、radd2は“ロー”となる。よって、不良アドレス0101としてメモリセルアレイ1に記憶されたデータは、radd0、radd1、radd2、radd3に0、1、0、1と出力されることになる。残る不良アドレスラッチ回路3も同様にして、記憶されている不良アドレスデータを出力する。
【0074】
次に、このような動作を実現するワード線デコーダ回路5の一例を図6に示す。図7は図6のワード線デコーダ回路5に使用されるドライバー回路52の構成を、図8は同じく図6のワード線デコーダ回路5に使用される不電圧レベルシフタ51の構成を示している。
【0075】
まず、最初の消去(イレース)動作では、awlb端子から“ロー”つまりVssを入力し、hnvpnx端子からVppを入力することで、全てのワード線rwl0〜rwl3が選択され、これらのワード線にVppが出力される。
【0076】
続く不良アドレスデータをメモリセルに書き込むプログラム動作においては、awlb端子を“ハイ”つまりVccにし、hnvpnxにはVnnを入力し、端子a0、a1により所望のワード線を選択する。例えば、端子a0、a1を“ロー”、“ロー”とすることで、ワード線rwl0が選択される。選択されたワード線にはVnnが出力され、非選択のワード線にはVssが出力される。これにより、不電圧レベルシフター51への入力sel0が“ハイ”つまりVccとなり、負電圧レベルシフター51では、PチャンネルMOSトランジスタP2とNチャンネルMOSトランジスタN1がオンする。その結果、不電圧レベルシフター51の一方の出力端子naにはVccが、もう一つの出力端子nabにはVnnが出力される。これらの信号が次段のドライバー回路52に入力され、結果的には、選択ワード線rwl0にhnvpnxの電圧が出力される。
【0077】
一方、非選択ワード線、例えば、rwl1では不電圧レベルシフター51への入力sel1が“ロー”つまりVssとなるため、負電圧レベルシフター51では、PチャンネルMOSトランジスタP1とNチャンネルMOSトランジスタN2がオンし、出力端子naにはVnnが、出力端子nabにはVccが出力される。これらの信号が次段のドライバー回路52に入力されて、結果的に電圧Vssが非選択ワード線rwl1に出力される。他の非選択ワード線rwl2、rwl3にも同様にVssが出力される。
【0078】
また、通常のデバイス動作時においては、端子awlbを“ロー”つまりVssとすることで、全てのワード線が選択され、この時の端子hnvpnxに印加されているVccがドライバー回路52を介して全ワード線に出力される。
【0079】
以上の各モードでのワード線デコーダ回路5からの出力電圧及び入力電圧について下の表1にまとめる。
【0080】
【表1】
Figure 0003586591
【0081】
尚、表1にはイレースベリファイ及びプログラムベリファイ動作時のワード線デコーダ回路からの出力電圧及び入力電圧についても記している。イレースベリファイはイレース(消去)時にメモリセルが所望のしきい値4V以上になったか否かをワード線に4Vを印加し検証するものであり、一方、プログラムベリファイは、書き込むべきメモリセルが所望のしきい値2V以下になったか否かを、ワード線に2Vを印加し検証するものである。
【0082】
最後に不良アドレスラッチ回路からの出力と、本来のメモリ領域をアクセスするアドレスとが合致するか否かを検出(例えば、所定のアドレス線とイクスクルーシブORを取る等)し、記憶されている不良アドレスと合致するアドレスがアクセスされた場合は、例えば、アドレスの最上位ビットを切り替えるなどして別の救済用の予備アドレスに変換し、ビット線単位、ワード線単位等で良品に切り替えることで、フラッシュメモリ装置の本来のメモリ領域内の不良アドレスを救済する。
【0083】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る不良アドレスデータ記憶回路の回路図を図2に示す。図2から分かるように、この実施の形態2では、実施の形態1が書き込みラッチ回路2を不良アドレスラッチ回路3に対して1対1に対応して設置していたのに対して、不良アドレスラッチ回路4つにつき1つの書き込みラッチ回路を配置している。この実施の形態で使用する不良アドレスラッチ回路および書き込みラッチ回路の構成は実施の形態1で使用されたものと同じ回路構成を備えており、それぞれ図3および図4に示す通りである。図2において、図1と同じまたは類似の構成部分には、図1で使用した参照番号と同じ参照番号を付している。
【0084】
この実施の形態において書き込みラッチ回路2の数を不良アドレスラッチ回路3の数よりも少なくできるのは、書き込みが全てのメモリセルに同時に行なわれるわけではないからである。図2に示した例では、各不良アドレスは、それぞれ、不良アドレスラッチ回路3−0と3−4、3−1と3−5、3−2と3−6、3−3と3−7の組み合わせからなる。
【0085】
次に、この不良アドレスデータ記憶回路への不良アドレスデータ書き込み処理について説明する。
【0086】
まず、不良アドレスのデータを書き込む前に消去を行う。この消去は、先の実施の形態1に記載されたものと同じであり、説明を省略する。
【0087】
次に、複数のウェハテストを実施する中で、まず、第1回目のテスト結果に基づいての不良アドレスのデータの書き込みを行なう。ここでは、メモリセルm00、m04にデータ0、1を書き込むものとする。
【0088】
最初にrdrstb信号を“ハイ”から”ロー”にする。これは、書き込みラッチ回路2(図4)の初期状態を決めるもので、これにより各書き込みラッチ回路2からの出力rdaは“ロー”に設定される。この後、rdrstb信号を“ハイ”に戻す。続いて、データ線DL0に、第1のタイミングで不良アドレスデータ0に相当する“ロー”が出力される。これにタイミングを合わせてカラムデコーダ4から“ハイ”のbitsel0信号が出力され、トランスファーゲートTr0はオンとなる(このとき、他のトランスファーゲートはオフの状態である。)。これにより、不良アドレスデータ0を表す“ロー”の信号は、書き込みラッチ回路2−0に入力される。このときこの書き込みラッチ回路2−0の出力rda0は“ロー”であったため、“ロー”を維持する。尚、この段階では、hhprgにはVcc(例えば、3V)が印加され、一方、rdpgen0〜rdpgen3には“ロー”が出力され、これらの信号がゲートに接続されているトランスファーゲートTra1〜Tra3はオフ状態である。
【0089】
次に、第2のタイミングで、データ線DL0に不良アドレスデータ1に相当する“ハイ”が出力される。これにタイミングを合わせてカラムデコーダ4から“ハイ”のbitsel1信号が出力され、トランスファーゲートTr1がオンする(このとき、他のトランスファーゲートはオフの状態にある。)。データ線DL0上の“ハイ”は、書き込みラッチ回路2−1に入力され、これにより、書き込みラッチ回路2−1の出力rda1が“ハイ”となり、ラッチされる。
【0090】
以上のようにしてデータの転送が終了すると、メモリセルヘの書き込み速度をあげるためhhprg信号をVpg(例えば、5V)に昇圧する。また、rdpgen0をVpp(例えば、7V)にし、このrdpgen0がゲートに接続されているトランスファーゲートTra0をオンにする。これにより、メモリセルm00のドレインには、書き込みラッチ回路2−0の出力rda0の “ロー”であるVss(0V)が印加され、一方、メモリセルm04のドレインには、書き込みラッチ回路2−1の出力rda1の“ハイ”であるVpgが印加されることになる。また、これらのメモリセルのソースは共通ソースに接続されて、フローティング状態(オープン)となっている。
【0091】
一方、ワード線デコーダ回路5から、ワード線rwl0にVnn(例えば、−8V)が印加され、これにより、メモリセルm04でFNトンネル現象が発生し、フローティングゲートから電子が引き抜かれる(書き込みが行われる)ことで、メモリセルm04のしきい値が低下し、2V以下になる。一方、メモリセルm00はドレインがVssなのでFNトンネル現象は発生せず、フローテイングゲートからはほとんど電子は引き抜かれることはなく、従って、初期の消去状態(しきい値が4V以上)が維持される。
【0092】
尚、メモリセルm00とm04以外で、そのコントロールゲートが同じワード線rwl0に接続されているメモリセルは、rdpgen1〜rdpgen3がゲートに接続されているトランスファーゲートTra0〜Tra3(メモリセルアレイ1と書き込みラッチ回路2との間にあるトランスファーゲート)がオフであるため、ドレインがオープン状態となっており、メモリセルm00と同様にしきい値は4V以上を維持している。
【0093】
以上、第1回目のテスト結果に基づいての不良アドレスのデータ0、1の書き込みについて説明した。次に、第2回目のテスト結果に基づいての不良アドレスのデータの第2回目の書き込みについて述べる。先とは異なるワード線(ここではrwl1)にコントロールゲートが接続されているメモリセルm11、m15に、不良アドレスデータ0、1を書き込むものとする。
【0094】
最初に、第1回目の書き込みのときと同様に、書き込みラッチ回路2の初期状態を決めるために、rdrstb信号を“ハイ”から“ロー”にする。これにより各書き込みラッチ回路2からの出力rdaは“ロー”に設定される。この後、rdrstb信号を“ハイ”に戻す。
【0095】
続いて、第1のタイミングで、データ線DL0に不良アドレスデータ0に相当する“ロー”が出力される。これにタイミングを合わせてカラムデコーダ4からbitsel0に“ハイ”が出力され、トランスファーゲートTr0はオンとなる(このとき、他のトランスファーゲートはオフの状態である。)。これにより、“ロー”は、書き込みラッチ回路2−0に入力される。書き込みラッチ回路2−0の出力rda0は“ロー”状態が維持される。尚、この段階では、hhprgにはVcc(例えば、3V)が印加され、一方、信号rdpgen0〜rdpgen3は“ロー”状態となり、これらの信号がゲートに入力されるトランスファーゲートTra0〜Tra3はオフ状態である。
【0096】
次に、第2のタイミングで、データ線DL0に、不良アドレスデータ1に相当する“ハイ”が出力される。これにタイミングを合わせてカラムデコーダ4からbitsel1に“ハイ”が出力され、トランスファーゲートTr1はオンする。(このとき他のトランスファーゲートはオフの状態である。)。データ線DL0上の“ハイ”は、書き込みラッチ回路2−1に入力され、これにより、書き込みラッチ回路2−1の出力rda1は“ハイ”となり、ラッチされる。
【0097】
以上のようにしてデータの転送が終了すると、メモリセルヘの書き込み速度をあげるため、hhprgをVpg(例えば、5V)に昇圧する。また、rdpgen1をVpps(例えば、7V)にし、このrdpgen1がゲートに入力されているトランスファーゲートTra1をオンにする。これにより、メモリセルm11のドレインには、書き込みラッチ回路2−0の出力rda0の“ロー”であるVss(0V)が、一方、メモリセルm15のドレインには、書き込みラッチ回路2−1の出力rda1の“ハイ”であるVpgが印加される。一方、これらのメモリセルのソースは、共通ソースに接続され、フローティング状態(オープン)となっている。
【0098】
次に、ワード線デコーダ回路5より、今度はワード線rwl1にVnn(例えば、−8V)が印加され、これにより、メモリセルm15でFNトンネル現象が発生し、フローティングゲートから電子が引き抜かれる(書き込みが行われる)。その結果、メモリセルm15のしきい値が低下し、2V以下になる。一方、メモリセルm11はドレイン電圧がVssなのでFNトンネル現象は発生せず、フローテイングゲートからはほとんど電子は引き抜かれることはなく、従って、初期の消去状態(しきい値が4V以上)を維持する。尚、メモリセルm11とm15以外で、同じワード線rwl1がコントロールゲートに接続されているメモリセルでは、rdpgen0、rdpgen2、rdpgen3がゲートに接続しているトランスファーゲートTra0〜Tra3がオフであることから、これらのメモリセルのドレインはオープン状態であり、メモリセルm11と同様にしきい値は4V以上を維持している。
【0099】
以上、第2回目のテスト結果に基づいての不良アドレスのデータ0、1の書き込みについて説明した。第3回目のテスト結果に基づいての不良アドレスのデータの書き込みを行う場合は、今度は、ワード線デコーダ回路5によりワード線rwl2を選択して、メモリセルm22、m26に不良アドレスデータに基づいて記憶させる。以下、同様に第4回目の書き込みは、ワード線rwl3を選択してメモリセルm33、m37に行うことになる。尚、これらの書き込みの際は、rdcamen信号は“ロー”とし、この信号がゲートに入力されるトランスファーゲートTrb(メモリセルアレイ1と不良アドレスラッチ回路3との間のトランスファーゲート)はオフ状態にしておく。
【0100】
以上のように、異なるタイミングでの書き込みは、異なるワード線でかつ異なるビット線(ドレインに接続)につながるメモリセルに不良アドレスデータの書き込み動作を行っていく。これにより、1つのワード線に接続されたメモリセルヘの書き込みを1回とする。こうすることで、FN−FNタイプのフラッシュメモリで問題となるゲートディスターブによるメモリセルのしきい値の変動を回避することができる。
【0101】
不良アドレスデータが書き込まれているデバイスの通常動作は、不良アドレス0101が、出力radd0、radd4、radd1、radd5の順で表わされること以外は、先の実施の形態1と同じであるので、説明は省略する。また、ワード線デコーダ回路5の動作についても同様である。
【0102】
尚、本発明は、上述した2つの実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、数々変更可能であることは言うまでもない。例えば、書き込み、消去等に使用される具体的な電圧値は上記のものに限定されず、適宜変更可能である。また、不良アドレス記憶回路内のメモリセルアレイ1の構成(例えば、ワード線の本数、ビット線の本数等)も、メモリセルの特性やテスト回数等を考慮して設定すれば良い。
【0103】
また、本発明は、低消費電力化を可能とするFN−FNタイプの不揮発性半導体メモリであり、メモリセルアレイのメモリセルのしきい値の高い状態を消去状態、メモリセルのしきい値の低い状態を書き込み状態とする不揮発性半導体メモリに有効であり、特に、
1)ACT(AsymmeTrical Contactless Transistor)型フラッシュメモリ
(IEDM Technical Digest, pp 269−270, 1995,“A New Cell STructure for Sub−quarter Micron High Density Flash Memory”や、電気情報通信学会信学技報、ICD97‐21, p37, 1997,“ACT型フラッシュメモリのセンス方式の検討”を参照)
2)AND型フラッシュメモリ
(電気情報通信学会信学技報、ICD93−128, p37, 1993
“3V単一電源64Mビットフラッシュメモリ用AND型セル”を参照)
3)DINOR型フラッシュメモリ
(電気情報通信学会信学技報、ICD95‐38, p55, 1995
“3.3V単一電源、16MビットDINOR型フラッシュメモリ”を参照)に対して有効である。
【0104】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明は、複数に分けられて書き込みが行われる不良アドレス記憶回路において、書き込み毎に不良アドレス記憶用メモリセルの異なるワード線に接続されたメモリセルに書き込みを行うことで、メモリセルヘのゲートディスターブ(書き込み状態のメモリセルのしきい値の変動)を低減でき、従って、複数のテストデータ書き込みを行っても、信頼性の高い不良アドレス記憶回路を実現でき、不良ビット線や不良ワード線等のアドレスを別の救済用メモリセルのあるアドレスに確実に置換することが出来、大容量化する不揮発性半導体メモリの歩留り向上を果たし、低コストでの不揮発性半導体メモリを提供できる。
【0105】
また、FN−FNタイプは、低消費電力でのフローテイングゲートヘの電子の注入並びに放出を可能とし、このため、電源電圧Vccから各種昇圧電圧を作るチャージポンプ回路の負担が減少することで、低消費電力化だけではなく、電源電圧も低くすることができるものである。ただ、FN―FNタイプでの書き込み時間の遅さから起きる、複数回にわたって書き込みが行われる不良アドレス記憶回路でのゲートディスターブを、本発明の構成により低減することで、信頼性の高いFN−FNタイプの不揮発性半導体メモリを提供できる。
【0106】
また、不良アドレス記憶回路のメモリセルアレイの全てのメモリセルを、前もって一括してしきい値の高い状態にしておくことで、複数回に分けて異なるワード線のメモリセルに書き込んでも、同じビット線に接続された複数のメモリセルの中から書き込まれていないメモリセル(しきい値が高い状態)の影響を受けることなく、書き込まれたメモリセル(しきい値の低い状態)があれば、データとして有効に出力することが出来る。従って、複数回のテストの結果をその都度、異なるワード線と異なるビット線のメモリセルに書き込んで記憶させることが出来ると共に、不良アドレス記憶回路内の書き込みが行われた全てのワード線に、読み出し電圧(消去状態のしきい値と書き込み状態のしきい値のほぼ中間値)を印加することで、デバイスヘの電源投入時に一括して、これら不良アドレスデータを出力することが出来る。
【0107】
この読み出し電圧には、電源電圧Vccを用いることで、新たに電圧発生回路を設けることなく、読み出し電圧を得ることが出来る。また、メモリセルのしきい値の高い状態を、電源電圧Vccより高く設定することで、(電源投入時を含む)通常のデバイス動作時において、不良アドレス記憶回路のメモリセルのワード線に読み出し電圧(例えば、Vcc)を印加してもメモリセルをオフ状態とすることが出来、また、しきい値を十分高くすることで、読み出しマージンとなる。
【0108】
また、不良アドレスデータ記憶回路のメモリセルをアレイ構成にすることで、テスト回数への自由度を持たせると共に、このアレイ化によりメモリセル配列パターンを均一化することで、露光等での製造条件を均一化でき、本来のメモリセルの特性に近く、かつ、特性のばらつきを減らして構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す回路図。
【図2】本発明の第2の実施の形態を示す回路図。
【図3】上記第1および第2の実施形態で用いられる不良アドレスラッチ回路の一例を示した回路図。
【図4】上記第1および第2の実施形態で用いられる書き込みラッチ回路の一例を示した回路図。
【図5】上記第1および第2の実施形態における電源オン時のノードの波形を示す図。
【図6】上記第1および第2の実施形態で用いられるワード線デコーダ回路の一例を示した回路図。
【図7】図6のワード線デコーダ回路で用いられるドライバー回路の回路図。
【図8】図6のワード線デコーダ回路で用いられる負電圧レベルシフターの回路図。
【図9】従来のヒューズを用いた不良アドレスを記憶するための回路を示す図。
【図10】不揮発性半導体メモリセルを用いて不良アドレスの各ビットを記憶する従来の回路を示す図。
【図11】FN−FNタイプの不揮発性半導体メモリセルを用いて不良アドレスの各ビットを記憶する回路を示す図。
【図12】チャネルホットエレクトロンを用いて書き込むタイプのフラッシュメモリの書き込み時のゲートディスターブを説明する図。
【図13】FN−FNタイプのフラッシュメモリの書き込み時のゲートディスターブを説明する図。
【符号の説明】
1…メモリセルアレイ、2…書き込みラッチ回路、3…不良アドレスラッチ回路、4…カラムデコーダ、5…ワード線デコーダ回路、rwl0〜rwl3…ワード線、bl0〜bl7…ビット線。

Claims (11)

  1. 冗長機能を有する不揮発性半導体メモリ装置のメモリセルアレイに不良部分があった場合に、上記不良部分のアドレスデータを記憶する不良アドレスデータ記憶回路であって、
    行と列に配置された電気的に書き込み及び消去可能なメモリセルと、
    各行のメモリセルにそれぞれ接続される複数のワード線と、
    各列のメモリセルにそれぞれ接続される複数のビット線と、
    ビット線を選択するビット線選択手段と、
    不良アドレスデータの書き込み動作のたびに異なるワード線を選択するワード線選択手段とを備えたことを特徴とする不良アドレスデータ記憶回路。
  2. 請求項1に記載の不良アドレスデータ記憶回路において、
    上記ビット線選択手段は、同一ビット線につながるメモリセルに書き込みが行なわれないよう、書き込み毎に異なるビット線を選択することを特徴とする不良アドレスデータ記憶回路。
  3. 請求項1または2に記載の不良アドレスデータ記憶回路において、
    メモリセルの消去動作、書き込み動作がともにファウラー−ノーデハイム・トンネリング現象を用いて行なわれることを特徴とする不良アドレスデータ記憶回路。
  4. 請求項3に記載の不良アドレスデータ記憶回路において、
    不良アドレスデータの書き込みの前に、上記ワード線選択手段によりすべてのワード線が選択されて、すべてのメモリセルが、書き込みデータの読み出し時にワード線に印加される読み出し電圧の値よりしきい値が高い状態にされると共に、書き込みが行なわれなかったメモリセルは、不良アドレスデータ書き込み動作後もこのしきい値の高い状態を保持することを特徴とする不良アドレスデータ記憶回路。
  5. 請求項1乃至4にのいずれか1つに記載の不良アドレスデータ記憶回路において、
    書き込みデータの読み出し時には、上記ワード線選択手段は書き込みが行なわれたメモリセルがつながるワード線をすべて選択して読み出し電圧をこれらのワード線に印加することを特徴とする不良アドレスデータ記憶回路。
  6. 請求項4または5に記載の不良アドレスデータ記憶回路において、
    上記読み出し電圧は電源電圧であることを特徴とする不良アドレスデータ記憶回路。
  7. 冗長機能を有する不揮発性半導体メモリ装置のメモリセルアレイに不良部分があった場合に、行と列に配置された電気的に書き込み及び消去可能なメモリセルと、各行のメモリセルにそれぞれ接続される複数のワード線と、各列のメモリセルにそれぞれ接続される複数のビット線とを有し、上記不揮発性半導体メモリ装置に含まれる不良アドレスデータ記憶回路に上記不良部分のアドレスデータを書き込むための方法であって、
    上記複数のワード線をすべて選択することにより、上記不良アドレスデータ記憶回路内のメモリセル全てを一括して消去する第1のステップと、
    複数のワード線のうちの1つを選択すると共に、書き込むべきアドレスデータのビット数に応じた数のビット線を選択し、この選択したワード線およびビット線につながるメモリセルにアドレスデータを書き込む第2のステップとを備え、上記第2のステップを繰り返し行なう場合には、既に選択されたワード線とは異なるワード線を選択することにより、不良アドレスデータの書き込みごとに、異なるワード線につながるメモリセルに書き込みを行うことを特徴とする書き込み方法。
  8. 請求項7に記載の書き込み方法において、
    上記第2のステップが繰り返えし行なわれるとき、同一ビット線につながるメモリセルに書き込みが行なわれないよう、書き込み毎に異なるビット線を選択することを特徴とする書き込み方法。
  9. 請求項7または8に記載の書き込み方法において、
    上記第1のステップにおけるメモリセルの消去動作および上記第2のステップにおける書き込み動作をともに、ファウラー−ノーデハイム・トンネリング現象を用いて行なうことを特徴とする書き込み方法。
  10. 請求項9に記載の書き込み方法において、
    上記第1のステップにおいて、すべてのメモリセルを読み出し電圧よりも高いしきい値を有する状態にし、上記第2のステップで書き込みを行わないメモリセルに上記高いしきい値を保持させることを特徴とする書き込み方法。
  11. 請求項10に記載の書き込み方法において、
    上記読み出し電圧は電源電圧であることを特徴とする書き込み方法。
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