JP3585162B2 - 紙容器 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は粉体洗剤用紙容器に関する。
【０００２】
【従来の技術】
洗剤容器では、廃棄時の焼却性のために紙容器を用いている。特許２６５６９０３ 号では、容器本体に蓋をヒンジ結合した紙容器で、容器本体の開口縁部の外側面に接着してあった係止舌片を剥離して起こし、蓋の内側に設けてある係止凹部を閉蓋時に上記起こされた係止舌片に係止可能としている。これにより、蓋がヒンジの反発力により、閉じ位置から開き方向へ浮き上がるのを防止している。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
▲１▼容器本体の外側面に接着してあった係止舌片を剥離するものであり、この剥離痕が容器の外観を損なう。
【０００４】
▲２▼係止舌片を剥離することにより、容器本体と係止舌片の強度低下を招く。
【０００５】
▲３▼起こされた係止舌片は、起こされる前に接着されていた容器本体の外側面側への復元習性を備え、これが蓋の係止凹部から外れる係止解除習性として作用し、蓋のロックの確実性を損ない、洗剤の吸湿を招きやすくなる。
【０００６】
本発明の課題は、容器の外観と強度を損なうことなく、蓋のロックの確実性を向上することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明は、容器本体の背面板に蓋をヒンジ結合してなり、容器本体の開口部を封止する封緘紙を開口縁部の外側面に貼着してなる粉体洗剤用紙容器であって、封緘紙の開封前に容器本体の開口縁部の内側に納めてなる折返し片を、開封後に該開口縁部の外側に折返し可能とし、の内側に設けてある係合部を閉蓋時に上記折返された折返し片に係止可能としてなるようにしたものである。
【０００８】
【発明の実施の形態】
粉体洗剤用紙容器１０は、図１に示す如く、容器本体１１と蓋１２と封緘紙１３とからなる。
【０００９】
容器本体１１は、紙だけ、もしくは紙を主材料としてプラスチックフィルムをラミネートされた素材を折り曲げて組立てたものであり、正面板１１Ａ、背面板１１Ｂ、両側板１１Ｃ、１１Ｃ、底板１１Ｄを有する。容器本体１１は、開口部１１Ｅを形成する正面板１１Ａ、背面板１１Ｂ、両側板１１Ｃ、１１Ｃの各開口縁部１１Ｆに内折りフラップ１１Ｇを備え、この内折りフラップ１１Ｇを内折り接着してある。
【００１０】
蓋１２は、紙だけ、もしくは紙を主材料としてプラスチックフィルムをラミネートされた素材を折り曲げて組立てたものであり、前板１２Ａ、後板１２Ｂ、両側板１２Ｃ、１２Ｃ、天板１２Ｄを有する。蓋１２は、前板１２Ａにつまみ部１２Ｅを備え、後板１２Ｂにヒンジ結合部１２Ｆを備えるとともに、両側板１２Ｃ、１２Ｃの各下縁部に内折りフラップ１２Ｇを備え、この内折りフラップ１２Ｇを内折り接着してある。蓋１２は、両内折りフラップ１２Ｇの前板１２Ａ寄り端部、又は前板１２Ａの両側下縁部に糊付フラップ１２Ｈを備え、この糊付フラップ１２Ｈを前板１２Ａの内側面に貼着してある。
【００１１】
紙容器１０は、容器本体１１の背面板１１Ｂに蓋１２のヒンジ結合部１２Ｆをヒンジ結合して構成される。このとき、紙容器１０は、容器本体１１の正面板１１Ａの両側の開口縁部１１Ｆに折返し片２１を備え、この折返し片２１を封緘紙１３の開封前は開口縁部１１Ｆの内側に納め、封緘紙１３の開封後には開口縁部１１Ｆの外側に折返し可能としている（図２）。更に、紙容器１０は、蓋１２の前板１２Ａの内側に、糊付フラップ１２Ｈが天板１２Ｄの裏面との間に形成する凹所を係合部２２として備える。これにより、閉蓋時に、図３に示す如く、蓋１２の係合部２２を容器本体１１の折返された折返し片２１に節度感（係止音）を伴って係止し、蓋１２がヒンジ結合部１２Ｆの反発力により開き方向へ浮き上がるのを防止する。
【００１２】
尚、紙容器１０は、容器本体１１の開口部１１Ｅを封止する封緘紙１３を、正面板１１Ａ、背面板１１Ｂ、両側板１１Ｃ、１１Ｃの全開口縁部１１Ｆの外側面に一定幅をもって貼着し（図１）、内容物の粉体洗剤を流通保管段階で密封可能としている。
【００１３】
従って、本実施形態によれば以下の作用がある。
（請求項１に対応する作用）
▲１▼容器本体１１に設けた折返し片２１は、開口縁部１１Ｆの内側に納めてあったものを外側に単に折返して用いるものである。従って、折返し片２１の使用に際し、容器１０の外観を損なうことがないし、容器本体１１と折返し片２１の強度低下を招くこともない。
【００１４】
▲２▼折返された折返し片２１は、折返される前に納められていた容器本体１１の内側への復元習性を備え、これが蓋１２の係合部２２に当たる係止促進習性として作用し、蓋１２のロックの確実性を向上し、洗剤の吸湿防止とした。
【００１５】
（請求項２に対応する作用）
▲３▼封緘紙１３が封着されているときには、折返し片２１が開口縁部１１Ｆの内側に納められているから、封緘紙１３を開口縁部１１Ｆの上端面から外側面の一定幅の範囲に貼着しても、封緘紙１３の開封時に折返し片２１の表層を何ら剥離することがない。従って、封緘紙１３による封止の確実を図りながら、折返し片２１の脆弱を招くことがない。
【００１６】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、容器の外観と強度を損なうことなく、蓋のロックの確実性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１は紙容器の封緘紙貼着状態を示す斜視図である。
【図２】図２は紙容器の折返し片を折返した状態を示す斜視図である。
【図３】図３は紙容器の閉蓋状態を示す断面図である。
【符号の説明】
１０ 紙容器
１１ 容器本体
１１Ｂ 背面板
１１Ｅ 開口部
１１Ｆ 開口縁部
１２ 蓋
１２Ｆ ヒンジ結合部
１３ 封緘紙
２１ 折返し片
２２ 係合部

Claims (2)

1. 容器本体の背面板に蓋をヒンジ結合してなり、容器本体の開口部を封止する封緘紙を開口縁部の外側面に貼着してなる粉体洗剤用紙容器であって、
   封緘紙の開封前に容器本体の開口縁部の内側に納めてなる折返し片を、開封後に該開口縁部の外側に折返し可能とし、
   蓋の内側に設けてある係合部を閉蓋時に上記折返された折返し片に係止可能としてなる紙容器。
2. 前記蓋の内側に設けてある係合部は、糊付フラップと蓋の天板の裏面との間に形成する凹所である請求項１記載の紙容器。

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