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JP3583151B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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JP3583151B2
JP3583151B2 JP30627091A JP30627091A JP3583151B2 JP 3583151 B2 JP3583151 B2 JP 3583151B2 JP 30627091 A JP30627091 A JP 30627091A JP 30627091 A JP30627091 A JP 30627091A JP 3583151 B2 JP3583151 B2 JP 3583151B2
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は吸収性物品に係り、詳しくは、排泄量のあまり多くない失禁者用としてのおむつカバー、着用具または下着と共に用いられ、あるいは大人用使い捨ておむつ等に補助的に併用され、男性を対象に用いられる吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術】
男性を対象とする失禁者用あるいは大人用おむつに補助的に用いられる吸収性物品には、内部に吸収体を有し、既に筒状、或いは袋状に形成してあるもの等が提供されている。しかし、このような吸収性物品は、サイズが決まっており、圧迫感があり、更には尿などの体液の吸収量も低く限られているので全ての装着者に対応することができなかった。
【0003】
また別の補助的な吸収性物品としては、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、該両シートの間に配された吸収体とから成り、また上記トップシートを内側にしてほぼ袋状または漏斗状に折り返し可能な帯状物であり、上記吸収体の両側端外方向に少なくとも上記バックシートが延在した第1のサイドフラップと第2のサイドフラップを有したものがすでに知られている。
【0004】
例えば、図4及び5に示す如く、吸水性物品70は、トップシート72と、バックシート74と、両シート72、74に挟持された吸収体76から成り、吸収体76の両側端に、バックシート72及びトップシート74が延在したサイドフラップ78、80を有している。サイドフラップ78、80には伸縮弾性部材であるギャザー82a、82bが設けられており、またバックシート74面の所定の位置には粘着テープ84及び剥離紙86が設けられている(実開平2−6024号公報)。
【0005】
このような吸収性物品70について男性を対象に使用する場合、図5に示す如く、吸収性物品70はほぼ袋状又は漏斗状に折り返され、粘着テープ84を設けた吸収性物品の端部70aは袋状内に折り込まれて、粘着テープ84を介して吸収性物品のほぼ斜向かい(はすむかい)部分70bの内面(トップシート面)に貼着けられるようになっている。このような吸収性物品70は、使用状態によりサイズの調節が可能で、尿等の体液全体の吸収量も高いという利点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の吸収性物品では、粘着テープ84はトップシート72面と貼着されるため、それらの間の貼着力が弱いという問題があった。即ち、トップシート72は、その機能上、貼着性の悪い不織布、多孔性フィルム等で形成され、その周縁にあってはシリコーン系油剤、パラフィンワックス等が塗布されているため、トップシート72は粘着テープ84の貼着力を弱めてしまい、吸収性物品の長時間の使用において型崩れ等を起こすおそれがあった。
【0007】
また、従来の吸収性物品70では、粘着テープ84を設けた端部70aをほぼ斜向かいの部分70bに折り込むとき、サイドフラップ80のギャザー82bが操作上邪魔するおそれがあった。更に、折り返して重ねた部分70a、70bは装着時に使い捨ておむつ等が接する側(または肌側の反対側)に配されるようになっているため、その結果として、おむつ内での吸収性物品の位置的な安定感が欠け、長時間装着におけるフィット性が悪くなり、しかも、形成した袋等の開口縁となるサイドフラップ78のギャザー82aが直接肌に当たるので装着感を悪くするおそれがあった。
【0008】
更に、サイドフラップ80は液のしみ出し方向に延在しているため、液漏れを抑制することが難しかった。
従って、本発明の目的は、使用に際しての装着操作が容易で、しかも長時間使用において型崩れ等を起こすおそれのない、使い捨ておむつ等に併用される補助的な吸収性物品を提供することにある。
【0009】
また、本発明の目的は、上記目的に加えて、使用時の装着感に優れ、且つ尿等の液漏れも少ない吸収性物品を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、該両シートの間に配された吸収体とから成り、また上記トップシートを内側にしてほぼ袋状または漏斗状に折り返し可能な帯状物であり、上記吸収体の両側端外方向に上記バックシート及び上記トップシートが延在した第1のサイドフラップと第2のサイドフラップを有した吸収性物品において、上記第1のサイドフラップを上記トップシート側に折り返して、上記第1のサイドフラップの一部又は全部を上記トップシートに固着させ、且つ折り返した第1のサイドフラップのバックシート面の少なくとも一部の表面に粘着部を、剥離紙で覆って設け、上記帯状物を、上記トップシートを内側にしてほぼ袋状または漏斗状に折り返した際に、折り返して重ね合わせた部分が、該粘着部により接合されるようになされており、また上記第2のサイドフラップの中央領域に、該フラップに沿って伸縮弾性部材を配設してあり、上記第1のサイドフラップには、伸縮弾性部材が配設されていないことを特徴する吸収性物品を提供することにより達成したものである。
【0011】
【作用】
本発明の吸収性物品によれば、吸収性物品を袋状または漏斗状に折り返す際に、該物品の伸縮弾性部材のない側端部が縮まっていないため、その側端部の折り返し操作を簡単にすることができる。また、粘着部を設けた吸収性物品の端部は、そのほぼ斜向かいにある部分を内側にして折り重ねるので、外側に余分な吸収体が残ることがなく、開口部の大きさも自由に選択できる。粘着部においては、バックシート同士を接合しているので、充分な接着力を保持し、型くずれし難い。更に、粘着部は長手方向に位置しているので重ね合わせた部分が完全に接合され、この部分から漏れることがない。
【0012】
このように袋状または漏斗状に型造りされた吸収性物品を装着する際、吸収性物品の重ね部分は、伸縮弾性部材等がないので、使い捨ておむつと併用する場合は重ね合わせ部分を表面材に接するように配置し、失禁者のように本発明の吸収性物品を単独で使用する場合は重ね合わせ部分を肌と接する側に配することができ、装着における安定感、フィット性が生じる。
【0013】
また、第2のサイドフラップが折り返しがある場合、特に第2のサイドフラップの両端部を固着した場合、第2のサイドフラップの中央部は立ち上がり、袋状または漏斗状の吸収性物品の開口において防漏壁となる。更に第2サイドフラップの伸縮性部材は上部にあり、しかも直接肌を圧迫するおそれも少なくなる。
【0014】
【実施例】
以下、本発明に係る吸収性物品の実施例を図面を参照して説明する。図1乃至図3は本発明に係る吸収性物品の一実施例を示しており、図1の(a)及び(b)は実施例に係る吸収性物品の平面図、図2の(a)及び(b)は図1に示す実施例におけるI−I線矢視断面図及びII−II線矢視断面図、図3は吸収性物品の使用状態を示す図である。
【0015】
本実施例に係る吸収性物品おいて、図1に示す如く、液透過性のトップシート2と、液不透過性のバックシート3と、該両シート2、3の間に配された吸収体4とから成り、また上記トップシート2を内側にしてほぼ袋状または漏斗状に折り返し可能な帯状物であり、上記吸収体4の両側端外方向に上記バックシート3及びトップシート2が延在した第1のサイドフラップ6と第2のサイドフラップ7を有した構成は、公知の吸収性物品と同じである。
【0016】
而して、本実施例に係る吸収性物品は、図1乃至図3に示す如く、上記第1のサイドフラップ6を上記トップシート2側に折り返して、上記第1のサイドフラップ6の一部又は全部を上記トップシート2に固着させ、且つ折り返した第1のサイドフラップ6のバックシート3面の少なくとも一部の表面に粘着部8を設け、また上記第2のサイドフラップ7の中央領域に、該フラップに沿って伸縮弾性部材9を配設したのである。
【0017】
また、上記第2のサイドフラップ7をトップシート2側に折り返して、上記第2のサイドフラップ7の前後端部を少なくとも上記トップシート2に固着させてある。
本実施例を更に詳しく説明すると、図1に示す如く、吸収性物品1は一定の幅を有した帯状物であり、トップシート2及びバックシート3の幅は吸収体4の幅より長く形成されている。そして、吸収体4の両側端部から延在した両シート部分は、互いに固着され第1及び第2のサイドフラップ6、7として形成され、且つトップシート2側に折り返されている。
【0018】
図2に示す如く、第1のサイドフラップ6は折り返した内面のすべてがトップシート2面に固着され、バックシート3面がトップシート2面の一部(側端部面付近)を覆っている。また、第1のサイドフラップ6の表面(バックシート3面)には粘着部としての粘着テープ8と、該粘着テープ8を覆う剥離紙10が設けられている。第2のサイドフラップ7は折り返した内面の両端部分がトップシート2面に固着され、その中央部分は固着されない状態となっている。また、第2のサイドフラップ7のほぼ中央部には伸縮弾性部材であるギャザー9が取り付けられている。
【0019】
尚、上記固着方法としては、公知の方法を採ることができ、例えば、ホットメルト型接着剤による接着、超音波による溶着、熱による溶着等を適宜に用いることができる。
また、本実施例の吸収性物品1のトップシート2面は尿等の体液の吸収面となっているため、トップシート2は液透過性シートであり、バックシート3は液不透過性シートであり、吸収体4は水分を充分に保持する保持担体である。
【0020】
即ち、トップシート2は、排泄物を吸収体4へ透過させる液透過性シートで、肌着に近い感触を有したものが好ましく、このような液透過性シートとしては、例えば、織布、不織布、多孔性フィルム等が好ましい。また、トップシートの周縁部にシリコーン系油剤、パラフィンワックス等の疎水性化合物を塗布する方法や、予めアルキルリン酸エステルのような親水性化合物を塗布し、周縁を温水で洗浄する方法を用いて撥水処理することによって、周縁部における尿等の滲みによる漏れを防止してもよい。
【0021】
バックシート3としては、熱可塑性樹脂にフィラーを加えて延伸した蒸気を透過させる透湿性のある液不透過性シートや、肌着に近い感触を有したもの、例えば、強撥水性の不織布、或いはフィルムと織布との複合材料等が用いられる。
吸収体4としては、解繊パルプを主材とし、高吸水ポリマーを併用したものが好ましく、そのほか、熱可塑性樹脂、セルロース繊維、高分子吸水性ポリマーの混合物に熱処理を加えたものなどが好ましい。高分子吸水ポリマーの存在位置は、吸収体4の上層、中層、下層のいずれであってもよく、解繊パルプと混合しあったものであってもよい。
【0022】
失禁者用には、装着した際に外観から目立たないように、吸収体4の厚みも薄いことが望ましい。また、使い捨ておむつと併用するには、吸収体4の吸収容量が高いことが望ましく、これによって、おむつ本体を頻繁に取り替える必要がない。また、上記いずれの場合も筒状に曲げ易く、かつ風合いが良いことが要求されるので曲げ剛性は小さい方が望ましい。
【0023】
尚、第2のサイドフラップ7に取り付けられる伸縮弾性部材であるギャザーとしては、糸状の伸縮弾性部材に限らず、テープ状の部材であっても、平ゴム等であってもよい。このような伸縮弾性部材は、150%伸長時の伸縮応力が100グラム以下のものが特に好ましく、また吸収伸縮性のある糸を用いることもできる。
【0024】
以上のように構成した本実施例の吸収性物品において、吸収性物品1はその使用をする時にトップシート2面を内側として袋状または漏斗状に折り返される。この場合、折り返して先細りとなる吸収性物品1の側端部分(粘着テープ8を有する側端部分)は伸縮弾性部材がないので縮まるような作用はなく、その折り返し操作が簡単にでき、所定の形状に整えることが容易にできる。
【0025】
吸収性物品1は、図3(a)及び(b)に示すように、粘着テープ8を設けた端部とほぼ斜向かいにある部分のトップシート2を内側にして折り込まれ、該粘着テープ8は斜向かいの折り込まれた部分の外表面、即ちバックシート3面に貼着する。したがって、粘着テープ8はバックシート3面同士を重ね合わせ接合することとなり、該吸収性物品1は袋状または漏斗状に型造りされる。
このように袋状または漏斗状に型造りされた吸収性物品1を装着する際、使い捨ておむつと併用する場合には、図3(a)に示される重ね部分12を、使い捨ておむつの表面材に接するように配置し、また、吸収性物品1を単独で使用する場合には、重ね部分12に伸縮弾性部材等がないので、図3(b)に示される重ね部分12を、肌と接する側に配することができる。吸収性物品1を単独で使用する場合には、ギャザー9が肌と接しない側に位置するので、装着における安定感、フィット性がよくなり、更にはギャザー9が直接肌にあたることが防止され感触がよくなる。
【0026】
また、第2のサイドフラップ7はその両端部をトップシート2面に固着して折り返され、両端部以外の中央部のギャザー9がある部分は袋状の内側から立ち上がり、防漏壁となる
【0027】
また、第1のサイドフラップ6を折り返してトップシート2面に固着する場合、上記実施例ではサイドフラップ6の全体を固着させたが、固着部分は全体である必要はなく適所に設ければよい。第2のサイドフラップ7を折り返してトップシート2面に固着する場合、上記実施例のようにサイドフラップ7の両端部を固着部分とすることが望ましいが、全体を固着しても所定の防漏性を得ることができる。
【0028】
【発明の効果】
本発明に係る吸収性物品は、使用に際しての装着操作が容易で、しかも長時間使用において型崩れ等を起こすおそれがない。また、使用時の装着感に優れ、且つ尿などの液漏れも少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は実施例に係る吸収性物品の平面図である。
【図2】(a)及び(b)は図1に示す実施例におけるI−I線矢視断面図及びII−II線矢視断面図である。
【図3】吸収性物品の使用状態を示す斜視で、(a)は重ね部分側からみた図、(b)はその反対側からみた図である。
【図4】従来の吸収性物品の平面図である。
【図5】従来の吸収性物品の使用状態を示す図である。
【符号の説明】
1 吸収性物品
2 トップシート
3 バックシート
4 吸収体
6 第1のサイドフラップ
7 第2のサイドフラップ
8 粘着部
9 伸縮弾性部材

Claims (2)

  1. 液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、該両シートの間に配された吸収体とから成り、また上記トップシートを内側にしてほぼ袋状または漏斗状に折り返し可能な帯状物であり、上記吸収体の両側端外方向に上記バックシート及び上記トップシートが延在した第1のサイドフラップと第2のサイドフラップを有した吸収性物品において、
    上記第1のサイドフラップを上記トップシート側に折り返して、上記第1のサイドフラップの一部又は全部を上記トップシートに固着させ、且つ折り返した第1のサイドフラップのバックシート面の少なくとも一部の表面に粘着部を、剥離紙で覆って設け、上記帯状物を、上記トップシートを内側にしてほぼ袋状または漏斗状に折り返した際に、折り返して重ね合わせた部分が、該粘着部により接合されるようになされており、
    また上記第2のサイドフラップの中央領域に、該フラップに沿って伸縮弾性部材を配設してあり、
    上記第1のサイドフラップには、伸縮弾性部材が配設されていないことを特徴する吸収性物品。
  2. 上記第2のサイドフラップをトップシート側に折り返して、上記第2のサイドフラップの前後端部を少なくとも上記トップシートに固着させたことを特徴とする請求項1記載の吸収性物品。
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