JP3582781B2 - ルーフトリムの取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両のルーフパネルの室内側に取り付けられるルーフトリムの取付構造に係り、特に、アシストストラップ,ルームランプ等のアクセサリとルーフトリムとをルーフパネルに一体に取り付けができ、取付作業性を高めることができ、しかも、良好な衝撃吸収機能を付与したルームトリムの取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、図19に示すように、車両のルーフ部には、ルーフパネル(図示せず)の室内側に内装材としてのルーフトリム1が内装されており、このルーフトリム1は、僅かに湾曲したパネル形状に成形され、適度の保形性と、優れた表面風合い、手触り感を備えるために、保形性を備えた樹脂ボード等の表面に不織布,クロス等の表皮材を貼着して構成されている。
【0003】
そして、このルームトリム1には、急カーブ時等、乗員が掴んで適正な姿勢を維持できるように側縁部分にアシストストラップ2が装着されているとともに、中央部にはルームランプ3等の種々のアクセサリが装着されている。
【0004】
次に、図20において、ルーフパネル4に対するルーフトリム1(芯材1a,表皮材1bで示す)、アシストストラップ2の取付構造について簡単に説明すると、ルーフパネル4の室内面にルーフトリム1を適正位置に位置決めした後、アシストストラップ2のボス部2aをルーフトリム1にロケートして、取付用ボルト5をそれぞれアシストストラップ2の取付孔2b、ルーフトリム1の取付孔1cを挿通させて、ルーフパネル4の取付孔4aの背面に植設されている取付ナット6に締め付け固定することにより、ルーフパネル4に対してルーフトリム1及びアシストストラップ2を取付固定している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来のルーフトリム1の取付構造においては、ルーフトリム1を正規位置に位置決めした後、更にアシストストラップ2をそれぞれ適正箇所に位置決めし、その後、取付用ボルト5を介して共締め固定するという方法を採用しているため、それぞれルーフトリム1やアシストストラップ2の各取付姿勢を保持しておかなければならず、取付作業が面倒であり、かつ一人作業では行なうことができず、省人化の大きな障害となっていた。
【0006】
更に、側突時等、アシストストラップ2の取付部位においては、アシストストラップ2自体が硬質樹脂の射出成形体から構成されているため、乗員に負荷がかかることが予想されるため、この部位においても衝撃吸収機能を付与することが望まれていた。
【0007】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、アシストストラップ,ルームランプ,ルームミラーブラケット等のアクセサリを備えたルーフトリムをルーフパネルに取り付けるルーフトリムの取付構造において、ルーフトリムとアクセサリとの間のモジュール化を達成することにより、ルーフトリムの取付作業性を高めることができ、しかも、アクセサリ取付部分に衝撃吸収機能を付与することにより、側突時等、乗員にかかる負荷を軽減できるルーフトリムの取付構造を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願の請求項1に記載の発明は、車両のルーフパネルの室内側にルーフトリムを内装するとともに、このルーフトリムの表面所定箇所にアシストストラップ,ルームランプ等のアクセサリを装着してなるルーフトリムの取付構造であって、ルーフトリムの表面側所定箇所にアクセサリを位置決めするとともに、中空ケース状に射出成形され、スペーサ機能、衝撃吸収機能を備えた樹脂成形体からなる緩衝部材をアクセサリ設置箇所のルーフトリム裏面側に対応設置し、取付用ボルトをアクセサリ,ルーフトリム,緩衝部材に差し込み、緩衝部材に設けたボス孔内に取付用ボスを保持することにより三者を仮保持した後、ルーフパネルの取付孔内に取付用ボルトを締め付け固定することにより、ルーフトリムとアクセサリをルーフパネルに対して同時に取り付けることを特徴とする。
【0009】
ここで、ルーフトリムは、軽量で適度な保形性並びに良好な手触り感を備え、外観見栄えを備えることが望ましいことから、発泡樹脂板等の成形基材の表面に不織布,クロス等の表皮材を貼着したものが好ましい。
【0010】
更に、アクセサリとしては、アシストストラップ,ルームランプ,ルームミラー用ブラケット,サンバイザ用ホルダ等が挙げられる。
【0011】
そして、請求項1に記載の発明によれば、ルーフトリムの室内側にアクセサリ、裏面側に緩衝部材を接合した状態で取付用ボルトを介して三者を仮保持した後、ルーフパネル側に取り付けるという方法を採用しているため、ルーフパネルにルーフトリムを一人作業で取り付けることができる。
更に、請求項1に記載の発明によれば、樹脂成形体に設けたボス孔内に取付用ボルトを挿入すれば、ストッパー壁部やフランジ部等により取付用ボルトを仮保持することができ、樹脂成形体の厚みや座屈部を適宜設定することにより、衝撃荷重を有効に制御できる。
【0012】
更に、アクセサリ取付部分には、ルーフパネルとルーフトリムとの間に緩衝部材が介挿されるという構成であるため、側突等、外部からの衝撃に対して緩衝部材により衝撃を吸収することができる。
【0014】
また、中空ケース状の樹脂成形体としては、ルーフパネルとルーフトリムとの間のスペーサ機能と、衝撃吸収機能と、取付用ボルトの仮保持機能を備えることが必要である。
【0015】
中空ケース状の樹脂成形体は、外壁フレームに連通する補強リブや衝撃吸収機能を高めるためには所定箇所に座屈部等を設けることが良い。
【0016】
一方、取付用ボルトの仮保持手段としては、ボス孔内に取付用ボルトの挿入を遮断するストッパー壁部や取付用ボルトの外周を保持するフランジ部を設けるか、あるいは、樹脂弾性を利用してボス孔の内周壁に係止爪やクリップ片を一体に設けるか、また、別物の係止片を嵌め込むようにしても良い。
【0018】
本願の請求項2に記載の発明は、緩衝部材の車体パネル当接面側に先端を傾斜させたロケートピンが突設形成されるとともに、ロケートピンに対応して、車体パネルにロケート孔が設けられ、ロケートピンをロケート孔に差し込むことにより、ルーフトリムの位置決めを行なうとともに、ルーフトリムの仮保持を達成したことを特徴とする。
【0019】
ここで、ロケートピンとしては、プレート状、クロス状、断面T字状等、形状が特に限定されるものではなく、特にロケートピンの先端を傾斜させれば、ルーフパネルのロケート孔内に差し込んだ状態で仮保持することができる。
【0020】
そして、請求項2に記載の発明によれば、緩衝部材のパネル対向面にロケートピンが突設され、これと対応するようにルーフパネルにはロケート孔が設けられているため、ルーフトリム,アクセサリ,緩衝部材の三者を一体に仮保持したアッセンブリ体をルーフパネルの適切箇所に簡単かつ迅速に位置決めすることができる。
【0021】
また、ロケートピンに仮保持機能をもたせれば、ボルト止め作業が非常にやりやすくなる。
【0022】
本願の請求項3に記載の発明は、緩衝部材に設けられているボスには、側突時、緩衝部材の座屈を誘発する脆弱部が設けられているとともに、緩衝部材の厚み寸法が薄肉に設定されていることにより、衝撃吸収性能を高めたことを特徴とする。
【0023】
そして、請求項3に記載の発明によれば、ケース状の樹脂成形体からなる緩衝部材に設けられるボスには、座屈を誘発するスリット等の脆弱部が設けられているため、側突時等、外部からの衝撃が加わった際、この脆弱部が座屈することにより、外部からの衝撃を有効に吸収できる。
【0024】
本願の請求項4に記載の発明は、車両のルーフパネルの室内側にルーフトリムを内装するとともに、このルーフトリムの表面所定箇所にアシストストラップ,ルームランプ等のアクセサリを装着してなるルーフトリムの取付構造であって、ルーフトリムの表面側所定箇所にアクセサリを位置決めするとともに、所要形状にモールド成形され、スペーサ機能、衝撃吸収機能を備えた発泡樹脂成形体からなる緩衝部材をアクセサリ設置箇所のルーフトリム裏面側に対応設置し、取付用ボルトをアクセサリ,ルーフトリム,緩衝部材に差し込み、緩衝部材に設けたボス孔内に取付用ボスを保持することにより三者を仮保持した後、ルーフパネルの取付孔内に取付用ボルトを締め付け固定することにより、ルーフトリムとアクセサリをルーフパネルに対して同時に取り付けることを特徴とする。
【0025】
ここで、発泡樹脂体としては、ウレタン樹脂発泡体,ポリスチレン発泡体等、軽量でスペーサ機能並びに衝撃吸収機能を備えていれば、特に発泡樹脂の材質は限定されない。
【0026】
また、上記発泡樹脂成形体からなる緩衝部材に取付用ボルトを仮保持する手段としては、取付用ボルトを挿通させるボス孔の入口部、あるいは途中の内周にフランジ部を形成するか、あるいはボス孔の全体、あるいは一部をボルトの径よりも小径に設定するか、あるいは小径のスペーサを嵌め込む等の種々の手段が考えられる。
【0027】
そして、請求項4に記載の発明によれば、ボス孔内に取付用ボルトが仮保持されるため、ルーフトリムに対してアクセサリと緩衝部材の三者を簡単に仮保持することができるとともに、取付後、外部からの衝撃が加わった際、発泡樹脂成形体が圧縮変形することにより、衝撃を有効に吸収できる。
【0028】
本願の請求項5に記載の発明は、緩衝部材のルーフパネル当接面側に先端を傾斜させたロケート用突起が突設形成されるとともに、ロケート用突起に対応してルーフパネルにロケート孔が設けられ、ロケート用突起をロケート孔内に差し込むことにより、ルーフトリムの位置決めを行なうとともに、ルーフトリムの仮保持を達成したことを特徴とする。
【0029】
そして、請求項5に記載の発明によれば、発泡樹脂成形体からなる緩衝部材のパネル対向面に形成されるロケート用突起をルーフパネルのロケート孔に嵌合することにより、アクセサリと緩衝部材を仮アッセンブリしたルーフトリムをルーフパネルに簡単に位置決めすることが可能となる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るルーフトリムの取付構造の実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0031】
尚、ルーフトリムとアシストストラップのモジュール化について以下説明するが、取付後の状態は、従来例として図19に示す構造と同一である。
【0032】
まず、図1乃至図7に基づき、本発明に係るルーフトリムの取付構造における第1実施形態について説明する。
【0033】
図1に示すように、ルーフトリム1は、成形基材1aの表面に表皮材1bが貼着されており、本実施形態では、PPO(ポリフェニレンオキシド)基材の表面にクロスからなる表皮材1bが貼着されており、アシストストラップ2を取り付けるための取付孔1cが適宜箇所に開設されている。
【0034】
また、アシストストラップ2は、ルーフトリム1の取付孔1c内に挿入するボス部2aが両端末側の裏面に突設して形成され、このボス部2aをルームトリム1の取付孔1c内に嵌合して、取付用ボルト5を介してルーフパネル4の取付孔4a、裏面に植設したナット6に締め付け固定される。
【0035】
ところで、本発明は、ルーフトリム1とルーフパネル4との間にスペーサ機能をもつルーフサイドブラケット10が介挿されたことが特徴であり、特にこのルーフサイドブラケット10を利用してルーフトリム1とアシストストラップ2とを仮保持したことが特徴である。
【0036】
このルーフサイドブラケット10は、PP(ポリプロピレン)樹脂の射出成形体から構成され、パネルに対向する面を開口した中空ケース状に成形されており、取付用ボルト5を挿通保持させるボス部11がルーフトリム1の取付孔1cと対応する位置に設けられており、このボス部11には、ボス孔12が開設され、かつボス部11と連接する補強リブ13が一体に設けられ、ボス孔12内には、取付用ボルト5を仮保持するためのフランジ部14が形成されている。
【0037】
次いで、ルーフパネル4に対するルーフトリム1並びにアシストストラップ2の取付方法について、図2乃至図4を基に説明すると、まず、図2に示すように、ルーフトリム1の室内側にアシストストラップ2、ルーフトリム1の裏面側にルーフサイドブラケット10を位置決めし、アシストストラップ2のボス孔2bとルーフトリム1の取付孔1cとルーフサイドブラケット10のボス孔12とを同軸上に位置決めした後、取付用ボルト5を押し込むことにより、ルーフトリム1,アシストストラップ2,ルーフサイドブラケット10の三者を仮保持する。
【0038】
このとき、取付用ボルト5は、ルーフサイドブラケット10のボス孔12の入口部分に設けられているフランジ部14により仮保持されることにより、この取付用ボルト5を介してルーフトリム1の表面側にアシストストラップ2が、裏面側にルーフサイドブラケット10がそれぞれ保持されることになり、ルーフトリム1にアシストストラップ2をルーフサイドブラケット10を介して組み付けたものを車両の室内側に搬送すれば良い。
【0039】
次いで、図3に示すように、ルーフパネル4の取付孔4aの背面側に植設されているナット6に対してルーフサイドブラケット10のボス孔12を合わせることにより、ルーフパネル4に対してルーフトリム1を位置決めし、取付用ボルト5を取付孔4a,ナット6内に締め付け固定することにより、図4に示すようにルーフパネル4に対してルーフトリム1及びアシストストラップ2を簡単かつ確実に取り付けることができる。
【0040】
更に、ルーフパネル4とルーフトリム1の間にルーフサイドブラケット10が介挿されているため、例えば側突等により車両に衝撃が加わった際、ルーフサイドブラケット10が破断することにより衝撃を吸収することが可能となり、特にルーフサイドブラケット10を構成する樹脂成形体の厚み寸法を薄肉に設定したり、あるいは切欠きやスリット等の剛性脆弱部を設定することにより、衝撃吸収性能をより高めることができ、乗員に加わる衝撃荷重を有効に吸収することができ、乗員の安全性に貢献できる利点もある。尚、ルーフサイドブラケット10は、車両の長手方向に沿って延びる長尺状としても良い。
【0041】
次いで、図5乃至図7は、ルーフサイドブラケット10のボス部11の変形例を示すものであり、取付用ボルト5の仮保持手段のバリエーションを示している。すなわち、図5に示すものは、ボス孔12のほぼ中央に取付用ボルト5の侵入を妨げるストッパー壁部15が形成されており、図示するようにルーフトリム1とアシストストラップ2とルーフサイドブラケット10の仮保持状態では、取付用ボルト5はストッパー壁部15により侵入を阻止され、ルーフパネル4に取り付けるには、この取付用ボルト5を電動ドライバーで締め付けることにより、このストッパー壁部15を破断させて、取付用ボルト5の締め付け作業を行なうことができる。
【0042】
また、図6に示すように、ルーフサイドブラケット10のボス部11に図6(a),(b)に示すように、クリップ片16をスリット17間に設けることにより、このクリップ片16の弾性作用により取付用ボルト5を保持することができる。
【0043】
尚、図6(c)に示すように、ボス部11に開口18を開設し、この開口18に金属板を折曲形成したクリップ片19を嵌着固定しても良い。
【0044】
更に、図7に示すように、ボス部11の外壁に切欠き11aを形成して、側突等の衝撃が加わった際にボス部11が破断することにより衝撃を有効に吸収し、乗員にかかる負荷を軽減するようにしても良い。
【0045】
図8乃至図12は、本発明に係るルーフトリムの取付構造の第2実施形態を示すもので、ルーフサイドブラケット10に替えてルーフサイドパッド30を用いたことが特徴である。
【0046】
すなわち、図8に示すように、ルーフトリム1及びアシストストラップ2並びにルーフパネル4の構成については第1実施形態と同様であるが、ルーフサイドパッド30は、ポリウレタン樹脂発泡成形体から構成され、適宜厚みの直方体形状にモールド成形されており、ルーフトリム1の取付孔1cに対応する2ヶ所に取付方向に貫通するボス孔31が開設されており、このボス孔31内に取付用ボルト5を仮保持するためのフランジ部32がボス孔31の内周に沿って設けられている。
【0047】
従って、図9乃至図11に示すように、ルーフトリム1の室内側にアシストストラップ2を位置決めし、かつ対応する裏面側にルーフサイドパッド30を接合した状態で取付用ボルト5をそれぞれアシストストラップ2のボス孔2b、ルーフトリム1の取付孔1c、ルーフサイドパッド30のボス孔31内に挿通させれば、図10に示すように、ルーフサイドパッド30のボス孔31に形成されているフランジ部32で取付用ボルト5の外周面と当接して取付用ボルト5を仮保持することができ、このことにより、ルーフトリム1の表面側にアシストストラップ2、裏面側にルーフサイドパッド30を三者一体に仮保持できる。
【0048】
その後、図11に示すように、ルーフパネル4のナット6に対してルーフサイドパッド30のボス孔31を一致させて取付用ボルト5を締め付け固定することにより、ルーフトリム1並びにアシストストラップ2のモジュール化が可能となり、組み付け作業性を大幅に向上させることができる。
【0049】
更に、ルーフサイドパッド30の緩衝作用により、側突等、車両の側方から衝撃が加わった際、この負荷を有効に吸収することができ、乗員に加わる衝撃を緩和することができる。
【0050】
次いで、図12は、ルーフサイドパッド30のボス孔31の変形例を示すもので、図12(a)に示すように、ルーフサイドパッド30のボス孔31の径d1は、取付用ボルト5の径よりも小さく設定されている。従って、取付用ボルト5をルーフサイドパッド30のボス孔31内に挿入するだけで取付用ボルト5が仮保持できる。また、図12(b)に示すように、ボス孔31をテーパー孔に設定し、ボス孔の小径部33の径をボルト径よりも小さく設定しておけば、同様に取付用ボルト5をボス孔31内に嵌め入れるだけで仮保持できる。図12(c)に示すように、ルーフサイドパッド30に矩形状の貫通孔34を開設し、入口部、あるいは出口部に開口の幅を狭くさせるフランジ35を形成しても、このフランジ35により取付用ボルト5を仮保持できる。更に、図12(d)に示すように、ルーフサイドパッド30のボス孔31を比較的大径に設定しておいても、ボス孔31内に小径のカラー36を嵌め入れるか、あるいはカラー36をインサート成形することにより、カラー36の内径d2を取付用ボルト5の径よりも小径に設定しておけば同様の効果が得られる。
【0051】
次に、図13乃至図15は、本発明に係るルーフトリムの取付構造の第3実施形態を示すもので、第1実施形態にロケート機能を付与したことが特徴である。
【0052】
すなわち、図13では、ルーフサイドブラケット10とルーフパネル4の関係についてのみ示すが、ルーフサイドブラケット10のパネル対向面側にボス孔12の左右側にそれぞれパネル側に突出するロケートピン40が突設形成されており、このロケートピン40と対応するようにルーフパネル4には、ロケート孔4bが開設されている。
【0053】
従って、ルーフトリム1にアシストストラップ2並びにルーフサイドブラケット10を取付用ボルト5を利用することにより、三者を一体的に仮保持した後、ルーフパネル4に取り付ける際、ルーフサイドブラケット10に設けたロケートピン40をルーフパネル4のロケート孔4b内に差し込むことにより、ルーフトリム1をルーフパネル4に対して適切位置に簡単かつ迅速に位置決めすることができ、モジュール化されたルーフトリム1の取付作業性を更に向上させることができる。
【0054】
このロケートピン40としては、この実施形態では中空ピン形状のものを採用したが、図15(a),(b),(c)に示すように、断面T字状等、適宜形状を選択して良く、また図15(d),(e)に示すように、先端に傾斜部41を設定することにより、ルーフパネル4に対してルーフサイドブラケット10を仮保持させても良い。
【0055】
すなわち、ルーフトリム1にアシストストラップ2並びにルーフサイドブラケット10を組み付けたものをルーフパネル4に取り付ける際、ロケートピン40をルーフパネル4のロケート孔4bに差し込んだ状態で保持することができ、組み付け作業性をより向上させることができる。
【0056】
次いで、図16乃至図18は、本発明に係るルーフトリムの取付構造の第4実施形態を示すもので、第2実施形態にロケート機能を付与したことが特徴である。
【0057】
すなわち、図16においてルーフサイドパッド30とルーフパネル4についてのみ説明するが、ルーフサイドパッド30のボス孔31のそれぞれ外方に左右一対のロケート用突起50が突設形成されており、このロケート用突起50に対応するようにルーフパネル4には、矩形状のロケート孔4cが開設されている。
【0058】
従って、この第4実施形態においても、ルーフトリム1に対してアシストストラップ2並びにルーフサイドパッド30の三者を取付用ボルト5を介して組み付けた後、図17に示すように、ルーフパネル4に取り付ける際、ルーフサイドパッド30に設けたロケート用突起50をルーフパネル4のロケート用開口4c内に嵌め入れることにより、ルーフトリム1を適切位置に簡単かつ迅速に位置決めすることができ、取付作業性をより高めることができる。
【0059】
また、図18に示すように、ロケート用突起50としては、第4実施形態では角錐形状に設定したが、図18(a),(b)に示すように、略円錐形状に形状設定しても良く、図18(c)に示すように、ロケート用突起50の先端に傾斜部51を設定すれば、ルーフサイドパッド30をルーフパネル4に対して仮保持することができ、取付作業性をより高めることができる。
【0060】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明に係るルーフトリムの取付構造は、ルーフサイドブラケット,ルーフサイドパッドのような緩衝部材と取付用ボルトを介してルーフトリムとアシストストラップ等のアクセサリを仮保持させた状態で取り付けることができるため、ルーフトリムとアクセサリのモジュール化が可能となり、ルーフトリムの取付作業性を高めることができるという効果を有する。
【0061】
更に、ルーフサイドブラケット,ルーフサイドパッドは、緩衝機能を備えているため、側突等、外部から衝撃が加わった際、緩衝部材が破断、あるいは変形することにより、衝撃を緩和することができるため、乗員に加わる衝撃負荷を大幅に軽減することができるという効果を有する。
【0062】
また、ルーフサイドブラケットを使用した際、ケースの厚み寸法や補助リブの厚み寸法並びに脆弱部を設定することにより、衝撃荷重を制御することができる一方、ルーフサイドパッドの場合には、発泡倍率や厚み寸法等を選択することにより、衝撃荷重を有効に制御できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るルーフトリムの取付構造の第1実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】図1に示すルーフトリムの取付構造におけるルーフトリム,アシストストラップ,ルーフサイドブラケットの仮保持状態を示す断面図である。
【図3】図2に示す仮保持状態のアッセンブリ体をルーフパネルに位置決めした状態を示す断面図である。
【図4】図1に示すルーフトリムの取付構造を示す組み付け後の断面図である。
【図5】本発明に係るルーフトリムの取付構造の第1実施形態における変形態様を示す要部断面図である。
【図6】本発明に係るルーフトリムの取付構造におけるルーフサイドブラケットのボス孔形状の変形例を示す各説明図である。
【図7】本発明に係るルーフトリムの取付構造の第1実施形態におけるルーフサイドブラケットの変形態様を示す断面図である。
【図8】本発明に係るルーフトリムの取付構造の第2実施形態を示す分解斜視図である。
【図9】図8に示すルーフトリムの取付構造における取付用ボルトの挿入前の状態を示す説明図である。
【図10】図8に示すルーフトリムの取付構造におけるルーフトリム,アシストストラップ,ルーフサイドパッドの仮組み付け状態を示す断面図である。
【図11】図8に示すルーフトリムの取付構造におけるパネルへの組み付け状態を示す断面図である。
【図12】図8に示すルーフトリムの取付構造におけるルーフサイドパッドの変形例を示す各説明図でる。
【図13】本発明に係るルーフトリムの取付構造の第3実施形態におけるルーフサイドブラケットとルーフパネルとの関係を示す説明図である。
【図14】本発明に係るルーフトリムの取付構造の第3実施形態における構成を示す断面図である。
【図15】図14に示すルーフトリムの取付構造におけるロケートピンの変形例を示す各説明図である。
【図16】本発明に係るルーフトリムの取付構造の第4実施形態を示すもので、ルーフサイドパッドとルーフパネルとの関係を示す説明図である。
【図17】本発明に係るルーフトリムの取付構造の第4実施形態における構成を示す断面図である。
【図18】本発明に係るルーフトリムの取付構造の第4実施形態に用いるロケート用突起の変形例を示す説明図である。
【図19】ルーフトリムを示す車室内側からみた外観図である。
【図20】従来のルーフトリムの取付構造を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ルーフトリム
1c 取付孔
2 アシストストラップ
2a ボス部
2b ボス孔
3 ルームランプ
4 ルーフパネル
4a 取付孔
4b,4c ロケート孔
5 取付用ボルト
6 ナット
10 ルーフサイドブラケット
11 ボス部
12 ボス孔
13 補強リブ
14 フランジ部
15 ストッパー壁部
16 クリップ片
17 スリット
18 開口
19 クリップ片
30 ルーフサイドパッド
31 ボス孔
32 フランジ部
33 小径部
34 矩形状貫通孔
35 フランジ部
36 カラー
40 ロケートピン
41 傾斜部
50 ロケート用突起
51 傾斜部
Claims (5)
- 車両のルーフパネルの室内側にルーフトリムを内装するとともに、このルーフトリムの表面所定箇所にアシストストラップ,ルームランプ等のアクセサリを装着してなるルーフトリムの取付構造であって、
ルーフトリムの表面側所定箇所にアクセサリを位置決めするとともに、中空ケース状に射出成形され、スペーサ機能、衝撃吸収機能を備えた樹脂成形体からなる緩衝部材をアクセサリ設置箇所のルーフトリム裏面側に対応設置し、取付用ボルトをアクセサリ,ルーフトリム,緩衝部材に差し込み、緩衝部材に設けたボス孔内に取付用ボスを保持することにより三者を仮保持した後、ルーフパネルの取付孔内に取付用ボルトを締め付け固定することにより、ルーフトリムとアクセサリをルーフパネルに対して同時に取り付けることを特徴とするルーフトリムの取付構造。 - 緩衝部材の車体パネル当接面側に先端を傾斜させたロケートピンが突設形成されるとともに、ロケートピンに対応して、車体パネルにロケート孔が設けられ、ロケートピンをロケート孔に差し込むことにより、ルーフトリムの位置決めを行なうとともに、ルーフトリムの仮保持を達成したことを特徴とする請求項1に記載のルーフトリムの取付構造。
- 緩衝部材に設けられているボスには、側突時、緩衝部材の座屈を誘発する脆弱部が設けられているとともに、緩衝部材の厚み寸法が薄肉に設定されていることにより、衝撃吸収性能を高めたことを特徴とする請求項1又は2に記載のルーフトリムの取付構造。
- 車両のルーフパネルの室内側にルーフトリムを内装するとともに、このルーフトリムの表面所定箇所にアシストストラップ,ルームランプ等のアクセサリを装着してなるルーフトリムの取付構造であって、
ルーフトリムの表面側所定箇所にアクセサリを位置決めするとともに、所要形状にモールド成形され、スペーサ機能、衝撃吸収機能を備えた発泡樹脂成形体からなる緩衝部材をアクセサリ設置箇所のルーフトリム裏面側に対応設置し、取付用ボルトをアクセサリ,ルーフトリム,緩衝部材に差し込み、緩衝部材に設けたボス孔内に取付用ボスを保持することにより三者を仮保持した後、ルーフパネルの取付孔内に取付用ボルトを締め付け固定することにより、ルーフトリムとアクセサリをルーフパネルに対して同時に取り付けることを特徴とするルーフトリムの取付構造。 - 緩衝部材のルーフパネル当接面側に先端を傾斜させたロケート用突起が突設形成されるとともに、ロケート用突起に対応してルーフパネルにロケート孔が設けられ、ロケート用突起をロケート孔内に差し込むことにより、ルーフトリムの位置決めを行なうとともに、ルーフトリムの仮保持を達成したことを特徴とする請求項4に記載のルーフトリムの取付構造。
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