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JP3579865B2 - 部品供給装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば台車に段積み状に搭載される部品をロボット式装置のワークチャック部で取出して組立部に自動供給するようにした部品供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば自動二輪車等の組立ラインにおいて、クラッチアウタのような部品を組立部に供給する際は、図8に示すように、納入台車Dに段積み状に搭載される部品Wを、作業者Pが手作業で供給マガジンMの移載ピンMpに串刺し状に突き刺して移載し、部品Wの高さ方向と前後左右方向の位置決めをした状態で、ロボットRで把持して供給するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のように部品Wを供給マガジンMに移載するような方法は、作業工数が多くて煩わしく、また作業スペースも増えるという問題がある。
一方、台車から直接ロボットで取出そうとすると、部品Wの位置決め精度が充分でないため、正確に把持出来なかったり、部品Wを損傷させたりするような不具合が生じ得る。
【0004】
そこで本発明は、台車に搭載されて納入される部品を組立部等に供給するにあたり、移載作業等の作業工数を削減し、作業スペースも必要としない供給装置の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、台車に搭載した中央の凹部に筒状ボス部を備えた皿状の部品をロボットのワークチャック部で把持して取出し、所定箇所に供給するようにした部品供給装置として、ロボットのワークチャック部に、部品の高さ位置の誤差を吸収するとともに、部品の傾きを矯正するフローティング機構を設け、このフローティング機構を構成するチャック機構に下端部が内側方向に向けて折り曲げられた押圧部材を取付け、この押圧部材が部品の凹部内に挿入されて部品を押圧することで部品を正規の姿勢に矯正し、また少なくとも一方側のチャック爪に、部品の前後左右位置の誤差を吸収する前面拡開凹部を形成し、更にフローティング機構を構成するスプリングの縮み量が一定になったことを検知する近接センサを設け、この近接センサがスプリングの縮み量が一定に達したことを検知した時点でチャック爪を作動させる。
【0006】
このように、部品の高さ位置の誤差と前後左右位置の誤差を吸収し且つ傾きを矯正して把持することにより、台車から直接ワークチャック部で把持出来るようにし、作業工数の削減を図る。
ここで、フローティング機構としては、例えば上下動自在にした押圧部材をばね等で支持したような機構が適用出来、例えばこの押圧部材を上方から降下させて部品の上面に当接させた後、ばね等を撓ませながら部品を下方に押圧することによって、部品が傾いた姿勢であっても正常な姿勢になるよう矯正するとともに、部品の高さ位置に誤差があっても、ばね等を一定量撓ませることで誤差を吸収出来るようにする。
【0007】
また、少なくとも一方側のチャック爪に前面拡開凹部を設け、部品の位置が前後左右方向に多少異なっていても、前面拡開凹部の範囲内であれば凹部内に導入して把持出来るようにする。
ここで前面拡開凹部とは、凹部の前面側開口領域が前方ほど広がっているような凹部形状を指し、例えばV字型凹部や円弧状凹部等が該当する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について添付した図面に基づき説明する。
ここで図1は本部品供給装置の全体図、図2は台車の平面図、図3はロボットのワークチャック部の正面図、図4は同側面図、図5は図3のA−A線断面図、図6はチャック爪の説明図、図7は作用図である。
【0009】
本発明に係る部品供給装置1は、例えば図1に示すように、自動二輪車等のクラッチアウタのような部品Wを納入台車Dから直接取出して組立部に供給するようなロボット装置として構成され、この部品Wは、中央の凹部に筒状ボス部Wbを備えた皿状の形状にされるとともに、筒状ボス部Wbを上向きにして納入台車Dに段積み状に搭載されている。
【0010】
そして、部品供給装置1のワークチャック部2は、部品Wの筒状ボス部Wbを把持して取出すことが出来るようにされており、このため、納入台車Dの位置は部品供給装置1の下方の一定の位置に位置決め出来るようにされるとともに、部品Wは、納入台車D内に前後左右位置のバラツキが少ないように搭載されている。
【0011】
すなわち、図2に示すように、矩形状の搭載空間部を有する納入台車Dの内部には、円形の部品Wを詰め込むため生じる隙間を封止するための樹脂製の隙間封止材3が所定箇所に設けられて、前後左右の位置決め精度の向上が図れており、例えば隙間封止材3を設けない従来の位置決め精度が±30mm程度であるところを、±2mm程度の精度に向上させている。
【0012】
前記ワークチャック部2は、図3乃至図5に示すように、水平二軸方向に移動自在な支持板4の下方に構成されており、この支持板4の上部には、シリンダユニット5が取付けられるとともに、このシリンダユニット5のシリンダロッド5aには結合プレート6が結合され、この結合プレート6には、フローティング機構7を介してチャック機構8が取付けられている。そして、前記結合プレート6の上部には、一対のスライドシャフト10の下端部が結合されて、支持板4のガイド筒11をスライド自在に貫いている。
【0013】
そしてシリンダユニット5の作動によって、フローティング機構7とチャック機構8が上下動自在にされている。
【0014】
前記フローティング機構7は、結合プレート6を摺動自在に貫く一対の摺動シャフト12と、この摺動シャフト12の下端部に結合される連結材13と、摺動シャフト12の周囲に設けられ且つ結合プレート6と連結材13の間に介装されるスプリング14を備えており、前記結合プレート6を貫いて上方に突出する摺動シャフト12の上端部には、摺動シャフト12が結合プレート6から下方に抜け出すのを防止するエンドストッパ15(図3)が固定されている。
【0015】
また、結合プレート6の上部には、一定の高さ位置に近接センサ16が設けられ、この近接センサ16は、一方側の摺動シャフト12のエンドストッパ15の近接を検知出来るようにされている。
すなわち、シリンダユニット5の作動によって結合プレート6が降下する。そしてチャック機構8が部品Wに当接すると、スプリング14が縮んで近接センサ16がエンドストッパ15に接近し、それを検知してシリンダユニット5の作動を制御することで、常に一定のストロークでスプリング14を縮ませることが出来るようにされている。
【0016】
尚、このようにスプリング14の縮み量を一定にするためには、後述する図7の作用図に示すように、近接センサ16を連結材13の上面から所定高さ位置に設け、結合プレート6の近接を検知するような構成にしても良い。
【0017】
また前記連結材13の下端部には、チャック機構8の一部であるエアチャックシリンダ部17が取付けられ、このエアチャックシリンダ部17には、一対の押圧部材18が取付けられている。そしてこの押圧部材18の下端部は、図4に示すように、内側方向に向けて折り曲げられている。
【0018】
また、このエアチャックシリンダ部17には、押圧部材18の配設方向とは位相が異なる方向に、チャック機構8の一部である一対のチャック爪20が配設され、エアチャックシリンダ部17の作動によって開閉自在にされている。
【0019】
そしてこのチャック爪20の形状は、図6に示すように、一方側のチャック爪20の前面が略V字型の凹部dとされ、他方側のチャック爪20の前面は平坦面形状にされている。
そして実施形態ではV字の角度を120度にして、左右の位置ズレが15mm位の場合でも、チャック爪20を閉じることにより筒状ボス部WbをV字の中央部に導き込んでチャック出来るようにしている。
【0020】
以上のように構成した部品供給装置1による部品Wの取出し方法等について、図7に基づき説明する。
尚、図7では、説明上、押圧部材18とチャック爪20の位置関係を実際の構成とは変えて示しており、また近接センサ16の位置も実際の形態とは異ならせて、わかりやすい位置に表示している。
【0021】
まずシリンダユニット5の作動により、図7(a)に示すように、ワークチャック部2を降下させ、(b)に示すように、押圧部材18を部品Wの凹部内に挿入して部品Wの上面に当接させた後、(c)に示すように、更に結合プレート6を降下させ、スプリング14を撓ませながら部品Wを下方に押圧する。
この際、部品Wの姿勢が傾いていた時でも、押圧部材18によって押圧されることで正規の姿勢に矯正される。
【0022】
そして図7(d)に示すように、近接センサ16によってスプリング14の縮み量が一定になったことを検知すると、シリンダユニット5の作動を停止させるとともに、(e)に示すように、チャック機構8のエアチャックシリンダ部17を作動させ、チャック爪20により筒状ボス部Wbを把持する。
このようにスプリング14の縮み量が一定に達した時点でチャック爪20を作動させることにより、例えば部品Wが存在しないにも拘わらずチャック動作を行って空振りするような不具合がない。
また、多少の高さ誤差がある場合でもそれを吸収することが出来る。
【0023】
また、一方側のチャック爪20には、V字型の凹部dが形成されているため、部品Wの左右方向に位置誤差があっても、常にV字の中心部に導き込んで確実に把持することが出来る。
【0024】
そしてこの状態でシリンダユニット5を作動させ、図7(f)に示すように、ワークチャック部2を上昇させて部品Wを取出し、組立部に供給する。
以上のような要領により、納入台車D内から直接部品Wを取出す際でも確実に取出すことが出来、従来のように供給マガジンに移載する必要がなくなって作業工数を集約することが出来る。またスペース的にも従来のマガジンの占有箇所がなくなるため有利となる。
【0025】
尚、本発明は以上のような実施形態に限定されるものではない。本発明の特許請求の範囲に記載した事項と実質的に同一の構成を有し、同一の作用効果を奏するものは本発明の技術的範囲に属する。
例えば部品Wはクラッチアウタ以外の部品でも良い。
【0026】
【発明の効果】
以上のように本発明に係る部品供給装置は、ロボットのワークチャック部に、部品の高さ位置の誤差を吸収し且つ部品の傾きを矯正するフローティング機構を設け、このフローティング機構を構成するチャック機構に下端部が内側方向に向けて折り曲げられた押圧部材を取付け、この押圧部材が部品の凹部内に挿入されて部品を押圧することで部品を正規の姿勢に矯正し、また少なくとも一方側のチャック爪に、部品の前後左右位置の誤差を吸収する前面拡開凹部を形成することで、台車に搭載した部品を直接ワークチャック部で把持して取出し供給出来るようにしたため、従来に較べて作業工数の削減が図られるとともに、スペースの削減を図ることが出来るようになった。
更に、スプリングの縮み量が一定に達した時点でチャック爪を作動させることができることで、部品が存在しないにも拘わらずチャック動作を行って空振りするような不具合が発生しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本部品供給装置の全体図
【図2】台車の平面図
【図3】ロボットのワークチャック部の正面図
【図4】ワークチャック部の側面図
【図5】図3のA−A線断面図
【図6】チャック爪の説明図
【図7】作用図
【図8】従来図
【符号の説明】
1…部品供給装置、2…ワークチャック部、7…フローティング機構、8…チャック機構、12…摺動シャフト、14…スプリング、16…近接センサ、20…チャック爪、D…納入台車、d…凹部、W…部品。

Claims (1)

  1. 台車に搭載した中央の凹部に筒状ボス部を備えた皿状の部品をロボットのワークチャック部で把持して取出し、所定箇所に供給するようにした部品供給装置であって、前記ロボットのワークチャック部には、部品の高さ位置の誤差を吸収するとともに、部品の傾きを矯正するフローティング機構が設けられ、このフローティング機構を構成するチャック機構に下端部が内側方向に向けて折り曲げられた押圧部材を取付け、この押圧部材が部品の凹部内に挿入されて部品を押圧することで部品を正規の姿勢に矯正し、また少なくとも一方側のチャック爪には、部品の前後左右位置の誤差を吸収する前面拡開凹部が形成され、更に前記フローティング機構を構成するスプリングの縮み量が一定になったことを検知する近接センサを設け、この近接センサが前記スプリングの縮み量が一定に達したことを検知した時点でチャック爪を作動させることを特徴とする部品供給装置。
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