JP3578935B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、感光体ドラム等の回転駆動される像担持体の転写部表面に対して所定の位置関係でもって当接する転写搬送ベルトにより用紙等の転写材を支持搬送し、像担持体上に形成されたトナー像をその転写材上に転写再現する画像形成装置に関するものであり、詳細には像担持体が停止する際の位置関係が、所定の位置関係でもって停止するように制御して、以降の画像形成が精度良く行われるようにする画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カラー画像をYMCKの画像データとして記録部に転送して、各色毎の転写部にて各色の色画像を再現しながら順次重ね合わせてカラー画像として再現するカラー画像形成装置がある。
このようなカラー画像形成装置においては、各色の画像を各転写部にて正確に重ね合わせなければ、カラー画像を忠実に再現できないといった問題を抱えており、この問題を如何に解決するかが技術開発の大きな課題となっている。
【0003】
無数の構成部品からなる画像形成装置においては、各部品毎の部品精度に細かなばらつきがあったり、またこれらの部品を組み立てていく際の組立精度などにより画像形成装置毎にばらつきが発生する。
そこで、従来より、各色のパターン画像を試験的に形成し、この各色のパターン画像の位置関係を互いに確認して画像形成位置調整を各色の画像形成部毎に行うレジスト調整を実施している(登録特許2642351号公報参照)。
【0004】
ところが、上記のようなレジスト調整を実施しても、「画像の書込開始位置のずれ」による「色ずれ」は補正できるが、感光ドラムを駆動させる駆動ギヤ等の駆動系の周期的な駆動ムラによって生じる感光体ドラムの不規則な速さ変動に起因する色ずれを補正することはできなかった。
つまり、このような画像形成装置においては、従来から画像の各記録部における周期的に生じる駆動ムラが問題となっており、この周期的な駆動ムラが各記録部においてそれぞれ発生することにより、各色の色材で記録された画像を順次重ね合わせてカラー画像として再現する際に、色ずれが発生して忠実なカラー画像として再現できないといった問題を抱えていた。
【0005】
そこで、従来のカラー画像形成装置においては、各記録部における感光体ドラム上に形成された画像が転写部において転写される際に、周期的に発生する駆動ムラの条件が同一となるように、感光体ドラムへの画像書き込み位置から転写位置までの距離(時間)と駆動機構の駆動変動周期の関係をN倍の関係となるように配置することが考えられている(特公平7−31446号公報、特公平8−14731号公報など参照)。
【0006】
図9に、上記の手法が採用された従来のカラー画像形成装置の各画像形成部及び各画像形成部にて形成された画像を転写する転写材を搬送する転写搬送ベルト周辺の構成を示す。
図9において、右から順にブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各記録部を構成する感光体ドラム322a、322b、322c、322dである。これら感光体ドラム322a〜322dで形成された各色の画像は、転写搬送ベルト316の移動に伴って、該転写搬送ベルト316に支持されて搬送される図示しない転写材上に、感光体ドラムと転写搬送ベルトとが近接する転写部A点にて、ブラックインクから順に重ねて転写される。
ここで、各感光体ドラム322a〜322dは、駆動が連結されていて同時に回転が開始されるようになつており、各感光体ドラムは、その回転駆動ムラが同一位相となるように取り付けらている。
【0007】
具体例を挙げると、各感光体ドラム322a〜322dの駆動軸(図示しない)が嵌合される駆動ギヤ(図示しない)を、その駆動ムラの周期を示すある基準(例えば図のような鍵型の穴)が全て同じ方向に揃うように取り付けられる。これにより、同時スタートにおいて各感光体ドラムが常に同じ駆動ムラで回転するようになる。
したがって、各感光体ドラムの転写部間の各距離L’を、感光体ドラムの直径をdとして、
L’=Nπd…(Nは整数)
となるように設定することで、図9の向かって並列配置された4つの感光体ドラム322a〜322dの各転写部Aにおける画像の転写工程においては、転写材上に対して常時同等の駆動ムラ周期でもって各色の色材で形成された画像が順次重ね合わされることとなり、その結果、駆動ムラを起因とする色ずれを無くするものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしならが、上記従来の構成では、並列配置された各記録部間の距離関係を周期的な駆動変動に合わせて配置しなければならないため、上記式に基づいてこの周期的な駆動変動に合わせて各記録部間の距離を確定すると、整数Nをたとえ1としても、感光体ドラムの周囲長に相当する距離が必ず必要となる。その結果、画像形成装置自身の大きさが大きくなり、ユーザに望まれる画像形成装置の小型化を図ることができないだけでなく、各部品の組み付け作業に長時間を要したり各部品に高精度が要求され生産コストが高くなってしまう。
【0009】
一方、各成分色画像の色ずれまたは各感光体ドラム322a〜322dの回転位置ずれを検出し、常に各記録部の位相を補正する装置においては、発生するずれに対して常に各記録部の感光体ドラムの速度などを制御し位相合せを常時行っている。この場合、画像の色ずれにあまり影響の与えない微小な各感光体ドラムの位相ずれに対しても位相合わせ制御が実行され、実際には色ずれがほとんどないにもかかわらず位相のずれた感光体ドラムの位相を合わせるために感光体ドラムと記録媒体あるいは転写担持体との間にこすれが生じて感光体ドラムが傷つき、感光体ドラムの寿命に大きな影響を与え、ライフサイクルが著しく短くなるという問題があった。
【0010】
本発明は、前記の問題点を解消するためなされたものであって、従来同様、並列配置(転写搬送ベルトの流れ方向に直角に)された各記録部における周期的な駆動変動に対応して1つのカラー画像として忠実に再現可能でありながら、同じ径の像担持体を用いても装置自身の大きさをコンパクトにでき、オフィス環境での設置面積を極力抑えることのできる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0011】
さらにまた、感光体ドラムなどの像担持体と、該像担持体の転写部に当接する転写搬送ベルトの当接部におけるお互いの駆動開始,停止のタイミングずれ,位相合わせ制御を実施することから発生する像担持体および転写担持体の磨耗による像担持体や転写担持体の体表面の劣化を極力抑え、像担持体全周に渡って忠実な画像を再現することのできる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するため、次の構成を有する。
本発明の第1の要旨は、複数の像担持体と、前記像担持体を回転駆動する駆動手段と、前記像担持体が回転しているときに前記各像担持体の回転状態を検出する検出手段と、前記検出手段の検出信号に基づいて前記駆動手段を制御することで、前記像担持体を予め設定された回転位相状態に停止させる位相合わせ手段とを有し、前記検出手段の検出信号が、所定のタイミングに対し予め設定した許容値以上のずれを生じた場合には前記位相合わせ手段を実行し、該ずれが該許容値を超えない場合には前記位相合わせ手段を実行しないことを特徴とする画像形成装置である。
【0013】
本発明の第2の要旨は、前記検出手段の検出信号が所定のタイミングに対し予め設定した許容値を超えないずれである場合には、前記位相合わせ手段を実行せずに、全ての像担持体の回転を同時に停止させることを特徴とする第1の要旨記載の画像形成装置である。
【0014】
本発明の第3の要旨は、複数の像担持体を同時に停止させる場合には、所定の像担持体の検出信号に基づいて全ての像担持体を停止させることを特徴とする第2の要旨記載の画像形成装置である。
【0015】
本発明の第4の要旨は、位相合わせ停止制御の実行を判断する基準となる前記許容値は、夫々の像担持体の停止位置を予め設定する位相調整単位量とは別に設けられ、該位相調整単位量よりも小さいことを特徴とする第1の要旨記載の画像形成装置である。
【0016】
本発明の第5の要旨は、位相合わせ停止制御の実行を判断する基準となる前記許容値は変更可能であることを特徴とする第1の要旨記載の画像形成装置である。
【0017】
第1の要旨によれば、複数の像担持体のうちいずれかの像担持体の回転位相が所定の回転位相状態からずれた場合にのみ像担持体相互の回転位相状態を予め設定された回転位相状態に再設定する様に位相合わせ制御が行われて像担持体の停止位置が制御されるが、何れの像担持体も回転位相が所定のずれ未満に収まっている場合には位相合わせ手段を実行しない。
【0018】
よって、大量枚数の複写や装置の長時間運転やその他の環境状況変化やトラブル発生にも係らずに実際に回転位相状態のずれの大きさが許容値を超えた場合にのみ位相合わせ制御を行い、許容値を超えない場合は位相合わせ制御を行わないので、常に位相制御を行ったり、所定の枚数複写後や所定時間運転後や所定の環境変化やトラブル等の発生後に、像担持体の無駄な位相合わせ制御を行う回転動作、及びそれに伴う像担持体の摺擦摩耗を極力防止でき、像担持体の寿命を長くすることができるばかりか、エネルギーの節約にも役に立つ。
【0019】
第2の要旨によれば、複数の像担持体相互の回転位相関係が所定の範囲内に入っている場合は、像担持体相互の回転位相状態を予め設定された回転位相状態に再設定する位相合わせ制御を行わずに全ての像担持体を同時にただ停止させる。つまり、複数の像担持体相互の回転位相状態が予め設定された状態に完全に一致していなくとも、色ずれが目立たない予め設定された許容値未満であれば位相合わせ停止制御を実施せず、停止位置も予め設定された停止位置で止める必要が無くどこで止めても同時に停止させれば全ての像担持体の回転位相状態のずれは許容内のままである。
【0020】
従って、大量の複写実行や装置の長時間運転や周囲の環境状況の変化や軽度のトラブル発生後でも、像担持体相互の予め設定された回転位相状態からのずれが許容値範囲内であれば位相合わせ制御をまったく行わなずにただ全ての像担持体を設定された各像担持体の停止位置に関係なくそのまま同時に停止させるので、全ての像担持体回転動作が同一となり像担持体と接触している転写担持体との摺擦が減少し相互の摩耗が減少する。
また、常に位相合わせ制御を行う従来の装置に比べ、像担持体の無駄な回転動作を極力防止でき、像担持体の回転時間が短縮されて像担持体の寿命を長くすることができるばかりか、エネルギーの節約にも大いに役に立つ。
【0021】
第3の要旨によれば、基準となる何れか1つの像担持体の制御プログラムを使用して全ての像担持体を同じ動作にてその回転を停止できるため、停止前の像担持体相互の回転位相状態を維持したまま全ての像担持体を停止することができる。従って、夫々の像担持体毎に異なる制御をしなくても良いので制御が簡単になるばかりか、常に位相合わせ制御を行う従来の装置に比べ、像担持体の無駄な回転動作を極力防止でき像担持体の回転時間が短縮され像担持体の寿命を長くすることができるばかりか、エネルギーの節約にも大いに役に立つ。
【0022】
第4の要旨によれば、像担持体の回転位相状態を設定する各像担持体の停止位置を設定する位相調整の単位量とは別に位相合わせ制御を実行するか実行しないかを判断する基準となる位相ずれ量の許容値を別に設けることにより、色ずれの発生が目立つ場合に位相ずれ量の許容値を変更でき、また、位相調整単位量よりも小さくする(好ましくは1/2以下にする)ことにより回転位相状態のずれが大きくずれることを防止でき、装置の状況に合わせた位相合わせ制御を設定することができる。
【0023】
第5の要旨によれば、位相合わせ制御を実行するか実行しないかを判断する許容値を変更可能とすることにより、設定されている該許容値では色ずれが目立つような状態が発生する場合に許容値を変更することにより位相ずれの判断基準を厳しくすることができ、色ずれ発生トラブルを防止できる。
また、色ずれの発生が目立たない範囲で許容値を大きくすることもでき、位相ずれの判断基準を下げることができ、像担持体の位相合わせ制御を極力少なくでき無駄な像担持体の回転動作を防止できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明に係る実施の一形態を、図1〜図8に基づいて説明すれば、以下の通りである。
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置であるデジタルカラー複写機1の構成を示す正面断面の略図である。複写機本体1の上面には、原稿台111及び図示しない操作パネルが設けられ、複写機本体1の内部に画像読み取り部110および画像形成部210が設けられた構成である。原稿台111の上面には該原稿台111に対して開閉可能な状態で支持され、原稿台111面に対して所定の位置関係をもって両面自動原稿送り装置(RADF;Reversing Automatic Document Feeder)112が装着されている。
【0025】
両面自動原稿送り装置112は、まず、原稿の一方の面が原稿台111の所定位置において画像読み取り部110に対向するよう原稿を搬送し、この一方の面についての画像読み取りが終了した後に、他方の面が原稿台111の所定位置において画像読み取り部110に対向するよう原稿を反転して原稿台111に向かって搬送するようになっている。そして、両面自動原稿送り装置112は、1枚の原稿について両面の画像読み取りが終了した後にこの原稿を排出し、次の原稿についての両面搬送動作を実行する。
以上の原稿の搬送および表裏反転の動作は、複写機1全体の動作に関連して制御されるものである。
【0026】
前記画像読み取り部110は、両面自動原稿送り装置112により原稿台111上に搬送されてきた原稿の画像を読み取るために、原稿台111の下方に配置されている。
画像読み取り部110は、該原稿台111の下面に沿って平行に往復移動する原稿走査体113,114と、光学レンズ115と、光電変換素子であるCCDラインセンサ116とを有している。
【0027】
前記原稿走査体113,114は、第1の走査ユニット113と第2の走査ユニット114とから構成されている。第1の走査ユニット114は原稿画像表面を露光する露光ランプと、原稿からの反射光像を所定の方向に向かって偏向する第1ミラーとを有し、原稿台111の下面に対して一定の距離を保ちながら所定の走査速度で平行に往復移動するものである。第2の走査ユニット114は、第1の走査ユニット113の第1ミラーにより偏向された原稿からの反射光像をさらに所定の方向に向かって偏向する第2および第3ミラーとを有し、第1の走査ユニット113と一定の速度関係を保って平行に往復移動するものである。
【0028】
光学レンズ115は、第2の走査ユニットの第3ミラーにより偏向された原稿からの反射光像を縮小し、縮小された光像をCCDラインセンサ116上の所定位置に結像させるものである。
【0029】
CCDラインセンサ116は、結像された光像を順次光電変換して電気信号として出力するものである。CCDラインセンサ116は、白黒画像あるいはカラー画像を読み取り、R(赤)、G(緑)、B(青)、の各色成分に色分解したラインデータを出力することのできる3ラインのカラーCCDである。このCCDラインセンサ116により電気信号に変換された原稿画像情報、さらに、図示しない画像処理部に転送されて所定の画像データ処理が施される。
【0030】
次に、画像形成部210の構成、および画像形成部210に係わる各部の構成について説明する。
画像形成部210の下方には、用紙トレイTR内に積載収容されている用紙(例えば、紙、OHP用紙などの記録媒体)Pを1枚ずつ分離して画像形成部210に向かって供給する給紙機構211が設けられている。そして1枚ずつ分離供給された用紙Pは、画像形成部210の手前に配置された一対のレジストローラ212によりタイミングが制御されて画像形成部210に搬送される。さらに、片面に画像が形成された用紙Pは、画像形成部210の画像形成にタイミングを合わせて画像形成部210に再供給搬送される。
【0031】
画像形成部210の下方には、転写搬送ベルト機構213が配置されている。転写搬送ベルト機構213は、駆動ローラ214と従動ローラ215との間に略平行に伸びるように張架された転写搬送ベルト216に用紙Pを静電吸着させて搬送する構成となっている。そして、転写搬送ベルト216の回転軌道下側に近接して、転写搬送ベルト216上に形成されたテストパターンを検出するパターン画像検出ユニット300が設けられている。
【0032】
さらに、用紙搬送路における転写搬送ベルト機構213の下流側に駆動ローラ214に近接して、用紙P上に転写形成されたトナー像を用紙P上に定着させるための定着装置217が配置されている。この定着装置217の一対の定着ロ−ラ間におけるニップ部を通過した用紙Pは、搬送方向切り換えゲート218を経て、排出ローラ219により複写機本体1の外壁に取り付けられている排紙トレイ220上に排出される。
【0033】
切り換えゲート218は、定着後の用紙Pの搬送経路を、複写機本体1へ用紙Pを排出する経路と、画像形成部210に向かって用紙Pを再供給する経路との間で選択的に切り換えるものである。切り換えゲート218により再び画像形成部210に向かって搬送方向が切り換えられた用紙Pは、スイッチバック搬送経路221を介して表裏反転された後、画像形成部210へと再度供給される。
【0034】
また、画像形成部210における転写搬送ベルト216の上方には、転写搬送ベルト216に近接して、第1の画像形成ステーションPa、第2の画像形成ステーションPb、第3の画像形成ステーションPc、および第4の画像形成ステーションPdが、用紙搬送経路上流側から順に設けている。
【0035】
転写搬送ベルト216は、駆動ローラ214によって、図1において矢印Zで示す方向に摩擦駆動され、前述したように給紙機構211を通じて給送される用紙Pを把持し、用紙Pを画像形成ステーションPa〜Pdへと順次搬送する。
各画像ステーションPa〜Pdは、実質的に同一の構成を有している。各画像ステーションPa,Pb,Pc,Pdは、図1に示す矢印F方向に回転駆動される感光体ドラム222a,222b,222c、および222dをそれぞれ含んでいる。
【0036】
各感光体ドラム222a〜222dの周辺には、感光体ドラム222a〜222dをそれぞれ一様に帯電する帯電器223a,223b,223c,223dと、感光体ドラム222a〜222d上に形成された静電潜像をそれぞれ現像する現像装置224a,224b,224c,224dと、現像された感光体ドラム222a〜222d上のトナー像を用紙Pへ転写する転写用放電器225a,225b,225c,225dと、感光体ドラム222a〜222d上に残留するトナーを除去するクリーニング装置226a,226b,226e,226dとが感光体ドラム222a〜222dの回転方向に沿ってそれぞれ順次配置されている。
【0037】
また、各感光体ドラム222a〜222dの上方には、レーザービームスキャナユニット227a,227b,227c,227dがそれぞれ設けられている。各レーザービームスキャナユニット227a〜227dは、画像データに応じて変調されたドット光を発する半導体レーザ素子(図示せず)、半導体レーザ素子からのレーザービームを主走査方向に偏向させるためのポリゴンミラー(偏向装置)240と、ポリゴンミラー240により偏向されたレーザビームを感光体ドラム222a〜222d表面に結像させるためのfθレンズ241やミラー242,243などから構成されている。
【0038】
レーザービームスキャナ227aにはカラー原稿画像の黒色成分像に対応する画素信号が、レーザービームスキャナ227bにはカラー原稿画像のシアン色成分像に対応する画素信号が、レーザービームスキャナ227cにはカラー原稿画像のマゼンタ色成分像に対応する画素信号が、そして、レーザービームスキャナ227dにはカラー原稿画像のイエロー色成分像に対応する画素信号がそれぞれ入力される。
【0039】
これにより色変換された原稿画像情報に対応する静電潜像が各感光体ドラム222a〜222d上に形成される。そして、現像装置227aには黒色のトナーが、現像装置227bにはシアン色のトナーが、現像装置227cにはマゼンタ色のトナーが、現像装置227dにはイエロー色のトナーがそれぞれ収容されており、感光体ドラム222a〜222d上の静電潜像は、これら各色のトナーにより現像される。これにより、画像形成部210にて色変換された原稿画像情報が各色のトナー像として再現される。
【0040】
また、第1の画像形成ステーションPaと給紙機構211との間には用紙吸着用(ブラシ)帯電器228が設けられており、この吸着用帯電器228は転写搬送ベルト216の表面を帯電させ、給紙機構211から供給された用紙Pは、転写搬送ベルト216上に確実に吸着させた状態で第1の画像形成ステーションPaから第4の画像形成ステーションPdの間をずれることなく搬送させる。
【0041】
一方、第4の画像ステーションPdと定着装置217との間で駆動ローラ214のほぼ真上部には陰電器(図示せず)が設けられている。この除電器には搬送ベルト216に静電吸着されている用紙Pを転写搬送ベルト216から分離するための交流電流が印加されている。
【0042】
上記構成のデジタルカラー複写機においては、用紙Pとしてカットシート状の紙が使用される。この用紙Pは、給紙カセットから送り出されて給紙機構211の給紙搬送経路のガイド内に供給されると、その用紙Pの先端部分がセンサー(図示せず)にて検知され、このセンサから出力される検知信号に基づいて一対のレジストローラ212により一旦停止される。
そして、用紙Pは各画像ステーションPa〜Pdとタイミングをとって図1の矢印Z方向に回転している転写搬送ベルト216上に送られる。このとき転写搬送ベルト216には前述したように吸着用帯電器228により所定の帯電が施されているので、用紙Pは、各画像ステーションPa〜Pdを通過する間、安定して搬送供給される。
【0043】
各画像ステーションPa〜Pdにおいては、各色のトナー像が、それぞれ形成され、転写搬送ベルト216により静電吸着されて搬送される用紙Pの支持面上で重ね合わされる。第4の画像ステーションPdによる画像の転写が完了すると、用紙Pは、その先端部分から順次、陰電用放電器により転写搬送ベルト216上から剥離され、定着装置217へと導かれる。最後に、トナー画像が定着された用紙Pは、用紙排出口(図示せず)から排紙トレイ220上へと排出される。なお、上述の説明ではレーザービームスキャナユニット227a〜227dによって、レーザービームを走査して露光することにより、感光体への光書き込みを行なう。
【0044】
尚、レーザービームスキャナユニットの代わりに、発光ダイオードアレイと結像レンズアレイからなる書き込み光学系(LEDヘッド)を用いても良い。LEDヘッドはレーザービームスキャナーユニットに比べ、サイズも小さく、また可動部分がなく無音である。よって、複数個の光書き込みユニットを必要とするタンデム方式のデジタルカラー複写機などの画像形成装置では、好適に用いることができる。
【0045】
次に、本実施形態の特徴部分である各感光体ドラムの回転位相制御について説明する。
本実施形態のデジタルカラー複写機では、図2に示すように、前述した図9に示す従来構成の画像形成装置とは異なり、各画像形成ステーションPa〜Pdの4つの感光体ドラム222a〜222dが、感光体ドラムの回転駆動ムラ(位相が合っていれば各感光体ドラムで共通)の位相が所定分ずつずれた状態(画像上では各色成分画像の伸び縮みの位相が合致した状態)で回転駆動される。具体的には、各感光体ドラムは同時に回転を開始し、同時に回転を停止する構成であるので、その停止位置(回転開始位置)をずらせて停止される。今後は、画像上での各色成分画像の伸び縮みが合致している状態になる様に実際には各感光体ドラムの位相をずらして回転させているが、各感光体ドラムの回転位相状態が所定の状態になっているという記載で説明する。
【0046】
図2においては、図9と同様に、各感光体ドラムにおける位相のずれを補正するために、回転駆動されるシャフトに対して所定の位置関係(周期的な駆動ムラが一定の条件となる位置関係)でもって感光体ドラムが取り付けられるように考慮して、各感光体ドラムが所定の角度(感光体ドラム周長と隣接する感光体の転写部間の距離との差)ずつずれた状態で停止する様子を、シャフトに取り付けられる駆動ギヤの鍵型の穴(又は凸部)haを基準に示す。
【0047】
いま、ブラックの感光体ドラム222aを基準とすると、その隣のシアンの感光体ドラム222bの位相は、約60度進んでいる。同様に、マゼンタの感光体ドラム222cの位相は120度、イエローの感光体ドラム222dの位相は180度進んでいる。
このように、各感光体ドラムにおける駆動ムラの位相をずらすことで、位相をずらせた分、各画像形成ステーションPa〜Pdに対応した転写部A−A間の距離を、感光体ドラムの周囲長より縮めても、各感光体ドラム間の駆動ムラを転写部Aを通過する転写材に対して同一とできる。また、逆方向にずらすことによりA−A間の距離を感光体ドラムの周長よりも伸ばすことも可能である。
【0048】
上記のように、隣接する感光体ドラム間で駆動ムラの周期を60度進めることで、感光体ドラムの直径をdとすると、転写部A−A間の距離に相当するLは、
L=感光体ドラムの周長πd×((360−60)度/360度)
となる。
【0049】
尚、ここでは説明の便宜上、各感光体ドラムにおける位相のずれ分を基に転写部A−A間の距離を設定するように説明したが、実際は、転写部A−A間の距離Lを決定し、それを基に、各感光体ドラムの位相のずれ分を設定すればよい。例えば、ドラム径40mmの感光体ドラムを用いて、転写部A−A間の距離Lを105mmとした場合は、上記のように隣接する感光体ドラム間で停止位置が上記のように、各駆動ムラが約60度ずつ位相がずれるように設定する。
【0050】
ここで、図3を用いて、各感光体ドラム毎の画像が駆動ムラによる色ずれなく重ね合わされる様子を説明する。
いま、図3に示すような状態で4つの感光体ドラムが回転しているとする。ブラックの感光体ドラム222aの「G」の位置(明示のため駆動ムラの基準をラインaで示す)に(1)のタイミングで書き込まれた画像は、(4)のタイミング(感光体ドラム222aの180°回転に要する時間経過後)で転写搬送ベルト216上に転写され、(9)のタイミングでシアンの感光体ドラム222bの画像と重ね合わされる。ここで、シアンの感光体ドラム222bには、既に(6)のタイミングでレーザビームにより画像が形成されている。図3(a)に(1)〜(6)のタイミングにおけるシアンの感光体ドラム222bのラインaの位置を示す。図より明らかなように(9)のタイミングにおけるラインaは、(4)のタイミングにおけるブラックの感光体ドラム222aと同じ位置にある。したがって、重ね合わされる像の駆動ムラは同一となり、駆動ムラの影響による色ずれはない。
【0051】
同様に、マゼンタの感光体ドラム222cに形成された画像とは、(14)のタイミングで重ね合わされる。ここで、マゼンタの感光体ドラム222cには、既に(11)のタイミングで画像が形成されている。図3(b)に(1)〜(11)のタイミングにおけるマゼンタの感光体ドラム222cのラインaの位置を示す。図より明らかなように、(11)のタイミングにおけるラインaは、(1)(6)のタイミングにおけるブラック、シアンの感光体ドラムと同じ位置にある。したがって、重ね合わされる像は、駆動ムラが同一となり、駆動ムラの影響による色ずれはない。
【0052】
同様に、イエローの感光体ドラム222dに形成された画像とは、(19)のタイミングで重ね合わされる。従って、イエローの感光体ドラム222dには、既に(16)のタイミングで画像が形成されている。図3(c)に(1)〜(16)のタイミングにおけるイエローの感光体ドラム222dのラインaの位置を示す。図より明らかなように、(16)のタイミングにおけるラインaは、(1)(6)(11)のタイミングにおけるブラック、シアンの感光体ドラムと同じ位置にある。したがって、重ね合わされる像は、駆動ムラが同一となり、駆動ムラの影響による色ずれはない。このような4つの感光体ドラム222a〜dの回転駆動は、各感光体ドラムの駆動ムラを特定できる基準マークQを基に、図4に示す制御部CONより制御されている。
【0053】
以下、図4及び図5を基に、感光体ドラムの回転駆動制御(位相合わせ制御)について説明する。
図4に示すように本実施形態のデジタルカラー複写機における感光体ドラム222a〜dに回転駆動力を伝達する駆動ギアG1〜G4の穴には、鍵型の印(凸部)haを設け、シャフトに設けられたピンがこの凸部haに係合することとなって、同一構成の駆動機構に連結されるいずれのシャフトとも一定の周期的な駆動ムラ特性でもって回転駆動されることとなる。
そしてこの回転駆動されるシャフトに対して像担持体(感光体ドラム)が、これもまた所定の位置関係でもって支持されるようになつているので、各感光体ドラムにおける周期的な駆動ムラは、すべてほぼ同一のものとなる。
【0054】
さらに、図4に示すように、駆動ギアG1〜G4に付された基準マークQを光学センサ等からなる検出センサSl〜S4によりそれぞれ検出する。
各センサSl〜S4は、各々の転写部Aより同じ位置に取り付けられている。そのセンサ出力は、制御部CONに送られ、これを基に制御部CONが、各感光体ドラムをそれぞれ独立して回転駆動する各モータMを制御するようになっている。
なお、センサSl〜S4は、駆動ギアG1〜G4に付された基準マークQを検出して感光体ドラムの停止位置を制御するように説明しているが、これ以外にも、別のシーケンスにおいて、基準マークQを検出することにより各感光体ドラムに形成される画像の形成条件を補正する基準としても用いられる。(詳細は、特開平6−51551号公報参照)
【0055】
制御部CONは、異なるシーケンスに基づいて各センサからの検出結果(信号)から、感光体ドラムに対する画像形成プロセスを制御する第1の制御手段と、各感光体ドラムの停止位置が所定の位置関係となるようにをそれぞれの停止位置に確実に停止させるよう制御する第2の制御手段とを備え、それぞれの制御シーケンスが所定の条件および所定の時期(タイミング)になると自動的に行われる。
【0056】
図5に、感光体ドラムを停止させる時の各センサS1〜S4の出力のタイミングチャートを示す。下流側に位置する感光体ドラム222dのセンサS4から順に、パターンQを検出してONし、最も上流側に位置する感光体ドラム222aのセンサSlが最後にONする。
この最後のセンサSlがONしてから、図4に示すパターンQが転写部Aに到達する時間(ここでは、約90度回転する時間)を余裕時間く余裕角)とし、余裕時間経過後、感光体ドラム222aを停止する。
そして、基準の感光体ドラム222a以外の感光体ドラム222b〜dにおいては、各々のセンサS2〜4の検出結果とセンサSlの検出結果より、補正量を検出し、補正量を余裕時間に加算した後その時間が経過した時点で停止させる。
【0057】
例えば、シアンの感光体ドラム222bについて考えると、感光体ドラム222bと基準となる感光体ドラム222aとは、60度のずれがある。そこで、センサSlがONしたタイミングとセンサS2がONしたタイミングとから、感光体ドラム222bの補正量を計算する。ここでもし、間隔が61度分であり1度進んでいる場合は、1度戻す必要があるので、補正量を−1とし、これを余裕時間の90度分に加算し、余裕時間を89度分として、センサSlがONした後、89度分の余裕時間経過後、停止させる。
【0058】
もし、上記の余裕時間が設定されていなかったとすると、補正量がプラスの場合はその分感光体ドラム222bをさらに回転させて停止させればよいが、マイナスの場合は、既に停止位置を過ぎてしまっているので、正しい位置に停止させるには、さらにもう一回転させる必要があり、そうなると、転写搬送ベルト216表面や感光体ドラム表面を接触により傷つけることとなるが、上記構成により、損傷等を抑制しながら、短時間で理想的な画像の記録が行える状態で停止させることができ、引き続き行われる画像の記録もスムーズに行える。
【0059】
また、上記各感光体ドラムを個別駆動するモータとしては、ステッピングモータが最も適している。
【0060】
さらに、いくら精度よく転写部A−A間の寸法を設定したとしても、感光体ドラムの取り付け位置がずれたりして、その寸法にわずか100μmの誤差があると、600dpi(1ドットの径:43μm程度)といった高密度記録の画像形成装置では、大きな色ずれとして現れてしまう。そこで、感光体ドラムの駆動ムラとは関係なく、各感光体ドラムの停止位置を調整できる手段も別途設けている方が望ましい。同じく、上述したセンサSl〜4の取り付け位置にも誤差が生じ易いので、このような誤差を補正できる構成であることが望ましい。
【0061】
具体的には、前述の余裕時間(余裕角)を、各感光体ドラム毎に調整できる構成であればよい。つまり、上記の説明では、4つの感光体ドラムとも余裕時間を90度分としていたが、センサの取り付け誤差、及び転写部間の寸法誤差に応じて、各々予め補正しておき、その補正した余裕時間に対して、新たに停止時の補正量を加算(減算)すればよい。
【0062】
さらには、これらの誤差に関しては予め補正するのは大変であるので組立て終了後の調整工程にて特定のテスト画像を出力することにより自動的またはマニュアルで各感光体の停止位置を調整する方法でもよい。
【0063】
次に、マニュアル設定により各感光体ドラム222a〜222dの停止位置を調整する方法を図6〜図8を参照して説明する。図示しない操作パネルより所定の複数のキー操作により装置を調整モード(シミュレーションモード)に変更し、操作パネル上のタッチ式表示画面TPに各感光体ドラムの停止位置と設定された位相状態からのずれの限界値(許容値)とを表示する画面(図6,7)を表示して、それらの値等の設定および変更を行う。ここで限界値(許容値)とは上記説明した感光体ドラムの回転駆動制御(位相合わせ停止位置制御)を実行するか実行しないかの判断の基準となる限界(許容)の位相ずれ量(角度または駆動手段の駆動ステップ数等)である。
【0064】
まず、感光体ドラムの位置設定画面300を表示させ選択キー301,302にてカーソル306を上下することにより限界値かあるいは記録色(記載された色の画像を形成する感光体ドラムの停止位置を色名表示で表している)かを選択する。
【0065】
感光体ドラムの停止位置の設定値は、コード化されており所望の値を操作パネルの図示しない数字キーを用いて入力する。
すなわち感光体ドラムの停止位置は、基準とする感光体ドラムに対して[1]は60度,[2]は120度,[3]は180度,[4]は240度,[5]は300度進ませた位置(または遅らせた位置)でありこの[1]〜[5]を設定ウィンドウ305に入力することにより基準色を除く各色の感光体ドラムの停止位置を入力設定する。
【0066】
本実施形態では基準色を黒色としており黒色成分画像を形成する感光体ドラム222aは停止位置の入力をしないようになっており、黒色成分の感光体ドラム222aは常に決められた位置で停止するようになっているが、黒色成分の感光体ドラム222aの停止位置も設定可能としても良いし、また自動的に条件に応じて設定されるようにしても良い。
【0067】
また本実施形態では感光体ドラムの位相のずらし調整単位量を60度に設定されているがこの限りではなく30度とか90度といった値としても良いが、好ましくは90度以下がよい。
入力設定時の設定値の確定は、数字キーの数値入力後のOKキー303を押すか、そのまま選択キー301、302を操作することにより確定される。
【0068】
感光体ドラムの位相合わせ停止位置制御を実行するか実行しないかの判断の基準となる限界値(許容値)の設定は、選択キー301、302を操作し一番上のLIMITを選択し、操作パネル上の数字キーにて設定ウィンドウ305の値を[1]〜[3]の何れかにすることで設定できる。ここで[1]は10度,[2]は20度,[3]は30度としており各感光体ドラムの位置(位相)調整単位量60度よりも小さい値に設定されているが、好ましくは位置(位相)調整単位量の1/2以下の値である。また、本実施形態では限界値(許容値)を角度で表現したが駆動手段の駆動ステップ数でも良い。
限界値(許容値)設定の確定は、感光体ドラムの停止位置設定と同じ操作で確定される。
【0069】
EXECUTキー304は、設定した各感光体ドラムの位相状態にてテスト画像のサンプル出力を実行するキーであり、設定後すぐに調整結果を見ることができ問題があればすぐに再設定することができるようになっている。
【0070】
尚、本実施形態では位相調整単位量を60度と固定した場合について説明したが、この単位量を変化させることにより大まかな位相設定や細かな位相設定を選択して行うことが可能となる。この場合に、位相ずれの限界値(許容値)も、位相調整単位量の選択に応じて自動的に定まりその値は位相調整単位量よりも小さく、好ましくは位相調整単位量の1/2以下の値に設定することがよい。
【0071】
次に本発明の感光体ドラムの位相ずれ量が限界値(許容値)以上の場合と未満の場合の感光体ドラムの停止制御について図8のフローチャートを参照しつつ説明する。
カラープリントの為の各色成分画像を用紙上に形成終了時(ステップ(以下、「ST」と略記する)1に各感光体ドラムの表面に付された基準マークQを光学センサ等からなる検出センサSl〜S4によりそれぞれ検出する(ST2)。
この検出センサSl〜S4の検出信号により全感光体ドラム相互の回転位相状態を基準の黒成分画像を形成する感光ドラム222aに対して予め設定された停止位置関係に相当する位相をチェックし、各設定されたずらし量に対して限界値(許容値)をたとえば30度に設定した場合には、±30度の範囲内に入っているか否かを判定する(ST3)。もし、基準となる感光体ドラム222aを除く残りの感光体ドラム222b〜222dに対する判定結果のいずれかがこの限界値(許容値)30度以上の位相ずれがある場合には、設定値からのずれが無いように停止タイミングを制御する前記位相合わせ停止制御を実行し、全ての感光体ドラム222a〜222dを予め設定された停止位置に停止させる(ST4)。
【0072】
基準となる感光体ドラム222aを除く残りの感光体ドラム222b〜222dに対する位相ずれ判定結果が、限界値(許容値)30度未満であれば色ずれが目立たない範囲として前記の位相合わせ停止制御を実行せず、基準となる感光体ドラム222aの検出センサSlの検出信号を基にした停止タイミングで全ての感光ドラム222a〜222dを駆動手段であるステップモータを駆動制御して同時に停止させる(ST5)。この時の全ての感光体ドラムの回転位相状態は予め設定された停止状態に相当する位相状態からのずれが限界値(許容値)内に収まつているので、黒色成分画像を形成する基準となる感光体ドラム222aの停止位置は予め設定された停止位置であってもなくても良い。
当然の事ながら基準となる感光体ドラムは黒色成分画像を形成する感光体ドラム222aでなくとも良いし、感光体ドラムも4個でなく2個でも3個でもそれ以上多くても良い。
【0073】
以上説明したように、検出センサS2〜S4の検出信号が限界値(許容値)以上ずれた場合に感光体ドラムの位相合せ制御を実行するが、検出信号のずれが色ずれが目立たない該許容値を超えない場合には感光体ドラムの位相合せ制御を実行しないで単に基準とする感光体ドラム222aの回転停止と同時にその他の感光体ドラム222b〜222dを停止させるので、常に位相制御を行ったり所定の枚数複写後や所定時間運転後や所定の環境変化やトラブル等の発生後に、像担持体の無駄な位相合わせ制御を行う回転動作、及びそれに伴う像担持体の摺擦摩耗を極力防止でき、像担持体の寿命を長くすることができるばかりか、エネルギーの節約にも役に立つこととなる。
【0074】
また、基準となる何れか1つの感光体ドラムの制御プログラムを使用して他の感光体ドラムを同じ動作にてその回転を停止することで、停止前の感光体ドラム相互の回転位相状態を維持したまま全ての感光体ドラムを停止することで、夫々の感光体ドラム毎に異なる制御をしなくても良いので制御が簡単になるばかりか、常に位相合わせ制御を行う従来の装置に比べ、感光体ドラムの無駄な回転動作を極力防止できる。また、許容値内のずれであれば、感光体ドラムの停止位置が限定されず、いずれの回転状態で停止してもよいので、感光体ドラムの無駄な回転動作を極力防止できる。
【0075】
また、感光体ドラムの停止位置を設定する位相調整の単位量とは別に許容値を別に設けることにより、色ずれの発生が目立つ場合に許容値を変更でき、また、位相調整単位量よりも小さくする(好ましくは1/2以下にする)ことにより回転位相状態のずれが大きくずれることを防止でき、装置の状況に合わせた位相合わせ制御を設定することが可能となっている。
【0076】
また、位相合わせ制御を実行するか実行しないかを判断する許容値を変更できることにより、設定されている許容値では色ずれが目立つような状態が発生する場合に許容値を変更することにより位相ずれの判断基準を厳しくすることができ、色ずれ発生トラブルを防止できる。
また、色ずれの発生が目立たない範囲で許容値を大きくすることもでき、位相ずれの判断基準を下げることができ、感光体ドラムの位相合わせ制御を極力少なくでき無駄な感光体ドラムの回転動作を防止できる。
【0077】
また、許容値は夫々の感光体ドラムの停止位置を予め設定する位相調整単位量に基づいて自動的に設定させる場合には、いちいち許容置を設定しなおすことをしなくても良いばかりか、許容置が位相調整単位量よりも大きくなる等のトラブルを防止できることとなる。
【0078】
【発明の効果】
以上説明した通り、第1の要旨によれば、大量枚数の複写や装置の長時間運転やその他の環境状況変化やトラブル発生にも係らずに実際に回転位相状態のずれの大きさが許容値を超えた場合にのみ位相合わせ制御を行い、許容値を超えない場合は位相合わせ制御を行わないので、常に位相制御を行ったり所定の枚数複写後や所定時間運転後や所定の環境変化やトラブル等の発生後に、像担持体の無駄な位相合わせ制御を行う回転動作、及びそれに伴う像担持体の摺擦摩耗を極力防止でき、像担持体の寿命を長くすることができるばかりか、エネルギーの節約にも役に立つ。
【0079】
第2の要旨によれば、大量の複写実行や装置の長時間運転や周囲の環境状況の変化や軽度のトラブル発生後でも、像担持体相互の予め設定された回転位相状態からのずれが許容値範囲内であれば、位相合わせ制御をまったく行なわずにただ全ての像担持体を設定された各像担持体の停止位置に関係なくそのまま同時に停止させるので、全ての像担持体回転動作が同一となり像担持体と接触している転写担持体との摺擦が減少し相互の摩耗が減少する。
また、常に位相合わせ制御を行う従来の装置に比べ、像担持体の無駄な回転動作を極力防止でき、像担持体の回転時間が短縮されて像担持体の寿命を長くすることができるばかりか、エネルギーの節約にも大いに役に立つ。
【0080】
第3の要旨によれば、夫々の像担持体毎に異なる制御をしなくても良いので制御が簡単になるばかりか、常に位相合わせ制御を行う従来の装置に比べ、像担持体の無駄な回転動作を極力防止でき像担持体の回転時間が短縮され像担持体の寿命を長くすることができるばかりか、エネルギーの節約にも大いに役に立つ。
【0081】
第4の要旨によれば、色ずれの発生が目立つ場合に位相ずれ量の許容値を変更でき、また、位相調整単位量よりも小さくする(好ましくは1/2以下にする)ことにより回転位相状態のずれが大きくずれることを防止でき、装置の状況に合わせた位相合わせ制御を設定することができる。
【0082】
第5の要旨によれば、設定されている該許容値では色ずれが目立つような状態が発生する場合に許容値を変更可能とすることにより位相ずれの判断基準を厳しくすることができ、色ずれ発生トラブルを防止できる。
また、色ずれの発生が目立たない範囲で許容値を大きくすることもでき、位相ずれの判断基準を下げることができ、像担持体の位相合わせ制御を極力少なくでき無駄な像担持体の回転動作を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の側断面で示す作用的説明図である。
【図2】本発明の実施形態に係る複数の並列配置された感光体ドラムの位相合わせ状態の作用的説明図である。
【図3】本発明の実施形態に係る複数の感光体ドラムにおける画像の重なり状態を説明する作用的説明図である。
【図4】本発明の実施形態に係る複数配置された感光体ドラムの位相制御の説明図である。
【図5】本発明の実施形態に係る複数の感光体ドラムのずれ角度を検出するセンサの出力信号のタイムチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係る画像形成装置の操作パネルの説明図である。
【図7】本発明の実施形態に係る画像形成装置の操作パネルの説明図である。
【図8】本発明の実施形態に係る感光体ドラムの位相制御の有無判断のフローチャートである。
【図9】従来の複数の並列配置された感光体ドラムの位相合わせ状態の作用的説明図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置
216 転写ベルト
222a〜222d 感光体ドラム
M モータ
Q 基準マーク
CON 制御部
G1〜G4 駆動ギア
S1〜S4 センサ
Claims (5)
- 複数の像担持体と、
前記像担持体を回転駆動する駆動手段と、
前記像担持体が回転しているときに前記各像担持体の回転状態を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出信号に基づいて前記駆動手段を制御することで、前記像担持体を予め設定された回転位相状態に停止させる位相合わせ手段とを有し、
前記検出手段の検出信号が所定のタイミングに対し予め設定した許容値以上のずれを生じた場合には前記位相合わせ手段を実行し、該ずれが該許容値を超えない場合には前記位相合わせ手段を実行せず、
位相合わせ停止制御の実行を判断する基準となる前記許容値は、夫々の像担持体の停止位置を予め設定する位相調整単位量とは別に設けられ、該位相調整単位量よりも小さいことを特徴とする画像形成装置。 - 前記検出手段の検出信号が所定のタイミングに対し予め設定した許容値を超えないずれである場合には、前記位相合わせ手段を実行せずに、全ての像担持体の回転を同時に停止させることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 複数の像担持体を同時に停止させる場合には、所定の像担持体の検出信号に基づいて全ての像担持体を停止させることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
- 前記許容値は、前記位相調整単位量の1/2以下であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 位相合わせ停止制御の実行を判断する基準となる前記許容値は、変更可能であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
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