JP3574352B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、並列配置された各記録部の感光体上にそれぞれ異なる色材で画像を形成すると共に、この各記録部の感光体上に形成された画像を順次重ね合わせて1つのカラー画像として記録再現する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、このようなカラー画像形成装置において、従来から各記録部における周期的な駆動ムラが問題となっており、この周期的な駆動ムラが各記録部においてそれぞれ発生することにより、各色の色材で記録された画像を順次重ね合わせてカラー画像として再現する際に、色ズレが発生して忠実なカラー画像として再現できないといった問題を抱えていた。
【0003】
図15に示す従来のカラー画像形成装置においては、各記録部における感光体ドラム322a〜322d上に形成された画像が各転写部Aにおいて転写される場合に、周期的に発生する駆動ムラの条件が同一となるように、感光体ドラム322への画像書き込み位置から転写位置までの距離(時間)と駆動機構の駆動変動周期の関係をN倍の関係となるように配置することが考えられている(特公平7−31446号公報、特公平8−14731号公報など参照)。
【0004】
これにより並列配置された記録部の転写部Aにおける画像の転写工程においては、転写材上に対して常時同等の駆動ムラ周期でもって各色の色材で形成された画像が順次重ね合わされることとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、無数の構成部品からなる画像形成装置においは、各部品毎の部品精度に細かなばらつきがあったり、またこれらの部品を組み立てていく際の組立精度などにより画像形成装置毎にばらつきが発生する。
また、並列配置された各転写部A−A間の距離関係を周期的な駆動変動に合わせて配置しなければならず、この周期的な駆動変動に合わせて各転写部A−A間の距離を確定していると、画像形成装置自身の大きさが大きくなるという問題も抱えていた。
【0006】
本発明は、前記の問題点を解消するためなされたものであって、並列配置された各記録部(感光体ドラムを含む)における周期的な駆動変動に対応して1つのカラー画像として忠実に再現すると共に、装置自身の大きさもコンパクトに抑えて、オフィス環境での設置面積を極力抑えることのできる画像形成装置を提供することを目的としている。
【0007】
さらに並列配置された各記録部の転写部Aにおける周期的な駆動変動が各記録部において略同等となるように、感光体ドラムの露光位置から転写部までの距離と、各記録部の転写部間の距離、さらに感光体ドラムの回転停止位置を周期的な駆動ムラとの関係で略同等となるように、各記録部における感光体の停止位置を調整することを目的としている。
【0008】
さらにまた、本発明は、各感光体ドラムにおける停止状態の変動が予想されるような操作、例えば、定期的なメンテナンス、部品交換、転写搬送路を開放してのジャム処理などを行った場合に、その操作が完了した際には、各感光体ドラムにおける停止位置の調整を行う必要が生じるが、装置のばらつきや状態変化、環境の変化などにより像担持体の停止位置ズレが予め定める許容値ぎりぎりの場合等に色ズレの状態が満足できないときに、操作者の指示による任意の時期に強制的に位置調整を可能とし、常に安定した画像の重ね合わせが行われ、色ズレのないカラー画像として忠実に記録再現できる画像形成装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数の像担持体を有し、その像担持体と同期して回転するマークをセンサにより検出し、検出された結果に基づいて各像担持体の停止位置が所定の位置関係となるように位置合わせ停止制御を行う回転停止制御手段を備えた画像形成装置であって、その画像形成装置が予め定められた設定条件になると、前記回転停止制御手段が位置合わせ停止制御を自動的に実行する自動設定モードと、操作者の指示に基づき任意の時期に、回転停止制御手段が位置合わせ停止制御を強制的に実行する強制設定モードとを有する画像形成装置において、前記強制設定モードが指示されたときは、動作モードにより異なる動作で実行され、通常のモードで動作している場合には、位置合わせ停止制御のみを実行し、通常と異なるモードで動作している場合には、位置合わせ停止制御を実行後にサンプル印字出力を実行し、設定した修正角度に基づいて位置合わせ停止制御が実行されることを特徴とする画像形成装置である。
【0010】
本発明は、前記強制設定モードが、前記通常モードで動作している場合には、画像形成に関わる設定を行うための操作手段と同一領域内に設けた指示手段を操作者が操作することにより位置合わせ停止制御が実行されることを特徴とする画像形成装置である。
【0011】
本発明は、前記強制設定モードが、確認的なテスト印字を可能とし、前記通常と異なるモードで動作している場合に、前記強制設定モードでの指示手段の操作により、位置合わせ停止制御が実行されると共に、前記確認なテスト印字を行うことを特徴とする画像形成装置である。
【0012】
本発明は、強制設定モードが実行された場合は、該実行された時期に応じて、以降の自動設定モードの設定条件を調整することを特徴とする画像形成装置にある。
【0013】
本発明は、前記操作手段は、画像形成条件を設定するための入力画面を階層的に設け、前記指示手段は、前記階層的に設けられた入力画面の下位画面に設けたことを特徴とする画像形成装置にある。
【0014】
本発明によれば、複数の像担持体を有する画像形成装置において、予め定められた設定条件、例えば、前回の位置合わせ停止制御からの動作時間やコピー枚数が所定以上となる時、または用紙搬送ジャム等によるトラブルによる緊急停止からの復帰時、さらにまた、何れかの像担持体の停止位置ズレが予め設定された許容値を越えたときなどに、自動設定モードにおいて回転停止制御手段が自動的に各像担持体の停止位置を制御することによって画像乱れのない、良好な画像を維持することができるようになっているが、装置毎のばらつきや装置の状態変化や環境の変化などにより像担持体の停止位置ズレが許容値範囲内、特に許容値範囲ぎりぎりの場合等には色ズレの状態が満足できない場合がある。このような場合に、操作者が強制設定モードにおいて強制的に前記位置合わせ停止制御の実行ができるので、サービスマンによって設定条件の変更調整が実施されるまでの間でも、強制設定モードの実行により画像形成装置を良好な画像を維持できるような状態にすることができる。よって、画像乱れを感じた場合や、より良好な画像を得たい場合等に、各像担持体の停止位置の位置ズレから生じる画像乱れを操作者自身の指示により修正し、良好な画像を得られることができることとなり、マンマシンインターフェイスの優れた画像形成装置とできた。
【0015】
本発明によれば、像担持体の位置合わせ停止制御を予め定められた状態となったときに自動的に実行する自動設定モードを有する画像形成装置においても、ユーザーが位置合わせ停止制御が必要とする場合には、任意の時期に位置合わせ停止制御を実行することができると共に、画像形成におけるメインの操作手段に強制設定モードを実行させるための強制指示手段を設けるため、シミュレーションなどの特別なモードに切り換えることなく、操作者が容易に位置合わせ停止制御を行うことができる。
【0016】
本発明によれば、同一の指示手段の操作に基づいて、強制設定モードでは像担持体の位置合わせ停止制御が行なわれ、確認印字モードでは像担持体の位置合わせ停止制御及び確認印字とを行なうことにより、指示手段、例えば操作キーの数やそれに係わる部品や、制御プログラムのボリューム等を減らすことができると共に、同様の作用効果を得るイメージを付与することで、そのモードに適した処理を操作者が容易に実行できる。
【0017】
本発明によれば、強制設定モードによる任意の時期における位置合わせ停止制御の実行に応じて、以降の自動設定モードによる実施時期が制御され、例えば画像形成装置の動作時間やコピー枚数などの条件によって、強制設定モードの実施後すぐに自動設定モードを実行してしまうことを防ぎ、また無駄な実行を防止でき、位置合わせ停止制御の実行に係わる部材、例えば像担持体や用紙搬送用のベルトの寿命を長くすることができる。
【0018】
本発明によれば、階層的に設けられた入力画面の、例えば初期画面などの画像形成条件を入力するための操作手段の下位画面に像担持体の位置合わせ停止制御を実行させるキーを設けることにより、誤操作による不必要な像担持体の位置合わせ停止制御の実行を防止できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態を、図1〜図14に基づいて説明すれば、以下の通りである。
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置であるデジタルカラー複写機1の構成を示す正面断面の略図である。複写機本体1の上面には、原稿台111及び図示しない操作パネルが設けられ、複写機本体1の内部に画像読み取り部110および画像形成部210が設けられた構成である。原稿台111の上面には該原稿台111に対して開閉可能な状態で支持され、原稿台111面に対して所定の位置関係をもって両面自動原稿送り装置(RADF;Reversing Automatic Document Feeder)112が装着されている。
【0020】
両面自動原稿送り装置112は、まず、原稿の一方の面が原稿台111の所定位置において画像読み取り部110に対向するよう原稿を搬送し、この一方の面についての画像読み取りが終了した後に、他方の面が原稿台111の所定位置において画像読み取り部110に対向するよう原稿を反転して原稿台111に向かって搬送するようになっている。そして、両面自動原稿送り装置112は、1枚の原稿について両面の画像読み取りが終了した後にこの原稿を排出し、次の原稿についての両面搬送動作を実行する。
以上の原稿の搬送および表裏反転の動作は、複写機1全体の動作に関連して制御されるものである。
【0021】
前記画像読み取り部110は、両面自動原稿送り装置112により原稿台111上に搬送されてきた原稿の画像を読み取るために、原稿台111の下方に配置されている。
画像読み取り部110は、該原稿台111の下面に沿って平行に往復移動する原稿走査体113、114と、光学レンズ115と、光電変換素子であるCCDラインセンサ116とを有している。
【0022】
前記原稿走査体113、114は、第1の走査ユニット113と第2の走査ユニット114とから構成されている。第1の走査ユニット114は原稿画像表面を露光する露光ランプと、原稿からの反射光像を所定の方向に向かって偏向する第1ミラーとを有し、原稿台111の下面に対して一定の距離を保ちながら所定の走査速度で平行に往復移動するものである。第2の走査ユニット114は、第1の走査ユニット113の第1ミラーにより偏向された原稿からの反射光像をさらに所定の方向に向かって偏向する第2および第3ミラーとを有し、第1の走査ユニット113と一定の速度関係を保って平行に往復移動するものである。
【0023】
光学レンズ115は、第2の走査ユニットの第3ミラーにより偏向された原稿からの反射光像を縮小し、縮小された光像をCCDラインセンサ116上の所定位置に結像させるものである。
【0024】
CCDラインセンサ116は、結像された光像を順次光電変換して電気信号として出力するものである。CCDラインセンサ116は、白黒画像あるいはカラー画像を読み取り、R(赤)、G(緑)、B(青)、の各色成分に色分解したラインデータを出力することのできる3ラインのカラーCCDである。このCCDラインセンサ116により電気信号に変換された原稿画像情報、さらに、図示しない画像処理部に転送されて所定の画像データ処理が施される。
【0025】
次に、画像形成部210の構成、および画像形成部210に係わる各部の構成について説明する。
画像形成部210の下方には、用紙トレイTR内に積載収容されている用紙(例えば、紙、OHP用紙などの記録媒体)Pを1枚ずつ分離して画像形成部210に向かって供給する給紙機構211が設けられている。そして1枚ずつ分離供給された用紙Pは、画像形成部210の手前に配置された一対のレジストローラ212によりタイミングが制御されて画像形成部210に搬送される。さらに、片面に画像が形成された用紙Pは、画像形成部210の画像形成にタイミングを合わせて画像形成部210に再供給搬送される。
【0026】
画像形成部210の下方には、転写搬送ベルト機構213が配置されている。転写搬送ベルト機構213は、駆動ローラ214と従動ローラ215との間に略平行に伸びるように張架された転写搬送ベルト216に用紙Pを静電吸着させて搬送する構成となっている。そして、転写搬送ベルト216の回転軌道下側に近接して、転写搬送ベルト216上に形成されたテストパターンを検出するパターン画像検出ユニット232が設けられている。231は、パターン画像検出ユニット232が転写搬送ベルト216上に形成されたテストパターンを検出しやすくするために転写搬送ベルト216をパターン画像検出ユニット232に平行に支持するために支持ローラ231である。
【0027】
さらに、用紙搬送路における転写搬送ベルト機構213の下流側に駆動ローラ214に近接して、用紙P上に転写形成されたトナー像を用紙P上に定着させるための定着装置217が配置されている。この定着装置217の一対の定着ロ−ラ間におけるニップ部を通過した用紙Pは、搬送方向切り換えゲート218を経て、排出ローラ219により複写機本体1の外壁に取り付けられている排紙トレイ220上に排出される。
【0028】
切り換えゲート218は、定着後の用紙Pの搬送経路を、複写機本体1へ用紙Pを排出する経路と、画像形成部210に向かって用紙Pを再供給する経路との間で選択的に切り換えるものである。切り換えゲート218により再び画像形成部210に向かって搬送方向が切り換えられた用紙Pは、スイッチバック搬送経路221を介して表裏反転された後、画像形成部210へと再度供給される。
【0029】
また、画像形成部210における転写搬送ベルト216の上方には、転写搬送ベルト216に近接して、第1の画像形成ステーションPa、第2の画像形成ステーションPb、第3の画像形成ステーションPc、および第4の画像形成ステーションPdが、用紙搬送経路上流側から順に設けている。
【0030】
転写搬送ベルト216は、駆動ローラ214によって、図1において矢印Zで示す方向に摩擦駆動され、前述したように給紙機構211を通じて給送される用紙Pを把持し、用紙Pを画像形成ステーションPa〜Pdへと順次搬送する。
各画像ステーションPa〜Pdは、実質的に同一の構成を有している。各画像ステーションPa,Pb,Pc,Pdは、図1に示す矢印F方向に回転駆動される感光体ドラム222a,222b,222c、および222d(感光体ドラム222と略記する場合がある)をそれぞれ含んでいる。
【0031】
各感光体ドラム222a〜222dの周辺には、感光体ドラム222a〜222dをそれぞれ一様に帯電する帯電器223a,223b,223c,223dと、感光体ドラム222a〜222d上に形成された静電潜像をそれぞれ現像する現像装置224a,224b,224c,224dと、現像された感光体ドラム222a〜222d上のトナー像を用紙Pへ転写する転写用放電器225a,225b,225c,225dと、感光体ドラム222a〜222d上に残留するトナーを除去するクリーニング装置226a,226b,226e,226dとが感光体ドラム222a〜222dの回転方向に沿ってそれぞれ順次配置されている。
【0032】
また、各感光体ドラム222a〜222dの上方には、レーザービームスキャナユニット227a,227b,227c,227dがそれぞれ設けられている。各レーザービームスキャナユニット227a〜227dは、画像データに応じて変調されたドット光を発する半導体レーザ素子(図示せず)、半導体レーザ素子からのレーザービームを主走査方向に偏向させるためのポリゴンミラー(偏向装置)240と、ポリゴンミラー240により偏向されたレーザビームを感光体ドラム222a〜222d表面に結像させるためのfθレンズ241やミラー242,243などから構成されている。
【0033】
レーザービームスキャナ227aにはカラー原稿画像の黒色成分像に対応する画素信号が、レーザービームスキャナ227bにはカラー原稿画像のシアン色成分像に対応する画素信号が、レーザービームスキャナ227cにはカラー原稿画像のマゼンタ色成分像に対応する画素信号が、そして、レーザービームスキャナ227dにはカラー原稿画像のイエロー色成分像に対応する画素信号がそれぞれ入力される。
【0034】
これにより色変換された原稿画像情報に対応する静電潜像が各感光体ドラム222a〜222d上に形成される。そして、現像装置227aには黒色のトナーが、現像装置227bにはシアン色のトナーが、現像装置227cにはマゼンタ色のトナーが、現像装置227dにはイエロー色のトナーがそれぞれ収容されており、感光体ドラム222a〜222d上の静電潜像は、これら各色のトナーにより現像される。これにより、画像形成部210にて色変換された原稿画像情報が各色のトナー像として再現される。
【0035】
また、第1の画像形成ステーションPaと給紙機構211との間には用紙吸着用(ブラシ)帯電器228が設けられており、この吸着用帯電器228は転写搬送ベルト216の表面を帯電させ、給紙機構211から供給された用紙Pは、転写搬送ベルト216上に確実に吸着させた状態で第1の画像形成ステーションPaから第4の画像形成ステーションPdの間をずれることなく搬送させる。
【0036】
一方、第4の画像ステーションPdと定着装置217との間で駆動ローラ214のほぼ真上部には陰電器(図示せず)が設けられている。この除電器には搬送ベルト216に静電吸着されている用紙Pを転写搬送ベルト216から分離するための交流電流が印加されている。
【0037】
上記構成のデジタルカラー複写機においては、用紙Pとしてカットシート状の紙が使用される。この用紙Pは、給紙カセットから送り出されて給紙機構211の給紙搬送経路のガイド内に供給されると、その用紙Pの先端部分がセンサー(図示せず)にて検知され、このセンサから出力される検知信号に基づいて一対のレジストローラ212により一旦停止される。
そして、用紙Pは各画像ステーションPa〜Pdとタイミングをとって図1の矢印Z方向に回転している転写搬送ベルト216上に送られる。このとき転写搬送ベルト216には前述したように吸着用帯電器228により所定の帯電が施されているので、用紙Pは、各画像ステーションPa〜Pdを通過する間、安定して搬送供給される。
【0038】
各画像ステーションPa〜Pdにおいては、各色のトナー像が、それぞれ形成され、転写搬送ベルト216により静電吸着されて搬送される用紙Pの支持面上で重ね合わされる。第4の画像ステーションPdによる画像の転写が完了すると、用紙Pは、その先端部分から順次、陰電用放電器により転写搬送ベルト216上から剥離され、定着装置217へと導かれる。最後に、トナー画像が定着された用紙Pは、用紙排出口(図示せず)から排紙トレイ220上へと排出される。なお、上述の説明ではレーザービームスキャナユニット227a〜227dによって、レーザービームを走査して露光することにより、感光体への光書き込みを行なう。
【0039】
尚、レーザービームスキャナユニットの代わりに、発光ダイオードアレイと結像レンズアレイからなる書き込み光学系(LEDヘッド)を用いても良い。LEDヘッドはレーザービームスキャナーユニットに比べ、サイズも小さく、また可動部分がなく無音である。よって、複数個の光書き込みユニットを必要とするタンデム方式のデジタルカラー複写機などの画像形成装置では、好適に用いることができる。
【0040】
次に、本実施形態の特徴部分である各感光体ドラムの回転位相制御について説明する。 本実施形態のデジタルカラー複写機では、図2に示すように、前述した図8に示す従来構成の画像形成装置とは異なり、各画像形成ステーションPa〜Pdの4つの感光体ドラム222a〜222dが、感光体ドラムの回転駆動ムラ(位相が合っていれば各感光体ドラムで共通)の位相が所定分ずつずれた状態で回転駆動される。具体的には、各感光体ドラムは同時に回転を開始し、同時に回転を停止する構成であるので、その停止位置(回転開始位置)をずらして停止する。
【0041】
図2においては、図8と同様に、各感光体ドラムにおける位相のずれを感光体ドラムのシャフトに取り付けられる駆動ギヤの鍵型の穴(又は凸部)haを基準に示す。
いま、ブラックの感光体ドラム222aを基準とすると、その隣のシアンの感光体ドラム222bの位相は、約60度進んでいる。同様に、マゼンタの感光体ドラム222cの位相は120度、イエローの感光体ドラム222dの位相は180度進んでいる。
【0042】
このように、各感光体ドラムにおける駆動ムラの位相をずらすことで、位相をずらせた分、各画像形成ステーションPa〜Pdに対応した転写部A−A間の距離を、感光体ドラムの周囲長より縮めても、各感光体ドラム間の駆動ムラを転写部Aを通過する転写材に対して同一とできる。
【0043】
上記のように、隣接する感光体ドラム間で駆動ムラの周期を60度進めることで、感光体ドラムの直径をdとすると、転写部A−A間の距離に相当するLは、L=感光体ドラムの周長πd×((360−60)度/360度)
となる。
【0044】
尚、ここでは説明の便宜上、各感光体ドラムにおける位相のずれ分を基に転写部A−A間の距離を設定するように説明したが、実際は、転写部A−A間の距離Lを決定し、それを基に、各感光体ドラムの位相のずれ分を設定すればよい。例えば、ドラム径40mmの感光体ドラムを用いて、転写部A−A間の距離Lを105mmとした場合は、上記のように隣接する感光体ドラム間で停止位置が上記のように、各駆動ムラが約60度ずつ位相がずれるように設定する。
【0045】
ここで、図3を用いて、各感光体ドラム毎の画像が駆動ムラによる色ずれなく重ね合わされる様子を説明する。
いま、図3に示すような状態で4つの感光体ドラムが回転しているとする。ブラックの感光体ドラム222aの「G」の位置(明示のため駆動ムラの基準をラインaで示す)に(1)のタイミングで書き込まれた画像は、(4)のタイミング(感光体ドラム222aの180°回転に要する時間経過後)で転写搬送ベルト216上に転写され、(9)のタイミングでシアンの感光体ドラム222bの画像と重ね合わされる。ここで、シアンの感光体ドラム222bには、既に(6)のタイミングでレーザビームにより画像が形成されている。図3(a)に(1)〜(6)のタイミングにおけるシアンの感光体ドラム222bのラインaの位置を示す。図より明らかなように(9)のタイミングにおけるラインaは、(4)のタイミングにおけるブラックの感光体ドラム222aと同じ位置にある。したがって、重ね合わされる像の駆動ムラは同一となり、駆動ムラの影響による色ずれはない。
【0046】
同様に、マゼンタの感光体ドラム222cに形成された画像とは、(14)のタイミングで重ね合わされる。ここで、マゼンタの感光体ドラム222cには、既に(11)のタイミングで画像が形成されている。図3(b)に(1)〜(11)のタイミングにおけるマゼンタの感光体ドラム222cのラインaの位置を示す。図より明らかなように、(11)のタイミングにおけるラインaは、(1)(6)のタイミングにおけるブラック、シアンの感光体ドラムと同じ位置にある。したがって、重ね合わされる像は、駆動ムラが同一となり、駆動ムラの影響による色ずれはない。
【0047】
同様に、イエローの感光体ドラム222dに形成された画像とは、(19)のタイミングで重ね合わされる。従って、イエローの感光体ドラム222dには、既に(16)のタイミングで画像が形成されている。図3(c)に(1)〜(16)のタイミングにおけるイエローの感光体ドラム222dのラインaの位置を示す。図より明らかなように、(16)のタイミングにおけるラインaは、(1)(6)(11)のタイミングにおけるブラック、シアンの感光体ドラムと同じ位置にある。したがって、重ね合わされる像は、駆動ムラが同一となり、駆動ムラの影響による色ずれはない。このような4つの感光体ドラム222a〜dの回転駆動は、各感光体ドラム222の駆動ムラを特定できる基準マークQを基に、図4に示す制御部CONより制御されている。
【0048】
以下、図4及び図5を基に、感光体ドラムの回転駆動制御について説明する。前述したように本実施形態のデジタルカラー複写機における感光体ドラム222a〜dに回転駆動力を伝達する駆動ギアG1〜G4の穴には、鍵型の印(凸部)haをつけているので、図4に示すようにここではこの鍵型の凸部に合わせて矩形の基準マークQを設けて、これを光学センサS1〜S4でそれぞれ読み取るようにしている。もちろん何らこれに限定されるものではない。
【0049】
各センサSl〜S4は、各々の転写部Aより同じ位置に取り付けられている。そのセンサ出力は、制御部CONに送られ、これを基に制御部CONが、各感光体ドラムをそれぞれ独立して回転駆動する各モータMを制御するようになっている。
【0050】
制御部CONは、各センサS1〜S4からの検出結果を基に、各感光体ドラム222をそれぞれ停止位置に確実に停止させ、コピー開始時には、同時に回転を開始させる。
【0051】
図5に、感光体ドラム222を停止させる時の各センサS1〜S4の出力のタイミングチャートを示す。下流側に位置する感光体ドラム222dのセンサS4から順に、基準マークQを検出してONし、最も上流側に位置する感光体ドラム222aのセンサSlが最後にONする。
この最後のセンサSlがONしてから、図4に示す基準マークQが転写部Aに到達する時間(ここでは、約90度回転する時間)を余裕時間(余裕角)とし、余裕時間経過後、感光体ドラム222aを停止する。
そして、基準の感光体ドラム222a以外の感光体ドラム222b〜dにおいては、各々のセンサS2〜4の検出結果とセンサSlの検出結果より、補正量を検出し、補正量を余裕時間に加算した後その時間が経過した時点で停止させる。
【0052】
例えば、シアンの感光体ドラム222bについて考えると、感光体ドラム222bと基準となる感光体ドラム222aとは、60度のずれがある。そこで、センサSlがONしたタイミングとセンサS2がONしたタイミングとから、感光体ドラム222bの補正量を計算する。ここでもし、間隔が61度分であり1度進んでいる場合は、1度戻す必要があるので、補正量を−1とし、これを余裕時間の90度分に加算し、余裕時間を89度分として、センサSlがONした後、89度分の余裕時間経過後、停止させる。
【0053】
もし、上記の余裕時間が設定されていなかったとすると、補正量がプラスの場合はその分感光体ドラム222bをさらに回転させて停止させればよいが、マイナスの場合は、既に停止位置を過ぎてしまっているので、正しい位置に停止させるには、さらにもう一回転させる必要があり、そうなると、転写搬送ベルト216表面や感光体ドラム表面を接触により傷つけることとなるが、上記構成により、損傷等を抑制しながら、短時間で理想的な画像の記録が行える状態で停止させることができ、引き続き行われる画像の記録もスムーズに行える。
【0054】
また、上記各感光体ドラムを個別駆動するモータとしては、ステッピングモータが最も適している。
すなわちパルスモータは、通電し励磁することによりホールディングトルクを発生し一定個所で回転せずにロックさせることが容易にでき、画像形成を行わない感光体ドラムの外力による回転移動を阻止することができ、また、パルスモータは設定された駆動パルス信号に応じて高精度の回転がオープンループででき、設定された回転位置に位置決めも容易にできるからである。
従って、使用しない感光体ドラムは確実にロックすることができ、画像形成に使用した感光体ドラムは使用しなかった感光体ドラムとの回転位相が所定の位相状態になる様に精度よく容易に位置決めができる。
また、パルスモータを使用することで全ての感光体ドラムが動作時に感光体ドラムの回転位相が所定の状態のまま高精度な回転動作をオープンループで実現できる。
【0055】
さらに、いくら精度よく転写部A−A間の寸法を設定したとしても、感光体ドラムの取り付け位置がずれたりして、その寸法にわずか100μmの誤差があると、600dpi(1ドットの径:43μm程度)といった高密度記録の画像形成装置では、大きな色ずれとして現れてしまう。そこで、感光体ドラムの駆動ムラとは関係なく、各感光体ドラムの停止位置を調整できる手段も別途設けている方が望ましい。同じく、上述したセンサSl〜4の取り付け位置にも誤差が生じ易いので、このような誤差を補正できる構成であることが望ましい。
【0056】
具体的には、前述の余裕時間(余裕角)を、各感光体ドラム毎に調整できる構成であればよい。つまり、上記の説明では、4つの感光体ドラムとも余裕時間を90度分としていたが、センサの取り付け誤差、及び転写部間の寸法誤差に応じて、各々予め補正しておき、その補正した余裕時間に対して、新たに停止時の補正量を加算(減算)すればよい。
【0057】
以上が、各感光体ドラムにおける回転駆動ムラの位相が所定分ずつずれた状態で回転駆動された回転を停止する際に、その停止位置を所定量ずらして停止させる駆動制御方法に関する説明である。
【0058】
次に、各感光体ドラム222の回転駆動ムラを把握し、その回転駆動ムラの程度に応じて停止位置を初期調整、設定する方法について説明する。
【0059】
<ドラム位置調整データ入力画面>
図6には、操作者が感光体ドラム222の回転駆動ムラの調整を行うために使用し、ドラム位置を設定入力する表示画面DPの一例を示している。図6ではタッチパネル式の液晶表示画面(LCD)を用いた表示例を示しており、後述する図14に示す通常の複写を行う場合に使用する画像形成用の表示画面から、例えば特別機能キー501の操作による画面切り換えによりドラム位置を設定入力する表示画面DPを表示しているものである。
【0060】
図6おいて、表示画面DPの略中央に向かって上から下に配置された表示は、符号301は画像確認用サンプルの印字モードの設定値、302はブラックトナー用の感光体ドラムに対するシアントナー用の感光体ドラムの停止位置カウンタの設定値、303はブラックドラムに対するマゼンタトナー用の感光体ドラムの停止位置カウンタの設定値、304はブラックドラムに対するイエロートナー用の感光体ドラムの停止位置カウンタの設定値を表示している。
尚、以下においてブラックトナー用の感光体ドラムを「ブラックドラム」、シアントナー用の感光体ドラムを「シアンドラム」、マゼンタトナー用の感光体ドラムを「マゼンタドラム」、イエロートナー用の感光体ドラムを「イエロードラム」と略記する場合がある。
【0061】
前記停止位置カウンタ値302〜304は、各感光体ドラムの1周を所定の角度ずつ分割した時の各角度に対して付されたカウント値である。
例えば、感光体ドラム1周(360°)を12分割した場合には、0°に対応する番号を[1]、30°に対応する番号を[2]、以下同様に設定し、330°に対応する番号を[12]と設定する。
【0062】
表示画面DPの向かって左側に配置された表示画面領域305は、前記モード番号301及び設定値302〜304で選択した設定値等を表示しするものであり、矢印キー306の押圧によってモード番号301及び設定値表示302〜304に順次切り替わる。
【0063】
前記表示画面領域305内には、モード番号301を表示する表示部305a、設定データまたは入力データを表示する表示部305b、設定データの入力範囲を表示する表示部305cが設けられている。
【0064】
また、表示画面DPの向かって右側部分に上下に配置された矢印キー306の押圧により前記モード番号301及び設定値表示302〜304が順次白黒反転して切り替わり、表示画面305の表示と連動する。
そして、矢印キー306又はその手前側(下側)に設けた[OK]キー307の入力操作により、設定した値が図示しない記憶媒体に読み出し、変更可能に保存される。
【0065】
また、表示画面DPの操作手前側に設けた[EXECUTE]キー308を押すことで、モード番号301の設定項目に表示された印字モードで、後述する画像確認用のサンプル印字動作を実行する。
【0066】
操作者が感光体ドラム222の回転駆動ムラの調整を終了した後は、表示画面DPの向かって右上部に配置された「CLOSE」キーの押圧により、通常の複写を行う画像形成用の表示画面(図示しない)に切り換わることとなる。
【0067】
<ドラム位置調整データ入力画面操作手順>
次に、図7〜9に示すドラム位置設定入力のフローチャートにより、図6のドラム位置設定入力表示画面DPによるドラム位置設定のシミュレーションを説明する。
【0068】
STEP1では、図示しない通常の画像形成モードで画像形成条件設定のために操作されるテンキー等のキー入力手段の組み合わせ等、または、特定のキー入力により通常モードからテストモードに切り替わる。
【0069】
STEP2では、図6に示す表示画面DPに前記モード切り換えによって切り換え、感光体ドラム位置設定入力に備える。
【0070】
STEP3では、図示しない設定入力画面解除キーの入力の有無を判定し、入力有りの場合はSTEP7へ進んで感光体ドラム位置設定のシミュレーションを終了し、該解除キーの入力が無ければSTEP4に進む。
【0071】
STEP4では、図6の[EXECUTE]キー308の入力の有無を判定し、入力無しの場合はSTEP5へ進み、入力があった場合にはSTEP6に進んで各感光体ドラムのテスト印字モードに入る。
【0072】
STEP5では、図6の[OK]キー307又は矢印キー306の入力の有無を判定し、前記キー入力により条件設定がなされた場合にはSTEP9へ進み、キー入力が無い場合にはSTEP3に戻る。
【0073】
STEP6では、図6のモード番号301の設定が“1”または“2”の時には各感光体ドラムの回転位相関係を確認、設定するためにSTEP10(図8)へ進み、それ以外の場合には設定されている回転停止位置にて感光体ドラムのテスト印字を行うためにSTEP19(図9(b))に進む。
【0074】
STEP7では、テストモード終了処理を行い、STEP8に進み、テストモードから通常モードに表示画面を切り替える。
【0075】
図9(a)に示すSTEP9は、後述するテスト印字工程(STEP10〜STEP18)に基づいて操作者が認識した修正角度を設定記憶する工程である。すなわち、図6の表示画面領域305の表示が設定値表示302〜304ならば、図示しないテンキー等の入力手段より入力された設定データ(図6、表示部305b)を図示しないメモリ(記憶媒体)に記憶し、STEP3(図7)に戻る。
【0076】
図8に示すSTEP10〜STEP18は、ブラックドラムを基準としてシアンドラム、マゼンタドラム、及びイエロードラムの各ドラムの回転位相のズレの状態を把握するために行うテスト印字工程である。
【0077】
STEP10では、図6の[EXECUTE]キー308を白黒反転表示し、テスト印字実行中で有ることを表示し、STEP11へ進む。
【0078】
STEP11では、各感光体ドラムと同調して回転する駆動ギアG1〜G4に設けられた基準マークQの位置を図4のセンサSl〜S4に合わせて制御部CONの制御の下で停止させ、続いて各感光体ドラムの位置関係における回転駆動ムラの調節を行うためにSTEP12へ進む。
【0079】
STEP12では、各感光体ドラム位置における駆動ムラ(各ドラム間の回転方向の位相ズレ)を確認するための後述する特定パターンをテスト印字し(詳細は後述)、STEP13へ進む。
【0080】
STEP13では、図示しない設定解除キーの入力の有無を判定し、設定解除キーの入力が有った場合にはテストモードを終了するためにSTEP7へ戻り、設定解除キーの入力が無ければテスト印字を実行するためにSTEP14に進む。
【0081】
STEP14では、図6の設定値301が”1”の場合であり、かつ、ブラックドラム回転停止位置(基準マークQを基準とする)に対してシアンドラム、マゼンタドラム、及びイエロードラムの各ドラムの停止位置を30°ずつずらしながらの計12枚のテスト印字が終了した時にはSTEP18へ進み、それ以外の場合にはSTEP15に進む。
【0082】
STEP15では、図6の設定値301が”2”の場合であって、かつ、ブラックドラム位置に対しシアンドラム、マゼンタドラム、及びイエロードラムの各ドラムの回転停止位置を90°ずつずらしながら、計4枚のテスト印字が終了した時にはSTEP18へ進み、それ以外の場合にはSTEP16に進む。
【0083】
STEP16では、図6の設定値301に合わせて、ブラックドラム位置に対しシアンドラム、マゼンタドラム、及びイエロードラムの各ドラムの回転停止位置を[30×(n−1)枚]°、または[90×(n−1)枚]°ずつずらして(詳細は後述)、再度テスト印字を行うためにSTEP17へ進む。
【0084】
STEP17では、前記STEP16で設定変更した各色感光体ドラムの回転停止位置において、各ドラム間の回転方向の位相ズレを確認するために、再度後述する特定パターンを印字(詳細は後述)する。終了後は、前記STEP13へ戻る。
【0085】
STEP18では、図6の設定値301の設定においてテスト印字が所定枚数終了したことにより、前記STEP10において白黒反転表示した図6の[EXECUTE]キー308を元に戻し、テスト印字実行終了で有ることを表示し、前記STEP3(図7)へ戻る。
【0086】
前記STEP10〜STEP17により出力された結果に基づいて、操作者はシアンドラム、マゼンタドラム、及びイエロードラムの各ドラムの回転位相のズレ量を図6の[OK]キー307又は矢印キー306の操作によりそれぞれ設定する。そのキー入力された設定データは、前記STEP9(図9)にて図示しないメモリに格納されることとなる。
【0087】
図9(b)に示すSTEP19〜STEP22では、前記STEP9にてメモリに格納されたブラックドラムを基準としたシアンドラム、マゼンタドラム、及びイエロードラムの回転停止状態において確認的なテスト印字を行う。
【0088】
STEP19では、前記STEP10と同様に[EXECUTE]キー308を白黒反転表示し、テスト印字実行中で有ることを表示し、STEP20へ進む。
【0089】
STEP20では、シアンドラム、マゼンタドラム、及びイエロードラムの回転停止位置角度を、図6の設定値表示302〜304に入力設定された位置関係に合わせて、再度、位相ズレを確認するためにSTEP21へ進む。
【0090】
STEP21では、ブラックドラムに対するシアンドラム、マゼンタドラム、及びイエロードラムの回転停止位置を確認するために後述する特定パターンを印字(詳細は後述)を行う。印字終了後、STEP22へ進む。
【0091】
STEP22では、前記STEP19において白黒反転した[EXECUTE]キー308の白黒反転表示を元に戻し、テスト印字実行終了で有ることを表示し、前記STEP3(図7)へ戻る。
【0092】
以上のドラム位置設定のシミュレーション操作を繰り返すことにより、各色感光体ドラム間での回転停止位置の調整(色ズレの調整)を行うことが出来る。
【0093】
上記シミュレーションでは、STEP14からSTEP16に示すように30度間隔、及び/又は、90度間隔で一括して基準ドラム以外の全ドラムのテスト画像を出力できるので、各角度毎にその都度、各ドラムの位置関係、設定するドラム等を入力してテスト画像を出力する煩わしさと調整を行う者の入力ミス等を回避できることとなり、調整作業の効率化とともに誰にでも簡単にドラム回転停止位置の調整を可能としている。
【0094】
本実施形態では、上記2種類の角度で説明したが、その設定角度とその設定角度の種類を限定するものではない。例えば設定角度を大きくした場合(分割数少)、テスト画像を少なく出力できるので各ドラム1周のうちもっとも周期的な駆動ムラの減少する調整値の回転位置周辺をすばやく調べることができる。また逆に設定角度を小さくした場合(分割数大)、少ない分割数でテスト画像を出力した時に較べて精度よく調べることができる。よって、例えば初めに設定角度を大きくし、より精度を求めたい場合に設定角度を小さくしてテスト画像を出力する等の組み合わせにって、様々な調整が可能となる。
【0095】
<ドラム位相確認用パターン>
次に、前記した特定パターンのテスト印字について詳細を説明する。
本実施形態でのテスト印字は、各感光体ドラムの駆動ムラによる各感光体上に生成される画像間の画素の合成ずれを操作者が容易に視認できるよう、テストプリントを出力する。
このテストプリントの好適な例として、カラー画像を合成した際、イエロー、シアン、マゼンタの3色の感光体ドラムで生成するそれぞれの画像と、基準となるブラックの感光体ドラムで生成する画像との合成ムラを容易に判別する場合について説明する。尚、このテストプリントは、画像形成装置の内部または外部に設けられたメモリに記憶しているパターンデータを出力させるようにしてもよいし、内部または外部のパターンデータを生成する回路やソフトウェアから出力させるようにしてもよい。
【0096】
本発明によりテストプリントのサンプル例として、図10(a)、(b)は、理想的な感光体ドラムの回転ムラが無い良好な状態のサンプルの説明図である。この良好な場合は、各色の概略帯状パターンが副走査方向にほぼ直線状に現れる。
これに対し、図11(a)、(b)は基準であるブラックドラムに対して比較対照するシアンとイエローの感光体ドラムに回転ムラが発生している良好でない状態のを示す説明図である。この場合は、シアンとイエローの帯状パターンが副走査方向に波打って現れる。
【0097】
図10(a)、図11(a)においてテスト用紙上には、主走査方向にイエロー、シアン、マゼンタのドラム位相確認用パターン印字領域S1を設けてあり、そのドラム位相確認用パターン印字領域S1内の各印字領域において、イエローの印字サンプルであるイエローの帯状パターンPyl、シアン印字サンプルであるシアンの帯状パターンPcl、マゼンタ印字サンプルであるマゼンタの帯状パターンPm1が印字されている。
【0098】
各印字領域における各色印字サンプルは、各色とブラックに対するドラム回転ムラが、いずれの色も後述するドラム位相確認用パターン生成方法で生成される。
このドラム位相確認用パターン生成方法は、例えばイエローのパターンの場合、イエローで形成された斜線パターンと、ブラックで形成された格子パターンの合成パターンからなる
【0099】
図12を用いてドラム位相確認用パターンを画素レベルで説明する。
まず、図12(a)は、イエローで形成された斜線パターンYPである。この斜線パターンYPは、副走査方向に4画素の幅で、主走査方向に16画素毎に副走査方向に1画素ずつずらして出力される。
【0100】
次に、図12(b)は、ブラックで形成された格子パターンBPである。この格子パターンBPは、副走査方向に8画素毎に4画素幅の直線を出力し、主走査方向に16画素毎に4画素幅の直線を出力するパターンである。この格子パターンBPにより、(4×12)画素の白画素窓WWが生成される。
【0101】
そして、図12(a)のイエローで形成された斜線パターンYPと、図11(b)のブラックで形成された格子パターンBPを合成すると、図12(c)に示すようになる。
【0102】
以上説明したプリントパターンによれば、副走査方向の微妙な画像のずれを主走査方向への画像の変化にとして表すことができるので、例えば、図11(a)のテスト印字結果が、12枚のテストサンプル中で2枚目のものであると過程した場合、マゼンタの帯状パターンPmlだけが波打たない状態であるので、2枚目サンプルの位相角がマゼンダドラムの停止位置カウンタ値として適正値であることが操作者に視覚的に認識できる。よって、ブラックドラムに対するマゼンダドラムの停止位置カウンタの設定値303に設定する値を”2”と入力し、図示しないメモリにSTEP9(図9)で記憶される。
【0103】
一方、シアンとイエローに関しては、図11(a)のサンプルと同一工程にて出力した11枚のうち、シアンとイエローの帯状パターンPcl、Pylが波打たない状態のサンプルプリントを見つけて、それぞれシアンとイエローの停止位置カウンタの設定値304、302にそれぞれ適正な値を入力し、保存することで各感光体ドラムの副走査方向の微妙な画像のずれを防止する位置に設定できる。
【0104】
そして、制御部CONの制御の下で、センサS1〜S4を基準としてメモリに記憶された設定値302〜304に回転停止位置を設定(STEP20)した各感光体ドラムを用いてテスト印字(STEP21)した場合には、図10に示すようなテストパターン印字結果を得ることとなる。
【0105】
よって、さまざまな要因により生じる各感光体ドラムの副走査方向の微妙な画像のずれを、主走査方向への画像の変化量として表現できるので、視覚的にずれを把握すると同時にそのずれ量を適切に把握、調整が可能となり、従来のように特別な工具、技術を必要とせず簡単に調整できようになる。
【0106】
次に、各記録部(画像形成ステーションPa〜Pd)における感光体ドラム222a〜222dの停止位置が変動する要因と、そのときの制御手法について説明する。
第13図(a)と(b)は、転写搬送ベルト機構213を各感光体ドラムドラム222a〜222dの転写部A(図2参照)に対して接触させた状態と、離間させた状態を表したものである。
【0107】
転写搬送ベルト216の張架された駆動ローラ214及び従動ローラ215は、フレーム400に固定され、該フレーム400と一体に移動するようになっている。このフレーム400には、上記のもの以外に、転写搬送ベルト216を帯電させるための前述の帯電ローラ228、転写搬送ベルト216表面に残留するトナーを回収するベルトクリーナ401、及び前述の転写用放電器225a〜225dも取り付けられており、これらの部材も転写搬送ベルト機構213として、フレーム400と一体に移動される。
【0108】
また、転写搬送ベルト機構213は、その下方に設けられたジャム解除機構Jの切り換え操作により、同図(a)に示す、転写搬送ベルト216と画像形成ステーションPa〜Pdが近接し、用紙Pの搬送が可能な用紙搬送位置と、同図(b)に示す、用紙搬送位置よりも下がり、転写搬送ベルト216と画像形成ステーションPa〜Pdとが離間したジャム処理位置とに切り替えられるようになっている。
【0109】
ジャム解除機構Jの概略構成は、2箇所の担持ローラ402と支持片404、及びそれらを連結するリンク機構403からなっており、そして各担持ローラ402がフレーム400を2カ所で支持している。つまり、フレーム400の下面に設けられた2つの凹領域400aに、ジャム解除機構Jの2個の担持ローラ402が係合されており、両方の各担持ローラ402が凹領域内を同期して摺動自在となっている。
【0110】
担持ローラ402はそれぞれ、所定長さの支持片404の一端側に回動自在に軸支されている。また、支持片404は、他端側に設けた支点Hを中心に矢印Iにて示す操作方向と、その逆の復帰方向に回動可能に設けられるとともに、リンク機構403により両支持片404の略中央部分が連結されることで、同一位相によって連動して回動する。
【0111】
図示しないが左側の支持片404には切り換え手段として操作用のハンドルが設けられており、該操作用のハンドルを矢印I方向に操作することで、リンク機構403でつながる両方の支持片404が下端側に設けた支点Hを中心に同時に回動し、それと共に上端側の担持ローラ402が回動角度によって下降するので担持ローラ402に下面を支えられる転写搬送ベルト機構213がジャム処理位置まで移動することとなる。
【0112】
このような転写搬送ベルト機構213を感光体ドラム222a〜222dの転写部Aに対して接離させる要因としては、転写搬送路中における転写材の搬送異常時、定期的な点検、部品交換、調整などが考えられ、このときに各感光体ドラム222a〜222dが回転してしまい、上記した駆動ムラ等を考慮した各感光体ドラム間の停止位置関係が変移してしまうことが考えられる。
【0113】
そこで、このような要因に対する対処が施された後、例えば、電源が投入されたとき、あるいは、転写搬送ベルト機構213が所定の位置に戻されたときに、各感光体ドラム222a〜222dにおける駆動ムラ等を同調させる上記説明した停止位置の制御を行うようにする。
【0114】
また、連続して画像の出力を行っている場合に、最初のうちはお互いに一定の関係にあった感光体ドラムも時間(連続駆動時間)が経つにつれて、微妙に変移してくることも考えられる。そこで、連続出力枚数、連続出力時間などを制御部CON(図4)等に設けたCPUの内部カウンタ、内部タイマなどにより管理しておき、所定のレベルに達した時点で各感光体ドラム222a〜222dにおける停止位置の制御を行うようにすることも可能である。
【0115】
さらにまた、カラー画像形成装置の機種によっては、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各色の画像を形成する画像形成部の1つ、もしくは複数の組み合わせにより、黒画像、単色カラーなどの画像を記録再現することができるものもある。
このとき、装置によっては、画像の記録再現に使用しない画像形成ステーションを停止させて、必要な画像形成ステーションのみを動作させるものもあるので、このような画像形成動作を行った後は必ず、その感光体ドラムの停止位置の制御を行うようにすることも可能である。
【0116】
なお、各感光体ドラム222a〜222dにおける転写距離間隔を考慮した位置合わせ停止制御を行う際に、制御部CONの制御信号によりジャム解除機構J或いは感光体ドラム、又は双方を自動的に上昇又は下降させて転写搬送ベルト機構213を各感光体ドラムの転写部Aから一旦待避させてから行うようにすれば各感光体ドラム表面の劣化を防止することにもつながり、さらに有効である。
【0117】
さらに本実施形態のカラー画像形成装置1は、各画像形成ステーションPa〜Pdにおける感光体ドラム222a〜222dの停止位置が予め設定された許容範囲内の変動を生じた時や、装置間のばらつきや周囲環境の急激な変化に伴って生ずる僅かな色ズレが発生した場合に、自動的に各感光体ドラムの位置合わせ停止制御を行うこととは別に、操作者からの指示命令により任意の時期に各感光体ドラムの位置合わせ回転停止制御を実行可能としている。
【0118】
以下、操作者からの指示命令による各感光体ドラムの位置合わせ回転停止制御の操作手順を図14(a)、(b)を参照して説明する。
本実施実施形態では、操作者の入出力インターフェイスとして画面表示内容を変更可能とする操作パネル、例えばタッチパネルDP2を用いて、画像形成装置1の各種設定を行うようになっている。
【0119】
まず、前記説明した感光体ドラムの回転停止位置が変動する要因が発生した場合や、所定時間または所定枚数コピーが行われた場合に、自動的に感光体ドラムの位置合わせ停止制御を実行して再調整する自動モードでは、図14(b)に示すように、初期画面に設けた位置合わせ停止制御の実行「EXECUTE」キー308Bの表示を「AUTO」とし、所定状態において自動的に位置合わせ停止制御を実行するモードであることを表示している。
【0120】
そして、自動的に再調整される条件には該当しないが、前記したように装置毎のばらつきや状態変化及び設置環境の変化などによって、色ズレの状態が満足できない場合には、位置合わせ停止制御の実行キー308Bをタッチすると、該実行キー308Bの表示が図14(a)のように、「EXECUTE」表示(308B)となり、さらにその「EXECUTE」表示の実行キー308Bをタッチすることにより位置合わせ停止制御が強制的に実行されるようになっている。そして、また「AUTO」表示の実行キー308Bを表示する。尚、「EXECUTE」表示の実行キー308Bにおいて所定時間タッチされない場合にも「AUTO」表示の実行キー308Bを表示する。
【0121】
この様に初期画面のタッチパネルDP2に位置合わせ停止制御を実行させるための実行キー308Bを設けたので、シミュレーションなどの特別なモードに入ることなく、通常のコピー操作と同様の操作にて位置合わせ停止制御を実行できるので、操作者が容易に行うことができる。
【0122】
本実施形態では、操作者が操作する「EXECUTE」表示の実行キー308Bを初期画面上に設けたが、これに限定されるものではなく、コピー条件の設定を階層的なメニュー方式にして、例えば図14(a)、(b)に示す「特別機能」キー501の下位メニューとして設け、該「特別機能」キー501をタッチすることによって「EXECUTE」表示の実行キー308Bを表示することも可能である。そうすることによって、より誤操作による不必要な感光体ドラムの位置合わせ停止制御の実行を防止することも可能である。
【0123】
強制実行の後に、予め設定された自動実行時期をそのままにしておいても良いし、新たに自動設定するかどうか選択できるようにしても良いが、プロセス周りの部材の寿命を考えれば、前記強制実行を行った時点に応じて自動実行時期を設定し直す方が好ましい。
すなわち、操作者によって「EXECUTE」表示の実行キー308Bで強制的に位置合わせ停止制御を行ったときは、自動的に再調整する条件に該強制実行を反映させて、以降の位置合わせ停止制御の自動実行条件を再設定すれば、強制実行の後にすぐに自動実行の時期となることを防ぎ、無駄な位置合わせ停止制御の実行を防止することができる。
【0124】
以上の構成により「EXECUTE」表示の実行キーは、モードに応じて異なる機能を有している。すなわち、上記のように通常のモード時(例えば初期画面)に「EXECUTE」表示の実行キー308Bがタッチされた場合には、位置合わせ停止制御の強制実行を行うキーとして機能し、また通常のモードとは異なるモード時(例えばシミュレーションモードなど)に「EXECUTE」表示の実行キー308(図6)にタッチされた場合には、前記(図6〜9およびその説明)のように入力された各感光体ドラムの停止位置に従ってそれぞれの感光体ドラムを駆動させて所望の停止位置になるように停止制御を実行すると共に、画像確認用のサンプルを印字出力を実行するキーとして機能する。
これにより、操作キーの数やそれに係わる部品や、制御プログラムのボリューム等を減らすことで装置のコンパクト化に寄与し、同様の作用効果を得るイメージを付与することで操作者が容易に実施内容をイメ−ジでき、ユーザーフレンドリーなインターフェイスとできる。
【0125】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、自動設定モードにおいて回転停止制御手段が自動的に各像担持体の停止位置を制御することによって画像乱れのない、良好な画像を維持することができるようになっているが、色ズレの状態が満足できない場合であっても、操作者が強制設定モードにおいて強制的に前記位置合わせ停止制御の実行ができるので、サービスマンによって設定条件の変更調整が実施されるまでの間でも、強制設定モードの実行により画像形成装置を良好な画像を維持できるような状態にすることができる。よって、画像乱れを感じた場合や、より良好な画像を得たい場合等に、各像担持体の停止位置の位置ズレから生じる画像乱れを操作者自身の指示により修正し、良好な画像を得られることができることとなり、マンマシンインターフェイスの優れた画像形成装置とできた。
【0126】
本発明によれば、像担持体の位置合わせ停止制御を予め定められた状態となったときに自動的に実行する自動設定モードを有する画像形成装置においても、ユーザーが位置合わせ停止制御が必要とする場合には、任意の時期に位置合わせ停止制御を実行することができると共に、画像形成におけるメインの操作手段に強制設定モードを実行させるための強制指示手段を設けるため、シミュレーションなどの特別なモードに切り換えることなく、操作者が容易に位置合わせ停止制御を行うことができた。
【0127】
本発明によれば、同一の指示手段の操作に基づいて、強制設定モードでは像担持体の位置合わせ停止制御が行なわれ、確認印字モードでは像担持体の位置合わせ停止制御及び確認印字とを行なうことにより、指示手段、例えば操作キーの数やそれに係わる部品や、制御プログラムのボリューム等を減らすことができると共に、同様の作用効果を得るイメージを付与することで、そのモードに適した処理を操作者が容易に実行できるインターフェイスとなった。
【0128】
本発明によれば、強制設定モードによる任意の時期における位置合わせ停止制御の実行に応じて、以降の自動設定モードによる実施時期が制御され、例えば画像形成装置の動作時間やコピー枚数などの条件によって、強制設定モードの実施後すぐに自動設定モードを実行してしまうことを防ぎ、また無駄な実行を防止でき、位置合わせ停止制御の実行に係わる部材、例えば像担持体や用紙搬送用のベルトの寿命を長くすることができた。
【0129】
本発明によれば、階層的に設けられた入力画面の、例えば初期画面などの画像形成条件を入力するための操作手段の下位画面に像担持体の位置合わせ停止制御を実行させるキーを設けることにより、誤操作による不必要な像担持体の位置合わせ停止制御の実行を防止できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の側断面で示す作用的説明図である。
【図2】本発明の実施形態に係る複数の並列配置された感光体ドラムの位相合わせ状態の作用的説明図である。
【図3】本発明の実施形態に係る複数の感光体ドラムにおける画像の重なり状態を説明する作用的説明図である。
【図4】本発明の実施形態に係る複数配置された感光体ドラムの位相制御の説明図である。
【図5】本発明の実施形態に係る複数の感光体ドラムのずれ角度を検出しつつ感光体ドラムを停止させるタイムチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係る各感光体ドラムの停止位置設定入力表示画面の説明図である。
【図7】本発明の実施形態に係る各感光体ドラムの停止位置設定入力表示画面の操作手順の一部を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態に係る各感光体ドラムの停止位置設定入力表示画面の操作手順の一部を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態に係る各感光体ドラムの停止位置設定入力表示画面の操作手順の一部を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態に係る各感光体ドラムの位置確認用パターンの印字例の説明図(a)とその一部拡大図(b)である。
【図11】本発明の実施形態に係る各感光体ドラムの位置確認用パターンの印字例の説明図(a)とその一部拡大図(b)である。
【図12】図10(b)の一部拡大図の作用的説明図である。
【図13】本発明の実施形態に係る転写搬送ベルト機構213と画像形成ステーションPa〜Pdをジャム解除機構Jの切り換え操作により近接(a)、離間(b)する説明図である。
【図14】本発明の実施形態に係る各感光体ドラムの停止位置制御の強制実行時(a)と自動実行時(b)のタッチパネルDP2の説明図である。
【図15】従来の複数の並列配置された感光体ドラムの位相合わせ状態の作用的説明図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置
213 転写搬送ベルト機構
216 転写ベルト
222a〜222d 感光体ドラム
Pa〜Pd 画像形成ステーション
M モータ
Q 基準マーク
CON 制御部
G1〜G4 駆動ギア
S1〜S4 センサ
DP 表示画面
J ジャム解除機構
DP2 タッチパネル
308、308B 実行キー
501 「特別機能」キー
Claims (5)
- 複数の像担持体を有し、
前記像担持体と同期して回転するマークをセンサにより検出し、検出された結果に基づいて前記像担持体の停止位置が所定の位置関係となるように位置合わせ停止制御を行う回転停止制御手段を備えた画像形成装置であって、
前記画像形成装置が予め定められた設定条件になると、前記回転停止制御手段が位置合わせ停止制御を自動的に実行する自動設定モードと、
操作者の指示に基づき任意の時期に、前記回転停止制御手段が前記位置合わせ停止制御を強制的に実行する強制設定モードとを有する画像形成装置において、
前記強制設定モードが指示されたときは、動作モードにより異なる動作で実行され、通常のモードで動作している場合には、位置合わせ停止制御のみを実行し、通常と異なるモードで動作している場合には、位置合わせ停止制御を実行後にサンプル印字出力を実行し、設定した修正角度に基づいて位置合わせ停止制御が実行されることを特徴とする画像形成装置。 - 前記強制設定モードは、前記通常モードで動作している場合には、画像形成に関わる設定を行うための操作手段と同一領域内に設けた指示手段を操作者が操作することにより位置合わせ停止制御が実行されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記強制設定モードは、確認的なテスト印字を可能とし、前記通常と異なるモードで動作している場合に、前記強制設定モードにおける指示手段の操作により、位置合わせ停止制御が実行されると共に、前記確認的なテスト印字を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記強制設定モードが実行された場合は、該実行された時期に応じて、以降の自動設定モードの設定条件を調整することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記操作手段は、画像形成条件を設定するための入力画面を階層的に設け、
前記指示手段は、前記階層的に設けられた入力画面の下位画面に設けたことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
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