JP3578318B2 - 蓄光顔料組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は蓄光顔料組成物に関し、詳しくはカラー色と、蓄光性を併せ有し、印刷、塗工用のインキ、フィラー、塗料およびトナーとした場合に、偽造防止に有用な蓄光顔料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
粉体の表面を他の物質の膜で被覆することにより、その粉体の性質を改善したり、その性質に多様性を与えることが知られ、従来そのための方法として種々の手段が提案されている。
例えば、物体の表面に保護や装飾のために膜を形成する被覆技術には、塗着法、沈着法、スパッタリング、真空蒸着法、電着法や陽極酸化法等多くの手段が知られている。しかし、塗着法や沈着法では膜の厚みを均一にすることが困難であり、スパッタリングや真空蒸着法では膜厚の厚い被膜を得ることが困難である。また、電着法や陽極酸化法は被処理物を電極とする関係上粉体の処理には向かないという問題点を有している。
種々の技術分野における進歩に伴い、特異な性質を備えた粉体、特に金属粉体或は金属化合物粉体を求める要望が増しており、粉体、特に金属粉体または金属化合物粉体だけが備える性質の他に別の性質を合わせ持ち、複合した機能を有する粉体が求められている。
例えば、カラー磁性トナーの原料磁性粉体では、従来の黒い磁性トナーでは問題とならなかった磁性金属粉体の色がそのままでは使用できないことになる。従来知られている粉体の保護のためとか、粉体が合成樹脂などとの混合を容易にするためなどで表面を改質するために、粉体の表面に薄い金属酸化物の膜を形成する手段によったものでは、このような分野の新しい要求に耐えられるものではない。この点から、従来の粉体にはない新しい構成の粉体を提供することが必要である。
【0003】
上記のような新しい要求に応えられる複合した性質を有し、複合した機能を果たし得る粉体、特に金属または金属化合物粉体を提供するための金属酸化物の形成方法の有用なものとして、先に、本発明者らは、金属粉体又は金属酸化物粉体を金属アルコキシド溶液中に分散し、該金属アルコキシドを加水分解することにより、金属酸化物の皮膜を形成し、金属または金属化合物の基体の表面に、均一な0.01〜20μmの厚みの、前記基体を構成する金属とは異種の金属を成分とする金属酸化物膜を有する粉体を発明した(特開平6ー228604号公報)。
【0004】
この粉体において、前記の金属酸化物膜を複数層設ける場合には、前記膜の各層の厚さを調整することにより特別の機能を与えることができるものであって、例えば、基体の表面に、屈折率の異なる被覆膜を、光の4分の1波長に相当する厚さで設けるようにすると、光はすべて反射される。この手段を鉄、コバルト、ニッケルなどの金属粉末或は金属の合金粉末、或いは窒化鉄の粉末などの磁性体を基体とするものに適用すると、光を全反射して白色に輝く磁性トナー用磁性粉体を得ることができる。さらに、その粉体の上に着色層を設け、その上に樹脂層を設ければ、カラー磁性トナーが得られることを開示している(特開平7ー90310号公報)。
【0005】
また、本発明者らは多層膜の物質の組み合わせおよび膜厚を制御することにより、多層膜の反射光干渉波形を調整できることを見出し、染料や顔料を用いずとも、長期保存においても安定な色調を有する多層膜被覆粉体を提供することを開示した(WO96/28269)。
【0006】
前記したように、本発明者らは金属粉体又は金属化合物粉体の表面に金属酸化物や金属の被膜を形成して、基体になる金属又は金属化合物粉体が備えている性質の他に別の性質を付与して機能性の高い金属又は金属化合物粉体を開発することに努めてきた。
近年需要が伸びているギフト券やチケットカードなどのカラー印刷やカラー磁気印刷の場合には、着色の優美さに加えて、目視や磁気読み取りのほかに偽造防止のための特殊な機能が求められている。この動向に対応して、上記の多層膜の反射光干渉波形を調整することにより、染料や顔料を用いずとも青、緑、黄色などの美麗で安定な色調のインキとなり、しかも、可視光域以外にも干渉反射ピークを有するため、紫外線や赤外線による反射光を用いた読み取り機と組み合せることで、目視や磁気読み取り以外の方式によって印刷物の偽造防止性能を高めることができる機能をも有するカラーインキ組成物を提供した(特開平10ー60350号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のカラーインキ組成物においては、紫外線や赤外線による反射光を用いた読み取り機と組み合せることで、真偽を判別するため、検査機器が必要である。容易に真偽を判別できることができ、新たな方式によって印刷物の偽造防止性能を更に高めることができる機能が必須であり、改良の余地があった。
従って、本発明の目的は、これらの問題点を解決し、青、緑、黄色などの単色の美麗で安定な色調のカラー印刷、塗工用のインキ、フィラー、塗料および高性能カラー磁気印刷用インキとして有用であり、しかも新たに検査機器を用いずに、例えば、室内で蛍光灯あるいは紫外線ランプ、赤外線ランプのような光源を照射するなどの簡便な方式によっても真偽判定でき、印刷物等の偽造防止性能を更に高めることができる機能をも有する蓄光顔料組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究を進めた結果、粉体表面に屈折率の異なる多層の薄膜を形成し多層膜の反射光干渉波形を調整すること、およびその多層膜の少なくとも一層にその色と同じまたは異なる、蓄光を発する顔料を含有させるか、または光干渉に関与しない蓄光物質の層(膜)を形成することにより、単独で使用しても青、緑、黄色などの美麗で安定な色調の顔料となり、しかも同時に蓄光の有無による印刷物の簡易な識別で偽造防止が可能となることを見い出し、本発明を完成するに至った。
また、上記粉体の基体として強誘電体や導電体など様々な性質を有するものを活用することができ、基体として磁性体を使用した場合でも、該多層膜被覆粉体が磁性を損なわずに鮮やかな着色および蓄光発色性が得られることを見い出した。
【0009】
すなわち、本発明は下記の通りである。
(1)基体粒子上に複数の被覆膜を有し、該多層膜が光干渉作用を示し、該被覆膜の少なくとも1層が蓄光物質を主成分とし且つ可視光干渉に関与する蓄光性多層膜被覆粉体を含有することを特徴とする蓄光顔料組成物。
(2)前記多層膜が可視光域以外にも特異的な干渉反射ピークを発現することを特徴とする前記(1)記載の偽造防止用蓄光顔料組成物。
(3)前記基体粒子が磁性粒子であることを特徴とする前記(1)記載の蓄光顔料組成物。
(4)着色材が含有されていることを特徴とする前記(1)記載の蓄光顔料組成物。
【0010】
本発明の蓄光顔料組成物は上記のように、蓄光を有するカラー印刷、塗工用のインキ、フィラーまたは塗料として有用である。基体として磁性体を用いた場合には、高性能カラー磁気印刷用インキの色材としても適用可能であり、可視光、非可視光(紫外域および赤外域)、蓄光発色および磁気、さらに電気(電場の変化)の6種の組合せの識別機能を持ち、印刷物の偽造防止効果を高めることが可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明において用いる多層膜被覆粉体の基体としては特に限定されるものではなく、磁性、強誘電性、導電性など様々な性質を有する粉体を用いることができる。物質の種類としては、金属、金属化合物、有機物、無機物など広範な物質を用いることができる。
金属としては、鉄、ニッケル、クロム、チタン、コバルト、銅、アルミニウム等の遷移金属、ネオジウム、イットリウム等の希土類金属などの金属あるいはこれらの合金、例えば鉄−ニッケルや鉄−コバルト合金等の前記金属の合金、さらには鉄・ニッケル合金窒化物や鉄・ニッケル・コバルト合金窒化物、また金属酸化物としては例えば鉄、ニッケル、クロム、チタン、アルミニウム、ケイ素(この場合ケイ素は金属に分類するものとする)等の酸化物の他、カルシウム、マグネシウム、バリウム等のアルカリ土類金属酸化物あるいはこれらの複合酸化物、粘土類、ガラス類等が挙げられる。
本発明においては、その目的の一つがカラー磁性トナーやカラー磁性インクのような磁性も共有する粉体を製造することにあるので、その場合本発明の蓄光顔料組成物中の多層膜被覆粉体の基体としては強磁性体を使用することが好ましい。強磁性体としては鉄、ニッケル、クロム、チタン、コバルト、銅、アルミニウム等の遷移金属、ネオジウム、イットリウム等の希土類金属あるいはこれらの金属の合金等の磁化率の大きい金属でもよいが、マグネタイト、Baフェライト、Srフェライト、γ−ヘマタイト、コバルトフェライトあるいはこれらの混合フェライトなどのような強磁性酸化物や強磁性合金も使用される。
【0012】
また、有機物としては樹脂粒子が好ましく、その具体例としては、セルロースパウダー、酢酸セルロースパウダー、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリエステル、メラミン樹脂、ポリウレタン、酢酸ビニル樹脂、ケイ素樹脂、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、スチレン、エチレン、プロピレン及びこれらの誘導体の重合または共重合により得られる球状または破砕の粒子などが挙げられる。特に好ましい樹脂粒子はアクリル酸またはメタアクリル酸エステルの重合により得られる球状のアクリル樹脂粒子である。
【0013】
更に、無機物としてはシラスバルーン(中空ケイ酸粒子)などの無機中空粒子、微小炭素中空球(クレカスフェアー)、電融アルミナバブル、アエロジル、ホワイトカーボン、シリカ微小中空球、炭酸カルシウム微小中空球、炭酸カルシウム、パーライト、タルク、ベントナイト、カオリン、雲母、合成マイカ、ガラスビーズ等を用いることができる。
粉体核粒子の形状としては、球体、亜球状態、正多面体等の等方体、直方体、回転楕円体、菱面体、板状体、針状体(円柱、角柱)などの多面体、さらに粉砕物のような全く不定形な粉体も使用可能である。
これらの基体は、粒径については特に限定するものでないが、0.01μm〜数mmの範囲のものが好ましい。
【0014】
本発明においては、屈折率が互いに異なる複数の被膜層を用い、上記基体粒子を、各被膜層の屈折率および層厚を適宜選択して被覆することにより、その干渉色により着色させることができる。
各被膜層を構成する材料は無機金属化合物、金属または合金、および有機物のうちから任意に選択することが望ましい。
被膜層を構成する無機金属化合物としては、その代表的なものとして金属酸化物が挙げられ、具体例として例えば鉄、ニッケル、クロム、チタン、アルミニウム、ケイ素、カルシウム、マグネシウム、バリウムなどの酸化物、あるいはこれらの複合酸化物が挙げられる。さらに、金属酸化物以外の金属化合物としてはフッ化マグネシウム、鉄窒化物などの金属窒化物、金属炭化物などが挙げられる。被膜層を構成する金属単体としては金属銀、金属コバルト、金属ニッケル、金属パラジウム、金属イリジウム、白金、金、金属鉄などが挙げられ、金属合金としては銀−イリジウム、パラジウム−白金、銀−パラジウム、白金−パラジウム等の合金などが挙げられる。
【0015】
被膜層を構成する有機物としては、基体を構成する上記の有機物と同一でも異なってもよく、特に限定されるものではないが、好ましくは樹脂である。樹脂の具体例としては、セルロース、酢酸セルロース、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリエステル、メラミン樹脂、ポリウレタン、樹脂ビニル樹脂、ケイ素樹脂、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、スチレン、エチレン、プロピレン及びこれらの誘導体の重合体または共重合体などが挙げられる。
このように、被膜層を構成する材料として種々の材料を使用することができるが、それらの材料の組合せは各被膜層の屈折率を考慮した上で、用途に応じて適宜選択することが必要である。
本発明に係わる多層膜被覆粉体の粒径は、特に限定されず、目的に応じて適宜調整することができるが、通常は0.01μm〜数mmの範囲である。
【0016】
本発明において、その1回に形成させる被覆膜の膜の厚さとしては、5nm〜10μmの範囲とすることが可能であり、従来の形成法より厚くすることができる。
複数回に分けて形成する被覆膜の合計の厚さとしては、前記したカラー粉体の場合、その干渉による反射率が良い被覆膜を形成するためには、10nm〜20μmの範囲が好ましい、さらに好ましくは20nm〜5μmの範囲とすることである。粒径が制限されるなど特に薄い膜厚で可視光を干渉反射させるためには0.02〜2.0μmの範囲とすることが好ましい。
【0017】
また、前記複数の被膜層を構成する各単位被膜層は、特定の同一波長の干渉反射ピークまたは干渉透過ボトムを有するように各単位被膜層の膜厚を設定したものである。さらに好ましくは、各単位被膜層の膜厚の設定は、下記式(1):
N×d=m×λ/4 (1)
〔但し、Nは複素屈折率、dは基本膜厚、mは整数(自然数)、λは前記干渉反射ピークまたは干渉透過ボトムの波長を表し、Nは下記式(2):
N=n+iκ (2)
(nは各単位被膜層の屈折率、iは複素数、κは減衰係数を表す)〕
を満たす基本膜厚とし、屈折率の減衰係数κによる位相ずれ、膜界面での位相ずれ、屈折率の分散および粒子形状に依存するピークシフトからなる関数より、各単位被膜層が前記特定の同一波長の干渉反射ピークまたは干渉透過ボトムを有するように、該各単位被膜層の実膜厚を補正したものである。
【0018】
その膜の形成方法としては、その形成する物質に応じて次のような方法を挙げることができるが、その外の方法を使用することもできる。
(1)有機物膜(樹脂膜)を形成する場合
a.液相中での重合法
基体となる粒子を分散させて乳化重合させることにより、その粒子の上に樹脂膜を形成させる方法などが使用できる。
b.気相中での製膜法(CVD)(PVD)
(2)無機金属化合物膜を形成する場合
a.液相中での固相析出法
基体となる粒子を金属アルコキシド溶液中に分散し、金属アルコキシドを加水分解することにより、その粒子の上に金属酸化物膜を形成する方法が好ましく、緻密な金属酸化物膜を形成することができる。また、金属塩水溶液の反応により粒子の上に金属酸化物膜等を形成することができる。
b.気相中での製膜法(CVD)(PVD)
【0019】
(3)金属膜あるいは合金膜を形成する場合
a.液相中での金属塩の還元法
金属塩水溶液中で金属塩を還元して金属を析出させて金属膜を形成する、いわゆる化学メッキ法が使用される。
b.気相中での製膜法(CVD)(PVD)
金属の真空蒸着などにより、粒子の表面に金属膜を形成することができる。
【0020】
本発明の蓄光性顔料組成物において、蓄光性物質を有する被覆層(以下、蓄光発色層という)とは、前記多層膜被覆粉体に蓄光発色性を付与する層である。蓄光発色層の含有物質としては、前記多層膜被覆粉体の蓄光発色性、即ち、紫外線光や可視光を照射することにより、容易に判別できる蓄光を発する特性を有するものであれば特に限定されないが、長期に蓄光発色性を保持できる蓄光性物質が好ましい。
蓄光性物質は、光エネルギーを蓄えることができ、太陽光や蛍光灯などの光照射後、光源を無くしても発光が続くものであり、光源の無い暗所(光の入らない部屋や箱など)に入れても、一定時間(数十秒ないし数十時間)特定の波長の発光をする物質である。
古くから、蓄光性物質(蓄光性蛍光体)としては金属の硫化物が知られており、例えば、CaS:Bi(紫青色発光)、CaSrS:Bi(青色発光)、ZnS:Cu(緑色発光)、ZnCdS:Cu(黄色〜橙色発光)等が挙げられるが、これらは夜光時計や避難誘導標識、その他の屋内用の夜間表示等に使用されている。
【0021】
上記蓄光発色層に適用される蓄光性物質の具体例として次のものが挙げられるが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
蓄光性(燐光)顔料は、硫化亜鉛などの顔料に銅、マンガン、水銀などの活性剤を添加することにより、蓄光性を持たせたものである。これらの例としては、ZnCdS:Cu、CaS:Bi、CaSrS:Bi等の微量金属含有硫化物粉体、またAl2O3、SrCl2、BaCO3の酸化物、塩類、SrAl2O4、CaAl2O4等のアルカリ土類金属のアルミン酸等にEu,Dyなどの希土類金属等を添加し、従来の硫化物に比べ発光時間が長く、これらは緑、青、黄、橙色に発光するものが挙げられる。
【0022】
本発明において、蓄光発色層は、蓄光性多層膜被覆粉体の基体となる粒子の表面、基体の表面上に形成された光干渉性多層被覆膜中、または多層膜被覆粉体の表面上のいずれかに、形成させることができる。
そのための蓄光発色層の構成としては、下記の三つの方法がある。
(1)蓄光性物質を主成分とする層を設け、この蓄光発色層が可視光干渉に関与する。
(2)蓄光性物質を主成分とする層を設け、この蓄光発色層は可視光干渉に関与しない。(可視光干渉の効果を減じないことが好ましい)。
(3)光干渉に関与する被覆膜中に蓄光性物質を分散させて含有した層として設ける。
【0023】
上記(1)、(2)および(3)の蓄光発色層の形成法の概要としては、次の方法が挙げられる。
1)蓄光性物質を主成分とする層を設け、この蓄光発色層が可視光干渉に関与する場合、屈折率の大小から干渉の高屈折率層あるいは低屈折率層に用い、干渉条件が合うように屈折率と膜厚を設計し、可視光干渉反射が起こり着色され、同時に蓄光を発する膜とする。
製膜はゾル−ゲル法や水溶液からの固層析出等の表面への析出を利用する方法がある。
これらの得られた粉体を必要によっては熱処理することが望ましい。膜物質が熱分解する場合には、最外層に蓄光発色層を形成することが望ましい。
2)光干渉に関与しない蓄光性物質を主成分とする層を設け、この蓄光発色層が可視光干渉に関与しない場合、最外層に干渉が起こらないように十分薄く蓄光性物質膜を形成する。この場合蓄光性物質膜は微粒子からなる膜でもよい。
製膜はゾル−ゲル法や水溶液からの固層析出等の表面への析出を利用する方法がある。
また、溶媒中に分散した蓄光性物質微粒子(被覆される基体となる粒子より粒径の小さい蓄光質粒子)を混合し、ヘテロ凝集などで付着させる方法がある。
上記の二つの方法の場合、これらの得られた粉体を必要によっては熱処理することが望ましい。膜物質が熱分解する場合には、最外層に蓄光発色層を形成することが望ましい。
【0024】
3)光干渉に関与する被覆膜中に蓄光性物質を分散させて含有した層として設ける場合の一つの方法は、原料組成物に蓄光性物質を溶解または分散により混合し、これを用いて被膜形成を行う。
干渉の高屈折率層あるいは低屈折率層に蓄光性物質を含有させるために、製膜時に原料を含む溶媒中に蓄光性物質微粒子(被覆される基体となる粒子より粒径の小さい蓄光質粒子)を混合し、製膜し1層以上の層中に粒子を含有させる。この場合より外側の層に含有させること、また、多くの層に含有させることが望ましい。更に、ヘテロ凝集等により蓄光性物質微粒子を基体粒子に吸着させてから製膜することも可能である。
4)光干渉に関与する被覆膜中に蓄光性物質を分散させて含有した層として設ける場合の他の方法は、多層膜被覆粉体を形成し、熱処理をした後、多層膜被覆粉体を蓄光性物質溶解液に浸漬し、含浸させる。
最外層を熱処理する場合、例えば、製膜時に添加剤をいれたり、温度や熱処理時間を長くすることにより、最外層を多孔質とし、その空隙に溶媒に分散あるいは溶解した蓄光性物質を含浸させることにより形成する。
【0025】
次に一例として、高屈折率の金属酸化物と、低屈折率の蓄光性物質を含む金属酸化物の交互多層膜を形成する方法について具体的に説明する。まず、チタンあるいはジルコニウムなどのアルコキシドを溶解したアルコール溶液に基体粒子を分散し、攪拌させながら水とアルコール及び触媒の混合溶液を滴下し、前記アルコキシドを加水分解することにより、基体粒子表面に高屈折率膜として酸化チタン膜あるいは酸化ジルコニウム膜を形成する。その後、この粉体を固液分離し、乾燥後、熱処理を施す。乾燥手段としては、真空加熱乾燥、真空乾燥、自然乾燥のいずれでもよい。また、雰囲気調整しながら不活性雰囲気中で噴霧乾燥機などの装置を用いることも可能である。熱処理は、酸化しない被膜組成物は空気中で、酸化しやすい被膜組成物は不活性雰囲気中で、150〜1100℃(粉体核粒子が無機粉体の場合)または150〜500℃(粉体核粒子が無機粉体以外の場合)で1分〜3時間熱処理する。続いて、ケイ素アルコキシド、アルミニウムアルコキシドなどの、酸化物になったときに低屈折率となる金属アルコキシドおよび蓄光性物質を溶解したアルコール溶液に、前記の高屈折率膜を形成した粉体を分散し、攪拌させながら水とアルコール及び触媒の混合溶液を滴下し、前記アルコキシドを加水分解することにより、前記高屈折率膜被覆粉体表面に低屈折率膜として酸化ケイ素あるいは酸化アルミニウムの膜を形成する。その後、粉体を固液分離し、真空乾燥後、前記と同様に熱処理を施す。この操作により、粉体基体粒子の表面に2層の、高屈折率の金属酸化物膜を形成する操作を繰り返すことにより、多層の金属酸化物膜を有する蓄光性多層膜被覆粉体が得られる。
【0026】
また、基体粒子の表面に形成する屈折率の異なる交互被覆膜の各層の厚さを調整することにより特別の機能を与えることができる。例えば、基体粒子の表面に、屈折率の異なる交互被覆膜を、次の式(3)を満たすように、被膜を形成する物質(単位被覆層)の屈折率nと可視光の波長の4分の1の整数m倍に相当する厚さdを有する交互膜を適当な厚さと膜数設ける。これにより、特定の波長λの光(フレネルの干渉反射を利用したもの)が反射または吸収される。
nd=mλ/4 (3)
この作用を利用して、基体粒子の表面に目標とする可視光の波長に対し式(3)を満たすような膜の厚みと屈折率を有する膜を製膜し、さらにその上に屈折率の異なる膜を被覆することを1度あるいはそれ以上交互に繰り返すことにより可視光域に特有の反射あるいは吸収波長幅をする膜が形成される。このとき製膜する物質の順序は次のように決める。まず基体粒子自体の屈折率が高いときには第1層目が屈折率の低い膜、逆の関係の場合には第1層目が屈折率の高い膜とすることが好ましい。
【0027】
膜厚は、膜屈折率と膜厚の積である光学膜厚の変化を分光光度計などで反射波形として測定、制御するが、反射波形が最終的に必要な波形になるように各層の膜厚を設計する。例えば、多層膜を構成する各単位被膜の反射波形のピーク位置がずれた場合に白色の粉体となるが、各単位被膜の反射波形のピーク位置を精密に合わせると、染料や顔料を用いずとも青、緑、黄色などの単色の着色粉体とすることができる。
【0028】
ただし、実際の粉体の場合、粉体の粒径、形状、膜物質および核粒子物質の相互の界面での位相ずれ及び屈折率の波長依存性によるピークシフトなどを考慮して設計する必要がある。例えば、核粒子の形状が平行平板状である場合には、粒子平面に形成される平行膜によるフレネル干渉は上記式(3)のnを次の式(4)のNに置き換えた条件で設計する。特に、粉体の形状が平行平板状である場合でも金属膜が含まれる場合には、式(4)の金属の屈折率Nに減衰係数κが含まれる。なお、透明酸化物(誘電体)の場合にはκは非常に小さく無視できる。
N=n+iκ(iは複素数を表す) (4)
この減衰係数κが大きいと、膜物質および核粒子物質の相互の界面での位相ずれが大きくなり、さらに多層膜のすべての層に位相ずれによる干渉最適膜厚に影響を及ぼす。
【0029】
これにより幾何学的な膜厚だけを合わせてもピーク位置がずれるため、特に単色に着色する際に色が淡くなる。これを防ぐためには、すべての膜に対する位相ずれの影響を加味し、コンピュータシミュレーションであらかじめ膜厚の組合せが最適になるように設計する。
さらに、金属表面にある酸化物層のための位相ずれや、屈折率の波長依存性によるピークシフトがある。これらを補正するためには、分光光度計などで、反射ピークや吸収ボトムが最終目的膜数で設定波長になるよう最適の条件を見出すことが必要である。
【0030】
球状粉体などの曲面に形成された膜の干渉は平板と同様に起こり、基本的にはフレネルの干渉原理に従う。したがって、着色方法も単色に設計することができる。ただし曲面の場合には、粉体に入射し反射された光が複雑に干渉を起こす。これらの干渉波形は膜数が少ない場合には平板とほぼ同じである。しかし、総膜数が増えると多層膜内部での干渉がより複雑になる。多層膜の場合もフレネル干渉に基づいて、反射分光曲線をコンピュータシミュレーションであらかじめ膜厚の組合せが最適になるよう設計することができる。特に基体粒子表面への被膜形成の場合、基体粒子表面とすべての膜に対する位相ずれの影響を加味し、コンピュータシミュレーションであらかじめ膜厚の組合せが最適になるよう設計する。さらに、基体粒子表面にある皮膜層のためのピークシフトや屈折率の波長依存性によるピークシフトも加味する。実際のサンプル製造では設計した分光曲線を参考にし、実際の膜においてこれらを補正するために、分光光度計などで反射ピークや吸収ボトムが最終目的膜数で目標波長になるよう膜厚を変えながら最適の条件を見出さねばならない。不定形状の粉末に着色する場合も多層膜による干渉が起こり、球状粉体の干渉多層膜の条件を参考にし基本的な膜設計を行う。上記の多層膜を構成する各単位被膜のピーク位置は各層の膜厚により調整することができ、膜厚は溶液組成および反応時間および原料の添加回数による調整することができ所望の色に着色することができる。以上のように、反射ピークや吸収ボトムが最終目的膜数で目標波長になるよう膜形成溶液などの製膜条件を変えながら最適の条件を見出すことにより、単色の粉体を得ることができる。また、多層膜を構成する物質の組合せおよび各単位被膜の膜厚を制御することにより多層膜干渉による発色を調整することができる。これにより、染料や顔料を用いなくても粉体を所望の色に鮮やかに着色することができるが、必要に応じて、着色材を使用した被膜層または着色層を設けることができる。
【0031】
上記の必要に応じて適用される着色材の具体例として次のものが挙げられるが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
具体的には、例えば、ブルー色系着色材としては、(有機染料)フタロシアニン系染料、オイル系染料、レーキ系染料等、(シアン系顔料)フタロシアニン系顔料、レーキ系顔料等、(無機顔料)チタニア、アルミナ、シリカ、ジルコニア、セリア、酸化亜鉛などの金属酸化物粉体、コバルトアルミネート等複合酸化物顔料等。イエロー色系着色材としては、(有機染料)モノアゾ染料、アゾメチン系色素、オイル系染料、レーキ系染料等、(顔料)ベンジジン系黄色顔料、フォロンイエロー、アセト酢酸アニリド系、不溶性顔料等。グリーン色系着色材としては、(有機染料)フタロシアニン系緑色染料、マラカイトグリーンなどのレーキ染料、オイル染料等、(有機顔料)ピグメントグリーンなどのナフトール系緑色顔料、グリーンゴールドなどの緑色不溶性アゾ系顔料、フタロシアニン緑色系顔料等、(無機顔料)コバルトグリーン(CoO−Zn−MgO)、ビリジアン、エメラルドグリーン、クロムグリーン等。レッド色系着色材としては、(有機染料)レーキレッド染料、オイルレッド染料等、(有機顔料)ナフトール系赤色不溶性アゾ系顔料、赤色不溶性アゾ系顔料、赤色ナフトール顔料、 赤色レーキ顔料等、(無機顔料)鉛丹、カドミウムレッド等。マゼンタ色系着色材としては、(染料)アントラキノン系染料、チオインジゴ、オイル系マゼンタ染料等、(顔料)キサンテン系マゼンタ染料のリン−タングステン−モリブデン酸レーキ顔料、2,9−ジメチルキナクリドン、ナフト−ル不溶性アゾ系顔料、キサンテン系染料と有機カルボン酸とからなる色材等。シアン色系着色材としては、(有機染料)フタロシアニン系染料、オイル系染料、レーキ染料等、(有機顔料)フタロシアニン系顔料、レーキ顔料等、(無機顔料)チタニア、アルミナ、シリカ、ジルコニア、セリア、酸化亜鉛などの金属酸化物粉体、コバルトアルミネート等複合酸化物顔料等が挙げられる。
【0032】
更に、必要に応じて調色材を用いることができる。調色材は基本的に色を調整するものであって、複数の顔料を使用し所望の色をカラーマッチングさせるために使用するものである。適用される調色材の具体例として次のものが挙げられるが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではなく、必要に応じ別の顔料や染料を添加し調色することも可能である。
具体的には、例えば、ブルー色系調色材としては、(有機染料・顔料)アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ等のレーキ染料、レーキ系顔料、無金属フタロシアニン、銅フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料等、(無機顔料)ウルトラマリン等の酸化物、硫化物複合顔料、鉄青、ミロリーブルー等の銅系群青紺青顔料類、コバルトブルー、セルリアンブルーなどの酸化コバルト系複合酸化物類青色顔料等。イエロー色系調色材としては、(有機染料)ファーストイエロー等のファースト染料等、(有機顔料)ハンザーイエロー、ナフトールイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントイエロー等のアゾ系顔料、(無機顔料)鉛、亜鉛およびバリウム等のクロム酸塩(赤口黄鉛、クロムバーミリオン)類、硫化カドミウム等の硫化物類、チタンイエロー等の複合酸化物系顔料等。グリーン色系調色材としては、(有機染料)マラカイトグリーンレーキ、アシッドグリーンレーキなどのレーキ染料等、(有機顔料)ピグメントグリーン、ナフトールグリーンなどのニトロソ顔料、グリーンゴールド等のアゾ系顔料、フタロシアニングリーン、ポリクロム銅フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料等、(無機顔料)クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、含水クロム(ビリジアン)等のクロム系酸化物および含水酸化物、エメラルドグリーン等の銅系酸化物、コバルトグリーン等のコバルト系酸化物等。レッド色系調色材としては、(有機染料)エオシンレーキ、ローダミンレーキ等のレーキ染料、Cinquasia Red等のキナクリドン系染顔料等、(有機顔料)パーマネントレッド、パラレッドなどのアゾ系顔料、ブリリアントファストレッド、ファストスカーレッット等のファスト顔料等、(無機顔料)カドミウムレッド、マーキュリーレッドなどの硫化物類顔料等。橙色系調色材としては、(有機顔料)パーマネントオレンジ、ベンジンオレンジ、ハンザエローなどのアゾ系顔料等、(無機顔料)クロム酸鉛などの酸化物(赤口黄鉛)類およびクロム酸と硫酸鉛からなる複合物(クロムバーミリオン)など、紫色系調色材としては、(有機染料)メチルバイオレットレーキなどのレーキ染料等、(有機顔料)ファストバイオレット等のアゾ系顔料等、(無機顔料)コバルト燐酸塩、マンガン燐酸塩などの燐酸塩類、コバルト砒素の複合酸化物類などの顔料等が挙げられる。
また、明度を上げるための調色材として、白色顔料(展色材)である、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化珪素、酸化アンチモン、酸化鉛等あるいはこれらの複合酸化物類、また炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム等の炭酸塩、あるいは硫酸バリウム、硫酸カルシウムのような硫酸塩類、硫酸亜鉛のような硫化物あるいは前記酸化物や炭酸塩および硫酸塩を焼結した複合酸化物、複合含水酸化物類が挙げられる。
【0033】
次にかくして得られる本発明に係る蓄光顔料組成物を調製する場合の(1)カラーインキあるいは塗料様組成物(流体)および(2)カラートナー、カラー乾式インキ様組成物(粉体)のそれぞれについて説明する。
(1)本発明においてカラーインキあるいは塗料様組成物(流体)の媒質(ビヒクル)としては、カラー印刷用、カラー磁気印刷用、カラー磁気塗料用に用いられる、従来公知のワニスを用いることができ、例えば液状ポリマー、有機溶媒に溶解したポリマーやモノマーなどを粉体の種類やインキの適用方法、用途に応じて適宜に選択して使用することができる。
【0034】
上記液状ポリマーとしては、ポリペンタジエン、ポリブタジエン等のジエン類、ポリエチレングリコール類、ポリアミド類、ポリプロピレン類、ワックス類あるいはこれらの共重合体編成体等を挙げることができる。
有機溶媒に溶解するポリマーとしては、オレフィン系ポリマー類、オリゴエステルアクリレート等のアクリル系樹脂類、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリイソシアネート類、アミノ樹脂類、キシレン樹脂類、ケトン樹脂類、ジエン系樹脂類、ロジン変性フェノール樹脂、ジエン系ゴム類、クロロプレン樹脂類、ワックス類あるいはこれらの変性体や共重合体などを挙げることができる。
有機溶媒に溶解するモノマーとしては、スチレン、エチレン、ブタジエン、プロピレンなどを挙げることができる。
有機溶媒としては、エタノール、イソプロパノール、ノルマルプロパノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ケロシン、ベンジン炭化水素類、エステル類、エーテル類あるいはこれらの変性体や共重合体などを挙げることができる。
【0035】
(2)カラートナー、カラー乾式インキ、カラー乾式塗料様組成物(粉体)は、蓄光性多層膜被覆粉体を、樹脂とあるいは必要に応じて着色材とを直接混練し、この混合物を粉砕することにより粉体状蓄光顔料組成物を得ることができる。また、乳化重合法や懸濁重合法などの重合法を用いて、多層膜被覆粉体を粉体状蓄光顔料組成物とすることもできる。
この粉体状蓄光顔料組成物の場合、(a)上記粉砕法で製造する場合の樹脂としては、特に限定されるものではないが、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリエステル、メラミン樹脂、ポリウレタン、酢酸ビニル樹脂、ケイ素樹脂、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、スチレン、エチレン、ブタジエン、プロピレン及びこれらの誘導体の重合体または共重合体などが挙げられる。
(b)重合法の場合、エステル、ウレタン、酢酸ビニル、有機ケイ素、アクリル酸、メタアクリル酸、スチレン、エチレン、ブタジエン、プロピレン等のうち1種あるいは複数の混合物から重合を開始させ、重合体あるいはこれらの共重合体などが形成される。
【0036】
本発明の蓄光顔料組成物は上記のように、(1)カラーインキあるいは塗料様組成物(流体)と(2)カラートナー、カラー乾式インキ様組成物(粉体)の形をとる。
また、流体状の場合には、カラーインキ、塗料等であり、前記着色材や調色材、乾燥の遅い樹脂には固化促進剤、粘度を上げるために増粘剤、粘性を下げるための流動化剤、粒子同志の分散のために分散剤などの成分を含ませることができる。
一方、粉体の場合には、(a)粉砕法で粉体を製造する場合には、前記着色材や調色材、乾燥の遅い樹脂には固化促進剤、混練の際の粘性を下げるためには流動化剤、粒子同志の分散のためには分散剤、紙等への定着のための電荷調整剤、ワックスなどの成分を含ませることができる。
(b)重合法を用いる場合には、前記着色材や調色材、重合開始剤、重合促進剤、粘度を上げるためには増粘剤、粒子同志の分散のためには分散剤、紙等への定着のための電荷調整剤、ワックスなどの成分を含ませることができる。
本発明の蓄光顔料組成物中の多層膜被覆粉体は、単一の粉体ないしは分光特性の異なる複数の粉体の組み合せにより、湿式および乾式カラー印刷や湿式および乾式カラー磁気印刷に適用できるほか、3原色の粉体を用いて、可視光、非可視光(紫外域および赤外域)、蓄光発色および磁気、さらに電気(電場の変化)の6種の組合せの識別機能をもち、印刷物の偽造防止用カラー磁性インキなどセキュリティ機能を必要とする他の用途に適用することができる。
【0037】
前記本発明の蓄光顔料組成物をカラーインキあるいは塗料組成物またはカラートナー、カラー乾式インキ、カラー乾式塗料組成物として、基材に印刷、溶融転写または被塗装体に塗布する場合、蓄光顔料塗料組成物中の蓄光性多層膜被覆粉体と樹脂の含有量の関係は、体積比で1:0.5〜1:15である。媒質の含有量が少な過ぎると塗布した膜が被塗装体に固着しない。また、多過ぎると顔料の色が薄くなりすぎ良いインキまたは塗料といえない。 また、カラーインキあるいは塗料組成物中の顔料および樹脂を合わせた量と溶剤の量との関係は、体積比で1:0.5〜1:10であり、溶剤の量が少な過ぎると塗料の粘度が高く、均一に塗布できない。また、溶剤の量が多過ぎると塗膜の乾燥に時間を要し塗布作業の能率が極端に低下する。
【0038】
また、基材に印刷、溶融転写または被塗装体に塗料を塗布した際の塗膜の色の濃度は、被塗装体の単位面積当たりに載った顔料の量によって決まる。塗料が乾燥した後の被塗装体上の本発明の蓄光性多層膜被覆粉体の量は、面積密度で1平方メートルあたり5〜300gであり、好ましくは10〜150gであれば良好な塗装色が得られる。面積密度が前記の値より小さければ被塗装体の地の色が現れ、前記の値より大きくても塗装色の色濃度は変わらないので不経済である。すなわち、ある厚さ以上に顔料を被塗装体上に載せても、塗膜の下側の顔料にまでは光りが届かない。かかる厚さ以上に塗膜を厚くすることは、塗料の隠蔽力を越えた厚さであるので塗装の効果がなく不経済である。ただし、塗膜の磨耗を考慮し、塗膜の厚さが摩り減るため厚塗りする場合はこの限りではない。
【0039】
【実施例】
以下に本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、勿論本発明の範囲は、これらによって限定されるものではない。
〔実施例1〕
(磁性体を用いた蓄光性多層膜被覆粉体1;第2層目チタニアコーティングに蓄光体含有の場合)
(1層目シリカコーティング)
BASF製カーボニル鉄粉(平均粒径1.8μm,10kOeでの磁化は203emu/g)10gをエタノール100ml中に分散し、容器をオイルバスで加熱して液の温度を55℃に保持した。これにシリコンエトキシド6gとアンモニア水(29%)8gおよび水8gを添加し、攪拌しながら2時間反応させた。反応後エタノールで希釈洗浄し、濾過し、真空乾燥機で110℃3時間乾燥した。乾燥後、回転式チューブ炉を用いて加熱処理を650℃で30分施しシリカコート粉体A1 を得た。得られたシリカコート膜の膜厚は98nmであり、分散状態は非常に良かった。
【0040】
(2層目チタニアコーティング)
加熱処理後再度、得られたシリカコート粉体A1 10g及び蓄光物質である銅含有硫化亜鉛カドミウム微粒子(平均粒径0.015μm)8gをエタノール200mlに分散した。容器をオイルバスで加熱して液の温度を55℃に保持した。これにチタンエトキシド4.7g加え攪拌する。これにエタノール30mlと水8.0gの混合溶液を60分かけて滴下した後、2時間反応させ、真空乾燥および加熱処理を施しチタニア−シリカコート粉体A2を得た。得られたチタニア−蓄光体銅含有硫化亜鉛カドミウム微粒子/シリカコート粉体A2は分散性が良く、それぞれ単粒子であった。チタニア−シリカコート粉体A2のチタニア膜の厚さは77nmであった。
またこの粉体の分光反射曲線のピーク波長は450nmであり、ピーク波長での反射率は35%で、鮮やかなシアン色であった。
さらにこの粉体の10kOeでの磁化は167emu/gであった。
【0041】
(3層目シリカコーティング)
チタニア−シリカコート粉体A2 10gをエタノール100ml中に分散し、容器をオイルバスで加熱して液の温度を55℃に保持した。これにシリカコンエトキシド6gとアンモニア水(29%)8gおよび水8gを添加し、攪拌しながら2時間反応させた。反応後エタノールで希釈洗浄し、濾過し、真空乾燥機で110℃3時間乾燥した。乾燥後、回転式チューブ炉を用いて加熱処理を650℃で30分施しシリカ−チタニアコード粉体A3を得た。得られたシリカ−チタニアコート粉体A3の膜厚は99nmであり、分散状態は非常に良かった。
【0042】
(4層目チタニアコーティング)
加熱処理後再度、得られたシリカ−チタニアコート粉体A3 10gをエタノール200mlを加え分散し、容器をオイルバスで加熱して液の温度を55℃に保持した。これにチタンエトキシド5.3g加え攪拌する。これにエタノール30mlと水8.0gの混合溶液を60分かけて滴下した後、2時間反応させ、真空乾燥および加熱処理を施しチタニア−シリカコート粉体A4を得た。得られたチタニア−シリカコート粉体A4は分散性が良く、それぞれ単粒子であった。チタニア−シリカコート粉体A4のチタニア膜の厚さは75nmであった。
この粉体の反射ピークは553nmで、反射率は47%で鮮やかな緑色であった。さらにこの粉体の10kOeでの磁化は146emu/gであった。
【0043】
(カラーインキ組成物の調製および分光特性)
このようにして得られた粉体を、ポリエステル樹脂系ワニス35部に対し、粉体65部で混合し、得られた液状蓄光顔料組成物ALをブレードコーターで70g/m2 の塗布量で、A4版アート紙に塗布し、乾燥後、蓄光顔料組成物の塗布紙を得た。
この塗布紙1の色はピーク波長553nmで、反射率53%の明るい青緑となった。また、塗布紙1を暗所で紫外線ランプを1時間照射した後、暗所で目視した色は淡緑色の燐光の発した。
さらに、この蓄光顔料組成物塗布紙の、磁場10kOeでの磁化は6643emu/m2 であった。
【0044】
〔比較例1〕
(磁性体を用いた多層膜被覆粉体1;蓄光体を含有しない場合)
実施例1と同じ操作を行った。但し、2層目チタニアコーティングにおける反応液中に蓄光体銅含有硫化亜鉛カドミウム微粒子を混合をしなかった。塗布した紙の反射ピークは可視光域では553nmで、反射率は53%であったが、蛍光灯を照射しても、燐光の発色は認められなかった。
【0045】
〔実施例2〕
(樹脂含有乾式粉体蓄光顔料組成物;トナー用など場合)
実施例1と同様の方法で得られた、4層目チタニアコーティング(前記チタニア−シリカコート粉体A4 )の乾燥粉100gをシランカップリング剤表面処理をした後、ルチル型酸化チタン(シランカップリング剤表面処理品、平均粒径0.2μm)40gとをスチレンモノマー110gとを混合し均一にした。この混合物をあらかじめ70℃に保持し、n−ドデシル硫酸ナトリウム25gを蒸留水に溶解した溶液中に添加し、高速攪拌機でエマルジョン化し、さらに10%過硫酸アンモニウム水溶液を10g添加し低速で攪拌し、4時間反応させた。
反応終了後、蒸留水2リットルで希釈し、蒸留水を加えながら傾斜洗浄を繰り返し塩類を除き、濾過後、ケーキを真空乾燥機で30℃で8時間乾燥し、乾燥粉B1 得た。
乾燥粉Bは粒径10μm程度の球状粒子で、明緑色で、反射ピークは555nmで、反射率は53%であった
更に、この蓄光顔料組成物粉体蓄光顔料組成物の10kOeでの磁化は52emu/gであった。また、この蓄光顔料組成物に、紫外線ランプを1時間照射した後、暗所でこの塗布紙を見ると、淡い緑色の燐光の発色が認められた。この粉体をガラスホルダーに詰め、暗所で紫外線ランプを照射すると、淡い緑色の燐光が認められた
【0046】
〔実施例3〕
(磁性体を用いた蓄光性多層膜被覆粉体2;蓄光体含浸の場合)
(1層目シリカコーティング)
BASF製カーボニル鉄粉(平均粒径1.8μm,10kOeでの磁化は203emu/g)20gを、あらかじめエタノール158.6gにシリコンエトキシド3.0gを溶解したエタノール溶液に分散させた後、攪拌しながら、あらかじめ用意しておいたアンモニア水8.0gと脱イオン水8.0gの混合溶液を添加した。添加後5時間常温で反応し、十分のエタノールで洗浄後、真空乾燥し、さらに回転式チューブ炉を用いて、窒素雰囲気で500℃で、30分熱処理し、シリカコートカーボニル鉄粉C1を得た。
【0047】
(2層目チタニアコーティング)
シリカコートカーボニル鉄粉C1 20gを、あらかじめエタノール198.3gにチタンエトキシド3.0gを溶解したエタノール溶液に分散させた後、攪拌しながら、あらかじめ用意しておいた脱イオン水3.0gとエタノール23.7gの混合溶液を1時間かけて滴下した。滴下後5時間常温で反応し、十分のエタノールで洗浄後、真空乾燥し、さらに回転式チューブ炉を用いて、窒素雰囲気で500℃で、30分熱処理し、チタニア−シリカコートカーボニル鉄粉C2を得た。
【0048】
(3層目シリカコーティング)
チタニア−シリカコートカーボニル鉄粉C2 20gを、あらかじめエタノール158.6gにシリコンエトキシド3.0gを溶解したエタノール溶液に分散させた後、攪拌しながら、あらかじめ用意しておいたアンモニア水8.0gと脱イオン水8.0gの混合溶液を添加した。添加後5時間常温で反応し、十分のエタノールで洗浄後、真空乾燥し、さらに回転式チューブ炉を用いて、窒素雰囲気で500℃で、30分熱処理し、シリカ−チタニアコートカーボニル鉄粉C3を得た。
【0049】
(4層目チタニアコーティング)
シリカ−チタニアコートカーボニル鉄粉C3 20gを、あらかじめエタノール198.3gにチタンエトキシド3.0gを溶解したエタノール溶液に分散させた後、攪拌しながら、あらかじめ用意しておいた脱イオン水3.0gとエタノール23.7gの混合溶液を1時間かけて滴下した。滴下後5時間常温で反応し、十分のエタノールで洗浄後、真空乾燥し、さらに回転式チューブ炉を用いて、窒素雰囲気で500℃で、30分熱処理し、チタニア−シリカコートカーボニル鉄粉C4を得た。
【0050】
(5層目シリカコーティング)
チタニア−シリカコートカーボニル鉄粉C4 20gを、あらかじめエタノール158.6gにシリコンエトキシド3.0gを溶解したエタノール溶液に分散させた後、攪拌しながら、あらかじめ用意しておいたアンモニア水8.0gと脱イオン水8.0gの混合溶液を添加した。添加後5時間常温で反応し、十分のエタノールで洗浄後、真空乾燥し、さらに回転式チューブ炉を用いて、窒素雰囲気で500℃で、30分熱処理し、シリカ−チタニアコートカーボニル鉄粉C5を得た。
【0051】
(6層目チタニアコーティング)
シリカ−チタニアコートカーボニル鉄粉C5 20gを、あらかじめエタノール198.3gにチタンエトキシド3.0gを溶解したエタノール溶液に分散させた後、攪拌しながら、あらかじめ用意しておいた脱イオン水3.0gとエタノール23.7gの混合溶液を1時間かけて滴下した。滴下後5時間常温で反応し、十分のエタノールで洗浄後、真空乾燥し、さらに回転式チューブ炉を用いて、窒素雰囲気で500℃で、30分熱処理し、チタニア−シリカコートカーボニル鉄粉C6を得た。
【0052】
かくして得られた多層膜被覆粉体を蓄光物質である銅含有硫化カドミウム微粒子(0.01μm)を水に乳化分散させた濃度5g/100gの乳化液に浸漬し、固液分離後、真空乾燥し、蓄光体含浸チタニア−シリカコートカーボニル鉄粉C7を得た。
【0053】
(カラーインキ組成物の調製および分光特性)
これをポリエステル樹脂系ワニス10gに対し、蓄光体含浸チタニア−シリカコートカーボニル鉄粉C72gを、さらに溶剤としてキシレン7gを混合し、インキとし、この組成のインキをブレードコーターで68g/m2 の塗布量で、A4版アート紙に一様に塗布し、乾燥した。
乾燥後得られた塗布紙の分光反射率曲線は図1のようになった。また塗布紙の色460nmで反射率64%の鮮やかなシアン色となった。この蓄光顔料組成物塗布紙の、磁場10kOeでの磁化は2595emu/m2 であった。
さらに、紫外域では324nm付近の光を55%程度で反射し、同じく赤外域では920nm付近の光を53%程度反射した。
また、塗布紙を紫外線ランプで1時間照射した後、暗所でこの塗布紙を見ると淡い黄緑色の燐光の発色が認められた。この塗布紙を積分球付分光光度計(日本分光製V−570)の光源を切ってその発光強度を調べたところ、図2のような波形が認められた。またその色は青緑であった。
これらの紫外線の反射、赤外線の反射、可視光域の実体色、暗所での燐光発色ならびに、磁性、そのほかに基体粒子の導電体としての電場応答性の6種の機能で識別が可能である。
【0054】
〔実施例4〕
(磁性体を用いた蓄光性多層膜被覆粉体2、蓄光体、SrAl2 O4 :Eu,単独層被覆の場合)
(1層目シリカコーティング)
BASF製カーボニル鉄粉(平均粒径1.8μm,10kOeでの磁化は203emu/g)18gに対し、あらかじめエタノール158.6gにシリコンエトキシド3.5gを溶解したエタノール溶液に分散させた後、撹拌しながら、あらかじめ用意しておいたアンモニア水8.5gと脱イオン水8.5gの混合溶液を添加した。添加後,5時間常温で反応し、十分のエタノールで洗浄後、真空乾燥し、さらに回転式チューブ炉を用いて、窒素雰囲気で800℃で、30分熱処理し、冷却し、シリカコート鉄粉D1を得た。
【0055】
(2層目Eu含有アルミン酸ストロンチウムコーティング)
セパラブルフラスコにシリカコート鉄粉D1、20gを、あらかじめエタノール198.3gに対し、アルミニウムエトキシド5.8gと、ストロンチウムエトキシド4.5gとユーロピウムエトキシド0.8gを混合し、十分均一化した後、撹拌しながら、蒸留水5.3gをエタノール55.9gに混合した溶液を1時間かけて滴下した。滴下後、6時間常温で反応し、その後十分のエタノールで洗浄後、真空乾燥し、さらに回転式チューブ炉を用いて、窒素雰囲気で1000℃で、30分熱処理し、急冷し、Eu含有アルミン酸ストロンチウムコート鉄粉D2を得た。このEu含有アルミン酸ストロンチウム膜の厚さは60nmであり、この粉体D2の反射ピークは500nmで、反射率28%の緑色であった。この粉体に蛍光灯を2時間当て、暗い箱の中でこの粉体を見たところ、青色の燐光が見られた。
【0056】
(3層目シリカコーティング)
シリカ−Eu含有アルミン酸ストロンチウム被覆鉄粉D216gを、あらかじめエタノール158.6gにシリコンエトキシド4.0gを溶解したエタノール溶液に分散させた後、撹拌しながら、あらかじめ用意しておいたアンモニア水8.5gと脱イオン水8.5gの混合溶液を添加した。添加後,5時間常温で反応し、十分のエタノールで洗浄後、真空乾燥し、さらに回転式チューブ炉を用いて、窒素雰囲気で800℃で、30分熱処理し、冷却し、シリカ−Eu含有アルミン酸ストロンチウム−シリカコート鉄粉D3を得た。
【0057】
(4層目Eu含有アルミン酸ストロンチウムコーティング)
セパラブルフラスコにシリカコート鉄粉D3、16gを、あらかじめエタノール198.3gに対し、アルミニウムエトキシド5.8gと、ストロンチウムエトキシド4.5gとユーロピウムエトキシド0.8gを混合し、十分均一化した後、撹拌しながら、蒸留水5.3gをエタノール55.9gに混合した溶液を1時間かけて滴下した。滴下後、6時間常温で反応し、その後十分のエタノールで洗浄後、真空乾燥し、さらに回転式チューブ炉を用いて、窒素雰囲気で1000℃で、30分熱処理し、急冷し、Eu含有アルミン酸ストロンチウムコート鉄粉D4を得た。このEu含有アルミン酸ストロンチウム膜の厚さは60nmであり、この粉体D4の反射ピークは480nmで、反射率38%の緑色であった。この粉体に蛍光灯を2時間当て、暗い箱の中に入れた際に、青色の燐光が見られ、上記2層被覆物D2より明るくなった。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の蓄光顔料組成物は、カラー色と、蓄光性を併せ有し、青、緑、黄色などの単色の美麗で安定な色調のカラー印刷、塗工用のインキ、フィラー、塗料となる。しかも、可視光以外にも干渉反射ピークを有するため、紫外線および赤外線による反射光の検出、および特別な読取り機器を用いずに真偽判定ができる蓄光の有無による印刷物の識別により、確度の高い偽造防止が可能となる。
これらの優れた機能を有すると共に、基体として磁性体を活用すると、高性能カラー磁気印刷用インキの色材としても適用可能であり、可視光、非可視光(紫外域および赤外域)、燐光発光および磁気、さらに電気(電場の変化)の6種の組合せの識別機能をもち、印刷物の偽造防止効果を高めることが可能であり、極めて高い実用性を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3で得られた蓄光顔料組成物の分光反射率曲線を示したグラフである。
【図2】実施例3で得られた蓄光顔料組成物の蓄光分光反射率曲線を示したグラフである。
Claims (4)
- 基体粒子上に複数の被覆膜を有し、該多層膜が光干渉作用を示し、該被覆膜の少なくとも1層が蓄光物質を主成分とし且つ可視光干渉に関与する蓄光性多層膜被覆粉体を含有することを特徴とする蓄光顔料組成物。
- 前記多層膜が可視光域以外にも特異的な干渉反射ピークを発現することを特徴とする請求項1記載の偽造防止用蓄光顔料組成物。
- 前記基体粒子が磁性粒子であることを特徴とする請求項1記載の蓄光顔料組成物。
- 着色材が含有されていることを特徴とする請求項1記載の蓄光顔料組成物。
Priority Applications (11)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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