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JP3576906B2 - インターネット網に接続可能な電話通信装置と主電話制御装置とipアドレスを管理する方法 - Google Patents

インターネット網に接続可能な電話通信装置と主電話制御装置とipアドレスを管理する方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インターネット網に接続可能なボタン電話装置に関し、特にローカルエリアネットワーク(LAN)やISDNなどのネットワークに接続された複数の電話機とそれら電話機を制御する主電話制御装置とを有する電話通信装置と、その電話通信装置において複数の内線電話機に対してIPアドレスを設定し管理する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネット網を経由して電話通信を可能とする、いわゆるIP電話機が開発されている。インターネットによる電話通信では、従来の回線交換網による回線交換手順とは異なり、インターネットに適用したTCP/IP(トランスファ・コントロール・プロトコル/インターネットプロトコル)に基づく通信が実行され、IP電話機は、そのプロトコルに基づいて動作する。すなわち、発信側IP電話機は、IPによりパケット化された情報により発信、着信先IP電話機間で通話を行う。
【0003】
また、インターネットによる通信では、送信先IPアドレスを指定してパケットを送る必要があり、発信側IP電話機は着信先IP電話機に対し、送信先(着信先)IPアドレスを指定して接続要求する。
【0004】
一方で、IP電話機間で直接にインターネット通信を行うには、インターネット網に、すべてのIP電話機に割り当てられるIPアドレスが管理されていなければならない。IPアドレスは、全世界でただ1つのグローバルIPアドレスとして登録されたものでなければならない。
【0005】
しかし、インターネット端末数の増加により登録すべきIPアドレスが足らなくなると言うIPアドレスの枯渇の問題や、IPアドレスが増えることによるIPアドレスの登録管理の面倒さの問題があり、IPアドレスがすべてのIP電話機に割り当てられることが困難となってくる課題が生じる。
【0006】
たとえば、複数のIP電話機がLANを経由してインターネット網に接続される場合、LAN内のすべてのIP電話機がインターネット網を経由して通信を行うには、すべてのIP電話機毎に個別のIPアドレス(グローバルIPアドレス)が設定される。しかし、この場合には上記のようなIPアドレス枯渇の問題が生じる。
【0007】
これに対処するため、LAN内の各IP電話機にグローバルIPアドレスでないプライベートIPアドレスを付与してLAN内で管理する方法がある。この場合、ネットワーク・アドレス・トランスレータ(NAT)をLANとインターネット網との間に接続し(正確にはNATの機能を有するルータを接続し)、各IP電話機に割り当てたプライベートIPアドレスをインターネットに接続するためのグローバルIPアドレスに変換する機能をNATに持たせることである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
通常、NATを有するルータは、外部から内部インフラ(LAN)の端末に直接にアクセスされないようセキュリティーを確保するためのファイアーウォールとなっている。したがって、NATの利用によりLAN内のIP電話機から外部のIP電話機へ直接にアクセスすることは可能であるが、LANの外側の網のIP電話機からLAN内のIP電話機に直接にアクセスできない。
しかし、相手発信者によっては、直接にLAN内のIP電話機に着信させても良い場合があるが、従来はそれができない。また、発信者が送信先アドレスとしてLAN内のIP電話機のプライベートIPアドレスを知っていたとしても、それはインターネット網に登録されていないアドレスであるので、インターネット通信することはできない。
【0009】
また、LANを介して複数のIP電話機を内線電話機として収容する場合に、LANおよびIPの知識が必要で、そのような知識がある人しかIP電話機をLANに接続することができないという問題があった。
本発明の第1の目的は、複数の電話機とそれらを制御する主電話制御装置から成りIPアドレス(グローバルIPアドレス)の枯渇を防止できる電話通信装置およびその主電話制御装置を提供することにある。
【0010】
本発明の第2に目的は、特にLANやIPの知識が無くても電話機を接続できる主電話制御装置を提供することにある。
【0011】
本発明の第3の目的は、第1及び第2の目的を達成できるよう、主電話制御装置により複数の電話機のIPアドレスを設定し管理する方法を提供することにある。
【0012】
本発明の第4の目的は、電話機毎にグローバルIPアドレスを設定しなくてもインターネット網から電話通信装置の各電話機に直接にアクセスすることを可能にした電話通信装置およびその主電話制御装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明による主電話制御装置は、複数の電話機による電話通信を制御し、前記複数の電話機を、インターネット網に接続するローカルエリアネットワークを介して接続する。その構成は、前記複数電話機に個別にプライベートなIPアドレスを割り当てるIPアドレス割り当て回路(図1、図7の122)と、前記IPアドレス割り当て回路により割り当てられた前記IPアドレスをニックネーム毎に前記電話機の内線番号とともに記憶する記憶手段(図1、図7の130)とを含み、前記複数電話機に個別にプライベートなIPアドレスを割り当てるとともに、前記電話機に個別のニックネーム毎に前記IPアドレスを前記内線番号とともに管理し、さらに割り当てられた前記IPアドレスを前記電話機に通知する管理回路(図1、図7の122,130)と、前記IPアドレスを利用して前記電話機との間の通信及び前記インターネット網との間の通信を制御するための制御回路(図1、図7の122,130)と、前記電話機からの登録要求メッセージを受信する受信手段と、を含み、前記ニックネームは、前記電話機に共通に使用され前記インターネット網に登録されたグローバルなドメイン名と前記電話機を識別するための識別情報とを有し、前記識別情報は、ユーザ識別部と前記電話機の内線番号を示す内線番号識別部とを有し、前記登録要求メッセージは、前記ニックネームを有し、前記制御回路は受信した前記登録要求メッセージ中の前記ニックネーム及び当該ニックネームに含まれる内線番号を前記電話機のIPアドレスに対応して前記記憶手段に格納するよう制御することを特徴とする。
【0014】
本発明は、各内線電話機のニックネームとして主電話制御装置に割り当てられたグローバルなドメイン名を利用し、また主電話制御装置は内線電話機個別にそのドメイン名を含むユニークなニックネームと対応づけてIPアドレスを管理する。
【0015】
このようにニックネームにグローバルなドメイン名を有することにより外部からアドレス検索ができ、この効果でインターネットを介した通話時の相手探しが容易になる。本発明は、またIPアドレスの枯渇の防止にもなる。
【0018】
また、ユーザ識別部と前記電話機の内線番号をニックネームの代わりに指定してIPアドレスを管理できる
【0019】
一方、本発明による電話通信装置は、複数の電話機と、前記複数の電話機による電話通信を制御し、前記複数の電話機を、インターネット網に接続するローカルネットワークを介して接続した主電話制御装置とを有する。主電話制御装置は、前記複数電話機に個別にプライベートな前記IPアドレスを割り当てるIPアドレス割り当て回路と、前記IPアドレス割り当て回路により割り当てられた前記IPアドレスをニックネーム毎に記憶する記憶手段とを含み、前記複数電話機に個別にプライベートなIPアドレスを割り当てるとともに、前記電話機に個別のニックネーム毎に前記IPアドレスを管理し、さらに割り当てられた前記IPアドレスを前記電話機に通知する管理回路と、前記IPアドレスを利用して前記電話機との間の通信及び前記インターネット網との間の通信を制御するための制御回路と、前記電話機からの登録要求メッセージを受信する受信手段と、を含む。
【0020】
さらに前記ニックネームは、前記電話機に共通に使用され前記インターネット網に登録されたグローバルなドメイン名と前記電話機を識別するための識別情報とを有することを特徴とする。また、前記ニックネームの前記識別情報は、ユーザ識別部と前記電話機の内線番号を示す内線番号識別部とを有する。さらに、前記登録要求メッセージは、前記ユーザ識別部及び/又は内線番号識別部を有している。そして、前記制御回路は受信した前記登録要求メッセージ中の前記ニックネーム及び当該ニックネームに含まれる内線番号を前記電話機のIPアドレスに対応して前記記憶手段に格納するよう制御する。
【0021】
また、本発明によるIPアドレスの管理方法は、複数の電話機による電話通信を制御し、前記複数の電話機を、インターネット網に接続するローカルネットワークを介して接続した主電話制御装置によって、前記複数の電話機に対するIPアドレスを設定し管理する方法である。
【0022】
その特徴は、前記複数電話機に個別にプライベートなIPアドレスを割り当て、前記電話機に個別のニックネーム毎に前記IPアドレスを前記電話機の内線番号とともに管理し、前記ニックネームに、前記電話機に共通に使用され前記インターネット網に登録されたグローバルなドメイン名と前記電話機を識別するための識別情報とを使用し、前記識別情報は、ユーザ識別部と前記電話機の内線番号を示す内線番号識別部とを有し、前記複数電話機に個別にプライベートなIPアドレスを割り当てるとともに、前記電話機に個別のニックネーム毎に前記IPアドレスを前記内線番号とともに管理し、さらに割り当てられた前記IPアドレスを前記電話機に通知し、前記電話機からの登録要求メッセージを受信すると、該登録要求メッセージ中の前記ニックネーム及び当該ニックネームに含まれる内線番号を前記電話機のIPアドレスに対応させて管理することにある。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
図1は本発明の電話通信装置の実施の形態を示すブロック図である。ここでは電話通信装置が、複数の内線電話機を収容するボタン電話装置であることを想定する。
【0025】
図1に示すように、ボタン電話装置は、ローカルエリアネットワーク(LAN)1に接続された電話機200、201とそれら電話機を制御する主電話制御装置100とを有する。LAN1には、10BASE−Tや100BASE−TX等の周知のLANが使用される。
【0026】
ルータ3はLAN1とインターネット網2との間に接続された、周知のファイアーウォールである。電話機200、201は、主電話制御装置100に収容される、いわゆる内線電話機であるが、LANの通信機能を持っている。内線電話機の個数は図1のように2つに限定せず、それ以上でも良い。
【0027】
本発明の実施の形態は、主電話制御装置100が電話機200、201に個別のニックネームに対してIPアドレスや内線番号の管理を行う。
【0028】
ニックネームには、(呼称)(電話番号)@(ドメイン名)の順で配列した、たとえば、「kobayashi100@soho−ip.abc.co.jp」が使用される。ここで、呼称「kobayashi」は各電話機の利用者の呼称、電話番号「100」は電話機の内線番号、ドメイン名「soho−ip.abc.co.jp」は主電話制御装置100のドメイン名である。
【0029】
電話機のニックネーム中のそのドメイン名は、グローバルIPアドレス(世界的にユニークなアドレス)としてインターネット網に登録されるものが使用される。ドメイン名以外の呼称及び内線番号の部分は、電話機を識別するための識別情報である。
このように本発明の実施の形態は、電話機200、201のニックネームとして主電話制御装置100に割り当てられたグローバルなドメイン名を利用し、また主電話制御装置100は電話機個別にそのドメイン名と識別情報からなるニックネームと対応づけてIPアドレスを管理する。
【0030】
したがって、主電話制御装置100でニックネーム毎にIPアドレスが割り当てられ、管理されるから、LANやIPのコードを知らなくても、ニックネームによって電話機の管理ができる。
【0031】
また、ニックネームにグローバルなドメイン名を有することにより外部からアドレス検索ができ、この効果でインターネットを介した通話時の相手探しが容易になる。
【0032】
すなわち、主電話制御装置100は、グローバルなドメイン名を含むニックネームで電話機のIPアドレスを管理するので、インターネット網側からはドメイン名から電話機を検索することができる。
【0033】
また、インターネットを経由した外部の発信者は、ニックネームによって通話相手を指定すること(電話機200、201を個別に指定すること)で、ニックネーム中のグローバルなドメイン名でインターネット網に接続できる。
【0034】
本発明の実施の形態では、インターネット網に電話機毎にグローバルIPアドレスを設定する必要が無く、主電話制御装置100のグローバルIPアドレス(ドメイン名)のみを登録すればよいので、IPアドレスの枯渇に対応できる。
次に図1の構成について説明する。図1において、主電話制御装置100は、LAN上の電話機200と電話機201をLANインタフェース(I/F)回路120を介して内線収容する。
【0035】
さらに、主電話制御装置100は、インターネット通信のためのTCP/IPの各プロトコルを実行し電話通信全体を制御する制御回路110と、制御回路110の指示で電話機200、201毎のIPアドレス(このIPアドレスはプライベートIPアドレス)を割り当てるIPアドレス割り当て回路122と、LAN1から受信されるIPパケットのヘッダを解析するヘッダ解析回路121と、電話機毎のニックネームに対するプライベートIPアドレスと内線番号の対応関係を記憶する内線テーブル131を含むメモリ回路132とを有する。
【0036】
電話機200、201は、LAN1に対するインタフェース回路の他、主電話制御装置100のIPアドレス割り当て回路122によって割り当てられたIPアドレスを受信して記憶する手段、主電話制御装置100から通知される内線テーブルを記憶する手段、ニックネームまたは呼称(ユーザ識別部)または内線番号を発生し主電話制御装置100に通知する手段を有する。電話機200、201は、ニックネームを通知するとき、予め定めたヘッダ後にニックネーム付けてIPパケットを構成し主電話制御装置100に送信する。
【0037】
(IPアドレス割り当て動作(その1)):
電話機200(または201)がLAN1に接続されるときに、LANの通信プロトコルにより主電話制御装置100との間で同期が確立すると、LANインタフェース回路120でそれが検出され、制御回路110に通知される。
【0038】
これにより制御回路110は、非動作状態であった電話機200が動作状態になったことを検知し、IPアドレス割り当て回路122にIPアドレス割り当て指示を出す。
【0039】
その指示によりIPアドレス割り当て回路122は、新しく動作状態になった電話機200に対するIPアドレス(「XXX.XXX.XXX.001」(Xは任意の数)のようなプライベートIPアドレス)を発生し、それを制御回路110に送る。この場合、IPアドレスは、電話機が動作状態から非動作状態になる毎にIPアドレス割り当て回路122により自動的に採番され新しいIPアドレスとして設定される。
【0040】
次に制御回路112は、電話機200に割り当てたIPアドレスを予め記憶された電話機200のニックネームと対応づけ、内線番号と共に図2に示す内線テーブル131に登録する。
【0041】
さらに制御回路110は、割り当てられたIPアドレス(図2中のIPアドレス)を内線番号とニックネームと共にLANインタフェース回路120を介して電話機200に通知する。これにより電話機200は新しく設定されたIPアドレスを自電話機の送信元IPアドレスとして記憶し、それに対応する内線番号とニックネームも記憶する。
【0042】
なお、主電話制御装置100は、IPアドレスだけを電話機200に通知しても良い。
【0043】
以上のように、電話機200がLAN1に接続されて動作状態になる毎に、主電話制御装置100が電話機200に新しいIPアドレス(プライベートIPアドレス)を割り当て記憶し、さらにそれを通知することで、各電話機に対するIPアドレスの自動割り当てが完了する。
【0044】
自動割り当てにあたり、あらかじめさだめたユニークな番号順に自動割り当ての内線番号が割り当てられても良い。たとえば、macアドレスの若い順にソートして内線番号を割り当てても良い。ネームのアイウエオ順にソートして内線番号を割り当てても良い。
【0045】
ここで、主電話制御装置100の内線テーブル131に予めニックネームが記憶されていない場合、IPアドレスを割り当てるときにIPアドレス割り当て回路122は電話機200に対するニックネームとして、たとえば、入力回路123によって入力されて発生したものを使用する。入力回路123は、キーボードやマウスなどの入力手段の他、コンピュータでも良い。
【0046】
この実施の形態では、電話機をLAN1上で移動させても、自動的にIPアドレスが割り当てられそれがニックネーム毎に内線テーブル内に書き込まれるので、その電話機使用者の電話機としていつでも使用できる。
【0047】
(IPアドレス割り当て動作(その2)):
本発明の実施の形態では、ニックネームを入力回路250だけでなく、電話機200、201で発生し図2の内線テーブル131に登録させることもできる。
【0048】
この場合、電話機200(または201)は、ニックネームの登録要求を発生する。ここで、ニックネームの登録要求の発生は、電話機の操作パネルの入力回路からの信号でも、主電話制御装置100が前述のIPアドレス割り当て動作でIPアドレスを通知してきたときでも良い。あるいは、登録要求が一定時間毎に電話機内で発生するものでも良い。
【0049】
あるいは、電源投入時に登録要求する、ニックネーム設定時に登録要求するものでも良い。また、停電時に一斉に登録要求すると、装置負荷が上がるので、ランダムに時差を発生させて要求の衝突を避ける機構を電話機が含んでいても良い。
【0050】
電話機200は、ニックネームの登録要求により予め記憶されたIPアドレスを送信元IPアドレスとする図3に示すパケットを登録要求メッセージとして作成し、IPパケットとして主電話制御装置100に送信する。ここで、予め記憶されたIPアドレスとは、前述のIPアドレス割り当て動作(その1)において主電話制御装置100から通知されたIPアドレスであってもよいが、インターネット網2のDHCPサーバからルータ3を経由して取り込んだIPアドレスであってもよい。
【0051】
図3のパケットにおいて、IPアドレス部310は主電話制御装置100のローカルIPアドレスと送信元IPアドレスを含み、予め定めたヘッダ部311は、ニックネーム登録を行うための登録要求などの識別情報、データ長などの制御情報を含む。
【0052】
ニックネーム部312は、電話機200内に予め記憶された、あるいは入力回路のボタン操作により発生し新たに設定されたニックネームである。ニックネーム部312は、電話機200の使用者の呼称に対応するユーザ識別部300と、電話機200の内線番号に対応する内線番号識別部301と、主電話制御装置100のグローバルIPアドレスのドメイン名に対応するドメイン名識別部302とが順次配列したものである。
【0053】
図3に示すパケットがLANインタフェース回路120で受信されると、ヘッダ解析回路121は図3のヘッダ部311を持つパケットを検出し、そのパケットを制御回路110に送信する。
【0054】
次に制御回路110は、図3に示すIPパケット(登録要求メッセージ)のIPアドレス部310内の発信元IPアドレス(電話機200のIPアドレス)とニックネーム部312を取り出し、そのIPアドレスを引数としてメモリ回路130内の内線テーブル131にニックネームと内線番号(ニックネームから取り出された番号)を上書き登録する。
【0055】
これにより、本発明の実施の形態では、電話機からIPパケット(登録要求メッセージ)で通知されるニックネームにより主電話制御装置100の内線テーブル131を書き換えることができる。
【0056】
図3のニックネーム部312のうち、ドメイン名識別部302はグローバルなドメイン名であるためドメイン名が変化しない限り変えることができない。ユーザ識別部300の呼称と内線番号識別部301の内線番号は自由に変えることができる。
【0057】
また、電話機200からニックネーム中の呼称または内線番号のみを変更したい場合、図3のIPパケット(登録要求メッセージ)中のニックネーム部312は、フルニックネームでなくても、ユーザ識別部300のみ、あるいは内線番号識別部302のみでも良い。
この実施の形態では、電話機の配置変更等により使用者の電話機が変わっても、登録要求メッセージを電話機から送信することで、新たに設置された電話機のニックネームや内線番号をIPアドレスに対して内線テーブル131内に登録し直すことができる。
あるいは、電話機200、201は、IPアドレスが主電話制御装置100から通知されたときに、自分のニックネームを登録要求メッセージにより送信し、内線テーブル131にニックネームを登録することも可能である。
【0058】
また、電話機の故障により、別な電話機を購入しても、前の電話機に設定していたものと同一のニックネームを有する図3のパケットを主電話制御装置100が電話機から受信することで、メモリ回路130の内線テーブル131に登録される。したがって、使用者にとって電話機の更新が容易になる。
【0059】
また、電話機から自分のニックネームを指定して内線テーブル131に登録し直すことで自分の電話機として内線テーブルを書き換えることができる。この場合、複数の電話機について同一のニックネームあるいは同一の呼称(ユーザ識別部)を内線テーブル131に登録するようにすれば、複数の電話機を同一使用者の電話機として設定できる。
【0060】
(電話機の履歴登録について):
本発明の実施の形態では、メモリ回路130に電話機の通話履歴が登録される。通話履歴は、制御回路110によって作成される。
【0061】
図1のメモリ部130の履歴情報テーブル132には、電話機200、201のニックネーム毎に通話毎の通信相手、通話料や通話時間等の履歴情報が記憶される。図4は、その履歴情報を含む履歴情報テーブルを示し、履歴情報は、ニックネーム毎に履歴情報テーブル132に記憶されている。図4に示すように、電話機のIPアドレスと内線番号と合わせて記憶しても良い。
【0062】
これにより電話機が移動することによりIPアドレス割り当て回路122がIPアドレスを変更しても、その電話機の履歴情報はニックネーム毎に常に管理され履歴情報テーブル132に記憶されるので、IPアドレスの変更にかかわらず電話機毎(ニックネーム毎)に履歴管理ができる。
【0063】
(内線通話動作について):
次に、電話機200から電話機201への発信通話動作を説明する。
【0064】
最初、電話機200は、どの電話と通信したいかを示す予め定めた第2のヘッダをもったIPパケットを接続要求メッセージとして発生する。
【0065】
図5はこのとき電話機200が発生するIPパケットを示す。このパケットは、パケット送信先の主電話制御装置100のIPアドレスと電話機200の送信元IPアドレスとを有するIPアドレス部410と、電話発呼要求を示す予め定めた第2のヘッダ部411と、ニックネーム部412とを有する。ニックネーム部412は、接続先の電話機201の情報である。
【0066】
そのニックネーム部412として、ユーザ識別部300と内線番号識別部301とドメイン名識別部302とを有する第1のパターン、ユーザ識別部300だけの第2のパターン、あるいは内線番号だけの第3のパターンのいずれのパターンでもよい。
【0067】
電話機200から予め定めた第2のヘッダをもった接続要求メッセージのパケット(図5)をLANインタフェース回路120を介して受信し、ヘッダ解析回路121は予め定めた第2のヘッダを有するパケット(接続要求メッセージ)の場合、ニックネーム部412から検出したニックネームかユーザ識別部か内線番号を制御回路110に届ける。
【0068】
すなわち、受信した接続要求メッセージのニックネーム部412が第1のパターンの場合、ニックネームが制御回路110に送られ、第2のパターンの場合、ユーザ識別部300の呼称が、また第3のパターンの場合、内線番号識別部301の内線番号がそれぞれ制御回路110に送信される。
【0069】
制御回路110は、接続先電話機201のニックネームかユーザの呼称か内線番号に基づいて内線テーブル131に確認し、それぞれに対応する接続先電話機201のIPアドレスを内線テーブル131から取得する。もし、複数のIPアドレスに対して同じニックネームか呼称か内線番号が内線テーブル131から確認されると、それらに複数のIPアドレスを取得する。このとき、接続先電話機は複数となる。
【0070】
取得したIPアドレスを送信先IPアドレスとして、制御回路110は接続先電話機201に着信通知パケットをIP(インターネットプロトコル)に基づいて作成し、LANインタフェース回路120を介して接続先電話機201に送信し、電話機201を応答待ち状態(呼び出し音を鳴らすようにする)にする。
【0071】
電話機200は、電話機201の応答後にRTPプロトコル(音声、画像データをリアルタイムで転送するための標準プロトコル)に基づいて通話を行う。
RTPプロトコルによる通話状態になると、音声を含む通話パケットが、電話機200と電話機201との間で主電話制御装置100を経由せずに直接にやりとりされる。この場合、各電話機は、送信先IPアドレスを通話相手電話機のIPアドレスに設定することで音声のIPパケットを届ける。
【0072】
以上のように、発信側電話機は、着信させたい相手電話機のニックネーム以外に、相手使用者の呼称、あるいは内線番号を指定し図5のIPパケット(接続要求メッセージ)の載せて送信することにより、通話できるので、発信形態が広がる。
【0073】
(内線テーブルの転送):
本発明の実施の形態では、内線テーブル131に登録された図2の内線テーブルを制御回路110が読み出し、LANインタフェース回路120を介して電話機200に転送することができる。これにより、電話機200には、他の電話機に対応する内線テーブルが自動的に通知され記憶される。したがって、電話機200は、他の電話機への内線発信時に送信先IPアドレスとしてそのテーブルを利用することができる。
【0074】
なお、図2の内線テーブルは、電話機からの内線テーブル転送要求のパケットをLANインタフェース回路120が受け付け、ヘッダ解析回路121がそのパケットを検出したとき制御回路110が内線テーブル131から読み出して電話機へ送信すると良い。
【0075】
(電話機200、201の構成):
ここで、電話機200、201の構成について説明する。図6は電話機200(201)の構成を示すブロック図である。電話機200(201)は、LAN1に接続しLANの通信プロトコルを実行するLANインタフェース回路210と、TCP/IPを実行し全体を制御する制御回路220と、前述したRTPプロトコルを制御するRTP制御回路221と、通話時の音声を扱う音声パケット変換回路211と、送話回路212と、受話回路213と、制御回路220に接続された記憶回路230と、操作回路240と、表示回路250とを有する。
【0076】
音声パケット変換回路211は、送話回路212からの音声信号を符号化し、さらにパケット化して制御回路220に送る。また、制御回路220からの音声パケットを取り出し復号化して受話回路213に送る。
【0077】
制御回路220は、TCP/IPに基づいて音声パケットや他の情報パケットをIPパケット化してLANインタフェース回路210に送り、また、LANインタフェース回路210からのIPパケットを解析して所定の処理を行うよう各部を制御する。
【0078】
たとえば、制御回路220は、主電話制御装置100のIPアドレス割り当て部122によって割り当てられたIPアドレスや、内線番号、ニックネームを受信して記憶回路230に記憶する制御、主電話制御装置100から通知される内線テーブルの情報を記憶回路230に記憶する制御を行う。また、割り当てられたIPアドレスやニックネームを表示回路250に表示させる機能も有する。
【0079】
さらに、操作回路240のボタン操作、キーボード操作によりニックネームを発生すると、制御回路220はそのニックネームを主電話制御装置100に通知するよう制御する。この場合、制御回路220は、予め定めたヘッダ後にニックネーム付けて図3または図5に示すパケットを構成し、LANインタフェース回路210を介して主電話制御装置100に送信させる。
【0080】
また、着信通知パケットの検出により制御回路220は、呼び出し音をならす制御も行う。
【0081】
(効果):
以上説明したように本発明の実施の形態によれば、以下の効果が得られる。
【0082】
(1)1台の主電話制御装置100で複数の人にユニファイドサービスが提供できる。
【0083】
(2)同じ電話機に対するIPアドレスが変わっても、利用者単位で正しい履歴や管理情報が残せる。
【0084】
(3)1台の電話機に、1つのニックネームの場合、その電話機をネットワーク上で移動してもその人の電話として使える。
【0085】
(4)電話機が故障して交換しても、同じニックネームを使うとユーザ単位の管理が継続できる。
【0086】
(5)複数の電話機があって、席を移動しても、ニックネームを入れることで自分の電話機として使え、ユニファイドサービスの提供が受けられる。
【0087】
(外部電話機との通話):
本発明の実施の形態の特徴は、前述したように電話機200、201のグローバルIPアドレスをインターネット網に登録しないで、インターネット網に接続する外部の電話機が電話機200、201を指定して通話できることである。
【0088】
ニックネームにグローバルなドメイン名を有することにより外部からアドレス検索ができ、この効果でインターネットを介した通話時の相手探しが容易になる。
【0089】
ここで、外部電話機との通話動作について図7を参照して詳しく説明する。
【0090】
図7は外部電話機との通話を説明するための本発明の実施の形態のブロック図である。
【0091】
図7において、IP通信機能を有する電話機510がインターネット網2に接続されている。電話機510は、インターネット網2に直接接続されていても、LANを経由して接続されていても良い。また、ダイヤルアップ接続のようにダイヤルアップにより一時的にインターネット網に接続されるものであっても良い。
【0092】
ネームサーバ501は、ドメイン・ネーム・システム(DNS)サーバやCHATなどのIPアドレスおよびドメイン名を管理しているサーバでインターネット網2に接続されている。その他の構成は、図1と同様である。
【0093】
電話機510は、ネームサーバ501から送信先装置のドメイン名を検索し受け取ることができる。
【0094】
図8は電話機510から電話機200に対し発信するときの電話機510、ネームサーバ501、ルータ3、主電話制御装置100および電話機200の動作シーケンスを示す図である。
【0095】
最初、電話機510はインターネット網2を介してネームサーバ501をアクセスしアドレス要求を行う。これに対し、ネームサーバ501はIPアドレスを返し、電話機510は接続先のIPアドレスのドメイン名を検索する。なお、もし電話機510は接続先の電話機200のニックネームを知っていればこの手順は不要である。
【0096】
電話機510は、電話機200のニックネームを入力すると、その中のドメイン名を取り出し、送信先IPアドレスとし、接続要求のための第2のヘッダを有するIPパケットを接続要求メッセージとして作成して送信する。この場合、送信先IPアドレスは、主電話制御装置100のグローバルドメイン名「soho−ip.abc.co.jp」となる。
【0097】
電話機200のニックネーム「kobayashi100@soho−ip.abc.co.jp」は、図5のIPパケットのニックネーム部412に挿入されて送信される。なお、電話機510は、ニックネーム部412に、フルニックネームでなく、ユーザ識別部300のみ、内線番号識別部301のみを入れて送信しても良い。
【0098】
接続要求メッセージであるIPパケットは、主電話制御装置100に接続するルータ3に到達する。ルータ3は、ローカルアドレスで主電話制御装置100を指定し、接続要求のIPパケットを送る。
【0099】
そのIPパケットはLANインタフェース回路120を介して受信され、ヘッダ解析回路121はIPパケットの第2のヘッダによりそのパケットを検出し、ニックネーム部412から検出したニックネームかユーザ識別番号か内線番号を制御回路110に届ける。
【0100】
制御回路110は、接続先電話機201のニックネームかユーザ識別部の呼称か内線番号に基づいて内線テーブル131に確認し、接続先電話機200のIPアドレスを取得する。
【0101】
次に取得したIPアドレスを送信先IPアドレスとして指定することで制御回路110は、接続先電話機200に着信通知パケットをIPに基づいて作成し、LANインタフェース回路120を介して通知する。これにより電話機200の制御回路220(図6)が着信応答待ち状態になり、呼び出し音を鳴らす。
【0102】
これに対し、電話機200が応答すると、その応答が制御回路110で検出され、LANインタフェース回路120から発信元の電話機510にインターネット網2を通じて通知される。
【0103】
これにより電話機510は、音声を含む通話IPパケットによる通話を行う。
【0104】
音声を含む通話IPパケットは、電話機510と電話機200との間で主電話制御装置100のLANインタフェース回路120及び制御回路110を経由してやりとりされる。この場合、各電話機は、送信先IPアドレスを相手電話機のIPアドレスに設定することで音声のパケットを届ける。
【0105】
なお、発信側電話機510は、着信先の電話機200のニックネームを知らず設定できない場合、ネームサーバ501から検索したドメイン名をもとに、接続要求のIPパケット(図5)のニックネーム部412にドメイン名識別部(主電話制御装置100のドメイン名)のみを付与して送信する。これにより、主電話制御装置100の制御回路110は、そのドメイン名が電話機200と201のニックネームとして共通に記憶されていることを認識するので、すべての電話機に着信通知パケットを送信する。この場合には、最初に呼び出しに応答した電話機が着信側となる。
【0106】
図8において、通話が終了すると、電話機510からIP切断指令のパケットが送信され、回線切断動作に移行する。
【0107】
(第2の実施の形態):
次に本発明の第2の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0108】
図9は本発明の第2の実施の形態を示すブロック図である。本実施の形態のボタン電話装置の主電話制御装置300と400は、図1及び図7のボタン電話装置の主電話制御装置100にさらに内線テーブルを電子メールで送受信する機能を備えたものである。すなわち、IPによる電子メールプロトコルを実行する電子メール回路310と410がそれぞれ追加されている。
【0109】
また、主電話制御装置300は、LAN1を経由して常時インターネット網2に接続されているが、主電話制御装置400はインターネット網2にダイヤルアップ接続される。なお、図9では、主電話制御装置400の内線電話機は省略されている。
【0110】
主電話制御装置400は、ダイヤルアップ回線に接続されるので、ダイレクトにはインターネット網2から着信できない。したがって、この実施の形態では、電子メール機能によって内線テーブルの転送を行っている。
【0111】
次に主電話制御装置300から400への内線テーブルのメール転送動作について説明する。
【0112】
主電話制御装置300において、電子メール回路310から制御回路110に転送指示があると、制御回路110は内線テーブル131から図2の内線テーブルを読み出し電子メール回路310に転送する。これにより電子メール回路310は、内線テーブルの情報を電子メール情報としてLANインタフェース回路120、LAN1およびルータ3を経由してインターネット網2のメールサーバ600に送信する。メールサーバ502は、受信した内線テーブルの電子メール情報を格納する。
【0113】
その後、メールサーバ502は、プッシュ型メールを実行し、主電話制御装置400がメール受信可能であれば、格納された内線テーブルの電子メール情報を主電話制御装置400のインタフェース回路120に送信する。ここで、インタフェース回路120は、ダイヤルアップ接続に適したものである。
【0114】
その電子メール情報はインタフェース回路120から電子メール回路410に受信され、内線テーブルとして制御回路110に渡される。これにより、制御回路110は、主電話制御装置300の内線テーブルを内線テーブル131に格納する。
【0115】
次に主電話制御装置400から300への内線テーブルのメール転送動作について説明する。
【0116】
主電話制御装置400において、電子メール回路410から制御回路110に転送指示があると、制御回路110は、インターネット網2にダイヤルアップ接続するようインタフェース回路120を制御する。
【0117】
ダイヤルアップによりインターネット網2に接続されると、制御回路110は内線テーブル131から図2の内線テーブルを読み出し電子メール回路410に転送する。これにより電子メール回路410は、内線テーブルの情報を電子メール情報としてインタフェース回路120を経由してインターネット網2のメールサーバ600に送信する。メールサーバ502は、受信した内線テーブルの電子メール情報を格納する。
【0118】
その後、メールサーバ502は、格納された内線テーブルの電子メール情報を主電話制御装置300のLANインタフェース回路120にルータ3及びLAN1を介して送信する。
【0119】
その電子メール情報はLANインタフェース回路120から電子メール回路310に受信され、内線テーブルとして制御回路110に渡される。これにより、制御回路110は、主電話制御装置400の内線テーブルを内線テーブル131に格納する。
【0120】
この第2の実施の形態によれば、主電話制御装置の内線テーブルを互いに交換することができる。
【0121】
これにより、主電話制御装置400の内線電話機から主電話制御装置300の図示しない内線電話機に発信するとき、その電話機200、201のニックネームを内線電話機から入力して接続要求することができる。この場合の接続動作は、前述した外部電話機との通話の動作に対応する。
【0122】
ただし、主電話制御装置300の各電話機から主電話制御装置400の内線電話機へのインターネット網による接続要求は、主電話接続装置400がダイヤルアップ回線に接続されているのでできない。
【0123】
なお、第2の実施の形態の変形例として、電子メールプロトコルの代わりにインターネットのLDAP(ライト・ウェイト・ディレクトリ・アクセス・プロトコル:RFC2251から2256で規定されている)を使って内線テーブルを転送しても良い。
【0124】
(他の変形例):
以上説明した実施の形態において、主電話制御装置100、300、400は、いずれもボタン電話装置の1つの構成要素として機能しているが、同一の機能を有するものであれば、ターミナルアダプタや他のマルチメディアスイッチに構成されていても良い。
【0125】
また、内線電話機や外部電話機は、電話専用機でなくても、特許請求の範囲に記載された電話機としては電話機能を有する他の通信装置やコンピュータなどのデータ処理装置などを含むものである。
【0126】
また、電話機と主電話制御装置とを接続するローカルネットワークは、LANに限らず、他の有線ローカルネットワークや無線信号による無線ローカルネットワークでも良い。後者の場合、電話機や主電話制御装置に無線ローカルネットワークに対応した通信プロトコルを実行する無線通信手段が必要となる。
【0127】
主電話制御装置のメモリ回路は、情報記憶媒体であれば何でも良い。
【0128】
ニックネームのユーザ識別部の(呼称)は、電話機の使用者名に対応する名称のみならず、主電話制御装置100のネームたとえば、「総務」としてニックネームを作成しても良い。これで、ニックネームは「総務100@soho−ip.abc.co.jp」となり、部門がわかりやすくなる。このニックネームを電話機200の表示に「総務100」と出るとさらにわかりやすさが増す。また、通信先に「総務100」とネームが送信できるので、そのように使ってもよい。
【0129】
呼称に相当するユーザ識別部300は、その部分をさらに分けて扱っても良い。たとえば、「交換機名+ユーザ名」に分けても良い。これにより、総務交換機配下なら「総務 小林」、営業交換機配下なら「営業 小林」と表記でき、ユーザの識別性が上がる。
【0130】
さらに、同じ電話番号に対して、複数のニックネームが付いても良い。たとえば「総務 小林100@・・・」や「総務 田中100@・・・」として、複数人で1台の電話機をシェアして使っても良い。」
また、ニックネームとしてメールで扱えるアドレス形式が使用され電話機毎に付与されるので、ショートメールの自動伝送サービス等のメール連携のアプリケーションを各電話機および主電話制御装置の制御回路に備えることで、システム起動時から提供(電話機へのメールアカウント登録無く自動設定)できるメリットが得られる。
【0131】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、各内線電話機のニックネームとして主電話制御装置に割り当てられたグローバルなドメイン名を利用し、また主電話制御装置は内線電話機個別にそのドメイン名を含むユニークなニックネームと対応づけてIPアドレスを管理することにより、IPアドレスの枯渇の問題を解決する。
【0132】
したがって、主電話制御装置100でニックネーム毎にIPアドレスが割り当てられ、管理されるから、LANやIPのコードを知らなくても、ニックネームによって電話機の管理ができる。
【0133】
また、ニックネームにグローバルなドメイン名を有することにより外部からアドレス検索ができ、この効果でインターネットを介した通話時の相手探しが容易になる。
【0134】
つまり、ドメイン名をISPから割り当てられたものを使うとインターネット上のどのネームサーバからも検索でき、ドメイン名で示された、主電話制御装置までだれだれを呼びたいとする問い合わせが来る。最後の電話機端末識別は、主電話制御装置で行うため、その先のアドレスは、インターネット上から割り当てられた物でなくて良い。
【0135】
この為、接続してすぐ使える(アドレスの申請不要・アドレス自動設定の2面から来る)、アドレス管理が簡単であり、またインターネット上の電話から検索できるので、接続性が上がる。
【0136】
また、本発明では、IPアドレス割り当て手段で、LAN上の内線電話機のIPアドレスを管理する場合、ニックネームで電話機毎のIPアドレスを管理することで、 以下の効果を奏する。
【0137】
(1)電話機の電源ON/OFFやLANからの抜き差し、座席移動やフローア移動、回線傷害等が有って、自動でのIPアドレスアサインが変わっても電話機の利用者をニックネームで、電話機を特定出来る。
(2)1台の電話装置で複数の人にユニファイドサービスが提供できる。
【0138】
(3)同じ電話機に対するIPアドレスが変わっても、利用者単位で正しい履歴や管理情報が残せる。
【0139】
(4)1台の電話機に、1つのニックネームの場合、その電話機をネットワーク上で移動してもその人の電話として使える。
【0140】
(5)電話機が故障して交換しても、同じニックネームを使うとユーザ単位の管理が継続できる。
【0141】
(6)複数の電話機があって、席を移動しても、ニックネームを入れることで
自分の電話きとしてつかえ、ユニファイドサービスの提供が受けられる。
【0142】
本発明では、また、ニックネームとして、(呼称)(電話番号)@(ドメイン名)ように識別情報にグローバルドメイン名を付けた形態を使うことで、メール連携のアプリケーションを容易に設定できるメリットが得られる。
【0143】
さらに、本発明では、インターネットを経由した外部の発信者は、ニックネームによってインターネットを介し相手を指定すること(内線電話機を個別に指定すること)ができる。
【0144】
本発明では、さらにLDAPや電子メールによる転送通信機能を備えることにより、ニックネームを含む内線テーブルを、インターネット介してダイレクト送信出来ない装置へ、LDAPや電子メールを介して伝え、常時回線がつながっていない主電話制御装置との間でも容易に、インターネットを介した接続が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電話通信装置の第1の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】図1の主電話制御装置のメモリ回路に格納される内線テーブルの内容を示す図である。
【図3】図1の電話機で作成される登録要求時のIPパケットを説明するための図である。
【図4】図1の主電話制御装置のメモリ回路に格納される履歴情報テーブルの内容を示す図である。
【図5】図1の電話機で作成される相手電話機との接続要求時のIPパケットを説明するための図である。
【図6】図1の電話通信装置の電話機の構成を示すブロック図である。
【図7】図1の電話通信装置において外部電話機との接続を示すブロック図である。
【図8】外部電話機との通信シーケンスを示すシーケンス図である。
【図9】本発明の電話通信装置の第2の実施の形態を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 LAN
2 インターネット網
3 ルータ
100 主電話制御装置
200 電話機
201 電話機
110 制御回路
120 LANインタフェース回路
121 ヘッダ解析回路
122 IPアドレス割り当て回路
123 入力回路
130 メモリ回路
131 内線テーブル
132 履歴情報テーブル

Claims (15)

  1. 複数の電話機による電話通信を制御し、前記複数の電話機を、インターネット網に接続するローカルネットワークを介して接続した主電話制御装置において、
    前記複数電話機に個別にプライベートな前記IPアドレスを割り当てるIPアドレス割り当て回路と、前記IPアドレス割り当て回路により割り当てられた前記IPアドレスをニックネーム毎に前記電話機の内線番号とともに記憶する記憶手段とを含み、前記複数電話機に個別にプライベートなIPアドレスを割り当てるとともに、前記電話機に個別のニックネーム毎に前記IPアドレスを前記内線番号とともに管理し、さらに割り当てられた前記IPアドレスを前記電話機に通知する管理回路と、
    前記IPアドレスを利用して前記電話機との間の通信及び前記インターネット網との間の通信を制御するための制御回路と、
    前記電話機からの登録要求メッセージを受信する受信手段と、
    を含み、前記ニックネームは、前記電話機に共通に使用され前記インターネット網に登録されたグローバルなドメイン名と識別情報とを有し、前記ニックネームの前記識別情報は、ユーザ識別部と前記電話機の内線番号を示す内線番号識別部とを有し、前記登録要求メッセージは、前記ニックネームを含み、
    前記制御回路は前記受信手段を介して受信した前記登録要求メッセージ中の前記ニックネーム及び当該ニックネームに含まれる内線番号を前記電話機のIPアドレスに対応して前記記憶手段に格納するよう制御することを特徴とする主電話制御装置。
  2. 前記登録要求メッセージが前記ニックネームの代わりに前記ユーザ識別部を含むことを特徴とする請求項1に記載された主電話制御装置。
  3. 前記登録要求メッセージが前記ニックネームの代わりに前記内線番号を含むことを特徴とする請求項1に記載された主電話制御装置。
  4. 前記記憶手段は、前記ニックネーム毎に前記IPアドレスと前記電話機の内線番号と通信の履歴情報とを記憶することを特徴とする請求項1または2に記載された主電話制御装置。
  5. 前記複数の電話機の中の発信側電話機から相手電話機の前記ニックネームか前記ユーザ識別部か前記内線番号識別部を含む接続要求メッセージを受信する受信手段をさらに含み、前記制御回路は、前記接続要求メッセージ中の前記ニックネームか前記ユーザ識別部の情報か前記内線番号識別部の内線番号に基づき前記記憶手段から前記相手電話機の前記IPアドレスを取得し、前記発信側電話機と前記相手電話機との通話を行うよう制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載された主電話制御装置。
  6. 前記インターネット網を経由して発信側の電話機から相手電話機の前記ニックネームか前記ユーザ識別部か前記内線番号識別部を含む接続要求メッセージを受信する受信手段を含み、前記制御回路は、接続要求メッセージ中の前記ニックネームか前記ユーザ識別部の情報か前記内線番号識別部の内線番号に基づき前記記憶手段から前記相手電話機の前記IPアドレスを取得し、前記発信側電話機と前記相手電話機との通話を行うよう制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載された主電話制御装置。
  7. 前記受信手段は、前記ローカルネットワークのインタフェース回路と、前記登録要求メッセージを認識する回路とを有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載された主電話制御装置。
  8. 前記受信手段は、前記ローカルネットワークのインタフェース回路と、前記接続要求メッセージを認識する回路とを有することを特徴とする請求項5または6に記載された主電話制御装置。
  9. 前記ニックネームを入力する入力手段をさらに含み、前記制御回路は前記入力手段から入力された前記ニックネームを前記記憶手段に格納するよう制御することを特徴とする請求項1に記載された主電話制御装置。
  10. さらに前記記憶手段に記憶された前記IPアドレスに対する前記ニックネームの対応テーブルを前記インターネット網を介して他の通信装置に転送するための通信回路を含むことを特徴とする請求項1に記載された主電話制御装置。
  11. 複数の電話機と、前記複数の電話機による電話通信を制御し、前記複数の電話機を、インターネット網に接続するローカルネットワークを介して接続した主電話制御装置とを有する電話通信装置において、
    前記主電話制御装置は、
    前記複数電話機に個別にプライベートな前記IPアドレスを割り当てるIPアドレス割り当て回路と、前記IPアドレス割り当て回路により割り当てられた前記IPアドレスをニックネーム毎に前記電話機の内線番号とともに記憶する記憶手段とを含み、前記複数電話機に個別にプライベートなIPアドレスを割り当てるとともに、前記電話機に個別のニックネーム毎に前記IPアドレスを前記内線番号とともに管理し、さらに割り当てられた前記IPアドレスを前記電話機に通知する管理回路と、
    前記IPアドレスを利用して前記電話機との間の通信及び前記インターネット網との間の通信を制御するための制御回路と、
    前記電話機からの登録要求メッセージを受信する受信手段と、
    を含み、前記ニックネームは、前記電話機に共通に使用され前記インターネット網に登録されたグローバルなドメイン名と識別情報とを有し、前記識別情報は、ユーザ識別部と前記電話機の内線番号を示す内線番号識別部とを有し、前記登録要求メッセージは、前記ニックネームを含み、
    前記制御回路は前記受信手段を介して受信した前記登録要求メッセージ中の前記ニックネーム及び当該ニックネームに含まれる内線番号を前記電話機のIPアドレスに対応して前記記憶手段に格納するよう制御することを特徴とする電話通信装置。
  12. 前記各電話機は、前記制御回路により、割り当てられた前記IPアドレスを記憶する手段を有することを特徴とする請求項11に記載された電話通信装置。
  13. 前記電話機は、前記ニックネームの登録時に、前記登録要求メッセージを前記主電話制御装置に送信する手段を有することを特徴とする請求項11または12に記載された電話通信装置。
  14. 前記電話機は、相手電話機との接続時に、相手電話機に対応する前記ニックネームか前記ユーザ識別部か前記内線番号識別部を付加した接続要求のためのパケットを前記主電話制御装置に送信する手段を有することを特徴とする請求項11,12または13に記載された電話通信装置。
  15. 複数の電話機による電話通信を制御し、前記複数の電話機を、インターネット網に接続するローカルネットワークを介して接続した主電話制御装置によって、前記複数の電話機に対するIPアドレスを設定し管理する方法において、
    前記複数電話機に個別にプライベートなIPアドレスを割り当て、前記電話機に個別のニックネーム毎に前記IPアドレスを前記電話機の内線番号とともに管理することを特徴とし、
    前記ニックネームに、前記電話機に共通に使用され前記インターネット網に登録されたグローバルなドメイン名と識別情報とを使用し、前記識別情報は、ユーザ識別部と前記電話機の内線番号を示す内線番号識別部とを有し、
    前記複数電話機に個別にプライベートなIPアドレスを割り当てるとともに、前記電話機に個別のニックネーム毎に前記IPアドレスを前記内線番号とともに管理し、さらに割り当てられた前記IPアドレスを前記電話機に通知し
    前記電話機から登録要求メッセージを受信すると、該登録要求メッセージ中の前記ニックネーム及び当該ニックネームに含まれる内線番号を前記電話機のIPアドレスに対応させて管理するようにしたことを特徴とするIPアドレスの管理方法。
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