JP3572751B2 - 二重構造エキゾーストマニホールド - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、エンジンおよび該エンジンの排気ガスを浄化する触媒に連なり、内管を鋳込み、二重管構造に形成されているエキゾーストマニホールドのエンジン側隙間のシール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車において、排気管の下流部に触媒を配置し、排気ガスの浄化を図ることが行われている。この場合、浄化効率の面では、エンジン始動時が問題となる。エンジン始動時には、触媒および排気ガスが共に低温である。よって、触媒温度が活性温度に至らないために、化学変化が起こらず、排気ガス内の未燃成分が十分に反応しきれない状況が発生する。
【0003】
これに対処するため、排気ガスの保温を図った二重管化されたエキゾーストマニホールドが提案されている。二重管エキゾーストマニホールドは、外管の内部に隙間を持たせて内管を同心に配置し、外管と内管との間に中空の断熱層を確保したものである。
【0004】
二重管エキゾーストマニホールドは、外管で構造上の強度を確保し、排気ガス通路を構成する内管の肉厚を極力薄くすることにより、排気ガスの接触する部分の熱容量を小さくすることができる。また、内管と外管との間に中空の断熱層を設けていることにより、外管を通しての熱の逃げを減らすことができる。従って、エンジン始動時に、エキゾーストマニホールドの内壁の温度を速やかに上昇させることができ、排気ガスの保温効果を高めることができる。
【0005】
しかし、ステンレス材等の板材をプレス加工した外管で、薄肉に形成された内管を覆う構造では、外管の板材を塩害等で腐食しないように高価な材料とする必要がある。さらに、溶接している2枚の板材の合わせ面から排気ガスが外気に漏れる恐れがあるため、圧縮空気による漏れ試験や、手直しが発生し、製品として高価なものとなる。このため、内管を鋳鉄で鋳ぐるむ二重管構造の先行技術が特開昭63−215803号公報に開示されている。
【0006】
また、二重構造エキゾーストマニホールドでは、内管と外筒の隙間に排気ガスが漏れると、排気ガスの温度が低下するため、内管と外筒に隙間をシールする必要があり、さらに、内管と外筒との間に大きな温度差が生じるため、両者の熱膨張を吸収しながら外筒で内管を保持する構造を取り入れなければならない。
【0007】
従来、そのような構造の例としては図9〜11に示すものが知られている。
【0008】
図9は内管902の先端部921を外筒901側に折り曲げ、内管902を鋳鉄等により鋳込むことで、二重管エキゾーストマニホールドを形成している。
【0009】
図10は内管1002をサポート1022で保持し、サポート1022を鋳鉄等で鋳込む構造となっている。
【0010】
図11は外筒側に折り曲げていない内管1102を鋳鉄等で鋳込む構造となっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図9に示した内管鋳込み二重構造エキゾーストマニホールドでは、高温の排気ガスに曝されても高温劣化が起き難いステンレス材を、外筒901側におり曲げ径を拡張するため、内管902の肉厚を厚くする必要がある。さらに、内管902を鋳込む時の砂型の砂抜きの穴920を設け、砂抜き加工が終了した後、内管902と外筒901の隙間931から排気ガスが外気に漏れないように砂抜きの穴920をシールする必要がある。また、内管920の折り曲げ部と外筒901の部位では、砂型の砂が抜け難いため、エアーブロー等の砂抜きの行程を追加する必要がある。
【0012】
図10に示した内管鋳込み二重構造エキゾーストマニホールドでは、内管1002をサポート1022で保持するため、内管1002の径を拡張する必要が無く、内管1002を薄くすることができる。しかしながら、内管1002の鋳込み時の砂型の砂抜きの穴1020を設け、砂抜き加工が終了した後、内管1002と外筒1001の隙間1031から排気ガスが外気に漏れないように砂抜きの穴1020をシールする必要がある。サポート1022と外筒1001との間の砂型の砂が抜けにくいのは図9と同様である。
【0013】
図11に示した内管鋳込み二重構造エキゾーストマニホールドでは、内管1102を円筒形の状態で、内管1102の先端を鋳込むため、サポート部品が不必要となり、また、図10と同様に内管1102の径を拡張する必要がないため、内管1102を薄くすることができる。しかしながら、砂型の砂抜きの穴1120を設け、砂抜き加工が終了した後、内管1102と外筒1101の隙間1131から排気ガスが外気に漏れないように砂抜きの穴1120をシールする必要がある。内管1102が鋳込まれている部位で、内管1102と外筒1101との隙間の砂型の砂が抜けにくいのは図9と同様である。
【0014】
本発明は、上記事情を考慮し、内管を鋳鉄で鋳ぐるむことで安価に製造する二重構造エキゾーストマニホールドにおいて、エンジン始動時の排気ガスの昇温特性の向上を図ることができ、しかも、外管と内管の熱膨張差の吸収を確実に行い得るエンジンの二重構造エキゾーストマニホールドを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、ステンレス材で薄肉に形成された内管を鋳鉄で鋳ぐるみ、前記内管内を排気ガスの通路とするエンジンの二重構造エキゾーストマニホールドにおいて、前記内管のエンジン側フランジ部で、帯状の板材の一端を内管の外筒側に溶接固定し、他端は内管よりR形状で外筒に向かって伸び、先端は外筒に鋳込み固定されている複数個の内管保持部材と、前記内管のエンジン側先端は、外筒側に径を拡張しており、該内管の拡張部は、フランジ部端面でエンジンのエキゾーストポートの内径より径を拡大し、前記内管の先端と、エキゾーストマニホールドのエンジン側フランジとは、同一面に加工されている該内管のエンジン側径拡張の先端部と、前記内管の、該内管に溶接固定された前記内管保持部材より下流側において、前記外筒側に向かって該内管の一部をR形状の凸状に膨む内管の熱膨張吸収構造と、エンジンのヘッドと前記エキゾーストマニホールドとの間で排気ガスをシールするガスケットであって、前記内管の径拡張部の内径より小さい穴のガスケットを持つことを特徴とする。
【0016】
請求項2の発明は、請求項1記載の二重構造エキゾーストマニホールドであって、前記内管のエンジン側先端部において、内径を拡張することなくエキゾーストマニホールドのエンジン側フランジ面より内側に位置する内管と、前記ガスケットをステンレス等の金属で形成し、該ガスケットの内側にエキゾーストマニホールド側に折り曲げた円筒部を持ち、該円筒部は、前記エキゾーストマニホールドとエンジンの間に装着された状態で、前記内管の外周に装着されるガスケットを持つことを特徴とする。
【0017】
請求項3の発明は、請求項1記載の二重構造エキゾーストマニホールドであって、前記内管のエンジン側先端部において、エンジン側に向かって径を拡張し、該内管の先端は、エンジン側フランジ面より内側に位置する内管と、前記ガスケットをステンレス等の金属で形成し、該ガスケットの内側をエキゾーストマニホールド側に折り曲げた円筒部を持ち、該円筒部はエキゾーストマニホールドの内部に向かって径を縮小し、前記エキゾーストマニホールドとエンジンの間に装着された状態で、前記内管の径拡張部の内側に装着されるガスケットを持つことを特徴とする。
【0018】
請求項4の発明は、請求項1記載の二重構造エキゾーストマニホールドであって、前記内管のエンジン側先端部において、内径を拡張することなくエキゾーストマニホールドのエンジン側フランジ面よりエンジン側に位置する内管と、エキゾーストマニホールドのフランジとエンジンとの間に、前記内管の外周とエキゾーストマニホールドのフランジに密着する排気ガスをシールする第1のガスケットと、エンジンのエキゾーストポートの内径より大きな穴を持ちエンジンに密着する第2のガスケットと、前記第1のガスケットと前記第2のガスケットの間で、前記内管の外径より大きな穴を持ち、前記内管の先端部が、該サポートの穴の中に位置する厚みを持つサポートを持つことを特徴とする。
【0019】
請求項5の発明は、請求項4記載の二重構造エキゾーストマニホールドであって、前記サポート部材は、前記内管より小さい穴を持ち、前記エキゾーストマニホールド側にU字型の溝を全周にわたり形成し、該U字型の溝の中に前記内管のエンジン側先端部が挿入されることを特徴とする。
【0020】
請求項6の発明は、請求項1記載の二重構造エキゾーストマニホールドであって、前記ガスケットをステンレス等の金属で形成することを特徴とする。
【0021】
請求項7の発明は、請求項1記載の二重構造エキゾーストマニホールドであって、前記内管の、該内管に溶接固定された前記内管保持部材より下流側に、前記外筒側に向かって該内管の一部をR形状の凸状に膨む内管の熱膨張吸収構造を複数個持つことを特徴とする。
【0022】
請求項8の発明は、請求項1記載の二重構造エキゾーストマニホールドであって、前記内管保持部材は、前記内管の外周にスポット溶接で固定されていることを特徴とする。
【0023】
請求項9の発明は、請求項2記載の二重構造エキゾーストマニホールドであって、前記エキゾーストマニホールドのエンジン側フランジ部には、ステンレス等の金属材で円筒形に形成され、外周をエキゾーストマニホールドの鋳造時に鋳込み、内面は、前記フランジ面よりエキゾーストマニホールド内部に向かって内径を絞り、径の最も小さいところで、前記二重構造エキゾーストマニホールドの内管より大きく、かつ、前記内管のエンジン側先端部より内側までの長さを持ち、該内面は平滑に加工され、エンジン側の面は、前記エキゾーストマニホールドのフランジ面と同一面に加工されているか、若しくは、エキゾーストマニホールドの内部に鋳込まれているリングサポートと、前記リングサポートの最も小さい内径と、前記内管の外径との隙間より大きな芯の外径を持つ金属製のリングガスケットからなり、前記エキゾーストマニホールドをエンジンに取り付けた状態で、前記リングガスケットが、前記内管の外周と前記リングサポートの内面と、エンジンのフランジ面との間に密に装着されることを特徴とする。
【0024】
請求項10の発明は、請求項2記載の二重構造エキゾーストマニホールドであって、前記内管のエンジン側先端部に形成されている、前記外筒側に向かって該内管の一部をR形状の凸状に膨らむ内管の熱膨張吸収構造と、前記エキゾーストマニホールドのエンジン側フランジ部において、該フランジのエンジン側平滑面からエキゾーストマニホールド内部に向かって、内径が小さくなるように平面加工されたランジ平滑カット部と、前記フランジ平滑カット部の最も小さい内径と前記内管の外径との隙間より大きな芯の外径を持つ金属製のリングガスケットからなり、前記エキゾーストマニホールドをエンジンに取り付けた状態で、前記リングガスケットが、前記内管のエンジン側先端部の外周、若しくは、前記内管の熱膨張吸収構造の凸部の外周と、前記フランジ平滑カット部と、エンジンのフランジ面との間に密に装着されることを特徴とする。
【0025】
請求項11の発明では、請求項10記載の二重構造エキゾーストマニホールドであって、前記内管に溶接固定されている内管保持部材よりエンジン側の内管において、熱膨張吸収構造を設けることなくエキゾーストマニホールドのエンジン側フランジ面よりエキゾーストマニホールド内部に位置する内管と、前記エキゾーストマニホールドをエンジンに取り付けた状態で、前記リングガスケットが、前記内管のエンジン側先端部の外周と、前記フランジ平滑カット部と、エンジンのフランジ面との間に密に装着されたことを特徴とする。
【0026】
請求項12の発明では、請求項9記載の二重構造エキゾーストマニホールドであって、前記内管のエンジン側の先端部で、内管の径をエンジン側に向かって縮小する内管のエンジン側径縮小の先端部と、内面が前記フランジ面よりエキゾーストマニホールド内部に向かって内径を絞ってあるリングサポートからなり、前記エキゾーストマニホールドをエンジンに取り付けた状態で、前記リングガスケットが、前記内管の径縮小先端部の外周と、前記リングサポートの内面と、エンジンのフランジ面との間に密に装着されることを特徴とする。
【0027】
請求項13の発明は、ステンレス材で薄肉に形成された内管とこの内管の外周を包囲する鋳鉄とからなる外筒とを有し、前記内管内を排気ガスの通路とするエンジンの二重構造エキゾーストマニホールドにおいて、前記内管のエンジン側先端の一部をR形状の凸状に前記外筒側に拡大して該内管の熱膨張吸収構造を形成するとともに、前記エンジンのヘッドと前記エキゾーストマニホールドとの間で排気ガスをシールするエンジン側ガスケットと、該エキゾーストマニホールドとフロントチューブとの間で排気ガスをシールするフロントチューブ側ガスケットとをステンレスなどの金属で形成し、かつ、これらエンジン側ガスケットとフロントチューブ側ガスケットの内径を該熱膨張吸収構造の内径より小さく形成して前記内管の外周に装着されるように構成し、前記外筒のエンジン側の外径を該エンジンの排気口より大きく形成し、該外筒のフロントチューブ側の外径をフロントチューブの径よりも大きく形成し、該外筒のエンジン側フランジとエキゾーストマニホールド側フランジとに内径が徐々に小さくなるように平面加工されたフランジ平滑カット部を設け、前記エキゾーストマニホールドにエンジン、および前記フロントチューブを取付けた状態で、これらエンジン側ガスケットとフロントチューブ側ガスケットが、前記内管の外周と前記フランジ平滑カット部と、エンジンのフランジ面またはフロントチューブのフランジ面にそれぞれ密着するように構成したことを特徴とする。
【0029】
【作用】
請求項1の発明では、内管と内管保持部材を鋳ぐるむ時に使用する内管と外筒の間の隙間を形成するための中子を、内管と外筒の間の隙間との連通部から抜き出すことができるため、中子砂を抜くための砂抜き穴を設ける必要はなく、作業性が向上すると共に、中子が内管と外筒の間に残留することを防止できる。
【0030】
さらに、内管の肉厚を薄くすることができるので、内管の熱容量が小さく内管の壁温が早期に上昇する。従って、排気ガスから内管への伝熱量が低く抑えられ、排気ガスの温度低下が抑制され、その結果、エキゾーストマニホールド後方に設置してある触媒の入口ガス温度を上昇させることができる。
【0031】
また、内管と外筒との隙間をガスケットで塞ぐことになり、排気ガスが内管と外筒の隙間に流れ込むことを防止でき、排気ガス温度が低下する事を抑制できる。
【0032】
また、高温時は、内管保持部材で内管のエンジン側位置は固定され、さらに、外筒側に径を拡張しているため、内管の伸びを小さく押さえ、かつ、僅かな伸びを径方向に吸収することで、先端の破損を防止でき、さらに、内管保持部材の下流側に設けた熱膨張吸収構造により、内管保持部材より下流の内管の熱膨張による伸びを吸収し、内管の破損を防止する。
【0033】
請求項2の発明では、金属製のガスケットの円筒部を、内管の外周に装着するため、排気ガスの内管と外筒の隙間への流れ込みを防止でき、排気ガスの温度低下を抑制できる。
【0034】
また、高温時における、内管に溶接固定されている内管保持部材よりエンジン側の内管の熱膨張による伸びは、金属ガスケットの円筒部で吸収するため、内管の破損を防止できる。
【0035】
請求項3の発明では、金属製のガスケットの円筒部を、内管の内側に装着するため、排気ガスの内管と外筒の隙間への流れ込みを防止でき、排気ガスの温度低下を抑制できる。
【0036】
また、高温時における、内管に溶接固定されている内管保持部材よりエンジン側の内管の熱膨張による伸びは、内管の径拡張部と、金属ガスケットの円筒部で吸収するため、内管の破損を防止できる。
【0037】
請求項4の発明では、内管のエンジン側先端の拡張や、ガスケットの曲げ加工を行うことなく、第1のガスケットで排気ガスの内管と外筒の隙間への漏れを防止し、排気ガス温度の低下を抑制する。また、サポート部材により、高温時の内管の伸びを吸収し、内管破損を防止できる。
【0038】
請求項5の発明では、内管と外筒との隙間への排気ガス漏れを防止する第1ガスケットに、長時間にわたり排気ガスが接することによるガスケットの劣化を抑制でき、耐高温性や耐酸化性の材料にする必要はない。
【0039】
請求項6の発明では、内管の先端の伸びを金属製のガスケットで抑えることになり、内管によるエンジン側への傷の発生を抑制できる。
【0040】
請求項7の発明では、高温時に、内管の熱膨張の伸びによる内管保持部材の劣化を防止できる。
【0041】
請求項8の発明では、内管保持部材の溶接固定が容易となり、また、内管に直接接している部材の熱容量を低減することになり、排気ガス温度の上昇を早めることができる。
【0042】
請求項9の発明では、エキゾーストマニホールドの外筒と内管の隙間と、外筒のフランジ面とエンジンとの間をリングガスケットでシールするため、排気ガスのエキゾーストマニホールド外部への散逸と、内管と外筒の隙間への流れ込みを防止することができ、さらに、エキゾーストマニホールドをエンジンに取り付ける時に、内管の位置決めが容易になる。
【0043】
また、エキゾーストマニホールド本体とは別体のリングサポートを用いることで、リングガスケットの径を小さくすることができる。また、リングサポートの内径は、内管の外径より十分に大きいため、鋳造後の砂抜きは容易である。
【0044】
請求項10の発明では、内管の熱膨張吸収構造のR部と、エキゾーストマニホールドのフランジの平滑カット部をリングガスケットでシールするため、別体のリングサポートを必要としない。
【0045】
請求項11の発明では、円筒形の内管の先端部とエキゾーストマニホールドのフランジの平滑カット部を径の大きなリングガスケットでシールするため、別体のリングサポートや、内管の先端部での熱膨張吸収構造を必要としない。
【0046】
請求項12の発明では、内管の先端部をエンジン側に向かって径を縮小しており、さらに、エキゾーストマニホールドとは別体のリングサポートが、内径をエキマニ内部に向かって径を縮小するため、リングガスケットの装着が容易となる。
【0047】
請求項13の発明では、エキゾーストマニホールドのフロントチューブ側で、内管と外筒との隙間と、外筒とフロントチューブの間をフロントチューブ側ガスケットでシールするため、内管の位置決めと保持が容易となり、エンジン側フランジ部で内管の保持部材を必要としない。また、内管のエンジン側先端の拡張や縮小の加工を行うことなく、エンジン側ガスケットで排気ガスの内管と外筒の隙間への漏れを防止し、排気ガス温度の低下を抑制する。
【0049】
【実施例】
以下、本発明の実施例を、図面に基づいて説明する。
【0050】
図1は、本発明によるエキゾーストマニホールドの外観図である。図2は、本発明によるエキゾーストマニホールドのエンジン側フランジ部のフランジ面加工前で、図2の右側の断面図はI−I断面であり、図3は、図2のフランジ面加工後を示す断面図である。
【0051】
[実施例1]
内管302は、高速走行時等で、高温の排気ガスに曝されるため、酸化や腐食による劣化を防止するため、ステンレス材を用いて薄肉(例えば0.5mm)に成形されている。また、内管302は、プレス加工、もしくは、パイプの曲げ加工により、エキゾーストマニホールドの形状に成形される。内管のエンジン側先端部305は、外筒301側に向かって径を拡張されており、内管の先端部305の径は、フランジ303の面で、エンジンのエキゾーストポートの径より拡大している。内管302のフランジ303部近傍で、内管302の外周部には、帯状の板材で形成された複数個の内管保持部材304が溶接固定されている。内管保持部材304は、内管302から外筒301に向かってR形状に形成されており、その先端は、外筒301に鋳ぐるまれている。
【0052】
内管302の内管保持部材304が溶接されている部位より下流側には、外筒301側に向かって凸状に膨らむ熱膨張吸収部310が形成されている。エキゾーストマニホールドとエンジンとの間で、排気ガスが外部に漏れないようにシールするガスケット311の穴の大きさは、内管302のエンジン側先端部305の内径より大きくなっている。内管302の下流部には、外筒側に向かって凸状に膨らむ熱膨張吸収部310が適宜形成されている。
【0053】
排気管全体の剛性や強度、及び有害な成分を含む排気ガスが外気へ漏れることを防止する構造は、内管302を鋳ぐるむ外筒301で形成される。従って、外筒301自体は、従来より自動車用エンジンに装着されているエキゾーストマニホールドの機能を持つ。さらに、内管302と外筒301は適宜な隙間(例えば、3mmから5mm程度)を持ち、内管302は外筒301とは直接には固定されない。外筒301は、エンジン側フランジ303、及び図示していないフロントチューブ側フランジと一体に成形されている。
【0054】
内管302と内管302に溶接固定された内管保持部材304の先端を二重管形状に鋳ぐるむ場合、内管302と外筒301の隙間に中子を挿入し、鋳ぐるむことになる。鋳造が終了した後、中子砂を取り除くが、中子砂が内管302と外筒301の隙間に取り残されると、中子砂が、図示していない排気管の後方に設置してある触媒に流れ込む恐れがあり、この結果、触媒の性能を低下させ、排気ガスの浄化効率が悪化し、有害な排気ガスを外気に放出する恐れがある。本実施例による二重管構造エキゾーストマニホールドでは、外筒301と内管302との隙間331より、隙間331を形成するための中子砂を抜き取ることができるため、新たなる砂抜き穴を設ける必要が無く、さらに、砂抜きが中子の端部で行われるため、隙間331の中子砂を抜きやすくなり、隙間に中子砂が残ることは無い。また、内管保持部材304は、横幅を小さくしてあるため、図2に示すように隙間331を塞ぐことはなく、中子砂が隙間331に残ることはない。
【0055】
内管302の先端部305は、エンジン側フランジ303面より外側に突き出しており、内管302と内管保持部材304を一体に鋳ぐるみ後、エンジン側フランジ303面を平らに加工する時に、内管302の先端とフランジ303面が同一になるように加工を行う。この結果、内管302の先端がガスケット311に接するため、内管302内の排気ガスが隙間331へ流れ込むことを抑制できる。
【0056】
次に、上記実施例の二重構造エキゾーストマニホールドの作用を説明する。
【0057】
まず、エンジン始動時における排気ガス温度の昇温について説明する。
【0058】
エンジンの停止直後を除き、エンジン始動時の二重構造エキゾーストマニホールドの外筒301及び内管302の温度は、外気温と同じである。エンジン始動後、二重構造エキゾーストマニホールド内では、内管302内を流れる排気ガスによって、まず内管302が暖められる。この結果、内管302の壁温は上昇するが、内管302に与えた熱量だけ排気ガスの温度は低下する。
【0059】
本実施例の二重構造エキゾーストマニホールドでは、内管302の肉厚を薄くしているので、内管302の熱容量が小さく、内管302の壁温が早期に上昇する。従って、排気ガスから内管302への伝熱量が低く抑えられ、排気ガスの温度低下が抑制され、その結果、本実施例の二重構造エキゾーストマニホールドの後方に設置してある触媒の入口ガス温度を早期に上昇させることができる。
【0060】
この時、内管302と外筒301の隙間に排気ガスが漏れ出すと、図8に示すように、特に、エンジン始動直後において、排気管後方に設置してある触媒に流れ込む排気ガス温度を大きく低下させ、排気ガスの浄化効率を悪化させることになる。本実施例による二重管構造エキゾーストマニホールドでは、内管302の先端部は、フランジ303面と同一になっている。フランジ303に取り付けられるガスケット311の穴は内管302の先端部内径より小さいため、内管302の先端は、ガスケット311に接し、内管302と隙間331はガスケット311でシールされ、排気ガスが隙間331へ漏れ出すことを防止でき、触媒の浄化効率を向上させることになる。
【0061】
次に、市街地走行等の排気ガスやエキゾーストマニホールドが十分に暖まった状態では、内管302と外筒301の管壁温の違い、及び管を構成する材料の違いのため、内管302と外筒301との間に熱膨張の差が生じる。
【0062】
すなわち、外筒301は、直接排気ガスに曝されず、また、走行風により冷却されるため、表面温度が低くなり、内管302に比べて、熱膨張が少ない。一方、高温の排気ガスに直接曝され、内管302と外筒301の隙間331の空気層で断熱される内管302は高温となり、大きな熱膨張が発生する。
【0063】
内管302全体の熱膨張は、その大部分を内管302の途中に適宜形成してある、外筒側に向かって凸状に形成された熱膨張吸収部310により吸収される。エンジン側フランジ303部では、内管302の熱膨張による伸びが、内管保持部材304近傍の熱膨張吸収部310で吸収されるため、内管保持部材304へ応力は緩和され、内管保持部材304の変形及び破損を防止できる。
【0064】
内管保持部材304により、内管302の内管保持部材304が溶接固定されている位置は固定されるため、内管302の内管保持部材304よりエンジン側の熱膨張による伸びは僅かな量となる。この僅かな伸びは、内管302のエンジン側先端部305での外筒301への径の拡大と、内管保持部材304のR部で吸収される。このため、内管302の伸びが、ガスケット311とエンジンに抑えられ、内管302の先端部305が破損することを防止できる。
【0065】
二重構造エキゾーストマニホールドのフロントチューブ側のフランジ部構造についても、エンジン側フランジ303部構造と同様の構造とすることで、砂抜きの穴を設けることなく、中子砂を効率よく抜き出すことができ、さらに、排気ガスが隙間331へ漏れることによるガス温低下を抑制し、さらに、熱膨張と収縮による内管302の破損を防止できる。
【0066】
[実施例2]
図4は、本発明の実施例2のエンジン側フランジ部の断面図を示す。内管402には、内管保持部材404が溶接固定されており、内管保持部材404の下流には、外筒401側に向かって凸状に膨らむ熱膨張吸収部410が形成されている。内管402のエンジン側先端部406は、径の大きさを変えることなくエンジン側に伸びており、先端部406は、エンジン側フランジ403面より内側に位置する。エキゾーストマニホールドとエンジンをシールするガスケット411は、ステンレス等の金属で成形されており、内側は、エキゾーストマニホールド側に向かって折り曲げられ、円筒部412を形成している。円筒部412の内径は、内管402の外径より僅かに大きく形成されている。
【0067】
エンジンとエキゾーストマニホールドのフランジ403の間にガスケット411が装着された状態で、エキゾーストマニホールドの内管402の外周は、ガスケットの円筒部412の中に挿入される。この時、内管402とガスケットの円筒部412の隙間は小さいため嵌合状態となる。なお、内管保持部材404と熱膨張吸収部410の構造及び作用は実施例1と同じである。
【0068】
本実施例による二重構造エキゾーストマニホールドでは、内管402がガスケットの円筒部412に密着挿入されているため、内管402内を流れる排気ガスが、内管402と外筒401との隙間431へ流れ込むのを、大部分抑制できる。また、高温時では、内管402の内管保持部材404との溶接固定部よりエンジン側の熱膨張による伸びは、内管402とガスケットの円筒部412は固定されていないため、内管402がガスケットの円筒部412内を移動することで吸収される。
【0069】
[実施例3]
図5は、本発明の実施例3のエンジン側フランジ部の断面図を示す。内管502には、内管保持部材504が溶接固定されており、内管保持部材504の下流には、外筒501側に向かって凸状に膨らむ熱膨張吸収部510が形成されている。内管のエンジン側先端部505は、外筒501側に向かって径を拡張されており、内管の先端部505の径は、先端部で、エンジンのエキゾーストポートの径より拡大している。内管502のエンジン側先端部505は、エキゾーストマニホールドのエンジン側フランジ503より内側に位置する。エキゾーストマニホールドとエンジンをシールするガスケット511は、耐酸化性や耐高温性のステンレス等の金属で成形されており、内側は、エキゾーストマニホールド側に向かって折り曲げられ、円筒部512を形成している。該円筒部512は、ガスケット511の円盤状の面より先端に向かって径を僅かに縮小しており、円筒部512の外径は、内管502の先端部505の内径より僅かに小さく形成されている。
【0070】
エンジンとエキゾーストマニホールドのフランジ503の間にガスケット511が装着された状態で、ガスケット511の円筒部512は、エキゾーストマニホールドの内管502の中に挿入される。この時、内管502の先端部505は、径を先端に向かって拡大しており、一方、ガスケット511の円筒部512の先端は径を縮小しているため、嵌合状態となる。なお、内管保持部材504と熱膨張吸収部510の構造及び作用は実施例1と同じである
本実施例による二重構造エキゾーストマニホールドでは、ガスケットの円筒部512が内管502に密着挿入されているため、内管502内を流れる排気ガスが、内管502と外筒501との隙間531へ流れ込むのを、前記実施例に比べて、さらに抑制できる。また、高温時では、内管502の内管保持部材504との溶接固定部よりエンジン側の熱膨張による伸びは、内管502とガスケット511の円筒部512は固定されていないため、内管502がガスケットの円筒部512の外周を移動することで吸収される。
【0071】
[実施例4]
図6は、本発明の実施例4のエンジン側フランジ部の断面図を示す。内管602には、内管保持部材604が溶接固定されており、内管保持部材604の下流には、外筒601側に向かって凸状に膨らむ熱膨張吸収部610が形成されている。内管602のエンジン側先端部606は、径の大きさを変えることなくエンジン側に伸びており、先端部606は、エンジン側フランジ603面より外側に位置する。
【0072】
エンジンとエキゾーストマニホールドの間には、排気ガスをシールする第1のガスケット611とサポート部材614と第2のガスケット613が装着されている。第1のガスケットは、穴の径を内管602の外径より僅かに大きく形成され、内管602を保持するように、エキゾーストマニホールドのエンジン側フランジ603に密着する。また、第1のガスケット611は、高温の排気ガスにその一部を曝されるため、耐高温性と耐酸化性の材質で形成されている。第2のガスケットは、内管602、及びエンジンのエキゾーストポートの内径より大きく、エンジン側に密着している。サポート部材614は、内管602の外径より大きな穴を持ち、第1のガスケット611と第2のガスケット613の間に挿入され、内管602の先端部606が、サポート部材614の中に位置する。なお、内管保持部材604と熱膨張吸収部610の構造及び作用は実施例1と同じである。
【0073】
本実施例による二重構造エキゾーストマニホールドでは、内管602が第1のガスケット611に密着挿入されているため、内管602内を流れる排気ガスが、内管602と外筒601との隙間631へ流れ込むのを抑制できる。また、第1のガスケット611で内管602を保持するための内管602のフランジ603面より突き出している部分と、高温時での、内管602の内管保持部材604との溶接固定部よりエンジン側の熱膨張による伸びは、内管602の外径より大きな穴径を持つサポート部材614内で吸収される。この時、内管602全体の伸びは、実施例1と同様に、内管602の途中に形成されている熱膨張吸収部610で吸収されるため、サポート部材614内での内管602の伸びは僅かであるため、内管602の先端606が、エンジンに突き当たり破損することはない。
【0074】
[実施例5]
図7は、本発明の実施例5のエンジン側フランジ部の断面図を示す。第1のガスケット711と第2のガスケット713の間に挿入されているサポート714と、内管702以外の構造は実施例4と同じである。内管702は、熱膨張吸収部710よりエンジン側において、内径をエンジンのエキゾーストポートの内径より大きくしてある。それ以外の構造は実施例4と同じである。サポート部材714は、穴の内径をエンジンのエキゾーストポートと同等で、エキゾーストマニホールドの内管702の先端部706の内径より小さく成形してある。サポート部材714のエキゾーストマニホールド側には、U字型の溝715を全周にわたって形成されている。エキゾーストマニホールドをエンジンに取り付けた状態で、サポート部材714のU字型の溝715に内管702の先端部706が挿入される。
【0075】
本実施例による二重構造エキゾーストマニホールドでは、第1のガスケット711に排気ガスが直接当たるのを防ぎ、第1のガスケット711の劣化を防止できるため、第1のガスケット711を耐酸化性や耐高温性の材料にする必要がない。その他の効果、実施例4と同じである。
【0076】
なお、内管702の内径を大きくする部位は、熱膨張吸収部710以外でも効果に変わりはなく、また、内管702の先端部706が、外筒701に向かって径を拡張しても効果は同じである。
【0077】
[実施例6]
実施例1において、排気ガスをシールするガスケット311を材料を耐酸化性や耐高温性のステンレス等の金属としたものである。
【0078】
本実施例では、内管302の先端305の伸びを金属製のガスケット311で抑えることになり、内管302によるエンジン側への傷の発生を抑制できる。
【0079】
[実施例7]
実施例1において、内管302の熱膨張吸収部310を、内管保持部材304が溶接されている部位より下流側に複数個設置するものである。
【0080】
本実施例では、内管保持部材304にかかる応力を低減することができ、内管保持部材304を対応力性の低いものとする事ができる。
【0081】
[実施例8]
実施例1において、内管保持部材304の内管302への溶接を、スポット溶接としたものである。
【0082】
本実施例では、内管保持部材304の内管302への溶接が容易となり、また、内管302との接触部が少なくなるため、内管302から外筒301へ逃げる熱量が低減され、内管302の壁温低下を抑制し、引いては、排気ガス温度の早期上昇に繋がる。
【0083】
[実施例9]
図12は、本発明の実施例9のエンジン側フランジ部の断面図であって、エンジンに取り付ける前の状態を、図13は、エンジンに装着した状態を示す。
【0084】
内管1202には、内管保持部材1204が溶接固定されており、内管保持部材1204の下流には、外筒1201側に向かって凸状に膨らむ熱膨張吸収部1210が形成されている。内管1202のエンジン側先端部は、径の大きさを変えることなくエンジン側に伸びており、内管1202の先端部は、エンジン側フランジ1203面より内側に位置する。エキゾーストマニホールドのエンジン側フランジ部1203には、ステンレス等の金属材で形成されたリングサポート1232が鋳込まれている。リングサポート1232のエキゾーストマニホールドのフランジ1203側は、フランジ1203と同一面に加工されているか、フランジ1203内に位置し、内管1202のエンジン側先端部がリングサポート1232の長さ方向で中心部近傍に位置するような長さを持つ。また、リングサポート1232の内面は、エキゾーストマニホールドのフランジ面1203から内部に向かって径を絞るように、平滑に加工されている。リングガスケット1233の芯の外径は、内管1202のエンジン側先端の円筒形部外径と、リングサポート1232の最も径の小さい内径との隙間より大きくなっている。
【0085】
エンジンに、エキゾーストマニホールド1201が取り付けられた状態で、リングガスケット1233は、内管1202のエンジン側先端の円筒部外周と、リングサポート1232の平滑に加工された内面と、エンジンのフランジ面に密に接触するため、内管1202と外筒1201の隙間1231と、内管1202内とは、エキゾーストマニホールドのエンジン側でシールされる。なお、内管保持部材1204と熱膨張吸収部1210の構造及び作用は実施例1と同じである。
【0086】
本実施例による二重構造エキゾーストマニホールドでは、リングサポート1232と内管1202との間は大きく隙間が形成されているため、鋳造後の中子砂が抜きやすく、隙間に中子砂が残ることはない。
【0087】
エキゾーストマニホールドのエンジン側では、内管1202の先端部と外筒1201は、リングサポート1232を介して、リングガスケット1233でシールされているため、内管1202内を流れる排気ガスが、隙間1231へ漏れ出すことを防止でき、触媒の浄化効率を向上させることになる。さらに、エキゾーストマニホールドのフランジ1203とエンジンのフランジ部は、同様に、リングサポート1232を介して、リングガスケット1233でシールされているため、排気ガスが外気へ漏れることはない。また、高温時では、内管1202の内管保持部材1204との溶接固定部よりエンジン側の熱膨張による伸びは、内管1202とリングガスケット1233は固定されていないため、内管1202がリングガスケット1233内を移動することで吸収される。
【0088】
なお、エキゾーストマニホールドのフランジ1203とエンジンのフランジ面に、板状のガスケットを装着しても同じ作用である。
【0089】
[実施例10]
図14は、本発明の実施例10のエンジン側フランジ部の断面図を示す。内管1402のエンジン側先端部は、径の大きさを変えることなくエンジン側に伸びており、内管1402の先端部には、外筒1401側に向かって凸状に膨らむ熱膨張吸収部1410が形成され、その先端はエンジン側フランジ1403面より内側に位置する。
【0090】
エキゾーストマニホールドのフランジ1403部の内管1402側には、エンジン側平滑面からエキゾーストマニホールド内部に向かって、内径が小さくなるようにフランジ平滑カット部1434が平面加工されている。リングガスケット1433の芯の外径は、内管1402のエンジン側先端の円筒形部外径と、フランジ平滑カット部1434の最も径の小さい内径との隙間より大きくなっている。
【0091】
エンジンに、エキゾーストマニホールド1401が取り付けられた状態で、リングガスケット1433は、内管1402のエンジン側先端の円筒部外周及び、内管1402のエンジン側先端部に形成した熱膨張吸収部1410のR形状の凸部と、エキゾーストマニホールドのフランジ平滑カット部1434の平面と、エンジンのフランジ面に密に接触するため、内管1402と外筒1401の隙間1431と、内管1402内とは、エキゾーストマニホールドのエンジン側でシールされる。
【0092】
本実施例による二重構造エキゾーストマニホールドでは、外筒1401と内管1402との間は狭くなるが、隙間は形成されているため、鋳造後の中子砂が抜き難くなることはなく、また、隙間に中子砂が残ることはない。
【0093】
エキゾーストマニホールドのエンジン側では、内管1402の先端部、及び、先端部近傍の熱膨張吸収部1410と外筒1401は、リングガスケット1433でシールされているため、内管1402内を流れる排気ガスが、隙間1431へ漏れ出すことが防止でき、触媒の浄化効率を向上させることになる。エキゾーストマニホールド1401とエンジンのフランジ面からの排気ガス漏れ防止は、実施例9と同じである。また、高温時の内管1402の熱膨張は、内管1402のエンジン側先端部に形成された熱膨張吸収部1410で吸収される。
【0094】
[実施例11]
図15は、本発明の実施例11のエンジン側フランジ部の断面図を示す。内管1502のエンジン側先端部は、径の大きさを変えることなくエンジン側に伸びており、その先端はエンジン側フランジ1503面より内側に位置する。エキゾーストマニホールドをエンジンに取り付けた状態で、エキゾーストマニホールドのフランジ1503面と、エンジンのフランジ面の間には、板状のガスケット1511が装着されている。内管1502の先端部と板状のガスケット以外の構造は、実施例10と同じである。
【0095】
本実施例による二重構造エキゾーストマニホールドでは、リングガスケット1533の芯の外径が大きくなるため、高温時に、排気ガスの圧力が高くなり、排気ガスがリングガスケット1533から外気へ逃げる恐れがあるが、板状ガスケット1511により防止できる。なお、高温時に、排気ガスが内管1502と外筒1501の隙間1531へ漏れても問題はない。
【0096】
[実施例12]
図16は、本発明の実施例12のエンジン側フランジ部の断面図を示す。内管1602の先端部は、エンジン側に向かって径を縮小する径縮小部1635からなる。内管1602の径縮小部1635以外の構造は、実施例9と同じである。
【0097】
本実施例による二重構造エキゾーストマニホールドでは、内管1602のエンジン側先端部に径縮小部1635を形成しているため、リングガスケット1633の取付が容易になる。
【0098】
[実施例13]図17、図18は、本発明の実施例13のエンジン側フランジ部の断面図、及びフロントチューブ側断面図を示す。本実施例は、エキゾーストマニホールドのエンジン側で、実施例10において、内管1702を外筒1701に固定するための内管保持部材を廃止した構造である。エキゾーストマニホールドのフロントチューブ1843側では、内管1802のフロントチューブ1843側先端部が、径を変更することなく、エキゾーストマニホールドのフロントチュープ側フランジ1844面より、フロントチューブ1843側に位置している。エキゾーストマニホールド1801のフロントチューブ側フランジ1844部においては、フランジ1844のフロントチューブ側平滑面からエキゾーストマニホールド内部に向かって、内径が小さくなるようにフランジ平滑カット部1834が平面加工されている。フロントチューブ1843は、エキゾーストマニホールドの内管1802の外径より大きな内径を持つ。フロントチューブ側ガスケットとしての金属製のリングガスケット1833は、フランジ平滑カット部1834の最も小さい内径と、エキゾーストマニホールドの内管1802の外径との隙間より大きな芯の外径を持つ。エキゾーストマニホールド1801にフロントチューブ1843を取り付けた状態で、リングガスケット1833が、エキゾーストマニホールドの内管1802の外周と、フランジ平滑カット部1834と、フロントチューブ1843のフランジ1842面に密に装着される。
【0099】
本実施例による二重構造エキゾーストマニホールドでは、エキゾーストマニホールドの内管1702,1802が、エンジン側ガスケットとしてのリングガスケット1733と、リングガスケット1833によって位置決め、及び保持されるため、内管1702,1802の位置決めと保持のための内管保持部材を必要としない。
【0100】
[実施例14]
図19は、本発明の実施例14のエンジン側フランジ部の断面図を示す。内管1902のエンジン側先端部1906は、径の大きさを変えることなくエンジン側に伸びており、先端部1906は、エンジン側フランジ1903面より外側に位置する。
【0101】
エンジンとエキゾーストマニホールドの間には、サポート部材1914と板状ガスケット1913が装着されている。サポート部材1914は、内管1902の外径より大きな穴を持ち、エキゾーストマニホールドのフランジ1903と板状ガスケット1913の間に挿入され、内管1902の先端部1906が、サポート部材1914の中に位置する。エキゾーストマニホールドのフランジ部1903の内管1902側には、エンジン側平滑面からエキゾーストマニホールド内部に向かって、内径が小さくなるようにフランジ平滑カット部1934が平面加工されている。リングガスケット1933の芯の外径は、内管1902のエンジン側先端の円筒形部外径と、フランジ平滑カット部1934の最も径の小さい内径との隙間より大きくなっている。
【0102】
エンジンに、エキゾーストマニホールド1901が取り付けられた状態で、エキゾーストマニホールドの内管の先端部1906とサポート部材1914とは密着はしないが、リングガスケット1933は、内管1902のエンジン側先端の円筒部外周と、エキゾーストマニホールドのフランジ平滑カット部1934の平面と、サポート部材のエキゾーストマニホールド側平面に密に接触するため、内管1902と外筒1901の隙間1931と、内管1902内とは、エキゾーストマニホールドのエンジン側でシールされる。
【0103】
本実施例による二重構造エキゾーストマニホールドでは、高温時における内管1902の内管保持部材1904との溶接固定部よりエンジン側の熱膨張による伸びは、内管1902の外径より大きな穴径を持つサポート部材1914内で吸収される。
【0104】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、内管と内管保持部材を鋳ぐるむ時に使用する内管と外筒の間の隙間を形成するための中子を、内管と外筒の間の隙間との連通部から抜き出すことができるため、中子砂を抜きための砂抜き穴を設ける必要はなく、作業性が向上すると共に、中子が内管と外筒の間に残留することを防止できる。
【0105】
さらに、内管の肉厚を薄くすることができるので、内管の熱容量が小さく内管の壁温が早期に上昇する。従って、排気ガスから内管への伝熱量が低く抑えられ、排気ガスの温度低下が抑制され、その結果、エキゾーストマニホールド後方に設置してある触媒の入口ガス温度を上昇させることができる。
【0106】
また、内管と外筒との隙間をガスケットで塞ぐことになり、排気ガスが内管と外筒の隙間に流れ込むことを防止でき、排気ガス温度が低下する事を抑制できる。
【0107】
また、高温時は、内管保持部材で内管のエンジン側位置は固定され、さらに、外筒側に径を拡張しているため、内管の伸びを小さく押さえ、かつ、僅かな伸びを径方向に吸収することで、先端の破損を防止でき、さらに、内管保持部材の下流側に設けた熱膨張吸収構造により、内管保持部材より下流の内管の熱膨張による伸びを吸収し、内管の破損を防止する。
【0108】
請求項2の発明によれば、金属製のガスケットの円筒部を、内管の外周に装着するため、排気ガスの内管と外筒の隙間への流れ込みを防止でき、排気ガスの温度低下を抑制できる。
【0109】
また、高温時における、内管に溶接固定されている内管保持部材よりエンジン側の内管の熱膨張による伸びは、金属ガスケットの円筒部で吸収するため、内管の破損を防止できる。
【0110】
請求項3の発明によれば、金属製のガスケットの円筒部を、内管の内側に装着するため、排気ガスの内管と外筒の隙間への流れ込みを防止でき、排気ガスの温度低下を抑制できる。
【0111】
また、高温時における、内管に溶接固定されている内管保持部材よりエンジン側の内管の熱膨張による伸びは、内管の径拡張部と、金属ガスケットの円筒部で吸収するため、内管の破損を防止できる。
【0112】
請求項4の発明によれば、内管のエンジン側先端の拡張や、ガスケットの曲げ加工を行うことなく、第1のガスケットで排気ガスの内管と外筒の隙間への漏れを防止し、排気ガス温度の低下を抑制する。また、サポート部材により、高温時の内管の伸びを吸収し、内管破損を防止できる。
【0113】
請求項5の発明によれば、内管と外筒との隙間への排気ガス漏れを防止する第1ガスケットに、長時間にわたり排気ガスが接することによるガスケットの劣化を抑制できる。
【0114】
請求項6の発明によれば、内管の先端の伸びを金属製のガスケットで抑えることになり、内管によるエンジン側への傷の発生を抑制できる。
【0115】
請求項7の発明によれば、高温時に、内管の熱膨張の伸びによる内管保持部材の劣化を防止できる。
【0116】
請求項8の発明によれば、内管保持部材の溶接固定が容易となり、また、内管に直接接している部材の熱容量を低減することになり、排気ガス温度の上昇を早めることができる。
【0117】
請求項9の発明によれば、エキゾーストマニホールドの外筒と内管の隙間と、外筒のフランジ面とエンジンとの間をリングガスケットでシールするため、排気ガスのエキゾーストマニホールド外部への散逸と、内管と外筒の隙間への流れ込みを防止することができ、さらに、エキゾーストマニホールドをエンジンに取り付ける時に、内管の位置決めが容易になる。
【0118】
また、エキゾーストマニホールド本体とは別体のリングサポートを用いることで、リングガスケットの径を小さくすることができる。また、リングサポートの内径は、内管の外径より十分に大きいため、鋳造後の砂抜きは容易である。
【0119】
請求項10の発明によれば、内管の熱膨張吸収構造のR部と、エキゾーストマニホールドのフランジの平滑カット部をリングガスケットでシールするため、別体のリングサポートを必要としない。
【0120】
請求項11の発明によれば、円筒形の内管の先端部とエキゾーストマニホールドのフランジの平滑カット部を径の大きなリングガスケットでシールするため、別体のリングサポートや、内管の先端部での熱膨張吸収構造を必要としない。
【0121】
請求項12の発明によれば、内管の先端部をエンジン側に向かって径を縮小しており、さらに、エキゾーストマニホールドとは別体のリングサポートが、内径をエキマニ内部に向かって径を縮小するため、リングガスケットの装着が容易となる。
【0122】
請求項13の発明によれば、エキゾーストマニホールドのフロントチューブ側で、内管と外筒との隙間と、外筒とフロントチューブの間をフロントチューブ側ガスケットでシールするため、内管の位置決めと保持が容易となり、エンジン側フランジ部で内管の保持部材を必要としない。また、内管のエンジン側先端の拡張や縮小の加工を行うことなく、エンジン側ガスケットで排気ガスの内管と外筒の隙間への漏れを防止し、排気ガス温度の低下を抑制する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した自動車のエキゾーストマニホールドの概略構造図である。
【図2】本発明の実施例を示すエキゾーストマニホールドのフランジ面加工前を示す断面図である。
【図3】本発明の実施例を示すエンジンに装着した状態を示す図である。
【図4】本発明の実施例2を示すエンジンに装着した状態を示す図である。
【図5】本発明の実施例3を示すエンジンに装着した状態を示す図である。
【図6】本発明の実施例4を示すエンジンに装着した状態を示す図である。
【図7】本発明の実施例5を示すエンジンに装着した状態を示す図である。
【図8】本発明による触媒に流入する排気ガス温度の変化を示す図である。
【図9】従来例の縦断面図である。
【図10】従来例の縦断面図である。
【図11】従来例の縦断面図である。
【図12】本発明の実施例9を示すエンジンに装着する前の状態を示す図である。
【図13】本発明の実施例9を示すエンジンに装着した状態を示す図である。
【図14】本発明の実施例10を示すエンジンに装着した状態を示す図である。
【図15】本発明の実施例11を示すエンジンに装着した状態を示す図である。
【図16】本発明の実施例12を示すエンジンに装着した状態を示す図である。
【図17】本発明の実施例13を示すエンジンに装着した状態を示す図である。
【図18】本発明の実施例13を示すフロントチューブに装着した状態を示す図である。
【図19】本発明の実施例14を示すエンジンに装着した状態を示す図である。
【符号の説明】
301,401,501,601,701,1201 外筒
302,402,502,602,702,1202 内管
303,403,503,603,703,1203 フランジ
304,404,504,604,704,1204 内管保持部材
310,410,510,610,710,1210 熱膨張吸収構造
311,411,511 ガスケット
613,713 第2ガスケット
614,714,1914 サポート
331,431,531,631,731,1231 内管と外筒の隙間
1232 リングサポート
1233,1833 リングガスケット
1434,1834 フランジ平滑カット部
1635 内管径縮小部
1843 フロントチューブ
【産業上の利用分野】
本発明は、エンジンおよび該エンジンの排気ガスを浄化する触媒に連なり、内管を鋳込み、二重管構造に形成されているエキゾーストマニホールドのエンジン側隙間のシール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車において、排気管の下流部に触媒を配置し、排気ガスの浄化を図ることが行われている。この場合、浄化効率の面では、エンジン始動時が問題となる。エンジン始動時には、触媒および排気ガスが共に低温である。よって、触媒温度が活性温度に至らないために、化学変化が起こらず、排気ガス内の未燃成分が十分に反応しきれない状況が発生する。
【0003】
これに対処するため、排気ガスの保温を図った二重管化されたエキゾーストマニホールドが提案されている。二重管エキゾーストマニホールドは、外管の内部に隙間を持たせて内管を同心に配置し、外管と内管との間に中空の断熱層を確保したものである。
【0004】
二重管エキゾーストマニホールドは、外管で構造上の強度を確保し、排気ガス通路を構成する内管の肉厚を極力薄くすることにより、排気ガスの接触する部分の熱容量を小さくすることができる。また、内管と外管との間に中空の断熱層を設けていることにより、外管を通しての熱の逃げを減らすことができる。従って、エンジン始動時に、エキゾーストマニホールドの内壁の温度を速やかに上昇させることができ、排気ガスの保温効果を高めることができる。
【0005】
しかし、ステンレス材等の板材をプレス加工した外管で、薄肉に形成された内管を覆う構造では、外管の板材を塩害等で腐食しないように高価な材料とする必要がある。さらに、溶接している2枚の板材の合わせ面から排気ガスが外気に漏れる恐れがあるため、圧縮空気による漏れ試験や、手直しが発生し、製品として高価なものとなる。このため、内管を鋳鉄で鋳ぐるむ二重管構造の先行技術が特開昭63−215803号公報に開示されている。
【0006】
また、二重構造エキゾーストマニホールドでは、内管と外筒の隙間に排気ガスが漏れると、排気ガスの温度が低下するため、内管と外筒に隙間をシールする必要があり、さらに、内管と外筒との間に大きな温度差が生じるため、両者の熱膨張を吸収しながら外筒で内管を保持する構造を取り入れなければならない。
【0007】
従来、そのような構造の例としては図9〜11に示すものが知られている。
【0008】
図9は内管902の先端部921を外筒901側に折り曲げ、内管902を鋳鉄等により鋳込むことで、二重管エキゾーストマニホールドを形成している。
【0009】
図10は内管1002をサポート1022で保持し、サポート1022を鋳鉄等で鋳込む構造となっている。
【0010】
図11は外筒側に折り曲げていない内管1102を鋳鉄等で鋳込む構造となっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図9に示した内管鋳込み二重構造エキゾーストマニホールドでは、高温の排気ガスに曝されても高温劣化が起き難いステンレス材を、外筒901側におり曲げ径を拡張するため、内管902の肉厚を厚くする必要がある。さらに、内管902を鋳込む時の砂型の砂抜きの穴920を設け、砂抜き加工が終了した後、内管902と外筒901の隙間931から排気ガスが外気に漏れないように砂抜きの穴920をシールする必要がある。また、内管920の折り曲げ部と外筒901の部位では、砂型の砂が抜け難いため、エアーブロー等の砂抜きの行程を追加する必要がある。
【0012】
図10に示した内管鋳込み二重構造エキゾーストマニホールドでは、内管1002をサポート1022で保持するため、内管1002の径を拡張する必要が無く、内管1002を薄くすることができる。しかしながら、内管1002の鋳込み時の砂型の砂抜きの穴1020を設け、砂抜き加工が終了した後、内管1002と外筒1001の隙間1031から排気ガスが外気に漏れないように砂抜きの穴1020をシールする必要がある。サポート1022と外筒1001との間の砂型の砂が抜けにくいのは図9と同様である。
【0013】
図11に示した内管鋳込み二重構造エキゾーストマニホールドでは、内管1102を円筒形の状態で、内管1102の先端を鋳込むため、サポート部品が不必要となり、また、図10と同様に内管1102の径を拡張する必要がないため、内管1102を薄くすることができる。しかしながら、砂型の砂抜きの穴1120を設け、砂抜き加工が終了した後、内管1102と外筒1101の隙間1131から排気ガスが外気に漏れないように砂抜きの穴1120をシールする必要がある。内管1102が鋳込まれている部位で、内管1102と外筒1101との隙間の砂型の砂が抜けにくいのは図9と同様である。
【0014】
本発明は、上記事情を考慮し、内管を鋳鉄で鋳ぐるむことで安価に製造する二重構造エキゾーストマニホールドにおいて、エンジン始動時の排気ガスの昇温特性の向上を図ることができ、しかも、外管と内管の熱膨張差の吸収を確実に行い得るエンジンの二重構造エキゾーストマニホールドを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、ステンレス材で薄肉に形成された内管を鋳鉄で鋳ぐるみ、前記内管内を排気ガスの通路とするエンジンの二重構造エキゾーストマニホールドにおいて、前記内管のエンジン側フランジ部で、帯状の板材の一端を内管の外筒側に溶接固定し、他端は内管よりR形状で外筒に向かって伸び、先端は外筒に鋳込み固定されている複数個の内管保持部材と、前記内管のエンジン側先端は、外筒側に径を拡張しており、該内管の拡張部は、フランジ部端面でエンジンのエキゾーストポートの内径より径を拡大し、前記内管の先端と、エキゾーストマニホールドのエンジン側フランジとは、同一面に加工されている該内管のエンジン側径拡張の先端部と、前記内管の、該内管に溶接固定された前記内管保持部材より下流側において、前記外筒側に向かって該内管の一部をR形状の凸状に膨む内管の熱膨張吸収構造と、エンジンのヘッドと前記エキゾーストマニホールドとの間で排気ガスをシールするガスケットであって、前記内管の径拡張部の内径より小さい穴のガスケットを持つことを特徴とする。
【0016】
請求項2の発明は、請求項1記載の二重構造エキゾーストマニホールドであって、前記内管のエンジン側先端部において、内径を拡張することなくエキゾーストマニホールドのエンジン側フランジ面より内側に位置する内管と、前記ガスケットをステンレス等の金属で形成し、該ガスケットの内側にエキゾーストマニホールド側に折り曲げた円筒部を持ち、該円筒部は、前記エキゾーストマニホールドとエンジンの間に装着された状態で、前記内管の外周に装着されるガスケットを持つことを特徴とする。
【0017】
請求項3の発明は、請求項1記載の二重構造エキゾーストマニホールドであって、前記内管のエンジン側先端部において、エンジン側に向かって径を拡張し、該内管の先端は、エンジン側フランジ面より内側に位置する内管と、前記ガスケットをステンレス等の金属で形成し、該ガスケットの内側をエキゾーストマニホールド側に折り曲げた円筒部を持ち、該円筒部はエキゾーストマニホールドの内部に向かって径を縮小し、前記エキゾーストマニホールドとエンジンの間に装着された状態で、前記内管の径拡張部の内側に装着されるガスケットを持つことを特徴とする。
【0018】
請求項4の発明は、請求項1記載の二重構造エキゾーストマニホールドであって、前記内管のエンジン側先端部において、内径を拡張することなくエキゾーストマニホールドのエンジン側フランジ面よりエンジン側に位置する内管と、エキゾーストマニホールドのフランジとエンジンとの間に、前記内管の外周とエキゾーストマニホールドのフランジに密着する排気ガスをシールする第1のガスケットと、エンジンのエキゾーストポートの内径より大きな穴を持ちエンジンに密着する第2のガスケットと、前記第1のガスケットと前記第2のガスケットの間で、前記内管の外径より大きな穴を持ち、前記内管の先端部が、該サポートの穴の中に位置する厚みを持つサポートを持つことを特徴とする。
【0019】
請求項5の発明は、請求項4記載の二重構造エキゾーストマニホールドであって、前記サポート部材は、前記内管より小さい穴を持ち、前記エキゾーストマニホールド側にU字型の溝を全周にわたり形成し、該U字型の溝の中に前記内管のエンジン側先端部が挿入されることを特徴とする。
【0020】
請求項6の発明は、請求項1記載の二重構造エキゾーストマニホールドであって、前記ガスケットをステンレス等の金属で形成することを特徴とする。
【0021】
請求項7の発明は、請求項1記載の二重構造エキゾーストマニホールドであって、前記内管の、該内管に溶接固定された前記内管保持部材より下流側に、前記外筒側に向かって該内管の一部をR形状の凸状に膨む内管の熱膨張吸収構造を複数個持つことを特徴とする。
【0022】
請求項8の発明は、請求項1記載の二重構造エキゾーストマニホールドであって、前記内管保持部材は、前記内管の外周にスポット溶接で固定されていることを特徴とする。
【0023】
請求項9の発明は、請求項2記載の二重構造エキゾーストマニホールドであって、前記エキゾーストマニホールドのエンジン側フランジ部には、ステンレス等の金属材で円筒形に形成され、外周をエキゾーストマニホールドの鋳造時に鋳込み、内面は、前記フランジ面よりエキゾーストマニホールド内部に向かって内径を絞り、径の最も小さいところで、前記二重構造エキゾーストマニホールドの内管より大きく、かつ、前記内管のエンジン側先端部より内側までの長さを持ち、該内面は平滑に加工され、エンジン側の面は、前記エキゾーストマニホールドのフランジ面と同一面に加工されているか、若しくは、エキゾーストマニホールドの内部に鋳込まれているリングサポートと、前記リングサポートの最も小さい内径と、前記内管の外径との隙間より大きな芯の外径を持つ金属製のリングガスケットからなり、前記エキゾーストマニホールドをエンジンに取り付けた状態で、前記リングガスケットが、前記内管の外周と前記リングサポートの内面と、エンジンのフランジ面との間に密に装着されることを特徴とする。
【0024】
請求項10の発明は、請求項2記載の二重構造エキゾーストマニホールドであって、前記内管のエンジン側先端部に形成されている、前記外筒側に向かって該内管の一部をR形状の凸状に膨らむ内管の熱膨張吸収構造と、前記エキゾーストマニホールドのエンジン側フランジ部において、該フランジのエンジン側平滑面からエキゾーストマニホールド内部に向かって、内径が小さくなるように平面加工されたランジ平滑カット部と、前記フランジ平滑カット部の最も小さい内径と前記内管の外径との隙間より大きな芯の外径を持つ金属製のリングガスケットからなり、前記エキゾーストマニホールドをエンジンに取り付けた状態で、前記リングガスケットが、前記内管のエンジン側先端部の外周、若しくは、前記内管の熱膨張吸収構造の凸部の外周と、前記フランジ平滑カット部と、エンジンのフランジ面との間に密に装着されることを特徴とする。
【0025】
請求項11の発明では、請求項10記載の二重構造エキゾーストマニホールドであって、前記内管に溶接固定されている内管保持部材よりエンジン側の内管において、熱膨張吸収構造を設けることなくエキゾーストマニホールドのエンジン側フランジ面よりエキゾーストマニホールド内部に位置する内管と、前記エキゾーストマニホールドをエンジンに取り付けた状態で、前記リングガスケットが、前記内管のエンジン側先端部の外周と、前記フランジ平滑カット部と、エンジンのフランジ面との間に密に装着されたことを特徴とする。
【0026】
請求項12の発明では、請求項9記載の二重構造エキゾーストマニホールドであって、前記内管のエンジン側の先端部で、内管の径をエンジン側に向かって縮小する内管のエンジン側径縮小の先端部と、内面が前記フランジ面よりエキゾーストマニホールド内部に向かって内径を絞ってあるリングサポートからなり、前記エキゾーストマニホールドをエンジンに取り付けた状態で、前記リングガスケットが、前記内管の径縮小先端部の外周と、前記リングサポートの内面と、エンジンのフランジ面との間に密に装着されることを特徴とする。
【0027】
請求項13の発明は、ステンレス材で薄肉に形成された内管とこの内管の外周を包囲する鋳鉄とからなる外筒とを有し、前記内管内を排気ガスの通路とするエンジンの二重構造エキゾーストマニホールドにおいて、前記内管のエンジン側先端の一部をR形状の凸状に前記外筒側に拡大して該内管の熱膨張吸収構造を形成するとともに、前記エンジンのヘッドと前記エキゾーストマニホールドとの間で排気ガスをシールするエンジン側ガスケットと、該エキゾーストマニホールドとフロントチューブとの間で排気ガスをシールするフロントチューブ側ガスケットとをステンレスなどの金属で形成し、かつ、これらエンジン側ガスケットとフロントチューブ側ガスケットの内径を該熱膨張吸収構造の内径より小さく形成して前記内管の外周に装着されるように構成し、前記外筒のエンジン側の外径を該エンジンの排気口より大きく形成し、該外筒のフロントチューブ側の外径をフロントチューブの径よりも大きく形成し、該外筒のエンジン側フランジとエキゾーストマニホールド側フランジとに内径が徐々に小さくなるように平面加工されたフランジ平滑カット部を設け、前記エキゾーストマニホールドにエンジン、および前記フロントチューブを取付けた状態で、これらエンジン側ガスケットとフロントチューブ側ガスケットが、前記内管の外周と前記フランジ平滑カット部と、エンジンのフランジ面またはフロントチューブのフランジ面にそれぞれ密着するように構成したことを特徴とする。
【0029】
【作用】
請求項1の発明では、内管と内管保持部材を鋳ぐるむ時に使用する内管と外筒の間の隙間を形成するための中子を、内管と外筒の間の隙間との連通部から抜き出すことができるため、中子砂を抜くための砂抜き穴を設ける必要はなく、作業性が向上すると共に、中子が内管と外筒の間に残留することを防止できる。
【0030】
さらに、内管の肉厚を薄くすることができるので、内管の熱容量が小さく内管の壁温が早期に上昇する。従って、排気ガスから内管への伝熱量が低く抑えられ、排気ガスの温度低下が抑制され、その結果、エキゾーストマニホールド後方に設置してある触媒の入口ガス温度を上昇させることができる。
【0031】
また、内管と外筒との隙間をガスケットで塞ぐことになり、排気ガスが内管と外筒の隙間に流れ込むことを防止でき、排気ガス温度が低下する事を抑制できる。
【0032】
また、高温時は、内管保持部材で内管のエンジン側位置は固定され、さらに、外筒側に径を拡張しているため、内管の伸びを小さく押さえ、かつ、僅かな伸びを径方向に吸収することで、先端の破損を防止でき、さらに、内管保持部材の下流側に設けた熱膨張吸収構造により、内管保持部材より下流の内管の熱膨張による伸びを吸収し、内管の破損を防止する。
【0033】
請求項2の発明では、金属製のガスケットの円筒部を、内管の外周に装着するため、排気ガスの内管と外筒の隙間への流れ込みを防止でき、排気ガスの温度低下を抑制できる。
【0034】
また、高温時における、内管に溶接固定されている内管保持部材よりエンジン側の内管の熱膨張による伸びは、金属ガスケットの円筒部で吸収するため、内管の破損を防止できる。
【0035】
請求項3の発明では、金属製のガスケットの円筒部を、内管の内側に装着するため、排気ガスの内管と外筒の隙間への流れ込みを防止でき、排気ガスの温度低下を抑制できる。
【0036】
また、高温時における、内管に溶接固定されている内管保持部材よりエンジン側の内管の熱膨張による伸びは、内管の径拡張部と、金属ガスケットの円筒部で吸収するため、内管の破損を防止できる。
【0037】
請求項4の発明では、内管のエンジン側先端の拡張や、ガスケットの曲げ加工を行うことなく、第1のガスケットで排気ガスの内管と外筒の隙間への漏れを防止し、排気ガス温度の低下を抑制する。また、サポート部材により、高温時の内管の伸びを吸収し、内管破損を防止できる。
【0038】
請求項5の発明では、内管と外筒との隙間への排気ガス漏れを防止する第1ガスケットに、長時間にわたり排気ガスが接することによるガスケットの劣化を抑制でき、耐高温性や耐酸化性の材料にする必要はない。
【0039】
請求項6の発明では、内管の先端の伸びを金属製のガスケットで抑えることになり、内管によるエンジン側への傷の発生を抑制できる。
【0040】
請求項7の発明では、高温時に、内管の熱膨張の伸びによる内管保持部材の劣化を防止できる。
【0041】
請求項8の発明では、内管保持部材の溶接固定が容易となり、また、内管に直接接している部材の熱容量を低減することになり、排気ガス温度の上昇を早めることができる。
【0042】
請求項9の発明では、エキゾーストマニホールドの外筒と内管の隙間と、外筒のフランジ面とエンジンとの間をリングガスケットでシールするため、排気ガスのエキゾーストマニホールド外部への散逸と、内管と外筒の隙間への流れ込みを防止することができ、さらに、エキゾーストマニホールドをエンジンに取り付ける時に、内管の位置決めが容易になる。
【0043】
また、エキゾーストマニホールド本体とは別体のリングサポートを用いることで、リングガスケットの径を小さくすることができる。また、リングサポートの内径は、内管の外径より十分に大きいため、鋳造後の砂抜きは容易である。
【0044】
請求項10の発明では、内管の熱膨張吸収構造のR部と、エキゾーストマニホールドのフランジの平滑カット部をリングガスケットでシールするため、別体のリングサポートを必要としない。
【0045】
請求項11の発明では、円筒形の内管の先端部とエキゾーストマニホールドのフランジの平滑カット部を径の大きなリングガスケットでシールするため、別体のリングサポートや、内管の先端部での熱膨張吸収構造を必要としない。
【0046】
請求項12の発明では、内管の先端部をエンジン側に向かって径を縮小しており、さらに、エキゾーストマニホールドとは別体のリングサポートが、内径をエキマニ内部に向かって径を縮小するため、リングガスケットの装着が容易となる。
【0047】
請求項13の発明では、エキゾーストマニホールドのフロントチューブ側で、内管と外筒との隙間と、外筒とフロントチューブの間をフロントチューブ側ガスケットでシールするため、内管の位置決めと保持が容易となり、エンジン側フランジ部で内管の保持部材を必要としない。また、内管のエンジン側先端の拡張や縮小の加工を行うことなく、エンジン側ガスケットで排気ガスの内管と外筒の隙間への漏れを防止し、排気ガス温度の低下を抑制する。
【0049】
【実施例】
以下、本発明の実施例を、図面に基づいて説明する。
【0050】
図1は、本発明によるエキゾーストマニホールドの外観図である。図2は、本発明によるエキゾーストマニホールドのエンジン側フランジ部のフランジ面加工前で、図2の右側の断面図はI−I断面であり、図3は、図2のフランジ面加工後を示す断面図である。
【0051】
[実施例1]
内管302は、高速走行時等で、高温の排気ガスに曝されるため、酸化や腐食による劣化を防止するため、ステンレス材を用いて薄肉(例えば0.5mm)に成形されている。また、内管302は、プレス加工、もしくは、パイプの曲げ加工により、エキゾーストマニホールドの形状に成形される。内管のエンジン側先端部305は、外筒301側に向かって径を拡張されており、内管の先端部305の径は、フランジ303の面で、エンジンのエキゾーストポートの径より拡大している。内管302のフランジ303部近傍で、内管302の外周部には、帯状の板材で形成された複数個の内管保持部材304が溶接固定されている。内管保持部材304は、内管302から外筒301に向かってR形状に形成されており、その先端は、外筒301に鋳ぐるまれている。
【0052】
内管302の内管保持部材304が溶接されている部位より下流側には、外筒301側に向かって凸状に膨らむ熱膨張吸収部310が形成されている。エキゾーストマニホールドとエンジンとの間で、排気ガスが外部に漏れないようにシールするガスケット311の穴の大きさは、内管302のエンジン側先端部305の内径より大きくなっている。内管302の下流部には、外筒側に向かって凸状に膨らむ熱膨張吸収部310が適宜形成されている。
【0053】
排気管全体の剛性や強度、及び有害な成分を含む排気ガスが外気へ漏れることを防止する構造は、内管302を鋳ぐるむ外筒301で形成される。従って、外筒301自体は、従来より自動車用エンジンに装着されているエキゾーストマニホールドの機能を持つ。さらに、内管302と外筒301は適宜な隙間(例えば、3mmから5mm程度)を持ち、内管302は外筒301とは直接には固定されない。外筒301は、エンジン側フランジ303、及び図示していないフロントチューブ側フランジと一体に成形されている。
【0054】
内管302と内管302に溶接固定された内管保持部材304の先端を二重管形状に鋳ぐるむ場合、内管302と外筒301の隙間に中子を挿入し、鋳ぐるむことになる。鋳造が終了した後、中子砂を取り除くが、中子砂が内管302と外筒301の隙間に取り残されると、中子砂が、図示していない排気管の後方に設置してある触媒に流れ込む恐れがあり、この結果、触媒の性能を低下させ、排気ガスの浄化効率が悪化し、有害な排気ガスを外気に放出する恐れがある。本実施例による二重管構造エキゾーストマニホールドでは、外筒301と内管302との隙間331より、隙間331を形成するための中子砂を抜き取ることができるため、新たなる砂抜き穴を設ける必要が無く、さらに、砂抜きが中子の端部で行われるため、隙間331の中子砂を抜きやすくなり、隙間に中子砂が残ることは無い。また、内管保持部材304は、横幅を小さくしてあるため、図2に示すように隙間331を塞ぐことはなく、中子砂が隙間331に残ることはない。
【0055】
内管302の先端部305は、エンジン側フランジ303面より外側に突き出しており、内管302と内管保持部材304を一体に鋳ぐるみ後、エンジン側フランジ303面を平らに加工する時に、内管302の先端とフランジ303面が同一になるように加工を行う。この結果、内管302の先端がガスケット311に接するため、内管302内の排気ガスが隙間331へ流れ込むことを抑制できる。
【0056】
次に、上記実施例の二重構造エキゾーストマニホールドの作用を説明する。
【0057】
まず、エンジン始動時における排気ガス温度の昇温について説明する。
【0058】
エンジンの停止直後を除き、エンジン始動時の二重構造エキゾーストマニホールドの外筒301及び内管302の温度は、外気温と同じである。エンジン始動後、二重構造エキゾーストマニホールド内では、内管302内を流れる排気ガスによって、まず内管302が暖められる。この結果、内管302の壁温は上昇するが、内管302に与えた熱量だけ排気ガスの温度は低下する。
【0059】
本実施例の二重構造エキゾーストマニホールドでは、内管302の肉厚を薄くしているので、内管302の熱容量が小さく、内管302の壁温が早期に上昇する。従って、排気ガスから内管302への伝熱量が低く抑えられ、排気ガスの温度低下が抑制され、その結果、本実施例の二重構造エキゾーストマニホールドの後方に設置してある触媒の入口ガス温度を早期に上昇させることができる。
【0060】
この時、内管302と外筒301の隙間に排気ガスが漏れ出すと、図8に示すように、特に、エンジン始動直後において、排気管後方に設置してある触媒に流れ込む排気ガス温度を大きく低下させ、排気ガスの浄化効率を悪化させることになる。本実施例による二重管構造エキゾーストマニホールドでは、内管302の先端部は、フランジ303面と同一になっている。フランジ303に取り付けられるガスケット311の穴は内管302の先端部内径より小さいため、内管302の先端は、ガスケット311に接し、内管302と隙間331はガスケット311でシールされ、排気ガスが隙間331へ漏れ出すことを防止でき、触媒の浄化効率を向上させることになる。
【0061】
次に、市街地走行等の排気ガスやエキゾーストマニホールドが十分に暖まった状態では、内管302と外筒301の管壁温の違い、及び管を構成する材料の違いのため、内管302と外筒301との間に熱膨張の差が生じる。
【0062】
すなわち、外筒301は、直接排気ガスに曝されず、また、走行風により冷却されるため、表面温度が低くなり、内管302に比べて、熱膨張が少ない。一方、高温の排気ガスに直接曝され、内管302と外筒301の隙間331の空気層で断熱される内管302は高温となり、大きな熱膨張が発生する。
【0063】
内管302全体の熱膨張は、その大部分を内管302の途中に適宜形成してある、外筒側に向かって凸状に形成された熱膨張吸収部310により吸収される。エンジン側フランジ303部では、内管302の熱膨張による伸びが、内管保持部材304近傍の熱膨張吸収部310で吸収されるため、内管保持部材304へ応力は緩和され、内管保持部材304の変形及び破損を防止できる。
【0064】
内管保持部材304により、内管302の内管保持部材304が溶接固定されている位置は固定されるため、内管302の内管保持部材304よりエンジン側の熱膨張による伸びは僅かな量となる。この僅かな伸びは、内管302のエンジン側先端部305での外筒301への径の拡大と、内管保持部材304のR部で吸収される。このため、内管302の伸びが、ガスケット311とエンジンに抑えられ、内管302の先端部305が破損することを防止できる。
【0065】
二重構造エキゾーストマニホールドのフロントチューブ側のフランジ部構造についても、エンジン側フランジ303部構造と同様の構造とすることで、砂抜きの穴を設けることなく、中子砂を効率よく抜き出すことができ、さらに、排気ガスが隙間331へ漏れることによるガス温低下を抑制し、さらに、熱膨張と収縮による内管302の破損を防止できる。
【0066】
[実施例2]
図4は、本発明の実施例2のエンジン側フランジ部の断面図を示す。内管402には、内管保持部材404が溶接固定されており、内管保持部材404の下流には、外筒401側に向かって凸状に膨らむ熱膨張吸収部410が形成されている。内管402のエンジン側先端部406は、径の大きさを変えることなくエンジン側に伸びており、先端部406は、エンジン側フランジ403面より内側に位置する。エキゾーストマニホールドとエンジンをシールするガスケット411は、ステンレス等の金属で成形されており、内側は、エキゾーストマニホールド側に向かって折り曲げられ、円筒部412を形成している。円筒部412の内径は、内管402の外径より僅かに大きく形成されている。
【0067】
エンジンとエキゾーストマニホールドのフランジ403の間にガスケット411が装着された状態で、エキゾーストマニホールドの内管402の外周は、ガスケットの円筒部412の中に挿入される。この時、内管402とガスケットの円筒部412の隙間は小さいため嵌合状態となる。なお、内管保持部材404と熱膨張吸収部410の構造及び作用は実施例1と同じである。
【0068】
本実施例による二重構造エキゾーストマニホールドでは、内管402がガスケットの円筒部412に密着挿入されているため、内管402内を流れる排気ガスが、内管402と外筒401との隙間431へ流れ込むのを、大部分抑制できる。また、高温時では、内管402の内管保持部材404との溶接固定部よりエンジン側の熱膨張による伸びは、内管402とガスケットの円筒部412は固定されていないため、内管402がガスケットの円筒部412内を移動することで吸収される。
【0069】
[実施例3]
図5は、本発明の実施例3のエンジン側フランジ部の断面図を示す。内管502には、内管保持部材504が溶接固定されており、内管保持部材504の下流には、外筒501側に向かって凸状に膨らむ熱膨張吸収部510が形成されている。内管のエンジン側先端部505は、外筒501側に向かって径を拡張されており、内管の先端部505の径は、先端部で、エンジンのエキゾーストポートの径より拡大している。内管502のエンジン側先端部505は、エキゾーストマニホールドのエンジン側フランジ503より内側に位置する。エキゾーストマニホールドとエンジンをシールするガスケット511は、耐酸化性や耐高温性のステンレス等の金属で成形されており、内側は、エキゾーストマニホールド側に向かって折り曲げられ、円筒部512を形成している。該円筒部512は、ガスケット511の円盤状の面より先端に向かって径を僅かに縮小しており、円筒部512の外径は、内管502の先端部505の内径より僅かに小さく形成されている。
【0070】
エンジンとエキゾーストマニホールドのフランジ503の間にガスケット511が装着された状態で、ガスケット511の円筒部512は、エキゾーストマニホールドの内管502の中に挿入される。この時、内管502の先端部505は、径を先端に向かって拡大しており、一方、ガスケット511の円筒部512の先端は径を縮小しているため、嵌合状態となる。なお、内管保持部材504と熱膨張吸収部510の構造及び作用は実施例1と同じである
本実施例による二重構造エキゾーストマニホールドでは、ガスケットの円筒部512が内管502に密着挿入されているため、内管502内を流れる排気ガスが、内管502と外筒501との隙間531へ流れ込むのを、前記実施例に比べて、さらに抑制できる。また、高温時では、内管502の内管保持部材504との溶接固定部よりエンジン側の熱膨張による伸びは、内管502とガスケット511の円筒部512は固定されていないため、内管502がガスケットの円筒部512の外周を移動することで吸収される。
【0071】
[実施例4]
図6は、本発明の実施例4のエンジン側フランジ部の断面図を示す。内管602には、内管保持部材604が溶接固定されており、内管保持部材604の下流には、外筒601側に向かって凸状に膨らむ熱膨張吸収部610が形成されている。内管602のエンジン側先端部606は、径の大きさを変えることなくエンジン側に伸びており、先端部606は、エンジン側フランジ603面より外側に位置する。
【0072】
エンジンとエキゾーストマニホールドの間には、排気ガスをシールする第1のガスケット611とサポート部材614と第2のガスケット613が装着されている。第1のガスケットは、穴の径を内管602の外径より僅かに大きく形成され、内管602を保持するように、エキゾーストマニホールドのエンジン側フランジ603に密着する。また、第1のガスケット611は、高温の排気ガスにその一部を曝されるため、耐高温性と耐酸化性の材質で形成されている。第2のガスケットは、内管602、及びエンジンのエキゾーストポートの内径より大きく、エンジン側に密着している。サポート部材614は、内管602の外径より大きな穴を持ち、第1のガスケット611と第2のガスケット613の間に挿入され、内管602の先端部606が、サポート部材614の中に位置する。なお、内管保持部材604と熱膨張吸収部610の構造及び作用は実施例1と同じである。
【0073】
本実施例による二重構造エキゾーストマニホールドでは、内管602が第1のガスケット611に密着挿入されているため、内管602内を流れる排気ガスが、内管602と外筒601との隙間631へ流れ込むのを抑制できる。また、第1のガスケット611で内管602を保持するための内管602のフランジ603面より突き出している部分と、高温時での、内管602の内管保持部材604との溶接固定部よりエンジン側の熱膨張による伸びは、内管602の外径より大きな穴径を持つサポート部材614内で吸収される。この時、内管602全体の伸びは、実施例1と同様に、内管602の途中に形成されている熱膨張吸収部610で吸収されるため、サポート部材614内での内管602の伸びは僅かであるため、内管602の先端606が、エンジンに突き当たり破損することはない。
【0074】
[実施例5]
図7は、本発明の実施例5のエンジン側フランジ部の断面図を示す。第1のガスケット711と第2のガスケット713の間に挿入されているサポート714と、内管702以外の構造は実施例4と同じである。内管702は、熱膨張吸収部710よりエンジン側において、内径をエンジンのエキゾーストポートの内径より大きくしてある。それ以外の構造は実施例4と同じである。サポート部材714は、穴の内径をエンジンのエキゾーストポートと同等で、エキゾーストマニホールドの内管702の先端部706の内径より小さく成形してある。サポート部材714のエキゾーストマニホールド側には、U字型の溝715を全周にわたって形成されている。エキゾーストマニホールドをエンジンに取り付けた状態で、サポート部材714のU字型の溝715に内管702の先端部706が挿入される。
【0075】
本実施例による二重構造エキゾーストマニホールドでは、第1のガスケット711に排気ガスが直接当たるのを防ぎ、第1のガスケット711の劣化を防止できるため、第1のガスケット711を耐酸化性や耐高温性の材料にする必要がない。その他の効果、実施例4と同じである。
【0076】
なお、内管702の内径を大きくする部位は、熱膨張吸収部710以外でも効果に変わりはなく、また、内管702の先端部706が、外筒701に向かって径を拡張しても効果は同じである。
【0077】
[実施例6]
実施例1において、排気ガスをシールするガスケット311を材料を耐酸化性や耐高温性のステンレス等の金属としたものである。
【0078】
本実施例では、内管302の先端305の伸びを金属製のガスケット311で抑えることになり、内管302によるエンジン側への傷の発生を抑制できる。
【0079】
[実施例7]
実施例1において、内管302の熱膨張吸収部310を、内管保持部材304が溶接されている部位より下流側に複数個設置するものである。
【0080】
本実施例では、内管保持部材304にかかる応力を低減することができ、内管保持部材304を対応力性の低いものとする事ができる。
【0081】
[実施例8]
実施例1において、内管保持部材304の内管302への溶接を、スポット溶接としたものである。
【0082】
本実施例では、内管保持部材304の内管302への溶接が容易となり、また、内管302との接触部が少なくなるため、内管302から外筒301へ逃げる熱量が低減され、内管302の壁温低下を抑制し、引いては、排気ガス温度の早期上昇に繋がる。
【0083】
[実施例9]
図12は、本発明の実施例9のエンジン側フランジ部の断面図であって、エンジンに取り付ける前の状態を、図13は、エンジンに装着した状態を示す。
【0084】
内管1202には、内管保持部材1204が溶接固定されており、内管保持部材1204の下流には、外筒1201側に向かって凸状に膨らむ熱膨張吸収部1210が形成されている。内管1202のエンジン側先端部は、径の大きさを変えることなくエンジン側に伸びており、内管1202の先端部は、エンジン側フランジ1203面より内側に位置する。エキゾーストマニホールドのエンジン側フランジ部1203には、ステンレス等の金属材で形成されたリングサポート1232が鋳込まれている。リングサポート1232のエキゾーストマニホールドのフランジ1203側は、フランジ1203と同一面に加工されているか、フランジ1203内に位置し、内管1202のエンジン側先端部がリングサポート1232の長さ方向で中心部近傍に位置するような長さを持つ。また、リングサポート1232の内面は、エキゾーストマニホールドのフランジ面1203から内部に向かって径を絞るように、平滑に加工されている。リングガスケット1233の芯の外径は、内管1202のエンジン側先端の円筒形部外径と、リングサポート1232の最も径の小さい内径との隙間より大きくなっている。
【0085】
エンジンに、エキゾーストマニホールド1201が取り付けられた状態で、リングガスケット1233は、内管1202のエンジン側先端の円筒部外周と、リングサポート1232の平滑に加工された内面と、エンジンのフランジ面に密に接触するため、内管1202と外筒1201の隙間1231と、内管1202内とは、エキゾーストマニホールドのエンジン側でシールされる。なお、内管保持部材1204と熱膨張吸収部1210の構造及び作用は実施例1と同じである。
【0086】
本実施例による二重構造エキゾーストマニホールドでは、リングサポート1232と内管1202との間は大きく隙間が形成されているため、鋳造後の中子砂が抜きやすく、隙間に中子砂が残ることはない。
【0087】
エキゾーストマニホールドのエンジン側では、内管1202の先端部と外筒1201は、リングサポート1232を介して、リングガスケット1233でシールされているため、内管1202内を流れる排気ガスが、隙間1231へ漏れ出すことを防止でき、触媒の浄化効率を向上させることになる。さらに、エキゾーストマニホールドのフランジ1203とエンジンのフランジ部は、同様に、リングサポート1232を介して、リングガスケット1233でシールされているため、排気ガスが外気へ漏れることはない。また、高温時では、内管1202の内管保持部材1204との溶接固定部よりエンジン側の熱膨張による伸びは、内管1202とリングガスケット1233は固定されていないため、内管1202がリングガスケット1233内を移動することで吸収される。
【0088】
なお、エキゾーストマニホールドのフランジ1203とエンジンのフランジ面に、板状のガスケットを装着しても同じ作用である。
【0089】
[実施例10]
図14は、本発明の実施例10のエンジン側フランジ部の断面図を示す。内管1402のエンジン側先端部は、径の大きさを変えることなくエンジン側に伸びており、内管1402の先端部には、外筒1401側に向かって凸状に膨らむ熱膨張吸収部1410が形成され、その先端はエンジン側フランジ1403面より内側に位置する。
【0090】
エキゾーストマニホールドのフランジ1403部の内管1402側には、エンジン側平滑面からエキゾーストマニホールド内部に向かって、内径が小さくなるようにフランジ平滑カット部1434が平面加工されている。リングガスケット1433の芯の外径は、内管1402のエンジン側先端の円筒形部外径と、フランジ平滑カット部1434の最も径の小さい内径との隙間より大きくなっている。
【0091】
エンジンに、エキゾーストマニホールド1401が取り付けられた状態で、リングガスケット1433は、内管1402のエンジン側先端の円筒部外周及び、内管1402のエンジン側先端部に形成した熱膨張吸収部1410のR形状の凸部と、エキゾーストマニホールドのフランジ平滑カット部1434の平面と、エンジンのフランジ面に密に接触するため、内管1402と外筒1401の隙間1431と、内管1402内とは、エキゾーストマニホールドのエンジン側でシールされる。
【0092】
本実施例による二重構造エキゾーストマニホールドでは、外筒1401と内管1402との間は狭くなるが、隙間は形成されているため、鋳造後の中子砂が抜き難くなることはなく、また、隙間に中子砂が残ることはない。
【0093】
エキゾーストマニホールドのエンジン側では、内管1402の先端部、及び、先端部近傍の熱膨張吸収部1410と外筒1401は、リングガスケット1433でシールされているため、内管1402内を流れる排気ガスが、隙間1431へ漏れ出すことが防止でき、触媒の浄化効率を向上させることになる。エキゾーストマニホールド1401とエンジンのフランジ面からの排気ガス漏れ防止は、実施例9と同じである。また、高温時の内管1402の熱膨張は、内管1402のエンジン側先端部に形成された熱膨張吸収部1410で吸収される。
【0094】
[実施例11]
図15は、本発明の実施例11のエンジン側フランジ部の断面図を示す。内管1502のエンジン側先端部は、径の大きさを変えることなくエンジン側に伸びており、その先端はエンジン側フランジ1503面より内側に位置する。エキゾーストマニホールドをエンジンに取り付けた状態で、エキゾーストマニホールドのフランジ1503面と、エンジンのフランジ面の間には、板状のガスケット1511が装着されている。内管1502の先端部と板状のガスケット以外の構造は、実施例10と同じである。
【0095】
本実施例による二重構造エキゾーストマニホールドでは、リングガスケット1533の芯の外径が大きくなるため、高温時に、排気ガスの圧力が高くなり、排気ガスがリングガスケット1533から外気へ逃げる恐れがあるが、板状ガスケット1511により防止できる。なお、高温時に、排気ガスが内管1502と外筒1501の隙間1531へ漏れても問題はない。
【0096】
[実施例12]
図16は、本発明の実施例12のエンジン側フランジ部の断面図を示す。内管1602の先端部は、エンジン側に向かって径を縮小する径縮小部1635からなる。内管1602の径縮小部1635以外の構造は、実施例9と同じである。
【0097】
本実施例による二重構造エキゾーストマニホールドでは、内管1602のエンジン側先端部に径縮小部1635を形成しているため、リングガスケット1633の取付が容易になる。
【0098】
[実施例13]図17、図18は、本発明の実施例13のエンジン側フランジ部の断面図、及びフロントチューブ側断面図を示す。本実施例は、エキゾーストマニホールドのエンジン側で、実施例10において、内管1702を外筒1701に固定するための内管保持部材を廃止した構造である。エキゾーストマニホールドのフロントチューブ1843側では、内管1802のフロントチューブ1843側先端部が、径を変更することなく、エキゾーストマニホールドのフロントチュープ側フランジ1844面より、フロントチューブ1843側に位置している。エキゾーストマニホールド1801のフロントチューブ側フランジ1844部においては、フランジ1844のフロントチューブ側平滑面からエキゾーストマニホールド内部に向かって、内径が小さくなるようにフランジ平滑カット部1834が平面加工されている。フロントチューブ1843は、エキゾーストマニホールドの内管1802の外径より大きな内径を持つ。フロントチューブ側ガスケットとしての金属製のリングガスケット1833は、フランジ平滑カット部1834の最も小さい内径と、エキゾーストマニホールドの内管1802の外径との隙間より大きな芯の外径を持つ。エキゾーストマニホールド1801にフロントチューブ1843を取り付けた状態で、リングガスケット1833が、エキゾーストマニホールドの内管1802の外周と、フランジ平滑カット部1834と、フロントチューブ1843のフランジ1842面に密に装着される。
【0099】
本実施例による二重構造エキゾーストマニホールドでは、エキゾーストマニホールドの内管1702,1802が、エンジン側ガスケットとしてのリングガスケット1733と、リングガスケット1833によって位置決め、及び保持されるため、内管1702,1802の位置決めと保持のための内管保持部材を必要としない。
【0100】
[実施例14]
図19は、本発明の実施例14のエンジン側フランジ部の断面図を示す。内管1902のエンジン側先端部1906は、径の大きさを変えることなくエンジン側に伸びており、先端部1906は、エンジン側フランジ1903面より外側に位置する。
【0101】
エンジンとエキゾーストマニホールドの間には、サポート部材1914と板状ガスケット1913が装着されている。サポート部材1914は、内管1902の外径より大きな穴を持ち、エキゾーストマニホールドのフランジ1903と板状ガスケット1913の間に挿入され、内管1902の先端部1906が、サポート部材1914の中に位置する。エキゾーストマニホールドのフランジ部1903の内管1902側には、エンジン側平滑面からエキゾーストマニホールド内部に向かって、内径が小さくなるようにフランジ平滑カット部1934が平面加工されている。リングガスケット1933の芯の外径は、内管1902のエンジン側先端の円筒形部外径と、フランジ平滑カット部1934の最も径の小さい内径との隙間より大きくなっている。
【0102】
エンジンに、エキゾーストマニホールド1901が取り付けられた状態で、エキゾーストマニホールドの内管の先端部1906とサポート部材1914とは密着はしないが、リングガスケット1933は、内管1902のエンジン側先端の円筒部外周と、エキゾーストマニホールドのフランジ平滑カット部1934の平面と、サポート部材のエキゾーストマニホールド側平面に密に接触するため、内管1902と外筒1901の隙間1931と、内管1902内とは、エキゾーストマニホールドのエンジン側でシールされる。
【0103】
本実施例による二重構造エキゾーストマニホールドでは、高温時における内管1902の内管保持部材1904との溶接固定部よりエンジン側の熱膨張による伸びは、内管1902の外径より大きな穴径を持つサポート部材1914内で吸収される。
【0104】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、内管と内管保持部材を鋳ぐるむ時に使用する内管と外筒の間の隙間を形成するための中子を、内管と外筒の間の隙間との連通部から抜き出すことができるため、中子砂を抜きための砂抜き穴を設ける必要はなく、作業性が向上すると共に、中子が内管と外筒の間に残留することを防止できる。
【0105】
さらに、内管の肉厚を薄くすることができるので、内管の熱容量が小さく内管の壁温が早期に上昇する。従って、排気ガスから内管への伝熱量が低く抑えられ、排気ガスの温度低下が抑制され、その結果、エキゾーストマニホールド後方に設置してある触媒の入口ガス温度を上昇させることができる。
【0106】
また、内管と外筒との隙間をガスケットで塞ぐことになり、排気ガスが内管と外筒の隙間に流れ込むことを防止でき、排気ガス温度が低下する事を抑制できる。
【0107】
また、高温時は、内管保持部材で内管のエンジン側位置は固定され、さらに、外筒側に径を拡張しているため、内管の伸びを小さく押さえ、かつ、僅かな伸びを径方向に吸収することで、先端の破損を防止でき、さらに、内管保持部材の下流側に設けた熱膨張吸収構造により、内管保持部材より下流の内管の熱膨張による伸びを吸収し、内管の破損を防止する。
【0108】
請求項2の発明によれば、金属製のガスケットの円筒部を、内管の外周に装着するため、排気ガスの内管と外筒の隙間への流れ込みを防止でき、排気ガスの温度低下を抑制できる。
【0109】
また、高温時における、内管に溶接固定されている内管保持部材よりエンジン側の内管の熱膨張による伸びは、金属ガスケットの円筒部で吸収するため、内管の破損を防止できる。
【0110】
請求項3の発明によれば、金属製のガスケットの円筒部を、内管の内側に装着するため、排気ガスの内管と外筒の隙間への流れ込みを防止でき、排気ガスの温度低下を抑制できる。
【0111】
また、高温時における、内管に溶接固定されている内管保持部材よりエンジン側の内管の熱膨張による伸びは、内管の径拡張部と、金属ガスケットの円筒部で吸収するため、内管の破損を防止できる。
【0112】
請求項4の発明によれば、内管のエンジン側先端の拡張や、ガスケットの曲げ加工を行うことなく、第1のガスケットで排気ガスの内管と外筒の隙間への漏れを防止し、排気ガス温度の低下を抑制する。また、サポート部材により、高温時の内管の伸びを吸収し、内管破損を防止できる。
【0113】
請求項5の発明によれば、内管と外筒との隙間への排気ガス漏れを防止する第1ガスケットに、長時間にわたり排気ガスが接することによるガスケットの劣化を抑制できる。
【0114】
請求項6の発明によれば、内管の先端の伸びを金属製のガスケットで抑えることになり、内管によるエンジン側への傷の発生を抑制できる。
【0115】
請求項7の発明によれば、高温時に、内管の熱膨張の伸びによる内管保持部材の劣化を防止できる。
【0116】
請求項8の発明によれば、内管保持部材の溶接固定が容易となり、また、内管に直接接している部材の熱容量を低減することになり、排気ガス温度の上昇を早めることができる。
【0117】
請求項9の発明によれば、エキゾーストマニホールドの外筒と内管の隙間と、外筒のフランジ面とエンジンとの間をリングガスケットでシールするため、排気ガスのエキゾーストマニホールド外部への散逸と、内管と外筒の隙間への流れ込みを防止することができ、さらに、エキゾーストマニホールドをエンジンに取り付ける時に、内管の位置決めが容易になる。
【0118】
また、エキゾーストマニホールド本体とは別体のリングサポートを用いることで、リングガスケットの径を小さくすることができる。また、リングサポートの内径は、内管の外径より十分に大きいため、鋳造後の砂抜きは容易である。
【0119】
請求項10の発明によれば、内管の熱膨張吸収構造のR部と、エキゾーストマニホールドのフランジの平滑カット部をリングガスケットでシールするため、別体のリングサポートを必要としない。
【0120】
請求項11の発明によれば、円筒形の内管の先端部とエキゾーストマニホールドのフランジの平滑カット部を径の大きなリングガスケットでシールするため、別体のリングサポートや、内管の先端部での熱膨張吸収構造を必要としない。
【0121】
請求項12の発明によれば、内管の先端部をエンジン側に向かって径を縮小しており、さらに、エキゾーストマニホールドとは別体のリングサポートが、内径をエキマニ内部に向かって径を縮小するため、リングガスケットの装着が容易となる。
【0122】
請求項13の発明によれば、エキゾーストマニホールドのフロントチューブ側で、内管と外筒との隙間と、外筒とフロントチューブの間をフロントチューブ側ガスケットでシールするため、内管の位置決めと保持が容易となり、エンジン側フランジ部で内管の保持部材を必要としない。また、内管のエンジン側先端の拡張や縮小の加工を行うことなく、エンジン側ガスケットで排気ガスの内管と外筒の隙間への漏れを防止し、排気ガス温度の低下を抑制する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した自動車のエキゾーストマニホールドの概略構造図である。
【図2】本発明の実施例を示すエキゾーストマニホールドのフランジ面加工前を示す断面図である。
【図3】本発明の実施例を示すエンジンに装着した状態を示す図である。
【図4】本発明の実施例2を示すエンジンに装着した状態を示す図である。
【図5】本発明の実施例3を示すエンジンに装着した状態を示す図である。
【図6】本発明の実施例4を示すエンジンに装着した状態を示す図である。
【図7】本発明の実施例5を示すエンジンに装着した状態を示す図である。
【図8】本発明による触媒に流入する排気ガス温度の変化を示す図である。
【図9】従来例の縦断面図である。
【図10】従来例の縦断面図である。
【図11】従来例の縦断面図である。
【図12】本発明の実施例9を示すエンジンに装着する前の状態を示す図である。
【図13】本発明の実施例9を示すエンジンに装着した状態を示す図である。
【図14】本発明の実施例10を示すエンジンに装着した状態を示す図である。
【図15】本発明の実施例11を示すエンジンに装着した状態を示す図である。
【図16】本発明の実施例12を示すエンジンに装着した状態を示す図である。
【図17】本発明の実施例13を示すエンジンに装着した状態を示す図である。
【図18】本発明の実施例13を示すフロントチューブに装着した状態を示す図である。
【図19】本発明の実施例14を示すエンジンに装着した状態を示す図である。
【符号の説明】
301,401,501,601,701,1201 外筒
302,402,502,602,702,1202 内管
303,403,503,603,703,1203 フランジ
304,404,504,604,704,1204 内管保持部材
310,410,510,610,710,1210 熱膨張吸収構造
311,411,511 ガスケット
613,713 第2ガスケット
614,714,1914 サポート
331,431,531,631,731,1231 内管と外筒の隙間
1232 リングサポート
1233,1833 リングガスケット
1434,1834 フランジ平滑カット部
1635 内管径縮小部
1843 フロントチューブ
Claims (13)
- ステンレス材で薄肉に形成された内管を鋳鉄で鋳ぐるみ、前記内管内を排気ガスの通路とするエンジンの二重構造エキゾーストマニホールドにおいて、前記内管のエンジン側フランジ部で、帯状の板材の一端を内管の外筒側に溶接固定し、該板材の他端は内管よりR形状で外筒に向かって伸び、該板材の先端は外筒に鋳込み固定されている複数個の内管保持部材と、前記内管のエンジン側先端は、外筒側に径を拡張しており、該内管の拡張部は、フランジ部端面でエンジンのエキゾーストポートの内径より径を拡大し、前記内管の先端と、エキゾーストマニホールドのエンジン側フランジとは、同一面に加工されている該内管のエンジン側径拡張の先端部と、前記内管の、該内管に溶接固定された前記内管保持部材より下流側において、前記外筒側に向かって該内管の一部をR形状の凸状に膨む内管の熱膨張吸収構造と、エンジンのヘッドと前記エキゾーストマニホールドとの間で排気ガスをシールするガスケットであって、前記内管の径拡張部の内径より小さい穴のガスケットを持つことを特徴とする二重構造エキゾーストマニホールド。
- 請求項1記載の二重構造エキゾーストマニホールドであって、前記内管のエンジン側先端部において、
内径を拡張することなくエキゾーストマニホールドのエンジン側フランジ面より内側に位置する内管と、前記ガスケットをステンレス等の金属で形成し、該ガスケットの内側にエキゾーストマニホールド側に折り曲げた円筒部を持ち、該円筒部は、前記エキゾーストマニホールドとエンジンの間に装着された状態で、前記内管の外周に装着されるガスケットを持つことを特徴とする二重構造エキゾーストマニホールド。 - 請求項1記載の二重構造エキゾーストマニホールドであって、前記内管のエンジン側先端部において、
エンジン側に向かって径を拡張し、該内管の先端は、エンジン側フランジ面より内側に位置する内管と、前記ガスケットをステンレス等の金属で形成し、該ガスケットの内側をエキゾーストマニホールド側に折り曲げた円筒部を持ち、該円筒部はエキゾーストマニホールドの内部に向かって径を縮小し、前記エキゾーストマニホールドとエンジンの間に装着された状態で、前記内管の径拡張部の内側に装着されるガスケットを持つことを特徴とする二重構造エキゾーストマニホールド。 - 請求項1記載の二重構造エキゾーストマニホールドであって、前記内管のエンジン側先端部において、
内径を拡張することなくエキゾーストマニホールドのエンジン側フランジ面よりエンジン側に位置する内管と、エキゾーストマニホールドのフランジとエンジンとの間に、前記内管の外周とエキゾーストマニホールドのフランジに密着する排気ガスをシールする第1のガスケットと、エンジンのエキゾーストポートの内径より大きな穴を持ちエンジンに密着する第2のガスケットと、前記第1のガスケットと前記第2のガスケットの間で、前記内管の外径より大きな穴を持ち、前記内管の先端部が、該サポートの穴の中に位置する厚みを持つサポートを持つことを特徴とする二重構造エキゾーストマニホールド。 - 請求項4記載の二重構造エキゾーストマニホールドであって、前記サポート部材は、前記内管より小さい穴を持ち、前記エキゾーストマニホールド側にU字型の溝を全周にわたり形成し、該U字型の溝の中に前記内管のエンジン側先端部が挿入されることを特徴とする二重構造エキゾーストマニホールド。
- 請求項1記載の二重構造エキゾーストマニホールドであって、前記ガスケットをステンレス等の金属で形成することを特徴とする二重構造エキゾーストマニホールド。
- 請求項1記載の二重構造エキゾーストマニホールドであって、前記内管の、該内管に溶接固定された前記内管保持部材より下流側に、前記外筒側に向かって該内管の一部をR形状の凸状に膨む内管の熱膨張吸収構造を複数個持つことを特徴とする二重構造エキゾーストマニホールド。
- 請求項1記載の二重構造エキゾーストマニホールドであって、前記内管保持部材は、前記内管の外周にスポット溶接で固定されていることを特徴とする二重構造エキゾーストマニホールド。
- 請求項2記載の二重構造エキゾーストマニホールドであって、前記エキゾーストマニホールドのエンジン側フランジ部には、ステンレス等の金属材で円筒形に形成され、外周をエキゾーストマニホールドの鋳造時に鋳込み、内面は、前記フランジ面よりエキゾーストマニホールド内部に向かって内径を絞り、径の最も小さいところで、前記二重構造エキゾーストマニホールドの内管より大きく、かつ、前記内管のエンジン側先端部より内側までの長さを持ち、該内面は平滑に加工され、エンジン側の面は、前記エキゾーストマニホールドのフランジ面と同一面に加工されているか、若しくは、エキゾーストマニホールドの内部に鋳込まれているリングサポートと、前記リングサポートの最も小さい内径と、前記内管の外径との隙間より大きな芯の外径を持つ金属製のリングガスケットからなり、前記エキゾーストマニホールドをエンジンに取り付けた状態で、前記リングガスケットが、前記内管の外周と前記リングサポートの内面と、エンジンのフランジ面との間に密に装着されたことを特徴とする二重構造エキゾーストマニホールド。
- 請求項2記載の二重構造エキゾーストマニホールドであって、前記内管のエンジン側先端部に形成されている、前記外筒側に向かって該内管の一部をR形状の凸状に膨らむ内管の熱膨張吸収構造と、前記エキゾーストマニホールドのエンジン側フランジ部において、
該フランジのエンジン側平滑面からエキゾーストマニホールド内部に向かって、内径が小さくなるように平面加工されたフランジ平滑カット部と、前記フランジ平滑カット部の最も小さい内径と前記内管の外径との隙間より大きな芯の外径を持つ金属製のリングガスケットからなり、前記エキゾーストマニホールドをエンジンに取り付けた状態で、前記リングガスケットが、前記内管のエンジン側先端部の外周、若しくは、前記内管の熱膨張吸収構造の凸部の外周と、前記フランジ平滑カット部と、エンジンのフランジ面との間に密に装着されたことを特徴とする二重構造エキゾーストマニホールド。 - 請求項10記載の二重構造エキゾーストマニホールドであって、前記内管に溶接固定されている内管保持部材よりエンジン側の内管において、
熱膨張吸収構造を設けることなくエキゾーストマニホールドのエンジン側フランジ面よりエキゾーストマニホールド内部に位置する内管と、前記エキゾーストマニホールドをエンジンに取り付けた状態で、前記リングガスケットが、前記内管のエンジン側先端部の外周と、前記フランジ平滑カット部と、エンジンのフランジ面との間に密に装着されたことを特徴とする二重構造エキゾーストマニホールド。 - 請求項9記載の二重構造エキゾーストマニホールドであって、前記内管のエンジン側の先端部で、内管の径をエンジン側に向かって縮小する内管のエンジン側径縮小の先端部と、内面が前記フランジ面よりエキゾーストマニホールド内部に向かって内径を絞ってあるリングサポートからなり、前記エキゾーストマニホールドをエンジンに取り付けた状態で、前記リングガスケットが、前記内管の径縮小先端部の外周と、前記リングサポートの内面と、エンジンのフランジ面との間に密に装着されたことを特徴とする二重構造エキゾーストマニホールド。
- ステンレス材で薄肉に形成された内管とこの内管の外周を包囲する鋳鉄とからなる外筒とを有し、前記内管内を排気ガスの通路とするエンジンの二重構造エキゾーストマニホールドにおいて、
前記内管のエンジン側先端の一部をR形状の凸状に前記外筒側に拡大して該内管の熱膨張吸収構造を形成するとともに、
前記エンジンのヘッドと前記エキゾーストマニホールドとの間で排気ガスをシールするエンジン側ガスケットと、該エキゾーストマニホールドとフロントチューブとの間で排気ガスをシールするフロントチューブ側ガスケットとをステンレスなどの金属で形成し、
かつ、これらエンジン側ガスケットとフロントチューブ側ガスケットの内径を該熱膨張吸収構造の内径より小さく形成して前記内管の外周に装着されるように構成し、
前記外筒のエンジン側の外径を該エンジンの排気口より大きく形成し、該外筒のフロント チューブ側の外径をフロントチューブの径よりも大きく形成し、
該外筒のエンジン側フランジとエキゾーストマニホールド側フランジとに内径が徐々に小さくなるように平面加工されたフランジ平滑カット部を設け、
前記エキゾーストマニホールドにエンジン、および前記フロントチューブを取付けた状態で、これらエンジン側ガスケットとフロントチューブ側ガスケットが、前記内管の外周と前記フランジ平滑カット部と、エンジンのフランジ面またはフロントチューブのフランジ面にそれぞれ密着するように構成したことを特徴とする二重構造エキゾーストマニホールド。
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