JP3568965B2 - 金属塗装用組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、特に金属との密着性にすぐれた塗膜を得られる金属塗装用組成物に関し、詳しくは金属あるいは金属等からなる構造物に塗付,吹付け,刷毛塗り,ヘラ塗りあるいは含浸して硬化処理するか、またはシート状に成型して適用することにより金属の耐水,耐損傷,防食,耐衝撃,電気絶縁等を図ることが可能な金属塗装用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来より、金属の塗装組成物としては、水酸基を有する液状ポリブタジエンとポリイソシアネート化合物とを主成分とするもの、あるいは水酸基を有する液状ポリイソプレンの水素化物が知られている。しかしながら、水酸基を有する液状ポリブタジエンは耐水,防食,耐薬品性に非常にすぐれた状態を発揮するものの、金属との密着性がいまだ不十分であるため、長期における使用において塗装面のふくれ,はがれが生じるという欠点を有している。一方、水酸基を有する液状ポリイソプレンの水素化物は耐熱性,耐候性にすぐれるものの、密着性がいまだ不十分な上にコストの面からも制限を受ける等の欠点を有しており、いずれも広範な用途への展開を図ることができなかった。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、水酸基を有する液状イソプレンホモポリマーまたはコポリマーおよびポリイソシアネート化合物を用いることにより、金属との密着性を改善し、かつ耐水性,耐薬品性,電気絶縁性,耐衝撃性にすぐれた塗膜を提供できる金属塗装用組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0004】
すなわち、本発明は(A)水酸基を有する液状イソプレンホモポリマーまたはコポリマーおよび(B)ポリイソシアネート化合物からなる金属塗装用組成物を提供するものである。
【0005】
本発明において(A)成分として用いる水酸基を有する液状イソプレンホモポリマーまたはコポリマーは、既知のものを任意に使用でき、または公知の手法により容易に製造することができる。例えば、イソプレンモノマーを過酸化水素,水酸基を有するアゾ化合物(例えば2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]等)または水酸基を有するパーオキシド(例えばシクロヘキサノンパーオキシド等)を重合開始剤としてラジカル重合することにより水酸基含有液状ポリイソプレンが得られる。ここで重合開始剤の使用量は特に制限はないが、通常はイソプレンモノマー100gに対して過酸化水素の場合は、1.0〜50g、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]の場合は、5.0〜100g、シクロヘキサノンパーオキシドの場合は、5.0〜100gが適当である。重合は無溶媒で行うことも可能であるが、反応の制御の容易さ等のため溶媒を用いるのが好ましい。その場合、溶媒としてエタノール,イソプロパノール,n−ブタノール等が通常用いられる。反応温度は80〜150℃、反応時間は0.5〜15時間が適当である。
【0006】
また、ナフタレンジリチウム等の触媒を用いてイソプレンモノマーをアニオン重合させてイソプレンリビングポリマーを製造し、さらにモノエポキシ化合物等を反応させることによっても水酸基含有液状ポリイソプレンを得ることができる。この場合も重合は無溶媒で行うことも可能であるが、ラジカル重合の場合と同様の観点から溶媒を用いるのが好ましい。その場合、溶媒としてヘキサン,シクロヘキサン等の飽和炭化水素が用いられる。反応温度は50〜100℃、反応時間は1〜10時間が適当である。また、重合時にイソプレンに対し50mol%以下の割合の下記モノマーを添加することもできる。すなわち、炭素数2〜22の付加重合性モノマー(ブテン,ペンテン,スチレン,α−メチルスチレン,アクリロニトリル,アクリル酸またはそのエステル,メタクリル酸またはそのエステル,塩化ビニル,酢酸ビニル,アクリルアミド等)、炭素数4〜22のジエンモノマー(ブタジエン,クロロプレン,1,3−ペンタジエン,シクロペンタジエン等)である。
【0007】
重合反応終了後に、溶液を減圧下で蒸留すれば溶媒が除去され、水酸基含有液状イソプレンイソプレンホモポリマーまたはコポリマーが得られる。このようにして得られた水酸基含有液状イソプレンホモポリマーまたはコポリマーの数平均分子量(蒸気圧浸透法により、トルエン中75℃にて測定)は300〜25000、好ましくは500〜10000であり、水酸基含有量は0.1〜10meq/g、好ましくは0.3〜7meq/gである。また、構造的にはシス−1,4構造およびトランス−1,4構造の合計が70%以上を占めることが好ましい。
【0008】
なお、水酸基は分子鎖末端あるいは分子鎖内部のいずれにあってもよいが、分子鎖末端にあるものが望ましい。また、本発明では2種以上の水酸基含有液状イソプレンホモポリマーまたはコポリマーを組合せて使用することもできる。
【0009】
本発明において(B)成分として用いるポリイソシアネート化合物とは、1分子中に2個またはそれ以上のイソシアネート基を有する有機化合物であって、前記した水酸基含有液状イソプレンイソプレンホモポリマーまたはコポリマーの水酸基に対する反応性イソシアネート基を有するものである。このポリイソシアネート化合物の例としては、通常の芳香族,脂肪族および脂環族のものを挙げることができ、例えばトリレンジイソシアネート(TDI),ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI),カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート,ポリメチレンポリフェニルイソシアネート,フェニレンジイソシアネート,ナフタリン−1,5−ジイソシアネート,o−トルイジンジイソシアネート,トリフェニルメタントリイソシアネート,トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート,イソプロピルベンゼン−2,4−ジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;キシリレンジイソシアネート(XDI),テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等の脂肪族−芳香族ポリイソシアネート(イソシアネート基が脂肪族炭化水素基を介して芳香族環基と結合したポリイソシアネート、すなわち分子中に芳香族環基と直接結合したイソシアネート基を有さないポリイソシアネートのこと);ヘキサメチレンジイソシアネート,ドデカンジイソシアネート,リジンジイソシアネート,リジンエステルトリイソシアネート,1,6,11−ウンデカントリイソシアネート,1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン,1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート,トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート;トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート,ビシクロヘプタントリイソシアネート,イソホロンジイソシアネート(IPDI),水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート,水素添加トリレンジイソシアネート,水素添加キシリレンジイソシアネート,水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂環族ポリイソシアネート;前記ポリイソシアネート化合物の環化三量体(イソシアヌレート変性体),ビューレット変性体やエチレングリコール,1,4−ブタンジオール,プロピレングリコール,ジプロピレングリコール,トリメチロールプロパン,ポリエーテルポリオール,ポリマーポリオール,ポリテトラメチレンエーテルグリコール,ポリエステルポリオール,アクリルポリオール,ポリアルカジエンポリオール,ポリアルカジエンポリオールの水素化物,部分鹸化エチレン−酢酸ビニル共重合体,ヒマシ油系ポリオール等のポリオール化合物と前記ポリイソシアネート化合物との付加反応物が用いられる。
【0010】
また、これらポリイソシアネート化合物は2種以上を混合して用いることもでき、さらにこれらポリイソシアネート化合物のイソシアネート基をフェノール類,オキシム類,イミド類,メルカプタン類,アルコール類,ε−カプロラクタム,エチレンイミン,α−ピロリドン,マロン酸ジエチル,亜硫酸水素ナトリウム,ホウ酸等のブロック剤でブロックした、いわゆるブロックイソシアネート化合物をも用いることができる。
【0011】
これら上記成分の配合割合については特に制限はないが、通常は水酸基含有液状イソプレンホモポリマーまたはコポリマーの水酸基(OH)に対するポリイソシアネート化合物のイソシアネート基(NCO)の割合(NCO/OH)が、モル比で最終的に0.3〜5.0、好ましくは最終的に0.5〜4.0となるように配合する。
【0012】
また、本発明の組成物中に、後述する如きポリオール化合物,ポリアミン化合物などの、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基と反応する水酸基やアミノ基を有する化合物を配合する場合には、配合する全ての水酸基を有する化合物の水酸基(OH)と全てのアミノ基を有する化合物のアミノ基(NH2 )に対するイソシアネート基の割合(NCO/OHまたはNCO/(OH+NH2 ))が、モル比で最終的に上記割合となるように配合する。
【0013】
ここで「最終的に」という言葉を用いているのは、実際の硬化体の作製にあたって下記の様な種々の方法が用いられるからである。
【0014】
ワンショット法:全配合成分のうち少なくともポリイソシアネート化合物を除く成分を混合し、混合物を得る。この混合物にポリイソシアネート化合物および先の混合で用いなかった配合成分を添加,混合して液状重合体組成物を得る。このときの好ましいNCO/OHまたはNCO/(OH+NH2 )(モル比)は0.3〜2.0である。
【0015】
プレポリマー法(1):所定の当量比(NCO/OHまたはNCO/(OH+NH2 ))が1.7〜25の範囲で、水酸基を有する化合物またはアミノ基を有する化合物のうち少なくとも1つとポリイソシアネート化合物とを、その他の添加剤の一部または全部の存在下あるいは非存在下に反応させてプレポリマーを得る。このプレポリマーに残りの成分を混合し、液状重合体組成物を得る。このときの好ましいNCO/OHまたはNCO/(OH+NH2 )(モル比)は0.3〜2.0である。この場合、プレポリマーを得るときに反応に関与した官能基のモル比(NCO/OHまたはNCO/(OH+NH2 ))は実質的に1.0であるので、最終的なNCO/OHまたはNCO/(OH+NH2 )は0.3〜2.0の範囲内にある。このように、これらの最終的なモル比とは、プレポリマーの生成工程から硬化工程に至るまでに用いたすべての化合物におけるイソシアネート基と、これに反応する官能基とのモル比を意味する。
【0016】
プレポリマー法(2):所定の当量比NCO/OHまたはNCO/(OH+NH2 )が1.7〜5の範囲で配合全成分を配合し、反応させてプレポリマーを得る。このプレポリマーを空気中の湿気(水)と反応させる。
【0017】
本発明のポリウレタン組成物は上記(A)成分および(B)成分を必須成分とするものであるが、所望によりポリオール化合物,ポリアミン化合物,無機充填材,有機充填材,触媒,粘度調整剤,瀝青物質,その他の添加剤を適宜添加することができる。
【0018】
ここで、ポリオール化合物とは、1分子中に2個またはそれ以上の水酸基を有する化合物であり、次に示す低分子量ポリオール化合物,重合型ポリオール化合物およびヒマシ油系ポリオール化合物が好適に用いられる。
【0019】
低分子量ポリオール化合物としては、一級ポリオール,二級ポリオール,三級ポリオールのいずれを用いてもよい。具体的には、例えば1,2−プロピレングリコール,ジプロピレングリコール,1,2−ブタンジオール,1,3−ブタンジオール,2,3−ブタンジオール,1,2−ペンタンジオール,2,3−ペンタンジオール,2,5−ヘキサンジオール,2,4−ヘキサンジオール,2−エチル−1,3−ヘキサンジオール,シクロヘキサンジオール,グリセリン,N,N−ビス−2−ヒドロキシプロピルアニリン,N,N’−ビスヒドロキシイソプロピル−2−メチルピペラジン,ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等の少なくとも1個の二級炭素に結合した水素基を含有する低分子量ポリオールが挙げられる。
【0020】
さらに、ポリオール化合物としては、二級炭素に結合した水酸基を含有しないエチレングリコール,ジエチレングリコール,1,3−プロピレングリコール,1,4−ブタンジオール,1,5−ペンタンジオール,1,6−ヘキサンジオール,トリメチロールプロパン,ペンタエリスリトール,ジペンタエリスリトール等を用いることもできる。その分子量は通常、50〜500の範囲のものである。
【0021】
また、重合型ポリオール化合物としては、例えばポリエーテルポリオール及びその変性体,ポリテトラエチレンエーテルグリコール,テトラヒドロフラン/アルキレンオキサイド共重合体ポリオール,エポキシ樹脂変性ポリオール,ポリエステルポリオール,ポリジエン系ポリオール(ポリイソプレン系ポリオールを除く),部分鹸化エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリウレタン原料として用いられるポリオールを挙げることができる。これらポリオール化合物の数平均分子量は通常500〜10000である。
【0022】
さらに、ヒマシ油系ポリオール化合物としては、ヒマシ油,水素化ヒマシ油,ヒマシ油エステル交換物等を挙げることができる。これらポリオール化合物は、2種類以上を混合して用いることもできる。
【0023】
本発明で使用可能なポリアミン化合物は、1分子中に2個またはそれ以上の活性水素を有するアミノ基を持つ化合物である。具体的には、例えばヘキサメチレンジアミン,ポリオキシプロピレンポリアミン等の脂肪族ポリアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン等の脂環族ポリアミン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン,3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン,3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン等の芳香族ポリアミン等を挙げることができる。
【0024】
上記の如きポリオール化合物またはポリアミン化合物は、通常は前記した(A)水酸基含有液状イソプレンホモポリマーまたはコポリマー100重量部に対してポリオール化合物またはポリアミン化合物を0.1〜400重量部、好ましくは1〜100重量部の割合で配合することができる。
【0025】
次に、本発明で用い得る無機充填材としては、亜鉛,アスベスト,アルミナ,アルミニウム,カオリンクレー,ガラス球,ガラスフレーク,ガラス繊維,炭素(チャンネルブラック,ファーネスブラック,アセチレンブラック,サーマルブラック),炭素繊維,カスミ石,クリオライト,グラファイト,シリカ,ケイ灰石,ケイソウ土,酸化亜鉛,酸化マグネシウム,酸化ジルコニウム,酸化チタン,酸化鉄,水酸化アルミニウム,水酸化マグネシウム,スレート粉,ゼオライト,石英粉,炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム,タルク,チタン酸カリウム,窒化ホウ素,長石粉,銅,ニッケル,二硫化モリブテン,硫酸バリウム,ホワイティング,ロウ石クレー,マイカ,セッコウ等を挙げることができる。
【0026】
また、有機充填材としては、ゴム粉末,セルロース,リグニン,キチン質,皮革粉,ヤシガラ,木粉等をはじめ、木綿,麻,羊毛,絹等の天然系繊維、ナイロン,ポリエステル,ビニロン,アセテート,アクリル等の合成繊維、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリスチレン,アクリル−ブタジエン−スチレン樹脂,ポリカーボネート,ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリメチルメタクリレート,塩化ビニル樹脂,エポキシ樹脂,フェノール樹脂等の合成樹脂粉末または顆粒等を挙げることができる。
【0027】
このような無機充填材あるいは有機充填材の配合量については特に制限はないが、通常は水酸基含有液状イソプレンホモポリマーまたはコポリマー100重量部に対して0.5〜500重量部、好ましくは5〜200重量部の割合で用いられる。
【0028】
本発明においては、硬化反応を促進するためにトリエチレンジアミン,テトラメチルグアニジン,N,N,N’N’−テトラメチルヘキサン−1,6−ジアミン,N,N,N’N”N”−ペンタメチルジエチレントリアミン,ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル,1,2−ジメチルイミダゾール,N−メチル−N’−(2−ジメチルアミノ)エチルピペラジン,ジアザビシクロウンデセン等の三級アミン,スタナスオクトエート,ジブチルチンジアセテート,ジブチルチンジラウレート,ジブチルチンチオカルボキシレート,ジブチルチンマーカプチド,ジブチルチンジマレエート,ジオクチルチンマーカプチド,ジオクチルチンチオカルボキシレート,フェニル水銀プロピオン酸塩,オクテン酸鉛等の有機金属化合物、前記三級アミンのカルボン酸塩等の触媒を添加することができる。
【0029】
これら触媒は、(A)成分である水酸基含有液状イソプレンホモポリマーまたはコポリマー100重量部に対して0.001〜10重量部、好ましくは0.005〜1.0重量部の割合で添加することができる。ここで添加量が10重量部を越えると、硬化促進効果が限界となるばかりでなく、局部的な異常反応生起(ゲル化)の危険性が大きくなるので好ましくない。
【0030】
粘度調整剤としては、ジオクチルフタレート等の可塑剤、パラフィン系,ナフテン系,アロマ系等のプロセスオイル、オレフィンオリゴマー、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、アルキルジフェニルエタン、シリコーンオイル等を挙げることができる。
【0031】
この粘度調整剤の配合量についても特に制限はないが、通常は水酸基含有液状イソプレンホモポリマーまたはコポリマー100重量部に対し500重量部以下、好ましくは200重量部以下である。
【0032】
瀝青物としては、ストレートアスファルト,ブローンアスファルト,セミブローンアスファルト,プロパン(溶剤)脱瀝アスファルト等の石油アスファルト、石油ピッチ、石炭タール、石炭ピッチ等を挙げることができる。
【0033】
この瀝青物の配合量についても特に制限はないが、通常は水酸基含有液状イソプレンホモポリマーまたはコポリマー100重量部に対して1000重量部以下である。
【0034】
本発明においては、所望によりさらに下記に示す他の添加剤を、反応中または反応後に添加することもできる。
【0035】
粘度低下のためにn−ヘキサン,シクロヘキサン,トルエン,キシレン等の炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン,シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、N,N−ジエチルホルムアミド,ジメチルスルホキシド等の溶剤を配合してもよい。
【0036】
この溶剤の配合量についても特に制限はないが、通常は水酸基含有液状イソプレンホモポリマーまたはコポリマー100重量部に対して200重量部以下、好ましくは100重量部以下である。
【0037】
また、粘着力,接着力の調整のためにアルキルフェノール樹脂,テルペン樹脂,テルペンフェノール樹脂,キシレンホルムアルデヒド樹脂,ロジン,水添ロジン,クマロン樹脂,脂肪族石油樹脂,脂環族石油樹脂および芳香族石油樹脂等の粘着性付与剤を使用してもよい。さらに、耐熱性,耐候性向上のためにヒンダードフェノール系,ヒンダードアミン系,ベンゾトリアゾール系等の老化防止剤,酸化防止剤,紫外線吸収剤を加えたり、難燃剤としてリン化合物,ハロゲン化合物,酸化アンチモン等を加えたり、消泡剤としてシリコン化合物等を加えたり、発泡防止剤としてゼオライト,生石灰等を添加することができる。
【0038】
本発明の金属塗装用組成物は、以上のような成分を所定割合で配合し、混合することにより得られる。組成物の調製にあたっては、混合装置,混練装置,撹拌装置等を用いて0〜120℃、好ましくは15〜100℃の温度で0.5秒〜8時間、好ましくは1秒〜5時間撹拌,混合すればよい。組成物の調製は、通常ワンショット法またはプレポリマー法により行う。
【0039】
ワンショット法では、まず前記成分のうち少なくともポリイソシアネート化合物を除く成分を配合して上記の温度および時間の条件で混合し、混合物を得る。この混合物にポリイソシアネート化合物および先の混合で用いなかった添加剤成分を添加して上記の温度および時間の条件で混合することにより、金属塗装用組成物が得られる。このときの好ましい反応当量比(NCO/OHまたはNCO/(OH+NH2 ))は0.5〜2.5である。
【0040】
プレポリマー法では、所定の当量比(NCO/OHまたはNCO/(OH+NH2))が1.7〜25の範囲で、水酸基含有液状イソプレンホモポリマーまたはコポリマー,ポリオール化合物,ポリアミン化合物のうち少なくとも1つとポリイソシアネート化合物とを、その他の添加剤の一部または全部の存在下あるいは非存在下に反応させてプレポリマーを得る。この場合の反応温度は上記条件と同じであり、反応時間は通常0.1〜10時間、好ましくは0.5〜8時間である。さらに、このプレポリマーに残りの成分を上記の温度および時間の条件で混合することにより、金属塗装用組成物が得られる。このときの好ましい反応当量比(NCO/OHまたはNCO/(OH+NH2))は0.5〜2.5である。また、所定の当量比(NCO/OHまたはNCO/(OH+NH2))が1.7〜5.0の範囲で配合全成分を配合し、上記と同様の反応温度で通常0.1〜10時間、好ましくは0.5〜8時間反応させてプレポリマーを得た後、このプレポリマーを空気中の湿気(水)と反応させることによっても金属塗装用組成物は得られる。
【0041】
このようにして調製された金属塗装用組成物は塗付,吹付け,刷毛塗り,ヘラ塗りあるいは含浸して、外気中に放置あるいは加熱などの硬化処理をするか、またはシート状に成型して適用することができる。
【0042】
【実施例】
次に、本発明を実施例により説明する。
【0043】
製造例1
水酸基含有液状ポリイソプレンの調製
1リットルのステンレス製耐圧反応容器にイソプレン200g,濃度20%の過酸化水素水40gおよびイソプロパノール100gを仕込み、温度120℃,反応時間2時間の条件で反応を行った。反応中、圧力は最高8kg/cm2 Gに達した。反応終了後、分液ロートに反応混合物を入れ、600gの水を添加して振とうし、次いで3時間静置した後、油層を分取した。この油層から溶媒,モノマー,低沸点成分を2mmHg,100℃,2時間の条件で留去し、分子鎖末端に水酸基を有する液状ポリイソプレン(収率66重量%)を得た。このものの数平均分子量は2240、水酸基含有量は0.96meq/g、粘度は64ポイズ/30℃、臭素価220g/100gであった。このときの1分子当たりの平均水酸基数は2.15である。また、1 H−NMRによる構造解析結果は、トランス−1,4構造57%,シス−1,4構造33%,1,2構造6%,3,4構造4%であった。
【0044】
製造例2
水酸基含有液状ポリイソプレンの調製
1リットルのステンレス製耐圧反応容器にイソプレン200g,濃度30%の過酸化水素水100gおよびイソプロパノール300gを仕込み、温度115℃,反応時間2.5時間の条件で反応を行った。反応中、圧力は最高7kg/cm2 Gに達した。反応終了後、分液ロートに反応混合物を入れ、600gの水を添加して振とうし、次いで3時間静置した後、油層を分取した。この油層から溶媒,モノマー,低沸点成分を2mmHg,100℃,2時間の条件で留去し、分子鎖末端に水酸基を有する液状ポリイソプレン(収率71重量%)を得た。このものの数平均分子量は1380、水酸基含有量は1.55meq/g、粘度は46ポイズ/30℃であった。このときの1分子当たりの平均水酸基数は2.14である。また、 1H−NMRによる構造解析結果は、トランス−1,4構造56%,シス−1,4構造33%,1,2構造6%,3,4構造5%であった。
【0045】
実施例1〜5および比較例1〜4
表1に示した各成分のうち、ポリイソシアネート化合物を除く所定量の原料を配合し、30℃で5分間混合撹拌し、これにポリイソシアネート化合物を表1に示す割合で加え、混合攪拌し液状重合体組成物を得た。
【0046】
得られた組成物を、金属試験片に厚さが2mmとなるように刷毛で塗布し、室温中で1週間放置して硬化させた。金属試験片は鋼板およびアルミ板を用いた。得られた硬化体について、次の試験を行った。結果を表1に示す。
【0047】
▲1▼密着性
得られた硬化体の金属との密着性を評価するため、塗膜剥離強度を測定した。まず、組成物を塗布した試験片の塗膜にカッターを用いて1cmの間隔で並行に2本の切り込みを入れたのち、引張り試験機の固定側に試験片を固定して、その1cm幅で切り込まれた塗膜の端をあらかじめ一部剥離させて可動側に固定した。これを180°の方向に10mm/minの速度で引張り、1cm幅における塗膜の剥離強度を求めた。
【0048】
▲2▼耐水性
得られた硬化体を水中に入れ、70℃にて一週間放置した。放置後、▲1▼に示した方法により塗膜剥離強度を測定した。
【0049】
▲3▼電気絶縁性
表1に示した成分より得られた液状重合体組成物を、室温中で一週間放置し硬化させた。このサンプルを用いて、JIS K 6911 に準拠し、体積抵抗率を測定した。
【0050】
【表1】
【0051】
*1 製造例1のもの,水酸基含量=0.96meq/g
*2 製造例2のもの,水酸基含量=1.55meq/g
*3 Poly bd R−45HT(出光石油化学(株)製),水酸基含量=0.83meq/g,数平均分子量 2650
*4 エポール(出光石油化学(株)製),水酸基含量=0.93meq/g,数平均分子量 2630
*5 液状変性MDI(日本ポリウレタン工業(株)製),カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート,イソシアネート含量=28.8wt%
*6 N,N−ビス2−ヒドロキシプロピルアニリン(三菱化成ダウ(株)製),水酸基含量=9.39meq/g
*7 日本乳化剤(株)製,水酸基含量=5.04meq/g
【0052】
【化1】
【0053】
*8 URIC Y403 (伊藤製油(株)製),水酸基含量=2.78meq/g
*9 ポリハードナー PA−400(第一工業製薬(株)製),水酸基含量=7.49meq/g,粘度15000センチポイズ/25℃,淡黄色透明粘稠液体
*10 微粉末シリカ(日本アエロジル(株)製)
*11 沈降性炭酸カルシウム(白石工業(株)製)
*12 酸化防止剤(チバガイギー製)
*13 紫外線吸収剤(チバガイギー製)
*14 γ−クロロプロピルトリメトキシシラン(日本ユニカー(株)製)
*15 ジブチル錫ジラウレート(共同薬品(株)製)
【0054】
【発明の効果】
本発明の金属塗装用組成物は、金属との密着性にすぐれ、金属あるいは金属等からなる構造物に塗付,吹付け,刷毛塗り,ヘラ塗りあるいは含浸して硬化処理するか、またはシート状に成型して適用することにより金属の耐水性,耐損傷性,防食性,耐衝撃性,電気絶縁性等の向上を図ることが可能な塗膜を提供することができる。従って、本発明の組成物は金属用塗料,コーティング材,防食材,防水材,保護材等の素材として有用である。
Claims (1)
- (A)水酸基を有する液状イソプレンホモポリマーまたはコポリマーおよび(B)ポリイソシアネート化合物からなる金属塗装用組成物。
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