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JP3563210B2 - 光ディスク装置用光学装置及び光ディスク装置 - Google Patents

光ディスク装置用光学装置及び光ディスク装置 Download PDF

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JP3563210B2
JP3563210B2 JP21581596A JP21581596A JP3563210B2 JP 3563210 B2 JP3563210 B2 JP 3563210B2 JP 21581596 A JP21581596 A JP 21581596A JP 21581596 A JP21581596 A JP 21581596A JP 3563210 B2 JP3563210 B2 JP 3563210B2
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  • Optics & Photonics (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク上に集光されるレーザビームのフォーカシング誤差検出及びトラッキング誤差検出を行う光ディスク装置用誤差検出光学装置に関する。
【0002】
光ディスクは近年急速に発展するマルチメディア化の中で中核となるメモリ媒体として脚光を浴びており、通常カートリッジの中に収容された状態で使用される。
【0003】
光ディスクカートリッジが光ディスク装置内にローディングされ、光ピックアップ(光学ヘッド)により光ディスクへのデータのライト/リードが行われる。
【0004】
【従来の技術】
光ディスク、光磁気ディスク等の記録媒体は記録媒体を取り替えて使用するものであり、またこれらの記録媒体は成形時の歪みによって反りやうねりが生じている。
【0005】
そのため、記録媒体には偏心や傾きが生じやすい。従って、記録された情報を読み出すためにはフォーカシング誤差検出及びトラッキング誤差検出を行わなくてはならない。
【0006】
フォーカシング誤差検出を行う方法としては、比点収差法、ナイフエッジ法、ウエッジプリズム法及び臨界角法等がある。そのうち、光ディスク装置のフォーカシング誤差検出としてはナイフエッジ法がよく用いられている。
【0007】
従来のナイフエッジ法を用いた誤差検出システムを図1を参照して説明する。半導体レーザ発生器2から出射されたレーザビームは、コリメータレンズ4、ビームスプリッタ6、ビームスプリッタ8及び対物レンズ10を透過して光ディスク12上にフォーカスされる。
【0008】
光ディスク12から反射した反射ビーム14は対物レンズ10に入射する。対物レンズ10で反射ビーム14はコリメートビーム16に戻され、ビームスプリッタ8に入射する。ビームスプリッタ8で反射ビーム14は透過ビーム18とサーボ用ビーム20に分割される。
【0009】
透過ビーム18の一部19はビームスプリッタ6で反射されて図示しない記録情報読み取り系に導かれる。サーボ用ビーム20はビームスプリッタ22でトラッキング誤差検出用のビーム24とフォーカシング誤差検出用のビーム26に分割される。
【0010】
ビーム26はフォーカシング誤差検出用集光レンズ28に入射する。レンズ28で集光されるビーム26はフォーカスする前にナイフエッジ30で半分に遮られ、半分に遮られたビーム32は光検知器34上にビームスポットを形成する。図2(A)〜図2(E)に示すように、光検知器34は光を検知することのできない分割線35によって2つに分割されている。図2(A)〜図2(E)を参照して、対物レンズ10と光ディスク12との間の距離に応じた光検知器34上に投影されるビームスポットの変化を説明する。
【0011】
ナイフエッジ法では、光ディスク12と対物レンズ10との間の距離によって光検知器34上のビームスポットの位置が移動する。従って、分割線35によって2つに分割された光検知器34の右側を34a、左側を34b、その光量をf34a及びf34bとすると、レーザビームの光ディスク12上へのフォーカシングエラーVは、
V=k(f34b−f34a)…(1)
で表すことができる。ここでkは定数である。
【0012】
この方法では、光ディスク12と対物レンズ10との間の距離が情報を読み取れる範囲内にあるときには、図2(C)に示すように光検知器34の分割線35の上にビームスポットが形成され、且つビームスポットの径が小さくなる。
【0013】
分割線35は約5μmの太さがあり、この上では光を検知することができない。従って、この状態では光検知器34に入射する光量が小さなものとなって迷い光などの外乱によって検出結果が不安定となる。
【0014】
また、ビームスポットが小さいと半導体レーザ発生器2と光検知器34との間の位置決めに要求される精度が厳しくなり、且つ光検知器の出力から光ディスク12と対物レンズ10との間の距離を計算できる範囲が狭くなる。よって、ビームスポットを大きくする必要がある。
【0015】
図3を参照すると、レンズ28と、レンズ28によりフォーカスされるビームスポット36との関係が示されている。レンズ28に入射するビームの波長をλ、レンズ28の開口長をd及びレンズ28とビームの集束位置までの距離をfとすると、ビームスポット36の直径Fは以下の式で示される。
【0016】
F=k(f/d)λ…(2)
kの値は入射する光の強度分布により異なるが、強度分布が一定の光を入射した場合、k=1.64である。式(2)より、ビームスポットの径Fはレンズの焦点距離f、レンズの開口長d及び入射するビームの波長λから決定される。
【0017】
従来では、光検知器34上にビームを集光するレンズ28の焦点距離fを大きくして、ビームスポット径Fを大きくしていたが、その結果光ピックアップの大型化を招いていた。また、半導体レーザ発生器2の光量を増やすという方法も考えられるが、半導体レーザ発生器2のコストアップという問題もある。
【0018】
他の従来技術として、ビームスプリッタ、集光レンズ及びナイフエッジを1つのホログラム回折格子で代用する誤差検出系を有する光ピックアップが提案されている。このような光ピックアップでは、図1に示した光検知器34にビームを集光するレンズ28の機能をコリメータレンズで代用している。
【0019】
そのため、ホログラム回折格子から光検知器までの焦点距離を変えるためには、コリメータレンズの焦点距離を変えなくてはならない。しかし、半導体レーザ発生器とコリメータレンズとの距離を遠ざけると、ビームの結合効率が悪くなり、ホログラム回折格子により光検知器方向に回折されるビームの総光量が少なくなる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
従って、ホログラム回折格子を用いた誤差検出系において、集光レンズ或いはコリメータレンズの焦点距離を長くせずに、光検知器に集光されるビームのスポット径を大きくする必要がある。
【0021】
故に本発明の目的は、回折格子を用いて誤差検出用光検知器に集光されるビームスポットの形状を制御することにより該光検知器に入射する光量を増大させ、精度のよいフォーカシング誤差検出を行うことのできる光ディスク装置用誤差検出光学装置を提供することである。
【0022】
【課題を解決するために手段】
本発明によると、光ディスク上に集光されるレーザビームのフォーカシング誤差検出及びトラッキング誤差検出を行う光ディスク装置用光学装置であって、
前記光ディスクで反射された反射ビームをそれぞれ異なる方向に回折するフォーカシング誤差検出用の第1及び第2領域と、トラッキング誤差検出用の第3及び第4領域を有する円形ホログラムからなる回折格子と;前記回折格子の第1領域で回折された反射ビームを検出する、第1の分割線を有する第1光検知器と;前記回折格子の第2領域で回折された反射ビームを検出する、第2の分割線を有する第2光検知器と;前記回折格子の第3領域で回折された反射ビームを検出する第3光検知器と;前記回折格子の第4領域で回折された反射ビームを検出する第4光検知器とを具備し;前記第3及び第4領域は、前記光ディスクの情報記録方向と平行に伸長するように設けられるとともに、前記回折格子の中心を通過し前記情報記録方向と平行な分割線により分割されており、前記第1及び第2領域は、前記分割線と垂直で且つ前記回折格子の中心を通過する基準線を挟んで対称となるように配置されるとともに、前記第1及び第2領域の各々は、前記分割線に対して左右対称となるように配置されており、前記第1及び第2領域の各々は、少なくとも前記分割線と平行で互いに離間した第1及び第2直線と、前記基準線と平行な第3直線とにより包囲されていることを特徴とする光ディスク装置用光学装置が提供される。
【0023】
代案として、第1及び第2領域の各々は前記直線状分割線と平行な互いに離間した第1及び第2直線と、前記直線状分割線と垂直な第3直線と、1つの曲線によって包囲されている形状であってもよい。好ましくは、この1つの曲線は回折格子の外周の一部に相当する。
【0024】
本発明の他の側面によると、光ディスク上に集光されるレーザビームのフォーカシング誤差検出及びトラッキング誤差検出を行う光ディスク装置用光学装置であって、前記光ディスクで反射された反射ビームをそれぞれ異なる方向に回折するフォーカシング誤差検出用の第1及び第2領域と、トラッキング誤差検出用の第3、第4、第5及び第6領域を有する回折格子と;前記回折格子の第4領域で回折された反射ビームを検出する第4光検知器と;前記回折格子の第5領域で回折された反射ビームを検出する第5光検知器と;前記回折格子の第6領域で回折された反射ビームを検出する第6光検知器とを具備し;前記第3、第4、第5及び第6領域は前記光ディスクの情報記録方向と平行に伸長するとともに前記回折格子の中心を通過する第1分割線と該第1分割線と垂直に交わり前記回折格子の中心を通過する第2分割線により分割されており、前記第1及び第2領域は前記第2分割線に対して対称で該第2分割線から離れて配置されており、前記第1及び第2領域の各々は、少なくとも前記第1分割線と平行な互いに離間した第1及び第2直線と、前記第2分割線と平行な第3直線によって包囲されていることを特徴とする光ディスク装置用光学装置が提供される。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を説明する前に、図4乃至図8を参照してホログラム回折格子を用いた本発明の原理について説明する。
【0026】
図4に2辺の長さがD1,D2である長方形のホログラム回折格子38と、それによって集光されるビームの2辺の長さがF1,F2であるビームスポット40との関係を示す。
【0027】
ホログラム回折格子38によるビームの集光も原理は光学レンズと変わらないため、ビームスポット40のサイズは入射するビームの波長λ、回折格子38の焦点距離及び開口長によって決定される。
【0028】
回折格子38の開口長は2辺の長さD1及びD2で表される。ただし、長さD1で示される1辺の方向は光検知器34の分割線35と垂直方向である。
式(2)より、開口長が大きくなるとビームスポットの径は小さくなるのだから、回折格子38の辺D1が長くなるとビームスポット40の1辺の長さF1が小さくなり、回折格子38の辺D2が長くなるとビームスポット40の1辺F2が小さくなる。従って、回折格子38の辺D1,D2の長さを変化させることによって、ビームスポット40の大きさ及び形状を制御することができる。
【0029】
また、ビームの総光量は回折格子38に入射する光量に等しいので、回折格子38に光量分布が均一のビームが入射するという条件下では、D1×D2の値が同じならば、ビームの総光量はD1,D2の値がどのような値を取ろうともすべて等しくなる。
【0030】
図5(A)〜図5(C)にD1×D2の値が等しい条件でD1の値を変化させたときの、光検知器上に集束されたビームスポット形状42a〜42cを示す。ハッチング35の部分は光検知器の分割線である。
【0031】
図5(A)と図5(C)を比較すると明らかなように、同じ面積の回折格子38から照射されたビームでもF1の長さによって光検知器34の光を検知する部分に入射する光量に差があり、回折格子38の1辺D1を短くするとF1が長くなり、光検知器34の光を検知する部分により多くの光を照射できることがわかる。
【0032】
次にD1×D2の値を一定にし、D1の値を変化させた時の対物レンズと光ディスクとの間の距離Lと式(1)のV(フォーカスエラー量)の値の関係を図6〜図8に示す。
【0033】
太線44はVの値を示し、2つの1点鎖線45で挟まれた領域46は、記録媒体に記録された情報を読み取ることのできるL(ヘッドとディスクの間隔に対応)の範囲である。また、Vの値が変化している領域48をダイナミックレンジとする。
【0034】
フォーカシング誤差補正はVからLを計算して、その値を基に補正動作を行うものであるから、ダイナミックレンジ48の範囲以外では補正動作を行うことができない。図6〜図8に補正動作開始の閾値電圧V1〜V3を示し、情報が読み取り可能状態にある時のLの取り得る値の幅をΔD1〜ΔD3とする。
【0035】
図6に示すように、出力V44の傾きが急峻であり、ΔD1は情報を読み取れる範囲46に比べて狭いので、Lが多少変動しただけでVの値が閾値電圧V1(−V1)を超えるため、フォーカシング誤差補正動作がひんぱんに発生し、補正できるLの範囲も狭くなる。更に、その補正動作に対物レンズを動かす駆動機構が十分に追従しないため、補正動作が失敗する原因となる。
【0036】
逆に図8の場合には、ΔD3を情報を読み取ることができる範囲46に一杯に設定することが可能であるが、出力V44の傾きがゆるやかであるため、ΔD3の幅に対して−V3〜V3の範囲が狭くなり、閾値電圧V3(−V3)を小さい値に設定しなければならない。
【0037】
しかし閾値電圧V3を小さくすると、光検知器が検知した結果に回路のノイズが混入することによって検知器出力が閾値を簡単に越えてしまうため、検知結果に誤差が多くなる。
【0038】
以上のことから、ビームスポット40の一辺F1の値は無制限に大きくすることはできない。最も条件のよいビームスポットは、図7に示すようにダイナミックレンジ48が情報を読み取ることができる範囲46に概略等しい時である。
【0039】
即ち、D1の値はビームスポット40の分割線と垂直方向の長さF1を大きくするためにある程度小さくしなくてはならない。しかし、回路のノイズに強くするためにD1を無制限に小さくすることはできず、ある範囲に限定される。
【0040】
以上から、光検知器の光を検知できる部分に入射する光量の下限と、電子回路のノイズに対する耐性からD1の値が決定する。D1が決定したら、フォーカシング誤差補正を行うのに必要な光量を確保できるD2の値が決定する。また、光ディスク装置の制約からレーザビームの波長λとコリメータレンズの焦点距離Fが決定される。
【0041】
以上の条件を備えたホログラム回折格子を用いることによって、ビームが光ディスク上にフォーカスした場合でも、光検知器に投影されるビームスポットを大きくすることが可能であり、しかも回路のノイズに強い光ディスク装置用誤差検出光学装置を提供することができる。上述した説明では長方形のホログラム回折格子を使用して説明をしたが、任意の形状のホログラム回折格子でも本発明は同様に適用可能である。
【0042】
次にトラッキング誤差検出について説明する。トラッキング誤差検出方法としては、プッシュプル法、ヘテロダイン法などがある。プッシュプル法は、光ディスクからの反射光分布が、対物レンズにより光ディスク上に集光されるレーザビームのビームスポットと、光ディスク上の案内溝との位置関係によって変化することを利用して、トラッキング誤差検出を行うものである。
【0043】
ビームスポットの中心がちょうど案内溝の中間位置にある場合には、反射光の分布は均一となり、ビームスポットの位置が中心からずれると反射光の分布が不均一となり、案内溝の中心線に対して右或いは左にかたよってしまう。
【0044】
従って、ビームスポットの中心がちょうど案内溝の中間の位置にあるときに、光ディスクの情報記録方向と平行の線によって反射ビームを2等分するホログラム回折格子に入射して、各々のビームを異なる光検知器AとBに入射すると、トラッキング誤差信号TESは光検知器A,Bの出力をfa,fbとすると以下の式で表される。
【0045】
TES=fa−fb
したがって、TESの値によってトラッキング誤差検出を行うことができる。光ディスクに入射するレーザビームの波長をλとすると、光ディスクの案内溝の深さがλ/8の時には集束位置の変動による反射光の分布の変化が最大となる。
【0046】
しかし、案内溝の深さがλ/4の時には集束位置の変動による反射光の変化の分布がなくなるという問題がある。さらに、集束位置の補正のために対物レンズを移動させ、回折光の中心と回折格子の中心がずれると、出力TESにオフセットが生じる。
【0047】
一方、ヘテロダイン法はプッシュプル法が反射ビームを2等分しているのに比べて、反射ビームを4等分して反射ビームの強度分布を測定するものである。プッシュプル法に比べて、案内溝の深さがλ/4でも反射ビームの集束位置の補正を行うことができる。
【0048】
対物レンズの移動による出力のオフセットが生じにくいなどの利点があるが、光検知器の出力からビームの集束位置の補正を行うのに複雑な電子回路を必要とする。
【0049】
図9を参照すると本発明の誤差検出装置を含んだ光ピックアップの全体構成図が示されている。半導体レーザ発生器50から出射されたレーザビーム52はいくつかの異なる回折方向を有するホログラム回折格子54を透過し、コリメータレンズ56に入射してコリメートビームに変換される。
【0050】
コリメートビームはビームスプリッタ58を透過して対物レンズ60に入射し、対物レンズ60により光ディスク62上にフォーカスされる。
光ディスク62表面で反射された反射ビームは、対物レンズ60によりコリメートビームに戻されて、ビームスプリッタ58に入射して反射ビーム64と透過ビーム66に分岐される。反射ビーム64は図示しない情報読み取り系に導かれる。
【0051】
透過ビーム66はコリメータレンズ56に入射し、コリメータレンズ56により集光されつつホログラム回折格子54に入射する。ビームスプリッタ58を透過した反射ビームはホログラム回折格子54によって4つの異なる方向に回折される。
【0052】
ホログラム回折格子54によって回折されたビーム68は4つの光検知器を含んだ光検知器ユニット70の表面付近で集光し、各光検知器の表面上にビームスポットを形成する。
【0053】
図10を参照すると、本発明第1実施形態のホログラム回折格子54と光検知器ユニット70の拡大斜視図が示されている。ホログラム回折格子54は第1領域54aと、第2領域54bと、第3領域54cと、第4領域54dに分割されている。各領域54a〜54bでホログラム回折格子54に入射したビームはそれぞれ異なる方向に回折される。
【0054】
第3領域54cと第4領域54dで回折されたビーム68c,68dはトラッキング誤差検出に用いられる。第3領域54cと第4領域54dを分割する分割線72は、光ディスクの情報記録方向と平行に伸長すると共にホログラム回折格子54の中心を通過する。
【0055】
光ディスク62の情報記録方向とホログラム54の分割線72との関係が図34に示されている。図34から明らかなように、ホログラム54の分割線72は光ディスク62のトラック63の方向と平行に伸長している。
【0056】
一方、第1領域54a及び第2領域54bで回折されたビーム68a,68bはフォーカシング誤差検出に用いられる。第1領域54a及び第2領域54bは、分割線72と垂直で且つ回折格子54の中心を通過する基準線74に対して対称であり、基準線74から離れて配置されている。
【0057】
第1及び第2領域54a,54bの各々は、分割線72と平行な互いに離間した2つの直線と、基準線74と平行な互いに離間した2つの直線によって包囲されている。即ち、第1及び第2領域54a,54bは長方形状をしており、基準線74に対して対称に配置されている。
【0058】
光検知器ユニット70はフォーカシング誤差検知用の光検知器76,78と、トラッキング誤差検知用の光検知器80,82とを含んでいる。光検知器76は分割線84により2つの領域76a,76bに分割されており、同様に光検知器78は分割線86により2つの領域78a,78bに分割されている。
【0059】
まず、トラッキング誤差検出について説明する。ホログラム回折格子54の第3領域54cで回折されたビーム68cは光検知器80上に集光し、第4領域54dで回折されたビーム68dは光検知器82上に集光される。
【0060】
第3領域54cと第4領域54dを分割する分割線72は、光ディスクの情報記録方向と平行に伸長しているため、プッシュプル法により光ディスク上のビームの集束位置とトラックとのずれの値、即ちトラッキング誤差信号(TES)は、光検知器80に入射する光量をf80、光検知器82に入射する光量をf82とすると、
TES=f80−f82
で表すことができる。
【0061】
次に、フォーカシング誤差検出について説明する。本実施形態では、フォーカシング誤差検出を行うのにホログラム回折格子54の第1及び第2領域54a,54bを使用する。第1領域54aで回折されたビーム68aは光検知器76上に集光し、第2領域54bで回折されたビーム68bは光検知器78上に集光される。
【0062】
上述したように、光検知器76,78の各々は、対物レンズと光ディスクの距離が変化することによってビームスポットが動く方向と垂直方向の分割線84,86でそれぞれ2つに分割されている。
【0063】
領域76a,76b,78a,78bに入射する光量をそれぞれf76a,f76b,f78a,f78bとすると、フォーカシング誤差信号(FES)は、
FES=(f76a−f76b)+(f78a−f78b)
で表すことができる。理想的には、FESが0となりフォーカスされた状態となる。
【0064】
図11(A)〜図11(C)を参照すると、光ディスクと対物レンズの距離が変化したときの光検知器上のビームスポットの変化する状態が示されている。
図11(B)はレーザビームが光ディスク表面上にフォーカシングした時を示しており、この場合には分割線84をまたぐように光検知器76上にビームスポット88aが形成され、同様に分割線86をまたぐように光検知器78上にビームスポット88bが形成される。
【0065】
図11(A)は図11(B)のときの光ディスク対物レンズ間距離よりも、光ディスク対物レンズ間距離が遠い場合の、光検知器76,78上のビームスポットの状態を示している。図11(C)は図11(B)のときの光ディスク対物レンズ間距離よりも、光ディスク対物レンズ間距離が近い場合の、光検知器76,78上のビームスポットの状態を示している。
【0066】
図12は図9に示した光ピックアップの実際の寸法関係の一例を示している。本実施形態では、半導体レーザ発生器50から出射されるレーザビームの波長を680nmとし、光ディスク62と対物レンズ60の間の距離が理想の長さから±9.0μm変動する範囲内で光ディスク62に記録された情報を読むことができるものとする。さらに、TES,FESを検出する光検知器の面積比は光量の制約から5.4:1に設定され、この比から変更できないものとする。
【0067】
図13、図15及び図17に示すような干渉縞分布を有するホログラム90,96及び104を用意した。図13に示されたホログラム90はFESビーム検出用の領域90a,90bと、TESビーム検出用の領域90c,90dとに分割されている。
【0068】
図15は本発明第2実施形態のホログラム96の干渉縞分布を示している。TESビームを検出する領域96c,96dはホログラム96の中心を通り、光ディスクの情報記録方向と平行に伸長する分割線98により分割されている。
【0069】
FESビームを検出する領域96a,96bはホログラム96の中心を通り分割線98に垂直な基準線に対して対称に配置されている。領域96a,96bの各々は分割線98に平行な2つの直線と、分割線98に垂直な1つの直線と、円形状ホログラム回折格子96の円周の一部に一致する曲線により包囲されている。
【0070】
図17に示されたホログラム回折格子104は、FESビーム検出用の領域104a,104bと、TESビーム検出用の領域104c,104dとに分割されている。領域104cと104dはホログラム104の中心を通り光ディスクの情報記録方向に平行な分割線106により分割されている。
【0071】
図13、図15及び図17に示されたホログラム回折格子90,96,104において、FESビーム検出用の領域とTESビーム検出用の領域の比は上述したように1:5.4で一定である。
【0072】
従って、図10に示した光検知器ユニット70の各光検知器76,78,80,82に入射する光量はいずれのホログラム回折格子90,96,104を採用した場合でも一定である。
【0073】
図14(A)は図13のホログラムを使用したときのTESビームのビームスポット92を示しており、図14(B)はFESビームのビームスポット94を示している。
【0074】
同様に、図16(A)は図15のホログラムを使用したときのTESビームのビームスポット100を示しており、図16(B)はFESビームのビームスポット102を示している。ビームスポット100と102は大きさは異なるがその形状は類似している。
【0075】
同様に、図18(A)は図17のホログラムを使用したときのTESビームのビームスポット108を示しており、図18(B)はFESビームのビームスポット110を示している。
【0076】
対物レンズ60と光ディスク62との間の変動距離ΔLと、FESビーム検知用の光検知器上のビームスポット中心の移動する距離ΔMの関係式を以下の式(3)に示す。
【0077】
ΔM≒±|ΔL|・L/(L+L+L)…(3)
ただし、Lは60,62間の距離、Lは54,56間距離、Lは54の厚み、Lは54,70間距離である。
【0078】
図12に示した各寸法と式(3)より、ΔLが±9.0μm変動すると、ビームスポット中心の移動する量ΔMは±3.86μmとなる。
本実施形態では、ビームスポットが移動する方向と直交するように光検知器76,78の分割線84,86を設けている。ビームスポットの移動する方向のビームスポットの長さをBLとすると、図6〜図8に示したダイナミックレンジ48の長さDLは以下の式(4)により求められる。
【0079】
DL=±|ΔL|・BL/2|ΔM|…(4)
式(4)を使用して、図13、図15及び図17に示したホログラム回折格子90,96及び104のダイナミックレンジを計算すると、各々のダイナミックレンジは、±6.2μm,±10.9μm,±14.5μmとなる。
【0080】
図7に示したように、ダイナミックレンジ46が光ディスク上に記録された情報を読み取ることのできる対物レンズ60と光ディスク62との間の距離変動ΔLに概略等しいときが最も望ましいので、上述した各値とΔL=±9.0μmとの対比から、図15に示したホログラム回折格子96を使用したときに最適なフォーカシング誤差検出を行えることがわかる。
【0081】
この場合には、図16(A)及び図16(B)に示すように、TESビームのビームスポット100とFESビームのビームスポット102が概略同一形状となる。
【0082】
図19を参照すると、本発明第3実施形態のホログラム回折格子と光検知器ユニットの斜視図が示されている。本実施形態は、フォーカシング誤差検出に関しては上述した第1及び第2実施形態と同様である。しかし本実施形態では、トラッキング誤差検出にヘテロダイン法を用いている。
【0083】
光磁気ディスク装置では、CD−ROMを読み取る装置と比べて高密度化のために波長の短い半導体レーザを使用している。従って、光磁気ディスクを読み書きする装置でCD−ROMを読むことを兼用させる場合は、短波長のレーザビームを使用しなくてはならない。
【0084】
しかし、CD−ROMの案内溝に光磁気ディスク用のレーザビームを照射した場合は、プッシュプル法を行えるだけのトラッキング誤差信号が返ってこない。よってこの場合にはヘテロダイン法を用いる必要がある。
【0085】
ホログラム回折格子112は6つの領域112a〜112fに分割されている。領域112a及び112bはFESビーム回折用の領域であり、領域112c〜112fはTESビーム回折用の領域である。
【0086】
光検知器ユニット118は図10に示した第1実施形態と同様なFESビーム検知用の光検知器76,78を含んでおり、フォーカシング誤差検出に関しては図10に示した第1実施形態と同様であるのでその説明を省略する。
【0087】
光検知器ユニット118はTESビーム検知用の4つの光検知器120,122,124及び126を含んでいる。ホログラム回折格子112の領域112c〜112fで回折されたビームは光検知器120,122,124,126上にそれぞれ入射する。
【0088】
ホログラム回折格子112の4つの領域112c〜112fはホログラム回折格子112の中心を通り光ディスクの情報記録方向に平行な第1の分割線114と、第1分割線114に垂直でホログラム回折格子112の中心を通る第2の分割線116により分割されている。
【0089】
光ディスク上のビームの集束位置と光ディスクのトラックとのずれTESは、光検知器120,122,124,126の出力をそれぞれf120,f122,f124,f126とすると、
TES=f120+f126−(f122+f124)
で表すことができる。
【0090】
図20を参照すると、本発明第4実施形態のホログラム回折格子が示されている。本実施形態は、図19に示した第3実施形態と同様に、光検知器ユニット118と組み合わせて使用される。
【0091】
ホログラム回折格子130は6つの領域130a〜130fに分割されている。領域130a及び130bはFESビーム回折用の領域であり、領域130cから130fはTESビーム回折用の領域である。
【0092】
ホログラム回折格子130の4つの領域130c〜130fはホログラム回折格子130の中心を通り光ディスクの情報記録方向に平行な第1の分割線132と、第1分割線132に垂直でホログラム回折格子130の中心を通る第2の分割線134により分割されている。
【0093】
本実施形態は、フォーカシング誤差検出に関しては上述した第1及び第2実施形態と同様である。しかし、トラッキング誤差検出に関しては図19に示した第3実施形態と同様にヘテロダイン法を用いる。
【0094】
上述した第1乃至第4実施形態では、各ホログラムの外径は、光ディスク62で反射された反射ビームがホログラム面に入射したときのビーム断面形状に等しいようにホログラムの大きさが設定されている。よって、以下に説明するトラッキング誤差信号のオフセットの問題が発生する恐れがある。
【0095】
図21を参照すると、本発明第2実施形態のホログラムとホログラム上での反射ビーム断面形状との関係が示されている。光学系の組立誤差がない場合、円形ホログラム96の外径と反射ビーム断面形状67とは概略一致している。
【0096】
図22(A)はホログラム96の取付誤差により、ホログラム96の中心がビーム断面67の中心より+Y方向にずれた場合の、ホログラム96とビーム断面67との位置関係を示している。図22(B)は、ホログラム96の中心がビーム断面67の中心より−Y方向にずれた場合の、ホログラム96とビーム断面67との関係を示している。
【0097】
ここで、図10に示した光検知器80の出力をP1、光検知器82の出力をP2とすると、トラッキング誤差信号(TES)は、
TES=P1−P2
で表される。ホログラム96の取付位置誤差がない図21の場合、対物レンズ60により光ディスク62上に集光されるビームスポットがトラックの真上に形成されているときには、TES≒0となる。
【0098】
従って図22(A)の場合、TES1の領域はけられによって光量が減少しているので、光ディスクのトラックの真上にレーザビームが集光されているときにTES≒0とはならない。そして、ホログラム取付誤差のない図21の場合のTESの値がTES>0となる状態のときにTES≒0となる。
【0099】
その結果、ビームスポットが光ディスクのトラックの真上からずれた状態のときに制御回路がオントラック状態と誤認してしまう。このような状態をトラッキング信号にオフセットが乗るという。同様な現象が図22(B)の場合にも発生する。
【0100】
図23(A)はホログラム96の中心がビーム断面67の中心より+X方向にずれた場合、図23(B)はホログラム96の中心がビーム断面67の中心より−X方向にずれた場合をそれぞれ示している。これらの場合は、TES1,TES2領域に等しくけられが生じているため、トラッキング信号にオフセットが乗らない。
【0101】
フォーカシングを行うための領域FES1,FES2に入射する光量に差が生じるようにけられが生じているが、フォーカシングを検出するダブルナイフエッジ法では、回折されたビームの光量ではなく、ビーム形状で誤差検出を行っているので、FES1,FES2に入射する光量に差が生じてもあまり大きな影響はない。
【0102】
以上から明らかなように、ホログラムの中心がY軸方向に取付誤差をもって光学系に取り付けられた場合、トラッキング信号にオフセットが乗り望ましくない。ヘテロダイン法では、このようなトラッキング信号のオフセットは発生しないが、この方法は光磁気ディスクのトラッキングには採用できない。
【0103】
従って、ホログラムを光学系に取り付ける場合に例え取付位置誤差が発生しても、トラッキング信号にオフセットが乗らない光ディスク装置用誤差検出光学装置が必要である。
【0104】
図24を参照すると、トラッキング信号にオフセットが乗らない本発明第5実施形態のホログラム回折格子が示されている。図24において、符号67は反射ビームがホログラム面に入射したときのビーム断面形状を示している。
【0105】
ホログラム回折格子136はFESビームを検出する領域136a,136bとTESビームを検出する領域136c,136dを含んでいる。FESビーム検出領域136a,133bは図15に示した第2実施形態の領域96a,96bとその形状及び大きさが同一である。
【0106】
TESビームを検出する領域136c,136dはホログラム136の中心を通り光ディスクの情報記録方向と平行に伸長する分割線138により分割されている。領域136c,136dの外周はビーム断面67の半径よりもm小さい半径を有する円によって画成されている。
【0107】
上述したように、トラッキング信号にオフセットが乗る場合は、Y軸方向に誤差をもってホログラム136が光学系に取り付けられた場合である。よって、図25(A)及び図25(B)に、ホログラム136の中心が+Y軸方向及び−Y軸方向に誤差をもって取り付けられたときのビーム断面67とホログラム136との関係をそれぞれ示す。
【0108】
図25(A)及び図25(B)から、ホログラム136がY軸方向に±mの誤差を持って光学系に取り付けられたとしても、けられを発生しないことがわかる。
【0109】
けられを発生しない場合には、トラッキング信号にオフセットが乗ることはない。従って、取付位置誤差mがあったとしても、トラッキング信号にオフセットが乗らない。このmの値をオフセットマージンと称する。
【0110】
図26は本発明第6実施形態のホログラム140と反射ビーム断面67との関係を示している。ホログラム140は図15に示した第2実施形態のホログラムと類似しており、第2実施形態の円形ホログラム96の半径よりもm小さい半径を有する円によりその外周が画成されている。
【0111】
円形ホログラム140はFESビームを検出する領域140a,140bと、FESビームを検出する領域140c,140dを含んでいる。領域140c,140dはホログラム140の中心を通り、光ディスクの情報記録方向と平行に伸長する分割線142により分割されている。
【0112】
図27は本発明第7実施形態のホログラム144と反射ビームがホログラムに入射したときのビーム断面形状67との関係を示している。ホログラム144はFES領域144a,144bと、TES領域144c,144dを含んでいる。
【0113】
FES領域144a,144bは図15に示した第2実施形態のFES領域96a,96bとその形状及び大きさが同一である。TES領域144c,144dはホログラム144の中心を通り、光ディスクの情報記録方向と平行に伸長する分割線146により分割されている。
【0114】
TES領域144cの外周は、図15に示した円形ホログラム96のTES領域96cの外周を画成する半円を−Y軸方向にmだけ平行移動して形成される円弧148により画成されている。
【0115】
同様に、TES領域144dを画成する外周は、円形ホログラム96のTES領域96dを画成する半円を+Y軸方向にmだけ平行移動して形成される円弧150により画成されている。
【0116】
このようなホログラム144を使用すると、図28(A)に示すようにホログラム144の中心が+Y軸方向に最大mだけずれて取り付けられてもけられが生じず、トラッキング信号にオフセットが乗ることはない。同様に、図28(B)に示すように−Y軸方向に最大mだけずれて取り付けられてもけられが生じず、トラッキング信号にオフセットが乗ることはない。
【0117】
図29は第5実施形態のホログラムと第7実施形態のホログラムを重ね合わせた状態を示したものである。第5実施形態のホログラム136のTES1領域の外周を137、TES2領域の外周を139とし、第7実施形態のホログラム144のTES1領域の外周を148、TES2領域の外周を150とする。
【0118】
外周137と外周148にはされまた領域をA,B、外周139と外周150にはさまれた領域をC,Dとする。図29から、同じオフセットマージンmで、第5実施形態のホログラム136に比べて第7実施形態のホログラム144はTES1領域でA+Bの光量を、TES2領域でC+Dの光量を増加させることができることが理解される。
【0119】
上述した第5乃至第7実施形態のホログラムでは次のような問題が発生する。即ち、半導体レーザ発生器50から出射されたレーザビームがホログラムを透過するときに、ホログラムの領域を透過したビームはホログラムの影響を受け、0次光量が低下するが、ホログラムが存在しない領域を透過したビームでは0次光量が低下しない。その結果、0次光量分布にばらつきが発生する。
【0120】
この問題を防止するためには、図30(A)及び図30(B)に示すように、ホログラム136及び144の回りにダミーホログラム152,154をそれぞれ配置する。
【0121】
ダミーホログラム152,154は、それぞれホログラム136,144の回折格子の空間周波数と同等の空間周波数を持ち、全く異なる方向に光を回折するものである。これによって、レーザビームの0次光量の分布のばらつきを抑えることができる。
【0122】
図31を参照すると、本発明第5実施形態のホログラム136の寸法の一例が反射ビームのホログラム上でのビーム断面67と関連して示されている。
図32を参照すると、本発明第7実施形態のホログラム144の寸法の一例が示されている。TES領域144cの外周148はホログラム144の中心156からmだけ−Y軸方向にオフセットした点158を中心とする円弧上にある。同様に、TES領域144dの外周150はホログラム144の中心156から+Y軸方向にmだけオフセットした点160を中心とする円弧上にある。
【0123】
図33を参照すると、本発明第8実施形態のホログラム162が示されている。本実施形態のホログラム162は図20に示した第4実施形態と同様に、トラッキング誤差検出にヘテロダイン法を用いるものである。
【0124】
ホログラム回折格子162は6つの領域162a〜162fに分割されている。領域162a及び162bはFESビーム回折用の領域であり、領域162c〜162fはTESビーム回折用の領域である。
【0125】
FES領域162a及び162bは、図20に示した第4実施形態のホログラム130のFES領域130a及び130bとその大きさ及び形状が同一である。
【0126】
TES領域162c〜162fは、ホログラム回折格子162の中心を通り光ディスクの情報記録方向に平行な第1の分割線164と、第1分割線164に垂直でホログラム回折格子162の中心を通る第2の分割線166により分割されている。
【0127】
TES領域162c,162eの外周は、図20に示した円形ホログラム130の中心を−Y軸方向にmだけオフセットした点を中心とする円弧168により画成されている。
【0128】
同様に、TES領域162d,162fの外周は、円形ホログラム130の中心を+Y軸方向にmだけオフセットした点を中心とする円弧170により画成されている。
【0129】
本実施形態のホログラム162を使用すると、トラッキング誤差検出にヘテロダイン法を用いる場合に、トラッキング信号にオフセットが乗ることが防止される。
【0130】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、回折格子を用いてフォーカシング誤差検知用の光検知器に集光されるビームスポットの形状を制御することにより該光検知器に入射する光量を増大させることができるため、精度のよいフォーカシング誤差検出を行うことのできる光ディスク装置用誤差検出光学装置を提供することができる。
【0131】
本発明の望ましい実施態様によれば、ホログラムを光学系に取り付けた場合に取付位置誤差が存在しても、トラッキング信号にオフセットが乗ることのない光ディスク装置用誤差検出光学装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の光ピックアップの全体構成を示す図である。
【図2】光検知器上のビームスポットの変化を示す図である。
【図3】レンズとビームスポットとの関係を示す図である。
【図4】長方形回折格子とビームスポットとの関係を示す図である。
【図5】D1を変化させたときのビームスポット形状を示す図である。
【図6】D1が大きいときの対物レンズと光ディスク間の距離Lと光検知器の出力Vとの関係を示す図である。
【図7】D1が中間のときのLとVとの関係を示す図である。
【図8】D1が小さいときのLとVとの関係を示す図である。
【図9】本発明の誤差検出装置を含んだ光ピックアップの全体構成図である。
【図10】本発明の第1実施形態斜視図である。
【図11】光ディスクに対するレーザビームのフォーカシングが変化したときの光検知器上のビームスポットの変化を示す図である。
【図12】図9に示した光ピックアップの寸法関係の一例を示す図である。
【図13】ホログラムの干渉縞分布を示す図である。
【図14】図14(A)は図13のホログラムを使用したときのTESビームのビームスポットを示す図であり、図14(B)はFESビームのビームスポットを示す図である。
【図15】本発明第2実施形態のホログラムの干渉縞分布を示す図である。
【図16】図16(A)は図15のホログラムを使用したときのTESビームのビームスポットを示す図であり、図16(B)はFESビームのビームスポットを示す図である。
【図17】ホログラムの干渉縞分布を示す図である。
【図18】図18(A)は図17のホログラムを使用したときのTESビームのビームスポットを示す図であり、図18(B)はFESビームのビームスポットを示す図である。
【図19】本発明第3実施形態斜視図である。
【図20】本発明第4実施形態のホログラムの干渉縞分布を示す図である。
【図21】第2実施形態のホログラムと反射ビーム断面形状との関係を示す図である。
【図22】図22(A)はホログラムの中心が反射ビームの中心から+Y軸方向にずれた場合を示す図、図22(B)はホログラムの中心が反射ビームの中心から−Y軸方向にずれた場合を示す図である。
【図23】図23(A)はホログラムの中心が反射ビームの中心から+X軸方向にずれた場合を示す図、図23(B)はホログラムの中心が反射ビームの中心から−X軸方向にずれた場合を示す図である。
【図24】本発明第5実施形態のホログラムをビーム断面形状と関連させて示した図である。
【図25】図25(A)はホログラムの中心が反射ビームの中心から+Y軸方向にずれた場合を示す図であり、図25(B)はホログラムの中心が反射ビームの中心から−Y軸方向にずれた場合を示す図である。
【図26】本発明第6実施形態のホログラムを反射ビームの断面形状と関連させて示した図である。
【図27】本発明第7実施形態のホログラムを反射ビームの断面形状と関連させて示した図である。
【図28】図28(A)はホログラムの中心が反射ビームの中心から+Y軸方向にずれた場合を示す図であり、図28(B)はホログラムの中心が反射ビームの中心から−Y軸方向にずれた場合を示す図である。
【図29】第5実施形態のホログラムと第7実施形態のホログラムとを重ね合わせた状態を示す図である。
【図30】図30(A)は第5実施形態のホログラムの変形例を示す図であり、図30(B)は第7実施形態のホログラムの変形例を示す図である。
【図31】本発明第5実施形態のホログラムの寸法を示す図である。
【図32】本発明第7実施形態のホログラムの寸法を示す図である。
【図33】本発明第8実施形態のホログラムの干渉縞分布を示す図である。
【図34】光ディスクの情報記録方向とホログラムの分割線との関係を示す図である。
【符号の説明】
50 半導体レーザ発生器
54 ホログラム回折格子
56,60 コリメータレンズ
58 ビームスプリッタ
62 光ディスク
70 光検知器ユニット
76,78,80,82 光検知器
76,78 分割線

Claims (24)

  1. 光ディスク上に集光されるレーザビームのフォーカシング誤差検出及びトラッキング誤差検出を行う光ディスク装置用光学装置であって、
    前記光ディスクで反射された反射ビームをそれぞれ異なる方向に回折するフォーカシング誤差検出用の第1及び第2領域と、トラッキング誤差検出用の第3及び第4領域を有する円形ホログラムからなる回折格子と;
    前記回折格子の第1領域で回折された反射ビームを検出する、第1の分割線を有する第1光検知器と;
    前記回折格子の第2領域で回折された反射ビームを検出する、第2の分割線を有する第2光検知器と;
    前記回折格子の第3領域で回折された反射ビームを検出する第3光検知器と;
    前記回折格子の第4領域で回折された反射ビームを検出する第4光検知器とを具備し;
    前記第3及び第4領域は、前記光ディスクの情報記録方向と平行に伸長するように設けられるとともに、前記回折格子の中心を通過し前記情報記録方向と平行な分割線により分割されており、
    前記第1及び第2領域は、前記分割線と垂直で且つ前記回折格子の中心を通過する基準線を挟んで対称となるように配置されるとともに、前記第1及び第2領域の各々は、前記分割線に対して左右対称となるように配置されており、
    前記第1及び第2領域の各々は、少なくとも前記分割線と平行で互いに離間した第1及び第2直線と、前記基準線と平行な第3直線とにより包囲されていることを特徴とする光ディスク装置用光学装置。
  2. 前記第1及び第2光検知器に投影されるビームスポットの前記第1及び第2分割線に対して垂直方向の長さは、前記第1及び第2直線の長さによって規定される請求項1記載の光ディスク装置用光学装置。
  3. 前記第1及び第2光検知器に入射する反射ビームの光量は、前記第3直線の長さによって規定される請求項記載の光ディスク装置用光学装置。
  4. 前記第1領域は前記第2領域と実質上等しい面積を有しており、前記第3領域は前記第4領域と実質上等しい面積を有しており、前記第3及び第4領域の各々の面積は前記第1及び第2領域の各々の面積よりも大きい請求項1記載の光ディスク装置用光学装置。
  5. 前記第1及び第2領域の各々は更に、前記基準線と平行で前記第3直線と離間した第4直線によって包囲される請求項1記載の光ディスク装置用光学装置。
  6. 前記第1及び第2領域の各々は更に、1つの円弧によって包囲される請求項1記載の光ディスク装置用光学装置。
  7. 前記円弧は前記円形ホログラムの外周の一部に一致する請求項記載の光ディスク装置用光学装置。
  8. 前記回折格子の少なくとも前記基準線方向の差し渡しは、前記回折格子の入力面における前記光ディスクからの反射ビームの直径よりも小さい請求項1記載の光ディスク装置用光学装置。
  9. 前記回折格子は、前記第1乃至第4領域の回折方向とは異なる方向に前記反射ビームを回折するとともに、前記第1乃至第4領域の空間周波数と実質上等しい空間周波数を有する第5の領域をその周囲に更に具備した請求項記載の光ディスク装置用光学装置。
  10. 前記円弧は、前記分割線と前記基準線との交点を中心とする円の一部と一致し、前記第3領域は前記円を前記基準線に沿って前記第4領域方向に所定量平行移動した第1円弧により画成され、前記第4領域は前記円を前記基準線に沿って前記第3領域方向に前記所定量平行移動した第2円弧により画成されており、前記円の直径は前記反射ビームの前記回折格子の入力面におけるビームの直径に概略一致する請求項記載の光ディスク装置用光学装置。
  11. 前記回折格子は、前記第1乃至第4領域の回折方向とは異なる方向に前記反射ビームを回折するとともに、前記第1乃至第4領域の空間周波数と実質上等しい空間周波数を有する第5の領域をその周囲に更に具備した請求項10記載の光ディスク装置用光学装置。
  12. 光ディスク上に集光されるレーザビームのフォーカシング誤差検出及びトラッキング誤差検出を行う光ディスク装置用光学装置であって、
    前記光ディスクで反射された反射ビームをそれぞれ異なる方向に回折するフォーカシング誤差検出用の第1及び第2領域と、トラッキング誤差検出用の第3、第4、第5及び第6領域を有する回折格子と;
    前記回折格子の第4領域で回折された反射ビームを検出する第4光検知器と;
    前記回折格子の第5領域で回折された反射ビームを検出する第5光検知器と;
    前記回折格子の第6領域で回折された反射ビームを検出する第6光検知器とを具備し;
    前記第3、第4、第5及び第6領域は前記光ディスクの情報記録方向と平行に伸長するとともに前記回折格子の中心を通過する第1分割線と該第1分割線と垂直に交わり前記回折格子の中心を通過する第2分割線により分割されており、
    前記第1及び第2領域は前記第2分割線に対して対称で該第2分割線から離れて配置されており、
    前記第1及び第2領域の各々は、少なくとも前記第1分割線と平行な互いに離間した第1及び第2直線と、前記第2分割線と平行な第3直線によって包囲されていることを特徴とする光ディスク装置用光学装置。
  13. 前記回折格子は円形ホログラムから構成される請求項12記載の光ディスク装置用光学装置。
  14. 前記第1及び第2光検知器に投影されるビームスポットの前記第1及び第2分割線と垂直方向の長さは、前記第1及び第2直線の長さによって規定される請求項12記載の光ディスク装置用光学装置。
  15. 前記第1及び第2光検知器に入射する反射ビームの光量は、前記第3直線の長さによって規定される請求項14記載の光ディスク装置用光学装置。
  16. 前記第1領域は前記第2領域と実質上等しい面積を有しており、前記第3領域〜前記第6領域は実質上互いに等しい面積を有しており、前記第3〜第6領域の各々は前記第1及び第2領域の各々よりも大きい面積を有している請求項12記載の光ディスク装置用光学装置。
  17. 前記回折格子の少なくとも前記第2分割線方向の差し渡しは、前記回折格子の入力面における前記光ディスクからの反射ビームの直径よりも小さい請求項12記載の光ディスク装置用光学装置。
  18. 前記回折格子は、前記第1乃至第6領域の回折方向とは異なる方向に前記反射ビームを回折するとともに、前記第1乃至第6領域の空間周波数と実質上等しい空間周波数を有する第7の領域をその周囲に更に具備した請求項17記載の光ディスク装置用光学装置。
  19. 前記第1及び第2領域の各々は更に、前記第2分割線と平行で前記第3直線と離間した第4直線によって包囲されている請求項12記載の光ディスク装置用光学装置。
  20. 前記第1及び第2領域の各々は更に、1つの円弧によって包囲されている請求項12記載の光ディスク装置用光学装置。
  21. 前記円弧は前記円形ホログラムの外周の一部に一致する請求項20記載の光ディスク装置用光学装置。
  22. 前記円弧は前記第1分割線と前記第2分割線の交点を中心とする円の一部と一致し、前記第3及び第4領域は前記円を前記第2分割線に沿って前記第5及び第6領域方向に所定量平行移動した第1円弧により画成されており、前記第5及び第6領域は前記円を前記第2分割線に沿って前記第3及び第4領域方向に前記所定量平行移動した第2円弧により画成されており、前記円の直径は前記反射ビームの前記回折格子の入力面におけるビームの直径に概略一致する請求項20記載の光ディスク装置用光学装置。
  23. 光ディスク装置であって、
    光ディスクで反射された反射ビームをそれぞれ異なる方向に回折するフォーカシング誤差検出用の第1及び第2領域と、トラッキング誤差検出用の第3及び第4領域を有する円形ホログラムからなる回折格子と;
    前記回折格子の第1領域で回折された反射ビームを検出する、第1の分割線を有する第1光検知器と;
    前記回折格子の第2領域で回折された反射ビームを検出する、第2の分割線を有する第2光検知器と;
    前記回折格子の第3領域で回折された反射ビームを検出する第3光検知器と;
    前記回折格子の第4領域で回折された反射ビームを検出する第4光検知器とを具備し;
    前記第3及び第4領域は、前記光ディスクの情報記録方向と平行に伸長するように設けられるとともに、前記回折格子の中心を通過し前記情報記録方向と平行な分割線により分割されており、
    前記第1及び第2領域は、前記分割線と垂直で且つ前記回折格子の中心を通過する基準線を挟んで対称となるように配置されるとともに、前記第1及び第2領域の各々は、前記分割線に対して左右対称となるように配置されており、
    前記第1及び第2領域の各々は、少なくとも前記分割線と平行で互いに離間した第1及び第2直線と、前記基準線と平行な第3直線とにより包囲されていることを特徴とする光ディスク装置。
  24. 光ディスク装置であって、
    光ディスクで反射された反射ビームをそれぞれ異なる方向に回折するフォーカシング誤差検出用の第1及び第2領域と、トラッキング誤差検出用の第3、第4、第5及び第6領域を有する回折格子と;
    前記回折格子の第1領域で回折された反射ビームを検出する、第1分割線を有する第1光検知器と;
    前記回折格子の第2領域で回折された反射ビームを検出する、第2分割線を有する第2光検知器と;
    前記回折格子の第3領域で回折された反射ビームを検出する第3光検知器と;
    前記回折格子の第4領域で回折された反射ビームを検出する第4光検知器と;
    前記回折格子の第5領域で回折された反射ビームを検出する第5光検知器と;
    前記回折格子の第6領域で回折された反射ビームを検出する第6光検知器とを具備し;
    前記第3、第4、第5及び第6領域は前記光ディスクの情報記録方向と平行に伸長するとともに前記回折格子の中心を通過する第1分割線と該第1分割線と垂直に交わり前記回折格子の中心を通過する第2分割線により分割されており、
    前記第1及び第2領域は前記第2分割線に対して対称で該第2分割線から離れて配置されており、
    前記第1及び第2領域の各々は、少なくとも前記第1分割線と平行な互いに離間した第1及び第2直線と、前記第2分割線と平行な第3直線によって包囲されていることを特徴とする光ディスク装置。
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