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JP3561663B2 - 自動販売機の商品収納装置 - Google Patents

自動販売機の商品収納装置 Download PDF

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JP3561663B2
JP3561663B2 JP25417499A JP25417499A JP3561663B2 JP 3561663 B2 JP3561663 B2 JP 3561663B2 JP 25417499 A JP25417499 A JP 25417499A JP 25417499 A JP25417499 A JP 25417499A JP 3561663 B2 JP3561663 B2 JP 3561663B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多数の商品を前後方向に並べて収納するとともに、実際に販売する商品を視認可能な、いわゆるショーケース型の自動販売機の商品収納装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、この種の商品収納装置を例えば特願平10−280336号にすでに提案している。この商品収納装置は、販売機本体内に上下方向に並んで格納された複数段の商品ラックを備えており、各商品ラックは、販売機本体内のラックフレームに水平にかつ前後方向に引き出し自在に取り付けられている。また、商品ラックには、複数の商品通路が画成されており、これら複数の商品通路は、前後方向に延び、かつ左右方向に並んでいるとともに、各商品通路の前端は、商品を払い出すための開放した払出口になっている。
【0003】
さらに、商品ラックは、ロック機構により、ラックフレームに通常、ロックされている。このロック機構は、解除レバーおよび商品ストッパを有しており、この解除レバーの操作により、商品ラックのロックが解除され、商品ラックを販売機本体から引き出すことが可能になる。商品ストッパは、左右方向に延びており、商品ラックの下側に格納され、各商品通路の払出口を開放する開放位置と、払出口に臨み、これを閉鎖する閉鎖位置との間で移動可能に設けられているとともに、販売時には、開放位置に保持される。このため、商品ストッパを下段の商品ラックに収納した商品に干渉しないようにするとともに、商品の収納効率の点からその格納時に占める高さを抑える必要がある。これらの理由から、商品ストッパは、金属製の細長い棒で構成されている。
【0004】
以上のように構成された商品収納装置では、販売時に、商品ラックは販売機本体内に格納され、商品ストッパは払出口を開放する開放位置に保持される。また、ローディング時には、下記のようにローディング作業が行われる。まず、ロック機構の解除レバーを操作することによって、ラックフレームに対する商品ラックのロックを解除する。これに伴い、商品ストッパが閉鎖位置に移動することにより、商品通路の払出口が閉鎖される。この状態で商品ラックを販売機本体から引き出し、補充商品を商品通路に収納した後、商品ラックを販売機本体内に戻すと、ロック機構により、商品ラックはラックフレームにロックされる。次いで、手で商品ストッパを開放位置に移動させ、払出口を開放する。以上により、ローディング作業が終了し、商品の販売が可能になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の商品収納装置によれば、商品ストッパは、上述した理由により左右方向に延びる金属製の細長い棒で構成されているので、払出口を閉鎖している状態において、商品ストッパと商品通路の底面との間に比較的、大きな隙間が生じる。このため、ローディング時に商品ラックを前後方向に移動させると、この隙間よりも高さの低い商品は、隙間から逃げて落下しやすい。また、同じ理由により、商品ストッパは、払出口を閉鎖しているときに、その中央部においてたわみやすい。このたわみにより、上記ローディング時に、商品ラックを前後方向に移動させると、その中央部付近の商品通路に収納した商品が前方に傾きやすく、例えば高さの高い商品では、最悪の場合、落下してしまう。以上の理由により、ローディング時に、商品ストッパにより安定した状態で商品を商品通路内に保持しようとすれば、商品の高さが制約されるという問題がある。
【0006】
さらに、商品ストッパや解除レバーを商品ラックごとに設ける必要があるので、その分、製造コストが上昇する。また、ローディング時には、商品ラックを格納位置に戻した後、商品ストッパを開放位置まで手作業で戻さなければならない。しかし、上述したように商品ストッパが金属製の細長い棒で構成されているので、商品ストッパ自体が目立ちにくく、その戻し忘れが発生しやすい。この場合には、商品の不販売を招いてしまう。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、実際に販売する商品を前方から視認可能な自動販売機の商品収納装置において、ディスプレイ効果を維持しながら、ローディング作業を円滑に行うことができ、製造コストを削減することができるとともに、商品の不販売を防止できる自動販売機の商品収納装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1の自動販売機の商品収納装置は、透明な前面パネルを有する販売機本体と、係合部と、複数の商品を前後方向に並べて収納するとともに、前端に収納した商品を払い出すための払出口を形成した商品通路とを有し、販売機本体内の所定の格納位置に格納されるとともに、販売機本体内から前方に引出し可能な複数の商品ラックと、これら複数の商品ラックの各々に対応して設けられ、対応する商品ラックを所定の格納位置にロックするロック位置と、このロックを解除するロック解除位置との間で移動自在のロック部材と、このロック部材をロック位置側に付勢するロック付勢手段と、複数の商品ラックの係合部に着脱自在に係合可能な係合部を有し、この係合部を複数の商品ラックの係合部のいずれか1つに係合させることにより、複数の商品ラックに選択的に取り付けられ、取り付けられた商品ラックの商品通路の払出口を閉鎖する商品ストッパと、を備えることを特徴とする。
【0009】
この自動販売機の商品収納装置によれば、ローディング時以外では、商品ストッパは使用されず、商品ラックは、販売機本体内の所定の格納位置に格納された状態で、ロック部材によりロックされている。この状態では、商品ラックの商品通路の払出口は開放され、商品通路内の商品を前方から視覚的に遮るものがない状態になることにより、商品のディスプレイ効果を確保することができる。また、ローディング時には、商品ストッパの係合部を、引き出すべき商品ラックの係合部に係合させることにより、商品ストッパを商品ラックに取り付け、商品通路の払出口を閉鎖する。次いで、ロック部材をロック解除位置に移動させ、商品ラックを引き出し、これに商品を補充する。この後、商品ラックを販売機本体内の所定の格納位置に格納し、これをロック部材によりロックさせる。さらに、商品ストッパの係合部と商品ラックの係合部との係合を解除することにより、商品ストッパを商品ラックから取り外し、払出口を開放状態に復帰させる。以上のように、ローディング時において商品ラックを移動させる際に、商品ストッパにより商品通路の払出口が閉鎖されるので、商品通路からの商品の落下が防止される。これにより、ローディング作業を円滑に行うことができる。また、1つの商品ストッパを選択した1つの商品ラックに係合させ、引き出す作業を商品ラックの個数分だけ繰り返すことにより、すべての商品ラックを引き出すことができる。このように1つの商品ストッパを用いるだけで、すべての商品ラックを引き出すことができるので、従来と異なり、商品ストッパを商品ラックごとに設ける必要がなく、その分、製造コストを削減することができる。
【0010】
上記請求項1に記載の自動販売機の商品収納装置において、商品ストッパは、商品ラックに取り付けられたときに、ロック部材を押圧することにより、ロック解除位置に移動させるように構成されていることが好ましい。
【0011】
この自動販売機の商品収納装置によれば、商品ストッパを商品ラックに取り付けるだけで、ロック部材をロック解除位置に移動させ、商品ラックのロックを解除することができる。これにより、商品ラックのロックを解除するための、商品ストッパとは別個の部品、例えば従来の解除レバーのような部品が不要になり、その分、製造コストをさらに削減することができる。
【0012】
また、上記請求項1または2に記載の自動販売機の商品収納装置において、商品通路は、左右方向に並ぶ複数の商品通路で構成され、商品ストッパは、商品ラックに取り付けられた状態において、複数の商品通路のすべての払出口を閉鎖するような左右方向の所定の長さを有するとともに、払出口の少なくとも一部を覆うような上下方向の所定の幅を有していることが好ましい。
【0013】
この自動販売機の商品収納装置によれば、商品ラックに取り付けた商品ストッパにより、複数の商品通路のすべての払出口が閉鎖されるとともに、払出口の少なくとも一部が覆われる。したがって、商品ストッパの所定の幅を適切に設定することにより、商品ストッパと商品通路の底面との隙間を従来の棒状の商品ストッパよりも小さくできる。これにより、高さの低い商品でも、商品ラックを前後方向に移動させる際に、隙間から逃げたりすることなく、商品通路内に確実に保持することができ、ローディング作業を円滑に行うことができる。また、商品ストッパが、上下方向に所定の幅で払出口の少なくとも一部を覆っているので、商品ストッパを目立たせることができる。その結果、ローディング終了後の商品ストッパの取り外し忘れを防止することができ、商品の不販売を防止することができる。
【0014】
さらに、上記請求項3に記載の自動販売機の商品収納装置において、商品ストッパは、商品ラックに取り付けられた状態において上方に突出する取っ手部を備え、かつ屈曲した断面形状を有していることが好ましい。
【0015】
この自動販売機の商品収納装置によれば、商品ストッパは、屈曲した断面形状を有しているので、従来の棒状の商品ストッパよりも剛性が高く、商品ラックに取り付られた状態においてたわみにくい。これにより、高さの高い商品が商品通路内に収納されている場合でも、商品ラックを前後方向に移動させる際に、商品を前方に傾斜させることなく、商品通路内に安定した状態で保持することができ、ローディング作業を円滑に行うことができる。また、商品ストッパが商品ラックに取り付けられているときに、取っ手部が上方に突出した状態になるので、これに指をかけ、商品ラックを容易に引き出すことができる。
【0016】
また、上記請求項1ないし4のいずれかに記載の自動販売機の商品収納装置において、販売機本体内に設けられ、商品ストッパを保持するためのホルダをさらに備えることが好ましい。
【0017】
この自動販売機の商品収納装置によれば、商品ストッパを販売機本体内に設けたホルダに保持させることで、これを販売機本体内に保管できる。これにより、商品ストッパをローディング時にすぐ使用できるとともに、その紛失を防止することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る自動販売機の商品収納装置について説明する。図1は、本実施形態の商品収納装置1を組み込んだ自動販売機2の外観を示している。この自動販売機2は、横長ボックス状の販売機本体3(図2参照)内に、缶入飲料やペットボトル入り飲料などの多品目の商品Sを前後方向に並べて収納するとともに、商品Sを前面の透明なスライディングドア3a(前面パネル)を通して見えるようにした、いわゆるショーケース型のものである。自動販売機2は、上記販売機本体3と、商品Sを収納するとともに販売時にこれを払い出す商品収納装置1と、販売時に、商品収納装置1から払い出された商品Sを受け取り、搬出する商品搬出装置4とを備えている。
【0019】
販売機本体3は、複数の外壁パネル3bをボックス状に組み立てたものであり、その開放した前面には、2枚の上記スライディングドア3a,3aが取り付けられている。各スライディングドア3aは、通常は閉状態でロックされており、商品Sのローディング時などに、そのロックを解除して開放され、後述するように商品Sが補充される。また、販売機本体3の上部には、商品Sを冷却する冷却装置5が設けられ、前面のスライディングドア3aの右方には、商品取出口6およびコントロールパネル7が設けられている。コントロールパネル7は、プリペイドカードが挿入されるカード挿入口7aと、LCDで構成され、商品購入者が購入商品を選択するための操作パネル7bとを備えている。
【0020】
商品搬出装置4は、商品収納装置1の前方に上下方向に延びるように配置され、左右方向に移動可能なYモジュール4aと、Yモジュール4aに取り付けられ、これに沿って上下方向に移動可能なバケット4bとを備えている。商品Sの販売時に、これらYモジュール4aおよびバケット4bはそれぞれ図示しない駆動機構により駆動され、商品収納装置1から払い出された商品Sをバケット4bで受け取り、商品取出口6に搬出する。
【0021】
次に、商品収納装置1の構成について説明する。商品収納装置1は、図2に示すように、販売機本体3内に組み立てられたラックフレーム10と、このラックフレーム10に水平に取り付けられた多数の商品ラック11と、商品ラック11に着脱自在に取り付けられる2つの商品ストッパ20,20とを備えている。ラックフレーム10は、左右の3箇所に等間隔で配置された縦フレーム材10a,10a,10aを有している。これらの縦フレーム材10aの上部間および下部間に上下の横フレーム材10b,10bが連結され、さらに、図示しない側壁パネルが縦フレーム材10aに取り付けられており、各2つの縦フレーム材10a、10a間に、左右2つの商品収納室が画成されている。各商品収納室は、図2に示すように、最大で上下10段の商品ラック11を並べて格納可能であり、これらの商品ラック11は、図1に示すように、その前端が面一に並ぶような所定の格納位置(図4参照)に格納される。
【0022】
また、図8に示すように、左右の縦フレーム材10aにはそれぞれ、上下2つのピン状のホルダ9,9が突出して設けられており(1つのみ図示)、これらのホルダ9,9は、上下方向に所定距離、離れて配置されている。各ホルダ9は、縦フレーム材10aから前方に所定長さで延びる円柱状の胴部9aと、この胴部9aの先端に設けられた円板状の頭部9bとを備えており、この頭部9bは、胴部9aよりも大きな径を有している。
【0023】
図3に示すように、商品ラック11は、平面形状が矩形の棚板12と、この棚板12に着脱自在に取り付けられ、棚板12上を左右方向に仕切る複数の仕切壁13とを備えている。各2つの仕切壁13,13間や、棚板12の右側壁12bと仕切壁13の間には、前後方向に延びる商品通路11aが画成されており、各商品通路11aの前端は、商品Sを払い出すための開口した払出口11bになっている。各商品通路11aには、同一品目の商品Sが収納されている(図4参照)。また、仕切壁13には、プッシャ14が設けられており、このプッシャ14は、仕切壁13から商品通路11aに突出している。プッシャ14は、前後方向に移動自在であり、販売時には、商品通路内の商品Sを前方に押圧することにより、最前位置の商品Sを1個だけ払出口11bから前方に払い出す。
【0024】
また、棚板12は、鋼板を曲げ加工することによって作製され、商品通路11aの底を構成する平らな底壁12aと、底壁12aの左右端からそれぞれ上方に延びる左右の側壁12b,12bと、左右の側壁12b,12bの前端から左右方向外方にそれぞれ延び、その先端から後方に延びる左右の前壁12c,12cと、底壁12aの後端から上方に延びる後壁12dを備えている。各前壁12cには、矩形縦長の2つの長孔12e,12e(係合部)が形成されており、これらの長孔12e,12eは、上下方向に所定距離、離れて配置されている。
【0025】
さらに、図3および図4に示すように、棚板12の左右の側壁12b,12bの外面にはそれぞれ、前後方向に延びる、断面「コ」の字形のレール15と、左右方向の水平軸線回りに回転自在のローラ16とが取り付けられている(1つのみ図示)。また、図示しないが、ラックフレーム10の側壁パネルには、これらのレール15およびローラ16と同様のレールおよびローラがそれぞれ設けられており、棚板12のローラ16は、ラックフレーム10のレールに係合し、このレール内を転動可能になっている。さらに、ラックフレーム10のローラは、レール15に係合し、レール15内を転動可能になっている。以上の構成により、商品ラック11は、前後方向にスライド自在であり、ラックフレーム10内の格納位置に格納されるとともに、ラックフレーム10から前方に引き出すことが可能である。
【0026】
また、図4に示すように、棚板12の後壁12dには、コイルばね17が取り付けられており、このコイルばね17は、後壁12dの背面の下端部に設けられている。同図に示すように、コイルばね17は、商品ラック11が格納位置に格納されている状態では、ラックフレーム10の後壁10cに当接し、商品ラック11を前方に常に付勢している。
【0027】
次に、図3〜図6に示すように、商品ラック11の左右端部には、商品ラック11をラックフレーム10にロックする左右のロック機構30,30がそれぞれ設けられている。左右のロック機構30,30は、左右対称に構成されており、以下、右側のロック機構30の構成について説明する。ロック機構30は、上記商品ラック11の右側壁12bに沿って前後方向にスライド自在のスライド板31と、このスライド板31を前方に付勢する第1コイルばね32と、スライド板31に係合するロック板33(ロック部材)と、ロック板33に連結され、これを付勢する第2コイルばね34(ロック付勢手段)と、商品ラック11の底壁12aの下面に取り付けられたフレーム35とを備えている。
【0028】
スライド板31は、鋼板を曲げ加工および打ち抜き加工することによって作製されており、右側壁12bに沿って前後方向に延びる板状のベース31aと、このベース31aの前端から右方に直角に延びる前壁31bと、ベース31aの後端部から上方に突出し、さらに先端から右方に延びるフック31cと、ベース31aの後端部に連続して下方に延びるアーム31dとを備えている。
【0029】
スライド板31のベース31aには、前後方向に延びる2つの長孔31e,31eが形成されており、右側壁12bには、これらの長孔31e,31eにそれぞれ係合する案内ピン12f,12fが設けられている。各案内ピン12fは、前述した縦フレーム材10aのホルダ9と同様の形状を有しており、案内ピン12fの頭部は長孔31eの幅よりも大きな径を備え、胴部は長孔31eの幅よりも小さな径を備えている。以上の構成により、スライド板31は、案内ピン12fにより抜け止め状態に支持され、右側壁12bに沿って前後方向にスライド自在であるとともに、このスライドの際に、案内ピン12fにより案内される。
【0030】
第1コイルばね32は、その前端部が商品ラック11の右側壁12bに、後端部がベース31aのフック31cにそれぞれ連結されている。この第1コイルばね32の付勢力により、スライド板31は、その前壁31bが棚板12の右前壁12cの背面に当接した状態に通常、保持されている(図6(a)参照)。
【0031】
ロック板33は、図6(a)に示すロック位置と図6(b)に示すロック解除位置との間で鉛直軸線回りに回動自在に、フレーム35に取り付けられている。ロック板33の後端部には、切欠部33aが形成されており、ラックフレーム10には、この切欠部33aに嵌合する係合突起(図示せず)が設けられている。また、図5に示すように、第2コイルばね34は、その前端部がロック板33の前端部に、後端部がフレーム37にそれぞれ連結されている。この第2コイルばね34によって、ロック板33は、図6の時計回りに常に付勢され、その切欠部33aがラックフレーム10の係合突起と通常、嵌合している。この嵌合により、商品ラック11は、コイルばね17の付勢力に抗しながら、図4に示す格納位置にロックされる。
【0032】
さらに、ロック板33の前端部には、スライド板31のアーム31dが当接しており、ロック板33は、スライド板31が図6(b)に示す位置まで後方に移動すると、これに押されて同図に示すロック解除位置まで反時計回りに回動し、商品ラック11のロックを解除する。これによって、商品ラック11を販売機本体3から引き出すことが可能になる。
【0033】
また、図3〜図7に示すように、前述した商品ストッパ20,20は、鋼板を曲げ加工することにより断面T字状に作製されている。各商品ストッパ20は、細長い板状の本体部20aと、この本体部20aと一体に形成された細長い板状の商品押え20bと、本体部20aの両端から直角に延びる一対の係合板部20c,20cと、本体部20aの所定位置に形成された2つの長孔21,21とを備えている。
【0034】
本体部20aは、断面が一様なものであり、所定の長さおよび幅を有している。商品押え20bもまた断面が一様なものであり、本体部20aに沿って延び、その長さが本体部20aよりも少し短くなっている。また、商品押え20bは、本体部20aの裏面側に中央部まで折り返された部分の先端から、裏面に対して直角に後方に延び、本体部20aとともにT字形の断面を構成している。また、商品押え20bの先端部は、円筒状に形成されている。
【0035】
また、各係合板部20cは、本体部20aの上隅部を直角とする直角三角形状を有しており、その斜辺部の両端部には、2つのフック20d,20d(係合部)が設けられている。各フック20dは、その根元の部分に斜辺部に沿って切り欠かれた切欠部を有している。また、フック20d,20dは、その寸法、形状および相互の間隔が前述した商品ラック11の前壁12cの長孔12e,12eに抜け止め状態で係合するようなものとして設定されている。これにより、商品ストッパ20は、フック20d,20dと長孔12e,12eの係合によって、商品ラック11に抜け止め状態で取り付けられる。具体的には、左右各2つのフック20d,20dをそれぞれ、左右各2つの長孔12e,12eに差し込み、下方に移動させ、それらの切欠部を前壁12cに嵌合させ、各フック20dを抜け止め状態で前壁12cに係合させることにより、商品ストッパ20を商品ラック11に取り付ける。
【0036】
以上ようにして商品ストッパ20を商品ラック11に取り付けた状態では、図5および図7に示すように、本体部20aは斜め前上がりの姿勢に保持され、払出口11bのほぼ下半部を覆うとともに、本体部20aの上半部の折り返した部分が取っ手部20eとして機能する。また、この状態では、商品押え20bは、斜め後ろ上がりの姿勢に保持されるとともに、その先端部が払出口11bに臨み、商品通路11aの最前位置の商品Sに当接可能になる。
【0037】
また、フック20d,20dは、長孔12e,12eに差し込まれた際に、前述したスライド板31の前壁31bに当接し、スライド板31を後方に移動させる。これにより、ロック機構30による商品ラック11のロックが解除される。なお、商品収納装置1では、商品ラック11が格納位置にあるときに、前壁12cとラックフレーム10との間の間隔が手を差し込めないような小さな寸法に設定されており、かつスライド板31が前壁12cの後方に隠れた状態で配置されている。このため、手でスライド板31を直接、操作することはできず、商品ストッパ20を使用しないかぎり、すなわちフック20d,20dを長孔12e,12eに差し込まないかぎり、ロック機構30のロックが解除されない。これにより、誤操作によるロック機構30のロック解除を防止できる。
【0038】
さらに、図8に示すように、前記長孔21は、商品ストッパ20の長さ方向に沿って細長く延びる細長孔部21aと、その一端に連なり、細長孔部21aの幅よりも大きな径の円孔部21bとを備えている。長孔21の細長孔部21aの幅は、前述したホルダ9の胴部9aの径よりも広く、かつ頭部9bの径よりも狭く設定され、円孔部21bの径は、頭部9bの径よりも広く設定されている。さらに、これら長孔21,21の中心間の距離すなわちピッチは、ホルダ9,9のピッチと同じに設定されている。以上の構成により、図2に示すように、商品ストッパ20は、その不使用時に、長孔21とホルダ9の係合により、前記ラックフレーム10に取り付けられ、保持される。具体的には、商品ストッパ20の表面をラックフレーム10側に向けた状態で、長孔21の円孔部21bをホルダ9に嵌合させる。次いで、商品ストッパ20を下方に移動させると、細長孔部21aの縁部がホルダ9の胴部9aに係止されることにより、取り付けられる。また、2つの商品ストッパ20,20はそれぞれ、左右のホルダ9,9に取り付けられ、各商品収納室に1個ずつ配置される。これは、2枚のスライディングドア3a,3aは、これらを同時に開放できない構造であり、一方を開放した状態では、開放された商品収納室の商品ラック11へのローディング作業しか実施できないので、ローディング時の利便性を考慮したことによる。
【0039】
以上のように構成された商品収納装置1のローディング時の動作について説明する。ローディング時には、まず、一方のスライディングドア3a例えば右側のもののロックを解除し、これを開放する。次いで、右側の商品ストッパ20をラックフレーム10から取り外す。具体的には、商品ストッパ20を上方に持ち上げ、長孔21の円孔部21bがホルダ9の付近に来たときに、商品ストッパ20を手前に引く。これにより、ホルダ9と長孔21の係合が外れ、商品ストッパ20がラックフレーム10から外れる。
【0040】
次いで、図6(a)に示すように、商品ストッパ20のフック20d,20dをそれぞれ、商品ラック11の左右の前壁12cの長孔12e,12eに前述したように係合させることによって、商品ストッパ20を商品ラック11に取り付ける。また、フック20dを長孔12eに差し込むと、これがスライド板31の前壁31bに当接し、スライド板31を後方に押圧する。これにより、スライド板31は図5に示す位置まで後方に移動し、スライド板31のアーム31dは、第2コイルばね34の付勢力に抗しながら、ロック板33を図6(b)に示すロック解除位置まで反時計回りに回動させる。この回動により、ロック板33の切欠部33aとラックフレーム10の係合突起との嵌合が外れ、商品ラック11のロックが解除される。
【0041】
このようにロックが解除されると、商品ラック11は、コイルばね17の付勢力により前方に押され、そのレール15がラックフレーム10のローラに案内され、かつローラ16がラックフレーム10のレールに案内されることによって、前方に少し移動する。次いで、商品ストッパ20の取っ手部20eに指をかけ、手前に引くことにより、商品ラック11を引き出す。
【0042】
さらに、引き出した商品ラック11に商品Sをローディングし、ローディングが終了した後は、上記とは逆の操作を実行する。まず、商品ラック11をコイルばね17の付勢力に抗しながら格納位置まで押し込み、この状態を保持しながら商品ストッパ20を上方に移動させた後、前方に引くことにより、商品ラック11から取り外し、払出口11bを開放する。このとき、商品ストッパ20のフック20dが前方へ移動するのに伴い、スライド板31が図5に示すロック解除位置から図6(a)に示すロック位置まで移動し、ロック板33がラックフレーム10の係合突起に嵌合する。これにより、商品ラック20は、格納位置において、ラックフレーム10にロックされる。以上により、1段分の商品ラック11のローディング作業が終了し、これに続いて、上記の作業を繰り返すことにより、ローディングの必要な商品ラック11へのローディング作業を実施する。
【0043】
そして、ローディング作業が終了した後、商品ストッパ20の長孔21をラックフレーム10のホルダ9に嵌合させ、商品ストッパ20をラックフレーム10に取り付ける。以上により、右側の商品収納室内の商品ラック11へのローディング作業が終了する。次いで、以上と同様に、左側の商品収納室内の商品ラック11へのローディング作業を実施する。
【0044】
以上詳述したように、本発明の商品収納装置1によれば、ローディング時以外では、商品ストッパ20は使用されず、ラックフレーム10に着脱自在に取り付けられた状態で販売機本体3内に保管される。これにより、商品ストッパ20をローディング時にすぐ使用できるとともに、その紛失を防止することができる。また、販売待機状態では、商品通路11aの払出口11bは開放され、商品通路11a内の商品Sを前方から視覚的に遮るものがない状態になることにより、商品Sのディスプレイ効果を確保することができる。
【0045】
また、ローディング時において商品ラック11を移動させる際には、商品ストッパ20を商品ラック11に取り付けることにより、商品通路11aのすべての払出口11bが閉鎖されるとともに、払出口11bのほぼ下半部が覆われる。これにより、商品ストッパ20と商品通路11aの底壁12aとの隙間を従来の棒状の商品ストッパよりも小さくでき、商品ラック11を前後方向に移動させる際に、高さの低い商品Sでも、隙間から商品Sが逃げたりすることなく、商品通路11a内に確実に保持することができる。さらに、商品ストッパ20は、断面T字状に構成されているので、従来の棒状の商品ストッパよりも剛性が高く、商品ラック11に取り付られた状態においてたわみにくい。これにより、商品ラック11を前後方向に移動させる際に、高さの高い商品Sが商品通路11a内に収納されている場合でも、これを前方に傾斜させることなく、商品通路11a内に安定した状態で保持することができる。以上により、ローディング作業を円滑に行うことができる。
【0046】
さらに、商品ストッパ20を商品ラック11に取り付けたままの状態では、商品ラック11は、ラックフレーム10にロックされず、コイルばね17の付勢力により、格納位置から少し前方に押し出された状態になる。すなわち、格納位置にある他の商品ラック11よりも前方に少し突出した状態になるので、商品ストッパ20を取り付けたままの商品ラック11は、他の商品ラック11よりも目立つ状態になる。これに加えて、商品ストッパ20は、払出口11bのほぼ下半部を覆うような幅を有しているので、従来の棒状の商品ストッパよりも目立つ。以上により、ローディング終了後の商品ストッパ20の取り外し忘れを防止することができ、商品Sの不販売を防止することができる。
【0047】
また、商品ストッパ20を商品ラック11に取り付けた状態では、その取っ手部20eが上方に突出しているので、これに指をかけ、商品ラック11を容易に引き出すことができる。
【0048】
なお、前述した実施形態においては、フック20dを長孔12eに係合させることにより商品ストッパ20を商品ラック11に着脱自在に取り付けるようにしたが、商品ストッパ20を商品ラック11に取り付けるための構成はこれに限らず、例えばリングと鉤を用いて、商品ストッパ20を商品ラック11に取り付けるようにしてもよく、商品ストッパ20を商品ラック11に取付可能なものであればよい。また、商品ストッパ20として、断面T字状のものを用いたが、商品ストッパ20はこれに限らず、平板状や屈曲形状の断面を有するものを用いてもよく、商品ラック11の払出口11bの少なくとも一部を覆うことができる形状のものであればよい。特に、H形やC形などの屈曲した断面形状のものを用いれば、剛性が高く、商品ストッパ20のたわみを抑制する観点からより好ましい。
【0049】
さらに、長孔21をホルダ9に係合させることにより商品ストッパ20をラックフレーム10に取り付けるようにしたが、商品ストッパ20をラックフレーム10に取り付ける構成はこれに限らず、例えば、ラックフレーム10の前面に上方に開放する筒状のケースを設け、このケースに商品ストッパ20を差し込むようにしてもよく、商品ストッパ20をラックフレーム10に着脱自在に取付可能なものであればよい。また、商品ストッパ20をラックフレーム10に着脱自在に取り付けるようにしたが、これを販売機本体3に取り付けるようにしてもよい。さらに、商品ストッパ20を各商品収納室に配置したが、商品ストッパ20は、自動販売機全体に1個だけ配置してもよい。
【0050】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、実際に販売する商品を前方から視認可能な自動販売機の商品収納装置において、ディスプレイ効果を維持しながら、ローディング作業を円滑に行うことができ、製造コストを削減することができるとともに、商品の不販売を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る商品収納装置を適用した自動販売機の外観を示す斜視図である。
【図2】自動販売機の販売機本体および商品収納装置を示す正面図である。
【図3】商品ラックの斜視図である。
【図4】商品ラックの側面図である。
【図5】商品ラックの要部を拡大した側面図である。
【図6】(a)商品ストッパを商品ラックに取り付ける前の状態と(b)取り付けた後の状態を示す斜視図である。
【図7】商品ストッパの断面図である。
【図8】商品ストッパの長孔をラックフレームのホルダに係合させた状態を示す正面図である。
【符号の説明】
1 商品収納装置
2 自動販売機
3 販売機本体
3a スライディングドア(前面パネル)
9 ホルダ
11 商品ラック
11a 商品通路
11b 払出口
12e 長孔(係合部)
20 商品ストッパ
20d フック(係合部)
20e 取っ手部
33 ロック板(ロック部材)
34 第2コイルばね(ロック付勢手段)
S 商品

Claims (5)

  1. 透明な前面パネルを有する販売機本体と、
    係合部と、複数の商品を前後方向に並べて収納するとともに、前端に前記収納した商品を払い出すための払出口を形成した商品通路とを有し、前記販売機本体内の所定の格納位置に格納されるとともに、当該販売機本体内から前方に引出し可能な複数の商品ラックと、
    これら複数の商品ラックの各々に対応して設けられ、当該対応する商品ラックを前記所定の格納位置にロックするロック位置と、このロックを解除するロック解除位置との間で移動自在のロック部材と、
    このロック部材を前記ロック位置側に付勢するロック付勢手段と、
    前記複数の商品ラックの前記係合部に着脱自在に係合可能な係合部を有し、この係合部を前記複数の商品ラックの前記係合部のいずれか1つに係合させることにより、前記複数の商品ラックに選択的に取り付けられ、当該取り付けられた商品ラックの前記商品通路の前記払出口を閉鎖する商品ストッパと、
    を備えることを特徴とする自動販売機の商品収納装置。
  2. 前記商品ストッパは、前記商品ラックに取り付けられたときに、前記ロック部材を押圧することにより、前記ロック解除位置に移動させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の自動販売機の商品収納装置。
  3. 前記商品通路は、左右方向に並ぶ複数の商品通路で構成され、前記商品ストッパは、前記商品ラックに取り付けられた状態において、前記複数の商品通路のすべての払出口を閉鎖するような左右方向の所定の長さを有するとともに、当該払出口の少なくとも一部を覆うような上下方向の所定の幅を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の自動販売機の商品収納装置。
  4. 前記商品ストッパは、前記商品ラックに取り付けられた状態において上方に突出する取っ手部を備え、かつ屈曲した断面形状を有していることを特徴とする請求項3に記載の自動販売機の商品収納装置。
  5. 前記販売機本体内に設けられ、前記商品ストッパを保持するためのホルダをさらに備えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の自動販売機の商品収納装置。
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