JP3552961B2 - 圧力検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばエッチング加工等の手段によってシリコン基板に形成され、ダイヤフラム部の撓み変形を利用して圧力を検出するのに好適に用いられる圧力検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、圧力検出装置としては、シリコン材料からなる基板と、該基板の裏面側に受圧凹溝を形成することにより該基板の表面側に設けられた薄肉部と、該薄肉部の一部を枠状に取囲んで前記基板の表面側に設けられ取囲まれた内側をダイヤフラム部とする枠状突部と、該枠状突部上に接合して設けられ前記ダイヤフラム部を閉塞して基準圧力を与える圧力室を画成する閉塞板と、前記ダイヤフラム部に位置して前記薄肉部に設けられ前記受圧凹溝と圧力室との間の差圧によって前記ダイヤフラム部が変形するときの撓みを検出する撓み検出素子とから構成されたものが知られている(例えば、特開平11−118642号公報等)。
【0003】
この種の従来技術による圧力検出装置は、例えばガラス板等からなる閉塞板が圧力室を挟んで薄肉部の表面側に接合されている。このため、薄肉部の表面側には、例えば多結晶シリコン等からなる枠状突部が薄肉部の中央寄り部位(内側部位)を取囲んで突設され、閉塞板は、この枠状突部上に接合されている。
【0004】
ここで、枠状突部は、薄肉部の内側部位を取囲むことによってダイヤフラム部の位置および形状を定めるものである。この場合、従来技術では、薄肉部の外形寸法をある程度大きく形成し、この薄肉部のうち所定の部位を枠状突部によって取囲むことにより、基板の裏面側から形成する受圧凹溝(薄肉部)が加工誤差等によって位置ずれした場合でも、ダイヤフラム部を予め定められた位置に形成し、ダイヤフラム部と撓み検出素子とを位置合わせする構成としている。
【0005】
また、枠状突部は、薄肉部よりも大きな外形寸法を有する太幅の枠体として形成されている。そして、枠状突部は、薄肉部のうちダイヤフラムの外側に配置された外縁側部位に対して重なり合うように固着されることにより、この外縁側部位を閉塞板と共に補強している。
【0006】
このように構成される圧力検出装置は、ケーシング等によりパッケージ化された状態で用いられる。この場合、基板の表面側はケーシング内で大気圧等の通常圧力に保持され、基板の裏面側(受圧凹溝)には、例えば空気圧、油圧等の被測定圧が加えられる。そして、圧力検出装置は、受圧凹溝内の被測定圧と圧力室内の圧力(基準圧)との間の差圧に応じてダイヤフラム部が撓み変形し、その撓みを例えばピエゾ抵抗体等からなる撓み検出素子によって検出することにより、被測定圧に応じた検出信号を撓み検出素子から外部に出力するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術では、枠状突部の外形寸法を薄肉部よりも大きく形成し、この枠状突部と閉塞板とを薄肉部の外縁側部位に対して重ね合わせるように固着することにより、この外縁側部位を補強する構成としている。
【0008】
この場合、枠状突部の外形寸法が薄肉部よりも小さいと、薄肉部の外縁側部位が受圧凹溝側から加わる圧力によって損傷される虞れがある。このため、従来技術では、枠状突部等を薄肉部の外側に張出すように大きく形成せざるを得ず、撓み検出素子に付設される信号処理回路、電極パッド等は、この大きな枠状突部の外側で基板上に配置されることになるため、基板上の実装面積が大きくなって装置全体の小型化を図るのが難しいという問題がある。
【0009】
特に、従来技術では、薄肉部の一部を用いてダイヤフラム部を形成することにより、薄肉部の外形寸法を予めある程度大きく形成しているため、枠状突部が薄肉部の外側に張出すことによって基板の外形寸法がさらに大型化し易くなる。
【0010】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、薄肉部の強度を保持しつつ基板上の実装面積を小型化でき、装置全体をコンパクトに形成できるようにした圧力検出装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために請求項1の発明は、シリコン材料からなる基板と、該基板の裏面側に受圧凹溝を形成することにより該基板の表面側に設けられた薄肉部と、該薄肉部の一部を枠状に取囲んで前記基板の表面側に設けられ取囲まれた内側をダイヤフラム部とする枠状突部と、該枠状突部上に接合して設けられ前記ダイヤフラム部を閉塞して基準圧力を与える圧力室を画成する閉塞板と、前記ダイヤフラム部に位置して前記薄肉部に設けられ前記受圧凹溝と圧力室との間の差圧によって前記ダイヤフラム部が変形するときの撓みを検出する撓み検出素子とからなる圧力検出装置において、前記薄肉部には、前記枠状突部によって取囲まれた部位よりも外側を外縁部として当該外縁部の表面側に前記受圧凹溝内と等しい圧力を加える構成としたことを特徴としている。
【0012】
このように構成することにより、枠状突部を用いてダイヤフラム部の位置および形状を定めることができる。そして、受圧凹溝内に被測定圧が加わるときには、ダイヤフラム部を受圧凹溝内の被測定圧と圧力室内の基準圧との間の差圧に応じて撓み変形させ、この撓みを撓み検出素子によって検出できる。また、このとき外縁部の表面側には、受圧凹溝内とほぼ等しい圧力を加えることができ、外縁部の両面側に加わる圧力を常に釣合わせることができる。
【0013】
また、請求項2の発明によると、基板は開口部に可撓性の受圧膜が設けられたケーシング内に収容し、該ケーシング内には前記受圧膜に加わる圧力を前記基板の両面側に伝える液体を封入している。
【0014】
これにより、外部から受圧膜に加わる圧力をケーシング内の液体を介して基板の両面側に伝えることができる。この結果、薄肉部のうち外縁部の両面側をほぼ等圧に保持できると共に、ダイヤフラム部を受圧凹溝内に加わる圧力によって撓み変形させることができる。
【0015】
一方、請求項3の発明は、シリコン材料からなる基板と、該基板の裏面側に受圧凹溝を形成することにより該基板の表面側に設けられた薄肉部と、該薄肉部の一部を枠状に取囲んで基板の表面側に設けられ取囲まれた内側をダイヤフラム部とする枠状突部と、該枠状突部上に接合して設けられダイヤフラム部を閉塞して圧力室を画成すると共に前記圧力室内に外部から被測定圧を導く圧力導入孔が形成された閉塞板と、前記ダイヤフラム部に位置して前記薄肉部に設けられ前記受圧凹溝と圧力室との間の差圧によってダイヤフラム部が変形するときの撓みを検出する撓み検出素子とからなる圧力検出装置において、前記薄肉部には、前記枠状突部によって取囲まれた部位よりも外側を外縁部として当該外縁部の表面側に受圧凹溝内と等しい圧力を加える構成としたことを特徴としている。
【0016】
これにより、被測定圧を閉塞板の圧力導入孔から圧力室内に導入できると共に、例えば外縁部の表面側と裏面側(受圧凹溝内)には、被測定圧に対して基準となる一定の圧力(基準圧)を均等に加えることができる。そして、ダイヤフラム部は、圧力室内の被測定圧と受圧凹溝内の基準圧との間の差圧に応じて撓み変形することができる。
【0017】
また、請求項4の発明によると、基板上には前記枠状突部の外側に位置して前記閉塞板を支持する閉塞板支持突部を設けている。
【0018】
これにより、例えば閉塞板が枠状突部よりも外側に大きく張出している場合でも、閉塞板の外縁側部位等を閉塞板支持突部によって支持でき、閉塞板と薄肉部とを加工時の外力等に対して保護することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態による圧力検出装置を、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
ここで、図1ないし図3は本発明による第1の実施の形態を示し、図中、1は圧力検出装置の外殻をなす金属製のケーシングで、該ケーシング1は、ベース2と、該ベース2上に溶接等の手段を用いて固着されたカバー3とからなり、該カバー3に形成された開口部3Aには、例えば金属材料、樹脂材料等からなる可撓性の受圧膜4が設けられている。また、ケーシング1内には、例えば油等からなる絶縁性の液体5が密閉状態で封入され、この液体5は、図1中に示す矢示Aの如く受圧膜4に加わる圧力を後述する基板12の両面側に伝えるものである。
【0021】
11はケーシング1内に収容されたセンサ部で、該センサ部11は、図1、図2に示す如く、後述の基板12、薄肉部15、枠状突部16、閉塞板17、撓み検出素子19等を含んで構成されている。
【0022】
12は例えばSOI基板等を用いて形成された基板で、該基板12は、それぞれ単結晶のシリコン材料等によって形成された母材部12A、表層部12Bと、これらの母材部12A、表層部12B間に介在した酸化シリコン等からなる絶縁膜12Cとから一体形成されている。
【0023】
ここで、母材部12Aの裏面側には、例えば特定のシリコン結晶面に沿って結晶異方性のエッチング加工を施すことにより絶縁膜12Cに達する略四角錐状の受圧凹溝13が穿設されている。また、基板12は、四角形の枠状をなす取付板14を用いてケーシング1のベース2に固着され、該取付板14には、ケーシング1内の液体5を受圧凹溝13内に導く通液路14Aが設けられている。
【0024】
15は受圧凹溝13を用いて基板12の表面側中央寄りに設けられた薄肉部で、該薄肉部15は、図2、図3に示す如く、受圧凹溝13の底部側に位置する表層部12Bおよび絶縁膜12Cの一部を用いて四角形状に形成されている。
【0025】
ここで、薄肉部15は、枠状突部16に取囲まれた内側に位置して閉塞板17との間に圧力室18を画成するダイヤフラム部15Aと、枠状突部16の外側に位置して圧力室18外に配設された外縁部15Bとから構成されている。そして、ダイヤフラム部15Aは、枠状突部16の内周側の四辺によって規定される四角形状に形成され、受圧凹溝13内に加わる被測定圧と圧力室18内に保持された基準圧との間の差圧に応じて撓み変形するものである。
【0026】
また、外縁部15Bの表面側と裏面側(受圧凹溝13内)には、図2中に示す矢示B,Cの如く、ケーシング1内の液体5を介してほぼ等しい圧力(被測定圧)が加わる構成となっている。
【0027】
16はダイヤフラム部15Aを枠状に取囲んで基板12の表面側に突設された枠状突部で、該枠状突部16は、図2、図3に示す如く、例えば酸化シリコン、窒化シリコン等の絶縁膜からなる台座16Aと、多結晶のシリコン材料等を用いて該台座16A上に設けられ、閉塞板17に固着された接合材16Bとからなり、これらは基板12上に形成した絶縁膜と多結晶シリコン膜(図示せず)に対しそれぞれエッチング加工を施すことによって形成されている。
【0028】
ここで、枠状突部16は、図2に示す如く、その外形が四辺からなる四角形状の枠体として形成され、これらの各辺の長さ寸法は薄肉部15(外縁部15B)の各辺よりも小さく形成されている。そして、枠状突部16は、薄肉部15のうちダイヤフラム部15Aの位置および形状を定めるものである。
【0029】
17はガラス板等を用いて略四角形状に形成された閉塞板で、該閉塞板17は、陽極接合等の手段によって枠状突部16の先端側に接合され、ダイヤフラム部15Aを閉塞して圧力室18を画成している。そして、圧力室18は、被測定圧に対して基準圧となる常圧または一定の負圧状態で密閉されている。
【0030】
19,19,…はダイヤフラム部15Aに埋設された例えば4個の撓み検出素子で、該各撓み検出素子19は、図2、図3に示す如く、ホウ素等の不純物イオンを基板12の表層部12Bに注入することにより、太幅の配線部19A,19A,…と一緒に形成された細幅のピエゾ抵抗体によって構成されている。
【0031】
そして、各撓み検出素子19は、ダイヤフラム部15Aが撓み変形するときの撓みを検出し、図3中の配線部19A、信号処理回路20、電極パッド21等を介して検出信号を出力すると共に、この検出信号は、図1中のボンディングワイヤ22、ピン端子23等を介して外部に導出される。
【0032】
この場合、信号処理回路20は、例えば基板12へのイオン注入または半導体膜の積層等により形成した複数のトランジスタ、拡散抵抗(図示せず)等を含んで構成され、検出信号の増幅等を行うものである。また、各ピン端子23は、ケーシング1のベース2にハーメチックシール24を用いて固着されている。
【0033】
本実施の形態による圧力検出装置は上述の如き構成を有するもので、次にその作動について述べる。
【0034】
まず、図1に示すように、例えば空気圧、油圧等の被測定圧がケーシング1の受圧膜4に対して矢示Aの如く加わると、この圧力はケーシング1内の液体5によって基板12の表面側に伝わると共に、取付板14の通液路14Aを通じて受圧凹溝13内にも伝わる。
【0035】
この結果、薄肉部15の外縁部15Bには、図2に示すように、その両面側に対して矢示B,Cの如くほぼ等しい圧力が加わるので、外縁部15Bは撓むことなく、平坦に近い状態を保持する。
【0036】
また、このときダイヤフラム部15Aには、矢示Cの如く裏面側だけに被測定圧が加わるので、ダイヤフラム部15Aは、この被測定圧と圧力室18内の基準圧との間の差圧に応じて撓み変形する。これにより、撓み検出素子19は、ダイヤフラム部15Aの撓みに応じた検出信号を出力する。
【0037】
かくして、本実施の形態では、薄肉部15のうち外縁部15Bの表面側に受圧凹溝13内と等しい圧力を加える構成としたので、受圧凹溝13内に被測定圧が加わるときには、ダイヤフラム部15Aを受圧凹溝13内の被測定圧と圧力室18内の基準圧との間の差圧に応じて撓み変形させることができ、その撓みに応じた検出信号を撓み検出素子19から外部に出力することができる。
【0038】
また、このとき外縁部15Bの表面側には、ケーシング1内の液体5によって受圧凹溝13内の圧力とほぼ等しい圧力を加えることができ、外縁部15Bの両面側に加わる圧力を常に釣合わせることができる。この結果、外縁部15Bが受圧凹溝13側に加わる被測定圧によって撓んだり、損傷したりするのを確実に防止でき、外縁部15Bの保護を図ることができる。
【0039】
従って、本実施の形態によれば、従来技術のように枠状突部等の外形を薄肉部よりも大きく形成して外縁部を補強する必要がなくなり、枠状突部16の四辺の寸法を薄肉部15の外縁部15Bよりも小さく形成できると共に、基板12を含めてセンサ部11の小型化を図ることができる。
【0040】
また、例えば信号処理回路20等を薄肉部15の外縁部15B上に配設することも可能となり、この信号処理回路20がトランジスタ、拡散抵抗等のピエゾ効果を有する素子を含む場合でも、これらの素子が外縁部15Bの撓み変形によって作動不良となるのを防止でき、基板12上の実装面積をさらに小型化することができる。
【0041】
一方、受圧膜4を設けたケーシング1内にセンサ部11を収容し、このケーシング1内に液体5を封入するようにしたので、被測定圧が受圧膜4に加わるときには、この圧力を液体5を介して基板12の両面側へと安定的に伝達でき、簡単な構造で外縁部15Bの両面側を等圧に保持することができる。
【0042】
しかも、センサ部11をケーシング1内に収容することにより、例えば空気、油等の被測流体からセンサ部11を保護でき、被測流体に水分、ダスト等が含まれる場合でも、この被測流体を受圧凹溝13等に直接接触させる必要がなくなり、圧力検出装置としての耐久性、信頼性を向上させることができる。
【0043】
また、薄肉部15上には、ダイヤフラム部15Aを取囲む枠状突部16を突設したので、例えば受圧凹溝13(薄肉部15)が加工誤差等によって位置ずれした場合でも、枠状突部16によりダイヤフラム部15Aの位置を撓み検出素子19等に対応して正確に定めることができる。
【0044】
次に、図4および図5は本発明による第2の実施の形態を示し、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。しかし、本実施の形態の特徴は、基板上に閉塞板を支持する閉塞板支持突部を設けたことにある。
【0045】
31は本実施の形態による圧力検出装置のセンサ部で、該センサ部31は、第1の実施の形態によるセンサ部11とほぼ同様に、基板12、薄肉部15、枠状突部16、閉塞板17、撓み検出素子19等によって構成されている。
【0046】
32,32,…は基板12上に突設された複数の閉塞板支持突部で、該各閉塞板支持突部32は、枠状突部16とほぼ同様に構成され、先端側が閉塞板17に接合されると共に、例えば4個の閉塞板支持突部32が図5に示す如く閉塞板17の角隅部にそれぞれ配置され、これらの位置で各閉塞板支持突部32は閉塞板17を支持している。
【0047】
かくして、このように構成される本実施の形態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。そして、特に本実施の形態では、基板12上に閉塞板17の角隅部を支持する4個の閉塞板支持突部32を設けたので、センサ部31の製造時には、閉塞板17を保護することができる。
【0048】
即ち、センサ部31の製造時には、基板12上に接合したガラス板33を図4に示す矢示Dの位置で切断して閉塞板17を形成するが、このとき閉塞板17の外縁側には矢示E方向に外力が加わるため、この外力によって閉塞板17または薄肉部15が損傷されることがある。しかし、本実施の形態では、この外力を閉塞板支持突部32によって受承でき、閉塞板17および薄肉部15の損傷を防ぐことができる。
【0049】
次に、図6は本発明による第3の実施の形態を示し、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。しかし、本実施の形態の特徴は、被測定圧を閉塞板に設けた圧力導入孔から圧力室内に導入する構成としたことにある。
【0050】
41は本実施の形態による圧力検出装置のセンサ部で、該センサ部41は、第1の実施の形態によるセンサ部11とほぼ同様に、基板12、薄肉部15、枠状突部16、撓み検出素子19等によって構成されている。
【0051】
42は第1の実施の形態とほぼ同様に形成された略四角形状の閉塞板で、該閉塞板42の中央側には、ダイヤフラム部15Aとの間に画成した圧力室43に開口する圧力導入孔42Aが設けられている。
【0052】
そして、センサ部41は、被測定圧を閉塞板42の圧力導入孔42Aから矢示Fの如く圧力室43内に導入し、この被測定圧に対して基準となる一定の基準圧を外縁部15Bの表面側と受圧凹溝13内とに矢示G,Hの如く加える構成となっている。これにより、薄肉部15のダイヤフラム部15Aは、圧力室43内の被測定圧と受圧凹溝13内の基準圧との差圧に応じて撓み変形するものである。
【0053】
かくして、このように構成される本実施の形態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。そして、特に本実施の形態では、薄肉部15の外縁部15Bの表面側と受圧凹溝13内とを一定の基準圧に保持する構成としたので、例えば基板12を大気中に露出した状態で配置し、その両面側に基準圧として大気圧を加える構成とすることにより、圧力検出装置の構造を簡略化することができる。
【0054】
なお、前記各実施の形態では、例えば陽極接合等の手段を用いて枠状突部16の先端側に閉塞板17を接合する構成としたが、本発明はこれに限らず、例えば接着剤等、陽極接合以外の接合手段を用いて枠状突部16と閉塞板17とを接合する構成としてもよい。
【0055】
また、前記各実施の形態では、四角形状の枠状突部16を用いて薄肉部15のダイヤフラム部15Aを四角形状に形成する場合を例に挙げて述べたが、本発明はこれに限らず、例えば枠状突部の形状を四角形以外の多角形または円形、楕円形等として形成し、この形状に対応してダイヤフラム部の外形を定める構成としてもよい。
【0056】
さらに、前記各実施の形態では、例えばSOI基板により形成され母材部12A、表層部12Bおよび絶縁膜12Cが設けられた基板12を用いて、その母材部12Aに受圧凹溝13を設ける構成としたが、本発明はこれに限らず、SOI基板以外の各種シリコン基板等を用いてセンサ部を構成してもよい。
【0057】
【発明の効果】
以上詳述した通り、請求項1の発明によれば、薄肉部のうち枠状突部によって取囲まれた部位よりも外側を外縁部として、この外縁部の表面側に受圧凹溝内と等しい圧力を加える構成としたので、外縁部の両面側に加わる圧力を常に釣合わせることができ、外縁部が受圧凹溝側に加わる被測定圧によって撓んだり、損傷したりするのを確実に防止できると共に、その保護を図ることができる。これにより、従来技術のように枠状突部等の外形を薄肉部よりも大きく形成して外縁部を補強する必要がなくなり、枠状突部の寸法を外縁部よりも小さく形成できると共に、例えば撓み検出素子用の信号処理回路等を外縁部上に配設することも可能となり、基板の小型化を図ることができる。
【0058】
また、請求項2の発明によれば、基板をケーシング内に収容し、このケーシング内に液体を封入する構成としたので、ケーシングの受圧膜に圧力が加わるときには、この圧力をケーシング内の液体を介して基板の両面側へと安定的に伝達でき、簡単な構造で外縁部の両面側を等圧に保持することができる。しかも、基板をケーシング内に収容することにより、例えば空気、油等の被測流体から基板を保護でき、耐久性、信頼性を向上させることができる。
【0059】
一方、請求項3の発明によれば、被測定圧を圧力室内に導く圧力導入孔を閉塞板に設けた圧力検出装置において、薄肉部のうち外縁部の表面側に受圧凹溝内と等しい圧力を加える構成としたので、例えば外縁部の表面側と受圧凹溝内とを一定の基準圧に保持できると共に、ダイヤフラム部を圧力室側の被測定圧と受圧凹溝側の基準圧との間の差圧に応じて撓み変形させることができる。これにより、外縁部を保護できると共に、従来技術と比較して枠状突部の寸法を外縁部よりも小さく形成でき、基板の小型化を図ることができる。しかも、例えば基板を大気中に露出した状態で配置し、その両面側に基準圧として大気圧を加える構成とすることも可能となり、圧力検出装置の構造を簡略化することができる。
【0060】
また、請求項4の発明によれば、基板上には、枠状突部の外側に位置して閉塞板を支持する閉塞板支持突部を設ける構成としたので、例えば閉塞板が枠状突部よりも外側に大きく張出している場合でも、その外縁側部位等を閉塞板支持突部によって支持でき、閉塞板を加工時の外力等に対して保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による圧力検出装置の縦断面図である。
【図2】薄肉部を拡大して示す図1中の要部拡大断面図である。
【図3】図1中の矢示III − III方向からみたセンサ部の横断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態による圧力検出装置の要部拡大断面図である。
【図5】図3と同様位置からみたセンサ部の横断面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態による圧力検出装置の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング
4 受圧膜
5 液体
12 基板
13 受圧凹溝
15 薄肉部
15A ダイヤフラム部
15B 外縁部
16 枠状突部
17,42 閉塞板
18,43 圧力室
19 撓み検出素子
42A 圧力導入孔
Claims (4)
- シリコン材料からなる基板と、該基板の裏面側に受圧凹溝を形成することにより該基板の表面側に設けられた薄肉部と、該薄肉部の一部を枠状に取囲んで前記基板の表面側に設けられ取囲まれた内側をダイヤフラム部とする枠状突部と、該枠状突部上に接合して設けられ前記ダイヤフラム部を閉塞して基準圧力を与える圧力室を画成する閉塞板と、前記ダイヤフラム部に位置して前記薄肉部に設けられ前記受圧凹溝と圧力室との間の差圧によって前記ダイヤフラム部が変形するときの撓みを検出する撓み検出素子とからなる圧力検出装置において、
前記薄肉部には、前記枠状突部によって取囲まれた部位よりも外側を外縁部として当該外縁部の表面側に前記受圧凹溝内と等しい圧力を加える構成としたことを特徴とする圧力検出装置。 - 前記基板は開口部に可撓性の受圧膜が設けられたケーシング内に収容し、該ケーシング内には前記受圧膜に加わる圧力を前記基板の両面側に伝える液体を封入してなる請求項1に記載の圧力検出装置。
- シリコン材料からなる基板と、該基板の裏面側に受圧凹溝を形成することにより該基板の表面側に設けられた薄肉部と、該薄肉部の一部を枠状に取囲んで前記基板の表面側に設けられ取囲まれた内側をダイヤフラム部とする枠状突部と、該枠状突部上に接合して設けられ前記ダイヤフラム部を閉塞して圧力室を画成すると共に前記圧力室内に外部から被測定圧を導く圧力導入孔が形成された閉塞板と、前記ダイヤフラム部に位置して前記薄肉部に設けられ前記受圧凹溝と圧力室との間の差圧によって前記ダイヤフラム部が変形するときの撓みを検出する撓み検出素子とからなる圧力検出装置において、
前記薄肉部には、前記枠状突部によって取囲まれた部位よりも外側を外縁部として当該外縁部の表面側に前記受圧凹溝内と等しい圧力を加える構成としたことを特徴とする圧力検出装置。 - 前記基板上には前記枠状突部の外側に位置して前記閉塞板を支持する閉塞板支持突部を設けてなる請求項1,2または3に記載の圧力検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP25626499A JP3552961B2 (ja) | 1999-09-09 | 1999-09-09 | 圧力検出装置 |
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-
1999
- 1999-09-09 JP JP25626499A patent/JP3552961B2/ja not_active Expired - Fee Related
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