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JP3550484B2 - 走行車両のパワーステアリング装置 - Google Patents

走行車両のパワーステアリング装置 Download PDF

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JP3550484B2
JP3550484B2 JP25567397A JP25567397A JP3550484B2 JP 3550484 B2 JP3550484 B2 JP 3550484B2 JP 25567397 A JP25567397 A JP 25567397A JP 25567397 A JP25567397 A JP 25567397A JP 3550484 B2 JP3550484 B2 JP 3550484B2
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Kubota Corp
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行車両のパワーステアリング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トラクタ等の走行車両において、運転席の前方にエンジンが搭載され、このエンジンとその周辺に付設される各種機器類やエンジン補機等とがボンネットによって取り囲まれることにより、このボンネット内にエンジンルームが形成されているものがある。
【0003】
走行車両がトラクタ等である場合には、車両後部に、重量のある作業機を接続したり、急な段差等を上り下りしたりすることが多いことから、特に、前後方向の重心バランスをよくすることに特別な配慮が必要とされている。一般的には、走行車両の前方へ重心をおくのが好適とされている。そのため、エンジンルーム内において、各種機器類やエンジン補機等のうち、比較的重たいものは前方へ配置し、また反対に軽いものは後方(運転席寄り)へ配置することが行われてきている。
【0004】
なお、本出願人は嘗て、パワーステリング装置において、前輪操舵用油圧アクチュエータを作動させるためのコントローラを、エンジンより前方の上部に設けて、このコントローラとハンドル軸又はこれに接続した連動軸とを、伸縮部及びユニバーサルジョイント部を有した伝動軸で連結する構造を開発し、出願している(実公平5−41110号公報参照)。この公報記載の技術は、車両重心を前方へおくことを直接の焦点としているものではないものの、結果としては、重心の移行にとって有効な手段の一つとなっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
昨今では、走行車両の高出力化が望まれ、これに伴ってエンジンが大型化される傾向にある。そのため、エンジンルーム内での各種機器類やエンジン補機等におけるレイアウトには、各種の厳しい制約が課せられ、複雑なものになってきている。
【0006】
このようなことから、上記パワーステアリング装置においても、コントローラをエンジンより前方の上部に設けるということが、スペース上の問題から困難になることがあった。
なお、コントローラに対しては、操舵出力端部における微妙な回転であっても、それを確実且つ円滑に伝える必要があるため、このコントローラの位置付けをどこへでも移せるというものではなく、操舵出力端部とコントローラとの間での伝動効率を常に念頭におく必要があった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、パワーステアリング装置に用いられるコントローラにおいて、操舵出力端部からの伝動効率を悪化させることなく、エンジンルーム内でエンジンの大型化等に対処した最適な配置を実現可能にした走行車両のパワーステアリング装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上記目的を達成するために、次の技術的手段を講じた。
即ち、本発明に係る走行車両のパワーステアリング装置では、前輪操舵用油圧アクチュエータを作動させるためのコントローラにおいて、運転席前方に縦置き配置されたエンジンに対し、その前部寄りの上部側方に設けている。そして、運転席正面の左右方向中央部に設けられたハンドルの操舵出力端部と上記コントローラとを連結する伝動軸は、運転席側からみて左右方向の外向き且つ上向きに傾いた状態とされ、またコントローラ側からみて左右方向の内向き且つ下向きに傾いた状態とされる。
【0009】
なお、ハンドルの操舵出力端部とは、ハンドル軸又はこのハンドル軸にユニバーサルジョイント等を介して接続された連動軸等の端部であって、ハンドルに対してした操作を取り出す部位を言う。
このような構成であると、エンジンが大型化されることによっても、コントローラはエンジンとの干渉を起こし難くなる。なぜなら、エンジンにおける前部寄りの上部中央には、エンジン形状の中で嵩高となる部分、例えばエンジンヘッド部(シリンダヘッドカバー)等が設けられることになり、コントローラはこの部分を回避するかたちとなるからである。
【0010】
また、このような配置のコントローラとハンドルの操舵出力端部とを連結するための伝動軸が、無理なく自然な傾きを有して設けられることになるため、コントローラと操舵出力端部との間の伝動効率も良好となる。
特に、コントローラ自体について、その動作軸心が上記伝動軸と略同じような傾きになるように設けることで、その伝動効率は一層、高められる。
【0011】
エンジンの後部上部にマフラー本体を横置状態で設けて、上記伝動軸を、このエンジンとマフラー本体との上下間へ経由させるように設ければ、エンジンルーム内におけるスペースの有効利用が図れる。また、マフラー本体は、軽量であるため、車両重心を前方へおくことに対して好都合となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図4は、本発明に係るパワーステアリング装置を適用した走行車両1の外側面図である。
まず、走行車両1について概説すると、図例の走行車両1は、操舵及び補助走行駆動に用いられる前輪2と主走行駆動に用いられる後輪3とを有する2軸4輪型のトラクタであり、エンジン5からの駆動で2輪駆動又は4輪駆動に切換可能になっている。このエンジン5やミッション(図示略)等を伴って構成される車体6の後部には、リフトアーム8を具備する油圧装置9が設けられていると共に、この油圧装置9によって3点リンク10が昇降可能に設けられている。
【0013】
この3点リンク10には、必要に応じて各種の作業機11(図例は耕運機)を接続したり切り離したりできるようになっている。この作業機11には、PTO軸12を介してエンジン5の駆動を伝達可能になっている。
エンジン5から前方へ延出して設けられた前車軸フレーム13の上方には、エンジン5をはじめ、その周辺に付設される各種機器類やエンジン補機等を含めて全体的に取り囲むようにしたボンネット14が設けられており、このボンネット14内でエンジンルームを形成させている。
【0014】
また、エンジン5より後方の車体6上には、キャビン15が設けられており、このキャビン15内でハンドル16及び運転席17を配置した操縦室を形成させている。図例のキャビン15には乗降用の開閉ドア18が具備されており、操縦室を閉ざされた空間にできるため、空調設備(エアコン)によって冷暖房調節を可能にしてある。
【0015】
このような走行車両1にあって、図1乃至図3に示すようにエンジンルーム内では、エンジン5の前部からその前方へ向けてベルト駆動部21、ラジエータ22、空調用コンデンサ23及びバッテリ24が設けられ、バッテリ23の更に前部に、前照灯25やホーン26等が設けられている。また、バッテリ23の上部にはエアクリーナ27が設けられ、その正面がグリル部28となっている。
【0016】
上記ベルト駆動部21は、エンジン出力軸部30からジェネレータ(オルタネータ又はダイナモ)31及びラジエータファン32の各入力部にわたって掛け渡された第1ベルト33と、エンジン出力軸部30から空調用コンプレッサ34の入力部及びテンションプーリ35にわたって掛け渡された第2ベルト36とを有している。
【0017】
そして、エンジン5の前部寄り上部には、エンジンヘッド部5aからやや側方へ位置ズレした配置でパワーステアリング装置のコントローラ43が設けられている。このコントローラ43は、前輪2を操舵する油圧アクチュエータ(図示略)に対し、作動油圧の付加方向及び圧加減を、ハンドル16の操作状況(回転方向及び回転角度)に応じて切り換えるためのものである。
【0018】
従って、このコントローラ43は、ユニバーサルジョイントより成る継手部44,45を両端部に有した伝動軸46を介して、ハンドル16(図4参照)の操舵出力端部47と連結されている。この伝動軸46は、運転席17側からみて左右方向の外向きで、且つ上向きに傾けられていると共に、コントローラ43側からみて左右方向の内向きで、且つ下向きに傾けられている。
【0019】
また、コントローラ43自体も、その動作軸心を伝動軸46と略同じ向きに傾けて設けられている。このようなことから、コントローラ43と操舵出力端部47との間の伝動効率が良好なものとされている。
なお、この伝動軸46には長手方向中途部に伸縮部48が設けられている。そのため、それだけ伝動動作の中で豊富な柔軟性が得られるようになり、伝動効率を高められることになる。また、エンジン5に対するメンテナンス時等(エンジンヘッド部5aを着脱するとき等)において、コントローラ43との接続・離脱が簡単に行えるようになっている。
【0020】
コントローラ43を上記のような配置にすることにより、このコントローラ43の前部に、ラジエータ22のリザーブタンク50を設けることが可能になっている。
一方、エンジン5の後部寄り上部、即ち、運転席17に近い位置にはマフラー本体53が設けられている。このマフラー本体53には、エンジン5から立ち上がる排気誘導管54が接続されていると共に、この排気誘導管54と同一側面から前方へ折曲状に延び出してその後に上方へ立ち上がる排気筒55が接続されている。
【0021】
従って、上記伝動軸46は、エンジン5とマフラー本体53との上下間にできるスペースを有効利用して設けられていることになる。
このようなエンジンルームを取り囲んでいる上記のボンネット14は、天板部56とその左右両側の側板部57とを有して断面コ字状(図2参照)に形成されている。また、このボンネット14には、前端部に上記したグリル部28が一体的に取り付けられており、後端部上部に設けられた揺動支部58(図1参照)を中心として、天板部56と側板部57だけでなくこのグリル部28もが、上下方向に揺動自在(図4参照)になっている。
【0022】
ボンネット14が閉まった状態は、図1に示すようにグリル部28の内側に設けられたロック機構60によって保持されるようになっている。このロック機構60は、グリル部28の上面に突出して設けられたセンターマスコットを兼ねる操作片60aにより、ロック切換操作が可能になっている。
ところで、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
【0023】
例えば、走行車両1は、トラクタに限定されない。
【0024】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る走行車両のパワーステアリング装置では、コントローラを、エンジンの前部寄りの上部側方に設けているので、大型のエンジンに対してもコントローラは位置的干渉を起こし難いものとされる。また、このコントローラとハンドルの操舵出力端部との連結を行う伝動軸が、無理なく自然な傾きを有して設けられているため、コントローラに対する伝動効率も好適となる。
【0025】
コントローラ自体について、その動作軸心を上記伝動軸と同じような傾きになるように設けた場合には、その伝動効率が一層、高められる利点がある。
エンジンの後部上部にマフラー本体を横置状態で設けて、上記伝動軸を、このエンジンとマフラー本体との上下間へ経由させるように設ければ、エンジンルーム内におけるスペースの有効利用が図れる。また、マフラー本体は、軽量であるため、車両重心を前方へおくことに対して好都合となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図4に示したボンネットの内部(エンジンルーム内)を拡大して示す側面図である。
【図2】図1のA−A線拡大断面図である。
【図3】図1に対応する拡大平面図である。
【図4】本発明に係るパワーステアリング装置を適用した走行車両の外側面図である。
【符号の説明】
1 走行車両
2 前輪
5 エンジン
14 ボンネット
16 ハンドル
17 運転席
43 コントローラ
46 伝動軸
47 操舵出力端部
53 マフラー本体

Claims (2)

  1. 前輪(2)操舵用油圧アクチュエータを作動させるコントローラ(43)が、運転席(17)前方に縦置き配置されたエンジン(5)に対する前部寄り上部側方に設けられ、さらに、マフラー本体(53)がエンジン(5)の後部上部に横置状態で設けられ、運転席(17)正面の左右方向中央部に設けられたハンドル(16)の操舵出力端部(47)と上記コントローラ(43)とを連結する伝動軸(46)が、エンジン(5)と前記マフラー本体(53)との上下間を経由して、運転席(17)側からみて左右方向の外向き且つ上向きに傾けられていると共に、コントローラ(43)側からみて左右方向の内向き且つ下向きに傾けられていることを特徴とする走行車両のパワーステアリング装置。
  2. 前記コントローラ(43)自体が、その動作軸心を、運転席(17)側からみて左右方向の中央部から外向き且つ上向きに傾けられていると共に、当該コントローラ(43)側からみて左右方向の内向き且つ下向きに傾けられていることを特徴とする請求項1記載の走行車両のパワーステアリング装置。
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