JP3545191B2 - 床暖房装置及び暖房システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
【0001】
本発明は、温水によって室内を床面から暖房する床暖房装置及び、床暖房装置と室内ユニットから温風を吹出して暖房を行う空気調和機を備えた暖房システムに関する。
【従来の技術】
【0002】
近年、空気調和機(以下「エアコン」と言う)の普及に伴い、室内の暖房もエアコンによって行われることが多くなっている。エアコンには、冷媒を用いた冷凍サイクルによって冷暖房運転を行う一般的なものに加えて、温水を用いて室内の暖房を行う温水空気調和機(以下「温水エアコン」と言う)がある。
【0003】
温水エアコンでは、室内ユニットに、冷房時に用いる冷媒用の熱交換器(蒸発器)と共に温水熱交換器(放熱器)が設けられており、室外に配置される熱源ユニットによって生成した温水を室内ユニットの放熱器との間で循環させることにより、放熱器を通過して室内へ吹出される空気を加熱して暖房するようになっている。このような温水エアコンにおいても、設定温度は勿論、風量、風向等を好みに応じて設定する所謂マニュアル運転モードに加えて、室内が設定室温となるように風量や風向及び空調能力を制御する自動運転モードが設けられている。
【0004】
一方、床暖房装置には、床面に敷設した温水チューブ内へ温水を循環させることにより室内を床面から暖房する床暖房マットなどがある。床暖房マットには、例えば暖房能力を「高」、「中」、「低」の3段階に変更できるものがあり(例えば、特開平11―237058号公報を参照)、選択された暖房能力に応じて所定の時間内で温水を循環させるときのオン時間とオフ時間の比であるデューテー比が変更される。すなわち、「低」に設定されたときには、温水を循環させている時間であるオン時間が短くなるようにデューテー比を変更して暖房能力を下げ、「高」に設定されたときには、オン時間が長くなるようにデューテー比を変更して暖房能力を大きくする。
【0005】
また、床暖房マットでは、暖房する床面の温度を検出し、この検出温度と設定温度(設定床温)の温度差に基づいてデューテー比を変更することにより、床面の温度を設定床温に保つことができる。
【0006】
ところで、設定床温に基づいて床暖房を行う床暖房マットでは、好みに応じて床面の温度を設定できるが、床暖房を開始するときに設定床温が好みの温度となっていないときには、設定床温を変更する操作が必要となる。また、温水を用いた床暖房では、温度変化が緩やかなために設定した温度が好みに合っているか否かの判断が難しく、好みの温度となるように暖房するまでに時間を要する。
【0007】
一方、温水エアコンと床暖房マットを併用して暖房するときには、温水エアコンと床暖房マットのそれぞれで別々に温度を設定するようになっている。このため、温水エアコンと床暖房マットを併用して暖房を行ったときに、例えば床面の温度と室温の温度差が大きかったり床温に比べて室内温度が高いと不快感を生じる。このような問題を防止するためには、例えば設定床温に合わせて設定室温を設定する等の操作が必要であり、運転条件の設定操作に煩わしさが生じる。
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、簡単にかつ快適な暖房状態となるように設定することができる床暖房装置及び暖房システムを提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、床面に敷設した温水配管内へ温水を循環させて床暖房する循環手段と、前記床面の温度を検出する床温度検出手段と、設定床温となる温度を任意に設定可能な床暖温度設定手段と、前記床温度検出手段によって検出する床温が前記床暖温度設定手段によって設定された温度となるように前記循環手段を制御する床暖房制御手段と、を含む床暖房装置であって、設定床温として予め定めている所定の温度範囲内の温度が記憶されている記憶手段と、前記床暖温度設定手段により設定された温度と前記記憶手段に記憶されている温度の何れか一方を前記設定床温として選択して設定する選択手段と、前記記憶手段に記憶されている温度が選択手段によって設定床温として選択されているとき、この選択された設定床温を予め定めている所定の温度範囲で変化させる調整手段と、を含むことを特徴とする。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、選択手段が温度設定手段によって設定された温度と記憶手段に記憶されている温度の一方を設定床温として選択する。また、記憶手段には予め定められた所定の温度範囲の温度が記憶されている。
【0011】
前記記憶手段に記憶される温度は、床暖房を行ったときに適切な暖房状態と感じる床温とすることが好ましく、最適な暖房状態と感じる床温とすることがより好ましい。これにより、記憶手段に記憶されている温度を設定床温として選択することにより、暖房不足や暖房の効きすぎと感じる床暖房状態となることがなく、簡単に適切な床暖房を行うことができる。
【0012】
また、前記記憶手段に記憶されている温度が選択手段によって設定床温として選択されているとき、前記記憶手段に記憶されている温度を調整手段によって変化させることにより、予め定めている所定の温度範囲における任意の温度を設定床温として設定することができる。
【0013】
この予め定めている所定の温度範囲を、床暖房を行ったときに適切な暖房状態と感じる温度範囲とすることにより、床暖房を行ったときに暖房不足や暖房の効きすぎ感を生じることがない適切な暖房状態となる範囲内で好みの床温とすることができる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、室内ユニットに設けた放熱器内を循環する温水によって加熱した空気を室内へ吹出すことにより室温が設定室温となるように空調暖房する空気調和機と、床面に敷設した温水配管内へ温水を循環させることにより床面の温度が設定床温となるように床暖房する床暖房装置と、を含む暖房システムであって、設定室温及び設定床温となる温度のそれぞれを任意の温度に設定可能な室温設定手段及び床暖温度設定手段と、設定室温及び設定床温として予め定めている所定の温度範囲の温度がそれぞれ記憶されている記憶手段と、前記室温設定手段及び床暖温度設定手段によりそれぞれ設定された温度と前記記憶手段に記憶されている温度の何れか一方を前記設定室温及び前記設定床温として選択して設定する選択手段と、前記記憶手段に前記設定室温ないし前記設定床温とする温度として所定の温度と前記予め定めている温度範囲内で該所定の温度と異なる温度が記憶され、かつ、この記憶されているそれぞれ温度を前記予め定めている所定の温度範囲でそれぞれ変化させる個別の調整手段と、を含むことを特徴とする。
【0015】
この請求項2に記載の発明によれば、空気調和機と床暖房装置を用いた併用暖房を行うときに、選択手段によって記憶手段に記憶されている温度を設定室温及び設定床温として選択して設定することができる。
【0016】
記憶手段に記憶される温度は、設定床温となる温度が床暖房を行ったときに適切な暖房状態ないし最適な暖房状態と感じる温度であり、設定室温となる温度が床暖房と併用して空気調和機によって暖房するときに適切な室温と感じる温度ないし最適な室温と感じる温度とする。これによって、併用暖房時に設定室温と設定床温とを互いの温度を考慮して設定する煩わしい操作を行うことなく、床温と室温を合わせて最適な暖房状態となるようにすることができる。
【0017】
また、この発明によれば、例えば記憶手段に設定室温となる温度を複数記憶させておき、複数の温度の何れかを選択して設定する。設定室温が異なれば暖房能力も異なり、設定室温を低い温度に設定することにより暖房に必要なエネルギーの消費量も低くなる。
【0018】
したがって、選択手段によって選択する簡単な操作で、一方の温度を設定室温としたときには、最適な暖房状態とすることができ、また、他方の温度を設定室温としたときには、適切な暖房状態でかつ省エネ効果が得られる暖房状態とすることができる。
【0019】
さらに、この発明によれば、記憶手段に記憶されている設定室温となる温度と設定床温となる温度のそれぞれを、予め定めている温度範囲で調整できるようにしている。設定床温となる温度の調整範囲は、床暖房を行ったときの床温が適切な暖房状態と感じる範囲とし、設定室温となる温度は、床温が適切な暖房状態と感じる温度範囲となるように床暖房を行う併用暖房時に、室温が適切な暖房状態と感じる温度範囲とする。
【0020】
これにより、選択手段によって選択する簡単な操作で、併用暖房時に室温と床温の温度差等による不快感や暖房不足、暖房の効きすぎ等を感じることのない範囲で好みの暖房状態に設定することができる。
【発明の実施の形態】
【0021】
以下に本発明の実施の形態を説明する。
【0022】
図1に示されるように、本実施の形態に適用した空調システム11は、温水を用いて暖房を行う温水空気調和機(以下「温水エアコン10」と言う)と、温水を用いて床暖房を行う床暖房装置140を備えている。
【0023】
温水エアコン10は、空調する室内に設置される室内機12と、屋外に設置される室外機14によって構成され、床暖房装置140は、室外機14と床暖房マット142によって構成されている。また、室内機12の近傍には、室内機12と室外機14に接続された連動コントローラ20が設けられている。
【0024】
図1及び図3に示されるように、温水エアコン10の室内機12内には、冷凍サイクルによって循環される冷媒用の熱交換器である蒸発器16と、温水が循環される温水用の熱交換器である放熱器18を備えた室内ユニット22が設けられている。また、室外機14は、室内ユニット22の蒸発器16との間で冷媒を循環する冷凍サイクルを形成する冷媒ユニット24と、温水を生成すると共に生成した温水を室内ユニット22の放熱器18との間で循環させる熱源ユニット26によって構成されている。
【0025】
なお、蒸発器16と放熱器18は、一体に連結されたものであっても良く、別々に設けられているものであっても良い。また、室外機14は、冷媒ユニット24と熱源ユニット26とが同一のケーシング内に収容されている一体型であっても良く、それぞれが別々のケーシングに収容されている別体型であっても良い。さらに、熱源ユニット26としては、給湯用の温水の生成を兼ねるものであっても良い。
【0026】
図3に示されるように、室内ユニット22内の蒸発器16には、冷媒配管28A、28Bの一端がそれぞれ接続されており、冷媒配管28A、28Bの他端は、それぞれ冷媒ユニット24のバルブ32、48に接続されている。バルブ32は、マフラー34A、アキュムレータ38、コンプレッサ40、マフラー34Bを介して熱交換器(凝縮器)42に接続され、さらに、キャピラリチューブ44及びストレーナ46を介してバルブ48に接続されており、これによって、室内ユニット22と冷媒ユニット24との間で冷凍サイクルが形成されている。
【0027】
冷媒ユニット24は、温水エアコン10が冷房運転ないし除湿運転(ドライ運転)に設定されると、コンプレッサ40を駆動して冷媒の循環を行い、室内ユニット22ないの蒸発器16を通過する空気を冷却する。なお、冷媒ユニット24では、必要に応じて冷却ファン53を作動させて熱交換器42を冷却し、冷媒の凝縮効率の低下を防止している。また、温水エアコン10では、熱交換器温度センサ(図示省略)を用いて冷房運転時に室内ユニット22の蒸発器16が所定温度以下(例えば6.4°C以下)とならないようにコンプレッサ40の能力を制御している。図3には、矢印によって冷媒の流れと後述する温水の流れを示している。
【0028】
室内ユニット22の放熱器18には、温水入口ニップル66A、66Bが設けられており、温水入口ニップル66Aから供給される温水が温水出口ニップル66Bへ向けて放熱器18内を流れるようになっている。温水入口ニップル66Aには、例えばフレキシブルな温水配管(以下「温水チューブ」という)30Aの一端が接続され、温水出口ニップル66Bには、流量可変弁68を介して温水チューブ30Bの一端が接続される。また、温水チューブ30A、30Bの他端は、それぞれ熱源ユニット26に設けられている温水出口ニップル56B、温水入口ニップル56Aに接続される。
【0029】
熱源ユニット26は、温水出口ニップル56Bに温水熱交換器64、ポンプ62及びプレッシャタンク60を介して温水入口ニップル56Aが接続されている。これによって、室内ユニット22と温水ユニット26の間で密閉された温水の循環路が形成される。
【0030】
熱源ユニット26は、ガス電磁弁180A、180B及びガス比例弁182を介して機外からガスバーナー70へ供給される燃焼用のガスを燃焼させることにより、温水熱交換器64内の水を加熱して暖房用の温水を生成する。この温水はポンプ62の作動により室内ユニット22の放熱器18の間で循環される。なお、プレッシャタンク60は、プレッシャキャップ58を介してドレンタンク72に接続されており、水温(温水の温度)が上昇して内圧が所定値(例えば0.9kg/cmU)以上となると、プレッシャキャップ58の圧力弁が作動して、温水をドレンタンク72へ排出して配管内の圧力上昇を防止する。また、温水の温度が低下して内圧が所定値未満となることにより、ドレンタンク72から水が回収される。
【0031】
温水エアコン10は、冷房モードで運転しているときには、熱源ユニット26の作動(温水の生成等)を停止させると共に、可変流量弁68を閉じている(動作ステップ0)が、ドライ運転時又は暖房運転時には、流量可変弁68を開き、熱源ユニット26内で生成された温水が放熱器18内を循環して、放熱器18を通過する空気を加熱する。このとき、熱源ユニット26には、温水熱交換器64と温水出口ニップル56Bの間に高温サーミスタ(図示省略)が設けられており、この高温サーミスタによる検出温度が所定温度となるように温水の温度を制御している。
【0032】
なお、流量可変弁68は、室内温度と設定温度(設定室温)に応じて開度が制御され、開度に応じた流量の温水が放熱器18内を循環する。また、熱源ユニット26は、暖房運転を開始する立ち上げ時には、温水の温度を高温側(例えば約80℃)となるようにし、立ち上げ終了後は、温水の温度が低温側(例えば約60℃)となるようにしている。
【0033】
室内ユニット22には、クロスフローファン90が設けられている。また、図2に示されるように、室内ユニット22が収容されている室内機12のケーシング36には、吸込み口50及び吹出し口52が形成されている。
【0034】
室内ユニット22では、クロスフローファン90を作動させることにより、吸込み口50から室内の空気を吸込んで、吹出し口52から吹出す。このとき、吹出し口52から吹出される空気が蒸発器16ないし放熱器18を通過する時に温調されることにより室内が空調される。なお、吹出し口52には、上下フラップ54と図示しない左右フラップが設けられており、上下フラップ54と左右フラップによって吹出し口52から吹き出される温調した空気の吹出し方向が変えられる。
【0035】
図4に示されるように、室内ユニット22には、マイクロコンピュータ(以下「マイコン100」と言う)を備えたコントロール基板102が設けられており、このコントロール基板102に電源基板104、表示基板106、スイッチ基板108と共に、パワーリレー110、温度ヒューズ112、流量可変弁68、クロスフローファン90を駆動するファンモータ114、上下フラップ54を制御するルーバーモータ116が接続されている。
【0036】
室内ユニット22では、電源基板104へ運転用の交流電力が供給されることにより、この交流電力が電源基板104によって所定の電力に変換されてコントロール基板102へ供給される。また、室内ユニット22に供給された交流電力は、端子板132から室外機14の熱源ユニット26へ供給されると共に、パワーリレー110を介して端子板132から室外機14の冷媒ユニット24へ供給される。すなわち、温水ユニット26には、室内ユニット22と同様に常に運転用の電力が供給され、冷媒ユニット24は、コントロール基板102からの信号によってパワーリレー110をオンすることにより供給される電力によって運転される。
【0037】
また、コントロール基板102には、蒸発器16の温度を検出する熱交温度センサ118、室内の湿度を検出する湿度センサ120、放熱器18の温度を検出する温水熱交換器センサ122、ガス欠センサ124等と共に、ケーシング36の吸込み口50から吸込まれる空気の温度を室内温度として検出する室温センサ126が接続されている。
【0038】
表示基板106には、表示LED128等が設けられている。図2に示されるように、室内機12のケーシング36には、表示部82が設けられており、表示基板106の表示LED128等がこの表示部82上に配置されている(図2では図示省略)。これにより、表示部82の表示LED128の点灯状態によって温水エアコン10の運転状態(運転/ 停止及び運転モード等)を判断できるようになっている。
【0039】
また、図4に示されるように、室内ユニット22のコントロール基板102には、通信I/F(図示省略)が設けられており、この通信I/Fを介して冷媒ユニット24及び連動コントローラ20に接続されている。コントロール基板102には、シリアル通信によって後述する連動コントローラ20から操作信号等が入力される。温水エアコン10は、連動コントローラ20から入力される操作信号等と室内温度に基づいて空調運転を行う。このとき、マイコン100は、冷媒ユニット24の図示しないコントローラのマイコンとの間でシリアル通信を行うことにより、空調運転時の冷媒ユニット24の作動を制御している。
【0040】
すなわち、温水エアコン10は、運転モード、設定温度(設定室温)等の運転条件を示す操作信号が連動コントローラ20から入力されて空調運転が指示されると、設定室温と室温に基づいて冷房ないし暖房能力を制御しながら室温が設定室温となるように空調運転を行う。例えば、自動運転モードで暖房運転を行うときには、ファジー演算によって室内温度の変化を予測しながら暖房能力、送風量及び風向等を制御する。なお、室内ユニット22の空調能力の制御、冷媒ユニット24の構成及びシリアル通信による冷媒ユニット24の制御は、従来公知の構成及び方法を適用でき、本実施の形態では詳細な説明を省略する。
【0041】
図5に示されるように、熱源ユニット26には、図示しないマイコンを備えたコントロール基板174が設けられている。コントロール基板174には、電源トランス176、温水循環用のポンプ(ポンプモータ)62、ガスバーナー70を点火するイグナイタ178、ガスバーナー70へ燃焼ガスを供給するガス電磁弁180A、180B及びガス比例弁182、給気用のファンモータ184等が接続されている。コントロール基板174は、室内ユニット22の端子板132から供給される電力を電源トランス176によって変圧し、ポンプ62等の駆動用の電力を得ている。
【0042】
また、コントロール基板174には、温水熱交換器64から送り出される温水の温度を測定する高温サーミスタ186、外気温度を検出する外気温度センサ188、ファンモータ184の回転検出器190等が接続されており、コントロール基板174は、これらのセンサによって熱源ユニット26内の各機器の作動状態を監視しながら温水の生成及び循環を制御する。
【0043】
なお、コントロール基板174には、温度ヒューズ192、ハイリミットスイッチ194等が接続され、また、ポンプ試験端子196、外部に動作状態等を表示する動作モニタ用端子198と共に、設定スイッチ200、ガスバーナー70の点火時に点灯する燃焼ランプ202、故障時のエラーコード等を表示する故障表示LED204、メンテナンス用スイッチ206、二次圧調整ボリューム208等が設けられている。
【0044】
図1及び図3に示されるように、床暖房装置140を構成する床暖房マット142は、室内の床面に敷かれるマット144内に温水チューブ146が織込まれており、温水が温水チューブ146内を循環することによりマット144の表面が暖められる。なお、床暖房装置としては、室内の床板内または床板の下側に温水配管を敷設した床暖房ユニットを用いても良い。
【0045】
図3に示されるように、熱源ユニット26には、温水入口ニップル56A、温水出口ニップル56Bのそれぞれに温水入口ニップル80A、温水出口ニップル80Bが併設されている。また、床暖房マット142には、温水チューブ146の両端に温水入口ニップル84A、84Bが設けられている。
【0046】
温水入口ニップル84Aには、温水チューブ86Aの一端が接続され、この温水チューブ86Aの他端が熱動弁76を介して熱源ユニット26の温水出口ニップル80Bに接続される。また、温水出口ニップル84Bには、温水入口ニップル80Aとの間が温水チューブ86Bに接続される。これにより、熱源ユニット26に床暖房マット142が接続され、熱源ユニット26のポンプ62が作動すると、熱動弁76の開閉に応じて温水チューブ146内へ温水が循環される。
【0047】
図5に示されるように、この熱動弁76は、熱源ユニット26のコントロール基板174に接続されており、このコントロール基板174によって開閉が制御される。また、コントロール基板174には、通信I/F基板136が設けられており、この通信I/F基板136を介して連動コントローラ20に接続されている。コントロール基板174には、通信I/F基板136を介して連動コントローラ20から操作信号等が入力される。また、コントロール基板174は、通信I/F基板136を介して連動コントローラ20へ運転状態等を出力する。
【0048】
熱源ユニット26では、例えば表1に示されるように、熱動弁76のオン/オフ制御するときのデューテー比が複数段階に設定されており、連動コントローラ20から操作信号等と共に動作ステップを指定する信号が入力されることにより、該信号に応じた動作ステップ(デューテー比)で熱動弁76の開閉を行う。
【0049】
【表1】
床暖房マット142は、熱動弁76のオン/オフに応じて温水チューブ146内を循環される温水によってマット144が加熱される。
【0050】
なお、本実施の形態では、1サイクルを20min (20分)としてデューテー比を設定しており、通常、ステップ1以上で運転される。また、ステップ16は、床暖房ユニット142が運転を停止した状態となる。また、図1及び図5に示されるように、熱源ユニット26には、床暖房マット142のマット144内に設けられている図示しないサーミスタ等の温度検出手段からの信号線148が接続されており、信号線148を介してマット144の温度が所定値(例えば31°C)を越えたことを検出すると温水の循環を停止させる。
【0051】
図6に示されるように、連動コントローラ20は、マイコン150を備えたコントロール基板152に、データ通信用の通信I/F基板154及びシリアル通信用の通信I/F基板156が接続されている。また、連動コントローラ20内には、温度検出基板158及び受信基板160が設けられており、これらがコントロール基板152に接続されている。
【0052】
図2に示されるように、連動コントローラ20には、受信窓162が形成されており、この受信窓162へ向けてシステムリモコン130を操作することにより、システムリモコン130から送出される操作信号が受信基板160で受信される。
【0053】
図7に示されるように、システムリモコン130は、LCD等の表示手段を用いた表示部87と、温水エアコン10と床暖房マット142の運転条件の設定を行うための種々の操作ボタンが配置された操作パネル88が設けられている。すなわち、システムリモコン130は、温水エアコン10の運転を操作と床暖房マット142の運転操作機能を兼ね備えたマルチタイプリモコンとなっており、表示部87には、操作パネル88上で設定された温水エアコン10と床暖房マット142の運転条件等が表示される。なお、操作パネル88はカバー89を開くことにより開放される。
【0054】
操作パネル88には、運転/停止ボタン91、温度設定ボタン92、室温設定手段としての温水エアコン10用の温度下げボタン93Aと温度上げボタン93B、床暖温度設定手段としての床暖房マット14用の温度下げボタン94Aと温度上げボタン94Bと共に、冷暖切替ボタン95、選択手段としての床暖房ボタン96が設けられている。冷暖切替ボタン95を操作することにより、運転モードが「冷房」、「自動」、「暖房」、「暖房、床暖房」、「床暖房」、「ドライ」、「送風」と切り替わり、さらに冷暖切替ボタン95を操作することにより「冷房」モードに切り替わる。また、システムリモコン130には、通常のエアコンのリモコンスイッチと同様に、風向(上下フラップ54の向き)、風量(クロスフローファン90の回転数)及びタイマ運転等の設定が可能となっている。
【0055】
温水エアコン10は、「冷房」、「自動」、「暖房」「暖房、床暖房」、及び「ドライ」モードで運転される。また、床暖房マット142は、「暖房、床暖房」及び「床暖房」モードで運転され、「暖房・床暖房」モードに設定されているときに、床暖房ボタン96を操作することにより、温水エアコン10と床暖房マット142の運転が「自動コンフォト」モード、「自動エコノミ」モード及び「手動」モードに切り替えられ、「床暖房」モードに設定されているときに床暖房ボタン96を操作することにより床暖房マット142の運転が「自動」モード及び「手動」モードに切り替えられる。「手動」は、設定温度(設定室温及び設定床温)をマニュアル操作によって設定する運転モードとなっている。
【0056】
温度下げボタン93Aと温度上げボタン93Bの操作によって温水エアコン10によって空調暖房する室内温度(設定室温)が設定されると、この設定室温がシステムリモコン130の表示部87に数値として表示される。また、温度下げボタン94Aと温度上げボタン94Bの操作によって床暖房マット142によって床暖房する温度(設定床温)の設定が行われ、表示部87に設定床温に応じた表示がなされる。設定床温の表示は、数値として表示しても良く、また、表2に示されるように、例えば7段階の温度レベルの何れに設定されているかの表示が行われる。
【0057】
【表2】
なお、温水エアコン10と床暖房マット142が同時に運転される併用暖房時には、表示部87に設定室温と設定床温の温度レベルの何れか少なくとも一方が表示される。
【0058】
システムリモコン130は、冷暖切替ボタン95の操作によって運転モードが設定された状態で運転/停止ボタン91を操作することにより温水エアコン10ないし床暖房マット142の運転開始を指示する操作信号と設定されている運転条件に基づいた操作信号を送出する。この操作信号等が連動コントローラ20の受信基板160に受信される。なお、システムリモコン130では、カバー89を閉じた状態でも、運転/停止ボタン91の操作が可能となっている。
【0059】
図6に示されるように、連動コントローラ20に設けられている温度検出基板158には、床温度検出手段としての輻射センサ164が設けられている。この輻射センサ164は、被測定物から発せられる赤外線を受信して、被測定物の表面温度を1℃程度の誤差範囲で正確に検出できるようになっている。すなわち、図2に示されるように、連動コントローラ20には、集光レンズ166が設けられており、この集光レンズ166が向けられている被測定物が表面温度に応じて発する赤外線を輻射センサ164によって受光する。
【0060】
空調システム11では、床暖房マット142によって床暖房が行われているときには連動コントローラ20に設けている輻射センサ164によって、マット144の表面温度を床温として検出してコントロール基板152へ出力する。なお、集光レンズ166と輻射センサ164を一体でスイングさせて室内における所定の領域の温度(複数個所の温度)を検出して、検出温度の平均値等を室温として用いても良い。すなわち、輻射センサ164によって床温と共に室温を検出するようにしても良い。
【0061】
図7に示されるように、システムリモコン130には、操作パネル88上にセンサ切替スイッチ97が設けられている。また、システムリモコン130内には、従来のエアコン用のリモコンスイッチと同様に温度センサが内蔵されており、この温度センサによってシステムリモコン130の周囲の温度を室温として検出できるようになっている。
【0062】
空調システム11では、センサ切替スイッチ97の操作によってシステムリモコン130内の図示しない温度センサ、室内ユニット22内の室温センサ126及び連動コントローラ20に設けられている輻射センサ164の何れかを選択することにより、選択したセンサによって検出する温度を室温として用いて温水エアコン10の空調能力の制御に用いる。このとき、システムリモコン130の表示部87には、選択されている温度センサを判別可能な表示がなされる。
【0063】
連動コントローラ20のマイコン150は、システムリモコン130から送出された操作信号を受信すると、この操作信号から、室内ユニット22及び冷媒ユニット24に対する空調用の操作信号(主に温水エアコン10の室内ユニット22と冷媒ユニット24の運転に関わる操作信号)と、床暖房装置140及び熱源ユニット26に対する温水暖房用の操作信号を分離し、空調用の操作信号が通信I/F基板156を介してシリアル通信によって室内ユニット22へ送出される。室内ユニット22のマイコン100は、この操作信号等に基づいて温水エアコン10の作動を制御する。
【0064】
また、連動コントローラ20のマイコン150は、システムリモコン130から受信した操作信号から温水暖房用の操作信号を分離すると、通信I/F基板154を介して熱源ユニット26へ出力する。これと共に、マイコン150には、熱源ユニット26及び熱源ユニット26を用いた床暖房マット142の運転状態が、熱源ユニット26のコントロール基板174から通信I/F基板154へ入力されるようになっており、連動コントローラ20では、熱源ユニット26及び床暖房マット142の運転状態も室内ユニット22へ送出するようになっている。すなわち、空調システム11では、連動コントローラ20によって温水エアコン10と床暖房装置140が接続されている。
【0065】
ところで、連動コントローラ20は、設定床温と輻射センサ164によって検出した床温に応じた熱動弁76の動作ステップを熱源ユニット26へ出力することにより、床暖房マット142の暖房能力を制御している。すなわち、マイコン150は、床温が設定床温より低くなっているときには、熱動弁76のオン時間が長くなるように動作ステップを設定し、床温が設定床温を越えると熱動弁76のオン時間が短くなるように動作ステップを設定する。これによって、床暖房時の床温が設定床温に保たれるようにしている。
【0066】
一方、システムリモコン130は、冷暖切替ボタン95の操作によって床暖房マット142を単独で運転する「床暖房」モードが選択された状態で、床暖房ボタン96を操作したときには、「自動」モードと「手動」モードの何れかに切り換えられる。連動コントローラ20は、「手動」モードに設定されたときには、温度下げボタン94A及び温度上げボタン94Bの操作によって設定された設定床温に基づいて床暖房を行う。
【0067】
図6に示されるように、連動コントローラ20のコントロール基板152には、EEPROM等を用いたメモリ168が設けられている。このメモリ168には、床暖房時に最も快適と感じる床温として設定した温度Tsf1 が記憶されており、コントロール基板152のマイコン150は、床暖房マット142を用いて床暖房を行うときに、システムリモコン130の床暖房ボタン96の操作により「自動」モードに設定されると、メモリ168に記録されている温度Tsf1 を設定床温(設定床温Tsf)に設定する。これによって、床温が温度Tsf1 となるように床暖房マット142による床暖房が制御される。
【0068】
一方、メモリ168には、温水エアコン10と床暖房マット142を併用して暖房を行うときに、設定室温(設定室温Tsr)とする温度が記憶されている。連動コントローラ20のマイコン150は、システムリモコン130の操作によって、温水エアコン10と床暖房マット142を併用して暖房を行う「暖房・床暖房」モードが選択された状態で、床暖房ボタン96の操作によって「自動コンフォト」又は「自動エコノミ」が選択されると、このメモリ168に記憶している温度を設定室温Tsrとして温水エアコン10へ出力する。すなわち、空調システム11では、床暖房マット142を用いた自動運転では、設定床温Tsf及び設定室温Tsrを予めメモリ168に記憶させている温度に自動的に設定する。
【0069】
メモリ168には、設定室温Tsrとする温度として温度Tsr1 、Tsr2 (Tsr1 >Tsr2 )を記憶させている。マイコン150は、温水エアコン10と床暖房マット142による併用暖房時に「自動コンフォト」モードが選択されることにより温度Tsr1 を設定室温Tsrとし、「自動エコノミ」モードに選択されることにより、温度Tsr1 より低い温度の温度Tsr2 を設定室温Tsrとする。空調システム11では、温水エアコン10による空調暖房時の設定室温Tsrを下げることにより省エネを図るようにしている。
【0070】
なお、本実施の形態では、設定室温Tsr及び設定床温Tsfとして設定する温度Tsr1 、Tsr2 、Tsf1 を記憶するメモリ168を連動コントローラ20に設けた例として説明するが、メモリ168をシステムリモコン130に設け、システムリモコン130上で自動モード(「自動コンフォト」又は「自動エコノミ」モード)が選択されると、システムリモコン130が設定室温Tsrないし設定床温Tsfとして温度Tsr1 、Tsr2 、Tsf1 を送出するようにしても良い。
【0071】
一方、「自動コンフォト」及び「自動エコノミ」モードが選択されることにより設定される設定床温Tsf及び設定室温Tsrは、それぞれシステムリモコン130の温度下げボタン93A、94A及び温度上げボタン93B、94B(図7参照)の操作によって所定の範囲で可変可能となっている。
【0072】
ここで、メモリ168に記録される温度Tsf1 、Tsr1 、Tsr2 及びこれらの可変範囲について図8を参照しながら説明する。
【0073】
床暖房時には、マット144上に着座しているときと椅子に座っているときなどでは、床面の温度が同じでも暖房感が少なからず異なる。マット144上に着座しているときには、床温が31℃を越えると低温火傷を生じる恐れがあり、少なくとも床温Tf は、31℃以下である必要があり、30℃以下であることがより好ましい。また、椅子に座るなどしマット144に直接触れていないときには、床温Tf を25℃以上とすることにより暖房不足を感じることがない。また、最も快適な暖房感が得られる温度は、28℃となっている。
【0074】
ここから、図8に示されるように、本実施の形態では、温度Tsf1 を28℃とし、温度Tsf1 を設定床温Tsfに設定したときに、この設定床温Tsfを、床暖房を行っているときの床温として大多数の人が暖房不足や暖房の効きすぎと感じることがない温度である25℃〜31℃(28℃±3℃)の間で可変できるようにしている。
【0075】
一方、床暖房と併用して温水エアコン10を用いて室内の空調暖房を行うときには、室温Tr が低すぎたり高すぎたりすることにより不快感が生じる。また、床温Tf と室温Tr
従って、床温Tf と室温Tr の温度差は、12℃以内(Tf −Tr ≦12℃)であることが好ましく、10℃以内(Tf −Tr ≦10℃)であることがより好ましい。また、床暖房と併用して温水エアコン10によって室内の暖房を図るときには、室温Tr が18℃以上、23℃以下(18℃≦Tr ≦23℃)であることが好ましく、これによって、温水エアコン10により暖房するときの暖房不足感及び暖房の効きすぎ感が生じるのを防止することができる。
【0076】
さらに、椅子に座るなどしているときには、室温Tr が同じでも床温Tf が下がることにより暖房不足を感じることがあるので、室温Tr 、床温Tf が、それぞれ18℃≦Tr ≦23℃、25℃≦Tf ≦31℃の範囲では、2・Tr −Tf≧C(Cは定数)であることが
ここから、図8に示されるように、併用暖房時には、床温Tf 及び室温Tr が点a、b、c、d、e、fの領域内、より好ましくは、点a、b、g、h、fの領域内であることにより、快適な暖房状態と感じられ、暖房不足や暖房の効きすぎ感を生じさせることがない。
【0077】
一方、併用暖房時に床温が28℃であるときに、最も快適と感じられる室温は、21℃(図8に示す点P)である。ここから、温度Tsf1に対して温度Tsr1を21℃として、「自動コンフォト」モードが選択されることにより、設定床温Tsf及び設定室温Tsrは、それぞれ28℃、21℃に設定されるようにしている。
【0078】
また、暖房運転時には設定温度を下げることにより省エネを測ることができる。ただ、床暖房マット142では、床温の変化が緩やかであるために、設定床温Tsfを下げたとしても必ずしも顕著な省エネ効果が得られるとは限らない。このため、本実施の形態では、設定室温Tsrを下げることにより省エネ効果が得られるようにしており、一例として快適な暖房状態と感じられる領域内で、床温Tf が28℃のときに最も低い室温Tr (Tr =18.5℃、図8に示す点Q)を温度Tsr2 としている。これにより、「自動エコノミ」モードが選択されることにより、設定床温Tsf及び設定室温Tsrは、それぞれ28℃、18.5℃に設定される。
【0079】
一方、点a、b、g、h、f内の領域では、快適な暖房状態が得られるので、「自動コンフォト」及び「自動エコノミ」モード時には、この領域内で設定床温Tsf及び設定室温Tsrを温度下げボタン93A、94A及び温度上げボタン93B、94Bの操作によって可変することができるようにしている。なお、設定室温Tsrは、温度Tsr1 、Tsr2 の2段階に設定できるようにしているので、設定室温Tsrが温度Tsr1 に設定される「自動コンフォト」が選択されているときには、19℃〜23℃(±2℃)の範囲で可変できるようにし、設定室温Tsrが温度Tsr2 に設定される「自動エコノミ」が選択されているときには、18.5℃〜21℃(+2℃)の範囲で可変できるようにしている。
【0080】
次に本実施の形態の作用を説明する。
【0081】
空調システム11では、温水エアコン10によって空調を行う場合、システムリモコン130の操作によって温水エアコン10の運転モード、設定室温Tsr等の運転条件を設定する。システムリモコン130は設定された運転条件に応じた操作信号を送出し、この操作信号が連動コントローラ20によって受信されると、温水エアコン10は、設定された運転条件に応じた空調運転を開始する。通常、温水エアコン10は、室温Tr をシステムリモコン130上で設定した設定室温Tsrに保つように空調能力を制御しながら空調する。
【0082】
一方、床暖房マット142は、システムリモコン130の操作によって「暖房・床暖房」又は「床暖房」モードに設定されることにより床暖房運転を開始し、床温Tf が設定床温Tsfとなるように暖房能力が連動コントローラ20によって制御される。例えば、「手動」モードが選択された状態で温度下げボタン94A及び温度上げボタン94Bの操作によって設定床温Tsfが設定されると、連動コントローラ20は、マット144の表面温度となる床温Tf が設定床温Tsfとなるように輻射センサ164によって検出した床温Tf と設定床温Tsfに基づいて熱動弁76の開閉するときのデューテー比(オン時間とオフ時間の比率)を制御する。
【0083】
これによって、室内は、床温Tr がシステムリモコン130によって設定した設定床温Tsfとなるように暖房され、さらに、この設定床温Tsfに保たれる。
【0084】
ところで、空調システム10では、「自動」モードでの床暖房が可能となっている。自動モードでの床暖房は、システムリモコン130の運転切替ボタン95の操作によって「床暖房」モードを選択した状態で床暖房ボタン96を操作して「自動」モード(「自動コンフォト」又は「自動エコノミ」)を選択することにより設定される。
【0085】
連動コントローラ20は、自動モードでの床暖房が選択されることにより、メモリ168に予め記録している温度Tsf1 を設定床温Tsfに設定する。この後、連動コントローラ20は、輻射センサ164によって検出する床温Tf が設定床温Tsfとなるように熱動弁76の動作ステップを設定する。熱源ユニット26は、設定された動作ステップに応じたデューテー比で熱動弁76の開閉を制御する。
【0086】
すなわち、空調システム11では、システムリモコン130の操作によって自動モードでの床暖房運転が設定されることにより、連動コントローラ20が設定床温Tsfを予め設定されている温度に自動的に設定し、床温Tf がこの設定床温Tsfとなるように床暖房を行う。
【0087】
この設定床温Tsfとして設定される温度Tsf1 は、床暖房を行っているときに、快適な暖房状態と感じる床温となっているため、設定床温Tsfを温度下げボタン94A、温度上げボタン94Bを操作して設定することなく、簡単に快適な暖房状態になる温度に設定することができる。
【0088】
また、空調システム11では、自動的に設定床温Tsfを設定した状態で、さらに、さらにシステムリモコン130の温度下げボタン94Aないし温度上げボタン94Bを操作することにより、設定床温Tsfを調整することができる。例えば、椅子に座るなどして床面から離れているときには、温度上げボタン94Bを操作して設定床温Tsfを上げる。これによって、床面(マット144)から離れた位置でも十分な暖房効果が得られる。
【0089】
また、マット144上に着座しているときには、床温Tr が温度Tsf1 より下がっても十分な暖房効果が得られるので、システムリモコン130の温度下げボタン94Aを操作して設定床温Tsfを下げる。この場合でも、設定床温Tsfの調整範囲は、快適な床暖房状態となる範囲内であるために、快適性が損なわれることがないのは勿論、好みに応じた快適な暖房感が得られる。
【0090】
一方、空調システム11では、「暖房・床暖房」モードが選択された場合、言い換えれば、温水エアコン10と床暖房マット142の併用運転による暖房を選択した状態で、床暖房ボタン96を操作して「自動コンフォト」又は「自動エコノミ」モードを選択することにより、設定床温Tsfと共に設定室温Tsrを、予め設定してメモリ168に記憶させている温度に自動的に設定し、室内が設定室温Tsr及び設定床温Tsfとなるように暖房を行う。
【0091】
例えば併用運転時に「自動コンフォト」モードが選択されると、連動コントローラ20のマイコン150は、設定床温Tsfを温度Tsf1に設定すると共に、設定室温Tsrを温度Tsr1 に設定する。温水エアコン10は設定室温Tsrが温度Tsr1 に設定されることにより、室温Tr が温度Tsr1 となるように暖房運転を行う。
【0092】
この設定室温Tsrに設定する温度Tsr1 は、床温Tf が設定床温Tsfとなっているときに、最も快適と感じる温度としている。このため、併用暖房を行うときに、システムリモコン130の温度下げボタン93A及び温度上げボタン93Bを操作して、設定床温Tsfに合わせて設定室温Tsrを設定する作業を行うことなく、簡単に快適な暖房状態とすることができる。
【0093】
また、空調システム11では、併用暖房時に「自動エコノミ」モードが選択されることにより、連動コントローラ20は設定床温Tsfを温度Tsf1 に設定すると共に、設定室温Tsrを温度Tsr2 に設定する。この温度Tsr2 は、床温Tf が温度Tsf1 となっているときに、快適な暖房状態と感じる領域内で最も低い温度となっている。
【0094】
一般に暖房を行う場合、設定温度を下げることにより設定温度が高いときに比べてエネルギー消費量を抑えることができる。空調システム11では、「自動エコノミ」が選択されることにより、併用暖房時に快適と感じる温度領域内で、室温Tr を最も低い温度Tsr2 とすることにより、快適性を損なうことなく、省エネを図ることができる。
【0095】
このように、空調システム11では、温水エアコン10と床暖房マット142の併用運転によって暖房を行うときに自動モードを選択することにより、設定室温Tsrと設定床温Tsfをそれぞれ快適な暖房状態と感じる室温Tr 及び床温Tfに設定する。これにより、システムリモコン130の温度下げボタン93A、94A及び温度上げボタン93B、94Bを用いて併用暖房時に快適な暖房状態となるように設定床温Tsfを設定すると共に設定床温Tsfに基づいて設定室温Tsrを設定する操作を行うことなく、設定室温Tsr及び設定床温Tsfを簡単にかつ適切な温度に設定することができる。
【0096】
一方、「自動コンフォト」又は「自動エコノミ」モードを選択することにより設定される設定床温及び設定室温のそれぞれは、温度下げボタン93A、94A及び温度上げボタン93B、94Bの操作によって予め設定されている範囲内で可変することができる。設定室温Tsr及び設定床温Tsfは、それぞれ併用暖房時に快適な暖房感が得られるように設定されている領域内に限られるため、暖房される室内の快適性を損なうことなく、好みの暖房状態とすることができる。
【0097】
なお、以上説明した本実施の形態では、本発明の構成を限定するものではない。本実施の形態では、空気調和機と暖房時に温水を用いる温水エアコン10を用いて説明したが、本発明は、空気調和機として冷凍サイクルを用いて冷暖房を行う一般的な構成の空気調和機を用いても良い。
【0098】
また、本実施の形態では、設定床温Tsfを28℃として、設定室温Tsrを21℃及び18.5℃としたが、これに限らず、快適な暖房状態と感じる領域内であれば何れの温度に設定しても良い。また、快適な暖房状態を感じる領域が、気象条件や暖房する室内の条件等の環境条件によって変わるときには、この環境条件に応じて設定床温Tsf、設定室温Tsrを変えるようにしても良い。すなわち、環境条件等に応じて快適な暖房状態となる室温Tr と床温Tf の温度範囲を設定し、この温度範囲内で設定室温Tsr及び設定床温Tsfが設定されるようにしても良い。
【0099】
さらに、本実施の形態では、設定室温Tsrを2段階に設定したが、例えば設定床温Tsfも省エネを考慮して2段階以上に設定しても良い。
【0100】
また、本実施の形態では、床暖房マット142と温水エアコン10の室内ユニット22とは別に連動コントローラ20を設けたが、連動コントローラ20としては、室内ユニット22と共に室内機12に内蔵されたものであっても良く、連動コントローラ20による設定床温Tsfを床温Tf に基づいた床暖房マット142の暖房能力の制御機能を室外機14に内蔵させても良い。すなわち、温水エアコン10の室内ユニット22で設定室温Tsrと共に設定床温Tsfを設定し、室外機14(熱源ユニット26)によって設定床温Tf を床温Tf に基づいた床暖房マット142の暖房能力の制御を行っても良い。
【発明の効果】
【0101】
請求項1に記載の本発明によれば、床面に敷設した温水配管内へ温水を循環させて床暖房する循環手段と、前記床面の温度を検出する床温度検出手段と、設定床温となる温度を任意に設定可能な床暖温度設定手段と、前記床温度検出手段によって検出する床温が前記床暖温度設定手段によって設定された温度となるように前記循環手段を制御する床暖房制御手段と、を含む床暖房装置であって、設定床温として予め定めている所定の温度範囲内の温度が記憶されている記憶手段と、前記床暖温度設定手段により設定された温度と前記記憶手段に記憶されている温度の何れか一方を前記設定床温として選択して設定する選択手段と、前記記憶手段に記憶されている温度が選択手段によって設定床温として選択されているとき、この選択された設定床温を予め定めている所定の温度範囲で変化させる調整手段と、を含む構成としたから、予め適切な床暖房状態となる温度を記憶手段に記憶させることにより、床暖房時に簡単にかつ適切な暖房状態となる設定床温を選択することができ、また、設定床温を予め定められた温度範囲でのみ調整可能であり、暖房感を損ねることなく好みの床暖房状態を実現できる。
【0102】
請求項2に記載の本発明によれば、室内ユニットに設けた放熱器内を循環する温水によって加熱した空気を室内へ吹出すことにより室温が設定室温となるように空調暖房する空気調和機と、床面に敷設した温水配管内へ温水を循環させることにより床面の温度が設定 床温となるように床暖房する床暖房装置と、を含む暖房システムであって、設定室温及び設定床温となる温度のそれぞれを任意の温度に設定可能な室温設定手段及び床暖温度設定手段と、設定室温及び設定床温として予め定めている所定の温度範囲の温度がそれぞれ記憶されている記憶手段と、前記室温設定手段及び床暖温度設定手段によりそれぞれ設定された温度と前記記憶手段に記憶されている温度の何れか一方を前記設定室温及び前記設定床温として選択して設定する選択手段と、前記記憶手段に前記設定室温ないし前記設定床温とする温度として所定の温度と前記予め定めている温度範囲内で該所定の温度と異なる温度が記憶され、かつ、この記憶されているそれぞれ温度を前記予め定めている所定の温度範囲でそれぞれ変化させる個別の調整手段と、を含む構成であるから、床暖房と空調暖房の併用暖房時に、簡単にかつ適切な暖房状態となる設定床温と設定室温を選択することができ、また、設定床温と設定室温は予め定められた温度範囲でのみ調整可能であり、暖房感を損ねることなく好みの床暖房と空調暖房による暖房状態とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本実施の形態に適用した空調システムを示す概略構成図である。
【図2】空調システムを構成する温水エアコンの室内ユニット、中継ユニット及び床暖房マットの配置を示す概略図である。
【図3】本実施の形態に適用した温水エアコンの冷媒と温水の流路を示す概略系統図である。
【図4】室内ユニットの電気回路の基板構成を示す概略図である。
【図5】熱源ユニットの電気回路の基板構成を示す概略図である。
【図6】本実施の形態に適用した連動コントローラを示す概略構成図である。
【図7】本実施の形態に適用したシステムリモコンの一例を示す概略平面図である。
【図8】快適と感じる暖房状態が得られる床温と室温の領域を示す線図である。
【符号の説明】
【0104】
10 温水エアコン(空気調和機)
11 空調システム(暖房システム)
20 連動コントローラ
22 室内ユニット
24 冷媒ユニット
26 熱源ユニット
62 ポンプ(循環手段)
64 温水熱交換器
76 熱動弁(循環手段)
93A、94A 温度下げボタン(室温設定手段、調整手段)
93B、94B 温度上げボタン(床暖温度設定手段、調整手段)
95 冷暖切替ボタン
96 床暖房ボタン(選択手段)
130 システムリモコン
140 床暖房装置
142 床暖房マット
152 コントロール基板
158 温度検出基板(室温検出手段)
164 輻射センサ(床温度検出手段)
168 メモリ(記憶手段)
174 コントロール基板
【0001】
本発明は、温水によって室内を床面から暖房する床暖房装置及び、床暖房装置と室内ユニットから温風を吹出して暖房を行う空気調和機を備えた暖房システムに関する。
【従来の技術】
【0002】
近年、空気調和機(以下「エアコン」と言う)の普及に伴い、室内の暖房もエアコンによって行われることが多くなっている。エアコンには、冷媒を用いた冷凍サイクルによって冷暖房運転を行う一般的なものに加えて、温水を用いて室内の暖房を行う温水空気調和機(以下「温水エアコン」と言う)がある。
【0003】
温水エアコンでは、室内ユニットに、冷房時に用いる冷媒用の熱交換器(蒸発器)と共に温水熱交換器(放熱器)が設けられており、室外に配置される熱源ユニットによって生成した温水を室内ユニットの放熱器との間で循環させることにより、放熱器を通過して室内へ吹出される空気を加熱して暖房するようになっている。このような温水エアコンにおいても、設定温度は勿論、風量、風向等を好みに応じて設定する所謂マニュアル運転モードに加えて、室内が設定室温となるように風量や風向及び空調能力を制御する自動運転モードが設けられている。
【0004】
一方、床暖房装置には、床面に敷設した温水チューブ内へ温水を循環させることにより室内を床面から暖房する床暖房マットなどがある。床暖房マットには、例えば暖房能力を「高」、「中」、「低」の3段階に変更できるものがあり(例えば、特開平11―237058号公報を参照)、選択された暖房能力に応じて所定の時間内で温水を循環させるときのオン時間とオフ時間の比であるデューテー比が変更される。すなわち、「低」に設定されたときには、温水を循環させている時間であるオン時間が短くなるようにデューテー比を変更して暖房能力を下げ、「高」に設定されたときには、オン時間が長くなるようにデューテー比を変更して暖房能力を大きくする。
【0005】
また、床暖房マットでは、暖房する床面の温度を検出し、この検出温度と設定温度(設定床温)の温度差に基づいてデューテー比を変更することにより、床面の温度を設定床温に保つことができる。
【0006】
ところで、設定床温に基づいて床暖房を行う床暖房マットでは、好みに応じて床面の温度を設定できるが、床暖房を開始するときに設定床温が好みの温度となっていないときには、設定床温を変更する操作が必要となる。また、温水を用いた床暖房では、温度変化が緩やかなために設定した温度が好みに合っているか否かの判断が難しく、好みの温度となるように暖房するまでに時間を要する。
【0007】
一方、温水エアコンと床暖房マットを併用して暖房するときには、温水エアコンと床暖房マットのそれぞれで別々に温度を設定するようになっている。このため、温水エアコンと床暖房マットを併用して暖房を行ったときに、例えば床面の温度と室温の温度差が大きかったり床温に比べて室内温度が高いと不快感を生じる。このような問題を防止するためには、例えば設定床温に合わせて設定室温を設定する等の操作が必要であり、運転条件の設定操作に煩わしさが生じる。
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、簡単にかつ快適な暖房状態となるように設定することができる床暖房装置及び暖房システムを提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、床面に敷設した温水配管内へ温水を循環させて床暖房する循環手段と、前記床面の温度を検出する床温度検出手段と、設定床温となる温度を任意に設定可能な床暖温度設定手段と、前記床温度検出手段によって検出する床温が前記床暖温度設定手段によって設定された温度となるように前記循環手段を制御する床暖房制御手段と、を含む床暖房装置であって、設定床温として予め定めている所定の温度範囲内の温度が記憶されている記憶手段と、前記床暖温度設定手段により設定された温度と前記記憶手段に記憶されている温度の何れか一方を前記設定床温として選択して設定する選択手段と、前記記憶手段に記憶されている温度が選択手段によって設定床温として選択されているとき、この選択された設定床温を予め定めている所定の温度範囲で変化させる調整手段と、を含むことを特徴とする。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、選択手段が温度設定手段によって設定された温度と記憶手段に記憶されている温度の一方を設定床温として選択する。また、記憶手段には予め定められた所定の温度範囲の温度が記憶されている。
【0011】
前記記憶手段に記憶される温度は、床暖房を行ったときに適切な暖房状態と感じる床温とすることが好ましく、最適な暖房状態と感じる床温とすることがより好ましい。これにより、記憶手段に記憶されている温度を設定床温として選択することにより、暖房不足や暖房の効きすぎと感じる床暖房状態となることがなく、簡単に適切な床暖房を行うことができる。
【0012】
また、前記記憶手段に記憶されている温度が選択手段によって設定床温として選択されているとき、前記記憶手段に記憶されている温度を調整手段によって変化させることにより、予め定めている所定の温度範囲における任意の温度を設定床温として設定することができる。
【0013】
この予め定めている所定の温度範囲を、床暖房を行ったときに適切な暖房状態と感じる温度範囲とすることにより、床暖房を行ったときに暖房不足や暖房の効きすぎ感を生じることがない適切な暖房状態となる範囲内で好みの床温とすることができる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、室内ユニットに設けた放熱器内を循環する温水によって加熱した空気を室内へ吹出すことにより室温が設定室温となるように空調暖房する空気調和機と、床面に敷設した温水配管内へ温水を循環させることにより床面の温度が設定床温となるように床暖房する床暖房装置と、を含む暖房システムであって、設定室温及び設定床温となる温度のそれぞれを任意の温度に設定可能な室温設定手段及び床暖温度設定手段と、設定室温及び設定床温として予め定めている所定の温度範囲の温度がそれぞれ記憶されている記憶手段と、前記室温設定手段及び床暖温度設定手段によりそれぞれ設定された温度と前記記憶手段に記憶されている温度の何れか一方を前記設定室温及び前記設定床温として選択して設定する選択手段と、前記記憶手段に前記設定室温ないし前記設定床温とする温度として所定の温度と前記予め定めている温度範囲内で該所定の温度と異なる温度が記憶され、かつ、この記憶されているそれぞれ温度を前記予め定めている所定の温度範囲でそれぞれ変化させる個別の調整手段と、を含むことを特徴とする。
【0015】
この請求項2に記載の発明によれば、空気調和機と床暖房装置を用いた併用暖房を行うときに、選択手段によって記憶手段に記憶されている温度を設定室温及び設定床温として選択して設定することができる。
【0016】
記憶手段に記憶される温度は、設定床温となる温度が床暖房を行ったときに適切な暖房状態ないし最適な暖房状態と感じる温度であり、設定室温となる温度が床暖房と併用して空気調和機によって暖房するときに適切な室温と感じる温度ないし最適な室温と感じる温度とする。これによって、併用暖房時に設定室温と設定床温とを互いの温度を考慮して設定する煩わしい操作を行うことなく、床温と室温を合わせて最適な暖房状態となるようにすることができる。
【0017】
また、この発明によれば、例えば記憶手段に設定室温となる温度を複数記憶させておき、複数の温度の何れかを選択して設定する。設定室温が異なれば暖房能力も異なり、設定室温を低い温度に設定することにより暖房に必要なエネルギーの消費量も低くなる。
【0018】
したがって、選択手段によって選択する簡単な操作で、一方の温度を設定室温としたときには、最適な暖房状態とすることができ、また、他方の温度を設定室温としたときには、適切な暖房状態でかつ省エネ効果が得られる暖房状態とすることができる。
【0019】
さらに、この発明によれば、記憶手段に記憶されている設定室温となる温度と設定床温となる温度のそれぞれを、予め定めている温度範囲で調整できるようにしている。設定床温となる温度の調整範囲は、床暖房を行ったときの床温が適切な暖房状態と感じる範囲とし、設定室温となる温度は、床温が適切な暖房状態と感じる温度範囲となるように床暖房を行う併用暖房時に、室温が適切な暖房状態と感じる温度範囲とする。
【0020】
これにより、選択手段によって選択する簡単な操作で、併用暖房時に室温と床温の温度差等による不快感や暖房不足、暖房の効きすぎ等を感じることのない範囲で好みの暖房状態に設定することができる。
【発明の実施の形態】
【0021】
以下に本発明の実施の形態を説明する。
【0022】
図1に示されるように、本実施の形態に適用した空調システム11は、温水を用いて暖房を行う温水空気調和機(以下「温水エアコン10」と言う)と、温水を用いて床暖房を行う床暖房装置140を備えている。
【0023】
温水エアコン10は、空調する室内に設置される室内機12と、屋外に設置される室外機14によって構成され、床暖房装置140は、室外機14と床暖房マット142によって構成されている。また、室内機12の近傍には、室内機12と室外機14に接続された連動コントローラ20が設けられている。
【0024】
図1及び図3に示されるように、温水エアコン10の室内機12内には、冷凍サイクルによって循環される冷媒用の熱交換器である蒸発器16と、温水が循環される温水用の熱交換器である放熱器18を備えた室内ユニット22が設けられている。また、室外機14は、室内ユニット22の蒸発器16との間で冷媒を循環する冷凍サイクルを形成する冷媒ユニット24と、温水を生成すると共に生成した温水を室内ユニット22の放熱器18との間で循環させる熱源ユニット26によって構成されている。
【0025】
なお、蒸発器16と放熱器18は、一体に連結されたものであっても良く、別々に設けられているものであっても良い。また、室外機14は、冷媒ユニット24と熱源ユニット26とが同一のケーシング内に収容されている一体型であっても良く、それぞれが別々のケーシングに収容されている別体型であっても良い。さらに、熱源ユニット26としては、給湯用の温水の生成を兼ねるものであっても良い。
【0026】
図3に示されるように、室内ユニット22内の蒸発器16には、冷媒配管28A、28Bの一端がそれぞれ接続されており、冷媒配管28A、28Bの他端は、それぞれ冷媒ユニット24のバルブ32、48に接続されている。バルブ32は、マフラー34A、アキュムレータ38、コンプレッサ40、マフラー34Bを介して熱交換器(凝縮器)42に接続され、さらに、キャピラリチューブ44及びストレーナ46を介してバルブ48に接続されており、これによって、室内ユニット22と冷媒ユニット24との間で冷凍サイクルが形成されている。
【0027】
冷媒ユニット24は、温水エアコン10が冷房運転ないし除湿運転(ドライ運転)に設定されると、コンプレッサ40を駆動して冷媒の循環を行い、室内ユニット22ないの蒸発器16を通過する空気を冷却する。なお、冷媒ユニット24では、必要に応じて冷却ファン53を作動させて熱交換器42を冷却し、冷媒の凝縮効率の低下を防止している。また、温水エアコン10では、熱交換器温度センサ(図示省略)を用いて冷房運転時に室内ユニット22の蒸発器16が所定温度以下(例えば6.4°C以下)とならないようにコンプレッサ40の能力を制御している。図3には、矢印によって冷媒の流れと後述する温水の流れを示している。
【0028】
室内ユニット22の放熱器18には、温水入口ニップル66A、66Bが設けられており、温水入口ニップル66Aから供給される温水が温水出口ニップル66Bへ向けて放熱器18内を流れるようになっている。温水入口ニップル66Aには、例えばフレキシブルな温水配管(以下「温水チューブ」という)30Aの一端が接続され、温水出口ニップル66Bには、流量可変弁68を介して温水チューブ30Bの一端が接続される。また、温水チューブ30A、30Bの他端は、それぞれ熱源ユニット26に設けられている温水出口ニップル56B、温水入口ニップル56Aに接続される。
【0029】
熱源ユニット26は、温水出口ニップル56Bに温水熱交換器64、ポンプ62及びプレッシャタンク60を介して温水入口ニップル56Aが接続されている。これによって、室内ユニット22と温水ユニット26の間で密閉された温水の循環路が形成される。
【0030】
熱源ユニット26は、ガス電磁弁180A、180B及びガス比例弁182を介して機外からガスバーナー70へ供給される燃焼用のガスを燃焼させることにより、温水熱交換器64内の水を加熱して暖房用の温水を生成する。この温水はポンプ62の作動により室内ユニット22の放熱器18の間で循環される。なお、プレッシャタンク60は、プレッシャキャップ58を介してドレンタンク72に接続されており、水温(温水の温度)が上昇して内圧が所定値(例えば0.9kg/cmU)以上となると、プレッシャキャップ58の圧力弁が作動して、温水をドレンタンク72へ排出して配管内の圧力上昇を防止する。また、温水の温度が低下して内圧が所定値未満となることにより、ドレンタンク72から水が回収される。
【0031】
温水エアコン10は、冷房モードで運転しているときには、熱源ユニット26の作動(温水の生成等)を停止させると共に、可変流量弁68を閉じている(動作ステップ0)が、ドライ運転時又は暖房運転時には、流量可変弁68を開き、熱源ユニット26内で生成された温水が放熱器18内を循環して、放熱器18を通過する空気を加熱する。このとき、熱源ユニット26には、温水熱交換器64と温水出口ニップル56Bの間に高温サーミスタ(図示省略)が設けられており、この高温サーミスタによる検出温度が所定温度となるように温水の温度を制御している。
【0032】
なお、流量可変弁68は、室内温度と設定温度(設定室温)に応じて開度が制御され、開度に応じた流量の温水が放熱器18内を循環する。また、熱源ユニット26は、暖房運転を開始する立ち上げ時には、温水の温度を高温側(例えば約80℃)となるようにし、立ち上げ終了後は、温水の温度が低温側(例えば約60℃)となるようにしている。
【0033】
室内ユニット22には、クロスフローファン90が設けられている。また、図2に示されるように、室内ユニット22が収容されている室内機12のケーシング36には、吸込み口50及び吹出し口52が形成されている。
【0034】
室内ユニット22では、クロスフローファン90を作動させることにより、吸込み口50から室内の空気を吸込んで、吹出し口52から吹出す。このとき、吹出し口52から吹出される空気が蒸発器16ないし放熱器18を通過する時に温調されることにより室内が空調される。なお、吹出し口52には、上下フラップ54と図示しない左右フラップが設けられており、上下フラップ54と左右フラップによって吹出し口52から吹き出される温調した空気の吹出し方向が変えられる。
【0035】
図4に示されるように、室内ユニット22には、マイクロコンピュータ(以下「マイコン100」と言う)を備えたコントロール基板102が設けられており、このコントロール基板102に電源基板104、表示基板106、スイッチ基板108と共に、パワーリレー110、温度ヒューズ112、流量可変弁68、クロスフローファン90を駆動するファンモータ114、上下フラップ54を制御するルーバーモータ116が接続されている。
【0036】
室内ユニット22では、電源基板104へ運転用の交流電力が供給されることにより、この交流電力が電源基板104によって所定の電力に変換されてコントロール基板102へ供給される。また、室内ユニット22に供給された交流電力は、端子板132から室外機14の熱源ユニット26へ供給されると共に、パワーリレー110を介して端子板132から室外機14の冷媒ユニット24へ供給される。すなわち、温水ユニット26には、室内ユニット22と同様に常に運転用の電力が供給され、冷媒ユニット24は、コントロール基板102からの信号によってパワーリレー110をオンすることにより供給される電力によって運転される。
【0037】
また、コントロール基板102には、蒸発器16の温度を検出する熱交温度センサ118、室内の湿度を検出する湿度センサ120、放熱器18の温度を検出する温水熱交換器センサ122、ガス欠センサ124等と共に、ケーシング36の吸込み口50から吸込まれる空気の温度を室内温度として検出する室温センサ126が接続されている。
【0038】
表示基板106には、表示LED128等が設けられている。図2に示されるように、室内機12のケーシング36には、表示部82が設けられており、表示基板106の表示LED128等がこの表示部82上に配置されている(図2では図示省略)。これにより、表示部82の表示LED128の点灯状態によって温水エアコン10の運転状態(運転/ 停止及び運転モード等)を判断できるようになっている。
【0039】
また、図4に示されるように、室内ユニット22のコントロール基板102には、通信I/F(図示省略)が設けられており、この通信I/Fを介して冷媒ユニット24及び連動コントローラ20に接続されている。コントロール基板102には、シリアル通信によって後述する連動コントローラ20から操作信号等が入力される。温水エアコン10は、連動コントローラ20から入力される操作信号等と室内温度に基づいて空調運転を行う。このとき、マイコン100は、冷媒ユニット24の図示しないコントローラのマイコンとの間でシリアル通信を行うことにより、空調運転時の冷媒ユニット24の作動を制御している。
【0040】
すなわち、温水エアコン10は、運転モード、設定温度(設定室温)等の運転条件を示す操作信号が連動コントローラ20から入力されて空調運転が指示されると、設定室温と室温に基づいて冷房ないし暖房能力を制御しながら室温が設定室温となるように空調運転を行う。例えば、自動運転モードで暖房運転を行うときには、ファジー演算によって室内温度の変化を予測しながら暖房能力、送風量及び風向等を制御する。なお、室内ユニット22の空調能力の制御、冷媒ユニット24の構成及びシリアル通信による冷媒ユニット24の制御は、従来公知の構成及び方法を適用でき、本実施の形態では詳細な説明を省略する。
【0041】
図5に示されるように、熱源ユニット26には、図示しないマイコンを備えたコントロール基板174が設けられている。コントロール基板174には、電源トランス176、温水循環用のポンプ(ポンプモータ)62、ガスバーナー70を点火するイグナイタ178、ガスバーナー70へ燃焼ガスを供給するガス電磁弁180A、180B及びガス比例弁182、給気用のファンモータ184等が接続されている。コントロール基板174は、室内ユニット22の端子板132から供給される電力を電源トランス176によって変圧し、ポンプ62等の駆動用の電力を得ている。
【0042】
また、コントロール基板174には、温水熱交換器64から送り出される温水の温度を測定する高温サーミスタ186、外気温度を検出する外気温度センサ188、ファンモータ184の回転検出器190等が接続されており、コントロール基板174は、これらのセンサによって熱源ユニット26内の各機器の作動状態を監視しながら温水の生成及び循環を制御する。
【0043】
なお、コントロール基板174には、温度ヒューズ192、ハイリミットスイッチ194等が接続され、また、ポンプ試験端子196、外部に動作状態等を表示する動作モニタ用端子198と共に、設定スイッチ200、ガスバーナー70の点火時に点灯する燃焼ランプ202、故障時のエラーコード等を表示する故障表示LED204、メンテナンス用スイッチ206、二次圧調整ボリューム208等が設けられている。
【0044】
図1及び図3に示されるように、床暖房装置140を構成する床暖房マット142は、室内の床面に敷かれるマット144内に温水チューブ146が織込まれており、温水が温水チューブ146内を循環することによりマット144の表面が暖められる。なお、床暖房装置としては、室内の床板内または床板の下側に温水配管を敷設した床暖房ユニットを用いても良い。
【0045】
図3に示されるように、熱源ユニット26には、温水入口ニップル56A、温水出口ニップル56Bのそれぞれに温水入口ニップル80A、温水出口ニップル80Bが併設されている。また、床暖房マット142には、温水チューブ146の両端に温水入口ニップル84A、84Bが設けられている。
【0046】
温水入口ニップル84Aには、温水チューブ86Aの一端が接続され、この温水チューブ86Aの他端が熱動弁76を介して熱源ユニット26の温水出口ニップル80Bに接続される。また、温水出口ニップル84Bには、温水入口ニップル80Aとの間が温水チューブ86Bに接続される。これにより、熱源ユニット26に床暖房マット142が接続され、熱源ユニット26のポンプ62が作動すると、熱動弁76の開閉に応じて温水チューブ146内へ温水が循環される。
【0047】
図5に示されるように、この熱動弁76は、熱源ユニット26のコントロール基板174に接続されており、このコントロール基板174によって開閉が制御される。また、コントロール基板174には、通信I/F基板136が設けられており、この通信I/F基板136を介して連動コントローラ20に接続されている。コントロール基板174には、通信I/F基板136を介して連動コントローラ20から操作信号等が入力される。また、コントロール基板174は、通信I/F基板136を介して連動コントローラ20へ運転状態等を出力する。
【0048】
熱源ユニット26では、例えば表1に示されるように、熱動弁76のオン/オフ制御するときのデューテー比が複数段階に設定されており、連動コントローラ20から操作信号等と共に動作ステップを指定する信号が入力されることにより、該信号に応じた動作ステップ(デューテー比)で熱動弁76の開閉を行う。
【0049】
【表1】
床暖房マット142は、熱動弁76のオン/オフに応じて温水チューブ146内を循環される温水によってマット144が加熱される。
【0050】
なお、本実施の形態では、1サイクルを20min (20分)としてデューテー比を設定しており、通常、ステップ1以上で運転される。また、ステップ16は、床暖房ユニット142が運転を停止した状態となる。また、図1及び図5に示されるように、熱源ユニット26には、床暖房マット142のマット144内に設けられている図示しないサーミスタ等の温度検出手段からの信号線148が接続されており、信号線148を介してマット144の温度が所定値(例えば31°C)を越えたことを検出すると温水の循環を停止させる。
【0051】
図6に示されるように、連動コントローラ20は、マイコン150を備えたコントロール基板152に、データ通信用の通信I/F基板154及びシリアル通信用の通信I/F基板156が接続されている。また、連動コントローラ20内には、温度検出基板158及び受信基板160が設けられており、これらがコントロール基板152に接続されている。
【0052】
図2に示されるように、連動コントローラ20には、受信窓162が形成されており、この受信窓162へ向けてシステムリモコン130を操作することにより、システムリモコン130から送出される操作信号が受信基板160で受信される。
【0053】
図7に示されるように、システムリモコン130は、LCD等の表示手段を用いた表示部87と、温水エアコン10と床暖房マット142の運転条件の設定を行うための種々の操作ボタンが配置された操作パネル88が設けられている。すなわち、システムリモコン130は、温水エアコン10の運転を操作と床暖房マット142の運転操作機能を兼ね備えたマルチタイプリモコンとなっており、表示部87には、操作パネル88上で設定された温水エアコン10と床暖房マット142の運転条件等が表示される。なお、操作パネル88はカバー89を開くことにより開放される。
【0054】
操作パネル88には、運転/停止ボタン91、温度設定ボタン92、室温設定手段としての温水エアコン10用の温度下げボタン93Aと温度上げボタン93B、床暖温度設定手段としての床暖房マット14用の温度下げボタン94Aと温度上げボタン94Bと共に、冷暖切替ボタン95、選択手段としての床暖房ボタン96が設けられている。冷暖切替ボタン95を操作することにより、運転モードが「冷房」、「自動」、「暖房」、「暖房、床暖房」、「床暖房」、「ドライ」、「送風」と切り替わり、さらに冷暖切替ボタン95を操作することにより「冷房」モードに切り替わる。また、システムリモコン130には、通常のエアコンのリモコンスイッチと同様に、風向(上下フラップ54の向き)、風量(クロスフローファン90の回転数)及びタイマ運転等の設定が可能となっている。
【0055】
温水エアコン10は、「冷房」、「自動」、「暖房」「暖房、床暖房」、及び「ドライ」モードで運転される。また、床暖房マット142は、「暖房、床暖房」及び「床暖房」モードで運転され、「暖房・床暖房」モードに設定されているときに、床暖房ボタン96を操作することにより、温水エアコン10と床暖房マット142の運転が「自動コンフォト」モード、「自動エコノミ」モード及び「手動」モードに切り替えられ、「床暖房」モードに設定されているときに床暖房ボタン96を操作することにより床暖房マット142の運転が「自動」モード及び「手動」モードに切り替えられる。「手動」は、設定温度(設定室温及び設定床温)をマニュアル操作によって設定する運転モードとなっている。
【0056】
温度下げボタン93Aと温度上げボタン93Bの操作によって温水エアコン10によって空調暖房する室内温度(設定室温)が設定されると、この設定室温がシステムリモコン130の表示部87に数値として表示される。また、温度下げボタン94Aと温度上げボタン94Bの操作によって床暖房マット142によって床暖房する温度(設定床温)の設定が行われ、表示部87に設定床温に応じた表示がなされる。設定床温の表示は、数値として表示しても良く、また、表2に示されるように、例えば7段階の温度レベルの何れに設定されているかの表示が行われる。
【0057】
【表2】
なお、温水エアコン10と床暖房マット142が同時に運転される併用暖房時には、表示部87に設定室温と設定床温の温度レベルの何れか少なくとも一方が表示される。
【0058】
システムリモコン130は、冷暖切替ボタン95の操作によって運転モードが設定された状態で運転/停止ボタン91を操作することにより温水エアコン10ないし床暖房マット142の運転開始を指示する操作信号と設定されている運転条件に基づいた操作信号を送出する。この操作信号等が連動コントローラ20の受信基板160に受信される。なお、システムリモコン130では、カバー89を閉じた状態でも、運転/停止ボタン91の操作が可能となっている。
【0059】
図6に示されるように、連動コントローラ20に設けられている温度検出基板158には、床温度検出手段としての輻射センサ164が設けられている。この輻射センサ164は、被測定物から発せられる赤外線を受信して、被測定物の表面温度を1℃程度の誤差範囲で正確に検出できるようになっている。すなわち、図2に示されるように、連動コントローラ20には、集光レンズ166が設けられており、この集光レンズ166が向けられている被測定物が表面温度に応じて発する赤外線を輻射センサ164によって受光する。
【0060】
空調システム11では、床暖房マット142によって床暖房が行われているときには連動コントローラ20に設けている輻射センサ164によって、マット144の表面温度を床温として検出してコントロール基板152へ出力する。なお、集光レンズ166と輻射センサ164を一体でスイングさせて室内における所定の領域の温度(複数個所の温度)を検出して、検出温度の平均値等を室温として用いても良い。すなわち、輻射センサ164によって床温と共に室温を検出するようにしても良い。
【0061】
図7に示されるように、システムリモコン130には、操作パネル88上にセンサ切替スイッチ97が設けられている。また、システムリモコン130内には、従来のエアコン用のリモコンスイッチと同様に温度センサが内蔵されており、この温度センサによってシステムリモコン130の周囲の温度を室温として検出できるようになっている。
【0062】
空調システム11では、センサ切替スイッチ97の操作によってシステムリモコン130内の図示しない温度センサ、室内ユニット22内の室温センサ126及び連動コントローラ20に設けられている輻射センサ164の何れかを選択することにより、選択したセンサによって検出する温度を室温として用いて温水エアコン10の空調能力の制御に用いる。このとき、システムリモコン130の表示部87には、選択されている温度センサを判別可能な表示がなされる。
【0063】
連動コントローラ20のマイコン150は、システムリモコン130から送出された操作信号を受信すると、この操作信号から、室内ユニット22及び冷媒ユニット24に対する空調用の操作信号(主に温水エアコン10の室内ユニット22と冷媒ユニット24の運転に関わる操作信号)と、床暖房装置140及び熱源ユニット26に対する温水暖房用の操作信号を分離し、空調用の操作信号が通信I/F基板156を介してシリアル通信によって室内ユニット22へ送出される。室内ユニット22のマイコン100は、この操作信号等に基づいて温水エアコン10の作動を制御する。
【0064】
また、連動コントローラ20のマイコン150は、システムリモコン130から受信した操作信号から温水暖房用の操作信号を分離すると、通信I/F基板154を介して熱源ユニット26へ出力する。これと共に、マイコン150には、熱源ユニット26及び熱源ユニット26を用いた床暖房マット142の運転状態が、熱源ユニット26のコントロール基板174から通信I/F基板154へ入力されるようになっており、連動コントローラ20では、熱源ユニット26及び床暖房マット142の運転状態も室内ユニット22へ送出するようになっている。すなわち、空調システム11では、連動コントローラ20によって温水エアコン10と床暖房装置140が接続されている。
【0065】
ところで、連動コントローラ20は、設定床温と輻射センサ164によって検出した床温に応じた熱動弁76の動作ステップを熱源ユニット26へ出力することにより、床暖房マット142の暖房能力を制御している。すなわち、マイコン150は、床温が設定床温より低くなっているときには、熱動弁76のオン時間が長くなるように動作ステップを設定し、床温が設定床温を越えると熱動弁76のオン時間が短くなるように動作ステップを設定する。これによって、床暖房時の床温が設定床温に保たれるようにしている。
【0066】
一方、システムリモコン130は、冷暖切替ボタン95の操作によって床暖房マット142を単独で運転する「床暖房」モードが選択された状態で、床暖房ボタン96を操作したときには、「自動」モードと「手動」モードの何れかに切り換えられる。連動コントローラ20は、「手動」モードに設定されたときには、温度下げボタン94A及び温度上げボタン94Bの操作によって設定された設定床温に基づいて床暖房を行う。
【0067】
図6に示されるように、連動コントローラ20のコントロール基板152には、EEPROM等を用いたメモリ168が設けられている。このメモリ168には、床暖房時に最も快適と感じる床温として設定した温度Tsf1 が記憶されており、コントロール基板152のマイコン150は、床暖房マット142を用いて床暖房を行うときに、システムリモコン130の床暖房ボタン96の操作により「自動」モードに設定されると、メモリ168に記録されている温度Tsf1 を設定床温(設定床温Tsf)に設定する。これによって、床温が温度Tsf1 となるように床暖房マット142による床暖房が制御される。
【0068】
一方、メモリ168には、温水エアコン10と床暖房マット142を併用して暖房を行うときに、設定室温(設定室温Tsr)とする温度が記憶されている。連動コントローラ20のマイコン150は、システムリモコン130の操作によって、温水エアコン10と床暖房マット142を併用して暖房を行う「暖房・床暖房」モードが選択された状態で、床暖房ボタン96の操作によって「自動コンフォト」又は「自動エコノミ」が選択されると、このメモリ168に記憶している温度を設定室温Tsrとして温水エアコン10へ出力する。すなわち、空調システム11では、床暖房マット142を用いた自動運転では、設定床温Tsf及び設定室温Tsrを予めメモリ168に記憶させている温度に自動的に設定する。
【0069】
メモリ168には、設定室温Tsrとする温度として温度Tsr1 、Tsr2 (Tsr1 >Tsr2 )を記憶させている。マイコン150は、温水エアコン10と床暖房マット142による併用暖房時に「自動コンフォト」モードが選択されることにより温度Tsr1 を設定室温Tsrとし、「自動エコノミ」モードに選択されることにより、温度Tsr1 より低い温度の温度Tsr2 を設定室温Tsrとする。空調システム11では、温水エアコン10による空調暖房時の設定室温Tsrを下げることにより省エネを図るようにしている。
【0070】
なお、本実施の形態では、設定室温Tsr及び設定床温Tsfとして設定する温度Tsr1 、Tsr2 、Tsf1 を記憶するメモリ168を連動コントローラ20に設けた例として説明するが、メモリ168をシステムリモコン130に設け、システムリモコン130上で自動モード(「自動コンフォト」又は「自動エコノミ」モード)が選択されると、システムリモコン130が設定室温Tsrないし設定床温Tsfとして温度Tsr1 、Tsr2 、Tsf1 を送出するようにしても良い。
【0071】
一方、「自動コンフォト」及び「自動エコノミ」モードが選択されることにより設定される設定床温Tsf及び設定室温Tsrは、それぞれシステムリモコン130の温度下げボタン93A、94A及び温度上げボタン93B、94B(図7参照)の操作によって所定の範囲で可変可能となっている。
【0072】
ここで、メモリ168に記録される温度Tsf1 、Tsr1 、Tsr2 及びこれらの可変範囲について図8を参照しながら説明する。
【0073】
床暖房時には、マット144上に着座しているときと椅子に座っているときなどでは、床面の温度が同じでも暖房感が少なからず異なる。マット144上に着座しているときには、床温が31℃を越えると低温火傷を生じる恐れがあり、少なくとも床温Tf は、31℃以下である必要があり、30℃以下であることがより好ましい。また、椅子に座るなどしマット144に直接触れていないときには、床温Tf を25℃以上とすることにより暖房不足を感じることがない。また、最も快適な暖房感が得られる温度は、28℃となっている。
【0074】
ここから、図8に示されるように、本実施の形態では、温度Tsf1 を28℃とし、温度Tsf1 を設定床温Tsfに設定したときに、この設定床温Tsfを、床暖房を行っているときの床温として大多数の人が暖房不足や暖房の効きすぎと感じることがない温度である25℃〜31℃(28℃±3℃)の間で可変できるようにしている。
【0075】
一方、床暖房と併用して温水エアコン10を用いて室内の空調暖房を行うときには、室温Tr が低すぎたり高すぎたりすることにより不快感が生じる。また、床温Tf と室温Tr
従って、床温Tf と室温Tr の温度差は、12℃以内(Tf −Tr ≦12℃)であることが好ましく、10℃以内(Tf −Tr ≦10℃)であることがより好ましい。また、床暖房と併用して温水エアコン10によって室内の暖房を図るときには、室温Tr が18℃以上、23℃以下(18℃≦Tr ≦23℃)であることが好ましく、これによって、温水エアコン10により暖房するときの暖房不足感及び暖房の効きすぎ感が生じるのを防止することができる。
【0076】
さらに、椅子に座るなどしているときには、室温Tr が同じでも床温Tf が下がることにより暖房不足を感じることがあるので、室温Tr 、床温Tf が、それぞれ18℃≦Tr ≦23℃、25℃≦Tf ≦31℃の範囲では、2・Tr −Tf≧C(Cは定数)であることが
ここから、図8に示されるように、併用暖房時には、床温Tf 及び室温Tr が点a、b、c、d、e、fの領域内、より好ましくは、点a、b、g、h、fの領域内であることにより、快適な暖房状態と感じられ、暖房不足や暖房の効きすぎ感を生じさせることがない。
【0077】
一方、併用暖房時に床温が28℃であるときに、最も快適と感じられる室温は、21℃(図8に示す点P)である。ここから、温度Tsf1に対して温度Tsr1を21℃として、「自動コンフォト」モードが選択されることにより、設定床温Tsf及び設定室温Tsrは、それぞれ28℃、21℃に設定されるようにしている。
【0078】
また、暖房運転時には設定温度を下げることにより省エネを測ることができる。ただ、床暖房マット142では、床温の変化が緩やかであるために、設定床温Tsfを下げたとしても必ずしも顕著な省エネ効果が得られるとは限らない。このため、本実施の形態では、設定室温Tsrを下げることにより省エネ効果が得られるようにしており、一例として快適な暖房状態と感じられる領域内で、床温Tf が28℃のときに最も低い室温Tr (Tr =18.5℃、図8に示す点Q)を温度Tsr2 としている。これにより、「自動エコノミ」モードが選択されることにより、設定床温Tsf及び設定室温Tsrは、それぞれ28℃、18.5℃に設定される。
【0079】
一方、点a、b、g、h、f内の領域では、快適な暖房状態が得られるので、「自動コンフォト」及び「自動エコノミ」モード時には、この領域内で設定床温Tsf及び設定室温Tsrを温度下げボタン93A、94A及び温度上げボタン93B、94Bの操作によって可変することができるようにしている。なお、設定室温Tsrは、温度Tsr1 、Tsr2 の2段階に設定できるようにしているので、設定室温Tsrが温度Tsr1 に設定される「自動コンフォト」が選択されているときには、19℃〜23℃(±2℃)の範囲で可変できるようにし、設定室温Tsrが温度Tsr2 に設定される「自動エコノミ」が選択されているときには、18.5℃〜21℃(+2℃)の範囲で可変できるようにしている。
【0080】
次に本実施の形態の作用を説明する。
【0081】
空調システム11では、温水エアコン10によって空調を行う場合、システムリモコン130の操作によって温水エアコン10の運転モード、設定室温Tsr等の運転条件を設定する。システムリモコン130は設定された運転条件に応じた操作信号を送出し、この操作信号が連動コントローラ20によって受信されると、温水エアコン10は、設定された運転条件に応じた空調運転を開始する。通常、温水エアコン10は、室温Tr をシステムリモコン130上で設定した設定室温Tsrに保つように空調能力を制御しながら空調する。
【0082】
一方、床暖房マット142は、システムリモコン130の操作によって「暖房・床暖房」又は「床暖房」モードに設定されることにより床暖房運転を開始し、床温Tf が設定床温Tsfとなるように暖房能力が連動コントローラ20によって制御される。例えば、「手動」モードが選択された状態で温度下げボタン94A及び温度上げボタン94Bの操作によって設定床温Tsfが設定されると、連動コントローラ20は、マット144の表面温度となる床温Tf が設定床温Tsfとなるように輻射センサ164によって検出した床温Tf と設定床温Tsfに基づいて熱動弁76の開閉するときのデューテー比(オン時間とオフ時間の比率)を制御する。
【0083】
これによって、室内は、床温Tr がシステムリモコン130によって設定した設定床温Tsfとなるように暖房され、さらに、この設定床温Tsfに保たれる。
【0084】
ところで、空調システム10では、「自動」モードでの床暖房が可能となっている。自動モードでの床暖房は、システムリモコン130の運転切替ボタン95の操作によって「床暖房」モードを選択した状態で床暖房ボタン96を操作して「自動」モード(「自動コンフォト」又は「自動エコノミ」)を選択することにより設定される。
【0085】
連動コントローラ20は、自動モードでの床暖房が選択されることにより、メモリ168に予め記録している温度Tsf1 を設定床温Tsfに設定する。この後、連動コントローラ20は、輻射センサ164によって検出する床温Tf が設定床温Tsfとなるように熱動弁76の動作ステップを設定する。熱源ユニット26は、設定された動作ステップに応じたデューテー比で熱動弁76の開閉を制御する。
【0086】
すなわち、空調システム11では、システムリモコン130の操作によって自動モードでの床暖房運転が設定されることにより、連動コントローラ20が設定床温Tsfを予め設定されている温度に自動的に設定し、床温Tf がこの設定床温Tsfとなるように床暖房を行う。
【0087】
この設定床温Tsfとして設定される温度Tsf1 は、床暖房を行っているときに、快適な暖房状態と感じる床温となっているため、設定床温Tsfを温度下げボタン94A、温度上げボタン94Bを操作して設定することなく、簡単に快適な暖房状態になる温度に設定することができる。
【0088】
また、空調システム11では、自動的に設定床温Tsfを設定した状態で、さらに、さらにシステムリモコン130の温度下げボタン94Aないし温度上げボタン94Bを操作することにより、設定床温Tsfを調整することができる。例えば、椅子に座るなどして床面から離れているときには、温度上げボタン94Bを操作して設定床温Tsfを上げる。これによって、床面(マット144)から離れた位置でも十分な暖房効果が得られる。
【0089】
また、マット144上に着座しているときには、床温Tr が温度Tsf1 より下がっても十分な暖房効果が得られるので、システムリモコン130の温度下げボタン94Aを操作して設定床温Tsfを下げる。この場合でも、設定床温Tsfの調整範囲は、快適な床暖房状態となる範囲内であるために、快適性が損なわれることがないのは勿論、好みに応じた快適な暖房感が得られる。
【0090】
一方、空調システム11では、「暖房・床暖房」モードが選択された場合、言い換えれば、温水エアコン10と床暖房マット142の併用運転による暖房を選択した状態で、床暖房ボタン96を操作して「自動コンフォト」又は「自動エコノミ」モードを選択することにより、設定床温Tsfと共に設定室温Tsrを、予め設定してメモリ168に記憶させている温度に自動的に設定し、室内が設定室温Tsr及び設定床温Tsfとなるように暖房を行う。
【0091】
例えば併用運転時に「自動コンフォト」モードが選択されると、連動コントローラ20のマイコン150は、設定床温Tsfを温度Tsf1に設定すると共に、設定室温Tsrを温度Tsr1 に設定する。温水エアコン10は設定室温Tsrが温度Tsr1 に設定されることにより、室温Tr が温度Tsr1 となるように暖房運転を行う。
【0092】
この設定室温Tsrに設定する温度Tsr1 は、床温Tf が設定床温Tsfとなっているときに、最も快適と感じる温度としている。このため、併用暖房を行うときに、システムリモコン130の温度下げボタン93A及び温度上げボタン93Bを操作して、設定床温Tsfに合わせて設定室温Tsrを設定する作業を行うことなく、簡単に快適な暖房状態とすることができる。
【0093】
また、空調システム11では、併用暖房時に「自動エコノミ」モードが選択されることにより、連動コントローラ20は設定床温Tsfを温度Tsf1 に設定すると共に、設定室温Tsrを温度Tsr2 に設定する。この温度Tsr2 は、床温Tf が温度Tsf1 となっているときに、快適な暖房状態と感じる領域内で最も低い温度となっている。
【0094】
一般に暖房を行う場合、設定温度を下げることにより設定温度が高いときに比べてエネルギー消費量を抑えることができる。空調システム11では、「自動エコノミ」が選択されることにより、併用暖房時に快適と感じる温度領域内で、室温Tr を最も低い温度Tsr2 とすることにより、快適性を損なうことなく、省エネを図ることができる。
【0095】
このように、空調システム11では、温水エアコン10と床暖房マット142の併用運転によって暖房を行うときに自動モードを選択することにより、設定室温Tsrと設定床温Tsfをそれぞれ快適な暖房状態と感じる室温Tr 及び床温Tfに設定する。これにより、システムリモコン130の温度下げボタン93A、94A及び温度上げボタン93B、94Bを用いて併用暖房時に快適な暖房状態となるように設定床温Tsfを設定すると共に設定床温Tsfに基づいて設定室温Tsrを設定する操作を行うことなく、設定室温Tsr及び設定床温Tsfを簡単にかつ適切な温度に設定することができる。
【0096】
一方、「自動コンフォト」又は「自動エコノミ」モードを選択することにより設定される設定床温及び設定室温のそれぞれは、温度下げボタン93A、94A及び温度上げボタン93B、94Bの操作によって予め設定されている範囲内で可変することができる。設定室温Tsr及び設定床温Tsfは、それぞれ併用暖房時に快適な暖房感が得られるように設定されている領域内に限られるため、暖房される室内の快適性を損なうことなく、好みの暖房状態とすることができる。
【0097】
なお、以上説明した本実施の形態では、本発明の構成を限定するものではない。本実施の形態では、空気調和機と暖房時に温水を用いる温水エアコン10を用いて説明したが、本発明は、空気調和機として冷凍サイクルを用いて冷暖房を行う一般的な構成の空気調和機を用いても良い。
【0098】
また、本実施の形態では、設定床温Tsfを28℃として、設定室温Tsrを21℃及び18.5℃としたが、これに限らず、快適な暖房状態と感じる領域内であれば何れの温度に設定しても良い。また、快適な暖房状態を感じる領域が、気象条件や暖房する室内の条件等の環境条件によって変わるときには、この環境条件に応じて設定床温Tsf、設定室温Tsrを変えるようにしても良い。すなわち、環境条件等に応じて快適な暖房状態となる室温Tr と床温Tf の温度範囲を設定し、この温度範囲内で設定室温Tsr及び設定床温Tsfが設定されるようにしても良い。
【0099】
さらに、本実施の形態では、設定室温Tsrを2段階に設定したが、例えば設定床温Tsfも省エネを考慮して2段階以上に設定しても良い。
【0100】
また、本実施の形態では、床暖房マット142と温水エアコン10の室内ユニット22とは別に連動コントローラ20を設けたが、連動コントローラ20としては、室内ユニット22と共に室内機12に内蔵されたものであっても良く、連動コントローラ20による設定床温Tsfを床温Tf に基づいた床暖房マット142の暖房能力の制御機能を室外機14に内蔵させても良い。すなわち、温水エアコン10の室内ユニット22で設定室温Tsrと共に設定床温Tsfを設定し、室外機14(熱源ユニット26)によって設定床温Tf を床温Tf に基づいた床暖房マット142の暖房能力の制御を行っても良い。
【発明の効果】
【0101】
請求項1に記載の本発明によれば、床面に敷設した温水配管内へ温水を循環させて床暖房する循環手段と、前記床面の温度を検出する床温度検出手段と、設定床温となる温度を任意に設定可能な床暖温度設定手段と、前記床温度検出手段によって検出する床温が前記床暖温度設定手段によって設定された温度となるように前記循環手段を制御する床暖房制御手段と、を含む床暖房装置であって、設定床温として予め定めている所定の温度範囲内の温度が記憶されている記憶手段と、前記床暖温度設定手段により設定された温度と前記記憶手段に記憶されている温度の何れか一方を前記設定床温として選択して設定する選択手段と、前記記憶手段に記憶されている温度が選択手段によって設定床温として選択されているとき、この選択された設定床温を予め定めている所定の温度範囲で変化させる調整手段と、を含む構成としたから、予め適切な床暖房状態となる温度を記憶手段に記憶させることにより、床暖房時に簡単にかつ適切な暖房状態となる設定床温を選択することができ、また、設定床温を予め定められた温度範囲でのみ調整可能であり、暖房感を損ねることなく好みの床暖房状態を実現できる。
【0102】
請求項2に記載の本発明によれば、室内ユニットに設けた放熱器内を循環する温水によって加熱した空気を室内へ吹出すことにより室温が設定室温となるように空調暖房する空気調和機と、床面に敷設した温水配管内へ温水を循環させることにより床面の温度が設定 床温となるように床暖房する床暖房装置と、を含む暖房システムであって、設定室温及び設定床温となる温度のそれぞれを任意の温度に設定可能な室温設定手段及び床暖温度設定手段と、設定室温及び設定床温として予め定めている所定の温度範囲の温度がそれぞれ記憶されている記憶手段と、前記室温設定手段及び床暖温度設定手段によりそれぞれ設定された温度と前記記憶手段に記憶されている温度の何れか一方を前記設定室温及び前記設定床温として選択して設定する選択手段と、前記記憶手段に前記設定室温ないし前記設定床温とする温度として所定の温度と前記予め定めている温度範囲内で該所定の温度と異なる温度が記憶され、かつ、この記憶されているそれぞれ温度を前記予め定めている所定の温度範囲でそれぞれ変化させる個別の調整手段と、を含む構成であるから、床暖房と空調暖房の併用暖房時に、簡単にかつ適切な暖房状態となる設定床温と設定室温を選択することができ、また、設定床温と設定室温は予め定められた温度範囲でのみ調整可能であり、暖房感を損ねることなく好みの床暖房と空調暖房による暖房状態とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本実施の形態に適用した空調システムを示す概略構成図である。
【図2】空調システムを構成する温水エアコンの室内ユニット、中継ユニット及び床暖房マットの配置を示す概略図である。
【図3】本実施の形態に適用した温水エアコンの冷媒と温水の流路を示す概略系統図である。
【図4】室内ユニットの電気回路の基板構成を示す概略図である。
【図5】熱源ユニットの電気回路の基板構成を示す概略図である。
【図6】本実施の形態に適用した連動コントローラを示す概略構成図である。
【図7】本実施の形態に適用したシステムリモコンの一例を示す概略平面図である。
【図8】快適と感じる暖房状態が得られる床温と室温の領域を示す線図である。
【符号の説明】
【0104】
10 温水エアコン(空気調和機)
11 空調システム(暖房システム)
20 連動コントローラ
22 室内ユニット
24 冷媒ユニット
26 熱源ユニット
62 ポンプ(循環手段)
64 温水熱交換器
76 熱動弁(循環手段)
93A、94A 温度下げボタン(室温設定手段、調整手段)
93B、94B 温度上げボタン(床暖温度設定手段、調整手段)
95 冷暖切替ボタン
96 床暖房ボタン(選択手段)
130 システムリモコン
140 床暖房装置
142 床暖房マット
152 コントロール基板
158 温度検出基板(室温検出手段)
164 輻射センサ(床温度検出手段)
168 メモリ(記憶手段)
174 コントロール基板
Claims (2)
- 床面に敷設した温水配管内へ温水を循環させて床暖房する循環手段と、前記床面の温度を検出する床温度検出手段と、設定床温となる温度を任意に設定可能な床暖温度設定手段と、前記床温度検出手段によって検出する床温が前記床暖温度設定手段によって設定された温度となるように前記循環手段を制御する床暖房制御手段と、を含む床暖房装置であって、設定床温として予め定めている所定の温度範囲内の温度が記憶されている記憶手段と、前記床暖温度設定手段により設定された温度と前記記憶手段に記憶されている温度の何れか一方を前記設定床温として選択して設定する選択手段と、前記記憶手段に記憶されている温度が選択手段によって設定床温として選択されているとき、この選択された設定床温を予め定めている所定の温度範囲で変化させる調整手段と、を含むことを特徴とする床暖房装置。
- 室内ユニットに設けた放熱器内を循環する温水によって加熱した空気を室内へ吹出すことにより室温が設定室温となるように空調暖房する空気調和機と、床面に敷設した温水配管内へ温水を循環させることにより床面の温度が設定床温となるように床暖房する床暖房装置と、を含む暖房システムであって、設定室温及び設定床温となる温度のそれぞれを任意の温度に設定可能な室温設定手段及び床暖温度設定手段と、設定室温及び設定床温として予め定めている所定の温度範囲の温度がそれぞれ記憶されている記憶手段と、前記室温設定手段及び床暖温度設定手段によりそれぞれ設定された温度と前記記憶手段に記憶されている温度の何れか一方を前記設定室温及び前記設定床温として選択して設定する選択手段と、前記記憶手段に前記設定室温ないし前記設定床温とする温度として所定の温度と前記予め定めている温度範囲内で該所定の温度と異なる温度が記憶され、かつ、この記憶されているそれぞれ温度を前記予め定めている所定の温度範囲でそれぞれ変化させる個別の調整手段と、を含むことを特徴とする暖房システム。
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