JP3544645B2 - 磁気記録媒体及び磁気記憶装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータの補助記憶装置等に用いる磁気記憶装置、その磁気記憶装置に用いる磁気記録媒体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
情報化社会の進行により、日常的に扱う情報量は増加の一途を辿っている。これに伴って、磁気記憶装置に対する高記録密度、大記憶容量化の要求が強くなっている。従来の磁気ヘッドには磁束の時間的変化に伴う電圧変化を利用した電磁誘導型磁気ヘッドが用いられていた。これは一つのヘッドで記録と再生の両方を行うものである。これに対して近年、記録用と再生用のヘッドを別にし、再生用ヘッドにより高感度な磁気抵抗効果型ヘッドを利用した複合型ヘッドの採用が急速に進みつつある。磁気抵抗効果型ヘッドとは、ヘッド素子の電気抵抗が磁気記録媒体からの漏洩磁束の変化に伴って変化することを利用したものである。また、複数の磁性層を非磁性層を介して積層したタイプの磁性層で生じる非常に大きな磁気抵抗変化(巨大磁気抵抗効果或いはスピンバルブ効果)を利用したさらに高感度なヘッドの開発も進みつつある。これは非磁性層を介した複数の磁性層の磁化の相対的方向が、媒体からの漏洩磁界により変化し、これによって電気抵抗が変化することを利用するものである。
【0003】
現在、実用化されている磁気記録媒体では、磁性膜としてCo−Cr−Pt、Co−Cr−Ta、Co−Ni−Cr等、Coを主成分とする合金が用いられている。これらのCo合金はc軸方向を磁化容易軸とする六方晶構造(hcp構造)を採るため、磁化を磁性膜面内で反転させて記録する面内磁気記録媒体としてはこのCo合金のc軸が面内方向をとる結晶配向すなわち(11.0)配向が望ましい。しかし、この(11.0)配向は不安定であるため基板上に直接Co合金を形成しても一般にはこのような配向は起こらない。
【0004】
そこで体心立方構造(bcc構造)をとるCr(100)面がCo(11.0)面と整合性がよいことを利用して(100)配向したCrの下地膜をまず基板上に形成し、その上にCo合金磁性膜をエピタキシャル成長させることによって、Co合金磁性膜のc軸が面内方向を向いた(11.0)配向を採らせる手法が用いられている。また、Co合金磁性膜とCr下地膜界面での結晶格子整合性をさらに向上させるためにCrに第二元素を添加し、Cr下地膜の格子間隔を増加させる手法が用いられている。これによってCo(11.0)配向がさらに増大し、保磁力を増加させることができる。このような例として、V、Ti等を添加する例がある。
【0005】
また、高記録密度化に必要な要素としては、磁気記録媒体の高保磁力化と並んで低ノイズ化が挙げられる。上記のような磁気抵抗効果型ヘッドは再生感度が極めて高いため、高密度記録に適しているが、磁気記録媒体からの再生信号のみならず、ノイズに対する感度も同時に高くなる。このため、磁気記録媒体には従来以上に低ノイズ化が求められる。媒体ノイズを低減するためには、磁性膜中の結晶粒を微細化し、結晶粒径を均一化すること等が効果的であることが知られている。
【0006】
また、磁気ディスク媒体に対する重要な要求として、耐衝撃性の向上が挙げられる。特に、近年ノートパソコン等の携帯型情報機器への磁気ディスク装置が搭載されるようになり、信頼性向上の観点から、この耐衝撃性向上は非常に重要な課題となっている。従来の表面にNi−Pメッキを施したAl合金基板に替えて、表面を強化処理したガラス基板、或いは、結晶化ガラス基板を用いることにより、磁気ディスク媒体の耐衝撃性を向上することができる。ガラス基板は従来のNi−PメッキAl合金基板に比べて表面が平滑であるため、磁気ヘッドと磁気記録媒体の浮上スペーシングを小さくする上で有利であり、高記録密度化に適している。しかし、ガラス基板を用いた場合、基板との密着性不良や、基板中からの不純物イオン、或いは基板表面の吸着ガスがCr合金下地膜中へ侵入する等の問題が発生している。これらに対しては、ガラス基板とCr合金下地膜の間に種々の金属膜、合金膜、酸化物膜を形成する等の対策がなされている。
【0007】
なお、これらに関連する技術として、特開昭62−293511号公報、特開平2−29923号公報、特開平5−135343号公報等が挙げられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
媒体ノイズの低減には、上記のように磁性膜中の結晶粒の微細化、均一化が有効なことが知られている。しかし、上記従来技術を用いて記録密度1平方インチ当たり900メガビット程度の磁気記録媒体と高感度な磁気抵抗効果型ヘッドを組み合わせて磁気ディスク装置を試作してみると、1平方インチ当たり1ギガビット程度又はそれ以上の記録密度が得られるような十分な電磁変換特性が得られなかった。特に、磁気記録媒体の基板としてガラス基板を用いた場合に、高線記録密度領域での電磁変換特性が悪いという結果が得られた。この原因を調べたところ、ガラス基板上に直接、或いは前記公知例にみられる種々の金属又はそれらの合金を介して形成されたCr合金下地膜は、Ni−PメッキAl合金基板上に形成された場合ほど強く(100)配向していなかった。このためCo合金磁性膜の(11.0)以外の結晶面が基板と平行に成長し、磁化容易軸であるc軸の面内配向度が小さくなっていた。これにより、保磁力が低下し、高線記録密度での再生出力が低下していた。また、ガラス基板を用いた場合には、磁性膜の結晶粒が、Al合金基板を用いた場合に比べて肥大化しており、結晶粒の粒径分散も20%〜30%程度大きくなっていた。このため、媒体ノイズが増大し、電磁変換特性が劣化した。また、特開平4−153910号公報に示された非晶質又は微結晶膜をガラス基板と下地膜間に形成しても、磁性膜の結晶粒径はある程度小さくなる場合もあるが、十分ではなかった。さらに、粒径分布の低減に対してはほとんど効果がみられず、良好な電磁変換特性が得られなかった。
【0009】
本発明の第1の目的は、磁性膜の配向性を向上させ、磁性膜の結晶粒の微細化と均一化を図り、低ノイズの磁気記録媒体を提供することにある。
【0010】
本発明の第2の目的は、そのような磁気記録媒体の製造方法を提供することにある。
【0011】
本発明の第3の目的は、高記録密度の磁気記憶装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために、本発明の磁気記録媒体は、基板上に、直接又は第3下地膜を介して第1下地膜を配置し、第1下地膜上に第2下地膜を直接配置し、第2下地膜上に磁性膜を配置したものであって、この第1下地膜及び第2下地膜の界面に、酸素量の多いクラスタを分散させるようにしたものである。
【0013】
また、上記第2の目的を達成するために、本発明の磁気記録媒体の製造方法は、基板上に、直接又は第3下地膜を介して第1下地膜を形成し、第1下地膜を酸素有する雰囲気に、PO2・t(ただし、PO2は雰囲気の酸素分圧、tはこの雰囲気に曝す時間である)が1×10−6(Torr・秒)以上、1×10−2(Torr・秒)以下の間曝し、この雰囲気に曝された第1下地膜上に直接第2下地膜を形成し、第2下地膜上に磁性膜を形成するようにしたものである。
【0014】
また、上記第3の目的を達成するために、本発明の磁気記憶装置は、上記の磁気記録媒体と、磁気記録媒体の各面に対応して設けられ、記録部と再生部からなる磁気ヘッドと、磁気記録媒体と磁気ヘッドの相対的な位置を変化させるための駆動部と、磁気ヘッドを所望の位置に位置決めする磁気ヘッド駆動部と、磁気ヘッドへの信号入力と磁気ヘッドからの出力信号再生を行うための記録再生信号処理系とから構成するようにしたものである。
【0015】
上記第1下地膜は2種以上の元素からなる合金であることが好ましい。この合金に酸化のしやすさの異なる元素を含ませた場合、第1下地膜をある時間、ある酸素分圧の雰囲気に曝すと、その表面が面内で連続した一様の酸化膜を作らずに、酸化しやすい元素のリッチな領域が局所的に酸素量の多いクラスタを作り、これが第2下地膜の成長核となり、この上に成長する第2下地膜の結晶粒を微細化かつ均一化し、さらに磁性膜の平均結晶粒を小さく、かつその粒径を均一にすることができるものと推定される。
【0016】
図1に第1下地膜表面に形成したクラスタの模式図を示す。これはガラス基板上に第1下地膜として68at%Co−24at%Cr−8at%W合金膜のみの単層膜を形成し、さらにその表面にクラスタを形成したサンプルを透過電子顕微鏡(TEM)を用いて構造を調べたものの模式図である。ここで、クラスタとは図1に示すように微細な粒状に見えるものとし、数nm間隔で均一に分散している。元素の酸化しやすさの度合としては酸化物生成標準自由エネルギーが指標となり、第1下地膜をつくる合金の中に、250℃の温度における酸化物生成標準自由エネルギーΔG°の差が150(kJ/mol O2)以上(ただし、酸化物が2種類以上存在する元素の場合は(例えばFeはFe2O3、Fe3O4等の酸化物がある)上記ΔG°は最も低い値を選ぶ)である2種以上の元素を含ませることが好ましく、180(kJ/mol O2)以上である2種以上の元素を含ませることがより好ましく、200(kJ/mol O2)以上である2種以上の元素を含ませることが最も好ましい。この差の上限は特にないが、一般的な元素の組み合わせでは1000程度までである。
【0017】
さらにこの合金に酸化物生成標準自由エネルギーΔG°がマイナス750(kJ/mol O2)以下の元素が含まれていることにより微量の酸素供給で効果がでる。ここで、表1に各種元素とそれに対応した酸化物及びその250℃の温度における生成標準自由エネルギーΔG°を示す。このΔG°はCoughlinが示したΔG°と温度の関係図から読み取った値である。これは、日本金属学会出版、非鉄金属精練(新制金属新版精練篇)(1964年)第291頁から第292頁に示されている。
【0018】
【表1】
第1下地膜用の合金としては、Mo、Ti、Zr、Alの群から選ばれた少なくとも1種の元素とCrを含有する合金が基板と膜の密着性の点から好適である。さらに第1下地膜用の合金としては、Cr、Si、V、Ta、Ti、Zr、Al、Wの群から選ばれた少なくとも1種の元素とCoを含有する合金とすると、この合金が非晶質又は微結晶になりやすく組織が緻密になるため、ガラス基板を用いた場合にはガラスから膜中に侵入してくるアルカリ元素等不純物の拡散バリアになるため有効である。ここで、非晶質とはX線回折による明瞭なピークが観察されないこと、または、電子線回折による明瞭な回折スポット、回折リングが観察されず、ハロー状の回折リングが観察されることをいう。また、微結晶とは、結晶粒径が磁性層の結晶粒径より小さく、好ましくは平均粒径が8nm以下の結晶粒から成ることをいう。また、上記第1下地膜用の合金の中で酸化物生成標準自由エネルギーΔG°が最も低い元素の含有率は、それが上記成長核の数量に関係するため、5at%から50at%の間程度が第2下地膜の結晶粒微細化に効果があるので好ましく、5at%から30at%の間程度がより好ましい。
【0019】
また、第1下地膜と基板の間には、第3下地膜を配置してよい。例えば、基板をガラス基板とするとき、従来例に示した種々の金属膜、合金膜、酸化物膜等を第3下地膜として用いることができる。
【0020】
第2下地膜としては、Co合金磁性膜との結晶格子整合性の高いCr合金等のbcc構造を有するものが好ましい。例えば、Cr、Cr合金、すなわち、CrTi、CrV、CrMo等を用いることができる。
【0021】
第1下地膜の厚さは20nmから50nmの範囲であることが好ましく、第1下地膜の厚さは10nmから50nmの範囲であることが好ましい。
【0022】
また、磁性膜は、磁気異方性が面内を向いている磁性膜であることが好ましい。このような磁性膜として、例えば、Co−Cr−Pt、Co−Cr−Pt−Ta、Co−Cr−Pt−Ti、Co−Cr−Ta、Co−Ni−Cr等のCoを主成分とする合金を用いることができるが、高い保磁力を得るためには、Ptを含むCo合金を用いることが好ましい。さらに、磁性膜を非磁性中間層を介した複数の層で構成することもできる。
【0023】
磁性膜の磁気特性としては、膜面内に磁界を印加して測定した保磁力を1.8キロエルステッド以上とし、膜面内に磁界を印加して測定した残留磁束密度Brと膜厚tの積Br・tを20ガウス・ミクロン以上、140ガウス・ミクロン以下とすると、1平方インチ当たり1ギガビット以上の記録密度領域において、良好な記録再生特性が得られるので好ましい。保磁力が1.8キロエルステッド未満であると、高記録密度(200kFCI以上)での出力が小さくなり好ましくない。ここでFCI(flux reversal per inch)は記録密度の単位である。また、Br・tが140ガウス・ミクロンより大きくなると高記録密度での再生出力が低下し、20ガウス・ミクロン未満であると、低記録密度での再生出力が小さくなり好ましくない。
【0024】
なお、磁性膜を非磁性中間層を介した複数の層で構成するとき、上記Br・tの計算における磁性膜の膜厚tは各磁性層の厚さの合計を表すものとする。
【0025】
【発明の実施の形態】
図2は、磁気記録媒体を作製するための枚葉成膜型のスパッタリング装置の一例の模式的説明図である。実際のスパッタリング装置は、中央にメインチャンバ29があり、その周囲に仕込み室21、第1下地膜形成室22、加熱室23、酸化室24、第2下地膜形成室25、磁性膜形成室26、保護膜形成室27a、27b、27c、27d、取り出し室28が円形に並んでいる。基板をある室で処理した後に次ぎの室に送る操作は、各室で同時に行う。つまりこのスパッタリング装置で複数枚同時に処理することができ、基板を各室に次々に順に送ればよい。保護膜形成室27a、27b、27c、27dが4室あるのは、保護膜形成は低速度で行うのが好ましいので、1つの室で所望の厚さの4分の1ずつ形成するためである。
【0026】
このスパッタリング装置により、強化ガラスの基板20をまず仕込み室21に入れて真空とし、メインチャンバ29を経て次々に各室に移動させて次のように処理する。第1下地膜として60at%Co−30at%Cr−10at%Zr合金を室温で形成し、270℃に加熱した後、酸化室24でアルゴンと酸素の混合ガスの雰囲気に曝す。このとき、この混合ガスの混合比及びこの混合ガスの雰囲気に曝す時間を種々変化させる。第2下地膜として75at%Cr−15at%Ti合金を、磁性膜として75at%Co−19at%Cr−6at%Pt合金をそれぞれ順に積層した。この間270℃又はそれより多少低い温度に保たれている。さらに、保護膜としてカーボンを厚さ10nm〜30nm形成する。
【0027】
上述の混合ガスの混合比及び混合ガスの雰囲気に曝す時間を変えた結果、媒体ノイズと線形的な相関を示す活性化体積vと磁気モーメントIsbの積(v・Isb)は、この雰囲気の酸素分圧PO2とそれに曝す時間tの積(PO2・t)に対し、図3に示すように、極小値をとることが分かった。ここで、v・Isbについては、ジャーナル オブ マグネティズム アンド マグネティック マテリアルズ、第145巻(1995年)、第255頁〜第260頁(J.Magn.Magn.Mater.,vol.145,pp.255〜260(1995))に説明されている。v・Isbは磁化反転の最小単位に対応した量であり、このv・Isbが小さいほど媒体ノイズが小さいことを示す。このv・Isbは物理的量なので媒体ノイズを記録再生条件によらず客観的に比較できる。上記v・Isbが最小になるPO2・tは第1下地膜又は第2下地膜の合金組成やその組成比により変わるが、種々の実験によれば、PO2・tは1×10−6(Torr・秒)以上、1×10−2(Torr・秒)以下で媒体ノイズを下げる効果があった。特に第1下地膜にCoが含まれている場合にはPO2・tが1×10−6(Torr・秒)以上、1×10−3(Torr・秒)以下で効果があった。
【0028】
なお、磁気記録媒体は保護膜上に、さらに吸着性のパーフルオロアルキルポリエーテル等の潤滑膜を厚さ1nm〜10nm設けることにより信頼性が高く、高密度記録が可能な磁気記録媒体となる。
【0029】
また、上記加熱は、第1下地膜形成前に行っても同様の効果がある。或いは、酸化までを室温で行い、270℃に加熱してから第2下地膜を形成してもよい。この加熱は下地膜の結晶性を向上させ、磁性膜を高保磁力化したり、低ノイズ化させるための一般的な方法で、通常は200℃〜300℃程度に加熱している。
【0030】
保護層として水素を添加したカーボン膜や、炭化シリコン又は炭化タングステン等の化合物から成る膜や、これらの化合物とカーボンの混合膜を用いると耐摺動性、耐食性を向上出来るので好ましい。また、これらの保護層を形成した後、微細マスク等を用いてプラズマエッチングすることで表面に微細な凹凸を形成したり、化合物、混合物のターゲットを用いて保護層表面に異相突起を生じせしめたり、或いは熱処理によって表面に凹凸を形成すと、ヘッドと媒体との接触面積を低減でき、CSS動作時にヘッドが媒体表面に粘着する問題が回避されるので好ましい。
【0031】
また、基板として、Ni−PをメッキしたAl合金基板を用いた場合にも、ガラス基板を用いた場合と同様、磁性層の結晶粒が微細になるという効果が確認された。
【0032】
さらにまた、基板としてAl合金基板を用いた場合、上述のようにNi−P等の第3下地膜を基板と第1下地膜の間に設けることが好ましい。基板としてガラス基板を用いた場合、通常用いられていえる種々の金属膜、合金膜、酸化物膜を基板と第1下地膜の間に設けることが好ましい。
【0033】
図6は、本発明の一実施例の磁気ディスク装置の平面模式図及びそのAA’線断面模式図である。磁気記録媒体64を記録方向に駆動する駆動部65と、磁気記録媒体64の各面に対応して設けられ、記録部と再生部からなる磁気ヘッド61と、磁気ヘッド61を所望の位置に位置決めする磁気ヘッド駆動部62と、磁気ヘッドへの信号入力と磁気ヘッドからの出力信号再生を行うための記録再生信号処理系63とからなる。磁気ヘッドの再生部を磁気抵抗効果型磁気ヘッドで構成することにより、高記録密度における十分な信号強度を得ることができ、1平方インチ当たり1ギガビット以上の記録密度を持った信頼性の高い磁気ディスク装置を実現することができる。
【0034】
また、本発明の磁気記録媒体を磁気ディスク装置で用いる場合、磁気抵抗効果型磁気ヘッドの磁気抵抗センサ部を挟む2枚のシールド層の間隔(シールド間隔)は0.35μm以下が好ましい。これは、シールド間隔が0.35μm以上になると分解能が低下し、信号の位相ジッターが大きくなってしまうためである。
【0035】
さらに、磁気抵抗効果型磁気ヘッドを、互いの磁化方向が外部磁界によって相対的に変化することによって大きな抵抗変化を生じる複数の導電性磁性層と、その導電性磁性層の間に配置された導電性非磁性層を含む磁気抵抗センサによって構成し、巨大磁気抵抗効果、或いはスピン・バルブ効果を利用したものとすることにより、信号強度をさらに高めることができ、1平方インチ当たり2ギガビット以上の記録密度を持った信頼性の高い磁気記憶装置の実現が可能となる。
【0036】
<実施例1>
図4は、本実施例の磁気記録媒体の模式的に示した断面斜視図である。基板40には2.5インチ型の化学強化されたソーダライムガラスを使用した。その上に厚さ25nmの60at%Co−30at%Cr−10at%Zr合金からなる第1下地膜41、41’を、厚さ20nmの85at%Cr−15at%Ti合金からなる第2下地膜42、42’を、厚さ20nmの75at%Co−19at%Cr−6at%Pt合金磁性膜43、43’を、さらに厚さ10nmのカーボン保護膜44、44’を形成した。膜形成装置として、インテバック(Intevac)社製の枚葉式スパッタリング装置mdp250Aを用い、タクト10秒で成膜した。タクトとは上記スパッタリング装置で基板が前の室からある室に送られてきた直後から、その室で処理を行い次ぎの室に送られるまでの時間を意味する。このスパッタリング装置のチャンバ構成は図2に示した通りである。各膜の形成時のアルゴン(Ar)ガス圧はすべて6mTorrとした。成膜中のメインチャンバ29の酸素分圧は約1×10−8(Torr)である。
【0037】
第1下地膜は基板を加熱しない状態で第1下地膜形成室22で形成し、加熱室23でランプヒーターにより270℃まで加熱し、その後酸化室24で99%Ar−1%O2混合ガスの圧力5mTorr(ガス流量10sccm)の雰囲気に3秒間曝し、その後その上に上記各膜を第2下地膜形成室25、磁性膜形成室26、保護膜形成室27a、27b、27c、27dで順に形成した。このときの前記PO2・tは5mTorr×0.01×3秒=1.5×10−4(Torr・秒)に相当する。カーボン保護膜まで形成した後、パーフルオロアルキルポリエーテル系の材料をフルオロカーボン材料で希釈したものを潤滑膜45、45’として塗布した。
【0038】
<比較例1>
上記実施例1で、酸化室24で上記混合ガスを導入しない以外は上記と同一条件で作製した磁気記録媒体を比較例1とした。
【0039】
本実施例1の磁気記録媒体の保磁力は2170エルステッドで比較例1の磁気記録媒体よりも約300エルステッド程度高く、残留磁束密度Brと磁性膜厚tの積Br・tは89ガウス・ミクロンであった。実施例1の磁気記録媒体ではv・Isbは1.05×10−15(emu)と比較例1の磁気記録媒体の2.24×10−15(emu)に対し47%に減少したため、媒体ノイズもこれに対応し約半分に低減できた。再生出力は評価した記録密度領域では実施例1、比較例1ともに同程度であり、媒体のS/Nは媒体ノイズの低減分を向上できた。
【0040】
実際に磁気ディスク装置に組み込んで、線記録密度161kBPI(bit per inch)、トラック密度9.3kTPI(track per inch)の条件で磁気抵抗効果型磁気ヘッドにより記録再生特性を評価したところ、実施例1の磁気記録媒体は比較例のそれに対し、S/Nが1.8倍高く、面記録密度1平方インチ当たり1.6ギガビットの装置仕様を充分満たした。一方、比較例1の媒体ではS/Nが不足し、装置仕様を満足できなかった。
【0041】
本実施例1と同一条件で、第1下地膜Co−Cr−Zr合金をガラス基板上に厚さ25nm形成し酸化室での処理まで行ったものを、TEM(透過電子顕微鏡)を用いてCo−Cr−Zr合金膜の構造を調べたところ、TEM像には、第1下地膜表面の局所的な酸化に対応する微細なクラスタを反映した濃淡が観察された。このクラスタは径が数nmで、数nmピッチにおよそ均一に形成されている。このTEM像の模式図を図1に示す。
【0042】
また、本実施例1の磁気記録媒体及び比較例1の磁気記録媒体のX線回折の測定を行った結果、図5に示す回折パターンが得られた。上記第1下地層のCo−Cr−Zr合金のみの単層膜を上記同一成膜条件で上記ガラス基板上に50nm形成し、X線回折の測定を行ったところ、明瞭な回折ピークはみられなかった。比較例1の磁気記録媒体の回折パターンでは第2下地膜の体心立方構造(bcc構造)のCrTi(110)ピークは磁性膜からの六方最密構造(hcp構造)のCoCrPt(00.2)ピークと重なるため、この両者の識別も不可能である。しかし、いずれにしても第2下地膜は実施例1の磁気記録媒体のように強く(100)配向しておらず、配向が異なる複数の結晶粒の混合相となっている。このため、磁性膜中のCo−Cr−Pt合金結晶も様々な結晶配向をとっており、Co−Cr−Pt磁性膜からは複数の回折ピークがみられる。
【0043】
一方、実施例1の磁気記録媒体は上記のように第1下地膜のCo−Cr−Zr合金単層膜では回折ピークを示さないため、図中の回折ピークは、第2下地膜からのbcc構造のCrTi(200)ピークと、Co−Cr−Pt磁性膜からのhcp構造のCoCrPt(11.0)ピークである。このことから、非晶質構造のCo−Cr−Zr合金層上に形成された第2下地膜のCr−Ti合金は(100)配向をとり、その上のCo−Cr−Pt磁性膜はエピタキシャル成長により(11.0)配向をとっていることが分かる。このため、Co−Cr−Pt合金の磁化容易軸であるc軸の面内方向の成分が大きくなり、良好な磁気特性が得られる。
【0044】
さらに、磁性膜のTEM観察を行ったところ、本実施例1のCo−Cr−Pt合金の平均結晶粒経は10.8nmであり、比較例1のそれの16.2nmに比べて微細化されていた。また、前記単層のCo−Cr−Zr合金単層膜の磁化測定を行ったところ、明瞭なヒステリシス曲線が得られなかったため、この合金膜は非磁性であると考えられる。
【0045】
<実施例2>
上記実施例1と同様の膜構成で磁気記録媒体を作製した。基板には2.5インチ型の化学強化されたアルミノシリケートガラスを使用した。その上に厚さ40nmの62at%Co−30at%Cr−8at%Ta合金からなる第1下地膜を、厚さ25nmの80at%Cr−20at%Ti合金からなる第2下地膜を、厚さ23nmの72at%Co−18at%Cr−2at%Ta−8at%Pt合金磁性膜を、さらに厚さ10nmのカーボン保護膜を形成した。膜形成装置として実施例1と同じ枚葉式スパッタ装置を用い、タクト9秒で成膜した。各膜の形成時のアルゴン(Ar)ガス圧はすべて6mTorrとした。成膜中のメインチャンバの酸素分圧は約5×10−9(Torr)である。
【0046】
第1下地膜は基板を加熱しない状態で第1下地膜成膜室で形成し、加熱室でランプヒーターにより250℃まで加熱し、その後酸化室で98mol%Ar−2mol%O2混合ガスを用いガス圧力4mTorr(ガス流量8sccm)の雰囲気に3秒間曝し、その上に各膜を形成した。これは上記PO2・tで4mTorr×0.02×3秒=2.4×10−4(Torr・秒)に相当する。上記カーボン保護膜まで形成した後、実施例1と同様の潤滑膜を塗布した。
【0047】
<比較例2>
上記実施例2で、酸化室で上記混合ガスを導入しない以外は上記と同一条件で作製した磁気記録媒体を比較例2とした。
【0048】
本実施例2の磁気記録媒体の保磁力は2640エルステッドで比較例2の磁気記録媒体よりも約200エルステッド程度高く、残留磁束密度と磁性膜厚の積Br・tは85ガウス・ミクロンであった。実施例2の磁気記録媒体ではv・Isbは0.98×10−15(emu)と比較例2のそれの1.81×10−15(emu)に対し54%に減少したため、媒体ノイズもこれに対応し約半分に低減できた。再生出力は評価した記録密度領域では実施例2、比較例2ともに同程度であり、磁気記録媒体のS/Nは媒体ノイズの低減分を向上できた。磁気ディスク装置に組み込んで、線記録密度210kBPI、トラック密度9.6kTPIの条件で磁気抵抗効果型磁気ヘッドにより記録再生特性を評価したところ、実施例2の磁気記録媒体は比較例2のそれに比べS/Nが1.3倍高く、面記録密度1平方インチ当たり2.0ギガビットの装置仕様を充分満たした。一方、比較例2の磁気記録媒体ではS/Nが不足し、装置仕様を満足できなかった。
【0049】
<実施例3>
上記実施例1と同様の膜構成で磁気記録媒体を作製した。基板には2.5インチ型の化学強化されたアルミノシリケートガラスを使用した。その上に厚さ30nmの85at%Cr−15at%Zr合金からなる第1下地膜を、厚さ25nmの80at%Cr−15at%Ti−5at%B合金からなる第2下地膜を、厚さ22nmの72at%Co−19at%Cr−1at%Ti−8at%Pt合金磁性膜を、さらに厚さ10nmのカーボン保護膜を形成した。膜形成装置として実施例1と同じ枚葉式スパッタ装置を用い、タクト8秒で成膜した。各膜の形成時のアルゴン(Ar)ガス圧はすべて5mTorrとした。成膜中のメインチャンバの酸素分圧は約3×10−9(Torr)である。
【0050】
第1下地膜は基板を特に加熱しないで第1下地膜成膜室で形成し、加熱室でランプヒーターにより240℃まで加熱し、その後酸化室で79mol%Ar−21mol%O2混合ガスを用いガス圧力3mTorr(ガス流量6sccm)の雰囲気に2秒間曝し、その上の各膜を形成した。これは上記PO2・tで3mTorr×0.21×2秒=1.3×10−4(Torr・秒)に相当する。上記カーボン保護膜まで形成した後、実施例1と同様の潤滑膜を塗布した。
【0051】
<比較例3>
上記実施例3で、酸化室で上記混合ガスを導入しない以外は上記と同一条件で作製した磁気記録媒体を比較例3とした。
【0052】
本実施例3の磁気記録媒体の保磁力は2680エルステッドで比較例3の磁気記録媒体よりも約200エルステッド程度高く、残留磁束密度と磁性膜厚の積Br・tは69ガウス・ミクロンであった。実施例3の磁気記録媒体ではv・Isbは0.89×10−15(emu)と比較例3のそれの1.44×10−15(emu)に対し60%に減少したため、媒体ノイズもこれに対応し約40%低減できた。再生出力は評価した記録密度領域では実施例3、比較例3ともに同程度であり、磁気記録媒体のS/Nは媒体ノイズの低減分を向上できた。磁気ディスク装置に組み込んで、線記録密度225kBPI、トラック密度9.8kTPIの条件で磁気抵抗効果型磁気ヘッドにより記録再生特性を評価したところ、実施例3の磁気記録媒体は比較例3のそれに比べS/Nが1.4倍高く、面記録密度1平方インチ当たり2.2ギガビットの装置仕様を充分満たした。一方、比較例3の媒体ではS/Nが不足し、装置仕様を満足できなかった。
【0053】
<実施例4>
実施例1と同様の膜構成で磁気記録媒体を作製した。外径95mm、内径25mm、厚さ0.8mmの96wt%Al−4wt%Mgの基板の両面に88wt%Ni−12wt%Pからなるメッキ層を厚さが13μmとなるよう形成した。この基板の表面をラッピングマシンを用いて表面中心線平均粗さRaが2nmとなるまで平滑に研磨し、洗浄、さらに乾燥した。その後、テープポリッシングマシン(例えば、特開昭62−262227号公報に記載)を用い、砥粒の存在下で研磨テープをコンタクトロールを通して、基板を回転させながらディスク面の両側に押しつけることにより、基板表面に略円周方向のテクスチャを形成した。さらに、基板に付着した研磨剤等の汚れを洗浄、除去して乾燥した。
【0054】
このように処理した基板の上に、厚さ20nmの60at%Co−30at%Cr−10at%Ta合金からなる第1下地膜を、厚さ20nmの85at%Cr−20at%Ti合金からなる第2下地膜を、厚さ20nmの72at%Co−20at%Cr−8at%Pt合金磁性膜を、さらに厚さ10nmのカーボン保護膜を形成した。実施例1で用いた膜形成装置によりタクト9秒で成膜した。各膜の形成時のアルゴン(Ar)ガス圧はすべて5mTorrとした。成膜中のメインチャンバの酸素分圧は約1×10−9(Torr)であった。
【0055】
第1下地膜は基板を加熱しない状態で第1下地膜形成室で形成し、加熱室でランプヒーターにより270℃まで加熱し、その後酸化室で98%Ar−2%O2混合ガスの圧力4mTorr(ガス流量8sccm)の雰囲気に3秒間曝し、その上の各膜を形成した。これは上記PO2・tで4mTorr×0.02×3秒=2.4×10−4乗(Torr・秒)に相当する。上記カーボン保護膜まで形成した後、パーフルオロアルキルポリエーテル系の材料をフルオロカーボン材料で希釈したものを潤滑膜として塗布した。
【0056】
また、本発明の実施例に用いた膜形成装置に比べ、到達真空度が悪く酸素分圧が大きい膜形成装置、あるいは複数の基板に同時に膜形成できる装置のように第1下地膜形成後から第2下地膜を形成するまでの時間が長い膜形成装置では、上記実施例のように酸化室を特に設けなくても、上記の酸化による微細な成長核が形成でき、上記実施例と同様の効果が得られる。
【0057】
<実施例5>
実施例1と同様の膜構成で磁気記録媒体を作製した。基板には2.5インチ型の化学強化されたアルミノシリケートガラスを使用した。その上に、厚さ25nmの60at%Co−30at%Cr−10at%Zr合金からなる第1下地膜を、厚さ20nmの85at%Cr−15at%Ti合金からなる第2下地膜を、厚さ20nmの75at%Co−19at%Cr−6at%Pt合金磁性膜を、さらに厚さ10nmのカーボン保護膜を形成した。膜形成装置として、パレットに保持した複数枚の基板に同時に各膜形成を行う装置を用い、タクト60秒で成膜した。各膜の形成時のアルゴン(Ar)ガス圧はすべて6mTorrとした。成膜中の各成膜室の酸素分圧は約1×10−8(Torr)であった。
【0058】
第1下地膜は基板を加熱しない状態で形成し、次に加熱室でランプヒーターにより270℃まで加熱し、その後、その上の各膜を形成した。これは上記PO2・tで約2×10−6(Torr・秒)に相当する。上記カーボン保護膜まで形成した後、パーフルオロアルキルポリエーテル系の材料をフルオロカーボン材料で希釈したものを潤滑膜として塗布した。
【0059】
以上の実施例及び比較例について、それぞれの上記評価結果をまとめて表2に示す。
【0060】
【表2】
本発明の非晶質、またはそれに近い微結晶構造のCo合金を用いた第1下地膜であるCo合金膜上に上記の酸化雰囲気に曝した後、第2下地膜なしに直接、磁性膜を形成した場合、磁性膜は強い(00.1)配向を示した。これは磁性層のCo合金結晶のc軸が膜面に対して垂直方向を向いた配向であり、面内磁気記録媒体としては使用できないが、膜面に対し磁化を垂直方向に記録する垂直磁気記録媒体に適している。
【0061】
【発明の効果】
本発明の磁気記録媒体は、媒体ノイズの低減、保磁力増大等の効果があった。本発明の磁気記録媒体の製造方法によれば、上記のような磁気記録媒体を容易に製造することができる。また、本発明の磁気記録媒体を用いた磁気記憶装置は、高い記録密度を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体の第1下地膜上に形成されたクラスタのTEM写真の模式図。
【図2】本発明の磁気記録媒体の膜形成装置の一例を示す模式図。
【図3】本発明の磁気記録媒体の多層下地膜形成時の条件に対する活性化堆積と磁気モーメントの積の関係図。
【図4】本発明の磁気記録媒体の模式的断面斜視図。
【図5】本発明の磁気記録媒体の一実施例及び比較例の磁気記録媒体のX線回折パターン図。
【図6】本発明の磁気記憶装置の一実施例の平面模式図及び断面模式図。
【符号の説明】
20…基板、21…仕込み室、22…第1下地膜形成室、23…加熱室、24…酸化室、25…第2下地膜形成室、26…磁性膜形成室、27a、27b、27c、27d…保護膜形成室、28…取り出し室、29…メインチャンバ、40…基板、41、41’…第1下地膜、42、42’…第2下地膜、43、43’…磁性膜、44、44’…保護膜、45、45’…潤滑膜、61…磁気ヘッド、62…磁気ヘッド駆動部、63…記録再生信号処理系、64…磁気記録媒体、65…駆動部。
Claims (3)
- 基板と、該基板上に直接又は第3下地膜を介して配置された合金からなる第1下地膜と、該第1下地膜上に直接配置された第2下地膜と、
該第2下地膜上に配置された磁性膜とを有し、前記第1下地膜を形成する合金が、異なる酸化物生成標準自由エネルギーを有する少なくとも2種の金属元素を含む合金からなり、前記第1下地膜と第2下地膜の界面の第1下地膜表面に、前記第1下地膜の合金を構成する少なくとも2種の金属元素のうち、低い方の前記酸化物生成標準自由エネルギーを持つ金属元素がリッチな第1下地膜の表面領域が局部的に酸化されたものである複数のクラスタが分散されていることを特徴とする磁気記録媒体。 - 請求項1記載の磁気記録媒体と、
該磁気記録媒体の各面に対応して設けられ、記録部と再生部とからなる磁気ヘッドと、
上記磁気記録媒体と該磁気ヘッドの相対的な位置を変化させるための駆動部と、上記磁気ヘッドを所望の位置に位置決めする磁気ヘッド駆動部と、
上記磁気ヘッドへの信号入力と磁気ヘッドからの出力信号再生を行うための記録再生信号処理系とからなることを特徴とする磁気記憶装置。 - 基板と、
前記基板上に直接又は第3下地膜を介して形成され、異なる酸化物生成標準自由エネルギーを有する少なくとも2種の金属元素を含む合金からなる第1下地膜と、
前記第1下地膜の表面に分散して形成された複数のクラスタであって、前記第1下地膜の合金を構成する少なくとも2種の金属元素のうち、低い方の前記酸化物生成標準自由エネルギーを持つ金属元素がリッチな第1下地膜の表面領域が局所的に酸化されたものである複数のクラスタと、
前記複数のクラスタが分散して形成された前記第1下地膜の表面上に直接形成 された第2下地膜と、および
前記第2の下地膜上に形成された磁性膜と、
を有することを特徴とする磁気記録媒体。
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