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JP3439345B2 - 波長変換器及び波長変換方法 - Google Patents

波長変換器及び波長変換方法

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JP3439345B2
JP3439345B2 JP18265298A JP18265298A JP3439345B2 JP 3439345 B2 JP3439345 B2 JP 3439345B2 JP 18265298 A JP18265298 A JP 18265298A JP 18265298 A JP18265298 A JP 18265298A JP 3439345 B2 JP3439345 B2 JP 3439345B2
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wavelength
optical
pulse
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    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F2/00Demodulating light; Transferring the modulation of modulated light; Frequency-changing of light
    • G02F2/004Transferring the modulation of modulated light, i.e. transferring the information from one optical carrier of a first wavelength to a second optical carrier of a second wavelength, e.g. all-optical wavelength converter
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/35Non-linear optics
    • G02F1/365Non-linear optics in an optical waveguide structure
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01SDEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
    • H01S5/00Semiconductor lasers
    • H01S5/50Amplifier structures not provided for in groups H01S5/02 - H01S5/30
    • H01S5/5054Amplifier structures not provided for in groups H01S5/02 - H01S5/30 in which the wavelength is transformed by non-linear properties of the active medium, e.g. four wave mixing

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  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Nonlinear Science (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、波長分割多重(Wa
velength Division Multiplexing ; 以下、WDMと称
す)光通信に利用して好適な波長変換器に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、大容量な光通信システムとしてW
DM光通信が実用化されつつある。WDM光通信では複
数の異なった波長の光信号が多重化され、多重化された
波長毎にそれぞれ通信チャネルが割り当てられる。今後
のWDM光通信では、任意の通信チャネル間で情報を交
換する光交換機能の実現が検討され、以下に記載するよ
うな各種の波長変換器が提案されている。
【0003】例えば、田島らはマッハツェンダー型干渉
計を備えた対称マッハツェンダー型全光スイッチを提案
している(特開平7−20510号公報、またはJapane
se Journal of Applied Physics誌, 第32巻、L1746〜17
49頁、1993年)。これらに記載された対称マッハツェン
ダー型全光スイッチはDemultiplexerを意図して提案さ
れたものであるが、入力パルスと異なる波長の出力パル
スを得ることができるため(中村ら、Applied Physics
Letters誌、第65巻、283〜285頁、1994年)、波長変換
器としても動作させることができる(以下、第1従来例
と称す)。また、田島らは第1従来例を改良した安定性
の高い偏光分離型全光スイッチを提案している(Applie
d Physics Letters誌、第67巻、3709-3711頁、1995
年)。
【0004】一方、Patelらは、これと同じメカニズム
で動作する偏光分離型全光スイッチを報告している(IE
EE Photonics Technology Letters誌、第8巻、1695〜16
97頁、1996年)。この偏光分離型全光スイッチも第1従
来例と同様に波長変換器として動作させることができる
(以下、第2従来例と称す)。
【0005】また、上野らは第2従来例の構造を簡素化
した波長変換器(以下、第3従来例と称す)を提案して
いる(IEEE Photonics Technology Letters誌、第10
巻、346〜348頁、1998年、及び第58回応用物理学会学術
講演会講演予稿集No. 3、1138頁、1997年10月、5a-ZB-
6、及び第45回応用物理学関係連合講演会講演予稿集No.
3、1135頁、1998年3月、29a-SZL-17)。
【0006】上記した第1従来例〜第3従来例は、Retu
rn-to-Zero(RZ)光信号の波長変換を行う波長変換器で
あり、非線形半導体導波路内部のキャリアの寿命よりも
短い光パルスを出力することができる。
【0007】ところで、Duurhaasらは上記第1従来例〜
第3従来例と異なるメカニズムで動作する波長変換器を
提案している(Journal of Lightwave Technology誌、
第14巻, 942〜954頁、1996年、以下、第4従来例と称
す)。第4従来例は、いわゆるNon-Return-to-Zero(NR
Z)光信号の波長を変換する波長変換器である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した第1従来例〜
第4従来例の波長変換器は、いずれも半導体の屈折率の
変化を利用して波長を変換するものであるため、出力す
る光信号に波長シフトや波長チャーピングが発生する。
特に、第4従来例の出力信号には強い波長チャーピング
が発生する。
【0009】波長チャーピングが発生した光信号は、波
長チャーピングが発生しない光信号に比べてスペクトル
幅が広がるため、伝送特性が劣化する。例えば、第4従
来例の波長変換器をWDM光通信に利用すると、通信チ
ャネル間のクロストークが増加し、伝送特性が伝送路の
群速度分散の符号に依存する等の問題が発生する。
【0010】光信号のスペクトル幅を狭くするためには
波長フィルタを用いる方法があるが、この場合、S/N
比の劣化や光信号の形状が歪む等の別の問題が発生す
る。
【0011】一方、第1従来例〜第3従来例では、これ
まで光信号の波長シフトや波長チャーピングについての
検討や研究がなされてこなかったため、大きな波長チャ
ーピングの発生や波長変換効率の低下等の問題点が明ら
かでなかった。
【0012】本発明は上記したような従来の技術が有す
る問題点を解決するためになされたものであり、波長を
効率よく変換すると共に、出力信号の波長チャーピング
を低減した波長変換器及び波長変換方法を提供すること
を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の波長変換器は、入力光信号パルスと異なる波長
の出力光信号パルスを出力する波長変換器であって、前
記入力光信号パルスの入力に応じて屈折率が変化する第
1の非線形導波路及び第2の非線形導波路と、前記入力
光信号パルスを前記第1の非線形導波路に導く第1の光
路と、前記入力光信号パルスが前記第1の非線形導波路
に到達する時間に対して前記入力光信号パルスのパルス
幅の0.6〜1.2倍の時間差で前記入力光信号パルス
を前記第2の非線形導波路に到達させる光路長を備え、
前記入力光信号パルスを前記第2の非線形導波路に導く
第2の光路と、所定波長の連続光を前記第1の非線形導
波路に導く第3の光路と、前記連続光を前記第2の非線
形導波路に導く第4の光路と、前記第1の非線形導波路
から出力される光信号の位相に対して前記第2の非線形
導波路から出力される光信号の位相を所定量に調整する
ための位相調整器と、前記第1の非線形導波路から出力
される光信号及び前記第2の非線形導波路から出力され
る光信号を合波する合流部と、前記合流部から出力され
る光信号のうち、前記入力光信号パルスの波長成分を除
去する波長フィルタとを有するものである。
【0014】また、入力光信号パルスと異なる波長の出
力光信号パルスを出力する波長変換器であって、前記入
力光信号パルスの入力に応じて屈折率が変化する非線形
導波路と、前記入力光信号パルスを前記非線形導波路に
導く光路と、所定波長の連続光を第1の偏光成分及び第
2の偏光成分に分離し、前記入力光信号パルスのパルス
幅の0.6〜1.2倍の時間差を持たせて前記非線形導
波路にそれぞれ導くための第1の光回路と、前記非線形
導波路から出力される前記第1の偏光成分及び前記第2
の偏光成分を合波すると共に、該合波部位までの到達時
間を一致させる第2の光回路と、前記非線形導波路から
出力される前記第1の偏光成分の位相に対して前記第2
の偏光成分の位相を所定量に調整するための位相調整器
と、前記第2の光回路から出力される光信号のうち、前
記入力光信号パルスの波長成分を除去する波長フィルタ
とを有するものである。
【0015】さらに、他の構成として、入力光信号パル
スと異なる波長の出力光信号パルスを出力する光信号波
長変換器であって、入力光信号パルスの入力に応じて屈
折率が変化する非線形導波路と、所定波長の連続光及び
前記入力光パルスをそれぞれ前記非線形導波路に導く光
路と、前記非線形導波路から出力される光信号を第1の
光信号及び第2の光信号に分割する分岐部と、前記第1
の光信号の位相に対して前記第2の光信号の位相を所定
量に調整するための位相調整器と、前記第1の光信号に
対して前記入力光信号パルスのパルス幅の0.6〜1.
2倍の時間差だけ前記第2の光信号を遅延させる光遅延
路と、前記第1の光信号及び該遅延後の第2の光信号を
合波する光合流部と、前記光合流部から出力される光信
号のうち、前記入力光信号パルスの波長成分を除去する
波長フィルタとを有するものである。
【0016】一方、本発明の波長変換方法は、入力光信
号パルスに応じて屈折率が変化する第1の非線形導波路
及び第2の非線形導波路に、光路長の異なる2つの光路
を介して前記入力光信号パルスを前記入力光信号パルス
のパルス幅の0.6〜1.2倍の時間差を持たせてそれ
ぞれ入力すると共に、所定波長の連続光をそれぞれ入力
し、前記第1の非線形導波路から出力される光信号の位
相に対して前記第2の非線形導波路から出力される光信
号の位相を所定量に調整した後、前記第1の非線形導波
路から出力される光信号及び前記第2の非線形導波路か
ら出力される光信号を合波し、該合波した光信号から前
記入力光信号パルスの波長成分を除去することで、前記
入力光信号パルスと異なる波長の出力光信号パルスを出
力させる方法である。
【0017】また、所定波長の連続光を第1の偏光成分
及び第2の偏光成分に分離し、入力光信号パルスに応じ
て屈折率が変化する非線形導波路に、前記入力光信号パ
ルスを入力すると共に、前記第1の偏光成分及び前記第
2の偏光成分を前記入力光信号パルスのパルス幅の0.
6〜1.2倍の時間差を持たせてそれぞれ入力し、前記
非線形導波路から出力される前記第1の偏光成分の位相
に対して前記第2の偏光成分の位相を所定量に調整し、
前記非線形導波路から出力される前記第1の偏光成分及
び前記第2の偏光成分を合波すると共に、該合波部位ま
での到達時間を一致させ、該合波した光信号から前記入
力光信号パルスの波長成分を除去することで、前記入力
光信号パルスと異なる波長の出力光信号パルスを出力さ
せる方法である。
【0018】さらに、他の方法として、入力光信号パル
スに応じて屈折率が変化する非線形導波路に所定波長の
連続光及び前記入力光信号パルスを入力し、前記非線形
導波路から出力される光信号を第1の光信号及び第2の
光信号に分割し、前記第1の光信号の位相に対して前記
第2の光信号の位相を所定量に調整し、前記第1の光信
号に対して前記入力光信号パルスのパルス幅の0.6〜
1.2倍の時間差だけ前記第2の光信号を遅延させ、前
記第1の光信号及び該遅延後の第2の光信号を合波し、
該合波した光信号から前記入力光信号パルスの波長成分
を除去することで、前記入力光信号パルスと異なる波長
の出力光信号パルスを出力させる方法である。
【0019】上記のような波長変換器及び波長変換方法
では、非線形導波路に対して入力信号パルスが到達する
到達時間差を入力信号パルスのパルス幅の0.6〜1.
2倍となるように設定することで、出力信号パルスの瞬
時位相変化は時間に対して直線状に変化するため、波長
チャーピングを小さくすることができる。
【0020】また、非線形導波路に対して第1の偏光成
分及び第2の偏光成分が到達する到達時間差を入力信号
パルスのパルス幅の0.6〜1.2倍となるよう設定す
ることで、上記と同様に出力信号パルスの瞬時位相変化
は時間に対して直線状に変化するため、波長チャーピン
グを小さくすることができる。
【0021】さらに、非線形導波路透過後に分割された
第1の光信号及び第2の光信号が合流部位に到達するま
での到達時間差を入力信号パルスのパルス幅の0.6〜
1.2倍となるよう設定した場合も、出力信号パルスの
瞬時位相変化は時間に対して直線状に変化するため、波
長チャーピングを小さくすることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】次に本発明について図面を参照し
て詳細に説明する。
【0023】(第1の実施の形態)図1は本発明の波長
変換器の第1の実施の形態の構成を示すブロック図であ
る。
【0024】図1において、本実施の形態の波長変換器
は、入力された光信号パルスに応じて屈折率が変化する
第1の非線形導波路24及び第2の非線形導波路25
と、波長λの光信号パルスを入力するための第1の信
号入力ポート26と、連続光光源21から出力される波
長λの連続光(CW光)を入力するための第2の信号
入力ポート22と、第1の信号入力ポート26から入力
された入力信号パルスを分割する第1の分岐部27と、
第2の信号入力ポート22から入力された連続光を分割
する第2の分岐部23と、第1の分岐部27によって分
割された一方の光信号パルスと第2の分岐部23によっ
て分割された一方の連続光を合波する第1の合流部19
と、第1の分岐部27によって分割された他方の光信号
パルスと第2の分岐部23によって分割された他方の連
続光を合波する第2の合流部20と、第2の非線形導波
路25から出力される光信号の位相を調整するための位
相調整器33と、第1の非線形導波路24から出力され
る光信号及び位相調整器33から出力される光信号を合
波する第3の合流部30と、第3の合流部30で合波さ
れた光信号を再び分割する第3の分岐部35と、波長λ
の光信号パルス成分を除去するための波長フィルタ3
2と、波長変換された光信号を出力するための第1の出
力信号ポート31及び第2の出力信号ポート34とを有
している。なお、図1では、第2の非線形導波路25の
後段に位相調整器33を配置した構成を示しているが、
位相調整器33は第2の非線形導波路25の前段に配置
されていてもよく、第1の非線形導波路24の後段ある
いは前段に配置されていてもよい。
【0025】第1の非線形導波路24及び第2の非線形
導波路25は、例えば、図2に示すような構造を備えた
半導体光増幅器、または吸収型半導体導波路が用いられ
る。図2は図1に示した非線形導波路として用いる半導
体光増幅器の一構成例を示す図であり、要部を切断した
様子を示す斜視図である。
【0026】図2に示すように、半導体光増幅器は、n
型のInP基板101上に半導体ストライプ102が形
成された構造である。半導体ストライプ102は、n型
InP結晶からなるInPバッファ層103と、アンド
ープInGaAsP結晶からなる第1の中間層104
と、光導波路となるInGaAsPバルク活性層105
と、アンドープInGaAsP結晶からなる第2の中間
層106と、p型InP結晶からなるInPカバー層1
07とによって構成される。また、半導体ストライプ
02はp型InP結晶からなるクラッド層108で覆わ
れ、クラッド層108の上にはキャップ層109が形成
されている。さらに、キャップ層109の上には絶縁膜
110が形成され、その上に電極111が形成されてい
る。キャップ層109と電極111とは絶縁膜110に
開けられた開口部110aを通して接続される。
【0027】吸収型半導体導波路は、図2に示した半導
体光増幅器と同様の構造を備えているが、半導体光増幅
器が電極111を介して電流注入が行われるのに対し、
吸収型半導体導波路は電流注入が行われない点で異なっ
ている。なお、図1は第1の非線形導波路24及び第2
の非線形導波路25に半導体光増幅器を用いた場合の波
長変換の様子を示している。
【0028】このような構成において、第1の信号入力
ポート26から入力された光信号パルスは第1の分岐部
27によってその光パワーが50:50に分割され、そ
の一方の光信号パルスは第1の光路28及び第1の合流
部19を経て第1の非線形導波路24に到達する。ま
た、第1の分岐部27で分割された他方の光信号パルス
は第2の光路29及び第2の合流部20を経て第2の非
線形導波路25に到達する。ここで、第1の光路28よ
りも第2の光路29の方が光路長が長いため、第1の分
岐部27で分割された他方の光信号パルスは、第1の分
岐部27で分割された一方の光信号パルスよりも遅れて
非線形導波路に到達する(到達時間差をΔtd1とす
る)。
【0029】一方、第2の入力ポート22から入力され
た連続光は、第2の分岐部23によってその光パワーが
50:50に分割され、その一方の連続光は第1の非線
形導波路24を経て第3の合流部30に到達する。ま
た、第2の分岐部23で分割された他方の連続光は第2
の非線形導波路25及び位相調整器33を経て第3の合
流部30に到達する。第3の合流部30は、第1の非線
形導波路24から出力された連続光Aと第2の非線形導
波路25から出力された連続光Bを合波する。この第2
の分岐部23から第3の合流部30までの光回路は、い
わゆるマッハツェンダー型干渉計を構成している。
【0030】ところで、第1の非線形導波路24及び第
2の非線形導波路25がそれぞれ半導体光増幅器の場
合、第1の非線形導波路24及び第2の非線形導波路2
5では、光信号パルスが入力されると屈折率がそれぞれ
一定時間だけ増加する。屈折率が増加している時間は入
力された光信号パルスのパルス幅に等しく、屈折率が元
に戻る回復時間は電流注入で発生したキャリア寿命に等
しくなる。
【0031】また、第1の非線形導波路24及び第2の
非線形導波路25がそれぞれ吸収型半導体導波路の場
合、第1の非線形導波路24及び第2の非線形導波路2
5では、光信号パルスが入力されると屈折率がそれぞれ
一定時間だけ減少する。屈折率が減少している時間は入
力された光信号パルスのパルス幅に等しく、屈折率が元
に戻る回復時間は光信号パルスで発生したキャリア寿命
に等しくなる。
【0032】したがって、第1の非線形導波路24及び
第2の非線形導波路25にそれぞれ半導体光増幅器を用
いた場合、第1の非線形導波路24及び第2の非線形導
波路25を透過する連続光は、光信号パルス入力による
屈折率変化によって、その位相が図3(a)に示すよう
に変化する。なお、図3(a)の実線は、第1の非線形
導波路24を通過する一方の連続光Aの位相変化の様子
を示し、図3(a)の一点鎖線は、第2の非線形導波路
25を通過する他方の連続光Bの位相変化の様子を示し
ている。
【0033】上述したように、非線形導波路の屈折率が
増加する時間は、入力信号パルス(図3(a)の点線で
示したパルス)のパルス幅(半値全幅ΔT)にほぼ等し
いため、連続光A及び連続光Bの位相が変化する時間も
パルス幅ΔTにほぼ等しくなる。このとき、連続光Bの
位相は、非線形導波路に対する2つの入力信号パルスの
到達時間差Δtd1によって連続光AよりΔtd1だけ
遅れて変化する。
【0034】位相変化した連続光A及び連続光Bは、第
3の合流部30で一旦合波され、第3の分岐部35によ
って再びその光パワーが50:50に分割される。な
お、第3の合流部30から第3の分岐部35までの構成
は、いわゆる2:2の光カプラーである。
【0035】第3の分岐部35から出力された一方の光
信号Pは、波長フィルタ32を経て第1の出力ポート3
1から出力され、第3の分岐部35から出力された他方
の光信号Qは、第2の出力ポート34から出力される。
【0036】光信号Pの光電界は、連続光Aと連続光B
とが合成されたものであり、
【0037】
【数1】 で表される。
【0038】一方、光信号Qの光電界は、
【0039】
【数2】 で表される。なお、E(t)は、連続光Aの光電界で
あり、E(t)は、連続光Bの光電界である。
【0040】ここで、位相調整器33を使って連続光A
及び連続光Bの位相差がπになるように調整すると、位
相変化を起こす前の連続光Aの成分と連続光Bの成分は
互いに打ち消し合い、位相変化を起こした後の連続光A
の成分と連続光Bの成分も互いに打ち消し合うため、光
信号P及び光信号Qの電界強度は、連続光A及び連続光
Bが位相変化している期間でのみ有限な値となる。
【0041】したがって、光信号Pはパルス形状とな
り、そのパルス幅は入力信号パルスのパルス幅ΔTと2
つの入力信号パルスの非線形導波路に対する到達時間差
Δt とによって決定される。
【0042】ところで、図3(a)に示したように、連
続光A及び連続光Bの位相は非線形導波路の屈折率変化
に伴ってほぼ直線状に変化する。
【0043】本発明では、非線形導波路に対する入力信
号パルスの到達時間差Δtd1が入力信号パルスのパル
ス幅ΔTに対して
【0044】
【数3】 となるように、第1の光路28と第2の光路29の光路
長を設定する。
【0045】特に、Δtd1=0.89×ΔTのとき、
合波後の光信号Pの位相φ(t)は図3(b)に示すよ
うにほぼ直線状に変化するため、非線形導波路の位相変
化に伴う光信号Pの瞬時波長変化は、図3(c)の実線
で示すように、ほぼ一定の値となる(図3(c)の例で
は約+1nm)。
【0046】すなわち、光信号Pの電界強度はパルス状
(図3(c)の点線)になり、その瞬時波長は、λ2
1nm(λ2は連続光光源21の波長)となる。
【0047】また、波長フィルタ32の透過中心波長
を、予め連続光の波長λより少し長めの波長(λ
Δλ、図3(c)の例ではΔλ=+1nm)に設定
しておけば、波長フィルタ32によって波長λの入力
信号パルス成分が除去され、波長λ+Δλの光信号
成分(P)だけが透過する。
【0048】したがって、波長フィルタ32の透過中心
波長を連続光の波長λから一定量(Δλ)シフトし
た波長に設定しておくことにより、波長変換を効率よく
行うことができる。また、非線形導波路に対する入力信
号パルスの到達時間差Δt と入力信号パルスのパル
ス幅ΔTを適切な関係に設定すれば、光信号Pの瞬時波
長変化はほぼ一定になるため、出力信号パルスには波長
チャーピングがほとんど発生しない。
【0049】なお、非線形導波路として半導体光増幅器
を用いた場合、吸収型半導体導波路に比べてASE(Am
plified Spontaneous Emission)ノイズが増加する。こ
の場合、透過帯域が狭く、透過中心波長がλ+Δλ
に設定された波長フィルタ32を用いることでASEノ
イズも低減することができる。
【0050】また、第1の非線形導波路24及び第2の
非線形導波路25として吸収型半導体導波路を用いた場
合、出力信号パルスの波長はλ−Δλとなる。この
場合、波長フィルタ32の透過中心波長は予めλより
少し短めの波長(λ−Δλ )に設定しておく。
【0051】また、図3(a)〜(c)に示した波長変
換器の動作波形は、非線形導波路の屈折率変化のメカニ
ズムを示す以下の基本式にしたがってシミュレーション
した結果である。
【0052】ところで、非線形導波路として半導体光増
幅器を用いた場合、電界強度Ein(t)の光信号パル
スが入力されたときの、半導体光増幅器内部のキャリア
数の変化量ΔN(t)は、
【0053】
【数4】 で表される。
【0054】簡単のために、ここでは非線形導波路のキ
ャリア寿命が入力信号パルス幅ΔTよりも充分長いもの
とする。
【0055】このとき、非線形導波路の屈折率変化ΔN
(t)は、キャリア数変化ΔN(t)に比例し、比
例係数をfBFとすると、
【0056】
【数5】 で表わされる。
【0057】また、連続光の非線形位相変化Δφ(t)
は、
【0058】
【数6】 となる。但し、Gは半導体光増幅器の利得、
【0059】
【数7】 は入力光信号の光子エネルギー、kは連続光の真空中
での波数、Γは非線形半導体導波路の活性層(キャリア
が閉じ込められる部分)への光閉じ込め係数である。
【0060】一方、非線形導波路として吸収型半導体導
波路を用いた場合、吸収型半導体導波路内部のキャリア
数の変化量ΔN(t)は、
【0061】
【数8】 となる。なお、入力信号パルスのパルス形状は、
【0062】
【数9】 で表わされるソリトン型とする。このとき入力信号パル
スのパルス幅ΔTは、ΔT=1.76×Tの関係が成
り立つ。
【0063】なお、図3(c)に示す瞬時波長変化は、
一般的な関係式、
【0064】
【数10】 から求めた。ここで、λは過渡的な位相変化を起こす
前の波長、cは光速である。
【0065】ところで、式(3)で示したΔtd1とΔ
Tの関係を
【0066】
【数11】 とした場合、連続光の位相変化は図4(a)の実線で示
すようになる(図4(a)の点線は入力信号パルス)。
また、合波後の光信号Pの位相変化は図4(b)に示す
ようになる。さらに、光信号Pの瞬時波長変化は図4
(c)の実線で示すようになり、光信号Pの電界強度は
図4(c)の点線で示すようになる。
【0067】すなわち、非線形導波路に対する入力信号
パルスの到達時間差Δtd1を長く設定した場合(ここ
では、Δtd1=5×ΔT)、図4(b)に示すように
光信号Pの位相変化が直線状にならないため、瞬時波長
が一定とならず、図4(c)に示すように光信号Pの電
界強度の立ち上がりと立ち下がり時に同符号の大きな波
長チャーピングが発生する。
【0068】以下では、上記式(3)で示した入力信号
パルスのパルス幅ΔTと到達時間差Δtd1の関係を、
Δtd1=0.6〜1.2×ΔTとした理由について説
明する。
【0069】一般に、2.5Gbps以上の大容量の光
信号を長距離伝送するためには、光伝送路(光ファイバ
ー)の波長分散によって生じる光パルスの広がりを管理
する必要がある。
【0070】この目的のため、伝送路として使用する光
ファイバーの群速度分散を制御する技術や、伝送路を一
定間隔毎に分散補償する(いわゆる分散マネージメン
ト)技術が開発されている(光ソリトン通信研究会第2
回研究集会予稿集、平成9年4月8日)。
【0071】光パルスを用いる光通信では、出力信号パ
ルスのパルス幅が入力信号パルスのパルス幅の±25%
以内に納まっていることが望ましく、また、出力信号パ
ルスの波長チャーピング量は、波長チャーピングを持た
ない入力信号パルスのスペクトル幅の25%を越えない
ことが望ましい。
【0072】ここで、Δtd1とΔTの比Δtd1/Δ
Tを、Δtd1/ΔT=0.40、0.50、0.6
0、1.0、1.2、1.6と変え、そのときの出力信
号パルスの波形と波長チャーピング量の様子を図5〜図
10に示す。なお、図5〜図10は信号繰返し周波数を
100Gbps(信号間隔=10ps)、入力信号パル
スを波長チャーピングを持たないsech型光パルス、
入力信号パルスのパルス幅(半値全幅)を2.0ps、
入力信号パルスの中心波長を1.5μm、スペクトル幅
(半値全幅)を1.26nmとしたときのシミュレーシ
ョン結果である。
【0073】また、図5〜図10の各図(a)の実線は
第1の非線形導波路24を通過する一方の連続光の位相
変化の様子を示し、一点鎖線は第2の非線形導波路25
を通過する他方の連続光の位相変化の様子を示し、点線
は入力信号パルスの様子を示している。また、各図
(b)は光信号Pの位相変化の様子を示し、各図(c)
の実線は光信号Pの瞬時波長変化を示し、点線は光信号
Pの電界強度を示している。
【0074】なお、図11は、図5〜図10で示した出
力パルス幅(実線)と波長チャーピング量(点線)のシ
ミュレーション結果をまとめて示した図であり、同図
(a)はグラフ、同図(b)は表である(但し、入力信
号パルスのパルス幅は常に2ps)。また、図12は波
長チャーピングの定義を示す図であり、点線は出力信号
パルスの強度変化を示し、実線は瞬時波長変化を示して
いる。図12において、出力信号パルスの瞬時強度がピ
ーク強度の1/2となる時刻をTH1、TH2としたと
き、TH1からTH2の間の瞬時波長の最大値と最小値
の差を出力パルスの波長チャーピングと定義する。
【0075】図5及び図11に示すように、Δtd1
ΔT=0.4とした時、出力信号パルスのパルス幅は入
力信号パルスのパルス幅の75.25%となり、出力信
号パルスの波長チャーピングは0.384nmとなる。
また、出力信号パルスの波長チャーピングと入力信号パ
ルスのスペクトル幅の比は30.5%である。
【0076】図6及び図11に示すように、Δtd1
ΔT=0.5とした時、出力信号パルスのパルス幅は入
力信号パルスのパルス幅の78.9%となり、出力信号
パルスの波長チャーピングは0.360nmとなる。ま
た、出力信号パルスの波長チャーピングと入力信号パル
スのスペクトル幅の比は28.6%である。
【0077】図7及び図11に示すように、Δtd1
ΔT=0.6とした時、出力信号パルスのパルス幅は入
力信号パルスのパルス幅の83.5%となり、出力信号
パルスの波長チャーピングは0.284nmとなる。ま
た、出力信号パルスの波長チャーピングと入力信号パル
スのスペクトル幅の比は22.5%である。
【0078】また、図3で示したように、Δtd1/Δ
T=0.89とした時、出力信号パルスのパルス幅は入
力信号パルス幅に一致し、出力パルスの波長チャーピン
グは0.060nmとなり、殆ど無くなる(図11参
照)。
【0079】図8及び図11に示すように、Δtd1
ΔT=1.0とした時、出力信号パルスのパルス幅は入
力信号パルス幅の108.5%となり、出力信号パルス
の波長チャーピングは0.100nmとなる。また、出
力信号パルスの波長チャーピングと入力信号パルスのス
ペクトル幅の比は7.9%である。
【0080】図9及び図11に示すように、Δtd1
ΔT=1.2とした時、出力信号パルスのパルス幅は入
力信号パルス幅の124.5%となり、出力信号パルス
の波長チャーピングは0.256nmとなる。また、出
力信号パルスの波長チャーピングと入力信号パルスのス
ペクトル幅の比は20.3%である。
【0081】さらに、図10及び図11に示すように、
Δtd1/ΔT=1.6とした時、出力信号パルスのパ
ルス幅は入力信号パルスのパルス幅の161.0%とな
り、出力信号パルスの波長チャーピングは0.50nm
となる。また、出力信号パルスの波長チャーピングと入
力信号パルスのスペクトル幅の比は39.7%である。
【0082】以上示したように、Δtd1/ΔT=0.
6〜1.2の範囲で、出力信号パルスのパルス幅が入力
信号パルスのパルス幅の±25%以内に納まり、出力信
号パルスの波長チャーピング量が入力信号パルスのスペ
クトル幅の25%以内に納まることが分かる。
【0083】したがって、非線形導波路に入力信号パル
スが到達する到達時間差を入力信号パルスのパルス幅の
0.6〜1.2倍となるよう設定することにより、出力
信号パルスの波長チャーピングを小さくすることができ
る。
【0084】なお、参考までに図13に第4従来例の波
長変換器の動作の様子を示す。図13(a)の実線は連
続光の過渡的位相変化を示し、点線は入力信号パルスを
示している。また、図13(b)は出力信号パルスの位
相変化を示している。図13(c)の実線は出力信号パ
ルスの瞬時波長変化を示し、点線は出力信号パルスの電
界強度を示している。
【0085】図13(c)に示すように、第4従来例で
は、出力信号パルスの立ち上がりと立ち下がり部位で異
符号の大きな波長チャーピングが発生している。
【0086】(第2の実施の形態)次に本発明の第2の
形態について図面を参照して説明する。
【0087】図14は本発明の波長変換器の第2の実施
の形態の構成を示すブロック図である。
【0088】図14において、本実施の形態の波長変換
器は、入力された光信号パルスに応じて屈折率が変化す
る非線形導波路44と、波長λ1の光信号パルスを入力
するための第1の信号入力ポート45と、連続光光源4
1から出力される波長λ2の連続光(CW光)を入力す
るための第2の信号入力ポート42と、第2の信号入力
ポート42から入力された連続光(CW光)をp偏光成
分とs偏光成分に分離し、入力光信号パルスのパルス幅
の0.6〜1.2倍の時間差を持たせて非線形導波路4
4にそれぞれ導くための第1の光回路59と、非線形導
波路44から出力される光信号をp偏光成分とs偏光成
分に分離し、p偏光成分及びs偏光成分を合波すると共
に、その到達時間を一致させる第2の光回路60と、第
2の偏光分岐部52から出力されたs偏光成分の光信号
の位相を調整するための位相調整器57と、第2の偏光
合流部53から出力された光信号のp偏光成分及びs偏
光成分の光パワーをそれぞれ50:50の比で出力させ
る偏光フィルタ49と、波長λ1の光信号パルスを除去
するための波長フィルタ54と、波長変換された光信号
を出力するための出力信号ポート55とを有している。
【0089】第1の光回路59は、第2の信号入力ポー
ト42から入力された連続光をp偏光成分とs偏光成分
に分離する第1の偏光分岐部50と、第1の光路58を
通過したp偏光成分及び第1の光遅延路43を通過した
s偏光成分を合波する第1の偏光合流部51とによって
構成されている。
【0090】また、第2の光回路60は、非線形導波路
44から出力された光信号をp偏光成分とs偏光成分に
分離する第2の偏光分岐部52と、第2の光路56を通
過したs偏光成分及び第2の光遅延路47を通過したp
偏光成分を合波する第2の偏光合流部53とによって構
成されている。なお、波長フィルタ54は、第1の実施
の形態と同様に、波長変換後の光信号パルス(波長λ
+Δλ)のみを透過させ、波長λの入力信号パルス
成分を除去する。また、図14は非線形導波路44に半
導体光増幅器を用いた場合の波長変換の様子を示してい
る。
【0091】このような構成において、第1の信号入力
ポート45から入力された入力信号パルスは合流部46
を経て非線形導波路44に到達し、非線形導波路44の
屈折率を変化させる。
【0092】一方、第2の信号入力ポート42から入力
された連続光は第1の偏光分岐部50(例えば、偏光ビ
ームスプリッター)によってp偏光成分とs偏光成分に
分離される。
【0093】第1の偏光分岐部50によって分離された
p偏光成分は、第1の光路58、第1の偏光合流部51
(例えば、偏光ビームスプリッター)、合流部46、非
線形導波路44、第2の偏光分岐部52、第2の光遅延
路47、及び第2の偏光合流部53を経て偏光フィルタ
49に到達する。
【0094】また、第1の偏光分岐部50によって分離
されたs偏光成分は、第1の光遅延路43、第1の偏光
合流部51、合流部46、非線形導波路44、第2の偏
光分岐部52、第2の光路56、位相調整器57、及び
第2の偏光合流部53を経て偏光フィルタ49に到達す
る。
【0095】ここで、第1の光遅延路43は第1の光回
路58よりも光路長がΔLdだけ長く、第2の光遅延路
47は第2の光回路56及び位相調整器57よりも光路
長がΔLdだけ長くなっている。したがって、光信号の
p偏光成分とs偏光成分は偏光フィルタ49に同時に到
着する。
【0096】しかしながら、第1の偏光合流部51によ
って合波されたs偏光成分が非線形導波路44を透過す
る時刻は、p偏光成分が非線形導波路44を通過する時
刻よりも
【0097】
【数12】 だけ遅れる。ここで、Vは第1の光回路58を伝播す
る光信号の伝播速度である。
【0098】よって、偏光フィルタ49に到達した光信
号のp偏光成分の位相は、第1の実施の形態と同様に、
図3(a)の実線で示すように変化し、s偏光成分の位
相は図3(a)の一点鎖線で示すように変化する。
【0099】なお、偏光フィルタ49の光軸方位は、予
めp偏光成分とs偏光成分が50:50で合波されて透
過するように調整しておき、位相調整器57をp偏光成
分とs偏光成分の位相差がπとなるように調整してお
く。
【0100】したがって、偏光フィルタ49から出力さ
れるp偏光成分及びs偏光成分の合波光はパルス状とな
る。
【0101】また、非線形導波路44に到達する連続光
のp偏光成分及びs偏光成分の到達時間差Δtd2が入
力信号パルスのパルス幅ΔTに対してΔtd2=0.6
〜1.2×ΔTとなるように、第1の光路58と第1の
光遅延路43の光路長を設定する。
【0102】このようにすることで、第1の実施の形態
と同様に波長λの入力信号パルスを波長λ+Δλ
の出力信号パルスに効率よく変換することができる。ま
た、このときの位相変化量、中心波長のシフト量、及び
波長チャーピング量も第1の実施の形態と同様の値にな
るため、出力信号パルスの波長チャーピングを小さくす
ることができる。
【0103】なお、非線形導波路44に吸収型半導体導
波路を用いた場合、出力信号パルスの波長はλ−Δλ
となる。この場合、波長フィルタ54の透過中心波長
は予めλより少し短めの波長(λ−Δλ)に設定
しておく。
【0104】(第3の実施の形態)次に、本発明の第3
の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0105】図15は本発明の光信号波長変換器の第3
の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【0106】図15において、本実施の形態の波長変換
器は、入力された光信号パルスに応じて屈折率が変化す
る非線形導波路5と、波長λの光信号パルス(入力信
号パルス)を入力するための第1の信号入力ポート3
と、連続光光源1から出力される波長λの連続光(C
W光)を入力するための第2の信号入力ポート2と、第
1の信号入力ポート3から入力された入力信号パルスと
第2の信号入力ポートから入力された連続光を合波する
第1の合流部4と、非線形導波路5から出力された光信
号を分離する第1の分岐部61と、第1の分岐部61に
よって分離された光信号のうち、光路62を通過した一
方の光信号、及び光遅延路63を通過した他方の光信号
を合波する第2の合流部64と、第1の分岐部61で分
離された他方の光信号の位相を調整するための位相調整
器67と、第2の合流部64から出力される光信号を分
離する第2の分岐部66と、所定の偏光成分のみを通過
させる偏光子7と、波長λの光信号パルスを除去する
ための波長フィルタ68と、波長変換された光信号を出
力するための第1の信号出力ポート69及び第2の信号
出力ポート9とを有している。なお、波長フィルタ68
は、第1の実施の形態と同様に、波長変換後の光信号パ
ルス(波長λ+Δλ)のみを透過させ、波長λ
入力信号パルス成分を除去する。また、図15は非線形
導波路5に半導体光増幅器を用いた場合の波長変換の様
子を示している。
【0107】このような構成において、第1の信号入力
ポート3に入力された信号パルスは第1の合流部4を経
て非線形導波路5に到達し、非線形導波路5の屈折率を
変化させる。
【0108】一方、第2の信号入力ポート2から入力さ
れた連続光(CW光)は、第1の合流部4及び非線形導
波路5を経て第1の分岐部61でその光パワーが50:
50に分割される。
【0109】第1の分岐部61で分割された一方の光信
号(第1の光信号)は光路62を経て第2の合流部64
に到達し、第1の分岐部61で分割された他方の光信号
(第2の光信号)は位相調整器67及び光遅延路63を
経て第2の合流部64に到達する。第2の合流部64は
第1の光信号及び第2の光信号を合波する。
【0110】なお、第1の分岐部61から第2の合流部
64までの光回路は入力された光信号の偏光をそれぞれ
維持するため、第2の合流部64における第1の光信号
と第2の光信号は同じ偏光を有している。
【0111】また、位相調整器67と光遅延回路63の
光路長は光路62の光路長よりも長いため、第2の光信
号は第1の光信号よりもΔtd3だけ遅れて第2の合流
部64に到達する。したがって、第2の合流部64にお
ける第2の光信号の位相変化は第1の光信号の位相変化
よりもΔtd3だけ遅れる。
【0112】ここで、第1の光信号と第2の光信号の位
相差がπとなるように位相調整器67で調整する。ま
た、第1の光信号及び第2の光信号が第2の合流部64
に到達する到達時間差Δtd3を、入力信号パルスのパ
ルス幅ΔTに対してΔtd3=0.6〜1.2×ΔTと
なるように、位相調整器67と光遅延回路63及び光路
62の光路長をそれぞれ設定する。
【0113】このとき、第1の光信号の位相変化は、第
1の実施の形態と同様に図3(a)の実線で示すように
なり、第2の光信号の位相変化は図3(a)の一点鎖線
で示すようになり、合波した光信号はパルス状となる。
【0114】第2の合流部64で合波された光信号は、
第2の分岐部66によってその光パワーが50:50に
再び分割され、第2の分岐部66によって分割された一
方の光信号は偏光子7及び波長フィルタ68を経て第1
の信号出力ポート69から出力され、第2の分岐部66
によって分割された他方の光信号は第2の信号出力ポー
ト9から出力される。なお、偏光子7は必ずしも必要で
はない。
【0115】したがって、本実施の形態の波長変換器
も、第1の実施の形態と同様に波長λ の入力信号パル
スを波長λ+Δλの出力信号パルスに効率よく変換
することができる。また、このときの位相変化量、中心
波長のシフト量、及び波長チャーピング量も第1の実施
の形態と同様の値になるため、出力信号パルスの波長チ
ャーピングを小さくすることができる。
【0116】なお、非線形導波路5に吸収型半導体導波
路を用いた場合、出力信号パルスの波長はλ−Δλ
となる。この場合、波長フィルタ54の透過中心波長は
予めλより少し短めの波長(λ−Δλ)に設定し
ておく。
【0117】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。
【0118】本実施例では、図1に示した非線形導波路
として、InGaAsP/InPダブルヘテロ半導体層
からなる半導体光増幅器(IEEE Photonics Technology
Letters誌、第10巻、346〜348頁、1998年)を用いた場
合を例にして、本発明の効果について説明する。なお、
半導体光増幅器の利得ピーク波長は1550nm、利得
(G)は20dBである。また、入力信号パルスのパ
ルス幅は2ps、中心波長は1550nm、スペクトル
幅は1.2nmとし、連続光の波長は1559nm、ス
ペクトル幅は10MHz以下とした。さらに、光路及び
光遅延路は光ファイバーと光ファイバーカプラーで構成
し、波長フィルターの中心波長は1560nm、波長帯
域は2nmとした。
【0119】以上のように設定することで、中心波長1
550nm、パルス幅2psの入力信号パルスを、波長
1560nm、パルス幅2psの出力信号パルスに変換
する波長変換器を構成することができた。
【0120】なお、上記構成の波長変換器では、入力信
号パルスから出力信号パルスへの変換効率が150%で
あり、連続光の強度に対する出力信号パルスのピーク強
度の比は300%であった。
【0121】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、以下に記載する効果を奏する。
【0122】非線形導波路に対して入力信号パルスが到
達する到達時間差を入力信号パルスのパルス幅の0.6
〜1.2倍となるよう設定することで、出力信号パルス
の瞬時位相変化は時間に対して直線状に変化するため、
出力信号パルスの波長チャーピングを小さくすることが
できる。
【0123】また、非線形導波路に対して第1の偏光成
分及び第2の偏光成分が到達する到達時間差を入力信号
パルスのパルス幅の0.6〜1.2倍となるよう設定す
ることで、出力信号パルスの瞬時位相変化は時間に対し
て直線状に変化するため、出力信号パルスの波長チャー
ピングを小さくすることができる。
【0124】さらに、非線形導波路通過後に分割された
第1の光信号及び第2の光信号が合流部位に到達するま
での到達時間差を入力信号パルスのパルス幅の0.6〜
1.2倍となるよう設定することで、出力信号パルスの
瞬時位相変化は時間に対して直線状に変化するため、出
力信号パルスの波長チャーピングを小さくすることがで
きる。
【0125】また、上記いずれの構成においても、波長
フィルタの透過中心波長を連続光の波長から一定量シフ
トした波長に設定しておくことにより、波長変換を効率
よく行うことができる。加えて、透過帯域の狭い波長フ
ィルタを用いることでASEノイズも低減することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光信号波長変換器の第1の実施の形態
の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した非線形導波路として用いる半導体
光増幅器の一構成例を示す図であり、要部を切断した様
子を示す斜視図である。
【図3】図1に示した波長変換器のΔtd1/ΔT=
0.89とした時の動作の様子を示す図であり、同図
(a)は連続光の位相変化を示すグラフ、同図(b)は
出力信号パルスの位相変化を示すグラフ、同図(c)は
出力信号パルスの瞬時波長変化を示すグラフである。
【図4】図1に示した波長変換器のΔtd1/ΔT=5
とした時の動作の様子を示す図であり、同図(a)は連
続光の位相変化を示すグラフ、同図(b)は出力信号パ
ルスの位相変化を示すグラフ、同図(c)は出力信号パ
ルスの瞬時波長変化を示すグラフである。
【図5】図1に示した波長変換器のΔtd1/ΔT=
0.40とした時の動作の様子を示す図であり、同図
(a)は連続光の位相変化を示すグラフ、同図(b)は
出力信号パルスの位相変化を示すグラフ、同図(c)は
出力信号パルスの瞬時波長変化を示すグラフである。
【図6】図1に示した波長変換器のΔtd1/ΔT=
0.50とした時の動作の様子を示す図であり、同図
(a)は連続光の位相変化を示すグラフ、同図(b)は
出力信号パルスの位相変化を示すグラフ、同図(c)は
出力信号パルスの瞬時波長変化を示すグラフである。
【図7】図1に示した波長変換器のΔtd1/ΔT=
0.60とした時の動作の様子を示す図であり、同図
(a)は連続光の位相変化を示すグラフ、同図(b)は
出力信号パルスの位相変化を示すグラフ、同図(c)は
出力信号パルスの瞬時波長変化を示すグラフである。
【図8】図1に示した波長変換器のΔtd1/ΔT=
1.0とした時の動作の様子を示す図であり、同図
(a)は連続光の位相変化を示すグラフ、同図(b)は
出力信号パルスの位相変化を示すグラフ、同図(c)は
出力信号パルスの瞬時波長変化を示すグラフである。
【図9】図1に示した波長変換器のΔtd1/ΔT=
1.2とした時の動作の様子を示す図であり、同図
(a)は連続光の位相変化を示すグラフ、同図(b)は
出力信号パルスの位相変化を示すグラフ、同図(c)は
出力信号パルスの瞬時波長変化を示すグラフである。
【図10】図1に示した波長変換器のΔtd1/ΔT=
1.6とした時の動作の様子を示す図であり、同図
(a)は連続光の位相変化を示すグラフ、同図(b)は
出力信号パルスの位相変化を示すグラフ、同図(c)は
出力信号パルスの瞬時波長変化を示すグラフである。
【図11】図5〜図10に示した出力パルス幅と波長チ
ャーピングのシミュレーション結果をまとめて示した図
であり、同図(a)はグラフ、同図(b)は表である。
【図12】波長チャーピングの定義を示す図である。
【図13】第4従来の波長変換器の動作の様子を示す図
であり、同図(a)は連続光の位相変化を示すグラフ、
同図(b)は出力信号パルスの位相変化を示すグラフ、
同図(c)は出力信号パルスの瞬時波長変化を示すグラ
フである。
【図14】本発明の波長変換器の第2の実施の形態の構
成を示すブロック図である。
【図15】本発明の波長変換器の第3の実施の形態の構
成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1、21、41 連続光光源 2、22、42 第2の信号入力ポート 3、26、45 第1の信号入力ポート 4、19 第1の合流部 5、44 非線形導波路 7 偏光子 9、34 第2の信号出力ポート 20、66 第2の合流部 23 第2の分岐部 24 第1の非線形導波路 25 第2の非線形導波路 27、61 第1の分岐部 28 第1の光路 29 第2の光路 30 第3の合流部 31、69 第1の信号出力ポート 32、54、68 波長フィルタ 33、57、67 位相調整器 35 第3の分岐部 43 第1の光遅延路 46 合流部 47 第2の光遅延路 49 偏光フィルタ 50 第1の偏光分岐部 51 第1の偏光合流部 52 第2の偏光分岐部 53 第2の偏光合流部 55 信号出力ポート 59 第1の光回路 60 第2の光回路 62 光路 63 光遅延路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−179385(JP,A) Japanese Journal of Applied Physic s,Vol.32 Part.2 No. 12A pp .L1746−1749 Appl.Phys.Lett.,V ol.65 No.3 pp.283−285 Appl.phys.Lett.,V ol.67 No17 pp.2445−2447 Appl.phys.Lett.,V ol67 No25 pp3709−3711 1997年春季第44回応用物理学関係連合 講演会予稿集 第3分冊.P979 IEEE piotonics Te chnology Letters,V ol.10 No.3 pp.346−348 IEEE photonics Te chnology letters,V ol.8 No.12 pp1695−1697 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 2/02

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力光信号パルスと異なる波長の出力光
    信号パルスを出力する光信号波長変換器であって、 入力光信号パルスの入力に応じて屈折率が変化する非線
    形導波路と、 所定波長の連続光及び前記入力光パルスをそれぞれ前記
    非線形導波路に導く光路と、 前記非線形導波路から出力される光信号を第1の光信号
    及び第2の光信号に分割する分岐部と、 前記第1の光信号の位相に対して前記第2の光信号の位
    相を所定量に調整するための位相調整器と、 前記第1の光信号に対して前記入力光信号パルスのパル
    ス幅の0.6〜1.2倍の時間差だけ前記第2の光信号
    を遅延させる光遅延路と、 前記第1の光信号及び該遅延後の第2の光信号を合波す
    る光合流部と、 前記光合流部から出力される光信号のうち、前記入力光
    信号パルスの波長成分を除去する波長フィルタと、を有
    する波長変換器。
  2. 【請求項2】 前記時間差は、前記入力光信号パルスの
    パルス幅の0.89倍であることを特徴とする請求項
    記載の波長変換器。
  3. 【請求項3】 前記非線形導波路は、半導体光増幅器で
    あることを特徴とする請求項1又は2記載の波長変換
    器。
  4. 【請求項4】 前記非線形導波路は、吸収型半導体導波
    路であることを特徴とする請求項1又は2記載の波長変
    換器。
  5. 【請求項5】 前記非線形導波路は、バルク構造の半導
    体素子であることを特徴とする請求項1乃至4記載の波
    長変換器。
  6. 【請求項6】 入力光信号パルスに応じて屈折率が変化
    する非線形導波路に所定波長の連続光及び前記入力光信
    号パルスを入力し、 前記非線形導波路から出力される光信号を第1の光信号
    及び第2の光信号に分割し、 前記第1の光信号の位相に対して前記第2の光信号の位
    相を所定量に調整し、 前記第1の光信号に対して前記入力光信号パルスのパル
    ス幅の0.6〜1.2倍の時間差だけ前記第2の光信号
    を遅延させ、 前記第1の光信号及び該遅延後の第2の光信号を合波
    し、 該合波した光信号から前記入力光信号パルスの波長成分
    を除去することで、前記入力光信号パルスと異なる波長
    の出力光信号パルスを出力させる波長変換方法。
  7. 【請求項7】 前記時間差は、前記入力光信号パルスの
    パルス幅の0.89倍であることを特徴とする請求項6
    項記載の波長変換方法。
  8. 【請求項8】 前記非線形導波路に、半導体光増幅器を
    用いることを特徴とする請求項6又は7記載の波長変換
    方法。
  9. 【請求項9】 前記非線形導波路に、吸収型半導体導波
    路を用いることを特徴とする請求項6又は7記載の波長
    変換方法。
  10. 【請求項10】 前記非線形導波路に、バルク構造の半
    導体素子を用いることを特徴とする請求項6乃至9のい
    ずれか1項記載の波長変換方法。
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