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JP3434438B2 - 排水処理方法および排水処理装置 - Google Patents

排水処理方法および排水処理装置

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Publication number
JP3434438B2
JP3434438B2 JP25335197A JP25335197A JP3434438B2 JP 3434438 B2 JP3434438 B2 JP 3434438B2 JP 25335197 A JP25335197 A JP 25335197A JP 25335197 A JP25335197 A JP 25335197A JP 3434438 B2 JP3434438 B2 JP 3434438B2
Authority
JP
Japan
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tank
water
sludge
treated
water tank
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JP25335197A
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JPH1190483A (ja
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和幸 山嵜
和之 坂田
明津志 横谷
憲幸 田中
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
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Priority to US09/132,144 priority patent/US6063279A/en
Priority to KR1019980038647A priority patent/KR100310327B1/ko
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F3/00Biological treatment of water, waste water, or sewage
    • C02F3/30Aerobic and anaerobic processes
    • C02F3/308Biological phosphorus removal

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  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Biodiversity & Conservation Biology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Hydrology & Water Resources (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • Water Supply & Treatment (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Removal Of Specific Substances (AREA)
  • Biological Treatment Of Waste Water (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体工場や液
晶工場等から排出される過酸化水素,リンおよびフッ素
を含有する排水と有機物含有排水とを効率よく同時に処
理する排水処理方法、および、排水処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】水質汚濁防止法の観点から、フッ素に加
えて過酸化水素およびリンを含んでいる排水の場合に
は、上記フッ素とCOD(化学的酸素要求量)を高める過
酸化水素およびリンの総てを所定濃度になるまで処理す
る必要がある。また、上記排水が有機物を含んでいる場
合には、その有機物も所定濃度になるまで処理する必要
がある。
【0003】ここで、上記フッ素の除去は、フッ素濃度
の規制値をクリアするために必要である。また、過酸化
水素や有機物の除去は、処理水中の規制値としてのCO
Dを低下させるために必要である。また、リンは、赤潮
の原因となるために,確実に規制値以下まで処理する必
要がある。
【0004】従来、半導体工場等において、フッ素に加
えて、過酸化水素とリンとを含有したPH2〜PH3の
混合排水の場合には、以下のようにして処理を行ってい
る。すなわち、最初に、フッ素とリンを消石灰等の薬品
によって化学的に中和処理する。こうして、上記フッ素
とリンが中和された後に、被処理水に重亜硫酸ソーダを
添加して、還元作用によって過酸化水素を処理する。あ
るいは、活性炭や木炭等の触媒を利用して処理するので
ある。
【0005】一方、排水中のフッ素を除去するためのフ
ッ素除去装置として、図8に示すようなものがある。こ
のフッ素除去装置では、フッ素含有排水を2つの炭酸カ
ルシウム充填槽1,2に通し、炭酸カルシウム充填槽2
の流出水を循環槽3に導入する。そして、循環槽3内の
被処理水を膜分離装置4に導入して、後段の炭酸カルシ
ウム充填槽2から流出した炭酸カルシウム結晶を含む濃
縮水と透過水とに分離する。そうした後、上記分離され
た濃縮水を循環槽3に返送する。また、上記濃縮水の一
部を前段の炭酸カルシウム充填槽1に返送する。一方、
上記透過水は貯水槽5に排出される。
【0006】上記フッ素除去装置によれば、排水中のフ
ッ素は炭酸カルシウム充填槽1,2の炭酸カルシウムと
反応して、フッ化カルシウムとなる。そして、所定の処
理期間が経過した後に、炭酸カルシウム充填槽1,2か
ら抜き出される。こうして、フッ素をフッ化カルシウム
として除去するのである。
【0007】また、他のフッ素除去装置として、図9に
示すようなフッ化カルシウム回収装置がある。このフッ
化カルシウム回収装置では、炭酸カルシウム反応槽6内
のフッ素含有溶液に、炭酸カルシウムサイロ7内の炭酸
カルシウムを添加する。そして、50℃〜100℃の高
温処理と高温空気通気処理(または、高温減圧脱気処理)
を経て、フッ化カルシウムを回収するのである。尚、8
は通気のためのブロアであり、9は散気管である。
【0008】一方、有機物を含むフッ素排水を処理する
排水処理装置として、図10に示すようなものがある。
この排水処理装置では、充填材としての炭酸カルシウム
鉱物を強く流動させたり弱く流動させたりして、化学反
応と好気性微生物による生物反応とを巧みに利用して、
被処理水中のフッ素と有機物の両方を除去するものであ
る。尚、11は第1水槽、12は第2水槽(沈殿槽)、1
3は第3水槽(汚泥濃縮槽)、14はポリ酸化アルミニウ
ムタンク、15,16はかき寄せ機、17〜19はブロ
ア、20はラインミキサ、21はディフューザ、22,
23は散気管である。また、24a〜24cは炭酸カルシ
ウム鉱物、25は無機汚泥、26は微生物汚泥である。
【0009】また、図11に示す排水処理装置は、炭酸
カルシウム鉱物を利用して有機物含有フッ素排水を処理
するものである。この排水処理装置では、上記炭酸カル
シウム鉱物は総て固定状態で使用するようになってい
る。したがって、排水中のフッ素とカルシウムとが反応
してできるフッ化カルシウムが、固定状態の炭酸カルシ
ウム鉱物の間に残存して、長期間塊として存在すること
になる。そして、その塊は次第に大きくなって槽内全体
に広がってしまい、結果として処理効率が低下すること
になる。尚、31は第1反応調整槽、32は第2反応調
整槽、33は第3水槽(反応凝集槽)、34は第4水槽
(沈殿槽)、35は第5水槽(汚泥濃縮槽)、36はフィル
タープレス、37,38は散水管、39〜41はブロ
ア、42,43は散気管、44,45はかき寄せ機であ
る。また、46は炭酸カルシウム鉱物、47は木炭、4
8はプラスチック製充填物である。
【0010】一方、排水中の過酸化水素を除去する過酸
化水素除去装置として、図12に示すような、粒状活性
炭を触媒として用いるものがある。この過酸化水素除去
装置は、処理槽51内に触媒部52と沈降部53とを有
している。そして、動作時には、予め触媒部52内に槽
有効容量の1%〜35%の割合で粒状活性炭を充填す
る。そして、供給口54から処理槽51内に過酸化水素
含有排水を導入する。そうすると、この過酸化水素含有
排水は触媒部52内に侵入してやがて触媒部52内を満
たす。一方、水平供給口55からも触媒部52内に過酸
化水素含有排水を導入する。その結果、触媒部52内に
渦巻き流が生じ、粒状活性炭と過酸化水素含有排水とが
接触して活性炭の触媒作用で水と酸素とに分解される。
【0011】上記分解処理後の排水は、上記触媒部52
からオーバーフローして沈降部53に流れ込み、排出口
56から排出される。その場合に、触媒部52から排水
と共に沈降部53に流れ込んだ粒状活性炭は、沈降部5
3内でしばらく滞留して沈殿し、開口57から触媒部5
2内に戻される。したがって、沈降部53の排出口56
からは上澄み水のみが排出される。
【0012】この種の過酸化水素除去装置は、半導体工
場の生産室から、過酸化水素排水が単独で排出される場
合の過酸化水素除去装置として用いられる。また、生産
室から、過酸化水素排水にリン含有フッ素排水が混合さ
れて排出される場合には、以下に示すように、リン含有
フッ素排水除去装置の前段に用いられる。混合排水 →
活性炭による過酸化水素除去装置 →消石灰と凝集剤に
よるリン含有フッ素排水除去装置 → 処理後の排水
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
に、集積回路を製造する一般の半導体工場において排出
されるフッ素含有排水には、過酸化水素やリンが混入し
ている。また、界面活性剤,アルコール,IPA(イソプ
ロピルアルコール)あるいはアセトン等の有機物が混入
する場合もある。そのうち、IPAやアセトンは単独で
排出される場合もある。尚、上記混入の理由としては、
半導体の製造工程においてフッ酸,過酸化水素,リン酸,
IPAおよびアセトン等を使用することは一般的であ
り、其れらの薬品は同一処理のクリーンベンチ内で取り
扱うことも多く、上記薬品が排水量の比較的多いフッ素
含有排水に混入することが上げられる。
【0014】上述したように、過酸化水素とリンとが混
入したフッ素含有排水の排水の処理方法として、消石灰
と凝集剤を添加してフッ素とリンを中和する方法が最も
一般的である。しかしながら、この消石灰等によるフッ
素とリンとの中和処理では、被処理水中のフッ素濃度を
一桁まで下げる場合には、過剰の消石灰や凝集剤を投入
しないと目的とするフッ素濃度に至らず、結果として未
反応の消石灰が沈殿槽に流入して汚泥の発生量が多くな
る。したがって、消石灰の過剰添加によって汚泥の発生
量が多くなると共にコストアップになるという問題があ
る。さらに、消石灰の過剰添加に加えて過酸化水素処理
時に重亜硫酸ソーダが添加されるので処理水の導電率が
高くなってしまう。したがって、得られる処理水は超純
水の製造に再利用することができないという問題もあ
る。
【0015】そこで、フッ素含有排水を処理する際の発
生汚泥量を低減する方法として、上述のごとく、炭酸カ
ルシウムを用いてフッ素をフッ化カルシウムとして除去
する方法が開発されている。さらに、その発展方法とし
て、上述のごとく、炭酸カルシウム鉱物を用い、化学反
応と微生物による生物反応とを利用して被処理水中のフ
ッ素と有機物とを除去する方法が開発されている。しか
しながら、前者では、フッ素と同時に、過酸化水素,リ
ンおよび有機物を除去することはできない。また、後者
では、過酸化水素とリンを処理することはできないとい
う問題がある。
【0016】また、排水中の過酸化水素を除去する装置
として、図12に示す過酸化水素除去装置がある。しか
しながら、この過酸化水素除去装置では、活性炭の触媒
や薬品による処理を利用して過酸化水素を除去している
ために、ランニングコストやイニシャルコストが掛かる
という問題がある。また、この過酸化水素除去装置で
は、フッ素とリンと有機物とを除去することはできな
い。
【0017】尚、上述したように、上記過酸化水素除去
装置をリン含有フッ素排水除去装置の前段に用いて、過
酸化水素排水にリン含有フッ素排水が混合された排水を
処理することができる。ところが、この2段処理には、
以下のような問題がある。
【0018】すなわち、一般の半導体工場では有機物含
有フッ素排水の量は比較的多い、そこで、前段に設置さ
れる活性炭や木炭等(コストが大きい)を触媒とする過酸
化水素処理装置内の滞留時間を1時間としても滞留水量
は大きくなり、過酸化水素処理装置が大きくなって触媒
としての活性炭や炭やその他の薬品の量も多くなり、イ
ニシャルコストが莫大になる。また、大きな設置面積が
必要となる。
【0019】また、上述のごとく過酸化水素処理装置内
の滞留水量が大きいために、過酸化水素処理装置内にお
ける水位変動も大きい。そして、活性炭の比重が1に近
いために大きな水位変動のあおりを受けて、一部の活性
炭が流れ出して後段のリン含有フッ素排水除去装置に流
れ込む場合が生ずる。その場合、リン含有フッ素排水除
去装置の炭酸カルシウム鉱物充填槽内で生成されたフッ
化カルシウムに活性炭が付着し、フッ化カルシウムが炭
酸カルシウム鉱物充填槽から後段に流出しなくなってし
まう。こうして、活性炭が付着したフッ化カルシウムが
次第に堆積していくと炭酸カルシウム充填槽内の処理効
率が低下することになる。
【0020】尚、上記リン含有フッ素排水除去装置の前
段として、重亜硫酸ソーダ等の還元剤を用いて過酸化水
素を処理する装置を設置することも考えられる。しかし
ながら、この場合も、処理排水量が大きいことからラン
ニングコストが莫大になる。また、大きな設置面積が必
要となる。
【0021】上述のリン含有フッ素排水除去装置の前段
に過酸化水素除去装置を設置する場合の問題は、例え
ば、図8に示すフッ素除去装置の炭酸カルシウム充填槽
1に炭酸カルシウムに変えて活性炭や木炭を充填して、
過酸化水素とフッ素とを連続的に処理する場合にも当て
はまる。
【0022】そこで、この発明の目的は、過酸化水素,
リン含有フッ素排水と有機物含有排水とを効率よく低コ
ストで同時に処理できる排水処理方法、および、排水処
理装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明の排水処理方法は、曝気手段に
よる曝気によって反応性充填物が被処理水中で流動して
いる処理槽の下部から過酸化水素・リン含有フッ素排水
を導入する一方,上記処理槽の上部から有機物含有排水
を導入して,上記反応性充填物による化学処理によって
フッ素を処理する一方,上記化学処理による生成物に繁
殖した好気性微生物によって有機物を生物処理する第1
工程と、上記第1工程後,上記被処理水を無曝気状態の
反応凝集槽に導入る第2工程と、上記第2工程後,上
記被処理水を沈殿槽に導入して上澄み液と汚泥とに分離
し,分離した汚泥を上記反応凝集槽に返送する第3工程
を備えて、上記返送された汚泥中に繁殖している嫌気性
微生物によって,上記反応凝集槽内において過酸化水素
を処理することを特徴としている。
【0024】上記構成によれば、第1工程において、反
応性充填物による化学処理によってフッ素が処理される
一方、上記化学処理による生成物に繁殖した好気性微生
物によって有機物が生物処理される。さらに、第2工程
において、無曝気状態の反応凝集槽に導入された被処理
水中の過酸化水素が、第3工程で沈殿槽から返送された
汚泥中の嫌気性微生物によって処理される。こうして、
過酸化水素,リン含有フッ素排水と有機物含有排水とが
同時に処理されて、被処理水中のフッ素,過酸化水素お
よび有機物が連続的に処理されて除去される。
【0025】また、請求項2に係る発明の排水処理方法
は、請求項1に係る発明の排水処理方法において、上記
第2工程は、上記第1工程による処理水を無曝気状態の
反応凝集槽に導入し,無機凝集剤と高分子凝集剤を添加
して上記無機凝集剤による化学処理によってリンを処理
した後に,上記化学処理による生成物を凝集させる工程
を備えたことを特徴としている。
【0026】上記構成によれば、請求項1に係る発明の
排水処理方法の上記第2工程において、添加された無機
凝集剤による化学処理によってリンが処理される。そう
した後に、上記化学処理による生成物が凝集される。こ
うして、被処理水中のフッ素,リン,過酸化水素および有
機物が連続的に処理されて除去される。
【0027】また、請求項3に係る発明は、請求項1ま
たは請求項2に係る発明の排水処理方法において、上記
反応性充填物は炭酸カルシウム鉱物であり、上記無機凝
集剤は消石灰であることを特徴としている。
【0028】上記構成によれば、上記過酸化水素,リン
含有フッ素排水中のフッ素が炭酸カルシウム鉱物と反応
してフッ化カルシウムとなる。また、繁殖した好気性微
生物が上記フッ化カルシウムに包括固定されて、酸化剤
としての上記過酸化水素によって死滅させられないよう
に保護される。こうして、上記保護された好気性微生物
によって上記有機物含有排水中の有機物が効果的に分解
処理される。そして、上記酸化水素,リン含有フッ素排
水中のリンは、添加された消石灰によってリン酸カルシ
ウムとして凝集沈殿される。同時に、残留フッ素が上記
消石灰によって高度処理される。このように、上記フッ
素の処理に消石灰を使用しないようにして汚泥の大量発
生が押さえられる。
【0029】また、請求項4に係る発明は、請求項3
係る発明の排水処理方法において、上記返送される汚泥
は、嫌気性微生物を主体とする生物汚泥とフッ化カルシ
ウムおよび上記消石灰を主体とする無機汚泥との混合汚
泥であることを特徴としている。
【0030】上記構成によれば、上記沈殿槽から返送さ
れる生物汚泥中の嫌気性微生物は、無機汚泥中のフッ化
カルシウムに包括固定されて、酸化剤としての上記過酸
化水素によって死滅させられないように保護されてい
る。したがって、この生物汚泥と無機汚泥との混合汚泥
が上記反応凝集槽に返送された場合に、この反応凝集槽
内における上記過酸化水素の分解処理が効果的に行われ
る。
【0031】また、請求項5に係る発明の排水処理装置
は、曝気手段を有すると共に,反応性充填物が充填され
て,上記曝気手段による曝気によって上記反応性充填物
が流動状態になっており,下部から過酸化水素・リン含有
フッ素排水が導入される一方,上部から有機物含有排水
が導入されて,上記反応性充填物による化学処理によっ
てフッ素を処理する一方,上記化学処理による生成物に
繁殖した好気性微生物によって有機物を生物処理する処
理槽と、上記処理槽からの被処理水が導入される無曝気
状態の反応凝集槽と、被処理水が導入されて,導入され
た被処理水中の汚泥を沈殿させて分離する沈殿槽と、上
記沈殿槽において沈殿分離された汚泥を上記反応凝集槽
に返送する汚泥返送手段を備えて、上記返送された汚泥
中に繁殖している嫌気性微生物によって、上記反応凝集
槽内において過酸化水素を処理することを特徴としてい
る。
【0032】上記構成によれば、処理槽において、反応
性充填物による化学処理によって、過酸化水素,リン含
有フッ素排水中のフッ素が処理される。一方、上記化学
処理による生成物に繁殖した好気性微生物によって、有
機物含有排水中の有機物が生物処理される。更に、反応
凝集槽において、沈殿槽から汚泥返送手段によって返送
された汚泥中の嫌気性微生物によって、上記過酸化水
素,リン含有フッ素排水中の過酸化水素が処理される。
こうして、過酸化水素,リン含有フッ素排水と有機物含
有排水とが同時に処理されて、被処理水中のフッ素,過
酸化水素および有機物が連続的に処理されて除去され
る。
【0033】また、請求項6に係る発明は、請求項5に
係る発明の排水処理装置において、上記反応凝集槽は、
上記処理槽からの被処理水が導入されると共に、無機凝
集剤および高分子凝集剤が添加されて、上記無機凝集剤
による化学処理によってリンを処理し、上記化学処理に
よる生成物を反応凝集させる無曝気状態の反応凝集槽で
あることを特徴としている。
【0034】上記構成によれば、上記反応凝集槽におい
て、添加された無機凝集剤による化学処理によって上記
過酸化水素,リン含有フッ素排水中のリンが処理され
る。こうして、被処理水中のフッ素,リン,過酸化水素お
よび有機物が連続的に処理されて除去される。
【0035】また、請求項7に係る発明は、請求項5ま
たは請求項6に係る発明の排水処理装置において、上記
反応性充填物は炭酸カルシウム鉱物であり、上記無機凝
集剤は消石灰であることを特徴としている。
【0036】上記構成によれば、上記過酸化水素,リン
含有フッ素排水中のフッ素が炭酸カルシウム鉱物と反応
してフッ化カルシウムとなる。また、繁殖した好気性微
生物が上記フッ化カルシウムに包括固定されて、酸化剤
としての上記過酸化水素によって死滅させられないよう
に保護される。こうして、上記保護された好気性微生物
によって上記有機物含有排水中の有機物が効果的に分解
処理される。さらに、上記過酸化水素,リン含有フッ素
排水中のリンは、消石灰によってリン酸カルシウムとし
て凝集沈殿される。同時に、残留フッ素が上記消石灰に
よって高度処理される。このように、上記フッ素の処理
に消石灰を使用しないようにして、汚泥の大量発生が押
さえられる。
【0037】また、請求項8に係る発明は、請求項7
係る発明の排水処理装置において、上記返送される汚泥
は、上記嫌気性微生物を主体とする生物汚泥とフッ化カ
ルシウムおよび上記消石灰を主体とする無機汚泥との混
合汚泥であることを特徴としている。
【0038】上記構成によれば、上記沈殿槽から返送さ
れる生物汚泥中の嫌気性微生物は、無機汚泥中のフッ化
カルシウムに包括固定されて、酸化剤としての上記過酸
化水素によって死滅させられないように保護されてい
る。したがって、この生物汚泥と無機汚泥との混合汚泥
が上記反応凝集槽に返送された場合に、この反応凝集槽
内における上記過酸化水素の分解処理が効果的に行われ
る。
【0039】また、請求項9に係る発明は、請求項5ま
たは請求項6に係る発明の排水処理装置において、上記
処理槽には、上記反応性充填物が流動している被処理水
から上記反応性充填物を分離する分離室が設けられてい
ることを特徴としている。
【0040】上記構成によれば、上記曝気手段による曝
気によって流動している比重の大きい上記反応性充填物
と、この反応性充填物による化学処理によって生成され
た比重の小さい反応生成物および好気性微生物による生
物処理によって生成された比重の小さい微生物汚泥と
が、上記処理槽に設けられた分離室によって物理的に分
離される。こうして、未反応の反応性充填物は、比重が
大きいので被処理水と共に次段の反応凝集槽に導入され
ることなく上記処理槽内に滞留し続ける。
【0041】また、請求項10に係る発明は、請求項5
または請求項6に係る発明の排水処理装置において、上
記沈殿槽に設けられると共に、上記沈殿槽内における垂
直方向への水流を遮るように傾斜している傾斜板を備え
たことを特徴としている。
【0042】上記構成によれば、上記傾斜板によって上
記汚泥の沈殿が促進される。また、上記傾斜板全体に上
記嫌気性微生物が付着固定化されて、被処理水中の残留
過酸化水素および残留有機物が高度処理される。
【0043】また、請求項11に係る発明は、請求項5
または請求項6に係る発明の排水処理装置において、上
記沈殿槽に設置されると共に,上記沈殿槽内の被処理水
のフッ素濃度を計測し,この計測したフッ素濃度を表す
信号を出力するフッ素濃度計と、上記フッ素濃度計から
の信号に基づいて,上記反応凝集槽への上記無機凝集剤
の添加量を制御する添加制御手段を備えたことを特徴と
している。
【0044】上記構成によれば、上記沈殿槽内の被処理
水のフッ素濃度に応じて、上記反応凝集槽での残留フッ
素の高度処理に必要な量の上記無機凝集剤が上記反応槽
に添加される。こうして、必要最小限の無機凝集剤で残
留フッ素の高度処理が行われて、ランニングコストの低
減と発生汚泥量の低減とが図られる。
【0045】また、請求項12に係る発明は、請求項5
または請求項6に係る発明の排水処理装置において、上
記沈殿槽に設置されると共に,上記沈殿槽内の被処理水
の過酸化水素濃度を計測し,この計測した過酸化水素濃
度を表す信号を出力する過酸化水素濃度計測手段と、上
記過酸化水素濃度計測手段からの信号に基づいて,上記
処理槽への上記有機物含有排水の導入量を制御する有機
物含有排水導入制御手段を備えたことを特徴としてい
る。
【0046】上記構成によれば、上記沈殿槽内の被処理
水の過酸化水素濃度に応じて上記処理槽への有機物含有
排水の導入量が制御されて、上記処理槽内の有機物の量
が制御される。その結果、上記沈殿槽内の嫌気性微生物
の量が制御されて、上記沈殿槽内の被処理水が所定の過
酸化水素濃度になるように制御される。
【0047】また、請求項13に係る発明は、請求項5
または請求項6に係る発明の排水処理装置において、上
記沈殿槽において沈殿分離された汚泥が導入されて,こ
の汚泥中に繁殖している嫌気性微生物を濃縮培養する濃
縮嫌気性微生物培養槽と、上記濃縮嫌気性微生物培養槽
において嫌気性微生物が濃縮培養された濃縮汚泥を上記
反応凝集槽に返送する濃縮汚泥返送手段と、上記沈殿槽
に設置されると共に,上記沈殿槽内の被処理水の過酸化
水素濃度を計測し,この計測した過酸化水素濃度を表す
信号を出力する過酸化水素濃度計測手段と、上記過酸化
水素計測手段からの信号に基づいて,上記反応凝集槽へ
の上記濃縮汚泥の返送量を制御する汚泥返送制御手段を
備えたことを特徴としている。
【0048】上記構成によれば、上記沈殿槽内の被処理
水の過酸化水素濃度に応じて、濃縮嫌気性微生物培養槽
から上記反応凝集槽への濃縮汚泥の返送量が制御され
て、上記沈殿槽内の被処理水が所定の過酸化水素濃度に
なるように制御される。
【0049】また、請求項14に係る発明は、請求項5
または請求項6に係る発明の排水処理装置において、上
記沈殿槽からの被処理水が導入されて,上記被処理水を
濾過する濾過装置と、上記濾過装置からの被処理水が導
入されて上記被処理水中のカルシウムイオン等を除去す
る軟水装置と、上記軟水装置からの被処理水が導入され
て上記被処理水中の残留イオン,残留有機物および微生
物等を除去する逆浸透膜装置と、上記逆浸透膜装置から
の処理水が導入されて超純水を製造する超純水製造装置
を備えたことを特徴としている。
【0050】上記構成によれば、多量の消石灰および凝
集剤によらずに上記過酸化水素,リン含有フッ素排水中
のフッ素が処理される。したがって、上記沈殿槽におい
て汚泥が沈殿分離された上澄みの処理水の導電率は70
0μs/cm以下になる。そのために、その処理水が、濾過
装置,軟水装置および逆浸透膜装置を順次透過すること
によって、超純水製造装置による超純水の製造が可能な
水質の処理水が得られる。
【0051】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図示の実施の形
態により詳細に説明する。 <第1実施の形態> 図1は、本実施の形態の排水処理装置における構成図で
ある。この排水処理装置は、過酸化水素,リン含有フッ
素排水と有機物含有排水とを同時に処理するものであ
り、排水中の過酸化水素,リン,フッ素および有機物を1
つの系列で巧みに且つ合理的に処理できる。
【0052】この排水処理装置は、上記過酸化水素,リ
ン含有フッ素排水が導入貯留される第1水槽61、有機
物含有排水が導入貯留される第2水槽62、過酸化水
素,リン含有フッ素排水と有機物含有排水とを炭酸カル
シウム鉱物によって同時に処理する第3水槽63、第3
水槽63からの被処理水を消石灰と反応させる第4水槽
64、第4水槽64からの被処理水中の反応生成物を凝
集する凝集槽としての第5水槽65、第5水槽65から
の被処理水中の凝集物を沈殿させる沈殿槽としての第6
水槽66、第6水槽66で沈降した汚泥中の微生物を濃
縮培養する第7水槽67の各水槽を有している。そし
て、上記7つの水槽61〜67と、消石灰タンク68
と、高分子凝集剤タンク69と、フィルタープレス70
によって概略構成されている。
【0053】上記第1水槽61には、工場の生産設備よ
り配管を通して過酸化水素,リン含有フッ素排水が導入
されて貯留される。同様に、第2水槽62には、生産設
備からの有機物含有排水が導入されて貯留される。そし
て、第1水槽61内の過酸化水素,リン含有フッ素排水
は、第1ポンプ71によって、第3水槽63の底部に配
設された導入管72を介して第3水槽63内に導入され
る。また、第3水槽63には、第2水槽62内の有機物
含有排水が、第2ポンプ73によって導入される。この
ように、第1水槽61と第2水槽62とに区分すること
によって、目的に応じて、過酸化水素,リン含有フッ素
排水と有機物含有排水との導入量を調整することができ
るのである。
【0054】上記第3水槽63は、上槽63aと下槽6
3bとで構成されている。下槽63bの底部にはブロア7
4に接続された散気管75が配設されており、下槽63
b内には炭酸カルシウム鉱物76が充填されている。そ
して、上述のように、第3水槽63の下槽63bに導入
された過酸化水素,リン含有フッ素排水中のフッ素は、
炭酸カルシウム鉱物76と反応して細かいフッ化カルシ
ウム77のフロックとなる。
【0055】こうして、上記フッ素が処理された過酸化
水素,リンおよび有機物を含有した被処理水は、下槽6
3bから上槽63aにゆっくり導入される。そして、生成
されたフッ化カルシウム77を含む被処理水が散気管7
5からの空気によって曝気撹拌されることによって好気
性の微生物が繁殖し、この好気性微生物による生物処理
によって被処理水中の有機物が処理される。上槽63a
は、上方が開口しており、一側には、分離壁78で仕切
られて炭酸カルシウム鉱物76とフッ化カルシウム77
とを分離する分離室79が設けられている。この分離室
79の下部は傾斜壁80によって上槽63aに連通され
ている。
【0056】上記分離室79の目的は、下記のとおりで
ある。 生成された比重の小さいフッ化カルシウム7
7と未反応の比重の大きい炭酸カルシウム鉱物76と
を、比重差を利用して分離する。 繁殖した好気性微
生物の生物処理によって生成された比重の小さい微生物
汚泥100と、比重の大きい炭酸カルシウム鉱物76と
を分離する。
【0057】上記分離室79は、流出管81によって上
記第4水槽64の上部に接続されている。第4水槽64
は反応槽であり、消石灰タンク68内の消石灰がポンプ
82および電磁弁83が介設されたループ配管84を介
して供給される。そして、供給された消石灰は被処理水
中のリンと反応してリン酸カルシウムを生成する。ま
た、第4水槽64内では、嫌気性の微生物によって被処
理水中の過酸化水素が処理される。85は撹拌機であ
る。反応槽である第4水槽64からの被処理水は、凝集
槽である第5水槽65に流入する。第5水槽65には、
高分子凝集剤タンク69内の高分子凝集剤がポンプ86
によって供給される。87は撹拌機である。
【0058】上記第5水槽65は、流出管88によって
上記第6水槽66の上部に接続されている。凝集槽であ
る第5水槽65で凝集された被処理水は、流出管88に
よって沈殿槽である第6水槽66に導入される。第6水
槽66にはかき寄せ機89が設置されており、沈降した
汚泥を底部の中心にかき寄せるようになっている。そし
て、汚泥と分離された処理水が、この排水処理装置によ
る最終的な処理水として取り出される。また、第6水槽
66にはフッ素濃度計90および上記過酸化水素濃度計
測手段として機能する酸化還元電位計91が設置されて
いる。そして、フッ素濃度計90からの信号によってル
ープ配管84に介設された電磁弁83の開度が制御され
て、第4水槽64への消石灰の供給量が制御されるよう
になっている。
【0059】上記第6水槽66の底部に溜まった汚泥
は、底に設けられた汚泥配管92を通って、濃縮嫌気微
生物培養槽である第7水槽67に導入される。この第7
水槽67において嫌気性微生物が濃縮培養された濃縮汚
泥は、かき寄せ機93によって底部の中心にかき寄せら
れて、底に設けられた汚泥配管94を通って、ポンプ9
5によって脱水機の一種であるフィルタープレス70に
圧送される。そして、フィルタープレス70によって脱
水される。尚、第7水槽67からの汚泥配管94にはポ
ンプ98が介設された汚泥返送管99の一端が接続され
て、反応槽である第4水槽64に濃縮汚泥を返送できる
ようにしている。また、第6水槽66からの汚泥配管9
2と汚泥返送管99とを、ポンプ97が介設された汚泥
返送管96で連通して、第6水槽66の汚泥を第4水槽
64に返送できるようにしている。そして、濃縮汚泥返
送用のポンプ98は、第3水槽63への有機物含有排水
導入用の第2ポンプ73と共に、酸化還元電位計91か
らの信号によって吐出量がインバータ制御されるように
している。こうして、嫌気性微生物が濃縮培養された汚
泥を反応槽に返送することによって、反応槽における嫌
気性微生物による過酸化水素の処理を効率よく行わせる
のである。
【0060】すなわち、本実施の形態における排水処理
装置では、上記第3水槽63に炭酸カルシウム鉱物76
を充填してカルシウム源とし、被処理水中のフッ素とカ
ルシウムとを反応させる。そして、生成されたフッ化カ
ルシウム77を含む被処理水を曝気撹拌することによっ
て好気性の微生物を繁殖させて有機物の処理を行う。そ
うした後、第4水槽64において、第6水槽66又は第
7水槽67からの返送汚泥中の嫌気性微生物による過酸
化水素の処理と、新たに少量添加された消石灰によるリ
ンの処理および既に第3水槽63で1次処理が行われて
いるフッ素の2次処理(高度処理)とを行う。そして、次
の第5水槽65においてフロックを凝集させ、第6水槽
66において沈殿分離して上澄み液を処理水として排出
するのである。
【0061】上記構成の排水処理装置は、次のように動
作する。先ず、上記第1ポンプ71が駆動されて、流入
管72から第3水槽63の下槽63bに過酸化水素,リン
含有フッ素排水が水平方向に均等に流入され、炭酸カル
シウム鉱物76と反応してフッ化カルシウム77が生成
される。その場合に、散気管75から曝気空気が下槽6
3b内に均等に吐出されて、上記反応が撹拌促進され
る。
【0062】上記炭酸カルシウム鉱物76の直径は0.
5mm程度であり、多量に充填されている。そして、酸性
の被処理水によって炭酸カルシウム鉱物76の表面を溶
解してカルシウムイオンを溶出させながら、この溶出さ
れたカルシウムイオンと被処理水中のフッ素とが化学反
応を起こしてフッ化カルシウム77が生成されるのであ
る。
【0063】上記流入管72からの被処理水は、散気管
75から吐出される空気と混合されて上槽73aに向か
って上昇して行く。こうして、上槽63a内に曝気空気
が導入され、この曝気空気によって上槽63a内の被処
理水が撹拌されると同時に炭酸カルシウム鉱物76が流
動する。したがって、炭酸カルシウム鉱物76は被処理
水と盛んに接触することができ、被処理水中のフッ素と
の化学反応が促進されてフッ素の処理が確実となる。ま
た、流動している炭酸カルシウム鉱物76の表面に微生
物が発生する場合がある。この場合には、上記曝気空気
によって微生物が剥離されて微生物汚泥100となる。
したがって、炭酸カルシウム鉱物76と被処理水とは流
動状態で十分に接触反応するのである。
【0064】一方、上記下槽63b内の炭酸カルシウム
鉱物76も散気管75から吐出される空気によって流動
する。その場合の下槽63b内の炭酸カルシウム鉱物7
6の流動は、炭酸カルシウム鉱物76の比重が2.7と
重く、多量に充填されいるので、上槽63aにおける流
動よりは弱い。ところが、下槽63bには炭酸カルシウ
ム鉱物76が多量に存在しており、被処理水のPHが低
いために炭酸カルシウム鉱物76からカルシウムイオン
が多量に溶出しているので、流動は弱いものの、被処理
水中のフッ素と炭酸カルシウム鉱物76中のカルシウム
イオンとは確実に反応することができるのである。
【0065】こうして生成されたフッ化カルシウム77
の比重は炭酸カルシウム鉱物76の比重(2.7)よりも
小さい、したがって、分離壁78の下を通って分離室7
9内に侵入したフッ化カルシウム77は、分離室79の
上層から流出管81を通って無機汚泥となって第4水槽
64に流れ込むことになる。これに対して、比重の大き
い炭酸カルシウム鉱物76は、分離室79内に侵入して
も傾斜壁80上をゆっくり降下して下槽63bに戻って
行くのである。
【0066】ここで、上記炭酸カルシウム鉱物76の充
填量は、被処理水中のフッ素濃度によっても異なるが、
第3水槽63の全体容積の約50%以下を目安にする。
そして、被処理水を導入してから1カ月以上維持できる
ように設定する。こうすることによって、炭酸カルシウ
ム鉱物76の補給頻度を少なくして、メンテナンスコス
トを低減できるのである。その場合における1日当たり
の炭酸カルシウム鉱物76からのカルシウムイオンの消
費量は、1日当たり流入する被処理水中のフッ素イオン
や硫酸イオン等の酸性成分の全量を中和する分の量であ
る。尚、本実施の形態においては、上述のように、1カ
月以上維持できるように多量の炭酸カルシウム鉱物76
が充填されている。したがって、被処理排水の酸性の度
合いが変動しても、その変動を十分に吸収することがで
きる。
【0067】上記フッ化カルシウム77は、蛍石として
天然に存在する物質である。したがって、フッ化カルシ
ウム77には微生物が繁殖しやすい。また、フッ化カル
シウム77はフロック状を呈するので微生物を包み込む
(所謂、包括固定する)性質を有しており、被処理水中に
殺菌性を有する過酸化水素が存在しても微生物は繁殖可
能なのである。尚、微生物を包括固定したフッ化カルシ
ウム77は有機物に対して透過性を有している。したが
って、有機物は包括固定されている好気性微生物によっ
て効果的に処理される。
【0068】上記散気管75から吐出させる空気量は、
上記上槽63aの容積1m3に付き、1日当たり80m3
以上に設定することが望ましい。上記空気の吐出量が極
端に少ない場合には、比重が2.7と重い炭酸カルシウ
ム鉱物76を確実に流動状態にすることができないので
ある。
【0069】上記被処理水は、上記流入管72から下槽
63bに導入されて主に下槽63b内で炭酸カルシウム鉱
物76と十分に反応している。したがって、上槽63a
における被処理水は十分中和された状態になっている。
また、上槽63aは、上述のように曝気状態にあるため
に十分好気性が維持されている。そして、上述のよう
に、殺菌性を有する過酸化水素が存在するものの、生成
されたフッ化カルシウム77が微生物を包括固定する。
したがって、好気性の微生物は、被処理水中の有機物を
栄養源として繁殖でき、結果的に被処理水中の有機物が
処理される。尚、好気性微生物をより繁殖させたい場合
には、第2水槽62から導入される有機物含有排水の水
量を増加させればよい。
【0070】上記下槽63bから上槽63a側に向かう被
処理水の上昇速度は、第3水槽63に充填される炭酸カ
ルシウム鉱物76の量および過酸化水素,リン含有フッ
素排水の水質によって決定され、1時間当たり1mを基
準とすればよい。この上昇速度は、通常の水処理におけ
る活性炭吸着塔での上昇速度と同程度である。
【0071】上述のように、上記上槽63aでは、散気
管75による曝気によって炭酸カルシウム鉱物76が効
率良く流動されて撹拌されている。そして、分離室79
に入った比重2.7の炭酸カルシウム鉱物76は、傾斜
壁80に沿って下槽63bに戻る。こうして、下槽63b
に戻った炭酸カルシウム鉱物76は、再び曝気の気泡と
共に上槽63aに向かって上昇することになる。このよ
うに、炭酸カルシウム鉱物76は、第3水槽63内を何
度となく循環移動して効率良く被処理水中のフッ素と反
応するのである。
【0072】ところで、本実施の形態においては、充填
する炭酸カルシウム鉱物76の粒径を0.5mm以下にし
ている。したがって、表面積を広くしてフッ素との反応
を効率良くできる。また、炭酸カルシウム鉱物76の粒
径を0.5mm以下にすることによって、上槽63aで散気
管75による曝気との平衡関係を維持し易い。したがっ
て、第3水槽63内は、広い範囲にわたって炭酸カルシ
ウム鉱物76の流動状態が形成される。ここで、上記平
衡関係とは、炭酸カルシウム鉱物76が速やかに沈降せ
ずに、曝気によって流動状態が常に維持されている状態
を言う。
【0073】上記炭酸カルシウム鉱物76が第3水槽6
3の上槽63aと下槽63bに貯留される量(この貯留量
によって炭酸カルシウム鉱物76の濃度が決まる)は、
被処理水中のフッ素流入濃度によって決定すべきであ
る。また、被処理水の滞留時間はフッ素流入濃度によっ
て決定すべきである。本実施の形態では、フッ素濃度が
30ppm〜300ppm程度の場合には、安全係数も含め
て、上槽63aにおける滞留時間を1時間以上にし、下
槽63bにおける滞留時間を1時間以上にする。すなわ
ち、分離室79を除く第3水槽63での滞留時間を合計
で2時間以上にする。
【0074】以上の如く、0.5mm以下の粒径の炭酸カ
ルシウム鉱物76を選定し、且つ、被処理水の第3水槽
63内での滞留時間を2時間以上に設定することによっ
て、被処理水中のフッ素を確実に処理することができる
のである。
【0075】上記炭酸カルシウム鉱物76は一般に市販
されているので、市販品を採用することが最も経済的で
ある。市販の炭酸カルシウム鉱物は、粒径1mmや0.5m
m程度が最も安価であり、粒径が大きくなるにしたがっ
て単価が上昇する。したがって、反応効率やコストを考
えると、炭酸カルシウム鉱物76の粒径は2mm以下にす
るのが好ましい。水質によっても異なるが、粒径を2mm
より大きくすると第3水槽63での反応時間を6時間以
上にする必要があることもあり、第3水槽63が大きく
なって槽のイニシャルコストが増大してしまうのであ
る。
【0076】上述のようにして、上記分離壁78の下を
通って曝気されていない分離室79内に侵入したフッ化
カルシウム77からなる無機汚泥と微生物汚泥100
は、比重が1に近いことから炭酸カルシウム鉱物76か
ら分離されて分離室79から流れ出して第4水槽64に
流入する。
【0077】上記第4水槽64は反応槽であり、消石灰
タンク68から添加された消石灰に由来するカルシウム
と被処理水中のリンと結合してリン酸カルシウムとして
処理される。また、被処理水中に残存しているフッ素が
フッ化カルシウムとなって、第3水槽63における処理
に続いて消石灰にフッ素の高度処理が行われる。
【0078】上記消石灰はスラリー状態で添加されるの
で、大部分の消石灰は第4水槽64から流出して未反応
の消石灰となる。但し、その添加量は、既に炭酸カルシ
ウム鉱物76によるフッ素処理が行われた被処理水のP
Hを例えば「4」から「8」まで上昇させるのに必要な量で
よい。したがって、フッ素を消石灰のみで処理する従来
の排水処理方法に比較して、消石灰の添加量が格段に少
ない量で済む。また、上述したように、第4水槽64か
ら被処理水と共に流出した未反応の消石灰は、第6水槽
66から汚泥返送配管96,99によって汚泥と共に第
4水槽64に戻されて再利用される。こうして、消石灰
の使用を少なくして、汚泥の発生を極力少なくするよう
にしている。
【0079】尚、上記第6水槽66から汚泥返送配管9
6,99によって返送されてくる汚泥は、無機汚泥と微
生物汚泥との混合汚泥であり、微生物汚泥には、特に曝
気機能がない水槽(第4水槽64〜第6水槽66)を循環
しているので嫌気性微生物が繁殖している。この嫌気性
微生物が繁殖している理由には、次のような理由が考え
られる。
【0080】 被処理水中に微量の有機物が存在して
いる。この有機物としては、被処理水に含有されている
有機物の他に、第5水槽65で添加されて返送される高
分子凝集剤に由来する有機物も含まれる。 天然成分
であるフッ化カルシウムが汚泥中に存在している。
第3水槽63で好気性微生物が繁殖し、その好気性微生
物が第4水槽64に流入して酸素を消費するのでより嫌
気状態となって好気性微生物が死滅し、この死滅した微
生物を食べて嫌気性微生物が繁殖する。 曝気性の無
い水槽の容積が十分ある。
【0081】そして、上記嫌気性微生物は、一般に、被
処理水に対して脱窒素性を有すると共に還元性を有す
る。したがって、被処理水中の酸化剤としての過酸化水
素を分解処理することができる。
【0082】被処理水中のリンが消石灰由来のカルシウ
ムと反応してリン酸カルシウムになることは経験的に知
られている。ところが、被処理水中の混在している炭酸
カルシウム鉱物から溶出するカルシウムとは余り反応し
ない。このことは、実験によって判明した。
【0083】こうして、上記第4水槽64において、被
処理水中のリンと過酸化水素とが処理され、フッ素が高
度処理された被処理水は、凝集槽である第5水槽65に
流出する。
【0084】上記凝集槽としての第5水槽65には、高
分子凝集剤タンク69から高分子凝集剤が添加される。
そして、被処理水中の微細なフッ化カルシウムやリン酸
カルシウムが大きなフロックとなり、沈澱し易くなって
第6水槽66に流入する。
【0085】上記第6水槽66における沈澱時間は、3
時間以上に設定されている。この第6水槽66では、先
すぼみに形成された底部に沈降した無機汚泥(フッ化カ
ルシウムや未反応の消石灰)と微生物汚泥とが掻き寄せ
機89で掻き寄せられて、無機汚泥および微生物汚泥と
上澄み液とが分離される。そして、上澄み液は、処理水
として送り出される。
【0086】上記第6水槽66での滞留時間(沈澱時間)
は、第3水槽63の分離室79の滞留時間(0.5時間以
内)に比較して十分長いので、分離室79で沈降せずに
分離されなかったフッ化カルシウム77や微生物汚泥1
00、および、未反応の消石灰も沈降する。
【0087】こうして、上記第6水槽66において沈降
した無機汚泥と微生物汚泥は、第7水槽67に導入され
る。この第7水槽67は、濃縮嫌気性微生物培養槽であ
り、被処理汚泥は5時間以上滞留される。そして、フッ
化カルシウムや未反応の消石灰を中心とした無機汚泥と
微生物汚泥とが、無酸素状態すなわち嫌気状態で時間を
かけてゆっくりと濃縮培養される。こうして濃縮培養さ
れた無機汚泥と微生物汚泥とは、第4水槽64に返送す
る必要がない場合には、ポンプ95によってフィルター
プレス70に圧送されて脱水される。
【0088】上記フィルタープレス70は比較的脱水性
の強い脱水機であり、このフィルタープレス70によっ
て、含水率65%以下の脱水ケーキを得る。尚、フィル
タープレス70によって得られる汚泥量は、炭酸カルシ
ウム鉱物76を全く使用せずに消石灰および凝集剤を多
量に使用する従来の排水処理方法に比較して、汚泥量を
格段に少なくできるのである。
【0089】尚、上記濃縮嫌気性微生物培養槽としての
第7水槽67内の汚泥は、第3水槽63内の汚泥の色が
白色から灰色であるのに対して、被処理水中の硫酸イオ
ンに基づく硫酸還元菌の繁殖によって黒っぽい灰色を呈
し、且つ、嫌気性微生物特有の匂いを呈する。したがっ
て、汚泥の色と匂いとによって汚泥中に嫌気性の還元菌
が繁殖しているか否かを判断できる。そして、第6水槽
66の汚泥と第7水槽67の汚泥を比較すると、第7水
槽67の汚泥の方が黒っぽく臭気もある。したがって、
第6水槽66よりも第7水槽67の方で嫌気性が進んで
いることが分かる。但し、この汚泥の臭気は公害となる
ような臭気ではない。
【0090】ここで、本実施の形態においては、上記第
6水槽66にフッ素濃度計90を取り付けている。そし
て、第6水槽66内の被処理水のフッ素濃度が所定値よ
りも上昇すると、フッ素濃度計90からの信号に基づく
調節計(図示せず)の制御によって、消石灰タンク68か
ら第4水槽64に消石灰を供給するループ配管84に設
けられた電磁弁83の開度が大きくなって消石灰の供給
量が増大する。こうして、残留フッ素の高度処理を活発
にして被処理水のフッ素濃度を所定値まで低下させるの
である。
【0091】また、上記第6水槽66には、上記過酸化
水素濃度計測手段として機能する酸化還元電位計91が
取り付けられている。そして、この酸化還元電位計91
からの信号に基づいて、第7水槽67から第4水槽64
への汚泥返送配管99のポンプ98、及び、第2水槽6
2から有機物含有排水を第3水槽63に導入する第2ポ
ンプをインバータ制御している。したがって、沈殿槽と
しての第6水槽66での過酸化水素濃度に比例して、第
7水槽67から第4水槽64への還元性を有する微生物
汚泥の返送量が増加して、過酸化水素がより効果的に処
理されるのである。また、第2水槽62から、アルコー
ル,アセトン,IPA等の有機物が含有された排水が多く
第3水槽63に流入するので、有機物を栄養源に好気性
の微生物がより繁殖して酸素が多量に消費される。とこ
ろが、ブロア74の吐出量は一定であるから酸素が余分
に消費された分だけ第3水槽63内は嫌気性に近くな
る。すると、嫌気性の微生物が繁殖し易い状況になり、
第3水槽63から第4水槽64に被処理水が導入された
時点では、ポンプ98による還元性を有する微生物汚泥
の返送量が増加していることとの相乗効果で嫌気性微生
物が増加する。こうして、嫌気性微生物による還元が増
加して過酸化水素がより分解されるのである。
【0092】上述のように、本実施の形態における排水
処理装置によれば、上記第3水槽63においてフッ素処
理に使用する炭酸カルシウム鉱物76の補充頻度が少な
く、従来フッ素処理に使用した消石灰に比較して低価格
である。また、消石灰は、第4水槽64でリンを処理し
残留フッ素を高度処理するために少量添加されるのみで
ある。したがって、ランニングコストを従来よりも低く
できる。さらに、本実施の形態の排水処理装置では、ス
ラリー状である消石灰の取り扱い量が少なく、発生する
汚泥量も少ない。したがって、消石灰添加用のポンプ8
2やループ配管84、フィルタープレス70、第4水槽
64〜第7水槽67等に対するメンテナンスを、従来よ
りも少なくできる。
【0093】したがって、本排水処理装置は、上記過酸
化水素,リン含有フッ素排水と有機物含有排水とを、低
いランニングコストおよびメンテナンスコストで同時に
処理できるのである。
【0094】尚、本実施の形態においては、上記第3水
槽63の散気管75から吐出される空気量を、上槽63
aの容積1m3に付き1日当たり120m3にした場合に
は、通常のフッ素濃度の処理が可能になっている。した
がって、散気管75の吐出量を200m3以上にすれ
ば、炭酸カルシウム鉱物76と被処理水中のフッ素との
反応が促進されて、フッ素の除去率が高められる。
【0095】また、本実施の形態においては、上述のよ
うに、第7水槽67から第4水槽64への汚泥返送配管
99のポンプ98の吐出量を制御することによって、反
応槽である第4水槽64や凝集槽である第5水槽65に
繁殖する微生物の量を制御することができる。
【0096】図2(a)には、過酸化水素,リン,フッ素の
濃度が通常濃度の場合における各槽での処理タイミング
チャートを示す。また、図2(b)には、過酸化水素,リ
ン,フッ素の濃度が低濃度の場合における各槽での処理
タイミングチャートを示す。
【0097】<第2実施の形態> 図3は、本実施の形態の排水処理装置における構成図で
ある。この排水処理装置は、図1に示す第1実施の形態
の排水処理装置における第6水槽66から第4水槽64
への汚泥返送配管96およびポンプ97を除去した構成
を有している。
【0098】第1水槽101,第2水槽102,第3水槽
103,第4水槽104,第5水槽105,第6水槽10
6,第7水槽107,消石灰タンク108,高分子凝集剤
タンク109およびフィルタープレス110は、図1に
示す第1水槽61,第2水槽62,第3水槽63,第4水
槽64,第5水槽65,第6水槽66,第7水槽67,消石
灰タンク68,高分子凝集剤タンク69およびフィルタ
ープレス70と同様の構成を有して、同様に動作する。
また、第1実施の形態の場合と同様に、ポンプ112が
介設された汚泥返送配管111によって、第7水槽10
7から濃縮汚泥を第4水槽104に返送できるようにな
っている。さらに、第1実施の形態の場合と同様に、第
6水槽66に取り付けられたフッ素濃度計113からの
信号によって第4水槽104に消石灰タンク108から
の消石灰を供給する電磁弁114の開度が制御される。
さらに、第6水槽66に取り付けられた酸化還元電位計
115からの信号によって、第2水槽102から有機物
含有排水を第3水槽103に導入する第2ポンプ11
6、および、第7水槽107から第4水槽104へ濃縮
汚泥を返送するポンプ112がインバータ制御される。
【0099】本実施の形態における汚泥の返送は、ポン
プ112による第7水槽107から第4水槽104への
返送のみとなる。第1実施の形態において、ポンプ97
によって第6水槽67から第4水槽64へ返送される汚
泥の濃度と、ポンプ98によって第7水槽67から第4
水槽64へ返送される汚泥の濃度とを比較すると、第7
水槽67から返送される汚泥の方が濃縮されているので
格段に濃度が高い。したがって、ポンプ97による第6
水槽66から第4水槽64への汚泥の返送を停止しても
過酸化水素,リン,フッ素および有機物の処理能力は大差
無い。
【0100】したがって、本実施の形態においては、上
記第6水槽106から第4水槽104への汚泥返送手段
を無くして、第1実施の形態の排水処理装置と同等の過
酸化水素,リン,フッ素および有機物の処理能力を有する
排水処理装置を、より低コストで実現するのである。
【0101】<第3実施の形態> 図4は、本実施の形態の排水処理装置における構成図で
ある。この排水処理装置は、図1に示す第1実施の形態
の排水処理装置とは、第6水槽66の構造が異なる構成
を有している。
【0102】第1水槽121,第2水槽122,第3水槽
123,第4水槽124,第5水槽125,第7水槽12
7,消石灰タンク128,高分子凝集剤タンク129およ
びフィルタープレス130は、図1に示す第1水槽6
1,第2水槽62,第3水槽63,第4水槽64,第5水槽
65,第7水槽67,消石灰タンク68,高分子凝集剤タ
ンク69およびフィルタープレス70と同様の構成を有
して、同様に動作する。
【0103】本実施の形態における沈殿槽としての第6
水槽126は、第1実施の形態における第6水槽66と
同様に、かき寄せ機131を有しており、沈降した汚泥
を底部の中心にかき寄せるようになっている。また、第
6水槽126内には、軸方向中央部が中心に向かって屈
曲した断面を有する円筒状の傾斜板132を同心円状に
複数枚設置されている。この傾斜板132は、塩化ビニ
ルの板で形成されており、上記半径方向に一定の間隔を
おいて配置されている。
【0104】上記炭酸カルシウム鉱物との反応によって
生成したフッ化カルシウムは、塩化ビニル製の板等に粘
着し易い。また、上記フッ化カルシウム汚泥に嫌気性微
生物が安定して包括固定され易い。そこで、本実施の形
態においては、上述の2点に着目して、嫌気性微生物を
含む粘着性のあるフッ化カルシウムを傾斜板132に張
り付けるのである。こうすることによって、傾斜板13
2に張り付けられフッ化カルシウム汚泥中に繁殖してい
る嫌気性微生物によって、過酸化水素を更に効果的に処
理できるのである。また、第6水槽126内に上昇水流
がある場合は、被処理水中のフロック等の沈殿物は、傾
斜板132の存在によって軸に平行に上昇できずに傾斜
板132の面にぶつかる。したがって、浮遊物の処理能
力が増大するのである。
【0105】尚、本実施の形態においても、第1実施の
形態の場合と同様に、第6水槽126および第7水槽1
27から汚泥を第4水槽124に返送できるようになっ
ている。また、第6水槽126に取り付けられたフッ素
濃度計133からの信号によって、消石灰タンク128
から第4水槽124への消石灰供給量が制御される。さ
らに、第6水槽126に取り付けられた酸化還元電位計
134からの信号によって、第2水槽122から第3水
槽123への有機物含有排水の導入量および第7水槽1
27から第4水槽124への汚泥返送量がインバータ制
御される。
【0106】<第4実施の形態> 図5は、本実施の形態の排水処理装置における構成図で
ある。この排水処理装置は、図4に示す第3実施の形態
の排水処理装置における第6水槽126から第4水槽1
24への汚泥返送手段を除去した構成を有している。
【0107】第1水槽141,第2水槽142,第3水槽
143,第4水槽144,第5水槽145,第6水槽14
6,第7水槽147,消石灰タンク148,高分子凝集剤
タンク149およびフィルタープレス150は、図4に
示す第1水槽121,第2水槽122,第3水槽123,
第4水槽124,第5水槽125,第6水槽126,第7
水槽127,消石灰タンク128,高分子凝集剤タンク1
29およびフィルタープレス130と同様の構成を有し
て、同様に動作する。また、第3実施の形態の場合と同
様に、第7水槽147から濃縮汚泥を第4水槽144に
返送できるようになっている。
【0108】本実施の形態における汚泥の返送は、上記
第7水槽147から第4水槽144への返送のみとな
る。しかしながら、第3実施の形態において、第6水槽
126から第4水槽124へ返送される汚泥の濃度より
も第7水槽127から第4水槽124へ返送される汚泥
の濃度の方が格段に高いことから、第6水槽126から
第4水槽124への汚泥の返送を停止しても過酸化水
素,リン,フッ素および有機物の処理能力は大差無い。
【0109】したがって、本実施の形態においては、上
記第6水槽146から第4水槽144への汚泥返送手段
を無くして、第3実施の形態の排水処理装置と同等の過
酸化水素,リン,フッ素および有機物の処理能力を有する
排水処理装置を、より低コストで実現するのである。
【0110】尚、本実施の形態においても、上記各実施
の形態の場合と同様に、第6水槽146に取り付けられ
たフッ素濃度計151からの信号によって、消石灰タン
ク148から第4水槽144への消石灰供給量が制御さ
れる。さらに、第6水槽146に取り付けられた酸化還
元電位計152からの信号によって、第2水槽142か
ら第3水槽143への有機物含有排水の導入量および第
7水槽147から第4水槽144への汚泥返送量がイン
バータ制御される。
【0111】<第5実施の形態> 図6は、本実施の形態の排水処理装置における構成図で
ある。第1水槽161,第2水槽162,第3水槽16
3,第4水槽164,第5水槽165,第6水槽166,第
7水槽167,消石灰タンク168,高分子凝集剤タンク
169およびフィルタープレス170は、図4に示す第
1水槽121,第2水槽122,第3水槽123,第4水
槽124,第5水槽125,第6水槽126,第7水槽1
27,消石灰タンク128,高分子凝集剤タンク129お
よびフィルタープレス130と同様の構成を有して、同
様に動作する。
【0112】本実施の形態における排水処理装置は、更
に、上記第6水槽166からの処理水が導入される濾過
装置171、軟水装置172、逆浸透膜装置173およ
び超純水製造装置174を有している。
【0113】尚、本実施の形態においても、上記各実施
の形態の場合と同様に、第6水槽166に取り付けられ
たフッ素濃度計175からの信号によって、消石灰タン
ク168から第4水槽164への消石灰供給量が制御さ
れる。さらに、第6水槽166に取り付けられた酸化還
元電位計176からの信号によって、第2水槽162か
ら第3水槽163への有機物含有排水の導入量および第
7水槽167から第4水槽164への汚泥返送量がイン
バータ制御される。
【0114】上記構成において、上記第6水槽166か
ら排出されるフッ素,リン,過酸化水素及び有機物が除去
された処理水が、被処理水として濾過装置171に導入
される。そして、被処理水中に含まれる多少の浮遊物が
濾過装置171によって除去される。尚、濾過装置17
1に充填される濾過材としてはアンスラサイトを用いて
いる。こうして浮遊物が除去された被処理水は軟水装置
172に導入される。軟水装置172では、被処理水中
に溶解しているカルシウムイオン等が主に除去される。
そして、さらに逆浸透膜装置173によって、残りのイ
オンと、有機物および微生物等が除去される。尚、逆浸
透膜装置173には、一般的な殺菌ユニット,PH調整
ユニットおよび精密フィルター等を有している。
【0115】以上のようにして、本実施の形態において
は、上記第1水槽161〜第7水槽167によって、フ
ッ素,リン,過酸化水素および有機物を除去し、濾過装置
171〜逆浸透膜装置173によって、浮遊物,残留イ
オン,残留有機物および微生物等を除去する。そして、
フッ素,リン,過酸化水素,有機物,浮遊物,残留イオンお
よび微生物等が確実に除去された処理水が超純水製造装
置174に導入され、超純水が得られるのである。
【0116】その場合に、本実施の形態においては、被
処理水中のフッ素やリンを処理する際に添加される消石
灰や高分子凝集剤等の薬品は必要最小限に制限されてい
る。特に、消石灰は、被処理水中のリンの処理と残留フ
ッ素の高度処理のみに使用するようにしている。したが
って、本実施の形態によれば、第6水槽166の上澄み
水の導電率を700μs/cm以下にできる。したがって、
第6水槽166の上澄み水を超純水製造用に再利用でき
るのである。
【0117】<第6実施の形態> 図7は、本実施の形態の排水処理装置における構成図で
ある。この排水処理装置は、図6に示す第5実施の形態
の排水処理装置における第6水槽166から第4水槽1
64への汚泥返送手段を除去した構成を有している。
【0118】第1水槽181,第2水槽182,第3水槽
183,第4水槽184,第5水槽185,第6水槽18
6,第7水槽187,消石灰タンク188,高分子凝集剤
タンク189,フィルタープレス190,濾過装置19
1,軟水装置192,逆浸透膜装置193および超純水製
造装置194は、図6に示す第1水槽161,第2水槽
162,第3水槽163,第4水槽164,第5水槽16
5,第6水槽166,第7水槽167,消石灰タンク16
8,高分子凝集剤タンク169,フィルタープレス17
0,濾過装置171,軟水装置172,逆浸透膜装置17
3および超純水製造装置174と同様の構成を有して、
同様に動作する。また、第5実施の形態の場合と同様
に、第7水槽187から濃縮汚泥を第4水槽184に返
送できる。
【0119】本実施の形態における汚泥の返送は、上記
第7水槽187から第4水槽184への返送のみとな
る。しかしながら、第5実施の形態において、第6水槽
166から第4水槽164へ返送される汚泥の濃度より
も第7水槽167から第4水槽164へ返送される汚泥
の濃度の方が格段に高いことから、第6水槽166から
第4水槽164への汚泥の返送を停止しても過酸化水
素,リン,フッ素および有機物の処理能力は大差無い。
【0120】したがって、本実施の形態においては、上
記第6水槽186から第4水槽184への汚泥返送手段
を無くして、第5実施の形態の排水処理装置と同等の過
酸化水素,リン,フッ素および有機物の処理能力を有する
排水処理装置を、より低コストで実現するのである。
【0121】尚、本実施の形態においても、上記各実施
の形態の場合と同様に、第6水槽186に取り付けられ
たフッ素濃度計195からの信号によって、消石灰タン
ク188から第4水槽184への消石灰供給量が制御さ
れる。さらに、第6水槽186に取り付けられた酸化還
元電位計196からの信号によって、第2水槽182か
ら第3水槽183への有機物含有排水の導入量および第
7水槽187から第4水槽184への汚泥返送量がイン
バータ制御される。
【0122】<実施例> 次に、上記排水処理装置を用いた排水処理の具体的実施
例について述べる。ここで、用いた排水処理装置は、図
1に示す排水処理装置と同一構造を有する排水処理装置
であり、第3水槽63の容積を約600m3とし、その
うち分離室79の容積を約150m3とし、第4水槽6
4の容積を約225m3とし、第5水槽65の容積を約
225m3とし、第6水槽66の容積を約900m3
し、第7水槽67の容積を約100m3とした。
【0123】上記排水処理装置を用いて、PHが2.
2,過酸化水素濃度が86ppm,リン濃度が12ppm,フッ
素濃度が183ppmである過酸化水素,リン含有フッ素排
水と、CODが18ppmである有機物含有排水との混合
排水に対する処理を行った。その結果、PHを7.5に
し、過酸化水素濃度を1ppm(処理前の約1/86)にし、
リン濃度を1ppm(処理前の約1/12)にし、フッ素濃度
を6ppm(処理前の約1/30)にし、CODを2ppm(処理
前の約1/9)にすることができた。
【0124】次に、上記超純水製造装置を有する排水処
理装置を用いた排水処理の具体的実施例について述べ
る。ここで、用いた排水処理装置は、図7に示す排水処
理装置と同一構造を有する排水処理装置であり、第3水
槽183の容積を約60m3とし、そのうち分離室の容
積を約15m3とし、第4水槽184の容積を約23m3
とし、第5水槽185の容積を約23m3とし、第6水
槽186の容積を約90m3とし、第7水槽187の容
積を約10m3とした。また、濾過装置191および軟
水装置192の容積を夫々約2m3とし、逆浸透膜装置
193を1ユニットとした。
【0125】上記排水処理装置を用いて、PHが2.3,
過酸化水素濃度が84ppm,リン濃度が12ppm,フッ素濃
度が186ppmの過酸化水素,リン含有フッ素排水と、C
ODが16ppmの有機物含有排水との混合排水の処理を
行った。その結果、逆浸透膜装置193からの処理水の
PHを7.5にし、過酸化水素濃度を0.1ppmにし、リ
ン濃度を0.1ppmにし、フッ素濃度を0.2ppmにし、C
ODを0.02ppmにすることができた。また、導電率が
844μs/cmである排水の処理を行った。その結果、逆
浸透膜装置193からの処理水の導電率を224μs/cm
以下にすることができ、超純水製造に再利用可能である
導電率700μs/cm以下の処理水を得ることができた。
【0126】尚、上記各実施の形態においては、上記過
酸化水素,リン含有フッ素排水と有機物含有排水とを同
時処理する場合を例に説明している。しかしながら、こ
の発明はこれに限定されるものではなく、少なくとも過
酸化水素含有排水を嫌気性微生物によって分解処理する
工程あるいは装置を含んでいればよいのである。また、
上記第3水槽63,103,123,143,163,18
3に充填される炭酸カルシウム鉱物76は、フッ素を処
理できる他の反応性充填物であっても差し支えない。ま
た、第4水槽64,104,124,144,164,18
4に添加される消石灰は、リンを処理できる他の無機凝
集剤であっても差し支えない。また、上記濃縮嫌気性微
生物培養槽としての第7水槽67,107,127,14
7,167,187は必ずしも必要ではないが、設置した
方が高濃度の嫌気性微生物によってより効率よく過酸化
水素を処理できる。
【0127】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1に係
る発明の排水処理方法は、第1の工程において、曝気に
よって反応性充填物が被処理水中で流動している処理槽
の下部から過酸化水素,リン含有フッ素排水を導入する
一方、上部からは有機物含有排水を導入して、上記反応
性充填物による化学処理によってフッ素を処理すると共
に、好気性微生物によって有機物を生物処理し、第2工
程において、上記第1工程での処理水を無曝気状態の反
応凝集槽に導入し、第3工程において、上記第2工程で
の処理水を沈殿槽で上澄み液と汚泥とに分離し、分離し
た汚泥を上記反応凝集槽に返送して、上記返送された汚
泥中に繁殖している嫌気性微生物で上記反応凝集槽内に
おいて過酸化水素を処理するので、過酸化水素,リン含
有フッ素排水と有機物含有排水とを同時に処理して、被
処理水中のフッ素,過酸化水素および有機物を連続的に
処理できる。
【0128】さらに、上記反応性充填物は、被処理水中
の酸度(フッ素濃度や硫酸濃度)に応じて解け出すので余
剰に解け出すことはない。したがって、汚泥の大量発生
を無くすことができる。また、例えば1カ月以上の長期
間分の充填が可能となり、薬品投入に関するランニング
コストを押さえることができる。さらに、上記沈殿槽で
分離した汚泥を上記反応凝集槽に返送するので、返送汚
泥中に混在している未反応の凝集剤を再利用できる。す
なわち、この発明によれば、過酸化水素,リン含有フッ
素排水と有機物含有排水とを、効率よく低コストで同時
に処理できるのである。
【0129】また、請求項2に係る発明の排水処理方法
における上記第2工程は、上記第1工程での処理水を無
曝気状態の反応凝集槽に導入し、無機凝集剤と高分子凝
集剤を添加して上記無機凝集剤による化学処理でリンを
処理して生成物を凝集させる工程を備えているので、被
処理水中のフッ素,リン,過酸化水素および有機物を連続
的に処理することができる。
【0130】また、請求項3に係る発明の排水処理方法
における上記反応性充填物は炭酸カルシウム鉱物であ
り、上記無機凝集剤は消石灰であるので、上記過酸化水
素,リン含有フッ素排水中のフッ素が炭酸カルシウム鉱
物と反応してフッ化カルシウムとなって除去される。し
たがって、繁殖した好気性微生物を上記フッ化カルシウ
ムに包括固定して、酸化剤としての上記過酸化水素から
保護できる。その結果、上記保護された好気性微生物に
よって、上記有機物含有排水中の有機物を効果的に分解
処理できる。
【0131】さらに、上記無機凝集剤として消石灰を添
加するので、上記過酸化水素,リン含有フッ素排水中の
リンをリン酸カルシウムとして凝集沈殿できると共に、
残留フッ素を上記消石灰によって高度処理できる。すな
わち、この発明によれば、上記フッ素の1次処理に消石
灰を使用せずに適量ずつ溶解する炭酸カルシウム鉱物を
使用することによって、汚泥の大量発生を押さえて、過
酸化水素,リン含有フッ素排水と有機物含有排水との同
時処理を効率よく低コストで実現可能である。また、消
石灰の使用量を少なくすることによって、消石灰スラリ
ー経路のメンテナンスを少なくできる。
【0132】また、請求項4に係る発明の排水処理方法
における上記返送される汚泥は、嫌気性微生物を主体と
する生物汚泥とフッ化カルシウムおよび上記消石灰を主
体とする無機汚泥との混合汚泥であるので、上記沈殿槽
から返送される生物汚泥中の嫌気性微生物は、無機汚泥
中のフッ化カルシウムに包括固定されており、上記過酸
化水素から保護されている。したがって、上記生物汚泥
と無機汚泥との混合汚泥が上記反応凝集槽に返送された
場合に、この反応凝集槽内における上記過酸化水素の分
解処理が効果的に行われる。さらに、上記沈殿槽から返
送される無機汚泥中の未反応の消石灰は、上記反応凝集
槽に返送されて再利用される。
【0133】また、請求項5に係る発明の排水処理装置
は、曝気手段による曝気によって反応性充填物が流動状
態になっている処理槽の下部から過酸化水素,リン含有
フッ素排水を導入する一方、上部からは有機物含有排水
を導入して、上記反応性充填物による化学処理によって
フッ素を処理する一方、好気性微生物による生物処理に
よって有機物を処理し、上記処理槽からの被処理水を無
曝気状態の反応凝集槽に導入し、沈殿槽において導入さ
れた被処理水から沈殿分離された汚泥を汚泥返送手段に
よって上記反応凝集槽に返送して、上記返送汚泥中に繁
殖している嫌気性微生物によって、上記反応凝集槽内に
おいて過酸化水素を処理するので、過酸化水素,リン含
有フッ素排水と有機物含有排水とを同時に処理して、被
処理水中のフッ素,過酸化水素および有機物を連続的に
処理できる。
【0134】さらに、上記反応性充填物は、被処理水中
の酸度(フッ素濃度や硫酸濃度)に応じて解け出すので余
剰に解け出すことはない。したがって、汚泥の大量発生
を無くすことができると共に、長期間分の充填が可能と
なり、ランニングコストを押さえることができる。さら
に、上記沈殿槽で分離した汚泥を上記反応凝集槽に返送
するので、返送汚泥中に混在している未反応の凝集剤を
再利用できる。すなわち、この発明によれば、過酸化水
素,リン含有フッ素排水と有機物含有排水とを、効率よ
く低コストで同時に処理できるのである。
【0135】また、請求項6に係る発明の排水処理装置
における上記反応凝集層は、上記処理層からの被処理水
が導入されると共に、無機凝集剤及び高分子凝集剤が添
加されて、上記無機凝集剤による化学処理によってリン
を処理して生成物を反応凝集させる無曝気状態の反応凝
集層であるので、上記被処理水中のフッ素,リン,過酸化
水素および有機物を連続的に処理できる。
【0136】また、請求項7に係る発明の排水処理装置
における上記反応性充填物は炭酸カルシウム鉱物であ
り、上記無機凝集剤は消石灰であるので、上記過酸化水
素,リン含有フッ素排水中のフッ素が炭酸カルシウム鉱
物と反応してフッ化カルシウムとなって除去される。し
たがって、繁殖した好気性微生物を上記フッ化カルシウ
ムに包括固定して、酸化剤としての過酸化水素から保護
できる。その結果、上記保護された好気性微生物によっ
て、上記有機物含有排水中の有機物を効果的に分解処理
できる。
【0137】さらに、上記無機凝集剤として消石灰を添
加するので、上記過酸化水素,リン含有フッ素排水中の
リンをリン酸カルシウムとして凝集沈殿できると共に、
残留フッ素を上記消石灰によって高度処理できる。すな
わち、この発明によれば、上記フッ素の1次処理に消石
灰を使用せずに適量ずつ溶解する炭酸カルシウム鉱物を
使用することによって汚泥の大量発生を押さえて、過酸
化水素,リン含有フッ素排水と有機物含有排水との同時
処理を効率よく低コストで実現可能である。また、消石
灰の使用量を少なくすることによって、消石灰スラリー
経路のメンテナンスを少なくできる。
【0138】また、請求項8に係る発明の排水処理装置
における上記返送汚泥は、上記嫌気性微生物を主体とす
る生物汚泥とフッ化カルシウムおよび上記消石灰を主体
とする無機汚泥との混合汚泥であるので、上記沈殿槽か
ら返送される生物汚泥中の嫌気性微生物は、無機汚泥中
のフッ化カルシウムに包括固定されており、上記過酸化
水素から保護されている。したがって、この生物汚泥と
無機汚泥との混合汚泥が上記反応凝集槽に返送された場
合に、この反応凝集槽内における上記過酸化水素の分解
処理が効果的に行われる。
【0139】さらに、上記沈殿槽から返送される無機汚
泥中の未反応の消石灰は、上記反応凝集槽に返送されて
残留フッ素の高度処理とリンの処理とに再利用される。
こうして、上記反応凝集槽内における残留フッ素および
リンの処理が効率的に行われる。
【0140】また、請求項9に係る発明の排水処理装置
における上記処理槽には、上記反応性充填物が流動して
いる被処理水から上記反応性充填物を分離する分離室が
設けられているので、上記曝気手段による曝気によって
流動している比重の大きい上記反応性充填物と、この反
応性充填物による化学処理によって生成された比重の小
さい反応生成物及び好気性微生物による生物処理によっ
て生成された比重の小さい微生物汚泥とを、上記分離室
によって物理的に分離できる。したがって、未反応の反
応性充填物が被処理水と共に次段の反応凝集槽に導入さ
れることを防止できる。
【0141】また、請求項10に係る発明の排水処理装
置は、上記沈殿槽に設けられると共に、上記沈殿槽内に
おける垂直方向への水流を遮るように傾斜している傾斜
板を備えたので、上記傾斜板によって上記汚泥の沈殿を
促進できる。さらに、上記傾斜板全体に上記嫌気性微生
物が付着固定化されて、被処理水中の過酸化水素および
残留有機物を高度処理できる。
【0142】また、請求項11に係る発明の排水処理装
置は、上記沈殿槽内の被処理水のフッ素濃度を計測する
フッ素濃度計と、上記フッ素濃度計からの信号に基づい
て上記反応凝集槽への無機凝集剤の添加量を制御する添
加制御手段を備えたので、上記沈殿槽内の被処理水のフ
ッ素濃度に応じて、上記反応凝集槽での残留フッ素の高
度処理に必要な量の上記無機凝集剤を上記反応槽に添加
できる。したがって、必要最小限の無機凝集剤で残留フ
ッ素の高度処理を行って、ランニングコストの低減と発
生汚泥量の低減とを図ることができる。
【0143】また、請求項12に係る発明の排水処理装
置は、上記沈殿槽内の被処理水の過酸化水素濃度を計測
する過酸化水素濃度計測手段と、上記過酸化水素濃度計
測手段からの信号に基づいて上記処理槽への有機物含有
排水の導入量を制御する有機物含有排水導入制御手段を
備えたので、上記沈殿槽内における被処理水の過酸化水
素濃度に応じて上記処理槽への有機物含有排水の導入量
を制御して、上記処理槽内の有機物の量を制御できる。
そして、結果的に上記沈殿槽内の嫌気性微生物の量を制
御して、上記沈殿槽内の被処理水を所定の過酸化水素濃
度になるように維持できる。
【0144】また、請求項13に係る発明の排水処理装
置は、上記沈殿槽において沈殿分離された汚泥中の嫌気
性微生物を濃縮培養する濃縮嫌気性微生物培養槽と、上
記濃縮嫌気性微生物培養槽から濃縮汚泥を上記反応凝集
槽に返送する濃縮汚泥返送手段と、上記沈殿槽内の被処
理水の過酸化水素濃度を計測する過酸化水素濃度計測手
段と、上記過酸化水素計測手段からの信号に基づいて上
記反応凝集槽への濃縮汚泥の返送量を制御する汚泥返送
制御手段を備えたので、上記沈殿槽内の被処理水の過酸
化水素濃度に応じて、濃縮嫌気性微生物培養槽から上記
反応凝集槽への濃縮汚泥の返送量を制御して、上記沈殿
槽内の被処理水を所定の過酸化水素濃度になるように維
持できる。
【0145】また、請求項14に係る発明の排水処理装
置は、請求項10に係る発明の排水処理装置における上
記沈殿槽からの被処理水が導入されて上記被処理水を濾
過する濾過装置と、上記濾過装置からの被処理水が導入
されて上記被処理水中のカルシウムイオン等を除去する
軟水装置と、上記軟水装置からの被処理水が導入されて
上記被処理水中の残留イオン,残留有機物および微生物
等を除去する逆浸透膜装置と、上記逆浸透膜装置からの
処理水が導入されて超純水を製造する超純水製造装置を
備えたので、多量の消石灰および凝集剤によらずに上記
過酸化水素,リン含有フッ素排水中のフッ素を処理し
て、上記沈殿槽における上澄みの処理水の導電率を70
0μs/cm以下にできる。したがって、その処理水を、上
記濾過装置,軟水装置および逆浸透膜装置を順次透過す
ることによって、上記超純水製造装置による超純水の製
造が可能な水質の処理水を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の排水処理装置における一例を示す構
成図である。
【図2】図1に示す排水処理装置による処理タイミング
チャートを示す図である。
【図3】図1とは異なる排水処理装置の構成図である。
【図4】図1および図3とは異なる排水処理装置の構成
図である。
【図5】図1,図3および図4とは異なる排水処理装置
の構成図である。
【図6】図1,図3〜図5とは異なる排水処理装置の構
成図である。
【図7】図1,図3〜図6とは異なる排水処理装置の構
成図である。
【図8】従来のフッ素除去装置を示す図である。
【図9】図8とは異なる従来のフッ素除去装置を示す図
である。
【図10】従来の有機物を含むフッ素排水を処理する排
水処理装置を示す図である。
【図11】従来の有機物含有フッ素排水を処理する排水
処理装置を示す図である。
【図12】従来の過酸化水素除去装置を示す図である。
【符号の説明】
61,101,121,141,161,181…第1水
槽、62,102,122,142,162,182…第2
水槽、63,103,123,143,163,183…第
3水槽、64,104,124,144,164,184…
第4水槽、65,105,125,145,165,185
…第5水槽、66,106,126,146,166,18
6…第6水槽、67,107,127,147,167,1
87…第7水槽、68,108,128,148,168,
188…消石灰タンク、69,109,129,149,1
69,189…高分子凝集剤タンク、70,110,13
0,150,170,190…フィルタープレス、73,1
16…第2ポンプ、 75…散気管、76…炭
酸カルシウム鉱物、 77…フッ化カルシウム、
79…分離室、 80…傾斜壁、8
3,114,177…電磁弁、90,113,133,15
1,175,195…フッ素濃度計、91,115,13
4,152,176,196…酸化還元電位計、96,9
9,111…汚泥返送配管、 100…微生物汚泥、1
32…傾斜板、 171,191…濾
過装置、172,192…軟水装置、 173,
193…逆浸透膜装置、174,194…超純水製造装
置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C02F 3/28 C02F 3/28 Z (72)発明者 田中 憲幸 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−305295(JP,A) 特開 平6−246289(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 3/28 - 3/34 101

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 曝気手段による曝気によって反応性充填
    物が被処理水中で流動している処理槽の下部から過酸化
    水素,リン含有フッ素排水を導入する一方、上記処理槽
    の上部から有機物含有排水を導入して、上記反応性充填
    物による化学処理によってフッ素を処理する一方、上記
    化学処理による生成物に繁殖した好気性微生物によって
    有機物を生物処理する第1工程と、 上記第1工程後、上記被処理水を無曝気状態の反応凝集
    槽に導入る第2工程と、 上記第2工程後、上記被処理水を沈殿槽に導入して上澄
    み液と汚泥とに分離し、分離した汚泥を上記反応凝集槽
    に返送する第3工程を備えて、 上記返送された汚泥中に繁殖している嫌気性微生物によ
    って、上記反応凝集槽内において過酸化水素を処理する
    ことを特徴とする排水処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の排水処理方法におい
    て、 上記第2工程は、上記第1工程による処理水を無曝気状
    態の反応凝集槽に導入し、無機凝集剤と高分子凝集剤を
    添加して上記無機凝集剤による化学処理によってリンを
    処理した後、上記化学処理による生成物を凝集させる工
    程を備えたことを特徴とする排水処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の排水処
    理方法において、 上記反応性充填物は炭酸カルシウム鉱物であり、上記無
    機凝集剤は消石灰であることを特徴とする排水処理方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の排水処理方法におい
    て、 上記返送される汚泥は、上記嫌気性微生物を主体とする
    生物汚泥とフッ化カルシウムおよび上記消石灰を主体と
    する無機汚泥との混合汚泥であることを特徴とする排水
    処理方法。
  5. 【請求項5】 曝気手段を有すると共に、反応性充填物
    が充填されて、上記曝気手段による曝気によって上記反
    応性充填物が流動状態になっており、下部から過酸化水
    素,リン含有フッ素排水が導入される一方、上部から有
    機物含有排水が導入されて、上記反応性充填物による化
    学処理によってフッ素を処理する一方、上記化学処理に
    よる生成物に繁殖した好気性微生物によって有機物を生
    物処理する処理槽と、 上記処理槽からの被処理水が導入される無曝気状態の反
    応凝集槽と、 処理水が導入されて、導入された被処理水中の汚泥を
    沈殿させて分離する沈殿槽と、 上記沈殿槽において沈殿分離された汚泥を上記反応凝集
    槽に返送する汚泥返送手段を備えて、 上記返送された汚泥中に繁殖している嫌気性微生物によ
    って、上記反応凝集槽内において過酸化水素を処理する
    ことを特徴とする排水処理装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の排水処理装置におい
    て、 上記反応凝集槽は、上記処理槽からの被処理水が導入さ
    れると共に、無機凝集剤および高分子凝集剤が添加され
    て、上記無機凝集剤による化学処理によってリンを処理
    し、上記化学処理による生成物を反応凝集させる無曝気
    状態の反応凝集槽であることを特徴とする排水処理装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項5または請求項6に記載の排水処
    理装置において、 上記反応性充填物は炭酸カルシウム鉱物であり、上記無
    機凝集剤は消石灰であることを特徴とする排水処理装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の排水処理装置におい
    て、 上記返送される汚泥は、上記嫌気性微生物を主体とする
    生物汚泥とフッ化カルシウムおよび上記消石灰を主体と
    する無機汚泥との混合汚泥であることを特徴とする排水
    処理装置。
  9. 【請求項9】 請求項5または請求項6に記載の排水処
    理装置において、 上記処理槽には、上記反応性充填物が流動している被処
    理水から上記反応性充填物を分離する分離室が設けられ
    ていることを特徴とする排水処理装置。
  10. 【請求項10】 請求項5または請求項6に記載の排水
    処理装置において、 上記沈殿槽に設けられると共に、上記沈殿槽内における
    垂直方向への水流を遮るように傾斜している傾斜板を備
    えたことを特徴とする排水処理装置。
  11. 【請求項11】 請求項5または請求項6に記載の排水
    処理装置において、 上記沈殿槽に設置されると共に、上記沈殿槽内の被処理
    水のフッ素濃度を計測し、この計測したフッ素濃度を表
    す信号を出力するフッ素濃度計と、 上記フッ素濃度計からの信号に基づいて、上記反応凝集
    槽への上記無機凝集剤の添加量を制御する添加制御手段
    を備えたことを特徴とする排水処理装置。
  12. 【請求項12】 請求項5または請求項6に記載の排水
    処理装置において、 上記沈殿槽に設置されると共に、上記沈殿槽内の被処理
    水の過酸化水素濃度を計測し、この計測した過酸化水素
    濃度を表す信号を出力する過酸化水素濃度計測手段と、 上記過酸化水素濃度計測手段からの信号に基づいて、上
    記処理槽への上記有機物含有排水の導入量を制御する有
    機物含有排水導入制御手段を備えたことを特徴とする排
    水処理装置。
  13. 【請求項13】 請求項5または請求項6に記載の排水
    処理装置において、 上記沈殿槽において沈殿分離された汚泥が導入されて、
    この汚泥中に繁殖している嫌気性微生物を濃縮培養する
    濃縮嫌気性微生物培養槽と、 上記濃縮嫌気性微生物培養槽において嫌気性微生物が濃
    縮培養された濃縮汚泥を上記反応凝集槽に返送する濃縮
    汚泥返送手段と、 上記沈殿槽に設置されると共に、上記沈殿槽内の被処理
    水の過酸化水素濃度を計測し、この計測した過酸化水素
    濃度を表す信号を出力する過酸化水素濃度計測手段と、 上記過酸化水素計測手段からの信号に基づいて、上記反
    応凝集槽への上記濃縮汚泥の返送量を制御する汚泥返送
    制御手段を備えたことを特徴とする排水処理装置。
  14. 【請求項14】 請求項5または請求項6に記載の排水
    処理装置において、 上記沈殿槽からの被処理水が導入されて上記被処理水を
    濾過する濾過装置と、 上記濾過装置からの被処理水が導入されて上記被処理水
    中のカルシウムイオン等を除去する軟水装置と、 上記軟水装置からの被処理水が導入されて上記被処理水
    中の残留イオン,残留有機物およ微生物等を除去する
    逆浸透膜装置と、 上記逆浸透膜装置からの処理水が導入されて超純水を製
    造する超純水製造装置を備えたことを特徴とする排水処
    理装置。
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