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JP3431218B2 - クロマンカルボン酸誘導体の製法 - Google Patents

クロマンカルボン酸誘導体の製法

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Publication number
JP3431218B2
JP3431218B2 JP17591793A JP17591793A JP3431218B2 JP 3431218 B2 JP3431218 B2 JP 3431218B2 JP 17591793 A JP17591793 A JP 17591793A JP 17591793 A JP17591793 A JP 17591793A JP 3431218 B2 JP3431218 B2 JP 3431218B2
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JP
Japan
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compound
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organic solvent
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JP17591793A
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弘康 杉崎
哲也 戸谷
幹夫 柳
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Nippon Kayaku Co Ltd
Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
Sankyo Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はクロマンカルボン酸誘導
体の新規製法に関する。該クロマンカルボン酸誘導体は
生理活性物質、特に農薬の中間体として有用である。
【0002】
【従来の技術】クロマンカルボン酸誘導体の製法として
は、J.Indian Chem. Soc. Vol. 45p200(196
8)にHagemann's esterを原料とする方法が記載されて
いる。しかし反応副生成物が多く、必ずしも効率的製法
とは言えない。また、本化合物が農薬の中間体として有
用であることは知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は農薬のうち
高い殺虫活性を有するヒドラジン系誘導体を探索すべく
その原料となる多数の中間体合成を試みた。そして特定
のクロマンカルボン酸が高い活性を有するヒドラジン誘
導体の中間体として極めて優れたものであることを見い
出した。しかしながら該クロマンカルボン酸の効率的製
法はなく、新規製法の開発が必要となっていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような状況下、反応
経路を種々検討した結果、後記(1)式で示される化合
物を出発原料とし、6工程で目的の後記(11)式で示
されるクロマンカルボン酸を収率よく得られることを見
い出した。すなわち本発明は 式
【0005】
【化9】
【0006】(式中、R1 はC1 〜C2 のアルキル基ま
たはハロゲン原子を、R2 はC4 〜C6 の第3級アルキ
ル基を、Mはアルカリ金属原子を示す)で示される化合
物を有機溶媒中 式
【化10】 (式中 R3 、R4 およびR5 はそれぞれ独立して水素
原子あるいはメチル基を、Xはハロゲン原子またはOS
2 6 基を示し、R6 は低級アルキル基または低級ア
ルキル基で置換されてもよいフェニル基を示す)で示さ
れる化合物と反応させ 式
【0007】
【化11】
【0008】(式中 R1 、R2 、R3 、R4 およびR
5 は前記と同じものを示す)で示される化合物を製造し
(第一工程) 次にこの化合物を(1)有機溶媒の存在下もしくは非存
在下高温にてまたは(2)有機溶媒およびルイス酸触媒
の存在下転位反応を行い 式
【0009】
【化12】
【0010】(式中 R1 、R2 、R3 、R4 およびR
5 は前記と同じものを示す)で示される化合物を製造し
(第2工程) 次にこの化合物を溶媒中、水素添加触媒の存在下、水素
雰囲気下で接触水素添加(還元)反応して、式
【0011】
【化13】
【0012】(式中 R1 、R2 、R3 、R4 およびR
5 は前記と同じものを示す)で示される化合物を製造し
(第3工程) 次にこの化合物を有機溶媒中、ルイス酸存在下 式 CH3 COX′ (6) (式中X′はハロゲン原子を示す)で示される化合物と
反応させ式
【0013】
【化14】
【0014】(式中 R1 、R2 、R3 、R4 およびR
5 は前記と同じものを示す)で示される化合物を製造し
(第4工程) 次にこの化合物を水または水および有機溶媒の混合溶媒
中 式 X′2 (8) (式中 X′は前記と同じものを示す)で示される化合
物と、または式 MOX′ (9) (式中 MおよびX′は前記と同じものを示す)で示さ
れる化合物とアルカリの存在下反応させ 式
【0015】
【化15】
【0016】(式中 R1 、R2 、R3 、R4 およびR
5 は前記と同じものを示す)で示される化合物を製造し
(第5工程) 最後にこの化合物を、有機溶媒中、ルイス酸と反応させ
【0017】
【化16】
【0018】(式中 R1 、R3 、R4 およびR5 は前
記と同じものを示す)で示される化合物を製造する(第
6工程)ことを特徴とするクロマンカルボン酸の製法に
関する。反応経路は次のようになる。
【0019】
【化17】
【0020】(図中 M、R1 、R2 、R3 、R4 およ
びR5 は前記と同じものを示す)第1工程、すなわち
(1)式の化合物から(3)式の化合物への製造:用い
る有機溶媒としては例えばベンゼン、トルエン、キシレ
ン、オルソクロロベンゼンなどの芳香族系溶媒又はジメ
チルホルムアミド,ジメチルアセトアミド、ジメチルス
ルホキシドなどの非プロトン系極性溶媒が挙げられ、好
ましくは、前記芳香族系溶媒1重量部に対し前記の非プ
ロトン性極性溶媒を0.1〜0.5重量部混合したもの
を用いると目的物の収率、純度向上のために望ましい。
反応温度は通常0〜50℃であり、好ましくは10〜2
5℃である。式(2)の化合物は式(1)の化合物1モ
ルに対し1〜1.2モル用いるのが好ましい。なお、本
反応を行う際には、式(1)においてMが水素原子の化
合物(フェノール誘導体)を上記の芳香族系溶媒に溶解
し、好ましくはスルホランなどの増塩剤を添加し、該フ
ェノール誘導体1モルに対し好ましくは1.0〜1.3
モルのNaOH、KOHなどのアルカリ金属の水酸化物
を加え、好ましくは100〜120℃に加熱しながら脱
水し、式(1)の化合物(フェノール誘導体のアルカリ
金属塩)とした後、本反応を行うこともできる。
【0021】第2工程、すなわち(3)式の化合物から
(4)式の化合物への製造:用いる有機溶媒としては、
例えば(1)の場合、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコールなどのポリエチレングリコール系溶媒ま
たはN,N−ジメチルアニリン、N,Nジエチルアニリ
ン、o−ジクロロベンゼンなどの芳香族系溶媒が挙げら
れ、好ましくはN,N−ジエチルアリニンである。また
(2)の場合、トルエン、ジクロロベンゼンなどの芳香
族系溶媒または、クロロホルム1,1,1−トリクロロ
エタンなどの塩素系炭化水素溶媒が挙げられ、好ましく
はo−ジクロロベンゼンである。反応温度は(1)の場
合、通常150〜250℃であり、好ましくは200〜
220℃である。(2)の場合は通常室温〜200℃で
あり、好ましくは150〜180℃である。触媒として
は通常、銀トリフルオロアセテートなどの銀塩、塩化水
銀などの水銀塩、塩化銅などの銅塩、塩化亜鉛などの亜
鉛塩であり、通常0.1〜10mol%、好ましくは
0.5〜5mol%使用する。
【0022】第3工程、すなわち(4)式の化合物から
(5)式の化合物への製造:用いる溶媒としては有機溶
媒またはそれと水との混合溶媒であり、有機溶媒として
は例えばメタノール、エタノールなどのアルコール系溶
媒またはテトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテ
ル系溶媒が挙げられ、これらの溶媒を混合して用いても
よい。反応温度は通常0℃から溶媒の沸点までの範囲で
あり、好ましくは20〜50℃である。触媒は通常パラ
ジウム−活性炭、ラネーニッケルなどの水素添加触媒で
あり、触媒量は通常基質に対して0.1〜20wt%、
好ましくは1〜10wt%用いる。また、発火の危険性
を防ぐために含水触媒を用いるのがよい。また反応は常
圧下、加圧下のどちらでもよいが通常は常圧下で反応を
行う。水素ガスは反応系内に充満させて行うが、反応液
中に吹き込むと反応効率向上につながる。その際なるべ
く気泡が細かくなるようにすることが好ましい。
【0023】第4工程、すなわち(5)式の化合物から
(7)式の化合物への製造:用いる有機溶媒としては、
ベンゼン、トルエンなどの芳香族系溶媒、ジクロロメタ
ン、四塩化炭素などの有機塩素系溶媒または二硫化炭素
が挙げられ、好ましくは有機塩素系溶媒である。反応温
度は通常−20℃〜50℃であり、好ましくは−10℃
〜25℃である。ルイス酸は塩化アルミニウム、塩化
鉄、四塩化チタン、三フッ化ホウ素、四塩化スズ、塩化
亜鉛などであり、好ましくは四塩化チタンである。使用
量は基質に対して通常1.0〜3.0当量、好ましくは
1.0〜2.0当量である。またこの他HF、硫酸また
はポリリン酸なども用いられる。式(6)で示される化
合物の使用量は、通常1.0〜5.0当量であり、好ま
しくは1.0〜2.0当量である。
【0024】第5工程、すなわち(7)式の化合物から
(10)式の化合別への製造:用いる有機溶媒として
は、水溶性有機溶媒、疎水性有機溶媒のどちらも用いて
もよい。水溶性溶媒を用いた場合には水と均一反応に、
また疎水性有機溶媒を用いた場合には水と二相系反応に
なる。場合によっては相間移動触媒を加えることにより
反応効率がよくなるものもある。水溶性有機溶媒として
は例えばメタノール、エタノールなどのアルコール系溶
媒、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒、テトラヒド
ロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒などが挙げ
られ、好ましくはジオキサンである。均一系反応の場合
は水と水溶性有機溶媒との混合比は通常10:1から
1:1までの値であり、好ましくは3:1から2:1で
ある。疎水性有機溶媒としては例えばジクロロメタンな
どの有機塩素系溶媒、酢酸エチルなどのエステル系溶媒
またはトルエンなどの芳香族系溶媒が挙げられ、好まし
くはジクロロメタンである。また相間移動触媒を加える
場合は好ましくはテトラ−n−ブチルアンモニウムブロ
マイドなどの四級アンモニウム塩である。反応温度は通
常0℃から溶媒の沸点までであり、好ましくは20℃〜
70℃である。(8)式で示される化合物の使用量とし
ては通常3.0〜6.0当量であり、好ましくは3.0
〜3.5当量である。また(9)式で示される化合物の
使用量としては通常3.0〜6.0当量、好ましくは
3.0〜4.0当量である。
【0025】第6工程、すなわち(10)式の化合物か
ら(11)式の化合物への製法:用いる有機溶媒として
はトルエン、キシレンなどの芳香族系炭化水素が用いら
れるが、場合によっては、ニトロメタン、ニトロベンゼ
ンなどのニトロ化合物、二硫化炭素、ジクロロメタンな
どの有機塩素系溶媒を用いてもよい。好ましくはトルエ
ンである。ルイス酸としては、塩化アルミニウム、塩化
鉄、四塩化チタンなどが挙げられ、好ましくは塩化アル
ミニウムである。ルイス酸の使用量は通常1.0から
3.0当量であり、好ましくは1.0〜1.5当量であ
る。反応温度は通常0℃から溶媒の沸点までであり好ま
しくは0〜25℃である。本発明の式(1)〜式(6)
において、R1 としては例えばメチル、エチル基、塩
素、臭素又はヨウ素原子が挙げられ、R2 としては例え
ばtert−ブチル、1,1,2−トリメチルプロピル
又は1,1−ジメチルプロピル基が挙げられ、R3 、R
4 及びR5 としては例えば水素原子、メチル基が挙げら
れ、X,X′としては例えば塩素、臭素、ヨウ素原子、
−OSO2 CH3 、−OSO2 2 5 又は−OSO2
6 4 CH3 基が挙げられ、MとしてはLi、Na又
はKa原子が挙げられるがこれらに限定するものではな
い。
【0026】本発明における(1)式の好ましい化合物
例としては、2−t−ブチル−5−メチルフェノールが
挙げられ、 (3)式の化合物例としては、2−t−ブチル−5−メ
チルフェニル プロパルギルエーテルが挙げられ (4)式の化合物例としては、8−t−ブチル−5−メ
チル−2H−クロメンが挙げられ (5)式の化合物例としては8−t−ブチル−5−メチ
ルクロマンが挙げられ (7)式の化合物例としては6−アセチル−8−t−ブ
チル−5−メチルクロマンが挙げられ (10)式の化合物例としては8−t−ブチル−5−メ
チルクロマン−6−カルボン酸が挙げられ、 (11)式の化合物例としては5−メチルクロマン−6
−カルボン酸が挙げられる。
【0027】
【発明の効果】本発明により、高い殺虫活性を有するヒ
ドラジン誘導体の原料である中間体が高純度で製造でき
るようになった。
【0028】
【実施例】以下に実施例により本発明を説明する。 実施例1 2−t−ブチル−5−メチルフェニルプロパルギルエー
テルの製造:2−t−ブチル−5−メチルフェノール
(300g、1.83mol)をトルエン1.5lに溶
解し、増塩剤としてスルホラン18.3ml加えた。反
応液を約100℃まで加熱し、水酸化カリウム(95
%、130g、2.2mol)をはげしく還流させなが
ら10回に分けて加えた。理論量の脱水が完了したの
ち、反応液を25℃まで冷却し、N,N−ジメチルホル
ムアミド360l加えた。さらに温度を25℃に保った
まま、プロパルギルブロマイド(146ml、1.9m
ol)をゆっくり滴下し、そのまま30分間攪拌し反応
を終了した。反応液にトルエン500mlを加え、分液
ロートに移し、水及びブラインで洗浄後、トルエン層を
芒硝乾燥した。ろ過及び溶媒留去を経て目的物(367
g、GC純度94%)を褐色オイルとして得た。1 H-NMR (90MHz, CDCl3) δ(ppm) :1.00(S. 9H), 2.35(S. 3H) 2.55(t. J=2.4Hz, 1H) 4.76(d, J=2.4Hz, 2H) 6.75(d, J=8.0Hz, 1H) 6.88(S, 1H) 7.22(d, J=8.0Hz, 1H)
【0029】実施例2 8−t−ブチル−5−メチル−2H−クロメンの製造:
2−t−ブチル−5−メチルフェニルプロパルギルエー
テル(367g、1.82mol)をN,N−ジエチル
アニリン900mlに溶解し、220℃の油浴にて2時
間加熱攪拌した。GCにて原料ピークの消失を確認した
のち、反応液を冷却し、酢酸エチル1.5l加え、分液
ロートに移し、10%塩酸水溶液(1l×2)にてN,
N−ジエチルアニリンを有機層から除去した。さらに有
機層を水およびブラインで中性になるまで十分洗浄後、
芒硝乾燥した。ろ過および溶媒留去を経て目的物(36
3g、GC純度93.7%)を褐色オイルとして得た。1 H-NMR (90MHz, CDCl3) δ(ppm) :1.35(S, 9H) 2.25(S, 3H) 4.65(dd, 2H, J=1.6Hz, 4.0Hz) 5.86(dt, 1H, J=4.0Hz, 9.9Hz) 6.62(dt, 1H, J=1.6Hz, 9.9Hz) 6.67(d, 1H, J=8.2Hz) 7.03(d, 1H, J=8.2Hz)
【0030】(別法)2−t−ブチル−5−メチルフェ
ニルプロパギルエーテル(2.0g、10mmol)を
o−ジクロロベンゼンに溶解し、触媒として臭化銅(2
0mg、約1wt%)を加え180℃にて10時間加熱
した。GCにて反応の終点を確認し、反応液を冷却し
た。反応液にトルエンを加え、ブラインで2回洗浄後、
芒硝乾燥した。ろ過後、減圧蒸留にてトルエン、o−ジ
クロロベンゼンを除去し、目的物(1.8gGC純度
90.1%)を褐色のオイルとして得た。
【0031】実施例3 8−t−ブチル−5−メチルクロマンの製造:8−t−
ブチル−5−メチル−2H−クロメン(336g、1.
66mol)をメタノール1.1lに溶解し、1,4−
ジオキサン120mlを加えた。これに10%パラジウ
ム−活性炭触媒(50%含水品)74gをメタノール1
00mlにけん濁させ、ゆっくりと加えた。反応液を5
0℃に加温し、水素ガスを(1l/min)ほどの量で
系内に吹き込んだ約2時間後、ろ過により触媒を除去し
たのち、溶媒を留去し、淡黄色のオイルを得た。このオ
イルには多少水が含まれているので、n−ヘキサン1l
に溶解し、硫酸マグネシウムを加えて脱水後、ろ過、溶
媒留去を経て、目的物(330g、GC純度97.3
%)を黄色オイルとして得た。もし原料にハルツが含ま
れている場合は、後処理でn−ヘキサンに溶解する際シ
リカゲル(300mesh, 約200g)を加え、そのまま
一晩放置後、ろ過することにより、クリーン・アップす
ることができる。1 H-NMR (90MHz, CDCl3) δ(ppm) :1.35(S, 9H) 2.00(m, 9H) 2.15(S, 3H) 2.63(t, 2H, J=6.6Hz) 4.11(t, 2H, J=6.6Hz) 6.65(d, 1H, J=7.9Hz) 7.01(d, 1H, J=7.9Hz)
【0032】実施例4 6−アセチル−8−t−ブチル−5−メチルクロマンの
製造:四塩化チタン(177ml、1.62mol)の
四塩化炭素溶液(750ml)に氷冷下、アセチルクロ
ライド(115ml、1.62mol)を滴下し、約1
5分間そのまま攪拌した。そこへ氷冷下、8−t−ブチ
ル−6−メチルクロマン(300g、1.47mol)
の四塩化炭素(100ml)溶液を、温度を10℃以下
に保ちながら滴下し、その温度で30分間攪拌した。反
応液を希塩酸中に注加してしばらく攪拌し四塩化チタン
をクエンチした。溶液を分液ロートに移し、ジクロロメ
タン(1l)加え、抽出した。有機層をさらに水、ブラ
インで洗浄し、芒硝にて乾燥した。ろ過、溶媒留去を経
て、目的物(359g、GC純度97.5%)を白色結
晶として得た。1 H-NMR (90MHz, CDCl3) δ(ppm) :1.37(S, 9H) 2.03(m. 2H) 2.34(S. 3H) 2.54(S, 3H) 2.69(t, 2H, J=6.6Hz) 4.17(t, 2H, J=5.3Hz) 7.46(S, 1H)
【0033】実施例5 8−t−ブチル−5−メチルクロマン−6−カルボン酸
の製造:水酸化ナトリウム(552g、13.1mo
l)を水(1.45l)に溶かした溶液に氷冷下、臭素
(244ml、4.57mol)を発熱に注意しながら
滴下し、そのまま30分間攪拌した。反応液を室温にも
どし、1,4−ジオキサン(300ml)加えたのち、
6−アセチル−8−t−ブチル−5−メチルクロマン
(359g、1.45mol)の1,4−ジオキサン
(300ml)溶液を少量ずつ滴下した。反応液を温浴
にて少し暖めると徐々に発熱し、80℃に達した。その
後液温が下がってきたら反応を止め、ジオキサンを濃縮
したのち、溶液をトルエンとともに分液ロートに移し、
未反応の不純物をトルエン層に抽出した。水層を塩酸に
て中和すると安息香酸の粗結晶が析出した。これをろ別
し、結晶を水、ヘキサンでよく洗浄し、風乾した。目的
物が、白色結晶として得られた(330g、HPLC純
度95%)。1 H-NMR (90MHz, CDCl3) δ(ppm) :1.37(S, 9H) 2.05(m. 2H) 2.50(S. 3H) 2.72(t, 2H, J=6.6Hz) 4.19(t, 2H, J=5.3Hz) 7.88(S, 1H) 11.0 (bs, 1H)
【0034】(別法)次亜塩素酸水溶液(有効塩素12
%、26.0g、4当量)と50%水酸化ナトリウム水
溶液(3.36g、4当量)を混合し、6−アセチル−
8−t−ブチル−5−メチルクロマン(2g、0.01
05mol)の1,4−ジオキサン(5ml)溶液を室
温で滴下した。これを30分間攪拌し、その後、トリエ
チルベンジルアンモニウムクロライド(TEBAC、2
00mg)を加えた。反応液を60℃で2時間攪拌し、
冷却後、水中に注加した。エーテル50mlを加え、不
純物を抽出した。水層に塩酸を加えていくと、安息香酸
の粗結晶が析出した。これをろ過し、結晶を水、n−ヘ
キサンで洗浄、風乾し、目的物(1.52g、HPLC
純度99%)を白色結晶として得た。
【0035】実施例8 5−メチルクロマン−6−カルボン酸の製造:塩化アル
ミニウム(213g、1.6mol)をトルエン(1.
3l)にけん濁させ、氷冷下、8−t−ブチル−5−メ
チルクロマン−6−カルボン酸(330g、1.33m
ol)を温度上昇に注意しながら、少量ずつ加えた。反
応液は褐変した。そのまま状態で2時間攪拌し、原料の
消失を確認したのち、反応液に5%塩酸(700ml)
を発熱に注意しながら氷冷下、滴下した。生じたスラリ
ーを酢酸エチルに溶解し、分離した水層を除去したの
ち、酢酸エチル層に5%水酸化ナトリウム水溶液を加
え、カルボン酸を水層に逆抽出した。水層を氷冷下塩酸
により酸析していき結晶ろ別、減圧乾燥を経て、目的物
(198g、純度99.0%−HPLC面積比、Y:7
7.5%)を白色結晶として得た。1 H-NMR (90MHz, CDCl3) δ(ppm) :2.00(m, 2H) 2.49(S, 3H) 2.69(t, 2H, J=6.6Hz) 4.14(t, 2H, J=5.3 Hz) 6.65(d, 1H, J=8.5 Hz) 7.63(d, 1H, J=8.5 Hz) 9.43 (bs, 1H)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 311/58 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 【化1】 (式中、R1 はC1 〜C2 のアルキル基またはハロゲン
    原子を、R2 はC4 〜C6 の第3級アルキル基を、Mは
    アルカリ金属原子を示す)で示される化合物を有機溶媒
    中 式 【化2】 (式中 R3 、R4 およびR5 はそれぞれ独立して水素
    原子あるいはメチル基を、Xはハロゲン原子またはOS
    2 6 基を示し、R6 は低級アルキル基または低級ア
    ルキル基で置換されてもよいフェニル基を示す)で示さ
    れる化合物と反応させ 式 【化3】 (式中 R1 、R2 、R3 、R4 およびR5 は前記と同
    じものを示す。)で示される化合物を製造し、次にこの
    化合物を(1)有機溶媒の存在下もしくは非存在下高温
    にて、または(2)有機溶媒およびルイス酸触媒の存在
    下転位反応を行い 式 【化4】 (式中 R1 、R2 、R3 、R4 およびR5 は前記と同
    じものを示す)で示される化合物を製造し、次にこの化
    合物を溶媒中、水素添加触媒の存在下、水素雰囲気下で
    接触水素添加(還元)反応させて、式 【化5】 (式中 R1 、R2 、R3 、R4 およびR5 は前記と同
    じものを示す)で示される化合物を製造し、次にこの化
    合物を、有機溶媒中、ルイス酸存在下 式 CH3 COX′ (6) (式中X′はハロゲン原子を示す)で示される化合物と
    反応させ式 【化6】 (式中 R1 、R2 、R3 、R4 およびR5 は前記と同
    じものを示す)で示される化合物を製造し、次にこの化
    合物を水または、水および有機溶媒の混合溶媒中 式 X′2 (8) (式中X′は前記と同じものを示す)で示される化合物
    と、または式 MOX′ (9) (式中 MおよびX′は前記と同じものを示す)で示さ
    れる化合物とアルカリの存在下反応させ 式 【化7】 (式中 R1 、R2 、R3 、R4 およびR5 は前記と同
    じものを示す)で示される化合物を製造し、最後にこの
    化合物を、有機溶媒中、ルイス酸と反応させ 【化8】 (式中 R1 、R2 、R3 、R4 およびR5 は前記と同
    じものを示す)で示される化合物を製造することを特徴
    とするクロマンカルボン酸の製法。
  2. 【請求項2】R1 がメチル基であり、R2 がt−ブチル
    基であり、R3 、R4 およびR5 がそれぞれ水素原子で
    ある請求項1記載の方法。
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