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JP3423617B2 - ヘッドカートリッジ - Google Patents

ヘッドカートリッジ

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Publication number
JP3423617B2
JP3423617B2 JP11935798A JP11935798A JP3423617B2 JP 3423617 B2 JP3423617 B2 JP 3423617B2 JP 11935798 A JP11935798 A JP 11935798A JP 11935798 A JP11935798 A JP 11935798A JP 3423617 B2 JP3423617 B2 JP 3423617B2
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JP
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ink
liquid
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force generating
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英久 松本
博之 石永
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Canon Inc
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Priority to EP99108233A priority patent/EP0956958B1/en
Priority to DE69918368T priority patent/DE69918368T2/de
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  • Ink Jet (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外部へ液体を供給
するために負圧を利用する液体供給システムに関し、よ
り具体的には記録ヘッドに液体を供給して被記録媒体に
印字記録するインクジェット記録に好適に用いられるヘ
ッドカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録分野では、インクを
吐出する記録ヘッドと、記録ヘッドに供給するインクを
保持するインクタンクとが分離可能なインクジェットカ
ートリッジが実用に供され、広く用いられている。この
ように記録ヘッドとインクタンクとを分離可能とするこ
とで、インク収納部から記録ヘッドまでのインク供給経
路を短くできるため記録装置の小型化が容易になるとい
う利点がある。また、インクがなくなったらインクタン
クのみを交換すればよいため、ランニングコストが低い
という利点もある。
【0003】記録ヘッドとインクタンクとを分離可能な
構成とするため、一般的には、インクタンク側に供給口
を設けるとともに記録ヘッド側に連結用の管を設け、イ
ンクタンク側の供給口に記録ヘッド側の連結用の管を挿
入させることで両者が連結される構造を採っている。イ
ンクタンク側の結合部としては、結合動作及び使用時に
おける不用意なインク漏れを最小限にするために、例え
ば弁を設けるといった種々の構成が提案され、実用に供
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、インク
タンクが分離可能な従来のインクジェットカートリッジ
では、インクタンク側のインクの漏れについては考慮し
ているものの、記録ヘッド側に設けられている連結用の
管に付着するインクについては考慮されていなかった。
【0005】このインクタンクの着脱動作に伴い連結用
の管に付着したインクは、長期にわたり放置されると連
結用の管に付着する。
【0006】その結果、連結用の管のインクタンクから
の液体供給路の有効断面積が減少し、インクの供給に悪
影響を与えるおそれがある。特に、連結用の管内に機能
分離させるための構造(例えば、インクタンクの結合時
に、インクタンク内に気体を優先的に導入させる機能を
有する構造と、インクタンクからインクを優先的に導出
させる機能を有する構造)を持たせる場合、最悪の場
合、何れかの構造が固着したインクで塞がれ、機能しな
くなる場合がある。
【0007】また、インクタンク側に弁などが設けられ
ている場合には、弁は連結用管に押圧されることで開く
ことが多いので、弁の開閉に支障をきたすおそれがあ
る。
【0008】さらに、連結用管に固着したインクによ
り、インクタンクを記録ヘッド部に装着する際にユーザ
は抵抗を感じるため、装着が完全に行われたかどうか確
認できず、装着動作が不完全となるおそれがある。
【0009】本発明は、インクタンクが接続される連結
管に付着したインクを回収することで、上述の課題を解
決するカートリッジを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の諸目的を達成する
ための本発明の具体的な手段は以下の構成から理解でき
よう。
【0011】本発明のヘッドカートリッジは、液体を収
納する液体供給容器が着脱自在に分離可能なヘッドカー
トリッジにおいて、外部に液体を吐出する記録ヘッド部
と、前記記録ヘッド部に供給するための液体を保持可能
な毛管力発生部材を収納するとともに、大気と連通する
大気連通部を備える毛管力発生部材収納室と、前記毛管
力発生部材収納室の外方に突出し、前記液体供給容器
液体供給部内に挿入されることにより前記液体供給容器
と前記毛管力発生部材収納室とを連通させる供給管とを
有し、前記供給管は、内部に、前記毛管力発生部材に液
体を導入するための液体誘導部材を備え、該供給管の側
面の、前記液体誘導部材が位置する側に、その基部から
先端にわたってスリットが設けられていることを特徴と
する。また、本発明の他の形態によるヘッドカートリッ
ジは、液体を収納する液体供給容器が着脱自在に分離可
能なヘッドカートリッジにおいて、外部に液体を供給す
る記録ヘッド部と、前記記録ヘッド部の外方に突出し、
前記液体供給容器の液体供給部内に挿入されることによ
り前記液体供給容器と前記記録ヘッド部とを連通させる
供給管と、前記供給管の基部を取り囲むとともに、前記
液体供給容器が装着された状態で前記供給管の周囲の空
間を外部に対して密閉する密閉部材とを有し、前記供給
管の側面に、その基部から先端にわたってスリットが設
けられていることを特徴とする。
【0012】
【0013】本発明のヘッドカートリッジでは、毛管力
発生部材収納室または記録ヘッド部と液体供給容器とは
供給管を介して接続され、液体供給容器内に収納された
液体は供給管を通って毛管力発生部材収納室または記録
ヘッド部に供給される。ここで、液体供給容器は毛管力
発生部材または記録ヘッド部に対して着脱自在に分離可
能であるので、液体供給容器の着脱に伴い供給管には液
体が付着するが、供給管の側面にはその基部から先端に
わたってスリットが設けられているので、供給管に付着
した液体はスリットを介して供給管内に流れ込むことが
可能となっている。供給管が毛管力発生部材収納室に設
けられているものでは、供給管内に流れ込んだ液体は毛
管力発生部材に吸収されるので、供給管の周囲の、液体
による汚れが抑えられる。一方、供給管が記録ヘッド部
に設けられているものでは、密閉部材が供給管の基部を
取り囲んで設けられているので、液体供給容器の着脱動
作によって漏れた液体は、密閉部材の内側に保持され
リットを介して供給管内に流れ込み、供給管の周囲の汚
れが抑えられる。
【0014】
【0015】
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて図面を参照して説明する。
【0017】なお、本発明で用いられる液体として、以
下の各実施形態ではインクを例にとって説明を行ってい
るが、適用可能な液体としてはインクに限ることなく、
例えばインクジェット記録分野にあっては記録媒体に対
する処理液などを含むことはいうまでもない。
【0018】(第1の実施形態)図1は、本発明の第1
の実施形態のインクジェットカートリッジの概略を説明
するための図であり、インクタンクをヘッド付ホルダに
装着する前の断面図を示す。また、図2は、図1に示し
たインクタンクとヘッド付ホルダとのインク通路に関す
る接続部の拡大図であり、(a)は断面図、(b)は連
結管の平面図を示す。
【0019】図1に示すように、インクジェットカート
リッジは、内部にインクを収納する液体供給容器として
のインクタンク50と、インクタンク50を保持するタ
ンクホルダ11、インクタンク50から供給されるイン
クを一時的に保持する毛管力発生部材収納室10および
毛管力発生部材収納室10から供給されたインクを吐出
して記録を行う記録ヘッド60が一体となったヘッドカ
ートリッジとしてのヘッド付ホルダ30とを有する。
【0020】インクタンク50は、ヘッド付ホルダ30
に対して着脱自在に設けられたもので、内部にインクを
収納するインク収納部53、インク収納部53の液体を
後述する毛管力発生部材収納室10へ導出するためのイ
ンク供給部52を備えている。また、インクタンク50
は、室(筐体)を構成する外壁51と、外壁51の内面
と同等もしくは相似形の内面を有する内壁54とにより
構成される。
【0021】インク供給部52はインクタンク50の一
端側に位置しており、インクタンク50の下端面に開口
している。また、外壁51のインク供給部52が位置す
る側の壁面には、ラッチ爪81を有するラッチレバー8
0が一体的に設けられている。インクタンク50をヘッ
ド付ホルダ30に装着する前はインク供給部52はシー
ル部材57で封止され、インク収納部53は大気に対し
て密閉状態となっている。
【0022】内壁54は可撓性を有しており、インク収
納部53は、内部に収納されたインクの導出に伴い変形
可能である。また、内壁54は溶着部(ピンチオフ部)
56を有し、この溶着部56で内壁54は外壁51に係
合する形で支持されている。また、外壁51には大気連
通口55が設けられており、内壁54と外壁51との間
に大気を導入可能となっている。
【0023】一方、ヘッド付ホルダ30は、上述したよ
うに、インクタンク50を保持するタンクホルダ11
と、タンクホルダ11の底部に設けられた毛管力発生部
材収納室10と、インク(処理液などの液体を含む)を
吐出口61から吐出して被記録媒体に記録を行う記録ヘ
ッド60とを有し、これらが一体となった構造となって
いる。
【0024】毛管力発生部材収納室10は、ポリウレタ
ンフォームなどの多孔質部材、またはポリエチレンやポ
リプロピレンなどからなる繊維状部材から構成される毛
管力発生部材13を収納し、この毛管力発生部材13の
毛管力によるインクの吸収現象を利用してインクを保持
する。毛管力発生部材収納室10には、インクタンク5
0のインク供給部52と接続しインク収納部53と連通
する連通管71が上部に備えられるとともに、下壁には
記録ヘッド60にインクを供給するための液体供給部と
してのインク供給路12が開口している。インク供給路
12の開口は連通管71の下方に位置している。つま
り、連通管71およびインク供給路12の開口は、いず
れも毛管力発生部材収納室10の一端部に設けられてい
る。なお、インク供給路12の開口にはフィルタ70が
設けられており、記録ヘッド60への異物の侵入を防止
している。
【0025】毛管力発生部材収納室10はさらに、大気
導入溝17および大気連通口15を備えている。大気導
入溝17は、後述する気液交換を促進するためのもので
あり、連通管71の近傍の上壁面内側に、毛管力発生部
材収納室10の他端側に向かって水平方向に形成され、
連通管71の内部と連通している。大気連通口15は、
毛管力発生部材13と外気とを連通させるためのもので
あり、毛管力発生部材収納室10の他端壁に形成されて
いる。毛管力発生部材収納室10の、大気連通口15の
近傍は、毛管力発生部材13が存在しないバッファ部1
6となっている。本実施形態においては、連通管71
は、毛管力発生部材13と当接するとともに、その端部
は大気導入溝17とも連続しており、後述する液体供給
動作をスムーズに実現することが可能となっている。
【0026】なお、図1を含め以下の各断面図におい
て、毛管力発生部材13がインクを保持している領域に
ついては斜線部で示す。また、インク収納部53や大気
導入溝17、気液交換通路などのような空間内に収納さ
れているインクを網線部で示す。
【0027】ここで、インクタンク50のインク供給部
52の近傍、およびヘッド付ホルダ30の連通管71の
近傍の構造について、図2を参照して詳細に説明する。
【0028】連通管71の内部には、インク誘導体75
が挿入されている。インク誘導体75は、インクを連通
管71の上端から毛管力発生部材13まで良好に導くた
めのものであり、例えばフェルト状のものや、繊維状体
を連通管71の軸方向に沿って束ねたもの(一方向繊維
束)などが用いられる。連通管71の内壁には、大気導
入溝17に連通するとともにインク誘導体75に隣接す
る大気導入路72が連通管71の上端から下端にわたっ
て形成される。さらに、連通管71の側面には、連通管
71の軸方向に沿ったスリット73が連通管71の基部
から先端にわたって形成される。このスリット73は、
インク誘導体75が位置する側に形成され、スリット7
3からはインク誘導体75が露出している。
【0029】毛管力発生部材収納室10の上壁には、連
通管71を取り囲む位置に密閉部材としてのベローズ7
4が固定されている。このベローズ74は、インクタン
ク50のインク供給部52に連通管71を挿入する際の
インク漏れを防止するためのものであり、その高さは連
通管71の高さよりも高くなっている。ベローズ74
は、ゴムなどの弾性体で構成することができる。インク
供給部52に連通管71を挿入した際に連通管71とベ
ローズ74との間に漏れたインクは、スリット73を介
して毛管力発生部材収納室10内に流れ込むことができ
る。
【0030】一方、インクタンク50のインク供給部5
2に溶着されたシール部材57は中央部に開封溝87が
形成され、インク供給部52を連通管71に対して押し
込むことによってシール部材57が開封溝87で破ら
れ、インク供給部52内に連通管71が挿入される構成
となっている。
【0031】再び図1に戻り、本実施形態のインクタン
ク50は、略直方体形状をなす6つの平面から構成さ
れ、円筒状のインク供給部52が曲面として付加された
ものであり、この直方体形状の最大面積面は、図1上で
間接的に表示されている。そして、内壁54の厚さは、
直方体の各面の中央域より頂点部分(頂点部分が微小曲
面形状をなす場合も含め、以下、角部と称する)を構成
する部分の方が薄く、各面の中央域から前記角部それぞ
れに向かって徐々に減少しており、インク収納部内側に
凸の形状を有している。この方向は、言い換えると面の
変形方向と同じであり、後述する変形を促進させる効果
を有する。
【0032】また、内壁54の角部は3面により構成さ
れているので、結果として内壁54の角部全体の強度は
中央域の強度に比べ相対的には強くなっている。また、
面の延長から見れば、中央域に比べて厚さは薄いので後
述する面の移動を許容する。この内壁54の角部を構成
する部分は、それぞれほぼ同等の厚さであることが望ま
しい。
【0033】なお、図1は模式的概略図であるため、イ
ンクタンク50の外壁51と内壁54とは接触している
ように描かれているが、実際は分離可能な状態になって
いればよく、内壁54と外壁51が接触していても、微
小な空間を隔てて配置されるように構成されていてもよ
い。ただし、インクタンク50をヘッド付ホルダ30に
装着する前、すなわちインクタンク50の使用前におい
ては、内壁54は外壁51の内面形状に沿って、少なく
とも外壁51の角部に内壁54の角部がくるように成形
されている(この状態を、初期状態と称する)。
【0034】このとき、インク収納部53内について
は、シール部材57を開封した際にインク供給部52が
わずかに負圧となるよう、インク収納部53に収納可能
なインク量よりわずかに少ないインクを収納しておく
と、外力、温度変化、気圧の変化からシール部材57の
開封時にインクが外部に漏出することをより確実に防ぐ
ことができる。
【0035】また、このような環境変化に対する観点か
ら、接続前のインク収納部53に収納される空気の量は
極めて少ないことが望ましい。インク収納部53内に収
納される空気量を減らすためには、例えば特願平9−2
00126号明細書に開示されるような液体注入方法を
用いればよい。
【0036】一方、毛管力発生部材収納室10の毛管力
発生部材13は、通常はその一部にインクを保持してい
る。
【0037】ここで、毛管力発生部材13に収納される
インク量は、後述するインクタンク50の交換時に毛管
力発生部材13に収納されていたインク量によるので、
多少のばらつきがあってもよい。また、大気導入溝17
及び連通管71に関しては、必ずしも液体で充填されて
いる必要はなく、図1に示すように空気を含んでいても
よい。
【0038】次に、本液体供給システムのインクの液体
供給動作について、図3〜図8を用いて説明する。図3
〜図7のそれぞれは、図1に示す液体供給システムのイ
ンクタンク50をヘッド付ホルダ30に装着し、記録ヘ
ッド60からインクを吐出したときの変化を図3〜図7
の順に示す概略説明図であり、(a)は、図1と同じ断
面による断面図、(b)は、図1のA−A線断面図を示
している。また、図8は、図1に示すインク供給口O
(毛管力発生部材収納室10へのインク供給路12の開
口部)からのインク導出量とインク供給口部の負圧の関
係を示す説明図であり、横軸はインク供給口Oからの外
部へのインク導出量、縦軸はインク供給口部の負圧(静
負圧)である。図8では、図3〜図7に示す負圧の変化
の状態を矢印で示している。
【0039】図3(a)、(b)は、インクタンク50
をヘッド付ホルダ30に装着した直後の、インクタンク
50内のインクが毛管力発生部材収納室10へ導出され
る前の状態を示している。
【0040】インクタンク50のヘッド付ホルダ30へ
の装着は、ヘッド付ホルダ30の上方からインクタンク
50をタンクホルダ11の開口内に挿入することで行わ
れる。これにより、インクタンク50の抜け止め爪82
がタンクホルダ11の抜け止め穴84に嵌合するととも
に、ラッチレバー80のラッチ爪81がタンクホルダ1
1の係合穴8に係合し、インクタンク50がタンクホル
ダ11に保持される。また、これにより図9に示すよう
に、毛管力発生部材収納室10の連通管71が、シール
部材57の開封溝87を突き破ってインク供給部52内
に侵入し、インクタンク50のインク収納部53と毛管
力発生部材収納室10とが連通する。
【0041】この際、ベローズ74が先にシール部材5
7に接して連通管71の周囲を密閉した後、インクタン
ク50の挿入に伴ってベローズ74が圧縮されて連通管
71がシール部材57を開封するので、シール部材57
の開封時にインクがベローズ74の外部に流出すること
はない。また、連通管71の側面にはスリット73が形
成されているので、ベローズ74の内側かつ連通管71
の外側に漏れたインクはスリット73を通って連通管7
1内へ流れ込む。これにより、連通管71の周囲にイン
クが溜まることがなくなり、ユーザやカートリッジの汚
れが防止される。また、インクタンク50の着脱動作に
伴う、連通管71への付着インクの増加を抑えることが
できる。特に、スリット73はインク誘導体75と接す
る位置に形成されているので、スリット73から連通管
71内に侵入したインクは直ちにインク誘導体75に吸
収され、連通管71内へのインクの流れ込みを効果的に
行うことができる。
【0042】インクタンク50がヘッド付ホルダ30に
装着されると、インクタンク50内のインクは連通管7
1を通って毛管力発生部材収納室10に供給される。こ
のとき、毛管力発生部材収納室10内では、図4
(a)、(b)に示すように、毛管力発生部材収納室1
0とインクタンク50の圧力が等しくなるまで、図4
(a)の矢印のようにインクが移動し、インク供給口O
における圧力が負となる状態で平衡状態になる(この状
態を、使用開始状態と称する。)。
【0043】そこで、この平衡状態となるためのインク
移動について、詳細に説明する。
【0044】インクタンク50のインク供給部52に毛
管力発生部材収納室10の連通管71を挿入すると、イ
ンク収納部53内のインクが連通管71へ流れて毛管力
発生部材収納室10の毛管力発生部材13との間にイン
クパスが形成される。また、図3(a)で示す状態で空
気が連通管71内に存在する場合、空気はインク収納部
53へと移動する(なお、図4においてはこの空気は省
略している。)。
【0045】インクパスが形成されると、毛管力発生部
材13の毛細管力により、インク収納部53から毛管力
発生部材13へのインク移動が開始される。このとき、
内壁54は、インク収納部53の体積が減少する方向
に、面積最大の面の中央部から変形をはじめる。
【0046】ここで、外壁51は内壁54の角部の変位
を抑制する働きをするため、インク収納部53はインク
消費による変形の作用力と初期状態(図1)の形状に戻
ろうとする作用力とが働き、急激な変化をすることな
く、変形の度合いに応じた負圧を発生するようになる。
なお、内壁54と外壁51の空間は、大気連通口55を
介して外気に連通しているので、上記変形に応じて内壁
54と外壁51との間に空気が導入される。また、大気
導入溝17へのインク導入については、本実施形態のよ
うにインク収納部53の発生する負圧より大気導入溝1
7の毛管力が大きい場合はインクが充填される。
【0047】インク移動が開始され、毛管力発生部材1
3にインクが充填されていくと、大気導入溝17の先端
部(図示右端部)より大気連通口15側にもインクが充
填されるようになり、大気導入溝17は大気とは連通し
なくなる。すると、インクタンク50は毛管力発生部材
収納室10を介してのみインク及び大気のやり取りを行
なうようになるため、インクタンク50の気液交換通路
における静負圧と、毛管力発生部材収納室10の連通管
71における静負圧とが等しくなるように、さらなるイ
ンクの移動が行なわれる。
【0048】すなわち、このときの毛管力発生部材収納
室10側の負圧がインクタンク50側の負圧より大いの
で、両者の負圧が等しくなるまで、インクタンク50か
ら毛管力発生部材収納室10へ更なるインク移動が行な
われ、それに伴い毛管力発生部材収納室10の毛管力発
生部材13が保持するインク量が増大する。このよう
に、インクタンク50から毛管力発生部材収納室10へ
のインクの移動においては、インクタンク50に毛管力
発生部材13を介した気体の導入をすることなく行われ
る。平衡状態となった時のインクタンク50および毛管
力発生部材収納室10の静負圧は、インク供給路12に
接続されている記録ヘッド60からインクが漏れ出ない
よう、記録ヘッド60の種類に応じて適切な値(図8の
α)となるように設定すればよい。
【0049】インクタンク50から移動可能なインク量
の下限は、毛管力発生部材13の上面で大気導入溝17
の先端位置(後述する気液界面)まで毛管力発生部材1
3をインク充填する時のインク量であり、上限は毛管力
発生部材13を完全にインク充填する時のインク量とな
る。従って、接続前に毛管力発生部材13に保持される
インク量のばらつきを考慮したうえで、これらの上限、
下限のインク量から毛管力発生部材13へ移動するイン
ク量を決定すると、このインク量と平衡状態での負圧の
値αをもとに毛管力発生部材13に対応したインク収納
部53の材料、厚さを適切に選択することができる。
【0050】また、接続前に毛管力発生部材13に保持
されるインク量のばらつきが存在するため、平衡状態に
達した場合でも、毛管力発生部材13の大気連通口15
側にインクが充填されない領域が残っていることがあ
る。この領域は、バッファ部16とあわせ、後述する温
度や圧力の変化に対するバッファ領域として利用するこ
とができる。
【0051】逆に、ばらつき量の影響により、平衡状態
に達した時のインク供給口部の圧力が正になってしまう
恐れのある時は、後述する液体吐出記録装置本体に設け
られる吸引回復手段により吸引回復を行ない、若干のイ
ンクを流出させることで対応してもよい。
【0052】なお、接続時における連通管71内でのイ
ンクパスの形成は、接続時の衝撃を利用して行なっても
よく、接続時にインク収納部53を外壁51ごと押圧す
るなど、インク収納部53を加圧することにより行なっ
てもよい。また、接続前のインク収納部53をごく僅か
な負圧状態にしておき、この負圧を利用して連通管71
内の気体をインク収納部53へ移動させることを促進さ
せてもよい。
【0053】次に、図5に示すように、記録ヘッド60
によりインクを吐出し、インクの消費を開始する。この
とき、インク収納部53と毛管力発生部材13の双方の
発生する静負圧の値が増大する方向にバランスを取りつ
つ、インク収納部53と毛管力発生部材13の双方に保
持されたインクが消費される。(第1のインク供給状
態、と称する。)。
【0054】すなわち、記録ヘッド60からインクが消
費されると、毛管力発生部材収納室10の毛管力発生部
材13の液面位置が図示左方向すなわちインク供給口O
に向かって移動するとともに、インク収納部53がさら
に変形し、インク収納部53の中央部分が内方に向かう
安定した潰れかたが維持される。
【0055】ここで、溶着部56も、内壁54の変形規
制部分となり、最大面積を有する面に隣接する面につい
て、相対的に溶着部56を有する領域より、溶着部56
を有していない部分が先に変形を始め、内壁54が外壁
51から離間する。なお、本実施形態では表面積最大の
対向する面が、ほぼ同時に変形を行うため、より安定し
た変形を実現している。
【0056】なお、図5に示す状態でのインク供給口O
からのインク導出量に対する静負圧の変化は、図8のA
に示す領域のように、インク導出量に比例して静負圧が
少しずつ増大する形となる。この第1のインク供給状態
においても、インク収納部53には連通管71を経由し
て空気が入ることがない。
【0057】インク供給口Oからのインクの導出がさら
に進むと、図6に示すように、インク収納部53に気体
が導入されるようになる(以下、気液交換状態、または
第2のインク供給状態と称する。)。
【0058】このとき、毛管力発生部材13の液面位置
は大気導入溝17の先端部でほぼ一定(気液界面)であ
り、大気連通口15から大気導入溝17及び連通管71
を経由した空気がインクタンク50に入ることで、イン
クタンク50からインクが連通管71のインク誘導体7
5を通じて毛管力発生部材収納室10の毛管力発生部材
13へと移動する。
【0059】従って、液体吐出記録手段としての記録ヘ
ッド60によりインクが消費されてもその消費量に応じ
てインクが毛管力発生部材13に充填され、毛管力発生
部材13は一定量のインクを保持し、また、インク収納
部53も空気が導入されることで、気液交換時の形状を
ほぼ維持したままインクタンク50の負圧をほば一定に
保つので、記録ヘッド60へのインク供給が安定する。
図6に示す状態でのインク供給部からのインク導出量に
対する静負圧の変化は、図8のBに示す領域のように、
インク導出量に対し、ほば一定の値となる。
【0060】さらにインク供給口Oからのインクの導出
がさらに進むと、図7に示すように、インク収納部53
のインクはほば完全に消費され、毛管力発生部材収納室
10内に残存するインクを消費するようになる。図7に
示す状態でのインク供給口Oからのインク導出量に対す
る負圧の変化は、図8のCに示す領域のように、インク
導出量に比例して負圧が増大する形となる。このような
状態になったら、インクタンク50を取り外しても、連
通管71からインク漏れが生じる恐れは少ないので、イ
ンクタンク50を取り外し、新たなインクタンクと交換
すればよい。
【0061】図1に示す実施形態におけるインクタンク
の液体供給動作は以上の通りである。
【0062】すなわち、インクタンク50を毛管力発生
部材収納室10と接続させると、毛管力発生部材収納室
10とインクタンク50の圧力が等しくなるまでインク
が移動して使用開始状態となり、その後、記録ヘッド6
0によりインクの消費が開始されると、まずはインク収
納部53と毛管力発生部材13の双方の発生する静負圧
の値が増大する方向にバランスを取りつつ、インク収納
部53と毛管力発生部材13の双方に保持されたインク
が消費される。その後、インク収納部53に気体が導入
されることで毛管力発生部材13が気液界面を保ちなが
らインクの導出に対しほぼ一定の負圧を保持する気液交
換状態を経て、毛管力発生部材収納室10内に残存する
インクを消費するようになる。
【0063】このように、本発明では、インク収納部5
3へ外気を導入することなくインク収納部53のインク
を使用する工程を有するため、このインク供給工程(第
1のインク供給状態)においてインクタンク50の内容
積の制限は、結合時においてインク収納部53に導入さ
れた空気のみを考慮すればよいことになる。すなわち、
インクタンク50内の内容積の制限を緩和しても、環境
変化に対応可能であるという利点がある。
【0064】また、本発明によれば、インクタンク50
内のインクをはぼ完全に消費することができるだけでな
く、交換時に連通管71に空気を含んでいてもよく、毛
管力発生部材13のインク保持量によらずインクタンク
50の交換が可能であるので、従来技術のように残量検
出機構を設けなくとも、インクタンク50を交換可能な
インク供給システムを提供することができる。
【0065】なお、図8に示すようにインク導出量に比
例して負圧が増大し(Aの領域)、その後一定の値を保
ち(Bの領域)、さらにその後インク導出量に比例して
負圧が増大する(Cの領域)ためには、インク収納部の
対向する変形面が互いに接するようになる前に、大気導
入が行なわれる、すなわちAの領域からBの領域に移行
することが望ましい。これは、対向する最大面積面が接
触する前後で、インク収納室におけるインク導出量に対
する負圧の変化の割合が異なるためである。
【0066】さらに、本発明の構成によれば、第2のイ
ンク供給状態など、インク収納部に空気を含む場合にお
いても、従来の方法とは異なる解決方法により、環境の
変化に対応することが可能な構成となっている。
【0067】そこで、次に、図1に示すインクタンク
の、環境条件を変化させた場合の安定した液体保持のメ
カニズムについて図10を用いて説明する。
【0068】図10(a)、(b)は毛管力発生部材の
バッファ吸収体としての機能、及びインク収納部のバッ
ファ作用を説明する説明図であり、図6の状態(気液交
換状態)から大気圧の減圧ないしは気温の上昇などによ
るインク収納部内の空気の膨張した時のインク収納部の
変化を示している。
【0069】すなわち、大気圧の減圧(あるいは気温の
上昇)により、インクタンク50内の空気が膨張する
と、インク収納部53を構成する壁面(図10(a)、
(b)の)及び液面(図10(a)の)が押圧さ
れ、インク収納部53の内容積が増加すると共に、一部
のインクは連通管71を介してインク収納部53内から
毛管力発生部材収納室10側へと流出する。ここで、イ
ンク収納部53の内容積が増加するために、毛管力発生
部材13へ流出するインク量(図10(a)のに示さ
れる毛管力発生部材13の液面の移動)はインク収納部
53が変形不能な場合に比べ大幅に少ないものとなる。
【0070】ここで、連通管71を通じて流出するイン
ク量は、インク収納部53内の空気が膨張する際に壁面
を押圧してインク収納部53の内容積を増加させる時の
壁面の変形に伴う抵抗力と、インクを移動させて毛管力
発生部材13に吸収させるための抵抗力との大ささによ
って決定される。特に、本構成の場合、毛管力発生部材
13の流抵抗が内壁54の復元に対する抵抗より大きい
ので、空気の膨張にともない、まずインク収納部53の
内容積が増加し、この増加分の上限より空気の膨張によ
る体積の増加が大きい場合、連通管71を介してインク
収納部53内から毛管力発生部材収納室10側へインク
が流出するようになる。従って、インク収納部53の壁
面が環境変化に対するバッファとしての機能を果たすた
め、毛管力発生部材13内のインクの移動が緩やかにな
り、インク供給口部における負圧特性が安定する。
【0071】なお、本実施形態では毛管力発生部材収納
室10に流出したインクは毛管力発生部材13で保持さ
れるようにしている。この場合、毛管力発生部材収納室
10のインク量が一時的に増加して気液界面が図示右方
向へ移動するので、使用初期と同様にインク内圧の安定
期より一時的にやや正側の内圧になるが、記録ヘッド6
0の吐出特性への影響は小さく、実使用上の問題はな
い。また、大気圧が減圧前のレベルに回復(1気圧に戻
る)した場合(あるいは元の温度に戻った場合)は、毛
管力発生部材収納室10に漏出して毛管力発生部材13
に保持されていたインクが再びインク収納部53に戻る
と共にインク収納部53の体積が元の状態へと戻るよう
になる。
【0072】本発明における、毛管力発生部材のインク
吸収量とインクタンクとの関係については、前述の減圧
ないしは温度変化時の大気連通口などからのインクの漏
れを防止するという観点から、インクタンクからの最悪
条件下でのインク流出量と、インクタンクからのインク
供給時に毛管力発生部材収納室に保持させるインク量と
を考慮して毛管力発生部材収納室の最大インク吸収量を
決め、少なくともその分の毛管力発生部材を収納するだ
けの容積を毛管力発生部材収納室に持たせれば良い。
【0073】図10(c)に、仮に図10(a)、
(c)のインク収納部53が空気の膨張に対しまったく
変形しないと仮定し、減圧前のインクタンク50の初期
空間体積と0.7気圧に減圧した場合のインク流出量と
の関係を一点鎖線で示した。
【0074】このグラフから明らかなように、このとき
のインク導出量△Vは、減圧時の圧力をP(0<P<
1)、インクタンク50の初期空気量の割合をa(0≦
a≦1)、膨張前のインク収納部53の体積をVBとす
ると、おおよそ以下の式で表される。
【0075】(1)0≦a<Pの時 減圧下で膨張するインクタンク50内の空気は、残余イ
ンク量が少ないほど大きくなり大量のインクが押し出さ
れるため、インク導出量△Vは初期空気量に比例し、 △V=((1−P)/P)×a×VB (式1) で表わされる。
【0076】(2)P≦a≦1の時 インクタンク50内のインク量以上に流出することはな
いため、初期に収納されていたインク量に依存し、 △V=(1−a)×VB (式2) で表わされる。
【0077】従って、インクタンク50からのインク流
出量の最悪条件での見積は、例えば、大気圧の最大減圧
条件を0.7気圧とした場合、インクタンク50からの
インク流出量が最大となるのはインクタンク50の容積
Bの30%のインクがインクタンク50に残余してい
る場合であり、インク室壁下端部より下のインクも毛管
力発生部材収納室10の毛管力発生部材13に吸収され
るとすれば、インクタンク50に残余している全てのイ
ンク(VBの30%)が漏出すると考えれば良い。
【0078】ところが、実際はインク収納部53が空気
の膨張に対して変形するので、膨張前のインク収納部5
3の内容積に対し、膨張後のインク収納部53の内容積
は増加するため、減圧前のインクタンク50の初期空間
体積と0.7気圧に減圧した場合のインク流出量との関
係は実線のようになる。
【0079】すなわち、このときの膨張の割合をt(t
>1)とし、tが定数であるすると、インク導出量△V
は、おおよそ以下の式で表される。
【0080】(3)0≦a<P×tの時 インク導出量△Vは初期空気量に比例するが、インク収
納部53の膨張により △V=(((1−P)/P)×a−(t−1))×VB (式3) ただし、上記の式3において、△V<0の場合は△V=
0となる。すなわち、この状態の時は連通管71を介し
たインクの移動は起こらず、インク収納部53の内容積
の膨張だけが行なわれる。
【0081】(4)P×t≦a≦1の時 インクタンク50内のインク量以上に流出することはな
いため、初期に収納されていたインク量に依存し、 △V=(1−a)×VB (式4) で表わされる。
【0082】この図から明らかなように、インクタンク
50からのインク流出量の最悪条件での見積は、インク
収納部53が空気の膨張に対しまったく変形しないと仮
定した場合よりも小さくすることがでさる。例えば、大
気圧の最大減圧条件を0.7気圧、t=1.2とした場
合、インクタンク50からのインク流出量が最大となる
のはインクタンク50の容積VBの16%のインクがイ
ンクタンク50に残余している場合であり、その流出量
はインク収納量の容積VBの16%となる。
【0083】なお、実際にはtは連通管71を移動する
インクの流抵抗との関係があるため、実際にはaの関数
となり、一定の値とはならないことも起こりうるが、そ
の場合でもインク収納部53が変形しない場合よりは流
出するインク量が小さいことは言うまでもない。また、
tの上限は、図10(a)に示す状態での、外壁51の
内面の大きさと、インク収納部53の気体の膨張前の内
容積とによって決めることができる。
【0084】上記の現象は温度変化の場合でも同様であ
るが、50deg程度の温度上昇があっても流出量は上
記減圧時よりも少ない。
【0085】このように、本発明によれば、インク収納
部の外形形状が外壁の内面の形状と実質的に等しくなる
まで復元するので、このインク収納部の復元によるバッ
ファ作用により、インク収納室のインク収納量を大幅に
増大しても環境変化に対応可能なインク供給システムを
提供することがでさる。従って、使用する毛管力発生部
材及びインク収納部の材料を適宜選択することで、毛管
力発生部材収納室とインク収納室との体積割合を任意に
決定することができ、1:2より大きな場合でも、実用
上使用することができる。
【0086】インクタンクのバッファ効果を重視する場
合には、弾性変形可能な範囲内で使用開始状態に対する
気液交換状態でのインク収納部の変形量を大きくするよ
うにすればよい。
【0087】なお、上述のインク収納部のバッファ効果
を有効に機能させるためには、インク収納部の変形が少
ない状態でインク収納部内に存在する空気量が少ないこ
と、すなわち、接続後、気液交換状態の前にインク収納
部内に存在する空気の量はなるべく少ないことが望まし
い。
【0088】以上、本発明の第1の実施形態を用いて、
本発明の要部について説明を行なったが、本発明を適用
可能な他の実施形態について、以下に説明する。なお、
以下の各実施形態、及び上述の実施形態について、組み
合わせ可能な要素については任意の組み合わせが可能で
あることは言うまでもない。
【0089】(第2の実施形態)図11は、本発明の第
2の実施形態のインクジェットカートリッジの要部断面
図である。
【0090】本実施形態では、インクタンク150は二
重の容器ではなく、外壁151のみで構成されるものを
用いている。また、毛管力発生部材収納室110の上壁
には、インクタンク150がヘッド付ホルダ130に装
着された状態で連通管171の周囲の空間を密閉する密
閉部材としてOリング174が固定されている。その他
の構成は第1の実施形態と同様である。
【0091】このような構成においても、インクタンク
150の着脱動作に伴って連通管171に付着したイン
クや、インク供給部152に連通管171を挿入した際
に連通管171とOリング174との間に漏れたインク
は、第1の実施形態と同様に、連通管171の側面に形
成されたスリット173を介してインク誘導体175に
吸収されて連通管171内に流れ込む。これにより、連
通管171へのインクの付着および連通管171の周囲
へのインク溜りを抑えることができる。
【0092】(第3の実施形態)図12は、本発明の第
3の実施形態のインクジェットカートリッジの要部断面
図である。
【0093】本実施形態では、インク誘導体275の上
端の位置が、大気導入路272の開口端の位置よりも高
くなるように、連通管271の上端面が斜めに形成され
ている点が第1の実施形態と異なっている。その他の構
成は第1の実施形態と同様である。
【0094】このように連通管271の上端面を斜めに
形成することで、第1の実施形態と同様の効果に加え、
連結管271をインクタンク250のインク供給部25
2に挿入したとき、インク誘導体275が先にインク収
納部253と連通するのでインク収納部253内のイン
クは優先的にインク誘導体275に流れ、インク収納部
253内のインクを効率的に毛管力発生部材213に供
給することができる。
【0095】以上上述した各実施形態においては、イン
クタンクとの接続部について、液体供給の主となる開口
部とは異なる場所に開口部を設け、この開口部を毛管力
を発生する部分と実質的に連通状態になるようにするこ
とで、供給管に付着したインクを毛管力を発生する部分
に回収し、固着を防ぐことができる。なお、上述した各
実施形態のように、上記毛管力を発生する部分と実質的
に連結状態となる開口部は、液体供給の主となる開口部
と連続していてもよい。
【0096】(第4の実施形態)図13は、本発明の第
4の実施形態のインクジェットカートリッジの断面図で
ある。
【0097】本実施形態では、インクタンク350を記
録ヘッド360に直接接続する例を示す。
【0098】インクタンク350は、記録ヘッド360
に対して着脱自在に設けられたもので、第1の実施形態
と同様に、外壁351と内壁354とで構成され、内部
にインクを収納するインク収納部353、インク収納部
353のインクを記録ヘッド360に導出するためのイ
ンク供給部352を備えている。ただし本実施形態で
は、インク供給部352は、インクタンク350の下端
部に位置しており、インクタンク350の側端面に開口
している。
【0099】一方、記録ヘッド360は、インクタンク
350内のインクを導入するためにインクタンク350
のインク供給部352に挿入される連通管371と、連
通管371を介して導入されたインクを吐出口361へ
供給するためのインク供給路312とを備えている。連
通管371は、記録ヘッド360の下端部において側方
に突出して設けられており、記録ヘッド360とインク
タンク350とは横方向に接続される。連通管371の
内部には、連通管371の内部において上部に空間を形
成するようにインク誘導体375が挿入されている。連
通管371の側面には、その下端部において、連通管3
71の軸方向に沿ったスリット373が、連通管371
の基部から先端にわたって形成されている。また、連通
管371の周囲は、第1の実施形態と同様にベローズ3
74によって囲まれている。
【0100】上記の構成によれば、インクタンク350
の着脱動作に伴い連通管371の周囲に付着したインク
は、連通管371の側壁を伝わってスリット373内に
侵入し、インク誘導体375に吸収され、インク供給路
312に供給される。これにより、連通管371へのイ
ンクの付着が抑えられる。
【0101】なお、上述の第1〜3の実施形態では、連
通管とインクタンクとの接続を上下方向(鉛直方向)か
ら行う例を示したが、本発明においては特にこの方向に
限られるものではなく、本実施形態のように横方向(水
平方向)から接続する場合にも適用できる。つまり、連
通管とインクタンクとの接続方向は特に限定されるもの
ではない。ただし、連通管の周囲のへのインクの付着を
より効果的に防止するためには、上下方向から連通管と
インクタンクとの接続を行うことが望ましい。 <その他の実施形態>以上、本発明の実施形態について
説明を行なったが、以下に各実施形態に適用可能なその
他の実施形態及び各実施形態の変形例についての説明を
行なう。なお、以下の説明では、特に断りのない限り
は、上述の各実施形態に適用可能である。
【0102】<毛管力発生部材収納室の構造>まずはじ
めに上述の各実施形態における毛管力発生部材収納室の
構造について、補足説明を行なう。
【0103】毛管力発生部材収納室(毛管力発生部材収
納容器)に収納される毛管力発生部材としては、ポリウ
レタンフォームなどの多孔質部材の他、繊維をフェルト
状にしたものや繊維塊を熱成形したものなどを用いるこ
とができる。
【0104】連通管については、管状のもので説明した
が、気液交換状態において気液交換を阻害するものでな
ければ、どのような形態のものを用いていも良い。
【0105】また、上述の各実施形態では毛管力発生部
材がない空間(バッファ部)を連通管とは反対側の端部
近傍に設けているが、これを無くし、かわりに通常の状
態では液体を保持していない毛管力発生部材を充填して
いても良い。このようにバッファ空間に液体を保持しな
い毛管力発生部材が存在することで、前述の環境変化の
際に毛管力発生部材収納室へ移動したインクを保持する
ことが可能となる。
【0106】<インクタンクの構造>次に上述の各実施
形態におけるインクタンクの構造について、補足説明を
行なう。
【0107】インクタンクが毛管力発生部材に対して着
脱可能な場合、インクタンクの毛管力発生部材収納室と
の連通部には、結合時の連通部からの液体や空気の漏れ
を防止すると共に結合前のインク収納部内のインクの導
出を防止する部材としてのシール部材が設けられる。各
実施形態ではシール部材はいずれも膜状のものを使用し
ているが、ボール状の栓などを使用してもよい。
【0108】また、上述の各実施形態のインクタンク
は、ダイレクトブロー製造方法によって形成される。す
なわち、互いに分離可能な筐体(外壁)とインク収納部
(内壁)とは、略多角柱の型に対して円筒状のパリソン
をエアーブローによって均一に膨張させることで形成さ
れるものである。これにかわり、例えば可撓性の袋内に
金属製のばね等を備えることで、インクの導出に伴い負
圧を発生させるようにしてもよい。
【0109】しかし、ブロー成形を用いることで、筐体
内面形状と同等あるいは相似形の外面形状を有するイン
ク収納部を容易に製造することができるだけでなく、イ
ンク収納部を構成する内壁の材料、厚みを変えることで
容易に発生する負圧を設定できる利点がある。さらに、
内壁、及び外壁の材料に熱可塑性樹脂を利用すること
で、リサイクル性に富んだインクタンクを提供すること
ができる。
【0110】ここで、前述した各実施形態における「外
壁」の構造および「外壁」が「内壁」に対して及ぼす結
果的な構造について補足説明する。
【0111】前述した各実施形態では、インクタンクは
ブロー成形により製造されるため、内壁は、容器を構成
する面の中央近傍領域の厚みにくらべ角部近傍の厚みの
方が薄く形成されている。また外壁も同様に、容器を構
成する面の中央近傍領域の厚みにくらべ角部近傍の厚み
の方が薄く形成されている。さらに、外壁に対して内壁
は、各面の中央部から各面の角部に向かって徐々に減少
する厚み分布を有する外壁に積層されることで形成され
ている。
【0112】この結果、上記内壁は外壁の内面に対して
一致する外面を有することになる。この内壁の外面は、
外壁の厚み分布に対して沿うため、内壁が形成するイン
ク収納部側に向かって凸となる。そして、内壁の内面
は、上述した内壁の厚み分布を有するので、より一層イ
ンク収納部に向かって凸となる。これらの構造は、最大
面積部で特に前述した機能を発揮するため、本発明とし
ては、このような凸状形状は少なくとも最大面積部で存
在すれば良く、その凸状形状も内壁面として2mm以下
で良く、内壁外面で1mm以下でよい。この凸状形状
は、小面積部では測定誤差範囲内になることもあるが、
略多角柱インクタンクの各面における変形優先順位をも
たらす1つの要因となるので、本発明にとって好ましい
条件の1つとなる。
【0113】加えて、外壁の構造について補足する。前
述した外壁の1つの機能として内壁の角部の変形を規制
することをあげたが、この機能を発揮する構造として
は、内壁の変形に対しては形状を維持でき、かつ角部の
周囲を覆う構造(角部包囲部材)を有するものであれば
よい。従って、プラスチック、金属あるいは、厚紙等の
材質で、上述した外壁または内壁を覆う構造にしてもよ
い。この外壁としては、全面でもよく、角部のみ面構造
で、この面構造を金属等の棒で結合するようなものでも
良い。さらに外壁は、メッシュ構造でも良い。
【0114】なお、本発明の実施形態においては、イン
ク収納部は略多角柱形状となっているが、この形態に限
定されるものではなく、少なくともインクの導出に伴い
変形可能で、この変形により負圧を発生可能であるもの
ならば、どのような形態であっても本発明の目的を達成
することが可能である。
【0115】さらに前述したインク収納部によるバッフ
ァ効果を得るためには、インク収納部が弾性変形可能で
あり、内部の収容物の膨張によりインク収納部が変形前
の形状に戻ることができること、すなわち弾性変形の範
囲内で変形することが求められる。もし、インク導出に
よる変形にともなう負圧の変化の割合が急激に変わる状
態が存在する場合(例えば変形部分同士が当接する場合
など)には、弾性変形の範囲内であっても、この急激に
変わる状態になる前に第1のインク供給状態を終え、第
2のインク供給状態が開始されるようになっていること
が望ましい。
【0116】また、本発明の液体収納容器に使用される
材料としては、内壁と外壁とが分離可能なものであれば
よく、内壁又は外壁にそれぞれ複数の材料を用いて、多
層により構成してもよい。また、インク収納室を単独で
負圧発生型液体収納容器として使用する場合より、内壁
としては弾性の高いものを使用することが可能となって
いる。内部に収容されるインクなどに対する影響を考慮
すれば、例えばポリエチレン樹脂、ポリプロビレン樹脂
などが好適に適用可能である。
【0117】<液体供給動作及びインク供給システム>
次に、液体供給動作及びインク供給システムに関する補
足説明を行なう。なお、ここでいうインク供給システム
とは、インクの最終的な供給先が記録ヘッドに限らない
もので、インクジェット記録分野以外の分野にも適用可
能な供給システムをいう。
【0118】上述した各実施形態のインク供給システム
におけるインク供給動作については、インクタンクと毛
管力発生部材収納室とが接続されていない初期状態か
ら、接続させた時の使用開始状態、第1及び第2のイン
ク供給状態を経るものとなっている。
【0119】ここで、上述した各実施形態の第1の変形
例として、気液交換状態、すなわち第2のインク供給状
態がないインク供給システムについても、インク収納部
へ外気を導入することなくインク収納部のインクを使用
する工程を有するため、液体収納容器の内容積の制限
は、結合時においてインク収納部に導入された空気のみ
を考慮すればよいことになる。すなわち、インクタンク
内の内容積の制限を緩和しても、環境変化に対応可能で
あるという利点があり、本発明の目的を達成し得る構成
となっている。ただし、インク収納部の使用効率を考慮
するならば、上述の各実施形態のように第1のインク供
給状態のあとに気液交換状態を有する方が、より容易に
インク収納部のインクを消費することができる。
【0120】第2の変形例としては、記録ヘッドからイ
ンクを消費する際の消費スピードが、極めて大さい場合
がある。このときは、第1の供給状態において、両者の
負圧が常時バランスを取るのではなく、両者の負圧の差
がある所定の値以上になるまでは毛管力発生部材収納室
のインクが優先的に消費され、負圧の差が一定以上にな
った時、インク収納室のインクが毛管力発生部材収納室
側へ移動するようになることが起こりうる。
【0121】<液体吐出記録装置>最後に、図1に示し
た本発明の一実施形態にかかるインクジェットカートリ
ッジを搭載して記録を行うインクジェット記録装置の説
明を行う。図14に、本発明の一実施形態にかかるイン
クジェットカートリッジを搭載するインクジェット記録
装置の概略図を示す。
【0122】図14において、タンクホルダ4010及
びインクタンク4100は、インクジェット記録装置本
体のキャリッジ5010に不図示の位置決め手段によっ
て固定支持されるとともに、該キャリッジ5010に対
してそれぞれ着脱可能な形で装着される。上述の実施形
態でも示したように、タンクホルダ4010はインクを
吐出する記録ヘッドが一体になったものであり、キャリ
ッジ5010は、記録ヘッドの吐出口を下向きに向けて
タンクホルダ4010を搭載する。
【0123】駆動モータ5130の正逆回転は駆動伝達
ギア5110、5090を介してリードスクリュ504
0に伝達され、これを回転させ、またキャリッジ501
0はリードスクリュ5040の螺旋溝5050に係合す
るピン(不図示)を有する。これによって、キャリッジ
5010は装置長手方向に往復移動される。
【0124】一方、被記録材Pは、紙送りモータ506
0の駆動による搬送ローラ5000の回転によりキャリ
ッジ5010の下方に送られる。この位置で、キャリッ
ジ5010を移動させながら記録ヘッドからインクを吐
出させることで、被記録材Pに記録が行われる。
【0125】記録ヘッドの前面をキャッピングするキャ
ップ5020は、不図示の吸引手段によりキャップ内開
口を介して記録ヘッドの吸引回復を行うために用いられ
る。キャップ5020はギア5080等を介して伝達さ
れる駆動力により移動して記録ヘッドの吐出口面を覆う
ことができる。キャップ5020の近傍には、不図示の
クリーニングブレードが設けられ、このブレードは図の
上下方向に移動可能に支持されている。ブレードは、こ
の形態に取られず、周知のクリーニングブレードが本例
に適用できることは言うまでもない。
【0126】これらのキャッピング、クリーニング、吸
引回復は、キャリッジがホームポジションに移動したと
きにリードスクリュ5040の作用によってそれらの対
応位置で所望の処理が行えるように構成されているが、
周知のタイミングで所望の動作を行うようにすれば、本
例にはいずれも適応できる。
【0127】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
供給管の側面にはその基部から先端にわたってスリット
が設けられているので、供給管に付着した液体はスリッ
を介して供給管内に流れ込むことが可能となってい
る。その結果、液体供給容器の着脱動作に伴う供給管の
周囲に付着する液体が少なくなり、ユーザや記録装置の
汚れを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態である、液体供給シス
テムを適用したインクジェットカートリッジの断面図で
ある。
【図2】図1に示したインクタンクのインク供給部の近
傍、およびヘッド付ホルダの連通管の近傍の拡大図であ
り、(a)は断面図、(b)は連結管の平面図である。
【図3】図1に示したインクジェットカートリッジの、
インクタンクをヘッド付ホルダに装着した直後の状態を
説明する説明図であり、(a)は図1と同じ断面による
断面図、(b)は図1のインクタンクのA−A線断面図
である。
【図4】図1に示したインクジェットカートリッジの使
用開始状態を説明する説明図であり、(a)は図1と同
じ断面による断面図、(b)は図1のインクタンクのA
−A線断面図である。
【図5】図1に示したインクジェットカートリッジのイ
ンク導出時の状態を説明する説明図であり、(a)は図
1と同じ断面による断面図、(b)は図1のインクタン
クのA−A線断面図である。
【図6】図1に示したインクジェットカートリッジの気
液交換状態を説明する説明図であり、(a)は図1と同
じ断面による断面図、(b)は図1のインクタンクのA
−A線断面図である。
【図7】図1に示したインクジェットカートリッジのイ
ンクタンク交換前の状態を説明する説明図であり、
(a)は図1と同じ断面による断面図、(b)は図1の
インクタンクのA−A線断面図である。
【図8】図1に示したインクジェットカートリッジのイ
ンク導出量とインク供給口部の負圧の関係を示す説明図
である。
【図9】図1に示したインクジェットカートリッジの、
インクタンクをヘッド付ホルダに接続した状態での、イ
ンク供給部の近傍、および連通管の近傍の拡大断面図で
ある。
【図10】(a)、(b)は図1に示したインクジェッ
トカートリッジの、環境条件を変化させた場合の安定し
た液体保持メカニズムの説明図、(c)は減圧時のイン
ク流出量を説明する説明図である。
【図11】本発明の第2の実施形態のインクジェットカ
ートリッジの要部断面図である。
【図12】本発明の第3の実施形態のインクジェットカ
ートリッジの要部断面図である。
【図13】本発明の第4の実施形態のインクジェットカ
ートリッジの断面図である。
【図14】本発明のインクジェット記録装置の一例の概
略説明図である。
【符号の説明】
10,110 毛管力発生部材収納室 11 タンクホルダ 12,312 インク供給路 13,213 毛管力発生部材 15 大気連通口 16 バッファ部 17 大気導入溝 30,130 ヘッド付ホルダ 50,150,250,350 インクタンク 51,151,351 外壁 52,152,252,352 インク供給部 53,253,353 インク収納部 54,354 内壁 55 大気連通口 56 溶着部 57 シール部材 60,360 記録ヘッド 61,361 吐出口 71,171,271,371 連通管 72,272 大気導入路 73,173,373 スリット 74,374 ベローズ 75,275,375 インク誘導体 80 ラッチレバー 174 Oリング
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−68776(JP,A) 特開 平8−99413(JP,A) 特開 平7−101073(JP,A) 特開 平8−258277(JP,A) 特開 平4−278359(JP,A) 特開 平7−148940(JP,A) 特開 平10−44452(JP,A) 特開 平4−214355(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/175

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を収納する液体供給容器が着脱自在
    に分離可能なヘッドカートリッジにおいて、 外部に液体を吐出する記録ヘッド部と、 前記記録ヘッド部に供給するための液体を保持可能な毛
    管力発生部材を収納するとともに、大気と連通する大気
    連通部を備える毛管力発生部材収納室と、 前記毛管力発生部材収納室の外方に突出し、前記液体供
    給容器の液体供給部内に挿入されることにより前記液体
    供給容器と前記毛管力発生部材収納室とを連通させる供
    給管とを有し、 前記供給管は、内部に、前記毛管力発生部材に液体を導
    入するための液体誘導部材を備え、該供給管の側面の、
    前記液体誘導部材が位置する側に、その基部から先端に
    わたってスリットが設けられていることを特徴とするヘ
    ッドカートリッジ。
  2. 【請求項2】 前記液体誘導部材に隣接して、前記供給
    管内に、気体を優先的に前記液体供給容器へ導入するた
    めの気体優先導入路が形成されている請求項1に記載の
    ヘッドカートリッジ。
  3. 【請求項3】 前記供給管の基部から先端までの高さ
    は、前記液体誘導部材側が前記気体優先導入路側よりも
    高い請求項に記載のヘッドカートリッジ。
  4. 【請求項4】 前記毛管力発生部材収納室には、前記液
    体供給容器が装着された状態で前記供給管の周囲の空間
    を外部に対して密閉する密閉部材が設けられている請求
    項1に記載のヘッドカートリッジ。
  5. 【請求項5】 液体を収納する液体供給容器が着脱自在
    に分離可能なヘッドカートリッジにおいて、 外部に液体を供給する記録ヘッド部と、前記記録ヘッド部の外方に突出し、 前記液体供給容器
    液体供給部内に挿入されることにより前記液体供給容器
    と前記記録ヘッド部とを連通させる供給管と、 前記供給管の基部を取り囲むとともに、前記液体供給容
    器が装着された状態で前記供給管の周囲の空間を外部に
    対して密閉する密閉部材とを有し、 前記供給管の側面に、その基部から先端にわたってスリ
    ットが設けられていることを特徴とするヘッドカートリ
    ッジ。
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